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呼び寄せたのは果たして何か。
その意を誰一人知る由もないまま、人々は集い始める。
1人目、自衛団長 ギュンター がやってきました。
自衛団長 ギュンターは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
召集をかけたものの、まだ集まってはおらぬか……。
とはいえ、どこまで真実かもわからぬ噂、焦る事もなかろうて。 全員集まるまで、ゆっくり待つとするかの。
森に囲まれた、山間の小さな村。
冬は雪深く、外界との接触は容易く断たれる。
生活は、決して豊かではないが、自給自足の暮らしは十分に満ち足りて。
何事もなく、穏やかだった村に、異変は唐突に起きる。
──その冬、最初の雪が降った夜、村人の一人が真白を真紅に染めた。
何者かに食い荒らされたかのようなその遺体は、村に戦慄を呼び起こし。
誰かが、その名を口にした──『人狼』と。
それは、御伽噺に伝えられる存在。
しかし、亡骸の有様は、それを容易に思い起こさせた……。
☆基本設定
1村・19村と同様の『場』システムの設定を持つ、言い換えナシ村です。
時代的には1村の過去に当たり、人狼については未だに『伝説・御伽噺の存在』という認識が根強く残っています。
☆舞台
山間の小さな村。周囲は森に囲まれています。
特に目立った産業などはなく、自給自足で慎ましく生活してきた土地。
外部との接触は余りなく、冬は大量の積雪により、完全に閉ざされます。
PCはこの村の住人ないし、雪が降る前にやって来た旅人。
突然の惨殺事件の容疑者として、村はずれの集会場に集められる事になります。
※1村、19村の舞台となった村の過去かどうかは定めてはいません。
☆集会場
メインの舞台となる建物。
一階には広間、厨房、倉庫、共同浴場などの設備があります。
二階には各人に割り当てられる個室。個室には、最低限の家具が用意されています。
これ以外の設備(物置やら倉庫やら)は好きなように設定してください。
※光熱関係は詳細には拘らずに適当に。ただ、煮炊きや暖房には薪が使われています。
☆役職について
以下、1村・19村で用いられた設定を転載します。
役職を希望する場合は留意してください。
動きに緩い縛りがあるので、特にやりたい役職がない時は、無理せず村人orおまかせを。
・人狼はその発祥が現世利益による布教のため宗教兵器であり、闇の眷属の力を胎児に加えることで生み出された。
・戦乱の内に教会の対人狼部門は崩壊、管理下にあった人狼や能力者の因子が流出した。
・本来、人(能力者)、場所(閉鎖空間・人数)、時(人、場所の条件を満たして、満月の夜を迎える)の条件を満たさない限り自ら人を殺めることはなく、大抵の人狼は人なんて殺さずに澄むのならそうしたいと思っているらしいが、古の契約によりそれは避けられない。
・だが、本人の意志と関わらず、行為を行うとそれは無上の快楽を与えてくれる。
・他の能力者も同じ、システムに沿った行動をしている間は快楽を、それを乱そうとすると苦痛を味わうようになっている。
智狼の襲撃、占い師の占い、守護者の守護は、それぞれが展開を左右する要素を強く持っています。
対象を決める時はPC視点だけではなく、PL視点での展開展望も加味する事を強く推奨いたします。
☆役職設定
智狼
教会により造られし、闇の因子を引き継いだ者。
月の影響を受け、獣に変化する能力を持ち、人の血肉を喰らう。
※展開に対し、もっとも大きな影響力を持つ役職です。
赤ログでの中相談は、必要と感じたならどんどんやってくださって構いません。
ただし、雑談に偏らないようにお願いいたします。
狂信者
教会の事情を知り、人狼が何者かを見極める事ができる者。
本来の目的に沿うか、独自の目的を持つかは定かではないが、人狼を生かすために行動する。
※狂信者は、上記役職基本設定についての知識を最初から持っていて構いません。
占い師・霊能者
教会に造られし因子のうち、探査や見極めに特化した力を引き継いだ者たち。
占い師は生者を、霊能者は死者をそれぞれ見極める力を持つ。
※展開上自然なら、判定ブラフもありです。
※霊能者が襲撃死者を感知する事への制限はありません。引いた方の設定にお任せします。
守護者
教会に造られし因子の一つ、守り手の力を引き継いだ者。
その力を持って人狼の牙から他者を守る事ができるが、自身のためには使えない。
聖痕者
蒼と朱の花の痣を持つ。教会により、『象徴』、或いは『指導者』、ないし『生贄』としての役割を持たされた者。
☆吊り・襲撃・墓下について
特殊な言い換えの設定はありません。投票の概念がないくらいです。
【吊り・襲撃共にPL>PC視点で、盛り上がり重視の選択を。
委任は禁止しませんが、なるべく使わない方向で】
それぞれの描写ですが、吊りはその時の状況で。
ただし、初回に関しては自衛団の連行→処刑という流れになります。
また、処刑描写に拘りすぎる必要はありません。
襲撃描写は、白での発見を優先し、赤ログでは後ほど回想、という形でそれを補完してください。
00時更新という事もあり、赤からの描写の提示を待って進行が止まると、寝れなくなる人が続出しそうなので。
なお、【吊り・襲撃描写共に、対象となったPC・PLへの配慮は忘れずに!】。
ちなみに基本的にまとめサイトでの遺言確認などはしないもの、とします。
墓下は霊魂の世界となります。
終わるまでは何故かその場に束縛されるらしく、村から離れる事はできません。
プロローグ
初雪明けの朝。
村外れで死体が発見され、容疑者が村外れの集会場へと集められる。
この時点ではまだ、村内で自由に動き回れるが、連行された事で周囲の態度は変化しているかも知れない。
集会場に到着すると、身上書の提出を要求される。
(以下テンプレ。書いた後、メモにアンカーをお願いします)
■名前:(綴りがあると泣いて喜びます)
■年齢:
■職業:
■経歴:
※他、PL視点での補足なども必要に応じて
1日目
48時間進行。
自衛団長から、今回集められた理由が説明される。
自衛団は、人狼の存在も示唆しつつ、未だ半信半疑の様子。
集会場を離れる事は禁止されるが、監視役の自衛団員に頼めば、自宅に手紙を届けてもらう・何か持ってきてもらう、程度の事はしてもらえる。
※自衛団長は基本的に集会場内にいますので、絡みに使いたい場合はご自由に。
とはいえ、NPCなのでそことばかり絡みすぎるのにはご注意を。
2日目
48時間進行。
自衛団長襲撃。
自衛団は、集会場の中に犯人がいる、と判断し、必ず見つけるように、と指示。
この時点で、村との関わりは完全に断たれ、集会場は孤立する。
3日目以降
ここから24時間進行。アンカーは、サマリー順にリレー。
容疑者の一人が、自衛団に連行され、それきり戻る事はない。
霊能者は、その者の死を何らかの形で感知できる。
そして、狼の牙に誰かが命を落とす。
殺し合わねば生きられない現実。
それが突きつけられ、集会場は血を流す場所と化す。
エピローグ
最後に残るのは、人か獣か。
それにより、終幕の物語は変化する。
新たに積もる真白が、世界を閉ざしてゆく。
……村を守るために結成された自衛団は、疑わしき者を集会場に呼び集めて隔離する。
それが、更なる悲劇をもたらす引鉄になるとも知らぬままに。
……神の教えを説く者たちの、冥き側面も知らぬままに。
2人目、詩人 ライヒアルト がやってきました。
詩人 ライヒアルトは、霊能者 を希望しました(他の人には見えません)。
Von der abgelegenen Entfernung ist lang.
Es liegt im tiefen Tal.
Der Flügel, den ich weiß bin, und Glanz.
Der Vogel blauer Augen.
OK, es ist Zeit, jetzt aufzuwachen.
OK, der Flügel scheint breit zu sein; zum Himmel.
[小さな呟きが、黎明の空気の中に零れ、溶けてゆく]
Der Himmel, den ich blau bin, und Glanz.
Ich bin jederzeit Vorgänger.
Der Flügel, den ich weiß bin, und Glanz.
Zum Himmel, den es sich ausbreitete, und ist frei.
OK, es ist Zeit, jetzt zu flattern.
OK, zum Himmel befreien Sie überall.
[呟きを追うように動くのは、使い込まれた羽ペン。
それは、古びた紙の上に言の葉を綴ってゆく]
……こんなもの、か。
大体あと、一節……どう、まとめたものかね。
[呟きながらペンを置き、愛用のカップに手を伸ばすが。
触れたそれは、当に冷え切っていた]
あー……やっちまったか。
[掠める苦笑。
見回せば、ランプも暖炉も灯る火は弱々しく。
それが、集中していた時間の長さを容易に感じさせる]
さて、どうするか。
皆が起き出すまで寝ているか、それとも、先に食事を用意しちまうかの二択……だな。
[呟きながら立ち上がり、窓辺へ。厚いカーテンをずらすと、その向こうには白の世界が広がっていた]
やけに冷え込むと思ったら、降ってたのか……ん?
なんだ……騒々しいな。
何か、あったのか……?
[いつになく張り詰めた、物々しい雰囲気。
それに不安めいたものを感じつつ、窓辺を離れて暖炉の火を熾す]
……いい予感は……しないな。
[ぽつり、と呟いて。
服の上から何かを握り締めるように、胸元に手を触れる。
ベッドの上で丸くなっていた足先だけが白い黒猫が身体を伸ばして近づいてきた]
お前も同じか、ヴィンデ……?
[呟きに返されるのは、短い鳴き声。肯定か否定か、定かではないそれに、ふ、と笑みつつ小さな頭を撫でる。
猫の首の深い紅のリボンが、揺れた]
[それから数時間後、訪れたのは自衛団員。
告げられたのは、村の外で見つけられたという死者の事と、そして]
……容疑者、ね。
ま、俺は疑いやすいだろうけどな。
[話を聞きたいから集会場へ、という言葉に零れ落ちた言葉は幸いにも他者には届かなかった]
[支度を整え、猫と共に向かう集会場。
たどり着いた先で渡される身上書には、こう記される事となる]
──────
■名前:ライヒアルト=モルゲンシュテルン Reichard=Morgenstern
■年齢:24
■職業:『自称』詩人
■経歴:5年ほど前にやって来て以来住み着いている村の居候。
詩人を自称し、作詞なども手がけている。
出で立ちや所持品から、教会となんらかの関係があるのでは、といわれているが、当人は黙して語らず。村に来る以前の経歴は不明。
村の教会には、殆ど立ち寄ろうとしない。
ヴィンデという名の、足だけが白い黒猫を飼っている。
──────
/*
と、言うわけで、09年最初の村たてと相成りました。
泡沫系もこれで三村目、『紅月小夜曲』、如何様な旋律となるかはわかりませんが、最後までお付き合いいただければ幸い。
それにしても。
雪月花が完全に想定外だったもんで、期せずしての連続ライヒアルトになってしまった。
なんだこの、ある意味去年と同じパターン。
3人目、講師補佐 アーベル がやってきました。
講師補佐 アーベルは、占い師 を希望しました(他の人には見えません)。
それって今すぐじゃなくてもいいですかね?
ほら、急な話だし。
僕もまだ溜まってる仕事ありますし、ねえ。
[寝癖の付いた髪][頭を掻き][眉を下げて愛想笑い]
大丈夫大丈夫、逃げたりしませんて。
仕事済ましたら速攻で行きますよ。
[襟元を正し][両手を上げて]
…身の上書?
取り敢えず、それを書きゃいいんですね。成程。
分かった、奥で書いてきますんで少々お待ちを。
[差し出された紙を摘み][靡かせ部屋の奥へ]
…ああ、面倒くせ。
[一つ扉を隔て][洩らす音]
[*玄関までは届かない*]
[調書に連ねられる名が一つ増え]
[集会所に一つ影が増える][もっと前の話]
■名前:アーベル=アレント(Abel=Arendt)
■年齢:25
■職業:講師補佐
■経歴:1年前より、職の関係で遠くの街から此処へと移り住む。
以来、村の学校で補佐として働きながら、正式な講師になる為の勉強も行っている。
4人目、薬師 ゼルギウス がやってきました。
薬師 ゼルギウスは、狂信者 を希望しました(他の人には見えません)。
[初雪の降る数日前のこと]
や、久し振り。
今年も来たよ。
[村に入り見知った人達に声をかけて歩く]
[雪で村が閉ざされる前、彼は必ずこの村にやって来た]
ひと冬越せるくらいの薬草は持ってきたから安心してな。
尤も病気も怪我もしないのが一番だけど。
え、子供生まれた!?
そりゃおめでとう!
後で見に行っても良いかな?
[居なかった期間にあった出来事を土産話をしながら聞いて]
[最終的には毎年お世話になっている診療所へと向かった]
センセ、今年もお世話になりまっせー。
[にかっと人懐っこい笑みを浮かべる]
[そして新しく手に入れた薬草などを、診療所の医師に譲り分けたりするのだった]
[初雪の降った朝]
[寒さに寝台の中で身を丸くしていた彼を呼び起こしたのは医師と自衛団員の声だった]
む〜、なんすか、朝早くにぃ。
[寝ぼけ眼を擦りながら上半身だけ起き上がらせ]
[寝起きに聞いた言葉は直ぐには頭に入ってこなかった]
……えーと?
俺が容疑者?
一体何の話?
良いから集会場に来い?
怪我人でも居るのか?
[全てを疑問で返すため、半ば強引に集会場へと送還されることに]
あー! 待って待って!
仕事道具も持ってくから!
[常に持ち歩いている道具箱を肩にかけると、自衛団員により集会場へと連れて行かれた]
[辿り着いた集会場で書かされたのは身上書]
──────────
■名前:ゼルギウス=インスタビリ=ベルスタンド
Sergius=Instabil=Verstand
■年齢:27
■職業:薬師
■経歴:7年ほど前から冬の間だけ村に滞在し、村人にその都度薬を分け与えている。
冬以外は他の場所を旅しながら材料集め。
昔、行き倒れる直前で村の人達に助けてもらい、以来冬の間閉ざされてしまう村に共に籠り、診療所に泊まり込み怪我人や病人の対処をしている。
行き倒れの話は村の中では結構有名。
7年前の行き倒れ事件に関わった者であれば、ゼルギウスが今から10年前以前の記憶(特に家族に関する記憶)が抜け落ちていることを知っていても可。
──────────
/*
今気づいた。
ベルスタンドじゃなくてベルスタントだよorz
良いや、そのままで行こう。
あとベルにするかヴェルにするか悩んで結局ベルに。
色々間違ってるだろうけどキニシナイ。
そんなこんなで狂信者希望でお邪魔しまする、ろこあです(ぺこり
仕事ほっぽって文章練ってたんで、仕事してきます(滅
5人目、指物師 エーリッヒ がやってきました。
指物師 エーリッヒは、占い師 を希望しました(他の人には見えません)。
それで何。
俺、今戻ったばかりなんだけど。
[玄関先で重くなった外套を脱ぎ、招かざる客人を振り返った]
…ああ、夏小屋には一人で行った。
誰にも証明なんてしてもらえないさ。
[睨むようにこちらを見る相手に溜息を一つ]
分かった、行くよ。
けど、少し休んでからでもいいだろう?
疲れてるんだって。
[どうにか譲歩を引き出すと、家の中へ入った]
ったく、子供だましの御伽噺を。
[外套を壁に下げて奥の部屋へ。
ベッドに腰掛け、そのまま背中から倒れこんだ]
…とばかりも言えないんだろうな。
あいつらのあの表情。
参った。間が悪すぎた…。
[そのまま転寝すること暫し。
寒さで目が覚め、諦めて荷物を作ると集会所へ向かう]
あー、はいはい。
これを書けばいいわけね。
[左手に握られたペンがサラサラと動いてゆく]
──────
■名前:エーリッヒ=マイヤー Erich=Mayer
■年齢:26
■職業:指物師
■経歴:生まれはこの村。8歳の時から12年間は街へと修行に出ていたが、父の死を切欠として村に戻り、家具や小物を作って暮らしている。
──────
/*
とりあえずエントリーだけしておいてと。
男3人並んでたからちと悩んだけど、まあきっと大丈夫だろうと最初の案で入りました兎猫です。
ちなみにゲルダと悩んでいましたが。機動力の作れるのにしておかないとまた固まりそうなのもあってこっちなのですよ。
詳細?決まってるわけ無いじゃないですk(殴
まあ一応、占い通ったら右手で人物像彫る予定とかは。
…普段に右手使わせないように気をつけないとな。
それでは、また暫く宜しくお願い致します(ぺこり)
おっと、こりゃどうも。
[広間に入り、ソファーでぼけっとしているゼルギウスに軽く会釈。
それから他者についての情報を求めて]
…あー、そうくるか。
まあ分からなくもないけどな。
[何度目になるかの溜息をついた**]
─集会所二階・個室─
[てしてし、てしてし、と頬を叩く気配に転寝から目を覚ます]
ん……なんだ、ヴィンデ。
[叩いていたのはそこだけ白い猫の靴下。
起き上がり、感じたのは違和感]
ここは……ああ、そうか。
[自衛団員からの要請でやって来た集会場。
たどり着いたあと、身上書を提出して、ここで待て、と言われて──その後、徹夜の影響が出て辛いから、と二階の個室に引っ込んでいたのだと、思い出し]
さて……とりあえず、何か、胃に入れるか……。
[呟いて、猫を伴い階下へと向かう]
─集会所・広間─
……何故に。
[下に降りて広間に入り、最初口をついたのはこの一言。
足元の猫も、不思議そうに尾をゆらり]
俺はともかく。
家主殿まで呼びつけられるとは。
[何を考えているのやら、と呟きながら、厨房へと足を向ける。
ここにいる間は、厨房は自由に使っていい、と言われていた。
食材なども、一応備蓄はあるらしい。
ここは何かあった場合の非難所としての側面もあるので、それ自体は別に違和感を感じるものではなかった]
茶を淹れるが。飲むか?
[広間と厨房の境界線で足を止め、思い出したように場にいる者たちに問いかける。
返事がどうであれ、紅茶を淹れるに変わりはないが]
─集会所・広間─
[起こされて直ぐ連れて来られたためにぼけーっとしている間にそのまま居眠り]
[船を漕いだところで声をかけられ、それにより再度の覚醒がなされた]
は! 寝てた!
やぁエーリ君、どうしてここに?
[結局のところ詳しい話を聞いていない(聞いても寝ながらだった)ために疑問符を浮かべる]
[寝ている間にライヒアルトも集会所へとやって来ていたらしく、茶を淹れるとの声にそちらを振り向いた]
おや、ライヒ君まで。
お茶はありがたく頂くよ。
にしても何故俺はここに。
[寝ぼけ頭では記憶に残って居なかった模様]
……何故、と聞かれてもな。
自衛団に、呼び出しされたんだろ。
[少なくとも俺はそうだった、と返しててきぱきと茶の支度を進める。
広間に残った猫は暖炉の前に陣取り、くぁ、と欠伸]
とはいえ、何を考えてるんだ、とは言いたいけどな。
[広間に戻り、鮮やかな茜色を配りつつ、零したのはこんな呟き]
自衛団自衛団…。
…そうだったかも?
センセに呼ばれて朝起きてー。
とりあえず集会場来いって言われたんだっけか。
[間の説明がすっぽりと記憶から抜けていました]
[配られる茜色に礼を述べてからカップを手に取り]
何かあったのかね?
家主と居候が揃ってここに居ると言うのも不思議な話だけども。
[そう言いながら、湯気の上るカップを口元へと運んだ]
やれやれ。
後から行くって言ったのに、ご苦労なことですよ。
[自警団の男を伴い][白雪を踏む]
それで、何人居るんです?
容疑者ってのは。
…はあ、案外多いんですねえ。
[手には纏めた荷]
[身なりはそれなりに整い]
失礼しますよ。
[二度のノック][集会所の戸を開く]
家主殿がいたのは、俺としても驚きなんだが。
[茜色を一口、味わってから小さく呟く]
……て、聞いてないのか。
今朝方、村外れ……森の近くで、人が死んでたんだと。
で、それに関わりありそうな容疑者を集めてるんだとさ。
[説明は端的かつ、あっけらかん、としたもの]
[扉の開く気配に、ふ、と視線をそちらに向ける]
おや。
とりあえず、外来組や出戻りは疑っとけ、って事なのかね。
[目に入った蒼い色に、零れたのはこんな呟き]
はいはいどうぞ。
[ノックの音に自分の家でもないのにそんな言葉を向けて]
[けれど視線は湯気立つカップへと注がれる]
[何度も息を吹きかけて冷ましている辺り、猫舌らしい]
やー、とんと説明された記憶が無くて。
…って。
人が死んでたって、マジ?
つか容疑者集めてるって、ここに?
え、俺容疑者の一人?
[端的な説明も、覚醒した今なら事態も飲み込めて]
[自分に人差し指を向けて真紅の瞳を瞬かせた]
まったく、そうらしい。
その様子だと、そっちの方もそのクチですかね?
[見た黒と見慣れぬ銀]
[言葉に向けるのは苦笑]
で。
集まってるのってこれだけ?
詳しい話は、俺も聞いてないが……ま、手っ取り早く言うと、そういう事だろ。
[自分を指差すゼルギウスには、どこまでもあっさりとした返答。
苦笑するアーベルには、軽く、肩を竦めて]
今の所は、これだけらしい。
どれだけ集める気かは知らんがね……。
……紅茶、飲むか?
はひ?
[ようやく飲めるまでに冷ました紅茶に口を付けたところで訊ねられ]
[少し間抜けた返事をする]
[口に含んだ分を喉に流してから、入って来た青年へと視線を向けて]
今しがた事態を把握したばかりだけど、そう言うことになるんだろうね。
確かに数日前にここに着いたのではあるんだけど。
君、去年の冬は居なかったよね?
俺はゼルギウスと言うしがない薬師さ。
毎年冬になる前にここに来て御厄介になるんだ。
[今後ともよろしく、と人懐っこい笑みを浮かべる]
[続く問いには首を傾げるだけだった]
えー。
でもいきなり容疑者っておかしくない?
どんな死に方してたのかは知らないけどさ。
野生の獣の仕業だったりしないのかな。
[ライヒアルトの返答に頭が傾げられた]
頂きますよ。
外は寒い。
[勧めに頷き][戸を閉める]
[2人の近くまで進み]
ああ、僕は1年前から。
アーベル=アレント。教師の見習いってとこかな。
こんなとこで言うのも妙だけど、宜しく。
[挨拶を返し][右手を差し出す]
さて。
容疑者扱いするんだから、それなりの理由があるんでしょうね?
[椅子に着き][扉に眼を遣る]
疑われた奴は解雇、とかならなきゃいいけど。
[肘をつき][小さな溜息]
さて、俺は死体の状態までは聞いてないしな。
その辺り、聞けば教えてもらえるんじゃないか?
ただ、野生の獣の仕業、と判断できるなら、人を集めたりはせんだろうが。
[ゼルギウスに答えつつ、新たな茜をカップに注いで、アーベルへ差し出す]
……仕事に差し障る連中には、辛いな。
おや、教師の卵か。
子供達に教えるのは大変だろうけど、やり甲斐がありそうだね。
アーベル君か。
[目の前に右手を差し出され]
[おっと失礼、と言いながらも両手で持っていたカップから手を離し]
[自分の右手をアーベルの右手に重ねて握り返した]
ああ、街の学校とはまた違うね。
なかなかいい経験させて貰ってますよ。
[手を握り返し][離して]
[向けられたカップに礼を]
向こうなら一発で失職だろうね。
[苦笑を零す]
教えてくれるかな。
ろくな説明も無しに連れて来られて来た身としては、教えてくれなそうに思うんだけど。
[自分で覚えて居なかっただけだけども]
んー、疑う要素があるからこそ集めてる、か。
そりゃそうだよな。
[ライヒアルトの返答には納得して頷きを返した]
村人が殺されたから、疑うべきは外部、ってか。
何かかなしー。
[溜息のよな息を吐いて呟き]
[再びカップを口へと*運ぶ*]
―回想―
おはようございます、とでも言っておくべきで?
自衛団に呼ばれたんですよ、と。
[ゼルギウスに軽く肩を竦めて。
同居人には、よ、と片手を上げた]
ちと材料の不足がね。
作業小屋には余分も置いてあるから取りに行ったんだが。
間が悪すぎたらしい。
[雪が積もれば使えなくなる小屋に、本格的に閉じ込められる前に行くのは自然な行動だったはずなんだがと]
あー、上の部屋使うんだよな。
荷物置いてくるわ。後で貰う。
[二つの鞄を手に二階へと上がっていった]
田舎でよかったのか、悪かったのか。
……どっちにしろ、やり難いにはかわらんだろうけど。
[苦笑するアーベルに、似たような表情を返す]
単なる言いがかりな気がしなくもないが、ま、言っても仕方ない。
それに、身内は疑い難いものだろ。
[ため息めいた息を吐くゼルギウスにも、その表情を向けて、自分もカップを傾ける]
―広間―
おや、増えている。
分かりやすい所から引っ張ってくるなぁ。
ごくろうさま。
[青髪の青年に軽く片手を上げ]
俺も紅茶欲しい。寒い。
[同居人にお茶をねだった]
[家主の声に、暖炉前でぬくぬくとしていた猫が挨拶するよに尾を揺らす]
はい、はい、と。
[軽い口調で言いながら、カップをまた一つ、茜に染めて差し出した]
今更、別のこと始めるのも難しいもんで。
単なる休暇で済むことを願いますよ。
[カップを傾け]
[掛かる声を振り向き]
おや、そちらさんもとは。
[金を認め][片手を上げる]
ま、こういう村だからね。
どうしても身内を疑いにくいのはあると思う。
[ゼルギウスの溜息にそんな言葉を落として]
でもそうも言ってられないんじゃないか、ともね。
ウチに来た奴の様子を見ている限り。
お、さんきゅ。
[差し出されたカップを受け取り、一口啜る]
あー、生き返るわ。
そうだなぁ。
俺もそれなりに離れてた期間があるからね。
こういうことになると、どうにも。
[軽く言いつつも、アーベルに返した表情はどこか複雑だった]
……大変だな。
俺みたいな浮き草稼業だと、気楽なものだが。
[特に名が売れているわけでもない身、あらぬ嫌疑が差し障る事もなく。
そういう意味では、気楽なのだが]
俺も人の事言えた義理じゃないが、家主殿。
夜の出歩きは考えた方がいい。
[立ち上がり、暖炉前へと歩きつつ、家主に向けるのはこんな一言]
まったく。
困ったもんですね、どうにも。
[表情を見て取れば][肩を竦め]
[カップに口を付ける]
言っちゃ悪いですが、本当に捜査する気があるのやらね。
取り調べでも何でも、とっとと済ませりゃいいのに。
[まるで茶会のような光景][ちらと部屋を見渡して]
確かにお前に言われたくはないなぁ。
それに、気になるとおちおち寝てられないだろ。
雪積もったら行くのも大変だし。
[目を逸らしながら、言い訳のようにもそもそと]
夜の空気は嫌いじゃないし…。
[最後のは言い訳にもなっていなかった]
やれ。
何か手に職でも付けとくべきでしたかね。
[カップを空にし][呟き立つ]
[双方の会話に][笑みを洩らして]
取り敢えずは、休ませて貰いますよ。
ここ最近殆ど寝てないもんでね。
もし何かあったら教えてくださいな。
[ひらと手を振り][荷を抱え]
[*個室へ向かう*]
[暖炉の前まで行って薪を足し、横に積んである量を確かめる]
……裏手に、薪小屋があったよな。
後で、みとくか。
[どうやら、長丁場になりそうだし、と思いつつ。
一番いい場所で喉を鳴らす猫を撫で]
にしたって、夜に出向かんでも。
ま、夜の空気は、俺も嫌いじゃないが。
[家主にさっくりと切り返す]
ん、ああ。
睡眠不足は、身体によくないからな。
薬師がいるとはいえ、休んどくに越した事はないだろ。
[休む、というアーベルの言葉にそちらを見やり。
軽く手を振り返しつつ、その背を見送った]
ああ、長丁場になるかもしれないしな。
おやすみ。
[視線を上げると、去りゆくアーベルに手を振り返し見送って]
…気持ち良さそうだと思った。
それに普通、こんなん巻き込まれるとは思わない。
[わざと意味をずらして、ボソリ]
[取調べ、という言葉に、ほんの少しだけ思案するよな素振りを見せるも、それは一瞬で]
……問題が違うだろうに。
[ころん、と転がる猫を撫でながら呟き、立ち上がる表情はいつもと変わらぬ飄々としたもの]
取りあえず、自衛団連中の反応待ち、か。
長丁場になりそうだし、腹ごしらえでもしておくか。
……何か希望があるなら、可能な限り作るけど?
[テーブルに戻り、空いたカップを片付けながら軽く*問いかける*]
[ズッ、とわざと音を立てて紅茶を啜る。
一瞬見えた表情に片眉が僅か上がるが、やはり何も言わず]
ああ、ここまでやるからにはどうせ団長も来てからだろうしな。
食いたいもの?…チキンカツで。
[問いにはとりあえず好物を答えて。
場所を入れ替わるように暖炉の傍に移動してみたり。
同居人の猫が居れば抱いたりして時間を*潰していた*]
身内は疑いにくい、ね。
[真紅が細められる]
[如何に冬の間共に村で過ごすとは言え、自分は外部のものでしかないと]
[そう言いきられたも同然だった]
[記憶のどこかで、何かがちりりと痺れるような感覚を覚える]
『期待していたわけではないけれど』
[小さく呟かれたそれは誰かの耳に届いただろうか]
[「身内」と言うものを持たぬが故に]
[記憶にすら留めて居ないために]
[心のどこかでは求めていたのだろう]
あ、俺カレー食べたいなー。
[その後に耳に入ったライヒアルトの言葉に、ちゃっかりと自分の希望も挙げる]
[上目遣いでのおねだりは、長年旅して来て培われた*必殺技*]
/*
東京、初雪だったとか。
ある意味ないすしんくろ。
それにしても、何なんだこの天穹再来(しかもあっちよりすげぇ)状態は……!
と、それはさておき。
フルメンバーはあんまり期待してないんで、最小催行人数は8に下げるようかなー、それ以下だと役職調整が面倒すぎる。
8の時は、守護と聖痕-1でいいけど。
9の時の調整が面倒なんだよなあ……守護と朱聖痕、先にどっちを削るか……守護かな。
[身内は疑い難い。
その言葉に思う所あるよな薬師の様子には気づいても、何か言う事もなく]
わかった。
ただし、好みにあわなくても文句は言うなよ。
[二人からのリクエストに頷いて、厨房へ。
残された猫は、入れ替わるようにやってきた家主にゆらりと尾を振り、なぁ、と一鳴きしてじゃれついた]
―厨房―
……に、してもだ。
[一度落とした火を再び熾しながらぽつり、と呟く]
まさか……な。
[掠れた呟きは、薪のはぜる音に*飲み込まれた*]
言わない言わない。
用意してもらえるだけありがたい。
[ライヒアルトが残して行った言葉にはそう返して]
[カップの紅茶を飲み切るとソファーを立ち上がった]
そんじゃ出来上がるまでちょっと外出て来るわ。
まだ薬配り切ってないし、さっきの話も気になるしね。
[どんな死に様だったのか]
[もし人の手によるものではないと判じられるのであれば、直ぐに解放されるだろうとの考えからだった]
俺の分残しておいてくれよー!
[広間に残る形となったエーリッヒにそう投げかけると、仕事道具を肩にかけ]
[集会場の扉を開けて外に出るの*だった*]
[ゼルギウスの声は聞こえていたのかどうか。
唇の端が僅かに歪んだ]
両方合わせりゃカツカレー?
作って貰えるならありがたい、ってね。
[家事一般に関しては自分がやると無茶苦茶になる、らしい。
同居人に指摘されるまでは気にしていなかった辺りが救えない。
修行中はそれでも何とかなっていたはずなのだが]
ああ、いってらっしゃい。…気をつけて。
分かった、一人分は確保しておこう。
[微妙な肯定と共にゼルギウスを見送った暖炉の傍。
視線は右手に落ちて、小さな溜息が*漏れた*]
[一通り動き回り、支度を終える。
作った量は、いる人数よりはやや多め。
これからまた、人が来ないとも限らないのだから、と]
何事もなく解放されるなら、持ち帰ればいいんだしな。
[そんな、ちゃっかりとした考えもあるのだが。
ともあれ、リクエストされた品に、サラダもつけて広間へと。
人の分の支度が済んだら、猫の分の用意に一度、厨房へ戻る]
……良く、降るな。
[窓の向こう、はらはらと舞う白に、ぽつりと呟いた]
[ひらり、はらり]
[舞う白の中を歩き集会場を離れて行く]
[定期的に薬を差し入れている家族の下へ行き、薬を渡した]
それじゃあいつものように分量守って使ってね。
………?
[承諾の返事は聞こえたが、その声色はいつもと違った]
[視線を上げるとそこにはどこか脅えるような視線]
[最初は何故だか分らなかった]
[けれど、”あのこと”が原因であると理解してしまう]
…それじゃ、俺はこれで。
お大事に。
[いつもの人懐っこい笑みを浮かべて頭を下げて]
[何でも無いような素振りで玄関を出た]
……話、広まってるんだなぁ。
小さい村だし、無理もないか。
[憤りよりも、悲しみを覚えた]
[故郷を] [家族を] [記憶を]
[それらを無くしてから、命を救われたこの村は自分の拠り所だった]
[それが今、崩れかけてきているように思えて]
[白の舞う小さな広場の真ん中で、天を見上げしばし立ち尽くす]
[やや色の翳る雲が、真紅の瞳に映った]
[猫の食事と、自分の食事と。
双方済ませてから、一度二階の個室へ向かう]
……おっと。
仕事道具、忘れた。
[開いた鞄の中、羽ペンとインク壺はあるものの。
構想を書き付けるノートはどこにも見えなくて]
……取ってくる、か。
[小さく呟き、壁に掛けたコートを手に取る。
黒を纏う姿は、神職の者のそれとも似て。
とはいえ、そうかと問われたなら、返すのは否定なのだけれど。
階下に降り、家主がまだいるならば、一度戻る旨を伝えて。
猫を肩に乗せ、真白散る中へと歩き出した]
/*
身も蓋もなく言うと。
『元』修道士なんだよな。
教会絡みの過去設定があると、役職がどうなっても対応できるから、というのもあったりするのだが。
……これで、狂信者希望と思われていたら笑おう。
いや、確かに好きだけどね、狂信者!
……それにしても、まあ。
[道を歩きつつ、零すのは苦笑]
わかりやすい事だ。
[すれ違う人々の態度は、微妙に変化している。
元より、深い付き合いをしている者はそう多くはないため、余り気にする事でもないのだが]
……いきなり叩き出されていないだけ、マシと見るべきか。
[自嘲的な呟きと共に、居候する家へと戻る。
正直、家主まで連行されるとは思っていなかったので、戸締りの再確認をしておかなくては、という思いもあった]
[天より舞い落つる白]
[何かを思い出しそうで][何も思い出せなくて]
[長らく空を見つめ続け]
………ふぇっぷち!
[大きなくしゃみが出た]
うぅ、俺が風邪を引きそうだ。
[冷えて来た身体を両手で包むようにし、掌で擦る]
[寒さに身体を震わせながら、もう一つの目的のために自衛団員を探すべく歩き始めた]
[忘れ物と、それ以外の小物を幾つか纏める。
愛用品のカップはどうするか、悩んで結局荷物に加えた。
元々、物持ちは多くないので、それでも大した量にはならない]
全く……面倒なことだな。
[文句を言いながら、戸締りを確認し、再び外へ。
白に染まりゆく世界の中、黒を翻しつつ、再び集会場へと向かい歩き出す]
お、ありがと。
これだけあればそうは無くならないだろう。
[それでも律儀に「一人分予約」などと書いてみたり。
後は静かに食事をする。わけもわからずに近く連れてこられたこの状況で、弾む会話もそうあるわけはなく。
好物なのにいつもより食べるのが遅いのは、やはり気分の問題か]
ん、ああ。
[戻るという同居人にも生返事。ひらり手を振り見送って。
暖炉の前で沈黙したまま、時だけが流れてゆく]
─村の通り─
[歩く道、ふと足を止める。
視線の先に見えるのは]
団長殿、か。
[自衛団を束ねる人物。
五年前、行き倒れかけていた自分を拾ってくれた恩人の一人ではあるが。
その信心深さ故に、苦手とする筆頭でもある]
…………。
[数人の自衛団員と話す姿をしばし、遠巻きに見つめ。
団員たちが散った所で、そちらへと近づいた]
御機嫌よう、とでもいうべきか。
お伺いしたい事があるんだが、団長殿。
[無愛想な挨拶と共に切り出すものの。
返されるのは、『事件』に関しての事なら、後から話す、という言葉]
その、『後』というのはいつになるのか。
……俺は、浮き草稼業だから、さほど気にはせんが。
職によっては、色々と差し障りもあるだろうに。
[それでも、と団長は譲る様子なく。
嘆息]
まったく……。
―集会場広間―
これ、親父の手だよな。
[ポツリ。暖炉の隣にあるカップボードに触れながらの一人ごと]
古いのを手直したって感じかね。
ここ…元領主の別荘だったりすればいいんだけれどな。
[耳に残る自衛団員の声。
子供の頃は共に遊んだはずの青年が向けてきた目は]
もう6年か。
[父もいない。母もいない。
新たに所帯も持たなかったのには理由があるけれど]
……まだ6年、か。
[ふるり、首を振って。
暖炉の薪を増やし調節して暫くは消えないようにすると、食べ終わった食器を持って厨房へ]
[結局、思うような言葉は引き出せず、集会場で待て、という言葉に頷くだけとなったのだが]
……あんたは。
何を、したいんだ?
[立ち去り際、投げかけたのはどこか唐突な問い。
沈黙を経て、返るのは、「村を守る」との言葉]
……そう、か。
[小さく呟き、一礼して歩き出す。
肩の猫もワンテンポ遅れて、小さく頭を下げる仕種をした]
―厨房―
あ、しまった。
[小皿が一枚、綺麗な半月二枚と化した。
自分の家じゃないのにどうしよう、と首を傾けながら悩み]
後で家から補充させてもらうか。
今は使っていない食器もあるしな。
[残りの食器は持ち上げずに洗うという、以前やっていた方法を使って汚れを落としていった]
守る、か……。
[呟きながら、歩みを進めていく]
……裏目にでなきゃ、いいんだが。
[黎明に掠めた嫌な予感は、振り払えてはいない。
嘆息を一つ、零して集会場へと戻る]
……人は、増えた様子もない、か。
[広間に入り、やれやれ、と。呟く肩から猫が飛び降り、暖炉の前へと駆けてゆく]
……まあ。
大事無いとは思うが。
[子供じゃないんだし、という部分は押し込んでおいて。
暖炉の前に転がる猫を横目に、厨房へと向かい]
……惨事には、至っていないようで。
[第一声が、何気に酷い]
惨事って。
お前、俺を一体何だと…。
[洗い終わった食器を、こればかりは持ち上げないと運べない。
そんな時に声を掛けられれば]
――あ。
[また一枚、重力に引き寄せられる皿]
家主殿だと思っているが。
[何だと、と問われて素で返す。
直後、翠の瞳に映るのは、重力に引かれる皿、一枚。
押さえに行くには、遠かった]
……後は、俺がやるから。
ヴィンデと遊んでやってくれると、助かる。
[これ以上の惨事拡大は避けたい。
色んなイミで。
そんな思いから、口をついたのはこの一言]
[小皿と同じ運命を辿った大皿。
流石に目の前でやってしまえば取り繕いようもない]
確かにそれは間違いない。
あー、おかえり、じゃなくて。
すまない、頼んだ。
[誤魔化すように気まずげに。
小さく頷くと手に残っていた食器を台の上へ置き、肩を落として広間に戻ろうとすれ違う]
6人目、調理師 ゲルダ がやってきました。
調理師 ゲルダは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
……あまり、大きな声を上げないで下さいますか。
そう言う物言いは幾分失礼だとも感じますけれど、来いと言われて抵抗するつもりもありませんから。
[表情に乏しい翠玉が、厨房内の自衛団員を見上げた。
聖域とも言える自身の職場に無遠慮に踏み込んできた相手。
抑揚に欠けた声は、言葉にばかり苛立ちが表れる]
勝手に容疑者にされるのはともかくとして。
大袈裟に騒がれて、叔父様の店の評判を下げられては困ります。
[小さな村のこと。
噂が広まるのはすぐだと分かっていてもそう制して]
そも、無理に片付けんでも良かったのに。
[戻ればやるつもりでいのだから、と。
広間に戻る背に、当たり前のように言いつつ、まだ着たままだったコートを脱いで作業を始める。
使われた皿の片付けと、割れた皿の始末と。
どちらもやけに手際がいいのは、来た頃から変わらない。
……むしろ、技術向上しているかも知れないが]
[伝えられる内容を手近なレシピの裏に書き記す]
集会場に、ですか。
[嘆息を吐くも、表情はさして変じない。
翠玉の上。長い睫毛が微かに伏せられた程度]
分かりました。
それなりに長丁場になる可能性があるのなら、一度家に戻って荷物を纏めてから、向かわせていただきます。
[そうして、一刻の後、集会場に辿り着き]
これを記入すれば良いんですね?
―――
■名前:ゲルダ=キルヒナー Gerda=Kirchner
■年齢:22
■職業:調理師
■経歴:村生まれ、村育ち。数年前、両親が他界してからは叔父の経営する食堂で働きながら、一人暮らしをしている。
―――
[僅かに癖の有る文字を、無表情のまま素早く記し、渡す。
それが認められれば、広間へと]
……あ、と。どうも。
[進んだ広間で人の気配に気付けば、口数少なく挨拶を]
うん、まあ。
集団生活中にあまりまかせきりなのも、ってな。
[それで仕事を増やしていては話にならないわけだが。
戻った広間、暖炉の前で転がっている猫の横に座り込み]
ヴィンデ。
お前の飼主ってホントに器用だよなぁ。
茶を淹れるのも上手だし。
[てちてちしてくる猫の手を、左手で受けたり押し返したり。
実に平和風景だった。ここに集められた理由を忘れていれば]
7人目、療養中の少女 ベアトリーチェ がやってきました。
療養中の少女 ベアトリーチェは、智狼 を希望しました(他の人には見えません)。
おや、ゲルダ。
君も呼ばれてしまった?
[人の気配と声に顔を上げる。
村に戻って1年の間は、特に世話になっていた店の娘だった。
右手をひらりと振って挨拶を返し、小さく苦笑う]
村人であれ必要あれば、か。
…必死なんだな、爺さん。
[片づけがてら、新しく湯を沸かし、紅茶を淹れなおす準備も進める。
皿が片付くと、広間に置いた荷物の包みの所へ愛用のカップを取りに戻り]
そうとも言うが、それで怪我でもしたら笑えまい。
薬師殿がいるとは言え、限度はある。
[猫とじゃれる家主に呆れたように言った所に、新たな人の気配。
入ってきた人物の姿に、翠が僅か、細められた]
やれ、やれ。
基準がわからん、ね。
[呟く口調は、呆れたような、ぼやくようなもの]
君も、ってことは。…貴方も?
災難ね。
[少しばかりの距離を置き、近くにあるソファへと腰を下ろす。
さほど大きくは無いけれど、重みのある鞄は床へと置いて。
向けた翠玉にさしたる感情は無い]
貴方だって、村人でしょう?
あの人たちが必死なのは分かるけれど、だったらその分、早く終わると良いわね。
[広間に漂う香辛料の香りにか、翠玉は自然厨房へと向いた]
そう言うな。
確かにゼルの薬が効果抜群でも、手を怪我するのは避けたいが。
[左手は黒猫とやりあったまま。
呆れ声には顔を向けずにそう返して]
そう、俺も。まったく災難だね。
ああ。でも他に呼ばれていたのがそこのライに、薬師のゼルギウス、学校のアーベルって面子だったから。
そういう基準なのかって思っていたからさ。
[最前、感じていたことは胸の奥へと沈めて。
ゲルダに肩を竦めてみせた]
ああ、ライの作ったチキンカツとカレーがあるよ。
多めに作っていたみたいだから、食事してこれなかったんなら、食べるといい。なあ。
[最後に作成者に同意を求めるよう声をかけた]
たまには他の奴が作った飯ってのも、いいんじゃない?
[丁度向けていた翠玉の先から現れた人影を眼差しが追って]
…どうも。
[挨拶に向けた声は、僅かに固い]
二人とも、なんですね。
[基準については、エーリッヒからの説明で、微かに頷く]
成程。ずっと村に居たあたしの方が、此処では異質なのね。
……ああ、やっぱりカレーの匂いなんだ。
頂いても良いんですか?
[エーリッヒの促す響きに、ライヒアルトへ問いかけた]
家主殿の場合は、特に気をつけろと。
商売道具だろうに。
[呆れた口調のままの言葉に、じゃれついていた猫がなぁう、と同意するような声を上げた]
ほらみろ、ヴィンデも同意してる。
[実際どうなのかはさておき。
同意を求める言葉と問いかけに、ああ、と頷いて、ゲルダを見た]
口に合うかどうかはわからんけどな、本職には到底及ばんから。
[道を歩けば自衛団に当たる]
[出歩く容疑者候補を監視しているのか]
[はたまた他の容疑者を送致するために動いているのか]
[どちらなのかは分からないが、小さな村に自衛団の姿が目立つ]
ちょいとお訊ねしますが。
俺らが集会場に集められた理由は聞いたけど、それって何か根拠あんの?
死人が出たのはそりゃ大事だけどさ。
獣の可能性もあるんじゃねぇの?
[問いかけに返って来るのは沈黙]
[そして何かに脅えるような視線]
『あの人らと同じ目だ』
[真紅が細められる]
[自衛団員の視線は、先程薬を分けに行った家族と同じ視線だった]
[それが自分が発した言葉からのものであることは、まだ彼は知らない]
……あっそ。
後で団長さんから説明があると。
それまで待てって言うんだ。
へーへー、大人しく戻りますよ、と。
[その後に告げられたのはライヒアルトが団長から直接聞いた言葉と同じようなものだった]
[それ以上聞き出すことは出来ないと判じ]
[自衛団員の傍を離れ、集会場へと足を向けた]
異質っていうのは何か違うような。
まあ、呼ばれる人数少ない方がいいだろうしね、色々と。
でもってその中にゲルダとかが含まれるのは、俺としては嬉しくない。
[村との微妙な距離感への感情とはまた別に、幼い頃の思い出は大切なものとしてあったりもするようで。
ちょっと困り顔でそうゲルダに答え]
だからそれは分かってるって。
ただほら、意地というかたまにはというか。
……お前まで……。
[呆れ声にはむぅとしながら返すも、左手の傍から上がった鳴き声にがっくりと肩を落とした]
商売道具で、手を怪我…?
[思い当たる節でもあったか。
一人でああ、と頷いて、エーリッヒを見遣る]
適材適所との言葉もあるし。
二人で来れたのは…幸いかな、不幸かな。
[ふるり、首を振れば肩につく長さの髪が揺れた]
良い香りですから、きっと美味しいと思います。
荷物を置いてきた後で、頂きます。
[ありがとうございますと礼を述べ、重たげに荷物を持ち上げる]
ただいまー。
[それはまるで自宅に帰って来たかのよう]
[集会場の扉を開けて中に入ると、早々に広間にある暖炉の前へ]
うー、冷えた冷えた。
…あれ、ゲルダちゃんも呼ばれた?
[手を擦り暖炉の火に当てながら、増えた人物を振り返る]
[そして鼻に届くスパイスの香り]
あ! カレー出来てる!?
俺の分もあるよな?
[そう言って、ライヒアルトとエーリッヒを交互に見やった]
………ゲルダまで。
[更にがくりと首を項垂れた。
まあ、食堂に入り浸っていた理由も知っている相手なら当然なのだが。しくしくと嘘泣きをしてみせたり]
ま、実際のところ。
こういう器用な奴がいると助かるのは間違いないけど。
何か頼むにしても、お互いにそれとなく分かるしね。
[5年の歳月は、短いようで長い]
二階の部屋は自由に使っていいみたいだった。
俺らも適当に選んだりしたけど。好きな部屋を使うといいと思うよ。
…重そうだな。運ぼうか?
おっと、おかえりなさい。
ちゃんと予約済みって書いておいたし。
ライが多めに作ってもくれたから大丈夫。安心してくださいよと。
[近くへと来たゼルギウスの声にクスリと笑う。
こちらを見る視線にコクリと頷いて。
黒猫の首をもう一度撫でると、床から立ち上がった]
意地は、ほどほどに、というぞ。
[口調は一転、からかうようなものに。
こんな軽口が出るようになったのは、ニ、三年前からようやく、なのだけれど。
がっくりする家主の様子に、猫はゆらり、と長い尾を揺らし。
慰めるように、そこだけ白い足でてちてちと叩いた]
わかった、それじゃ準備しておく。
[ゲルダの言葉に頷くのと、ゼルギウスが戻るのはどちらが先か。
投げかけられた問いには、一つ、頷いて]
心配しなくとも、ちゃんと残ってるから安心しろ。
…私も、貴方が容疑者に含まれてるのは、余り良い気がしない。
[言葉少なに、小さな声で返して。
新たに現れた人影に頭を下げた]
はい。薬師様もそうだとはエーリッヒから…。
戻って早々災難でしたね。
[泣き真似を見ても、無情の一言]
…仕方の無いことだと思う。
[エーリッヒとライヒアルトの過ごした時間。
翠玉の瞬きが、頷き代わり]
二階の部屋。うん、ありがとう。
[荷物を抱え直したところで、届いた申し出。
頼る事に慣れていないのか、微かな戸惑いが表情に浮かぶ]
…うれしいけど、悪いよ。
やった、さっすがエーリ君。
ライヒ君もありがとなー。
[喜々とした笑顔を二人に向け]
[用意してもらった自分がリクエストした料理を取りに行く]
[皿に盛ったチキンカレーと付け合わせのサラダを前にして、食事始めの挨拶]
うん、俺も。
疑われる行動をしてないとは言い切れないからなぁ。
タイミング悪いったらありゃしない。
[もぐ、とカレーを一口食べてからゲルダへと返し]
[その後は少し食事をするのに集中する]
[冷ましながらなので食の進みは遅いが]
いえ、降りてきた時に、自分でやりますので。
…ありがとうございます。
[準備をしてくれると言うライヒアルトに、首を横に振り]
……自分で盛らないと、残してしまうかもしれないですから。
そうか。
その辺りは、好きに加減すればいい。
[首を横に振るゲルダに頷き、カップ片手に再び厨房へ。
沸いていた湯で手際よく紅茶を準備し、再び広間へと戻る。
先との違いは、揃いの白いカップの中に異質な黒がある事。
銀色の筋に抱かれた黒に、茜を満たし、椅子の一つに座ってぱらり、とノートを開いた]
[小さな声が届き、伏せた顔に素直な笑みが浮かぶ。
今はもう浮かべることの少なくなった類の。
それも後に続いた泣き真似にまた隠れてしまったけれど]
これでも力はそれなりにあるからね。
じゃなきゃ家具なんて作れない。
[だから気にするな、と、からり笑って。
ゲルダの横へと歩み寄り重そうな荷物へと手を伸ばした]
洗い物はもうするなって言われちゃったからね。
そんなのくらいには使ってやってくれよ。
疑われるような行動?
ああ…あたしが呼ばれたのも、そうなのかな。
[呟きは、独白に似て]
薬師様は初雪の日に、何かなさっていたんですか?
…また、外で行き倒れていたとか。
[冗談のような内容を、乏しい表情で口にした]
待て待て。
流石に村に居るのに行き倒れるってのは。
[しゃくりと音を立てて噛んだサラダを飲み込んで]
[掌をゲルダに向けて否定するような仕草をする]
[乏しい彼女の表情で為される冗談は、たまに冗談には聞こえない]
あの日、ここでしか採れない薬草があることを思い出してね。
思い立ったが吉日で探しに出てたんだ。
まだ降り始めだから雪にも埋もれてないだろうと思って。
それが拙ったみたい。
[紡ぐ言葉は存外軽く]
[世間話をするかのよう]
ゲルダちゃんも、何か心当たりあんの?
[調理師であるのに少食とは、少し矛盾の気もあるが]
はい。
お気遣い、ありがとうございます。
[紅茶を手にしたライヒアルトに礼を述べる。
エーリッヒの浮かべた笑顔は、流石に気付くことなく]
気にするな、と、言われても。
[起伏の少ない声。
それでも、おずおずといった態で鞄を持ち上げ、手渡す]
…重いなら、自分で持っていくから。
[微かに伏せた瞼には、今なおわずかな躊躇いの色]
気にするな。
本職なら、尚更食材を無駄にはしたくないだろうし。
[ゲルダの礼に、短く返し。
彼女に答えるゼルギウスの話に、何事か思案するように軽く、眉を寄せ]
……大抵は、当日の出歩きが要因、か。
ま、論拠としてはそんなもの、なんだろうな。
[手渡された鞄は確かにそれなりの重さ。
だがそんな感想はちらりとも表に出さず]
平気平気。
[躊躇の見える顔に、安心させようとするよに笑う。
一抹の寂しさを交えながら]
……。
[心当たり云々には何も言わず。僅かに視線を逸らすのみ。
ありすぎるほどある身ではコメントのしようがないともいう]
…流石に無いですよね。
[突き出されたゼルギウスの掌を見て、抑揚に乏しい声はただ肯定を。
或いは冗談でなく、本気の確認だったのかもしれないが]
寒い中、わざわざ大変だったでしょうに。
[わざわざ、を強調する口調は、警戒に似たものだったかもしれず。
問いの答えは、口数少な]
…あたしも似たようなものです。
はい。
せっかく他人様に作ってもらったなら、尚更ですし。
…夜歩き、か。
[嘆息を一つ零すも、表情はなお乏しい。
エーリッヒの笑顔に、素早く二度の瞬き]
それなら、お願い。
…ありがとう。
[じっ、とエーリッヒの顔を見て、礼を。
広間の人々に挨拶をし、2階で適当な部屋選び*を*]
……ま、夜歩きだけが原因じゃないだろうがね。
[呟きは、他者に届くか届くまいか、という程度のもの。
やや、伏せがちの翠に微か宿る陰りに気づいたか、猫が案ずるような声を上げて膝の上に乗ってくる]
なんだ、妙な声出して。
[開いていたノートを閉じ、頭を撫でてやる。
膝の上のささやかなぬくもりは、束の間、緊張を*和らげて*]
/*
さて、今日一日で最低あと二人、どうにかなるか。
できれば、四人きてほしいとこだが、あちこち企画ラッシュ期だから、難しいじゃろなあ……。
そんなもの、か。
[同居人の顔をチラリと見て]
ああ。じゃあ行こうか。
[ゲルダに小さく頷き返し、鞄を持って共に二階へ。
選んだ部屋の中には入らずに、入り口でそれを渡して]
と、ごめん。俺も一度部屋に行ってくる。
荷物の確認とか改めてしてなかったから。
[それじゃ、と軽く手をあげ、別の部屋に*消えた*]
ここにしかないとなれば、大変なんて言ってられないけどね。
もーっと大変なところに生えてる薬草なんてざらにあるし。
[ゲルダの言葉に返すのはやはり軽いもの]
[訊ねた言葉への返答が言葉少なだったのには、ふぅん、と返すより他なく]
[二階へと消える二人には左手を振って見送った]
[その後彼がどうしたかと言うと]
[もちろんしばらくはカレーと格闘するの*だった*]
8人目、傭兵 マテウス がやってきました。
傭兵 マテウスは、ランダム を希望しました(他の人には見えません)。
そんなにひっぱらんでも逃げたりしねぇよ。
[連行にきた自衛団員を払い]
逃げてもなんの得もないしな。
集会場にいけばいいんだろう?
その…、殺人容疑だったか?
[ため息をつきながら自衛団員とともに集会場へとつく、
簡単な説明をうけ]
面倒くせぇな…
[ぼやきながらも身上書にペンを走らせる]
-----------------------------
■名前:マテウス・ボルマン(Matthaus Bormann)
■年齢:29
■職業:傭兵
■経歴:村の生まれ、15年前に村を飛び出して傭兵となり今にいたる。
手紙の差出人に会いに15年ぶりの帰郷をし今回の事件へと巻き込まれた。
村人の中には彼の帰郷を快く思わないものもいる。
---------------------------------------
ほら、これいいんだろう。
[身上書を手渡しながら皮肉交じりに自衛団員に]
お勤めご苦労さんだな。
[自衛団員に背を向け、荷物を背負いながら二階の個室の一つへと向かう。]
はぁ…、まったくついてない。
[荷物を降ろすとベッドに*寝転がった*]
傭兵 マテウスが村を出て行きました。
8人目、傭兵 マテウス がやってきました。
傭兵 マテウスは、智狼 を希望しました(他の人には見えません)。
そんなにひっぱらんでも逃げたりしねぇよ。
[連行にきた自衛団員を払い]
逃げてもなんの得もないしな。
集会場にいけばいいんだろう?
その…、殺人容疑だったか?
[ため息をつきながら自衛団員とともに集会場へとつく、
簡単な説明をうけ]
面倒くせぇな…
[ぼやきながらも身上書にペンを走らせる]
-----------------------------
■名前:マテウス・ボルマン(Matthaus Bormann)
■年齢:29
■職業:傭兵
■経歴:村の生まれ、15年前に村を飛び出して傭兵となり今にいたる。
手紙の差出人に会いに15年ぶりの帰郷をし今回の事件へと巻き込まれた。
村人の中には彼の帰郷を快く思わないものもいる。
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ほら、これいいんだろう。
[身上書を手渡しながら皮肉交じりに自衛団員に]
お勤めご苦労さんだな。
[自衛団員に背を向け、荷物を背負いながら二階の個室の一つへと向かう。]
はぁ…、まったくついてない。
[荷物を降ろすとベッドに*寝転がった*]
9人目、墓守 ナターリエ がやってきました。
墓守 ナターリエは、守護者 を希望しました(他の人には見えません)。
[村外れの小屋に一人、糸車にベルトを張り、糸を紡ぐ準備を始める。
夜半に招かざる訪問者が現われたのは、ボビンの軸に種糸を結び、オリフェイスから種糸を引き出した所だった。]
…どうした、こんな時分に。
急な死人でも出たか?なるべくすぐにでも、墓に入れたいような死体が。
[手を止め糸をそのままに。
表情はあまり変わらず、荒っぽく扉を叩く男を*招きいれた。*]
[身上書に以下の文字が綴られるのは、それから暫く後の事になる。]
---------------------------------------
■名前:ナターリエ=シェルツ(Natalie=Scherz)
■年齢:25
■職業:墓守
■経歴:村生まれの村育ち。両親は早くに亡くなり、墓守をしていた祖父に引き取られ、祖父没後跡を継いだ。早くから村外れの墓地近くに一人で暮らしている。
職業柄、教会関係者、ならびに墓穴掘りの手伝いを頼む男ら(自衛団や樵などの力仕事関係者)とはやや親しい。
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中:
新年明けましておめでとうございます。t_nukeです。
今年もお世話になるとは思いますので、宜しくお願いいたします。
リアルそこそこ忙しいけど、病気になったので入りました(ぁ
や、ここ去年も入ったからつい。
んでもってナタで墓守です。某姉様と同じ設定使いまわしてます。
黒服ナタしか居なかったからなぁ。
んでもって希望は色々あってこうなりました。さて弾かれるかどうか。
10人目、神学生 ウェンデル がやってきました。
神学生 ウェンデルは、狂信者 を希望しました(他の人には見えません)。
神は天より我らを見守り給う。
神は地にて我らを支え給う。
神は全てを生み、全ては神に還る。
我らを照らす光であり、
我らを包む闇であり、
常に共に在りし聖霊(みたま)よ。
今日もまた、
[祈りは降りかかって来た声により遮られた。
ウェンデルは眉を顰め、相手を振り仰ぐ。
時を経て、うら寂れた教会。
年々訪れる者は減っている。
神父の姿は、今、此処にはない。
色褪せた絨毯の上にステンドグラス越しの色づいた光が落ちていた]
……そんな!
神の僕たる私が、人の命を奪うなど、
[悲鳴に似た声。反論は一蹴された。
首を振り、目を瞑り組んでいた手に力を篭め、祈りを呟く。
大きく息を吐き出すと、意志を宿した金色に男を映した]
…………確かに。
両親の目覚める頃、私は家にはおりませんでした。
ですが私が家を出たのは、朝の早くであり、神への祈りを捧げるため。
信徒として当然の事でしょう。
[事実を述べる自衛団員と、信条を語る神学生。
噛み合わない問答は続く]
[先に折れたのは、ウェンデルだった]
…………わかりました。
そこまで仰るのであれば、行きましょう。
この場にて問答を繰り返すのも、無意味です。
何より、場を穢してしまう。
[硬く握った手の内、十字架の鎖が音を*立てた*]
これもまた、神の下された試練の一つでしょう。
―――
■名前:ウェンデル=ニコライ(Wendel=Nicolai)
■年齢:20
■職業:神学生
■経歴:街生まれの村育ち。街から嫁いで来た母を持つ。信心深さは母の影響。
18の頃から街の神学校に入っており、夏冬の毎に、村に戻って来ている。
―――
/*
そーいやこの手の村ではほとんど外部から来た人しかやってないなぁ。
桜花で地元出身やったくらいか。
外部から来ると縁故組み過ぎないで良いよね。
どうにも背後は縁故に引きずられる部分あるみたいだから。
縁故取らないと流星の時のように動き回るってのにwww
もちっと頑張らないとなぁ。
[知らない男の人が、わたしをどこかに連れて行こうとしている。]
[おばあちゃんは嫌がったけど、なんだかどうしようもないみたい。]
…。
[わたしはぬいぐるみのエリーを抱いて。]
[男の人に手を引かれ、集会場につれてこられた。]
[わたしを連れてきた人は、わたしを集会所の中に招き入れると、さっさとかえってしまう。]
[後ろで扉が閉まる音がした。]
…どうしたら、いいの?どうなっちゃうの?
帰りたい…帰りだいよ、おかさん…。
■名前:ベアトリーチェ エアハルト(Beatrice Erhard)
■年齢:15
■職業:無し
■経歴:街に暮らしていたのだけれど、胸の病気にかかってしまいました。
それで何ヶ月か前に、空気のきれいなおばあちゃんの家に預けられました。
……おいおい。
一体、何考えてんだ……。
[新たに連れてこられた少女の姿に、口をついたのは呆れたような呟き。
膝の上の猫が同意するように鳴いて、尻尾を揺らした]
……紅茶、飲むか?
ミルクやココアの方がいいなら、そっち、作るが。
[猫を暖炉の方へ向かわせながら立ち上がり、短く問う。
口調はぶっきらぼうだが、声音にはそれなりに気遣うような響き]
…?
[差し出されたカップを見る。そして差し出した手、差し出した人の顔。]
[すこし見つめてから、そのひとがカップを差し出したままであることに気づいて]
あ。
ありがとう、ございます。
[わたしは少しだけ慌てて、カップを受け取る。]
[もぐりもぐんちょ]
[ようやく食べ終えたカレーとサラダの皿を厨房へと片付けて]
[満足して広間に戻って来ると、居ない間にやって来た新たな人物が目に入る]
…えー?
こんな子も呼ばれたの?
[その場に立ったまま真紅の瞳を瞬かせた]
外、冷えるからな。
温まっておいた方がいい。
[少女が受け取る様子に、静かに返して]
……どうも、そういう事のようだな。
全くもって、基準が読めん。
[立ち尽くすゼルギウスを振り返り、軽く、肩を竦めて見せた]
あちち…。
ふー、ふー。
[紅茶を冷めるのを待ちながら、その人を窺う。牧師様のようなカッターつきの服を着た、男の人。]
[この人も、連れてこられたのだろうか?]
[広間に、男の人が入ってきた。]
[確か…おばあちゃんがお薬を貰っていた人だったはずだ。]
…ベアトリーチェ・エアハルトです。
[わたしみたいな子供がここにいることに驚いてる。]
[立ち上がって、自己紹介する。]
11人目、大工 イヴァン がやってきました。
大工 イヴァンは、占い師 を希望しました(他の人には見えません)。
やれやれ困ったね。
迂闊に逃げだせば親方たちにまで迷惑がかかっちまうが、さりとて、酔いつぶれて眠りこけていた間に起きた事件の嫌疑が何でこの俺にかかりますかね。
悪魔の証明とやらをやらなきゃならないんですかねえ。困ったな。俺は頭脳労働の方はからっきし苦手なんで。
……だから逃げやしませんてば。
[両手を挙げて、自分を取り囲んでいる男たちに苦笑してみせる]
……ん。
[ふと感じた、伺うような視線に少女の方を振り返る]
どうか、したか?
[首を傾げるよにしつつ、投げる問い。
記憶を辿り、確か、数ヶ月前に療養だか何かでやって来た娘だったか、と思い至る。
もっとも、直接言葉を交わすのは、多分これが初めてだが]
[身上書]
■名前:イヴァン=シュルツ(Ivan=Schulz)
■年齢:28
■職業:大工徒弟
■経歴:村生まれ。16の時に現在の親方の元に奉公に出て現在に至る
自衛団の目が節穴なんじゃねーの。
[ライヒアルトの言葉に流石に呆れたような声を出す]
[それを返すと同時にソファーがある方へと歩を進めて]
あ、ライヒ君俺にも紅茶くんない?
[ちゃっかりおねだりをした]
[ゼルギウスに気付いた少女が自己紹介をする]
エアハルト…?
あー、もしかしてあの婆ちゃんのところの?
ベアトリーチェ…ベアタだね。
あれ、けどあそこの子ってことは…君確か病気なんじゃ。
ったく、自衛団の奴らそんな子まで連れて来るなんて何考えてんだ。
[少女が連れて来られたであろう扉の方へと視線を向け]
[憤慨するよに言い放って両腕を組んだ]
[集会場に押し込まれ、転がり込むように入っていって、その場にいた面々に気づき、ばつが悪そうな顔で]
やあ。皆さんお揃いで。
……随分とまたヴァリエーションに富んだ容疑者集団ですな。
[綺麗な男の人…。わたしは一瞬薬師さんに見とれる。]
あ…はい、街の煙で、肺が悪くなったって、お医者様は言っていました。それで、ここに住むおばあちゃんの所に。
あの、わたしみたいな子まで、って、
お二人はここで何をするのか知っているんですか?
わたし、まだ何も説明されてなくて…。
……節穴というのも、おこがましい気がするが。
[呆れたようなゼルギウスの言葉に、返す言葉はため息まじり。
紅茶を頼まれたなら、わかったわかった、と答えて白のカップを一つ、茜に染めて差し出し]
……全くだな。
[転がるように入ってきた──というか、押し込まれてきた男の言葉に、一つ、頷いた]
あんたも飲むか、紅茶?
[またひとり、男の人がやってきた。今話してる二人とは違う、大柄な人。]
[その言葉に、わたしは首をかしげる。]
…容疑者?
[視線を向けていた扉から転がり込んでくる人物]
うぉーい、イヴァンまで。
ヴァリエーションに富んでても容疑者集団にゃ含まれたくはないがね。
[向けられた言葉に小さく肩を竦める]
何をするのか、か。
[少女の投げた疑問。
零れたのはため息]
その辺りは、後で自衛団長殿から説明があるらしい。
……いつになるのかは、わからんけどな。
[ライヒアルトに笑顔で頷き]
だあな。
ピンチの時は茶ぁでも飲んで落ち着いて打開策を考えろ。うちのばばあもよくそう言ってたぜ。
って何だよ。お前もかよ、ゼルギウス。その内、村中みんなここに集められたりしてな。
[と、軽口を叩いた後で、少女の言葉にぎょっとしたように振り返り、青ざめる]
……はは、まあそのなんだ。
ここにいる連中は何か事件をやらかした疑いをかけられているらしいぜ。
その詳細は、俺も知らん。
[少女──ベアトリーチェに視線を戻し]
煙が原因、かぁ。
それで空気の綺麗なところに来たわけだ。
あ、具合悪くなったら直ぐに言えよ。
多少は心得もあるし。
[そう声をかけながら一度ライヒアルトの方へと足を向ける]
[ライヒアルトから返される言葉に同意の頷きをして]
[用意されたカップを受け取り礼を言った]
[ベアトリーチェの問いが耳に入り、ライヒアルトがそれに答えて]
[小さく肩を竦めながら]
ちょっと事件があったらしくてね。
詳細は知らされていないけど、俺らはその容疑者として集められてるらしい。
疑いをかけられて…。
それで、容疑者ですか…。
[どうにも、実感がわかない。わたしは首を、さっきとは逆にかしげた。]
全員集められるならとっくにやってるだろう。
明らかに数名に絞って連れて来てる。
基準も何もあったもんじゃないけど。
全く以て営業妨害だ。
[外を歩けば脅えるような視線を向けられ]
[話しかけても疑いの色を見せられる]
[溜息をつきながらイヴァンに返し、カップに口を付けて]
……あっつ!
[冷ますのを忘れたために少しだけ火傷]
[ひりひりと痛む舌先を空気に晒した]
茶でも飲んでのんびりしていないと、やりきれない、とも言うけどな。
[イヴァンの言葉に、ため息一つ。
手際よくカップに紅茶を注いでそちらへと差し出す]
……ほんとに、職のある連中には災難極まりないな。
[営業妨害、と愚痴るゼルギウスの言葉。
苦笑しながら、元の椅子に戻って構想を連ねたノートをまた開く。
とはいえ、今は言の葉が浮かぶような心境ではないのだが]
12人目、物識り ヨハナ がやってきました。
物識り ヨハナは、狂信者 を希望しました(他の人には見えません)。
……はて?
[ヨハナがゆっくりと首を傾げ、しゃがれた声を上げた]
私のような老人をお疑いでしょうか?
まあ……確かに、ついぞ出かけておりませんで。
自身の身の潔白を晴らせなどとおっしゃられるのならば、出来ぬことではございませぬが。
[にこにこと笑みを浮かべたまま、老婆はゆっくりと語る]
まあ……分かりましたよ。
集会所へと向かわせていただきます。
むしろ、この場合はそれぐらいの元気があると思われている分嬉しがるものですかね?ほっほっほ。
まったく困ったねえ。俺も雨漏り直してくれって隣のおっさんに言われてるのにさ。
絞るにしても、人選がよくわからんな。
単純にその時間に所在が確認できなかった者、か?
おい、何やってんだ、ゼルギウス。
[そう言い、お茶を飲もうとして、同じように舌を火傷する]
あっつぅ!!
■名前:ヨハナ=イーハトヴォ
■年齢:最低でも、80は過ぎているが詳しくは不明。「もう細かくは忘れました」とは本人談。
■職業:特には無いが、古くから村を知っている人として、色々と聞きに来る人も多い
■経歴:村にずっといたのか、それとも若い頃には此処にはすんでいなかったのか詳しいことは不明。
ただ気づけば、ずっと村に住んでいたような気がする。
ずっと、変わらぬ姿のままで。
まぁ俺はまだ良いかもね。
センセが診療所に残ってんだし。
必要数は粗方あっちに置いて来たから。
センセが居れば大概のことに対処出来るっしょ。
[カップの紅茶に息を吹きかけながらライヒアルトへ返す]
あーあ、生まれたっつー子供見に行き損ねたよ、お陰で。
可愛かったろうに。
[今からも行けるのだが、行ったら行ったで少なくとも歓迎はされないだろう]
[あれ以上あの視線を向けられるのは、心情的にも良い気はしない]
[何より相手を困らせたくなかった]
む。
[火傷をしたことを見られ、ベアトリーチェに笑われてしまうと少し頬を朱に染める]
恥ずかしいとこ見られたなぁ。
猫舌だから熱いのダメなんだよ。
[ぽりぽりと後ろ頭を掻く]
[白磁の肌に羞恥によって染まった頬は良く映えた]
イヴァンも人のこと言えねぇだろっ!
[同じく紅茶で火傷をしたイヴァンに突っ込みつつ]
アリバイが無いってのは第一に疑う部分だろ。
後は怨恨とか?
神学生 ウェンデルが村を出て行きました。
12人目、神学生 ウェンデル がやってきました。
神学生 ウェンデルは、聖痕者 を希望しました(他の人には見えません)。
[父母は何も言わず、子を見送った。
村に、平時の活気はない。
外を駆け回る子らの影も見えなかった。
降り積もる雪を踏み締める音が耳の奥に響く。
纏めた荷を持つ手は、身を切る寒さと余りに強く篭めた力のために、赤らんでいた。
吐き出す息は重たく、白い]
[ヨハナが集会所の扉をゆっくりと開けると、そこに集まった人の群れを見て、少しだけ目を丸くした]
おやおや……。
これはこれは、色々な人が集められているものですねえ。
えーと……。
[きょろきょろと辺りを見回し、イスを見つけると]
どっこいしょ、と。ふう。
[それなりにしっかりとした足取りでイスまで歩き、深く腰をかけた]
ああ。どうぞ。
お話を続けていてください。
ばばには、若者の話は分かりませんからねえ。ほっほっほ。
……猫舌ばかり集めた訳じゃあるまいな。
[舌を火傷する二人の様子に、呆れたようにぼそりと呟く]
診療所は、人手がなくてもなんとかなるくらいで丁度いいんだろうけれど、な。
[軽く、肩を竦め]
ああ……この間生まれた子供、か。
騒ぎが静まれば……という所だろうが。
[いつになるやら、と。
呟いた所にまた、一人]
どれだけ増えるのやら……。
[声は僅か、呆れを帯びたか]
[集会所へと続く足跡は大小さまざまだ。
見張りをする団員の表情は険しく、
常と変わりなくと心がけた一礼に返るものもない。
顔を上げれば丁度扉の内に人影が一つ消えていくところだった。
足を早め、閉じかけの扉に手をかける。
しかし躊躇いに手が止まり、開く事は出来なかった。
自衛団員の訝りの視線が痛い]
…えぇー、子供の次は婆ちゃん?
マジで意味わかんね。
[ヨハナがやって来たことにまた真紅を瞬かせ]
[ライヒアルトの呟きにも「分からん」と]
猫舌が何に関係するんだって話だ。
そうさな、診療所は忙しくない方が良い。
皆健康だってことなんだし。
あーもう、さっさと終わらせてくれー!
せめて何があるのかさっさと説明しろっての。
[愚痴は留まるところを知らない]
あーあ。ゼルギウスがこうなると長いぞー。
にしても厳重警戒だな。一体何があったのやら。
お、ヨハナばっちゃん。
[と手を挙げて挨拶]
ばっちゃんまで呼ばれたのかよ。よくわからんなー。
[立ち上がり、ポットの中身を確かめる。
さすがにというか、残りは少なく]
……新しく、淹れるようか。
というわけで、茶は少し待っていただきたく。
[ヨハナに向けてこんな言葉を投げかけ。
愚痴るゼルギウスの様子に、やれやれ、と息を吐く]
気持ちはわかるが、少しは落ち着け。
騒いだ所で、疲れるだけだろ。
[呆れたように言い放ち、厨房へと。
猫は場の空気も知らぬげに、暖炉の前で呑気に欠伸一つ]
[幼い頃から知己たる団員の眼差し。
それは、他人にぶつけるものだ]
…いえ、何でもありません。
[内から聞こえる声は足跡と同じく多様。
押し殺した声を返して、扉を開く]
失礼します。
[中に居る面々の顔を見る前に、頭を下げた]
[声に気づき、顔をそちらに向けてみれば、赤子の頃からよく見知った顔を見つけた]
ほ。イヴァン坊主かえ。
お前のことだ。
また悪さでもして、ここに連れてこられたのじゃろ。
[そう言いながら、優しげに微笑み、ライアヒルトの言葉を聞くと]
ああ。いえ。お構いなく。
年寄りは枯れているぐらいで丁度いいのですよ。ほっほっほ。
[と、口元に手を当てながら、笑みを続けた]
[目を覚ましてゆっくりと伸びをする]
寝すぎたか、
[自身のおかれた状況を再確認しながらゆっくりと頭を覚ましていく]
まっ、宿代がかからなくなったと思えば…、まだましかね?
[軽く身支度を整えると人の気配のする階下へと降りていく]
おそようさん。
結構な数集められてるみたいだな。
[軽く挨拶をしてゼルギウスの姿を見つけると]
おや、おやおや。
なにしてるんだゼルギウスこんなところで。
[呼びかけられた猫は軽く首を傾げながら少女を見上げて、なぁう、と一鳴き。
その響きは肯定とも否定ともつかず。
撫でられると目を細め、心地良さそうにごろごろ、と喉を鳴らした]
はあ……まったく。
[一方、その飼い主はと言えば、厨房で湯を沸かしつつ、ため息一つ]
騒々しさを逃れた先で……なんの因果だ、これは。
[ごくごく小さな呟きは、他者の耳には届かぬもの]
……。
[扉の開く音に何の気なしにそちらへと目を向けた]
おや。いらっしゃい。
狭いところですが、ささ、どうぞ。
[すでに自分の家感覚になってきた。
老人というのは得てしてそういうものだが]
[ヨハナの言葉に慌てまくる]
ちょっと待ったぁ!!
ばっちゃんそいつぁ洒落にならんぜ。
俺は悪さなんてしてねえ!!
ったく、落とし穴掘ったとか、戦争ごっこにちょうどいいからパン屋の麺棒持っていったとか、そういう嫌疑じゃないんだからよ、今回は。
だってよー、行動規制されてるようなもんだぜ?
何も分かんねー状態って嫌だ。
[イヴァンとライヒアルトの言葉にそんな声を漏らし]
[ようやく飲めるまでになった紅茶を口に含んだ]
[そして更に扉の開く音が聞こえ、視線をそちらに]
……何でまた。
[神に仕えるとも言える青年の姿がそこにあった]
マジで基準ってどうなってんだよこれ。
訳わかんねー。
[考えても答えなんて出ず]
[諦めたようにソファーに座り込み、全体重を背凭れへと預けた]
―二階個室―
[階下が一気に賑やかになった等とは未だ知らず。
二つの鞄の片方を開けた。
中に入っている仕事道具。疑惑の元となった、取ってきた木材。
そして1枚の絵姿]
…………。
[パタン、と鞄を閉じた]
指物師 エーリッヒが村を出て行きました。
[ソファーでぐってりしていたら、村以外で聞いたことのある声がする]
[その声が自分の名を紡いだために背凭れに預けていた身体を起こした]
…いや、それは俺のセリフ。
何でマテウスが居んの。
俺は毎年冬になるとこの村で過ごしてんだけど。
[2階から現れたマテウスにはにこにこと笑みを携えたまま見送っていたが、横合いからイヴァンの声が聞こえると]
おやおや。
昔と代わらず、元気な子だ。
[と、内容も聞かずに笑い出す]
まあ、元気なことは良いことだねえ。
どうだい?
今日は久しぶりに、私の昔話でもしてあげようか?
[老人ワールド炸裂]
……。賑やか、ですね。
[戸を閉めれば、外界とは隔てられる]
あ、すみません、お構いなく。
って、ヨハナ、さん?
…………あなたまで、ですか?
[促す老婆に幾度も瞬く。
あたたかな空気は、ともすれば安堵すらしそうだ。
困惑の表情が浮かんだ。]
……ま。
何事もない事を祈る、か……。
[祈るものなどないが、という呟きは声にせず。
新たに沸かした湯で紅茶を淹れなおし、ポットを持って広間へと戻り]
…………。
[新たに増えた姿たちに、固まった。
一方に関しては、できれば見間違いを期待したい、と思ったかも知れない]
ヨハナさん、変わらないなあんた…。
[自分の家感覚でいる様子の人物を見て苦笑をもらし]
しかし、とりあえず集めましたって感じの面子だな。
[視線はヨハナ、少女、神学生と順にめぐらせ、
そしてゼルギウスへと戻す]
[ヨハナの言葉に冷や汗たらり。その表情は露骨に「しまったー!捕まったぁ?!」と叫ぶかのよう]
は、ははは……詩人の兄ちゃん、お茶もう一杯頼むわ。
なるべく濃いの。
12人目、指物師 エーリッヒ がやってきました。
指物師 エーリッヒは、霊能者 を希望しました(他の人には見えません)。
[部屋を出て階段を下りる。
広間へと向かえば聞こえてくる声は随分と増えていて]
また随分と。
信じられないような相手まで連れてきて。
[声に滲むのは呆れと驚きと諦観と。
それぞれの顔を確認するように、入り口で立ち止まって部屋の中を見回した]
[にこにこと笑みを崩さない老婆だったが、ゼルギウスの「マテウス」という言葉に少しだけ首を傾げると、大きく手を叩いた]
……ああ!
マテウスの悪ガキかい!
まあまあ、ちょっと見ない間にたくましくなって。
今は何をしているんだい?
悪い冗談みたいだ。
[外との空気の違いに眩暈がする]
……ゼルギウスさん?
大丈夫ですか。
[ソファに座り込んだ姿を認めて歩みを向ける。
彼の声の先が向く方向へと目をやると、見慣れない男がいた。
ややぎこちなく、頭を下げる]
[ウェンデルの言葉には、やはり少しだけ首をかしげ]
ええ。
どうやら、私も容疑者の一人、という話だそうです。
このようなお婆ちゃんが、何か罪を犯したのだと疑われるとは思いもよりませんでしたよ。
……ん。
あ、ああ。
[イヴァンの声に、緊張から抜け出して一つ、頷く。
とはいえ、周囲が呼ぶ硬直の大元となった人物の名──記憶と合致するそれに、微かに頭痛めいたものを感じたのは否めなかった]
(……最悪、だな)
[意識の隅、過ぎるのは、そんな思い。
しかし、それは押し隠して、テーブルにポットを置いて、手際よく紅茶を淹れてゆく]
ほう、そいつは奇妙な偶然だな。
俺はここの村の出身だ。
[ゼルギウスの傍のソファーに座り]
とはいえ、15年ぶりの帰郷だけどな。
しかし、わざわざこの村に冬に閉じこもるってことはなんかいい薬草とかあるのか?
―自衛団詰め所―
[知った自衛団に連れられて、死体を安置している場所へと向かい、死体を見た。
無残なそれは、獣にやられてしまったものと良く似ていて。
流石にその有様には、微かだが顔を顰めた。]
酷いものだな…。一体何が。
獣らの獲物が足りなくなったか?
[呟き、物言わぬ死体となった者に僅か黙祷した後、身の丈を素早く聖水で清めた黒糸で測りとる。
印をつけた糸を棺桶職人に渡すべく、懐にしまおうとしてその手をやんわりと止められた。]
何だ?…は、昨日何処に居たか、だと?
昨日は…いつも通り、墓を見回った後、後は小屋に篭っていた。
雪は降っていたし、急いで村へ出る用は無かったからな。
[答えに、自衛団員に動揺のようなものが走るのが見えた。]
ウェン君、とりあえず座ると良いよ。
[おいでおいでとウェンデルを手招く]
[彼の青年を見ると何かを思い出しそうで][思い出せなくて]
[けれどその思い出せないものが何だか大事なものであるように感じて]
[ついいつも声をかけてしまう]
ああうん、大丈夫。
現状を考えようとして諦めただけ。
[イヴァンには]
あらあらまあまあ、お茶まで用意して、聞く気満々だったようだねえ。
これはご期待に沿えるようなお話をしなくては。
ほっほっほ。
[口に手を当てて笑い、扉を開く音がするとそのまま視線をそちらへと向け、小さく頭を下げた]
あ、マテウスの兄貴なのか。
なんちゅうか、随分いかつくなったんだなぁ[遠い目で]
エーリッヒに、神学生の坊やに……だぁぁぁぁ。
わからん。そもそも何の容疑かがわからん。
…言いたいことははっきり言え。気味が悪い。
[少々瞼を降ろし、射るような目で知った顔の一人を見ると、アリバイが無い者は容疑者として扱われる事を聞く。]
私が犯人…ね。
女の細腕で、何処をどうすればこんな死体を作り上げられるか、是非聞きたいものだが。
[挑むように自衛団を睨みつけると、奥からギュンターが現われやや視線を和らげた。]
ギュンの爺か。爺さまからも言ってやってくれないか?
第一、こんな、爪や牙で傷つけられたような死体、人が―――
[言いかけたが、手で制された。
『詳細は集めた容疑者全員に同時に話す。とにかく今は集会場へ向かってくれ。』
そう端的に、だが有無を言わさずに告げられれば黙って頷くより他はなかった。]
…いいだろう、死者の前だしな。理由がはっきりと聞けるのなら、今は大人しくしている。
集会場だな。
[短く返すと、持っていた糸を自衛団員に押しつけ、自分は一度小屋へと戻った。]
悪ガキはないだろう、悪ガキは。
ただちょっと、人より度が過ぎてやんちゃだっただけさ。
[腰に下げた剣を見せようとして当然のごとくそんなもの没収されてるわけで]
まぁ、きままな傭兵稼業?をふらふらっとな。
あとは、護衛とかそんなの引き受けたりな。
[ゼルギウスに同意を求めるように視線を向け]
てか、もっぱら戦場いくよりそんな仕事の方が多いけどな。
/*
悩んだ末に希望変えました。役職的にアグレッシブに動くのはもっとコアにスムーズに動けそうな人に任せよう…。
これで霊希望多くて弾いたり弾かれたりしたら本当にごめんなさい。
さて、人数集まりましたね。華も増えて嬉しいばかり。
気合入れなおして頑張ります。
全くです。
[首を傾げるヨハナに深く頷いた。
声には憤りが混ざる]
ギュンターさんともあろう方が、何を考えていらっしゃるのか。
人の命が故意に奪われたというのは冷静さを欠くには十分な出来事ですが、かと言って、この判断は、あまりにも。
[ヨハナがマテウスに向けた言葉]
[そして当のマテウスから向けられた事実が耳に入る]
えー!
お前ここの出身だったの!?
[大袈裟と言うくらいに驚いて見せた]
15年て。
随分離れてたのな。
あー、確かにここでしか採れない薬草があるからってのもあるんだけど。
俺7年前にここで行き倒れかけてさー。
村の人達に助けてもらったんだ。
それからお礼も兼ねて毎年冬にここに来て診療所手伝ってんの。
ここって冬は他から隔離されるじゃん?
薬の調達難しいだろうなーと思ってさ。
……おっと。
家主殿も、飲むか?
[広間の入り口の気配に、そちらを振り返り。
手にしたポットを軽く揺らしながら問いかける]
[暖炉の前、猫は変わらず呑気な様子。
それでも、自身の主が僅かながら動揺を押し隠しているのはわかるのか、どこか訝しげな様子で尻尾を振った]
ああ。
はい、ありがとうございます。
[相変わらず硬い口調ながら、柔らかみを帯びた声で、ゼルギウスの招くままに彼の元に向かった。荷を傍に置くと、失礼しますと一言断り腰を下ろす]
……諦めたくなるのは、わかります。
すみません。
せっかく来て頂いているときに、このような事態が起こるなんて。
[マテウスの言葉に大きく笑みを浮かべ]
まあ、男の子は多少やんちゃしているぐらいが丁度いいですからねえ。
ギュンター坊やも、昔はひどいものでしたよ。
木に登ってそこから飛び降りるわ、女の子をいじめるわで……ほっほっほ。
[何やら思い出したのか、一人更に笑みを深める]
ふぅん。傭兵稼業をねえ。
この村にすむやんちゃ坊主達は、みんなそういう戦争ごっこが大好きなままなんだねえ。
[驚いた後にようやくエーリッヒの姿に気付いて手を振って挨拶]
[マテウスに同意を求められるとそれに頷き返して]
そそ、俺が薬草採りに行ったりする時に同行してもらったりしてた。
山賊とか出た時はホント雇って良かったと思ったわー。
んっ?
[名前を呼ばれ、その呼び方をする人物には心当たりがひとつ]
イヴァンか、懐かしいな。
お前もずいぶんとたくましい身体になったじゃないか。
[エーリッヒの名前とイヴァンの視線に該当する人物はひとつで]
よぉ、エーリッヒもずいぶんと変わったな。
まぁ、15年もたてば変わってないのはヨハナさんくらいなものか?
[ウェンデルの言葉に、初めてヨハナは少したしなめるような声で]
これ。
人を悪し様に言うものではないよ。
あんないかつい顔をしている子だけど、ギュンター坊やは、誰よりも優しい子だよ。
考えなしにやっているとは、私には思いませんよ。何か、深い考えがあるのです。
/*
というか。
幼馴染乱舞だねぇ。
今回は、それを避けたくて外部設定にしたんだけど。
さてさて、法則は健在か否か。
健在だったら頑張れw
殺人、だってことですよと。
詳細はそのうちギュン爺がしてくれるんじゃないかね。
ああ、貰う。
[イヴァンに皮肉げな笑みを見せながら中へと入る。
同居人の示すポットに頷き、そちらへと近寄った]
思ったよりしっかり集められたもんだな…。
いんやぁ、ウェン君が謝ることじゃないでしょ、これは。
小さな村での大事なわけだし。
ピリピリすんのも分かるんだけどさー。
けどここまで人を集めるってのは何かきな臭いな。
しかも多種多様の人を集めてさ。
[長い溜息をついて、だいぶ冷めてしまった紅茶を飲み干し、テーブルへと置く]
ああダメだ、諦めたってもつい考えちまうな。
考えたところで何も分からないってのに。
[言いながら、小さな苦笑を漏らした]
―小屋―
[どれくらい拘束されるかは分からないが、ある程度は覚悟しつつ荷を詰めた。
ふと、祖父から譲られた木箱を手に取り暫し眺めた。]
…ない、とは思うが。
[一応なと呟くが、声を拾うものは居ない。
木箱を荷に詰め終えると、外に人の気配がする。知った自衛団員が一人待ち受けていた。]
私も信用されなくなったものだな。
[ふ、と微かに笑むと、団員は至極困った様子でいたようだった。]
分かっているさ。皆平等に扱うという事だろう?
…行こう。
[そう告げると、連れられ集会場へと向かった。]
…あぁあああ、マテウス兄さん!?
[思わず零れた呼び名は、幼い頃のもの。
大声をあげるのは、ウェンデルにとっては珍しい事だ]
ずっと顔を見せないと思ったら、どうして、今頃になって。
[問いに篭もるのは、疑念というよりは拗ねたような色]
……まったくだな。
俺のような余所者ならともかく。
昔からいるような連中までとは、正直思わんかったよ。
[やって来た家主の言葉に、軽く肩を竦め。
均一に注いだ茜を、新たに来た者たちに順に振舞う。
猫は少女と共にいるようなので敢えて呼ばず、テーブルの上に置いたままのノートを手元に引き寄せた]
[エーリッヒの言葉に気まずげな表情を浮かべて]
いや、それは俺も連れてこられたことに聞いている、聞いて、いるんだが……
だが変じゃないか?あのちっこい嬢ちゃんやヨハナばっちゃんにか?どうやって?何のために?
[そして、今の「殺人」言葉がベアトリーチェの耳に届いていないかどうか気にして、少女の方へと視線を走らせた]
マテウス?
[名前を呼ばれ、会話を聞いて。
初めて相手が子供の頃の遊び相手の一人だと気付いた]
帰ってきてたんだ。
また間の悪い時に、まあ。
[小さく首を横に振る]
ヨハナ婆と比べるなよ。
そうか、15年ね…。
[自分が最後に見たのは17年前か。話にだけ聞いていた、村を飛び出していった男。何となく観察するよに見てしまった]
そそ、ほとんど家出同然に出て行ったんだけどな。
[大げさに驚く様子に苦笑をもらしながら]
へぇ、行き倒れね?
よかったな、倒れたのがこの村で。
気のいいやつも多いからな。
たしかに冬の間に薬の調達とかできるのは便利だな。
俺が小さいころは冬に病気するのは下手すれば命に関わってたからな。
[ヨハナの言葉には]
ごっこならいいんだけどな…
[つぶやくような声、視線はどこか遠くにさまよいすぐに視線を戻し]
おかげで俺は人殺しだって久しぶりの帰郷なのに村人の視線の痛いこと。
おかげで宿屋にこもることになってたしな。
おっひょ!
[隣からの大声に驚きの声を上げた]
……珍しい、ね。
ウェン君が叫ぶなんて。
[ちょっと耳にキーンと来てます]
[同時に「兄さん」と呼ばれるマテウスに自覚無き嫉妬]
…やっぱマテウスってここの出身なのかぁ。
もっと早くに知ってたら、外で会った時にこの村のこと教えてたのに。
[一瞬上がった熱も、ヨハナの声に急速に冷める]
……すみません、ヨハナさん。
私はまだ、修行が足りないようです。
あの信心深い方が、何故と。
そんな気持ちばかりが浮かんでしまって。
[素直に告白して、深く頭を下げ謝罪を述べた。
座り直し、胸元に手を添える]
…………客観的に見るのであれば、他の方々にとっては安心の出来る方法でもあるのかもしれませんね。
―集会場―
[古びた鞄一つ手に取り、集会場の扉を開け。
挨拶代わりに軽く会釈をして、数人の知り合いの顔を視線が彷徨った。
おおよそ知りえる顔が揃っていて、微かに眉根を寄せる。
あまり見覚えのない顔もあることはあるが。
どの人物も、あの死体を作った人間、には見えなかった。]
何だ…エーリッヒにイヴァン、それに薬師のも居れば、ウェンデル、にヨハネ婆まで。
あとそっちは…たしかライヒー?それに…
[といいかけながらも、マテウスの顔を微妙な顔つきで見上げた。
流石に10歳の頃に分かれた幼馴染の顔は、容易には思い出せない。]
[ゼルギウスの証言に]
俺もゼルギウスの薬には助かってるしな。
もちつもたれつって感じだ。
人のつながりってのはあって損はないからな。
……殺人ねえ。
[エーリッヒのその言葉に、老婆は遠い目をして、思いを馳せた]
このような寂れた村で、これだけの大掛かりなことをするということは、伝説が蘇ったか、御伽噺が現実となったのか。
[そこまで呟き、笑みを浮かべて頭を振る]
ふふ……いやね。
お婆ちゃんになるとすぐに、訳の分からないことまで考えちゃって。
そんなことあるはずないのに。
[マテウスの言葉にはやはり笑みを携えたまま]
人殺しなどと自分を卑下するのはおよし。
お前はお前の出来ることをしているのだから。
それに、その腕が、誰かを守るためと思ったのならば、それほど心強いものはないでしょう?
家出ねぇ。
らしいっつーかなんつーか。
[気を落ち着けてマテウスの話を聞き]
うん、ホントこの村で良かったと思うよ。
俺を見つけてくれたナタにも感謝感激雨あられ。
少しでも安心出来たらと思ってさ。
隔離空間ってのはそれだけで不安煽るもんだし。
俺が出来る恩返しっつーとそれくらいだからな。
[なで過ぎた猫が、嫌がってその主人のもとに駆けていく。]
ばいばい。
[わたしは小さく手を振って立ち上がり、猫の主のノートをふと覗いた]
Von der abgelegenen Entfernung ist …
詩人さん、なの?
たしかに、間が悪いな。
一瞬、ゲルダがどっきりな企画でも考えてるのかとも思ったが集会場きて歓迎会って感じでもなかったしな。
久しぶりの帰郷がとんだ珍事だ。
[エーリッヒの言葉にため息ひとつ、じっと見られると]
んっ?どうした?
この傷跡か?仕事がらどうしてもな。
[顔にもいくつかある傷跡を指でなぞりそう答える]
う、ええと、すみません。
[傍らにいたゼルギウスにはさぞうるさかったろう。
話も遮ってしまったと、ヨハナに向けたのとは別の謝罪。
決まりが悪く、顔が赤みを帯びた]
まさか、またお会いするとは思わなかったものですから。
お二方は、お知り合い、……のようですね。
[扉の開く音と人の気配。
ここに来てから、何度目かのそれに視線をそちらへ向ける]
また一人増えた、と。
団長殿、どれだけ集めたのやら……。
[ため息を一つ、ついて]
さして付き合いあるわけじゃないが、確か、はなかろうが。
あと、その「ライヒー」、という気の抜けた呼び方はやめてくれ。
[続けて、ナターリエに向けたのはこんな抗議めいた言葉]
[名を出した人物が扉を開け集会場へと入って来た]
ぅえ、何でナタも?
[ナターリエの姿を目にして、あんぐりと口を開けたまま見やる]
自衛団脳みそ空っぽなのか?
俺を助けてくれた奴疑うなんて。
[またしても憤慨するよに腕を組んで]
[扉の外に垣間見えた監視役の自衛団員達を睨みつけた]
[ウェンデルに向き直っても、老婆は笑みを携えたままの顔をしている]
ほらほら。
しゅんとしないの。良い男が台無しだよ。
どんなときも笑ってなさいな。ね?
[そう言葉に出した後に、またも集会所の扉を開く音がすれば自然と視線はそちらへと向けられた]
おやおや……。
ほんに、色々な方がお越しになりますねえ。
おっと。
[戻ってきて、肩へと駆け上がる猫の様子に、きょとり、瞬き。
それから、少女の問う声に、ああ、と短く声を上げ]
ま、半分くらいは、自称だがな。
……そういえば、名乗っていなかったか。
俺は、ライヒアルト=モルゲンシュテルン。
こいつは、ヴィンデという。
[普通の状況であれば、よろしく、とでもつけるところだろうが。
さすがに、ここではそんな気にはなれなかった]
[突然大きな声で呼ばれた名前に振り返るとさきほど見た神学生]
ウェン……
[記憶を掘り下げ昔の面影をかすかに感じ]
ああ、ウェン坊かっ!
ずいぶんと大きく、なんだ立派な姿になっちまってよ。
[すねる様子には]
悪いな、まぁいろいろとあってな。
ゲルダに手紙で村に来いって前々からいわれててな…。
[昔のように抱き上げようと、
ほれ、おいでと手を広げる]
[扉の傍には名を連ねる墓守の姿]
ナターリエさんまで。
ああ、そちらは……
マテウス兄さ――マテウスさんがお帰りになったようですよ。
[ゼルギウスには告げることもないが、他のもの、ナターリエやエーリッヒも、兄、姉と呼んではいた。
年を重ねるにつれて、他人行儀になっていったのだが]
[受け取った紅茶を一口啜り]
ヨハナ婆。
…御伽噺を信じてるの?
[苦い口調。ヨハナの話を聞くのは好きだった。だからこそその御伽噺のことも覚えているのだ]
もっとも、ここに居るのは間の悪かった者ばかりかもしれないですけどね、と。
ゲルダが仕組んだドッキリ?
[小首傾げ]
別の意味で冗談じゃ済まなさそうだ。
まあ、それはさておき。
苦労したんだね…。
[なぞられる傷跡を視線で追いかけて。
翠の色が翳ったのは、僅か俯いたせいで被る前髪に隠れたか]
持ちつ持たれつ。
良い言葉だな。
俺らの場合は必要な部分を補ってる感じか。
[マテウスに返しながらからりと笑う]
[謝罪をしてくるウェンデルには、気にするな、と声をかけて]
会わないと思ってて遭遇したならそうもなるだろうな。
ああ、マテウスとは村の外で何度か。
俺が薬草集める時に良く護衛頼んでるんだ。
ああ、悪いな。ライヒ、までしか正確に覚えてないものでな。
[さほど悪いとは思ってないような口調で、ライヒアルトにそう返す。
エーリッヒから一応紹介はされたが、さほど顔を合わせないのでこの有り様。]
ライヒビルダーだかライヒアルターだったか。
二択で迷ったんだが…。
[合ってない。]
遠くでこちらのやりとりには気付いてなさげな少女の姿を確認。ほっとしたような表情になるが、新たに入ってきた人物を見て、その表情はすぐさま曇る]
うは。ナターリエもか。ますますわからん。容疑の根拠が。
[ゼルギウスが、自衛団を睨みつけた様子を見ると]
これこれ。
これから何が起こるのかもまだ分からないのに、怒ってはいけませんよ。
案外、集めるだけ集めて、注意事項だけで終わるのかも知れないのですからね。
ナターリエまで。
…どうして、こうも。
[年の近いものが呼ばれたのだろうか。
溜息が毀れるのを止められない]
いいんじゃないか?
たまには昔の呼び方に戻ったって。
[ウェンデルが呼びなおすを、小さくからかう。
昔と違い微妙な距離感を感じるのは、自分もまた戻りきれないからだというのは横へ置いて]
[ゼルギウスの抗議には]
いや、さすがに俺もお前がこの村にきてるなんて知らなかったしな。
本当に何か特別にすごいところがある村ってわけでもないしな。
[ナタという名に何か記憶の引き出しをノックされ、
一瞬思考をめぐらせ]
まぁ、そうだな。
この騒ぎもそんな心理的なものも大きいのかねぇ?
すてきなお仕事ね。
[腰を屈めて、猫に視線の高さを合わせると]
よろしく、ヴェンデ。
[人差し指を、握手のように猫の前足に触れさせた。]
って、あれ?
マテウス、ゲルダちゃんと連絡取ってんの?
[同じ村なのだから知り合いでもおかしくは無いとは思ったが]
[村を出たらそのままと思っていたために意外に思ったようだ]
[ヨハナから窘められると]
だけど注意事項だったら村の人全員揃えてした方が良いんじゃないの?
何かきな臭いんだよ、その辺りが。
何で俺らだけこうやって集められてるのか、ってさ。
ウェン坊じゃありません。
ウェンデル、です。
[ゆっくりと、区切って言う]
だからって、こんなときにだなんて、間が悪いにも程があります。
他のときなら、もっとゆっくり話せたでしょうに。
[ウェンデルに気づいた様子の、マテウスの体勢。
幼い頃には毎度のようにされていたから、何を示すものかは容易にわかる]
…………私はもう、20です! 子供じゃありません!
[エーリッヒのからかいに気づけば、向く眼差しはきつくなった]
[ヨハナにとがめられると肩をすくめて]
卑下するつもりはないさ。
ただ回りはそういってる、それだけだ。
俺は俺がそれが正しいと思ってやっている。
[ヨハナに笑いかける姿は15年前の面影を残していたであろうか]
ヨハナさんならわかるだろう?
俺がそんなこと思ったりしてないって。
[エーリッヒの言葉に、一度だけ目を瞬かせた]
うーん……。
どうだろうねえ。
[そして、首を傾げると言葉を続ける]
御伽噺自体は、ただの御伽噺でしかないのだけれど、その中に含まれているものには、必ず真実というものが含まれているものですから。
そういうものが、語り継がれ、いつまでも残るものなのです。
それに―――。
[最後には、また笑みを浮かべて]
これだけ年を取ると、何が起こっても不思議ではないと思うようになってきますからね。ほっほっほ。
……なら、ライヒ、か、ライ、で止めといてくれ。
[さらりと返されるナターリエの言葉に、ため息一つ。
ここで名乗っている姓は偽名だが、名は本来のもの。
間違えられるのは、嬉しくはなく]
家主殿。
人事だと思って、面白がらんでくれ。
ナターリエ…?
[視線を向けた先にはやはり幼馴染]
なんか、サプライズパーティーとか…じゃないよな?
[手をあげ]
よぉ、久しぶりだなナタリー。
ずいぶんと美人になって。
はぁ…15年ねぇ…。
[改めて年月の長さを思い知る]
[またしても叫んでしまった。
口を押さえても、とうに遅い]
ああ、そうだったんですか。
そんな仕事、していたんですね。
[ゼルギウスに答える口調も、自然、早口になり]
……二階。
使って、良いんですよね。
荷物、置いてきます。
[誰にともなく言うと、足早にその場を*去っていく*]
こっちは誰が居るのか予想もつかなかったよ、婆。
いや…人を殺すような、せめて若い連中か?とは思ってたんだが。
それにしては、婆やええと…そこの子も。
人を殺す手を持っていると本気で思っているのか。
[殺す、の部分は流石に声を低くし、あまり周囲には聞かれないように。
ヨハナに言い嘆息しつつ。
ウェンデルの説明に軽く目を瞬かせた。]
マテウス?あのマテウスか。十何年ぶりだ?
ゲルダからたまに、近況は聞いていたから、生きてるとは思っていたが。
[本当に生きてたんだなとかぽつりと呟いて。]
えええええええっ。
神学生の坊や、もう、20歳になんのか……
[真剣にびっくりしている]
なんか、今俺ちょっとだけヨハナばっちゃんの気持ちがわかったような気がする。
……雑文を書き散らしてるだけだ。
大して、売れているわけでもないしな。
[すてきな仕事、という評価に、掠めたのは苦笑。
挨拶された猫はなぁ、と一鳴きして、そこだけ白い足先でてしてし、と差し出された指に触れた]
[ゼルギアスの言葉にはほっほと笑い]
憶測だけでは何も分かりませんよ。
後、ほんの一時待てば、分かるのですから、その時まではいつものままでよろしいではないですか。
若いですねえ。
[その言葉は揶揄ではなく、遠い昔を思い出すような羨望の色。
そして、マテウスの笑みを見れば]
ええ。ええ。
お前は、15年前と代わらず、やんちゃな悪ガキのままですよ。
[と、笑みを崩さないまま言った]
/*
950ptで、約3時間……持つだろうか。
いや、持たせなくてはっ!
というか、2回ばかし撤回したのが地味に痛い(とおいめ。
いざという時にはやっぱ、
能力より信頼だろ?
[問いかけながら、ゼルギウスの言葉に同意して]
そそ、護衛引き受ける変わり薬とか安く提供してもらったりとか、
貴重な薬たまにまわしてもらったりな。
[ウェンデルに説明をしてからとがめる様子に]
おっと、悪い悪い。
そうだったな。
[いいながらくしゃくしゃと頭を撫でている、
やはり子ども扱いが抜けない]
まぁ、だけど向きになるのはまだまだ子供ってことだぜ、ウェン坊…、
っとウェンデル。
そりゃお互いのことあんまり話してないもんな。
[マテウスの言葉に同意の頷きを返す]
[尤も、語れる過去を持ち合わせていないと言うのが正しいのではあるが]
あぁー……。
そうか、その心理的な部分があるから、っつーのもあるのか。
[続く言葉に納得の声を漏らした]
[気を抜いたところでウェンデルの叫びその二が響く]
[少しくらくら]
お、おお……。
うん、そう、良くお世話に、なったよ。
[くらくらしながらもウェンデルへと返答して]
[二階へ向かうとの言葉に頷いてその後姿を見送った]
[ナターリエの言葉に少しだけ首を傾げた]
そうさねえ。
殺人の容疑者、という意味では、あまりにも色々な人を集めすぎているというのはあるかねえ。
まあ。私たちがあれこれ考えても、しょうがありませんよ。
なるべくしてなることをゆっくりと待ちましょう。
幸い、話の種にはつきないような場になっているようですからね。
[殺人という言葉を口にしても、老婆はのほほんと、いつもの様子。
というか、何事が起きても動じそうな気がしない]
ああ、ゲルダとだけは時折手紙でやりとしてたぜ。
とはいえ、俺はあちこち放浪してあて先ないから、
局留めで受け取りは大抵おくれてたけどな。
[ため息混じりに]
それに大抵は帰って来いって感じの内容が多かったな。
あとはお互いの近況…、
ああああ、そっか薬師ってゼルギウスか。
[気づけばなんでもないことであった。]
[ゼルギウスの声に、今度はそちらを向いて。]
一年ぶりだな薬師殿。今年は行き倒れずに済んだようで何よりだ。
[本気でそう告げ。]
尤もそれ以外では運が悪かったようだが。
…さてな。昨日のアリバイの無い奴は片っ端から連れてきているんだろうな、この様だと。
[睨む様子には、無駄だから止めておけと言いかけ。
先にヨハナが止めたので止めた。]
…ああ、後でギュンターの爺さまが直々に説明に来てくれるらしい。
それまで暫く我慢するしかないだろう。
詩文って誰かを感激させられるものだよ。わたしは、すてきだと思うなぁ。
まぁわたしは、詩文の成績はよくないんだけど…
[えへへ…と照れ隠しのように笑う]
何が起こっても…ねぇ。
ヨハネさんが言うと言葉の重みが数倍は違うな。
[物知りで昔からかわらずの年の功を重ねた人物]
ヨハネさんにとっては俺はいつまでも子供なのかよ。
[すねたような言葉、
15年前と変わらない様子にどこか懐かしさと押さない日々の記憶がよみがえったりとかして]
ヨハネさんにとっては遊びで野山かけまわる姿も仕事で駆け回る姿も、
あまりかわらんものなのかね。
[イヴァンの言葉が聞こえウェンデルとを見比べ]
確かに…そうなのかもな。
[なにか合点がいった気がした。]
それはこっちの台詞だ。
[イヴァンに嘆息しながらも、軽く手をあげ返した。]
連中、イヴァンが突然キレでもして人を…とか思ったのかね?
だとしたら阿呆としか言い様がないわけだが。
[言いながら、軽くイヴァンに近づいて近くに居る者にしか聞こえない大きさの声で。]
…さっき、件の遺体を見てきたよ。
…正直、ここに居る連中がやったとは思えない様だった。
[それ以上語るのは流石にどうかと思い、口を止めたが。]
なんだよ生きてちゃ悪いのか?
15年ぶりだというのにずいぶんな言い方だな。
[ナターリエの様子に泣きまねをしながら]
昔はマテウスお兄ちゃんって可愛らしくよく懐いていたのに、
あの可愛いナタリーはどこへ行ってしまったんだい。
[不満そうなゼルギウスに笑みを絶やさぬまま、話を続ける]
よしよし。
大丈夫ですよ。
不安も怖いことも、全てこのばばが引き受けてあげますからね。
[まるっきり子供扱いだ。
老婆にとっては、目に見える全ての人物が子供のようなものなのだろう。
それが見知った人でも見知らぬ人でも]
意外にマメなのな。
[手紙のやり取りを聞けば若干真顔でそんなことを言って]
[ゲルダの手紙に薬師の言葉があったのだと聞くと]
ありゃ、俺のことも書かれてたのか。
名前までは書かなかったのな。
書いたら一発で分かったんだろうに。
[護衛の時にも会話が盛り上がったろうなぁ、と思ったり]
[ナターリエからの本気の言葉にかっくりと首を折った]
だぁ〜かぁ〜らぁ〜。
毎年顔見る度にそれ言うの止めてくんない?
確かに出会いは衝撃的だったろうけども。
[と言っても普通に助けられただけであるが]
[行き倒れかけているのを見つけると言うのはそれだけ印象深いのだろう]
そうだな、運は無かったようだ。
アリバイの無い奴が片っぱしから、かぁ。
否定出来ねぇのがなんとも。
おっと、こりゃ失礼。
[こちらを睨むウェンデルに肩を竦めて軽く頭を下げ]
他人事だからな。
硬くなっているよりずっといいじゃないか。
暫し一緒に過ごさないとならなさそうなら、特にね。
[同居人に向けた最後は、近くに居る者に聞こえるかどうかの小さな声で。視線はナターリエやウェンデルに向き]
俺の書き散らしに、それだけのものがあればいいんだが。
そこらは、受け取り手次第だから、なんとも言えんかな。
[苦笑したまま、ノートを開く。
一番後ろのページには、未だ完成していない一説の走り書き]
成績……そうか、学校行ってる年齢か……。
[照れ隠しの笑みと共に向けられた言葉に、そこに思い至り。
同時、周囲で交わされる、この召集に少女が呼ばれた意味を考える。
微かな嫌な予感は、消えずに残ったまま]
[ゼルギウスには小声で「うるせー」と苦笑いで返し、マテウスの顔を眺めて、ふと不思議な思いにかられたような表情になる]
まあ、ウェンデル坊やは二言目にはちびちびからかう俺のことはあまり元々好いてはいなかったみたいだから。
だから年を取ったらほとんど口も聞いてなかったし、余計にそう思うのかもな。
俺が「ウェンデル」という名前で反射的に思いだすのはマテウスの兄貴の後ろをちょこちょこくっついて歩いていたあの姿だからなあ。
兄貴は……一瞬わからなかったが名乗られてみると確かに兄貴なんだよなあ……
ほっほっほ。
色々なことがあるように見えても、その実はほんの少しでしかないのですよ。
その小さな出来事には、このばば。全てやりつくしました。
[マテウスの言葉に微笑みかける]
ふふ……。
悪ガキだけじゃなく、私にとっては全ての人が子供のようなものですよ。
宝を授からなかった私にとってはね。
[知らず、少しだけおなかをさすった]
そう……この村にいる全ての人が、私の宝。
必ず真実が含まれる、か。
[ヨハナの言葉を口の中で繰り返し。
向けられた笑顔には唇の端を上げ返す]
なるほど、ヨハナ婆らしいや。
俺も見習わないとってとこですね。
[ヨハナの言葉は丸っきり子供扱いだったのではあるが]
[何だか少し嬉しかったのはやはり心のどこかで求めているからなのだろうか]
[失った家族の温もりを──]
……婆ちゃーーん!
ありがと、何か和んだ。
[大袈裟な身振りで両手を広げ]
[ヨハナを広げた両手で包もうと近付いた]
おやすみ、ウェンb…ウェンデル。
[ゼルギウスと一緒にウェンデルを見送り]
仕事の話とか近況がほとんどだしな。
まぁ、これからはその大事な信頼がより強くなるんじゃねぇか?
[ゼルギウスに笑いかけて]
ああ、あの薬か?
効いた効いた、前よりもよく効くは。
[と思い出したように]
そうだ、今度会うときいおうと思ってたんだが、
あの薬たしかによく効くんだが人によっては肌とかかぶれるみたいだぜ。
俺は平気だったんだが、体質とかでダメなやつもいるみたいだ。
[他の人にも試したようだ]
……それは、否定せんけどな。
[家主の言葉、それ自体は反対する必要も必然もなく]
だからと言って、俺で遊ばんでくれ。
[憮然とした面持ちで言うものの。
最後の言葉には、やや暗い翠がす、と細まる]
……ならさなそう、ではなく。
なるだろうな……確実に。
[ごくごく小さな呟きは、どこか確信めいた響きを帯びる]
エーリッヒもか。
さてどうしてだろうな。
[揃った連中は、自分含めて無節操で、繋がりはあるようには見えない。
辛うじて20代が多いが。全員共通とは言いがたいわけで。
ふと死体を思い返すと、溜息しか出ない。
と、思考している間に、ライの言葉が聞こえ顔をあげる。
ライヒアルトとエーリッヒが何やら言う声が聞こえて。]
ああ済まない。一応聞いたが、また変に覚えると悪いだろうから、ライヒで止めておく事にする。たまに語尾が伸びていたら注意してくれ。
[至極真面目に言うと、微かにエーリッヒが忍び笑う声が聞こえて不思議そうにするのだが。]
ほっほっほ。
伊達に長く生きていませんよ。
[エーリッヒにそう返したところで、ゼルギウスが近づいてくるのに気づき、細い目が皺の奥に隠れるような大きな笑みを浮かべた]
なんだよ?その意外そうな顔は?
俺に手紙は似合わないっていうのか?
[ゼルギウスに咎めるようにしてからすぐに]
そうだな、さすがに名前まではなかったし。
[ぷっと吹き出し]
まさか行き倒れの薬師がゼルギウスだなんて…なぁ。
[ナターリエとの会話にそのまま笑い出して]
本当によかったな。
[ゼルギウスの肩をぱしぱしと叩いた]
[ナターリエにうんざりした顔で頷き返す]
全くだ。酔っぱらって寝てたところを起こされて、近所の連中が怖い顔でこっちを見てる中、引っ張ってこられたんだが……俺は何が起こったのかさっぱりわからんのでね。ただ、人が殺されたことと、俺がその容疑者だってことしかわからん状態でここへ来たんだ。
どれだけ凶悪な面構えの連中が集まっているのかと思えば、皆知った顔ばかり。
わけがわからんぜ。
遺体……か。そんなにひどいのか。[声を潜めて]
ああ、強くなるかもな。
[に、と楽しげな人懐っこい笑みをマテウスへと向けた]
お、やった、実験成功。
[マテウスを実験台にした模様]
[けれど続いた言葉に、げ、と言葉を漏らした]
うはー、かぶれ出ちまうか。
ちっと調合バランス失敗したんかな。
効果強めるとそれが出やすいのがかなわん。
今度はそこも考えなきゃダメか。
[ぶつぶつと調合割合を呟いて]
[懐から出した紙に失敗部分のメモを取ると再び懐に仕舞う]
教えてくれてさんきゅ。
また調合し直してみるわ。
…………。
[至極真面目に返されるナターリエの言葉に、また、沈黙した]
……わかった、が。
なるべく、気をつけてくれ。
[何となく、がっくり来たかも知れない。
元々、教会と関わりの深い稼業の彼女とは余り接点を持たずにいたためか。
一連のやり取りで、だいぶ調子が狂った気がした]
美人、ね。
マテウスが言うと若干胡散臭い…。
ああ、いつ死んでもおかしくない生活していると聞いていたからな。
[実際どうゲルダから聞いていたのか。
かなり湾曲しているかもしれないが、本人は気にしてないのがまた。
昔の事を言われると、すっと頬に赤みが差す。
それを誤魔化すように、マテウスの背に手の平で一撃入れた。]
五月蝿い…!
[一撃いれたらすっきりしたのか。
ふぅと小さく息をつくと、表情はいつも通りに戻る。]
…まぁ色々あったんだ。こっちも。
可愛らしいあのときのナタリーは、爺様と一緒に空に飛んでいった事にでもしておけばいい。
[ひし、とヨハナを一度抱きしめてから直ぐに解放して]
[マテウスが自分のことに笑う様子にバッと振り返った]
笑うなよっ!
仕方ないだろー、予想外に食糧足りなくなっちまったんだから。
途中食べれる植物で凌いでたんけど、この村の近くで力尽きたんだ。
[少し膨れながら肩を叩かれて]
マテウスが手紙書く姿なんて想像出来ねーよー、だ。
めんどくさがって返事出して無さそうだもん。
[笑われたお返しとでも言うように言い放った]
確定事項みたいな口振りだな。
[やはり囁くよな声で。
チラリと振り返り、暗い翠と交差するは翳り帯びた翠。
だがすぐ逸らされて。翳りは灯りの反射に消える]
ま、少なくとも筆不精には見えなくても不思議はないんじゃないですかと。
他人のこと言えた義理じゃないけど。
[軽い口調でマテウスに茶々を入れた]
そういうイヴァンも変わったけど、変わらないな。
[その呼び方とかなと笑いかけて]
まぁ、いつまでも仲良しとはならんものかね?
あまり細かい人間関係については。
[ウェンデルの話を聞けば]
たしかに、あのころと違ってずいぶんとお硬くなったといえばいいのかな?
ヨハナさんにもいろいろありそうだな。
[その言葉と様子になにか自分達以上に重ねた年月の重みを感じ]
俺も、いや、
きっと村の皆もヨハナさんのことは大切に思ってるんじゃないかな?
15年も村出て行ったきりの俺がいうセリフじゃないかもしれないけどな。
……予測が、正しければ。
[ごくごく小さな呟きを家主に返して、軽く、目を閉じる。
思い返すのは、団長とのやり取り。
「村を守る」という言葉。
累積するのは、嫌なイメージ。
そのイメージと、周囲を飛び交う『旧知の会話』というのがどうにも息苦しく思えて、一つ、息を吐いた]
さすがに、皆に心配かけっぱにしとくのも悪いだろう。
言っただろう、人のつながりは重要だってな。
[ゼルギウスに笑いかけてから]
だろうな、あの時薬渡す時のお前なんかおかしかったからな。
悪いが第一の被検体はどこかの誰かにやってもらったぜ。
[ゼルギウスにいい笑顔を返して]
まぁ、今度はもっと出来のいい薬をできれば俺以外のやつで実験してからで頼むぜ。
[マテウスに頷いて]
まあな。ウェンデルは昔は道で俺に会ったら嫌いは嫌いなりに「イーだっ!」とかしてたじゃないか。
そういうことをしなくなったよなあ。流石にそういう年頃じゃなくなったんだなあ、と思っていたが、なんかその代わり、視線が合わなくなったな……
そこまで嫌わなくてもいいだろうよ、と思っていたんだが、そういえば、他の懐いていた連中に対する態度も変…だよな…???
[今になって漸くウェンデルの変貌に思い至ったようだ]
婆もそう思うか。…うん、その通り…だな。
何時になるかまでは聞いてないが…待つしかないか。
確かに、騒々しいというか姦しいというか。
…まぁ、薬師殿も来てるし、マテウスが15年ぶりに帰ってきたのだけでも大きいしな。
[ヨハナに言いながら、普段と変わりないように見えるヨハナに、安心したようにうっすら微笑んだ。]
元気でよかったなという村からの快い挨拶だろう。
対薬師殿限定のな。
[あまり行き倒れに会う事も少ない村。好意的に見れば、愛され珍重されているという事だろう。
ゼルギウス側から見れば、ぐったりするような挨拶だろうが。
様に悪い悪いと軽く笑みながら返して。]
まぁ…ヨハナ婆が言うように、待つしかないか。ギュン爺を。
そういう所は、十分可愛いんじゃないかなぁ。
[再び紅茶を啜りながら、ナターリエにも茶々を入れる。
今だけでもこの空気を楽しみたい。そんなことを考えながら]
寝てるところを叩き起こす、とか。
俺も戻ってきたところで捕まったけれど、一度思い込んだら容赦ないな、自衛団の連中。
[イヴァンの言葉にふっと息を吐いた]
そういや、ベアトリーチェ。
君も休んでいたところを無理やりとか…?
[これまで殆ど話したことも無い相手だったが。
療養中ということくらいは噂に聞いていたらしい]
ふふ。
こんなお婆ちゃんでも、一応、女性ですから。
それ以上の詮索は、駄目ですよ?
[人差し指を一本立てて、口に当てる。
そして、その後のマテウスの言葉には、驚いたように口を開けて]
おやまあ。
そう思ってくださっているのですかねえ?
それなら嬉しいことですけど、私にとっては、いえ、親にとっては、ただ子を想うだけで満足なのですよ。
だから、それ以上を望むのは、私にとっては大きすぎて……。
[それでも、嬉しそうに老婆は笑みを浮かべる]
そうか?正直な感想を述べたんだけどな。
[ナターリエが赤くなり背中を叩くと結構いい音がして]
痛っ、
[背中をさすりながら]
そうか爺様にさらわれたんじゃしかたがねぇな。
ほら、昔みたいにおにいちゃんって飛び込んできていいんだぞ。
[ウェンデルにしたように両手を広げる]
なんだよ、エーリッヒまで。
皆俺のことどう思ってるんだ。
俺はこう見えて人情にあついんだぜ?
[少なくとも傭兵の言うセリフではない]
ところで気になっていたんだが。
いやな、こう懐かしい面子ばかりみていてさらに思ったんだが。
そっちのエーリッヒと話してる、
[ライヒアルトに視線を向けて]
どっかであったことあるな。
ああ、そういえば特にイヴァンはウェンデルに嫌われてる節があったかもな。
[その後のイヴァンの疑問には首をかしげて]
そうか?
俺には昔と代わらないウェン坊のまんまに見えるが。
[確かに態度のとりかたとかは変わったけどなと笑いかける。
呼び名は本人がいないせいか昔のまま]
そう。その笑み。
[ナターリエの微笑みに、老婆が嬉しそうに目を細めた]
女の子なんだから、そのように笑ったほうがずっと可愛いですよ。
お前は、昔から思い悩んでは、難しい顔をすることの多い子なのだから、もう少し笑顔を多くなさいな。
そうしたら、お前のような可愛い子は、引く手あまたになりますよ?
[老人らしいおせっかいを焼きながら、老婆が笑みを携えていた]
だからその真面目っぷりが意外だっつの。
言ってることは同意できるんだけどさー。
って、お前なんてことを…!
お前だから多少影響出ても大丈夫だと思って渡したのに!
[それもどうかと]
結果かぶれのことが分かったから良いのかな。
その人には悪いけどさ。
おぅ、もちろんもっと良いのを作って見せるさ!
お前で実験したら意味がないことは良く分った。
[最後はマテウスに対する厭味だったかも]
はは…それは災難だったな。
自衛団が元気なのはある意味良いこと、ではあるんだが。
[イヴァンをちらと見た後、視線は別な方を向けたまま低い声で。
一応他に聞こえないよう声を潜めたが、この雑とした空間では、どこに拾われたかは分からない。]
ああ。…私見だが、爪や牙の跡――獣にやられたような傷だった。
だが獣なら、人間が”容疑者”として集められる理由にならん。
最悪、獣狩りをすればいいだけだからな。
…一体、何が起こっていると思う?
[あれは人がやる殺しではない。
だがあの死体を見た後では、あまり楽観は出来なかった。]
……は?
[不意に向けられた視線と、言葉。
今までは、半ば意図的に逸らしていた意識がその主へと向けられる]
いや……それは。
気のせい、だろ。
[とっさに口をついたのは、否定の言葉]
(……覚えてなくてもいいだろうがっ……)
[同時、内心に零れるのは、こんな言葉]
ちょっと待て。
それは俺が喧しいということか。
[ナターリエがヨハナに向けた言葉を聞き咎める]
[実際喧しいのだが]
[けれどその突っ込みの勢いも次の言葉に意気消沈]
俺限定かい。
[案の定ぐったりしました]
[続く言葉には、ん、と短く返事をして]
しゃーないから待つことにするよ。
それで何か分かるんだったらな。
そんなものなかね?
[ヨハナの言葉に思考をめぐらせ]
俺もいずれ年取ればわかるようになるのかもな。
若い時分には見えないことは多い、年をとってからわかることがたくさんな。
[ヨハナに笑いかけて]
まぁ、まだまだ俺は若輩者だからヨハナさんからはたくさん学ばないとな。
[同居人の言葉に一瞬睫を伏せる。
何をどこまで知っているのだろう。自分のように御伽噺に引っかかりを覚えているだけでは無い気がする。
それでも溜息は押し殺し、何でもないかのように表情を戻す。
今のこの空気が心地よくて。壊したくなくて]
情に厚い傭兵、ねえ。
ま、小まめに近況を書き綴るマテウスとか、昔のことを考えてもあまり想像つかんですよ、と。
その辺も皆、変わってきたということかな。
[傭兵という仕事。実際にどんなものなのかは知らない。噂で聞くようなそれは、どちらかというとドライなもので。
それでも昔のマテウスは確かに頼れる兄だった。
だから冗談めかすようなからかうような口調で軽く返し]
ライ?
知り合いなのか?
[同居人を、今度は顔ごと振り返った]
気のせい…?
いいや、どうやら気のせいじゃないな。
[じっと顔を見つめて]
ライヒアルト…
[名前を呟き]
眼鏡…やめたのか…?
[ぽつりと聞いた]
13人目、迷子 エーファ がやってきました。
迷子 エーファは、聖痕者 を希望しました(他の人には見えません)。
[バタンという音と共に扉が開き、粗末な黒いチュニックとズボンを身につけた12、3に見える子供が一人、自衛団員に突き飛ばされるように入って来る]
あ……!
[外の雪に靴が濡れてでもいたのか、そのままバランスを崩して、ぺたんと床に手と膝をついた]
やることはしっかりとしないとな。
信頼ってそういうもんも大事だろ?
たしかに普段はちょっといい加減に見えるかもしれないけどな。
[その後のゼルギウスの言葉にじとーっと咎める目で]
それは俺のセリフなんだが…。
まぁ、今回はよかったってことで勘弁してやろう。
納得はいかんが……。
―――獣。
[ナターリエがイヴァンへと囁いた言葉は、老婆の耳に飛び込む]
―――殺人の容疑者。
[続く言葉。
老婆の中に収められた膨大な知識の中から、思い浮かぶのは一つの伝説。
それは、先ほど一瞬だけ頭をかすめ、そのようなはずはないと一蹴した物語]
―――……。
[―――人狼。
そのような言葉が頭に浮かんだ]
―――御伽噺の中に含まれる一片の真実。
[遠い目。
その小さな呟きと共に老婆の頭の中に浮かんでいるのは、どのような思い出なのか。
それは、老婆自身にしか知りようのないことだった]
講師補佐 アーベルが村を出て行きました。
[マテウスにとほほ、という表情を向けて]
何だぁ。やっぱり俺だけかよ。嫌われてるの。
ウェンは兄貴に懐きまくってるから、同じように兄貴にまとわりついて行ってる俺のこと嫌ってるってのもあるぜ、絶対。あいつはまだ小さくてついて行けない場所に行った話とかさんざん自慢してやったもんな、俺。
はあ。
いやまぁ、情と仕事は別ってな。
[エーリッヒに笑いかけながら]
細かいとはいかないが、
無事してることと最近あったことで思いついたことをちょこちょこ書いてたな。
[ゼルギウスを指差しながら]
たとえばこいつのこととかな。
13人目、講師補佐 アーベル がやってきました。
講師補佐 アーベルは、霊能者 を希望しました(他の人には見えません)。
どうも、あの後何か…
[広間に顔を出し]
て。
えらく賑やかだと思ったら、何だこの人選は。
[その姿勢で止まり][眼を細める]
[面子一人一人を見定めるように]
まさか。
皆さん容疑者、…とか言わないでしょうね。
/*
毎度おなじみすぎるfukaです。
覗いたらあと一人だった罠にひっかかって、ついうっかり入ってしまいましたorz
やるならウェンデルで女の子の智狼とか思ってたんですが、ちょっと時期的に体力に自信がないので、エーファで男の子で、まともにはやったことのない聖痕者を目指してみようと思います。
弾かれて村人になったら、吊られよう、うん。(まてこら)
[ナターリエの言葉に目を丸くして]
獣?
それじゃあますます変、だよな。
俺らのどこに爪や牙がある。何かそれじゃ昔うちのばばあとヨハナばっちゃんが二人して脅してくれたあの昔話
[はっと口を押さえる]
[知り合いなのか、という家主の問い。
それに答えるより早く、投げられた問い。
軽い、舌打ち一つ。
会ったのは、大分前──出で立ちが、肩書きを兼ねていた時。
未だ、少年の時分。
自分としては、「なかった事」にしたかった頃]
さて……何の事、やら。
[取ってつけたような口調で言いつつ、逸らした視線は新たに入ってきた少女を捉える]
おいおい、随分と、乱暴だな……。
うんまぁ、そりゃそうなんだけども。
やっぱ普段を考えるとなぁ。
うん、マテウスがマメだってのはよっく分かった。
[咎める視線には知らん顔で視線を背けた]
だってよー。
マテウスなまじ耐性があるもんだから、細かい部分での調整が利かないんだもんよ。
今回のかぶれみたいなのとかさ。
―――。
[マテウスの言葉を聞くと、思い出は一瞬にして断ち切られる]
あらあらまあまあ。
このようなお婆ちゃんでも、何かの役に立つのでしたら、喜んでお手伝いいたしますよ。
……よろしければ、イヴァン坊主と一緒に、今度久しぶりに昔話でもしましょうか?
[そう言った矢先、扉が乱暴に開かれる様子に視線を動かし見れば、そこには小さな子供が一人。
思わず、イスから立ち上がって、駆けてゆき、その手を差し伸べた]
あらあらまあまあ。
どうしたのかしら?立てる?
って、え?
[マテウスから逸らした視線は丁度集会場の出入口の方へと向かって居て]
[床に倒れる少女の姿が目に入る]
…んだよ、あの子もだって言うのか?
[ヨハナに先程咎められはしたが、やはり垣間見えた自衛団員を睨みつけた]
[かけられた老婆の声にびくりと肩が揺れ、差し伸べられた手を不安そうな瞳が見つめた]
………だい、じょうぶ。
[声は、小さく、ひどく掠れている]
そうか?
まぁ、そういうならそういうことにしておこうか?
へぇ、吟遊詩人さんねぇ……。
へぇ……。
[たっぷりと間をあけて]
まぁ、よろしくな。
ライヒアルト。
[笑いかけて、
視線がともにエーファに向かい]
子供相手にひどいもんだな…。
と、言ってる先から。
[放り込まれる少女]
[老婆が向かうのを見て][動き掛けた足は止まり]
怪我でもしたらどうするんですか。
[代わりに咎めるような眼][扉の向こうへ送る]
[ライヒアルトの沈黙を待ってから、了承の声が聞こえたのでこくりと頷いた。
教会云々の事情は全く知らない為に、向こうから避けられていた事も勿論知らぬままで。
本人ががっくり来ているとかは無論知るよしもない。
マテウスの声と仕草が聞こえると、引きつったような笑みを浮かべて。]
ありがとう、おにい、ちゃん。
[片言で、マテウスの両手を掻い潜り、鼻を詰まんでやった。遠慮なく。
その勢いでエーリッヒに近づき、ぽこりと軽く手の甲で頭を叩く。
こちらは一応加減しておいた。]
人様でからかうな馬鹿者が。
[ふぅと息をつくさまは変わりなく。
だが昔と比べてしまうと確実に変わってしまっていた。]
玄人らしいお答えだね。
[唇の端を上げてマテウスに応える]
そか、だからゲルダもそんなに心配そうにはしてなかったんだ。
ゼルギウスの行き倒れとか、なるほどね、この村じゃ大きな事件だっただろうし。
[自分が戻ってきたのはその翌年。
笑い話のように聞いたものだけれど]
人違いかね。
[あまりそうは思っていないような口調で同居人に呟き。
入り口から響いてきた音に顔を向けた。倒れこむ少女]
大丈夫か!?
[声を上げるも、ヨハナが傍に寄るのを見て動くは止めた]
[エーファの様子に、老婆は優しく微笑みながら口を開く]
大丈夫。
不安になる必要は無いですよ。
此処にいるのはみんな良い人たちばかりなのですから。
それでも、もし貴方に危害を加えるような人がいるようならば、このばばがやっつけてあげるからね。
[そのまま、しゃがみこみ、視線をエーファと合わせると、安心させるようにもう一度微笑んだ]
私は、ヨハナ。ヨハナ=イーハトヴォと言います。
貴方のお名前は?
ヨハナ婆、可愛いって言うのは、ゲルダや他の娘の事を指すんだぞ。
[大真面目にそう言う所を見ると、自覚は薄い。
昔から、とか、こうしなさい、と言われると、やや子供のように拗ね困った様子で。]
ん、そう言われても…爺さんとずっと外れで暮らしてたおかげで、癖とか口調とか色々うつって。
?ああ、周囲は死体ばかりだから大丈夫だ。
[それはむしろ大丈夫じゃない。]
やれ、そうか。
予想はしてました、けどね。
[薬師の声]
[驚きは含まず][肩を竦め]
何考えてるのやら。
[少女を][老婆を見た]
ひょっとすると自警団の奴らも……ちぃっと頭に血が上っておかしくなってるのかも、しれねぇなぁ。
だが、ギュンターのおっさんまでもが、か?
それはあれだ、イヴァンが悪いわ。
[肩をすくめて]
まぁ、もうお互い子供じゃないっていうんならうまく付き合っていかんとな。
うちらみたいにな。
[とゼルギウスに視線を向けてから]
いや、前言撤回だ。
人を実験体にするようなことはしないに限るな。
[肩をすくめて]
それがわかってるならゼルギウスももっと別のやつにやればいいだろう、
もしくはそういうことなら今度は最初から言え。
[軽く唇を噛む。この空気が仮初であると突きつけられたよに]
本当にね。
普通なら容疑者に含まれそうもない者まで。
少しでも怪しければってところかな。
[アーベルに軽く片手を挙げ、ゼルギウスの言葉に続けた]
ああ……。
そういう事にしておいてくれ。
[マテウスに返す言葉は短いもの。
暗い翠はそちらを見る事はなく。
微か、苛立ちを押し殺したような様子に、猫が不安げな声を上げるのに大丈夫だ、と返して]
……子供だろうと容赦ないのは、こっちの子でわかってるつもりだったが。
いただけんな。
[呟きながら、紅茶を用意する。
落ち着けるようにと、甘めの味付けをして]
落ち着いて、飲めるようなら、これを。
冷えているとまずいし、毛布か何か、探してきます。
[少女に手を差し伸べるヨハナに声をかけ、自身は奥へと向かう]
[エーファが押し込まれるようにして集会場に入れられたのを見て、軽く舌打ちし。]
お前…まだここに、犯人が居るときまっても居ないだろう?
あまり乱暴に扱うな。
[知った顔の男の背にそう声をかけるが、反応は無かった。
元々団員の中では馴染みが薄い方の男ではあったが。
徹底振りに、眉根を寄せる。
介抱やらはヨハナ達が居たので、そちらに任せた。]
そのまさかといった所だ。
ええと…アー…
[ライヒアルトと同じように、それ以上名前が出てこない。
そういう時はええと思い職業から思い出すと。]
先生さん、だったか。
[一応落ち着く所に落ち着いた。]
何か手当たり次第って感じにも見えてくるな。
[肩を竦めるアーベルにそう返して]
[前言撤回するマテウスの言葉には]
えぇー、別に毒薬とかそんなんじゃないのに!
その辺の危険性は調べてからやってるよ。
それこそ信頼落としたくないし。
あの時は丁度お前に仕事依頼してたからってのと。
まず効能の結果知りたかったからお前で良いかーと。
[何て大雑把]
ああ、昔話はまたこんど落ち着いたときにだな。
[ヨハナが駆け寄っていった子供に視線を送り、
やはりほうっておけないのかそちらにいき]
大丈夫か?
普段はあんなやつらじゃないはずなんだが。
いやまぁ、15年前はだけどな。
[害意のない笑顔をむけて]
俺はマテウス=ボルマンだ。
[ヨハナに続けて自己紹介をした]
ああ。ありがとうよ。
えーと、ライアヒルト君。
[間違って覚えたようだ]
ほら。
良い人だろう?
他にも見た目は怖そうな人もいるけど、みんなみんな優しい子ばっかりなんだよ。
[そう言って、真っ先に思い浮かぶのはイヴァンとマテウスだったり]
怖くないでしょう?
エーファ……
[ヨハナの問いに、やはり掠れた声で答えた後、けほけほと咳き込んで床の上に丸まった。子供の身体に触れたなら、その身体がひどく熱いことが判るだろう]
[イヴァンの声に鋭く視線を返す。あまり言うなと目で語った。]
ソレの事、考えなかったわけじゃ無いけれど。
…まだ、決まったわけじゃないから。
[御伽噺の事は、こっちも一応知ってはいた。
いたが、まさかと思い外していた一案でもあった。]
ギュンの爺様の「新雪記念のドッキリでした☆」
とかお茶目な洒落だったらいいんだがな。
[御伽噺より低すぎる可能性を真面目に呟いて。]
[広間を離れ、は、と一つ息を吐く。
人のいない静寂が、どこか心地よかった]
……まったく。
やり難いったらないな……。
[この村に来る以前を知る者。
それと、この場で出会う事になるとは思いも寄らず]
……この件が落ち着いたら、また、他所に移動するようか……。
[小さな呟きをもらしてから、奥の倉庫へ。
タオルと毛布、それらを適当に掴み出して、再び広間へと戻る]
[「この子は、死体の見つかったあたりに居たんだ」と、言い訳がましく言った自衛団員が、子供の身上書を置いていった。書かれた文字は大人のもので、どうやら聞き書きであるらしい]
■名前:エーファ=クロイツ Eva=Kreuz
■年齢:12歳
■経歴:村の近く(遺体の見つかった辺り)で彷徨っていた子供。名前と年齢以外記憶が曖昧なようで、素性が判らない。
そもそも、これだけ人が集められるのもおかしい。
被害者は一人と聞いたのですが。
本当に、手当たり次第としか。
[眉間を寄せ][薬師と指物師へ]
[ナターリエに叩かれた後頭部を軽くさすっていたが]
っと。調子悪いのか?
ゼルギウスに診てもらった方が。
[咳き込むエーファを心配そうに見る。
熱があるとまでは離れていては分からず。だが大勢で囲んでもとその場から声だけを掛けて]
ベアトリーチェといい。
本当に何考えているんだ…。
[流石に憤りを覚え、小さく舌打ちした]
村の設定が変更されました。
それもこれも、15年も戻って来なかったマテウスが悪い。
…心配していたんだぞ、皆。
[ざくっと一刀両断した後ぽつりと呟いたものの。
エーファに駆け寄ったのでそれ以上何か言う事は出来なかった。]
エーファちゃんね。
[言いながらさらに微笑むが、少女の様子がおかしいことに気づき、その額に触れてみると、ひどく熱があることに気づいた]
……ひどい熱!!
早く、ちゃんとしたところに寝かせてあげないと!
[慌てて、エーファの体を]
ふんぬらば!
[と、豪快な掛け声で持ち上げると、一目散に寝台のある部屋へと駆けていった。
そして、優しくその体を横たえると、肩から大きく息をしてゼヒーゼヒーと、*床に座り込んだ*]
ナターリエ。
真顔で冗談言わないでくださいよ、と。
[それに少しばかり救われたりしたのだが。
気を取り直すように軽く反応して]
ああ、少しばかり過敏すぎないかとは思う。
いくら小さい村だからってね。
[眉寄せたアーベルに頷き、言い訳しながら身上書を置いてそそくさと出てゆく自衛団員に温度の低い視線を向けた]
ああ、まぁ。
飛び出しといて心配かけないもなにもないけどな。
[エーリッヒの言葉に応えて]
行き倒れは、大事件だな。
しかも冬のこの村だ。
[軽い調子で居たが、エーリッヒに名を呼ばれて再び少女へと視線を向ける]
調子が悪い?
大きな病気とかじゃなければ良いんだが。
[ソファーから腰を浮かすと仕事道具を手にとって]
[そちらに近付こうとしたらヨハナが豪快な掛け声と共に少女を抱え上げて二階へと運んで行った]
……えーと。
[しばらく呆気に取られてから]
…じゃちょっくら行って来る。
[その後に続くべく、広間に居る者達にそう告げて]
[ヨハナが少女を運んだ部屋へと向かった]
/*
ちょ、ヨハナさん。
エーファちゃんまで一緒に連れて行ってしまうのは拙いんじゃ。
どうしよう。俺も一度また離れないとなんだけど(汗
/*
あや。
それをやられてしまうと、おっかけないとならないんですが。が。
俺、どこへ向かおう。
すれ違ってもいいかしら。
……と。
[広間に戻る道すがら、すれ違うのは猛然と掛けて行く老婆の姿]
…………。
[停止、数分]
取りあえず、上か。
[正直、広間に戻りたいか、と言うと、答えは否。
なので、素直にその後を追い、二階へと]
[いきなり抱え上げられて、目をぱちくりとさせる。気がつくと寝台の上に横たえられていて、傍で座り込んだ老婆に顔を向けた]
…あ、ありが、とう。
[びっくりして咳も止まった様子]
[エーリッヒに「悪い悪い」と、全く悪びれた様子も無く真顔で告げて。]
アーベル…ん、覚えた…と、思う。
忘れたら先生と言うかもしれんが、気にしないでいてくれると助かる。
[どうも名前を覚えるのは苦手なのか。
先にそう断っておきながら、そう返した。
眉間の皺が何を物語っているかは言わずもがなで。
こちらも微かに溜息をついたが。]
ヨハナ婆?
[慌てた様子のヨハナ婆を追うより早く、婆さまは寝台へと駆けて言った。
手が出せなかったのは、心配するより呆気に取られていたである。]
…婆、今年で幾つになったっけか。
[凄い力だなと。心配もしたがむしろ感心した。]
─集会場二階・エーファの運ばれた部屋─
婆ちゃん、腰痛めたりしてない?
[部屋に入っての第一声はヨハナに向けたもの]
[ぜーはー言ってるヨハナの背中を少し擦ってやってから、寝台に寝かせられたエーファの様子を見る]
熱は…あるな。
咳も出てる。
うーん、風邪の症状ではある、が。
肺炎合併しなきゃ良いけど。
[エーファの額に手を当てて熱を測ったりと]
[症状を抑える薬を探そうと薬箱を開いた]
そうかエーファっていうのか。
[ふとその様子に異変を感じてヨハナの言葉に]
なに、熱?
おい、ゼルギウス仕事だぜ。
[そして抱えていくヨハナの様子に呆気に取られながら、
すぐにその後ろ姿に声をかけて追いかけていく]
ヨハナさん無理するな。
[すれ違いざまにナターリエの肩を軽く叩いて]
悪いな、飛び出して15年間戻らなかったことは謝る。
すまなかった。
ほら、いくぞゼルギウス。
[ゼルギウスと一緒にヨハナの後についていった。]
まあ、それでもゲルダは安心しただろうし。
[苦笑のようなものを浮かべてマテウスを見る]
雪に閉ざされてしまうからね。
誰も来ないものと思ってたでしょうし。
[エーファに戻した視線の先。
ヨハナの掛け声と続く行動に流石に目が丸くなった]
……元気すぎ、ないか?
ああ、いってらっしゃい。よろしく。
[少し間の抜けた声でゼルギウスに答え*見送った*]
/*
これで希望弾かれてマテウスと聖痕コンビとかなったら面白いかなぁ。
でも弾かれたらきっと村人だよね。
弾かれ狼とかあるだろうか。
狂信者人気ありそうで。
[続いてやってきた薬師の手が額に触れると、やはりびくりとして、身体を縮こまらせる]
だいじょ、ぶ、だから。
[掠れた声は弱々しい]
[すれ違い様、肩を叩かれ呟かれた言葉に顔を上げた。]
謝罪は、私にでなく…
[ゲルダにしてやれと、おそらく自分よりもずっと、その身を案じていただろう友人の名を呟いた。]
─二階・エーファの運ばれた部屋─
[中に入り、取りあえず状況を見て取り]
……これ、一応、置いておくが。
他にも入用なものは、ありそうか?
[タオルと毛布を部屋の隅に置いて]
取りあえず、火は入れた方が良さそうだが。
[窓の向こうには、未だにちらつく真白の破片。
冷えた暖炉を見つつ、小さく呟いた]
別に、それは構いませんけど。
何だかくすぐったいね。先生なんて。
[変わらず笑み][肩を竦め]
と。
[幾人かを見送り]
[空席に寄り][腰を降ろす]
その状態で大丈夫ってのは通用しないよ。
熱や咳は身体の拒否反応なんだから。
その声だと喉もやられてるな?
[エーファにそう告げながら]
[薬箱の中から解熱剤と咳止めを出す]
[後からやって来たライヒアルト達を振り返ると]
火、頼む。
後は濡れタオルと水差しだな。
ああ、婆ちゃんにも水一杯持って来た方が良いかも。
[一旦視線を床に座り込むヨハナへと]
―一階広間―
上は手が足りてるだろうな…。
流石にこれ以上は逆効果になりかねん、な。
何か暖まる物でも用意しよう。
紅茶か、甘めのミルクでいいか?
[一階に残った者の顔をみ告げながら、厨房の方へと向かった。]
―→厨房―
あいよ。
ライヒアルトいこうか。
[ライヒアルトを促して一緒に水差しとグラスを二つ、濡れタオルを用意しに向かった。
道中ふたりきっりになったところで]
細かいことは詮索するきはないんだけどよ、
あんまり昔のことは聞かないほうがいいか?
なかったことにしてほしいっていうなら今後は俺からはいっさい触れないが。
[隣をいくライヒアルトに聞きながら視線を向ける]
ああ、すみません。
紅茶を。
[厨房を振り返り][見送って]
[ポケットに手を遣り掛け]
…いけないな。
流石に、子供もいるとこじゃ吸えない。
[形を確かめるだけで][煙草から手を離した]
嫌って…。
飲まないと苦しいままだよ?
苦いのが嫌なら甘くなるように調合してみるけど。
[薬を拒否するエーファに少し困ったように眉根を寄せ]
[何を厭うのか聞き出すよに一つ提案する]
ああ、わかった。
[ゼルギウスの言葉に頷いて。
促されるまま、マテウスと部屋を出る。
途中、投げかけられた言葉に暗い翠は軽く伏せられ]
……取りあえず。
あんたの知っているであろう、ライヒアルト=テュルキスという名の修道士と。
ここにいる俺は、違うものである、と。
……そう、思っといてもらえれば、それでいい。
[小声で返したのは、こんな言葉]
[ゼルギウスに背を擦ってもらったりしながら、しばらく、荒い息のままで座り込んでいたが、やがて、大きく深呼吸すると額に溢れる汗をぬぐって立ち上がった]
……ふう。
やれやれ。年は取りたくないもんだねえ。
このようなことですぐに死にそうな目に合う。
さて、と。
[視線をエーファへと向けると、老婆は微笑みながらゆっくりと近づいた]
少しはマシになったかい、エーファちゃん?
―厨房―
[アーベルに分かったと声をかけ、厨房で紅茶を入れるため湯を沸かす。
買って知ったる何とやら。茶葉やら何やら取り出し、陶器の鍋にはミルクを入れて暖めておいた。
コップをいくつか取り出し、ミルク用の中には、黒砂糖の欠片を入れておく。]
了解。
[ライヒアルトへにそう返して、それ以上は特にそのことに関しては何も言わず]
確か厨房はこっちだったか?
[道をいき、厨房につくとナターリエの姿が見えて]
ナタリー、水差しとグラス。
あと平たいボウルとかないか?
[提案しても尚も拒否をするエーファ]
[小さく溜息を漏らして薬を一旦薬箱に戻す]
……分かった。
けどしばらく傍につかせてもらうよ。
本当に熱が下がるか分からないし、何より君の症状は熱だけじゃない。
それを放っておけるほど白状じゃないんでね。
[良いかい?と目だけを覗かせるエーファと視線を合わせて訊ねた]
[言葉をつがれなければ、それ以上は語る必要は自身にもなく。
厨房への道を問われたなら先に立って進み]
……それじゃ、俺は薪を取ってくるから。
そちらは、任せた。
[ナターリエに声をかける様子を見つつ、厨房の勝手口から、外へ。
目指すのは、裏の薪小屋]
ちょっと無茶振り気味ですみませんでしたライヒアルトさん。
よく間違えてラインヒルトって打って訂正してますすみませんライヒアルトさん。
婆ちゃんあんま無理すんなよ。
[立ち上がるヨハナにそう声をかけて]
[エーファの傍に近寄るのを見ると、机のあるところから椅子を運んでくる]
婆ちゃん、これに座りなよ。
[そう行って椅子をエーファが横になる寝台の傍へ]
[エーファが頷くのを見ると、老婆は大きく微笑んだ]
そうかい。
それは良かった。
[そして、隣でゼルギアスがそばにいることを耳にすると]
良かったらばばもそばにいてもいいかい?
どうせ、老人があの場にいても窮屈ですからねえ。ほっほっほ。
………ごめん、なさい………
[薬師の言葉に目を伏せて、小さく囁くと、ほう、と息をついた。熱はまだ下がっていないが、少し様子は落ち着いている]
[イスを勧められると]
おや。ありがとうよ。
どっこいせ、と。
[と、素直にイスに座り込んだ]
ほっほっほ。
こういうときは、無茶とか何も考えずにやってしまうものでねえ。
―厨房―
[ミルクに泡が立ち始めた頃、マテウスとライヒアルトの姿が視界に入り顔を上げる。
マテウスからの注文に軽く頷いて。]
あの子用か。少し待ってろ。
[ライヒアルトが外に出るのを見送ると、戸棚をあけ、桶に近いボウルを出すとマテウスに渡す。]
水は…汲み置きのものでいいならそこのものを。
冷たいものが必要なら、外を出てすぐある井戸からで。
それから、水差しとグラスはこっちだ。
盆に置いておくが…一人で運べるか?
[手が足りないなら手伝うがと告げながら、一旦火を止めた。]
[エーファの不思議そうな声を聞くと、笑みを絶やさぬまま、老婆は語った]
まあ。
ばばのは、単なるお節介ってやつですよ。
どうも、孫みたいな子を見かけるとほおっておけなくてねえ。
[それは、エーファどころか、隣にいるゼルギウスや、マテウス、イヴァンなどのほとんどの人物に該当するのだが]
ん、婆ちゃんも居た方がこの子安心するかもな。
何か俺警戒されてるみたいだし。
[ヨハナの申し出には快く頷く]
[表情は苦笑が浮かんでいた]
[謝罪し、疑問を口にするエーファに気付くと]
どうして、って。
俺は薬師だから病人放っておけないよ。
何のために薬調合してるんだって話になっちまう。
あ、そうそう。
俺ゼルギウスってんだ。
薬扱ってるって思ってくれれば良いよ。
だからって婆ちゃんが怪我したり倒れたりしたらどうすんのさ。
身体労わってくれよ。
[パワフルだなぁ、と思ったが、口には出さないでおいた]
……しかし、毎年の事だが。
よく、降る。
[外に出て、ぽつりと零れたのは小さな呟き]
それにしても……この状況は。
嫌なものを、思い出させるな。
[白く染まる息と共に零れた呟きを聞くものはいない。
重い静寂の中、積もった白を踏んで薪小屋へと向かう]
……違うと思いたい、のは。
希望的観測に過ぎる、な。
[そんな呟きを漏らしながら薪小屋の戸を開け、中に積まれている束を一つ引き出す]
俺がいったら邪魔にすらされそ。
あ、もらえるなら紅茶がいいです。
[ナターリエの言葉に軽口で応じて。
頼む時だけは少しばかり丁寧に]
やるとしたら、部屋か外でだろうね。
ここに残すと怒られもしそうだし。
[アーベルの仕草を見て、軽く頷いたりもした]
わかった、そっちはまかせた。
[ライヒアルトとそこで別れて]
ありがとな。
じゃあ、ちょっと井戸の水汲んでくる。
運ぶのはお盆があればなんとかなるだろ。
[用意していた飲み物を示しながら]
ナタリーはそれもっていかなきゃいけないだろう?
[じゃあちょっといってくると井戸に水を汲みにいった]
さて、そろそろ、最終チェックか。
最初は、表ではああいいながら、鬼畜に狂おうかと想っていたが、さすがにここからの方向転換はきつそうだ。
どうしよっかなぁ……。
………でも、ちがう、よ………
[それは、ヨハナに対してかゼルギウスに対してか、それまで以上に掠れた小さな声は、二人の耳に届いたかも定かではない]
[エーリッヒに荷物を運んでもらい、礼を述べて暫く。
寝台に腰掛けた姿勢のまま、嘆息を吐いた]
…そろそろ、話し始まったりしないかな。
なんか賑やかだし。
[軋む扉を開け、階下へと向かう]
……増えた。
…増えた?
[翠玉は瞬き、広間に居る人々を眺める]
まったく、困ったものだ。
[指二本を口に][煙草を吸うような仕草]
…おや。
貴女も、でしたか。
[調理師の声]
[苦笑混じりに]
[パタンと、開けたままだった薬箱の蓋を閉めたのはエーファの小さな声と同時だったか]
[その音にかき消されゼルギウスに少女の声は届かない]
[仮に届いたとして、何に対して違うと言うのか疑問に持てど]
[少女を無理させるような問い詰めはしなかったことだろう]
とにかく、エーファ、だっけか。
君はあったかくして休むこと。
薬も飲まずとなれば、休息が一番……って。
もう寝てるし。
[視線をエーファに戻せば瞳を瞑っているのが見えて]
[小さく苦笑を漏らしてから一度部屋の隅へと]
[先程ライヒアルトが置いて行った追加のタオルと毛布を手に取り]
[眠るエーファに静かにかけてやった]
ほっほっほ。
出来る限りは、無理しないようしておきますよ。
[ゼルギウスの言葉に、笑いながら返す。
あまり、ちゃんと守ろうという気は無さそうだ。
そして、エーファが眠る姿を見て、言葉を漏らす]
……おや。
眠っちゃったかねえ。
ふふ。
子供の寝顔はいつ見ても天使のようさね。
[言葉は耳に届かずに]
[しばし、雪の中に立ち尽くして黒の上に白を散らし]
Der Weg, durch den der Wind bläst.
Nur die eine Person, die fortschreitet.
Ich ziele in Suche danach auf den Punkt was.
[小さく紡ぐのは、作りかけの詩の一節。
それから、薪の束を抱えて、中へと戻ってゆく]
ああ、増えた、な。
それも一気に。
[ゲルダの声に振り返り、コクリと頷く]
調子の悪い子らまで放り込みやがって。
今それもあって何人かは部屋の方にも行ってる。
なーんか何かが起きたらまたやりそうなんだけど?
[ヨハナの返答に軽い口調で返す]
にしても。
熱出して咳して喉嗄らして。
結構苦しいだろうに薬飲みたくないなんて。
苦いのが嫌だってわけでも無いみたいだし、どうしたもんかなぁ。
[眠るエーファに視線を向けて、大きな溜息を漏らした]
―厨房―
そう、なんだが。
…そうだな。ならそっちは任せっぱなしにしておく。
また何か手が必要なら言ってくれ。一階にいるから。
[マテウスにそう告げ、物だけ用意し置いておくと、自分は湯をポットにいれ、いくつかのコップにはミルクを入れ黒砂糖を溶かし甘くした物を用意し、広間へと戻った。]
―→広間―
遅くなってすまない。紅茶とミルクを用意し―――
[と戻ると丁度、ゲルダと鉢合わせ。]
…………げ、ルダ?
何でゲルダまで?
[まさか彼女が来ているとは流石に思っていなかったらしく。
うっかり持っていたものを落としかけ、全滅しそうになったとか。]
よし。いいや。
狂信者のままでGOだ。
まとめサイトを見ると、このままでもいけそうだし。
狂えるかな〜♪
ワクワクq(。・ω・q)(p・ω・。)pドキドキ
[井戸の水を汲んだボウルというかもはや桶を手に盆にのせて、
用意してもらったグラスと水差しには汲み置いてあった水をいれて、
ゼルギウス達の待つ部屋へ]
もってきたぞ。
[おけをエーファの寝るベッドの横の机におきグラスのひとつに水を注いでヨハナに渡し]
はい、ヨハナさん。
今度からああいう力仕事は俺らにでもまかせてくれよ。
これこれ。
あまり人を疑うものではありませんよ。
[にっこりと笑って、受け流した]
さて。
ばばには、この子の胸のうちは分かりませんが、人それぞれ事情というものがあるんでしょう。
それが、どんなに小さな子でも。
大人は、それを無理に聞き出すのではなく、それを受け入れて包み込み、いつか自分から話してくれるのを待つだけですよ。
[母性に満ちた笑みを、老婆は顔中に浮かべた]
本当に何考えてるんだよ。
大じい達も。
[自衛団長を思い浮かべ、幼い頃の呼び方で零す。
ずっと使っていなかったものになったのは、最前の空気に未練があったからか]
ナタリー、手元!
[咄嗟に声を掛けて。
手を伸ばせる範囲に居なかったのは、多分逆に幸いなこと]
おお。すまないねえ。
[マテウスから水を受け取ると、小さく一口飲み込む]
ほっほっほ。
そのような考えを失念してしまいましてね。つい。
[つい、で済ませられるのだから元気な老婆である]
はい、そのようです。
災難ですね。
[抑揚に乏しい声が、講師補佐たる青年へ声を返す。
以前から村に居た訳でもない相手。
口調は常より堅いものに]
他にもまだ?
子供まで容疑者扱いなんて、…いっそ夢みたいね。
間違いなく、悪夢だけど。
[エーリッヒに向かい、少し疲れたように嘆息を。
それでも表情はあまり変じないままだったが]
お、さんきゅ。
[頼んだものを運んできたマテウスに気付き視線を向けて]
[置かれた水の入った桶にタオルを浸し]
[しっかり絞ってからエーファの額に濡れタオルを乗せた]
うひー、つめてっ。
手、ひりひりするわ。
[水に浸した手を擦り合わせて息を吐きかける]
[井戸の水は相当冷たかった模様]
は、婆ちゃんには敵わんな。
[受け流されたことと、エーファに対しての接し方]
[その両方にそんな言葉を返して]
事情、ねぇ…。
とりあえずは悪化しないように傍で見てやるしか無いか。
[そう言って再びエーファを見て]
[マテウスの問いに視線を向けて頷いた]
そ。
何を言っても要らないの一点張り。
苦くないのを用意するっても断られたよ。
[やや遅れて戻った厨房には、人の姿はなく。
そこは通り過ぎ、二階へと薪を運んで暖炉に火を入れた]
さて。
病人のいる部屋にぞろぞろといても、仕方ないな。
俺は下にいるから、何かあったら、呼んでくれ。
[場にいる者たちに、そう、声をかけ、廊下へ出る。
そのまま、何気なく窓辺に寄って]
……ん?
[はらはらと零れる、白の向こう。
こちらへとやって来る人影らしきものに、一つ、瞬いた]
あんな子になんて乱暴な…。
[わたしは事情は分からないけれど、ここの自警団の人たちは好きになれないな、と思った。]
[聞き覚えのある響きの声。
それも、よく知った親しい相手の。
微かに睫毛が揺れたのは、判りにくくも驚きの表情]
ナターリエ。
貴女まで。
…容疑者とは、違う、とか。
[信じたくないのか、可能性の提示を]
ん、さんきゅ。
症状が悪化しない限りは大丈夫。
だと思う。
[暖炉に火を入れてくれたライヒアルトに礼を言い]
[簡単に返答してその後姿を見送る]
ええ。
てっきり、僕みたいなのばかりかと思ってたんですが。
[硬さを気にする素振りはなく]
[余所者][苦笑いと共に口にする]
…ッて、
[声に振り返る]
[何とか持ち直した様子][息を吐く]
/*
正直 ベアタのところにも 行きたい
折角縁故希望したのに関われないのはかなすぃ。
これからの縁故、って形ではあると思う、が。
さて問題は役職がどうなるかww
家族重ねてる二人は護るように動きたいところ。
役職が何であれ、ね。
ついねぇ…。
[苦笑をもらして]
まぁ、それもこれもヨハナさんがエーファを心配する気持ちゆえかね?
[エーファの寝顔を見てから]
大丈夫か?ゼルギウス?
井戸から汲み立ての水だからな。
……やれ、やれ。
これはようやく、「事情のご説明」か?
[近づいてくるのが、自衛団長である事を見て取り、小さく呟く]
とは、言うものの……。
[語られるであろう言葉。
それには、予測もついていて。
暗い翠に、翳りを落としつつ、広間へと向かう]
[ゼルギウスの言葉に、一度大きく頷いた]
ええ。
子供が何をしても、すぐに補佐できるように、いつでも目を向けておくのもまた、大人の役目ですからね。
ナターリエに、ウェンデルに、イヴァンに。
戻ってきたマテウス。ヨハナ婆。
療養中だってのに、のベアトリーチェ。
それから…
[先ほど置かれていった身上書を軽く覗き込んで]
エーファって女の子。
熱があるって上でゼルギウス達が診てる。
で、ライにアーベルに、俺。
ゲルダも含めれば総勢12名。
[自分でも確かめるように、集められた人々を挙げる]
うひー、そりゃ冷たいわけだ。
暖炉に火が入ったからあっためとけば多分大丈夫。
凍傷までは行って無いし。
[訊ねて来るマテウスには平気だと笑みを向けて]
[大人の役目、と言うヨハナには]
そっか、そう言うもんなんだなぁ。
あ。
もし夜中俺寝ちまったら後頼んます。
[起きてる自信は無いらしい]
ありがとうよ。
ライアヒルト君。
[やはり、名前は間違えて覚えたままで。
マテウスの言葉には、やや困った顔を浮かべて]
エーファちゃんもそうだけど、療養でこちらに来ているベアトリーチェちゃんも、そのような傷を負って帰ってきたお前も、他のみんなも、全て私は心配していますよ。
みんな子供のように思える私からは、みんな私よりも先に死んでほしくは無いと願っているのですからね。
え、っつ、きゃ!
[エーリッヒの声に、慌てて短い悲鳴をあげて慌てて持ち直した。
一つ二つ空のコップが割れたり、ミルクが零れたり悲惨な目にあっていたが、被害は盆の中だけで済んだのは幸い。]
うぅ…割った。
[ちょっと情けない声でしょげた。]
─一階・広間─
……なんか、あったか?
[戻った広間には、妙に緊迫したような、違うような空気。
それにこんな呟きを漏らしつつ、暖炉の側に寄る]
ああ、そう言えば。
そろそろ、団長殿がこられるようだぞ。
[火の具合を確かめつつ、先に二階の窓から見えたもののことを、端的に告げた]
そうか、
薬でダメなら食べ物とかに混ぜられるようなのとかどうだ?
さすがにご飯までいらないってことはないだろうしな。
[部屋をでていくライヒアルトにならい]
さて、おれも出て行くかな。
警戒してるようすだったしな、あんな対応されれば無理はないが。
あまり人がいても快くないだろう。
病は気からっていうしな。
それに…
[一瞬、ヨハナに視線をめぐらせてから]
見た目に怖そうな人がいると落ち着かないだろうしな。
[そうつげてライヒアルトがでてしばらくして部屋を跡にした]
多少強引かもしれないけれど。
きっと全く理由の無い人まで集めてはいないのだと思います。
村人であれ、他所者であれ…きっと。
[無意識に口に出たのは、平等であるようで、村人である自衛団を庇う言葉]
[はぁと一度溜息をついた後、ゲルダの声にゆっくりと首を振って応えた。]
残念ながら、私も容疑者だ。
あの小屋に一人で住んで居るからな…アリバイも何も。
[ないからなと少し、苦笑して返した。]
[ゼルギウスの言葉に、笑みを浮かべたまま頷き]
ええ。分かりましたよ。
でも、なるべく無理しないうちに寝室へ入ってお休みなさいね?
私は、年寄りなので、睡眠時間は短くて済むのですから。
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