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―二階・個室―
[ベッドに腰掛、窓の外の銀世界を見遣る。
新たに降り注いだ結晶に埋もれ、昨日彼女の作った雪人形たちの姿はもう何処にも見えない]
[小さく息をこぼして、膝の上のランプを撫ぜた。母が我が子を慈しむかのように]
……ない……
[――知らない、と繰り返す]
全て……消えて……
[世界を覆う白を見詰めていたが、]
[何やら、階下が賑やかになった気配。ランプをそっと卓上に置いて、部屋を出る]
[少女がやってきていたことに気付いていなかった。が、ポットに湯を注いだために生まれた香りで気付いたようで]
あ、お早うございます。
それ、気に入りましたか?
[嬉しそうに微笑んで]
[それから声がするのに気付いて、誰か来たのかなと思いつつ]
―ベアトリーチェの部屋・回想―
[ベアトリーチェが潜り込んだ時に身をひいたが、そのあとは氷が水にぬるかむように布団の中も温かくなった]
[すぐに寝息を立てはじめたベアトリーチェ]
[布団をめくり、横顔を月光に照らし出した]
[艶のある髪]
[陽の元では薔薇色であろう頬]
[長い睫に形のよい眉]
[つるっとしたくび]
[彼は、イレーネに目を合わせて、にっこり笑う]
こんにちは。僕はアーベル。キミはランプ屋のイレーネさんだね?
しばらくの間よろしくね。
[オトフリートの声に少女は我に返り、笑いながら頷く]
……うん。大好き。
ずっと花が開くのを見ていたい。
[しかし突如聞こえた男の声にびくっとなり]
そうですね、とても綺麗ですから
[ベアトリーチェに微笑んで]
私もはじめて見た時、とても感動して。
でも飲まずにいたら苦くなってしまいました。
[笑って、それから、飲みますか?と微笑む]
けっこう、たくさんありますし。
どうやってこれを仕入れたのか、とても気になりますけれど。
―ベアトリーチェの部屋・回想―
[口元がゆるむ]
[何故かわらうように]
[両手を、首を触らないように離して、囲むように]
[そのままでいて]
[身動きをするベアトリーチェ]
[元のように布団を戻して、また眠りに落ちる]
[眠りは深く、朝ベアトリーチェが起きても目覚める事はなかった]
……ああ。よく、知っている…ね。
よろしく。………アーベル。
[こちらを見る瞳に、夜に近い澄んだ空の色だなと思う。
小さく頭を下げて、それから姿の変わった機械犬を見遣り]
…流石、「直せないものはない」………、かな?
[昨日の少女を思い出しつつ、呟く]
―ベアトリーチェの部屋―
[一人目覚める]
[近くには誰もいなくて陽のひかりがさしこんでいた]
[身を起こすと長い髪が名残惜しそうにベッドから離れた]
[抱えていた服の皺を丁寧にベッドの上で伸ばして、たたむ]
[ベッドから降りると部屋から出た]
[彼はイレーネの言葉に、軽く小首を傾げて笑う]
ああ、良く知ってるよ。
[機械犬の尻尾をくすぐるように触る]
この機械犬は誰が作ったの?知ってる?
[少女は首を横に振った]
ううん。飲まない。飲んだらお花みれなくなっちゃうから。ずっと見てたいの。
まだたくさんあるなら、これからも毎日花が咲くところ見てもいいんだね。
[少女はポットを両手で包み込むように抱えた。
まるで貴重品に触れるみたいに優しく]
[廊下の窓が自分の姿を何分の一か反射させていた]
[襟元に指をいれてひらくと首を見る]
[そこには何ものこってはいないけれど]
[元に戻すと階段をおりはじめた]
[笑うアーベル青年に、薄く笑みを返して]
……ああ。よく、知っている……よ。
[ほんの少し、彼の口振りを真似てみせ]
…ベアトリーチェ、という子……
綺麗な……金の髪の、少女。聡明な、子…だよ。
[言ってから、近くに姿が見えないのに、研究中だろうかと思いつつ視線を巡らす]
あははは!
[彼は、イレーネの口真似に気付くと楽しそうに笑う]
そう、ベアトリーチェだね。うん、こんなに可愛い機械犬を作るんだから、とっても良い子なんだね。
教えてくれて、ありがとう。イレーネ。
どういたし……
[まして、と言おうとして、機械犬のくしゃみの連発に、目を瞬かせる]
………あまり…悪戯すると、…知らない、よ?
[階段を降りて来る足音に気づけば、顔をそちらに向け]
うん?ああ、あんまり悪戯すると嫌われちゃうかな?
それは困るな。
[彼は、くすぐっていた手を止め、機械犬を抱き直す。イレーネの視線に釣られるように、入ってきたブリジットに目を向けた]
[ゆるりと首を傾けて]
ブリジット。……おはよう、かな?
[反応しない様子も、厨房へ向かうのも気にした様子はなく]
……やまない、ね。
[アーベルにそう答えると、窓辺へ。
そこに置かれた分厚い陶磁器の中には、もう雪で象られたうさぎはいない。
溶けた水があり、何枚かの葉がある。ただ、それだけ]
[しばし窓の外を見つめていた彼は、ふいに振り返る]
そうだ!せっかくこんなに雪があるんだから、スノーマンを作ろう!
[言うが早いか、機械犬を床に降ろして、ぱたぱたと玄関に向かう]
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