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[引き裂かれる、感触。
これまでとは質の異なる激痛。
叫びそうになった。
けれど。
それを聞きつけた誰かが来るのは嫌で。
声を、必死で押さえ込もうとする。
蒼があった場所から、紅が溢れる。
あかく、あかく。
白いシーツが紅に染まって、花弁を開く]
─二階・エルザの部屋─
[そういえばお腹は空いていたけれど]
[表情を隠すように鼻先まで引っ張りあげて]
[けれど]
エルザ…エルザ、ここ、出よう…?
[主語は、集会場…なのだろうか?]
[怯えていたように見えた、彼の様子を思い出す]
[部屋に篭って一人怯えているのだろうか?
それとも、すでに――]
[そういえば、あの日。
スノーマンの傍に誰かの影を見なかったか?
どうしてあの時、確認しなかった?]
[あれが、アーベルだったの、なら]
[ずる、と壁に手をついたままで蹲る]
[痛みなどない。
けれど。けれど]
[蒼い花を食らう][無理やりに喉に下して]
[零れる赤を、少しでも抑えようとか]
[獣のように][――否、獣なのか]
[零れるあまいあまいいのちを、舐める]
[やさしく]
[いとおしそうに]
[小さな声で告げられた言葉に、少し首を傾げる]
ここを?
[部屋を、では無いと思う]
[では、何処から?]
ここ、って、この集会場を?
それとも……
[どこか、遠くへ]
[ブリジットが、ここに居ては、危険]
[何故だかそう思って]
─二階・エルザの部屋─
わたし達……呼ばれた……
でも、もう…呼んだひとたちいない……
……エルザと一緒…
……一緒…
[遠い遠い場所で冷たい風を切り裂く鉄の音が聞こえたような気がしたけれど、もしかしたら風の声かもしれない]
[『あおが、きえた』
そんな考えが、ふと過ぎる。
解放。
望み。
叶えられた安堵]
……………。
[伝えようとした言葉は、音を結ばない。
病魔を抱え、衰弱を重ねていた身に、今の衝撃は余りにも大きすぎて。
声が、出せない、から。
まだ動く左手で、そっと、頭を撫でて]
[舐めても舐めてもあふれてくるあまい血]
[涙が頬を伝うだろうか]
[それでも][頭を撫でる弱い手に]
[微笑が浮かんで][消えて]
[そのあまい液体をあきらめて]
[そっと首筋に][顔をうずめて]
[やさしく、口付ける]
[甘く]
[別れを惜しむように]
エーリッヒ……ごめんなさい
[そして、口唇を、赤い、血の色の唇で、]
[そっと][ふさいだ]
…呼ばれた?
[誰に、なんと呼ばれていたのか想像はできたけれど]
[それでも手を離すことなど出来なくて]
えぇ、ずっと…ずっと一緒よ?
一緒に行きましょう…遠くへ…
[一緒に居れば守れるかも知れない]
[誰を? 誰から?]
[自分にはわからなかったけれど]
[なんで謝るんだよ、と。
声に出して問う事はできなかった。
声が出ないから。
そして、唇が塞がれたから。
伝わるのは、自分の血の味なのだと、ぼんやりした意識が認識する。
それでも。
それが不快かと言うとそんな事はなくて。
心地良さすら、今は、感じられた]
[舌先を差し入れて][甘く]
[せめて苦痛を、少しでも楽にしてやれるように]
[それならば殺してしまえばいいのに]
[どうしても][それが][できなくて]
[苦しめることになるとわかっているのに]
[口唇を離せば、肌蹴た胸元に唇を寄せて]
[先ほど噛み切った、そこに]
[再び舌を這わせて]
[長い、爪が] [精神が]
[そっと] [狂っていく]
[頬を撫でる] [月が遠い]
[はあ、と。
嘆息とも吐息ともつかない息が一つ、こぼれて。
蒼の花に由来する痛みは、もう、ほとんど残っていない。
あるのは、それが裂かれた痛み。
でも、それはよろこびを伴っていたもの。
だから、厭う事はなく]
……あつい……。
[代わりに、酷く感じている事が。
ぽつり、と。声になってこぼれた]
─二階・エルザの部屋─
自衛団のひとたち…
[それは集会場に呼ばれた人達の大半が]
[半分強制的に連れられてきた訳で]
遠く…?
エルザいるなら、どこだっていい
[わらって]
―居間・身上書のボード前―
[ふる、と頭を振ってその考えを追い払う]
…見に行こう。
[彼の部屋が何処かなんて知らなかったけれど]
[妙な胸騒ぎが。
それの疼きが。
二階へと、足を――]
[遠く、銃声が聞こえた。
二階へ上がりかけた足は止まり、窓の向こうを見る]
[明るい室内ではガラスには自分の姿が映るばかりで、何も見えない]
[声が届く][爪は細心の注意で頬をやさしく撫でたまま]
[再び、口付けて]
痛くはないですか?
[耳元で囁いて] [そんなはずもないのに]
[そっと][無理やり奪った蒼の花の咲いていた場所を]
[反対の手の爪で撫でて]
[痛いだろう][思いながら]
[微笑みは][いつもと同じようで]
[そのまま、服を、しっかり広げる]
[心臓の上に、くちづける]
あぁ…彼ら、が…
[つまりはやはりそういうことで]
[その中にブリジットが居たのは、昔の出来事のせいなのだろうけど]
[だからこそ、ここに居てはいけない、と]
ええ、遠くへ。
ここを出ましょう、ブリジット。
一緒に旅をするの。楽しいわよ?
[そう言って、笑いかける]
[投げられた問い。
声が上手く出せないから、頷いて答えた。
蒼の花のあった所が激しく疼いているけれど。
そこにあるのは、痛みと言うより熱さで。
それなら、耐えられるから。
大丈夫だから。
そんな思いを込めて。
ただ、微笑む。
滴り落ちる真紅が。
少しずつ。
少しずつ。
元から僅かだった時間を削って行くけれど。
ただ、笑んで]
−集会所、外−
[周りの家々には光はなく、ただ、その建物にだけ、灯る明かり。
二階のいくつかの窓だけが、外へと光を漏らしている。
…居る。
そう、確信めいた予感。
背中を丸めることもなく、玄関からずかずかと上がりこむ。
足の向く先は階段。]
[うなずく様子を見て]
[泣き出しそうに] [――否もう泣いているか?]
[だんだん広がってゆくあか]
[あまいにおい]
[口付けた場所で、脈打つおと]
[ここを貫けば][おわる]
[いなくなってしまう]
[それでも] [くるしませたくないならば]
さようなら、エーリッヒ
[微笑みと声は][うまくのぼっただろうか]
[分からないけれど]
[そこを][鋭い爪で][無理やりに]
[ 貫 い た ]
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