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〜狼少女の回想、その二〜
…養父に拾われてからは、だいぶ生きるのが楽になった。
ベッドは木の洞や枯葉の寝床より柔らかく暖かだったし、
飢えておかしな物を食べ死にかける事も無くなった。
『言葉』というものを覚えるのには苦労したが、
養父を見ていればそれがある方が更に生きやすいと分かったから必死に学んだ。
最初の一年で言葉を覚え、次の一年で人の常識を学んだ。
…けれど、異端と分かっても獣の血を飲むことは止めることができなかった。
養父はそれが森での生活の後遺症であり、心の病気だと言った。
薬では治せないという理由で、自身の『病気』は認められた。
最も、人前で隠すようには言われたしそれに従った。
[洗い物をしている内、他の使用人がちらほらと食事を取り始めた。
誰にそうと言われたわけではないけれど、自分が食事を取るはいつも一番最後。
洗い物も引き受けて、全部片付け終わるとヒューバートから労いの言葉>>153をかけられた。]
勿体ないお言葉をありがとうございます、ヒューバート様。
では、失礼致します。
[そう礼を返すと頭を下げて、自室へと戻った。]
〜狼少女の回想、その三〜
…拾われてから五年が過ぎた頃、躰を狼に変える事を覚えた。
人の物ではない手と足は、森を駆けるのに便利だった。
流石に最初は養父に相談しようかとも思ったが、
十歳にもなれば多少の知識は童話や村人の会話から得られる。
自身が人では無いと学び、排斥されると知ったからこそ養父にも体の変化は隠した。
数日に一度の山での採取が、狼として駆けまわれる希少な時間となった。
…不思議と、食人の欲求は湧いてこなかった。
特に飢えていないからだろうと、一人で納得した。
…少女は、無知であった。己に関して。人狼に関して。
故に、少女はこの館へと来た。己がどうなるかなど、知りもせずに。
[リクエストと聞けば、きらきら星とか、いつも頼んでいるからと頼みはしなかった。
皆がどんな曲をあげるのだろうと首を傾げて聞いていた]
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