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ん、ごめんね。
ぼーっとしてたみたい。
[手を何度か引っ張られ、ようやく姪の視線に気付いた。
あぁ。この子もそっくり。
……夫の瞳も翠色だった。私は無意識に、唇を舐めた。
再び歩き出してしばらくすると、公園の入り口がかすかに見えた]
[そこまで語り、彼女は初めて]
……ふ!
[司として、人を殺すための能力を発動させた。
先程まで、史人に突きつけていた扇子が、まるで真剣であるかのような迫力をまとわせる。
身体能力も、普段とは比べ物にならないほど高くなっているであろう。
それでも、人を、もしかしたら、司までも食らって力をつけている憑魔に肉薄できるのかは、厳しいであろうことは予想できる事態ではあったが]
─ビジネス街・中央広場傍の建物─
[反対側の通りに視線を向けると、その先からも二つの人影が見えた。
大小ひとつずつの姿。
母親と居たのか、と胸中で思いながら、オレは建物の上から路地裏へと飛び降りる。
足元で弾ける圧縮された空気。
それにより落下速度を減じて危なげなく地面へと降り立った。
そうして、路地から通りへと出て中央広場へ向い歩いて行く]
(この場で襲うのは得策じゃない、か…?
速度を上げて連れ去ればあるいは……。
いや、それも限度があるか)
[声には出さず思案しながら、中央広場へと入って行った]
―中央公園―
[唇を舐める仕草を気に留める事もなく、中央公園に入ると、桜の木の下に人の姿を見かけた。
手を繋いでいるので走り出すことは出来なかったが。]
かぐねえちゃと………ええと、ふみにいちゃ?
[遠いのとあまり会った事がないので識別がきちんと出来ないまま、遠くに居る二人に手を振った。]
……直接あのガキを確かめたわけじゃねぇから、なんとも言えねぇけど。
あいつが言うにゃ「襲われたから殺した」らしいが。
お前の言うことを信じるなら、そういうことになるか。
[女の気配が変わる。
ふ、と息を吐いた]
無茶すんなよ。
さて。
ちょっと誇張したことを叫ばさせて貰うよ。
もし、違って、私が死んだら、勝手にやったということにしておいてね。
[史人に小さくそう語りかけ、すっと息を吸う]
伽矢が最後の憑魔だーーーーーーーーーーーー!!!!
彼を還せば、結界は取り除かれるぞーーーーーーーーーーーーー!!!!!
[と、叫び、小さく笑んだ]
……なーんてね。
[もしも、史人が憑魔ならどうするべきか。
もしも、千恵が憑魔ならどうするべきか。
もしも、百華が憑魔ならどうするべきか。
今はそのようなことを考える必要はない。
可能性が高い、というものを滅せないことに何の意味があるというのか]
[きょと。足を止め、目を瞬かせた。]
?
[唐突な言葉に、不思議そうに神楽をじっと見つめていた。
うさぎは、いつだって物言わぬまま、ただみつめる。]
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