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[『不可抗力』と]
[何時ものような軽い声]
[追って拾った音は]
……集まるのは其の手の者のみ。
残しておいても面倒が残るだけ、か。
私も出よう。
[荷から引き出す]
[白い布を払えば装飾の施された一振りの]
[瞳に宿るのは――]

[ぐるり、周囲を見回す。
感じる気配は、決して少なくは……ない]
つうか……もう少し、上手く隠れてみやがれっての。
[自身の感覚が人のそれを越えているのは、当然の如く、棚上げ]

…嵐?
[きょとんとそのカードを見るが。
時じゃないという言葉には僅かに身を硬くして]
なにか、あるんですか?
[ぎこちなく微笑んだ]
[周囲の気配には気がつけないままに]

さぁ。
[とりあえず先ほど分けた袋を机において]
只、今出るのでは飲まれるだけだな。
全く、自分たちの道は見えないが。
星の言うことではないが、少し待っても損はないと思うぞ。

……ま、無理はしなさんな、とね。
[新しい煙草を出して火をつけつつ、呟く。
手には、未だ鞘に納まったままの、銀の煌めき]
……想定外労働、だな、こりゃ。
[ぼやくような声とは裏腹に、瞳は鋭く、周囲の闇を睨んで]

[からり]
[開いたのは窓]
[すぐ横の木]
[銀が月光を弾いた一瞬を見逃す筈が無く]
……すまないな。
待ってはもらえないようだ!
[声は赤い世界から此方の世界へ]
[奔る銀]
[高い音と共に交錯する]
[其の勢いの侭]
[窓から飛び出して]

[...は不思議そうにシャロンを見つめ。
やがて一つ肯くと鞄を脇に置いてソファに腰を下ろした]
じゃあ、少し待ってみます。
…まるで占師さんみたいですね、自分のことは見えないだなんて。
[小さく笑ってそう言った]

丸で、か。
[くすと笑って]
あぁ、待つ方がいい。
今は危険だろうから。
星読みの一族が滅んで。
もう何年にもなるからな。
知らなくても良いことだろうさ
[クローディアにはそう言って。]
紅茶でも用意しようか?

……っとに……。
[飛び出して来た姿に、呆れたようなため息をついて。
それと共に、銀煌を夜闇へ、抜き放つ]
……怪我はしなさんなー、ぜってーうるせぇからな?
[投げやりな口調で言いつつ、前へ]
……おらよっと!
[気合。
銀煌が舞い。
夜闇に潜む影を断つ。
舞う紅、黒を飾る真紅の珠は月光に美しく煌めいて]

…?
[その言葉には少しだけ首を傾げ。
知らなくても良いこと、の言葉に逆に小さく考えるが]
あ、いただけますか?
[シャロンの紅茶の誘惑の方が強かった]

[とん]
[降りる音は落下距離に合わず軽い]
[前方へと向ける瞳は金]
[赤の瞳に一瞬合わせ]
[其の横を真っ直ぐに駆け抜ける]
……さぁ、どうだかな?
[擦れ違い様]
[投げる言葉は一言]
[潜む影に一閃]
[銀は曲線を描き]
[舞う緋すらも切り裂くように]

まぁ、星にしたがって滅びた、占いの一族があったということだけのことだ。
…オレとクロゥディだけ残して。
[それから言葉を受ければ、微笑む。]
分った。
[台所に向かい、紅茶を。]
[紅茶ベースの花茶を見つければそれを入れる]
[薔薇の蕾の浮く紅茶は、とても良い匂いを放ち、ポットとカップを数個、持って広間へ。]

……人事みてーに、いいなさんなってのに。
[一つ、断ち切った所に繰り出される、相手の一撃。
それを軽い動作で難なく避け。
夜闇を貫くが如き、突きの一撃。
そのまま、握る手に、力を込めて]
[突き刺したまま、振り上げる。
上へ向け、弧を描く、銀の切っ先。
真紅を引き連れるように振り上げられた銀の剣。
それを天の月へと向けつつ、くるり、身体の向きを変えて。
振り下ろす一閃はまた、夜の闇に潜むものを断ち]

あっ!
……ご、ごめんなさい。
[相手の深い部分に踏み込んでしまったことにうろたえ。
慌てて謝るものの、どこかしゅんとしていたが]
いい香り、ですね。
[漂う薔薇の香に強張りを溶かされたように微笑った]

[薄暗い室内。
簡素に纏めた荷。
外から聞える音も、
窓から降り注ぐ光も、
別世界の如くに遠い]
[往かねばならないと、
理解はしている筈なのに。
身体は意志に反して動かずに]

いや、気にする必要はない。
滅びることは判っていた。
[ポットからカップへと、良い色の紅茶をいれて]
どうぞ。
[ナターシャに差し出す]

[緋が散る]
[地に、天に、樹に、己に]
[口端に落ちた緋を舌で舐めとる]
[僅かに歪んだ口許]
[其れは笑みを模っているように見えるやもしれず]
[襲い来る切先は]
[水の流れのように]
[風の流れのように]
[揺らぐように避けて]
多少の傷を負ったとて、すぐに治るだろう。
[突き立てる]
[鈍い肉の感触]
[振り払うように]
[鋭く横に切り裂いた]

ありがとうございます。
…ん、美味しい。
[受け取った紅茶に口をつけ、再び微笑む]
[幾度と無く聞こえてくる音に、先刻の「飲まれる」の意味も流石に気付かされていたが。
その音をできるだけ拾わないように、紅茶に集中しようとした]

[すぐに治る、と言われれば、確かに、と呟いて。
数歩、後退して影をおびき出し]
……はっ!
[低い、気合。
低く構え、前方へ、勢いをつけながら飛び出し、横薙ぎの一閃を]
……にしても、まあ。
こいつらも、引き時っつーもんをわかってねぇなぁ……。
[生きてこその稼業だろうに、と。
呆れたように呟いて。
断空。
舞い散る真紅は色彩鮮やかに]

それなら良かった。
[それからちらりと窓の方を見る]
[色彩は目に入れたくないが]
…さっさと片付けてほしいものだ。
[かなり酷いことを言って。]
[チョコレートを出してクローディアに差し出す。]

[伝う汗は。
震える手は。
過去の想起。
護ると誓えど。
足手纏いにしか。
結局は、何も――]
……
[強く首を振り、
部屋を後にして、
緩慢に階下へ向かう]

……偶に居るからな。
[生きてこそ]
[其の言葉に呟く]
命よりも金が大切だと言う者が。
大概……そうせねば家族を守れぬという者ばかりだが。
[そう言いながら]
[奔る銀は少しも鈍ることは無く]
[地に伏せるのに視線を送ることすら無く]
[駆け抜け]
[左足を軸に向きを変えようとして]
[砂の音と共に一瞬崩れる体勢]
[振り下ろされるのを無理に避けようとするも]
[腕を裂かれるのは防ぎ切れず]
[其れでも裂いた影を上下に断ち割って]

[チョコを一粒自分で食べつつ、ふと、気づいたそれに顔を上げる。]
[クローディアも同時に。]
今晩和。
[声を投げかけ、紅茶を新しく。]

……ま、そうかも知れんが。
[家族を守れぬ、という言葉。
それは瞬間、翳りめいたものを紅の瞳に呼び起こすが。
それはすぐに失せて]
てめぇの生命を守れねえヤツには、何にも護れやしねぇんだよな、生憎とよ!
[言葉とともに、繰り出す剣でまた一つ、影を断ち]
……まだ、動けるな!
そろそろ、終りが近そーだし息切れしなさんなよ!
[腕を裂かれる姿に投げるのは、こんな言葉]

誰が動けないと言った?
[返す言葉は傷が極浅いものと思わせるような]
[けれど緋色は]
[左の袖を既に染め上げて]
……せめて、送ってやろう。
出来得る限り苦痛を受けぬようにな。
[払う銀を伝うのは]
[斬り伏せた闇に混じり]
[自身の緋]
[低い体勢]
[地を切先が裂いて行く]
[一気に懐に入り込み]
[跳ね上げるようにして]
[斜めに引き裂く]

[返答に対して浮かぶのは、笑み]
……その程度で動けなくなるようなら、ここまで生きてられんわな。
[さらり、言いつつ。
銀煌の舞は生命を一つ、夜闇の奥へと飲み込ませる]
そこまでしてやるギリはねー気もするが。そんなん期待してたら、この稼業、できんだろ。
[軽い言葉と共に、剣を握りなおす。
闇を見通す、真紅の瞳。
それは、闇に紛れて不意打ちを試みた者の気配を、捉え]
……仕事に関係する情報は、きちっと集めろってな。
俺に……『迅雷』に、闇討ちはきかねーってな、それなりに有名なつもりだぜ?
[背後に迫る気配に向けて、呟く。
くるり、その身が反転し。
その勢いを乗せた剣が、影を断つ]

[聞かれてもぼんやりとそれを見つめていたが。
やがてハッとなってコクコクと肯いた]
はい、良かったら一つ下さい。
[そうして無意識に押さえていた手首から指を離し。
そっと手を伸ばした]

…大丈夫か?
[ナターシャの様子に、尋ね]
…あぁ。どうぞ。
[それから窓の外をもう一度見やり。]
[見に行くか、いかないか。]
[悩むのは長い銀の光を思い出すからか。]

[剣戟の合間]
[軽く肩を竦める]
箱どころか檻に入れられていたような世間知らずだがな。
[其れは比喩では無かったが]
[まるで冗談のように]
……私の勝手な感傷だ。
[言い返せばまた真っ直ぐに]
[其れは何処か]
[戦い方を全く知らぬ者のようにも]
[命を捨てているかのようにも]
[見えるのかもしれない]

え?
[問いには目を瞬かせて首を傾げ。
その視線を追えば窓の方を見つめて]
[戸口の方へと向かう姿を見れば。
左手首を押さえる右手に更に力が入る]

そりゃまた、穏やかなんだか違うんだか。
[冗談めかした言葉。
あちらこちらから拾い集めた彼の事情を思えば、妙に納得できたから、それだけに止めて]
感傷に浸れるなら、まだ……。
[言いかけた言葉は、影の繰り出す一撃に阻まれる。
キインっ、という、金属音。
銀と鋼がぶつかりあう]
……せいっ!
[それを気合と共に弾いて、一撃を]

…お前も。
二人とも、大丈夫か?
[見て、尋ね]
…今外に行く方が危険だ。
中にいた方がいい。
時を逃さずに出発すればいいんだからな。

………
[ジョエルとシャロンの遣り取りを見ると、溜息を一つ。
邪魔をしたくはないが、このままで本当に平気なのだろうかと]

[軌道は真っ直ぐに]
[其れが一瞬揺れ]
[ふっと掻き消える]
[標的を見失った闇は其れを探す間も無く]
[肉を断ち切る音]
[骨の叩き割られる音]
[成す術も無く崩れ落ちる]
[残るは数人]
[戦意喪失しつつ在る者も居るが]
[そうではない方が多いらしい]
……今帰れば無事に済むというのに、な。
[緋に柄が滑る]
[強く握り直して]
[闇を見据える]

…座って休んでいればどうだ。
星は異常を知らせていない。
クロゥディの言うことだから正しい。
嵐の終わりは近い。
[ナターシャにも、聞こえるように。]
何なら、占ってみるか?

[闇の潜む者に、紅の瞳を向ける]
残り……四、五人ってとこか。大人しく引く気は、ねぇ、と。
[今帰れば無事に、という言葉に、一つ、息を吐いて]
……全くだ。引き時は、大事だぜ、生き延びるためには、なっ!
[気合と共に、影へと走る。
低い構えから、横薙ぎの一閃。
大剣の長さを活かした一撃は、勢いは多少削がれるが、複数にを相手取るには都合がいい。
とはいえ]
……っと!
[振り切るまでの隙は大きく。それをついた横合いからの一撃は、僅か、腕をかすめ]
……っち!
[舌打ち一つ、強引に態勢を戻して。繰り出すのは、突きの一撃]

[扉の方へと向けていた視線を戻し。
シャロンとクローディアをじっと見つめる]
…お願い、できるなら。
[不安に揺れる心と、左手首を強く押さえ込んで]

判った。
[と、心配そうなクローディアを見て]
大丈夫だ、オレたちのことを調べるんじゃない。
もうあんなしっぺ返しはくらわない。
[言い訳にも程がある]
[しかしそう言って、広間の中に戻り。]
[カードを取り出して]

[大剣に裂かれる音は複数]
[残るは二人]
[金が一度目蓋の奥へと隠れ]
[其れはほんの一瞬]
[開いた時には地を蹴り]
[一本の樹の許へ]
[不意打ちせんと木の枝に立つ者に]
[枝の一本に手をかけ強引に体を持ち上げ]
[其の勢いをも乗せた突きを放つ]
[鈍い音と共に其の体は痙攣し]
[やがて力を失ってだらりと垂れる]
[――後は、一人]

嵐が、晴れるか。
外の音が終わったら、出発すると良いだろう。
オレたちも行くか。
…あぁ、これ、持って行くといい。
[先ほど取り分けた二人分の肉や干した魚をジョエルに]
[一人分のそれをナターシャに]
[カードを全部集めて、鞄にいれて。]

[後一人、それを察すれば。
受けた傷など、気にした様子もなく、銀を構え直し。
走る]
……想定外労働、終わらせてもらうっ!
[宣言と共に繰り出される、下段からの斜めの一閃。
それは、大気を断ち。
最後の影をも、断ち切る。
舞い散る真紅。
それは月光を美しく弾いて]
……お仕事、終了、ってな。
[低い呟きが、こぼれた]

[最後の一人が倒れるのに]
[深い息を吐き出してから]
[裂かれた左腕から流れた血は思ったより多かったのか]
[樹の根元]
[背を伝わせ座り込む]
[――暫くは動けそうに無いな]
[失血に霞む視界]
[苦く笑って]
[やがて出て来るだろう人々に]
[*どう言い訳するかと頭を悩ませた*]

嵐が、晴れる。
[その言葉を口の中で繰り返して]
ありがとうございます。
[差し出された袋を受け取って]
[深々と頭を下げた。最敬礼の形で]

さて、そろそろいくか。
…あのバカにも投げておくか
[一袋を持って]
[無残な姿になった人たちは見てしまい、]
[*屹度少し硬直するだろうが*]
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