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暴動のきっかけがなんだったかはわからないけどな。
[PMCが先か人が先だったか、それを調べたところで今は有益な情報となるわけでもなくわざわざそれをしようとするものはいないだろう]
どちらにせよ死にたくは無かったというのには同意だな。
[目の前のスティーヴも生きることが目的なのだろうかと、ふと疑問に思うところはある。
カルロスの息子を狙うなど、仕返しに打たれてもしかたのないことをしてまで彼はPMCを見つけることに躍起になっていたような気もした。
捕食をすれば、彼のその心もまた知ることはできたのかもしれないが]
― 第二階層・集会室 ─
[フランの死体は見当たらない。外の死体のように勝手に片付けられたのかもしれない。
ちょっとだけ、赤を思い出して眉が寄った。
撃つ相手にはまだ迷う。
そも父親はずっと正しいんだというのは頭を占めている。
だから選べるのは昨日撃った(と思っている)スティーヴと、猫にゃーなエリカと、ノブ。
普段の子供なら、やり返すと称して構わずスティーヴを撃つのだろうが。
「考えろ」と言われたことが棘みたいに胸の奥に刺さっている。
今はスティーヴに銃を向ける事は、それを放棄して投げ出す、子供の言葉で言えば『悪い事』のように思え出来そうになかった。
実際は、考えている事を拒絶している――正しくは、結論がふくらみ過ぎて考えられないのだが。]
[カルロスやスティーヴの話に耳を傾けながら。
銃に落としていた顔を上げて見たのはエリカの方。
狙いを定めているというよりは、何かを推し量るように]
殲滅プログラムなんか。
[低く呟くと腕を持ち上げた。
狙うのは、彼のことを暁と呼んだ]
組まなければここまでにならなかったかもしれない。
― 第二階層・集会室 ─
(おっちゃんは多分、嘘は言ってない)
[それが真実であるという証拠も無かったが。
父親がPMCかもしれない、というとんでもない事を言いもしたが、それはあくまで仮定の話であったし、強制もしていない。
嘘をついていないからPMCじゃ無いのか?それともノブか、エリカなのか?
そっちの方を考え始めると止まらない、決まらない。
ぐるりと、落ち着かない思考を抱えたまま、
銃口は結局、そのぎりぎりまでノブとエリカの間を彷徨う事になる。]
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