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殺しちゃうのはダメだよ。
[元気そうなベッティにクスッと笑う。
殺さなければいいのか、というのはさておこう。
自分の対は今回最初からいなかったので、実感は薄めだったりも]
そうなの?
…うん、じゃあそういうことにしとく。
[何となく思うところはあったけれど、ハッキリと感じ取れたわけでもなく。隠したいのなら無理に聞き出すこともないかと結構アッサリ引いた。
追求するだけの気力がなかったこともベッティには幸いしたか]
そうだ、ボク、喉渇いてたんだ。
まずはお水飲みに行きたいな。
[榛名を見上げて。ベッティにも一緒に行く?と*首こてり*]
[次こそは失敗は出来ないと分かっていた。今まで積極的には使おうと思わなかった秘宝の力を使うため、剣を抜き、その束を握り締める]
我は…影を切り裂く力を願う。
[言葉に応え、ゆらりと剣にまといついたのは青い光。男の瞳の深淵の青に似たその色に、薄く笑みを浮かべると剣を鞘に納めた**]
え、ええ?
あたいはいつでもフルオープンだぜ!
隠してなんか………いやなくはない、けど、ほれ一妖精並みの隠し事だし……。
[ハルナになんか言われたあたいは、プルプル首振っといたのさ。
そんな高度な技術で誤魔化したあたいは、2人に追求されなかった事にほっとしたのさ。]
あたいも行く!
厨房行こうぜ。飯もまだだしなっ!
[そんないい提案しながら、あたいはゲルダ達に着いてったのさ。]
[ゲルダからの追求もなければ、それ以上ベッティに必要以上のことを言う者もいないだろう]
うん〜、お水お水〜……
[と、ゼルギウスのことをふと思い出して]
ゼル〜、何が目的だったんだろう〜…?
[こてんと、イヴァンなら知ってるかなと、後で聞いてみようかなと思った]
ベチ〜もいく〜…?
[ゲルダを抱き上げると、同じように首をこてりとベッティの方を見ていた。
食堂の方へと向かうのは三人でだったか、二人でだったか**]
[男は結局、夕刻前に王に面会した。妖精王は、秘宝が未だ欠けていること、故に結界はまだ開くことは出来ぬことを告げ、男は不承不承、それを了承して館へと戻った。だが、問われて答えるのは、結界がまだ開かれぬということのみ]
まだ、調べが済んでいないようだ。
[そうとだけ告げ、王に問いただそうとする者があれば、押しとどめる]
妖精王にも、何か考えがおありなのだろう。
[ナタルを見つけると、彼にだけは、王が秘宝の欠片の、もう半分を探している事を教える。そして]
今夜は、エーリッヒ殿の部屋の傍には近づくな。
[陽光、月闇と合わせて三対を成す影輝に、何かがあるのだと、言外に]
[そして夜半過ぎ、恐らくはエーリッヒの遠吠えが響く頃、館の一室で閃いた剣から青い光の矢が放たれて、影輝の力を切り裂き、その力の源を飲み込んで夜空へと消える]
[光の矢がその身を掠めた時に、僅かに散った、クー・シーの毛を、館の裏手にばらまいたのは、意図あってのこと**]
[立ち去るマテウスを見送った後も、その場から動く事はせず。
出来る限り、自分の中の力の均衡をとろうと試みるものの]
……うーん……。
厳しい、かも。
[夜半過ぎに感じたもの。
三対の一角が崩れる感触に、苦笑が浮かんだ]
……逆に言えば、結界の均衡も揺らぎやすくなる、か。
もう少し、大きく崩すのもあり、かな。
[全ての属に作用する影輝の欠落は、こういう閉ざされた場では乱れを生じさせる事が多い。
そこで更に均衡を乱す動きをすれば、王の意識はそらせるだろう。
……まして、王は自分に封印を施したものの一方なわけで。
気づいて放置するとか、ちょっと考えられない]
抜けてるようで、見てるからなあ……。
[呟く言葉は、やっぱり褒めているのか貶しているのか。
わかるのはそこにある、楽しげな響きのみ。
内心がどうなっているのかは、誰も知らないわけだけど**]
思い出したッ!!!
[がばっと体を起こしたのは急。
随分と長い間眠っていたようで、体力も戻って居るようで
ばね仕掛けのように体は起き上がった]
ひとりじゃないかもしれない、だ。
ゼルギウスの話――っ!
[疲れもあって、少しばかり呆としていた昨日、
意識を手放す前に 言わなければ、と思ったこと]
[ベッドから立ち上がると、くらり、眩暈。
はと自身の手を見ると、鱗に覆われた、それ。]
…――く、
[自身の中で力のバランスが取れない。
肩口からチロリと炎が噴出し ズボンと上着の隙間から伸びた炎の先、
ゆらゆらと熱無き炎が灯るのを見て]
バランスが…崩れた、せいか…?
[ゼルギウスがいなくなったせいだと思った。
実際には、均衡を保つものが居なくなったせいもあるのだが]
[バターン!と派手な音を立てて扉を開き部屋を出た。
誰かの姿を見つけようと廊下を見渡してから、
すぐ隣のエーリッヒの部屋の扉をノックする]
おい、居るか?
[内からは気配は感じない。
扉をあけると 中には空っぽの犬小屋が ポツンとあった]
おい…
[部屋に入ると、彼の匂いがした。
胸騒ぎ。
嫌な、予感。
窓に駆け寄ると、外を見る]
……オレが、呼んでるのに。
[呟いて、ぐ、と拳を握ると。
扉を開け放ったまま駆け出し 館を飛び出した。]
[ゆらり 背で尾が揺れる。
鱗で覆われた2m半もある体は細かく震え、
男の足元からは 目に色すら見える程の熱気が ごぉう と噴き上がり]
――誰だ……?
[ちりちりと 足元で草が灰になった*]
―個室―
[何だかんだで、水飲んだりした後部屋に戻ったのさ。
その前に騎士のおっさんが、アイツが結界がまだ解かないって言ってたって言いにきたから、あたいはアイツんとこ行こうとしたけど止められた。うん?
何かちょっと引っ掛かったけど、ホントは王と会いたくねーのもあって、あたいは結局また寝ちまったのさ。頭痛かったしな。
次の日目が覚めたあたいは、やっぱり雪色――白だけど白じゃねぇ、『まだ染まらぬ色』って誰かに言われた色の嫌なあたいになってた。
頭痛いのは少し楽になってんな。格好がこっちだからじゃろか。
今は″まだ″あたいは氷破だけど……ってなんか外うるせーな。何だ?]
お、っ……イヴァン?
[こっそりすこーし、部屋から顔出して見たら、おっさんが誰か探してる感じだ。すげぇ必死になっ……、まさか。]
エーリ…?
[おっさんが探してんの、エーリッヒか!?
って思った察しがいいあたいは、部屋から出てどっか出てったおっさんの後を追ったのさ。
格好?や気になったけど、それどころじゃねーからな。エーリッヒに何かあったかもしんねーし。
でも……なんでだ?終わったなら何でエーリッヒが?]
―館裏手―
[火炎の気配は手繰りやすいんだ、今はおっさんが何か色々撒き散らしてるせいで特にな。だからあたいはすぐおっさんを見つられた。
…ぶは、すげー熱気。厨房ん時よか熱ぃ!こわくてちかよれない!
ブチギレ5秒前なおっさんの様子に少し離れてたあたいは、落ちてる毛には気づかなかったけど何となく悟ったのさ。]
……エーリッヒ、居なくなった、の?
[あたいは雪色の格好のまま、おそるおそるおっさんにそう聞いたのさ。**]
あぁ?!
[人の声が聞こえ、ただ熱気噴出すままに口を開けると
乱暴な自分の声が自分の耳に届き、はっとした態で]
あ、すまん、そうエーリッヒが
[自己嫌悪の色を滲ませながら、振り返る。
氷の気配は、水無き今より強く感じて ベッティかと思うも
その白い姿にぱちりと目を瞬き 少しばかり熱気が減った]
……お前、誰だ?
[視覚に頼るうちはまだまだ半人前、と 昔言ったのは
姉だったろうか*]
[うぉっ!(びくっ)こえー!
あたいはおっさんの声にびくびくしながらも、やっぱエーリッヒが居なくなったことを知ったのさ。
雪色のあたいは脅えたかおしておっさんを見てた。
うぁーもっとこう、頑張れよ!いっそ睨んでやる勢いで!]
……わ、たしは、ベッティだ、よ。
[てなあたいの声が表情に反映されることはなく。あたいは少し震えた声で自分のことをばらしたのさ。
ここで黙ってたら話進まねーし腹は昨日痛いくらいにくくりつけて固結びしたからな…。
女王につけられた薔薇の印は、まだハンカチで隠したままだけど。でもゲルダは何か気付いてた臭いし、おっさんにもばれるか?まぁそんときはそんときだ。]
エーリッヒ、どうし、て?
[おっさんあたいがあたいだって信じたかな?信じてもらえなかったら、あたいはそこから逃げるかもしんね。おっさん怖ぇし。
そうでなかったら、あたいはちょっぴり逃げ腰になりながらも、エーリッヒがなんで連れてかれたかが分かんなくてぽつぽつ口にしてたのさ。**]
ベッティ?
…何言ってんだ、全然別人じゃないか。
――って言っても、オレも人の事言えないか…
[熱気纏うまま 体ごと振り返る。
雪色の女は、どうみても悪戯好きな少女には見えなかったが
男は蜥蜴の顔の眉(らしき盛り上がり)を中央へと寄せて]
なんでそんな姿になってんだ?
エーリッヒは、いなくなった。
ここに毛が落ちてる…――きっと、危害を加えられたんだ。
[下を指差してから唇を噛み、視線を自身の手の中へと落とした。
薔薇色の杖を握っていた筈の手の中 それは形を変え
大工が木に切り傷でしるしをつけるときに使う、白引となっていた。
手に馴染むそれは 鋭い刃を持つも 酷く優しく感じる。
ベッティの薔薇の印は、隠されて居る侭男は気づかない。]
何故か、なんてオレは知らない。
聞く前に、多分殴る。
[ぐ、と白引を握った手を鱗のこぶし
もう片方の手で包むように 握り締めた**]
犯人は――まだ、居る。
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