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Wen.が……人狼っ…。
[先程まで頭を占めていた仮定が事実であると、亜佐美の言葉は告げているようで。
反芻して、小さく息を飲んだ]
…そう……蒼が、霊能者…。
それが、事実なら……。
[仮定を事実としてしまうなら。
信じる者、人間と判断された者、霊能者、自分。
もう一人、人狼が残っているのだとしたら、残る選択肢は一つしかない。
果たして本当にそうなのか、と亜佐美を前にして悩み始める。
仮定が符合しすぎているのが、逆に不安に陥らせた]
[シャワーをとめて、個室から出ると脱衣所には誰もいなかった、
着替えの服やタオルはまだなかった、
先ほどまで着ていた服を手にする。
血塗れていて先ほどの休憩室のことが脳裏によぎる。]
ナタリーさん…まだかしら…?
[誰もいないのにお嬢様の仮面をかぶった様子で待っている]
─廊下─
[こつこつと、PC部屋に向けて歩いていると、遠くに人影を見つける。
そのことに、にまぁと笑みを深めると、]
あ、えっと。ナタリー、さんに蒼さん?
その……こんな所でどうかした、んですか?
[奏の仮面を被り、おずおずとふたりに歩み寄る。]
[思考が途切れたのは奏から声をかけられてのことだった]
…あ、Kana。
………蒼と鉢合わせただけよ。
ごめん、ryouが待ってるかも知れないから、アタシ行くわね。
[奏に対して説明をする時、僅かに間が空いた。
警戒してのことだと言うのは容易に伝わるだろうか。
二人に視線をやると、タオルを示し理由をつけて、その場を立ち去ろうとする]
[繰り返す言葉に、そう、と頷いた。
そして、続く言葉には]
…少なくとも、あたしにとっては、事実としかいいようがないんですよね。
Wen.さんが人狼だった。悲しいけど、事実。
[何かを思い出すように、目を軽く伏せる。再び目をあげれば、視界の隅に人影が入った。
奏の声が聞こえる。そちらを向いた]
―― シャワー室付近 ――
二人とも遅いなぁ。大丈夫かなぁ?
[待ちぼうけの僕。
でもシャワー室には入るわけにはいかないし、
ryouをひとりにするのも気が引けるので、その場から動けない。
もしもを重ねていく考えは、途中放棄したままだった。
結局その人の思考は、その人だけにしか判らないから。]
でも…もしも"誰か"に何かがあったら。
これ、使ってもいいよね? 気休めにしかならないだろうけど。
[そう言いながら、僕はカバンの上から其れを撫ぜた。]
あぁ、ryouさん待たせてるんでしたっけ。
[七重の声に、ふと我に返る。
彼女がまだ警戒している様子には、仕方の無いことだとは思った。去ろうとしている彼女を止める気はない。
奏の方には、まだ警戒した様子を見せながら]
ナタリーさんの言う通り、ですよ。
[ただ事実を告げる]
[しばらくして七重がくる様子がないのでもときていた服から銀製のナイフを取り出し、
裸のままで脱衣所からでていこうとする。
すぐに晴美の姿が見えただろうか]
がとさん、ご迷惑おかけしましたわ。
もう大丈夫ですから。
[感情の感じられない様子で話しかける。
無機質な社交的な笑みを返すその右手には隠しもせず鈍い光を放つ銀製のナイフをもったままに、
素肌は晒したまま隠す様子もなく床に先ほどシャワー室で浴びていた湯が垂れ落ちていく]
―― シャワー室付近 ――
[物音がして振り返る。
と、飛び込んできた姿に、僕は思わず目をそらす。]
ちょっ!! ryou!! 服!!
[僕は慌てて着ていたジャケットを脱ぎ、
彼女へと掛けようとする。
滴り落ちた雫が床に染みをつける。]
――…?
[と、同時に鈍い光。
無機質な表情に、一瞬だけ身体が強張る。]
─シャワー室付近─
ごめんっ、遅く───って、ちょ。
ryouっ、そのまま出てきちゃダメでしょが!
[シャワー室から少し離れた場所で、何も着ずに出てきた涼が先に目に入った。
その横で視線を逸らしながらジャケットを涼にかけようとする晴美も見えた。
駆け寄りながらタオルを広げようとするも、一緒に抱えているペットボトルが邪魔をして上手く広がらない。
慌てているために、涼が手にするものには未だ気付いてはいなかった]
[晴美のあわてる様子にもこちらは動じた様子もなく]
私にはやることがありますわ。
だからいかないといけませんわ。
[こちらによってから強張る様子に社交的な笑みを再び返して]
ガトさんは違いますから。
[そうとだけ返してその横を通り過ぎていこうとする。
その向かう先はきっと阿佐美達のいる方向]
[立ち去った七重を見送れば、その場に奏と2人で残された。
奏とは一歩距離を置いて、何も話さずに、様子を伺い見ている。
シャワー室で何が起こっているかも、知らないままに]
ナタリーさん、ご迷惑おかけしましたわ。
[七重がきて返すのは晴美にしたのと変わらない社交的な笑みを浮かべたままの挨拶。
かけられた言葉には]
ごめんなさい、急ぎの用事ができましたの。
[七重に近寄りナイフを持っていない方の手を差し出して]
タオルだけお借りしていきますわ。
今は着替える時間も惜しいですわ。
―― シャワー室付近 ――
[こんな時ですら社交的な笑みを浮かべるryouが、
一瞬だけ儚く見えて]
やる、こと…? ――っ待っ!!
[いやな予感がして、止めようとした行動は、
やっぱり今回もすり抜けてしまいそうになる。]
僕が違うって、何!! 待ってよ!ryou!!
――…っ七重姉!! ryouを! ryouが!!
[彼女が何をするためにどこへ向かうのか。
僕にはわからない。
だけどなぜか止めなきゃいけないような気がして、
ちょうど姿を現した七重姉に、彼女を止めてもらうように声を――]
[ようやくペットボトル同士に挟まっていたタオルの端を引っ張りだすと、涼へとタオルを差し出す。
相手の最初の言葉には「良いのよ」と返せたが、続く言葉と目に入ったナイフに息を飲んだ]
…ryou?
貴女何を──。
[七重が立ち去ったあと、廊下には亜佐美とふたり。
一歩引き、こちらを伺う亜佐美にニコニコと笑顔を向けていたが、]
……ねぇ、蒼さん。
[沈黙を破るように、そう声を掛ける。向こうがこちらに反応を返せば、]
さっきの答えは、出ましたぁ?
[首を傾け、そう問う。
その目は先ほどにも増して漆黒に染まっていた。]
[差し出されたタオルを受け取りながら]
やることがありますの。
[七重の言葉にもやはりそうとだけ答えてぬれた髪はそのままにタオルを体に巻いて]
ありがとう、ナタリーさんにはお世話になってばかりですわ。
後でお礼をしませんといけませんわね。
[そして通り過ぎようとしたところで進路をふさがれ、
七重のほうに笑いかける]
私この先に急ぎの用事がありますの。
どいてくださらないかしら?
[感情の籠らない笑みを向けられ、小さく息を飲む。
腕に抱えたペットボトルがそれぞれ擦れ、ぎち、と微かに音を鳴らした]
───っ。
な、何を、するのか、教えて。
[尋常ではない涼の様子に、ただそれだけを訊ねた。
ナイフを手にやること。
今の状況からして考えられるのは限られて居るのだけれど]
[七重の問いに笑みは崩さぬままに]
蒼さんに用事がありますの。
[そうとだけ答えるがきっと二人には何をするかわかるだろうか、
両手をあげて二人に敵意がないことをしめしながら]
通してくださらないかしら?
二人には危害を加えたくありませんわ。
蒼、に?
…ぁ、ryouは、蒼が人狼だと思ってる、の?
[書き込みを見つけたのは涼だった。
そのまま信じているのだとしたら、その行動は納得はいく。
けれど、先の仮定の符号もあり、あの書き込みを信じ切れずに居た。
考え込み、思考を巡らすその隙を、涼は気付くだろうか]
[質問には答えることなく七重の意識がそれているのを感じ取ると駆け出してその横をとおりすぎようとした]
いかなきゃいけませんわ。
もう二度も同じことは……、
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