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ぁ…わ…、たし……
[自分をかばって倒れるパトラッシュとか、エリカに駆け寄る姿とか、
見ていると体の震えがとまらない。
確かにダレカをねらわないといけない状況、自分も子供だからって許されるわけでもない……
それでも……ダレカを確かに自分は殺したことに変わりはなく]
なんで……こんなこと……
[自分が自分じゃないかのような感覚でその場にへたり込む]
─ 中央議事堂 ─
[後足を縮め、体重移動を使ってどうにか伏せの体勢になる犬。
その状態から立ち上がろうとしたが、左前足が無いためにバランスが取れず、立ち上がりかけては崩れ落ちるのを繰り返していた]
… ぐる … ぐぅ …
[立ち上がろうとする度に震える身体。
必死にバランスを取ろうとするためか、喉奥から搾り出すような鳴き声が何度か零れ落ちる]
[身体をやや右寄りに、重心を普段よりずらして立ち上がると、その場に立つことが出来るまでにはなった。
しかし、そこから移動するとなるとまだ上手く動けないようで。
残った右前足で床を蹴り、跳ねるようにして前に進もうとしたが、重心移動に失敗して着地点に崩れ落ちる]
…… くぅん
[そのため、女性に問われた>>12ことに対し、首を横に振ることで犬は自分の意思を伝えた。
その後は立ち上がらず、その場に座りなされる処置を眺めている]
[パトラッシュがつらそうにしているのに、そこでようやく気づく。
近くにいたのに、その感覚に気づくのが遅れた]
ぱと……らっしゅ……ごめんね……
[自分の為に怪我をした相手。
そちらに手を伸ばしかけて手を止める]
ぁ……
[その手を伸ばすのを躊躇われた。
人を殺したその手で触れることを]
[名前を呼ばれて>>21、犬は少女の方へと鼻先を向ける。
こちらに伸ばされた手が止まるのを見て、不思議そうに首を傾いだ]
… くぅん?
[少女の名を呼ぶように鳴いて、鼻先を少女の方へと伸ばす。
その場からの移動が難しかったため、近づくことは無い。
けれど鼻先が近付いたなら、少女の手に向けて舌先を伸ばした。
頬を舐めたあの時のように、少女の指先を舐めようと。
まるで気にしていないとでも言うかのように]
― 中央議事堂・廊下 ―
[紫煙を燻らせつつ、思考を巡らせる。
とはいえ、考えてどうにかなる、とも思えなかった]
……残り、三択、か。
[どこを狙えばいいか、何を選べばいいか。
基準や手がかりが全くない以上、後は文字通り、直感にでも頼るしかないのだが]
こーなると、後は賭けて後悔しねぇとこを選ぶ、っつーレベルか。
それもそれで、悩むとこだけどな……。
[半眼になって天井を見上げつつ、ぽつり、呟く。
残り、二人と一匹。
どこに賭けてどこを切るか。
思考は中々まとまらない]
[こちらからも気持ちから足を動かすことができず、近寄ることはできなかったけど、心配してくれる気持ちは伝わってきたので]
ありがとう……ごめんね……
[申し訳なさと、うれしさが混じった様子でいる。
さらに加えて罪悪感とかも交じり……
なによりエリカを撃ったときの、感覚が……]
ぇぅぅ……
[気持ち悪いとかそういうのとか、複雑な気持ちがわいてくる。
パトラッシュの気遣う気持ちでもおさえきれないもの]
─ 中央議事堂 ─
きゅうん
[少女の様子>>24を見て、犬はふらつきながらも残った足で床を踏み立ち上がる。
先に右後足を前に出し、跳ねるようにして床を蹴ってから、右前足と左後足で着地。
時間をかけてではあるが、それを繰り返してどうにか少女の傍へと歩み寄る]
わふ
[敢えて何かの意思を伝えることはなく、ただ傍に寄り添うように床に伏せて、頭を少女の膝辺りに擦り付けた]
ぱとらっしゅ……わたし……ひと……ころしちゃって……
[こちらに苦労して近づいてきたパトラッシュをみてぼろぼろと泣き出してしまいながら]
わたし……ちがうの……そんなつもりじゃ……
[膝にすりつく感触には気づくけど、
それ以上に混乱した様子で頭を抱えて首を横に何度も振る]
─ 中央議事堂 ─
[パトラッシュは上手く動けないのか、首を横に振る>>20のが見えて視線を外し。
確認を請け負ってくれたレッグの所作をじっと見て、外れ>>17という声に目を伏せ。
響いた機械音声>>#0に、強く唇を噛んだ。]
…すみません、お願いします。
[エリカを抱え上げたレッグ>>18の後について、部屋に向かう。
エリカに向けてだろう、男性の呟きは耳に入ったけれどそれについては何も声をかけず。
廊下に出ていく彼を、呼び止めた。]
…あの。
手当、ちゃんとしてください、ね。
[撃った自分が言うのもおかしいけれど、そう、声を投げ。
返答がなんであれ、出ていく彼を見送ることなくその場に留まった。]
ケイジさんだけ、じゃなくて。
エリカさん、まで。
[死んじゃった。
そう、声には出さずに唇を動かす。
苦しさを感じて息を強く吐き出すと、同時にぽろりと涙が零れた。]
…、……ぁ…
[頬を伝う水に指を添わせようとして、左肩に走る痛みに顔が歪む。
掌を見れば、自分の血とエリカの血に濡れた赤に染まったままで。
それを見止めると更に視界が歪み、瞳から水が溢れて。
声をあげて、泣いた。]
『まもなく、定刻に、なります。
生き残った皆様は、議事堂に集まってください』
[そう告げる機械音声が早くも鳴り響いていた]
─ 中央議事堂 ─
[泣き出す少女>>26を見上げて、首を伸ばしてその頬を舐める]
わぅ わふん
[少女の言葉を受けて犬は、自分もだと言うように鳴く。
事実、この2回の撃ち合いで両方とも自分の銃撃で死なせているのだ。
それが役目だと思っているため、躊躇いも少ないのだが]
くぅん
[混乱した様子にはこれ以上かける言葉が見つからず、小さく鳴いて視線を床へと落とした]
─ 中央議事堂 ─
[集合場所から移動せずに少女の傍で伏せてからしばらくして、再び定刻を知らせる放送>>#1が流れる。
犬は伏せた状態のまま、右前足の収納スペースを開き、残った3本の小型レーザー銃の中から1本口に銜えて取り出した。
全員が揃うまでは伏せたままに。
時が迫れば銃口が正面を向く形に銜え直して、その場に座る形となる]
…… くぅん
[残るのは犬を抜いて3人。
うち1人を撃つ心算は全く無く、残る2人から選ばなければいけない。
女性なのか、青年なのか。
判ずるための情報を持たない犬は、2人が現れると注意深く観察するように見詰めた]
[銃のエネルギーはまだ残っている。
左肩の傷はそのままにしていたが、銃を撃つには支障無いと思った。
でも、誰を撃てばいいのか、迷いがあった。
一回目は、パトラッシュを撃った。
でも、死んだのはケイジ。
二回目は、レッグを撃った。
でも、死んだのはエリカ。
死んだ二人は、人間で。
その二人を、撃ったのは。]
……あの、子。
[白い犬に視線を向け、呟いた。]
─ 中央議事堂 ─
いや……、もうこんなこと……
[聞こえてきた放送に泣いて震えながら、パトラッシュに返す言葉は震えたままで]
だって、エリカさんだって……わたし……
そんなこと……したかったわけじゃ……
[意識がはっきりしてないなかでのこと、でも記憶はしっかりと、たしかに自分が引き金を引いた、エリカを殺すために]
[女性から向けられた視線>>33には、怯むことも無く、叫ぶことも無く。
ただ静かに見返すのみで。
犬にしては冷静すぎる態度であると見えたことだろう]
[2人の様子を観察する間、尻尾は考えるように緩く左右に揺れる。
見目だけを見ても、やはり判ずることは出来ない。
分かるのは、青年の左腕が機械であることと、女性がここに来る前に泣いていたことくらいか]
… くふん
[探ろうとしても、考えても、分からないままで。
犬は困ったように耳を垂れさせる。
それでも選ばなければいけないから、犬は今ある自分の優先順位のまま、対象を定めようとしていた]
― 中央議事堂 ―
[集合場所まで戻り、ぐるりと周囲を見回す。
犬と少女は変わらず寄り添い合い、こんな状況だが微笑ましくも思えた]
…………。
[始まってからずっと、少女を守り支えよう、と一貫した態度を取り続けている犬。
悩んで答えがでないなら、その信念に賭けてそちらは撃たないのもありか、と。
ふと、そんな思考が過ぎって、消えた]
[混乱をしているメイン人格に介入をしようとする、
時刻に撃たなければ、殺される。
ダレカを、だれでもよかった、
この傍にいてくれる犬以外であれば……]
[二人に武器を向けたのは、パトラッシュだけ。
判断材料というには、あまりに薄い理由。
けれど、それ以外の理由も、なくて。
迷いながらも、銃口を向けた。]
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