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[願いを受けた風が、ひゅるりと煌く光を取り巻きに向かう。
気付かれないように緩やかに囲みに行ったのだが、完全に囲みきる前に気付かれ光はその合間を抜けて行く]
思ったより鈍かねぇみてぇだな…。
風はどうしても空気の動きが出るから、速攻を狙った方が良いかもしんねぇ。
[手法を変えた方が良さそうだ、とブリジットに肩を竦めてみせた*]
─ 森の中 ─
ほんと? ほんと? だいじょぶ?
[大丈夫、と返すフォルカー>>69を見上げて更に問いを重ねる。
手が近くにあるなら、傷口を舐めて治そうとしそうな勢いだ]
フォルカーいじめちゃだめー!
[フォルカーを傷つけた鴉は当の昔に飛んでいったが、他の同じ色合いをした光に向かって駆け出して行く]
[仔犬の一吼えには無意識に力が籠もり、吼えた対象に『均衡』を促す。
それは一瞬のことではあったが、『混沌』の欠片たる光の動きを鈍らせた]
えいっ!!
[仔犬は四肢で地面を蹴り、小さな身体を宙へと跳ね上げる]
[両前足を揃えての着地は暗い色合いの光の上。
ぶみっ、とにくきうな音と共に着地した仔犬は、すぐさま足元に顔を埋めた]
ふふぁまえふぁ!
[猟犬の如く獲物を口に銜え、捕まえたものをフォルカー達に見せる。
暗い色合いの光だったそれはいつの間にか小鬼のような姿になっており、口の間でじたばたしていた。
得意げな顔で尻尾を振りながらフォルカー達の下へと戻って来ると、銜えていた小鬼は光の粒子となって消えていく]
あれ、
なくなったー。
[パクパク、と不思議そうに何度か口を開閉している*]
─ 森の中 ─
うん、へーきへーき。
[へら、と笑って言いながら、手を遠ざけるのは半ば習性。
心配される事が多すぎて、ちょっとの怪我なら隠すようになった、というのを知っているのは、肩の小鳥の他にはすみれ色のふわもこだけ、なのだが]
て、別にいじめられたわけじゃ……。
[暗い光へと向かう背に、飛ばした突っ込みはある意味場違い。
向こうに他意がないのはわかっていても、いろいろと複雑なものがあるのが実情なのだが、それは置いといて]
……力ある、咆哮……か。
[響いた声に籠もった力>>74に小さく呟く。
光に向かって直接跳びかかる様子には、ちょっとだけはらはらしたりしたものの]
……すごいなぁ。
[見事、捕えた様子に上がるのは感嘆の声。
捕えられた光はやはり実体化していたものの、やがて、光の粒子になって消えてしまう]
消えた……?
んー……浄化できた、って事かな。
[塊が減った事で、周囲の揺らぎは僅かながら鎮まったようにも思えるから、そんな予想を口にして]
抑える事で、均衡が戻る……そうすれば、ここから抜け出す手段も見つかるかな。
その辺りは、あのひとが詳しそうだけど……。
[やっぱり、捜しに行かないとかなぁ、と。
思うとちょっと気が滅入るけれど]
とりあえず、お疲れ様、ミハエル。
[口をパクパクさせているミハエルに笑いかけて、頭に向けて手を伸ばす。
当然というか、怪我した左手でなく、無事な右手の方を、だが]
とりあえず、いつまでもここにいてもなんだし。
……他にも人、いそうだし、捜しに行ってみようか?
[ぽふぽふ、と撫でた後に切り出すのはこんな提案]
俺の知ってるひとに会えれば、もうちょっと色々わかると思うしね。
[むしろ、会わないとわかんないような気がしつつ。
ともあれ、同意が得られたなら、歩き出す。
手当てが先、と突っ込まれたら、そちら優先はするのだが。**]
はい、それじゃ、俺は、もう少し周りの様子を見てきます。
[やがて空間の組成を追うという時空竜に頷くと、メタルの翼を再び拡げ、空へと身を運んだ*]
アッー、残念。
あーそっか、確かに向き不向きもありそう。
速攻の方が効率も良さそうだし。
ハインさんのやり易いようにやってみて?
[肩を竦める様子に、余計なことを言ったかと、少々ばつ悪げに眉尻を下げた]
ああいうのもいるし。
とにかく、豆鉄砲でもやってみないと。
[グルグルと回転するような動きを見せている昏紅色の欠片を指差した**]
─ 森の中 ─
じょーか?
[いまいち理解していない様子でフォルカーの言葉を受ける>>77。
どうやら悪いことではないらしい、と理解すると尻尾がパタパタ揺れた]
へへへー。
[伸ばされた手で撫でてもらうと、嬉しそうにかぱりと口を開けて笑う]
うんー、いっしょにいくー。
[移動の話>>78に対しては、こくりと頷いて、歩き出すフォルカーの後をついて行く。
怪我の治療に関しては、大丈夫と言われたのでそれを素直に信じて何も言わなかった。
でもきっと小鳥やベアトリーチェに再突っ込みが入るはず**]
[すぃ、と右手を横へ流し、掌に風の渦を作る。
昏紅色の欠片の回転に似せた動き]
速攻で頼むな。
[風に呼びかけて、掌の風の渦をアンダースローで昏紅色に投げつける。
言われた通りに風は速度を上げ欠片へと迫った、のだが]
………おぅ。
[回転していた昏紅色の欠片が更に速度を増し、稲妻の如き動きで風の渦から逃げて行く。
思った以上の逃げっぷりに、思わず呆然とした声が出た]
無理くね?
[視線がやや遠くを見詰めている**]
[無理しないでくださいね、と。
綴られる言葉>>79に掠めたのは苦笑。
言いたい事はわかってはいるのだが、それができるかどうか、となるとまた別の問題が生じるわけで]
ま、善処はするがな……。
[そんな呟きと共に丘を降りた先には、緩く広がる湖らしきもの。
その湖面をひらひらと飛ぶのは光の塊たち]
……まったく。
本来なら、相容れぬもの同士の欠片が一緒に飛んでるとか……。
無茶苦茶すぎんだろ。
[視線向けた先、白く煌めく光の塊が揺らいだのは一瞬。
それに僅かに先んじて伸びたのは漆黒の光鎖。
瞬間的な加速をかけた一閃は、翼持つ小さな人型──所謂天使の姿を取ろうとしていた秩序の王の欠片を捕え、そのまま引き寄せる]
……大人しく、してもらいますよっと!
[言葉と共に光鎖に力をかけたなら、人型は光の粒子となって消え失せる。
それが完全に消え失せる前に左の手の上にそれを掬い取った]
……ん。
これ自体には、そんなに大きな力はない……か。
しかし、そうなると……。
[言いながら、周囲を見回す。
漆黒の光鎖がその周りをゆるりと取り巻いた]
どこかに、『根っこ』がある可能性が高い、か。
最終的には、そこを抑えんとならんだろうが……。
[状況考えるだに、こわい考えばっかりになるのは許されろ]
っとに……。
仕方ないと言えばそうだが。
なーんで、こんな厄介な事にばっかり好かれますかね、俺は。
[言っても詮無い、と思いつつ、零れ落ちるのはこんな愚痴。*]
─ 森の中 ─
綺麗に出来た、って事だよ。
[理解していないらしき様子>>83に言葉を添えて。
嬉しそうに口を開ける姿に、何となくほっこりした気持ちになりながら手を離した]
さて、どっちに行けば会えるかな……。
[時空の属、まして竜のそれは、その特異性からたどるのは容易い。
だから、と意識を集中して──]
……ん?
[森の中に、何か。強い力が感じられたような気がして、眉を寄せた]
なんだろ、これ……凄く、強い…………え、なに?
[属は判別できるものの、その先が今一つ読み切れず。
上がるのは、困惑したような声、ひとつ。*]
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