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本当にそうなったら、ベル兄が小父さんに殴り飛ばされちゃうよ?
[ベッティの返しには、こちらも冗談にも本気にも聞こえる返答を返して。
敵わない、といわれながらもスープに口をつけるのを見ればほっと息を吐いて自分もスプーンを動かした。]
―宿屋 食堂―
ん、それじゃちょっと待っててね。
[待ってくれる娘の気遣いは、有難く受け入れて。
残ったスープを少し速めに喉に流してから再びゲルダに向き直った。
その最中、紡がれた言葉には一度瞬く。
彼女の胸中は窺い知れないが。]
だとしたら、まずは相手が必要ね。
[そんな事を笑みながら口にした。]
―宿屋 個室―
[部屋の中で荷物を下ろし、中から一つのケースを取り出す。
完成予定のスケッチと共に収められた未完成の人形は、ミハエルに頼まれていた品。
そっとその表面を撫でて、机の上に置いた。
それからポケットを探り、針の納められた刺繍ケースを確認する]
銀以外は、余程の傷でないと効果は薄い――のよね。
[昨日読んだ本の記述を声に出してなぞる。
ただの武器ならば裁ち鋏等のほうが強いかも知れないが、それは銀ではない。
小さく息を吐いた]
ミハエル君も何か口にした方が好いのだよ
[ことりと頸を傾ぎ、娘はクロエの勧めを指して。]
イレーネさんの赤ちゃんの御話だよ
元気に生まれてきて欲しいな、って想って
[ね?と同意を求める様にイレーネへ視線を向けた。
御腹に触れさせて貰おうかとしていたことも少年に伝え。]
ン―――ミハエル君も御腹に触れさせて貰うかい?
うん、解った。
ちょっと待っててね。
あ、パンの場所くらい解るから、ベッティはそのまま食べてて。
[ミハエルから頼まれれば微笑みと共に了承して立ち上がり厨房へと向かい。
ほどなくミハエルの分のスープとパンを持って戻ってくる。]
はい、どうぞ。
朝ご飯はちゃんと食べなきゃね。
[そうミハエルに食事を勧め、自分も席に戻ってスープを少しづつ飲み始めた。]
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