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―交番―
[去り際にレッグと交わした会話を思い出しながら]
落ち着いたときに調べれば確かにわかるのかもしれないがな…
[それをする気にはならなかった。
思い浮かぶのは去り際のレッグの様子から、あまりこちらから触れるべき問題でもないだろうと]
今は目の前の事件が解決してから…だな
─アコルデ家・ダイニングルーム─
[席に着くと間もなく運ばれてくる料理。
並べられた魚に、ほんの少し興味深そうに瞬きを一つ、して]
ああ、では、ライスの方でお願いしますね。
[エリカの問いに答える際に浮かべる笑みは変わらないもの。
今後を考えると色々と頭は痛いが、しかし、食事中くらいは忘れていたい、というのが本音だった]
─回想/アコルデ家・マイルズの部屋─
[部屋から鍵盤の音が漏れ聞こえる。
二度、扉をノックしたが返事は無かった。
仕方なく扉を開け、声をかける]
マイルズ様、夕食の用意が出来ました。
[声をかけて数秒、音は奏でられ。
その後に気付いた主がこちらを見た。
伶人から普段の顔への変化、いつもの光景。
変わらぬように見えて硬い表情に翠を細めた]
─アコルデ家・ダイニングルーム─
[主が魚に興味がある素振りが見え、スープを運んだ際に笑みながら。]
いつものお店で勧められた、キンメダイっていうお魚ですよ。
すごく真っ赤だったからちょっとびっくりしたんですけど…味はとても良いので期待してくださいね。
[そう告げると、今度はライスを取りに一旦下がった。
そういえば、公演の時期は変わりないのだろうかとふと思ったものの、今それを尋ねるのは控えた。
いつもと同じ量を乗せ、ライスの皿をテーブルに置き。]
どうぞ召し上がって下さいませ。
[ぺこりと一礼を取ってから、少し離れた場所に控えた。]
─ →アコルデ家・ダイニングルーム─
[主と共にダイニングルームへと現れ、椅子を引き座るよう促す。
席に着いた主から離れると、いつものようにやや後ろに控えた]
[その所作、表情はいつもと全く変わらず、状況に対する同様など微塵も感じさせない]
─アコルデ家・ダイニングルーム─
いつものお店で、ですか。
……お勧めという事なら、期待しておきましょう。
[エリカの説明に、楽しげに言って。
準備が整ったなら、ゆっくりと食事に手をつける。
元々、食べるのもゆっくりな方ではあるが、さすがにというか、今日はいつもよりも手は止まりがちになる。
時折り、思案するように一点を見つめるなど、今まではなかった仕種が見受けられた]
─アコルデ家・ダイニングルーム─
はい、是非。
[こちらは勤めて明るく振る舞うようにし。
何か不足があれば、すぐに進み出れる位置に控えていたが。
同じように感じていた主の、時折見せる仕草は常のものではなく。
口には出さないものの、少し困ったように同僚の方を見た。]
─アコルデ家・ダイニングルーム─
[後方から見ていても分かる主の仕草。
同僚から視線を向けられ、主の横に進み出た]
…マイルズ様、何かご不満な点でも?
[そんなことではないと薄々感じながらも、訊ねるのは料理について。
気が紛れればと言う一応の配慮らしいが、普段通りに訊ねるために同僚にとっては厭味に見えるかもしれない]
─アコルデ家・ダイニングルーム─
……え?
[進み出たジョエルの問いに、一つ、瞬く]
あ、いえ、そんな事はないですよ?
キンメダイ、でしたっけ? 確かに、お勧めされだけあって、味がいいですし、ね。
[そんな様子に見えたのか、と。
落ち着けていない自分自身への苛立ちは面に出す事無く、問いに答え]
……まあ、その。
ちょっと、考え事をしていただけです。
─アコルデ家・ダイニングルーム─
[同僚の配慮には、むっとするよりは、若干うっと言葉に詰まる。
少し噴きかけたあれは、味覚に出るほどの失態ではないはずだが、完璧でないのもまた事実で。
味はみたし、おかしなところはなかったはずだが、変な事にでもなっただろうかと、心配そうに主の方を見た。
おかげで何かやっただろう事は、同僚にすぐ見えたかもしれない。
主の弁に、気がかりは食事の事ではないと知るとほっとしたが。
考え事、には思い当たる節もある。]
………旦那様の事ですか?
[他にもいくつかあるだろうが、まずはその事を遠慮がちに尋ねてみた。]
―交番―
やっぱりだめだな、まともな情報が見つからない…。
[事件の記録事態はいくつもでてくるにはでてきた。
内容について調べると、誤作動であったり、PSI犯罪者が自らでてきたところを市民達が速やかに対処したなどといった報告ばかりであった]
どこまで本当なのやら…
[情報操作が行われたとしか思えないほどすべての事件がきれいに終わりすぎていた]
―住宅街・自宅―
ただいまー。
[入口脇の端末を横目で確認してから、家の中に入る。
後輩の姿が見えたなら小さく手を上げて]
アヤねーさん、認証おわったらくるってさ。
ナタさんにもきいてみるって。
[まずは報告をすませてから、台所に向かう]
─アコルデ家・ダイニングルーム─
[ちら、と同僚に視線を走らせると僅かな反応を見せていて。
何かあったことだけは理解する。
尤も、主の前であるために咎める言葉を紡ぐことは無かったが]
ご不満が無いのでしたら、ようございました。
……考え事、ですか。
[料理は問題ないと聞けば、抑揚は無くとも安堵の言葉を紡ぎ。
普段と異なる仕草の要因を耳にすると短く繰り返した。
かける言葉を探している間に、同僚の問いが耳に入る。
自身は口を噤んだまま、主の答えを待った]
─アコルデ家・ダイニングルーム─
[エリカの向けた心配そうな表情に、一瞬きょとり、としたものの。
続けて投げられた問いに、それは翳りに取って代わった]
……ええ。
なんといいますか、心配性ですからねぇ、父上は。
必要以上に気をもんでるんじゃないかな、と。
そう考えると、どうにも落ち着かなくて。
事が事、ですし。
余計に、神経質になっていそうで、心配なんですよ。
―住宅街・自宅―
あれ、……あー、これレッくんがもってたやつか。
[冷蔵庫を開けて、見慣れない箱に瞬いた後、思い出して手を叩いた。
やや目を奪われながらも、買ってきた食料品を一つ一つ中にしまっていく。
それらは殆どが菓子類のような偏ったもので、備え付けのシステムキッチンにも使われた形跡は殆どない]
よし、と。
[空の袋はお馴染み掃除用ロボが回収して行く。
残りの荷物を抱えて居間へ向かった]
─アコルデ家・ダイニングルーム─
[主の言葉に先程届いたメールを思い出す。
万一を考えてあのようなプログラムを組むくらいだ、気を揉んでいるのは間違いないだろう]
……状況が状況、ですからね。
気休めにしかならないかもしれませんが……外の様子を見てきましょう。
市役所か交番に問い合わせれば、解放の目安が分かるかも知れません。
─アコルデ家・ダイニングルーム─
[言葉にしたのは失敗だったろうか。
主の影を見ると申し訳ない気持ちになるが、かといて抱えているままも良くないのが。
ふとさきほど見たメールの切々とした内容が思い浮かんだ。主の懸念はきっと正しい。
あんなメールを用意するくらいだし、きっと心配なさってるだろうなと、思ったが流石にそれを伝える事はしなかった。]
…どうにか連絡がとれるだけでもいいんですけど。
[ちらりと頭に、ハッキングの文字が浮かぶ。そういった類の事は出来なく無いが。
流石に今それをして、下手に公的機関に目をつけられるのは得策ではない気がした。
ジョエルが外に出ると聞くと、うっかり自分も行くと言いそうになったが、まだ主は食事中だ。自分は動けない。
主の言葉を聞く為に少し待った。]
─アコルデ家・ダイニングルーム─
ええ。
……特に、父上は、この騒動にいい思い出がありませんから。
[プログラムの事は、自身は知らない。
ただ、母を亡くしてからの父が、自分の身の安全にそれまで以上に気を使うようになったのは気づいていた]
そう、ですね。
お役所か交番なら、何かわかるでしょうけれど。
[そこで一度、言葉は途切れ。軽く、首が傾ぐ]
けれど、大丈夫ですか?
色々と慌しかったし、ジョエルも疲れているのでは。
……無理は、しないでくださいね?
[連絡が取れれば、というエリカの言葉に、小さく息を吐く]
その辺りは、言っても詮無いことですよ。
非合法な手段を使うわけにもいかないんですし。
……そこまでやったらやったで、逆に怒られてしまいそうですよ。
[冗談めかして言うものの。
まさか、それが一瞬でも考えにあったとは、さすがに思ってはいなかった]
─アコルデ家・ダイニングルーム─
…いえ、私は問題ありません。
マイルズ様のご懸念に比べれば瑣末な事です。
お心遣い感謝致します。
[主の言葉に腰を折り頭を垂れる。
疲れていても顔には出さないために、本当のところはどうなのかは不明のまま。
外へ向かうべくその場から一歩後ろへと下がる]
では、行って参ります。
エリカ、しばらくの間頼みますよ。
[主と同僚に言葉を向けると、主に対してはもう一度頭を垂れ。
同僚に視線を向けてからダイニングルームを出て行った]
─アコルデ家・ダイニングルーム─
あはは…そうですね。
[うっかり考えていた事を指摘され、ぎこちなく笑む。なるべく平静を勤めたが、どこかおかしな様子は見えたかもしれない。
こほんと手を口元に当てて気を取り直す。]
ジョエルさん、気をつけてくださいね。
[そして外に出て行こうとする同僚にはそう声をかけ。視線にはこくと小さく頷いた。]
―住宅街・自宅―
お、ついてる。
なにみてたの?
[テレビの音がする居間へと顔を出す。
流れてくる音声と画面を見て]
『アッセン』ってなんだろ。
[難しい顔で画面と睨めっこ。
その間にも聞き慣れない単語は次々に流れてきて、頭に疑問符が増えて行く。
そんな無限ループは、その足元に掃除用ロボットが現れたことにより中断した]
……わすれるとこだった。
[言いながらロボットを捕まえ、脇に抱える]
─アコルデ家・ダイニングルーム─
なら、いいんですけれど……?
[外見からは読めぬ状態。
僅かに目が細められるものの、それ以上追求する事はなく]
行ってらっしゃい。
……気をつけてくださいね。
[礼をして、出て行く背に気遣う言葉を投げ。
姿が見えなくなると、はあ、と一つ息を吐いた]
[同僚の背が見えなくなるのを確認してから。]
…それじゃ、ぼっちゃまはお食事の方勧めて下さいませ。
ジョエルさんが帰ってきても食事が終わってなかったら、睨まれてしまいますよ。
[そうこっそりと、片目を閉じて言いながら、懸念を飛ばすような笑みを見せた。]
――――?あら、あなた。
[ふと、流れてくるのはサイキッカーの彼。
どこか緊張を含んだ声に、こちらもゆると顔をあげるようにして声を聞く。]
どうしたの?ああ、ハッキングの件。
え…もう終わったんだ。早…。
[思った以上に早くすんだ作業に、少しは本気で驚いた。
心の底から、ありがとうと告げると、相手は少し得意げというか、自信に溢れた声を返した。]
本当にありがとう、これで…
[囁ける私は、小さく口の端を上げ三日月の形を作った。]
ん、ああ。
[エリカの言葉に、数度、瞬く]
そうですね、のんびりしすぎていたら、睨まれてしまいますか。
いつまでも、片付きませんしねぇ。
[懸念を和らげようとしているのは、感じ取れたから。
努めて軽い口調で言って、食事を再開する。
それでものんびりとしているのは、これはこれでいつもの事]
―住宅街・自宅―
ごめん、ちょっとこもってくるね。
はらへったら、そのへんのやつてきとーに食べていいから。
[小脇に抱えたロボットと荷物の中に垣間見えるパーツから、何をするかは悟れるだろうか。
そうレッグに告げておいてから、1人奥の部屋へ向かった]
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