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そういうものなんでしょうか……
[ゲルハルトの応えに、視線はやはり遠く]
……ま、それが分かるほど長くは生きてないってことかな。
[ふ、と溜息をつくと、意識を現実へと引き戻し]
妖精が人を救えるか、ですか。
どういったものか知りませんが、妖精や、彼らのつくる物には不思議な力があると聞きます。
その力を得られれば……せめて、知ることができれば、あるいは。
お、戻って来た。
[ルイ達を呼びに行ったゲルハルト達が戻って来るのを見て、左手を振って応じる]
……んー?
[視線を向けた先、ゲルハルトの指から光る靄が見え、眉根を寄せながら瞳を細めた]
(あれ。あれって確か……)
[言葉は声にならないまま、視界に金が広がる]
ふふーん。
僕には長い髪より短い髪が似合うと思うのさっ。
なにより、木に引っ掛かったりせずに済むからにぃ。
にししー。
[ドロテアの指摘は、だから正解であるのだと告げて]
花守人。
聞いたことは無いかい?
[それは異国に伝わるお伽の話]
かくれんぼしてるなら、是非とも見つけたいけどなー。
[頬を掻くマルガレーテに笑って。
お化粧やら何やらと、女性陣の会話には入れないからそのまま笑って聞いてるだけ]
あ、戻ってきたのかな。
おーい!
[ゲルハルトの声にランタン掲げ]
[ぎゅっとヒルダが握ってくる手は暖かく。
冷えた指先が温かくなる気がした。
銀月の錯覚は遠く遠く、繋いでいれば気にもならない]
・・・うふふ。なりたいと思えば、なれますわ。
思わなければなれないままと言いますもの。
[クルトの赤い顔に眼鏡の奥で瞬いてから、穏やかに微笑む。
ゆらゆら揺れるランタンの灯り。
振りまかれる金の靄が流れてきて、眼鏡を曇らせていく]
[イゾルデが、着飾る、なんていうのには。
わかりやすく、あかんべ、を向けかけて]
…ほみゃっ!?
[視界を奪う金の色彩に、どんぐりまなこが、せわしなくしばたく]
や、その、そうじゃなくて。
[ツィンカの解釈が考えていた事とは違うらしく、困ったように手を振って。
しかし、化粧自体には興味があるのか]
だ、ダメじゃ、ないですけど…
[そう、ぼそぼそと呟くように。
ゲルハルトの声が聞こえ、其方に顔を向けるも、光る靄に目を瞬かせる]
え?何…?
やあ、みなさん、お待たせしました。
[皆のところへ戻ると、楽しげな笑い声に溢れていた。]
(重苦しい空気になったところで、どうしようもないですね。)
[やれやれと苦笑を浮かべながらも、ひとまず安堵を得る。]
[が――]
ん……霧……?
[銀の髪がさらりと揺れる。
またほんの僅か、光の粒子を零していたが
髪は背に流している為に正面からは見えないだろう]
[見ることが叶うとすれば、
横を歩いている筈のアナくらいか]
[更には、金の靄に紛れて]
[二人を繋ぐ銀糸は、光に融ける]
なりたいと思えばなれる、かあ。
[少しだけ遠い目でドロテアを振り返ったつもりだったのに]
あれっ?
[ゲルハルトの周りに見えた靄。
きらきら周囲も包むよで、上手く周りが見えなくて]
あら、いやだわ。
夜霧かしら・・・?
[一度ランタンを下ろし、眼鏡を外してエプロンで拭く。
けれど視界がぼんやりするのは視力の為だけではなく]
いえ、初めて聞きましたわ。
[異国のお話など知らないので、ヒルダにそう答える。
その間にも霞がどんどん視界を奪っていく]
あら
ら?
[金の霞]
マリオン、
一応手をつないだ方が、
いーかしら?
[撫でていた手は、頭にふれたまま]
先生サンの声もするのよ!
帰って来たのは確かみたい
おーい!
おーーーい!
見えんが、皆、動くな。
またはぐれてしまうぞ!
[靄の中で大きく叫ぶ。
子供らが心配でもあったが、力の行く先を定める為でもあり。]
え、あ、うん。
そーだね。
[手を、とツィンカに言われると、こくり、と頷いて手を差し出す]
あ、戻ってきた。
[それから、視線は戻ってきた者たちの声のする方へと]
ああ、先生もお戻りに・・・
[声を頼りに振り向くものの。
眼鏡を掛けなおしても、やはり金の霞が眩しくて見えない]
ど、どうしましょう・・・
[足元に置いたはずのランタンを拾おうにも良く見えず。
ヒルダと繋いでいる手をしっかりと握る]
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