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おや、薬師 コレット が来たようです。
─ 自宅 ─
[まどろみから目が覚めた。
おお寒い……そう思ってみると、かけて貰ったはずの膝掛けが床に落ちていた]
[暖炉は熾になっている。
近頃めっきり寒くなったと思うのだけれど、子どもたちはそんなことはないと言って笑う。
ではこの体の熱が冷めて行っているのだろう。せっせと燃えた薪がやがて熾になるのと同じように]
─ 自宅兼作業場 ─
[作業場の地下に作られた書庫は、未だ幼い頃の遊び場の一つでもあった。
入り込んで時間のたつのを忘れ、その間外では行方不明になったと騒ぎになった事も少なからずある]
……っと。これ、だな。
後は、これとこれを持ち出しといて、と。
[丁寧にしまわれた本を数冊棚から抜き出して抱える。
虫除けのために棚に置いてある香草の香が、一瞬、腕の中に溢れかえった]
― 白花亭 ―
[メリルが立ち去るのにはひらひら、一旦ナイフを置いた手が見送って]
はー、美味かったー。
サリィ、ごちそうさまー。って、親父さんにも言っといてなー。
[きっちりしっかり完食して、ぱしんと食後の一声]
あ、ありがとなユーリ。
……ふー、いい香り。
[香草茶を淹れられた>>153カップを手に、暫し香りを堪能。
…ちょっとばかり密やかに冷ましてるなんて、ひみつ。
猫舌気味なんて秘密。多分バレてるだろうけど]
[少しずつ啜って、じんわりと口内に広がる味と香りも堪能。
痛みが引くのはもう少し後だろう。
ゆるり、視線は右腕のアームカバーに一度落ちて]
おや、絵描き ミケル が来たようです。
─木苺畑─
[風景を写し取るように、ペンを走らせる。
他の人よりもゆっくりしか言葉を選べないから、口数も少ないけれど、
ペンを動かして、景色を写し取るのは、人並みだと思う。
ヒカリゴケの一つ一つも、丁寧に描きこんで。
それでも、自分では色を付ける事がない。
ぴたりと手を止めたのは、最後の一本の線を描きこんだ後。
風景と、自分の手元と、何度か確認して、やっとへにゃりと笑う。]
できたぁ
[ほっとしたら体の力が抜けた。
ぱたっと仰向けに倒れて、目を閉じる。
そういえばいつから描いていたのだっけと、
1日を数えていなかったミケルは、ぼんやりと考えて、眠ってしまった**]
[身動ぎをすれば、キィと鳴くのは古ぼけた揺り椅子か。それとも、この身か。
母の父の、その更に父も使っていたという揺り椅子だ。
そろそろ寿命かしら、と彼女は思う。ふたつの意味で]
……よいしょ。
[ゆったりとした動きで、床に両の足をつく。
器から溢れそうな年月という水を、溢さぬよう慎重に身を起こし、続いて屈めて、膝掛けを拾い上げた。
花柄の膝掛けは、とうに色が抜けてしまって元の判別がつかない。
とても美しかったのだと覚えてはいるのだけれど]
それは良かったです。
[緑のカバーの本を受け取り、クレイグ>>165に微笑む]
いえいえ、仕事と言っても作業自体は大したものではありませんから。
それに、香草茶の味や製法について、もっとよく知りたいっていうのが第一なんです。
[渡された本を大雑把に捲りつつ]
さっきも、貴方のお姉さんに頼まれたんですよ。保存のきくお茶が欲しいって。
お仕事っていっても、そういうアイデアが貰えたりするのが新鮮かなって。
[そう言って、ぱたんと本を閉じる。
上げた顔に浮かぶのは苦笑]
うーん、やっぱりこれ、全ページ読み通したいですね。
写本、全部お願いしていいですか。
[先程一冊仕上げて貰ったばかりですけれど、と申し訳なさそうに付け足した]
[小さく咳をする。
喉が渇いているようだ。
部屋が静かなのは、誰もいないからか、それとも聞こえないだけか]
[膝掛けからかるく埃を払うと、小さな歩幅で歩きだした。
壁に手をつき、台所へ向かう。
子ども達は、火を使ってくれるなというけれど、いくらなんでも、お茶も沸かせないほど老いぼれてはいないもの]
[それにしても、この家はこんなに暗かったかな?]
─ →自宅兼工房 ─
[籠を手に工房へと戻り、手に入れてきたものを作業台傍の棚に並べる]
……おぅのぅ、水晶足りないんじゃん。
小瓶作るの足りるかな。
[しばし考え込むも、この後の予定は焼物作りであるため、後回しで良いかと判断。
頭の隅に記憶するに留め、足を乾燥小屋へと向けた]
───ん、そろそろいっかな。
[乾かしてあった器達を確認して、十分だと判断するとそれらを手に隣の小さな窯の中へ。
焼きの段に入ると窯から離れられないものだから、それでまた食事をし忘れることがあると言うのはさて置いて。
色付け前の素焼きの段階へと入り、窯へと火を入れた]
焼いてる間に色付けの準備〜っと。
…………ぉ。
そういやすっかり忘れてた。
[釉薬の準備をするために工房へと戻って来て。
ふと、作業台の上に一つの焼物が乗っていることに気付いた]
後で投げつけに行くかー。
[指で摘み上げてけらりと笑う。
それは可愛い可愛い弟のために作ったもの。
掌に乗る程の、一時的にペンを立てかけられそうな形のそれ。
虹色の殻を背負ったかたつむりの焼物がそこにはあった]
俺は、本で見知った分しか知らんけど。
でも、香草あわせんのって、実践第一って意味では、すげぇ大変だと思うけどなー。
形を作る、って意味では同じでも、どうなるか読めないっていうのが、写し作るのとは違うわけだし。
[写本と修繕は、形をなぞらえること。
新しく生み出す、とは微妙に違う。
だから、それをなす者への敬意は強いのだが……その当事者にとっては、生み出す事自体も楽しみのように見えた]
……リル姉が? 保存がきくの……って、姉らしいな。
[姉の依頼の話題>>168に、くく、と低く笑み]
ああ、かまわねぇよ。
っても、俺もリル姉から頼まれてるのがあるから、ちょっと遅くなるけど、それは許せ。
[写本を頼まれると、冗談めかした口調で諾の意を返した]
[食事時になると道具屋の扉には休憩中の札がかかる。
その時間に盲目のいとこの為に食事を用意しにゆくのも日課に近い。
彼女と親しい者が世話をやいてくれる事もあるが
それでも様子を見に行ってしまうのは大切に思うから。]
テレーズ、食事にしようか。
[声かけて食事を用意しようとすれば
テーブルの上には軽食が既に二人分並んでいた。]
これって白花亭の?
へぇ、おいしそうだね。
[彼女が訥々と語る経緯に一つ一つ丁寧に相槌を打ち
和やかな食卓を囲むのもエトにとっては幸せな日常の一つ。]
― 白花亭 ―
[カップを両手で包むよに持ち、
その陰で、けれどミレイユに伝わるように声で笑う]
確かにあの姉弟が揃って食事済ませてるってのは
相当レアではあるよなー。
それで何か起こったら、そこまでかとは思うけどよ。
[くく、と零してまた一口と啜り]
ま、やり方はそれぞれだーな。
俺は予定通りにはできねぇし、
ミレイユは予定通りの方がやりやすい。
でもま、無理な予定は立てんじゃねーぞ?
[それこそ飯抜くくらいの予定とかさ。と揶揄って]
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