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ゲルダ。
ごめん、作ってくれたのに。
…ナターリエさんも、かな。
僕の分も、貰える?
ゼルギウスさんには、後で、持って行くよ。
[浮かべる笑みは頼りなかったが、そう、*申し出た*]
[ウェンデルの言葉には首を傾げる]
黙っていても誰かが殺されることにはかわりがないんじゃないのか。
そうして黙っているうちに俺が殺されてしまう方が最悪なんじゃないのかな。
素人考えなのかもしれないが。
まあ、飯にしようぜ。
お前がそう判断したなら、いいさ。
それを信じて貰うのにまた一苦労あるようだけどな。
[もう一つの力の事は言い出さない。
そのことに小さく安堵の息を吐く。
イヴァンに迫る危険を説くウェンデルの言葉。けれど彼の言うとおり起きてしまったものは戻せない]
食事、しようか。
マテウスの言うとおり、折角作って貰ったんだし。
何かあったときに、腹が減ってたら動け無いだろうしな。
―広間―
[ゲルダがゼルギウスの後を追ったので、代わりに食事をよそおうと食器を並べてゆく。]
…良く分からないが。
食べれる者は食べておくといい。
食い逸れると後が辛いぞ。
[並べながら、周囲の話をそっと耳に入れるのだが。
ウェンデルにこくと一旦頷いて。
食器を起き取り分けて並べた。
他にも声が上がった者の分を取り分けて。
マテウスの声には、一旦見上げ、少々黙った後で。]
…わかった、同席しよう。
箸休めはそっちが用意しろ。
[そう言い、空いた席に着いた。]
……悪い、な。
[安堵の息を吐く家主に向け、小さく呟く]
ああ、確かに。
ちゃんと食べておいた方がいいだろ。
俺も、いただくよ。
[料理を用意してくれた二人に、幾分和らいだ表情を向け、テーブルに着く。
内心には、嫌な予感が微かに浮かんでいたものの。
それは、今は*押さえつけて*]
……。
[手の中のお皿を受け取ってもらえることはなく。
少しだけ、俯いた。
どうしたものかと思案の様子にウェンデルから声が掛かって]
うん……。
持って行ってくれるのは、助かる。
[ぽつりと囁くように言って。
何があったかを知りたいのか、話の出そうな兄と親友の傍に座ることにした]
[頭の中がぐるぐるする]
[いきなりイヴァンの言葉を聞いて]
[人狼は実在すると言われ]
[けれどそれを信じたくない自分が居て]
[思考がパンクしそうになって]
[だから皆の傍から離れようと思った]
[何も整理出来ていない状態でその場に居たら思考に流されそうで]
[整理出来ぬままに言葉を発して更に混乱しそうで]
[一人の時間を作って整理しようと]
[そう思った]
[けれどそれは]
[意図しなかったとは言えゲルダを傷つける形となってしまった]
[彼女の言葉を無視して出てきてしまったのだから]
[それに気付かぬほど]
[今ゼルギウスには余裕が無くなっている]
[早足で廊下を抜け辿り着いたのは洗面所]
[頭を冷やしてくる]
[その言葉通りに頭から思い切り水を被った]
[皆が食事をはじめるのを確認すると自分に用意された分に手をつけあはじめて]
さんきゅー、ゲルダ、ナターリエ。
[その言葉は食事に関してのことか、あるいは…]
ああ、そうだな。
それは最悪のパターンになりそうだと、俺も思う。
だけど…危険が増したのも間違いないだろう。
本当に気をつけてくれよ。
[イヴァンの主張に頷きながら、席に着く]
いただきます。
[近くに座ったゲルダの表情は一見して変化無い様に見えるが。
僅かに落胆した色は読み取れた。]
…あまり気にしない方がいい。
気が立っている時は、放っておいた方が薬師殿の為になる。
それより、そうだ何があったんだ?
まぁ…人狼の話、なんだろうが。
[それ以外に、場が荒れるような話題は思いつかなかった。]
ゲルダ、一日ぶりだな。
こんな建物に押し込められても会わないなんてこともあるんだな。
[隣に座ったゲルダに笑いかけて]
ゼルギウスのことは気にするな。
ちょっと余裕がなくなったんだろう、いろいろとありすぎてな。
[スープに一口、口をつけてから]
どこから話そうか…。
[少し思案したのち]
事の始まりはイヴァンが人狼をみつけられないってことから始まってな。
[それからエーリッヒが人狼じゃないと伝えられたこと、
人狼がいるかどうかでゼルギウスと揉めることになったことなどを順に話していった]
食事もしないと、もっと。
もっと、余裕が無くなるから。
そんなの、やだ。
[ぽつり。呟いて、自分の分の食事に手を付ける。
少女たち二人にも、食事が行っているかは、きちんと確認済み]
……。
どういたしまして。
[マテウスの礼に、少し躊躇った後、声を返して。
じい、とその表情を見つめる]
[ひとしきり話し終えてスープをもう一口]
皆そろっていることが前提で信じ始めてる異常な事態にか、
もしくは過去が関係しているのか、
細かいことは本人にしかわからないがな。
まぁ一人でいたいっていってるんだ、しばらくそっとしておいてやるのがいいかもな。
俺みたいにあしらわれる前にな。
[自分の従兄弟に安心させるように笑いかけて]
こうしてゲルダの美味しい料理が食べれて、ゲルダが立派に育った姿を見ることができたのは、
帰ってきてよかったと思えることだな。
うん、大丈夫。
分かってるから。
[こくりと頷く表情は、確かに普段と大差はなく。
けれど、付き合いの長い親友には俯き具合が伝わるようで]
人狼の話し、たくさん聞いてて。
なんだか、こう…少し不安定になるのは、昨日のあたしと一緒だから。
多分、そういうこと。
[理解はできても、動揺が全く無いわけでは無いのだが]
うん。昨日は、会えなかった。
ご飯があるって知らせに行こうかと思ったけど、マテウス兄さんの部屋、知らなかったから。
[自分の部屋は、2階の何番目だと説明しつつ]
うん。気には、なるけど。
大丈夫。ありがとう。
[短く礼を述べ、兄の語る、これまでの経緯を頷きながら聞く]
─一階・洗面所─
…っぷは…。
[身を切るような冷たい水が銀の髪を伝い、はたりと床に落ちる]
[濡れた髪は頬にも張り付き]
[それを厭うかのように手で髪を後ろに掻き上げた]
人狼……。
ライヒ君と、エーファは実在すると言った。
いや、ウェン君も……”あれ”は人狼が出た証、だと。
[立ち去り際のウェンデルの言葉も耳には入っていた]
[それに返す余裕は全く無かったのであるが]
イヴァンは人狼が誰かを見分けられると。
そしてその結果エーリッヒは人狼出は無い、と。
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