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[蒼の瞳はほんの一瞬、虚空を見ていたやも知れず]
先に、って……。
って、あ、ちょっと!
[イレーネの言葉に答えるより早く、マテウスは行ってしまい。
一つ、息を吐いて、そっと少女を座らせる]
……ザフィーア、お前は、ここにいろ。
彼女と、一緒に、いるんだ。
[短く、言い置くと。
巨漢の後を、追って]
[周りの声も、痛みも、全てが遠くなる。]
…師匠。……俺じゃ、あんたのかわり…無理……
[思考は、そこで途切れた。]
……。
諦めていたんだ。
だって、僕には、どうしようもないことじゃないか。
男か女かなんて、生まれたときから決まっているんだから。
[現実を捨て、真実を視通す力を持つのは、女だけだと]
そんなの、努力したって、変えられない。
それなのに、見えなくなるなんて、
……視えないのに、見えなくなるなんて。
[おかしかった。なんで、僕だけ]
だから、それは、きっと、他に原因があって、
原因があるなら、それを取り除けばよくて――
僕は、ただ、自身の最善を、尽くそうとしただけだ。
[さきにいって。という言に従うまでもなく、先程くぐった扉をくぐり広間へと向かい]
どしたっ!何があった!!
[そして最初に見たのは、ずたずたに刺されているエーリッヒと、ユリアンをハインリヒで
それだけでどういうことがあったのかを悟る]
やーねェ。
何でもかんでも人狼の所為にしてくれちゃっても、こっちは困りますってネ。
[ハインリヒの怒声には肩を竦めるばかり。]
なんだよ、それっ……。
[緋色の世界を介したコトバに。
コエが、震えた。
そう言えば、昨夜も。
ユリアンは、彼に銃口を向けて]
……これも……システムとやらの、仕組みなのかよっ!
[苛立ちを帯びたコエが。
響く]
[昨日、エーリッヒがアマンダを殺す所を見ていなかった為。][人(と見えるもの)が、人(と見えるもの)を殺す様を見るのはこれが初めてだった。]
[その様はなんだか酷く。][滑稽に見えた。]
狼じゃないのに…。
[声はどこか、低い。]
……人狼?
[ユリアンを見る]
[だけど、変わらない、わからない]
あなたが人狼だから、あなたを見つけるかも知れないエーリッヒさんを……?
[違う、と思いたかった]
[だけど、味方である筈のエーリッヒを、彼は手に掛けた]
あなたは……何?
[青年の言葉は、男には半分も理解できない。けれど、彼が何かを、何かの力を欲しがっているのだけは伝わった]
最善ってなあ、何だ?!それが人殺しか?
お前が欲しかったのは、人を殺すための力なのか?!
[ダガーを握る手に力が込められる。刃を押し付けられて、薄く喉の皮膚が傷ついたかもしれない]
貴族 ミハエルが「時間を進める」を選択しました
[肩の蒼花から、頭の芯に痺れが伝わる。
昨日と同じ。
システムが正常に働いたことを伝える。]
・・・・・・・。
[頭をふるりと振った。誰が倒れたのかは分からなかった。
少女は部屋の戸を閉めた。
外界を拒絶した。]
/*
ユリ=霊が外れだとすると(怪し過ぎだ、ユリりん!)霊はすでに墓下だと思われ。(アーくんでなければ)
そうすると、エリりんが人だったかどうかを証明する人はいないってことにー!カオース!(><。
[神父からハンカチを受け取る。
するとハンカチに残っていたノーラの残り香がふわりと彼を包んだ。
それは少しだけ感情を抑えて冷酷な判断ばかりをしてきた彼を諌めてくれたような気がした]
あ……。
[少しだけ和らいだ感情が、神父に言葉をかけようとして、ふいに広間の方が騒がしくなった事に気付いた]
……?
何事でしょうか? 行ってみましょう。
[そういうと、神父と共に...は広間へと向かった]
ちょ、これ……。
[目に入ったのは。
昨日よりも凄絶な。
そして、自分にとっては。
かなり不可解な]
……ユリアン……?
[ぽかん、とした声が。
口をついて零れ落ちる]
……だって、
[忘れていた痛みが蘇る。
ズキズキと、右腕が痛んだ。
喉に突きつけられる冷たい感触と、鋭い痛みがあった。
それよりも、どこかが、わからないけれど、……酷く、痛かった]
違う、
ただ、
僕は……
[声が震えた。
視界が歪んだ。
頬が、熱かった]
なんだよって、見たまま。
ああ、ええと何か言ってるナァ。
[震える蒼い風に、より鮮明に彼の声を拾い、赤い世界へと流し伝える。]
視えないのに、見えなくなる、とか。
他に原因があるなら、それを取り除くとか。
…んー、エーリッヒの兄さんが生きてたら、ユリアンが不都合に思う事があった、って事ですかネ?
俺も詳しい事は知りませんデスが。
システムとか仕組みについては、何とも。
そもそも俺ら、システムについて詳しい事はまだよく知らないですし。
逆らったら痛いのと、なんか色んなのが集まってる、くらいで。
[苛立つ声にも、ただ返す。]
ノーラさんも、喜ぶでしょう
[にこりと笑って、喧騒に振り返る]
[扉の向こう側]
…そうですね。行きましょうか。
何か。
[悪い予感は口にはせず]
[広間へ向かう]
[緊迫した様子には、落ち着くようにと声を*あげることになるのだが*]
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