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[立ち止まる事無く、森に向かうユリアンの姿を見て、男は迷った。今日はまだ狼の姿は見かけてない…しかし、ユリアンは目を悪くしているのではなかったか?]
馬鹿じゃねえのか、俺は。
[森に向かって歩き出しながら、男は自分自身に悪態をついた。昨夜、彼にダガーを突きつけたのは自分だというのに]
……はぁ。
にしても。
いてぇんだっての……。
[大きく息を吐いて、木に体を持たれかけさせる]
従わなけりゃ、激痛……いいシュミしすぎだってーの。
[ぼやくような声が零れ。
不意に、蒼の瞳が一つ、瞬く]
……なに……?
あいつ……なんで、ここに?
[呟きは。
覚醒により研ぎ澄まされた感覚の捉えた、人の気配に向けられて]
[緩く首を振る]
そういやエーリッヒ以外にも誰か死んだんだよな…
[直接見たわけではなかったが、喧騒から察した判断で]
降りるか
[木箱を背負って部屋を後にした]
……あぁ、もう。
[大きく息を吐く。
何がどうとかいうより、]
寒い。
アーベルの馬鹿っ!!
[八つ当たりで、叫んだ。
雪に覆われた静寂の森には、よく響く]
そとに出ればすぐ冷えてしまいますよ、暖かいモノも。
今日もとても、外は寒そうデスし。
[にっこりと、微笑んで。]
運が悪かった。それともただの偶然でショうか。
それとも他に。誰かが仕組んだ。
[顔は笑んだまま。][紡ぐ言葉とは不釣合いに。]
[響く旋律、此方は現実の音。手が届くことはない。]
今ここにいるぼくは一体なんなんだろうね。
[呟いて、眼を閉じる。
少女の気配はするりと解けた。]
保温性の高い器にいれれば暖かいままだと思いますけど。
ま、もう過ぎたことですね。
[笑って]
アーベル君とユリアン君なら大丈夫でしょうねぇ。
二人とも我慢がお好きだから。
[くすくすと]
――そうですねぇ、そうかもしれません?
ギュンターさんに教えた人がでしょうか。
ああ、残念ながら俺は、わざわざ仕組むなんて面倒なことはしませんよ?
[どうするか、と。
更に森の奥へ向けて歩みを進めるべきか否か、と。
悩んでいた所に響く、怒鳴り声に]
……寒いと俺と、何の関係があるんだよっ!
[……思わず、怒鳴り返していたのは、無意識だろう、きっと]
―一階・広間―
[広間へと向かい、中から聞こえる話し声に違和感を覚えた]
……あの、声は?
でも、違う…?
[聞こえるのはブリジットとクレメンスの声]
[だけど、紡がれる言葉はいつもの少女のものとは、違う]
……どうして?
[それにいつも通りに対応するクレメンスもまた異様で]
[疑問だけは浮かぶものの、中に入る事は出来ずに]
[探す力が失われた。
見つけるためにはもう他に思いつかない]
教えてはくれませんか。
少しでも早く、終わらせるための術を。
[過去に囚われていた意識が崩されて。
どこか虚ろなまま。
システムに流されていたのかもしれない]
少しでも多くの。
希望が残せるように。
[けれどそれは、間違いなく]
私は選びました。
だから、教えてください。
それが私の願い。
[コートを失くして、男は、すっかり冷えきっていた。そんな時、森の奥から響いて来た怒鳴り声]
…まったくだ。
[思わずげっそりと、同意した]
シスター ナターリエは、神父 クレメンス を投票先に選びました。
[再び姿を現したのは、白い雪の上。
存在は陽炎のようにゆらりと揺れる。]
・・・・・・・
[交わされる怒鳴り声は、馴染みの青年達のもの。
すいと視線を向けて、其方へ歩みだす。地を踏む音も、爪先からの冷たい感覚もそこには無かったけれど。]
……なぁんで、いるかなぁ。
[反響してどこから聞こえてきたのか、はっきりとは掴めないものの、存在の確認だけは出来た。
わざと、ざくざくと大きく足音を立てながら、森の中を歩く。
まだ陽は高いのに、木々に阻まれて影が下り、些か、怖くはあるが]
うっさいなあ、
馬鹿だから馬鹿って言ったまでっ!
ならば吼えるがいい。力の限りな。
…システムか。
システムなどどうでもいい。我等は人を喰らうだけだ。
[それもシステムの一旦ではあるが。][人狼である事と、システムとは。][彼にとっては別な事になっていて。]
[少女の名をよぶ声には。]
…少々問題が起きた。
ブリジットが『人狼』に近づきすぎたんでな。
今は逆に、外から隔離してある。
無意識に、人狼について理解しないようにはなっているが。
それでも人狼の事を知れば…真実に近づきすぎれば、ドゥンケルが起きる。
…貴様もあの、ノーラとか言う女の死体は見ただろう。
人間は餌だが。我等は餌を弄ぶ趣味はない。
あれは人狼でも人でもない。ただの、獣以下の存在だ。
[心底嫌そうに応える。]
職人見習い ユリアンは、貴族 ミハエル を投票先に選びました。
/中/
うん、ちょっと強引に動かしてごめんなさい。
でも向こうは昼〜夕方だって言うし。ブリジットが昼間表に出てきたってことはこっちかなと思うのですね。
というかこの状況でそのままにされても…辛すぎますので(汗
うん、エピでのハリセンも幾らでも受けますから…。
[気配が歩き回るのは、今は手に取るように。
どこへ向かっているのか、わかっているのだから、避けてしまえばいい……の、だろうに]
だから、なんで、そこで馬鹿呼ばわりなんだよっ!
[子供っぽい反論は、つい、続く。
言ってから、自己嫌悪]
[二人が語る言葉は、確かに今この状況を示していて]
……何故あの二人がそんな事を?
[仕組んだ、と言う言葉は彼らがそれをなす側ということを示して]
[どこか、楽しそうな]
[この混乱を楽しんでいるかのような、声]
………そんな、まさか……
[思い当たる事は、一つだけで]
[ユリアンの他にもう一つの声。男の心に緊張が走る。雪の上の足跡は、獣に踏み荒らされ、真っすぐに後を追うのは困難だった]
[いや、そもそも、後を追うべきでは無かったのか?]
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