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[扉の内より聞こえし言葉にハッと息を呑み青年を見遣り、もう一度扉の内側を伺う]
…では、あれが?
ユーディットが、そうであると…?
…やっぱり、そうですよ、ね。
[執事の前まで歩み寄れば、自然と足が止まった。
赤の花へとその視線を向ける。突如花開いたそれに、僅か眉を寄せて]
……まさかほんとーに、死体でも出てきたとか?
[冗談混じりの苦笑を浮かべつつ、先日の会話を思い出して。
根元の掘り返された跡を見やれば、靴裏で柔らかくなった土を軽く蹴る]
……は?
[ユーディットの浮かべる笑みに不気味さを感じつつも、言われた言葉に、なぜにブリジットも?と思い疑問符を口にして……でも最後まで聞かない。
オルゴールが見つかっていて、でも事件が解決せず、それどころか被害者が増えていて。
そこまでくれば自ずと答えは導き出せる。]
あー……撤回。やっぱ歌嫌いかも
[なんていいつつ、険しい表情でユーディットをみながら距離を置く。]
今晩和。
そうですね。
[無邪気な様子に、首を傾げる。
ヘルガだと認識しているのではあろうが。
しかし続いた言葉は]
薔薇、綺麗ですね。
いいえ、恐らくは……
埋められていたのは、オルゴールですね。
[思案するように口許に手を当て、視線だけを相手に。
少し伏せられた眼は、相手の様子をじっと窺う]
見つけられなかったのは、全く持って不覚です。
[動作には頷くけれど、歩む足は止めない。青年の傍まで近付いた。]
・・っ
[中の会話が聞こえたのか、青年の呟きに反応したのか。小さく息を飲んだ。]
[険しい表情をして距離を置こうとするユリアンに歩み寄りながら]
あらアら、せッかく聞カせて差し上ゲようト思いマシたのに
私ノ歌姫の音色を
……もチろんユリアン様の魂を対価にシて、デスがね
[ニコニコと哂いながら、ユリアンとの距離を詰めようとする]
―――…へぇ、
[告げられた言葉に、土を蹴っていた足が、止まる。
小さく上がる声は、驚愕と。感嘆の色を含んで。
緩やかに伏せられた瞳は、髪に落とされた闇に紛れて見えずに。
それでもその口端が、僅かに弧を描いたのは、気のせいか]
……それでも、もう検討ついてたりするんじゃない?
[まだ、青年の声を持つその声は。
何処か愉快気に、執事へと向けられて]
[少女は己の姿が、力を奪われたゆえに魂の――生まれてからの年数程度に変わっているとは気付かないまま。
ゆえにナターリエの態度にも違和感を感じることなく、素直に頷く]
まぁ…時間の問題でしょうけどぉ…。
それまでのんびり…空中散歩でも試せばいいわァ。
[とん、と飛翔してくるりと一回転。
ふわりと裾が開いて、それから蕾のように纏い付く]
えぇ…薔薇は美しく咲き誇るべきモノですからぁ。
[唐突な言葉には、艶やかな笑みを返す。
女性のいう薔薇が、白か黒か紅かは気にせずに]
[魂を対価に。
その言葉が聞ければ、十分か]
……さすがに、それは見過ごせないんだがっ!
[声に籠るは憤りか苛立ちか。
いずれにしろ、平静の彼らしからぬ怒声と共に、扉を開いて中へと踏み込む]
─…→音楽室内─
……さあ、どうでしょうね?
[視線は一瞬、ちらりと邸の方へと走るが、
すぐさま青年の姿をした彼へと戻される。
瞳はすっと細められ、それも愉しげな様相に見えるか]
シード様――
いえ、“貴方”はどうお思いになりますか?
空中散歩。
さすがに私には飛べないのじゃないかしら。
…でも試してみるのも良いのかもしれませんね
[ヘルガが気にしていない、むしろ気づいていないようなので、
彼女も気にしないことにして。]
そうですね、薔薇は、そういうもの。
どの色も綺麗ですね。
[少女の紅が彼女にはどう見えているのか。
ただそのひとつひとつ、少しずつ違ったその色を、目を細めて見て]
[扉の内より届くは残酷な響き。
側の青年は何を思うか]
…っ、早く、ユリアンを!
[聞こえぬと解っていても気は逸り、青年に声を掛けて。
踏み込む青年と共に中へと。
しかし自身には何も出来ぬ、と表情を硬くして、ただ、成り行きを見守る]
/中/
|∀・) ひっりー乱入開始!がんがれ! wktk
ぼくはまったりと庭園で待ち構えてみたり。
窓越しに庭園に脱出してしまえb(ry
[ニコニコと、離したぶんだけ距離を詰めるユーディットに不気味さを覚えつつやはり離れようとしながら言う]
いやいや、遠慮しておくよ。うん。
ってかあのオルゴールやばいって、昨日のヘルガさん見ただろ?あれどうみても正気じゃないし。返そうよ。
それにもし食わせるにしても俺の魂なんて食ったらあんたの大事な歌姫、腹悪くするってば、絶対。
[そんな軽口叩きつつ、時間稼ぎ。
普通に殴りあうなら…まあきっと問題もないだろうけど、昨夜のような不思議光景は無理。
あんなのに対抗しようもない。
でも、説得もどうせ無理っぽいなー。なんか昨日のヘルガと同じぐらいやばそうだし。とか思っていると、やはりそこは一室。逃げ場などすぐ失うのは当たり前。
何か典型的に追い詰められている自分に呆れたようなため息をつきながら、もう軽口などいっか。と]
だいたいさ。人の魂食って聞ける音なんておぞましいことこの上ないから聞きたくもねえよ
[と言う。
それは周りとは価値観が違うといわれても...の本音。それで、どうなるかなど想像がつくが、最後ぐらい気炎をはいてみたかった。そんな意地から出た言葉である]
[怒声が響き渡れば、流石に驚いたか眸を見開いた。]
[開いた扉の中は音楽室。対峙する男女からも、廊下に佇む銀灰色の髪は見えようか。]
あらぁ、人間は魂も飛べないの…愉しいのにぃ…?
[少女はくすくす笑って地面へと降り立つ。
魔である少女は、魂でなくとも空間すら渡っていたから]
えぇ、そう…薔薇はそういうものぉ。
薔薇でなくとも花は全て、愛でられる為に咲くわぁ…。
そうねぇ…綺麗だわ…悔しいくらいにぃ…。
[白も黒も…少女の力を吸い上げた紅も。
それから…モノトーン絵画に咲く大輪の華であった目の前の女性も]
―――…まさかとは思っていたが。
"私"に気付いてたな。
[執事の返答にくつりと口許が歪む。
喉を鳴らす青年の姿を借りた其れは、何処までも愉快気に。
指で弄り続けていた黒の花弁へと、視線を一度落とせば
愉しげに細む紅の視線を、緑の光へと向けて]
…まさか。オルゴールの行方を、私が知る由も無いだろう?
[その真意は何処にあるのか、青の合間に光る紅は相手へと見据えたまま]
飛べるかもしれないけれど。
普段と違うものは、どちらかといえば怖くて。
[苦笑。]
そうね。
でもめでられずとも、そこに咲くだけで綺麗。
あなたも綺麗ですよ。
悔しいって…?
[真逆そのように思われているとは思わずに]
お初にお目にかかります、とでも申せばよろしいでしょうか。
少々、調べさせて頂きましたが故に。
[手を胸の前に回し、嫣然と微笑んで優雅な一礼を]
そうですね……
確かに、初期には関わっていない、とは考えていますが。
[今はどうであるとも言わず、返す緑の瞳は揺らぐ事もない]
全く御存知でない、という事もないのでは。
このように“愉快な”事をお見逃しになるとは思えませんから。
[対峙する二人
声を荒げ踏み込む青年
扉の傍、それを見つめる少女
そして、それらを為す術なく見つめる自分自身]
口惜しいの。もどかしいものよの。
尤も、このような老いぼれに実体があったとて役には立つまいが。
正気? ふフ、そンなものアの音色の前には必要あリマせんよ
ご心配ナく。恐らクソういウ事象は魂にハありませんカラ
[ニコニコと距離を詰めながら、ユリアンの言葉に答えていたが、
彼のおぞましいことこの上ないとの言葉にスッと顔から表情が落ちると]
へぇ、私の歌姫をそういう風に仰いますか
いいです、もう少し苛めて差し上げようと思ってましたが、さっさと魂捧げちゃってください
[そう言って、懐からオルゴールを取り出す
その時、背後の扉を乱暴に開けてエーリッヒが乱入してくる
それをチラリと見て取ると、クルリと振り返り]
あら、エーリッヒ様。どうかなされたのでしょうか
[そう言う彼女の顔には再びニコニコとした笑みが浮かんでいた]
─音楽室─
[向けられた笑みに対するのは、冷ややかな表情。
それは彼ではなく、彼の内に宿る魔のそれか]
『歌姫』は、誰のものでもない。
……所有できる、などととは思わぬ事だ……魅入られ、囚われし愚かなる人の子。
[投げられた言葉には答えず、紡がれるのは冷ややかな言葉]
……もっとも、こう言ったとて聞きはせぬのだろうがな。
[くつり、と。らしからぬ笑みを浮かべる彼ならざる魔に。
銀のオルゴールは応えるように煌めこうか]
人間って、怖がりなのねぇ…。
[つまらなさそうに、紅の唇を尖らせる]
私は…そこに在るだけなんて…そんなの嫌だわぁ。
そんなの…ただの花と変わらない…。
[根に繋がれて動けない只の花と同じなら、魔である意味がない。
だからこそ、鳴らさぬオルゴールなど只の箱に過ぎぬと動いたか]
………花は…より美しくありたいと願い競うわぁ…。
だから、貴女みたいな綺麗なひとは、嫌い。
[拗ねたままに横目で女性を見、答えようか誤魔化そうか迷って…しぶしぶと口を開く。
魔である少女と違い、器の在る女性はどうせ元に戻るのだからと、そんな想いもあったから]
[ずっとにこにこしていたユーディットの表情変えられたことに妙な満足感を覚えつつ、苛められて喜ぶ趣味はないんだ。と言ってから]
何が歌姫なんだか。
ただの業突く張りだろ。魂が代価なんざぼったくりもいいとこだ。
[なんてあくまで見下すようにいう。
ユーディットがオルゴールを出すといっても言葉をやめる気はなかった。
どうせなら最後まで嘲って終わりますかね…と。
そんな変な覚悟を決めている時に、乱暴に扉を開け怒声とともに入ってくるエーリッヒの姿を見て……気が抜けたのか、よぅ。と軽く言って、ユーディットの気が逸れたのを確認しつつ、そっとドアのほうへと]
まさか調べ感付かれるとは思いもしなかった。
…尤も、調べていると気付かれる様な浅はかな能力ならば
どれ程調べようと、私の存在など嗅ぎ付ける筈も無いが。
[優雅な一礼を目前に、気にした様子も無くその視線は執事へと注がれる。
初期には関わってないと考える、と述べる言葉に、僅か眉を上げて。
それでも、愉快そうな笑みは変わらないまま]
…そうだな、言葉にするならば――目星がついていると言うべきか。
此処まで愉快な余興に成るとは思わなかった。
[くつと、その口端が歪む。]
怖がり、かしら。
そうかもしれないわね。
[くすくすと笑って]
いいじゃない、花は花であるだけできれいなのだもの。
そこにあるだけで綺麗なものは素敵よ。
自然のままで素敵なのだもの。
人が加わると、せっかくの、色、が、おかしくなってしまうもの。
…ええと。
私は別に綺麗ではないと思うけれど。
[困惑の眼差しで彼女を見た。]
[踏み込む先、せめてもの矜持を見せるユリアンとどこか禍々しい気配を纏うユーディット
そして、それに対峙するのは、さて、それはエーリッヒその人なのか。
纏う気配はどこか冷ややかな色を湛えて]
彼の中にあるという、魔、かの。
さて、それは一体どういう…
[関係が、と思い巡らせる所に、青年の声に呼応するかのようにオルゴールが煌くのを見ればそのどちらをも見比べて]
まさか、の。
歌姫と契約を結んだ魔、など……
[しかしながら、そうと思えば色々と符合するものがあって]
その様な偶然があるというのかの……
[否、偶然ではない。彼はもう何年もオルゴールに会うことを望んでいたではないか]
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