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あら、メインイベントは今日は無いのね。
あ、本当だわ、招待券に書いてあったわ。残念。
[そこまで話すと、はた、と動きをとめてポンと左手の平を握った右手で打った]
ああ、なるほど、そこで利益が出るのね!
分かったわ、なんだかスッキリしたわ。
[嬉しそうにコロコロと笑った。]
正確には、運んだからのお駄賃じゃなくて、お駄賃が欲しくて運ばせていただいたんですけどね。半ば無理を言って。
だから、ニーナさんは何も悪くありませんよ。
[少女が気に病まないようにと、柔らかく笑みを向ける。
それから招待券を覗き込むレベッカに]
おそらく氷柱に閉じ込められた美女…といった感じなのですが。
どういった魔術かはわかりませんが、ポスターにするぐらいですから何か意味があるのではないかと思いますよ。
…これで関係なかったら誇大広告ですね。
[利益の話には、驚いたように目を丸くして]
……はあ。
よくわかりませんが、お役に立てたなら何よりです。
[意味の判っているらしい連れの青年と見比べて、曖昧に頷いた]
[向けられた笑みに、それでも若干気が引けた。
何だか、さっきから庇ってもらってばかりで
申し訳なくなってきた事もあるけれど、思わず苦笑を返す。
ふと、魔術の話に気付いて耳を傾ける。
そういえば、ブランさんはお楽しみだと教えてくれなかったし
ポスターはちらりとしか見ていなかったから良く判らないが
──氷柱に閉じ込められた、美女。]
[知らず、小さく溜息を零す。
純粋に、サーカスへ期待を寄せることが出来るなら
とても面白げな演目だと、きっと楽しめるだけれど。
3人の歩調に遅れないように歩みを進めながら、
ぼんやりと、そんな事を*考えて*]
氷柱に閉じ込められた美女?
それは、楽しみね。
出てくるのかしら?
それとも氷の中で動いて見せるのかしら?
[子供に負けずにキラキラと目を輝かせ、嬉しそうにパレードの先に目線をやる。]
──わっ!?
…と、レベッカさん。
[ぼんやりと歩みを進めている途中、突然視界に入った顔に
思わずハッと声を上げた。
話に耳は傾けていたけれど、突然覗き込まれるとは思わなかった]
え、と。うん。
……楽しみ、ですね。
[驚いた所為で、未だドキドキ言っている胸を押さえつつ、
へら、と薄く笑みを浮かべる。
誤魔化せているだろうか、と頭の端で考えながら
楽しげな表情の彼女へと、言葉を返して]
そうね、楽しみね。
うふふ、年甲斐もなく、って笑わないで頂戴ね?
[いつもならその彼女の笑みが不自然である事に気がついたかもしれないが、少々テンションの上がっている状態ではその笑みの奥の陰りに気がつくことはできず。
そのまま姿勢を戻してゆったりと歩を進める。]
ううん、まさか。笑いません。
幾つになっても、楽しいものは楽しいですから。
[本当に楽しげな様子に、つられるようにくすくすと笑みを向けて。
どうやら、気付かれずに済んだみたいだった。
そのまま、姿勢を戻した彼女に、ほ。と安堵の息を零す。
親しい付き合いをしている彼女なら、気付いても
可笑しくなかったのだろうが──気分が高揚している為だろうか。
少しばかり、サーカスに感謝した。
…尤も、自分が気落ちしている理由も、サーカスなのだけれど。]
えと。レベッカさん、サーカスとか見たこと無いんですか?
すっごく、嬉しそう。
んっとね、小さいとき…5つか6つの時くらいかな?
一回行ったっきりなのよね。
家族で旅行に行った村に来てて、いけたの。
楽しい思い出しかないのよね。ふふふ。
[少し茶色がかった金髪がふわりと揺れて、目の淵のほくろを隠した。
子供のように、笑む。]
すると、随分前になるんですね。
[彼女の言葉に、少しだけ驚いたように青を瞬いた。
あぁ、とても、楽しそう。]
それが楽しい思い出だったら。
期待しちゃいますよね。
[今回も、楽しいといいですね。と。つられて、小さく笑う。
私も、楽しい思い出が残っていればよかった。
今回は、残るだろうか。楽しい思い出が。
ちらりとそんな事を考えて、ふと、前に華やかなゲート]
あ。広場。
[見えましたね、と、目を細めて眺める。
賑やかな音楽と、色鮮やかな世界が視線の先に見えて]
[賑やかな広場へと揃って近付いていくと
手を振る姿に、青を僅かに目を見開く。
しかし、それがつい先程の人物だと気付けば、
小さく笑みを浮かべてながら、軽く手を振り返した]
ブランさん。お仕事お疲れ様です。
[招待券もありがとうございました、とぺこり頭を下げて]
やあ、いらっしゃい。ニーナさん。
それにヴィンセントさんも。
招待券は、サーカスのサービスですからね。来ていただけて私こそ助かります。
[ニーナに微笑みかけてから、レベッカにも笑みを向ける]
おや、雑貨屋さんが御一緒なんですね。今日はお店はお休みですか?ようこそおいでくださいました。
楽しんでいってください。
[女性二人に風船を差し出した]
[パレードと共に歩いていけば、やがて、一際賑やかな空間が目に入るだろうか]
ん……だいぶ、力はいってるなあ……。
[乱舞して見える色彩と、響く音楽に、思わずこんな事を呟く。
肩の黒猫も、同意するようになぁ、と鳴いた]
でも、頂かなかったら、……多分、来てませんし。
あ、ありがとう。…ございます。
[多分どころか、間違いなく来ていないだろうな。とか
そんな事を思いながら、差し出された風船の紐を、受け取って。
再度小さく頭を下げる。空色がふわりと揺れた。
ふと、広場前の通りの向こうからやって来る、
見覚えのある姿に気付いて、其方へと視線を向ける。
風船とともに、切り揃えた青がさらりと傾いで]
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