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―広間―
面倒ごとなのかな?
でも、そういうのはよくわからないよ。
[面倒じゃないことなんてないよ、と笑う。
お金が欲しかったらいつでも同じようなことをしているから。
運がよければ、の話だけれど。
と、続けて。
一緒に、という誘いには、目をまるくした。]
いいの?
嬉しいなぁ。一緒に行けたら、きっと楽しいや。
でも、僕が一緒だと、歩くのも遅くなっちゃうから、いやになったらおいていってね。
――あ。あとね。あれ内緒ね。
いっぱい言っちゃうと、きっと危険だもん。
シラヌイさんは、危険な目にあってほしくないよ。
[セシリアが遠慮なく言う言葉は怖い、けれども今はハーヴェイと一緒だから、
微かに震えるだけで済んだ。]
……
[ハーヴェイの影に隠れるようにしながらセシリアのほうを見る。
いまにも何をするかわからない少女の姿の方を様子を伺うように。]
[キャロルの声に笑顔で首をかしげる]
え?
だって、全員殺したら人狼を殺したことになりますよね?
尤もまだ人狼がここに残っているならの話なんですけど。
[なんでもないことのようにサラリと言ってのけた。]
逃げてたらどうしよう……人狼……殺さないと……殺さないと……。
─書庫─
……アーヴ殿らしい……という所かしら。
[苦笑する墓守の言葉。
亡き主の気質を思い、ひとつ、息を吐く。
ヘンリエッタが僅か、身を強張らせるような素振りを見せたならその傍らへと向かい、宥めるよに肩に手を触れた]
─庭・菜園─
ありがとう、ギル。
[板を運ぶギルバートに礼を言い。
再び作物の手入れに集中した]
……ここに来てから、ずっと続けてるから。
植物って、僕達が手をかけた分、応えてくれるんだよね。
[それだけの時間を作物と過ごしていたのだと。
言葉にせずとも示す様に言う。
手を泥だらけにしながらも収穫を続け。
籠を持って来なかったために収穫した分は両手いっぱいに抱えた。
途中、いくつか落としそうになったためにギルバートに半分持ってもらうことに]
ありがと。
それじゃあ、厨房に運ぼう。
[収穫物を手に満足げに言って、屋敷の方へと歩き始めた]
[見分ける者という話も、耳に届いてはいたが。
少しの沈黙。
本を持ち上げて、指を挟んでいた頁を開く]
そう言えば、
成り代わるという話もありましたね。
[短篇の内容か、独り言のような言葉を低音に乗せる]
[セシリアが満面の笑顔で尋ねて来たので、少し驚いて瞬いたが。
尋ねられた内容には、ひとつ頷く。]
ああ、ある。
人か、人狼かを『見極める』能力を持つ者の存在は確認されている。
ただ、方法は千差万別で。
具体的にこういうやりかたで見極める、ってのは言えないんだけどな。
[言いながら、最悪全員殺す、には眉を潜めた。
それはある意味正しい。
だがそれはどちらかといえば、人狼が押し通す理論のようにも思えた。]
……理屈の上ではそうだけれど。
あなた、その後、どうするつもりなのかしら?
[なんでもない事のように言う、セシリアに僅か、首を傾げながら問う。
最初に話した時とは、まるで異なる印象。
衝撃的な出来事は人を変えるというが、それにしても極端すぎるのでは、と。
そう、思った矢先、繰り返される『殺さないと』という言葉。
眉が更にきつく、寄る]
……セシリア嬢?
あなた……一体……。
一緒に連れていってくれたら、僕が素直だったり子供だったり、じゃないって、シラヌイさん嫌になっちゃうかもね。
[お菓子を食べながら、脅すみたいに、笑って言う。]
人を殺したこともあるし、
嘘をついたこともあるし、
……おなかがすいて、犬が食べてたから、おんなじに食べてみたこともあるんだ。
[最後の言葉はとてもちっちゃく、まずかった。なんて添えて。]
僕が人狼だったら、きっとおなかがすいて死にそうになることも、なかったんだなぁ。
あにきが苦しかったときに、殺してあげられたのかもなぁ。って思うよ。
[それでもすぐに言葉は変えて。
話してくれる故郷の話に、すごいとはしゃいだ声をあげる。
だんだん様子がおとなしくなっていくのに気付いても、はじめて食べるお菓子の感想を言ったりして。]
[ラッセルの話を感心したように聞く]
ラッセルのおかげで、こんな山でも新鮮な野菜が食えるんだもんな。
ん?終わったか?
それじゃ戻ろうか。
戻ったらちゃんと手とか洗わないとな。
[そう言って、落とさないように気をつけて野菜を抱えて、ラッセルの後をついていく]
―書庫―
[更に様相の変わるセシリアから後ずさり離れてゆく]
全員殺すだなんて。
[近くに来てくれたキャロルの影に隠れる様に受け取った本を抱いたまま距離を取った]
えー……。
じゃあ私が見分けるのはやっぱり無理ですか……うーん……。
[ハーヴェイの答えに別段落胆する様子も見せず、やはり最悪全員殺すか、と考える。
何か武器がなければ不可能だ。
貴族はよく狩猟を楽しむ。この館にも猟銃等があるかもしれない。
怪訝な顔をするキャロルに満面の笑みを向ける]
その後?
人狼を殺せさえすればそんなのどうでもいいじゃないですか〜。
―広間―
[トビーの言葉には一瞬驚いたように見るが、すぐに笑い出す]
置いていくようなことはせぬよ。
「旅は道連れ世は情け」と言うであろう?
[故国の格言が目の前の少年に分かるかは知らないが。
だが、再び真面目な顔に戻り]
そうでござったな。
どこから話が漏れるかも分からぬし、我はともかく下手に話すとその人にも危険が及ぶかもしれぬ。
このことは我と童っぱだけの秘密としておこう。
[そう言いながら、改めて広間を見渡す。皆それぞれの用事をたしにいったのか、広間には二人しか残っていなかった。]
─ →屋敷・厨房─
生のまま食べれるのもあるから、好きな時に食べてね。
[手を洗わないと、と言われて素直に頷く。
この屋敷に来て数年、こうやって話をすることはほとんど無かった。
信じられる者の傍で明るい気持ちで居られることは少なかった。
非常事態なのに、そうじゃないように思えるのが不思議だった]
[厨房へとやって来ると、手頃な籠を見つけてその中に作物を入れる。
それが終わると流しへと向かい綺麗に手を洗った]
ん……着替えもしなきゃダメかな。
[作物を抱えたりした時に服についたらしい泥。
その部分を示すかのように服を引っ張った]
─書庫─
[ハーヴェイの語る、『見極める者』についての話。
それは、記憶の隅に止めておいて]
どうでもいい、って……。
そうも言っていられないと思うわよ?
[満面の笑み。
後ろに隠れたヘンリエッタを庇うよに立ちつつ、言葉を綴る。
どこか、噛み合っていない。
そんな感覚が、警戒を強めた]
どうしてですか?
私、人狼を殺したいんです、殺さなきゃいけないんです。
殺しさえすればそれが人か狼か見えちゃうんです、私。
ああ、安心してください。キャロルさんが人間なら殺しても意味ないですから今すぐ殺そうなんて思ってません。
[演技を続ける気はなくなっていた。以前の自分等もうどうでもいい。
人狼に自分の能力を知られたからと言ってどうということはない、先に殺せばいいだけなのだから]
―→屋敷・厨房―
[好きなときに、と言われて笑って頷く。
ラッセルがこんな風に話すとは思わなかった、と心中で思う。
今まで、どれだけ1人で抱えていたんだろう?何か力になれるだろうか、と考える]
んー、広間に戻るなら着替えたほうがいいかもな。
1人で行くのがいやならついていくけど?
[ラッセルに倣って野菜を籠に入れながらそう言って。
もう一度ラッセルをみて]
結構汚れるもんだなぁ…
[そう言って苦笑して]
―広間―
ありがとう、シラヌイさん!
[言葉の意味はわかるわけないけど、おいていかないというのが嬉しくて、笑う。]
うん。ないしょね。
ひみつ。
危ないのは、だめだよ。
僕も、ないしょにするから。
[ヘンリエッタのことは、やっぱりよくわからない。
秘密をかわして、マンジローと話す。
声の調子は違ったけれど、断言してくれた言葉に、うん、とたくさん頷いた。]
シラヌイさんは、最初にごはんをくれたし。
ほんとうは、信じるふりで、あの人たちから逃げるの手伝ってもらおうと思ってたんだ。
でも、あにきみたいに、シラヌイさんが言うことは、ちゃんと信じられるよ。
キャロルさんはっ!
[人間ならば殺さないと言う言葉に釣られ叫ぼうとして。
確かめようと言われる可能性が頭に浮かび声が詰まった]
……殺しさえすれば、人か狼か、見える……?
[セシリアの口にする、過激な言葉。
その中の一文に、ひとつ、瞬く]
見えることと、殺すことにどんな関わりがあるのかは知らないけれど。
……そんな考え方では、あなた自身が殺されかねなくてよ?
[セシリアのその言葉は人でも人狼でも関係なく誰でも殺すって。
自分以外は殺すって言ってるように聞こえる。事実そうなのかもしれない]
…
[ハーヴェイの影からセシリアに向ける視線は冷たい]
[まずい、と思った。
彼女が能力者で、かつ母親と同じように人狼に近づいたせいで精神に異常をきたしているというのなら。
そして自らそれを口にしてしまい。]
セシリア……。
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