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─ 中央議事堂 ─
いや……、もうこんなこと……
[聞こえてきた放送に泣いて震えながら、パトラッシュに返す言葉は震えたままで]
だって、エリカさんだって……わたし……
そんなこと……したかったわけじゃ……
[意識がはっきりしてないなかでのこと、でも記憶はしっかりと、たしかに自分が引き金を引いた、エリカを殺すために]
[女性から向けられた視線>>33には、怯むことも無く、叫ぶことも無く。
ただ静かに見返すのみで。
犬にしては冷静すぎる態度であると見えたことだろう]
[2人の様子を観察する間、尻尾は考えるように緩く左右に揺れる。
見目だけを見ても、やはり判ずることは出来ない。
分かるのは、青年の左腕が機械であることと、女性がここに来る前に泣いていたことくらいか]
… くふん
[探ろうとしても、考えても、分からないままで。
犬は困ったように耳を垂れさせる。
それでも選ばなければいけないから、犬は今ある自分の優先順位のまま、対象を定めようとしていた]
― 中央議事堂 ―
[集合場所まで戻り、ぐるりと周囲を見回す。
犬と少女は変わらず寄り添い合い、こんな状況だが微笑ましくも思えた]
…………。
[始まってからずっと、少女を守り支えよう、と一貫した態度を取り続けている犬。
悩んで答えがでないなら、その信念に賭けてそちらは撃たないのもありか、と。
ふと、そんな思考が過ぎって、消えた]
[混乱をしているメイン人格に介入をしようとする、
時刻に撃たなければ、殺される。
ダレカを、だれでもよかった、
この傍にいてくれる犬以外であれば……]
[二人に武器を向けたのは、パトラッシュだけ。
判断材料というには、あまりに薄い理由。
けれど、それ以外の理由も、なくて。
迷いながらも、銃口を向けた。]
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