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クロエさんが、死にたかったですか?
[問いかけに一度問い返してから]
大切な人のことを思えば、確かにそれもわからなくはないです。
私は、皆さんほど仲良く交わってもいなかったですしね。
[歳の近い中では、どちらかといえば輪から外れた位置にいた為、
他のみんなに比べれば自分に対する親密度も低めであった]
幻燈歌はご存知ですよね?
ならば理由に察しはつくと思います。
花に導かれるのもまた、運命とでもいえばいいのでしょうか。
─ 2階廊下 ─
[ぐるぐる、ぶつぶつ、廊下に立ち尽くしたまんまで考え込んどったら、クロエさんが真っ直ぐナティの部屋に向かってった>>154。
泣きはらした目ぇで表情があらへん。
ぁ、て思うたんやけど、それ見たら声かけぇことは出来ひんかった]
…… ぁれ、 クロエさん いま なんか もって
[はた、と気付いたんはクロエさんがナティん部屋に入ってからんこと。
もう扉は閉まってしもてるさかい、確認するんは出来んかった]
… まぁ、 ナティ も クロエさんに 会いたそう やったしな
[そう思て、それ以上の詮索はせんかった。
もしクロエさんがナティん部屋を訪れた理由に少しでも思い当たっとったら、部屋ん飛び込んどったかもしれんけど、それが起こることはあらへんかった。
理由に気付けへんくらい、人狼探せぇ人についての比重が薄かってん。
御伽噺のことも、半信半疑なままやったさかいな]
少しでも救いになったのならば、よかったです。
[そう語る声の様子は偽りのないまっすぐなもの。
逸れる事の無い刃には気付いていなかったが]
どうぞ……、覚悟があるのならば、その刃を向けることは間違いではありません。
[やさしくクロエに諭すように、そう仕向けるかのように語り掛けた]
今ならばそれも、叶いやすいでしょう。
今の私につきはないようですから。
[そして、クロエの方に振り向き微笑みかける慈愛と悲哀に満ちたような様子で]
私も従うだけです。
ライヒ兄さんが、少しでも望むように喜ばせられたら嬉しいです……。
ああ、でも喜ぶとかそういうこととは別のところに……、
もし、私が死んだときには少しでも悲しんでもらえる……かな?
[クロエに問いかけるようで、自問自答のような言葉を紡ぎ、視線だけはクロエに向けたままでいた]
……。死にたくも死なせたくも、なかったよ。
[守り守られると約束をしたのだから]
それでも守りたかった。
それも、あなたは運命と言ってしまうの。
[ことりと床に音を響かせ、ナターリエへと歩み寄る。
悲しみを沈ませた漆黒に、憎悪の色は浮かべられぬまま]
運命と、そう思わなければ……
では、私達は何に縋り、何に祈り、そして何に頼ればいいのでしょうね……?
[一度だけ、伏せた目がクロエから視線をはずされ]
苦しみを抱くことも生きることです。それが理不尽であっても。
頼れる人が生きて残っているのならば、きっとそれが答えなのかもしれません。
頼る人がいる分、失うこともあるのも真実なのでしょうけど。
[深く悲しみを含んだ声で]
変えるのではありませんよ。自分が選んで進む。
私がこの道を選びました。
クロエさんも、自分の選ぶ道を進んでください。
[視線は一度、その握られた刃に、そしてじっと目を見つめる]
正しくなんてなくていい。
でも───…
[一度黒い瞳を伏せた。
強く、アーベルの残した刃の柄を握り締める]
変えられないなら、
────私が、変える。
[再び上げた目に迷いの色はない。腕を引いた。
そして身体ごと突き当たる勢いで、
修道女の胸に───慈愛深き聖母の胸へと、
スティレットを、慈悲の異名持つ短剣を突き立てた]
……ううん。
[ライヒアルトとクロエとのやりとりは、あまり覚えていない。
だから、問いかけのような言葉>>168には、首を左右に振ってなんでもない事を示し。]
――エリお兄ちゃん。
これが御伽噺の通りなら…ううん。むしろ御伽噺通りなんだとは思うんだけど。
[カチカチと、少女の中でナニカがハマり始めている。]
『双花聖痕』の蒼花であるベルお兄ちゃんが現れたのに。
どうして。
蒼花の片割れである朱花は出てこないの?
[こて、と。
エーリッヒの問い>>171に、問いを向ける。]
─ →1階廊下 ─
[ナティん部屋で起きとることに気付かんまま、うちは1階に降りる。
皆広間やろかー。
集まるっちゅーたらそこしか思いつかんかったから、自然足はそっちに向いた。
着とる夜間着が汚れたままなんをすっかり忘れて、広間ん方に歩いてく。
リネン室1階にあるんやから、寄ってけばええのにな、自分]
出てくるわけないよ。
だって、私が朱花なんだから。
[少女の宣は、丁度ユリアンが広間から出る頃>>176だっただろうか。]
……そんなこと…、…知らないよ。
何に縋るかなんて、そんなこと、
分かるはずがないじゃないっ!!!!
[いつしか、クロエの面に表情が戻っている。
泣いていた。泣きながら、再び刃を彼女へ振り下ろす]
進んで選ぶ、……なんて────…
そう、それでいいんです。
[それが宿命なのだからと、口にはしない。
変えると、そう告げる彼女の行動は、月のいとし子を討つ行為であったから。
迫る刃と同時にクロエがこちらに迫るのを確認しながら、
浮かべる微笑はそのまま]
クロエさんに、神のご加護のあらんことを。
[祈りの十字を切る手は、縦に一度、
そして横に…その手は右肩ではなく左から…
振るった右手は獣のように鋭い爪をもったものだった**]
─広間─
そうか。
[少女>>178にそれ以上の追及はしなかった。
狩人の青年が出て行こうとするのも、やはり呼び止める事はなく。
残った青年と少女の会話を聞きながら、椅子に腰掛け、軽く目を伏せた]
…どうして、貴女がそんな言葉を言うの。
[今、自分が刃を振るうのは血に濡れた人狼。
今、自分が傷つけているのは心優しき修道女。
今、自分が殺そうとしているのは…、]
────…、
[最後の言葉は音にはならずに宙へと消えた]
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