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─ 現在・6の部屋 ─
溺れた人間に人道的に人工呼吸する。
ハインリヒがしたのはその種の仕事だよ、ゲルダ。
恋や愛ではなく。
で、ユリアンは 造る 創る人だ。
[回りの声]
[うるさい]
[最初はただの拒否だけだったはずだ]
[イライラする]
[何でこんなことになってるんだ]
[それもこれも全部]
おとーさんのばかやろう。
[とっくにブリジットを追いかけて行った男]
[見えなくなってから、詰った]
[───だから薬なんていらないって、言ったんだ]
―3階―
[階段を登りきると先程は感じなかった風を感じた。
何処かが外界が繋がったのだろうか。
探るように、探すように、辺りを見ながら歩いて。]
風を追った先に落ちた、白い花。]
わっ、あぶなっ……。
[間一髪で足を踏み外した少女を抱きとめる。
背中に衝撃を感じた。それでも
――嗚呼、神様。
まだ、この腕を動かすことができたことに感謝します。
心の中で思う。
はっと息を吐いた時に、咳をしながらハインリヒが階段を上がっていった。
制する仕草に、頷く。そして]
うん。僕はエーリッヒだよ。
ねえ、もしかして、耳が聞こえにくくなってる?
[少女を抱きかかえたまま、耳朶の近くで、ゆっくりと尋ねた。
先程から感じていた違和感は、だれ?と尋ねられた時、強まった。]
うん、行ってみよ。なにか面白いもの、あるかな。
[また二、三歩進んで振り返る。ライヒアルトが傍まで来るのを待つ。]
入って右ね。ありがとう。
[忠告をくれるノーラにお礼を言って、扉を入って右を見る。崩れた石像があった。]
………
あ、あっち、かな。
[奥を指差す。左に扉、右に折れる道があった。]
[聞こえた咳。それが誰かもわかる。やがて上へと向かうその足音を、エーリッヒの腕の中で聞いていた]
音、戻ってきた。
[耳に聞こえた風の音。階下からは話し声もしていた]
そうね、私が行ったら、邪魔だったわ。
でも。
[ブリジットを追ったのは、ただ理由が必要だっただけ。音を確かめたくて、声のする場所から逃げたかった。
矛盾。
聞こえなくなっていく声を、聞きたくなかった]
造るものなんです? 僕
[自分であまり意識したことは無かった。
だけど、周りから見ればそうなのかもしれない……]
素直に飲んでおけばよかったです、ね。
そうすれば気持、ち悪い思いもせ、ずにすんだです。
[アーベルに向き直ってケラケラと笑った]
―屋上―
私はもう少しここにいるわ。
星空は…久し振りだから――
もう少し見ていたいの。
[半分本音と半分口実。
肉体に無理をさせて疲労が襲ってきていた。
2人がここから去っていくのならヘリの傍で見送る形となるだろう。]
…、…
[見えるはずのない糸の先に助けを求めるようにそれを揺らしてみた。返事はあるのだろうか、と。]
嗚呼、ペルセウスが見えるわね。
―3階―
[唇はまた 引き結んで。
違う方向からの足音には、びくりとした。]
……――、 …
[靄のかかったようだった眼は
思案の底から引き上げられた。]
…だれ
―研究室―
>>406
[パソコンにカードキーをいれると、
どうやら館内の見取り図らしきものが現れる。]
………とりあえず………
[全指定をして、OpenLockのコマンドを押した。]
───っ。
[表情を顰める]
[天井から落ちてきた埃]
[右の眸に違和感]
地震なら───下も、揺れる
[地震だとまず自分は助からないだろう]
[ヘルムートの呟きを聞きながら]
[ぼんやり思う]
……面白いものって、なぁ。
[ほんの少し、呆れたように言いながら。
ここにいる、というノーラ>>433に、わかった、と頷いてゆっくりと歩き出す。
歩くのに支障はないが、視覚の不安定さが足取りを危うくするのは否めない。
それでも、転ぶ、という不名誉はどうにか免れ、扉の先へ]
……さて。
とりあえず、いけるほうに進む、か?
[言いつつ、天鵞絨を向けるのは右手の道]
[かけられた声に頷いて]
うん、でも、もう大丈夫だよ。
でも……。
[その先は言葉に出来なかった。病気が進んだら、もっと聞こえなくなる時間が長くなるのだろうとわかったから]
もし、呼んで私が返事をしなかったら、――。
ううん。
[いいかけてやめる。そのときがきてほしくなかったから]
そうか、戻ってきたなら良かった。
君の耳は、多分人より敏感にできてるから。
少し疲れてしまっていたのかもね。
[音が戻ってきたとの言葉に、安堵の吐息を吐く。
続いて、空咳が一つ。でも、微笑んで。]
お邪魔だなんて。
ベアトリーチェさんは、おませさんだね。
[彼女の裡は知らぬまま、自分と揃いのような金糸を撫ぜた。]
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