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[ふる、と首を振り、脱衣場へ。
身体の水気を丁寧に取り除き、用意してきた着替えに身を包む。
それまでの、男物ではなく、女物の衣類に。
着替えを済ませるとしばしの逡巡の後──外へ]
─館外・吊り橋跡付近─
[いつかのように、対岸を見やる。
でも、やはり対岸には誰もおらず、ただ、風鳴りが響くのみ]
……ね、ばーちゃん。
ばーちゃん、言ってたよね、確か。
じーちゃんに、殺してほしかった……って。
一番、大事なひとに。
ボクは……どうなんだろね?
そも、そういうんじゃないしなぁ。
[言葉と共に、くすくす、とこぼれる笑い声は楽しげで]
……ま、なんでもいいや。
わかってるのは、「いなくなったらやだ」って事だけ。
それから、「いなくなったから悲しい」って事。
……ボクは人でも異形でもないから。
どちらの決め事にも、縛られはしない。
どうせ、異能としてしか生きられないなら……そこから逃げない。
……こわいけど……ね。
[最後の言葉は小さく呟いて。ゆっくりと踵を返し、館へと戻って行く]
─音楽室─
[館に戻り、足を向けるのは音楽室。
いつかの事を思い出せば、僅か、その表情は陰りを帯びるか。
それでもすぐに、その色彩は失せ。
開かれる鍵盤。
そっと、指が落ちて。
*紡がれる旋律*]
―自室―
[早朝。未だ館の多くは眠りにつく時間帯か。
それは彼女の眼前で寝息をたてる少女もまた例外ではなく。
昨夜の少年の死も相俟ってか、相当に疲れているのかも知れなかった。少女が未だ起きる気配がないのを見て取り、薄暗い部屋の隅よりスーツケースを引き出す。錠を外し、中に眠る銀色の小箱を手に取る。
蓋を外せば、そこにあるのは一見すれば銀の弾丸。けれどかの牧師の持つ物より輝きは劣るか]
[それから彼女の視線は左の腕へと移される。
ぱちりと袖のホックを外した。覗く小さな皮のホルスターに収められた、やはり銃と思しき黒い塊を掌中に。丁度彼女の掌に収まるサイズのその隅には、彼女が仕えていた家とは違う紅い狗の紋が刻まれる。
それは幾年も前、表には出ることなく滅ぼされた“施設”のもの。
“銃”に“弾”を一つだけ込める。
両手で握り、狙う先は少女]
――…
[少女に向けて放たれた弾丸は銀粉の光を纏う壁となる。
獣の悪意には強靭な、けれど人からのそれには脆く儚い]
[彼女が全てを元の通りに戻し部屋を後にする頃には、その壁は人目には見えないものへ]
――広間にて――
[悲しみの果てに歯車が狂った情景を、少女はどこかぼんやりと眺めていた。]
[悲しみに暮れて責め立てる少年に、振り払った青年の力はあまりにも多大すぎたのか――]
[がたり――]
[音を立てて崩れ行く少年は、あまりにも脆くて――]
[悲嘆にくれる蒼髪の青年の声と少年の呟きに、少女はぎゅっと自らの手を握り締めて――]
どうして…?どうして人は――…こんなにも愚かなの…?
[息絶えていく年端の変わらない彼の事を思い――
はたまた自らの体験と重なったのか――]
[こつり――]
[少女は靴音を立てて――]
[さらり――]
[金糸を揺らしながら、神父と共に名も知らない少年へ、祈りを捧げた――]
[悲壮に暮れるその場から少女が立ち去ったのは、神父の導きか、それとも少女自身の体力の限界が近付いていたのか――]
[変わらず大きな手に自らの白い手を重ねて、向かうは少女に割り当てられた部屋へ――]
――広間→客室へ――
[部屋に入るなり、少女の記憶はそこで途切れる。加害の者もいない、言わば信頼できる者だけで囲まれた空間、父のような存在のルーサーの温もりに安堵したのだろうか――]
『おやすみ、ウェンディ。良い夢を――』
[夢現で囁かれた初老の優しい声色に、少女は確かに微笑み、瞳を閉じて眠りに就いた――]
[その声が――]
[彼の最後の言葉になろうとは知る由もなく――]
――客室――
[窓から差し込む朝日に、少女は静かに目を覚ます。
――清々しい朝。置かれた状況を考えれば、朝日と共に新たな情報を与えられるのだが、今はただこうして。無事に朝日を拝めることだけでも、少女にしてみれば喜ばしいことだった――]
おはよう、神父様。今日もいいお天気みたいよ?
[部屋を一歩出れば、また惨劇の舞台へと借り出される身だとは理解っていながらも。
――せめてこの部屋にいるときだけは…、擬似的な平和である日常を味わいたくて。
少女は努めて明るい声で室内へと振り返った。
在るべき筈姿を求めて――]
[しかし、少女の目に映ったのは――]
[机の上に無造作に置かれた――]
[一枚の紙――]
――客室――
[一枚の紙を手に取り、少女は無言でそれを握り締めると。
無造作にドアを開けて部屋を飛び出した。]
どうして…?
どうして片時も離れなかったのに、『今回だけ』一人で出て行ったの?神父様…。
――調べたい物って…夜が明けてから…せめて人狼が動けなくなる夜明け以降では…だめだったの?
[少女は屋敷内の廊下を駆け巡りながら、ルーサーの姿を探し始める。
脳裏に浮かぶのは、走り書きに記されていた言葉――調べ物――と、夜が明けても戻ってこなかったら――の二つの文。
それが何を意味しているのか――
解らない少女では無く――]
――客室→広間→アーヴァインの部屋へ――
[少女は記憶を辿り、神父と共に向かった場所を見て回る。
花を摘み取った温室を覗き、広間へ。
そこに武器庫の鍵が置いてあることを確認すれば、少なくても武器庫には用が無いと思われ――]
調べたいもの…調べたい…。
人狼が活動する時間にでも調べたいものって何…?喰われたあのお姉さんの事?
――きっと違う…。死体損壊について調べたければ、昨日の時点で済ませている筈…。
二人で巡って…まだ行って無い所は何処?――夜中で無ければ駄目な場所とは…?
[――少女は記憶を遡って――]
[一つだけ合致した場所のドアノブに手を掛け――]
[かちゃり――]
[静かに扉を開いた――]
――室内へ――
――アーヴァインの部屋――
[ドアを開けると、まだ温め切れていない風が室内を漂っていた。
開け放たれた窓に、靡くカーテン。
その緩やかな動きに目隠しをされながら、少女は一歩ずつ室内へと歩みを進める。]
[潮の満ち干きに似たカーテンの動きに合わせて、揺らめく赤の色彩――]
[ふわり――]
[目隠しが外れれば――]
[少女の目に映し出されたのは――]
しん…ぷ…さま?
[横たわる、変わり果てたルーサーの姿――]
-ネリ−私室/朝-
[目がさめると、いつものように彼女の姿はない。
いつもならすぐに身支度を整え、部屋を出るヘンリエッタだが、今日は違った。
寝台の上、膝を抱えたまま動かない。
赤褐色の目は目の前の壁を指すけれど、少女が真に見ているのは記憶の中の光景。
緑の髪の少年の血に汚れた無惨な顔。
赤く染まった床と、赤く染まった青髪の男の腕。
少年を殺したのは、人ならざる力ではない。]
……人だって、人を殺せる。
[ならば、人と獣と何が違うと言うのだろう。]
[少女は口許を緩め、綺麗な笑みを携えながら。
ルーサーの横たわるベッドに近付き、腰を下ろす――]
神父様…、こんな所で寝ていらしたんですか?
もう朝ですよ…?窓も開けっ放しで…。起きないと風邪引いちゃいますよ…?
[気丈にも微笑を絶やさず。
しかし声は次第に震えを増していく――]
…ほら、腕が片方…無いですよ?何処に落として来たんですか?足だって…見当たらないし…。
…もぅ、神父様がこんなに寝相が悪いとは…私…わた…し…思わなかった……。
――っねぇ?神父様、心臓が…腕が…脚が…無いよ?どうして…?ねぇ!どうしてなの!どうして……
[少女の声はやがて悲痛な叫びに変わり――]
[室内を包み込んでいった――]
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