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─大広間・扉D近辺─
[扉の奥へと呼びかける声>>841に、天鵞絨をそちらへと向けて]
……件の老人、そこから出てこんのか。
聞こえていないのか、聞こえた上で無視しているのか……。
いずれにしろ、いい根性をしているようだ、な。
[自分は、話に聞いただけの相手だが。
今の状況では、さすがに好意的なものは抱けなかった]
>>829
[ブリジットの声にも、その前のオトフリートの呼びかけにも応えなかった老人の息遣いが荒くなる。]
ゼル…ギウス……何を…いっている……お前はッ……
治す? 研究所?
研究所ってどこなのかしら。
来て下さいって、場所も、わからないのに。
[聞こえなくなった声に肩を落とした]
[コールドスリープの技術を使えば、日付はあまりあてにならない。
たとえば一番新しい薬品を入れ替えた人がいたとして、
それより2,3年の月日で此処まで茨が育つだろうか。
自分が出した答えは否。
……朽ち果てた、白革の鞄を思い出す。
数年でそうなるような代物ではない。
そのような観点から、自分は時を定めることを放棄したけれど、
違う観点から、定められるならと、思った。]
[老人が苦悶に満ちた表情で部屋から出てくると、
ブリジットやライヒアルトを一瞥したが、
何も言わず、よろよろと歩き……大広間のある一箇所の壁にあったスイッチを拳で倒れるようにガゥンと押した。
途端に壁から現れるのは、通信装置らしきもの…。
そして、それの前でどこかに通信しようと機器をいじりだしている……が、]
─大広間・扉D近辺─
……なんだ?
[不意に聞こえてきた声。
途切れがちのそれに、しばし、耳を傾けて]
一体全体、どうしろと……って、
[どうしろというのか、と。
言いかけた言葉は、途中で途切れる]
……勢いのいいご老人だな。
[勢いよく開いた扉に、口をつくのはこんな呟き。
天鵞絨はそのまま、老人の動きを追う]
[ゼルギウス。
おそらく人名だと思われる者の声が突然訪れた。]
…!
[更に、閉ざされていた扉が開いた音。
足早に老人の姿が確認できる場所まで足を運んだ。]
[老人に近寄ってみればわかるだろう。意識を失っていることを。
老人の首のベルトは、Lv4:34。
その身体は誰にも動かせない。なぜなら、もう大部分が石のように重くなっているから…。]
!!!
[開かれる扉に、びくりと身を竦ませ、歩を退く。]
あっ…つ…!!
[拍子に、皿を落してしまう。
シチューが飛び散り、手に掛かる。
顔を顰めた。――が、今気にするのは]
[なにか、放送が聞こえて耳をすました。が、耳がキーンとしただけ。]
なんなんだ、一体。
[大広間が騒がしい。水が入ったコップを持ったまま、ゲルダがいるなら目配せして出入り口の方へ。]
なお、る。
薬、できたんですね……。
[さまざまな薬、ということは、まるで自分達が実験動物で。
それでも、自分が半ば想定していた通りではなく、誰か眠らなかった人物が生きているということに息を呑む]
……………!
[扉が開いて、老人が出てきた。
触れているベアトリーチェの手を握る力が強くなって、彼女やノーラを守ろうと無意識に半歩前に出た]
……様々な薬。
[口の中で転がす単語。眉間に少し皺が寄った。
……あまりよい感じがしなかった。]
どうしましたか?
[次に響く音。
ノーラの後をすぐには追わず、音のした方向に視線だけを向けた。]
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