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占い結果で人狼という判定が出れば人狼を見分ける能力があるというアピールになる。
故に甘露をその喉に。
人狼を殺害した場合も同様。
ですが、程度の差こそあれ、人間を殺害したとて一種の昂揚を感じていた筈です、後での落胆という差はあるにしても。
イレーネ!
[走り出したイレーネをとめようと手を伸ばすも、]
[それは遅く、]
[何でああも早く走れるのか]
[そんなことを考えたか、考えられなかったか]
[走る]
[その瞬間、ブリジットの口唇から、悲鳴]
[狼も来る]
[腕を、つかむ][イレーネごと、二人を、引く]
やぁぁぁぁぁぁ
[叫びに反応したのか]
[狼はじりじりとつめていた距離を一気に詰めて]
[ブリジットとイレーネに襲いかかった]
[昨日、見たのと似た光景]
[白の中、散るあか]
[片腕が、その色に染まる]
[異なるのは、その感覚が実感出来る事]
[オトフリートに引き寄せられ]
[影は、すぐさま離れた]
[恐らくは、警告]
[今は、本気で殺す気は無いのだろう]
[ブリジットの恐慌状態に気付いたのは、その後]
[エーリッヒの言葉に少し戸惑いを感じて。
歌うことは仕事で、誰かを助けていると言う自覚はなかったから]
私は…皆が少しでも安らいだ気持ちになれれば、って。
それだけで…
でも、歌うことが誰かの力になれるなら嬉しいわね…
[そう呟いて、続いた言葉に少し首を傾げる]
…怖い?心配されることが?
[もう二度と力は使いたくないと、辞表を出した日の事。
傷口から感染するかもしれないとの話に、怯えて暮らした日々。
彼からの手紙を読んで、何故か行かなければ行けないと思ったのも…
全てがその為に?]
やぁ…嫌ぁぁぁぁぁぁぁ
[ゆっくりと抱き寄せられたのであれば]
[こんなに叫ばなかったのだろう]
[急な行動に]
[緩はパニックに陥った]
いや、落ち着いてください。
既に教会からは人狼に関わる一切は失われてます。
あの10年戦争で第二の聖地を放棄した。
その時に、これ幸いと人狼に関する一切も放棄したのですよ。
人狼に脅威の快復力と、人に倍する力があるとは言っても、今の技術で対抗できないこともないし、本性を表していないときには只の人間です。
また条件を満たす事は作為がなければ滅多にはありません。
解き放つことにさして抵抗は感じなかったでしょう。
[ぎ、と唇を噛む。
何か起きた。
『記憶』と現実がクロスする。
微かな疼きが、右肩に走る。
それでも、今は]
『落ち着け。苛立ちは……自分を追い込むだけだ』
[そう考えて、自制しようと試みる]
―居間―
[一匹の機械犬が階段をとことこ降りてくる。
昨日までと角張ったデザインと違い、柔らかい曲線的なボディを持つ機械犬は、音静かに居間に降り立ち、暖炉の前のクッションにダイブ]
[狼]
[遠くに走り去って、再び影となってしまった獣]
[イレーネの血が点々と白い雪の中に散っていた]
[イレーネから離れると、バタバタと走って集会場の壁まで辿りつき、壁を背にして座り込む]
[イレーネの方を向きながら、体を抱きかかえた]
イレーネっ
[さっと、狼と少女の間に、割り込む]
[スコップは、確かすぐそばに]
[狼を見据える]
早く逃げてください
[目を合わせていれば、向こうも、そうそう動けないだろう]
[口だけを動かす]
野に放たれた人狼はや、役職者の種を持つ者はひっそりと人々に紛れて暮らすようになったと聞いています。
ですが、たまに条件が成立してしまい、そう言う時は生き延びるために仕方なく人を殺すのだと。
これは以前の騒ぎの時に、人狼自身から聞き出したのですから、まず確かでしょう。
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