情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
そうじゃよの……
[見ていないというねえさまの言葉に、少しかなしげな顔になる]
ふうれんにいさまが近うにいたんに、あかんかったけ、
お守り、うしのうてはならんかったんじゃ……
[しかしねえさまの名を聞けば]
えいかねえさま
[とても嬉しげに名を呼んで]
[ いきはよいよい かえりはこわい
こわいながらも とおりゃんせ
とおりゃんせ――…… ]
[耳に届いたわらべ歌。かつて心の内で幾度唄うたか。]
ああ、怖いのじゃ。
我は怖いのじゃ…往くも帰るも、同じよに。
[忘れたていたゆえか童に傾きかけた心が、凍りゆく。
童心は無邪気で恐ろしい。忘れようとも忘れられぬ。]
おうたじゃぁ……
ふうれんにいさまのと、ちがうんね
………ねえさま?
えいかねえさま?
どないなすった?
[ふるえに気づき、思わず手を引いた]
〔川のほとりに腰を下ろしたままに
清流に浸した足を遊ばせて、
水面に波紋を生み滴を散らす。
僅かには藍墨茶の小紋も濡れようが、
さして気にしたる風も無く。
音を奏でるのを止めれば立ち上がり、
一面白の野には紫黒の花ぞ咲かむ。〕
[小川のほとり、遠く見ゆるは深紫。
まるで心を読まれたよな、朱の弧が瞼に浮かぶ。]
…否、えいかでよい。
[嬉しげに呼ぶねいろに返す声音は、やや硬く。
親しげな「ねえさま」との言の葉を拒むかのよう。]
否、否…なにもない。なにも…ないのじゃ。
[心配るよに引く小さき手から逃れ、白の袖で抱く我を抱く。
ひとつ、ふたつと後退れば、踵返して*白の野に消えゆこう*]
学生 エリカは、さりとて白き霧は、*往くも帰るも許さずに*
ねえさま……!
[白いその手は引かれ離れ]
[離れゆくその人を追いかけようと]
[されど何のいたずらか]
[足を滑らし着物を汚す]
なんもあらんなんてなか……
ねえさま、苦しそうじゃ
〔消えゆく白の君によりてか
滑りし臙脂の子によりてか
青の天に舞ひ上がるは白の欠片。
履物をして其方に向けゆるゆると歩み出せば
揺れる深紫は童の姿を認める事が出来ようか。〕
おやまあ、臙脂の子。
着物を汚してしもうて、どうしたね。
どこぞに足を引っかけて、転びでもしたかい。
[しゃなりと歩み寄りしゃがんで視線を合わす]
此方の名前が欲しいのなら、
“あやめ”と呼ぶが好いよ。
[湯殿で汗を流した後。
何かに惹かれるように館の外へ。
巡る水車の傍らで、てん、てん、と鞠をつく]
ひいや ふうや
みいや ようや
いつやの むさし
ななやの やくし
ここのや とおや
[最後のひとつきと共に、手に還る、鞠をひょう、と空へ投げ、受け止めて]
…………。
[紅緋の瞳は、霞の向こうをじぃ、と見る]
天狗の里。
連れてゆかれる。
[先ほどきいた言葉を、繰り返す]
……連れて……行ってくださるの?
いらぬ子の風漣を。
[問いに答えは返ることなく、白はゆる、と静謐なるまま]
そうかい、怪我はないかね。
元気なのは好いけれどお気をつけ。
[空いた手を伸ばして汚れを払おうと]
おやまあ、聞えちまったかい。
そうさ、あれは此方がうたっていたよ。
音の坊はひとりかい、
風の坊が一緒かと思うたよ。
怪我はあらんよ。
おら、どんくさいけ、すぐ転んでしまうんじゃ
[汚れを払う白い手に、少しだけ驚いて]
[その手を止めようと手を伸ばす]
よごれてまうよ、あやめねえさま。
ふうれんにいさま、一緒と違うんよ
えいかねえさまが一緒じゃったけ
[妙に早くに目が覚めて、朝餉は後でと童子に断り、一人ふらりと外に出た。ふらりふらりと鎮守の森に足を踏み入れ、小さな祠の前に出る]
はてさて、天狗の祠とは、何を祀っているのやら。
[小さく笑って悪戯に、水飴ひとつ、置いてゆく]
ゆくかもどるか…今一度…
[空を見上げたその頬を、さやと撫でるは風の音か、遠く聞こえたわらべ歌か]
白の君か、
はてなさてな、
今は姿が見えぬけれども。
[伸ばされれば手を離して立ち上がり]
なぁに、
すぐ落ちるのだから気に留める事はない。
[代わりに臙脂の髪にぱさり乗せる花冠]
[華の紋を両手で抱え。
またしばし、川の向こうをじぃ、と見やる]
この川の向こうに……?
[呟く声は、霞に沈むか。
ゆる、と一度首を振り。
時折、ひょう、と鞠を空へと投げつ、川に沿って歩き出す]
あちらに走っていかれてもうたん
[反対側を指差して、あやめねえさまにそう答え]
大丈夫か、おら、しんぱいじゃぁ……
きれいな花で、まよわんじゃろか……?
[頭の上にのせられて]
[きょとんと彼女を見上げようか]
あやめねえさま?
なんじゃぁ?
あれまあ。
けれどもきっと大丈夫さ、
鈴の音が導いてくれるだろう。
それにゆくもかえるも出来ぬのだから。
[臙脂の子の貌に眼も唇も弧を描く]
花で編んだ冠だよ、
懐かしゅうて、ついついね。
坊は作ったことはないかい。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新