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無理だなんて滅相も無い。
ワタシは貴方方の為に働く人形《DOLL》ですから。
主の御役に立てること以外で、楽しみなどありましょうか。
尤も――“ラッセル”にとっては、如何だか知りませんがね。
いえ、こちらこそありがとうございます。
[深々とお辞儀をして、受け取ったキャンディと招待券を
失くさないように紙袋の中へ、しまいこむ。]
見習いでも、凄いと思います。
時間が、あったら。 見にいきますね。
[時間があったら。まるで自分に言い聞かせてるみたいだなと
頭の端で考えながら、笑みを返して。
投げられる問いには、少し首を傾げながらも]
ニーナ。ニーナ=ベルティ、って言います。
町の診療所で、お手伝いをたまに、してるんですけど。
…怪我や病気でも、なされたら。どうぞ?
[ちょっとだけ不謹慎ですけど、とくすくすと笑みを零して]
[くすくすと笑う]
そうか、お前は出来の良い子だな。
では、存分に役に立ってもらうとしようか。
"ラッセル"にも、な。
[何処かで見たような少女の姿。]
あれ、君は――
いや。大丈夫?
[一度首を振る。何かを堪えるようにクマを抱く少女に、一歩近付こうか。]
ええ、始めましょう団長。
町の皆さんも待ちわびていらっしゃいますよ。
[筆を手に紅や白粉に囲まれて、パレードが出ていくのを見送り]
パレードの最後を飾る火の花のように…魂の花を咲かせましょう。
[団長を主と呼ぶ声には、小さな笑い声を零すのみ]
ニーナさん。ですね。良い名前です。
あなたに、とても似合っている。
優しい方ですね。
ええ、魔術は時に危険を伴いますから、もし怪我をしたらよろしくお願いします。
魂の花、生の証、美の精髄…ああ、咲かせよう。
そして……完成させるのだ。
完璧なるモノ……完璧なる美を。
[その声に応じるように、天幕の奥深く、凍りついた氷柱が僅かに輝きを増した]
え、と。……ありがとうございます。
[名を褒められるとは思わなかったから、
少しだけ驚いたように青を見開いて、小さく頭を下げる。
続く言葉は、小さく笑みを向けて]
ブランさんも、優しい方だと、思いますよ。
でも一番いいのは、やっぱり無事に演目をこなす事だと思いますから
気をつけて、頑張ってください。
[蹲ったままの少女を見るや、暫し躊躇うように視線を巡らせた後、更に数歩近付く。それからその顔を覗き込もうとするかのように屈み込む。]
えっと・・・立てる?
[花を左手に持ち替え、右手は少女の目前に。]
あら?
[メインストリートに面した窓。
小鳥に手を伸ばそうとした手におちた花びらがある]
これは、紙ふぶきかしら…?
シャロ、みてごらんなさいな、シャロ…。
[何枚も何枚も振ってくるそれを手でうけとめると、
部屋の奥に居る、’娘’を呼んで。]
はい。気をつけてください。
[おどけるような口調に、
やはり、くすくすと笑いを零して]
…そういえば、どんな魔術をなされるんですか?
見習いとはいっても、実演するぐらいですから
[きっと、随分凄いものなんでしょうね。
緩く首を傾げる。青の髪がさらりと揺れた。]
[化粧道具を片付ける手が止まり、天幕の奥へと目を眇め]
ええ…完璧な美を。
[茶のレンズの下、孔雀色の瞳に恍惚が浮かんで消える]
その為にも、良い魂を集めなくては。
微力ながら私も町へ出て、美しき花を内に秘めた蕾を探すとしましょう。
[化粧箱を仕舞い、賑やかなパレードの陰に隠れ町へと]
きゃあ…!
[娘へと差し出したその手が、軽く叩かれたように動き。
部屋の中を紙ふぶきが舞う]
こら、シャロ、はしゃぎすぎですよ。
[軽く娘をたしなめると、また帽子の用意をして]
わかっているわよ。もう。
出て行きたくって仕方ないって顔だわ。
[楽しそうに空を撫でると、娘を伴って、メインストリートへ]
[差し出された手と、
目の前の青年とを見比べて、
小さくもう一度頷くと、
手は借りずに立ち上がって。]
立て、た。
[眉を寄せながらも答え、
涙を払うように首を振る。]
それにしても、賑やかなもんだなぁ。
[次々とやってきて、パレードに加わる人々の様子に、こんな事を呟く。
それに同意するように鳴いた黒猫が、子供に尾を踏まれそうになって避ける様子に苦笑しつつ]
ほら、こっち来てろ。
[手を差し伸べ、黒い身体を肩へと乗せ、また歩き出す]
ふふ、美しいものを探すのに、お前以上の才能はあるまいよ。ヴィンセント。
いや、ドクターと呼ぶべきか?
期待させてもらおう。
ん。良かった。
怪我とか、してない?
[体勢はそのままに立ち上がった少女を見上げ、差し出したまま行き場の無くなった手は元の位置へと戻る。]
[メインストリートを、娘をともなって歩く。
けれども人の波にまぎれているはずなのに、
女のとなりには、なぜだかいつも、
人ひとり分の空間が空いていた]
メインストリートにこんなに人があつまるのは、
お正月くらいかしらね。
クリスマスは、みんな家でお祝いをするし…。
[にこやかに、娘と語らい、歩いていく]
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