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―集会場・広間―
じゃないかな。
ラッシュは警官だ。
他よりも銃器の扱いに慣れてるし、判断力もある。
捜されようとしてる方にとっちゃ厄介だろうよ。
[伶人に答えながらふと考える。
兄は誰を狙っていたのだったか。眉が寄った]
まあ、そんなで。
どうにかして排除しないと、こっちが殺されかねない状況、だ。
[小さな声に先輩の方を見る。
いつもと同じようで何か違和感のようなものが感じられた。
こんな時だからか。それともこんな時なのに?]
─集会場・広間─
……非常事態ですし、多少の事には目を瞑りますよ。
[小さく返される笑みに、短い時間、常の笑みが戻る。
死を悼むように見える姿は、そのままに受け止める。
二人が玄関先で親しく言葉を交わす様子は、幾度となく目にしていたから]
……です、ね。
この状況にあって、冷静さを失わなかったあの方は、脅威と言えば脅威でしょう。
[レッグの言葉に、小さく頷く。
続いた言葉には、は、と短く息を吐いた]
文字通りの殺すか、殺されるか、ですか。
……さて、何を基準にどう判断すればいいのやら。
―集会場・広間―
[少しづつ、空気が張り詰めて行く。
武器は広間に落としっぱなしだったので、それを拾いに一度主の傍を離れ、血溜まりの跡の先に放り出されたままのマグナムを拾い、また戻った。
ちらりと見るのは。
主と自分以外。
自分を狙う人でもなく。
自分が撃ち、同僚を殺した人でもない。
―――――――そして主を撃った人でもない。]
─集会場・広間─
[レッグとのやり取りの傍ら、エリカが傍を離れるのに気づき、ふとそちらに視線を流す。
武器を拾い、こちらに戻る様子に、置き去りにしていたのか、と今更のように気づき]
……ん。
[エリカがちらりと見た先へ、何気なく視線を向ける。
未だ、言葉を交わしていない女性が目に入るか。
実態がわからない──という点では、ある意味では筆頭とも言える相手、なのだが]
─集会場・広間─
[上着の上からそれに手を触れる。
昨日までとは違う。配布されたレーザー銃は滑らかな曲線をもつものだったが、借りてきたこれはどこかゴツゴツとしている。
回転式弾倉の感触が、実弾を使うと決めたことが覚悟を深める]
ああ。
この状況になった時から変わらないっちゃ変わらないけどね。
判断の材料が少な過ぎるってのも。
嫌だの何だの言ってられないのも、変わらない。
[虹彩が縦に切れて普段より冷たい印象を増す。
乾いた唇を軽く*舐めた*]
─集会場・広間─
……本当に、変わってないですね。
それも、嫌な所ばかりが。
[レッグの言葉に、視線をそちらへと戻してふ、と笑む。
どこか、乾いたような笑み。
冷たさを増す虹彩には、僅かに目を細めるのみだった]
最初の暴動で生き残った時点で、選択の余地はなくなっているわけですし。
……後は、下した判断がどう転ぶかを見極めるしかないんでしょうね。
それが、叶うのであれば、ですが。
[語る口調は淡々と。
内面の感情は、赤紫の瞳と共に、露草色の影に隠れたまま、見えはせず]
─集会場・広間─
[主に咎められずにすめば、はいと小さく笑み返し。
銃を手にし傍に戻ってきて、交わされる言葉を聞く。
自分が何をいう事はない。
ただレッグの「どうにかして排除しないと、こっちが殺されかねない状況」には心底同意した。
自ら死ぬ事が出来ない以上、誰かを殺し続けるしかない。
両手には、昨日と同じようにマグナムが握られた。]
─集会場・広間─
好転の材料なんて…
[あるのかしらと、そんな事を思ってしまう。
そもそも何をもって好転とするのか。
全員が生き延びれるという事なら、それはきっと―――ない。
レッグの目に人と違うものを感じ、長い虹彩を少しだけ見つめた。
不躾にならぬ程度で目を逸らし、少し伏せる。
視線は自らの銃へとまた落ちてゆく。]
─集会場・広間─
ないと思えばない。
あると思えばある。
……案外、そんなものなのかも知れませんよ、事態の変わる切欠なんて。
[好転の材料、というエリカの言葉。
以前、パトラッシュと交わした言霊の話を思い返しつつ、小さく呟く。
強く願う事は、現実になり得る。
なら、自分は何を強く願うのか。
横道にそれかかる思考を現実に繋ぎとめつつ、自動拳銃の存在を確かめた]
─集会場・広間─
あると思えば、ある…。
[マイルズがパトラッシュと話していた事など知らぬまま、同じように口にする。]
…あると、いいな。
[マイルズに、そう呟きぎこちなく微笑んだ。
本当は知っている。
何が一番早いのか。しなければいけなかった事も。
でも出来なかった。そして血が流れた。
唇から零れそうになる、謝罪の言葉は飲み込んだ。二度と言うものかと、自らに科したのだから。
そんな資格はもうない。]
………。
[強く銃を握ると、金属が触れ合うような固い音がなった。]
―集会場・広間―
[自分に向けられる視線に、目を向け返すことはしなかった。
そもそも他に違和感を与えているという自覚がない。
ある筈もなかった]
いっそ、でてきてくれればいいのになぁ。
[脈絡もなく、ぽつとまた洩らす]
─集会場・廊下─
ぁ……、…おはよう、ございます。
[レッグとパトラッシュの居る部屋の前で佇んでいる間、マイルズの姿を見。
恨まれて当然の自分が声をかけていいのか、とも思ったが、無視することもできなくて、挨拶だけして。
エリカが通り過ぎる時も、彼女が目を伏せるのをみながらも挨拶をした。
その後姿を見送った後、泣きそうになる瞳を押さえ堪える。]
…平気。─…恨まれて、当然だもの。
[レッグが部屋から出てきたのは集合時間も随分と近付いていて。
彼からずっと此処に居たのかと聞けば、伏し目がちに頷いた。
ずっと自分が代わりに殺されて居れば良かったのにと考えていたから、自分が生きているのが申し訳なくて彼と目があわせられなかった。
広間に行こうと促されれば、そうね、と同意し共に広間へと向かった]
『まもなく一斉射撃の時間となります。
市民の皆さんは集会場内広間に集まり、義務を果たしてください』
今日もまた、義務的に無機質な機械音声の放送が流れる
[前に出れるはずもない。
特に今は切に、死ぬわけにはいかないのだから。
もう一人のサイキッカーが、主を襲う可能性がいくらでもある今。
その可能性を潰す為に]
─集会場・広間─
……何もない、と思ったら、動けなくなりますから、ね。
[どこかぎこちない笑みに、笑みで返して。
無機質な放送が響けば、はいはい、と大げさに息を吐く]
…………。
[手持ちの情報は皆無に等しい。
あるのは、他者への違和感だけ。
それが是か非か、などはわからない。
だから考えない]
……穢れるのも穢すのも、恐れるのは既に無為。
[小さな小さな呟き。
撃つ事に、迷いはない。
その結果、何が起きたとしても]
─集会場・広間─
[広間に入れば、もう既に皆集まっていて。
ノブも目が覚めたようで少しほっとした。
レッグが淡々と、パトラッシュが死んだことをマイルズに告げるのを聞く。
排除しなければこちらが殺されかねないと、そう告げるのも聞く。
義務と言い聞かせて、自分は既に人を殺した。
でも、あの人が、サイキッカーである確証は、なかった。
誰に向ければ良いのか、今でも解らぬまま、此処に居る自分が何故、生きている─…?]
─集会場・広間─
あると思えばある…。
[確証のない疑惑は幾つか沸いている。
伶人やズューネの方には視線は向かわず。
一瞬だけ司書を見た後、先輩と顔を伏せている作家に向いた]
…義務を果たせ、か。
[ゆっくりと型の古い回転式拳銃を取り出した]
―集会場・広間―
[無機質な放送が流れる。
左手に白い銃を握り、試すようにゆっくりと上げる。
誰もいない壁に向けた銃口は、利き手でない為か小刻みに震えていた]
……んー。
[首を傾げて]
まぁ、しょうがないかぁ。
[一度銃は下ろされた]
―集会場・広間―
そう、ですね。
[マイルズにそう返し、無機質な放送にぎゅっと眉根を寄せ一度目を閉じた。
次に開いた瞳は、先ほどとはまるで違う冷たい色を称えていた。
やや伏せがちの為、睫毛に隠され薄っすらとしか見えないだろうが。
ゆっくりと腕は上がり、その手にした銃口が向けられた先は。]
貴女は危険なの。
[ナナに銃口を向けて、冷たい声でそう告げた。]
その狂気で、ぼっちゃまにいつ牙を向けるか分らない。
だから、ここで。
[相手の能力は知らない。こちらは能力ごと名乗ってしまっている為、下手に手を出せば返り討ちになる可能性もあるし、サイキッカー同士の戦いを見られる可能性も出てくる。
だから今、この場で撃っておく必要があった。]
─集会場・広間─
[答えの出るはずもない問いの答えを探しているところに、あの無機質な声が響く。
目を伏せて、息を吐く。
そしてゆっくりと、執事の命を奪った凶器を、彼の人に向けた。]
…─謝ることは、しません。
[その手に包まれた銃に、誰か気付いただろうか。
昨日命を奪った後、未だエネルギーが補充されていないことに。]
─集会所・広間─
[エリカに頷いた後、自身も銃口をゆっくりと上げる。
昨夜撃ちあった青年には、刹那、視線を向けただけですぐに、逸らす。
逸れた視線が向かう、その先は──]
―集会場・広間―
[他の銃が何処を向いているかはまるで意識していなかった。
座ったまま、ゆっくりと身体を捻る。
傷付いた右腕はだらりと下がっている]
……。
[狙う相手を真正面にして、動きを止めた。
先程と同じ動作で、ゆっくりと左腕を上げていく]
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