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[見つめられて、ほんの少したじろいだのは、恐らく見て取れたろうけれど。
それでも、平静を装おうと努めて]
にしても、だ。
昔馴染みが何でも食べて健康であれるように、と気を配る俺を人狼より怖いとか、それってどういう物言いなんだよ。
[なんていいつつ、ジト目で睨み]
……かわいくなくていいっつの。
ついでに、お前もかわいくないから、それ、やめ。
[空き皿を運ぶ為、幾度か、台所と広間を出入りし。
特に、広間の声は話半分にしか届かない]
りょーかいりょーかい。
それなら、カーラちゃんのとこ――…、
[す、と僅かに息を飲む。
まじまじと。髪を下ろしたクロエの姿を見たまま微動だにせず]
『場所?
…大丈夫ですよ?』
[一応隠しておけと『言われた』のでひそひそしているが、そこまでは気が回ってないらしい。
ともあれ確認は済んだので、ロミルダはひそひそ話をやめて離れた]
ゼルさんに、これあげるです。
[それから今度は普通の声量で、折り紙の魚を差し出した。
当初は薄い青の紙でできていた魚が真っ白になっていることに、作っている最中を見ていた者がいたなら気付けるかも知れない]
[クロエが髪を結うのをなんとは無しに見ながら]
クロエの髪はまっすぐで綺麗ね。
ちょっと羨ましいな。
ん?
んー…そうだね、あんまり行かない。
ちっちゃい頃教会の人間に無理やり連れてかれてね、お義父さんが迎えに来てくれるまで帰れなかったことがあって。
それ以来ちょっと…ね。
[曖昧に苦笑し、だからといってエーリッヒを嫌っているわけではないのだ、と慌てて。]
こんなものかな。
[料理をトレイに並べて、うん、と一つ頷く。
落とさないように両手でしっかりと持って、広間へと向かう。ローザやクロエとは入れ違う形になり、軽く、頭を下げた。
戻ってみれば、記憶の中にあるのと似た光景が広がっていて]
……エリ先生、ここに来てまで説法ですか?
[呆れた、というよりは懐かしむ風。
つい、笑ってしまった]
お食事、置いておきますね。
――集会所2階・厨房→広間――
『そっか』
[離れるロミをみて用件は終わったのだろうと思う。
疑問系ではなく断定の確認系であることや、なんで自分なのか。他は?そもそも人狼?などと思うことはあるが後で整理することにして]
お。いいのかな。ありがと…じゃあ変わりに。はい。これ
[と、また飴を渡しつつ。少々違和感を覚える。
それは少し前に。折り紙をするロミを目の端に捉えていたときは折り紙は青かったような気もしたが正確には覚えていないため違和感の正体にはすぐに気づくこともなく。魚の折り紙を受け取った]
[そして何事もなかったかのように屈みこむのをやめつつ、ちょっと腰が痛いからさすった]
…俺からすれば、人狼がいる。いない。はあまり関係ないんだがな
[こちらをじっと見るダーヴィッドに、手が止まる]
…あ。
[見習い尼として旅をしていた時と今さっきの姿が重なることに気づき、しまったと思う]
そう、ですか?
婆の秘伝の洗髪が効いているのかな。
そうでしたか。
そんなことがあったら、近づきにくくもなりますね。
熱心に通う人が…陸の人には多いのかなって思ったから。
僕も、つい身構えてしまうから。
一緒ですよ。
[ローザに答えながら、どうにか笑みを浮かべる]
そうですね、化け物だとしても、化け物なりの事情なりなんなりある……と信じてます。
[ハインリヒとカルメンを交互に見]
救いについては……、現世利益は今の世界で救う、例えば病気や怪我を治し、富を生み、分け与える。
生きている以上は生としては不完全な状態ではありますが、欠けているなりに、それを補うことですね。
そして……
[言葉を次ごうとした時、ゲルダの笑い声が聞こえ、目の前に暖かな食事が並べられた]
…あ、れ?
[長い黒髪。
朧げに浮かんだのは、何時かの記憶。
黒髪が結い直されたのなら、その呪縛も解けたかのように瞬き。
首を傾げたあと、ローザに向き直った]
教会自体に行くことは、寧ろ俺は多いほうかもなぁ。
その方がご利益有りそうだし。
ま、あんまりこっちではそういうの言わないほうが良さそうな気もしてるけどね。
わ、いいですか?
ありがとうです。
[ゼルギウスの内心の疑問はそっちのけで、飴を嬉しそうに受け取る。
とはいえデザートが残っていたから、そっちを食べるのが先なのだけど]
[内容まではわからずとも、ゼルギウスとロミルダが話し込んでいるらしき姿が見えて。折り紙の魚の代わりに飴を渡すさまに、くす、と笑った]
大人の女は怖いから、子供に趣旨変えですか?
それとも、物々交換中かな。
秘伝じゃ教えてもらえそうにないかな。
[ちょっと残念、と言いつつも屈託なく笑って]
それ以前は熱心…だったよ。
もうちっちゃい頃だからあんまり覚えてないけど。
[熱心に祈っていた記憶よりも、家族と離された恐怖が色濃く残っていて。
今でも耳に残るのは、「この子は教会の許に育てるべきだ」という人間の声。もう帰れないのだろうかと思うと、本当に怖かった。]
うん。いいよ。
性悪な人がたくさんいるみたいで、おじさん疲れちゃった
[と年よりめいたようなこと口にしつつも、デザートに手を出す様子を好々爺のようでいて、さりげなく眺める]
(虚言や狂言を吐くようには…どうだろうか)
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