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[貪欲と言う女の視線は、無意識に薔薇の方へと彷徨ったろうか。
けれど直にそれは逸らされ、少女の反応を探るように細められる]
……いえ、このような事態の場合、詳細な事情を知らない方の意見が存外、的を得ていることも少なくありませんので
[そう返し、ヘルガの意見を聞くと、スッと瞼を伏せ]
……なるほど、一理はあるかもしれませんね
[ただ、同意を求められても、それに反応を返すことはなく]
……ただ、それですと主人の時にも同じことが起こるべきだったのでしょうが
フゥン、そんなものですのォ…お役に立てればァ光栄ですわネェ。
[少女の冷静な分析にも感銘を受けることなく、女は手の影で笑う]
アラァ…?
もっと犠牲になって欲しいみたいネェ…「起こるべき」だなぁんてェ…
案外ィ、貴女が犯人なんじゃないのォ?
[あり得ない推論を述べて、艶やかな紅唇が弧を描く。
夕暮れの冷たい風が、二人の間を吹きぬけた]
―客間―
よくねたか…な
[昨夜、事件のことは聞いたが、それでも眠くなるときは眠くなる。腹が減れば腹は減る。
ホールで話を聞いた後、書庫にいって何冊か本を借り、本をぺらぺら。そして寝た。
一応ということも含めて、オルゴールのことについて少しぐらい知識を蓄えようと試みてみたものの。
真に美麗にて、長ったらしい文章。
想像力をかきたててくれるのかもしれないが、曖昧で要点をえない文章。
それに心浸る気分であるならば良いものかもしれないが、そんな状況じゃない。
結局は、エーリッヒ等が語ってくれたことはよくまとまっていてわかりやすいな。と見ていて感心したものだ。
それぐらいのものなのだから、真新しいものもなく、見つけるために材料もない。
……まあそもそもオルゴールの知識を増やすぐらいの目的で、一夜漬け程度でそんなものあるわけもないと思っていたからいいか。と思ったけど。]
[髪を撫で付ける為に外された手は、女のこの場にそぐわぬ笑みを少女へと見せ付けただろうか。
魔である女にとって、少女など脅威でないゆえの無意識の油断]
ゥフフ…、可愛らしいことォ。
貴女の魂を捧げたらァ、オルゴールは喜ぶかしらネェ?
[魔の囁きは少女には聞こえない。
けれど、女が醸し出す雰囲気は少女に確信を与えたかもしれない]
[結局、専門家に任せるほうが速いというなんとも気の抜けた結論に達したのはいつだったか。
その後また違う本を見る。屋台の料理全集とかいうので…
しっかりよくわからない本を持ってきてしまっていたらしい。
ついにわたがしの作り方まで見てしまった。最も、作るきなど欠片もないが。]
んあ。
[日課の知恵の輪を出し、いじくる。
といってもやはりいつもほど寝ぼけていないのは自覚している。
今日はいつもよりすぐ外せそうだ。]
―客室―
……ぅーあー…。
[つっかれたー。と僅かうめき声を上げながら、身体を寝台へと投げ出す。
同時に、ぱた、と小さな音を立てて背表紙を閉じれば、
サイドテーブルへと積み上げたままの書物へ、手を伸ばそうとして。やめた。
…これで、漸く三冊。
昼過ぎには問題も無く手荷物や室内の探査も終えて。
空いた時間、執事に選んでもらった書物を読み漁っていたは良かったのだが]
[―――本を読む事自体は嫌いではない。
今回だって、手荷物の中に数冊の小説も持ってきていたし]
…だーから、何とかなるかと思ったんだけど。
[甘かった、と言わざるを得ない。
文献や論文を読み解くのは、小説を読み進めるより遥かに読解力を要したし
そもそも、元は興味の深くない論説を読み続けるのは
最早青年にとって苦行に等しかった。
…それでも、律儀に読みきろうとする辺りの行動は褒められるだろうか]
…ほんと、にーさん…すげぇ。
[…常々真似出来ないとは思っていたが。
恨めしそうにサイドテーブルへと視線を投げ、思わずぽつりと呟きが漏れる。]
[ぼんやりと。また屋敷が騒がしいな。と思っていると。
かちゃり。という静かな金属音とともに知恵の輪が外れ、その音を合図に思考も覚める
さて、なにをしようか。何気なくまた本をぺらぺらとめくろうとしていると、こんこん。とドアをノックする音が聞こえる]
あー、入っていいよ
[何かはわからないまでもそう答えると、数名の使用人がいた。用事は、便箋を届けにきたと言うことと、部屋や荷を調べるとのこと。そういえばそんなことしなければならなかったのだったな。と思い返し鷹揚に頷きながら、自分は手紙を書き、その間に不振なものがあるかどうか調べられることとなる]
……ご協力感謝します
[感情の篭らぬ感謝の意を伝え、軽く一礼する
もっと犠牲になってほしい、という言葉には僅かに眉を寄せるものの、すぐに緩めると]
……滅相もございません。ただ、1人が2人に増えた理由が気に掛かっただけでございますから
[身体を寝台へと投げ出したまま、暫く躊躇ったまま視線を送って。
それでも漸く。……ゆっくりとではあるが。
サイドテーブルへ積み上げられた新たな書物を手に取れば、
よ、と小さな掛け声を上げながら、身体を反転させる。
寝台の上へと本を開け、肘を突きながらも表紙を捲れば
オルゴールに関する記述が並ぶ頁へと手を進めた]
[まぁ…苦行の甲斐有ってか、執事の告げた通りの順序で書物を辿れば
逸話に関するある程度の知識は詰め込む事に成功はした。
まさか専門家に及ぶ程の知識は持ち合わせはしないだろうが
今の自分には十分だろう、昨夜の自分の知識よりは余程良い]
[緩く歩みを進めながら、執事は思考する。何故、今日は二人だったのか。
魂を奪うのが目的にせよ、音色を聴きたいが為にせよ、どうにも奇妙だ。
対価が足りなかったか――なれば、それは“犯人”に取っては予想外の事。
庭園に差しかかれば話し声が聞こえ、つい、歩みを止めた]
[女は薔薇を手折ろうと紅い爪を伸ばし――その棘に阻まれる]
ァツ…ゥ…、主に似て情の強いことォ…。
[白い指を染めた紅に唇を寄せ、舌先でチロリと舐め取る。
そして視線だけで感情の篭らぬ謝意に応え、*身を翻した*]
[疑って部屋を調べるとはいえそこはやはり使用人。荷を乱雑に扱うことはせず一つ一つ検分していっている。
それを背後に手紙を書く。
詫び状。店がしばらく閉店すること。父宛てに。
内容ごとにわけて、一つ一つかきあげる。その間。無言。
しばらく後。何事もなく荷物と部屋の検分を終えた。
手紙も書き終え、封をすることなく渡す。
後は勝手に処理してくれるだろう。届けばいいのだからそれでいい。
特に不振なことを書いていない手紙はすんなりと通ることだろう]
よいしょ、…っと。
[思わず上げた声に、うわ、俺ジジくさい!とか独りごちつつ
ぺら、と薄い音を立てて書物の半ばを開けば
『永遠のオルゴール』の名から始まる論文の表紙が現れて。
ここかと判断すれば、前の書物から挟んでいた栞を抜き出して
その頁へと差し込みながら、読み進めを開始する。
この姿勢では、直ぐにでも肩凝りで断念しそうな予感はするのだが
座りながら活字を追うのもそろそろキツかった。
主に首が。]
[窓外からの陽は既に沈みつつあった。
活字を追うのも、室内の明るさでは最早難しい筈なのだが
青年は、僅か目を細めるだけで。その視線は流れるように紙面を走っていく]
[髪を撫でるために手が外されたことによって覗いた口元の笑み
それを盗み見た彼女は確信に到る
ああ、私の歌姫を奪った犯人はこいつだ、と
だがしかし、今ここで問い詰めようとも、在り処を口にするどころか犯人であることすら認めようとはしないだろう
……まだ、情報が足りない]
……そうだ、彼なら何かを知っているに違いない
/中/
さて、ヘルガ様不在化ということで
すぅぱぁ問い詰めたぁいむっ(ぉぃ
というか、どういう流れで進めよう
表で部屋訪れちゃうのはぁゃιすぎる気がするからなぁ
ただ、all裏だと誰か来ちゃう可能性あり
うーん
/中/
いぇーい、問い詰めターイム!なんなら、もう暫く発言落としたら
退席記号付けるから、そこから裏でロール廻す?
表でユーディも退席つけて赤でこっちこれば
客室までは来ないっしょ。…多分。
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