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─集会場・外─
[見張り役らしい自衛団員がこちらを見ている事には気づいた様子もなく。
何かを振り切ろうとするかのように、音色を紡ぐ。
肩の鸚鵡はゆら、ゆらと音に合わせるように身体を揺らす。
ただ合わせるだけでなく、歌らしきものが紡がれているのは、風と音色に紛れていたが]
ん、じゃあ、少しだけ待っててね。
先に広間に行って、人呼んで来るから。
代わりの人が来たなら、そのまま直接外に来ると良いよ。
[とんとん、と音を立てて階下へ降り。
摘めるものと飲み物を準備していたローザに声を掛ける。
難しいようなら、ハインリヒかクロエに頼んだか。
集会場を出るとき、見えた自衛団員には礼儀正しく会釈をして、ちょっとした気晴らしである旨と、もう一人少女が来るだろうことを伝えた]
―二階客室―
[目が覚めた。頭が少々ぼーっとしているが、体の疲労感は抜けている。
あの後スプラッタな姿を整え、腕にも処置を整えて、もう少し自分の体で色々試してねたんだっけか]
ったく。ちょっとスプラッタだっただけなのに案だけ言われるとはなぁ…まあ。それが普通…なんだろけど
[ローザにはじまり、ダーヴィッド、ユリアンにロートス。ゲルダにロミルダ
怪しさも胡散臭さも満載にみえただろう。治療なんて言葉も浮かばなかったことでしょう。]
…ま、いっか。
[指一本で器用に針を回しつつ、そういえば傷口を縛ってた布はローザのスカートの裾だったっけかと今更ながら思いながら、外から流れる笛の音を聞いていた]
[集会場から出てきた人の気配に気づいたのは、鸚鵡が先。
小声の歌が途切れ、くるる、と短い鳴き声が上がる]
……ロートス?
[注意を促す時の鳴き方に、奏でる手が止まった]
はいです。
[ロミルダは返事をして、ブリジットの側に腰を降ろす。
そのまましばらく待って、代わりの人が来たなら、ぺこりと頭を下げて部屋を出た]
流石にロートスの方までは、誤魔化せなかったか。
もう少しくらい、聞いていたかった気もするんだがなぁ。
[苦笑を零しつつ、その横へと距離を詰め、脚を折る。
好んで纏う紅の色の服の裾が、ひらと揺れた]
おまえさ…、気分と機嫌と具合、どれが悪い?
[真顔で、何の装飾も無く問いかける]
[何かあったのか、と周囲を見回す。
最初に目に入ったのは、こちらにやって来る紅の姿]
……ダーヴ?
何だよ、いきなり……。
[真顔の問いの真意が掴めず、返したのは、問い]
───ん。
[ゆっくりと目を開いた先は、よく知らない場所だった。
それに気づいたとき、「ああ。またやっちゃったか」と胸中で呟き、上半身を起き上がらせる。
まだ鈍痛は続いていたが、耐えられないほどではない。
一度、大きく腹をさすりながら、小さく声をかける]
……大丈夫だから、怖がらないで。
私に何があっても、あなただけは絶対に守ってあげるから。
[穏やかに微笑みながら言うと、少しだけ痛みが治まってきたような気がしてきた]
ふふ、良い子。
さ、て、と。ノドが乾いたな。なんか飲むもの無いかな。
[新たな人間が来たことなんて知らずに、笛の音が止んだところでいつのまにか手馴れたように針をしまう]
さて。なにすっかなぁ。
[現状とりあえず集会所周囲よりは出られない。あいにくと手紙を外へ出す先もない。
仕事するほどの意欲もない……]
なら好きにするか
[荷袋を片手に己にあてがわれた部屋より出た]
―集会場・広間―
[外からの音に聞き入っていると、少し遠慮がちに掛けられる声]
ダーヴィッドか。
ブリジットの様子は?
[今は落ち着いている、との返事を貰えば小さく安堵の息を吐いて。
続く付き添いの交代の申し出に]
かまわないけど…お前は?
外…?
[ユリアンと自衛団員の様子を聞き立ち上がる]
わかった、ユリアンのほうは頼むな。
[ダーヴィッドがそのまま外に向かうのを見届けて二階へと向かう]
[ロミルダはそのまま階段を降り、外に出ようとしたけれど、ふと広間の椅子の横へ。
かばんの上に置いていた、赤と黒2色で描かれた絵本を腕に抱えてから、扉から外へと出て行く]
―二階・客室―
[二階のブリジットの部屋へと顔を出して、そこに居るロミルダに交代に来たと伝える。
ぺこりと頭を下げて下に向かう少女の代わりに、その椅子に腰掛けた]
[とはいえ、自分に出来ることはそうなくて。
見守るブリジットが目を開けるのに気がついて、驚かさぬように声を掛けた]
気がついたか?
何って、勘だけど?
…外れてるなら、それはそれで構わんのだが。
だが、しかし。
おまえは、そう変わってないからな。
音も含めて素直なんだよ。
[肩を竦め、柔く笑う]
なーんか、上手く言葉にならんけどさ。変な感じ、する。
─広間─
[階上を降りて来る足音が聞こえる。
音色を聞いて居てもそれを知るくらいの余裕はあって。
交代を頼むダーヴィッドの声とそれに応じるハインリヒの声を聞き、反応したのを示すように顔を少し動かした。
その後は扉の開閉の音が聞こえ、階上へ向かう足音を聞き。
そうしている間に聞こえて居た音色は止まっていた]
…お、しま、い。
ざん、ねん。
[音色を思い出しながら、胸元のオカリナへと触れた]
― → ブリジットのいる部屋―
[そっと扉を開ける。結局浮かんだのは一度顔を見ておこうという程度だった。我ながら面白みがないともいえるかもしれないが]
…ぁ。ハインリヒさん。ブリジットさんはどう?
[必要以上に騒がしくしないでいるつもりなために扉の外から声をかけたためブリジットが目を覚ましたのに気づいていない]
[きょろきょろと辺りを見渡すまでも無く、水差しが枕元にあったのを発見すると、一杯コップに入れて飲み干す]
……んくっ。
ぷはー。
あー、この一杯の為に今日も生きているわい。がははー、なんつったりして。
[水を飲み干して一息つくとようやっとハインリヒがそばにいるのに気づいた]
あら。ハインリヒさん。こんにちわ。
それとも、こんばんわかな?
挨拶とは、季節をあらわし、今の時刻をもあらわす、人と人が触れ合うための、重要な一言であるとかなんとか。
[すでにいつものような調子の話し方に戻ってきていた]
―集会所外―
[自衛団員の視線にちょっとだけ身を竦めたけど、ダーヴィッドが言付けてくれていたお蔭か、咎められることもなかった]
大丈夫、ですか?
[腕に絵本を抱え、少し離れた場所で立ち止まって、2人を見る]
……そう、言われても。
[変な感じ、と言われ。柔かい笑みから、逃げるように視線を逸らす]
なんか。
色々。
思い出して。
子供の頃の事とか、かーさん死んだ時の事とか。
[それから、ぽつりと呟く]
それと……なんっか、ヘンに頭痛くなったりするしで。
自分でも、よく、わかんないんだよ。
[扉の外から様子を伺うゼルギウスに「大丈夫」と言おうとする前にブリジットが起き上がる]
大丈夫、落ち着いてるみたいだ。
[起き上がって水を飲んで喋りだす様子は、倒れる前の彼女と変わらずに]
こんにちわ、だな。
その様子ならもう大丈夫か?
とはいっても、急に動くと危ないかも知れんが。
[表向きはそっけないが、一応心配はしているようだ]
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