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―広間→クレメンスの部屋―
[ナータを気にしなくなったわけでは当然ない。
だから背後で交わされる会話を気にしながらも、二階へと上がっていった。クレムの部屋に着いたのは、聖句も紡がれ終わる頃で]
……Amen.
[静かに静かにその一言だけ。
ナータが想う、そのとおりです。と。祈った]
さぁて。
オレらが生き残る場合は、他の奴らがほぼ居なくなった時だぜ。
[オレはわざと、リートを揺さぶるのを狙って聲を紡ぐ。
そういや、『場』の解放の条件って、結構限られてんだよなぁ。
オレ達人狼を屠るか、オレ達が人を喰い荒らし切るか。
まぁ、いくつか例外はあったらしいが、ほとんどこの二つだ]
だって、わざとそんなことしたら怒るでしょう?
ゼル、怒ると怖いんだもの。
[緩く頭を撫でていた手を下ろしてそう小首を傾げ、あえて明るく微笑んだ。
こうしていないと、怖い気持ちに飲まれてしまいそうで。
何かあったかと問われれば、ん…と、曖昧に頷いて。
他人の口から言って良いのか解らなかったけれど、少なくともこの場にいる人は皆聞いているはずだから、と思い。]
ライヒアルトさん、死んだ方の正体が視える、みたいなの。
そう、仰ってたから。
[アーベルの方を確認する時、視線を向けないようにしたつもりだったけども、荒事に慣れてるわけでもない子供の行動はうまくいっていなかったようだ。
ただ、そこにナイフがあることは確認できた。代わりにそれを確認したことをヴィリーに知られることになったのだろうか。
アーベルの言葉があるとヴィリーの方を見たまま、返される返答にひるみそうになるが]
だから……
[相手が熟練した相手なら、いくらアーベルからナイフの使い方を習っているとはいえそれは獣相手のこと。
多少の喧嘩の仕方とかも教えてもらったかもしれないが、大抵は逃げるようにと、女の子なのだからとそう教えられていた。
でも今は、立ち向かうときで、不意打ちの一瞬だけ、自分にチャンスがあるとするなら]
そのために…
[アーベルの腰に手を伸ばし、ナイフを手際よく引き抜く。
そのまままっすぐにヴィリーの方へと駆け寄り、その顔を狙って突きつけた]
そりゃ怒る。俺を誰の息子だと思ってるんだ
[きっぱりといった。その辺りはあの母にしてこの息子有りなのだ。
明るく微笑むブリジット>>283に無理をするなともいえず、ただ笑みを返して]
─広間─
ああ、それでか。
エーファの服貸したわけね。
[エーファからの答え>>281に、オレはぽんと手を打った。
…でも何かまだ引っ掛かるんだよな]
んー。
エーファさ、はっきり声出すようになったよね。
最初の頃とは大違い。
[そうだ、さっきの挨拶。
少し前だったらもっとおどおどした感じで言ってた気がする]
くっ。
[堪えきれない息がコエに滲む。
この会話もあって、歩みは鈍かったのかもしれない]
それも知ってる。
人狼を滅ぼすか。人狼に滅ぼされるか。
どちらか一方しか生き残れないのが普通だ。
[そう、普通なら。そうでない例というのは思い出せないけれど。
そうでなくなれる可能性を考える。一縷の希望を捨てられない。
ナータは今も、自分のことを誰にも言わないでくれるのだから]
[本当に大丈夫だっただろうかと、二階へ向ける視線は心配を含む。
ナターリエは、自分の告げた言葉をライヒアルトにも告げただろうか。
答えはあるわけもなく。
ふと人がけっこうそろっていると思えば、厨房へと視線を向けた]
スープとか作っておくかな。
[と、ブリジットが、先ほどのライヒアルトの言葉を、言っている。
言葉、というか、ただ頷きだったけれど。
良いのだろうか、と思ったけれど、今はナターリエと一緒なら大丈夫だろうと思うことにした]
エーファ、何かあったのかね。
前と雰囲気が大違いだ。
それこそ、フォルカーと入れ変わったみたいに物怖じしてない。
[違和は声ではなく聲として紡がれた。
ここに来ての変化としては、急過ぎるな。
……何か変わる要因でもあったか?]
―クレメンスの部屋―
[別れを惜しむかのように長い祈りが捧げられる。
ゆっくりと目をあけて胸元に下がる十字架を握った。
静かに続く言葉>>282
その音色が誰の紡いだものかはすぐに知れて]
ラーイも来てくれたのね。
[自分一人では義兄は寂しく思うだろう。
養父もいない、弟もいないでは彼もきっと寂しい。
そう思うから、彼の訪れに微かな喜びが滲む]
[実際には言葉ではっきり肯定はされていなかったけれど。
頷きと、公言したくなかったという言葉はそういうことだろうと思った。]
― 納屋 ―
[ヴィリーの問いには楽しげに――心から、楽しげに。
唇が歪んだ笑みを形作り、何かを紡ぎかけたが]
!
フォルカー?
[ヴィリーに気が行っていた為、フォルカーの行動を止めることは出来なかった。
ナイフを手際よく外した様から、やっぱりこっちがフォルカーかと改めて知る。]
───……喰ってみれば、分かるかな。
[オレはにぃと笑う気配を込めた。
そういやリートには言って無かった気がするな。
喰う奴によって、選ばれし者によって味が違うって話をさ]
……へぇ、ライヒアルトが…そうだったんだ。そりゃ驚いた。
[口調は変わらずとも、妙に空いた空白を長年付き合っていたブリジットは変に思うだろうか?だがそれに...は気づけない。
もしかしたら二人ともなんてことがあるのかもしれないがそれでも……どちらかをという時の二択が一択になったのだから。]
エーファが?
何だろう。変化があるとしたら。
場が出来て何かの力を得た可能性は、あるよね。
[蒼花か。死者を見極める者か。護り手か。
それがどんな力かは想像つかず、そこは思うままを答えた]
あ…手伝います。
………ゼル?
[スープを作ろうかというゲルダに、立ち上がりかけて。
何かを思案しているような彼に気付き、何か気になるのかと不安げに彼を見た。]
― 納屋 ―
[これが、他の場所であれば、少女に男が遅れをとる事はなかったろう。けれど狭い納屋の中…身体の大きい男は、逆に動きを制限される]
参ったね、こりゃ…
[それでも男は笑っていたが]
─広間─
はい。
[頷いて]
[それでもまだエルゼが考え込む様子を、不思議そうに見ていた]
[そこにも以前のような、遠慮がちな様子はなく]
……え、
そう、ですか?
[はたり]
[瞬きながら発する声も、以前より惑いのないもの]
[ナイフは避けられるだろうことは想定済みで、倒れるスコップを避けるように、その懐に、背の低い自分だからこそもぐりこめる低い位置。
アーベルが教えてもらった、たった一つだけ、相手が男の時だけ、そこを狙っておけば倒せるって]
殺さなきゃ!守れないんだよっ!
[叫ぶようにして、下半身のそこに迷いなく拳を。
ただ、位置的に相手の足元であったので、そのまま蹴られたかもしれないが]
[滲んだもの>>*51にオレは喉奥で笑う、否、嗤う気配を漂わせた]
早く終わらせる一番簡単な方法って理解してるか。
───オレ達の方が死ぬことだよ。
早く終わらせたいってことは、お前はオレも自分も死ぬ方向に持ってくつもりか?
[意地の悪い問いかけだとオレ自身思う。
アイツはきっと護りたいものがあるんだろうな。
じゃなきゃ早く終わらそうなんざ思わねぇだろ]
分かるんじゃないかな。
俺は食べる前から知っていたけれど。
自衛団長と、クレム司祭が違うってことは、よく分かるよ。
[詳細は知らずとも。知る分から考えて、肯定する]
[ゼルギウスの様子には、あまり違和感を覚えられなかったよう。
ブリジットが不思議そうな様子に首を傾げるけれど、申し出にはお礼を]
手伝い、ありがとう。
ちゃんとした食事だと、きついからね。
―クレメンスの部屋―
こんなことにはなったけれど。
思い出が消えてしまったわけでもないから。
クレム、司祭のことは。忘れられないから。
[ナータに頷いて。けれど十字は切れなかった]
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