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―浴室→広間―
お薬って痛いものだと思ってた。
だっていつも、あにきは痛がってたから。
[軟膏を塗ってもらって、くすぐったくなって笑う。
マンジローが話す異国の話には、興味深く、目を輝かせて聞いた。
早く行こうよとせっついたくせに、一番最後になる。
後ろの人が気付かなかったのには気付いてたけど、手だけ振ったから良いということにした。]
ここ?
[立ち止まった案内をしてくれた人に聞く。
マンジローがどうするかは別として、頷きが返ってきたらすぐに中に入った。
人がたくさん。中に見なきゃいけない子はいない。]
ええと、こんばんは!
何か、たべもの下さい!
―広間―
[シャーロットがキャロルを見た後、口を動かす様をみて。]
踊り子の君にやってもらったのか。手馴れたものだな。
[そう言い、キャロルにも礼を込め笑む。
照れたようなシャーロットの様子は、微笑ましく見守っていた。
入室前のキャロルの声は聞こえていなかったが。
窓際に立つキャロルの向こう、窓の外から音がしはじめ目をとめる。]
ああもう雨まで降ってきたのか。今夜は荒れるだろうな…。
この様子だと、ギルバートも村まで帰れないんじゃないのか?
[そう口にした。こちらは暫く滞在予定だったので問題はないのだが。]
─広間─
あら。
元気のよろしいこと。
[扉が開き、あわせるよに飛び込んできた声。
直球の物言いに知らず、たのしげな笑みが零れた]
……でも、言われてみればもうそんな時間なのね。
[今気がついた、という風に呟いて。
窓辺を離れ、新たにやって来た客人たちへと一礼する]
お会いするのは初めて……かしら、ね?
―広間―
[トビーにせかされるように、広間に入る。主らしき人がいないか、少し広間を見渡し…]
これこれ童っぱ、部屋に入ったらまず挨拶が礼儀でござろう。
[苦笑いしながらトビーをたしなめた]
突然の来訪、失礼つかまつった。
我は不知火 萬慈郎と申す旅の者であるが、今宵一晩宿を借りたく立ち寄った。
この屋敷の主殿はこちらに居られるかな?
[深々と礼をして、自己紹介している。]
[そんな会話の途中で、入り口に人の気配を感じ顔を向ける。
玄関口で見かけた二人が顔を出していた。
先ほどと比べ、どことなくこざっぱりしているのは風呂にでも入ったからだろう。]
アーヴァイン卿のお客かな。
こんばんは。はじめまして、ハーヴェイ=レイだ。
[そう二人に向け軽く会釈した。
トビーの声に、そういえばもうそんな時間だったかと視線を外へ。
さっきから雲に覆われていた空では、時の判別は付きにくかった。]
食べ物か、誰か呼んで用意してもらおうか。
ああ、口さびしいならとりあえず、これでも。
[そう言い、ぽけっとの中からチョコレートの包みを取り出し、トビーに渡した。]
ごめんなさい、シラヌイさん。
[嗜められては、すまなそうに身を縮めて頭を下げる。
見回している理由とか、難しい言い回しとかはあんまりちゃんと聞かない。
金色のお姉さんの言葉に、にこにこ笑っておく。]
おなかすいてるんだ。
食べ物くれるっていうから、嬉しくって。
[ハーヴェイのお客、という言葉に、首を傾げる。
上を向いてマンジローを見て、お客なのかな、って顔をした。
それから、手渡されたチョコレートを見て、不思議そうに掌の上で転がす。]
ありがとう!
でも、どういう食べ物なの?
あ、僕はトビーっていうんだよ。よろしくお願いします。
多分、お客じゃないと思う…?
[一旦広間の扉を開け外へと顔を出すと、近くを歩いていた使用人を呼びとめ、夕食の用意を頼む。
そのうち、何か運んでくるだろうか。]
シラヌイ マンジロウ?
変わった名だな。異国…東方の方だろうか?
[確かそちらの方には、そんな響きの名や物があったようなと、思い出しながら尋ねた。]
主のアーヴァイン卿なら、さっき部屋でお会いしたな。
[そう言い、ここには居ないと暗に告げた。]
─大浴場─
[身体を温めて脱衣所へと戻ると、先程外にラッセルを呼びに来た使用人が着替えを持って来た。
着替えを、と言われるとただ頷きだけを返す。
それから食事の準備も出来る頃だと告げられ、広間へ行くよう促された。
思い切り眉根が寄る]
……行きたくない。
[拒否を露わにすると、使用人は困ったように苦笑を漏らした。
そこを何とかと頼み込まれ、アーヴァインの名まで出されると、渋々広間に行くことを承諾する]
[使用人が立ち去った後、身体の水分をタオルで拭いて、用意された着替えに身を通す。
今度は頭の水分もしっかり取ってから、大浴場を後にした]
[トビーの様子に、少しだけ瞬く。
食べ方が分からないということは、見た事がないと言うことで。
うっすら境遇が見えたような気がしたが、それは表に出す事なく。]
ああ、それは包みを開いて、中にあるものを口に入れるんだ。
すぐ溶けてしまうから、物足りないかもしれないけど。
夕飯が来るまで、それで我慢していてくれ。
[そう軽く笑みながらトビーに告げた。]
お客じゃない…?
ええと……まさか親子じゃない、よな?
[ないと思いつつも、トビーとマンジローを見ながら首をかしげた。]
[異国の装いの男と少年のやり取り。
妙に微笑ましく思えて、また、笑みがこぼれた]
ご丁寧な挨拶、痛み入りますわ。
私はキャロル、流浪の舞手。
どうぞ、お見知りおきを。
[どことなく芝居がかった口調で名を告げて]
[食べ物をもらえるのが嬉しい、という少年の言葉に、ゆるく首を傾げた。
ハーヴェイとのやり取りの様子から、何となく察するものはあったけれど、特に追求する事はなく。
そう、と微笑むに止めて]
…客が多いな。
[ぼそり、呟く。
客が多い事、それ自体に特に問題はないのだが。
ふと、何か予兆のようなものが頭をよぎった。
あまりよろしくない予感、とでもいえばいいか。]
へえ、そうやって食べるんだー。
いろんなのがあるんだね。
[指で包みを開くのは、慣れていないからぎこちない。
言われるそばから中身を見て、茶色いと小さく呟いた。
ハーヴェイの言葉に、頷く。]
がまんじゃないよ、大事だよ。
ありがとう、ええと、レイさん!
[つまんで口の中に入れる。
恐る恐る噛むと、固くなかった。びっくりして、もう一度噛む。口の中で溶けていくのに目を白黒させて、何度も噛んだ。
すぐに消えてなくなってしまった甘いもの。]
…???
シラヌイさんは今会った人だよ。親いないから、違うよ。
ねえ、レイさん、これなんていうの?今のたべもの。
[キャロルの方を向くと、にっこりと笑って頭を下げ]
おぉ、お初にお目にかかる。
なるほど、墓守殿より今日は多くの客人が着ておると聞いてござったが、そなたたちも客人でござろうか?。
[ハーヴェイの問いには小さく頷き]
さよう。
我は遠く東の国より武者修行のために海を越えて参った。
しばしの間とは言え、よしなに願いたい
[主がここにいないと聞けば]
さようか・・・。では後ほど部屋のほうに伺うといたそうか。
[舞手という言葉がよくわからなかった。
どこかで聞いたようなと、ちょっと考え込む。
それが来る時に、いつもお店が賑やかになって、食べ物が沢山落ちる日だと気付くのに時間はあまりいらない。
すごいや、って顔で見上げた。笑う。]
―広間―
[キャロルの笑み、ハーヴェイがキャロルに礼の言葉を述べている。
その視線の先、窓の外の様子と言葉に自分の視線も窓の外に。
雨が強くなる前に、そう思ったところで見知らぬ二人の客が広間にきた.
一人は大人の男性、一人は子供の男の子。親子というには余り似ていない。
二人の関係はどうなのだろうかと考えていると挨拶をされて]
……(ぺこり
[会釈を返し微かな笑みを返した。
シラヌイマンジローという男性とトビーという男の子とハーヴェイとキャロルが会話する様子を眺めている。
自分かける言葉はないから。]
人多い、
雨…強いね……嫌い…。
[ハーヴェイの呟くような声、外の天気のこともありそう返した。
二人っきりじゃないときのこの会話も嫌ではなかった。
二人だけの秘密を持ったような気がするから。
会話をする四人よりも意識は窓の外に向く。]
[自分の名前はハーヴェイが多分紹介してくれるだろうと、少し甘えた考えをもっていたり。]
……
[会話に混ざれない自分はすぐに意識は窓の外にいく。
天気が気になった、お墓天気本格的にひどくなる前にいまのうちにいこうかなと思いながら。]
ええ、こちらの館とはご縁がありまして。
時折り、立ち寄らせていただいておりますわ。
[マンジローの問いに返すのは、肯定]
今日はまた、いつになく大勢集まっているようですけれど。
逗留の間は、どうぞよしなに願いますわ。
[考え込むような素振りの後、感心したよな笑みを向けるトビーの様子に、ひとつ、瞬く]
……あら、どうかしたかしら?
[己の稼業が、少年にとって如何様な変化をもたらすかなどは知らぬから。
本当に不思議そうに、こう問いかける]
[トビーの様子にはニコニコとそれを眺め]
ほうほう、良いものを貰ったでござるな、童っぱ。
それは確かこの国で言う「ちょこれいとう」とかいう菓子でござろう。我には甘すぎて口には合わぬが、童っぱには気に入るでござろうよ。
[親子か、と言う問いには首を振り]
いや、我もこの屋敷に来てから会ったゆえ、詳しい境遇は知らぬでござる。
されど、なかなか素直で見所のありそうな小僧でござるよ。
懐かれて悪い気はせんでござるな。
ハーヴェイでいいよ。長いなら、ハーヴででも。
レイ、だと俺の反応が遅れてね。
[そうトビーにも言う。姓を呼ぶ人にはそう告げて回っていた。
墓守の彼だけは、それでもレイと呼ぶのでもう諦めているが。
大事といい、親がいないという少年には、そうかと少しだけ困惑を交えた笑みで返し。]
ああ、やっぱり違うか。うんまぁ聞いてみただけなんだけど…。
今あげたそれは、チョコレートって言うんだ。
甘くて美味しいだろう?
すぐ無くなるから、食べた気はあまりしないだろうけど。
[栄養価は高いんだけどねとは、きっと彼にはあまり意味がない事だから言わなかった。]
へぇ武者修行か…なら腕の方は立つんだろうな。
俺は、そっちの方面はからきしだから。
[そう言い、どことなしにマンジローの体躯を見た。
どちらかといえば細い部類に入る自分とは、大分違う身体つきに感心したりして。]
こちらこそ宜しく。
俺は…職業を言うのなら、学者にあたるかな。
各地の、人狼に関する伝承なんかを調べて回ったりしている。
そうだな、こっちに来るかどうかは分からないし。
自分から出向く方が確実だと思う。
場所は誰か使用人に聞けば、案内してくれるだろう。
[青い人の様子には、きょとんとしておく。
何がなんだかわからない。
ぺこりという挨拶には、おなじ挨拶を返した。
キャロルの不思議そうな様子に、首を横に振る。]
なんでもなーい。
すごいなって思っただけだよ。
[マンジローとハーヴェイが答えてくれた名前を繰り返して。]
ちょこれーと。覚えた。
ありがとうー!自慢してやるんだ。
[嬉しそうに笑って。
それから、マンジローが素直だというのに、一瞬、ちょっと困った顔をした。が、気のせいと感じられるくらいの間だったかもしれない。]
ハーヴェイさん。ハーヴさん。うん、わかった。
甘くて、おいしかったよ。ありがとう!
こういうものを食べてるんだねぇ!
─ →広間─
[どことなく重い足取りで広間へと向かう。
遠慮がちに扉を開けると、その隙間から中を覗き見る。
さっき来た時よりも人が増えている]
……………。
[なかなか入れずに居ると、気付いた使用人に扉を開かれ、中へ入らざるを得なくなる。
広間に入ったは良いが、挨拶もせず。
足早に部屋の角へと歩んで、壁を背に隅の床にしゃがみ込んだ]
[キャロルの答えには少し驚き]
ほう、そなたのような美しい娘が我のように流浪の旅を続けているとは、少々意外でござるな。
そなたであれば落ち着く先もあまたあろうと思うのだが。
[本気で首を傾げている。彼の国ではあまり女性は旅などに出ないし、ましてや流浪することなど珍しいのだ。]
・・・?
[ふと、窓のそばにいる若い娘に会釈され、自分も礼を返す。警戒されたでござろうか、等と考えを巡らす。自分の異様とも言える出で立ちを見れば、それは良くある事であった]
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