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[衝突の感触に、狐の口元が歪んだ。続く気の攻撃すらも、電気で編みこんだ擬似的な狐の体は貫けない。
勝った!
絶対的勝利!
後は高密度の電気がサキを飲み込み、一瞬にして身体全てを黒焦げにし、天界に召し上げられるところを掻っ攫う! それだけでEND。これ以上ない勝利だ。
――さぁ、神宮司幸貴! 今お前を殺してやろう!
狐の四肢に再突撃用に力が篭る。
そしてアスファルトを砕きながら押し切ろうとしたその時!]
――やめろぉぉぉぉ!
貴様!? 鵬谷久鷹!?邪魔をするな!
――煩い! これ以上、好き勝手させない!
――人の体で、友人を傷つけさせるものかぁ!
[亀の甲羅に似た岩壁を破壊した時、狐の大妖の体がビクリと震えた。それは、そう生命が最後までもがき、苦しみながら絶命して行く様に似ていた。
そしてサキの眼前に牙を立てるべき巨大な口をあけ――。
そこで動きが止まった。
電気の狐は、そのまま白色だった色を赤く、そして黒く変貌し、次第に久鷹へと戻っていく。肌にまとわり付いていた電気がバチィと最後に弾けるのを合図に、彼の体は仰向けに倒れこんだ]
[防御用に作り上げた岩壁を、攻撃用に作り変えるために気を打ち込むも、何故かそのまま岩壁を通過し、相手へとぶつかる。その気も狐を貫くには至らなかったか]
くっそ、練り方ミスったかな。
最悪だ。
[未だ力に馴染めて居なかったのだろうか。十分な硬度を作り上げたはずの岩壁が狐によって破壊される。覗く白き毛並み。眼前に見えた牙に覚悟を決めた──それでも頭を護るべく篭手を掲げている──が、唐突に狐の動きが止まった]
……な、んだ……?
[白かった毛並みが赤へ、そして黒へと変わり、見慣れた姿へと変化していく。半ば呆然とそれを眺め、相手が仰向けに倒れ込んだところで、ハッとして岩壁から外へと飛び出た]
久鷹!!
[未だ悪しき心が支配している可能性はあったが、突然の結果に一つの望みを抱き、久鷹の傍へと駆け寄った]
[流石に、白い獣の出現には焦りもしたのか、神宮司をいつでもサポートできるような位置までは移動していたのだが。
その獣が奇怪な現象を見せて収束し、再び現れた久鷹の姿に軽く目を見開く。
金気の薄れゆく様子にそれほど危なくはないと見たのか、近づいていくのは神宮司とは対照的にゆっくりとした歩みで]
…殺ったのか?
[彼女の背から掛けた言葉は、疑問に満ち]
……アタシは何もしちゃいない。
ただ壁を作り上げただけだ。
[背後からの問いに、視線は久鷹へと向けたまま、ぽつりと言葉を漏らす。壁から攻撃へと転ずるつもりだったのだが、それが成される前に異変が起きたのだ]
……あ、そ。
[ちら、と視線を向けたあと仰向けに転がる男を見下ろしてため息。
それからちらりと神宮司へと視線を向け]
…で、どうするんだこいつ。
このまま放置するわけにもいかないだろう。
[そもそも、放置なんて自分の家の近所でされた日には寝覚めも外聞も悪すぎてたまったものじゃないとばかりに返答を待つか]
[駆け寄ってきたサキを目の端に感じつつ久鷹は自嘲気味に笑った]
けっ……。情けねえ……。お前じゃなく、『ヒサタカ』に負けちまうとは……。
[あの瞬間、ヒサタカは檻の破壊に成功した。そして中から悪しき心を殴り飛ばしていた。尤も、その瞬間、九尾の力が流れ込んで来た気がしたがそれは口にださなかった。
とにかく、久鷹はサキの瞳を真っ直ぐに見据えた]
俺はここまでだ。だがアイツは違う。『ヒサタカ』のように俺を拒絶せず、受け入れた。……お前が一瞬ビビった殺気。アイツは平然と受け流した。それくらい強い。だから……。
[澱みなく語る。そして言葉を切るや、突然サキの頬にキスをした]
……地獄にお前が来るのを待ってるぜ。
[そうして、悪しき心は再び倒れた。後に残ったのは全身が慣れない雷によってボロボロになり、意識を失った*ヒサタカだけが残った*]
[『ヒサタカ』に負けた。その言葉に抑えられていた久鷹が悪しき心に作用したと言うのを理解した。真っ直ぐとこちらを見据え、忠告するような言葉を聞き]
…我妻か。
お前より厄介となると…。
[言葉は途切れ、眉根に皺が寄った。殺気に身を竦めかけたことに悔しさが込み上げる。考え込んでいる隙に、久鷹の顔が近付き、頬を掠めた。流石に驚き、掠めた頬に手をあて、少し後に不敵に笑んだ]
…言ってくれる。
そう簡単にやられはしないさ。
[そう言葉を紡ぎ、相手はそれを聞き取れるか否かのタイミングで倒れ込んだ。如何に相手が強大であろうと、今更引くわけには行かない]
連れてくよ。
治療してやらなけりゃならん。
[響の言葉にさも当たり前のように答え。ボロボロになっている久鷹を起こし上げ、背負うように背中へと乗せる。尤も身長差の関係上、足は引きずることになるが]
[どう見ても引きずっているようにしか見えない様子に呆れて]
……お前な。
治療したいのか、怪我させたいのか、どっちなんだよ。
[ため息をひとつついて、見下ろし]
…どこまで運べばいいんだ?
[言外に、運び役を代わるというようなもの。
最もどこに運ぶかが分からないので一応聞いてみる]
…仕方ないだろ、身長は直ぐには増やせねぇよ。
[久鷹ほどの体格を持ち上げる力も今はありません。どこまで、と訊ねられると、一瞬きょとんとしてから]
…あー、学校の屋上。
運んでくれんの?
[至極意外そうな顔だったとか]
…そりゃそうだけど。
女のくせになんつー無茶を。
[相手がきょとんとしている間に背中から久鷹をはがして、米俵よろしく担ぎ上げる。
決して納得ずくという顔ではなかったが]
…乗り掛かった船だ。
つーかここ、うちの近所なんだよ。
ご近所相手に迷惑かけられないし、救急車騒ぎになっても面倒だし。
[いっそ面倒で朱雀を喚んでひとっとびも考えたのだが流石にそれは憚られたらしい。
不思議そうな顔をしている相手を置いて、さっさと歩きだす]
その「女のくせに」ってのが好きじゃないんでね。
[少し不機嫌そうに言ってる間に久鷹を剥がされた。運んでくれると言うのだから、お言葉に甘えるとしよう]
あ、そうなのか。
そりゃ確かに拙いわ。
[誰かの家が近いから気をつける、と言う問題でもないのだが。響の言う事も尤もだったので一つ頷き。さっさと歩いて行く後ろを慌ててついていく]
運んでもらうってことは、何か礼でもしなきゃダメかね。
[先日生徒会室に差し入れを持って来た時のことを思い出し、冗談交じりに問いかけた]
あーはいはい。
というか、好きかとか嫌いかとか言う以前だろ。
男手があるのに運ぼうとするつーのが既に訳が分かんねえ。
お前だってそれなりに消耗してるんだろうが、馬鹿が。
[不機嫌そうな様子にはもはや呆れるのみ。
そのまま相変わらずむすっとした顔して後輩を担いでいたが、神宮司の言葉に少しだけ彼女を見る]
…別に。
むしろ、何か叶うならぜひとも俺の平穏な日常を返してくれ。
[それで充分だとばかりに見下ろすも、どうせ叶わないんだろう、みたいな顔をして。
足はそのまま動いていたけれど]
運ぶのは、アタシの義務みたいなもんだし。
今までもそうだったから。
[今まで運んでいたのは女の子だったから平気だったとも言うが。馬鹿と言われれば、言い返せず少し膨れたか。問い掛けの返答を聞くと]
あー……うん、しばらくは無理かな。
[至極あっさりと否定し、からりと笑った。しばらくして学校の屋上に着くと、運んでくれた礼を言ってから久鷹を受け取り、ふ、と久鷹ごとその姿を*消した*]
…義務、ね。
[ちらりと見下ろす視線は、何か言いかけたような。
けれどそのまま、何も言わず]
…だろ。
だったら、なんもいらね。
[淡々とした口調で断れば屋上を上がる。
ふっつりと、昨日の鳳同様に消えた二人を見てから、小さくため息]
……ったく…どいつもこいつも…。
[短い呻き。
何もかもが面倒で、何もかもが厄介で、やる気は欠片もおきない。
疲れたようにくしゃりと前髪をかきあげれば、風は少しだけ*涼しかった*]
─瑞雲神社─
[空間を渡り、飛び込んだ先。
最初に聞こえたのは、短い掠れ声]
…………。
[ほんの一瞬、表情を過ぎるのは、苛立ちめいたもの]
……生きてりゃ、十分だ。
[低い呟きが届く前に、啓子の意識は途切れていたようだけれど。
ともあれ、このままここには置いておけず]
陣に、連れてくか……。
[これで何往復目だよ、と呟きながら、気絶した身体を抱き上げる。
抱え方は負担を考えて姫抱きになのはまあ、仕方ないわけで。
一瞬、癒えきらない傷が痛んだのは押さえ込み、*『隔離の陣』へと*]
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