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にゃーっ!
やっぱり極悪人にゃーーーっ!!
[生贄と言う言葉に涙目でベッドの下に潜り込んだ]
きっと、ゴギーばあちゃんもお前が呼んだに違いないにゃっ!!
わ、ウェーバーさん!?
[腰に手を当てうめく老婆におろおろ。
アーベルに助けを求めるように視線を向けるが、先の会話を思い出せば何となく目をそらした。
猫少年よりも老婆の方が重いだろうなと思ったことは口にするつもりは無い。]
えっと、あっと……ミリィおねーちゃん呼んで来なきゃ!
[立ち上がり、再び扉の方へと。]
[空を見上げる様子に、自分も空をちらりと見る。
結界を操る術にだけは昔から長けていたためか、そこにはうっすらと壁らしきものが見えた]
……え?
あ、はぁい。
[仕種から、待て、の意を読み取り。
きょと、としながら、店へと入る背を見送った]
仮にも寝床を貸してやったのに、その言い草は酷いな。
[猫妖精に向けるのは、やはり笑顔。
開け放たれた扉の先で、ベッドの下に潜り込む少年を見た]
呼べるっていうんなら、可愛い女の子か何かのほうがいいけどねえ。
[数秒の間見つめていたが、ふっと視線を逸らして、軽い物言いをした。散らばった茸を拾い集め、籠に戻す]
あーっと。
まだいるかもしれないから、気をつけろよ?
[外へ行こうとするリディアを積極的に止めることはなかったが、忠告だけは発す]
[暫くして店から出る、片手には硝子の天使像。
勿論水晶であるという本物など見たことはないから、伝承を元に想像して作られたものではあったが]
…思い付くのはこれぐらいだが。
[職人の間で知らない者はいない話。
祭りの為の品の一つであったレプリカを示す。
彼自身は不本意の作であったらしく、密かに眉を顰めてはいたが]
[引っ張られそうなことに気付いたのか、尻尾がしゅるんとベッドの下に引き込まれ、代わりに猫の目が、視線を逸らした青年の背をじーっと見て、ぽそり]
虹の天使にお願いするといいにゃ。
[ベッドの下に隠れたままの表情は見えないだろう]
いでで…お前さんがいなくても同じさね。気にするでないよ。
[止まりきれずに壁にぶつかるかしたに違いないとリディに告げて、エーリッヒの言葉に唸るように頷く]
腰は温める方がいいんじゃが紅茶は貰うよ。
その前にこの籠を下ろしてくれると助かるがなァ。
[茸を集めて入れる様子に半分だけ身を起こした状態で頼む]
[見せられた硝子の天使像に、上がるのはわぁ、という歓声。
どこか渋い表情には、気付いていない様子]
綺麗ですねぇ……。
ええと、これ、お祭りの時にもあったですよね。
何かを模して造ったって……なんでしたっけ、虹の……。
お待ちリディ、まだ外に居るかも…いででで!
[再び唸りながら前屈みに唸る。毬栗状態で転がっていた薄茶猫はようやく硬直が解けたらしく、体を震わせて伸びをした。
ベットの下から聞こえる声と光る目に、薄茶猫の瞳孔が太くなる
「ミ゛ャァゥ(お前…?)」]
[猫妖精の台詞は果たして届いたか、答えを返す事はなく]
ああ、そうだったっけ。
何分、腰を痛めたことはないから。
[ヨハナの頼みに、自分で下ろせないかと苦笑しつつも、今は邪魔なノートを卓上に置いてから、老婆の背負う籠を下ろす。
ぱらりとページが捲れて、そこに走り書きされた文字は――"Regenbogen" ]
……ん。
本来なら、悪い子を懲らしめるためのものだよ。
今はちょっと、様子が違うらしいが。
[少し間を空け、リディアにはそう答えた]
水晶細工、レーゲンボーデン。
…妖精王の力で、願いが叶うとか。
[途切れた言葉を継ぎ。
幼い頃から聞かされていた伝承をすらりと述べ、口を閉じる。
表情が微妙なのは元からのコンプレックスだけでなく、妖精王の実物がアレだったのもきっとある。
そうして、これが何か?と首を傾げた]
リディちゃんは気をつけてね?
おばあちゃん、大丈夫?
[それから騒ぐティルに一言。]
エーリ君が運んでくれたんだから、指さしちゃだめだよ?
レーゲンボーデン……ですかぁ。
[継がれた言葉と、伝承に、瞬き一つ。
肩の白い鳥が物言いたげに尾羽を揺らしたのには気づかず。
首を傾げられ、ええと、と言いつつ周囲を見回す。
特に、こちらの話を気に止めている人はいない。らしい]
……理由をね、考えていたのです。
今、村に起きている出来事は、何を目的にしてるのか、って。
それで、守護妖精様に由来のものとか、力のあるものとか、そういうのが関わりあるのかな、って思って。
願いが叶う、水晶細工……なんだか、凄く、狙われそうですよねぇ。
じゃあ、悪い子じゃないから平気ですね!
[話の半分だけ聞いて大きく頷く。]
とりあえず、注意して行ってきます!
[最後にもう一度だけ、老婆に心配そうな視線を向け扉を閉じた。]
すまないねェ、坊。
若いってのは羨ましいこった。
[籠を下ろしてもらって何とか一息つき、痛みが走らないようにそろりそろりと顔を上げる。そして少女に答える青年の声に頷いて、顔を顰めた]
…あァ、坊の言う通りさね。
樹の上の林檎は鳥に、虫の付いた栗と毬は森に、わたしゃ長年ちゃァんと森と人の取り分を守っとる。それで襲われるんなら人間は何も採るなって事さ。
そりゃァ、ちょィとおかしいとしか思えないねェ。
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