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この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
1人目、自衛団長 ギュンター がやってきました。
自衛団長 ギュンターは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
召集をかけたものの、まだ集まってはおらぬか……。
とはいえ、どこまで真実かもわからぬ噂、焦る事もなかろうて。 全員集まるまで、ゆっくり待つとするかの。
村の設定が変更されました。
Schwarzes・Meteor ルール・エリア
進行上必須となるバトルのルールのみ転載いたします。
それ以外の設定に関しては、必要に応じてwikiをご参照ください。
疑問点がありましたら、メモにてどうぞ。
ログ更新リミットに関しては特に設けませんが、
【03:00にはバトル終了、吊り襲撃設定完了を目標に! 起きていられない人は、バトル当事者以外に委任して速やかに寝ましょう! 】
バトル手順
・1日に起こせるバトルは最大2戦。メモを利用して事前にカードを相談し、自然な流れでバトルに突入。
・対になる相手への挑戦は基本的に不可能(流れと状況次第ではゴーサインもあり)。
・一人のPCの連戦は、PL負担の点からやや非推奨。展開的に自然で負担にならない場合はこの限りではない。
・バトルに使用できる発言は全員一律10発言。pt消費量やactには特に制限なし。
★決着までの流れ
バトル開始5発言目以降、一方が決着判定ロールを宣言(メモで実行宣言後、発言に絡める、という流れで)。
※5発言目、というのは、PC一人の発言数での事です。05/10発言以降、ということで!
決着判定ロールは、流れの上で自然な形で止めの一撃を繰り出そうとするという描写を絡めて行なってください。
相手は当たるか打ち返すかを決めてそれを宣言。
打ち返しの場合、先に仕掛けた方がそれに当たるかどうかを決めて、カウンター敗北希望の場合はそれを宣言(この場合は、その時点で勝敗決定)。
・当たる場合:当たった方が敗者。吊りor襲撃の対象に
・打ち返す場合:1d20でランダム勝負。数値で勝った方が勝利。敗者は吊りor襲撃の対象に
・同数の場合は、相打ち(吊り襲撃を対象二人にそろえる)
・当事者二人の正式な同意があれば、ランダムせずに相打ちもOK
・バトルが一戦しかなく、相打ちでなかった場合、吊りは敗者に。その場合の襲撃の処理は、流れに応じて相談しつつ、決定を。
・バトル二戦発生して一方が相打ちの場合は、次のどれかで対処。こちらも相談しつつ、状況に応じて対応を。
a相打ちを優先して、もう一方は回収システムの不調などの理由をつけて隔離スペース行きが遅れた事にして翌日に結果(吊り襲撃)を回す。翌日のバトルは一戦のみ
b連続コミットで三人まとめて隔離に送る
c相打ち側に身代わり乱入し、乱入者ともう一戦の敗者を隔離スペースへ
・バトル勝者は、以降のバトルでダイス目に+2の修正値を加えられる。
身代わりシステム
・同一チーム同士、狂信者→狼、妖狐→興味を抱いた1PCにのみ可能。
・妖狐→狂信者はありだが、妖狐は誰からも身代わりを受けられない。
・狩人→共有者の身代わりはGJ発生。
・共有者は狩人GJ以外の身代わりはうけられない。
・共有者→狩人の身代わりは不可能。
・身代わりへの身代わり重ねは不可能。
・一人のPCが受けられる身代わりは一度だけ。
★発生までの流れ
ダイスによる決着判定後、身代わり可能者がメモないしactでその旨を宣言する。
身代わりの対象者は、受けるかどうかを選択可能。
※ストーリーの盛り上がり的に受けない方が美味しい、と思ったらそのまま敗北してもOKです。逆に「ここで落ちたらやばいから」という場合は素直にうけときましょう。
妖狐入りなので、手数計算も考慮に入れて計画的(?)に。
・受ける場合:身代わり宣言者がバトルに乱入。方法は問わず。各PCの設定にあわせつつ、上手く辻褄合わせて下さい。回想を絡めて強引に駆けつけておくとかもありですので。
身代わり乱入者の敗北ロールのための発言制限は、庇われた相手の残り発言数に準拠。
バトル勝者側は、残りの発言数内で、身代わり欄入者への勝利ロールを展開。
バトル後、身代わり乱入者を吊り・襲撃の対象とする。
・受けない場合:そのまま、バトル進行。敗者を吊り・襲撃に当てて終了。
進行について
2日目以降、24コミット進行となります。
朝更新ですので、アンカー可能な方はメモにて名乗り上げお願いいたします。
『Notfall──緊急事態』
それが何故起きたのか、何者が起こしたのか。
それを知りうる者は、恐らく存在しない。
ただ、その日起きたそれは紛れもない『緊急事態』であり。
多くのモノに急激な──急激過ぎる変化をもたらした。
……即ち。
『Weltsturz──世界崩壊』
始まりは小さな地震。
それは徐々に大きくなり。
とある瞬間に、弾けた。
『世界軸の崩壊』と、もっともらしい説が説かれるようになるのは、それから大分後の話。
それが何故引き起こされたのかもわからぬまま、世界は『割れた』。
『Weltfortpflanzung──世界再生』
……だが、『割れた』世界は死には至らず。
様々な因子を取り込み、自らを癒そうと試みた。
周囲にあるモノを無作為に引き寄せ、取り込み、それによって欠けた部分を埋める、という方法で。
『世界という巨大生物』が発揮した生存本能は、同種の存在の持つ、異なる因子をも貪欲に取り込み。
そして、世界は『再生』──否。
『Mutation──突然変異』
『変異』を引き起こしつつ、新たに『生まれた』。
世界全土を襲った未曾有の大災害。
環境は大きく変化し、ヒトの生存可能地域は大きく狭まる事となる。
それまでの環境が破壊された事に加え、それまではなかった──架空の世界でのみ存在すると見なされていたモノが当たり前に出現するようになった事が、その大きな原因となっていた。
それは、例えば神話の悪魔であり、伝説の妖精であり。
或いは、遥かに進歩を遂げた技術であり。
渾然一体、正に世界規模での『突然変異』。
それはやがて、住人たちにも影響を及ぼし──
特異な力を持つ者が生まれ、また、新たな技術を解析して用いる者が現れ。
いつか、世界は『力ある者』が優位に立つ、という構図の下に動くようになっていた。
『Herrscher──支配者』
『力ある者』たちは集い、『勢力』を構成し、弱者を統率しようと試みる。
そんな中、突出した力を示し多くを従えたのが『アルトゥル=ウルリヒ』と名乗る人物だった。
過去については、全くもって不祥。
わかっている事といえば、その戦闘能力とカリスマ性、そして政治的手腕が異常に特化している、という事実のみ。
彼は多くの力ある者を束ね、一つの組織を作り上げる。
弱者を統率し、世界を安定させるのだと。
それが真意か否かは定かではないものの、それを思想として掲げる組織を。
漆黒の流星──『Schwarzes・Meteor』と名づけられた彼らは、その力を持って瞬く間に世界の頂点へと登りつめた……が。
『Widerstandsmacht──反抗勢力』
強すぎる力は、反発を生むのが、常。
アルトゥルの思想に反した者、その思想によって何かを失った者。
そんな者たちが集い、やがて、独自の勢力を興す。
そうして興された組織間においても、必ずしも協調のみが発揮されるわけではなく。
反目や対立、権謀術策の交差する中、世界はいつか、『力ある者』たちの戦場と化していた。
『Spiel──『遊戯』』
……そんな、世界において。
『Schwarzes・Meteor』は、その強大さを見せ付けるが如く、不定期に『遊戯』と呼ばれる『イベント』を開いていた。
強力な結界によって閉鎖した地域に、『力ある者』たちを集め、戦わせるという『見世物』。
反目した組織に属する者、或いは、組織に叛意を抱いた者。
組織の柵に囚われずに生きる者や独自の目的を持つ者などを無作為に集めて戦わせる。
『総帥』アルトゥルの気まぐれによって始まったそれはいつか、見せしめ的な意味合いをも併せ持つようになり。
『Schwarzes・Meteor』の力を誇示するが如く、より強大な力を持つ者を集めて行われるようになっていった。
……そしてまた、一つ。
新たな『遊戯場』が築かれる。
『Schwarzes・Meteor──漆黒流星』
……Obwohl ich es anfange, ist es gut?
2人目、小説家 ブリジット がやってきました。
小説家 ブリジットは、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
[生成りの壁を
淡い朱に染めあげる
硝子窓越しの夕陽。
初春の緑を宿した瞳を細め、
残り四段というところで、
強く、地を蹴った。
上履きの薄い靴底と硬い床が擦れ合い音をつくり出す。]
ふう、
[頭上から、諌めるような声。
左足を軸にして振り返る。
タータンチェックのスカートが弧を描いた。
肩から提げた鞄はしっかり肘で押さえている。
見上げた先には、同じ装いの少女が二人。逆光になりその顔は見えないが、腰に手を当てる所作は、呆れを示しているようだった。]
だって、このほうが早いから。
[返答に、悪びれたいろはない。
相手からも、彼女の表情は見えないだろう。]
[学校は、『変異』の後にも残された、日常を象徴する空間だった。
そして彼女――ブリジット=エメスは、その空間に属する、学生の一人だ。
限りなく黒に近い紺の制服に、ゆったりとしたセーター、プリーツスカートの下には黒のタイツ。学校指定の鞄には、幾つもの飾りが付けられている。
その風体だけを見れば、半世紀前には当然のように見られた少女らと、なんら変わりはない。
けれども、それまでの非日常、「有り得ない」とされていたものが現実化した世界では、その「日常」の世界は逆に、異質な存在となる。
力の有無が優位を決める競争の社会において、人類が今までに積み上げてきた学びの教育など、慰めにもならないのだから。或いはいっそ、娯楽とも言えようか。
何にせよ、以前と比べ、その意義を失っているのは確かだ。
かつての在り方を求めようとする空間は、既に変貌してしまった現実とは相容れず、低迷している。]
[されど、温室に暮らす少女らに、それは関係の無い事。
幾たびか交えられる、他愛のない会話。]
わたし?
わたしは、もういかないといけないから。
[誘いに対して、緩く首を傾げる。
細く編まれた髪が頬に流れた。]
うん、
それじゃあ。
[淡い笑みが形作られる。]
お疲れ様。
[微笑を湛えたまま、ばいばい、と顔の脇に上げた右手を軽く振って、ブリジットは、教室に戻る級友を見送った。
二つの足音が遠ざかるにつれて、辺りにはしじまが満ちてゆく。
放課後の校舎に、生の気配は薄かった。]
――……………、
[薄くあいた唇から零れかけた歌は、すぐに止んだ。
眼を伏せ、踵を返して廊下を歩む。
寂寂とした空間。昇降口には濃い陰が下り色は失われて、下駄箱前で足を止め、俯いた彼女にも同様に影を落とす。
白の上履きから黒のスニーカーに履き替え、外へと踏み出した。
陽が落ちるのは早く、朱空は瞬く間に藍紫に暮れゆく。吐き出す息は、薄っすらと白を帯びている。
光の下では輝く稲穂の髪も、闇の中では淀んだ汚泥の色。
冴えた眸の緑が想起させるのは冷たい冬。
青藍のセーターは鈍色へと移り変わるも、黒へと沈んだ紺の地に白のラインが引かれたセーラーカラーには、一層、似合いにすら見えた。
映えるのは、リボンの赤ばかり。
深い深い、赤。]
[世界が薄闇に包まれた頃、
鞄から小刻みな振動が伝わる。
ポケットから端末を取り出すと、過剰な程に付けられた装飾がぶつかり合った。
液晶の画面に浮かぶ、無機質な文字の連なり。
発信者は不明。
止む気配は無い。
片手で折り畳まれた機体を開く。耳元に添え、指先にストラップの一本を絡めた。
赤い紐の先に付いた鈴が揺れる。
一日の終わりを告げる鐘が鳴り響く。
*静寂は、打ち破られた。*]
/*
世界異変が想像していたよりも凄そうなので、
学校って、あっていいのかなと思ったのですが。
セーラー服に日本刀は浪漫だ。
ということで、あることにしました。
そんなわけで、よろしくお願いします。Sol・laです。
バトルRP苦手と言いながら、人狼役ってマゾいですよね。
希望変更された人狼希望の方には申し訳ない、
そして相方にはきっと御迷惑かけるのでしょう。
頑張。る。
3人目、青年 アーベル がやってきました。
青年 アーベルは、聖痕者 を希望しました(他の人には見えません)。
[自分が生まれるより前の世界に何があったとか。
世界が変わった理由とか。
そんな事は、基本的にどうでもいい。
その辺の事を問題として定義しろと言われたら……強いて言うなら、一つだけ。
そのせいで、自分が『化け物』として生まれた、という事くらい。
……つまりは、言っても仕方ないし、意味もない。
だから、考えても、どうにもならない、という事で……]
っとに……しつこいんだよ……。
[路地裏に響く、声。しかし、そこに『人』の姿はない。
闇の中に浮かび上がるのは翼を持つ銀色の獣。
それは低い唸り声を一つ上げると地を蹴り、跳んだ。
前方に待ち構える者たちへ向けて、その爪を振るう――と見せかけ、直前で高く飛ぶ。
月光の下に舞う、銀。
光を弾くそれは美しくも、異様で]
ちっ……数だけはいやがるな。
[上から確認した相手の数に、苛立ちを帯びた声がもれる。
このまま強行突破するか、と考えたのだが、得策ではなさそうだった]
仕方ねえ……。
[少し減らすか、と呟いて、地へと降りる。
着地点近辺にいた追手には、急降下の勢いをのせた爪の一閃をお見舞いして、ひとまずの安全を確保したところで]
[銀色の羽が散り、現れたのは蒼い髪の青年。
蒼の瞳が周囲を取り巻く者たちに向けられ、そして]
Reine Luft……Anfang
[低い呟き。
右の手首に巻かれていた細い糸が震えた。
しゅるり、と意思あるもののように動き出したそれに意識を凝らしつつ、一つ、息を吐いて]
……死にたいヤツ以外は、道を開けなっ!
[宣言と共に、走り出す。同時に振られる、右の手]
Ein Faden geworden die Klinge!
[言葉に応じるように、糸が震える。
言葉は糸に念を伝え、糸はそれに従い、鋭い刃の切れ味を備えた]
[ヒュン、という、空を切る音と共に、糸が舞う。
左から右へ、横薙ぎの一閃。
そこから、紅の尾を引きつつ、斜め上へと、糸が跳ねる。
取り巻く者たちの一角が崩れ、その一点を突いて駆け抜ける。
だが、相手も大人しくこちらを逃がす気はないらしい]
……っとに、今日はいつになくしつっこいな……。
[そんな、愚痴めいた呟きを漏らしつつ、周囲を見回す。
離脱するには、相手の指揮系統を乱すべきか、と考えて。
指揮官らしい身形の男に視線を向ける]
そこを潰して……。
[さっさと抜ける、という呟きは飲み込み。
そちらへ向けて走り出す。
右の手首に無造作に絡まった糸が、月の光を弾いた]
……いよっと!
[掛け声と共に、狙うのは足元。
いきなり態勢を崩してのスライディングで、フェイントをかけながら蹴りを放つ。
一撃で転ばせられるとは思っていない──が、バランスを崩させる事ができたなら、それで十分]
せいっ!
[左側へと抜けつつ素早く態勢を立て直し、右手を振るう。
ヒュッ、と風を切る音が響き、糸が舞った。
糸はよろめいた男の首へと絡みつく]
Erstarren Sie!
[言葉と共に、糸は刃から硬質のワイヤーへとその質を変え。
立ち上がりつつ、首を捕らえたそれを両手に持ち、きつく締め上げる]
俺を相手にするのに、首回りノーガードとか。
……お気楽な事で。
[低く言いつつ、にぃ、と笑う。
そのまま一気に締め上げにかかろう、と力を込めた時。
声が、聞こえた]
「……アル兄っ!」
[聞こえてきたのは、覚えのある……どころか、日常聞き慣れた声。
はっ、と声の聞こえて来た方――上を見上げたなら、目に入るのは]
なっ……。
[廃墟と化した、ビルの上。
そこに、拘束された少年の姿が見える。
路地裏で面倒を見ている、子供たちの一人だ。
その少年を抑えているのは、今、自身が捕らえた男と良く似た出で立ちの男。
どうやら、こちらはおとり、あちらが本命、という事らしい]
「無駄な抵抗はしない事だ、『銀翼の孤狼』。
君が『招待』に応じてくれるのであれば、この少年に危害を加える事はしない」
……ちっ……。
[さすがいい根性してやがる、と吐き捨てる。
相手の数、人質の存在。
どう見てもどう考えても、こちらに選択の余地は──ない]
……わぁったよ……。
その代わり。
「その代わり?」
……ガキどもには……手ぇ、出すんじゃねぇ。
[低い呟きに、男は低く笑いながら頷き、少年がアル兄、と不安げな声を上げた]
んな、情けない声、上げんな!
……心配すんな、必ず帰る。それまで、チビども頼むぞ。
[静かな言葉に少年はこくり、と頷き。
男が楽しげに笑うのが、やけにはっきりと見えた。
それを、苛立たしげに睨み付ける胸元で、クロームシルバーのロザリオが微かに月光を弾いて煌めいた]
■名前:アーベル=シュトゥルムヴィント Abel=Sturmwind
■年齢:23歳
■通り名:銀翼の孤狼
■武装:糸(アクティブ・ワイヤー『ラインルフト』)
■スタイル:精神感応で変化する糸と体術による近接戦特化型。遠距離対応不可能。獣化時(翼のみの部分獣化も含む)は空中戦も可能
■特殊能力:糸の変化・操作に用いる微弱な念動力と生来能力による獣化(翼狼態への変化が可能)。
身体の部分獣化(爪のみ・翼のみなど)も可能。部分・完全時問わず、獣化時は糸の念動操作不可。
■その他情報:とある裏通りで暮らす、ストリートキッズのリーダー格。
翼を持つ銀色の狼に変身する能力を持ち、微弱な念動力の才もある。
生来の能力故に親に捨てられ、幼い頃から裏通りで生きてきた。
変身能力は、誕生時に発生した突然変異能力。
人為的に与えられた形跡はなく、両親共にそういった能力を持ち合わせてはいない事から、新種の能力の第一世代として各方面からマークされている模様。
自由奔放、大雑把。束縛と面倒を何よりも嫌う気質により他者に媚びる事はなく、その事と獣化時の姿からついた二つ名が『銀翼の孤狼』。
─中央部建物・広間─
……んで?
[住み慣れた……というか、駆け回り慣れた裏通りから連れてこられた建物の広間。
そこで見せられた自分の個人データのファイルを横目で見つつ、無愛想な声で問う]
あぁ? これで間違いないかって……。
間違ってるっつったら、帰してくれんの?
[苛立ちを帯びた声で問うのに、男はひょい、と肩を竦めるのみ。
余裕を感じさせる様子に、また、苛立ちが募った]
ちっ……っとに、気にいらねぇ……。
[その苛立ちに任せて吐き捨ててから]
で、俺にここで何をしろって?
[低い声で、問う。
男は後で説明する、とだけ返し。
それから、今いるフロアの上に個室が用意されている事を伝えると、広間を出て行った]
……っとに……ついてねぇ……。
[その気配が完全に途切れたところで。
ぽつり、こんな呟きが*零れて消えた*]
/中/
と、言うわけで起動と相成りました、漆黒流星。
色々ばたばたとしてしまいましたが、お集まりいただきました皆様には心より、感謝を!
これよりの数日、どうぞよしなに願います。
それにしても。
白雪で人狼引いて、こっちとのネタ被りに真剣に困ったとか、ただのあほっ子ですね、俺(笑)。
村の設定が変更されました。
4人目、研究生 エーリッヒ がやってきました。
研究生 エーリッヒは、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
[余韻を響かせて。
何処か遠くから、高く小さく届く調に、
底に沈んでいた意識を引き起こされる。
目蓋の下に伏せられた翠を微かに震わせて、ゆるりと持ち上げた。
さらりと翠を隠す様に零れ落ちる金を、右の指先で掬い上げて
残る腕の中に納まったままの、活字の並ぶ紙面を閉じる。]
…――誰か、来た?
[いつの間にか転寝に移ていたらしい、
どうせ暇つぶしに読んでいたものだ、然したる支障も無いけれど。
誰に投げる訳でも無い問いを零しながら、小さく吐息を零す。
――遠く奥底で響いた音は、もう聴こえない。]
[瞬間。
計らったように、静かな音を立てて扉が開く。
然程驚愕の様子も見せずに、ゆるりと翠を向けた先、
佇む人物を認めて無意識にか、其処で漸く僅か見開いた。
――尤も、その些細な変化にすら、
目前の相手は恐らく気付く筈も無いだろうけれど。]
…、何か、御用ですか。
[しかし返る応えはただ端的に、ついて来い、とだけ。
要点すら掴めない言葉に一度瞬くも、不平を告げる事もなく。
硬い緋色の表紙を持った其れを脇に退けて、無言で立ち上がる。
拒否するも逆らうも、何の意味を成さないのは十分に承知している。
それに喩えば相手が誰であろうと――心当たりは存分に或るのだし]
…尤も、今回に関しては話が違う。
義父(このひと)に意見する事は愚か。
――逆らうなんて事、初めから出来る筈が、無い。
[一冊の本を残して、殺風景とも言える部屋から
二つの人影がゆっくりと姿を消した。
静かに、外界と隔てる扉が閉じる。]
[静けさを取り戻した室内に、再びただ一度。
何処か遠く向こう、高く。 白金の韻が小さく*鳴いた*]
5人目、職人見習い ユリアン がやってきました。
職人見習い ユリアンは、共鳴者 を希望しました(他の人には見えません)。
[朝の喧騒][街は騒がしく] [けれど活気があって]
[なぁ][猫の鳴き声]
……請壞、藍苺……不過後邊稍微讓睡覺…。
[旧時代、"香港"と呼ばれた街にあったフラットによく似た部屋]
[臥舖の上、薄い布に包まる青少年の寝ぼけた声]
[草苺の紅と藍苺の紫、左右違う瞳の黒い仔猫]
[みぁう][不満そうに、青少年の上に飛び乗った]
……哎呀,哎呀…!!明白了喲、起來、起來喲!
[不満たらたら、猫に文字通り叩き起こされた不機嫌な青少年の瞳もまた]
[漆とも鴉とも違う][蒼混じる消炭の黒耀]
−華街:集合居塔一室−
[くぁ。青少年は、欠伸をひとつ]
/*
…なんか、適当に書いたら
匂わせを通り越して思いっきりCO紛いになった気がします。
サーセン。
匂わせとCOの違いがよく判ってませんサーセン。
*/
あー…ちくしょ、てめ、いいところで起こしやがって。
[ふわ、と大きな欠伸もうひとつ]
[青少年のことも考えず、黒猫せびるは今日の朝ごはん]
…ったく、しょーがねぇなぁ。
ちょーっと待ってろ、適当に用意してやらぁ。
[こちらもだと、ぐぅ、と鳴る自分の胃を肌の上から撫でつつ立ち上がる]
[鎧戸の隙間から漏れてくる明かりが、青少年の筋肉がついているのに薄っぺらい上半身を少しだけ照らした]
[青少年が厨房へ向かえば、黒猫もまるで親鳥の後行く雛のようについて回る]
[覗かれる冷蔵庫]
[振るわれる中華鍋、揮われる中華包丁]
[しばらくすればいいにおい]
いただきまーす。
[しばらくすれば厨房の隅。
あまりものの帆立の紐と海老にありつく猫の傍ら。
青少年、朝から海老と帆立の塩あんかけ丼を食卓に腰掛け掻っ込んで]
/*
悪くて、青いイチゴに
でも後が少し眠ることを譲ってもらいます
しまった、しまった!!
、に分かって立ち上がって、立ち上がります!
※エキサイト翻訳より抜粋
いえ、何となく意味は判るんですが。
この翻訳は無いな、と思うんですエキサイト。
[むぐむぐ。
そんなかんじで両の頬にかっ込まれたご飯は咀嚼される。
黒い仔猫はご機嫌で貝紐にありつく。
尻尾がぱったぱったと左右に揺れていた]
[喧騒に混じって聞こえる音]
…?
[ちんちろ鳴っている携帯端末。
不機嫌そうな顔して、青少年は箸を止め、それを手元に引き寄せた]
…喂?
[もしもし。にゃぁ。と猫が鳴く]
[しばらくの会話。
にゃあにゃあ、猫は時々鳴いて]
[暫くして]
[フラットには片付けられた食器]
[どこかへ消えていく、肩に黒い仔猫乗せた*青年の姿*]
6人目、少女 ベアトリーチェ がやってきました。
少女 ベアトリーチェは、共鳴者 を希望しました(他の人には見えません)。
[少女は目を瞑っている。
少女は白い質素な手術着を着ている。
少女は寝台に寝かされている。
──…………ここは有る研究所の一室…………──]
[飾りのない壁に設置された無機質な棚。
そこに置かれた機械の類から延びるコードは
少女へと収束されて。
部屋には白衣を着た数人の男女。事務的な声で話しをしている。
彼らはいくつかの数値を読み上げ、いくつかの操作が機械に加えられる。]
[誰かがそう声をかける。
声をかけられたのは寝台に横たわる少女。]
……………………
[少女は目を覚ます。
ゆっくりとあたりを見渡す。]
『なにか異調や、不具合は感じないかい?』
[白衣の人物にそう話しかけられ、少女はゆるりと首を振る。]
『──……そうか。では君が”何者なのか”自己紹介してもらおう。』
[ぼんやりと、白衣の人物を眺めていた少女に次の問いかけ。
少女はその問いに小さくうなづいた。]
[少女の答えに白衣の人物は「そのとおりだ」と満足そうに頷く。
──……4体目にして、対話が可能な状態まで安定させることが出来たのだ。]
『──……どんな能力を乗せていくかな……──』
『──……この前まとめられた実験のあれは……──』
『──……その前に、”敵”と”味方”を憶えさせなければ……──』
[色々と話し込む白衣の人物達。
少女はそれをぼんやりと、感情の映らない瞳で見上げていた。
これが、少女の一番最初の*記憶だった。*]
/なか/
そんなわけで、幻夢は久しぶりのうにです。
SNSで入村文を先じて書いてる方がちらほらいて焦ったとか(笑)
焦っても突貫工事、直前作業なとほほっぷりですが
本編もトホホなことやらかしてそうですが
よろしくお願いしますなんですよ。
そして、共鳴者相方超依存少女にしようと思うので
プロでうっかり相方なのに。知らない人対応しないよう
出来る限り始まるまで寡黙でいよう(笑)
−中央部建物・広間−
[ひょこり。
そんな擬音が似合いそうな態で、開かれた扉から顔を覗かせた。]
……ふぁ。
[欠伸なのか感嘆なのか、どちらとも取れそうな、曖昧な声。
黒のスニーカーが、白い床を踏む。後ろへと回した両の手で、鞄を手にしていた。緊張感のない制服姿の少女は、いかにも場違いだ。
ここまでブリジットを連行して来たらしい人物が、上半身だけを室内に突っ込んでいる体勢の彼女の背に、声を投げた。]
もう。わかってますよ。
[顔だけを後ろへと向ける。]
せっかちな。
■名前:ブリジット=エメス(Brigitte=Emeth)
■年齢:17歳
■通り名:(データ未登録)
■武装:小刀
■スタイル:中〜遠距離を主とする。接近戦は不得手。
■特殊能力:言霊
■その他情報:
東洋の血が混じっているようだが、外見上の特徴としては殆ど見られない。
両親はおらず、養父の援助を受け、学校に通っている。独り暮らし。
(詳細不明、と記載されている。裏社会における情報は少ないようだ)
濃紺に白のライン、赤いリボンのセーラー服に、黒いタイツとスニーカー。セーターに隠れ気味だが、腰の辺りには二本のベルト。小刀が留められている。ただし、それが振るわれた記録はない。
彼女の武器は、言葉。
紡がれる言葉は、即ち、真実と成るという。
─中央部建物・広間─
[連れてこられてからどれだけたったか、途中から計るのは止めていた。
個室は用意されている、と言われたが、状況が把握できるまでは動き回るのも危険か、とその場に留まっていたのだが]
……ん。
[ふと感じた、人の気配に、そちらを見やり]
…………。
[一体、何の集まりなんだよ、と。
ごく小さな声で、ぽつ、と呟いて]
[トン、と軽く靴のつま先で床を叩いて、中へと入った。
置かれたファイルをしげしげと眺めていたが、先客に気づくと顔を上げ、]
こんにちは?
……あ、と。
こんばんは、かな。
[微かに笑みを滲ませて、挨拶。]
ああ……こんばんは、だろ。
[多分、と付け加えつつこう返す。
一見して、自分とは住む領域に差がある、とわかる少女が何故こんな所にいるのか、と。
そんな考えがあるからか、そちらに向ける視線には多少、探るようなものも込められて]
[肩に鞄をかけ直しながら、取り出した携帯端末を開く。]
ああ、本当だ。
学校出たときには、日が暮れるところだったから……
それでも、こんばんは、か。
[独りごちて、先端を口許に当てる。
動かす度に、明らかに「携帯」するのに邪魔になっているとしか思えない、ストラップの山がじゃらりと揺れ動いた。小さなマスコットに、カラフルな玉に、様々だ。]
……何か、付いてます?
[窺う視線に対して、返す声に怪訝な色を含ませた。]
……いや、別に?
[怪訝な響きを帯びた声に軽く返しつつ、両手を頭の後ろに持って行って組み、それに寄りかかるような姿勢を取る]
……しっかし、なんつーか……。
[場違いっつーかなんつーか、と。
呟きつつ、視線を無機質な天井へと向けるが、警戒自体は解くことはなく]
別に、って感じじゃないんですけれども。
[眉根を寄せる。納得などいくはずもなく。
呟きは届かなかったか、問いを重ねようとして、はた、と瞬いた。]
あ。
わたし、ここで、何をすれば――
[問いかけようと背後を振り返り、]
って、いない。
[眉間の皺が深まった。
顔を戻すと、その勢いのよさに纏まっていた髪がばらりと散る。]
ご存知ですか?
[少女が納得していようといまいと、委細構わず。
背後を振り返り、それから、再びこちらを見やっての問いには右手を頭から離してひらひら、と振って見せる。
室内を照らす光を受けて、手首に巻きつけた糸が微かに煌めいた]
……そりゃ、俺が聞きたい事。
ま、ロクな用事じゃねーのは、確かだろうけどな。
[軽く答えつつ、やれやれ、と大げさなため息を一つ、ついて]
ま、後でご説明いただけるらしーけど、ね。
[今度の瞬きは、緩やかに。
落ち着かない眼差しが一箇所に定まったのは、ほんの一時。]
そうですか……。
後でって言われても、いつでしょうね。
[嘆息。
端末を両手で持ち、画面を睨んだ。カチカチと音を立ててボタンを押して、呼び出したのはカレンダー。]
ここから学校まで近くはないみたいだし、
無断欠席になるのは困るんだけれどな。
/*
しまった。
リアル準拠なら、「明日」はお休みですね。
……まあ、いいか。
そして、鈴ネタ被るかな、どうしようかな。
路線変更も視野にいれながら……。
7人目、ランプ屋 イレーネ がやってきました。
ランプ屋 イレーネは、妖狐 を希望しました(他の人には見えません)。
―中央部建物入り口―
[扉が開き、数名の男達の手によって大きな物体が運び込まれる。
大の大人でも両手で抱えなければならないほどの大きさのそれは
卵のような形状をしており――色は白。
触れればほんの僅かな弾力と、何処か蝋にも似た滑らかさを
感じられる事だろう]
『――何処に置いときゃ良いんだ、これ?』
『知らん、適当に放り出しときゃじきに起きるだろ』
[がさつに硬質な床に降ろされたそれは緩やかに、
ほんの少しだけ転がり近くにあった壁の傍らへと落ち着いた]
ま、一朝一夕で帰す気はないだろ。
わざわざ、泊まるとこまでご用意くださってるようだし?
[先の男の言葉を思い出しながら言って。
自己紹介、との言葉には、蒼の瞳をきょとり、とさせる]
……別に、俺は気にしないけど。
[人に名を名乗ること、それ自体が稀な環境に身を置いているせいか、その辺りは無頓着らしい]
―殻の中―
[少女は眠っていた。
自らの背から突き出た白色の物体に覆われて。
ふと
世界が
揺れた
けれど
少女の瞳は薄っすらと開かれ、
何事もなかったかのようにまたゆっくりと閉ざされた]
……。
[目を伏せて、端末を畳む。]
着替え、あるのかな。
[即時の帰宅は諦めたらしい、呟き。
しかし、きょとりとした相手の様子に、ブリジットも僅か目を見開いて、似た反応を返す。数歩寄って、まじまじと見つめた。緑の瞳に青が映り込む。]
それは、気にしましょう。
話すにも、呼ぶにも、不便でしょうに。
[同意を求めるように、僅かに首を傾げる。]
わたしは、ブリジット=エメスと申します。
どうぞ、よろしく。
[着替え、という呟きに、女は面倒だな、と思いはすれど、口にはしない。
こちらは元より着たきり雀、最初から気にはしていないのだが。
そんな事を考えていたら、近寄って見つめられ]
……そんなもん、かね?
[名前など、一緒に生活している子供たち以外には呼ばれない……というか呼ばせないためか、やはりピン、とこないのだが]
……アーベル。
アーベル=シュトゥルムヴィント。
[答えない理由も今の所はなく。短く名を告げる]
そんなもんです。
[口調を真似、鷹揚に頷いた。
回答に満足したようで、下がって距離を空ける。薄く、作られる笑み。
ブリジットの生活では、それは、当たり前の事のようで。]
アーベル=シュトゥルムヴィント。
……ふぅん?
[自らの顎に指先を滑らせて、耳に当てる。端末を手にしたままに。何か思考しているような、仕草。]
アーベルさん、ですね。
憶えました。
……ああ、そ。
[良くわからん、と、口の中で呟きつつ。
思案するような様子に緩く瞬くものの、特に追求する事はなく]
ま、覚えて得になるとは、思えんけどね。
[冗談めいた口調で言いつつ、軽く、肩を竦めてみせ]
[そんなもんかねぇ、と呆れたように呟きつつ。
神様のお話という言葉に、ほんの少しだけ、蒼の瞳は険しさを帯びて]
……あんま、嬉しくない『何処かで』です事で。
[蒼の髪を掻きつつ、ぽつりと言う。
口調は、吐き捨てるような響きを帯びて。
その物言いと、胸元に微かに覗くクロームシルバーのロザリオとは、かなりアンバランスに思えるかも知れない]
[表情は変わらない。
銀よりも鈍い輝きを認め、眼を細める。]
おきらいですか?
あまり良いお話では、ないのは確かですね。
[若干ずれた、というよりはずらしたような返答。
耳元の指を動かして、細く編んだ自らの髪を絡める。視線をゆるりと動かした。笑みが薄れる。]
話がどうの、っていうより、カミサマ自体が嫌いなんだがね。
ま、そんな事は、どーでもいいけど。
[そんな物に縋っていても生きられない環境に長くいたせいか、他に理由があるのか。
その辺りを伺わせる事はないものの、さらりと言って]
……さて、と。
ここでぼーっとしてても仕方なさそうだし……。
少し、こん中歩き回ってみるか……。
[これから何があるにしろ、内部構造を把握しておくのは選択肢としては多分、悪くないから。
そんな事を考えつつ、*音もなく立ち上がり*]
/中/
うん。
やっぱり、動けば動くな、このキャラは。
そういう点ではほんとにやり易い。
しかし、相方さんは誰になりますやら。
ついでに、蒼と朱、どっちがきますやら。
どっち来ても、色味的には美味しいんだが。
[その台詞への返答はせず、席を立つアーベルを見やる。]
んん。
今すぐには、聞けなさそうですしね。
[ついで、男が去って行った方向へと視線を向けた。
癖なのか、髪を弄るのを止めた手で、端末を閉じたり開いたり、繰り返す。パタリ、パタリと、立つ音は、やや煩い。]
とりあえず、その部屋とやらを見ようかな。
アーベルさん、場所、わかります?
[階上にあることを確認して、広間を後にする。
その動作は「日常的」で、やはり、*警戒のいろは窺えない。*]
─中央部建物・広間─
[招待の電話をくれた割に、青少年に対する招待側の態度は割合乱雑だった。
とりあえず放り込む男たちにむかついて、べー、って舌を出したらものすごい勢いで扉が閉められて、その音でびっくりしたように肩の猫が、にゃっ、て鳴いた]
…あー、こわ。
大人なんだからもう少しくらい大人になれってんだよ。
なぁ、藍苺?
[にゃー]
[小さな相棒は肩の上で細く*鳴いた*]
■名前:ユリアン・フェイ(Julian.Fei)
■年齢:18歳
■通り名:黒猫(ヘイマオ)
■武装:二丁拳銃+白打(体術)
■スタイル:基本近距離専門、状況により中距離〜遠距離
■特殊能力:循環錬金術
■その他情報:
旧中華系の仙術師の血族。根城を華街に持つ。
見るからに東西の入り混じった外見。
いつもつれて歩く黒猫・藍苺(ランメイ)から通り名がついた。
白銀に紋織のバンダナに自分ではさみを入れる不揃いな髪。
編み上げブーツに裾を入れ込んだ細身のカーゴパンツの上、ヒップバックのポケットに改造を加えたホルスターに左右各一丁。
袖のない少し丈長の民族服の裾やサイドスリットから見える見えない、そんな程度の位置に装備しているが、基本拳で勝負なので滅多に引き抜かれることはない。
それゆえ拳を守る特注のライダーグローブにもいくつか傷が残っている。
無機物に効果を与える独自の仙術を確認。
しかし、どのような能力かは不明。
ただ、循環錬金術と称されることのみ確認。
*/
草苺族 cao3 mei2 (イチゴ族)
イチゴの様に傷つきやすい若者の事。
見かけはピカピカで綺麗だけど、実際打たれ弱くて傷つきやすい。
/中/
さてさて、縁故関係どないしますかね、と。
ライバル系と因縁系はどっかと取っときたいのだけど。
因縁系取れそうなのはまだいてない感じ?
取りあえず、様子見かな。
/*
覗いてみたけど、…何だか、国自体が重い?
気のせい?
というか、俺今夜顔出さなかったら
後オール鳩とか。無理むりムリ。
後で意地でも時間空けよう。うん。
■名前:検体004(Experiment body 004)
■年齢:外見上は10ぐらい。
■通り名:番号で呼ぶことを嫌う者からはベアトリーチェと呼ばれている。
■武装:一見は大きな熊のぬいぐるみを抱えているだけに見える。
■スタイル:遠距離 近距離はまったく対処出来ない模様。
■特殊能力:プログラム詠唱:電子機械操作能力保有。
■その他情報:
と、ある研究機関が創り出した生態兵器…の実験体。
少女を兵器に改造したものか、身体から人工のものかは不明。
どちらにしても、名が示す通り実験体故
兵器としても、生命体としても不安定。
[顔写真とともに『Schwarzes・Meteor』に以上の個人データが記載される頃
"と、ある研究機関"とSchwarzes・Meteorとの間で取引が行われた。
"と、ある研究機関"としては、
虎の子でもあるが再生産可能な検体の為に
危険な橋は渡る気はないらしく
Schwarzes・Meteor側の要求を飲んだようだ。
Schwarzes・Meteorの要求は少女の『遊戯』への参加。]
─建物一階・モニタールーム─
ほい、ほい……と。
ここで近場の様子は見れますよ、って事ね。
んで、これがここの見取り図、と……。
なるほどね、大体、把握、と。
しっかし、これだけしっかりした設備があって、通信設備だけないってのは……。
[広間を出て、最初に目に入ったモニタールーム。
そこで端末のキーを叩きつつ、独りごちる。
蒼の瞳には、険しい色彩が宿り]
……間取りだけ見た限りは、重要施設、って感じじゃねーな……。
[ぽつり、と呟いて、モニターに表示した間取り図をもう一度、見やる]
1F 2F
┏━━━━━━━━┓ ┏━━━┳┳━━━┓
┃ ┃ ┃ F ┃┃ G ┃
┃ A ┃ ┣━━━┫┣━━━┫
┃ ┃ ┃ H ┃┃ I ┃
┣━━━┫┣━━━┫ ┣━━━┛┗━━━┫
┃階段 階段┃ ┃階段 階段┃
┣━━━┫┣━━━┫ ┣━━━┓┏━━━┫
┃ ┛┗ ┃ ┃ J ┃┃ K ┃
┃ B ┓┏ C ┃ ┣━━━┫┣━━━┫
┃ ┃┃ ┃ ┃ L ┃┃ M ┃
┃ ┏┛┗┳━━┫ ┣━━━┫┣━━━┫
┃ ┃D ┃E ┃ ┃ N ┃┃ O ┃
┗━━┻┫┣┻━━┛ ┗━━━┻┻━━━┛
A:広間
B:メディカルルーム
C:モニタールーム
D:玄関ホール
E:−
F〜O:個室
……にしても、まあ。
面倒事はごめん被るんだけどな、正直……。
[やれやれ、と呟きながら、ため息一つ]
とっとと片付きゃいいんだが……。
/中/
天声で出せばよかったんかも知れんが、実はその理由付けが思いつかなかったとかそんなことはある(笑)。
まあ、ログにもあった方がいいしね。
隔離スペースの方は、さすがに2日目にぎゅんさんでぺたり、っつー訳にはいかんからなあ……。
こっちゃ、何とか理由つけて天声で貼るか。
─中央部建物・広間─
[青少年が猫と戯れていると、扉が開いて少女がひとり中へ運ばれてきた。
熊の縫いぐるみを抱え、眠っているようだった]
…ずいぶん小さい子まで連れてくんだ。
流石、悪趣味。
[小さく呟く。
同意するように、猫がなく]
―中央部建物・通路―
…で、どういう事なんですか。
[相手が広間へと足を踏み入れた頃合いを見計らって、静かに問いを投げる。
不平零さず此処まで従ってきたが、幸いとばかりに相手は突き進むだけで、
事の内容は何一つ明かしてくれる様子も無く。
広間へ入る前に、業を煮やして口を開いたは良かったものの
しかし相手はただ一瞥を繰れただけで、すれ違い青年を置いて出て行った。]
――…、全く説明無し、と。
[困ったな。
手近に在った卓上を爪先で弾き鳴らしながら、訝しげに言葉を零す。
チラリと横目で通路の奥先――先ほど一瞥をくれた相手が、
玄関ホールを出て行くのを確認して。
滑らせるようにポケットから携帯端末を覗かせた。]
/中/
しかし、アーベルだとほぼ確実にユリアンと縁故を取ってる俺がいてる。
今回に関しては、レンジとか似通ってる分、組みやすいかな、というのが大きいんだけどね!
■名前:エーリッヒ=ハイゼンベルク (Erich=Heisenberg)
■年齢:19歳
■通り名:− (データ未登録)
■武装:投げナイフ5本、組立式三節棍
■スタイル:基本は投げナイフを使用した遠距離攻撃
■特殊能力:物質操作能力
■その他情報:
ここ近年内様々な組織争いの場に、時折顔が見られるようになった人物。
まだまだ公に顔が通っている訳では無く、通り名などは未確認。
表からは確認できないが、服の内袖に、ナイフが収められたレザーベルト。
また三節に畳まれた棍が、右脚のベルトに収まっている。
特殊能力を用いて、手持ちのナイフを操っているのが確認されているが
条件が揃っている必要がある模様。詳細不明。
……圏外域では、無いんだ。
[予想外にもモニターに表示されたそれに、一度ゆるく瞬く。
…まぁ、まさかとは思うけれど。
小さな電子音を立てて、慣れた番号を打ち込んでいく。
仄かに光る緑を圧して、通話。]
――…、
…外部への通信は、無理。と。
[小さなスピーカーから聞える、通話中を知らせる音に。
僅か眉を寄せて、端末を閉じる。
…そりゃ、まさかとは思っていたとは言え。
少し期待を寄せた自分が、バカだった。]
─建物一階・モニタールーム─
ま、ここでぼけーっとしてても、仕方ねぇ、か。
[ぼやくように呟いて、モニタールームから、通路へ。
向かいは確かメディカルルームだったかと確かめつつ]
っつーか、なんでそんなモンがあるんだっての……。
[その辺り、『予測』はつかないわけではないけれど]
……傍迷惑。
[行き着くのは、そこであるらしい]
…風邪引かなきゃいいけど。
[眠る少女を見て、どうすっかねぇ、小さくぼやく。
おまけに猫もにゃあとなく。
そこで青少年は腰掛けていた椅子から立ち上がりごそごそと家捜しを開始する]
…まさか毛布とかなんてねえよなぁ…。
なーぁ、藍苺、お前毛布のにおいなんて知んねえよなぁ?
[にゃーあ?]
……その前に俺がお前の言葉がわかんねえんだよなぁ。
だめだこりゃ。
[肩を竦めて猫の頭をぐりぐりなでて、それから家捜し続行]
/中/
うむり。
100増やしただけでも、大分メモがまとめやすい。
しかし、これ以上増やすと鳩から読めなくなる恐れがあるからなー。ここらが限界だぁね。
――…、
[横目で視線を向けていた先、一つの部屋から出てきた影に
シンプルなストラップに指を引っ掛けて。
遠心力に任せるようにくるりと端末を回しながら、翠を緩く瞬く。
この建物内に、自分だけとは思っては居ないけれど。]
……どういう、
[小さく、吐息交じりに零れる。
続く言葉は口には出しにはしないけれど]
─建物一階・通路─
……っと。
[通路に出て、ふと、人の気配を感じてそちらを見やる。
蒼の瞳が僅か、細められ]
おやま。
[まだ来るのか、と。呟きは口の中に留まり]
―建物1F・通路―
…どうも。
[指先で回していた端末を、ぱしりと掌へ収めて。
ポケットへと収めながら、青年へと向き直った。
緩やかに首を傾ぐ。 さらりと、金が揺れて。]
出会いがしらに突然、不躾を承知で申し訳無いんですが。
此処に住んでる人――とは、…違いますよね?
[来たばかりで、さっぱりなんですけど。
へら、と薄く笑みを浮かべたまま、目の前の青年へ問い]
[投げられた言葉に、一つ、息を吐き。
右手頭の後ろへ回して、がじ、と蒼の髪を掻く。
手首にかけられた糸の束が、揺れた]
こんなとこ、住んでくれっつわれても願い下げだっつーの。
俺も、問答無用で、招待されたクチでね。
…あー、それは。…お疲れ様です?
[大変失礼しました、と苦笑交じりに言葉を零す。]
…管理人やらが居る訳じゃ、無いんですかね。
あなたの他に、どなたかいらっしゃいます?
[ゆる、と周囲へ視線を巡らせて。
問いを投げながらも、何処か興味深げに歩を奥へ進める。
無機質が漂う壁に、何を思ったかゆるりと翠を瞬いた。]
[何処か感じた既視感の出所に、思わず苦笑する。
殺風景とも言える、この無機質感にまさかとも思ったけれど。
――嗚呼、 俺の部屋か。]
や、別に構わんが。
管理人……は、いそうな気もするがね。
[管理と言うよりは、監視かも、とは口にはせず]
俺の他にも、ご招待されたらしいのはいるけどな。
[広間で話した少女を思い出しつつ。
こちらも、人の気配の増えた広間の方へと歩みを進め]
−中央部建物・個室−
[――送信失敗。
端的に事実を告げ、消える文字。
圏外の表示は無いにも関わらず、幾度試行しようが、結果は同じだった。]
ふむ。
[さして気にしたふうもなく、折り畳んだ小型端末を卓上に置く。
室内に在るのは机だけでなく、寝台にクローゼット、果てはバスルームに簡易キッチンまで。殺風景ながら、寝泊まりどころか、住まうことすら不自由の無い程に設備が整えられていた。それだけに、一昨日では解放されないであろうという、不安も増す場所ではあったが。
手を組んで、背伸びをする。セーターの裾から、学校にいたときにはなかった、厳めしいベルトが覗いた。ブリジットの「日常」には似合わない、武器の存在も。
僅かに見えたそれは、東洋の刀のようだった。長さは通常の物の、半分程。小刀と呼ばれる部類に入る。提げている位置からして、早々振るう機会は無さそうだ。]
…みつかんねぇかぁ、やっぱり。
[とりあえず、困り果てた様子。
それから、自分の髪に手をやり、その手は滑って自分のバンダナへ、結び目へ指を引っ掛けするりと解くと握った手の中へ押し込める]
……開始策略式。
把一做為四,把四做為十六,並且更加大地豊富。
従表面開始停留在陰。
遵従我決定的天意。
[ふ、とバンダナを握りこめた拳に息を吹きかけると、その端を引っ張る。
見た目だけならよくある奇術。
しかし勢いよく引き抜かれたそれは息のかかる拳が開かれると同時に白い毛布へ早代わり。
代々、青少年の家計に伝わる仙術と呼ばれるものの応用]
…よしよし、完美(完璧)。さすが俺様。
[満足げにひとつ頷いた]
───術式を開始する。
一を四に、四を十六に、更に更に大きく豊かにせよ。
陽に始まり陰に留まれ。
我の定める摂理に従え。
――…それは随分と、盛大なパーティみたいですね。
招待客が大勢いらっしゃって?
[へら、と冗談交じりに笑いを零しながら、
考え込むように指先を口唇に滑らせて、翠を細める。]
…外に連絡も取れないみたいなんですよねぇ、此処。
圏外区域では、無いみたいなんですけど。
…っと、…――あれ?
[広間へと足を踏み入れて。
何だか家捜し…?している人物を目にしてゆるりと瞬いた。
見覚えがある気はするのだけれど――
…いや、しかしこんな場所にいるはずが。
訝しげに、微か眉を寄せる。 あまりにも些細な変化だけれど]
[ふんわり広がった白い毛布(昼寝毛布と呼ばれるほどの大きさだが)を眠る少女の上にそっと掛ける。
起こさないように、起こさないように。
その仕草は兄弟を持つ兄の仕草そのもの。
暖を求めてなのか、それとも与えるためなのか。
黒い猫がするりと下りて少女と毛布の隙間に入り込んでまあるくなった]
…おまえ、随分女子供には優しいのなぁ…。
[にゃん。お前もな]
[小さく鳴いた猫に対して、青少年は首をひねってちょっと笑った]
…O部屋と、エレベーターの仕組みが気になって仕方が有りません。
…エレベーターの真上のお部屋!!
モーター何処だろう!!部屋の中!?(きゅん!
さ、て、と。
[一音一音区切りを入れ、息と共に声を吐き出す。]
どうしようか。
[腕を組んで、床を見つめる。
流れ落ちた髪が、*影をつくった。*]
─ →広間─
ま、相当盛大なんじゃねぇの?
……あれだけ熱烈に招待してきたんだから。
[大げさに肩を竦めつつ言って、広間へと踏み込み]
……っと。
[見覚えのある姿に、緩く、蒼を瞬く]
……ほんとに、賑やかになりそうな事で。
[ぽつり、零れる呟きは何故かため息混じり]
――それは、招待された客の立場としては
心待ちにしておかないと、ですかね。
[はは、と渇いた笑いを零しながら――
続く青年の様子に、ゆるり瞬いた。]
…僕の視力が突然落ちたとか、他人の空似でなければ――
賑やかになりそうなのは、否定しませんが。
…、その口ぶりだと、お知り合いです?
[黒い猫、隙間でご機嫌なのを見やると飼い主は小さく肩竦め。
さてどうしたものかと布のない髪に手をやると扉が開いて]
……お?おお?……好久不見?
[久しぶり?
首を捻って青少年は二人を見やる。
特に片方はついこの間もうちで一緒に夕飯を食べたばかりなのだけど。
あの時の蛇はうまかったー、なんて思ったけれど口には出さなかった]
っていうか。
俺に取っちゃ、この招待自体どエライ迷惑なんで、さっさと用件話しやがれ、ってとこなんだが。
[さらり、と言い切り。
次いで投げられた問いには、ああ、と頷く]
ちょいと、ウチの庭先で、ねぇ……。
[何があったか、までは言わずに濁し。
話題の当人から投げられた声にはひら、と右手を振る]
知った顔がいて喜ぶべきか嘆くべきか。
微妙なとこだな。
*/
エーリッヒ>日碧(リーピー:りひ?)
リーチェ>小李雪・李雪(シャオリーシュェ・リーシュェ:りーちぇ)
ブリス>荷蓮(フーリェン:ぶり?)
とりあえずざっと。
本当に発音があってるかは知らん。
四声の発音すら出来ない中身です。残念。
…うん、まぁ。久しぶりと言えば久しぶりですかね。
――で、何やってるんですか。フェイ。
[ひら、と軽く片手を挙げて。
家捜し紛いをしていた知人へと、ゆるり首を傾ぐ。
蛇の話題を出されたなら、きっとアレは食卓に上げるものじゃない、やら
色々苦言が飛ぶのだろうから、懸命な判断かもしれない。
…尤も、その蛇すらきっちり食べていた人の台詞ではないのだが。]
まぁ、ご招待を受けるにしても、
せめて正規の手順を踏んで頂きたいというのが本音ですけど…
――「庭先」?
…不法侵入でもやらかしたんです?コイツ。
[言葉どおりに受け取ったのか、言葉尻が濁る様子に翠を瞬いて。
犯罪紛いは、ダメですよー。と
付き合いの浅くない青年へ、非難の混じる視線を向ける。]
…現状は、素直に喜んでおけば良いんじゃないですかね?
あくまで、――『現状』に限った話で。
あら。嘆かれちゃうの俺。しんがーい。
…いやぁ、本当久しぶりだねぇ、亜哥(アークォ)。
[言葉の割にへらっと笑って、首をかしげて視線を向ける。
ご機嫌いかが?とでも挑戦的な視線ひとつ。
それからご近所さんのほうへと手を振り替えした]
何って…いや、招待受けたからさぁ。
んでー、小人がきてー、風邪引かせちゃいかんと思って毛布探しをだな。
[そういって白い毛布を指差す。
ひょこり、と藍苺も顔を出してにゃーって鳴いた]
*/
亜哥(アークォ)
アーベルの兄さんってところか。
ぶっちゃけ思いつかなかったら男は全員「哥(兄)」ってつければイイジャナイおおげさだなぁ。
招待側にしてみりゃ、今回のやり方が『正規』なんじゃねーの?
[金の髪の青年に返す言葉には、その瞬間だけ憤りの響き。
勿論、『弱点』をそれと知りつつ抱えている自身の落ち度もあるのだが]
ま、色々と。
[不法侵入云々はさらりと流して。『現状』という区切りにかもな、と肩を竦める]
[向けられた挑戦的な視線に、薄く、笑む。
孤狼の笑み、それは刹那で消えて]
ま、お久しぶり。
嘆くかどうかは、これから次第……って事でいいんじゃねーの?
[さらり、と返しながら。
奥で身じろぐ気配に、軽く、首を傾げ]
風邪をひかせない様に、という配慮は君らしいけれど。
…小人表現は、如何なものかと思うなぁ。
[指し示された先、僅かに身動ぎした白い毛布の塊に、一度瞬いて。
そこから顔を覗かせる見慣れた猫に、笑みを向けつつゆるり首を傾ぐ]
…嗚呼、おまえも来てたの――藍苺。
[こんな主人を持つと苦労が耐えないね。
冗談交じりに小さく笑いを零して]
[俺は悪くないもーん。
そんな様子で非難の視線混じる翡翠の瞳から視線を逸らすと、ちょうど小さな女の子がもぞり動いたので生きてるなぁ、とバカみたいな安心の呟きをこぼした]
…んー、これから次第、ねぇ。
あんまり期待できねーよなぁ。うん。
[眠る少女の傍らに腰掛けて、ちょいちょいと猫の鼻先つついて遊ぶ]
これが『正規』か。
――…まぁ、そうかもしれませんね。
[僅かに混じる憤りの響きに、薄く翠を細めて。
続く青年の言葉と、知人の様子に僅かに眉を寄せる。
……少なくとも温和な関係では無いという事だけは、判った。
思わず、溜息が零れる。…この先、あまりどころか全く期待出来そうにない。]
…だって小さいしさぁ。
小さい人だからいいじゃねえの。なー?
[飼い猫に同意を求めたら、鼻先突く指先をにゃっと噛まれて自爆。
それから自分の名前を呼ぶ飼い主の隣人ににゃーん、とご挨拶。
一方、飼い犬ならぬ飼い猫に指先噛まれた青少年はといえば不満そうに猫の眉間をぐりぐりと押した。
猫がニャーニャー煩いが知ったことじゃない]
ちくしょー、お前やっぱり俺より日碧(リーピー)の味方だな相変わらずっ!
[ぐりぐりぐり。にゃーにゃーにゃー。
人と猫の攻防戦が幕を開ける]
ま……期待なんてのは、往々にして折れるためにあるもんだからな。
[どこまでもさらり、と言いつつ。
白い毛布に包まれている者に目を向けて]
……?
[何故か、感じるのは。微かな、違和感]
ま、なんにしろ、今は身動きも取れんし。
招待側が、説明してくれるまで待つしかない訳だが。
[肩を竦めて言う頃には、憤りのそれはなく。
常と変わらぬ、飄々とした態度がそこにある。
ため息をつく青年の内心などは、当然の如く知る由もなく。
人と猫の攻防戦になにやってんだか、とぽつり]
…幼くても、人に違いは無いんですから。
小人だと、…少し語弊が出ると思うけれど。
[呆れ半分に苦笑を零しながらも、
小さな友人の返す挨拶に、ゆるりと金を揺らして。
繰り広げられる攻防戦も見慣れたものなのか、へらりと笑う]
藍苺に乱暴はよくないですよ。
――日頃の行いが物を言うんじゃないですか?
[緩やかに、小さく笑う金の青年も、猫の味方。]
そ。じゃあ俺が叩き折ってやろうか。…なぁんて。
[にゃーにゃー、ぐりぐり。
相変わらずの攻防戦を繰り広げながら、猫と戦う青少年は青年のほうを見る。
そこに隙があった。
猫、青少年の手を引っかく。猫、勝利]
――説明してくれるまで、ですか。
…気長に待つしかなさそうですかね、これは。
[招待客が、あとどれだけ来るのやら――…
ゆると翠を瞬きつつ、白の毛布に包まる少女に眉を寄せた。
…意味も無く無差別と言うわけでは無いのは、判るけれど。
玄関ロビー付近に転がっていた、謎のアレもそうなのだろうか。
思案するように、口許に手を添えて]
いいじゃねえかよ、お前なー。
昔あったデカい遊技場の入場券は大人・中人・小人って区別だったんだぞ!!
[引っかかれた手を不満そうに引っ込めながら、青少年は藍苺と日碧の間で蒼消炭の双瞳揺らす]
日頃の行いって何だよそれ。
餌に変なもんやった覚えはないっ。
今日だって海老と貝紐食ってんだぜ、こいつ。
[黒猫を睨み見下ろすも猫はそ知らぬ顔して仲良し相手のほうへと一声。にゃーん]
その叩き折りの挙句にどうなるか……まで、考えてんかねぇ?
[猫に敗北する様子に、くく、と笑いつつ、空いている椅子の一つにひょい、と腰を下ろす。
先ほど感じた違和感が気になるのか、視線は毛布に包まれた少女の方へ]
……まさか……な。
[零れ落ちるのは、小さな、小さな呟き]
考えてるわけないじゃん。
考えてるように見える?にーさんには、さぁ。
[とんとん、と自分のバンダナのない頭指差して悪びれる様子なく舌ひとつ出す。
小さな呟きに、ちろりと瞳は彼を見たけれど問いかける様子もなく、ただ黙して時が過ぎるを待つばかり]
――フェイ、まさかとは思うけど。
…小人(こびと)と、小人(しょうにん)は、違うよ?
[翠をゆると瞬きながら、視線を向ける。
引っ掻かれたらしい、引き下がる手に苦笑を漏らしながらも
大事では無いと判断したのか、特に言及せずに]
日頃の行いは、日頃の行いだよ?――餌に限らず。
…今日は、随分とご馳走貰ったみたいだね、藍苺。
[美味しかった?と、一声鳴く友人に小さく笑う。
大きな友人の言葉には、全く持って聞く耳持っちゃいない。]
[その頃。
ブリジットは待つのに飽きたのか、階下に降りたものの、広間には近寄って人の気配を確認したのみで、外へと続く廊下を歩んでいた。]
今から暴れて、いざ、って時に動けないのはただの馬鹿だからな。
……多少、不本意でも待つのが正解。
[金の髪の青年にひらっと手を振りつつ、軽く言って。
考えてるように見える、との問いには]
見えん。
[きっぱり、言い切った]
……ま、冗談はさておき、怪我やらなんやらは、そこの部屋で治せるらしーぞ。
個室に医療設備完備とか、おかしく至れり尽くせりで不気味っちゃねぇ……。
[ため息混じりに言いつつ、意識の一部は、記憶の奥へと]
…う。
[黙った。自滅]
なんだよそれー、ちくしょ。
[むす、と頬膨らませてご機嫌仔猫のほうを見やれば抱きしめられてるわ、何気に日碧と意思疎通しているわで、何だか飼い主としては悔しいばかりで、不機嫌そうに仔猫の鼻っ柱をはじいた]
あーあー、つうか今日の夕飯ひさしぶりに天津飯にしようと思ってたのによ。
帰れなかったら卵が傷むー…。
[眠る少女の髪をなんとなく撫でながらも紡ぐはまるで主婦の一言]
[わざわざ個室に行ったにも関わらず、鞄は手にしたまま。
緩やかに視線を彷徨わせながら歩み、玄関ホールに辿り着く。
周囲に気を散らしていたためか、隅の壁に転がっている物体に気づいた。卵のような白。まるで、寄りかかっているかのようにも見える。
来たときにも、あっただろうか。
その場に立ち止まり、上体をやや前へと倒して、覗き込むようにする。
動く様子はない。]
…ま、もっともですね。
[蒼の青年が告げる言葉に、溜息混じりに言葉を返して。
ふと、友人の零す言葉に緩く瞬いた。]
――ああ、それは勿体無いなぁ…。
フェイの作る天津飯、美味しいし。
[是非ともご相伴に預かりたい所なんだけど、と眉を寄せる。
しかし、――即刻に此処を後にする以外に、
流石に卵の傷みをどうにか出来る気はしない。]
……っつか、そこで俺が見えない、と言うとでも。
[ぼそ、と突っ込み一つ]
まー、取りあえずはのんびりするしかねーわな……。
そういう気分になれるなれない、はさておいて、な。
[はあ、と大げさなため息をつきつつ。
まだ眠っているらしい少女を改めて、見る。
記憶に残る妹分の一人と、その姿は容易に重なって]
……なわきゃねぇと思うんだけど、な……。
[無意識の内に、小さく、呟く]
[拳で、軽くノックのように叩く。
予想よりも柔らかい――というより、弾力があった。
しゃがみ込み、膝の上に腕を預けた姿勢で、今度は、指先で触れる。やはりというべきか、通常の卵とは異なる触感。
するりと、滑り落ちる手。]
……?
[造り物には思えず、かと言って、生き物というにも不可思議な存在。
答えは見つからなかったらしく、そして、どうにかしようにも自分一人では手に余る――途中、軽く押してはみたが、如何程の意味があったことやら――と考えたようで、立ち上がった。
スカートを叩く。]
へっへーん、俺の十八番だからな!
[天津飯、大好きだし作るのも楽しいし、と満面の笑み。
しかし作りたくてもここに厨房があるかどうかなど知りもしないし、愛用の厨具だってない。
そもそも、重要なのは自分のフラットの冷蔵庫の中身だ]
…いや、あんま期待してないかなー。
[ため息つく様子を横目にさらっと一言。
猫はといえば、もそもそと相変わらず隙間でぬくぬく猫たんぽ状態]
――この前の蛇はどうなのさ。…蛇は。
[満面の笑みに、小さく苦笑しながら、ぽつりと零す。
あれが十八番だったら、願い下げだ…とまでは言葉にしないけれど。
得意料理にするには少々好き好みが分かれる部分ではありそうだ。]
――、…?
もしかしてそっちの子も、知り合いですか?
[青年の呟きに、ゆるりと瞬く。
随分顔広いんですね、と冗談交じりに言葉を零しながら
ゆると首を傾ぐ。頬へ零れた金が、さらりと揺れて。]
それで正解。
[さらりと返された言葉に、更にさらりと返しつつ立ち上がり]
……て、え?
[金髪の青年の問いに、きょとん、とする。
どうやら、呟きを聞かれた事には気づいていなかったらしく]
……知り合いだったら、出来の悪い冗談……ってとこなんだがね。
[軽く肩を竦めて言いつつ。
悩んでいても始まらない、と見に行くのはここに来た時に個人データを見せられた端末。
登録されているデータから、目当ての物を見つけ出し。
数瞬、沈黙してから、また元のように椅子に座る]
……、?
まぁ…んじゃ、お知り合いじゃないことを祈っときます。
僕のお祈りじゃ、どれ程効力あるか知りませんけど。
[小さな吐息混じりに、ぽつりと言葉を返して。
黙ったまま、再び席へと戻ってきた青年に、
ゆると傾げながらも、深く追求することは*せずに*]
蛇?ああ、あれか。
十八番とは言わないけど得意ではあるかなー。
美味くない?ちょっと骨硬いけど。
[首を捻り、ご近所さんをじっと見る。
蛇だというまでは普通に食べていたくせに今更何を、と聞きたそうな顔になっている。
それから、アーベルの一連の様子を見ていたが、その間も少女の髪をなでる手は優しく、やさしく]
―殻の中―
[ふと、外に気配を感じた。
誰かの手が触れる感触に、浅い眠りから意識が浮上する]
――だ、れ?
[ぼんやりと寝ぼけた声が殻の内部に反響する]
[周囲は、暗い。
今出て来たばかりの建物とは異なり、立ち並ぶビルは崩れ落ちて、辺りを包む闇と相俟って、廃墟というに相応しい様相を示していた。
*恐れる素振りもなく、歩みだす。*]
……祈りとかってモンは、基本的に信じねー主義なんだけどね、俺は。
[呟きに、こちらも呟きで返して]
……考えすぎと偶然の一致……なら、いいんだが。
[軽く目を閉じて小さく呟き。
もう一度、眠る少女の方を見やってから、立ち上がる]
……さって、と。
ここにたむろしてても状況動きそうにねーし。
上に、個室用意されてるらしいから、そっち見に行ってみるか。
[身体を軽く伸ばしつつ言う口調は、常の飄々たるもの。
んじゃ、と言いつつひらり、と手を振ると、広間を出て、*二階へ向かった*]
……いっそ知りたくなかった、かな。
――そしたら、まだ平和に食べていられた気がする。
[例え、あの脊髄と堅い骨が、緩やかにうねる構造をしているな…と
食している途中に気付いたとしても、見えない降りして現実から目を逸らせたのに。
物言いたげに向けられる視線から、翠をゆるりと逸しながら
あの時の食卓を思い出して、小さく溜め息を*零した*]
―中央部建物玄関ホール―
[ブリジットが歩き去って幾らもせず、白色の物体が揺れた。
滑らかだった外見は羽毛にも似た複雑な起伏を生じ、
やがて形状そのものが外側へと膨張する。
開かれた白の中に覗く色彩は白に映える蒼。
たっぷりとしたフレアスカートが床に零れた]
――――。
[すっかり翼の形に変化した白い外殻は
はたりとフレアスカートの波に浮かぶように床に降ろされ、
そこには小首を傾げて周囲を見渡す少女の姿]
…いいじゃん、美味いのにー…。
[食べ終わってから伝えるよりは、騙まし討ちにならないからいいと思っているわけで。
八角を使ったそれは、なんとなく豚の角煮にも似た味でなかなかのものなのだが、あまり気に召さなかった様子に首をこてんと傾げてみれば猫がその状況を楽しむように*みゃー、と鳴いて笑った*]
■名前:イレーネ=ライアー Irene=Reiher
■年齢:17歳
■通り名:鷺
■武装:短刀(護身用程度)
■スタイル:特殊能力による近接戦闘、中距離も可能。特定条件下で特殊能力は無効。
■特殊能力:第三肢。背から突出したそれを自在に変形させ操る事ができる。基本形態は翼。
■その他情報:突然変異により生まれた奇病を先天的に持っている。しかし、その奇病を特殊な力により克服した事から、同病者や医学関係者には名を知られている。幼い頃から研究機関に閉じ込められていたため、常識がない。
生来持っていた能力は極々狭い範囲でしか通じない念動力と、これまた僅かな熱を操る力。その能力で奇病を克服した副産物として生じたものが、特殊能力の【第三肢】であるとされる。
肩甲骨付近から生えている白色のそれは有機物。硬度は変化させる事ができる。柔らかい時は仄かに温かく、堅い時は冷たい。気温が高いと発汗のような現象が起きる事も確認されている。
護身用に短刀が一本、上着の内側に隠されている。ただし、お守りのようなもので使われた形跡はない。
2F
┏━━━┳┳━━━┓
┃ 青 ┃┃ G ┃
┣━━━┫┣━━━┫
┃ H ┃┃ I ┃
┣━━━┛┗━━━┫
┃階段 階段┃
┣━━━┫┣━━━┫
┃ 研 ┃┃ 小 ┃
┣━━━┫┣━━━┫
┃ 職 ┃┃ M ┃
┣━━━┫┣━━━┫
┃ N ┃┃ O ┃
┗━━━┻┻━━━┛
…かな。
Iでも良かったんだけど(←階段脇希望らしい)
袋小路より動き易いよねー。とか。とか。
[しばらくの間、興味ありげにきょろきょろとしていたが。
両手を着いて立ち上がるとぺたぺたと素足で歩き始める。
宙に散るような声音でぽつりと呟いたのは、ひどく日常的な動詞]
――お腹、空いた。
[翼を引き摺って、玄関とは逆方向に廊下を往く]
[遠く正面に扉が見える。
そして、それよりも手前――左右に一つずつ扉。
その向こうには通路、もしくは階段がありそうだ。
『5つも行き場所がある、どうしよう』――という心の声。
階段の前まで来ると、目を閉じて片足立ち。
くるくる...とその場でスケートのスピンよろしく数回転。
さきほどまで引き摺っていた翼はその瞬間だけ
ふわりと軽くスカートと共に宙に舞う]
こっち――っ。
[両足を着き、目を開けば正面に見えたのは左側の階段]
[再び床に下りた翼を引いて、軽い足音が階段を昇る。
初めての場所に対する興味、誰かいないかという期待。
翼の先が意志を持っているかのように揺れる。
けれど]
――――。
[誰もいない、部屋ばかりのフロアにまたもやこてんと首を傾げて。
少し困ったような面持ちで、取り敢えずすぐ傍に見えた
部屋の戸をそっと開けてみた]
―個室・H―
[部屋の中には誰もいない]
お邪魔、しま――す?
[疑問調の意味を誰かが問えば、
『持ち主がいるのか分からないから』と答えた事だろう。
寝食完備の部屋の価値など彼女は知らないけれど、
冷蔵庫や戸棚というものに食料が入っている可能性が高いと
いう事くらいは知っていたものだから、
態度を音にするならわくわくと、それらの取っ手に手を伸ばした]
[お目当ての物はそこにあったようで、
喜色に翼の先がはたはたりと揺れる。
けれど、律儀なのか何なのか――
きちんと収納されている物には所有者があり、
その許可がなければ勝手に取ってはいけないと思っているもので]
――帰って、こないかな。
[ぺたりと床に座り込み、いもしないであろう
部屋の主の帰りをただひたすらに*待ち始めた*]
8人目、召使い ユーディット がやってきました。
召使い ユーディットは、聖痕者 を希望しました(他の人には見えません)。
―時:??? 場所???―
………え?
[夕方の雑踏、ざわめく人ごみ。
大きな紙袋を両手で抱え、横から覗き込むようにして前を見ながら店店をめぐって買い物をしていた少女は、肩を叩かれて呼び止める声に振り返った。
その先には、地味な服を着て帽子を目深に被った男。
呼ばれた名前に、少女の細い眉が中央に寄る。
再び、少女に向けて繰り返される言葉。
大きな荷物を抱えなおすように一度持ち直し、黒く長いスカートをふわりと揺らして彼女はその男に向かって首を傾けた。]
えっと…とりあえず、立ち話も何だし、その辺でも?
[ふわり、にこり、一見花が咲いたかのように笑う。
がその瞬間。
男が少女の持つ紙袋の下、黒光りする丸い口に気がつき、動きを止める。
少女はニコニコ笑いながら、すぐそこに見える茶屋を目で指し、その男と共に店へと入って行く。
黒く光る固いモノは、前を歩く男の背中に一度ぐり、と、押し付けられた。]
[店内をぐるりと見回すが、客は殆ど入っていなかった。
一番奥の端、窓の光が届かない4人席に決めると、面倒くさそうにやってきたウェイトレスの女にコーヒーをふたつ頼み、大きな紙袋を横の席に置いて男と少女は向かい合って座った。
依然、少女はぷわりとひろがったスカートの下に黒光するモノを持った手を沈め、男から見えるように動かす。
暫く無言でふたりは向かい合って座っていたが、コーヒーをふたつ、ウェイトレスの女が持って来て置くのを合図に男が口を開き、再び同じ事を口にした。
その言葉を聞いてまた少女は眉を顰める。]
エンジェル・リッパー?
なんでボクに向かってその名前を呼ぶの?
ボクは「ユーディット・クリューガー」。
初めまして、だよね?
[にこにこと笑いながら、少女は向かいに座った人物に問う。
向かいの人物は帽子を深くかぶりつつ俯いている為、表情はよめないだろう。
不意に動くと、つ、と黒い封筒を机の上に置いてきた。
少女は怪訝そうな表情で顎をあげ、見下すような角度から封筒を見る。
宛名は、「エンジェル・リッパー様」。]
だからさぁ。
…これ、ボク宛てじゃないよ?
後さぁ、ボク名乗ったんだからキミも名乗りなよ。
[少女はその封筒を見て、顰めた眉を片方だけ上げるようにして言う。
封筒を置いた男は、コーヒーに手もつけずにじっと座っている。
少女は、微動だにしない男に向かってふぅ、とひとつため息をついた直後、ぴたりと動きを止めた。]
…はぁい、分かりましたぁ。
[少女は目をほんの少しの間閉じて頷き、小さく声に出してからその封筒に細い指を伸ばして手にとる。
小指をたててゆっくりとコーヒーを飲むと、カシャリとカップを皿に戻し、にこりと笑い]
じゃ、渡しておいてあげる。
ボクの良く知ってる人宛て、ではあるからね。
[大きな紙袋を抱えて立ち上がり、黒く光る塊は一度手の中でくるりと回して黒いスカートのポケットへと入れた。
一度だけ、光が閃いた。
そのままゆっくりとした動作でカウンターに小銭を置いて茶屋を出る。
彼女の姿が人ごみにまぎれた頃、地味な服を着て帽子を被った男が、縦に半分に割れて倒れた。
悲鳴が起きる中、倒れた人物からパチ、と音が聞こえ。
切断面にはコードと機械が沢山埋め込まれいるのが見えた。]
―時:現在 場所:玄関―
[小さな音を立てて扉が開いた。
たっぷりと布を使った黒く長いスカートと膨らんだ袖の肩をゆらりと揺らしながら、目に布で目隠しをされた少女がゆっくりと入ってきた。
後ろに誰かがが付き添っており、彼女の目を覆う布を取り払う。
下を向き、はらりと落ちる布に現れた黒目がちな瞳をパチパチと瞬きながらゆっくりと目の前を見上げた。]
…へぇ。
ここが…
[きゅ、とスカートの横、手に持った小さな籠を握った。
籠の中には、黒い封筒。]
「ココが、「殺して喜ばれるところ」なのね。
何の変哲もないただの屋敷に見えるけれど。
まぁ、お金稼ぎと***が出来れば、私は良いわ。
ストリートファイトでは…イライラしていた所なの。
ねぇ、私のメイド。良く働いてね」
ボク、何したらいいんですかぁ?
あんまり疲れる事、イヤですよぉ?
[声に出して、楽しそうに笑いながら呟く。
くるりと周りを見渡す。
吹き抜けになっているホールに、低い革靴の踵の音は、必要以上に響く気がした。
後ろにいた人物が、何かを差し出した。]
ん?確認?
[振り返り、差し出されたものを覗き込む。]
■名前:ユーディット=クリューガー(Judith=Kruger)
■年齢:18歳
■通り名:エンジェル・リッパー
■武装:大鎌
■スタイル:大鎌による近〜中距離攻撃
■特殊能力:大鎌の形状変化と炎系の魔法が少し。
■その他情報:普段は「エンジェル・リッパー」と名乗ってストリートファイトでお金を稼いでいる。ストリートファイト好きなら名前は知っているかもしれない。
ふらりと現れては小さな大会で上位に食い込んで賞金を手にしていく。
パフスリーブで詰襟、裾は膝中ほどまである長いワンピースに、肩や裾をレースで縁取られた白いエプロンをつけ、「女中」の格好をしている。
足元から長いドロワーズの先のレースが覗き、踵の低い革靴を履いている。
長い髪は二つに分けて編み上げられ、後ろにたらしている。
エプロンの後ろ、蝶々結びに結んだあたりにまるで持っていることを見せるかのように小さな黒い拳銃を入れている。
ん、でも実際動くのはボクですからぁ。
良いんじゃないかなぁ?
[見せられたデータには頷いて、笑顔を見せる。
その人物は程なくして扉から消え、ホールに取り残された。
コツーン、コツーン、と靴の踵で床を蹴ってみる。]
…結構疲れちゃいましたぁ。
ね、もう休みましょぉ?
[玄関ホールをふわりとスカートを揺らしながら回りつつ色々観察していたが、ひとつ欠伸を落として目の端に涙を溜めた。
コツンコツンと音を立てながら歩くと、通路に階段が見えた。]
あは。
[口に笑みを貼り付けて階段を上る。
なんとなくそのまま進むと、一番奥の部屋――Oの部屋を、ノックした。
誰もいないようだったから、そっと体を滑り込ませて観察をする。
そのうち、設置されたベッドに体を投げ出して*眠り始めてしまった*]
/*
というわけで、mu_muでございます。
バトル村初めてで超ドキドキしてます!!
頑張ります!!
ちょっとイッちゃってますが!!!
9人目、教師 オトフリート がやってきました。
教師 オトフリートは、狂信者 を希望しました(他の人には見えません)。
「主人も亡くなってしまったし、貴方の仕事は今日で終わりよ。
今までご苦労様」
え、あっ……はい…。
[一方的に告げられる解雇勧告。
抗議することも出来ず、それを受け入れ頭を垂れた。
ここへ仕事に来て何ヶ月経っただろうか。
長くないことは確かである]
また短期間で仕事終わっちゃったなぁ…。
どうしてこんなに続かないんだろう…。
……やっぱり失敗ばっかりするからだよなぁ……。
[原因を自覚すると両手で顔を覆いめそめそ。
はぁ、と溜息をつき仕方なく事務所へと戻った。
燕尾服に身を包み、片眼鏡をかけ、こげ茶の長い髪を後ろで緩く結った青年。
その青年が戻った先は──執事斡旋事務所]
ただいま戻りました〜…。
今日でお仕事終わりだそうです〜…。
[またか、と言われるのもいつものことで。
何度目かの溜息の後に斡旋事務所の奥の部屋へ。
紅茶を入れてソファーに腰掛ける]
いつも長続きしない…失敗しないようにすれば良いんだろうけど、治らないんだよなぁ。
はぁ…………しょっぱ!!
[溜息の後に紅茶に口を付ける。
しかし砂糖を入れたはずの紅茶が何故かしょっぱい。
それもそのはず、間違えて塩を入れていたのだから。
よくやる失敗にまた頭が垂れた]
[そんな折、受付をしていた者が青年の居る部屋へとやってくる]
「お、まだ居たか、丁度良い。
お前さん指名で仕事依頼が来てるぞ」
私を指名で?
[話を聞き不思議そうにしたが、指名してと言うことは自分でなければいけないのだろう、と紅茶を片付けて受付へと向かう。
受付に居たのは黒いコートの襟を立て、ハットを目深に被った一人の男性。
顔は上手い具合に隠されていて、その表情は読み取れない]
ええと…私をご指名だとか。
至らぬ点もございましょうが、よろしくお願い致します。
[挨拶と共に頭を下げ、再び上げると男は「ついて来い」とだけ告げて事務所を出て行く]
え、あ、ちょ、待ってくだ……あたっ!
[慌てて追いかけようとして、閉まるドアにぶつかる。
ぶつけた鼻を摩りながら、遅れないように*その後を追った*]
『オトフリート=ゲルル、仕事だ』
[斡旋事務所から呼び出された後に辿り着いたのはとある薄暗い部屋。
その中で一人の男が口を開く。
黒髪のオールバックで黒縁の眼鏡をかけた、見た目潔癖そうな人物。
燕尾服を身に包んだその姿は、同じ服を着ているオトフリートとは違い、凛とした雰囲気を漂わせている。
対するオトフリートはと言うと、着ている燕尾服は同じだが、紅き癖のない長髪を惜しみなく垂れ流し、派手派手しい雰囲気を醸し出している。
かけられた声に軽く眉に皺を寄せ、紅い唇を尖らせて文句を口にした]
ちょっとー、ヴィルー、ヴィルヘイムー。
アタシのことはルージュって呼んでっていつも言ってるでしょー?
『(無視)
今度の仕事は”遊戯”に参加することだ。
貴様の他にも我が組織から二名参加する。
資料に目を通しておけ』
ハァ〜〜〜〜〜イ。
[無視されるのもいつものことなのか、さして気にした様子もなく、間延びした返事をし、資料を受け取る。
が、面倒なのかその資料に目を通すことはなく、ペラペラと資料をはためかせながら]
んでぇ〜?
アタシは何をすれば良いワケ?
『我が組織から参加する他の二名のサポートだ。
他二名はサポートに入る者が誰なのかを知らぬ。
上手く連絡を取り”遊戯”を盛り上げろ』
面倒な話ねぇ。
しかもいつものアタシの仕事と違うじゃなーい。
『文句は受け付けん。
これは決定事項だ』
ぶーぶー。
異能者の物色がてらやるイイオヨコウォッチが楽しいのにぃ〜。
『…………』
[胸の辺りで両手を組み、キラキラとした表情でその情景を思い浮かべて幸せそうな笑みを浮かべる。
仕事中に遊んでいるらしき発言を聞くと、ヴィルヘイムと呼ばれた男はルージュを睨みつけた]
おおコワ。
はいはい、ちゃんとお仕事すれば良いんでしょお〜?
参加者にイイオトコが居ると良いわねぇ。
少し楽しみになってきたわぁ♪
[睨みを乗せた視線に気付くと、おどけたような大袈裟な仕草で肩を竦めて見せ。
新たな楽しみを見つけると真っ赤な唇の両端を楽しそうに持ち上げる]
『私情を挟まず任務を遂行しろ。
そうでなくとも貴様は問題行動が多いのだからな』
面と向かって言ってくれるわねぇ。
ま、否定はしないけどぉ。
それじゃ、楽しみつつ任務遂行してくるわねぇん。
[パチリと片目を瞑り、投げキスをすると軽やかな足取りでルージュは部屋を後にする。
一人残ったヴィルヘイムは、その様子を冷めた視線で見送った]
/*
はい、初っ端から独り言を200pt消費してるオトフリートことろこあです。
今回は執事で突っ走ります。
ただの執事ではありません。
赤執事です(分かる人には分かる、もしかしたらここに居る大抵の人が分かるんj)。
そんなこんなでプロロ中は基本的に大人しい方です。
バトル始まったりすると赤いのが出現します。
では皆様よろしくお願い致します(ぺこり
*/
/*
さて中身当てですが。
何故かユリアンがゆずるさんレーダーに引っかかっております。
当たってるんでしょうか。
後は アーベル:たすくさん、ユーディット:Mayさん、ブリジット:萩月さん 辺りが引っかかってますかね。
まぁ中身当てそこまで得意でもないんで、あくまで仮ですが。
*/
/*
プチ設定どん。
・組織に入った理由
面白そうだと思ったから。それ以外の理由はほぼ無い。
今から10年程前にふらりと組織へ現れる。
普段はその能力から、様々な場所へと出没し、目ぼしい異能者の情報を集めている。
今回は上からの命により”遊戯”に参加。
盛り上げることを命ぜられる。
オトフリートの上司は若いが黒髪のオールバックで黒縁のメガネをかけた冷徹漢。
この二人は何故か基本的に執事服(燕尾服)。
*/
/*
そう言えば、アルトゥルって、前に黒猫の名前に使ったなぁ……(笑)。
あの時はアルトゥールだったけど。
近未来のAIで、黒猫のホログラフ。
*/
[結局、少女は目覚めずじまい。
自分も腹が減ったもので、適当に食料を探すことにした。
向こうが連れてきている以上、何らかの形で衣食住は確保されていると青少年は確信していたからだ。
そんなわけで通路をあるき、いくつかの個室群の並ぶ中の扉をひとつ開ける。
何のためらいもなく中を開けたわけだが、中に人がいたりとかそういったこともやっぱり考えていなかったらしい。
藍苺は少女の傍らでだらしなく腹を仰向けに転がっていたからそのままにしておいた]
−広間→個室K−
/*
クリューガーってどうしてもBoAのキャラしか出てこない(爆
そこから来てますかもしかして。
そしてそろそろ独り言が1600になる件。
何もそもそしてるんだろう、自分(笑)。
*/
[さて。そして現在に移る。
自分も寝床を確保して睡眠たっぷりとった、冷蔵庫は夕べのうちに発見。
やることはひとつ]
……是飯飯!!
[ごはんごはん!!
用具を確認すればラッキーなことにそれなりに中華の厨具もそろっている。
しめしめ、と青少年心のうちでほくそ笑んで調理開始。
しばらくすれば熱々の粥に、油條(あげパン)、豆苗と鳥の炒め物、ザーサイと根菜の和物、そのほか、そのほか。
何でこんなに中華材料がそろっているのかは深く考えず、部屋のドアを軽く開けっ放しにしていたのも忘れていたから、まさか通路に音もご飯の支度の匂いも駄々漏れだなんて、もちろん青少年が気づいているはずは*なかった*]
/中/
しかし。
もう、おとにーさんを演る事はないわけだし。
いっそ、オトさん執事に変えちまうかなんて考えたのは取りあえずネタ。
さて、ぼちぼち、縁故はセーブせんとな。
役職的に組織の柵がない分、感情優先の動きになりやすいし。
で、後はてぃるるんとなたさんか。さてさて。
しかし、ストリートファイト『でも』って、それ以外は何してんだ、って感じだよね(笑)。
賞金稼ぎから暗殺まで、色々幅広くやってそうだけどね!
/*
データファイルに載せるデータを纏めてたんですが…一発言に纏まりません、助けて下さい(爆
まぁ改行多いだけなんですけどね。
改行減らしますか。
*/
[男に案内され辿り着いたのは、ビルの瓦礫に囲まれた場所]
えーと……新しい仕事場、なんでしょうか。
[ポカンとした様子で立ち尽くす青年。
立ち尽くす青年の目の前には一件の屋敷。
男は「ここに居ろ」と告げるとすぐに居なくなってしまった]
あの方は居なくなってしまったし…他に誰か居ると言うことなのかな。
誰かが居ないと、私の仕事が出来ないし…。
[執事は他人の世話をする仕事。
誰かが居ねば成り立たない。
若き執事は、屋敷の中に入るでもなく、しばらくボケーっと屋敷を見上げている]
[若き執事が屋敷を見上げている頃、参加者のデータファイルにデータが1つ追加された]
■名前:オトフリート=ゲルル(Otfried=Gerl)
■年齢:外見20代後半。詳細不明。
■通り名:Schatten(シャッテン/影)
■武装:なし
■スタイル:特殊能力である影を使用し、遠・中・近距離バランス良く対応可能。ただし、特殊条件下では影の使用が出来なくなる。
戦うだけでなく影を通じての移動も可能だが、予めの準備が必要で、色々制限もかかる。
近距離戦も可であるため、体術も多少は身につけている模様。
■特殊能力:影使い
■その他情報:執事斡旋事務所に所属する若き執事。
とは言え生来のドジ属性のお陰で派遣され解雇されを繰り返している。
稀に度量の広い主に拾われ長期間勤務したりもするが、大抵は1〜2ヶ月で事務所に戻って来る。
また、その特殊能力故にあらぬ疑いをかけられ解雇されることもしばしば。
それで居て事務所から除名されないのはその能力故。
執事の斡旋をされると同時に裏の仕事も請け負うことがある。
短期間で事務所へ戻ることになるのは、つまりはそう言うことも含まれているのだ。
尤も、その仕事が無い場合に短期間で戻って来るのは、前述の理由が主である。
仕事を請け負った場合でも、表向きは前述の理由が使われる。
Schatten(シャッテン/影)の二つ名は、使用する特殊能力から。
また、特殊能力を使用する時、時折紅い長髪の人物が目撃されることがあると言う。
その人物との関連性について詳しいことは知られていない。
─二階・個室(F)─
[取りあえず、適当に選んだ二階の一室。
適当に選んだつもりのわりに、それなりに自分の好むものが揃っている件について色々と突っ込みたい、と思いつつ]
……チビども、ちゃんと食ってるかね……。
[一応、後を任せられるだけの者はいるのだが。
自分不在の状況が長ければ、他の集団に付け入られる隙も増える、と考えるとさすがに不安で]
……っとに……めんどーな。
[窓から空を見上げつつ、ぼそり、と呟き。
それから、ふらり、と個室を出る]
ええと…おじゃましま〜す…。
[見上げていた視線を戻すと、玄関の扉を恐る恐る開き、中に声をかける。
その声は消え入りそうなものであったが]
……誰も居ないのかな。
それともおでかけ中なんだろうか。
中で待たせてもらおう…。
[玄関ホールに入り、キョロキョロと見回す。
屋敷の大きさからそこそこ財のある人なんだろうか、と考えつつ、奥へと進んでいく]
…あ、何か良い匂いが。
コックさんも居るのかな。
[階段辺りで立ち止まり、匂いのする方へと視線を向けた。
匂いが二階から漂っていることに首を傾げはしたが]
[廊下に出て、ふと感じたのは人の気配が増えた、という事。
個室の数は十。つまり、それだけの人数が集まる、という事か、と呟きつつ。
妙に気になったのは、隣室の覚えのある気配]
……いや、さすがにそれって。
[ないだろー、と思いながらも、やはり気になり。
ドアをノックするも返事はなく、鍵のかかっている様子もないので細くドアを開けて中を確認し]
……やめれ。
[思わず、口をついたのはこんな一言だったとか]
[隣室にいた少女の姿には覚えがあり。
それだけに、頭痛めいたものを感じたとか感じなかったとか。
取りあえず、床で転寝しているのは辛いだろうから、とベッドでちゃんと休ませて]
……っとに……これ、『予測』通りだと思いっきり状況劣悪なんだがな。
[ぼやくように呟きつつ、そっと部屋を後にして、階下へと向かう]
[見上げた階段から人の気配。
姿が見えると何故かびくっと身を強張らせ]
えっ、あっ、こ、こんにちは!
勝手に上がらせて頂いてます!
[物凄い勢いで頭を下げた。
オトフリートは目の前の人物が家主であると認識]
……はぁ?
[階段下にいた人物に、唐突に頭を下げられ。
口をついたのは、惚けた声]
……いや、勝手も何も……。
呼ばれて来たんなら、問題ないんじゃねぇの?
[相手の勘違いなど、当然理解の外]
[廃墟を抜けたブリジットが踏み入れたのは、延々と広がる砂地だった。
見通しはいいのだが、いかんせん、冬の装いには暖かいを通り越して暑い。
高く積もった場所も逆に窪んだ場所もあり、時折、足が沈み込む。外部との連絡を諦めていないのか、片手で端末を弄りながらの探索は、少々危なっかしい。
しゃららと鳴るストラップの山は、一種の音色を作り上げているようでもある。
先程の振る舞いも含め、――彼女が、前方に立ち塞がる影と対等に渡り合うことなど、出来そうになかった。本来ならば。]
[気配には気づいていたようで、視線を上げてその姿を捉える。
眼前には、「有り得ない」存在。ブリジットに、驚いた様子はない。
三つ首の、巨大な獣。
されど伸びる尾と、靡くたてがみは蛇の如く。
鋭い牙は、易々と少女の身体を貫けるだろう。
地獄の番犬。
なればここは冥府であり、集められた者は捕えられた魂か。
逃れようとするものは、喰らわんと。
獣の咆哮が聞こえる。]
なるほど、ね。
けれど――
[唇が紡ぐ、音。]
[ブリジットは、その場に佇んでいた。
幾らかの攻防はあったのだろう。衣服の乱れが見受けられ、辺り地面には、彼女の足跡と獣の軌跡が残されている。
しかし、彼女自身は、片手に端末を持ち、もう片腕には鞄を提げ、変わらぬ態で、真っ直ぐに眼差しを向ける。]
火は心、生命の焔。
さかえ、さかれ。
冥府の守なれば、其は業火とならん。
<揺れる炎が赤々と夜空を照らす。
蛇の舌の如き朱は赤銅色の体躯を舐め、黒を帯びさせてゆく。
苦悶の呻き声。獣の耳に、肉の焼け爛れる音は届いたか。>
地に在りし魂、天へと昇れ。
たかく、とおく。
何処の民なれど、還る場所は皆同じ也。
[口許に指を添える。
擦れ合い、鳴る飾りの音のほうが、彼女には近しい。]
<燃やすもの――或いは、「種」が失くなり、火は消える。>
[残されたのは、魂の喪われた器のみ。
砂地に、巨躯が倒れ込んだ。もはや、動くことはない。
パタリと端末を閉じる。
目を伏せて、深呼吸。
熱源の近くにいたにも関わらず、彼女は火傷は無論として、汗すら掻いているようには見えなかった。]
さて。
これは、出られそうにないかな。
[暢気に呟き、踵を返す。
天を覆う、闇。
*月は静かに地を照らしていた。*]
……へ?
[下げた頭に降って来た声は予想外のもので。
恐る恐る頭を上げる]
え、あれ…?
この屋敷の方ではないのですか…?
た、確かに私も呼ばれて来ましたけれど…。
[執事の仕事として呼ばれたと思っていたわけで。
他に客人が居るとはもちろん露ほども知らない]
[妙に惚けた反応に、微かに目を細めつつ、首を傾げる。
どうにも、呼ばれた対象に統一性がないのではないか、と。
ふと考えたのはそんな事]
いや、俺も招待されたクチ。
ここの主は……ま、呼ばれた相手が揃えば、出てくんじゃねーの?
[どこか投げやりな口調で言いつつ、軽く、肩を竦めて見せ]
…くあぁぁ。
[ベッドの上、手の先から足の先までピーンと伸ばして伸びをする。
良く寝た、と呟いて体を起こせばカーテンの隙間からは光が漏れているのが見えた。]
おはよーございますぅ…。
そ、そうなんですか…。
[目を丸くしたまま目の前の少年を見上げる]
では今は屋敷の主様はいらっしゃらないのですね…。
呼ばれたお客人のもてなしをすれば良いのでしょうか…。
[ぽりぽりと頬を掻いて呟く。
ふと気付くと自分が階段を塞いでいる形になっていて。
慌てて横へと身体をずらす]
あわわ、失礼致しました。
どうぞ。
[未だ階段に立つ少年に道を譲った]
−中央部建物2F・個室(K)−
[ブリジットが再び建物へと戻って来たときに、あの「卵」は無かったが、何処かに運ばれたのだろうかと、深く追求することもなかった。
眠りについたのは他者に比べれば遅かったが、目覚める時間には変わりない。]
……あ。
[鏡の前で身支度を整えていたが、小さく声を上げた。
下着はともかく洋服は諦めたようで、昨日と同じ、制服姿。]
破けてる。
[スカートの裾を摘んで、呟く。
正確には「裂かれている」のだが。原因は、言うまでもなかった。
襞に隠れて目立たないとは言え、気になるものは気になるらしく。ガサガサと鞄を漁るが、裁縫道具は見つからなかった。室内にも、同様に。]
困ったな。
[部屋に取り付けられていた冷蔵庫を開けると、食材が色々揃っていた。
鼻歌など歌いながら、中からリンゴを取り出すとしゃくりとかじった。透明な汁が、小さく飛ぶ。
ベッドの脇に置いてあった黒い銃を腰の後ろ、エプロンの結び目の上に挟むと、リンゴをもう一口齧りながら部屋を出た。]
人の気配、かなぁ…?
[しゃくり、とやりながら歩いていると、目の前の扉が開いてきょとりと目を開いた。
中から少女が出てきたので、更に驚いて]
…びっくりしたぁ。
あんまり驚くと思わず斬っちゃいそーだよ。
[首を傾けてブリジットに向けて言った。]
[道が開けられると、よ、と言いつつ階段を蹴る。
それなりの高さからの飛び降りだが、危なげなく着地して。
ども、と言いつつ右手をひらり。合わせて揺れる、糸の束]
もてなしねぇ……二階の部屋見た感じ、自供自足でよろしく、ってとこな気がするんだが……。
ま、あんたも招待されたんなら、そこまで気ぃ使わなくてもいいんじゃねぇの?
[きょとり。]
……おはようございます。
驚かせて、すみません。
斬っちゃう、って。
[首を逆側に傾げてみせる。]
鋏職人ですか?
[意識は裁縫関連に向かっている。]
[綺麗に着地する少年を目で追う。
その視線は感嘆に満ちたものだったが、続く言葉にその瞳を瞬かせ]
え…自給自足…?
呼ばれたと言いましても、私は執事の仕事を依頼されたのだと思っていたのですが…。
事務所を通してでしたし…。
[自分の考えと事実にズレが生じ始める。
考えながら振られた右手に合わせ揺れた糸に一瞬視線が向くか]
あははははは。
鋏かぁ、鋏で斬った事はないよぉ。
ぱちんって、手ごたえあるのかなぁ。あは。
あ、こんにちは。
ボク、ユーディット・クリューガーって言います。
[後半少し慌てたように、スカートを持ち上げ腰を落としてお辞儀をした。]
やっだもうちょっとこの子可愛いじゃな〜い!
こんな子も参加者なの?
俄然やる気出てきたわ!
ヴィルったらたまには良い仕事くれるじゃない!!
[Änderungの中できゃあきゃあとハイテンション]
/*
ところでデータで出した分だけで元ネタ割れてたりするんでしょうか。
分かる人には分かるかもしれないし分からないかもしれない。
そしてユーディットはMayさんじゃないかもしれない。
*/
……いや、ここって普通に考えて執事の仕事はいらん気もするけど……。
[昨日、モニタールームから確認した周辺の様子を思いつつ、呟くように。
相手の視線が糸に向くのには気づいても、特に気にした素振りは見せない。
裏通りの事情に詳しい者なら、そこから自身の素性を察するのが容易なのは、知ってはいるけれど]
[手応えの問題なんですか?
そう問おうとしたが、お辞儀をする相手を見て、同じように礼を返す……ことは出来ないから、頭を下げた。]
こんにちは、ブリジット=エメスと言います。
[視線を戻して、改めて、ユーディットを見る。
目に付くのは、白いエプロン。ふわりと広がるスカートも、特徴的な膨らんだ袖も、「女中」と言われるものの服装で。]
……。
ここの方ですか?
ここ?うぅん。
ボクも昨日、ここに来たとこだよぉ。
キミは、違うの?ボクに聞くくらいだからここの人じゃあないよねぇ。
っていうか、ここ、人いるんだ?
挨拶しないといけないのかなぁ。
[にーっこりと満面の笑みを浮かべた後、きょろ、と周りを見渡した。
閉まっていたり開いていたりする扉が見えるばかりだったけれど。]
「呼ばれたのは、貴方の主人である私。
呼んだ人がいるなら挨拶をしておいてもらいたいところだけれど…いるのかしらね?」
はぁ…。
私はここに居るように、としか聞かされていませんもので。
詳細も何も聞いていないのです。
私を指名して仕事の依頼が来ていたのは少々不思議には思いましたが…。
[仕事を請けた時から引っかかっていたことだったが、そう言う依頼も極稀にあることはあるため、そこまで違和感は覚えなかったようだ。
糸に視線を向けたのは本当に一瞬。
今は興味が無いかのように視線は目の前の青年へと向けられている]
何はともあれ、主様がいらっしゃるのを待つしか無いでしょうか…。
私が呼ばれた理由をご説明頂かないと。
ああ、そうでした。
申し送れました、私はオトフリート=ゲルル。
先程申しましたように執事の仕事をしております。
以後、お見知りおきを。
[思い出したようにして姿勢を正し、頭を下げる。
再び頭を上げると、にこりと笑みを浮かべながら自己紹介をした]
ええ、わたしも、昨日に。
「連れて来られた」人は、いるみたいですね。
わたしの他にも……
[言葉を交えたアーベルと、広間で感じた複数の気配。ついで、玄関に転がっていた「卵」の事も思い出したが、それは数に入れなくてもいいだろう。]
二、三人、もっといるのかな。
[指折り数えた。]
多分、広間辺りに行けば会えるんじゃないかな、と思いますけれど。
[釣られて視線を彷徨わせる。
やけに、いい匂いがした。誰かが料理を作っているのだろう。……扉も閉めずに。]
「殺すかもしれない相手なのかしら?
だとしたら、見ておきたいわね、イメージトレーニングとかするのも楽しいかもしれないわ。くすくすくす」
ふーん。
ウロウロしてみようかなぁ、ボク。
キミ、えとブリジットさんは学生さん?
その服、可愛いねっ。
[しゃくり、手に持ったリンゴを齧りながらひらりと手を振り、降りる階段へと歩き出した。]
詳細聞いてるのなんて、いるのかねぇ……。
[手荒い『招待』の事を思い出しつつ、ぽつり、呟く]
ま、後で説明する、って言ってたし、その内お達しあるんじゃね?
むしろ、ないと困るっていうか。
[肩を竦めつつ、投げやりな口調で言い放ち]
……アーベル=シュトゥルムヴィント。
気が向いたら、覚えとけばいいと思う。
[自己紹介にも、その口調のままで素っ気なく返した]
「あの手紙には「殺しをしたければ来い」だけだったわ。
良く考えたら、ここであう人たちを殺すわけじゃなくて、仲間になる、って可能性も高いわね。
協力して何かを「殺す」のかしらね?
それとも…ただの「罠」だったりしてね?くすくすくす」
え。
あ、と……
ありがとうございます。
[褒められるとは思わずに、反応が遅れた。
立ち去るユーディットを見送りかけて、]
じゃなくて。
[本来の目的を思い出して、パタパタと後を追う。
階段のところで漸く追いつきかけるも、声をかける前に、階下から聞こえて来る意識を移した。]
ん?
あれ、誰かいるねぇ。
[追いかけてきたブリジットに一度振り向きつつ階段を降りて行くと、人影が見えた。]
こんにちは、初めまして。
ユーディット・クリューガー、です。
[見えた人影ふたりに、再びスカートを持ち上げ腰を落としてお辞儀をする。
が、下にいる青年の顔を見て、ぴた、と動きを止めて首を傾けた。]
説明がないと私も困りますね…。
通常でしたらすぐに仕事内容の確認等があるのですが、今回はそれがありませんし…。
[あくまで執事の仕事を依頼されたのだと思い込んでる。
相手から名を返されると]
アーベル様、ですね。
執事たるもの、お客様のお名前はきちんと覚えなければなりませんから。
[しかし数が増えると間違えるのがこの執事の欠点だったりする]
何かお飲み物でもお入れしましょうか?
広間ででも………。
[言いかけてきょろきょろ。
広間の場所などまだ確認していない。
次第にきょろきょろがおろおろに変わる]
[みたいですね、と頷いて。
ユーディットの後に続いて、ゆっくりと階段を下りる。]
ああ、アーベルさん、と――
[二人以外の人間と、ここで顔を合わせるのは初めてだ。]
こんにちは。
ブリジット=エメスです。
[まずは、と、挨拶を投げた。]
[一体どんな形で連れてこられたんだ、こいつ、などと考えつつ。
様、呼びには一瞬だけ渋い顔をするが、多分突っ込んでも無駄だろう、と思って何も言わず]
……広間は、そっちの奥。
ただ、茶淹れたりする設備はなかったな。
[奥の方を指し示しつつ、言って。
上から降ってきた声にそちらを見やり]
……お?
[そこに立つ少女の姿に、短く声を上げた]
え、あ。
は、初めまして。
[丁寧な挨拶にこちらも深く頭を下げて]
オトフリート=ゲルルと申します──ぁれ?
[目の前には女中──メイドの姿。
自分以外にも世話する者が居たのかと目を瞬かせた。
その後ろから現れる少女に気付くと、同じように頭を下げ名を告げる]
[アーベルを、睨むようにじっと見て]
あれ、どっかで見たことあるよーな…?
[指で眉間を揉みながら、記憶を探っていると、オトフリートの間抜け(失礼)な声がきこえて]
…あれ?
キミ…オトフリートさん、も、ボク知ってるっけ?
[首を傾けた]
[見詰め合っている間を縫って、一回の床に降り立った。
三人をそれぞれ、順に見て、]
……お知り合いですか?
そういう集まりなのかな。
[オトフリートと名乗った、長い髪の男性を見やり、呟いた。
女中姿のユーディットと並ぶと、まるで上流階級の屋敷を訪れたかのような、錯覚に陥る。]
あ、ああ、そちらでしたか。
すみません、まだ屋敷の確認をしておりませんもので。
[青年──アーベルの言葉に申し訳無さそうにぺこぺこ頭を下げて。
続く言葉にははた、と動きを止める]
え、無いのですか?
それじゃあお持て成しが出来ないじゃないですか…!
[告げられた事実に更におろおろ。
そんな中でメイド──ユーディットに声をかけられ]
あ、いえ。
私以外にもお客様を持て成す方がいらっしゃったのかと思いまして。
私、執事の仕事をしております。
[それらしい立ち振る舞いで再び頭を下げる。
……どうも頼りなさげではあるが]
お。よ。
[続けてやって来たブリジットに、ひらり、と右手を振り。
睨むようにこちらを見るユーディットに、やや、わざとらしく首を傾げて見せる。
こちらは、記憶を辿るまでもなく相手が誰か、察したらしい]
[少女──ブリジットの言葉には]
いえ、私は皆様初対面でして。
何かの集まりなのかどうかはさっぱり。
私は仕事として呼ばれた……のだと思います。
[少しずつ不安が出てきたのか、語尾が弱い]
……そっちの部屋。
[オトフリートの様子に、調子狂うな、などと思いながら、今度はモニタールームの方を示して]
そこの端末で、ここの見取り図とか見れたぜ。
[見て覚えられるかどうかはまた、別問題かも知れないが、それこそ知る由もない事で]
だから、その手は全部個人用になってるらしいんだって。
なんで、とか、俺に聞かれても困るが。
[むしろ、答えられる方が珍しいかも、とか思いつつ]
……針と糸?
[ブリジットの問いに、さすがにきょとり、と瞬き一つ]
仕事……。
[「ここに来た」とだけ言ったユーディットとは、どうも異なるらしい。
自信無さげに見えるオトフリートを、暫く、不躾とも言える様子で眺めていたが、]
ああ、スカートが破けてしまいまして。
[鸚鵡返しに言うアーベルへと視線を移して、裾を軽く引いて見せる。
下はタイツとは言え、はしたないと思ったか、示すのみ。
破けたにしては、すっぱりと切れているのは見て取れるが。]
[アーベルに示された先を見て部屋を確認し]
え、あ、そうなのですか?
見取り図があるんですね、それなら何とか…。
[きっと覚えきれないだろうが]
個人用、ですか…。
何だか私の存在意義が無いように思えてきました…。
[かくっと項垂れる。続いてブリジットの声が聞こえれば]
あ、携帯用のソーイングセットでよろしければ…。
[懐から取り出そうとして]
《ばらばらばらばらばら》
あああああああ!
すすすすみませんっ!!
[蓋が開いていたようで待ち針やら何やらが床に落下。
慌てて拾おうと床にしゃがみ込む]
[うーん、と眉間を揉みつつ、いまいちアーベルを見た記憶が思い出せずに唸る。
オトフリートの言葉には]
執事?
ああ、ボクメイドだけどご主人様にしか仕えないからここのメイドじゃないよ?
[ブリジットの言葉には、首を傾けて手元を見て]
針と糸、あるよぉ。
でも、糸は黒と白しかないけど…って、あ。
[オトフリートがばら撒いたソーイングセットを見つめた。]
破けた?
[なんだそりゃ、と思いつつ。
示された場所が場所なので、視線は一瞬向けるに止めてすぐに逸らす。
破けた、という表現とはややかけ離れたそれに、僅かに蒼が細められたのに、気づいた者はあったか否か]
……そりゃまた、災難で。
ま、生憎と裁縫道具の持ち合わせはねーからなぁ。
[どっかに置いてないもんかね、と。
軽く言いつつ、首を傾げる]
存在意義って、そこまでのもんかよ。
[かくり、と項垂れる様子に呆れたように突っ込みつつ。
ばらばらと零れ落ちるソーイングセットに、前髪をかき上げつつ、あーあ、と息を吐く。
例え執事として呼ばれたのだとしても、これで役に立つんかい、と。
その瞬間、素で考えていたとかなんとか]
[唸るユーディットの様子には気づいていても、ここで話す事でもないから、と、今は言わず。
それでも、右手は、糸が彼女から見える位置をキープしているが]
[慌てて針や糸を拾うも]
あいたっ!!
[拾うたびに針に指を刺している。その痛みに悩まされながらもユーディットに]
え、と。
他に主様がいらっしゃって、その主様はこの屋敷の方ではないと言うことでしょうか。
[確認するように言葉を紡ぐ。
その間にも指に針を刺していたりするのだが]
[確か、クラスメイトの家――学校に通う者は、総じて裕福な場合が多い――にいたと思ったが。こうしているということは、解雇されたのか。失礼な納得をしながら、拾うのに苦戦しているのを認め、しゃがみ込んで、]
慌てると、余計に危ないですよ?
血、出てません?
[問いかけながら、こちらは危なげなく拾う。]
そうそう、災難ですよねえ。
[アーベルを見上げて、表情を崩した。
口調は変わらず、のんびりとマイペースだ。]
どうにも外は、危ないみたいです。
犬に吼えられましたから。
[嘘は吐いていない。]
はひ?
[涙目になりながら針を刺した指を咥えつつ視線はブリジットへ。
聞こえたのは執事の部分だけのようだが]
えーと……どこかでお会いしたことありましたでしょうか…?
[思い出せないようだ。
アーベルからの突込みには]
だって仕事のために呼ばれたはずなのに、するべき仕事が無いのでしたら、私は何のために呼ばれたのかと言うことに…。
[未だ眉間を揉んでいたが、アーベルの手首に糸を見つけるとぱっと目を開いて]
あーーー!!思い出したぁ!
…あ、いや何でもないっ。
[思わず指をさして少し大きな声を出す。
が、すぐにその指を背中に隠すように後ろに回してふるりと首を振る。
オトフリートの言葉に、再び視線を向けると]
うん、そーだよぉ。
ボクのご主人様は、ボクだけのご主人様で、ご主人様のメイドはボクだけだからぁ。あは。
[しまりのない笑顔を向け、足元にキラリと光った針をかがんで拾い、はい、と差し出した。]
ああ、気にしないで下さい。
[にこりと笑んだ。
彼からしてみれば、一客人に過ぎない自分を覚えていなくても無理はないだろうと思ったから。執事としてどうなのかは、ともかく。]
ご主人様って、それなら、ここにいていいんですか?
[やはりメイドなのかと納得はしながらも、浮かんだ疑問に、同じように針を拾うユーディットの言葉に、声を投げる。]
血は……出てます。
[器用なのか不器用なのか。
拾う度に同じ場所を刺していたりする。
針を拾ってくれたことに気がつくと]
あああ、すみません。
ありがとうございます。
[ぺこぺこと頭を下げてまた拾い始める。
もちろんまた同じところを刺すのであるが]
……見ていて不安だから、大人しくしていて下さい。
[妙にきっぱりと言い切って、拾おうとする彼を制した。
溜息交じりに、怪我をしたらしいその手を取ろうとしながら。]
っていうか、こんなとこに連れてこられた時点で災難?
犬……ねぇ。
躾の悪い番犬でもいたわけ?
[ブリジットの言葉に軽く返す。
彼女の言う犬を普通の犬と捉えているかどうかは、表情からは伺えず]
そんなん、俺に言われても困るんだが。
[オトフリートには、呆れたような口調でこう返す。
思いっきり、扱いは他人事]
なるほど、私とは状況が違うようですね。
では別の場所でメイドをなさっている貴女が何故ここに?
ここの主様がお呼びになられたのでしょうか。
[ユーディットの言葉に納得するように頷いて。
しかしすぐに浮かんだ疑問に首を傾げた。
その最中、拾った針を差し出されて]
あああ、ありがとうございます。
すみません、皆様にご迷惑を…。
[渡された針はソーイングセットへと仕舞う。
手伝ってもらったお陰で落としたものはどうにかソーイングセットに収まったことだろう]
[ブリジットの言葉には、にっこりと笑って]
だってここに居る事も、ご主人様の為だからぁ。
あはは。
犬?
随分凶暴な犬がいるんだねぇ。
[じ、と裂けたスカートを見た]
[拾おうとする手を制され、きっぱりと止められると]
……はい。
[すごすごと引き下がる。
怪我をした手を取られると、きょとんとした様子でブリジットを見返した。
アーベルの呆れ口調には]
それはそうなんですが…すみません、アーベル様に申しても分からないことは分からないのですよね。
失礼致しました。
[しゃがんだままだが謝罪のために頭を下げた]
それもそうですね。
[本当に災難と思っているのか否か、彼女の物言いも、軽い。
アーベルの問いかけに、ええ、と首肯した。]
そうですよ、躾が悪いですよね。
見境なく、襲うだなんて。
周りは廃墟かと思えば、砂漠みたいな場所は広がっているし、
外への出口も、結局、見つからなかったし。
[はぁ、と大袈裟な溜息。
ユーディットにも、本当です、としみじみ言う。]
[オトフリートの言葉にも同じ笑みを返しながら、視線を針を刺した指に移した。]
ここの主がどーとかは知らないよ。
ボクはボクのご主人様の言う事を聞くだけだもん。
ね、血ぃ、出てるよ。
[視線は赤から外さずに。]
……どれだけ刺してるんですか。
[赤の見える指に、またしても溜息。掌で拭うようにオトフリートの手を擦り、スカートのポケットからハンカチを取り出して、とりあえず、くるりとその手に巻いた。傷の手当てというよりは、余計な事をしないように、という静止の意味合いを込めて。]
救急箱くらいあるんですかね?
それとも、持っていらっしゃったり?
[セーターの位置がずれて、ベルトが覗いた。小刀までは見えたかどうか。見えても、鞘程度だろうが。
自分の手に移った赤を舐める。]
いやま、別に謝らなくてもいいんだけど?
[頭を下げるオトフリートに、ひらひらと手を振りつつ言う。
こいつ調子狂う、と思っているのが、口調に現れているかも知れない]
見境なく、ってのは、穏やかじゃありませんこと。
招待主は、よっぽど客に帰ってほしくないらしいねぇ。
[大げさなため息をつくブリジットに、飄々とした口調で言って。
僅か、思案の素振り]
……とはいえ、建屋の中にこもってんのは性にあわねぇし……ちょいと、散歩にでも行って来るかな。
はぁ、そうですよね…。
主様がいらっしゃらないと、私は何のために呼ばれたのかが分からなくて…。
[ユーディットの言葉にかっくりと項垂れる。
血を指摘されると]
…ええ、出てます。
さっきから何度も刺しているもので…。
[めそめそ。
ブリジットにより掌を拭われると]
ああそんな、貴女の手が汚れてしまいます!
いつものことなので、しばらくすれば治りますから…。
[言いつつも大人しくハンカチで手を巻かれる]
いつも怪我をするので包帯と絆創膏をいくつかは持っていますが…。
[足りるでしょうか…、と言葉を漏らした]
[ブリジットのセーターの下、ベルトがちらりと見えて一瞬視線を移したが、すぐに赤を舐める舌を目を細めて見た。
その後はアーベルに視線を移し]
あ、ボクも出ようかなぁ。
砂漠?とか色々面白そう。
[ひょい、とおりかけていた階段を飛び降りた。]
駄目ですよ。
傷口から黴菌が入ると危ないんですから。
[ぴし、と人差し指を立てて、くどくど。
ブリジットの方が歳は下のはずだが、立場はまるで逆だ。]
いつも、ですか。
んー……
医務室みたいなの、ないんですかね。
[立ち上がり、周囲を見回す。]
自分の赤を見ても楽しくないわぁ。
他人の赤じゃないとねぇ。
紅い色はだぁい好き。
赤ほど女を際立たせるものは無いわ。
ここでも赤は見ることが出来るのかしらぁ。
でも殺しちゃダメなのよね?
やり過ぎないようにしないとぉ。
[救急箱とか包帯とか医務室とか。
飛び交う言葉に思い出したのはメディカルルームの存在]
……一応、治療設備とかもあるらしいが、ここ。
[モニタールームの反対側をひょい、と示して]
面白いかどうかは、知らんけどね。
退屈はしないんじゃねぇの?
[飛び降りてきたユーディットにどこまでも軽くこう返しつつ、外の方へと足を向け]
外ですか?
気をつけて下さいね。
[心配のいろを浮かべるも、無駄と思ったか、止めることはせずに。]
あ、出口見つけたら教えて下さい。
[念を押すのは忘れなかった。]
[人差し指を差され言い包められると、う、と大人しくなり]
…すみません…。
[小さくなった。
医務室の言葉と聞こえたアーベルの言葉に視線をそちらに向け]
治療設備が?
…ますますここが分からなくなってきました。
何だか、設備が一般のお屋敷ではないような…。
あ、お出かけですか?
お気をつけて。
[外へ向かおうとするアーベルとユーディットには呑気にそんな言葉をかけた]
[外へと向かうアーベルの隣にたた、と寄り。
ひょい、と軽い足取りで近寄ると、耳元に少し口を近づけて本人しか聞こえないであろう小声で囁いた]
ねね、キミ、「戦ってた」ことない?
ボク見たことある気がするんだけど、気のせい、かなぁ?
あは。
ご心配どうも、と。
ま、荒事には慣れてるんで、ね。
[ブリジットの言葉に、ひらりと手を振りながらさらりと返す。
むしろ、荒事が日常と言っても差し支えはないのだが]
出口は……もし、見つかったら、ね。
[はっきり言って、期待はしていない]
設備?
……大仰な言い回しですね。
とりあえず、行ってみましょうか。
[言うなり、当人の意志も聞かずに歩み出す。
途中で足を止めると、はた、と振り返り、]
あ、オトフリートさん、
ソーイングセット貸して下さい。
[寄って来たユーディットの小声の問いに、ふ、と笑みを浮かべる。
対峙した経験ないし、その際の姿を見た事のある者であればすぐにそれと察する事のできる、『銀翼の孤狼』としての笑み]
……俺、そんなに印象薄いかねぇ。
あっちでは、それなりに名は通ってるつもりなんだけど。
[その笑みと共に返したのは、遠回しの肯定]
え、あ、は、はいっ。
[治療設備へ向かうという言葉と、ソーイングセットを貸して欲しいと言葉に一緒くたに返事をしてしまう。
拾ってもらった針と糸を収めたソーイングセットをブリジットに渡し、治療設備へ向かう後を追う。
その設備で治療するとなれば、大人しく治療を受ける*ことだろう*]
[アーベルの笑みには、にっこりと笑い返して]
あ、やっぱり?
印象薄くない筈だよぉ、だってボクが対戦もしてないのに覚えてるって相当だもん。
ふふ、じゃぁ、ボクとご主人様と、近いのかなーそうでもないのかなーあはは。
[歌うように言葉を紡ぐとふわり、と長いスカートを揺らしながらステップを踏むように何歩か歩きつつ、オトフリートの言葉には振り返って]
はぁい、気をつけるよぉ。
出口も見つけたら教えるねぇ。
[手を振った。]
[手の怪我の治療だけには勿体無い程に、設備はしっかりとしていた。用途の知れない、通常使われなさそうな薬品までも置かれているのは、不安をも呼び起こしたが。
受け取ったソーイングセットは傍らに置いて、有無を言わせずオトフリートを座らせると、慣れた様子で手当てを済ませ、大袈裟にも見える程に包帯を巻いておいた。]
これでよし、と。
それじゃあ、これは借りていきますね。
わたしは個室に行きますけれど、どうします?
まだ、空きはあるみたいですよ。
……間違えないように、目印でもつけて置くべきかな。
[一方的に言うと、パタパタと片付けを済ませて、二階へと向かう。
*ハンカチは置き去りにして。*]
知られてたんなら、それは光栄?
[冗談めかした口調で言いつつ、低く笑う]
しかしまあ……なんであっちでは会わずにこんな所ででくわすのやら。
[ひょい、と軽く肩を竦めつつ、外へと踏み出す。
出迎えるのは、冷えた冬の大気に包まれた廃墟。
そこだけを見ていると、砂漠のような場所がある、という話はやや、荒唐無稽にも思えた]
そーだねぇ。
ここで戦え、とか言われたらちょっと、面白いねぇ?
[あははは、と口を開けて笑いながら、アーベルに続いて外へと革靴を下ろした。
ふわ、と風がスカートや髪を揺らし、さむ、と呟かせた。
ひょいと少し周りを見渡し、西を向いて目を細めると]
じゃあ、ボクちょっとうろうろしてくるよ。
また、ね♪
[アーベルにも手を振ると、ゆっくりと西へと向かって歩き出した。
腰の後ろ、エプロンのリボンの蝶々結びに無造作に突っ込んだ黒い銃が、少し*揺れた*]
ここで戦え、ねぇ……。
ま、確かに、面白いかも?
[くく、と笑いながらの言葉は、半ば本気やも知れず。
またね、と言いつつ歩き去るユーディットに、ん、と言いつつひらりと手を振り、その背を見送る]
……さって……。
[周囲に誰もいなくなった所で、自分は廃墟の奥の方へと。
鉄筋の覗く廃ビルの一つの前で足を止め]
Reine Luft……Anfang.
Erstarren Sie.
[小さく呟き、糸を解いて]
……一応、確認しとくか。
[ヒュ、と音を立てて上へと伸ばされた糸が、むき出しの鉄筋に絡みつく。
ぐ、と両手で引いて、安定を確かめ]
……それなりの強度は残ってる、と。
いざとなりゃ、使えるな。
[何に、とは言わずに。
地を蹴り、糸を手繰るよに鉄筋の上へと飛び乗る。
そんな動作を数回繰り返して、廃ビルの屋上へと上がった]
/*
放置されますた(・ω・`)
何か切りよくptが6900とか見えるけど放置しておきましょう。
はてさて上手いことルージュになれるかどうか。
なれるとしてプロロでは裏でしか出てこない予定ですが。
テンション上げて行きまっしょい。
*/
Halten Sie einen Faden an….
[屋上まで行った所で、糸の動きを止め、再び手首に巻きつける。
目を閉じ、深呼吸一つ。
意識を凝らすのは、『もう一つ』の力。
銀の羽根が舞い、蒼の青年は翼持つ銀の獣へとその身を転ずる]
期待はできねぇけど……上が空いてるかどうか、確かめて損はねぇしな。
[そんな独り言と共に、舞う。
……数分後、予想通りとも言える見事な期待はずれを食らい。
鉄筋の上に座ってやれやれ、と嘆息する銀翼の青年の姿が見られる事になるのは、*言うまでもない*]
/中/
さすがに、入りなおしの必要はない、けど。
……ノーマルモードだったら、既に残512ptってのはどうなんだ、自分。
鳩組&後から来る二人、すまぬorz
アーベルだと喋りやすいんでついつい羽目が外れるんだよなあ……。
―個室H―
[無防備に、アーベルによってベッドに移されてなお身動ぎこそすれ目覚める気配はなく。
警戒心はそれなりに強いはずの彼女の無意識は、しっかりと青年に既知と安心を感じていたようで]
ん――良いにお、い。
[目覚めは空腹心をくすぐる匂いによって訪れた。
ふら、とそれに釣られるようにベッドを降りると、匂いを頼りにとある部屋の前に辿り着いた]
―個室L・扉の前―
[開きっぱなしの扉からは料理をしているらしい人影が見えただろうか。
はたはたりと翼を揺らし、少女はじ――とその様子を見詰めている。
『きっとあの人がご飯の持ち主』
勝手にそんな事を思い込み、邪魔をしないように彼が料理を終えるのを待った。
無造作に廊下に座り込み、時折翼の先を揺らして。
彼がこちらに気付いたなら、期待の色を目に――けれど何処か遠慮がちに「食べちゃ駄目――?」と*問うだろう*]
[木立の中を、ぷらりぷらりと散歩する。
歩くたびにふわりふわ、スカートは揺れ、草を踏むと靴の下でさくりと音をたてた。
少し太めの木の前に立ち止まると、にっこりと笑って足を止めた。]
さ、てっと。
『オプス』
[呟きながら腰の後ろ、エプロンを結んだところに無造作にさしてあった銃を右手で取ると、脇で一度振る。
振られる軌跡を残すように黒い線が延び、ぐなりと動くとその手には大きな鎌が握られていた。
黒い光を持つ細い柄はしなる素材のようで、薄い刃はゆらりと揺れる。
すいと手前に持つと、エプロンのポケットから少し固い布を取り出すと、刃を磨き始めた]
[存分に磨くと、黒く光る刃に自分の顔を映し、にこりと笑ってみる。
片手で持ち、上に持ち上げて光に透かす様に持ち上げて見上げる。
光を反射させ、影になった木に明るい筋が入った。]
どぉですか?
[小さく呟く。]
[細い柄の、中心より少し刃よりに垂直に取っ手がついている。
そこだけを見ればトンファーのように。
左手で握りつつ、右手は柄の端にそっと添えるように持ち、くるりと回す。
ひゅん、と風が前髪を揺らした。]
[刃の先を鋭くしすぎると、落としても薙いでも手ごたえが変わらない。
それは、不満。
なので刃は鋭くしすぎない。
でも、一振りで切り落とせないほど鈍いとダメ。
ギリギリの鋭さを保つのが、難しい。]
…っふ!
[右手を刃の少し手前に持ち替え、左手で取っ手を持って手前から後ろに向けて鎌大きくを振るう。
目の前の木の胴に筋が入り、ズル、とずれて後ろへとゴンと落ちた。
きゅ、と取っ手を握りなおす。
少女の腰の横で、刃がゆらり、と揺れた]
こんなモノ、かな。
[きゅきゅ、とエプロンのポケットから布を取り出して刃をぬぐう。
切れ味は上々。
手ごたえが無いほど鋭すぎず、ひっかかりを感じるほど鈍すぎず。
ぬぐった黒の刃に映る自分の姿をみて、口元が笑みを浮かべる。
刃にそっと顔を近づけてると、冷たい感触が唇に触れた。
そのまま赤い舌を、つ、と刃の上を這わせると、一度ふるりと体が震わせた。]
…………。
[こてん。]
[少女は自分が毛布に包まれて横たわっているのに気づき、
毛布の中には自分と一緒に大切なおともだち、熊のがすとん
……と、見知らぬ…確か猫…がいるのに気づく。]
[ぷにぷに。]
…………。……♪
[猫の手先の毛が生えていない部分…少女はそこが肉球とは知らない…の
感触が気に入ったのか、おともだちを脇において
両手で猫の肉球をぷにぷに]
…………。
[むずかる猫から両手を離すと、猫はまたくってりと深く眠る。]
…………。……。
[少女は上体を起こしておともだちを両腕に抱える。
…おともだちは、座り込んだままの少女を半分ぐらい隠す大きさで、
まるで少女を身を挺して守るかのよう。]
[猫よく寝てる。……あ…でも、くしゃみ。]
[びくり。]
…………。……。
[少女は猫がくしゃみをすると、反射的に、その身をお友達の後ろに隠して。
けれど、猫がくしゃみの後、動く気配がなければ、
そっと、また顔を覗かせて。]
…………?…??
[少女はさっきの猫の”くしゃみ”がなんだったのかわからずに、
緑の目を瞬かせて、不思議そう。
…少なくても、自分やおともだちに危害を加える様子はなく。]
…………。
[なでなで。]
[少女の少ない記憶の中で、幾人かの人が少女にしてくれたそれを思い出し
ぎこちなく猫の頭を撫でてみる。]
…………!………♪
[なでなで]
[猫の頭をそっとなでてれば
猫、夢うつつに、その頭を少女の平に擦り付け。
少女は猫のその小さな動きにびくりとしたが、
すりつける以外の動きはない猫と
すりつけられた猫の頭部のふかふかな感触に、撫でるの続行。]
…………♪………
…………
[なでなで…………うとり。]
[眠る猫を撫でているうちに、その眠りに誘われたのか、
少女も次第に、こくり、こくりと舟をこぎ始め。
肩の辺りでざんばらに切られた金糸が揺れる。]
[うつら、うつら…ぽてり。]
…………Zzz
[しばらく舟をこぎならも、猫をなでていた少女も
最後には眠気に抗いきれず(そもそも、抗う必要もないのだが)
猫の横に、ぽてりと倒れこんで睡眠。]
[少女が一度目をさましたのを、
おともだちの熊のがすとんと、床に落ちた毛布は*知っていた*]
[くるりと鏡の前で回る。
襞のあるスカートがふわりと広がり、収まる。チェックには縫い目が目立つのではないかと思ったが、さして問題は無いようだった。
一つ満足げに頷いて、ベルトを巻き直、そうとして。
ふと、鏡に映る自分の顔を見つめ、動きが止まる。]
……、
[いつもの薄い笑みを消して、広げた掌を鏡面に当てる。
一度、瞑目。唇が微か、音無く動いた。]
ふう。
[ぱちりと開く。初春の緑の瞳。
ふるりと首を振り、揺れる髪に、伸びたなあと独りごちる。指で梳いて、後ろに流した。
今度こそベルトを着けて、向かう先は簡易キッチン。冷蔵庫の中身を物色して、*食事を作り始めた。*]
[パタ、パタと。
ゆったりとした足取りで階段を下り、一階へ。
肩からずり落ちかけた鞄を直して、一旦、悩むように立ち止まったものの、広間へと足を向けた。]
[広間は静かで、誰もいない――かと思いきや。
隅の方に、幼い子供に黒い猫、そして熊、のぬいぐるみ。
きょとり。
首を傾げて、目を瞬かせた。
眠っているらしい一人と一匹、と一体に、ゆっくりと歩み寄る。熊と目が合った。とは言っても相手が動くはずはないから、ブリジットがその眼を見ただけというのが正しいが。
まるで、少女を護るように在る姿。
落ちている毛布を拾いあげようとして近寄ったことすら、咎められるように感じた。]
っふぅ。
[ぜぃぜぃ、と肩を上下させて息を整える。
心地よい疲労感。
スカートを綺麗な円に広げ、草の上に座り込んで肺に空気を送る。
その手には、既に鎌はなく、エプロンの結び目に銃として挟まれていた。]
はぁい。
[小さく呟くと、立ち上がってぱたぱたとスカートを払った。
少し重く感じる体を腰でぐい、と何度かまわし、首を肩につくほど捻る。
周りをくるりと一度見て、ゆっくりと屋敷へと歩き始めた。]
─今より少し前─
[設備の整ったメディカルスペースへ足を踏み入れると、珍しいものを見るような、感心するような視線できょろきょろと見回す。
ブリジットに座らされ、辺りを見回しているうちに治療は終了]
あ、ありがとうございました。
すみません、お手数かけてしまいまして…。
個室、ですか?
ああ、アーベル様が仰っていた…。
私もそこを使って良いのでしょうか…。
[執事として呼ばれたのであれば、客室らしきその部屋には自分は入るべきではない。
そう考えつつ自分の手を見て。
大袈裟に巻かれた手を動かしにくそうにわきわき。
ブリジットが去るような気配を感じると顔を上げて。
治療台に置かれたハンカチに気付いた]
あ…ブリジット様ハンカチ…!
[声をかけたが遅かった]
…血で汚しちゃったしなぁ。
洗ってから返そう。
[ハンカチを片手で拾い上げ……られなかったのは包帯を巻かれた手で掴もうとしたためか。
情けなく沈黙した後に両手で拾い上げ、まずは向かいのモニタールームへ。
まずは間取りを確認した]
ええと…現在地がここで、先程の場所が向かいで…。
この奥が広間、で、良いんだっけ…?
二階が…全て個室なのかぁ。
[映し出された見取り図を指差しながら場所の確認。
一階は数が少ないので何とかなりそうだ。
が]
……どこにどなたが入ってるんだろう……。
アーベル様とブリジット様とユーディット様…。
私を含めても4名?
他にもいらっしゃるのかなぁ。
[居れば人の気配がするか、とモニタールームを後にし、二階へ。
端から順に確認していくと、料理をしている者やそれを待っている者が見えたり、空いている部屋は扉が開いていて分かるようになっていた]
…空き部屋は分かったけど…私も使って良いのかなぁ…。
でも他にそれらしい部屋もないし…。
ここ借りてしまおう。
[選んだのは屋敷の一番奥──Gの部屋。
中に入ると扉を閉め、簡易キッチンへと向かう。
ハンカチを洗おうと水を溜め始めたが……]
…この手じゃ洗えない、か。
とりあえずぬるま湯に浸しておこう…。
[無事な左手でどうにかハンカチをぬるま湯に浸し、しばらく待つことに]
─時間は経過し現在─
[ハンカチを浸していた間何もしていなかったわけでもなく。
手が動かしにくいのに無理に紅茶を淹れてみたりしていた。
当然スムーズに事は運ばない。
淹れ終わる頃には沸かしたお湯がだいぶ冷めていた]
……ぬる……。
[無理しないで水飲んでおけば良かったと今更後悔]
[足を組み肘掛けに頬杖を突いて、鞄から取り出した本を広げる。
それは、歴史を記した教科書だ。
並ぶ活字の下には、カラフルな線。いかにも、試験用といった風に。
半世紀前を境に、世界は変貌を遂げていた。たとえば、今では機能していない無法地帯、存在すらしない土地、様々なものが混合した国、まるで過去に巻き戻ったかのようであり、異次元に飛んだかのようでもある。
そして、その原因を説明するために綴られた文章は、小説にしか思えない。
しかしそれは現実であり、「新世代」の人間からすれば、過去の話の方が、創作だった。]
…………。
[こてん。]
[少女は自分が毛布に包まれて横たわっているのに気づき、
毛布の中には自分と一緒に大切なおともだち、熊のがすとん
……と、見知った…いや、見知らぬ……?]
[ばたり。
音を立てて玄関の大きな扉を開き、コツリと革靴の底と床に音を立てて屋敷へと入った。
外と違い、止まった空気が頬を撫でた。]
お腹、すいたなぁ。
─中央部・廃墟群─
[しばし、鉄筋の上に腰掛けて風に吹かれていたのだが]
……さって……飛んで逃げる、もできないとなると、ほんとに大人しくお達しを待つしかない……って事になるかねぇ……。
[それもそれで癪と言うか、性にあわないのだが。
現状、他に選択肢はなく]
……っとに、気にいらねぇ、な。
[苛立ちを帯びた呟きが、風に溶けた]
[真っ直ぐ歩き、階段へと曲がろうとしたがなんとなく人の気配を感じたので広間の扉を開いた。
ふる、と覗いて隅っこに…何か、もぞもぞ動く塊(ベアトリーチェ?)を目に留めた。]
…なんだろ、これ?
[コツコツと歩いて近寄り、横にしゃがみこむ。
つん、と指でつついてみた。]
…………!
[びくり。]
[辺りを見渡せば、先程はいなかった存在に気づき、
その小さな身体を、椅子に座る何かから隠そうと
おともだちの背後に隠れて…おともだちからはみ出る
眠る猫に手を伸ばす。]
あれ。
ユーディットさん、お帰りなさい、
と……
[ユーディットの向かった先にある、といより、つついているものに気付く。]
おはよう?
駄目ですよ、寝ているの、起こしたら。
[その前に起きていたとは知らぬようで。]
…………!!!
[びくり、びくり。]
[突かれれば、突かれたのと反対方向の、
おともだちの陰に隠れて…猫から遠くなってしょんぼり。]
[ブリジットの声に顔をあげ、つついたものと交互に見比べる。]
…ただいまぁ。
[顔が真横になるくらい首を捻ってつついた先を覗き込み]
起きてる、よぉ?
[さて、どうするか。
建物に戻るか否か。
取りあえず、最終的には戻るしかなさそうなのだが]
……その前に、少し身体動かすか。
[呟いて鉄筋の上に立ち上がり、勢い良くそれを蹴る。
ふわり、舞う、銀と蒼。
その身は危なげなく、隣のビルの上へと降り立つ。
それを数度繰り返し、北の方へと抜けていく]
─中央部・廃墟群→北部・荒野─
[さて、良い具合になったであろうぬるま湯に浸されたハンカチ。
本来ならば両手で軽く揉み洗いしたいところなのであるが、右手はぐるぐるの包帯巻き。
と言うわけで左手だけでチャレンジ]
《わしゃわしゃ》
《わしゃわしゃ》
《わしゃわしゃ》
……洗い難い……。
[利き手でもないのだから当然だろう。
それでもどうにか赤い色が薄れるまで洗い、左手だけでぎゅっと水分を絞る。
完全に絞れていないそれを乾かせそうな場所に干し、出来るだけ皺を伸ばす]
…アイロンなんてものはあるのかなぁ。
あれば皺もきちんと伸ばして返せるのに。
[無かった時を考えて、出来るだけ丁寧に皺を伸ばして干した]
/中/
広間がほんわかしているので、敢えて逆走したくなったとか。
……いや、リーチェに絡みにいけよ、と言われそうだけどね!
いつも集まってるとこに突っ込むから、たまには反逆したいんだよ、と。
[周囲の人物の「寝ているの、起こしたら」と
「起きてる、よぉ?」の対象が自分だとは気がつかず
おともだちの影から、眠る猫に懸命に腕を伸ばして。]
あははは。
[びくびくおどおどする様子に楽しそうに笑って、ぺたりと床に四つんばいになり、さかさかと進んで寄って行った。]
何してるのー?
[「おともだち」の向こうを覗き込む]
…………!!!
[猫に手がとどくかとどかないかで、周囲の人物の内
一人が突如四つん這いになり近づいて
…………少女の中で人物じゃなかったんだろうか?
大きな動物さんなんだろうか?とも考えるけれど
普通に怖い。とっても怖い。
何か話しかけられているが、覗き込まれてもぎゅっと目を瞑って縮こまる。]
……だと、わたしが起こしちゃったかな。
[口許に指を添える。
が、いかにも怪しげな態で子供へと近付くユーディットに眉を寄せて、]
わざと怖がらせようとしていません?
[干し終わると手の水分を拭い、一段落。
階下へ向かおうと部屋を出る。
階段を下りて、広間があるだろう方向へ曲がると]
…あれ?
こっちは玄関?
[しっかりかっきり間違えた。
反対側だったか、と踵を返し。
ふと、確認のためにモニタールームへと入る]
─北部・荒野─
[幾度目かの跳躍の後、前方に開けたのは明らかにそれまでとは違う場所。一際大きな跳躍でその空間へと飛び込んだなら、包み込むのは先ほどよりも冷えたような、大気]
……空気が、違う……か?
[ふと零れるのは、そんな呟き。
変化としては微かなものだが、それを感じ取れるのは、今は獣の感覚を解放しているためか]
……っと……。
[す、と。細められる、蒼。
解放された感覚は、空気の変化以外のものも、捉えて]
あはははははは。
ねぇ、かくれんぼ?
ボクは、ユーディット・クリューガーだよぉ。
[口を横にひっぱった笑顔で、縮こまるベアトリーチェのほっぺたをつつこうと桜色の爪の骨ばった指を伸ばした。
ブリジットの言葉には、ちら、と顔を向けて あははははは、と笑顔を見せた。]
全く、もう。
[本を置いて立ち上がり、ユーディットに歩み寄る。
とりあえず引き離そうかとして、伸ばされた手は、ちょうどよさそうな、エプロンの腰のリボンへと。]
ええと……あああ、やっぱり反対側だ。
…なんで単純な構造なのに間違えたんだろう…。
[昇った階段と降りた階段が違ったことに気付いていない。
見取り図を再度確認していると、別のモニターに小さな影を見つける]
……?
[モニターの下部には『北部』の文字。
今まで静止画のように変化が無かった画面に影を齎したのは、先程であった姿。
他の三つのモニターには相変わらず変化がない。
先程彼は外へと向かった。
となると、これは現在の画像なのだろうと考える]
何故、こんなものが──?
[疑問に思いながらも、しばし食い入るように見つめる]
番犬登場……ってか?
っとに、躾がなってないねぇ……。
[『招待客』を見つけた途端にこんな反応するなんて、と。
呟きはどこか楽しげで]
これなら、ウチのクヴェレとヴィーゼの方が、よっぽど躾がなってんぜ!
[路地裏で飼っている犬たちと比較するのもどうかと思うが、突っ込みを入れる相手もなく。
ひょい、と軽い跳躍でその場を離れる。
後を追うように突っ込んでくるのは、白銀の毛皮に包まれた、四足の巨躯]
[かくれんぼ]
……………。
[そう言って遊んでくれる人もいたけれど。
言葉を話すから多分人物…と、ひっそり目を開けば
多分、笑顔?で自己紹介?しているらしい人物。]
…………。
[少女は小さく口を開けるも、
ハッと、何事か思い出して、慌てて両手で口をふさぐ。]
[そんなことしていれば、ユーディットの指先にほほを突かれ
もう一度びくり!]
[びくり、としたベアトリーチェに、嬉しそうに笑みを深くした時]
……?!
[ブリジットの手が腰のリボン――同時にそこに指した黒い銃へと近づけば、瞬時に身を翻して3歩ほど奥に飛び退った。
大きく足を開いて腰を落とし、右手は腰の後ろ左手は前の床に指先だけ触れ、睨むように低い位置からブリジットを見た。
が、すぐに顔はふにゃりと戻し、]
ダメだよぉ、コレは大事なものだから、触っちゃ。
斬っちゃうよぉ?あはははは。
[姿勢を立ちに戻しながら、笑った。]
[モニターの先で放し飼いの獣と青年の対峙する様子を見つめる]
お手並み拝見かしらぁ。
[Änderungで隠された紅い唇の両端がゆっくりと持ち上がった]
…………???
[少女は怯えながらも、不思議な…ゆーでぃっと?…の後ろに
回りこんだ人物…がユーディット?へ手を伸ばした瞬間
ゆーでぃっと?が飛んで言ったのに目を丸くし。]
[ぱちぱちぱち]
[思わず拍手。]
[素早い反応に、目を見張る。
手を伸ばしかけた体勢で固まっていたが、崩れた表情に、ブリジットの緊張も解けたようで、]
……すみません。
そんなつもりじゃ、なかったんですけれど。
[苦笑を返す。
ユーディットから見えない(そして金髪の子供からは見えるであろう)、逆側の手は、腰の辺りに添えられていたが、それも、離される。]
……犬じゃねぇじゃん。
[現れた姿──鋭い牙を具えた虎らしき獣の姿に、零れたのはやっぱり場違いな呟き。
やたらと冷静なのは、こう言ったモノを『狩る』事も、『仕事』の一環として取り入れているためか]
さって……どう、したもんかね?
[くく、と。零れ落ちるのは、楽しげな笑い声]
ま……運動相手にゃ、ちょうどいいか。
[呟きながら、低く、身構える。
銀翼は、背に具象したまま。
初撃で相手を捉え損ねた虎は低く唸りつつ、こちらを伺っていた]
[少女の拍手に、恐怖心が薄れたのならば、よかったのだろうか――などと考えつつ、この先どうしよう?という悩みも浮かんで、]
ええと……
何か、食べる?
[餌付けに出た。]
[少し拍手をすれば、ハッと気づいて猫に手を伸ばすところで
不思議なユーディット…がぴょんと飛んでいかせた人物に
食事について聞かれれば。]
[……ぐぅ。]
…………。
[思い出したようにお腹が鳴って。
少女は素直にコクリとうなづいた。]
うぅん、こっちこそびっくりさせてごめんねぇ。
あははは。
[ブリジットに笑顔を向け、拍手をした金髪の少女にもにっこりと笑いながら、ひらひら、と両手を手首の体操でもするかのように振った]
それにしても、小さな子がいるねぇ。
キミは、なんてゆーの?
誰かの子供?
[首を傾けて聞いてみた。]
[冷えた空気の漂う荒野に刹那、張り詰める緊張。
それを、先に打ち破ったのは虎の方。
咆哮と共に飛びかかる様子に、掠めるのは笑み]
……単純っ!
[素早く横に跳んで爪の一撃を避け、着地と共に地を蹴る。
態勢の崩れは、翼の生み出す揚力で強引に補いつつ]
……おらよっと!
[首筋に向け、踵落としの一撃を叩き込む。
とはいえ、それが有効打になり得るとは思ってはいない。
狙うのは、それが与えるであろう、衝撃の方]
それじゃあ…… って言っても、
上に行かないと、お菓子くらいしかないけれど。
[椅子の下に置いた鞄を拾って、ファスナーを開く。
更にその中にあった小袋には、教科書よりも学生の必需品だと言わんばかりに、詰められた食料。]
とりあえず、飴、要る?
[掌に乗せた透明な包みには、取り取りの丸い玉が入っている。]
[踵落としの態勢から、くるり、一回転して着地する。
今の一撃はそれなりに効いたようだが、戦意を削ぐには至らなかったらしい。
否、これで戦意喪失しては役立たず、なのだろうが。
憤るような咆哮が響き、鋭い爪を供えた手が横薙ぎに振るわれる]
……っと!
[着地直後の不安定さは立て直しきれてはおらず。
ならば、とそのまま後ろに崩れる事で回避を試みる。
倒れた直後、過ぎる一閃。
振り切られた爪と、反対側に転がり、距離を取った]
…………。
[コクリとうなづきつつも
不思議なゆーでぃっとに笑顔?を向けられて。
小さな子のは周囲を見渡して…あてはまりそうなのは自分。
なんてゆーの、と、問われれば、
少し困ったような顔して首をしばらく傾げるも
…自分の腕に細いチェーンで
ブレスレットのようについているプレートに気づき
それを指し示す。]
[最後の質問には、首は横に振って。]
[少女の指し示すプレートには以下のように記載されている]
Name:004 Sex:female
Belonging to ……
[……の部分は削り取られている。]
[少女に見せられたプレートを、眉を寄せて目を細めながら顔を近づけてみて]
ねーむ、004…?ぜろぜろよん?ぜろぜろふぉー、かな…
これが名前?変わった名前だねぇ。
モルモットみたいだね。あは。
[楽しそうに笑った。]
[不思議なゆーでぃっと?の問いに答えていれば、
もう一人の人物が何かごそごそと。
取り出されたのは、色鮮やかなまぁる…硬そうなモノ。]
…………。
[”あめ”…前後のやりとりから、
相手はこれを食料という意味で出しているのだろうけれど。
とてとてと近づいて、その”あめ”を覗き込むも
食料には見えなくて、どちらかと言うと”おくすり”みたいで
”おくすり”は美味しくないから、
眉をハの字にして困ったように相手を見る。]
[白い巨躯に襲われるアーベルを見て、あ、と声を漏らす。
しかしそれは襲われた驚きではなく、彼の背中に生えている銀の翼に対して]
…『銀翼の孤狼』…?
まさか、彼が──?
[ここに他に誰も居ないからこそ漏れた言葉。
銀翼の孤狼、時折裏の世界で噂される人物の二つ名。
噂でしか知らなかった人物が、モニターとは言え目の前に居た]
…そうか、ここはそう言う…。
私が呼ばれた理由は、そう言うこと、か?
[ここに集められているのが何かしら裏に関与する人物なのであれば、自分が呼ばれた理由もいくつか見えてくる]
裏の目障りな人間を一掃するため、とかじゃないだろうね。
けど……面白くなってきたかも。
[浮かぶのは平時の情け無いものではなく、どこか楽しげに歪んだ表情。
唇の両端が吊り上がっていた]
っていうか、いって……。
[翼を具象化したまま転がったせいか、妙なダメージをもらった気がした。
態勢を立て直しつつ、翼を軽く動かすが、傷めてはいないらしい。
これで傷めたら、それはそれで間抜けではあるが]
さてさてっと……。
[低く呟き、唐突にひょい、と靴を脱いで裸足になる。
地面の感触は、ひやりと冷たかった]
……いつまでも遊んでても仕方ないし……そろそろ、終わるとしますかっ!
[声と共に、地を蹴る足は、いつの間にか獣のそれ]
[モルモット……]
…………?
[短い記憶の中、部屋の中の小さなゲージにいた
ふかふかの小さな生き物。
自分の名前はそのモルモットのようなんだろうか?
不思議なユーディット?だから、考えも不思議なんだろうか?
相手の笑顔に、きょとんとしながら
おともだちを抱きしめる。]
……あまり好きじゃないかな?
[少女の表情に首を傾げ、包み紙を広げ、自分の口の中に放り込む。]
甘くていいと思ったんだけれど。
後は、ガムとか、クッキー……は割れてないかな。
[かろろ。
口内で転がしながら、袋の中を探る。]
アーベルちゃんがあの銀狼だったなんてぇ〜!
世の中狭いわねぇ。
……あの銀の綺麗な翼、紅く染めたらさぞかし綺麗でしょうねぇ。
見てみたいわぁ。
[何だかうっとりしたような表情でモニターを見ている]
[ブリジットの言葉には、相変わらずのしまりのない笑顔を向けて]
嫌な感じ?そーなのかな?
ママの趣味かもだよぉ?あはは。
[きょとんと金髪の少女に見上げられ、更にその笑みを深くして頭を撫でようと手を伸ばしながら]
ね、004さん、この子の名前は?
[「おともだち」を覗き込んだ]
/*
ベアトリーチェはちっちゃいし怖がりだし
ユーディットこんなんだし
ブリジット独りで大変だろうなーごめんなさいー!
[”あめ”を差し出した人物の言葉と険しい表情にびくり
やはり”おくすり”は摂取しなきゃだめなんだろうか?
でも「……あまり好きじゃないかな?」の言葉に
コクリと頷けば、相手がその”おくすり”を摂取して]
…………!
[”おくすり”をそんな風に摂取するのを見るのは初めてで
………”おくすり”って甘かったかな?
相手の言葉に不思議そうにしつつ、
袋の名を探る相手をじっと見上げる。]
[こちらの戦意に気づいたのか、虎も低く唸り、こちらへと駆ける]
……上等。
[零れる呟きはどこか楽しげに。
こちらに突っ込んでくる鋭い牙にも、臆した様子などはなく。
ぎりぎりまで引きつけてから──飛んだ。
舞い散る、銀の羽。
それは刹那、虎の視界を遮り、動きを止め]
……もらいっ!
[声と共に、降下する。
その手はいつの間にか鋭い爪を具え。
降下の勢いを乗せた突きが、先ほど踵落としを叩き込んだ辺りへと、的確に繰り出された。
舞う、紅。
返るそれを浴びるよりも早く手を引いて、後方へと飛ぶ]
うん?
[見上げられて、手を止め、首を傾げた。
しゃがんで、視線を合わせる。
どうにも少女の反応は、「知らない」もののようで。少女の名の件と相俟って、暫し、考え込むように動きを止める。]
……。
食べてみる?
噛むものじゃなくて、舐めるものなの。
甘くて、おいしいよ。
[最後の部分は、殊更に強調して。
もう一度、少女へと差し出してみせた。]
[不思議なゆーでぃっと?と
もう一人の人物のやり取りにはきょとん…と二人を見比べる。
見比べていれば、不思議なユーディット?に
頭をなでられて…小さく身をすくめるが大人しく。]
…………。
[おともだちの名前をたずねられれば、
少女はお友達の腕につけている
厚紙に、細い紐を通してブレスレット状にした
それを指し示しめして。]
[少女の指し示す厚紙には以下のように記載されている]
なまえ:がすとん せいべつ:おとこのこ
がすとんはおともだちです。
[かなり字はよたっている。]
……ま、それなりにいい運動にはなったかね?
[着地しつつ、小さく呟く。
今の一撃の当たり所は良かったらしく、虎は伏して動かない。
それでも警戒を解かず、先ほど放り出した靴を拾いにそちらへと歩み寄り]
…………。
[ぴたり、と。
その動きが止まるのと、伏していた虎が身体を起こすのは、ほぼ同時で]
……ばぁか。
[零れるのは、呆れたような呟き]
がすとんさん?
ふふ、がすとんさん、こんにちはぁ。
ボク、ユーディット・クリューガーだよぉ。
[にっこり笑って、「おともだち」の頭を撫でた]
[一見、無防備な背後に爪が振るわれるのは、予想の範囲内。
伊達に、この手を『狩って』生活を支えているわけではなく]
死に真似するなら、もう少し殺気、消しな!
[鋭い声と共に、飛びかかる体の下に潜り込むようにしつつ、再び爪を繰り出す。
銀が向かった先は──心臓]
……はい、お疲れさん、と。
[響く絶叫に、淡々と言いつつ。
紅に濡れた手を引いて、下敷きになる前に、と素早くそこを離れる]
[もう一人の人物がしゃがんだらしく、少女と目が合う。
ぼんやりと、相手と目を合わせれば、
相手はもう一度”おくすり”を取り出して。]
…………。
[…白衣の人がよく美味しいよって嘘ついた。
そう言う”おくすり”は逃げられないことはわかっていて。
相手の優しい言葉にハの字眉でその”あめ”と言う名の
”おくすり”に、しょんぼり手を伸ばして…]
[かんじゃだめ、なめるように…]
…………!
[……本当に美味しかった。]
[地に伏し、今度こそ沈黙したらしい虎を一瞥して、周囲を見回す。
他に気配は感じられない、と確かめると放り出した靴を拾い上げた。
右手は紅に濡れているものの、既に爪はなく、足も人のそれ]
さすがに、ここで裸足は冷えるな〜。
[何事もなかったかのように言いつつ、靴を引っ掛け。
ポケットから引っ張り出したハンカチ──というのもやや気の引ける布で、右手の紅を拭う。
拭いきれなかった分は、洗えばいいか、と呑気に考えつつ。
翼を消して、のんびりと廃墟の方へと戻っていく]
─ →中央部建物へ─
…………。
[”あめ”の甘さに目を白黒させていれば
ゆーでぃっとが、おともだちの頭をなでる。
相手の挨拶に呼応するように、
少女はおともだちの視線を相手に向けて片手を左右に振る。]
おいしい?
[しょげたように見えた少女に、驚きのいろが覗くのに、薄く笑みを浮かべる。]
わたしは、嘘は、言わないんだよ。
言葉には、力があるからね。
[冗談めかして言うと、口許に指を当てる。]
……あ。名前、まだだったね。
わたしは、ブリジット=エメス。よろしくね?
[少女の「名前」を紡ぐのには抵抗があったのか、言わずに。]
とは言え、これだけじゃ、お腹空くよね……。
/中/
一人遊びで5000切るとかwww
や、でもエキジビジョンはやりたかったんだよ!
糸使用バトルしたかったんだけど、あっちは対人向きで大物向きじゃないからなー(^ ^;
さすがに人型クリーチャーは出せんわ。
[画面の中、最後に残ったのは銀の獣と化した青年]
…お見事。
[白い巨躯は赤を飛び散らせ、その毛を染めて倒れ行く。
ふと漏れたのは素直な感想。
しばらくの間画面の中の相手を見つめていたが、画面が静止画のような静寂を取り戻すと興味を失ったかのように視線を外した]
[外した視線は再び屋敷の見取り図へ]
[「おともだち」が手を左右に振るのを見て、更に目を細めてあははは、と笑って]
可愛いねぇ。
千切りたくなっちゃうくらいだねっ♪
[楽しそうに言って、軽い足取りで広間をふらりと歩く。
置いてある調度品や壁等、ゆっくりじっくり、まるで博物館を歩いているかのように見て回る。]
…………!
[こくこく!]
[相手の言葉に、勢いよく首を縦に振れば、
細い髪があわせて揺れて。
……この人は嘘をいわない?
相手の動作を真似るように、自分も口元に指を当てて。]
[教えられた相手の名前。それに、コクリと深く頷く。
”ゆーでぃっと””あめ””ぶりじっと”
今覚えた言葉を頭で反芻させて。]
[続く相手の言葉には、頷く代わりに
胃が小さな音をたてて返事を返した。]
…………!!!
[ゆーでぃっと?の言葉に、ぎゅっとおともだちを抱きかかえて
1、2歩後ろに下がる…相手が広間を見渡し始めても
警戒して…猫は大丈夫だろうか?]
─中央部・建物─
[特に何事もなかったかのように戻ってきたなら、一階には複数の人の気配]
……あー。
これ、見られるとうるさいかねー。
[モニタールームから、一連の動きが見られていたなどとは思いもよらず、こんな事を呟いて。
取りあえず、廊下に人の気配がない内に、と二階の個室へ急ぎ足で向かう]
もう。
[思い切り、嘆息。
相手は夏でも、こちらは寒々とした冬の心持だ。]
そっちの子の御飯もいるかな……?
[視線は一瞬、猫へと向いた。
二人きり……二人と一体と一匹きり?にしておくことに不安はあった、のだが。かと言って、空腹のままにしておくわけにもいかず。]
……滅多なこと、しないで下さいね?
[念を押してから、広間の出口に向かう。
連れて行く、という思考は欠如していたようだ。]
[玄関に程近いモニタールーム。
アーベルが戻って来る気配も感じ取れたが、部屋を出ることは無く。
急ぎ足の彼をそのままやりすごす]
…広間はここから反対側、と。
何で間違うんだろう、この間取りで。
[溜息をついた時には既にいつもの情けない表情。
再度確認してからモニタールームを出た]
はぁい。
[虚空を一瞬見て小さく呟いてから金髪の少女が怯える様子を目にとめると、ぺろりと舌を出して]
あははは。
[何かを探すような視線につられるように広間に目線を流す。
ブリジットに念を押されてまたにぱりと笑い]
あははは、しないよぉ。
[出て行く様に手を振った。
猫と金髪の少女を、にこにこ笑顔で見る。]
[おともだちの後ろから手を伸ばして
ずるり、猫の手をひっぱていれば、
ぶりじっとが広間の出口に向かうのが見える。]
……………………。
[立ち去ろうとする姿をじっと見て、
それから、掴んだ猫の手を左右に振って。
ぶりじっとは”あめ”を食べさせにきた…ようには見えず
一体どういう人なんだろうと、今更首かしげ。]
[もっと、不思議な人はこの場に残っているけれど。
にこにことこちらを見る、ゆーでぃっとにはあらわな警戒。]
―午前早め・L―
[ふんふんと響く鼻唄が不意に途切れたのは気配を感じたから。
扉の外に見える羽、そして見える少女、きょとん]
…なんだ、腹へってんのか?
それなら食ってけよ、俺の飯はうまいぜー。
[おいでと手招きしたか、それとも少女の手をとって中へと招いたか。
それはさておき、青少年は少しだけ自分より年若く見える相手に食卓を挟んで名を尋ねた。
名前が分からねば、彼女を呼んでやれないからだ]
俺はユリアン、ユリアン・フェイ。
お前さんのお名前、何てえの?
[熱々の粥に千切った油條をいれ、豆苗も入れて蓮華でまぜまぜしながら首をかしげて]
あーあ、ボク嫌われちゃったなぁ。
ちっちゃいこと動物には、どーにも好かれないんだよねぇ。
って、別に誰にも好かれたりしないけどさぁ。
あはははははは。
[金髪の少女をじ、と見てにこにこ笑いながら、独り言のように言葉を紡ぐ。
壁際で、すわり心地の良い椅子にとさりとすわり、足をぷらぷらと揺らした。]
[向かって来る人影に気づいて足を止め、更にそれが誰だかを認めれば、]
あ、オトフリートさん。
[一拍の間。
――猫の食事について聞こうとしたが、止めた方がいいと思考の間だった。]
広間に小さい子がいるので、驚かさないであげてくださいね。
[それだけ言って、パタパタと階段を上がっていく。
荷物は置いて来たから、身軽だ。]
─二階・個室(F)─
ふわ……。
[部屋に戻り、バスルームで紅の跡を落として一つ、息を吐く。
息を吐く、というよりは欠伸交じりなのは、獣化能力行使の後の疲れのせい]
ま、少しは気ぃ、紛れたかぁ……。
[ぽつり、と呟き、蒼の髪の水気をタオルで乱雑に拭う。
蒼の瞳には微かに陰りがあるものの、それは、一瞬閉ざされた直後に、消えた]
さて、なんか、動きあったかねー?
[さして期待していないような口調で言いつつ、タオルを首に引っ掛けたまま、階下へと]
─ →広間─
[そういえば、そもそもここはどこなんだろう?]
…………。
[笑っているけど、なんとなく怖いゆーでぃっとから
にじにじと距離をとるように動きつつ、
今更なことを考え始め。]
[いつも寝かされている、寝台や部屋ではないし、
かと言って”検査”や”調律”の時のおへやでもない。]
[それに、この、ふわふわで暖かい猫だって
いつもの場所にはいなくって]
ああ、ブリジット様。
[お辞儀をして挨拶。
一拍の間には気付いていない]
小さい子、ですか?
この家の子でしょうか…。
[疑問を口にすると同時にブリジットは二階へ向かってしまっていて。
それを見送ると広間へと入って行く]
ユーディット様。
こんばんは、でしょうか。
[窓の外を確認してから首を傾げるようにして挨拶の言葉を述べ。
ふと目に入る金の髪の幼子]
この子が、ブリジット様が言っていた?
[誰に言うでもなく言い、首を傾げた]
[オトフリートの言葉には、足をぷらぷらと揺らしながら]
えっとねぇ、004ちゃんって言うんだよ。
抱いてるのは、がすとんちゃん。
どっちも、可愛いよねぇ〜♪
[笑顔で弾んだ声を出す。]
[きょとんと、新たに入ってきた人物を見やり。
この家の子……には何処かの子ではない自分は首を横にふり。
ぶりじっとの名が出れば、新たに現われた
眼鏡の(記憶ではこれをつけた人が多かった)人物を見る。]
[このひとは、だれ?きがいをくわえるひと?
こわいひと?やさしいひと?
……とても大切な分類があった気がして
ふと、考える。]
─広間─
[広間へ向かう途中、丁度、ブリジットと行き違う形になるだろうか。
なにやら考えているらしい様子に、声をかけるべきではないか、と思うものの、ふと]
……あー、出口、見つからんかった。
[それだけは言って、広間へと入る。
入るなり、陽気に挨拶してくるユーディットに、よ、と言いつつ右手をひらり、と振って。
金髪の少女が起きている様子に、自然、視線はそちらへと向いた]
どこにいるの?
なにをしているの?
どうやってみわければいいの?
会えばわかるかな?わからなかったらどうしよう?
[アーベルの言葉に、あ、と呟いて片手を口にあて、驚いた表情をして]
出口、探すのとか忘れちゃってたよ、ボク。
あははははっ。
[誤魔化すかのように笑った。]
ま、探して見つかるとも思えんけどね。
[ユーディットの言葉に、ひょい、と肩を竦めて。
それから、なにやら考え込む少女の方へ、少しだけ近づいて]
……リーチェ?
[自分が良く知る少女の呼び名で、小さく呼んでみる。
答えの期待は、半々、と言った所だが]
[アーベルが広間に現れるのを見れば、お辞儀をして挨拶し。
少女の名を告げるユーディットに視線を向けると]
004、ちゃん?
随分と変わったお名前ですね…。
ぬいぐるみにもお名前が?
確かに、どちらも可愛らしいですね。
[和んでいるのか柔和な笑みを浮かべる。
少女に挨拶しようとそちらを向き、一歩歩み進めようとした時だった]
ぅわ!?
[何も無いのに躓いてこける。
びたーん、と良い音を立ててうつ伏せに倒れた。
辛うじて、少女にはぶつからない位置で]
あたたたた…。
[顔を上げ、ぶつけた鼻を擦りながら上体を持ち上げると、丁度少女の顔を覗きこむ形に。
真剣に考え込む様子に首を傾げた]
どうか、しましたか?
こんな乳臭いガキよりアーベルちゃんの方が可愛いけどぉ。
にしても演技するのも大変だわぁ。
普段はこれで通してるものねぇ。
こう言う風なキャラの方が欺きやすいしぃ。
…………??
[ぱっと顔を上げる。その先にある人物
…少女を”リーチェ”と呼んだ人物…は記憶になく。
でも、確かに少女は幾人からは
”ベアトリーチェ”とか”リーチェ”とも呼ばれており…]
[びくり!!]
…………!!
[そう思って青い髪の人物を見つめていれば
眼鏡の人物が自分に近づきつつ盛大にこけた]
ん、そう、ですか。
[アーベルへと返したのは生返事。
ともかく個室に戻ると、作り置いたサンドイッチを取り出すも、猫用の食事など、無論、作っているはずもなく。
そもそも、いわゆる「キャットフード」くらいしか、知らない。]
……猫。
魚、魚……?
後、ミルク?
[ブツブツ呟きながら悩んだ挙句、ツナ缶を開けた。]
[名に反応するようにこちらを見た少女を見つめ返す。
行方不明になった妹分の一人と、その姿はやっぱり似ていて]
……っと……。
[取りあえず、声をかけようか、と思った矢先、派手にこけるオトフリートに]
……何してんの、あんた。
[気勢は削がれ、呆れたような声が口をついた]
[どうかしましたか?の問いには
むしろこちらが大丈夫なのだろうか?と
相手が床にしたたか打ったであろう鼻を心配そうに見やり。]
[…この人が──だったら、どうしよう?いろんな意味で。]
…………。
[と、思いつつ、その鼻をさすろうと手をのばし]
あはははは……。
[大笑いするユーディットの声が聞こえると、恥ずかしそうな笑いを漏らし]
いやー…この子に挨拶を、と思って近付いたら転んでしまいました…。
[アーベルの呆れた声には恥ずかしそうに頭を掻きながら答える。
起き上がろうとすると、目の前から手が伸びてきて]
えーと…。
[起こそうとしてくれているのか、興味で手が伸ばされているのか判断がつかず、上体を持ち上げた上体のまま少女を見上げた]
[再び広間に顔を出すと、
……なんとなく微妙な体勢?が見えた。
何をしているのだろうか。
入り口に立ったまま、動きが止まった。]
あっはははははは…
[顔を上げたオトフリートの、申し訳無さそうな表情が更におかしくて、暫く声を上げて笑った。
荒く息をつきながら笑いが収まると、目の端に溜まった涙を指で拭おうと手を上げた時、袖の先に草がついているのが目に付いてぴたりと動きを止めた。]
んー?
ボク、そういえば汗かいたのにそのまんまだね。
身だしなみも気をつけなくっちゃ、だった。
[ひょい、と椅子から飛び降りて]
じゃあまたねっ♪
[その場に居る全員に明るく声をかけ、ブリジットの横をすり抜けて広間の扉を開いて廊下へと出た。]
……っていうか、なんでそこでこける……。
[というか、こけられる、というか。
そんな事を考えつつ、まだ濡れた髪をがじ、と掻きつつ。
取りあえず、成り行きを見守って]
っと。
[横に避ける、間もなくすり抜けていくユーディットを視線のみで見送り、中へと入る。
少女に声をかけようとしたのだけれど、撫でているらしい?様子に、躊躇われて、見守っているアーベルの傍へ。手には食事を乗せたトレイ。]
……何、しているんですか?
あれ。
[疑問をそのままぶつけた。]
[伸びてきた手は自分の鼻を摩る]
あ…ありがとう、ございます?
[何となく気恥ずかしくなって疑問符がついた。
少女に摩られた鼻は何だか痛みが引いていくような心地がして、感謝するように微笑を向ける。
身体を起こし、両膝をついた体勢になると少女に頭を下げた]
先程は失礼致しました。
私はオトフリート=ゲルルと申します。
以後お見知りおきを。
[ブリジットから驚かさないように、と言われているため、出来るだけ柔和な笑みを浮かべて挨拶する。
転んだことで既に驚かせているのだが]
[広間を出て行くユーディットに気付くと、その後姿に挨拶して。
入れ違いに戻ってきたブリジットにも、膝をついたままだがお辞儀をする]
−かくして時は今に至る:通路−
[背に羽持つ少女との食卓は果たしてどんなものだったかはさておき、今の青少年はというと飼い猫をすっかり放置していたことを思い出して広間に向かっていた。
なんだか妙に派手な音がしたが、はて、何があったのかと首を捻りつつ青少年は広間に顔を出す。
扉からひょいと顔覗かせて、こんばんわ]
……晚上好?
−→広間−
[丁度広間の出入り口を見たところでもう一つ、見知らぬ人物を見つけ]
…ええと、こんばんは。
[とりあえず挨拶、と頭を下げた]
[立ち去るユーディットには、ん、と言いつつ軽く手を振り。
状況に対してどうしたもんか、と思っていた所に、問いを向けられ]
……なんもないとこでコケた執事の旦那を、リーチェが労わってる……としか、俺には見えんが。
[答えようがないので、見たままを答える。
少女をリーチェ、と呼んでいるのは、恐らくは無意識]
[広間を出て角を曲がると、別の人物とぶつかりそうにすれ違った。]
わ、びっくりしたっ。
まだ人いたんだね。あは。
[一度足を止めてスカートを持ち上げて腰を落とし、お辞儀をして。
にっこりと笑ってから、階段へと体を翻した。]
[階段を上がると、昨日入った個室へと向かう。
ぱたり、と扉を閉めて上機嫌のままふわりとまわり。
エプロンを外しながら、小さな声で呟く。]
ここ、どこなんでしょーねぇ。
ボク、何をするんでしょーねぇ。
あは。
[小さな声はそのままバスルームへと移動する*]
[方々の視線を集めていることに気づくはずもなく
目の前の眼鏡の人から例を述べられれば
気恥ずかしそうに、おともだちを抱えて俯いて。]
…………。
[丁寧な名乗りに…眼鏡のこけた人…おーとふりーとに
コクリと頷いて。自分も相手に合わせてぺこりと]
「何するのかしらねぇ。
本当、私を呼びつけておいて何もアクションがないなんてね。
これ、どういう事なのかしらねぇ。
…でも、楽しいことが起きる予感、あるわよ。くすくすくす。」
10人目、少年 ティル がやってきました。
少年 ティルは、狩人 を希望しました(他の人には見えません)。
―結界外・路地裏―
ご招待、ね。
[少年は目の前に立った男へと皮肉気な表情を返した]
問答無用なのは普通、招待とは言わないと思うけど。
[薄く哂ったその目は冷たい。対する男は無表情に]
「ロストナンバー012」
…それは口にするなと言った。三度目は、ない。
「ティル=エルフテンス。こちらへ」
[低い声で遮る。
だが男は気にせず言葉を続けて歩き始めた。
不快そうな表情のまま少年はその後を追う。
空気を震わせずに唇が動いた]
ああ、ええと。
こんに…… こんばんは?
[一礼しようとしたが、トレイを持ったままでは遣り辛く。
テーブルの上に置いて、少女は忙しい……というかなんというか、な状況のようだからと、先に、その傍の黒猫の前に、ミルク入りの器とツナを持った皿を置く。]
……食べるかな。
[取りあえず、こけたオトフリートは立ち上がったようなので問題ないか、と思いつつ。
鸚鵡返しの問いに、あ、と短く声を上げる]
いや……ちょっと、ね。
知り合いの子に似てっから、そこの子が。
んで、つい、そう呼んじまって。
[早口に言いつつ。
広間を覗き込むユリアンに、よ、と言いつつ手を振って]
流石にいい読みしてる、どちらも。
これで少しは借りを返せればいいんだが。
…そう甘くもないだろうからな。
[ポケットの中に入れた右手で携帯端末のボタンを押す。
予め作っておいた文章。送信されたのは短い一文]
『接触した。引き受ける』
おお、わお。
[女中に、片眼鏡。
世の中広いなぁ、なんて思っている間もなく片眼鏡にこんばんわされた]
晚上好。
初次見面,我是Julian.Fei。請多関照?
[はじめまして、どうぞよろしく?
そんな挨拶。
標準語で話せるけど、なんとなく出自の言葉を片眼鏡の人に投げかけた]
─中央部・建物―
[案内されるままに建物の中に踏み入りながら、最前見せられたプロファイルを思い出す。
詳細が記載されていなかった部分は、わざとなのかそれとも]
■名前:ティル=エルフテンス(Till=Elftens)
■年齢:17
■通り名:黒妖犬(ブラック・ドック)
■武装:仕込み剣
■スタイル:剣による至近攻撃、雷撃による中遠距離攻撃(制限有)
■特殊能力:生体電流の増幅・制御による帯電、雷撃、浮揚等
■その他の情報:ロストナンバー012。当該施設にて処分済。外見は現在も処分当時(12歳)のままで成長は見られていない。
ここ1年程はトラブルシューター的な仕事をする姿が確認されるようになった。エルフテンスを名乗るようになったのもそれ以降。
仕事に関しては特定の仲介者がいるものと予測される。
ふぅん、そうなんですか?
[納得したような、してないような。
振り向いて、早口のアーベルに、曖昧な返事。]
……004よりは、いいかな。
[続いた声は小さい。]
/*
お、おおΣ
コアタイムがズレているぜ!
でも始まったら夜更かしするだろうから(ぇ
今のうちに早く寝ておきます。おやすみなさいっ!
[そうしてどれほど時間が経っただろうか。
何か用を思い出したようなユリアンの様子に]
――お邪魔、しました?
ご飯、美味しかった――ありがとう。
[とぺこりと頭を下げてお礼。
階下へ降りる彼は何処へ向かうのだろうと、
興味本位でその後をぺたぺたと追ってみる]
―→現在・広間―
[挨拶を返すような仕草が見られると、警戒はされていないようで少し安堵する。
にこりと少女にまた笑みを向けてから]
ええと、アーベル様もこの子に話しかけようとされていませんでしたか?
すみません、お邪魔してしまった形になってしまって…。
[視線をアーベルへと移す。
謝罪のために頭を下げ、再び上げたところで聞きなれぬ言葉が耳に入る。
どうやら自分に向けられているようで]
え? あ?
えーと???
[言葉が分からずおろおろ]
[ふと、身近にいた猫が動くのを目で追えば
そこにはぶりじっと…が、猫の前に何かお皿を置いて。
青い人、黒い人…黒い人はよくわからない言葉を話している。]
…………?
[きゅう]
[不思議そうに眺めるも、胃袋が主張しはじめる。]
や、亜哥。
[ひらりひらりと手を振ってみる]
…随分人増えたじゃない。隠しだま?
[増えた面子を横目に、自分はというと猫をきょろりと探し。
そのはてにちゃっかりミルクとツナをご馳走になっている猫を見つけて]
…なんだ、俺以外にも飯を用意してくれる人いるのね。
よかったなー、藍苺。
でも、ツナ食った後こっちにしばらく来るなよ。
[ツナ缶独特のにおいが緩和されるまでじゃれるのはパスだと言外に]
ああ。
まあ……人違い……だとは、思うんだけど、な。
[リーチェと呼んでいた少女がいなくなった後、取り得る全ての手段を駆使して探したけれど、結局見つける事はできなかったから。
そして、昨夜確認した端末のデータは、同一人物であっても……素直に喜べる内容でもなくて。
ブリジットに答える、というよりは、自身に言い聞かせるように、言葉を紡ぐ。
そんな風に意識を集中させていたせいか、続いた小声は聞き取れずに]
[異国の響きへと視線を向けかけ、
小さく、空腹を訴える音が聞こえた。]
あ。
[ぱちり。]
……食べられる、かな?
[猫の方は、問題なく?食べているようだけれど。
机の上に置いていたサンドイッチを、二つ、少女へと差し出す。
後で食べようかと思っていたものだから、具はオーソドックスに、新鮮なレタスにベーコン。]
……。
[先程の声の主に目を戻すと、
どうやら、当の猫の、飼い主らしく。]
ええと。
もしかして、拙いものあげました……?
[恐る恐ると、問いかけた。]
「こちらの建物で待機を。私はこれで」
[広間の前まで来ると事務的に告げて男は去った。
その後姿を面白くもなさそうに見送り、携帯端末を取り出す]
使えないみたいだな。
さて、どうしたものか。
[呟いてポケットに戻し、一瞬悩んだ後広間の扉に手を掛けた]
―…→広間―
[たくさん、たくさん知らない人が増えていく
……けれど、注意はすぐにぶりじっとが差し出す
パンと野菜とお肉…が、一緒にされた食料に向かい。]
[こくこく。]
…………♪
[すばやく頷くと、とてとてとぶりじっとの方へ
お友達を抱えて駆け寄り、
差し出された食料を受け取り…はむり]
…♪
[はぐはぐ]
あ……別に、気にしなくてもいいんだけどな、それは。
[オトフリートの謝罪に、軽く、肩を竦める。
正直、何を話せばいいのかわからない、という部分もあるわけで。
何となく彷徨わせた視線が、新たに広間にやってきた姿を捉え]
と、お。
起きたか。
[大丈夫か? とイレーネに問う表情は、『身内』にしか見せない、穏やかなもの]
[広間には幾人かの人がいるようで。
好奇心と少しの緊張を表すように、床を摺っていた翼は擡げられ。
扉の端からそろりと中を覗いた空色の目は、やがて一点に留まり]
――アーベル?
[そわそわと、翼が緩く開閉する。
ぽつりと落とされた呟きが届いたか否かは分からないけれど]
[イレーネ、と口の中でその単語を繰り返し、それから少女のことを蓮娘(レンニャン)と呼ぶようになったかもしれない。
彼女が嫌そうな顔をすれば、単純にレーネ、と呼んだだろうけれど。
彼女がついてきているのを知らなくて、単純に振り返ったら彼女がいて軽く驚きはしたけれど]
よ。
[そういって、軽く手を振って。
おろおろする片眼鏡の人に、苦笑をひとつ漏らす]
わーるい悪い。
俺ね、ユリアン。ユリアン・フェイ。
よろしくー。
[サンドイッチに齧りつく少女を、固唾を飲んで見守る。
猫への食事は芳しいものではなかったようだから、緊張は増した。
自分用を作ることはあっても、他者に食べさせることなど、滅多にない。ましてや、子供では。
新たに増えた存在に気を配る余裕もないようだったが、大人しく食べている様子に、とりあえずは、ほっと胸を撫で下ろした。]
[名を呼ばれれば、たた――と彼の方へ駆け寄り
問いかけにはこくこくと頷く]
アーベル、アーベル。
お引っ越しした――の?
[彼女にとって、別の研究所へ移される事は多々あった事で。
どうやら、今回もその類の移動だと思っているらしく]
ここに、住むの?
[昨日毛布を掛けた少女が目を覚ましていて、レタスサンドを齧っているのを見ながらすっかり満腹とばかりに口元をミルクとツナでひっちらかしてごろごろ転がる藍苺に肩をすくめ、ポケットからちり紙取り出して拭き拭きしながら]
ん?ああ、違う違う、わかりやすく言うと…うーん。
あれかな。
幾ら可愛い彼女でも、ツナサンドを食べたあとにキスはしたくないって言う微妙な気持ち。
[そんだけ、と笑ってセーラー服の少女に告げる]
[良いんですか?とアーベルに訊ね返すが、言葉の壁におろおろしていたために、おろおろが別の意味に取られたかも知れない。
改めて異国語を話す青年から自己紹介されると]
あ、はい。
ユリアン様、ですね。
オトフリート=ゲルルと申します。
以後お見知りおきを。
[言葉が通じたことにようやく落ち着きを取り戻した。
その後ろに更に気配を感じると、視線を向けてお辞儀をする]
[はぐはぐ]
[寝込んでいた間の食事をとりかえすように
ぶりじっとが差し出した食料を勢いよく食べていれば。
先程自分を”りーちぇ”の名で呼んだ青年の後ろに現われた
…………人?鳥?人に見えるけど、
背後の羽は鳥みたいで。
どちらとも判断できず、目を白黒させる。]
[ユリアンの呼ぶ蓮娘、の響きには最初不思議そうにしていたが。
それが自分の事を指しているのだと分かれば]
れん、にゃん――れんにゃん。
[面白そうにその響きを反芻したかもしれない。
振り向いて少し驚いた様子の彼には小首を傾げて]
ほい、俺ですよ、と。
[名を呼ぶ声に、にこ、と笑って。
駆け寄って来た少女の問いに、あー、と困ったような声を上げる]
いや、俺は引っ越してきた訳じゃなくて、な……。
[自分も状況を完全には把握していない現状を、どう説明したものか、と]
まあ……しばらくは、ここに住む必要がある……かな。
[取りあえず、それはほぼ間違いないので、一つ、頷いて]
[扉を開き、ザッと視線を巡らせて確認する]
はじめまして、の人だけではないみたいだね。
こんばんは。
[誰に向けてともなく軽く会釈を送った]
……!
[猫の面倒を見る青年の答えに、一瞬、固まって、]
わかりやす…… く、
ない、です……!
[そういった話には疎いのか、動揺の気配を滲ませた。]
と、とりあえず、すみません、でした。
[謝罪を短く告げ、人の増えて来た辺りから離れて、最初に座っていた椅子に落ち着く。膝の上に、本を広げた。
意識を他所に向けようとしているらしい。]
お引っ越しじゃない、の?
[『なら何なんだろう?』と反対側に首をこてり。
けれど、単純に同じ場所に住むのだという事実を捉えると]
アーベルと一緒、久しぶり――嬉しい。
あのね、あのね。
前より上手く飛べるようになった、から。
今度、見てね。
[自慢げに背に負った翼をふわりと大きく広げる。
元々翼として生えているものではないそれで
飛べるようになるまで、随分と時間をかけたようだ]
[そう会話をしている中で、ふと自分へ向けられる目線に気付く。
金髪の小さな少女が困惑する様子にぱちぱちと瞬いて]
[更に現れた少年の姿に挨拶を返して。
相手が名乗ろうが名乗るまいがこちらの自己紹介は行う]
[でもそろそろ名前が覚えきれなくなってくる頃かもしれない。
必死に名前を反芻*している*]
はぁい、ユリアンです。
えーと。
よろしく、おっとさん。
[猫を抱えて青少年は笑う。
折角だから彼にも中国名の愛称をつけてみようと思ったのだが二・三首をひねったのはいい音がでてこなかったかららしい。
イレーネが小首を傾げたので、猫の襟首つかんで差し出してみた。
触る?と首をかしげたところで、なにやら小さな少年のような姿見えて更に反対に首ひねる]
ん?あ、いや、別に餌食わせてくれたことは感謝してるんだけど…。
はて。
[そもそも昨日なんて貝紐食べてるし、猫とキスするつもりだって毛頭ないのに何を少女は慌てるのかと首ひねり、本を読む姿ちらりと眺め]
[とは言え。俄かに騒がしくなった広間、意識を本へと集中させると言うのは、なかなか困難なことで。
結局、ちらちらと視線を上げて、周囲を窺う形になる。
異国の言語――世界が変わってからは、異国という概念も曖昧な上に、実のところ、話せはせずともおおよその理解だけならば出来るのだが――を話していた彼以外にも、ここに来てから初めて見る顔が、二つ。
その片方の背には、白い――翼が、あった。
目を見開いて、ゆっくりと一度、瞬く。]
…………。
[はぐはぐ…ぺろり。]
[旺盛な食欲で、あっという間に食料を平らげ
手についた油分を、小さな舌で舐めていれば、
更に人物が現われて……
本当に、ここはどういうところなんだろう?
そんなことを考えていれば、先程の不思議な鳥?人?が
こちらを見ていることに気づく。]
…………。
[うずうず。]
[さっきの猫のようにふわふわな背中の羽は
実際に触れたらどうなるんだろう?
それとも触れる前に、鳥だから飛んでしまうかな?
それとも、人だからさっきのオートフリートの
鼻のようなさわり心地だったりするのだろうか?]
[そんなことを考えていれば、自然そわそわと、
手が落ち着きなくおともだちをいじる。]
……何でも無いです。
[ふるふるふる。
疑問の声に、否定には多すぎる程に、左右に首を振った。
何度も目を通した歴史の教科書など、面白いはずもなく。]
[ユリアンに差し出された藍苺に思わず手を伸ばす。
掴まれてびにょんと伸びた猫の首が可哀想に見えたのか。
両脇から抱き上げるようにその小さな黒を抱えようと]
ああ、引越しとは、ちょーっと違うな。
[イレーネの疑問に、何となく苦笑しつつ頷いて]
ん、まあ、久しぶりか。
上手く飛べるようになった、か……んじゃ、今度は一緒に散歩、できるかね?
[広げられる翼に蒼を細めつつ、笑いながら言う]
[新たに入ってきた、金髪の少年の声には、一度そちらを見やり。
おや、と短く声を上げた]
[何を考えているのか、落ち着きのない様子の少女に目線を
合わせるようにしゃがみ込むと]
こんにち、は――?
[握手を求めるように左翼を伸ばし、その先端を彼女の
小さな手の前に差し出した。
少女が触れれば、それは握り返すように動くかもしれない]
…あ、そう。
……女孩子,総学得難。
[女の子って、なんだか難しい。
本を読む少女の様子にぼそりと紡ぎながら、蓮嬢の手の中に黒い猫を落っことす。
黒い仔猫からしてみたら、いつもの扱いだから特に驚く様子があるわけもない。
かくして、猫が蓮嬢の手の中に落っこちた後。
視線を感じれば金の髪の少女に毛布はもう必要なさそうに見えたからそれを回収しようとそちらへと近づくために足をそちらに向ける]
お散歩、楽しみ――。
途中で落っこちないように、私――頑張る。
[彼よりも幾分明るい空色が、こちらも笑う。
と、話していたところで入ってきた少年に彼の気が向いたのを
見て取ると二人の様子を少し気にするように眺めながら]
[有翼の人物は少女や黒猫へと意識が向いているようで、邪魔するのもどうかと思ったのと、他者の会話に今から加わる気分にもなれなかったのと。
色々な要素が相俟って、溜息を落とした。
本を鞄に仕舞って、立ち上がり肩にかける。トレイやら皿はどうしようかと思ったが、後で取りにくればいいかと、その場に置いたまま。
隅の方を通って、広間を抜ける。]
……そういうものなんです。
[途中、呟いた言葉は、異国の言語に対する返答だったのだろうが。
それは、ざわめきの中に消えそうな程だった。]
ん、心配すんな、落ちそうになったらちゃんと引っ張るから。
[こちらの翼は最初から飛ぶための物であり、用いるようになってからの期間的にも飛行に関しては安定しているから。
笑いながらこう言って。
見知った少女と、知っているかも知れない少女の様子に、見守るような視線を向けつつ]
……いやいや、こちらこそ?
[金髪の少年──ティルの言葉に、さらり、と返す。
態度は、一言で言えば、余裕]
[その場から動く気配――ブリジットに気付き、
その後姿を目で追う]
――?
[夢の中で感じた気配と似ている、と思ったのは何故だろうか]
/中/
こないだから気になってたんだけど、流星始めてからやったらと霧、深くないかーっ!?
……鯖サイドの問題……じゃあ、ないっぽいんだが。
単純にアクセス数が多いっつーこと?(汗)
随分と余裕だね。
[ピクリと肩を動かしながらアーベルを見る。
同時に自分がかなり緊張しているのを自覚し小さく息を吐いた]
で、皆さんはここで何を?
僕はとにかく来いと言われただけで、目的も何も聞けなかったし分からないのだけれど。
[内心はできるだけ隠そうとしながら軽い口調で問いかけた]
……別に、いつもと変わらんけど、ね?
[ティルの反応にくく、と笑みを漏らしつつ。
その問いには小さく息を吐いて]
さて……ね。
それは恐らく、ここにいる全員の疑問だろうな。
ま、後でお達しがあるらしいから、それを待つしかない、ってとこかね?
[ひょい、と肩を竦めつつ。
それがいつになるのか、というのは、*取りあえず考えずに*]
[先程からやわらかく動く羽根に、
声こそださねど「わぁ…」と、感嘆の表情と口の動きで
羽根の持ち主を見やり。
挨拶をされれば、ぎゅっとおともだちを抱きしめて。
それから、差し出された翼の先端におずおずと手を伸ばす。]
…………。
[ほの温かく柔らかな羽根は器用に少女の手を握り返し。
少女はぼんやりとした眼をまぁるく見開いて
お礼?返礼?と言うように、おともだちの肩腕を
その羽根先に差し出すように添える
…そのために、おともだちが腕だけで支えられた状態になって
ぶらーんとぶらさがってしまっているけれど]
[ぶらりと下がった少女の“おともだち”を右翼で掬い上げる。
左翼の羽先は器用に少女の手を取ったまま、
おともだちの腕にも別の羽先を伸ばして包み込むように握手。
傍目には羽が伸縮しているようにも見えた事だろう]
[狼と犬の様子には少しおど、と心なしか遠巻きに]
[周囲の様子には気づかぬまま、相手の羽根は
器用におともだちも掬い上げて握手をしてくれて。]
[ふわふわ]
…………♪
[最初の驚きが収まれば、見た目の期待通り、
羽根が柔らかくて、ついつい頬ずりをして感触を楽しもうとする。
……相手が、人か鳥かわからないから
いささか本来人に対して持つ警戒心が薄らいでいるようだ。]
/*
身代わりの事があるので、友好縁故は願ったりだったりします。
ベアトリーチェは狩人――かな?
ユーディットが狂信者にも見える。
…ああ、そうだね。
「いつもどおり」余裕というわけだ。
[笑われれば一瞬眉が寄りかけるがどうにか自制する。
それでも余計な一言がついたのは苦手意識があるからだろうか]
何だ、誰も知らないのか。
それこそアイツの言った通り待機しているしかないわけだ。
[気に入らないが仕方ない、と言わんばかりに答えて。
遠巻きにこちらの様子を窺う少女に気付くと小さく笑って*みせた*]
[触感がお気に召したのか、頬を摺り寄せる少女。
しゃがんでいるのが億劫になったのか、
脚を崩してその場に座り込む。
少女が触れる箇所の温度を僅かに上げると、
少しばかり柔らかさが増しただろうか。
愛でるように、くすぐるように別の羽先で髪を撫ぜる]
[すりすり]
…………♪
………
[すり……うとり。]
[相手がその場に座り込めば…丁度猫のように…少女は知る由もないのだが
相手の羽にますます擦り寄って。
……ふくふくと、先程より暖かいのは気のせいだろうか?
しばらく、相手に頭を撫でられながら羽根の感触を楽しんでいれば
気がつけばそのまま*意識は混迷し…*]
[金髪の少年の笑みを見留めれば、どきり。
何処か険悪な様子に身構える、我が事でもないのに]
あい、つ――?
[会話の内容はあまり理解できていないようで]
[羽根に擦り寄り、仕舞いには眠ってしまった少女におやおや。
『どうしよう――』と思案する仕草。
腕の中には甘えたな仔猫がいて
少女を抱き止めるように翼で包み込み、
文字通り羽毛布団――
実際は人肌に包まれているという方が近いが――
を提供する]
[しばらくの後]
――動けな、い。
[ぽつりと困ったような独り言。
んーんー、と悩む素振りを見せていたがやがて
自らももう片方の翼に包まるとこて、と横になった]
[一瞬、翼は件の『卵』の形状をとろうと変形しかけたが、
少女と猫も一緒な事に気付き翼へと姿を*戻した*]
[向けられた視線には、気づいたか、否か。
真っ直ぐに通路を歩んで、外へと出た。
建物の周りから離れることはなく、直ぐ傍の壁に背を凭れかからせて、]
はあ。
問題、だな……。
[額に手の甲を当て、溜息。
ずず、と。身体は次第に下がり、地面に座り込んだ。
ぼんやりと、空を見上げる。
*風が余分な熱を、攫ってゆく。*]
[ばさっ!と勢い良く布団を跳ね上げ、ベットから起き上がった。
ぼーっと半眼で周りを見て、頭をかく。
腰程まであるゆるやかなカーブを描いた髪が揺れて肩から流れ落ちた。]
…寝ちゃったっけ?
[部屋の灯りはついたまま、どうやらすぐに寝てしまったようで。
カーテンも開いたまま、外からの風に揺れていた。
ベビードールにドロワーズといった格好のまま、ぺたりとベッドから降りると、顔を洗って冷蔵庫を開いた。]
何か食べますぅ?
お腹、すきましたよねぇ?
何があるかな〜♪
[冷蔵庫から材料を出して備え付けのキッチンの下から器具を出す。
卵をボウルに割り入れて良く混ぜた後フライパンで焼きつつローストビーフを切り取り、手早く調理を進めて行く。
サンドイッチとスクランブルエッグ、ほうれん草のソテー、それにグレープフルーツを切って机にキレイに並べた。
その前に座ると目を瞑り手を合わせ、頂きます、と呟いてから食べ始めた。]
良かったぁ、美味しくて。あは。
[呟きながら、フォークを口に運ぶ。
食べ終わるとコーヒーをいれ、ミルクをたっぷり入れて楽しんだ。]
[軽くお腹を膨らませた後、昨日脱いで洗って干したワンピースに手を触れる。
微かに湿り気を感じる気もしたが、きになる程ではなかったので着込んでしまう。
髪を二つにわけて2本のおさげを結い、くるくると纏めて頭にパチンとピンで留める。
カーテンをしゃっと開け、外の空気を肺いっぱいに吸い込んだ。]
さてとー。
ちゃんとトレーニングはしますよぉ。
体が資本だからねぇ。
[呟いて、緩やかな風に髪を流す。]
「それにしても。
『殺しをしたければ来い』とだけ書いた紙。
どうして、私がストリートファイトで「殺しちゃだめ」な事にイライラしている事が分かったのかしらねぇ。
ねぇ、私のメイド、貴方何か言ったりした?」
そんなワケないじゃないですか。
ボクの行動は逐一知ってるくせにぃ。
「それもそうよね。」
―昨夜・広間―
そんなに警戒しなくても。
今ここで何か始めたりはしないよ。
[尋ねるような言葉には笑みを浮かべたまま答えない。
やがて羽に包まれて眠りにつく少女二人に複雑そうな視線を投げ]
銀翼、あなたのところの子だったかな?
[探るような会話を少しだけ交わし。
休む場所が別にあると知れば、最終的には二階へと上がった]
―現在・部屋I―
[部屋の中をあれこれと確かめてゆく。
暫くの生活に必要と思われるものは一通り揃っていて、監視装置の類も見つからなかった。少なくとも機械的なものは無いだろう。あれば気付くこと位は出来るはずだ]
それでも管理できる自信があるわけだ。
[わざと呟く。それでも反応は特になく。
脱いでいた緑のウィンドブレーカーを羽織ると部屋から出た]
[黒銃を背中へと挿すとトン、と窓の枠を蹴って、外へと飛び出した。
スカートが空気を包み、風船のように膨らんだ。
着地する瞬間膝を曲げつつ、飛び降りたのは玄関の扉の前。]
/中/
ご挨拶前ですが。
ちょっとストリートファイトを誤認したかもしれません。
その場になるまでカードは分からないものだったかな。それなら代理とか相手には分からないですよね。ごめんなさい!
[一通り歩いて建物内は大方把握できたと思われた。
少なくとも入れる場所は。
後は外を確認しておくかと玄関から出ようとして]
!?
[咄嗟に一歩下がった。
上空から降って沸いた気配に半身をずらして身構える]
[ふわりと遅れて追いつくスカートを揺らしつつ、開いた扉の方向に衣擦れの音が聞こえて振り返る。
そこに少年(?)の姿を見つけ、首を傾けつつ、身構えている様子ににっこりと微笑んで]
おはよー♪
初めまして、かな……ん?
[挨拶をするが、なんとなく顔に見覚えがあるような、ないような、昨日も感じた不思議な感じがして、上半身を少し前に倒し、睨むようにして眉を寄せてティルを見た。]
…おはようございます。
[にっこりと微笑まれれば息を吐いて緊張を僅かに解き。
もう一歩下がりながら僅かに唇の端を上げた]
はじめましてじゃないと思うな。
エンジェル・リッパー?
[その名を呼ばれると、ぴくりと片方の眉を上げて、そっと右手は背中へと隠すように動いた。
じ、と顔を見ながら、両足は自然と肩幅程に開きつつ足の先に力が入るのが分かる。
それでもへらりと笑って見せて口を開いた]
あは、やだなぁ。
ボクは「ユーディット・クリューガー」だよ。
それは、ボクの名前じゃないんだから。
あんまりおかしな事言うと、斬っちゃうよぉ?
えーっと…
キミ、見たことあるねぇ?
[顔に貼り付けたしまり無さそうな笑顔はそのまま、前髪が風に揺れた。]
−回想−
[すっかりと身体の冷えた頃、広間に戻ってみると、寝入ってしまったらしい子供と有翼の少女の姿があって、ぱちりと瞬いた。
部屋に寝かせた方が――とも思ったものの、それは男の仕事だろう、なんて勝手に決めた。毛布をかけようにも、二人分には足りず、下手をすると起こしてしまいそうだったから(ついでに羽に触ろうとするのも堪えて)、結局そのまま。周囲の人々に適当に声をかけ、トレイを持って二階に上がったのだった。]
−現在−
[場所は変われど、規則的な生活は変わらない。
チャイムの音に一喜一憂する必要はないわけだけれど。
鞄を肩から提げて、個室を出る。少しは身体を動かしておこうかと、玄関へと足は向いた。]
おっと、これは失礼。
その名前はまだ聞いていなかったものだから。
[相手の動きに合わせて左手を軽く握った。
右足に重心を移しながら、左の爪先にも僅かな力を残す。
それでも相手に合わせ笑ってみせながら]
僕はティル。
黒妖犬(ブラックドッグ)と言えば思い出してもらえるかな?
…そんな感じ、とはどんな?
[唐突な声に僅かいぶかしむ]
「黒妖犬、と言われれば、にっこりと笑って」
うん、やっぱり。
「そんな感じ」ってのは「そんな感じ」だよぉ。
言葉の響き?あはは。
ボク物覚え悪くってねぇ、良くないよねぇ。
ティルさん、だね。
[笑顔で言いながら、玄関の扉の方に近寄る気配を感じれば笑った目の奥の光が一瞬そちらへと注意を向ける。
右手は背中にさした黒銃にもう届いてそっと触れている。]
[気配はおろか、足音も潜ませていない。
近付くにつれて、扉の傍に小柄な姿が見えた。]
ええと……
こんにちは?
[呑気に声を掛ける。]
[ブリジットの姿が現れると、ほわんとした笑顔を向けて背中に隠れていないほうの左手をひらりと振った。]
こんにちはぁ、ブリジットさん。
感覚的なもの、か。
[ユーディットに答えながら微妙に立ち位置をずらす。
背後からの足音と気配。隠されもしないそれに対応できるように]
ああ、こんにちは。
ええと…。
[ブリジットの姿を確認してそう声を掛けた。
昨夜見た憶えはあったが、名前を聞いた覚えはなかったので途中で切れて]
ブリジットさん。
[ユーディットの声にそう付け足した]
おふたりとも、どこかに行って来たんですか?
それとも、これから行くのかな。
[ブリジットの手は、鞄に添えられている。
途切れた少年の声に、昨晩を思い出して、]
あ。自己紹介がまだだったね。
ブリジット=エメスです、よろしく。
[笑みをつくり頭を下げた。
丁寧語が抜け落ちているのは、幾つも年が下に見えるからに違いなかった。]
−回想:昨夜/広間−
[広間を抜けていこうとする姿、ちらりと視線で追って、少しだけ翻るセーラーの襟と、プリーツの揺れる裾にちらりと視線は惹かれたけれど、だからといってそれを捕まえる手もなく、めくりたいなんていう衝動の欠片もない。
どちらかといえば、今、青少年にとっての優先事項は白い毛布だったからだ]
ボクはこれから少し体を動かそうと思って出た所だよぉ。
別に、喧嘩してたワケじゃないんだよ?
[にぱ、と相変わらずのしまりのない笑顔をブリジットに見せる。
それでも右手は未だ背中に隠れたままだが]
[そのあと、蓮嬢と小さな女の子がなにやらもふも付しているうちに眠ってしまったものだから、結果的に毛布をたたむどころか広げる必要がでてきてしまったわけで]
…なんだか、手間のかかる妹が二人増えたみたいだ…。
[毛布を横にだけ広げて広げて。
それを先ずはソファ(いじくってみたら背もたれが倒れた。どうやら簡易寝台として使えるらしい)に毛布を引き、それから蓮嬢と少女と、猫と、順番に運んで、長くした毛布でくるむ。
ちょうど、餃子の皮やオムライスの卵をかぶせるように]
[それから、毛布の縁を"縫い合わせる"。
そして出来上がる、白い寝袋。
すっかり腹を出して安眠ご満悦中の猫のその腹をむにむにつついてから、自分は部屋へと戻ることにした。
ちょうど、少女たちが起きる頃。
青少年は熱々のお粥と空芯菜と厚切りベーコンの炒め物と、ふわふわの卵焼きと、そのほかいろいろかんたんな朝食のトレイを持って広間に再び現れる*はずだ*]
僕もあなたに向けては名乗っていなかったな。
ティルというんだ。よろしく。
[頭を下げられれば軽く頷くように返して。
年下に見られているなとは思ったが、当然の反応でもあるので特に何を言うことも無く]
少し外を歩いてみようかと。
思ったらこの人が上から降ってきてね?
[ユーディットを示しながら笑って見せた。
警戒は完全には解かず、それでも目立たない程度に落として]
[……きょとり。]
喧嘩、って。
[そんなこと、聞いてないのに。そう言いたげな表情。
が、昨日のユーディットの言動からして、有り得ると思ったらしく。]
……あまり、暴れたら、駄目ですよ?
動きたくなるのはわかりますけれど。
まだ、説明もないですしね……
いつになったらあるんだろう。
[後半の声は沈みがちだった。]
ティル、ね。
……、降って来た。
[示されたユーディットを見て、上を見て。]
……アクティブですね。
[何処か、ずれた感想。]
あはははははは。暴れてないよぉ。
だって今は、ご主人様ってば上機嫌なんだもん。
[ブリジットの言葉に、心底おかしいといった顔をして口に左手を当てて笑う。
背中に回していた右手も緩やかに体の横に戻し、警戒は解かれて行く]
説明、無いねぇ。
っていうか、あるのかな?
ずっとここに閉じ込められたまんまだったら、色々困るなぁ。
[アクティブ、との言葉には、自分でも釣られる様に降りた窓を見上げて、あは、と笑った。]
僕もそんなつもりはなかったのだけれど。
[喧嘩という表現には苦笑しつつ]
驚いていたのは認めるよ。
アクティブ…言いえて妙だね。
[ブリジットの言葉に頷いた。
ユーディットが警戒を解くのに合わせて入っていた力を抜き]
後でお達しがあるらしい、と言っていた人はいたよ?
それまでは時間を潰すしかないのだろうけどね。
[ブリジットの言葉には、きょとり、と目を瞬いて首を傾けた]
外部?と連絡?
知らないよぉ、取ろうとしたこともないもん。
取れるの?
[頭の周りに「?」を沢山飛ばしながら、質問を質問で返した。]
[二人の返答に、争う意志は確かに無いらしい、とほっと一息。]
その、後で、が曲者なんだよね……
十部屋あったから、十人来たら、なのかな?
[今何人なのだろう、と指折り数えたが、満たなさそうだった。]
外部?
少なくとも僕は取れなかったね。
[ブリジットとユーディットのやり取りにはそう口を挟み。
ご主人様云々には言及せず様子を窺うだけ]
確かに、いつになるかは分からないままか。
イラつくといえばイラつくかもしれないな。
[チラリと建物の中を振り返った]
ご主人様は、ご主人様だよぉ。
ボクのご主人様なんだから、ボクの傍にいるに決まってるじゃない。
[ブリジットの言葉には、笑顔で答えてくるりと回ってみせる。
ティルの言葉に首を傾けながらぴたりと止まり]
イライラする?
そーかなぁ?
結構楽しそうじゃない?
ワクワクする、って。あはは。
―回想―
ま、当たらずも遠からず……かね。
[ティルの問いにはそれだけを返し。
少女たちが寝てしまった様子にどうしたものか……と思った矢先、ユリアンが世話を焼き始めたので、そのまま任せておいた。
自分との性格的相性はさておき、年下への接し方に関しては、信を置けなくはない、という認識があるから。
ついでに]
……やべ。
[ぽつり、零れる呟き。
もし聞き取ってこちらを見た者があったなら、微か、青ざめた表情に気づいたやも知れず]
[他者が気付くかどうかなどは意識の外。
広間を出て個室に戻ると、半ば倒れ込むようにベッドに横になる]
……あー……かったる……。
[上がる、気だるげな声。
獣化戦闘後特有の、極度疲労状態だ]
……っとに……。
[めんどー、と呟くより早く、*意識は深い眠りの内*]
[生欠伸と共にもそり、とソファの上の巨大餃子が動く。
どうやら食欲をそそる匂いに意識を引き上げられたらしい。
寝袋のような形のそれに絡まりながら、
少女は匂いの元を辿ろうとして――]
ごは――ん…‥っ。
[ソファから落ちた]
何が起こるかも分からないというのに気楽だね。
その方が無駄な力が入らなくていいかもしれないけれど。
[首を傾げるユーディットに肩を竦めて]
傍にいるご主人様、ね。
じゃあ「そちらにもよろしく」
[そう言うとユーディットの脇を抜けるようにして外へ出た。
すれ違う一瞬だけは最初と同じように*警戒をしながら*]
[しばし行動停止する巨大餃子。
中から覗いた顔は痛みを堪えるしかめっ面。
けれど、割合小柄な身体の何処がエネルギーを欲するのか
――分かりきった事だが、翼なのだけれど――
ご飯の方へ向かおうとするのは忘れずに]
ユリアン、ユリアン。
ご飯――頂戴?
[すっかり『ご飯のお兄さん』と認識した彼におねだり。
お目当ては特に、ふわふわの卵焼きらしい。
承諾を得たなら、他の物を示されるまでずっと
卵焼きにかかりっきりになる事だろう]
/中/
ああ、完全離席前にご挨拶を。
毎度宜しくお願い致しますの漂流兎猫Meyです。
遅参となってごめんなさい。リアル関係で最初二日間は様子見だけしてたのですが。三日目になったら風邪もらってて(汗
それから今回はどうにもキャラが安定していません…でも頑張って動きますのでどうかお許しくださいね。
とりあえず休憩して、また夜に頑張って他の人とも絡もう…。
あはは。
肩に力入れたって対応できる事の幅が広がる訳じゃないからねぇ。
うん、よろしく言っておくよっ♪
[去って行くティルの後姿を暫く見ていたが、そうだ、とブリジットに手を振ると一度ふんふんと上を向いて匂いをかぎ、くるりと回った。
そして昨日行った西部とは逆、東部へと向かってゆったりと足を動かして歩き始めた。]
―南部―
――よ、…っと。
[事切れた緑鱗の生物の肉片から、突き刺さった白銀を引き抜いて。
途端、漂う異臭に思わず僅かに眉を顰めた。
嗚呼、無駄な労力を払った割に、得る物は無いし。
八つ当たり序でに爪先で軽く蹴ってみるものの、微塵も動く気配は無い。
安堵にも呆れにも近い吐息を小さく零して、大型の獣に似た其れを見下ろした。]
…とゆーか。条件反射で倒しちゃいましたけど。
――…新種の虎か何かですかね?
[へら、と。
この場には不釣合いな程に気の抜けた笑みを零しながら、独りごちる。
――尤も、取り上げた白銀から僅かに滴る青色の体液が
普通の生物とは掛け離れている事は既に示しているのだが。]
……。
…青色でも、酸化するんですかね。
[手入れが色々面倒そうなんですけど。
気怠げにナイフを空へ翳しながら、横たわる巨体に腰掛ける。
纏わりついた妙に粘着質なそれを軽く振り飛ばすと、取り出した布で軽く拭き取った。
本当はしっかり手入れをしたい所なのだけれど、
道具を持ち歩いて居た訳でも無いから、部屋に戻ってからやるしかない。
…それまでに、悪化しない事を*祈るのみだ*]
ご馳走、様――。
[満足そうに、両手を合わせてぺこりとお辞儀。
『美味しかった』と感想を述べるのも忘れずに]
――――。
[餃子の皮を綺麗に畳んで、ソファの上に返却。
すっかり眠気も飛んだようで、また好奇心が頭を擡げる。
そういえば、ここは何処なのだろう?
まだ外に出ていなかった事を思い出す]
遊びに行ってきま――す。
[それは誰に入れた断りなのやら。
ユリアンがまだそこにいれば手を振って、玄関ホールへと
廊下をぱたぱた駆けて行く]
まさか、……ねえ。
[手を下ろして、かぶりを振る。
ポツンと取り残されたことに、若干のショックを覚えたのは些細な事だ。実際には、挨拶をされていたのだから。
外へと出ると、瓦礫の上に鞄を置いて、軽くストレッチを始めた。]
[それは「学校の体育」レベルのもので、実戦とは到底結び付かない動き。
ある程度身体を温めれば、それで満足してしまい、外にも関わらず、携帯端末片手に読書――もとい、勉強という、*器用な真似をするのだろう。*]
[外に出ようとしたところで、昨日広間で見た姿を見留めて
はたりと立ち止まった]
――こんにち、は?
[ストレッチをする様子を興味深そうに見ながら]
[ゆっくり歩いていたが、そのうち早足になり、それも暫くすると跳躍へと変わる。
とん、とん、と体を一度飛ぶ度に屈めつつ、左右へと飛んで進む。
息が上がらないギリギリのラインで、跳躍を続けながらどんどん東の奥へと進んでいた。
湿度が高く、踏んだシダ植物の葉が後ろで揺れた。]
べたべたする…。
[息は上がっていないが、額にはうっすらと汗が浮き始めた。]
[挨拶の後、幾らか言葉を交わしただろうか。
彼女が持っている物は何だろう、と会話中もちらちらと
携帯端末とやらを興味津々といった様子で眺めていたけれど。
やがて彼女が勉強に戻るようであれば、お邪魔してはいけないと
ぺこり一礼をしてその場から離れた]
――どっち、行こうかな。
[片足立ちで目を瞑り、翼を持ち上げる
1:北部 2:東部 3:南部 4:西部 5:上空 6:やり直し]
えい――っ。
{3}
[湿った土は、その内側に含む水分を進めば進むほど増やして、柔らかい土へとなっていった。
大きな岩から岩へ、相変わらず深い屈伸をしながら飛びうつる。
キラリ、進む先に光を反射するものが見え、少しだけ進むスピードを上げた。
シダ植物やコケが生える中、湖が姿を現した。]
うぁ、キレイですねぇ。
[間抜けな声を上げる。
ぱしゃり、湖から跳ねるような音がした。
魚かな、などと思いながら湖を覗き込むと]
[くるりと回り、両足を着けたところで目を開ける。
向いている方角は南]
こっち――。
[ふわ、と大きく翼を広げて数歩の助走。
思い切り地を蹴った足は宙へと飛び立った]
ん――と、と。
[飛ぶのは久しぶりなのか、ふらふらとバランスを崩しながら
徐々に安定した羽ばたきを取り戻しつつ、南へ]
―→中央部と南部の境目・廃墟ビルの上―
ふわ、わわっ!
[上がる水柱に、飛び退る。
が、降りた岩にびっしりと生えていた苔に足を滑らせてバランスを崩す。
尻餅をつきながら水柱を見上げると、中から大きな蒼いぬるりとした皮が姿を現した。]
…烏賊って、ボク海の生き物だと思ってたなぁ…。
[巨大烏賊は、威嚇するかのように大きな咆哮を上げた。]
[南へ進むにつれて体感温度が上がっているような気がして、
少女は些か困惑していた。
難しい顔で降り立ったとある廃墟の上から目的の方向を見渡せば
そこには延々と広がる砂地が見えて]
――暑いの、嫌。
こっちは、嫌。
[あっさりと方向転換。
右手を見れば湖と湿地、左手を見れば緑地帯が見えただろうか。
どちらが涼しそうか、と言えばきっと水のある方だと
単純な彼女は答えることだろう――湿気の蒸し暑さも知らず]
[背中の銃に手を回そうとしたけれど、少しだけ考えて]
ね、少し追いかけっこしよっか。
ボクさ、体を動かしにきたんだ。
[烏賊を見上げてにっこり笑うと、背中の銃を手に持って斜めに烏賊の足元へと黒い光を閃かせた。
ぬるりとした皮に筋が入り、白い血のような体液がじわりと出てきて巨大烏賊がもう一度咆哮した。]
怒った?
怒っちゃった?
あっはははははは、こっち、だよーっ。
[楽しそうに声をあげて笑いながら、跳躍する。
巨大烏賊は轟音を上げながら追いかけて来るのを、楽しそうにひょいひょい避けながら、南西へと走り出した。]
[巨大烏賊と追い駆けっこが繰り広げられているとは露知らず、
『水遊びしたいなぁ』などと暢気な事を考えながら]
――?
[けれど、北東から何やら地響きにも似た音が聞こえるのに
はたりと中空で立ち止まり――もといホバリングしながら]
な、に――?
やっぱりあんまり足は速くないねぇ。
見た目通り、かなぁ。
あははははは、こっちだよー。
[巨大烏賊が追いかけながらその長い足を打ち込んでくるのをひょいと跳躍して避けつつ、次の着地地点の岩を着地と同時に蹴る。
走る速さは早くないとは言え、長い足を繰り出す速さはそこそこのスピードで良い運動にはなるかな、などと思いながら高めに飛び上がると、なにやら空中に浮かぶものが見えて]
…あ、れー?
[次の岩の上で、立ち止まる。
すぐ後ろから、どがあっ!と大きな音を立てながら巨大烏賊の姿が現れて、同じように彼女の姿を目に留めるだろうか?
昨日、ユリアンとすれ違った直後に見たような見てないような…?]
[いわゆる女中さん――黒いワンピースに白いエプロンの人影が
巨大な烏賊に襲われているようにその目には映っただろうか]
い、か――さん?
おっきい――。
[いやいや、感嘆するよりも彼女を助けてあげなくては?
そう思い、高度を下げつつ巨大烏賊の上へまで滑空すると]
大丈夫――?
[烏賊の足に気をつけながら、そう問いかけた]
[烏賊の上、滑空してきた少女を見てひらりと手を振る。
攻撃してくる足をひょい、と避けつつ、声を聞くと心配していると分かり、]
あ、ボクは大丈夫ー!
楽しんでるからー!
怪我をしたくなかったら、少し離れた方がいいかもしれないよー!
[烏賊による怪我なのか、自分による怪我なのか、は明言せずに大きめの声を出す。
そろそろ息が上がってきたので、終わりにしたほうが良いかな、等と考えつつ手に握った黒い銃を握りなおした。]
楽し――?
[『烏賊と戯れていただけなのかな?』などと場違いにも、
ただし、今回ばかりは当たっていそうな想像をして。
彼女が黒い銃を手にしたのを見れば、
『何だろう?』とそれをじっと観察する。
言われた通り、高度を上げて距離を取りながら、
いつでも急降下できるよう身構えつつ]
[羽根の生えた少女が少し位置を上げたのを見ると、とん、と岩を蹴って、烏賊の体すぐ近く懐まで走り寄る。
烏賊が叩き潰そうと両手を振り上げた所で低く屈み、両手をやり過ごすと同時に右手に持った銃をゆらりと振ると、軌跡が残って鎌となる。
柄の長さだけで自身の身長ほどもある鎌を右手で握り、下から上へと振り上げた。
丁度烏賊の両手がクロスした中心に黒い筋が入り、一瞬烏賊の動きが止まる。]
あー、意外と軟いね…っ!
[下から振り上げられた鎌はその柄をしならせて縦にしなり、ばちん、とゴムが戻るかのように烏賊の頭を真上から襲った。
ずぶぶぶぶ、と音を立てて刃の部分が烏賊の額(?)ぽい部分に突き刺さっていく。
先程切り裂いた烏賊の両手がずるりとズレ、下に落ちた。
烏賊が、空気を震わせて咆哮し、口と思われる部分から黒い粘着質の墨を真上に吐きだした。]
っち…!
[深く刺さった鎌を抜くのに手間取り、墨をまともに正面からかぶった。
が、避けた後まだ吐き出されていた墨は、空中に留まる彼女をも襲うだろうか?]
[彼女の手にした物体が形状を変える様を目を丸くして見詰める。
大きな鎌を振るう姿に感嘆の声を洩らして、
烏賊の末路を見届けようとその様に見入っていたが]
――ゃ、っ。
[突如噴き上がる真っ黒な液体に慌てて翼を前面に広げ身を庇う。
が、その間羽ばたきを忘れた身体は重力に引かれ]
[――落ちる――]
[墨が空中に噴出されるまま体をずらし、もう一度鎌を振るって今度は確実に烏賊の頭を薙いだ。
頭部分が黒い墨と白い体液をどろりと出しながら半分になるのを見つつ、振り切った鎌を一度くるりと回そうと少し猫背の格好のまま手を翻した所、ふと影が落ちたので上を見ると、もうそれはすぐ目の前で――]
ぐえ。
[落ちてきた彼女を背で受け止めたけれども無傷だった理由は、彼女が軽かった為か烏賊の死体がクッション代わりになった為か、微妙な線(ライン)。]
[咄嗟に黒に塗れた翼に熱を集中させ、咄嗟に硬度を落とし
身を守るように包み込む。
それも衝緩材となったのが幸いだったのだろう、
ユーディットにも酷い怪我はなかったようで。
けれど、彼女のあげた声に驚いて]
ご、ごめん――なさ。
[慌てて彼女の上から転がり降りると、あわあわと]
げへっ、げはっ。
大丈夫だけど、斬っちゃ…
―あっはははははははは。
[硬くは無かったものの突然の衝撃に少し咳き込み。片手に鎌を持ったまま物騒な事を言おうと顔を上げたけれど、あわあわするイレーネの様子に思わず笑ってしまい、言葉は最後まで紡げなかった。
笑う彼女も、頭から墨や白い体液をかぶってべたべたの酷い状態だったが自分の姿は勿論関知せず。]
[咳き込む様子に困ったように眉尻を下げ。
続く物騒な言葉は途中で途切れてしまったので届かず]
酷い、格好――。
[ふるふる、と翼を震わせて墨を飛ばすと、
白と黒の惨状を少しでもどうにかしようと
自らの羽根でユーディットの被った墨やら何やらを拭おうと
そろりと翼を伸ばした]
[羽根を伸ばされれば、目を丸くしてその羽根をそっと掴もうと手を伸ばし、掴めたならばほんの少しだけ引っ張ってみる。]
すごいねぇ、羽根。
いいなぁ、ねね、これって引っ張ったらやっぱり痛いの?
斬ったら赤い血、出るのかなぁ?それとも白いのかなぁ?
[少し興奮気味に喋ると、はた、と言葉を止めて]
あ、ボク、ユーディット・クリューガー、だよ。
初めましてっ。
[にっこりと笑った。]
[伸ばした羽先を掴まれれば、驚いて反射的に僅かに身を引いた。
けれど、彼女の問いには少し気圧されつつも]
痛く、はない――よ?
“しょっかく”以外の感覚がないから、って言ってた。
血は――無理してなきゃ、出ない――か、な。
[だって、この羽根は体液を固めたものだから――と付け加え]
あ――私、イレーネ・ライアー。
はじめまして?
[つられて少し、微笑む]
うん、初めまして、イレーネさんっ。
[にっこりと笑うと、身を引くのもお構いナシに羽根に手を伸ばす。]
体液、なんだ。
じゃあきっと燃えたりもしないんだねぇ。
へぇえ。
[ふと視線を落とすと、伸ばした自分の手が真っ黒な事に気がつき。
あー、と呟いてひっこめつつ、握っていた鎌は再び黒い銃へと形を変えてエプロンの後ろへと無造作に突き刺した。]
真っ黒になっちゃってる。
あーあ。
[開いた手をじ、と見た。]
[そわそわしながらも、羽根に手が伸びれば逃げる事もなく]
燃え――ない、ね。
溶けちゃう、けど。
[『だから、暑いの嫌い』と南の方を振り返ってむぅ。
鎌が再び銃に戻るのを見留めるれば、またじぃ――と見て]
変わった道具、持ってるんだ。
[そう感想を洩らせば『真っ黒だ』と言う手を覗き込み。
自分の素足の足を見る。
流れ出た体液どろどろ]
――気持ち悪い。
変わってる、かなぁ?
その羽根の方が、きっと変わってるよぉ。
[つん、羽根をつついて]
あっちに湖があったけどそっちに行って落とすかー、部屋に戻って落とすかー、だねぇ。
ボクもちょー気持ち悪いっ。
[言いながら、手をぷらぷらと振る。
ぴぴっと黒と白の液体が回りに飛び散った。]
じゃあきっと、どっちも変わってる――んだ。
珍しい、は良く言われる。
[珍しいどころではないのだが、実際のところ。
飛び散る液体は羽根でガード。
足元がどろどろなので歩きたくないが、
今羽ばたけば確実に諸々飛び散ってしまうのでできず]
お部屋――廊下汚しちゃうとお掃除しないと。
湖、の方らが楽――かな?
[上空から湖が見えた方角へ向かって、
巨大烏賊の体液の中を爪先立ちで歩き出す。
翼は引き摺らないように高く掲げ、
スカートも両手で持ち上げて]
そう、だね。
じゃあ、ボクも行く行くっ。
[イレーネと同じように、スカートを持ち上げて、湖へと歩き出した。
そういえば、この烏賊はそこの湖出身なんだよ、と言おうかとも思ったけれど、すぐに苔等生えた中を転ばないように歩く事に集中して、*忘れてしまった*]
[もしかしたら、湖に着いたところでまた一悶着起きるだろうか?
されどその時はその時の事として。
ユーディットと並んで湖への旅。
湖に着けば翼全体を洗うために無造作に服ごと水に飛び込む
彼女の姿が*あっただろう*]
/中/
現状安定。
RSSの方もちゃんと読み込めてる。
しかし、本戦中にあの時間に落ちるとマジできつくなるね。
丁度、バトルのピークがあそこら辺のはずだから。
っかし、なんであんなに霧でたかなあ……。
演戯で十人以上が同時稼働してても霧まではいかんかったのに……。
前に霧出たのって、いつだっけ…………って、記憶違いでなければ堕天とか繚乱の時にもでなかったけか?(汗)
ちょ、まて。
なんでバトル村の時ばっかやねんな!
/*
んー、ユリアンがそるらさんっぽくも見えてきたかなぁ。
まぁ中身当ては諦めましょう。
元々精度も良くないんですから。
*/
[共通する話題を探そうとするのだけれど、いまいち、彼女の思考は読み辛くて。ここには呼ばれて来たのか、だとか。一緒に寝ていた、あの少女や猫とは知り合いなのか、だとか。……年齢の話だとか。
ブリジットの意識は白い翼に奪われがちで、すぐには気づかなかったけれど、イレーネの視線が自分の持つ端末に向いているのに、はたりと目を瞬かせる。]
……これ?
携帯出来る、小型の端末で……
わたしは、ノートなんかの代わりにもしているの。
当分帰れないみたいだけれど、勉強して置かないと、
追いつけなくなっちゃうから。
試験も、もうすぐだしね。
[言いながら、文字の並んだ本を指し示しては見せるものの、どうにも、眼前の彼女には縁のないものに思えた。
学校なんて金持ち――或いは強者とも言い換えられる――の道楽、という人間も居はするのだが。決められた時間学び、作られた問題を答え、点数を取る…… ということは、今の世界で「生きる」ことに比べれば、楽なものだった。
別に、負い目を感じる事でも無い、のだが。]
[そういう事を考え始めると、居心地が悪くなって来る。
次第に歯切れも悪くなって、勉強を口実に、話を打ち切った。]
どこか、行くの?
気をつけてね。
[暫くして、空に飛び立った彼女を見る。
小さくなっていく姿を見送り、視線を落とした。]
[逃げるように本へと意識を移して、集中して――
我に返ったのは、大分、寒くなり、くしゃみをしてから。
彼女はどうしたのだろう、と考えはしたのだけれど。
まさか、ユーディットと共に、巨大烏賊と追いかけっこ(?)をした挙句、湖に飛び込んでいたなんて、*予想の外も、外だった。*]
─昨夜─
[人が増えたとて執事としての仕事は無く。
何もすることが無いために部屋の片隅でじっと立つ。
ソファーに座ったりしないのは常の習慣か。
部屋を眺める視線は自然と観察するそれとなり、少しずつだが周囲の関係性を把握していく。
その派生でアーベルの顔色の変化を見て僅かに目を細めた。
かと言って特に反応は示さないのであるが]
[皆が解散する頃になれば必要も無いのに広間に最後まで残って。
その場に眠る者達だけを残して自分も個室へと戻った]
─朝─
[いくら失敗の多いオトフリートでも、朝早く起きることだけは習慣付いていて。
カーテンの隙間から陽が差し込む少し前に目が覚める。
起きることは起きても、寝ぼけてベッドから転げ落ちるのが常であるが。
いつもの落下で目を覚ますと顔を洗い身支度をして。
カーテンと窓を開けると、顔を出し始めた太陽からの光に目を細めた]
[そして陽を背にして床を見つめる]
-Fixierung
[一言呟く。
陽によって出来た影が、床でゆらりと揺らめいた]
何があるか分からないし、ね。
準備だけはしておかないと。
[窓を閉め、部屋を出ようと扉へ向かう。
部屋の中心、先程影が揺らめいた床に、目立たない程度の黒い染みが出来ていた]
─昼─
[先日モニタールームで見た各所の風景。
見る限り実際にこの周辺にあるものなのだろうと考え、少し歩いてみることにする。
足を向けたのは穏やかそうな緑地帯の見えた西部。
アーベルが襲われたのを見て、何も出なければ良いなと短絡的に考えた結果だった]
─二階・個室(F)─
[ベッドの上には、いつの間にやら銀の翼狼。
伏した姿勢で翼を畳み、沈む眠りは深く。
訪れた者があったとしても、身に危険が及びでもしない限りは気づく事などなさそうな様子。
もっとも、これはこれでいつもの事、なのだが]
…………。
[ふるる、と。羽の先が震える。
それが目覚めの兆し、と知る者は、ここにはいないが]
[湖に2人で服のまま沈むと、黒と白の汚れは溶ける様に落ちていった。
幸か不幸か、もう巨大烏賊が出たりはせず、中央へ向かうにつれ深くなる湖でたっぷりと時間を使って汚れを落としたが、上がると当たり前だが二人ともボトボトのずぶぬれだった。]
…服、重いねぇ。
[ずっしり。]
[たっぷりと水を吸った服。
翼は水を吸収しないので問題はないが、
彼女のスカートは酷い有様で]
重い、ね――。
[ぎゅうぎゅうとスカートを絞って水を落とす。
湿ったスカートは足に纏わりついて邪魔になり、
おまけに寒い]
早く帰ろ、帰ろ。
[羽の震えはしばし続き、やがて、身体が大きく震える。
はっとしたよに開かれる、蒼の双眸。
それはしばし、己が居場所を捉え損ねたかのよにきょとり、とし]
……あ。
[零れた声は、どこかぼうっとして]
……ふ……夢見、最高……。
[呟く言葉は、どう見ても額面通りではなさそうな一言。
ふわり、銀が舞い。
獣は、人へとその身を転ずる]
っん〜〜〜……あー、良く、寝た。
[ベッドの上に座り、身体を伸ばす様子は、常の飄々としたもの]
─そして現在─
[木々の間を駆ける。背後からの足音。それも複数。
後ろを振り返ると、そこには数匹の小型モンスター。
息を切らし、オトフリートは駆け続ける]
な、何も、遭遇、しない、と言う、のは、虫が、良すぎた、かな…!
[出来ることなら出会うことなく散歩を済ませたかったものだったが。
その願いも虚しくモンスターに出会ってしまった。
小型モンスターであることを幸ととるか、複数居ることを不幸ととるか。
流石にそんなことを考えている余裕は無い]
……はぁ……はぁ………ぅわ!?
[後ろを気にして走りすぎたためか、それとも疲労がピークに達したか。
急速に近付くモンスターとの距離。
走る勢いのまま、モンスターはオトフリートへと襲い掛かった]
あはは、かえろ、かえろ♪
[響きがなんとなく気に入って、復唱する。
イレーネは飛ぶのだろうか走るのだろうか、抜きつ抜かれつ屋敷へと向かう。
頬を、髪を撫でる風が、冷たくて寒かった。]
―東部→中央部屋敷前―
しっかし、まぁだ、お達し、とやらはないんかねー……。
ま、そろそろ代替わりの事考えて、離れててもいい時期なのかも知れんが……。
[キッチンで淹れたコーヒーのカップを傾けつつ、独りごちる。
やはりと言うか、心配なのは『身内』の事で。
いずれは自分も、育ての兄である先代リーダーのようにグループを離れる事になるから、距離を置くのも悪くない、とは思うものの]
……危なっかしいんだよなあ……。
[やはり、心配らしい]
[端末をじっと見ている事に気付いたブリジットが
色々と説明してくれるのだが――]
たんまつ、のぉと、しけん――?
[当然、文字もほとんど読めないものだから
本も見た事はあれど内容など知るよしもなく。
でも、文字列の中に知った字を見つければ]
私、文字、書けるんだよ。
[と、自慢そうに地面に羽先で『Ire ne』と歪に綴る。
名前が書ける=字が書けると彼女は幼子のように主張して
にこにこと笑った]
[会話というものは楽しいものらしく、始終上機嫌で。
やがて話題が尽きれば軽く挨拶をして>>471、その場を後にした]
―回想終了―
ああもぅ、面倒ねぇ。
見られてる可能性あるんだからあんまり手は見せたくないのにぃ。
かと言ってここでやられるのも間抜けよね。
それもこんな各下相手に。
仕方ないわぁ。
[大仰に溜息をつくと、ぐっと意識を集中した]
……っ!!
[やられる。
そう感じたオトフリートが目を瞑った瞬間。
彼の周囲から何かがせり上がり、モンスターとの間に割って入る。
驚いたモンスターが怯むと同時に、せり上がったモノから礫のような何かが飛んだ。
飛び出したそれは四方八方へと、周囲に居たモノ達へと無作為に襲い掛かる。
木にぶつかれば打撃痕が残り、モンスターに当たれば悲鳴があがる。
辛うじて死を免れたモンスターたちは、散り散りに逃げて行った]
[その様子を誰かが見ていたのであれば、せり上がったモノの影から紅い絹糸のような長い髪が見えたかもしれない。
尤も、せり上がった何かが霧散する頃には、その場に居るのは腰を抜かしたオトフリートだけだったが]
―現在・東部→中央部屋敷前―
[ユーディットと競争するように、
最初は走っていたが素足で外を駆けるのが痛かったのか
すぐにその移動手段は翼となり]
ユーディット、足速い速い。
[などときゃっきゃとはしゃいだ様子で。
濡れた状態で風にあたるのは寒かったが、
翼の熱を体内に戻す事で体温を保ちつつ]
とう、ちゃく。
あははははは。
はは…ぜぃ、ぜぃっ……っ。
流石に、息、あがっちゃったなぁ。
ボクもまっだまだ、だね。
[イレーネににっこり笑いつつ、膝に両手をつきながらぜいぜいと息をつく。]
…でも、困ったねぇ。
ボク、着替えって下着しか無いんだよねぇ。
[ずぶぬれのまま、玄関の扉を開けて中に入った。]
[カップが空になった所で、ふらりと部屋を出る。
寝ている間に何か状況が変わったか、と思い、下へと]
……っと……外は、賑やかなんかね。
[階段を下りた所で、玄関の方から感じる気配に口をつくのはこんな言葉]
着替え――。
[顎に人差し指を当て、考える]
私も、ない。
乾かそう、乾かそう。
[地に降り立つと荒い息を吐く彼女に『大丈夫?』と声をかけ。
同じくずぶぬれのまま、後に続く]
ただいま?
大丈夫大丈夫、あはは。
乾かそう乾かそう、広間に何かあったっけ?
[イレーネに笑顔で答えつつ、広間へ向かって歩くと階段を降りたアーベルが目に入れば、手をひら、と振って]
やや、こんにちわっ。
[ぼたぼたと水を落としながら、挨拶。]
11人目、シスター ナターリエ がやってきました。
シスター ナターリエは、共有者 を希望しました(他の人には見えません)。
─朽ち果てた工場跡─
[薄暗い部屋。ここは朽ちて久しい古い工場。]
[役目を失った機械たちが所狭しと並ぶ、その奥。]
[瓦礫の堆く積まれた丘の上。そこに彼女はいた。]
お。よ。
[やって来た二人に、いつものようにひら、と右手を振って挨拶し]
……っていうか、なんてー格好してんだよ、揃いもそろって?
こんな時期に、水泳大会かあ?
[滴る水に、口をつくのは呆れきった一言]
[髪に小さな雫をまだくっつけたまま、
アーベルの姿を見れば無邪気に笑い]
アーベル、アーベル。
おっきな烏賊がいたんだよ。
ユーディットがやっつけたら黒いのを吐いてね、
真っ黒々になっちゃった。
[と、要領を得ない説明をする事だろう]
あはははははは、ちょっと水泳には寒かったよぉ。
暖炉とか無かっけ?
[明るく笑いながら、イレーネの要領を得ない説明にうんうん頷く。]
[ピピピと、静寂を切り裂いて彼女の懐から電子音が鳴り響く。]
[懐から携帯を取り出すと、ぼぅと液晶の明かりが辺りを照らす。]
[着信ボタンを押し、スピーカーに耳を近づける。]
[液晶が照らすのは、絹のような金糸の髪。]
……ご用件は?
[スピーカーからの声に耳を傾けていたが、口元を歪ませると]
……任務了解。お金はいつものところに。
いや、おっきな烏賊ってな。
[無邪気に笑うイレーネの言葉に、やれやれ、とため息一つ]
それはいいから、その服。なんとかするのが先だろ?
風邪引いたら、どーする。
[口調は呆れているものの、表情は穏やかで]
……いや、だから何で烏賊?
って……広間になんか、暖房関係あったっけ?
[ユーディットには突っ込みつつ、問いには首を傾げる。
その辺り、良くは覚えていないらしい]
―西部・木立―
[必要以上に精神が昂ぶっているのは昨夜から自覚していた。このままでは良くない。そう思えばこそ人の集まる場所から離れた。
特に目標も決めず歩いた先には緑の広がるエリアがあった。物珍しそうに奥へと進み、目に付いた木の上で休んでいたのだが]
何…?
[突然の気配の乱入。走る足音。上がった悲鳴。
軽く眉を顰めると、気配を隠しながら様子を窺う為に近付いた]
[ピッと電話を切ると、顔に嘲りの色を浮かべ]
……御馬鹿なお人どもや。そないに地位なんてもんが大事かいな。
まあかまへん。すべては『終わり』のために。
[そう呟くと、彼女は廃工場をあとにした。]
あ――。
[と、不意に何かを思い出したように声をあげる]
烏賊、持って帰ってくれば良かった。
そしたら、食べれたのに――。
[服の事を言われ、こくこく頷く。
元より、暖房があっても翼の問題でそれに近寄る事は嫌いで。
今回も乾かす対象は服のみであって]
無くても、広間はあったかいよねっ。
[パターン、と広間の扉を開く。
腰の後ろ、黒い銃はワンピースのポケットに落としてリボンを解くと、白いエプロンをふわりと腕から剥ぎ取り、上に持ちあげてくるくると回った。]
早く乾いてくれないかなーぁ。
[くるくる回りながら、イレーネの言葉にはぴたりと止まって首を傾け]
あれ、食べれるのかなぁ。
なんか、ボクが覚えている限り、青くて白いの出て黒いの吐いて、あんまりおいしそーじゃなかったよぉ。
[見えたのは襲い掛かる複数の影と、昨夜挨拶を交わした人物。
ああ拙そうだなと指先を擦ろうとして、その動きを止めた]
ふぅん…。
[唐突にオトフリートの周囲に持ち上がった影。
そこから打ち出された礫のような何かに打ち倒されるモンスター達。
その影の向こうに一瞬見えたのは]
紅?
[だが影が消えた後のオトフリートはその色彩を纏っていない。
頭の隅にそれを記憶させながら、足音を立てて近付いた]
間に合わなかったみたいだけれど、大丈夫だね?
−中央部建物2F・個室(K)−
――うーん。
[ブリジットは、鏡と睨み合っていた。
湯上りらしく、肌は僅かに上記して、緩やかにウェーブのかかった髪は湿り気を帯びている。頬に張り付く一筋を摘んで、横に退けた。]
これ。
最初から置いてあったっけな……?
[ぽつり。
彼女の指す「これ」は、今、身に纏っている衣服に関する事だった。
前で合わせるだけの簡潔な構造をした、ひとえ物。薄い布は今の季節の外出着としては頼りないが、建物内だけならば、不足はなさそうだった。薄花桜色と白でつくられた布地は、落ち着いてはいるものの、普段よりも明るめの色合い。いわゆる、浴衣と言われる和装で――それは、知っているのだが。]
……まあ、いいか。
ずっと制服なのも、何だし。
食べれない、かなぁ?
青くて白くて黒いの――?
[白い身は美味しそうに見えたのに、残念――としょんぼり]
早く乾かないかなー。
[ユーディットの真似をするように、
上着を脱いで掲げ、ぱたぱたと広間の方へ]
……持ってくれば、って。
[いくらなんでもくえんだろ、というより早く、ユーディッドの声が聞こえ]
……それは、あんまり食いたくねぇな。
[素で呟いた]
……っつーか、着替えくらい置いてないんかね、ここ。
長く引き止めるんなら、そのくらいあっても良さそうなもんだが。
[不自由があると言えば、ベルトが付けられないことだが。帯に差しては、目立ってしまうだろう。]
鞄に入れておけばいいかな?
[暢気に、そう考えた。鞄は不似合いだが、仕方ない。
……実際に使う場合の事なんて、考えていないようで。そもそも想定したのなら、置かれていても、この衣服は選ばないだろう。]
それにしても。
[鏡をしげしげと見る。]
ねー。
着替え、無いと困るよねぇ。
どれくらいここに居るのかわかんないけどさー。
[真似をして上着を掲げるイレーネの周りを、エプロンを高く持ったままくるくる回った。]
あははははは。
はっ……はっ……。
…し、死ぬかと、思った…。
…もう、さっさと帰った方が良い、かな。
[連中がまた戻って来たり、別の何かが現れても困るわけで。
へたり込み荒い息を吐いて肩を上下させつつ言葉を紡ぐ]
[そんな折に聞こえた近付く足音。
ハッと表情を強張らせ視線を向ける]
…あ、ああ…ティル様…。
見苦しいところをお見せしてしまいましたようで。
[相手の口調から襲われていたところを見られ、今へたり込んでいる姿を見られてしまったことに恥ずかしそうに笑った]
ええ、どうにか…。
あんなものが放されているとは露ほども思いませんでしたもので…驚きました。
[はふ、と溜息。
離れて、個室を出た。
……下駄まで用意してあることには、流石に驚いたが。
スニーカーは合わないにも程にあるから、いいんだけれど。
呟きながらも、納得はちっともいっていない表情。
ぱたりぱたりと、階段を下りる。]
…見られちゃったかしらね。
まーこの後どうやったってバレるだろうから、時間の問題でもあるんだけどー。
ギリギリまで手の内は明かしたくなかったんだけどねぇ。
…でもこの子も結構可愛いじゃなぁい?
もう少し経ったらイイ感じになりそ〜♪
目を付けておいても良いかもしれないわねぇ。
[テンションアップでうきうきモード]
……っていうか、お前ら、走り回るなっての!
[やけにはしゃいだ様子の二人に、素で突っ込む。
その様子が、『身内』の子供たちを諌める時のそれになっていたのは無意識か]
……っとに。
せめて、タオルを取ってくるとかしろっての……。
[と、言ってる自分が行けばいいのか、と。
くるり、踵を返そうと]
[ぱたぱたと駆け回りつつ、足元に纏わりつくスカートが邪魔で。
はたりと立ち止まれば何処かに干しておこうと脱ぎ始める。
インナーのシャツの裾が長いからきっと平気、のつもりらしい]
様付けされるような人間じゃないですよ、僕は。
[呼ばれ方に困ったような笑いを返す。
へたりこんだままの姿には手を貸そうかどうか悩み]
僕も知らなかったけど、まったく物騒な歓迎だね。
うかうかと休んでもいられないみたいだ。
…立てる?
[右手を上げながら首を傾げた]
ああ、そうそう。
自由に帰るのって無理じゃないかなと思う。
ここ、封鎖されてるみたいだし。
外とも連絡取れなくされてるからね。
[サラリと付け足した]
[階下――多分、広間から聞こえる声は、やけに騒がしい。]
何かあったのかな?
[首を傾げはするが、足は速めない。
階段は、一段、一段。
転ぶのが目に見えているから。]
アーベルに怒られた――。
[上着とスカートを手にぶら下げ、しょんぼり。
流石にちょっと寒いので翼に包まりながら、
片隅で三角座りで拗ねている]
やん、怒られちゃったよー。
あははははははっ。
[アーベルに声をかけられ、それでもにこにこ笑った。
上機嫌で、それでもまだ笑いながらくるくる回る。
水滴が、飛んで舞う。
イレーネがスカートを脱ごうとしているのを見つければ、引っ張って手伝おうとする。]
[きゃいきゃい、かしましい声。
……見えたのは、アーベルだけだったのだけれど。]
今日も何かあったんですか?
[「も」。
無意識に、そう付けていた。]
[イレーネが拗ねて端っこに座るのを見つつ、自分は未だ広間の真ん中でエプロンをパサパサと揺らして乾かす。
下を向くと、前髪からぽたぽたと水滴が床に落ちた。]
……っとに……これじゃ、ウチにいる時とかわんねぇな……。
[はあ、と嘆息一つ]
怒ってない、怒ってない。
いい子だから、ちょっとだけ静かにしてろ?
[しょげるイレーネに、声をかけつつ。
ブリジットの声に、そちらを見やって]
あー、なんか、烏賊退治してきたらしい、そこの二人。
で、見たとおり、ずぶ濡れではしゃいでるって……。
[説明はそこで途切れ、きょとり、蒼が瞬く]
……っていうか、服、変わった?
[服をそこいらに放っぽらかして]
――怒ってない、本当?
[と、見上げるように下からアーベルの様子を窺う。
ブリジットがやってきたのを見れば、
三角座りの膝に顎を乗せたまま翼を振って挨拶]
ええと…様付けは癖のようなもので。
執事たるもの、主様のお客様を呼び捨てにするわけにも行きませんから。
…これも主様の意向なのでしょうか…。
[未だ執事として呼ばれたのでは、と言う意識は抜けないため、ここへ集めた張本人を主と呼ぶ。
自分も巻き込まれている辺り、いい加減違うと割り切れば良いのだが、可能性が残る以上捨てきれないらしい]
あ、はい、立つのは、大丈夫です。
[そう返事をして立ち上がろうとする]
……。
[立ち上がろうとする]
……すみません、手を貸して頂いてもよろしいでしょうか。
[立ち上がれなかった。
申し訳無さそうにティルへと訊ねかける]
え、あ、帰る、ですか?
私は仕事でここに呼ばれたと思っているので、ここを離れるつもりはありませんが…。
[自分がさっき言った「帰る」を勘違いされているとは気付いていない]
それにしても封鎖、ですか…。
外とも連絡が取れない…隔離されている…?
[いい加減違和感が大きくなってきたか。
考えるように首を傾げた]
いかたいじ。
烏賊、退治?
[復唱した。
首が傾ぐ。]
……砂漠だけじゃなかったんだ、ここ。
って、それ、風邪引きませんか?
[あまりの事に、脳に情報へと情報が行き渡るのが遅れた。]
ああ、個室にあったので、着てみました。
昨日はなかった気がするんですけれど。
わたしのところだけかな?
[浴衣っていうんですよ、と言いながらくるりと回って、見せようとして、]
…………わ、た。
[転びかけた。]
あははは。
ブリジットさん、こんにっちわー。
その服、可愛いねっ!
[かがんだ格好のまま、首を横に捻ってブリジットに笑顔で手を振ったところ、転びかけたのを見て]
あははははは!
裾、踏みかけてるよぉ。
[笑った。]
[バランスを崩すブリジットに、思わず翼が伸びる。
届く距離かどうかは分からないが、反射的に]
大丈夫――?
歩き難そう、それ。
裸足は楽、だよ――?
[と小首を傾げて]
怒ってないよ。
[言葉と共に、向けるのは素の笑み。
『身内』に対しては、わりときつい兄貴で通しているのだが、短い時間共に暮らした少女には、出自の事もあってか、素で接する事が多かったようで。
そこらも、懐かれた理由かも知れない]
ああ、風邪引くからタオルだけでも……あ、着替え、あんのか。
……って、おっと!
[ブリジットの説明にそれなら着替えさせに行くか、と悠長に考えた矢先、転びかけるのが目に入り。
とっさに手を伸ばして、支えようと試みた]
お客様…まあいいけど。
[申し訳なさそうな表情には笑って右手を差し出した。
小柄な外見に似合わずそれなりの力で引き上げて]
仕事…?
ああ、端末使おうと思ったら外への連絡だけはできなかった。
詳細がどうなってるのかは、僕も知らないよ。
[話が噛み合っていないのは気付いたが、何がどうずれているのかは分からないままにとりあえず返した]
[翼が伸びるのは見えたけれど、三角座りの体勢からは遠く。
支えられたのは、アーベルの腕の方。]
……っちゃぁ。
すみません。
[転ばないように、と先程決心したばかりなのに。
赤みが増したのは、羞恥だけではないようだけれど。]
[寒そう。
二人を見て、先に思い浮かんだのは、そんな感想。
上がりたてほかほかのブリジットとは対極だ。
けれど。]
仕方ないじゃないですか。
着るの、久しぶりなんだから。
[笑われれば、流石に眉を寄せた。]
確か。
それ、可愛いなぁ。
ボクも着てみたいなぁ。
ね、いいよね?
部屋に、あるの?ボク見てくるっ♪
[まくしたてるように言うと、嬉しそうに小走りで部屋へと*走り去った*]
[いつものアーベルの笑い方だ、と少し安堵する。
いけない事をすればちゃんと叱ってくれる、
それは自分の事を考えてくれての事で]
風邪、大丈夫だよ?
翼を温かくして、包まってたら平気。
[ユーディットも入る?と翼をひらひら]
気にしなくてもいいから、足元ご注意、と。
慣れてないなら、座ってた方がいいんじゃないか?
[支えたブリジットに、かける言葉は軽く。
走っていくユーディットの様子に、元気だねぇ、と呟いて]
取りあえず、歩くに不安なら、椅子まで手、貸すけど。
[手を借りようやく立ち上がる。
引かれる力の強さにやや驚いたように目を見開いた]
すみません、ありがとうございます。
私、執事斡旋事務所に所属しておりまして。
その事務所を通してここへ連れて来られたのです。
ですから、執事の仕事のために呼ばれたのだと…。
[思っていたのだが、雲行きが怪しくなってきたのだった。
続く言葉には]
何だか監獄のようですね。
外界との連絡が取れず、出る場所も無い。
閉じ込められた空間。
そこに集められる数名の人物。
一体何のために集められたのでしょう…。
危険です。
男は狼なんです。
[頷きながら、言い聞かせるような言葉は、旧時代の思想。]
ああ、
うーん、
ええと……。
[アーベルの申し出には、困ったような、悩んだような。
直前に、きっぱり言い切った台詞は何処へ行ったのやら。
視線を彷徨わせた挙句、]
……お願いします。
[小さく言った。]
やっだぁ!
ちょっとこの子小さいのにすっごい力強いわぁ!
でも小さいとお姫様だっこが様にならないのよねぇ…。
やっぱり将来に期待、かしらぁ。
うふふふふ〜。
[少しだけトリップ中]
おとこはおーかみ?
[その意味を彼女はきっと知らない]
ユリアンとかも、アーベルみたいに狼になれるの?
[と、知らぬ者には意味不明な台詞を口走る]
いや、大丈夫じゃないから。
着替えがあるみたいだから、お前も着替えてこよう、な?
[安堵する様子のイレーネに、諭すように声をかける。
急かしたり、焦らせるよりは、ゆっくりわからせた方がいい、というのは経験からくるものだろう、多分。
ブリジットがイレーネに投げる言葉には、苦笑するものの、小さな言葉にはいはい、と頷いて。
抱えていけば早いが、今の物言いからしてさすがにそれは向こうも抵抗あるだろうから、と。
歩みを支えて、椅子の方へと]
狼に、なれる?
[きょとり。
言葉通りの意味に捉えられているだけならばまだしも、その後の台詞は、やはり意味不明にしか聞こえない。]
[促されれば、はぁいと間延びした返事をして。
とたとたと階段を上がり、先日入った部屋を覗いてみる]
―個室H―
――何処?
[そうして始まる、家捜し。
手近な引き出しを片っ端から開けていく。
やがて惨状ができあがった頃]
――これ?
[衣服っぽいものを発見した。
先ほどのブリジットの着ていたものに似ているようにも見える]
本当に外見通りだったんだ。
執事の仕事ね…。
[彼のドジはまだ見ていなかったので、とりあえず信じた。知っていたらもっと半信半疑だったろうけれど]
何の為になのかは僕も知りたい。
まあ、ロクなことじゃない気はするけれど。
それを言っても今更だし。
[肩を竦めて答えると、遠くから何かの声が聞こえた]
…あの建物に戻った方がいいかもしれないね。
[抱えられていようものなら、蛸が一匹茹で上がっていたに違いない。
椅子まで到着すると、すとん、と収まった。
鞄は膝の上。]
……、
ありがとうございました。
[ぺこりと頭を下げる。
髪が零れ落ちた。
視線は逸らしがちだけれど。]
昔は平気だった、……はずなのにな。
久しぶりだし、コンパス違うからかな。
[言い訳めいた台詞を、もにょもにょ呟く。]
[取り敢えず、それを羽織ろうとしてみるが
翼が邪魔できちんと着る事ができなくて]
――――。
[仕方ない、上はインナーがあるから腰の辺りに帯で留めて満足。
合わせ目もかなり適当な上に後ろを引き摺って、階段を降りる]
―→広間―
ただいま。
[駆けて行ったイレーネを見送りつつ、椅子までブリジットを送り。
後で、服の片付けさせないとな、とか保護者そのものな呟きをもらす]
昔は……?
ま、しばらくやってない事って、意外と鈍るもんだろ。
[言い訳めいた呟きには、軽く言って。
視線が逸らされがちな事には気づいているのかいないのか。
気づいて平然としてるのかは、傍目には読み取れず]
これは仕事着ですから。
[笑って言うと燕尾服についた土埃を払う]
運の良い人を集めたパーティと言うわけでもないでしょうしね。
こんな風に外にモンスターが放されている時点で。
主様がいらっしゃったら、詳しいことが分かりますかねぇ…。
[これだけ待って来ないのだから、姿を現さない可能性もあるのだが。
そう呟いたところで遠くからの声を聞く。
びくりと身が強張った]
…また、さっきのモンスターでしょうか…。
早々に戻った方が良さそうですね。
[若干ティルの後ろに隠れるようにしながら辺りを見回し、彼の言葉に同意した]
[ベッドの上に置かれていた、白にグレーの蝶模様の浴衣をびろーんと持ち上げて見る。
腕を通す場所は分かる。
細い紐は…ベルト?]
…こう、かな?
[ワンピースを脱ぎ捨てて乾かす為にかけ、浴衣に袖を通す。
適当に前を合わせで帯を巻き、前で結んで見る。
腰の後ろに黒銃を突き刺して、鏡の前でくるりと回ってみる。]
可愛い、ねぇ♪
ああ。え、と。
両親と暮らしていた頃、ですね。
あまり、覚えていないんですけれど。
今はいなくて。
[現在の世界では、それは珍しい事ではないから。
口調は出来るだけ、軽く。
覚えていないのは本当だったから、ショックだって、少ない。
……昨日の事もあって、そういうことは、意識する方が負けだ、とかなんとか、そんな事を頭の片隅で考えていたが、]
あ、おかえ……
[戻って来たイレーネの、何とも言えない格好に、思わず手招き。]
[きっちり右前で着こみ、下駄は足の指が気持ち悪かったのでもともとはいていた革靴を履いて広間へと向かった。
ドアをばたーんと開けて]
ただいまーっ。
[上機嫌。]
[手招きされれば、素直に傍に寄る]
なに――?
[自分の格好が酷いという認識なんてあるはずもなく。
藍色に白の華が散る浴衣を引き摺って。
今更だが、17才には見えないのも仕方あるまい]
[ユーディットにおかえり、と翼をひらひら]
ん――?
[小さな餃子が動くのを見て、嗚呼、起きたんだなと。
ソファから落ちてしまわないかちらちらと気にしつつ]
[ぴた、と動きを止めて動いた毛布の塊に目を奪われる。
ゆっくり近寄ってみて――昨日のように、つんつん、と突付いてみる。]
ああ、そ。
[両親と。今はいない。
それらは特に感情を動かされる言葉ではないから、軽く流していた。
そこに帰って来た、明るい声たち──そして、イレーネの様子に、ため息一つ]
……お帰り。取りあえず、着方、直してもらえ……。
[零れるのは、苦笑めいた笑み]
これがパーティなら、随分と過激な舞踏会だろうね。
[少し皮肉っぽくそう答えて]
じゃあ一緒に戻りましょうか。
何かあっても二人の方が楽に対処できるかもしれないし。
[若干後ろに回ろうとするオトフリートに苦笑すると、横に並ぶようにして歩き始めた]
全くです。
[過激な舞踏会と言う言葉に苦笑が漏れる]
そうですね…私一人ではまたあんなことになりかねません…。
[何とも情けない言葉。
ティルに「お願いします」と頭を下げて、並んで中央部へと足を向けた]
そう言えばティル様は何故あの場に?
私は散歩のつもりで出てきたのですが…。
[戻って来たユーディットや、もがもがしている少女よりも、まずは目の前のイレーネをどうにかするのが先だったので、意識は向けられていない。
同い年だったよね?とか、ちらりと過ぎりもしたが。]
……翼があるから、そのままは着られないか。
切っちゃうのも問題だしなあ。
[むー、むー。
眉を思い切り寄せて、思案。
ともかく、適当な合わせ方と引き摺るのだけはどうにかしようと、帯の上の部分にゆとりを持たせて、帯を結び直すも、やっぱりなんとなく、微妙。]
片腕だけ通す、とかのほうがいいのかなあ……?
[剣客みたいだ。
などと思ったり、思わなかったり。]
村の設定が変更されました。
……詰まらない話して、すみません。
[へらり、と笑った。
ふと視線を移すと、なんともはやな光景が繰り広げられていて。
けれど、諌めるより先に、アーベルに向けたのとは違う笑いが零れた。くすくすと。]
[言われた通りに、片袖を通してみる。
ブリジットがあれこれ思案している様子から、
ようやくその衣装の着方を薄っすらと把握したのか]
じゃあ、じゃあ――こうする。
[翼の骨格状になっていた部分がぺたりと背に沿って下ろされる。
なるべく平たくなるようにと変形させたそれは、
上から浴衣を着てしまえば裾から覗く尻尾にも見えるか。
もっとも、尻尾と言うならば九尾の狐並みの量になるが]
…………!!!!!
[ぴょいん!]
[少女が中で逃げようと立ち上がれば
当然餃子もよたりと起き上がる。
…………けれど、所詮寝袋の中onソファー。
その後は……………]
[ぐらり。]
一人でも大丈夫そうだったけれどね。
[軽く笑ってそれ以上は追求せずに]
僕も同じようなものかな。
少し落ち着きたかったんだよ。
[並んで歩きながら掛けられた言葉にはそう答えた]
どうにも巡り合わせが良くない人もいたものだから。
や、別に、気にしてないけど……っと。
[ブリジットにひら、と手を振って返しつつ。
ソファの上の事態にあー、と声をあげつつそちらへと]
あわ。
あれれーー?
[ぐらりと揺れた巨大餃子を、思わず手を伸ばして抱きとめようと。
そのまま腕に収まったならば、てっぺんから再び顔を覗き込む。笑顔で。満面の笑顔で。]
偶然ですよ。
[大丈夫そうだったと言う言葉には、答えになっていそうもない言葉を返して]
巡り合わせ、ですか?
そう言えば何名かお知り合いの方がいらっしゃったようですね。
他の方もそのような方が多いようで。
[昨日観察して見えたことを口にする。
自分はそう言う人物が少ない─ほぼ居ないに等しい]
うん、量は変わらないけど形は――ほら。
[裾から覗く白い尻尾を三又にしてみたり、
先端に手のような形状を作ってみたりして見せて]
[とか何とかしていたら、餃子がソファから落ちそうに
なっているのに気付いて内心ひやり。
周囲に人がいるから大丈夫だろうか?]
大丈夫かって言うか、さっきから何やってんだよ?
[ソファの近くに寄って。
手を伸ばすのは、多分一瞬遅れていた。
取りあえず、ユーディットに向けて、問いを投げる]
[しげしげ、しげしげ。
きちんと浴衣を直しながらも、意識はやはりそちらに。]
鳥の羽みたいなのとは、違うんだ……?
[幾たびも移り変わる形。
首を傾げながら、尋ねた。]
きゃ………っ
[突如回転する視界に、零れる細い悲鳴。
……は、続くかと思えばすぐ途切れて。]
[ユーディットが少女を見れば、
寝袋の中、両手で口をふさいでいる。]
[少女が悲鳴を上げた時、
着いている電灯があれば瞬間、明滅。
着いている放送器材や、情報端末があれば瞬間、ノイズ。]
ああ、何の因果なのやらね。
[偶然というのには、ふぅんとだけ返して。
知り合いというのには頷きながら]
まあ、一部方面では有名な人もいたからね。
オトフリートさんはご存知なかったかな?
もぞもぞ動いてたから、じゃないと思うんだが。
……というか、わかってやってないか、お前。
[呆れたような突っ込みと。
灯りの明滅は、どちらが早かったか]
……なんだ?
[唐突な出来事に、僅か、蒼が険しさを帯びて]
[灯りが失せたのは、ほんの一時。
見間違いかと思ったが、周囲の反応を見る限り、そうではないようで。]
?
……切れそうなのかな?
[端末は鞄のポケットにあったから、走るノイズには気づかない。]
[尻尾を上げると裾が捲れ上がるけれど、気付かずに]
ん、違う――。
えとね、羽根の形にしてるだけで羽根じゃないの。
[えーとえーと、と思い出すように研究機関で説明してもらった
内容を思い出そうと頑張っている]
私、病気なの。
“かんぶ”から体の中の“たいえき”が滲み出してく病気。
“かんぶ”が塞がらなくて、本当は痩せてって死んじゃうんだって。
私はその“たいえき”を“ねんどうりょく”となんとかって力で
固めて“かんぶ”を塞いでるんだって。
形が変わるのは“ねんどうりょく”となんとかって力で
“たいえき”を動かしてるからなんだって。
[単語の意味を知らずにそのまま言われた事を覚えたのか、
ところどころ酷い棒読みで説明する]
そう言うところも何か思惑があるように思えてきますね。
今の状態を考えると。
[少し考えるようにして。
考えていると歩みが遅くなりティルが前を歩く形になる。
それに気付くと慌てて歩いて隣へと収まる]
”面識”のある方は居なかったように思います。
それに私はしがない執事ですから…。
面識があるとすれば、雇われ先の方か、そこで会った方くらいですよ。
……覚えてない時もありますけど。
[頭を掻いてへらりと笑う。
しかしその言葉のから、ティルを始め一部の人間が裏に関わりがあることに気付いているのが分かるだろうか]
[アーベルの突っ込みには、あはははは、といつもの笑みを顔に貼り付けつつ、再度餃子の中を覗き込もうとすると、顔が出てきた。]
大丈夫だよぉ、あは。
[毛布を引っ張った。]
……それ、着ているときは、
あんまり、動かさないようにね?
[注意は忘れなかった。
が、その後のたどたどしい説明には、口を閉ざして聞き入る。理解しようと努めるも、イレーネがブリジットの説明を理解し切れなかったように、彼女にとって、それは理解の及ばない話で。]
びょう、き。
ねんどうりょく……。
うん、そう、なんだ……。
[幾度か頷きはするも、何と返していいかわからず、発した音はそれだけ。]
[はい、はい、と広間にお粥やらなにやら用意してきたら蓮嬢が目を覚ましたので、青少年はお粥を覚ましながらよそり、おかずをちょいちょいと載せてやり、それからどうやら興味を引いたらしい卵焼きを多めに用意してやる。
それはあたりだったようで、ご機嫌で食べ終わった彼女を見送ったのがつい何時間前だろうか。
それからしばらくは、空いているソファでまったりしていたらまったりがうっかり長い昼寝になってしまったのだが。
目がさめたのはとても細い女の子の声がきっかけ。
まぁ、照明の点滅もあっただろう]
…んー…?
[くあ。小さく欠伸ひとつ]
笑って誤魔化すなっつーの。
[笑うユーディットに呆れた口調で突っ込み一つ。
少女が顔を出せば、そちらを見やり]
……リーチェ、大丈夫か?
[そう、と問いを投げかける。
呼び名は、やはりそれしか思いつかないらしい]
動かしちゃ駄目?
んー、んー――分かった。
[何でだろう、と思いつつもぱたりと尾を床に降ろす。
お話は難しい事だから、それ以上は彼女もよく分からなくて。
それよりも、餃子が大変だと
ブリジットの袖をくいと引こうとする]
あれの中、女の子とユリアンの猫がいる――。
[だいじょうぶ?]
………………………
[ゆーでぃっとの言葉に、何を指してだいじょうぶなのか
考えるように、寝袋の中で眉をハの字]
ん、ええとね。
……女の子は、駄目なんだよ?
うん。
[上手く説明の言葉は思いつかなくて。
袖を引かれて、指し示された方向を見る。アーベルが注意をしているようだから、大丈夫かと思って、然程に気を配っていなかったのだけれど。
……実際見てみれば、案外、惨状?]
ま、考えたからってどうなるものでもないのだけれど。
一度気になるとどうにもね。
[相手が遅れかけたのに気付いて足を止めようとしたら、慌てて追いかけてきた。だから歩調を緩めることもせずに]
…そう。
まあ知らない人は知らないだろうし。
[”面識”という部分に掛かったアクセントで、何も知らないわけでは無いらしいと思った。だが追求しても答えはもらえそうに無いなともその笑みから感じて]
全員が知り合いとかだったらそれこそ悩むところだろうね。
[青い人に、リーチェの呼ばれ方。
そう言えば、昨日も相手はそう呼んだか。]
…………。
[じっ……]
[問われた安否に首を動かすでもなく、
じっと相手を見つめる。]
[じっと見つめる視線。
一つ、蒼を瞬いて、それを見つめ返す]
……どした?
[少しだけ、首を傾げて、問う。
彼にとっては、以前に似たようなやり取りは何度もあった、けれど。
それは、あくまでこちらの記憶に過ぎず]
すっぱり忘れて気楽に、とも行かないでしょうから。
仕方が無いかと。
[一度気になると、の言葉に同意するように頷いて。
続く言葉には「ですよねぇ」と知らぬ顔]
集められた理由によっては、面識が無い方が動きやすいかも知れませんね。
[前に向けていた瞳が僅かに細められる。
その視界には廃墟が広がり始め、屋敷に近付いていることを示した]
あれぇ?
昨日すれ違った人、だよねぇ?
ボク間違えてる?
[ユリアンの方を見て首を傾ける。
腕から力が抜けて、巨大餃子がソファへとずる、と落ちかけた。]
[電気……あぁ…やはり、影響が。]
…………。
[こくり。]
[瞬間明滅した電灯は少女が原因だけに、
少女自身が怖がることもないのだけれど。
説明する術を持たないので、寝袋のなかにいた
おともだちを抱えて、曖昧に頷く。]
ああ、はいはい。
すれ違った人、そういう意味ね。
明白了(わかった)
[ふんふん、と小さく頷き、巨大餃子がずり下がるのを見る]
で、すれ違ったあんたのお名前何てぇの。
[おともだちを抱えて、青い人の「どうした?」を聞く。
…………記憶にはいない人。
けれども、少女の呼びなの一つを知る人。]
[――……このひとはだぁれ?……――]
/*
独り言使いきりをちょっと目指してたけど無理だったようです(ぁ
そして独り言でMeyさんの名前を間違えてMayさんと書いていました。
ごめんなさい(土下座
最近ボケボケしすぎのような…。
*/
[ユリアンの声に、にっこりと笑って立ち上がり、スカート…ではなかったので、浴衣の裾を持って腰を落としながらお辞儀をして]
ユーディット・クリューガー、です。
[にっこりと笑った。
当然、巨大餃子からは手を離して――]
ああ、そうだね。
集められた理由によっては、その通りかもしれない。
[チラリと横を見る。だが何も言わずに廃墟を抜けてゆく]
…あるいはそれも期待されている?
[後の一言は呟いたつもりでなかったのだけれど]
ってか、こら!
抱え込むなら、ちゃんと支えろって!
[ユリアンと話し始めたユーディットの腕からずり、と巨大餃子がずり落ち。
あまつさえ、手を離されたとあっては、さすがに支えるために手を伸ばしていた。
上手く止められるかどうかは、タイミング次第だろうが]
/*
ギャグのつもりで書いた巨大餃子の描写が定着してる件について。
ビーチェ可愛いな、ビーチェ。
というか私、敵対フラグが一切ないんですが。
戦えるんでしょうか(・∀・)?
いえ、妖魔なんで身代わりするまでは戦わない方が良いんだけど。
あ、わ、バカ!!
[ずり下がった巨大餃子、明らかに中にいたのか猫の微妙な悲鳴が聞こえる]
あー…まったく。
ユーディット、ね。俺は、ユリアン。ユリアン・フェイ。
[にゃーにゃー白の中でもがく猫を救出のために巨大餃子を覗こうと毛布に手を伸ばした]
/中/
あ、こっちはユリアンを知ってるRP入れてたのでした。
そのためにお願いしてたのに答える時忘れるとかorz
きっと後で教わったんです、自分の仲間に。
そんな風に適当に脳内修正しておいてください(涙
ああもう少し自分の中でも整理ないと。
ユリアンさん、だねぇ。
[落としかけた巨大餃子に伸びる長い手をを見て、あは、と再び笑って、中から聞こえる声にぱちぱち、とその黒鳶色の目を瞬いた]
…あれ?中、004ちゃんだけじゃなぁい?
その集められた理由がさっぱり分からないのですけれどね。
[思考は堂々巡り。
こちらを見る視線には気付いていないようで、前を向いたまま]
主様がそれを望んでいるのであれば、可能性は無いとは言い切れませんね。
[漏れ聞こえた言葉には、曖昧にそう返した。
廃墟を進むとようやく屋敷が見えてくる]
ああ、到着しましたね。
襲われることなく辿り着けて良かったです。
[へにゃりと気の抜けた安堵の表情を浮かべ、胸を撫で下ろす]
…?
[中を覗くと猫以外に生命体発見、思わず猫より先に視線が行き着くのは当然大きさの問題]
もーしもーし。起きてる?
[中に見える小さい女の子、とりあえず餃子から助け出そうと中に両腕突っ込んで。
少女をお友達ごと餃子から救出することに、果たして青少年は成功したのだろうか?]
……っていうか、猫もいたのかよ。
[どんだけ入ってたんだ、と呆れたように呟く。
冷静に思い返せば、理由には自ずと思い至るのだが。
重度疲労で、一部記憶がぼやけているらしい]
それはともかく、リーチェ、大丈夫かー?
[多分、大丈夫じゃないと思いつつ、声をかけ]
あははは。
切り裂いちゃえば、簡単に出せるのにぃ。
[ユリアンが餃子に両手を突っ込むのを見ながらくすくす笑いつつ呟いた。]
それが目下一番の問題だね。
もしそうだとしたら、随分と厄介なご主人様だ。
オトフリートさんも苦労しそうだね。
[軽い口調で返しながら歩を進めれば廃墟も抜けて]
ああ、無事に戻れて何より。
無駄に疲れることをしたくもないしね。
[気の抜けた表情にクスリと笑いながら真直ぐ建物へと]
/*
何かもうプロロの時点で黒いような気がしますが気にしないで行きましょう(ぉ
まぁある意味3重人格なわけでwwwww
裏の顔を持つドジっ子執事を演じているオカマですから(爆
*/
それでも主様がそれを望むのであれば。
私はその御心のままに──。
それが執事と言うもの。
[そう言って一瞬笑む口元は、普段のそれとは違い冷たいものだったか。
しかしその笑みもすぐに消え失せる。
普段の情けなそうな表情で]
既に疲れた状態でまた襲われるのは勘弁して欲しいものです。
偶然が何度も続くとは限りませんから。
[あははー、と情けなく笑い、さっさと建物へ向かうティルの後を慌てて追った]
[彼女─ナターリエ・ヘルゼーエン─は物心つく頃から外の世界を見たことがなかった。
彼女の世界。それは屋敷の中とそこから見える景色のみ。
周りは彼女を逃がそうとはせず。そのため、彼女は外の世界を知らない。
だが、それを彼女は不思議には思わない。何故なら彼女はそれしか知らないから。]
[そして、その無知を付け込むのは何時の時代も蛇の役目。]
冗談じゃねぇっ。
[気に入りのバンダナに傷をつけてたまるか、というのが本心なのだが毛布となった今ではそれを言うのも面倒で。
お友達ごと少女を引っ張り出すと、親が小さい子供をそうするように抱えて、落ち着くように背中を少し撫でてやる]
…だいじょぶ?
[彼女に『外の世界』という知恵の実を与えたのは、彼女の組織へと潜入してきたSchwarzes・Meteorの工作員だった。
その蜜は彼女にとってはあまりに甘く、魅力的なものだった。
蛇に誘われるまま、彼女は屋敷から脱走する。
もちろん、先を見通す彼女の目はそれが齎す災厄を見通していた。
だが、それを含めてもその禁断の果実はあまりに美味しそうだったのだ。]
表はドジっ子執事、裏では暗殺を請け負う影使い。
この両方を演じなきゃいけないのよねぇ。
でもめげないわぁ。
なんたってアタシ女優だ・も・の☆
暗殺の仕事はぁ、実際に請け負ってるから本職に近いけどぉ。
でもやっぱり異能者を探しながらイイオトコウォッチしてる方が楽しいのよねぇ♪
今回も何人か居るしぃ、悪くない仕事だわ。
…望まれるままに、ね。
[皮肉気に言って歩みを速めたから、その冷たい笑みには気が付かなかった。気付ければきっと違う感想を抱いていただろうけれど]
偶然が続いたら、奇跡とでも呼べばいいのかな?
[茶化すような言葉を紡ぎながら玄関の扉を開いた]
よしよし。
[頷いたのが見えて、頭を撫でてやりながらしばらく落ち着くまではそんな感じで。
アーベルが少女を"リーチェ"と呼んでいるのが聞こえて、少女を見ながら、首をかしげる]
…李雪(リーシュェ)?
─どこかの森─
[彼女は駆ける。屋敷暮らしの彼女に体力などほとんどなく。
彼女を連れ出した蛇はどこかへ消えてしまった。
そして、彼女を後ろから付け狙い追いかけてくる黒い影。
その距離は、あっけなく縮まって行き、あっという間に彼女はその影に押し倒される。]
[袋からの救出がなされる様子に、後は任せていいか、と思い。
何か、忘れていた事があったような……、と広間を見回して]
あ、と。
[放り出されたままの、イレーネの濡れた服。
それを拾って、持ち主の所へ。
後でちゃんと乾しておかないと、とゆっくり、諭すように話して。
玄関の方から感じた気配に、お帰りか、とぽつり、呟く]
[少女はおともだちを抱えたまま、黒い人の腕の中で息をつき。
柔らかい手の感覚に軽く目を瞑るも
不思議な音の響きに目をぱちくりと。]
…………?
[りーしゅ……?]
奇跡、ですか。
何度も続くようならば、そう呼ばれるかもしれませんね。
無いとは思っていますけれど。
何せ私運はあまり良くありませんから。
[他人事のように言って笑う。
玄関の扉が開かれると、ティルの後に続いて中へと入る]
あは。
[上機嫌に、浴衣の裾をひらひらさせながら広間をうろうろしていたが、玄関の扉が開く音が聞こえてふい、と顔を向ける。
そっと、広間の扉を細く開けて様子を見ると、外の風がふわりと流れてきた。]
誰か来たねぇ。
[乾かす、という行為の選択肢に難しい顔をする。
まあ、部屋に戻って窓の外に一晩でも干しておけば
良いだろうとあっさりと思考は放棄して
上着をスカートを受け取る]
――あ。
[ない、上着の内側に入れあるはずの短刀は?]
落とした――。
[きっと烏賊のところだ]
─何処かの森─
[彼女は駆ける。裏の世界で生きてきた彼女にとっては散歩のようなもの。
ターゲットを連れ出した男は喉を掻っ切られ既に事切れている事だろう。
追いかけるターゲットは既に息も絶え絶え。
呆気なく追いついたターゲットを押し倒し、見下ろす。
銀の髪に赤い瞳の華奢な少女が眼下でこちらを見上げている。]
……ナターリエ・ヘルゼーエンやな。ちょっと用事があるんやけど。ええな?
来た、というより、お戻り、ってとこじゃねーの?
[ユーディットの声に、返すともなく言いつつ。
微かな外の風に、目を細める]
一体、どこまで行ってきたのやら。
[呟く所に、聞こえた声に、またイレーネの方を見て]
落とした? 何を?
えーと、ちがうんかな。名前。
李雪?
[間違ってる?と首をかしげて少女に尋ねる。
心配になったので、アーベルのほうへと声を投げた]
ねーねー亜哥、この子「李雪」でいいんだろー?
[自分の発音そのものが違うという発想はないらしい]
ん、そうなのかなぁ、は、ふあぁ、ぁ〜ぁ。
[アーベルの言葉に返しつつ、そのまま大きく口を開けて大欠伸を漏らした。
細く開けた広間の扉を更に開け、一歩踏み出して]
ボク寝るねぇ。またね〜。
[広間にいる面々に、ひらひらと手を振って廊下へと出た。
オトフリートとティルと廊下で会ったならば、おやすみなさぁい、と声をかけ、階段を上がって*個室へと向かった*]
[名前……]
…………。
[少女は黒い人の上着を小さく引っ張って
ゆーでぃっとにしたように、腕についている
プレートを指し示して]
…………
[こちらを見下ろす黒い影は、逆光のせいでそのシルエットのみしか見ることができない。
そのシルエットも朧気で、ヒトであることはわかったが男なのか女なのか判断はつかなかった。
その影が、尋ねてくる。お前がナターリエ・ヘルゼーエンか、と。
問いにコクリと頷く。不思議と恐怖感はあまりない。
見えているからだ。この影が私を殺す未来がないことが。]
……はあ?
[ユリアンから投げかけられた問いに、思わず上がるのは惚けた声]
いや、お前、発音とか微妙に違うから。
[そこは突っ込んでおいて]
リーチェ……ベアトリーチェ、が、ほんとにその子の名前かは、わからんけど。
あんまりにも似てるから、つい、そう呼んじまうんだよ。
[似ているのが誰か、までは言わないものの。
早口にそう、言い放つ]
あはは、望んで起こせるものでもないだろうしね。
僕も運の良い方では無いな。
[奥へと進めば広間からユーディットが出てきたところで]
おやすみ、ユーディット。
[階段を駆け上がってゆく彼女を見送りながら足を止めた]
[落し物に気を取られて、外から入ってきた2人には気付かず。
両手で15cmくらいの長さを示し]
ちっちゃなね、このくらいのナイフ。
先生がくれた、大事なの――。
[一番最初に入った研究所で、最も懐いていた相手。
危なっかしいから護身用くらい持ちなさいと言われて
渡された、深い藍色の鞘の短刀]
[欠伸をひとつ。]
……また、誰か来たんですか?
[少女の名のつもりとは認識しておらず、ぼんやりと尋ねた。
誰にともないそれが、拾われるかはわからなかったが。]
…………。
[青い人は確かに”ベアトリーチェ”とも言った。
……その呼び方で少女を呼ぶ人もいて。
二つの呼び名を知っている青い人。
けれど、少女は相手のことをなにもわからないのだけれど。]
…………?
[片手をほほに当てて、小さく首をかしげ]
[元気良く広間を出て行くユーディットには例によって右手をひらり、と振って]
ナイフ?
[イレーネの説明を受けて見回すものの、広間内にそれらしい物は見当たらないか]
って、待て。
ここ以外で落とした、としたら……。
[それ、どこになるんだよ、と。
さすがに、眉が寄った]
[こくりと頷くターゲット。その顔に恐怖感は見えない。
なるほど。未来が見えるというのは嘘ではないか。]
さよか。ほなら、ちょっとあんさんの記憶覗かせてもらいますえ。
[そう言うと、わたしは彼女の顎に指を掛け、その瞳を覗き込む。]
うっさいなー、しょうがないだろ標準語ちょっと難しいんだよ!
[返ってきた返事にベー、って舌を出したけれどその後の説明、少し瞬きをしてからふぅん、と相槌ひとつだけ]
…んん?
[引かれて示されたプレート、少女をお友達ごと抱えたままソファに腰を下ろして覗き込む。
それからやや沈黙、少しだけ気配は不機嫌。
一拍、二拍、沈黙。そして開口]
よし、李雪な。きまりー。
[うん、と勝手に納得するとくしゃくしゃと少女の頭を撫でてかき混ぜて、笑った]
おや、お休みなさいませユーディット様。
[すれ違い様に二階へと向かうユーディットにそう声をかけて]
望んで出せるのでしたら、それは奇跡とは申しません。
自分には与り知らぬ力が働くのが、おそらく奇跡なのでしょうから。
[小さく笑いつつ足は広間へと向かう]
ティル様はこの後如何なさいますか?
おそらく皆様広間にいらっしゃると思いますが。
『リーチェ』?
[名前が云々と言う会話には少しばかり首を傾げて]
名前は――通じ合えたら何でも良い、と思うの。
最初に付いた名前が全てじゃ、ない。
[彼女の名前は研究所で付いた名前だったものだから。
生まれる前に父は既に亡くなっていた。
母も、彼女を産んで一月経たずに亡くなった。
二人とも、同じ病で。
だから、両親に付けられた名前で呼ばれた記憶はない]
呼ばれる事実があれば、それが名前。
そういう問題か。
っていうか、そこで拗ねるな、いじけるな。
[可愛くないから、とユリアンに突っ込みを入れて。
少女が首を傾げる様子は、視界の隅に捉えていたけれど。
微か、笑みを向けるだけで何かいう事はなく]
[私の答えに満足いったのか、その影は私の顎に指を掛け、私の瞳を覗き込む。
何か囁かれたが、私にはそれがどういうことか理解することが出来なかった。
その時、木々の隙間から差し込んだ月の光が影を照らし、その姿を照らし出す。
月の光に照らし出されたその姿は……]
そういうことだね。
[広間に向かうオトフリートを見て一瞬考え]
顔は出しておいた方がいいかな。
何か新しいことが知らされていれば聞いておきたいし。
[頷いて自分も広間へと足を向けた]
……。
[前後の状況はわからなかったが、
イレーネの声だけは妙にはっきりと聞こえた。]
名前には。
言葉には、想いと、力が、あるんだよ。
[彼女の言い分を否定するとも肯定するとも取れない、台詞。
眠りから覚めたばかりだからか、ぼうっとした表情で。]
落とすような事をしたのは、
烏賊と出合った所か水浴びした湖だと思う――の。
探しに行かなくちゃ。
[もう夜、服はまだ乾いていない。
でも、あれは人に貰った唯一の贈り物で。
もどかしさに、唸る]
新しいこと…。
ここに居なかった間に起きた出来事などでしょうか。
[何かありますかね、と呟きつつ。
広間の扉を開ける。
開けるも自分は先に進まず、ティルを促すように、開いた扉の脇へと立った]
[ブリジットの声に、ふと振り向く。
寝起きといった感じだが、言葉には強い響きがあり]
言葉は、強い。
世界の色を変える言葉が、沢山ある。
[それはブリジットの言う意味と同じなのかは定かではないが]
人を生かしも殺しもできる音は、言葉だけ。
[転写]
[模倣]
[被覆]
[これより、わたしフィーネ・ブリアーは表層にナターリエ・ヘルゼーエンより模写した表層意識の殻を被る。]
[お友達と一緒に、黒い人に抱えられてソファーの上
プレートを見る相手をぼんやり見上げるも
…しばらくの沈黙と気配に小さく瞬き。]
…??…………!!
[突如、威勢のいい声とともに、
少女の頭をわしゃわしゃとかき乱すように撫でる。
突然のことに目を白黒させながらも……りーしぇ…が
どうやら自分の呼び名に加わったよう?]
/*
自重、私自重。
イレーネは不思議っ子だからこのくらいは許容できるかもだけど。
あんまり饒舌な子じゃないから、このくらいが多分限界。
そして、霧が酷い…。
…そりゃ、そうだけど。
[蓮嬢の言葉に、青少年は少しだけ沈黙する。
それは確かに事実であり、自分も親にユリアンとつけられたからユリアンなわけだが]
…うっさい、別に可愛さなんか狙ってねえっての。
[すっかりむくれた表情でもうひとつ舌を出す。
その頃の藍苺はというとようやく自力での脱出に成功し、くってりしながら飼い主の足元で抗議の爪とぎかりかり中]
/なか/
言葉を武器に戦うガチPl☆-(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイエーイ
ごめん、キャラ的に論にも加われないから
こんなところで自己主張
[そこからの記憶はひどく曖昧だ。気がつくと私は大樹の洞の中へ寝かされていた。
すでに私を襲った影の姿はない。どこへ行ってしまったのだろう。
しかし、月の光が差し込んだときに『見え』た先見の結果。
あれは……]
愛してる、の一言で。
好きだよ、の一言で。
大事だよ、の一言で。
どんなに辛くても、私は生きていける。
一言は一年分のご飯にも勝る、から。
[ぶりじっとと鳥さん人さんのやりとりは少女には難しく。
ただ、どうも、少女が思うより”なまえ”は色々有るようで。]
…………。
[呼び方が色々増えてっていいのか、ふと思案してしまうのだけれど
でも、増えて困ることなさそうなので、
どちらの意見にも小さく首をかしげたまま見やる]
[期待もしないと聞けば、同意するように頷いて。
ティルが中に入るとようやくオトフリートも広間へと入り]
皆様こんばんは。
[入ると同時に中に居る者達に対しお辞儀をする]
[先日と同じように部屋の隅に佇み、部屋全体を見渡すようにしながら皆の会話を耳に入れる。
余計なことをせず、ただ立っているだけならば、それなりに執事らしく*見えていた*]
[目を白黒させている少女に悪びれる様子もなくへらっと笑うと、足元でかりかり爪を研ぐ猫の首をひょいとつかめば猫なのにまるでウサギのように首の皮がびろんと伸びて]
こいつ、藍苺な。で、俺はユリアン。OK?
[膝の上に乗せたままの少女に、指でサインを作りながら首をかしげる。
喋りたくないなら、指なりジェスチャーで教えてくれればいい、とそんな風に説明するように。
ちょうど、和装の少女の質問が聞こえて、李雪を指差し]
この子この子。李雪。
[交わされる名前に関する言葉に、一つ、息を吐いて。
手は無意識に、胸元のロザリオを掴む。
彼の名は、そこに刻まれていた言葉から、育ての兄がつけたもの。
それ故に、それは捨てられないもの、なのだが]
…………。
[ふる、と首を振り、感傷を振り落とす。
それから、ロザリオから手を離し]
……とはいえ、今から探しに行っても、見つけるの大変だろ?
どうしてもってんなら、俺が行って見て来るから、場所、教えろ。
[俺なら、夜目も効くから、と。
諭すように、イレーネに言って]
[一人称の主観で語る言葉は周囲にどう映ったのだろうか。
もっとも、彼女は自分の言葉の影響力など
他愛もないものだと思っているものだから]
――それより、も。
[さっきの言葉の意味を知らせてくれた人の大事な短刀。
陽が昇るまでは諦めなければと頭では分かっていても、
いや、分かっているからこそじれじれと。
心ここにあらずという風にそわそわ]
/*
タイムオーバーなのでこれで離脱。
明日には開始ですね。
希望間違いとかで役職弾かれ等が無ければ良いのですが。
…私は間違ってないはずですよ、ええ。
最後に残った狂信者ですから。
*/
[データベースに記された彼女のデータ]
名前:ナターリエ=ヘルゼーエン(Natalie=Hellsehen)
年齢:20歳
通り名:先読みの神子
武装:護身用の拳銃とナイフ
スタイル:後方支援
特殊能力:数瞬先の未来視
とある組織の預言者。
半ば幽閉状態で過ごして来たが、幼少からそれが当たり前であったためになんら不思議は感じてこなかった。
彼女の顔を知るものは当該組織内にもおらず、通り名は広く知られているものの、その存在は秘密のヴェールに覆われていた。
なんでも、未来が予知できると言うことだが。
なお、存在がトップシークレットであるため、容姿については一切不明である。
ふぅん?
[指し示されたのは、見知らぬ顔ではなく、昨晩の子供で。
紡がれた名を舌の上で転がす。
リーチェと、リーシュェ。
なるほど、と呟いた。]
うん、いいと思う。
わたしは、好きだな。
[立ち上がり、緩やかな足取りで、びっくり眼の子供の方に歩み寄る。]
あなたは、李雪って名前、いや?
初め、まして――。
[初めて見る男性――オトフリートに気もそぞろに挨拶。
アーベルの申し出には色々と困惑した様子で]
東の大きな湖の南東――苔とか草が一杯生えてる岩場。
でも、でも――暗いし、また烏賊が出るかもしれないし。
朝まで我慢、できる――よ。
我慢、するよ――。
[最後の方は消え入るような声で、俯く]
[増えた人に気づくことも出来ず、少女は黒い人のほうを見れば
相手は猫を示して”らんめい”相手自身を示して”ゆりあん”
そして、少女自身を示して”りーしぇ”と
手を色々動かしながら示す…最後に人差し指と親指で輪を作って
「OK?」とゆりあんが言うのを見れば
少女自身もおずおずと、親指と人差し指で輪をぎこちなくつくれば]
[こくり]
[片手におともだちを抱えて……少女はゆりあんにも
おともだちの腕につけた厚紙を示す]
『不要だ』
[甦ってくる言葉。
思い出さないようにしていたはずなのに]
『廃棄しろ』
[絶対と信じていた世界を崩壊させた一言。
あの一言で自分は一度「殺された」のだった]
[指でぎこちなく輪を作っていれば、
ぶりじっとが歩み寄って……]
[いや?]
…………。
[ふるふると、金糸を揺らして首を横に振る]
/*
イレーネには昨日の挨拶はスルーされたようです(苦笑
まぁ分かりにくかったかもしれませんね。
ユリアンの後ろ、とかで表現してましたし。
あの後ティルが現れてましたし。
*/
[広間に入ってきた二人には、よ、と軽く挨拶をして]
男がんなもん狙ってたら、さすがに引くぞ。
[むくれたユリアンには、さくっと軽い追い討ち一つ]
……ん……大丈夫か?
無理、しなくていいんだぜ?
[にこり、と笑いつつ、ぽふ、と頭を撫でる。
口調と態度に温度差があるのは、当人、全く気にしていない]
[リーチェ──李雪の手がサインをつくり、小さく頷くのを見れば青少年は満足して、嬉しそうに笑う。
それから少女の抱えるお友達の名前を見て]
…がすとん?ガストン!
[ぽんぽん、とお友達の頭を撫でて合ってる?と首をかしげて少女に尋ねた。
和装の少女の、いいと思う、という一言にもやっぱり嬉しそうに青少年は笑って*自慢げにピース*]
─遊戯場・外縁─
[そこへいくと、蛇の言っていた通り、彼の仲間らしき黒服の男たちがいた。
彼らは、男はどうしたかと聞いてきたが、わたしはただ首を横に振るのみ。
彼らとしても、蛇はそれほど重要な存在ではなかったのか、それっきりそのことを聞いてくることはなかった。]
あ。
今日は、お部屋で寝ようね?
室内の空調はきちんとしているみたいだけれど。
[先程の様子からして、今日も、広間で寝ていたのだろうと察して。]
イレーネも。
[そう声をかけようとしたが、アーベルとのやりとりに、瞬き。
その前後の事には、気づいていなかったから。]
[ゆりあんがおともだちの名前を連呼し首を傾げるのをみれば
こくこくと頷き。……そういえばゆりあんはよく笑う。
指を二本立てて笑うゆりあんに、
少女はそのしぐさがなにを意味するかも判らず真似をして、首を傾げる。]
…………。
[そうしていれば、いつの間にか広間にいた小さい人に
新たな呼び名…”りーしぇ”と呼ばれ、そちらを見る]
[周囲の様子から、どうやらリーチェで落ち着いたらしく。
覚えておこうと頭の片隅に留め置く。
むしろ彼女は004という名の方を知らなかったりするもので]
一晩くらい、平気――。
お守りのために危ない事したりさせたりは、違う――から。
[そう呟けば、頑張って笑って見せた]
[お部屋で寝ようね、と言われればばつが悪そうに頷く]
お部屋――って、好きにしても良いの?
置いてあるご飯とか、色々。
[既に浴衣発掘で荒れまくっているのに今更だが。
一応、誰かに許可がいるなら伝えなければと思って]
[お部屋で寝ようね………]
…………?
[屋根と…寝台はないけれど毛布があるここはお部屋じゃないのだろうか?
ぶりじっとの言葉はどうもここはお部屋じゃないということは伝えるけれど
お部屋ってなんだろうと、少女の首を傾げさせて。]
[彼らに連れられて、わたしは遊戯場の中へ入っていく。
そこは、砂漠だったり湖だったり廃墟だったりと節操のないものだったが、外の世界を知らない私にとってはとても興味深い光景だった。
やがて、わたしたちは中央にある2階層の建物の前に辿り着く。
黒服たちは、わたしに中へ入るように言い渡した後、さっさと立ち去って行ってしまった。
扉の前で僅かに逡巡したあと、私は恐々と中へ入っていく。]
……こんばんわぁ。誰かいらっしゃいますかぁ
[ピースサインを向けられて、淡い笑みを深めた。
けれど直ぐにハッとして、表情を変える。]
あ。
ユリアン…… さん、でしたっけ。
昨日はすみませんでした。
[失礼な態度をとったことへの謝罪だったのだが、相手からすれば、些細な事だったかもしれない。
そして、きちんと名乗ってすらいなかったような気がして。]
……ええと、ブリジットです。
ブリジット=エメス。
よろしくお願いします。
[頭を下げて、そう告げた。]
[なにやら、自分の無意識が少女の呼び名を定める一因になったようで。
呼びやすくて助かるような……どこか、複雑なような。
そんな心理を抱えつつ、小さくため息をついて]
そっか、我慢できるか。
[いい子だ、と。
笑いながら頭を撫でる。
同時に、やっぱりこの子には甘いな、と。
微かな自嘲も感じつつ]
でも、探しに行くときは、気をつけろよ。
烏賊以外にもなんかいるかも知れんからな?
[頑張って笑う様子に、自分も穏やかに*笑って*]
[ユリアンの仕草を見ていれば笑いを誘われて緊張も解け。向けられたベアトリーチェの視線にそちらを振り向き。
その姿を確認して僅かに息を呑んだ]
…僕は、ティル。
[深呼吸を一つ。それからゆっくりと名乗った]
[李雪と名を与えられた少女の反応に、どうやら上手く伝わってない、らしい事はわかったのだが。]
……えっと、ね。
二階に、一人ずつ、寝る場所があるの。
ちゃんとベッドもあって。
それから、机とかお風呂とかキッチンとか……。
[「部屋」の説明をしたことなど、ない。
イレーネとの会話とも合わせて、もしかして、自分の生活の方が特異なのだろうかと、奇妙な不安に襲われた。表に出す事は無いが。]
ううん、なんて言ったらいいんだろう。
[助けを求めるように視線を彷徨わせて、
向けられた先は、少女と同じく、ティルだった。]
[新しく現れた女性にぺこりと挨拶]
こんばん、は――?
誰か――はいる、かな。
[また新しい人、これで10人近いのだろうか?
指折り出合った人数を数えてみる]
[イレーネの方は、一応?理解しているようで。]
うん、いいみたい。
[こくりと頷いてみせた。]
というか、わたしはもう好き勝手しちゃってるから、
今更、駄目って言われても、困るなあ……。
[彼女に目を向ければ、アーベルも視界に入る。
撫でる様子に目を細め、羨望のようなものを覚えたたのは――自分にはそういう存在がいないからなのだろう。]
[てぃる]
…………。
[さっき、ゆりあんがしたように 小さい人てぃるに
…きっと、名前をやり取りする時するしぐさなのだろう
親指と人差し指でぎこちなく輪を作って首をかしげて。]
また誰か来た?
[届いてきた声に何かを振り払うように意識を向けて。
ブリジットの視線に気付けば、苦笑するように]
休むための場所は、一人一人別にも用意されているということ。
生活するのに必要なものはそこに一通り揃っていた。
ここで待機しろと言われた以上、適当に使っても文句は出ないと思うけどね。
[頭を撫でる手に、心なしか笑みも自然なものに戻っただろうか]
うん、気を付ける。
危なそうだったら無理はしない、よ。
[約束できるよ、と小指を出してジェスチャー。
笑ってくれる事そのものが既に彼女には喜びの種で]
ありがとう。
[気にしてくれて、ともう一度にこりと笑った]
[二階…は階数。
一人づつ寝る場所とベット…寝台。机…お風呂…]
[でも、キッチンは食料を作る場所だって…言葉は教えてもらったけれど
いまだかつて行ったことがない場所で…そこもお部屋…]
…………。
[ぶりじっとの説明に、まだ見ぬ”お部屋”に興味がわき。
少女を抱えるゆりあんから降りれば、とてとてとぶりじっとのところへ。
そして、長い衣装を掴んで小さく引っ張って見上げる]
[そわそわ]
…………♪
[ベアトリーチェの仕草に一つ頷いてみせ。
もう一度扉の方へと視線を向け直した。
端末を出して確認する。確かこれで10人目。
上にある部屋の数に満ちる]
[玄関から広間へ恐々と進んでいたが、広間にいた女性からぺこりと挨拶され、こちらもぺこりと挨拶。]
あっ、こんばんわ。誰か…は、いましたね。よかったです。
[てぃるの流れるような説明にきょとり。
一人一つ……少女の分もあるのだろうか?
なおさら興味がわいて、ぶりじっとの服のすそをもう一度小さく引っ張る。]
[少女は新たな来訪者にはまだ気がついていない]
[ブリジットとティルの説明には『へぇ、そんなものなんだ』と。
特に、自分は連れて来られた経緯も何も知らなくて。
ただ、住む場所が変わって一緒にいる人が変わった
という程度の認識だったものだから。
普段のような移動にしては、あれこれ決まりに煩い
研究員がやって来ないなとは思っていたけれど]
じゃあ、帰ったら――林檎、食べる。
[最初に部屋に入った時から実は果物は目当てにしていて。
語尾に音符でも付きそうな調子で尾の先を揺らす]
それじゃあ、今日は――そろそろ。
[寝るね、と告げて上着とスカートを拾うと階上へと向かう。
もちろん、寝る前に戸棚から林檎を頂戴するのも*忘れない*]
[袖を引かれて、視線を落とす。
……促したのならば、自分が連れて行くべきなのだろう。確かに。]
うん、そしたら、後で行こうか。
……ひとり、じゃないか、
ええと、その子とふたりだけで、大丈夫?
[それとも、今がいい?と尋ねるも、李雪の意識は他所へと向いたようで。]
[しばらくじっと新しい黒い人をじっとみていたけれど
”お部屋”の誘惑の方が勝れば、また小さくぶりじっとの服を引いて]
…………。
[こくこく]
[二人は大丈夫。だっていつもそうだったから。
けれど、今まで移動は他の人が連れて行くのについていくだけだから
何処をどう動けばいいとかさっぱりわからないので
のんびりぶりじっとが動くのを*待つのであった*]
[話してみたいという葛藤もあったのだけれど、小さな子をいつまでも待たせておくわけにもいかない――そもそも、食事は取ったのだろうか――などと言う疑問もあって、先に連れて行く事にした。]
……あ。
皆さん、何処の部屋使っています?
[皆に向けて尋ね、空いているところを確認する。
鞄のポケットから携帯端末を取り出して、その場所を一つ一つメモする。]
ユーディットさんは、確か、わたしより奥だったから……。
[ふむふむ、と一人納得して、幾度か首肯。]
その様子じゃ。
あなたが説明してくれるというわけでもなさそうだ。
[暫くナターリエの様子を窺ったりもしていたが。
結局は苦笑してそう自分の中を纏めた。
名乗られれば名乗り返したりもしただろうか]
ああ、僕はIの部屋を使わせてもらっている。
[ブリジットの質問に答えながら、自分も同じように端末を操作した。
一通りのチェックを終えると]
これで何かが変化するのかな。
でも今夜はもうなさそうだし、僕も休ませてもらうことにするよ。
[おやすみなさい、とその場に残った人々に告げて二階へと上がって*いった*]
……うん。
ちょうど、わたしの近くが空いているのかな。
ユリアンさんの部屋の傍でもあるみたいだから、よさそうだね。
[パタリと端末を閉じると、李雪へと手を差し出す。ぬいぐるみを抱いて手が塞がっているようなら、無理強いをするつもりはないけれど。]
あ、っと。
わたし、ブリジット=エメスって言います。
よろしくお願いしますね。
[新たに現れた女性に名乗ってから、広間を後にした。
自分の格好もあって、足取りはゆっくりとしたものになる。]
[最初はユリアンの左隣の部屋にしようかとしたのだけれど、其処には人の気配があったから、止めておいた。
ブリジットの隣、ユリアンの正面――Mの部屋を選択して、李雪が嫌がらなければ、其処へ。
……ユーディットの隣でもあるとまでは、気が回らなかったが。
室内に入ると、食事をしたかなどを問うて、必要と思われる分の世話を焼いた後、「おやすみ」と挨拶をして、自分の個室へと戻った。]
……ふう。
わたし、ここに何しに来たんだろう……?
[他者の世話を焼いてばかりの気がして、ポツリと呟いた。
それが嫌だとは、特には思わないのだけれど。
浴衣のままにベッドに倒れ込み、*暫く天井を見つめていた。*]
えっと、私も何でここに連れてこられたかはわからないんです。
お役に立てなくて申し訳ありません。
[そう言って、しょんぼり。]
……あ、申し遅れました。私はナターリエ・ヘルゼーエンと申します。
えっと、よろしくお願いします。
[そう言ってぺこりと挨拶。]
えっと、空き部屋は……あ、はい。わかりました。では、おやすみなさい。
[そう言うと、階段を上りNの部屋へ*入っていった。*]
[ありがとう、という言葉に答えるように、笑うイレーネの頭をぽふ、と軽く叩くよに撫でて。
部屋に戻るという彼女を見送った後。
新たに現れた女性には、請われれば名を告げる。
元より、自分から名乗る質ではないが故に]
……んじゃ、俺も、これで。
[まだ場には数人いたものの、一足先の退出を告げて、部屋へと]
[部屋に戻り、窓を開けて。
窓枠に腰掛けるよにしつつ、しばし、空を見上げる]
さって……これで、十人?
集められた理由が、俺の『予測』の通りなら……。
[これから始まるのは、と。
呟く声は、*夜風にとけた*]
これから始まるのは……奴らの、『遊戯』。
はっ……上等。
だがな……俺は……死なない。
兄貴のように、二度と帰らない、なんて事には……絶対、ならねぇ……!
[静かな決意と共に。
左の手は、右手の糸──育ての兄であり、技の師でもあった先代リーダーから引き継いだ、意思を反映する糸を、確りと掴んでいた]
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