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―第二階層・会議室―
今のところ見分ける方法はなにもない。
疑わしいと思う、いや思わなくても誰かを撃たないといけない。
それを皆がしないと、まとめて皆殺される。
[それから少し間をあけて]
これから先、悔やむことも嫌な思いもいっぱいすることになる。
それでも、オーフ、お前は俺の息子だ。
だからこそ乗り越えてくれると信じている。
人を殺すのに鈍感にはなるな、常に痛みは共にあるものだ。
[そう語りかけながら、まだ事件が起きてから一度も吸っていなかった煙草が吸いたくなるのを感じていた]
その痛みだけは、絶対に忘れるな。
[子供には少し難しく、理解できない話だったかもしれない。
それでも伝えるべきことは早めに伝えておこうとあまり多くを教える時間は無いようにも思えたから]
―→第二階層・集会所―
[エレベーターが開いたなら当然のように乗り込んだ。
ボタンの位置が低い身長に優しくない為、普段もなるべく人間と共に乗るようにしている。
勿論中でなされた会話も聞いていたことになるが、特に反応は示さずに扉を見つめていた。
ジョエルの電子音に紛れ、キュルキュルと小さな機械音が流れる]
[第二階層着いたなら一度立ち止まって、耳をぴくりと動かす。
その時点では、先行く二人のたてるもの以外に物音は拾えなかったが。
丁度届いた通信に従い、後を追って集会所へ]
[皆が会議室に集まった頃]
『まもなく皆様に一斉射撃を行ってもらいます。集まってください』
[どこにという指示までは抜けているのは、慌てて作られたことを感じさせるだろうか。
船内に響く機械音声は事務的に、ただ殺しあうことだけを薦めるもの]
─第二階層 集会室─
…待たせたか。
[集会室の中には既にスティーヴとジョエルの姿があった。
パトラッシュも一緒に居たかどうか。
微かに息をついて、中にいた面々に声をかけた。]
スティーヴ、早速で悪いが。
PMCに寄生されている判断材料になるような情報は、持っていないだろうか。
― 第二階層 集会室 ―
[全員が集まるまでは黙って煙草をふかして。
纏まって現れたのを見ると、煙草を口許に当てた状態で面々の顔を見遣った。
顔は知るが名を知らぬ女性が二人。
子供は消去法で血縁が居る者の片割れと判ずる。
顔が分かれば問題ないか、と名を改めて問うことは無かった]
─ 第一階層・通路→第二階層・会議室 ─
え……本物でも、撃っていいの?
[人を撃ってはいけないという基本的なことは無論分っているが、それでも撃たないといけないという事に、始めは瞬く。
それから前を歩いている人達を後ろから、きょときょとと見てからようやく眉を顰めたのだった。
父親の言う言葉は黙って聞く。言われた事を飲み込むように。
どこまで理解出来たかは本人のみぞ知る。
ただ会議室に着くまでやや俯いたまま、父親の手を強く握り一言も口は聞かず黙っていた。]
―第二階層・会議室―
[自分達以外の三名の生存者と合流をすると、そちらにひらりと手を振る。
ジョエルとエリカの会話に、途中自分が作り上げた死体のことを少しだけ思い出す。
会議室に着くと煙草の箱を取り出し隅の方に移ると一本咥えて火をつけた。
息子が自分がそれを吸う姿を見るのは仕事帰りの後にまれに見せる程度のもの]
そう急かさずともな…
[聞こえた放送にそう呟く]
[提案という声に、そちらを見た。]
………ジョエル…?
[自分を壊すよう提案するジョエルに、目を瞠ったものの。]
………お前は、それで良いのか。
[そう、問いかけた。]
―第二階層・集会室―
[集会室に入って間もなく、他の人間も姿を見せる。
その中にリディアの姿を見つけたなら、垂れた尾を一度はたりと揺らした。
微かな機械音は相変わらず流れ続けている]
[フランはまだ怯えていただろうかと、視線をさまよわせてその姿を探し出し見つける。
その様子はどうだったか、なんとなく探してしまったのは命を結果として助ける結果になった為か]
自己犠牲で解決をするような事態ではないけどな。
[煙草を咥えたままレーザーガンを手にし、まだその銃口はどこにも向けていない。
何かを聞くようなことは自分からはしない]
[本人の意思であるのなら、それを向けることは躊躇わない。
既にもう人を殺して生き延びた身なのだから。
けれど、もしも人工的に造られたから己の意思と関係なく申し出たこと、ならば。
手をかけてきた身には、辛いことだった。]
─ 第二階層・会議室 ─
[放送は、集まれ、ということしか分らなかった。
パトラッシュとジョエル、名前は聞いてないけどさっき会ったおっちゃん、などの姿が見えたけど駆け寄れなかった。父親の傍が一番安全だと思っていた為に。
ただパトラッシュとジョエルとの間を、視線がいちど泳いだのだがそれもほんの一瞬。
ジョエルの提案には、少しだけびくっと動きが止まった。
銃はまだ、ぽけっとの中にある。
それを取り出さなければいけないと、手をそこに突っ込んだ。]
ああ。人間の作り出した0と1の信号で動くもの。
らしいが私にもまだよく分からないのだよ。
道具のはずが、人の意図と違う動きをすることもあるからな。
[困惑しながらも頷く気配で]
― 第二階層・集会室 ―
ホントに勝手。
[機械音声に眉を顰めた後]
は…?
[ジョエルの提案にポカンとなった。
呆然としながら、手はレーザー銃の感触を確認している]
[アンドロイドの言葉は聞こえていたが、反応は特に示さず。
煙草をふかしたまま、右手で電子銃を握り直す。
今はまだ持ち上げることはなく、身体の横に下げたまま]
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