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―東殿・回廊 焔側―
……反対する理由はありませんね。
[月闇の竜に、こくり頷きながら。
翠樹の仔を、しっかりと強く抱きしめて]
――戦略的撤退です。
ええ。
促しました。
[共に逃げる気はないと。]
――このナターリエ殿は、ベアトリーチェ殿も誤って傷つけてしまいそうですから。
逃げられるので、ご安心を。
いいですか、私は、こっちに逃げるので。
あっちに、お願いします。
[自分はナターリエに近付くけれど、と、部屋をさし。
ブリジットには、廊下の遠方を。]
それでは、お願いしますね。
後でまた。
[いうなり、部屋へと入り込む。
そのまま窓を開け――外へと、そして結界の中へ、余裕があれば回りこんで、逃亡**]
―東殿・回廊 焔側―
変態の人とか愛が足りないってオトたん。
…まぁいいわ。
任されるから行ってらっしゃいっと。
あんまし役に立たないかもしれないけどね!
[けらけら笑いながら、ナターリエの方を向いたまま、片手で3(4)竜にひらりひらり。]
―東殿・回廊 焔側―
ええ。オトフリートも、色々気をつけて。
まだ、揺らされているものも残っていそうですから。
[オトフリートの指示にこくりと頷き、命竜ほっぽっといて大逃亡。
廊下の遠方を目指し、小走りで掛けていった]
グルルルルルルル……!!
[強い唸り声と共に、ナターリエが三人の姿を順に眺める……ベアトリーチェは目に入っていないようだ。
流水の気配。
それは、いつもからかったりして、相手していたオトフリートから感じ取れた]
何故、貴様が「流水」の気配をさせている!
何故、今、貴様から感じる!
何も無かった!
貴様と触れおうたときには、何も感じなかった!
なのに、何故、今の貴様からそれを感じる!
答えよ!オトフリート!!
[言いつのっている途中、クレメンスから放たれた生命の粒子がナターリエを取り巻いてきたが]
しゃらくさい!!
[一喝して、今は退けた]
うははは!まぁそれが正解だな!
…最悪本性解放すれば何とかなるだろ。
[チビを傷つけかねないには同意する。]
心配しねぇが気をつけろ。
[万一結界に逃げ込むなら既に居る中の住人に、とは暗に含ませた。]
ダーヴィッド様!?
[飛来する焔に驚いて思わず振り返る。
直後の轟音。
振り返った場所に残っていたのは黒焦げの物体のみだった]
あ、ここは。
西殿…あの結界の内部、になります。
[口調はボケていても、どこか重い溜息と共に掛けられた問いに、恐る恐るティルへと答えた。
やっぱりか、などの声と再びの溜息が落ちるだろうか。
少し縮こまったまま、焔の主の元へと戻る]
ティル様、お手をお貸しいただけますか?
ダーヴィッド様を二階にある部屋までお連れしたいのですが。
[そうして手を借りて、一室へと運ぼうと。
運び方が苦しい体勢になったかもしれないことは、どうか御内密に]
─東殿・回廊─
[ナターリエの姿を探し、先程向かった方角に見当をつけて歩き出す]
あの様子であれば、何事か痕跡が……と、水が増えてきたの。
おそらくは、この先か。
[ナターリエは水に乗り駆けて行っていた。なれば室内でありながら水の溜まっている方向に居るだろうと当たりをつけ、そちらへと向かって行く。近付くにつれて強まる流水の気配]
──……何?
[それに紛れ感じる、別の気配。左手首の腕輪が鈍く光った]
…何故じゃ、何故こちらにある…!
[感じるのは片割れの剣の共鳴。エルザと共に消えたはずの、剣の共鳴が何故か感じ取れた]
流水竜 ナターリエは、月闇竜 オトフリート を投票先に選びました。
─東殿・回廊─
[結界内にあるはずの片割れの剣。その共鳴に踵を返す。もはやナターリエを追うどころではなかった]
[感じる共鳴を追い回廊内を彷徨う。しかしそれは途中で途切れ、追うことが出来なくなってしまう]
……これは、一体……。
[半ば呆然とした様子で立ち尽くす。右手で顎髭を撫で、今まで得たものを頭の中で整理する。この状況で考え得るはほぼ一つ]
…あやつらの手に渡った、か…。
[喧噪から離れた回廊の真ん中で、小さくぽつりと*呟いた*]
―東殿・回廊遠方―
はぁ、はぁ……。
[結構な距離を走り、既に命竜と水竜の姿は見えない。
頭痛に加えて急に走った所為か、息が上がっている。
翠樹の仔と、黄蛇が心配そうに声を掛けてきてくれただろうか]
少し、休めば……、大丈夫よ。
年は、取りたく……ない、ものね。
[困ったように苦笑する。
少しだけ壁にもたれかかるように、座り込んだ]
……これ以上好きにはさせられん。
[聖魔剣が干渉されし者の手に渡った。ほぼ間違い無いだろう。己の持つ神斬剣まで奪われてしまったら、「揺らすもの」の思うままに。世界が大きく揺すられ、世界がどうなってしまうか分からない]
我が命に代えて。
全力を以って護り抜く。
[喩え、周りが敵ばかりであったとしても──]
―東殿・回廊 焔が居た側―
[生命の粒子を向ければ、軽く引くナターリエに頭を掻く。
操る分の量では、今のナターリエには軽く足りないようで。
おまけに言っている内容は、今のブリジットにきかれなかっただろうかとはちらり。ナギににも。
このままで居られるのは、非常に拙い。情報もだが、状況的にも。見境無く辺りに牙をむきかねない。
正気を取り戻した時に、冷静に言葉を紡がれるのも問題だが…。
はぁと、溜息をつく。
本来であれば。あの二人の為に取っておきたかったが。]
…しゃーないか。
[手は頭から、首の後ろに。]
ナタあ!!
[名を呼びながら手を放し、首の後ろ―文字のような記号の刻印は、薄く光を放つ。]
極上の快楽をやるぜ。
極めきったお前さんには、ちっと物足りないかもしれんがな。
[へらと笑いながら、刻印の放つ光が濃くなるほど、周囲の琥珀色の粒子はその量を増やしていく。
クレメンス自体の身体もゆっくりと崩れ。これは灰銀色の粒子へと変わりはじめ。
二色の粒子は、互いに完全に混ざることなく、色を保ったまま交じり会い。増殖し。辺りに満ち溢れ。
ついには額に灰銀を残した、琥珀色の巨大な粒子の竜を形作った。]
[琥珀の竜は一度作りあげた形を崩し、ざわりとナターリエの周囲を取り囲む。
まるで水のように、空間いっぱいに質量をとり、天井まであったナターリエの身体の周りを取り囲み。
それは一斉に、怒れるナターリエをどぷんと飲み込んだ。]
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