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で、そっちは何の話?
[駆け出す少女を視界の片隅に収め、随分と温度差があるように思える、硝子細工職人と治癒術師、二人の見習いの会話に首を突っ込む]
[リディとアーベルとのやり取りを眺め。
その手が振られるのに釣られて、そちらを見る。
エーリッヒを見つけて片手を上げ。
ついでにマタタビ咥えたドラ…もとい飼い猫が去って行くのも見た。
すぐに去られたので、少しばかり残念そうな表情]
あ、リディちゃん早い。
えーと、エーリ君も食べようよ。エーリ君が食べたかったんでしょう?
[じーっと見てから、*追いかけた*]
あ、エーリ。
[声をかけられ、最初に視線が行くのはやっぱり右腕。
紅の瞳は、少しだけ真剣さを帯びて]
ええと、昨日見かけた怪しい人影に関しての考察……ですねぇ。
[ミリィの返答に目を瞬かせた。
示し、見たのか?と首を傾げる。
他に見た者がいるとは思わなかったらしい]
妙なモノを見た。
[エーリッヒには端的な回答。
何とも分かり辛い]
おやま、ありがとさんだよ。
[表の玄関に出たところでやって来たティルに笑って、頭を撫でようと手を伸ばした。
そして籠を受け取ってキッチンに戻り、栗を戸棚にしっかり隠す。
追いかけてきたマタタビに素早く逃げた猫妖精が、焼き立てのシュトゥルーデルに手を出して火傷せずにすんだのはある意味幸い]
ツィムトお帰り。いいもの貰ってきたねェ。
[逃げた猫妖精に鼻を鳴らし、ぴんと尻尾を立てた薄茶猫が婆の足に擦り寄る]
お前が居るなら安心だァね。
それじゃァ、ちィとばかし留守を頼むよ。
[寝床にマタタビ持ち込む番猫に留守を任せて、店に向かおうと広場を通る]
ん、……ああ。
先に食べとけ。
[好物は好物だが、年下の前でがっつくような事はしない。
それでも見送る時間は少し長く、その間に向けられたミリアムの視線には気付けずじまい。二人の回答が得られてから漸く顔を戻した]
怪しい人物、に、妙なモノ……?
変質者でも出たのか。
変質者だって? そりゃまたなんだい?
あァ、こんにちわだよゥ。
[噂好きが先立って思わず口を出してから、挨拶。
籠を差し出すにはタイミングが悪そう…というか話が気になって耳を傾ける]
[ユリアンにはええ、と言いつつ一つ頷き]
変質者さんなら、ブルーメが撃退していますよぉ。
[エーリッヒにはさらりとこう返す]
なんていうか……子供らしくない、子供、って言えばいいのかしら。
妙な違和感を感じさせる人影を見かけたのです。
[変質者、という言葉に少し悩んだ。
…ややあって頷いた。
姿が姿だから多分仕方ない。
ヨハナの声に気付き、頭を下げ。
首輪のことを思い出したか、口に手を当てた]
あれ、ヨハナ婆。
間抜け猫は?
[泥棒から間抜けにひっそりと格下げされていた]
いや、俺も今聞いたばっかりだから、
[言いかけて、次いだミリアムの台詞に首を傾ぐ]
…………子供らしくない……妙な違和感、か。
それなら、俺も見たかもしれない。
見たというか、直接見たわけじゃないが。
変質者に子供って、また変な話してるねェ。
[素直に突っ込んでから、ユリアンの様子に籠の布を少し持ち上げた。ふわりと甘い林檎とバターの香りのする紙の包みを取ってから、籠ごと差し出す]
あァ、そうそう冷めないうちに前払いさねェ。
こっちはミリィに。約束していた分だよ。
[それからエーリッヒの言葉に片眉を上げた]
…うちのツィムトは間抜けじゃないさね。
それより坊はもらえなかったのかい?
森自体も、変な、ざわめている感じがするんだよな。
妖精の環があってさ、それ自体は、祭りの後だから格別珍しいことでもないんだが、間抜け猫……ティル曰く「危ない」ものらしいし。
[口許に手を当て、眉を寄せながら言う。
熱を残す腕が少しだけ、疼くような気がした]
おかしなのが入り込んだかな……?
あら、ヨハナの御婆様、こんにちわです。
[挨拶しつつ、ぺこり、と一礼して。
差し出された包みに、表情が一気に崩れた]
ありがとうございますっ!
御婆様の作るお菓子は美味しいから、凄く嬉しいですっ。
[にこにこしながら受け取って。
エーリッヒの言葉に、瞬き一つ]
エーリも、ですか。
んん……やっぱり、色々と気になりますねぇ……。
昨日から、妙な違和感も感じますし。
[ちゃんと、調べた方がいいかしら、と。
呟きながら、*軽く首を傾げ*]
うん? ああ、違う、違う。
昨日の泥棒猫の事だよ。先に行くって言っていたんだが。
[勘違いを訂正した後、緑の眼を瞬かせる。
他者の心配を余所に、喧嘩をした当人はと言えば、すっかり忘れ去っていた。ヨハナの表情に一瞬不思議そうになり、それから苦笑を浮かべる]
いや、こっちの話題が気になったから。
それに、食べるなら、ゆっくり食べたいし。
[好物に口許を綻ばせるさまは、なんとなく見せたくないらしかった]
[嘘は言っていないが、真実の全てを語っているわけでもない。
けれど自分のしたことを他人事のように言うのは、少しばかり擽ったい感じだ]
[前払いと言われ、籠自体は素直に受け取った。
代金の一部でもあるからか、頭を下げて、やや丁重に。
それから少し考えて]
取って来る。
[そう告げて、店目指して駆け出す**]
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