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呼び寄せたのは果たして何か。
その意を誰一人知る由もないまま、人々は集い始める。
1人目、自衛団長 ギュンター がやってきました。
自衛団長 ギュンターは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
召集をかけたものの、まだ集まってはおらぬか……。
とはいえ、どこまで真実かもわからぬ噂、焦る事もなかろうて。 全員集まるまで、ゆっくり待つとするかの。
──花の都と呼ばれる常春の街『イキシア』。
街は年に数度行われる『花祭』でいつになく賑わっていた。
華やかな賑わいのその一方、街では謎の連続失踪事件が発生しており。
街の自衛団は、祭に陰を落とす事件の解決のために全力を挙げていた。
自衛団の調べによれば、どうやら失踪事件で行方不明となった者は、誰かに連れ去られているらしい。
そして、裏通りで失踪した者の姿を見かけた──という噂も、ひっそりと流れていた。
華やかな表通りとは裏腹、色々と薄暗い裏通りを抱えるイキシアの街。
自衛団長ギュンターは、街の平和を守るため、その暗部へ踏み込む事を以前から主張してはいるのだが──。
☆舞台設定
『花の都』と呼ばれる街イキシア。
街の名となっているイキシアの花をはじめ、様々な花が咲き乱れる常春の街です。
主な産業は、花の栽培と観光業。年に数回行われる『花祭』は他国にも名高い大規模な祭です。
そんな平和な街ですが、一、二年前から謎の失踪事件が多発しており、住人の間には不安が広がっています。
また、華やかで明るい表通りから外れたなら、そこは下街、裏通り。
観光客には知らされぬ街の暗部。様々な闇の稼業が罷り通る裏の世界が存在しています。
なお、街は領主を中心とした議会によって運営されています。
施設などは、言った者勝ち早い者勝ちでどうぞ。一応、街の中央には祭のメイン舞台となる広場と魔法仕掛けの噴水があります。
また、街の中にはいたる所に花壇が作られ、各家の窓辺には鉢植えやプランターが積極的に置かれています。
☆世界観的なあれこれ
中世風ライトFT系。魔法などもそれなりに普及しています。
機械文明は余り発達していないので、電気やガス、水道の概念はありません。
長距離の移動手段は徒歩や馬、馬車が基本。
外洋航海の技術はそれなりに発達。ガラス製品もそこそこ普及しています。
☆役職設定
・狼側
【智狼】
誘拐の実行犯。密かに人身売買を行う商人の配下ないし、雇用契約を結んでいる者。
独自の方法で連絡を取り合える。
※囁き狂人との関係性の設定はご自由に。展開としてあり、と思われるなら狂人襲撃も全く問題ありません。
【囁き狂人】
街の有力者ないし、それに近い立場の者。不正を行う商人と通じている。
※事件の黒幕として悪の王道を突き進むのも、単なる汚職役人で留まるも、引いた方の自由にしていただいてOKですが、智狼組に協力しているのは自分の意思と目的あっての事、と設定するのを推奨いたします(強制ではないので、弾かれとかの場合は柔軟に設定対応してくださいませ)。
・村側
【占い師】
事情通か探偵か、はたまた魔法の使い手か。実行犯が誰かを突き止められる。
しかし、街の有力者の実態には迫れないらしい。
【霊能者】
占い師同様、何らかの手段でもって、連行された者が実行犯かどうかを突き止められる。
【守護者】
現場を押さえられたなら、誘拐を阻止する事が可能。しかし、不意をつかれたりすると呆気なく誘拐される。
・妖側
【妖狐】
過去に一度誘拐されるものの、どうにか逃げ出した者。
手口はわかっているので誘拐はかわせるが、身元を調査されると居辛くなるのか逃げ出そうとして、結局また捕まってしまうらしい。
☆吊り・襲撃・墓下
【吊り・襲撃共にPL視点≧PC視点を基準に。展開重視にて】
【委任は禁止ではありませんが、安易なものは避けましょう】
・吊り
失踪事件の被疑者連行。しかし、黒幕が街の上層部であるため正規の拘置はされず、誘拐された者たちと同じ場所に連れて行かれるらしい。
・襲撃
誘拐の実行。対象がいなくなるので、白での描写は基本的にはナシ。
朝になったら、いなくなった、という噂が広まる程度。
狼COして白で描写するのはOK。状況に応じて。
・墓下
誘拐された者たちを一時的に集める収容所。被疑者として連行された者も、ここに放り込まれる。
何故か、街の様子をチェックできる魔法の水盤が置かれている。
衣食は保障されている様子。
☆進行関係
基本的に、時間軸はリアル平行で考えています。
1日目と2日目は、流れに応じて48=1日にするのもありですが、流れが停滞しそうならさくさくざくざく時間を進めて構いません。
・プロローグ
祭前の街。観光客が訪れ、街は賑わいを見せている。
入村後、以下のアンケをメモに貼っておいてください。なお、縁故結びはプロの間に御自由にどうぞ。
ギュンターとの縁故に、制限はありません。早い者勝ちで結んでください。
■名前:(綴りがあると泣いて喜びます)
■年齢:
■職業:
■経歴:
※他、PL視点での補足など
■希望縁故:
・1日目
48時間進行。
前半
プロから引き続いて、祭前の日常。旅人が一人行方不明になった、という噂が流れ、不安が広がる。
後半
旅人の行方不明事件を追っていた自衛団長が、何かを掴む。
各人、適当に捕まえて、話聞いてください。
※天声やダミー機動で場を動かすつもりはないので、それぞれの自然な立ち位置から情報ゲットに行ってください。
勿論、自発的に聞かないのもアリ。
・2日目
48時間進行。
自衛団長が行方不明に。
誘拐事件関係については、適当に書置きとか捏造して、情報回してください。
団長が戻らなければ祭は中止になるかも知れない、という噂がどこからか流れます(真偽は不明です)。
・3日目以降
24コミット進行。アンカーはサマリー順持ち回りにて。
被疑者連行と誘拐事件の発生。
それぞれの目的完遂のために行動開始。
・エピローグ
生存者によるエンド。
エンドロール後、フリートークに突入。
……ひらりはらりと舞い散る花弁。
風は、それと共に芳香を運んでゆく。
祭へと向け、盛り上がっていくイキシアの街。
果たして、祭は無事に開かれるのか、それとも──?
2人目、楽師見習い アーベル がやってきました。
楽師見習い アーベルは、守護者 を希望しました(他の人には見えません)。
[飛び出したのは、三階の窓。とはいえ、ここから飛び出すのは慣れたもの。
広がる青い屋根に身軽に飛び降り、指笛を高く鳴らすと、そのまま絶妙のバランスを保って走っていく。
後ろから呼び止める声は聞かずに。ひょい、と家と家の境目を跳び越して、更に、先へ。
先の指笛が呼んだのか、どこからともなく飛んできた小型の隼が並走するように、同じ方向へと翔んだ。
青い空、吹き抜ける風、舞い散る色彩鮮やかな花弁。
祭り前の高揚感とも相まって、それは、じっとしている事を良しとはさせず]
こんな時に、譜面と睨めっこなんてしてらんないってーの!
[楽しげな口調のまま、広場に面した家の屋根の上まで走り、ひょい、と腰を下ろす。
日当たりのよい屋根の上、蒼の髪を撫でる風に僅か目を細め、取り出すのは銀色のハーモニカ。
祭りの準備で賑わう様子を眼下に見下ろしつつ、紡ぎ出すのは*気ままな旋律*]
/*
と、いうわけで。
去年の6月に思いついてから地味に企画準備してまいりました百花繚乱、村建てでございます。
時期的にどうなるか、ほんとに読めんのですが、最後までお付き合いいただければ幸い。
……それはそれとして。
普通にあべくん使うの凄く久しぶりなんだけど、久しぶり、という感じがしないのは。
やはり、Silberne Flugelの影響……なんだろうか。
3人目、修道士 ライヒアルト がやってきました。
修道士 ライヒアルトは、智狼 を希望しました(他の人には見えません)。
[薄暗い部屋にカリカリと小さな音が響いていた。
音に従い、白い紙面に几帳面な文字が踊る。
ふと、その動きが止まる]
ああ。
随分とまた、祭らしくなって来たものだ。
[声の主の視線は書きかけの手紙から、大通りに面した窓の外へと向けられていた。
やや釣り気味の眼に映り込む、花々で彩られた外の景色に、彼は楽しげに微笑んだ]
あれは…
ははっ、またか。
[そんな中で屋根伝いに駆けて行く若い男の姿もまた、彼にとっては見慣れたもの。
小さく笑い、再び紙面に眼を落とす。
やがて程無く書き上がったそれはこれまた丁寧に折り畳まれ、封筒に収められる。
その角を摘むように持ち上げ、鼻歌と共に彼はその部屋を*後にした*]
4人目、ジャーナリスト ヴィリー がやってきました。
ジャーナリスト ヴィリーは、霊能者 を希望しました(他の人には見えません)。
……似合わねぇんだけどなぁ、こう言う場所は。
[手巻きタバコを口に咥え、両手をジーンズのポケットに突っこんだままぽつりと呟く]
[男の残された隻眼はゆるりとした動きで街並みを捉えていった]
[花祭で賑わうその街に男の風貌──よれたシャツに洗い晒したジーンズを身に纏い、右眼に大きく縦に入った傷を持つ──は似合わない]
[周囲からは浮いた存在のように見えることだろう]
ま、話のタネと思えば良いか。
…面白そうなネタもあることだしな。
[ジーンズのポケットから右手を抜き取り、咥えていた手巻きタバコを指先で掴む]
[手巻きタバコが離れた口から、ゆらりと紫煙が吐き出された]
[再び手巻きタバコを咥えると右手をジーンズのポケットへと捻じ込み]
[道の隅をゆるりとしたペースで歩いて行った]
[不意に太陽が影を差した]
[ゆるりとした動作で見上げると、そこには屋根の上を駆けていく一つ、いや、一人と一羽の影]
……へぇ、こんな場所でもあんな奴が居るんだな。
[僅かばかり興味が湧いたのか、手巻きタバコを咥えたまま口端を釣り上げた]
[しばし駆けて行くのを眺めてから、駆け去った方向へと歩みを進める]
[何かしでかしてくれるんじゃないかと言う、淡い期待を*込めて*]
/*
と言う訳で。
散々参加するか悩むとか言ってた俺様参上。
霊能者が空いてると聞いてがっつり組みましたよ、と。
もちろん弾かれてもどうにでもなる。
役職希望確認おーけー。
そんじゃあしばらくよろしく頼むぜ。
5人目、煙突掃除人 カヤ がやってきました。
煙突掃除人 カヤは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
―或る屋根の上―
え っちょ
[煙突から顔を出した、直後の事件。
どうやら屋根の上を誰かが駆け抜けて行ったらしく
驚いて飛び立った鳩が煙突掃除人の頭を直撃したのだ。]
わーーーーーっ!!
[軽く小さな体は煙突から出た所で危ういバランスを崩されて、
ころころと屋根の上を転がり落ちた。
向かいの窓から見ていた太った女将が、目を手で覆う。]
[音は、想像よりずっと鈍かった。
「花祭」と書かれた大きな布が丁度下にピンと張られており、
煙突掃除人はそこに、無事着地した。
ぼよん、と一度弾んだ後、
今度こそどさっと音を立てて地面に落ちた。]
った〜〜――――っ
[大きな布は書かれたペンキを乾かすために張られていたようで
煙突掃除人は文字のまま真黄色のペンキがべったり。
ついでに、落ちた先が花を敷き詰めた大きな籠の中だったから、
まるで半身動く花人形。
たんこぶにまで花がくっ付いているのを見て、
周りの大人は驚いた顔から大爆笑の渦。]
っくそっ 誰だぁ!!
[顔に血を上らせて真赤にして、肩を怒らせた煙突掃除人は
べたべたになった侭、自分が落ちてきた屋根を見上げる。
駆け抜けた人物は知ってか知らずかもうおらず、
煙突掃除人の大きな声と野次馬たちの笑い声が、平和に響いた*]
6人目、人形師 ゲルダ がやってきました。
人形師 ゲルダは、智狼 を希望しました(他の人には見えません)。
[薄暗い部屋。その中央に備え付けられたテーブルに置かれたランプのぼぅとした灯りのみが今この部屋を照らす唯一の光
その灯りの下、安楽椅子に腰掛け、この部屋の主であるゲルダは黙々と手を動かす
凄い集中力で絶え間なく手を動かしていたが、パチンという音とともに、ふぅと深く息を吐いて、椅子に凭れ掛かる]
…………よし、これで完成、と
[満足そうにそう呟いた彼女の手で掲げられているのは一体の人形
レースが緻密に縫い込まれた衣装を身に纏い、その表情は穏やかな笑みを浮かべている
よく見てみれば、ランプの光の届く範囲でも指の数を優に超えるほどの人形が鎮座し、そのどれもが優美な衣装で着飾っている]
なんとかお祭りには間に合ったわ
[解れが無いか等といった最終チェックを済ませ、ことりと人形を置くと、ピッとまるで指揮者が指揮棒を振るうように指を振る
────するとどうだろうか
床に、棚に、テーブルに鎮座していた人形たちが一斉に動き出す
メイド服を着た人形たちは忙しなく部屋の中を走り回り、燕尾服とドレスを着た人形たちは、手を取り合ってダンスを踊る
それはさながら、お城で開かれるパーティーのよう]
[その中心、指先のタクトを振るうゲルダの指に填められた指輪
そこからはランプの光を反射して時折キラキラと光る極々細い糸が無数に伸びている
それは人形たちに繋がり、彼らの手足を自在に操っている
これが彼女の生業──『人形幻樂団』]
[そうして人形を巧みに操っていたゲルダだが、最後にスッと手を翻すと、無数に伸びていた糸は消え、人形たちは元の場所で動きを止める]
ん、上々
これなら、お祭りでも御捻りに期待が出k(ぐ〜きゅるきゅるきゅる
……………そう言えば、ご飯食べてなかった
しかも、気にしたら一気に来た…………いたたたたた
[そう呟いて腹を押さえながらピッと指を振ると、テーブルの上に置かれた一回り大きい人形──彼女が「アーニャ」と呼び、とりわけ可愛がっているうちの一体である──がぴょんと彼女の肩に飛び乗る]
うー、ごはんごはん
[そう呟きながら、部屋を後にする
部屋に残された人形たちは、彼女が出て行った扉を硝子の瞳で見つめているので*あった*]
/*
い。
一段落するまでまっとったが、長かったなあ……(汗。
[つか、待つなよ。
いや、他にも色々とやる事あったからさ!]
─広場近くの屋根の上─
[駆け抜けた後に起きた騒動やら何やらは知らぬ様子で、澄んだ音色を響かせる。
蒼の髪の上にふわり、風が運んだ花弁が一片舞い落ちた]
……んー、ほんと、いい天気にいい陽気。
この調子で、祭りの間中ずっと晴れてればいいんだけどなぁ。
[一頻り、音色を紡ぎ終えると銀を唇から離し。
空を見上げつつ、呑気な呟きを落とす]
― →広場付近―
[街の一角で起こった笑い声。
それを遠く耳にしながら、白い封筒を片手に目的地へと歩いて行く。
この時代、手紙を投函する以外の手段もあるのだろうが、彼にとっては習慣のようなものだった。
そうして広場に差し掛かる頃、その耳に音色が届く]
やあ。
また抜け出したのかい?
[屋根の上に寝そべる影を見て、彼は眼を細めた。
音が途切れるのを待ち、声を掛ける]
─広場─
[影を追い通路を歩く]
[至る所に作られた花壇、家々の窓辺に置かれた花咲くプランター]
[花祭の賑わいは街全体に及んでいる]
……んな場所よりも、街外れの方が性に合ってそうだなぁ。
[紫煙をくゆらせながらぽつりと呟く]
[隻眸の先に魔法仕掛けの噴水が見えて来て]
[花祭の舞台となる広場が目の前に広がった]
[隻眸は平和な風景をその瞳に映す]
……なんでぇ、特に何にも起きてねぇじゃねぇか。
日常茶飯事なのかね。
[屋根の上を走り回る人物が騒ぎを起こしているかと期待したのだが]
[特に何も無く時が流れていることに軽く舌打ちをした]
……っと。
[呼びかける声に、一つ、瞬き。
ひょい、と身を起こして下を覗き込む]
あ、やっほー。
ん、どうせ俺は祭りの演奏に加われないし。
なら、外でのんびりした方がいいじゃない?
[加われないのは、未だに『見習い』の三文字が取れない──取ろうとしないから、なのだが。
そんな事は気にした様子もなく、軽い口調で問いに答える]
『加われない』ね…
そう思うなら、きちんと稽古を積むことをお勧めするけどね。ぼくは。
[そうは言いながらも、長々と説教を垂れる気はなかった。
話の合間にも降って来る花弁に片手を伸ばし、掌で受け止める]
まあ、折角の花祭。
楽しんだ者勝ちであることは確かだ。
だって、他に上手いのいっぱいいるし。
俺が無理に頑張らなくてもさ?
[問題ないじゃん、と事も無げに言って、笑う。
『他に上手いの』が、青年の身内の事を示すのは親しい者の間では周知の事]
そーそ、せっかくのお祭りなんだし、目いっぱい楽しまないと、ねっ!
[意を得たり、と言わんばかりの楽しげな笑みを浮かべ。
ひょい、と立ち上がると、下に降りるべく軽く、跳んだ]
……ととっ!?
[いつもの調子で跳んだはず、だったのだが。
屋根が濡れてでもいたのか、跳び際、軽く滑った足は体勢を崩させて]
っと、わっ……。
んなろっ!
[空中回転、強引な姿勢制御の後]
……いよっ、と!
[石畳に片手をつき、そこを基点に一回転する事で、どうにか着地を決められた]
[広場の隅にあるベンチにどかりと座り]
[短くなった手巻きタバコを指で摘むと、手の中で跡形もなく燃やし尽くす]
[胸ポケットからセルロースペーパーとスタッドオートマールスムの葉を出すと、補助器具を使ってくるりと新たな手巻きタバコを作り上げた]
[再び手巻きタバコを口に咥え、指を鳴らしその先に火を灯す]
[ひらり舞い落ちた花弁が、巻き添えを食って空中で燃え尽きた]
随分と平和なこって。
にしても何を思って呼び出しやがったんだか…。
まさか祭りの取材してくれ、なんざ言い始めるんじゃねぇだろな。
[態度でかくベンチに座り足を組み、周囲を見回しながら眉根を寄せる]
[周囲に苦みの強い紅茶のような薫りが漂った]
/*
手巻きタバコ作成の補助器具はローリングマシーンと呼ばれるらしい。
しかしマシーン言われると何か機械仕掛けっぽいイメージになるんで言い換え。
ちなみにスタッドオートマールスムは、「喫味はとにかくずっしりと重く、どこまでも濃い。辛さを通り越して、舌に軽い痺れを感じることさえある。薫味は紅茶か日本茶。日本茶に近いということから、渋みが強いと思われる」らしい。
酷いヘビースモーカーですね(色んな意味で)。
きみも充分上手いと思うよ。
[直後飛び降りてくる様子に眼を円く見開き、手の隙間から花弁が落ちる]
…おお。
いっそのこと、曲芸師でも目指したらいいんじゃないか。
[まさか途中でバランスを崩したとは思わなかったらしい。
のんびりと拍手などしながら、着地した青年を見た。
風で舞い上がった花が再びはらはらと落ちて来る]
[舞い落ちる花弁、それと共に降りてくる翼ある友を差し伸べた手に招いて止まらせる。
ふわり、と周囲を巡るのは、自然のものとしてはやや不自然な風]
んー、そーかなあ?
[上手い、という言葉には、軽く首を傾げ]
あっは……楽団追い出されたら、それもいいかもー。
[拍手とともに向けられた言葉に、屈託なく笑って見せた]
[ふ、と紫煙を吐いた直後]
[視界の隅に屋根から落ちる何かが見えた]
…あン?
[隻眸を細めその様子を見やると、落ちた影──人はバランスを崩していた割に無事着地]
[舞い落ちる花弁の中、空より降りるものに腕を伸ばしている]
…ああ、さっき屋根ん上走り回ってた奴か?
なぁアンタ、あいつぁ何もんだ?
[近くで祭りの準備をしていた者に声をかけ、その正体を探る]
[簡単な答えが返って来ると、短く礼を言って再び隻眸を降り立った青年へと]
楽団の『サボり魔』ね。
茶飯事なんだったら、大したネタにゃならんな。
[特ダネにはならないため、すっかり興味は失せたらしい]
7人目、店員 ベッティ がやってきました。
店員 ベッティは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 広場 ―
[広場の中心から少し外れた場所。茶色のシートが地面に敷かれ、その上に古ぼけた壷や剣、水晶玉やアクセサリーその他雑多な物が並べられている]
はいはーい。ねね、そこのいけてるオニイサン。ちょこーっと、見て行かない?
[澄んだ明るい声に足を止めた旅人風の男を見て、声の主は商売用の笑顔を作る]
ほら、これこれ、珍しいでしょう?遥か東の島国で掘り出された、二千八百年前の貴重な壷なんだよ。
どうよどうよ。ちょーっと重いかもしれないけど、持ち歩けば無病息災交通安全、おまけに金運アップ間違いなしだよー。今ならうーんとサービスするからさ、買ってってよ。どーんと三割引で、このくらいかなっ。
じゃあじゃあ、おまけにこの錆びたナイフもつけちゃうから。髭剃る時にも肌が切れない逸品だよ。あ、ねえ。ちょっとー。
……ちぇっ。けちんぼー!
[両手を上に上げ、去っていった男に捨て台詞。こちらを向いた男と目が合えばイーッと舌を出した]
素人の耳じゃあ、信用できないかな?
[風に揺れる髪を空いたほうの手で正しながら、降りて来る隼に眼を向ける]
…だからと言って、自ら追い出されるような真似は止めとくれよ。
ぼくの責任になりかねない。
[冗談めいた台詞を零しながら、彼の視線はふと広場の方向を向く。
先程の風の影響か、花のものでない匂いが届いてきた]
あは、そんなことないよー?
ライさんは教会の演奏にも接してるし、聴き分けとかできる人じゃない?
ま、そこらはアレ、俺の気分の問題、ってコトにしといてよ。
[くすくすと楽しげに笑いながら言って。
冗談めいた言葉には、わかってるわかってる、と頷いた]
……ん。
[そこでふと、こちらを見やる視線に気づいて。
瞬き、一つ]
[視界からサボり魔を外そうとして]
[彼と話をしていたらしい青年がこちらを向いた]
……元凶発見、てか。
[自分を呼び出した張本人を発見して呟き一つ]
[それと共に紫煙が宙へと消えて行った]
[組んでいた脚を戻し立ち上がり]
[両手をジーンズのポケットに突っ込んでそちらへと歩み寄る]
よぉ、元気そうだな。
[手巻きタバコを咥えたまま、お決まりの挨拶]
[周囲に渋みを感じる煙が漂った]
そうかな。
本職には敵わないさ。
[謙遜か本気か、態度からはやや後者よりとも取れるか。
その後の言葉には承知した、と頷き]
あれ。
[巡らせた視線の先に、街では『異質』な姿を見て、眼を瞬かせた。
但しそこに、所謂余所者に対する警戒心などは存在しない]
ヴィル!
来てくれたんだね。
[こちらに向かって来るのを見ればむしろ嬉しげに、自らが呼んだ旧知の友に手を振った]
[向けられていた視線の主らしき見知らぬ男。
こちらにやって来た彼とライヒアルトの親しげな様子に、ゆるく首を傾げるも束の間]
……ぅぇ。
[漂う煙に、露骨に嫌そうな声を上げて、一歩、二歩、後ずさり。
三歩目と同時、くるり、踵を返して場を離れ]
来いっつったのはてめぇだろうが。
[紫煙交じりの小さな嘆息]
[不機嫌さを隠しもせず振り撒いている]
[負の感情も隠さず表に出すのは青年の常ではあるのだが]
んで、古臭い手紙で呼び出した理由ってのは何なんだ?
[訝しげな表情を浮かべて友人を見つめる]
[ふと、視界の端で後退りする気配]
[横目で見やれば屋根を駆けて居たサボり魔が己の出現と同時に逃げの体勢]
[上げられた声に煙が原因と言うのが予測出来たか]
………はン、ガキにはきつかったかね。
[鼻で笑い、薄い笑みを浮かべた]
……っと。あれ? あそこにいんのは……。
[そのまま、花弁を舞わせる風を引き連れるよに移動した先。
目に入ったのは、茶色の髪。
腕から肩に移った隼と顔を見合わせた後、露天らしき空間へと足を向けて]
よ、祭りに合わせて出戻りか?
[呼びかける声は、ごく軽いもの]
─広場─
(もきゅもきゅ)ひとひごとひたあとのごはん、やっふぁおいひー
[紙袋に詰められたパンを幸せそうに歩き食いしながら、広場を通り過ぎようとすると、アーベルが逆方向に駆けて行く]
あれ? あれってたしか楽団のひとだよね
凄い勢いで走っていったけどどうしたんだろ?
[そう言って首を傾げる。頭の上のアーニャも同じように首傾げ
とそこで、ベンチの近くで見知らぬ男性と話すライヒアルトを発見]
って、あー。ライく〜ん。やっほ〜
[そう言ってブンブン手を振って走り寄る。アーニャも手をブンブン]
そこのお髭の似合うオジサマー。いい剣あるよ。かの英雄ブリンナーの使ってた剣のレプ……っと。
きょ、強度も持ち心地も保証するよ。これで今日からオジサマも英雄気分。あ、お願い。ちょっと触ってみるだけでもいいからさー。ぶー。
[頬を膨らませていると、優しい風が頬を撫でる。吹いて来た方向を見やると、視線に蒼の髪]
ひっさしぶりー!
ねね、いい壷あるんだけど、買わない?どうよどうよ、この形。
[挨拶もそこそこに、横に置いてあった壷を持ち上げてアピール]
古臭くなんかないさ。
心を伝えるのには手紙が一番だって、師も言ってたし。
[不機嫌そうな顔にも古い付き合いで慣れている為、動揺は無い。
代わりに少しズレた反論を返すのも、またいつものこと]
ああ、そのことなんだけど…
って、あれ?
[本題を切り出そうとして、思い出したかのように隣を見れば青年の姿はなく。
逃げて行く背中が見えて、首を傾げた。
友の言葉を聞いても尚理由に思い至らないのも、また慣れだろう]
[入れ違うように去って行く男をちら、と見やり。
それから、早速売り込んでくる様子に、くすり、と笑う]
おま、相っ変わらずだなぁ。
相手見て売り込む品物選ばなかったら、売れるワケないじゃん?
[からかうような言葉に同意するように、肩の隼もゆるく、翼を動かして]
[そんなことをしていれば、また別の方向から声が掛かる。
肩上の人形と共に手を振る知り合いに、軽く手を上げて応えた]
やあ。
仕事は順調かい?
[友人に向けて切り出しかけた話はそっちのけで、話し掛ける]
[友人に声をかける人形連れの女性には隻眸が一瞥をくれるだけで]
[ズレた反論をする友人にはそれ以上の追及はしない]
[したところで堂々巡りなのが分かっているため]
………で、なんだっつーんだ。
[途中で言葉を切り首を傾げる友人に少し語気を強くして訊ね直した]
あのガキならこれが気にくわなかったらしいぜ。
[親指で咥えている手巻きタバコを指し示す]
お師匠様にもよく言われるよ。でもそういうのって苦手なんだよね。あはははー。
アーベルは最近どう?演奏、ちょっとは上手くなった?
……って、この時期にぶらついてるってことは、相変わらずなのかな。
もう、練習サボってばっかじゃダメだよ。ね、ハル。
[彼の肩に乗る隼に同意を求めるように首を傾ける]
笑ってすますな、笑って。
苦手って、それじゃやってけないだろっての。
[笑う様子に、呆れた声。
続けられた問いには軽く、肩を竦めて]
別に、俺が頑張らなくても演奏会なんとでもなるし。
それに、祭りだってのに、練習室に籠もって稽古ばっかりしてたら、息が詰まるってーの。
[悪びれた様子もなく、さらりと言う。
同意を求められた隼は、それに答えるように羽ばたき一つ]
……お前はどっちの味方なんだよ、ハルフェ。
[手を振りながら、ライヒアルトとヴァリーのところへ]
やっほ〜。ライくん
あ〜、お仕事は〜……
[ライヒアルトの問いに、顎に指を当て少し思案]
んー、まあまあ、かな
あ、そうそう。新しい演目とそのための人形が出来たんだ
今度のお祭りでお披露目するから楽しみにしていてね
[そう言ってニコッ☆と満面の笑み]
ところで、この人ってライくんの知り合い?
あ、はじめまして〜
[そう言ってぺこりとお辞儀。アーニャもそれに倣う]
…ああ、そうだった。
[やや強い問いに、ぽむりと手を打った。
かと思えば急に真面目な顔をして、人差し指を立てる]
気になる文献があったんだ。
この一見平和な街で、数年前から起こってる連続失踪事件――
と、まあ。
君なら興味持つんじゃないかと思ってさ。
[芝居掛かった口調から一転、いつものような調子に戻り、言葉を続けた]
平気。そこは笑顔と愛嬌で全て乗り切るからっ!
[満面の笑顔]
またまた、相変わらずなんだから。
好きなんでしょ、演るの。
[羽ばたく隼に笑いを零すと、目の前の青年の髪の色に似た空を見上げる]
……ま、て。
それだけで乗り切れるんなら、客に逃げられるってないだろーが。
[満面の笑顔に、さっくりと突っ込み入れて]
……ま、キライじゃねぇけど、な。
[続いた言葉には、やや小さな声で返し。
ポケットから出した銀のハーモニカで、短く音色を紡ぐ。
風が、くるり。
楽しげに周囲を巡った]
[女性の挨拶には眼つきの悪い隻眸を再び向けて]
[声は出さずに首だけ動かして挨拶を返す]
連続失踪事件、ね。
[友人が口にした呼び出した理由に、呟きつつ右手で手巻きタバコを摘んだ]
噂では聞いてる。
が、現地に住むお前の口から出ると言うことは、可能性は高そうだな。
[ふ、と紫煙を空に向けて吐き出してから友人の言葉に返した]
[顔には楽しげな表情が浮かんでいる]
噂の確実性が増したことに関しては礼を言っとく。
んじゃあしばらくはここに留まるとするか。
なるほど。
初めてにはキツいかもね、確かに。
[示された煙草を見て、漸く納得したように返す。
それから、傍の少女に向き直った]
そうか。それは楽しみだ。
アーニャも出るのかい?
[少女か人形か、双方を見やりながら問いを向ける。
お辞儀をする彼女らを見て、微笑ましげに眼を細めつつ、片手で友人を示すようにした]
ああ、うん。
ぼくの古い友人でね。ヴィリーっていうんだ。
うっ……。
[胸を抉るような言葉。何かが刺さる音が聞こえたような気がした。頬を膨らませて]
もう。あたしのことより、アーベ……
[目の前で取り出された銀色に輝く小型の楽器に、続く言葉は奪われる]
[空間を支配する音色に息をするのも忘れ、静かに耳を傾けた]
[ヴィリーから返される首だけの会釈にもにっこりと微笑を返すが]
連続失踪事件って…………やっぱりあれって事実なのかな
誰かが居なくなった人を誘拐してるって
[そう呟いて、不安そうな顔をする]
どういたしまして。
[友人の思った通りの反応に笑みを浮かべた。
事件の深刻さを思えば、些か不謹慎でもあろうが]
そうだね、自警団長が色々調べているみたいだし、後で話を聞くといい。
ああそうだ、宿はどうする?
宿舎でよければ、泊まれるよう頼んでみるけど。
[だが、続くライヒアルトからの問いに、不安を振り払うように笑顔を見せる]
うん。楽しみにしていてね
「チナミニワタシモデルノゼ」
[と喋ったのはアーニャ
腹話術? さぁて、どうなんでしょうねぇ]
と、ヴィリーさんですか
私はゲルダっていいます。ライくんには教会で色々とお世話になってます
此方にはどれくらい居るのか知らないですけど、よろしくです(ぺこり
「チナミニワタシハあーにゃッテイウンダゼ」
[離した手巻きタバコを口へと戻して]
人が消えるのは自ら消息を絶つか誰かに連れ去られるしかねぇだろ。
不自然に連続してんだったら、後者の方が可能性は高い。
[手巻きタバコを咥えて尚、口元には笑みが浮かぶ]
[上ネタを手に入れたと、ジャーナリスト魂に火がついているのだろう]
[紡ぐ音色は昔から伝わる子守唄。
奏でる姿は、練習室でフルートを構える様子よりも楽しげなものだが、その差異を知る者はここにはなく。
一通り、奏で終えると、演奏に足を止めていた旅人や観光客に、形式に則った礼をしてみたり]
……ま、とにかく修行頑張れー?
あ、ヒマんなったらあれだ、回ってきたとこの話、なんか聞かせてくれなー。
[ごくごく軽い口調で言うと、とんっ、と軽く地を蹴る。
ふわり、と吹き抜けた風に持ち上げられるよに、その身は再び、*屋根の上へと*]
自衛団長な、情報は多いに越したことはねぇ。
…解決に向けて動いてる奴が居るってのに騒ぎが収まってねぇってことは、肝心な部分は掴めて無さそうだが。
[独りごちるように呟くも、続いた申し出に僅かに眉を寄せ]
教会の宿舎にか?
勘弁してくれ、あそこは性に合わん。
[ひら、と否定するように右手を振った]
宿くれぇてめぇで手配するさ。
どうだろうね。
ぼくも知り合いがいなくなったわけじゃないから、真偽の程は。
…まあ、取り敢えず。
暗くなったら、あまり出歩かないほうがいい。
特に女性はね。
[不安そうな少女に眼を向けて、典型的な注意を零す。
口調が軽い分、そこに深刻さはあまり感じられないが]
/*
ライさん、ライさん。
自衛、自衛ー。
さて、とりあえず6人……最低後2人、か。
一応、最大10人は見込まれている訳ですが。
果たしてどうなるのやら。ら。
つか、「ぼく」言うライヒはなんか新鮮だな……!
[目を閉じて、風が運ぶハーモニカの音色にたゆたう。子守唄の演奏を聴き終えると、礼をするアーベルに笑顔と拍手を送った]
うん。しばらくは街にいるから。アーベルも練習頑張ってね。
[屋根へと飛翔する姿を見送り、周囲を見ると此方へ視線を向ける人が数名]
いらっしゃいませー!そこの似合いのカップルさん、どうぞ見てって見てって。
ねっ、このライラックのコサージュなんてどう?そっちのお姉さんにお似合いだと思うな。花祭りの記念ってことで、おひとついかが?
[再び商品を*絶賛売り込み中*]
[女性と人形に名乗られ再び隻眸はそちらへと]
俺みてぇな奴とはあまりよろしくしねぇ方が良いと思うがな。
精々付き纏われねぇように気をつけな。
[自分を危険人物とでも言うような物言い]
[くつりと口元に笑みが浮かぶ]
[取材対象にならないように、と言う意味なのだが]
[捉えようによっては色々危険]
/*
とりあえずライヒがMeyさんですよね、と。
自衛団長を自警団長とか。[そこかい]
ゲルダは「ニコッ☆」の部分に何か見覚えが。
胃袋異次元の某パイロキネシスはどなただっけ。
ははっ。
刮目させて頂くよ。
[喋ったのはどちらと取ったか、彼は人形に目線を合わせて答えを返す]
団長は結構奔走してるようだけどね。他はそうでもないのかも。
それに今は祭りの準備もあるし。
あんまり大事になれば、観光客が減るっていうのもあるんだろう。
[姿勢を立て直して、友人に返した。
宿を断られ苦笑を零すが、予想はしていたのかそれ以上は推さなかった]
ああ、分かった。
何かあれば言ってくれ。
ふん、この街は観光で成り立ってるようなものだもんな。
人が減っちゃかなりの不利益か。
[そこまで言って友人の顔を隻眸でじっと見る]
お前、俺に情報を与えることがどう言う意味なのか、相変わらず分かってねぇな。
[浮かぶのは意地悪げな笑み]
[不利益になるような記事を書くのでは、とは思わないのかと呆れ半分でもあったり]
さぁて、そんじゃ宿の確保しに行くとするか。
そっちも何か分かったら連絡くれ。
[ライヒアルトの言葉ににっこりと笑顔を返し]
うん、気をつける
まだまだ、やりたいことは尽きないもの
[そして、ヴィリーの物言いにくすりと笑うと]
はい、そうならないように気をk「バッカジャネーノ」
…………こらアーニャ
[と、空を見て何かに気付いたようで]
ああ、そろそろ戻らないと
頼まれてる修繕明日までにやらないといけないんだ
じゃあ、またあとで〜
新作、楽しみにしていてね〜(3回目)
[そう言ってブンブン手を振りながら*走り去っていった*]
生憎、そういう知り合いはきみしかいなくてね。
もし誘拐が本当なら、大々的に記事になれば抑止力にもなり得るだろう?
…まあ、お手柔らかに頼むよ。
[意地の悪い笑みにも動じず、さらりと続ける。
苦笑と共に、一応釘を刺すようなことは言うけれど]
ああ。
[宿を探すという友には、軽く手を上げて応えた]
[人形の言葉におかしそうにくつくつと]
[己にとってあの言葉は挨拶みたいなものであるため]
[何を言われようがお構いなし]
…何か知ってんだったら、容赦なく追わせてもらうがな。
[口端を持ち上げながら呟いたのは、女性と人形が傍から居なくなってからのこと]
[己にとって優先されるべきことは”情報”であるために、そんな呟きが漏れた]
抑止になるなら誰かがとっくにやってるだろうよ。
噂程度とは言え、話に持ち上がったりしてるんだからな。
それに……生憎と俺は正義の使者じゃねぇ。
[お手柔らかに、と言う友人には、善処するさ、とだけ告げて尚も意地悪げな笑みを浮かべる]
んじゃあまたな。
[短く挨拶の言葉を告げると、軽く右手を上げ]
[ポケットに手を捻じ込むと友人に背を向けて*歩き始めた*]
期待してるよ。
[少女にも軽く手を上げ、その背が見えなくなってから、封筒を持ち直す]
…もうこんな時間か。
早いな。
[改めて空を見上げ、のんびりと呟く。
再び目的の場所へと*足を向けた*]
─宿屋─
[宿屋を見つけるとグレードの低い部屋を一つ借り]
[少し休憩してからまた宿屋を出た]
華やかな外見とは裏腹に、黒い噂も絶えねぇんだよなぁ、ここは。
裏の話を聞くには裏の人間、と。
さぁて、言葉の分かる奴は居るのかね。
[手巻きタバコを咥えたまま、にぃと口端が持ち上がる]
[出来るだけ話し合いで、とは考えているがそこは裏の人間]
[チンピラ辺りは話も聞かず襲い掛かって来ることもあるだろう]
[それはそれでまた、己の暇潰しになるために問題は無いのだが]
─宿屋→裏通り付近─
[隻眼で眼つきが悪いだけでも言いがかりを受けそうなものだが]
[そんなことはお構いなしに裏通り付近へと向かい]
[話を聞けそうな連中を*物色する*]
/*
基本的に縁故は取らんつもりだが、露天商は見かけるくらいはしてそうだな。
軽縁故程度で話しかける切欠にしよう。
―煙突のある家の傍―
[煙突掃除人は、べたべたに黄色いペンキを体中にまぶし
その上から花を沢山くっつけた侭
笑い声を背に掃除をした煙突の家の前。
チャリン、と硬貨を駄賃として貰い握り締めると
掃除用具を持ったまま、駆け出した。
舞い散る花弁が、更に体に張り付いていく。]
むー…もう一軒或るんだよなぁ。
[ぶつぶつと呟きながら掃除布で顔を拭えば、
黄色は落ちるけれど、煙突の墨がべったりとつく。
だが帰って風呂に入る時間は無いと判断し、
掃除用具を入れた大きなバケツを背負って歩き出した。]
一丁上がりあがりっと!
女将さん、終わったよ!
[暫くの後、真っ黒に汚れた煙突掃除人が公衆浴場の前に立っていた。
硬貨を貰いながらの入っていくかい、との言葉には、
湯汚すことを懸念して苦笑いして断り
街の広場へと、駆け出した。]
[街は、言葉通り賑わっている。
露店から張り上げられる声、ツアー客を引率するらしき人。
はらはらと舞う花弁は色とりどり。
中央の広場の魔法の噴水は、キラキラと太陽を反射*させていた*]
/*
お。
独り言 あと777pt
じゃなくて。
さぁて、どこに出よか。
というか、あと1日でどんだけ人が入るやら。ら。
SNS不調で広告しきれてなかったり、ちょうど企画ラッシュだったり、色々ときついのはあるるのだが。
むぅ。
─屋根の上─
[ひょい、ひょいと身軽に屋根の上を駆ける蒼の髪は、街ではある意味お馴染みのもの。
幼い頃は危ないから、と目くじら立てていた周囲も、今は呆れたのか諦めたのか、ほとんど口を出す事はない。
……一人を除いて、ではあるが]
っと……なんか、飛んで?
[ふと見上げた空、舞うのはつばの広い帽子。
観光客の物が、気まぐれな風にさらわれたか、などと考えつつ]
……いよ、っと!
[軽い声と共に屋根を蹴り、ジャンプする。
頭上を行き過ぎようとしていたそれをひょい、と掴むと、そのまま下の路地へと降りた]
んーと。どーすっかな、コレ。
[取った先は、考えていなかったらしい]
[背後から感じたのは、冷たいんだけどやけに熱い視線と、威圧感。
いやーな予感を覚えつつ、振り返った先には]
あー……あは。
ギュン爺、どーしたの?
[街の住人であれば、知らぬ者のない、自衛団長。
幼い頃から何かと騒動を起こしていた身、彼には色々と世話になる事も多く。
故に、馴染み深さと同じくらい、苦手意識もあったりして。
何とか逃げようと思うよりも早く、始まったのは──昔と変わらぬ、お説教]
─裏通り付近─
やれやれ、収穫無しか。
まぁ、ここらの連中が知ってるならとっくに自衛団が解決してるか。
[薄暗い裏路地からジーンズのポケットに両手を突っ込んで出て来て]
[手巻きタバコを咥えたまま溜息交じりに呟く]
[裏路地では何事も無かった………かどうかは推して知るべし]
やっぱ話を聞くのは自衛団の方が良さそうだな。
調べてるのは団長つったか。
[こきこきと首を動かし、大通りへと足を踏み入れる]
[とは言え街の地理にはまだ疎い]
[一旦大通り隅にある案内板へと足を向けた]
─ →大通り─
/*
しかして一日目までぎゅん爺に遭遇するつもりが無かった俺。
まぁ一旦途中で話切り上げる方向に持って行けば良いかな。
……ぅぁー、もう。
わかってる、ってば、それは。
[親御さんがどうのとか、兄弟がどうのとか、いつまでも子供ではないのだから、とか。
重ねられる言葉は、さて、何度聞かされたのやら。
疲れたように反論すれば、その態度のどこが、との言葉と共に、拳が頭に落ちる]
ってぇなぁ、もう……。
[思わず上がる、恨みがましい響きの声。
屋根の縁に止まって傍観している隼が、こてり、という感じで首を傾げた]
―広場―
[広場に置かれたベンチ、その中の一つに彼の姿はあった。
既に投函した後らしく、手紙はその手には無い]
ほんと。
平和、だねえ。
[のんびりと呟いた言葉ははしゃぐ子供の声に紛れる。
両肘を膝につき、両掌で頬を抱えながら、陽光に煌めく水と風に流れる花を眺めていた]
[恨みがましい声に、再び重ねられそうになる、小言。
これ以上ここにいると、楽団の稽古場に強引に連れ戻される、というのは、本能が察知させた]
あ、と、俺、これの落とし主探さないとなんないからっ。
んじゃ、そーゆー事でっ!
[先ほど掴んだ帽子をひらり、と見せ、何か言われるより先に走り出す。
屋根の端に止まっていた隼も翼を広げてついてきた。
背後に小言の続きを聞きつつ、人ごみに紛れるようにとかけた先は、大通り方面]
─ →大通り─
― 広場・露店 ―
みんな、お財布の紐が固いよ。
お祭りなんだよ。パーっと使っちゃえばいいのに。
[朝に店を広げた時とほとんど変わらぬ商品の山の中心、両腕を伸ばして大きく息を吸いこむと、嗅ぎ慣れた花の香り。気持ち良さそうに笑みを零した後、心機一転、目を凝らしてターゲットを探しはじめる]
─大通り─
現在地は、っと…。
[案内板の目の前]
[観光客も多いその中で異色の雰囲気を放ちながら案内板を隻眸で見やる]
[振り撒く手巻きタバコの薫りに眉を顰める観光客も多かったろうか]
……詰所は反対側らしいな。
まぁ良い、場所さえ分かればいつでも行ける。
[街の地図を頭に叩き込み、隻眸を案内板に向けたまま踵を返そうとする]
[人混みを駆けて来る誰かに気付くのは数瞬の後]
[相手が気付かなければぶつかりかける位置に居るか]
―広場:露店近く―
[真っ黒に汚れた姿のまま、広場の露店を見て回る。
と、そこに見たことのある姿を見つけて。
小さく声を上げた。]
あっ!
ベッティ?!
[行儀悪く、指を指す。]
─大通り─
どーにか、まけた、かな?
[背後の威圧感がなくなった所で小さく呟き、ちら、と後ろを振り返る。
意識が後ろにそれていれば、当然の如く前は疎かになるもので]
……っと、わっ!?
[前に向き直ったなら、わりと至近距離に人の姿。
慌てて足を止めるも、急制動にバランスが崩れかけ──]
[お客になりそうな人を探していると、名前を呼ぶ声に振り返った。目に飛び込んできたのは真っ黒に煤けた姿]
うひゃあ!
……だっ、誰よ誰よ?
[店に座ったまま、胡散臭そうに声の主の顔を覗くように見やる]
― 広場・露店 ―
わー! 久しぶりっ!
オレオレ、カヤだよ! 忘れるとか酷ぇ!
[真っ黒な姿のまま店に両手を着いて、乗り出す。
べたり、手形スタンプ。]
さて。
そろそろ宿舎に……?
[噴水から視線を外し立ち上がり、ふと瞬く]
何だろう、あれは。
…人?
[遠目に映したのは、真黒にも程がある、広場には異様な色彩。
その姿が露店の一つで立ち止まるのを見て、どうやら興味を引かれたらしい彼はそちらへと足を進めた]
─大通り─
[右側は死角、そちらからの視覚情報は全く無い]
[はずなのだが]
………!
[僅かな風の動き、そして上げられた声に右手がポケットから滑り出た]
[滑り出た右手が伸ばされたのは──]
[わしゃり]
[ぶつかりそうになった人物の頭]
[広げた右手が相手の頭を鷲掴む形に]
カヤ……?カヤ……
[手を顎に当てて、悩める顔]
なんだ、カヤかー。伝説の黒い人かと思ったよ。
……きゃー、手っ、手っ!そこで止まってー動かないでー!
[黒い紅葉模様が目に入ると、思わず悲鳴をあげて立ち上がった]
……あっぶね……。
[どうにか転ぶのも、再度帽子を飛ばすのも免れて、ほっと一息。
なんて、悠長に構えている場合ではなかった。
らしい]
……はい?
[不意に頭上にさす陰り。一体なんだ、と思うのと、頭が掴まれるのとは、ほぼ、同時]
って、ちょっ!?
何すんだよ、いきなりっ!
[状況が全くわからない事もあり、上げた声は、僅か、上ずっていた]
[右半身の状態から顔だけを右へと向ける]
……何だ、ライヒと話してたガキか。
[見覚えだけある姿に紫煙交じりにそんなことをぽつり]
何かがぶつかりそうになったんでな。
つい手が出た。
[悪びれも無くそんなことを言う]
― 広場・露店 ―
あ、あーー。
うんちょっと今日仕事とヘマとしちゃってさァ、
ごめんごめーん!
[ケラケラと笑いながら、黒い手で頬を掻けば
更に黒は伸びる。
立ち上がる相手にもにこにこの笑顔を向けてから
ふと横を向き、向こうに見える影に、固まった。]
…ぅぇ…
つい手が、ってそういう問題かよっ!
[悪びれた様子もない言葉に、大声を上げつつじたばたする。
やや勢いが弱いのは先ほどの自衛団長との遭遇のせいか、それとも漂う紫煙のせいか]
仕事帰りなんだ。
もう……顔くらい洗ってから来なよ。
[伸びた黒に溜息をついて、商品を拭くための布を桶の水に浸してから絞り、カヤに向かって放り投げ]
カヤ、どしたの?
[視線は、カヤの視線の先へ]
そう言う問題だ。
俺の右は死角なんでな。
[ばたつく相手にようやく掴んだ右手を離す]
[右手はそのままポケットへと捻じ込まれ、半身から相手へと正対した]
弱点突かれてぽっくり逝くわけにはいかねぇ。
防御行動だ、気にするな。
[どこまでも態度は尊大]
[右が死角、という言葉。
手が離され、ようやくその意を認識する。
先の広場では、ロクに顔も見ないで脱兎したから、気づいてはいなくて]
防御行動とか、弱点とか……なんか、物騒なおっさんだなぁ……。
[改めて見た風貌と言葉に、思わずこんな事を呟いた]
[黒い人が振り向く頃、距離は大分近くなっていた。
だがすぐにそれと分かる状態ではなかったらしい。
首を傾げて、数刻]
…ああ。
誰かと思えば、きみか。
随分と奇抜な格好だね。
[手を打つ。
固まっているのには気付いたのかどうか、全く悪びれもせず笑みを向けた]
それと。
そちらのきみも、お久し振りかな。
[次いで視線は露店の主へ]
― 広場・露店 ―
帰るよりそのまま見てった方が効率いいだろ?
[濡れた布を、小さく礼を言いながら受取り
顔を拭きながらライヒアルトの方へ、半眼を向けた。]
奇抜で悪かったな。
こんなトコでまで説教すんなよ?
[腰を落として力いっぱい警戒体制。]
さっきまで裏路地に居たんでな。
[さらりと問題発言]
[呟かれる言葉にはくつりと口端を持ち上げた]
この風貌で難癖付けられることも多い。
身に染み付いた行動なんだよ。
んで、人混みん中駆けて何してんだサボり魔。
鬼ごっこか?
[手巻きタバコの煙のこともあってか、良い玩具と認識した模様]
[ニヤニヤと笑みを浮かべながら訊ねかける]
効率の問題じゃないわよ。景観の問題。
[カヤに言いながら、視線の先の人物が近づいてくるのをじっと見つめていた。かけられた声には]
ええ、お久しぶりです。
……何か買っていきませんか?今ならこちらの壷なんてオススメですよ。
三千五百年前に作られた、とおっても貴重な代物なんですよ。
[極上の笑顔(商売用)を作ってお迎え]
裏路地、って……。
[『そこ』がどんな場所なのか、一応、知らぬわけではなく。
それだけに、目の前の男への危険人物認定度は上がった]
ま、なんも言わなくてもケンカ売ってるっぽくみえるもんな。
[また、ぼそ、と呟いて]
……っつか、サボり魔じゃない。
アーベル、って名前が、ちゃんとある。
[サボり常習犯の自覚はあれど、そう名指しされるのはやっぱり癪で。
むっとしたように、名を告げた]
酷い言い種だね。
[警戒の視線も素知らぬ顔で受け止める。
わざとなのか天然なのか]
別に何も言いやしないさ。ぼくはね。
尤も、神父様に見られた場合は保障しないけど。
…はは。
随分と仕事が板について来たようだね。
[少女のほうはと言えば、挨拶もそこそこに向けられた商業スマイルにやや苦笑い。
しかし勧められた壺を目にすれば、途端眼差しは真剣そのものに変わる]
興味深いね。
それ程の代物、どうやって手に入ったんだい。
― 広場・露店 ―
うるさいうるさーい!
それも遠まわしな説教じゃねぇか。
[ぷいっと、頬を膨らませて少女は横を向く。
ひらりひらりと、花弁が舞い黒が更に目立つ姿。
チラ、と横目でライヒアルトを盗み見るようにしてから
イーッと歯を向いた。]
ああ、俺は話を聞きに行っただけだぜ?
売られたケンカは丁重に返品してる。
[とは言え手荒であることは間違いは無い]
[呼び名を指摘されると]
名前までは聞かなかったんでな。
一応俺も名乗っておくか。
ヴィリー、ジャーナリストだ。
[名乗る前に右手で咥えていた手巻きタバコを摘み]
[ピンっと上へと弾き上げる]
[弾かれた手巻きタバコが顔の横辺りまで上がると、煙も出さずに燃え尽きてしまった]
[巻き添えで宙を舞う花弁が数枚共に燃え尽きる]
で、そのアーベルは何をしてたんだ?
……カヤ、また何か悪さしたの?
[カヤの耳に顔を近づけて、小声で囁いた後]
ええ、おかげさまで。
え?あ、あははー。入手ルートは本来は企業秘密なんですけれど。その……とある人から譲り受けたんです。
で、でもっ。物の良さは保証しますよ。もちろん修道士さんほどの方でしたら、この壷の価値がわかりますよね。ね?
[表情を崩した後、極上のスマイル]
じゃーなりすと。
[思いっきり、棒読みになった。
心情はその口調が全て物語っている。
かも知れない。
無空で燃え尽きた煙草と花弁には、蒼の瞳を不思議そうに瞬かせ]
何って……。
[自衛団長から逃亡中、とは、さすがに言えず。
それからふと、手に持ったままの帽子に視線を落とす]
落とし物……っていうか、拾い物の、持ち主探し?
まったく、変わらないねきみは。
[呆れたような微笑ましいような、といった笑みを口許に作り、騒ぐ声を横目で見やる。
その後すぐに壺に眼を戻した為、その後の行為には気付かなかったのか、或いはそういう振りをしたのか]
― 広場・露店 ―
してねぇ!してねぇよ?
いっつもこいつとかいちゃもんつけんだよ!
[一番最近怒られたのはスリを見つかった時。
逆恨みを続けて、ベッティに同情を求めた。]
そうか、残念だ。
[秘密と言われ、言葉の通りに息を吐いた。
どうやら本気に受け取っているらしい]
ぼくはそれ程目利きではないけど…そうだね、いい色だ。
三千五百年前の物にしちゃ、形もしっかりしてる。
[そこで真偽を疑うという思考は、残念ながら彼には無かった]
[信じられないような口調にやはり楽しげに笑いが漏れる]
[相手の反応を面白がっているの分かることだろう]
[言ってることは事実だが、これにより嘘をつかれていると思う者も少なくない]
へぇ、彼女へのプレゼントを抱えて渡しに行く最中なのかと思ったが、検討違いか。
持ち主探しとは優しいこって。
[ちなみに口にした検討はてきとーこいている]
[そんな話をしながら胸ポケットから新たに手巻きタバコを作るべく道具を取り出し]
[手慣れた様子で補助器具に設置、手巻きタバコをくるりと作り上げる]
で、持ち主の検討ついてんのか?
[出来あがった手巻きタバコを口に咥え、パチンと指を鳴らす]
[音と共に手巻きタバコの先に火が灯った]
[それはいつもやっている何気ない所作]
そう。なら、アタシはカヤを信じるよ。
[じっとカヤの瞳を見つめて、笑顔]
[カヤが歯を剥く仕草に、微かに口元を上げる]
……本当、変わらないな。
[空を見上げ、無意識に口から零れた言葉は風に乗って街中へと溶け行く]
[楽しげに笑う様子に、俺、からかわれてる? と思いつつ。
彼女へのプレゼント、という物言いに、はあ? と露骨に呆れたような声を上げた]
何だよ、それ。
……だいったい、女とか、うるさいばっかだし。
[興味なし、と言わんばかりに肩を竦める。
当人の気づかぬ所で想われている可能性は無きにしも非ずだが、今は、色恋には興味はないようで]
いんや、全然。
そも、風で飛ばされてたの、拾っただけ……て。
[作り出された煙草の先に火が灯る様子に、一歩、引いた。
花弁を舞わせる風がふわり、周囲を取り巻く]
[壷に興味を抱いている修道士に、両手を組み瞳を輝かせて]
でしょでしょ!
これは本当に掘り出し物だと思うのよ……思うんです。まさに神の下さった、運命の出会い!これを逃したら二度とめぐり合えませんよ。
今なら、そうですね……。
[頭の中で高速計算中]
本当は銀貨300……と言いたい所ですけど、特別に知り合い価格で銀貨200枚でお譲りします。いかがでしょう?
…そんなにぼくが嫌なら、今後一切のことは全て神父様にお伝えするようにしましょうか。
叱られたくないだろうと思って、結構黙っていたんですけどね。
[何故か丁寧口調で咄々と語る。
視線は壺に向いているが、隣に向けて語っているのは明らかだった]
/*
つうか。
なんか。
異様に。
ねむい。
……コーヒー飲んで眠くなるって、なんぞ……(汗。
ま、まさかブラック以外は効かなくなってる???
いやぁ、女物の帽子に見えたもんでな。
その様子じゃ全く関係無かったようだ。
中には静かな良い女も居ると思うがねぇ。
[全く興味の無さそうな相手に大袈裟に肩を竦めた]
はン、当ては無しか。
どうやって探すつもりなんだか。
ま、精々頑張りな。
[火が点いたことに一歩引き、周囲の風が動く様子にくつりと笑う]
[そんなことはお構いなしに、軽く声をかけて相手の横を通り過ぎようとした]
300を200…
[視線を彷徨わせ、暫し黙考する素振り。
少し眉を顰め、眼を戻した]
少し高いな。
150枚じゃ駄目かい。
[人差し指を立て、店主たる少女に交渉を試みる]
女物に見えたからって、なんでそうなんだよ……。
[大袈裟に肩を竦める様子に、わっかんねぇなぁ、とかぶつぶつと言いつつ]
アテないけど、拾っちまったんだもん、探さないわけにはいかねーじゃん。
持ち主が街にいるなら、けっこ、何とかなるし、さ。
[軽い言葉に返す声。それがやや引きつっているのは煙のせいか。風は、それを阻むように流れているけれど。
通り過ぎようとするのを引き止める謂れはなく、もう一歩、後ろに引いて]
言われなくたって、頑張るってーの。
[漂う微妙に険悪な雰囲気に、内心はらはらしながら二人の顔を交互に窺う。金額を提示されると]
ひゃ……
[思わず出かけた声と笑みを慌てて手で押さえた。頑張って渋い顔を作り、唸り声を上げ]
うーん。これでも随分お安くしてるんですよ。そうですね。180……いえ、思い切って170枚でしたら。どうでしょう?
[修道士の目を見つめ、笑顔を作って首を傾ける]
[相手の返答に、後ろ手ながらひらりと右手を振ってその場を立ち去った]
……あの呆けた顔。
アホ面。
[紫煙を纏わせながらくつくつと笑い、呟く]
[しばらくは玩具認識が続きそうだ]
[そのまま人の合間を縫うように移動し、広場へと足を向ける]
─大通り→広場─
8人目、行商人 ハンス がやってきました。
行商人 ハンスは、霊能者 を希望しました(他の人には見えません)。
流石にこの区画に女の子を連れてくるのはね。
[下町の中でも昼間は眠っているような一角]
[まだ閉店中の薄暗い店の中]
[ひょいと肩を竦めた]
俺でも躊躇いますって。
はい、頼まれていた分。
[持ってきた木箱を女に手渡した]
[引き換えに硬貨の入った小袋を受け取る]
ひのふの…毎度。
花祭りの間は居るから、何かあればまたよろしく。
[休んでいけばいいのにと引き止める声]
[待たせている相手がいるのだからと笑って背を向ける]
[馬鹿、という声は聞こえない振りをした]
……っていうか、ホント。
みょーなおっさん。
[どんな認識がされているかなど、知る由もなく。
こちらもこちらで、勝手な事を呟いて]
ってとぉ。
成り行きとは言え、拾っちまった事に変わりねーし。
真面目に、持ち主探すかぁ。
[軽く、身体を伸ばしてからこう言って。
風を引きつれ、*通りを進む*]
─広場─
[相も変わらず広場は賑やか]
[異色の姿は時折視線が向けられるのも気にせず歩みを進めて]
……あいつぁ何やってんだ?
[露天商と睨めっこをしているような友人を発見]
[無造作に近付いて、友人の後ろから露店を見下ろした]
/*
おおう、また一人。
とゆーか、女子が少ない、からっ……!
それも含めても少し増えてくれるといいんだけど、さてはて。
[少女の一瞬の笑みには幸い気付かなかった様子。
提示された金額に洩らした唸りは恐らく演技には見えない。
壺と少女を交互に見つめ、やがて息を吐いた]
そこまで言うなら仕方ない。
釣りはあるかい?
[革袋を引っ張り出す。
その中から真新しい金貨を2枚取り出すと、台に置いた]
[足早に下町を後にする]
[囲む空気は表通りに出ると一変した]
さてと。
後は適当に捌いて祭りを楽しみましょうってね。
誰かさんはどうしたかな。
[花壇に咲き誇る花を愛でながら]
[ゆっくりと表通りを歩いてゆく]
ありがとうございますー!
ええ、はい。いますぐお釣りを。
[置かれた金貨の輝きに目を奪われた。と、新たな客らしき男の到来に顔を上げる]
あ、いらっしゃいませ。
どぞどぞ、見るだけなら御代はいらないですよ。どんな品物をお探しです?
あれ……お客さん、どこかで会ったことあった?
[少し首を傾げ、客の顔を見つめていたが、やがて銀貨のお釣りを出そうと]
[直後、気配に振り向いた彼は、友人の姿に笑みを作った]
やあ、ヴィル。
何か新しい情報はあったかい?
[片や修道士、片や異邦人。
並ぶと異様な光景だが、当人はまったく意に介していない。
ついでに隣の呟きは聞き流したようだ]
……大半がガラクタか。
興味ねぇな。
[呟いたのは露天商が己に声をかけた直後]
[むしろ最後っ側の言葉に被っていたかも知れない]
[どこかで、と言われ露天商に隻眸を向け]
さぁて、俺も色んなところ出歩いてるからな。
流れの露天商なら別の街で見かけたことはあるかもしれん。
[紫煙交じりに言葉を向ける]
[友人が己に気付くと手巻きタバコを右手で摘み、大きく紫煙を吐いてから]
特には。
チンピラ共じゃ話にならん。
[その言葉から何をしてきたかは想像に難くないだろう]
お前こそ何してんだよ。
んな露店なんざ覗き込んで。
[真っ黒な顔の少女は、隻眼の男を珍しそうに、見上げる。
くい、と鼻を親指で擦って首を傾け]
あんま見ねぇ顔だなぁ?
でもコイツラと知り合い?あんた、誰?
俺はカヤだ。
[自分より背の高い男の顔を覗きこみ、
白い歯を見せてニカッと*笑った*]
[新たな客の発した最初の言葉が耳に届くと、むっとして口を尖らせ、慌てて営業スマイル]
じゃあ、どこかの街で見かけたのかもしれないね。
……おや、修道士さんのお知り合いですか。
えっと、今の交換レートだと。いちまい、にまい、さんまい……
[修道士の前で、用意した釣りを一枚一枚積み上げていく]
商談の最中か。
俺が行くと邪魔になるかな。
[広場に入れば連れは客と話しているようだ]
[少し離れた場所で様子をうかがってみる]
おいおい。
品物全部買うつもりか、彼は?
[金貨が見えて目を瞬いた]
[流石に心配になってきて露店の方へと歩きだす]
あン?
[声をかけられ見上げて来る子供に気付く]
[今まで視界に入らなかったのはその身長さ故だろうか]
[友人に、何だこいつ?と指差して訊ねつつ]
俺はこいつのダチでヴィリーってんだ。
そっちの露天商はどっかで見かけたかな、程度。
[友人と露天商のことは親指で示しつつ、名乗られたために一応名乗った]
その様子だと、またやらかしたのかい。
程々にしといてくれよ。
[仕方ないといった風に肩を竦め、友人を仰ぎ見た]
そこのきかん坊を追い掛けてみたら、良い品を見つけたのさ。
[手は隣の煤けた姿を示し、次いで壺を示すように動く。
先のガラクタという言葉は聞き流したのか、当人は満足気だった]
/*
さて、どうにか時間確保の目処がついたので参加させてもらいますの兎猫です。どうぞよろしく。
楽団員フォルカーと悩んだのですが。ラ神の御心のままに(またか
低年齢キャラ多いですし。たまには修行も兼ねて良いかなと。
でもって確かこれ(霊能)で希望出していたはず。
箱データの吸出しはどうやっても間に合わないので、メモ確認できなかったりしてるんですが、間違えてたら物凄くごめんなさい。万一にも下手に弾かないといいんですが。
手を出してきたのは向こうだぜ?
正当防衛だよ。
[窘めるような友人の言葉もどこ吹く風]
[己を正当化して反省する気配は見せない]
きかん坊ね。
……これが、良い品?
[示された壺に隻眸を細めた]
[疑わしげな口調と視線]
ああ、元孤児院の子だよ。
今は自警団長のとこにいる。
[説明を求められ、無難な返答。
当事者から何らかのリアクションが向けられたとしても、涼しい顔で流しただろう。
銀貨が積み上げられる横で、よもや別のところで心配されているとは思わない]
[修道士のやらかしたという言葉を聞けば、胡散臭げにヴィリーと名乗った見やる。心の中で危険人物に認定した]
良い品ってのは、わかる人にはわかるんです。
ヴィリーさんも、良い物に触れてもっと目を養うといいですよ。
[にこにことスマイルを浮かべたまま、銀貨を積み上げる]
孤児院…ああ、お前んところのか。
[煤だらけの子に関して説明されると、納得の意を示して]
[露天商には疑わしげな表情をしたまま]
生憎と色んなところを巡ってるお陰で眼は肥えててな。
ちなみにこれはいつ頃の作だ?
[親指で壺を示し、営業スマイルのまま銀貨を積み上げている露天商に訊ねかける]
度が過ぎれば過剰防衛になるよ。
[友人への指摘はやはり微妙にズレていた。
壺に疑わしげな目が向いたことに、小さく首を傾げる。
しかし横からの少女の声に頷いて見せる辺り、騙されている可能性とかは頭にないらしい]
ああ、持ち合わせの問題か。
[用意されている釣りはどう見てもありえない額だが]
[買い手が満足そうなので苦笑しながら近づいた]
良い品かどうかは買い手によっても変わるもの。
ですが、ベッティ。
[隻眼の人物には柔らかな声をかけ]
[ただいま、といいながら共に旅する少女を見る]
イキシアは俺にとっても拠点。
そのことは忘れずに?
……えっ。
[ヴィリーの言葉に、笑顔が一瞬引きつった]
さ、三千年以上前の物ですよ。ここよりずーっと東の地方で出土した逸品です。この底の方にある文様に特徴があってですね
……っと、師匠!おかえりなさい!
あ、あははー。そうですね。何だか今日は気分がいいから、もう少しまけたくなってきちゃったなー、なんて。
[笑顔のまま、すすす、と金貨を一枚、指で修道士の方へ]
だが利益を考えつつ相応の値で売るのが商人ってもんだろう。
高額吹っかけて利益を出す奴は悪徳商人だ。
[急にかけられた柔らかい声にはまず反論を向ける]
[それから遅れて隻眸は声の主へと向き]
……アンタならそれが分かってると思ったが。
[見覚えのある顔にそう言葉が続いた]
[隻眸は引き攣った笑顔を見逃さない]
…ほぅ。
三千年以上のものにしては色が鮮やか過ぎるな。
塗料と言うものは種類によって度合いが違うが、少なからず劣化するもの。
それだけ古いものならもっとくすんだ色をしているはずだ。
それにこの文様、若干形が違うように見えるが?
[細められた鋭い隻眸は露天商を見つめる]
[前者の色合いはともかく、後者の文様に関しては事実かどうかは甚だ疑問だが]
[告げる様は自信に満ちたそれ]
/*
自信たっぷりにハッタリかます。
でも中の人はチキンなのでどう言い回すかで悩んだり。
壺が絵付けなのか焼き物なのか確認してないで言った(滅
[まだもう半分、とベッティには指で示しながら]
確かに。
商売で一番大切なのは信用ですよ。
…おや、誰かと思ったら。
[今気づいた、というようにヴィリーを見る]
ああ、こんにちは。
ってヴィル、知り合いなのか?
[露店商が師匠と呼ぶ彼と、友人に接点があるとは思わなかったよう。
開き直りには苦笑を零したのみで、それ以上何も言わず]
…あれ、いいのかい。
[周囲の話を聞いているのかいないのか。
少女の指先で返って来る金貨に瞬く]
知り合いってほどでも無い。
昔の取材対象だ。
[友人の問いには短く答え]
また会うことになるとはな。
それも事件でも何でも無く。
……いや、巻き込まれていないだけで事件は起きてるか。
[元取材対象に返しながらくつりと笑う]
俺の知らないところでまた事件に遭遇したりしてねぇだろうな?
……そこはほら、特殊な保護魔法でもかかってるんじゃないの?
鮮やかな色合いがいつまでも残りますようにってね。
[ヴィリーから形について問い詰められると、たじろぎながら]
そ、そうかしら……じゃあ、もう少し新しいものなのかも。
に、二千年前くらい?いや、千五百年くらい……かな。
[ハンスの指示にしぶしぶ頷くと]
ええ、いいんです。お祭り価格なんです。
[修道士に答えつつ、涙目でさらに銀貨を積み上げていく]
文様は間違いありませんよ。
ただ、まあ…ね。
[肩を竦めてみせる]
[それから若干小さな声になって]
見逃してやってくださいよ。
この街では初めて場を任せたから、気合が入りすぎたんでしょう。
本当に悪い品ではないんです。
[粗悪品を扱わせるようなことはしていないつもりだ]
[まあ三千年は幾らなんでも]
[普通なら買い手だって気づくだろうが]
こんにちは。
ええ、ちょっとしたご縁がありまして。
[ライヒアルトには笑顔で会釈した]
俺は別に常に事件と共にいるわけじゃありませんよ。
……疲れるな。
客相手じゃなくさせてもらうよ。
[くつりと笑う相手にため息を吐いた]
[本当は見た瞬間に顔を思い出したくらい何度も会っている]
[素の口調に戻って隻眼を見返し]
巻き込まれていないだけで起きているって?
ああ、もしかして例の噂のことか。
それを追いかけてこの街へ?
[保護魔法と聞けば、ふ、と鼻で笑って]
かかってるかどうかも分からず勧めていたわけか。
ああ、根本的なことを言わせてもらえば。
この絵付けの手法は三千年前にはまだ確立されていない。
残念だったな。
精々五百年から千年前だ。
[それはそれで悪くは無いものなのだが]
[露天商の師らしき元取材対象の指示もあってか代金は戻るようで]
[それを確認するとそれ以上のことは言わない]
文様のはハッタリさ。
もう少し勉強させた方が良いんじゃねぇの?
躾もプラスしてな。
[肩を竦める元取材対象にくつりと笑って見せた]
好きにしろ。
俺も客としているつもりじゃねぇ。
[素の口調になる行商人にそう返して]
[訊ね返されたことには手巻きタバコを口元に戻しながら軽く頷いた]
ああ、それだ。
正しくはそこの奴に呼び出されたんだが。
[指し示す親指の先は己が友人]
……ううー。
[ヴィリーの言葉に唇を噛んで唸る。悔しいが言い返せるだけの知識はなく、本当?と問うような視線を師匠に向ける]
ええー!ハッタリ!ハッタリって!
……酷い。ずるい。嘘吐き。悪党。人でなし。
[肩を落として呪詛の言葉を紡いでいたが、やがて興味は旧知らしき二人の会話へと移って行く]
……例の噂?
なるほど。
[2人それぞれから接点を聞けば、納得したように頷いた]
それは嬉しいな。
でもそれ以上減らして大丈夫なのかい。
[少女の涙目は見ていないようで、戻った金貨を袋に戻す。
普通気付くべき点をあっさりと流したのは職業柄か。
むしろ店の心配をするような言葉を向けさえした]
[客の前で堂々とバラされるのには額へ手を当てる]
だから今はまだ修行中なんだ。
まあ俺も師匠って言えるほどの年季は積んでないが。
後で良く教えておくよ。
[やりすぎた上に居合わせた相手がまた悪かった]
[チラリとベッティを見る]
[涙目なのを見て、苦笑を噛み殺し損なった]
呼び出すほどに親しい相手なのか。
ウチの可愛い店員さんのお客さん第一号、紹介してもらえるかい?
[軽口のように尋ねながら若干場所を移動する]
[タバコの煙を避けたのだと吸っている本人には気づかれるか]
ああ、良く言われる。
[露天商の呪詛もどこ吹く風]
[口端を持ち上げ、勝ち誇った笑みを露天商に向けた]
知らねぇ方が幸せだろうが、ここに居る以上知らんと言うのも危険かね。
ここ最近、この街で失踪事件が起きてるのさ。
俺が耳にしたのは噂程度のものなんだが…。
良いネタになるだろうと思って取材に来たわけだ。
[修道士の革袋へと戻される金貨に、口を半開きにして声にならない言葉を漏らす]
大丈……夫……です。
その子、大事にしてあげてくださいね。
[革袋に未練たっぷりな視線を向けながら]
[師匠の苦笑混じりな視線が向くと、視線で謝意を示す]
[ヴィリーの親指の先が修道士に向くと、呼び出し?と不思議そうな顔をして、話の続きを*聞くつもりだ*]
悪徳商法で俺に追いかけ回されることが無いように育ててやれ。
[言葉と共に吐き出される紫煙]
[渋みの含まれるそれを避けるような動きは隻眸に入るものの]
[特に咎めるつもりは無いためにそのままに]
何の因果かダチと呼べるほどになっちまった聖職者だよ。
ライヒアルトっつってこの街の教会に今は居る。
[やや表情が渋いのは教会関係が苦手と言う現れ]
[それでも友人となってしまったのだから不思議なものである]
[真偽を尋ねるベッティには小さく肯定の頷きを]
[やりすぎたね、と唇の動きだけで伝え]
はいはい、そこまで。
騒ぎ立てると他に迷惑だよ。
[ベッティに近寄り頭をぽんと撫でた]
[落ち着きなさいというように]
……俺もさっき聞いてきたばかりだよ。
あくまでも噂だけどね。
まあ、裏通りとかには近づかないこと。
[ヴィリーの説明にそう続けて]
騒ぎには巻き込まれたくはないものだね。
記事になるような事件には特にだ。
へえ、教会関係者のお友達とは。
まあ良い人そうなのは伝わってくるけど。
[珍しいと小さく笑う]
[教会関係者を苦手としているのも知っていればこそ]
[人のよさはベッティとの会話で言わずもがな]
ああ、俺はハンス。ハンス=コーラー。
個人で行商しているしがない商人ですよ。
これからもどうぞごひいきに。
[ライヒアルトに名乗り]
[カヤにも向けて、帽子をとって改めて挨拶をした]
うー。
[ヴィリーを恨みがましい視線でひと睨み]
失踪事件?
何だろう。海軍の強制徴募か何かかな。もしかすると伝説の黒い人の仕業?
[カヤをちらっと見た後、師匠に頭を撫でられると、ふにゃっと顔を崩して]
わっかりましたー。裏通りには近づきませーん。
[右手を上げて元気に*お答え*]
そりゃ誰だって同じだろう。
事件の解決を願ってるだろうが……そこまでは至ってねぇみてぇだな。
祭りのこともあって今騒ぎ立てるようなことはしたくないみてぇだし。
だから情報も噂程度。
失踪する人物の共通項もあまり見つからんようだし……自己防衛を頑張るしか今のところは無さそうだ。
精々巻き込まれんよう気を付けろよ?
[騒ぎに巻き込まれたくないと言う行商人の言葉は切実そうに聞こえた]
[事件の度に顔を付き合わせて居ればそれも必定か]
良い人と言うか、お人よし過ぎる。
[友人の批評に関してはむしろ天然と言いそうになったが、本人が居るので止めておいた]
海軍の強制徴募だとして、それならそう言う風に噂が立つと思うがな。
つか伝説の黒い人って何だ。
[眉唾系の噂話には興味がないようだ]
花祭りはこの街に欠かせないものだからね。
騒ぎ立てたくないのは当然さ。
[それでも噂になっているという事実に眉を寄せる]
そりゃごもっとも。
今は一人逃げればってわけにもいかないしな。
[ベッティと一緒に回るようになってからこちら]
[そこまで大きい事件に巻き込まれはしなかったが]
[ヴィリーと顔を合わせたことで不安が過ぎる]
そちらも気をつけてあげる必要がありそうだな。
友人なら。
[心の声も何となく伝わり、ククッと笑った]
自分の身くれぇ自分で護って欲しいもんだ。
[友人なら、と言われ紫煙と共に嘆息が漏れた]
ともあれそれもあって俺もしばらくここに逗留する。
何か話聞いたら教えてくれ。
この先の宿屋に部屋を取ってる。
そんじゃあ俺ぁそろそろ行くぜ。
またその内にな。
[軽く左手を上げ短く言葉を紡ぐと露店の前を後にする]
[渋みの含む煙を纏った異質な姿は、雑踏の中へと*消えて行った*]
何か聞けたらね。
この祭りの間はここに店を置いているよ。
[同じく片手を上げてヴィリーを見送る]
[煙を纏う姿が人波の中に消えるのを見届けて]
さて、少し交代しようか。
少し祭りも見て回っておいで。
それもまた勉強になるだろうから。
[露店の奥へと入りながらベッティに声を*掛けた*]
/*
どうしても夜が遅い。自重しないと。
ベッティは快諾ありがとう。未熟だけど師匠頑張ります。
ヴィリーは遅くまでのお付き合いに本当に感謝。
明日以降はもっと気をつけるから。ありがとう。ごめんね。
─大通り─
[人込みの中、馴染みの商店の主や宿の客引きなど、観光客と接しやすい知り合いを中心に、拾い物に心当たりがないかを聞き歩く。
とはいえ、感触は芳しくなく]
んー……どうすっかな。
詰め所に届けちまえば手っ取り早いんだけど……。
[先の自衛団長とのやり取りもあり、それは出来れば避けたい所で]
仕方ねーなー、最悪、広場で人寄せしながら聞きまくるか。
……っと、あ、おーい、ちょっといいかー?
[時期が時期だけに、後がうるさいんだけど、と呟いた直後、目に入った顔見知りの客引きに駆け寄って*問いを投げ*]
─回想─
うるせぇクソガキ。
聞いてんのは名前のことじゃねぇ。
[子供の言い分>>163に眉を顰めながら一蹴]
このガキが裏通りのことをねぇ…。
どうせ知ってんのは場所だけだろ。
大事なもん盗られたくなきゃ近付かん方が身のためだぜ。
身体ん中にある大事なものを、な。
[隠喩を含んだ忠告は相手に通じるだろうか]
[そうして後は返答もせず立ち去ったのは少し前のこと]
─現在─
邪魔するぜ。
自衛団長とやらは居るか?
[辿り着いたのは自衛団の詰め所]
[待機している団員に団長の所在を確かめる]
[返ってきたのは、今は見回り中だと言う言葉]
…そうか、また後で来る。
[短く告げて詰所から出て扉を閉めた]
[待てば良いとも言われたが、あんな雰囲気の悪い(と己は感じる)場所に居るつもりは毛頭無い]
……家の場所も聞いておくべきだったかな。
まぁ良い、ライヒなら知ってるだろ。
[もっと知ってるのが先程一蹴した子供と言うことは覚えているが]
[喧しいガキを相手にする気も*毛頭無い*]
あれ、黒い人知らない?そこだけ周りから切り取られたみたいに闇色になってるんだって。それで、それを見た人は不幸になるって話。
……ふーん。色んな所を巡ってるわりに、聞いたことないんだぁ。
[挑発的な視線を向け、やがて雑踏に消えるヴィリーの背中を睨むように見送って]
なんか嫌ーな感じの奴ぅ……いまに見てなさいよ。
[近くの人に聞かれるくらいの声でつぶやきを漏らす]
―大通り―
う〜〜……。
[一通り、通りを巡るも成果なく。
それでも、このまま詰め所に行くのは癪にさわる……という、よくわからない意地が働いているため、自衛団に押しつける事もできず]
……しゃーない、広場行くか。
[ぼやくような声を上げた後、広場へと足を向けた]
[ハンスの声に寄せていた眉を上げ]
あ、はーい。
ありがと師匠。それじゃ、行ってきまーす。
[明るい笑顔。ささっと出かける準備を整え、露店を出て大通りへと*向かう*]
―広場―
[広場に着いたら、噴水の方へ。
魔法仕掛けのそれが弾く水滴に、少しだけ眩しげに目を細めた後、縁に腰を下ろす。
傍らには隼。その嘴は器用に拾いものの縁をくわえていた]
さってと。
皆様お立ちあい……なんてなっ。
[どこか楽しげな口調で言った後、ハーモニカを出して音色を紡ぐ。
響くは明るく、*陽気な旋律*]
[それから彼女が露店を出るのを手を振って見送り]
じゃあ、俺も。
またね、おじさん!
[言ってハンスに手を振り、自身も雑踏の中へと足を踏み入れる。
真っ黒な煤の塊は、路行く人に避けられて
ざわめきや迷惑そうな声なんて、少女はちっとも気にしない。]
―広場―
[露店で、覗くと硝子の欠片がキラキラ光って綺麗な筒を
長い間見て楽しんでいたけれど
重なった音が響いたから、手を止めて音源の方向へと顔を向ける。
ハーモニカの陽気な明るい旋律。
少女は、嬉しそうに笑顔になって、人ごみへと噴水の方へと*走って行った*]
/*
今の状況で始めると、妖精祭の霊を村に差し替えるのが一番バランスがよい……よね?
いずれにせよ、10人行かんと妖狐は入れられんかなぁ。
悩むとこだが。
妖系は個人的に好きだし。
[会話のうちにベッティと友人ということも分かる]
[段々と同じような対し方となってゆく]
[煤だらけの手を差し出されれば少し躊躇しかけた]
[だが結局手袋を取ってから左手で受けた]
カヤ君か。
名前を聞くのは初めてだったな。
どうぞよろしく。
[そういえば何度か見かけた覚えがある]
[ただ今の姿は記憶と即座に結びつかなかったようだ]
確かに人の良い御仁ではないけどね。
[意気投合する少女二人には苦笑して]
[右手でもう一度ベッティの頭を撫でた]
あまり絡み過ぎるなよ?
一筋縄でいくような相手でもないんだから。
―広場・露店―
[ハモニカの音が聞こえてきた]
[楽しげなメロディに目を細める]
懐かしいな。
休憩時間によく歌ったっけ。
[客足がないことを幸いとして]
[合わせて旋律を口ずさみながら演奏に聞き入っていた]
─とある民家─
はい。それじゃまた何かありましたら言ってください
ああ、娘さんにお幸せにとお伝えください
[そう言って、ぺこりとお辞儀
今日は依頼された仕立て直しを済ませ、直接届けにやって来たわけで
何でも、この家の娘が今度結婚することになり、母親の使ったウェディングドレスを今度は彼女が使うことになったとか]
…………結婚、かぁ
私もいつかはウェディングドレスを着るのかなぁ
[帰り道、ぼんやり考え事をしながらそんなことを呟く]
/*
ここで「お前定義者なんだし問題なかろ!」っていう突っ込みはナシでねw
質問は村建てとして投げてるけど、PLとしての都合ははっきりさせなならんでしょ、ということでー。
─広場・噴水側─
[紡がれる旋律は、風に乗って花弁と共に舞い散る。
立ち止まるのは観光客や旅人など、祭のために訪れた者が大半らしい。
とはいえ、隼が澄ました様子でくわえる帽子を不思議そうに見る者はあれど。
それに関して問いたげな者は今の所なくて。
届けるようかなぁ、なんて事を思いながらも、最後まで音色を織り成しきった]
―宿舎―
[友人に紹介され、行商人と挨拶を交わした後、彼は一足先にその場を去った。
宿舎の部屋に戻り、掌を上に向ければ光球が生み出され灯の代わりになる。
暫く歩き回った挙句、壺は部屋の隅に据えられた]
そう言えば切れそうだったね。
少し面倒だけど、…早いほうがいいか。
[視線は机の上に出されたインク瓶に動く。
光球を指先で触れて消すと、再び部屋の外へと出た]
─広場─
…………ん?
[広場の前を通りがかると、ハーモニカの音色が聞こえる]
……いい音だね。誰だろ
[そう呟くと、音のする方へ
そうして人ごみを避けつつ噴水までたどり着く]
ああ、楽団の人か
[色々納得したのか、しばし音に耳を傾けていたが]
……そうだ。アーニャ
[そう言って指を振ると、肩からアーニャが飛び降り、アーベルから少し離れた場所でステップを踏みクルクルと踊りだす]
/*
ふむ。大体、延長様子見OK、かにゃ?
まあ、妖狐・霊能・智狼希望の各位であれば、削られるor弾かれる率が出てくるわけで。
様子見はしたいとこだよな……。
つか、時期的に色々と重なってんのが、イタイわ、うんorz
─広場・噴水側─
[踊り始めたそれに気づいたのは、隼の方が先。
ゆる、と首が傾げられ、眼が動きを追う。
音色を紡ぐ奏者の方は、やや遅れてそれに気づき、瞬き一つ。
曲に区切りがついた所で唇から銀を離し、蒼の瞳を人形へと向ける]
これって……確か?
[見た覚えはある、ものの。
すぐには思い出せずに、首傾げ]
[アーベルの奏でる曲が終わると、アーニャはぺこりとお辞儀をして、てててとゲルダの元へ
しゃがんでアーニャを掬い上げ、肩に乗せるとテクテクと噴水の縁に座るアーベルの所へ]
こんにちは
…………もしかして邪魔しちゃいました
─詰所前→大通り─
[詰所前で自衛団長を待つわけにも行かず、すぐさま歩を進め始める]
顔が分からねぇからな…。
待ち伏せるのが良いんだろうが、あんな場所に居るのは真っ平だ。
[咥えていた手巻きタバコは短くなり]
[右手で摘むとそのまま燃やし尽くす]
[己の痕跡を極力残さないようにするいつもの癖]
[燃え上がった余韻で舞い散る花弁がちりりと焦げた]
[一度通りの隅に寄り、立ち止まる]
[胸ポケットから手巻きタバコの道具一式を取り出すと]
[いつものように手早く手巻きタバコを作り上げる]
[それを咥えると指を鳴らし火を灯し]
[再び周囲は紫煙で覆われた]
さて、頃合いまでは時間潰しかね。
[両手をジーンズのポケットに突っ込むと]
[ゆるりとした足取りで再び通りを歩き始めた]
[ててて、と駆けて行く人形を視線で追う。
自動駆動の魔法人形だっけ、と思い返し。
そういえば、楽団の演目に、人形遣いとの合同なんかもあったっけ? などと他人事のように思いながら]
ん、いや、別に?
さすがに、ずっと吹きっ放し、って訳には行かないからなー。
[アーベルの言葉にほっとしたのか、にっこりと笑うと]
そう? …………うん、それならよかった
ん、いい曲だったよ。思わず踊りたくなるくらい
[そこで隼の銜える物に気付くと首をかしげ]
ところで、あれって誰かの落し物?
―大通り―
[向かった先は雑貨屋。
すっかり顔馴染みになった店主と二三言交わした後、勧められた品を手にした。
こちらはどうやら吹っ掛けられることもなかったらしい。
便箋を数枚、他に細々した生活用品と共にお買い上げ。
扉のベルを鳴らし、大通りに出た]
…おや。
[ハーモニカの音が聞こえ、その元を探すように首を動かす。
程無くそれは止んだようだったが]
―広場・露店―
ああ、すみません。
良い音でしたね。誰が演奏されてたか分かります?
[声を掛けられてから気づき、笑う]
[客は街の住人だった]
[楽団の見習いの子とだけ表現されて首を傾げる]
楽団員がこの時間に?
サボリ魔ですか。おやまあ。
それで今回は何をお求めですか。
[あれこれの雑談も交えながら]
[しばらくは商談が*続く*]
─広場・噴水側─
そりゃ何より?
ま、正式の楽師とは、比べ物になんないけど、ね。
[くすり、と笑いつつ、さらりと言って。
帽子の事を問われると、ああ、と頷いた]
落し物というか、拾い物というか、飛んできたの捕まえたというか、だけど。
とにかく、ただいま持ち主さん探し中。
村の設定が変更されました。
―広場近く―
[キラキラした硝子の欠片が沢山入った筒は
光に透かすとそれが転がってとても気に入ったので
ひょい、と、服の中に入れてしまう。
誰にも気づかれる事無く小柄な体を人ごみへと紛れこませ
鼻歌を歌いながら、歩いていた。]
…ん?
[軽い人だかり。
聞こえるハーモニカと、歓声。
首を傾けて、そちらを見た。]
/*
ある意味、メモのタイミングが神ですよ。よ。
[あんまり引っ張ると仮決定前に倒れそうな気がしたんで、ちょっと早めに動いた。
つか、何時くらいにまとめるか書いてないとか、こら村建て、と自己突っ込み]
んーん、十分凄いと思うよ
…………私も何か楽器覚えようかなぁ、芸の幅を広げる為にも
[むむむ、と結構本気で検討してる模様
そして、拾い物と聞いて少しじぃと帽子を見ていたが]
ふぅん、そうなんだ
…………うん、見つかるといいね
[そう言ってにこりと笑顔]
9人目、楽師 エルザ がやってきました。
楽師 エルザは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
[―――――…、]
[色の無い海を繊手が舞う。
紡がれる調べは漣を起こし、次第に嵐の如きうねりへと変わる。
踊るというには強く激しく、指だけでなく感情を叩きつけるように。
閉ざされた室内。逃げ場の無い音が周囲を跳ね回る]
[額に薄らと浮かぶ汗。
弾き手の貌に表情は浮かんでない。
翠眼には鋭い光。
真っ直ぐに向けられた視線は何も見てはいない。
意識は音の海のさなかにある]
[何かを堪えるように硬く引き結ばれた唇は音を生まず、
代わりに赤みを帯びた白い指先が音色を創り出していた]
[凄い、という言葉に上がるのは、そーかねぇ、という気のない声]
それだけ動かせて、更に楽器まで覚えたら、向かう所敵ナシの芸、って感じ?
[先ほどの人形の舞を思い返しつつ、からかうような口調で言って。
見つかると、という言葉には、ああ、と頷く]
今、ここにいてくれると、話早いんだけどなぁ。
飛ばした当人でなくても、その連れとか、身内とか。
[零れるのは、小さなため息。
それと共に、周囲をぐるり、と見回した]
/*
がくし、を変換したら愕死になりました。
それにしても。
エルザ、逞しくなったな……
使うかどうか、たっぷり数分悩んでしまった。
男女比がなければ、ヘルムートだったかもしれない。
/*
うわあい。
というか、鍵盤担当という時点で、色々とわかっておられる(何。
さて、8人か……編成がめんどいな。
あと二人、なんとか降臨してもらえぬものか……。
やはし、妖狐も出る条件そろえたいからなぁ。
[気のない返事には「そーだよー」と返し、続くからかうような口調にはブンブンと首を横に振り]
いやいや、芸で食べていく者として現状に満足したら駄目だからね
飽きられないように、新しい芸は開拓しないと
[そう言って、一人で納得してうんうんと頷く
ちなみにアーニャも言わずもがな]
どうだろうね? いるのかな、かな?
[辺りを見回すアーベルにつられてゲルダ(+アーニャ)もきょろきょろ]
10人目、剣士 レナーテ がやってきました。
剣士 レナーテは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
ふぁ〜あ……。
[大きなあくびをもらして、大柄な女性がぶらぶらと町を歩いている]
あー……ねみぃ。
かったりぃ仕事だったな。
[言いながら、無造作に胸元をぼりぼりとかいた。
ちゃんとしていれば、美人に見えるのに台無しである]
親父も変な仕事請けてくるなよなあ。
まあ、おかげでしばらくは遊んで暮らせるだけの身分にはなれたけどよ。
……現状に満足したらダメ、か。
向上心あるなぁ。
[返す声音は、感心しているような、そうでもないような、何とも言いがたいもの]
むぅ、ここで人寄せすれば、見つけ易いかと思ったんだが……。
[アテ外れた? と言いつつ、がじ、と蒼の髪を掻く]
[真っ黒な少女は、噴水の前にひょこり。
顔を出した。
お人形と、女の人と、青年と。]
あれー?アーベルと…ひとり旅のお姉さんっ!
出し物してたのか?
[満面の笑顔で声をかけた]
――― →広場―――
……にしても、親父は何処いったんだよ。
いつもながら、ふらふらふらふらしやがって。
全く、いくつになっても落ち着きがねえな。
[ぼやきつつ、かったるそうな仕草で、噴水のそばに腰掛けた]
あー。宿とるの忘れてたな。
親父はそれをとりに……ねえな。
[一瞬で否定した]
あの親父がそこまで気の回るような人種かってえの。
─広場・噴水側─
[きょろり、としていた所にかけられた声。
真っ黒な姿に軽く瞬くものの、誰かはすぐにわかり]
ん、出し物ってんでもないけど。
居合わせたのは、偶然だしな。
ってーか、おま、何だよその格好?
[思わず上げた声は、どこか呆れの響きを帯びていた]
……。
[不意に、自分の脇に鼻を近づけて嗅ぐ]
……くせえかな。
親父のせいで、しばらくシャワー浴びてねえからな。
適当に水浴びしようかと思ったら、覗こうとしてきやがったしな。あのクソ親父。
何処の世界に、自分の娘の水浴びを覗こうとする親がいるってんだ。
[言って、後ろで勢いよく噴出している噴水を眺める]
……鎧つけたままだと、後がめんどいかな。
[にかっと笑うと、やけに白い歯だけが目立つ。]
仕事帰りだからな。
なァんか、屋根の上で鳩驚かせた奴が居たみたいでさァ、お陰でペンキの中に落ちたんだ。
そのせいでいつもよりベッタベタだぜ。
[は、と大げさにため息を着いて見せた。]
[向上心あるなと言われて、ポリと頬を掻き]
んー……それほどでもないよー
究極な話、生きる為の糧の為だからねー
[とそんなこと言ってるとかけられる声
そちらに視線を向けると、まっくろくろすけ……もとい]
えっと…………カヤちゃん、だったっけ
この前まで孤児院にいた子だよね
んー、出し物……てわけじゃないんだけど
どちらかと言ったら、即興のパフォーマンス………ん、それもちょっと違うか
っと、そういえばそんなに黒くなって
どうかしたの?
─大通り→広場─
[歩けばどこかに続くのは道理]
[大通りの先には広場]
[結局はそこに辿り着く]
……………。
[広場の隅、ほぼ全景が見えるような場所にあるベンチに座り]
[尊大な態度で足を組む]
[隻眸の先には黒い何かや人形を連れた女性]
[そして帽子を咥えた隼を連れた青年の姿が映る]
……まーだ見つかってねぇみてぇだな。
[未だに帽子を手にしている様子にくつりと笑いが漏れた]
[それから隻眸は真っ黒な子供を捉え]
[思い出すのは眉唾物の噂]
伝説の黒い人っても、別の噂が名前を変えただけらしいな。
あん時は深淵《アビス》とか黒マントなんぞ呼ばれてたか。
どちらにせよ、真実味の薄い話だ。
[やはり興味は無かった]
ああ、仕事帰りか。
ペンキの中に落ちた、ってそりゃ災な……。
[何気なく言いかけて、止まった。
屋根の上の鳩。
屋根の上?
屋根の上といえば、自分のメインフィールドのようなもので。
鳩やら猫やらを脅かして走る事もしばしばあり]
…………。
[何となく、言葉が途切れ、視線が彷徨った。
彷徨った視線は丁度、噴水を眺める大柄な女性の辺りに流れていたり]
[なんとなくずれたことを考えたが、やはり、このままじゃまずいかと顔を戻す]
『―――やは』
[と。
足元からこんな声が聞こえてきた気がした。
その瞬間、レナーテはまるで心臓を鷲づかみにされたような衝撃を受けて、声にならない叫び声を上げた]
!!!!!??!?!?!?!?!!
[レナーテがそのまま飛び上がって、噴水の中へと逃げ込み、その声の主の招待を叫ぶ]
ヘッ!
ヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘビ!!!??
/*
『―――やは』を見て。
……影の中から出てくる、あ〜るくんが浮かんだ俺は、ちょっと頭を冷やした方がいいっ!
[カヤの言葉に、「はえー」と呟くと]
それは災難だったねー
一体誰だろ…………て、どうかした?
[何か視線彷徨わせているアーベルの顔を覗き込むように見る]
[ゲルダに視線を移し、にっこりと笑って]
うん、カヤだ。
おねーさんは、何ってんだっけ?
[言って、アーベルにしたと同じ説明をし。
アーベルの不自然に動いたように見える視線を追って、鎧の女性へと目を向けた。]
ああ、いんや。
なんでも。
[覗き込んでくるゲルダに、乾いた声で返すのと、叫びが起きるのはどちらが先か]
……は?
な……何事??
[丁度、視線がそちらに流れていたためか、突然の出来事はしっかりと目撃できて。
思わず上がったのは、惚けた声]
[腰が抜けたように、噴水の中から蛇を見つめ続けるが、当の本人は]
『僕、なんかした?』
[とでも、言いたげに可愛く首を傾げて、レナーテを見つめ返している]
な、なんで、こんな街中に!!?
や、もう、早く、消えてよ!!
アタイなんて食べてもおいしくないよ!!
[最早、自分でも何をしているのか、何を言っているのかよく分からないが、それでも、手に触れている水を蛇にまいてみたり]
……えーと。
[がじ、と。
困ったように、蒼の髪を掻く。
視界に入るのは、蛇と、それに対して恐慌を来たしているらしき、見知らぬ女性。
ただならぬ騒ぎに、広場に集まっている人々もぽかん、としているらしい]
そこの、おねーさん?
一体、なに、してんの……?
11人目、旅の香水売り ローザ がやってきました。
旅の香水売り ローザは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
[馬車はガタゴトと揺れている。果物の類いを運んでいるらしいそれには、娘が1人座っていて、なんやかんやと御者に話しかけている。]
そういえばこの間の村は大変だったのよう。
香水?なにそれ美味しいの?とかいってね、
飲んで不味かったから毒だ、
やれ火あぶりだとかいってー…。
[あんなに原始的な場所は初めてみたの…なんて言う娘が乗っているそれは、どうやらイキシア行きの馬車らしい。次第に、ひらりひらりと舞うような花びらが見られるようになってきた。]
…っと、この辺りでいいわ、
街の中に入ったら、歩いて情景を楽しむ主義なの。
運んでくれてありがとね、おじさん!ちゅっ!
[華やかな街の門をくぐったあたりで荷馬車を降りた娘は、小瓶がいくつも入った大きな篭を背負って、華やかな街の中へと繰り出して行く。]
―広場―
…何事だろう。
[音の元を探して、行き着いたのは先程まで居た広場。
何よりも先に、噴水の中で何やら騒いでいる女性の姿が眼に入る。
2、3度緩く瞬いた]
ああ、私はゲルダ。ちなみにこの子はアーニャって言うの
「ヨロシクダゼ」
[カヤの笑顔にこちらも笑顔で返す
そんなこんなしていると突如上がる悲鳴
びっくりしてそちらに目を向けると、蛇とそれを見て恐慌状態の鎧着たお姉さん]
……………んん〜?
[いまいち状況を飲み込めていないご様子]
[水をかけられて]
『ちびてっ』
[と言う様に、小さく首を振ったが]
*#&!=%&$@?:+
[訳の分からない言葉を叫ぶ人間に、負けたようにやがて、その身をゆらゆらとどこかへと移動させていった。
元々、蛇は攻撃性の高い生物ではない]
……。
[その遠ざかっていく姿を、ジッと真剣な目つきで睨みながら、その様子を見守っていたが、やがて、我に返ると自分に集まる視線に気付き、照れたように笑い出した]
……やー、騒がしたようだね。
ごめんごめん。あはは……。
/*
メモ書いてるうちにフルになってるwww
今日のうちに揃ったとか、流石だwwwww
しかも女の子が一気に増えた。宣伝効果って凄いね。
兎猫のも猫の手くらいになってたらいいんだけど。
/*
……10人。
[くろねこは ちょっと ぽかーんと して いる]
な、なんというか。
毎度毎度、運がいいというかなんというかっ!
……ありがとうございますなのですよー。
考えてみたら、木の一本ぐらいなぎ倒して見せても良かったような気もする。
まあ、0時らへんが、私のリミットなのでしょうがない。
―広場・露店―
ありがとうございました。
またご贔屓に。
[客は宝石箱を大事そうに抱えて帰ってゆく]
[こちらも満足そうな笑顔]
[どうやら悪くない取引ができたようだ]
向こうはいつもにまして賑やかだな。
……これだけ賑わっているってのに、まったく。
[隻眼の記者の話を思い出して小さく溜息をこぼす]
[彼がいなければただの噂と流せただろうに]
[何となく周囲の店や行き来する人々を見ている]
あ、えーと。
[照れたように笑われて、思わず上げる、とぼけた声。
自分的には、話がそれたんで、助かった、と言えば助かったのだが]
……とりあえず、いつまでも浸かってないで、上がったら?
いくらイキシアがあったかくても、風邪、引くぜ?
……。
[噴水の中で、ただ流れる水を浴びるままに、座っていたが、気を取り直すように、コホンと咳払いを一つすると、心配そうに(?)近づいてきてるアーベルに、顔を向けると]
……そうする。
[全身から水を垂れ流しながら、レナーテが噴水から上がった]
……ちょっと汗を流すために入ろうとかと思ったけど、実際に入ることになるとは思わな……ぶぇっくしょい!!
[言葉の最後に豪快なくしゃみが出た]
……汗流すのが目的なんだったら、宿取るとか、でなきゃ公衆浴場行きなって。
[レナーテの言葉に、呆れたような口調で、ぽつり、一言]
……本格的に風邪引く前に、あったまるのを勧めとく。
わー、あれはすごい!水がぶしゃーってなってる。
[遠目に噴水を見つけ、たとたとと駆ければガシャガシャと背中の篭が鳴る。とくべつ割れ物用の包装なんてまったくしていないが、とりあえず今は、それで割れてしまったなんて事はなさそうだ。]
人が溺れている!…わけじゃないみたいなの。
[ふしぎそーにレナーテを眺めている。]
[きょとんとしている彼の足許を、先程の蛇が通り抜けて行ったようだ。
当人は気付かなかったが]
祭となるといろんな人がいるものだね。
[そういう結論になったらしい。
青年と会話をしているらしい女性から、視線を何気なく動かして広場を見渡す]
/*
ぅぉぅ(汗。
周囲おにゃのこばかりの多角会話もーど!?
しかし、最終的に女子の方が多くなるって、やられたわw
(わーい!すべりこんだごめんなさーい!
はじめましてです、しゅるねいです。
自重するかしないかで悩んで自重できませんでした。
なるたけがんばります、がんばります。)
……眠くて頭が回らなかったんだよ。
[アーベルの言葉に、頭をかきながら答えた]
さすがに、噴水の中に飛び込んだら、頭も冴えたけどな。
ああ、そうだ。
話の流れで聞くが、アタイこの町来たばっかなんだけど、いい宿屋知らねえ?
[話しながら、ローザの声が聞こえると]
溺れてはいねえよ。
[苦笑しながら言ったが、理由は更に間抜けだったので言わないことにしておいた]
─広場隅・ベンチ─
…記事にもならねぇ騒ぎは起きてるな。
[ふ、と紫煙を吐きながらの呟き]
[それでも口端は楽しげに吊り上がる]
にしてもあの剣士、どこかで見たような。
[隻眸が噴水でずぶ濡れになっている女剣士を捉える]
[仲間と共に取材した人物の連れがあんな顔をして居なかっただろうか]
[そう思うも、その時は対象に興味が無かったために仲間任せで]
[取材対象も薄っすら記憶にあるか無いか程度だったりする]
溺れてはいないの…。
うん!大丈夫よ、生きてるのが見えるもの。
[うんうん、と頷いていたが、その言葉の中で気がついた事があったのか、ハッと顔を上げた。]
…宿屋!!そうだわ宿屋なの!
あのね、宿屋ってお祭りがあるとパンパンになるの。
入れなくなっちゃうの!
急いでお部屋取らなきゃ!
[今あったばかりの女性にそう捲し立てると、宿屋を捜して*猛ダッシュ*]
―広場・露店側―
おや、どうしたの。
[歩いてきた一人の少女に視線が止まる]
[声を掛ければ泣き腫らした顔がこちらを振り向く]
帽子がなくなってしまったのか。
自衛団には行ってみたのかな?
[そこにもなかったのと再び泣き出しそうな少女]
[周囲に聞くも知らないなという答えばかりが返る]
[放っておけなかったのはいつものことといえばいつものこと]
[店の荷物を片付けて暫く空ける旨の札を置いた]
噴水側の方が人が集まっているからね。
手伝うよ。ほら、行こう。
[手を差し伸べる]
[目を擦る少女を連れて噴水の方へと歩く]
[不意に聞こえた無邪気とも思える声と、瓶が擦れる音にちらり、とそちらを見て。
それから、改めて、女性の方へと向き直り]
んー、見栄えに拘るなら、大通りに幾つでもあるけど。
居心地と、メシの美味さを重視するなら、通り一本奥に入ったフーゴーのおっちゃんとこがお勧めかなぁ。
[お勧めを問われ、上げたのは、自分もちょくちょく厄介になる宿屋。
厄介になるのは、主に家に帰りたくない時なのだが、それはそれ]
/*
>>227
この描写はやっぱMeyさんかな。
ちなみに俺はキャラがやらないので敢えてやっていない(何
世話焼きキャラならやったろうけど。
―楽団練習所―
[扉が開かれる。
内と外の空気が入り混じり熱を孕んだ大気が逃げていく]
[視線を転じると、そこには楽団員のひとりがいた。
先の荒い演奏を咎められるのかと楽師たる女は内心辟易とする。
発された台詞は、もっと厭気を呼び起こすものだったのだが。
――アーベルが、
その名前を聞いた瞬間に、初めて、女の顔に表情が浮かんだ]
/*
参加者がネタとして拾いたければと思って自重してました。
この時間だからサラリと終わらせてしまえると良いな。
あれです、露店にずっと居ると絡めないし(爆
[まくしたてるだけまくしたてて消えていったローザの言葉を反芻しながら、空を見上げて呟く]
祭りかぁ。
いいね、心が騒ぐね。
周りの様子を見る限り湿っぽい祭りでも無さそうだし、良い感じに騒げそうだな。
[口元に笑みが浮かぶが、すぐにローザの言葉の前半を思い出し]
って、もしかして、やべえのか!?
ずぶ濡れになった後に、路上で寝るのはさすがに嫌だぞ、おい!
[振り向いた時には、対象らしき少女は既に駆けて行ったところだった]
今日は随分と慌ただしい日だ。
[そう呟いた当人はのんびりとしているが]
[あせった様子のレナーテに、アーベルの言葉が届くと]
見栄えなんかよりも、メシだ!
勿論、そこに行く!
他のやつに取られる前に、早く場所とっとかねえとな!
[言って、たったと足踏みをしながら、アーベルに笑いかけ]
サンキュー!
アタイの名前はレナーテだ。
何でも屋をやってっから、なんかあったら連絡してくれ。
この町にいる限りは対応してやるよ。
じゃ、またな!
[手を振り、次の瞬間には韋駄天の如く素早さで、広場から*姿を消した*]
[猛ダッシュで駆けて行った少女と、その言葉に弾かれるように駆け出して行った剣士──レナーテと。
なんとも慌しい様子に、がじ、と蒼の髪を掻く]
……なんていうか、今年の祭りも。
賑やかなのが揃ってんなぁ……。
[ぽつり、と零れ落ちたのは、そんな一言]
[レナーテとアーベルのやり取りを首を傾げつつ見ていたが、嵐のように去っていくレナーテをぼかーんと見送り]
んん〜?
[やっぱりいまいち理解できていないご様子]
―広場・噴水側―
慌しい人が多いな。
……今のは見覚えがある気もするんだが。
[すれ違った二人の女性を軽く視線で追いかけ]
[小さく呟きながら人の一番多い方へと改めて]
誰か……と、アーベル?
なるほど君か。
[サボリ魔とは口にしないが]
[軽く肩を竦めて見せた]
[波打つ青い髪は、今は一つに括られていた。
しかし尚も乱れた様子は先の演奏の激しさを窺わせる。
歩きながら額に張りつく髪を払い、紐を解いて背へと流す。
春めいてきた大気も今の彼女には涼しく感じられ大きく息を吐く]
[直後、視界の端から端へ、一気に駆け抜けていく影を目にし瞬いた]
…………お祭りの時期だものね。
[ひとり納得の呟きを漏らして、影の来た方向へと眼差しを転じる。
何かを探すように、暫し揺らめいた]
─広場・噴水側─
[騒ぎは起こした当人が去った事で一応収拾がついたようで、人の群れも動き始める。
が、未だにこちらの問題は解決していないわけで]
さぁて、さすがに自衛団頼らねぇと、無理かなぁ。
[呟き、見やるのは隼のくわえる帽子。
取りあえず、動くか、と思うのと、名を呼ぶ声が耳に入るのはほぼ同時で]
……っと。誰かと思ったら、ハンスのにーさんか。
[振り返った先、目に入った姿。
やほー、と言いつつ、気楽な様子で手を振った]
[認めるよりも、聞きとめるほうが早い。
音には聡かった。
群集の中から、ひとつの音を拾うことも。
噴水のある方向へ歩み、ある程度の距離を保って立ち止まる。
ちょうど振り返った蒼髪の青年からは、死角になった位置だ]
[腕を組み、様子を眺める。眼を細めて]
相変わらずだな。
あれだけの演奏が出来て、未だに見習いなのかい。
[気楽そうな相手に笑いながら手を上げた]
[近くを見れば隼が何やらくわえている]
なあ、もしかして。
その帽子は拾い物だったりするかい。
「あっ、レミの帽子!」
[下を向いていた少女が顔をあげ]
[言うと同時に隼へ向けて走り出す]
/*
あっ、しまった。
深く設定するつもりもないNPCに名前使うんじゃなかった!Σ
設定で使いたかった人いたらごめんなさい…(汗
あれ、聴こえてた?
っても、俺より上手いの、楽団にはいくらでもいるんだし、さ。
[未だに見習いなのか、との言葉は、けらりと笑って受け流し。
続いた問いに、蒼の瞳を一つ、瞬いて]
ん、もしかしなくても拾い物。
風が運んでたから、捕まえといたんだ。
あのままだと、下街まで飛んでっちまったし。
[問いに答えつつ、駆け出す少女の様子にきょとり、と瞬き]
お、持ち主さんかな?
ハルフェ。
[やって来た少女を見つめる隼の名を呼んで、差し伸べられる手に、帽子を落とさせる]
いるからって、
練習をさぼっていい理由にはならないでしょうに?
[話す相手が誰であるかとは、彼女の位置からはまだ気づけず。
アーベルの背後より、声を投げかけた]
ああ、丁度良く風に乗っていたんだろうね。
近くで聞ければ良かったけれど、こちらも客がいたし。
[けらりと笑われこちらも笑みを浮かべたまま流す]
[少しだけ口元が歪んだけれどそれも一瞬のこと]
それは危なかったな。
向こうにいったらそうそう出てこないだろう。
[隼から帽子を受け取り抱える少女を見る]
見つかってよかったね。
「うん、ありがとう!
鳥さんと笛のおにいさんもー!」
[ぺこりぺこりと頭を下げる少女]
[晴れやかな笑顔を浮かべ手を振りながら広場から出て行った]
……て。
[背後から聞こえた、声。
それを聞き違える事などは、なく。
ぴしり、と。
音が聞こえそうな感じで硬直する様は、付き合い長い者からすれば『いつもの事』と映るはず]
ん、あ、ああ。
祭りの時期は、風も、はしゃいでるから。
[なんとか平静を保とう、と頑張りながら、ハンスに頷く。
口元の歪みには、緊張もあってか気づくには至らず。
それでも、本当に嬉しそうな少女の様子に、ほんの少し、緊張は緩んで]
……今度は、飛ばすなよー!
[広場から離れる背に向けて、こんな言葉を投げかけておいた]
[公衆の面前であれこれをやらかすつもりは、今となってはない――
が、昔には色々とあったわけで。
過去を知る者からすれば、やはり『また何かやらかすのか』と見えることだろう]
[少女が駆けて行った後、ゆっくりと歩みを進める]
人助けは感心するけれど。
それとこれとは別、よね。
[アーベルの陰になっていたのもある]
[こちらも弟に話しかけるまで彼女に気づかなかった]
……エルザ。
[けれど忘れられる声ではない]
[一拍を置いてからそっと名前を呼んだ]
[アーベルが固まるのを見て逆にこちらは逆に動けるように]
お久しぶり。
元気そうで良かった。
え、えーと。
[それとこれとは別、との言葉。
答えようがなくなり、視線がまた泳いだ。
周囲に助けを求めようがないのは承知している、のだが。
反射行動だろうが、距離を開けるハンスには一瞬だけ、縋るような視線が向いた。
かも知れない]
[距離を近づけたことで、アーベルと話す者の姿が窺えた。
呼ばれる名。音の内に潜む、懐かしい記憶。
半ば、弟を睨みつけていた翠眼が瞬かれる。
まじまじと男を見詰めた後、表情がぱっと変わった]
……ハンス?
[久しぶり、と言を注ぐ前に、離れた男に再びジト目になる]
……昔みたいなことは、しないったら。
やっても直らないし。
[やや不穏な理由を告げ、視線はハンスに固定したまま、
アーベルに詰め寄るという器用な行動を取った]
[姉とハンスの様子を見つつ、何とか逃げる隙を伺っていたものの。
姉の視線がこちらに向いていない事で、油断が生じたか。
伸ばされる手に気づいたのは、到達直前。
身体能力がいくら高くても、それだけで避けられる距離では──なかった]
[縋るような目のアーベルには困ったように笑うのみ]
[この件に関しては役立たずもいいところだ]
いや、その。
反射っていうものがね。
[器用な詰め寄り方をするエルザに引き攣った顔を向ける]
[視線に絡め取られたように動けなくなった]
[耳へと伸びた手を見てアーベルに内心合掌する]
─広場隅・ベンチ─
痴話喧嘩……ではなさそうだな。
興味無さそうだったもんなぁ、あいつ。
なぁアンタ、あの美人は誰だ?
[ベンチに座り足を組んだまま]
[ここに来た時と同じように、傍で準備をしている街の者に訊ねる]
……へぇ、あいつの姉、ねぇ。
彼女も楽団に居るのか。
[返ってきた簡単な説明に隻眸は青年の姉へと向く]
[丁度お仕置きタイムに移行しそうな場面だった]
反射になるような悪いことでもしたの?
[違わず掴んだ弟の耳。
普段は鍵盤を叩く指は力強い。
そのまま、斜め上に引っ張る]
毎日のように飽きもせずサボる弟より、
ちっとも帰って来ない貴方のほうに怒りたいけれど。
[冗談めかした物言いではあるが、手の力は篭めたままだ]
[帽子を受け取って嬉しそうに駆けて行く少女を手を振って見送っていたが、突如現れアーベルに詰め寄るエルザと懐かしそうに喋っているハンスとたじろぎまくりのアーベルをぽかーんと見ていたが]
……………あれ? 私だけ蚊帳の外?
「ナニコノクーキ。スッゴイシュラバナノゼ」
[そう呟きつつ、事が済むまでそこで傍観しているので*あった*]
[いつの間にか中心となった人物には余裕があった。
片目だけの視線を感じたか、ハンスに向いていた眼差しが動く]
……。
この時期だと、見世物になるかしら。
[今更なことを呟いて、アーベルの耳から手を離す。
それでも、たっぷり数十秒は引いていた]
……いっ……。
いた、痛いって、ねーさんっ!
[傍観者たちの思惑に気づく余裕などは、どこにもなく。
避けそこなった、と思った直後の痛みにじたばたと。
完全傍観者モードの隼は、呆れたようにその様子を眺めていたり。
異様に長く感じる数十秒の後、解放されると、は、と息を吐いて]
っていうか、こんなに風が楽しそうにしてる時に、籠もってなんからんないってのに……。
[口走る言葉は、その意を知らぬ者からすれば、意味不明でしかないもの]
痛くしているんだから当たり前。
止めないハルフェも同罪扱いするよ?
[傍観者と化している隼に釘を刺し、]
やることをやってからなら、私も何も言わない。
風にも聴かせ、乗せて運んで貰うための練習でしょう。
[離した手を当てて、ため息交じりに言う。
首筋に落ちた髪を掬い上げ、払った]
それに。
働かざるもの食うべからず。
食事抜きが良い?
[痛そうな状況から顔を逸らした]
[同時にエルザの視線からも目を逸らした]
いや、帰っていないわけでもないけれど。
楽団にはもう足を向けにくいからね。
[何が何でも避けていたわけではない]
[けれどエルザと顔を合わせるのもバツが悪かったのもまた事実]
[演奏を聴くときもずっと離れた場所からばかりだった]
ああ、これは失礼をしました。
[ゲルダの声が聞こえれば軽く謝っったり]
[喋る人形には不思議そうにするも驚く素振りはあまりなく]
[反応があれば簡単に名乗りもするだろう]
……見世物?
[エルザの視線を追いかけて沈黙]
[嫌な相手に微妙な場面を見られていたものだ]
[釘を刺された隼、えー、と言わんばかりに羽ばたき一つ]
まあ、そうだけど、さ……。
[ため息を交えての言葉には、ぼそぼそと。
その間にもふわり、と周囲を巡る風は、さながらからかうように花弁を巻き上げて]
う、それ、は……。
[どうにも反論できない所に止めの一言。
この調子では、いつもの逃げ場に飛び込んでも、分が悪いのは目に見えているから]
……わかりました、戻りますー。
[結局、口をついたのは、どことなく*投げやりな一言*]
……そういうものかしら。
[ハンスの口から「楽団」の単語を聞けば、先までの勢いは落ちる。
元々血気盛んというわけでもなく、親しいものに対してのみではあるから、
普段の調子に戻ったとも言えるのだが]
[いつも通りのやりとりを終えたアーベルには、よろしい、と頷く]
[お馴染みの光景ではあれど昔より頻度は減っている。
年を経たからか、他の理由からか。
それは敢えて、当人の口から語られることではない。
噴水近くの出来事に一時注目していた人々も、騒ぎに一段落ついたとみると、思い思いに散っていった]
[投げやりなアーベルの声に苦笑を浮かべる]
[練習が大切なのは間違いない]
[頑張れ、とエルザに届くか届かないの低い声で囁いた]
まあ、ちょっとね。
俺が気にしなければいいんだろうけれど。
顔も見せなかったのは、ごめん。
[若干勢いの落ちたエルザには小さく首を振って]
[その声だけは昔と変わらない]
[喉を壊したわけではないのだから]
さて、用事も果たせたから俺はこれで。
……演奏、楽しみにしているから。
[歌をとは言わなかった]
[今は鍵盤専門となっているのも知っていたから]
[記者の方は意識して見ないようにしながら]
[広場の逆方向へと身体の向きを*変えた*]
/*
もう少し詰められれば良かったかもだけれど、本当に眠くて文章が怪しくなってきたのでお先に失礼。
エルザだけでなくアーベル、ヴィリーにも感謝。
明日忘れなかったらゲルダへもメモするべきか…おやすみなさい。
[ハンスの、視線を別方向に向けたときの沈黙と、
その後の様子とが気にかかり、ベンチの方角を見る。
隻眼の男と目が合いかけて、若干逸らし、会釈をした]
ん。
一番を聴かせられるようにする。
またね。
[ハンスの謝罪に首を振り、
短い決意と再会を願う言葉を告げその背を見送る。
複雑そうな表情が過ぎったのは、一瞬の事で]
さて。それじゃ、行きましょうか?
[アーベルへと向き直ったときには、笑っていない「笑顔」。
引き摺ることこそしなかったが、
残る他者に挨拶をして、すたすたと*立ち去った*]
[投げられた低い囁きに、返したのはごくごく小さな頷き。
去って行く背に、またねー、と声をかけて]
……はい、はい。
[笑っていない笑顔での促しに、零れたのは大袈裟なため息。
引きずられなかったのは、幸か不幸か。
数年前なら、それこそ耳を引っ張って引きずられていた所だろうが]
んじゃ、俺、行くわ。
またなっ。
[場に残る者に軽く言いながら手を振り、隼を肩へと呼んで歩き出す。
ふわ、と誘うように掠める風。
それと共に駆け出したくなるのは、*何とか押さえて*]
/*
さて。
鍵盤から管楽器に移動した理由とか時期をちゃんと考えないと。と。
まあ、流れでいいか。
にしても、11人に下げてからの集まりは早かったなぁ……。
毎度まいど、お世話になります皆々様。
まとめに意思表示してた全員……ではなさそうだけど。
予想外弾かれが少なかったり、突飛でない事を祈ろう……。
あ、後でミスコンネタをふらなくては(あくまでやるんかい。
[練習所に辿り着くまで、一度も背後を振り返ることはなかった。
戻って早々鉢合わせたのは、先にアーベルの不在を報せた楽団員。まだ新米の彼はエリザベートを見るなり明らかに困惑の表情を浮かべたが、当人はなんてことのない顔で]
迷惑かけて、ごめんなさい。
アーベルと同じパートの方でしたよね。
よろしくお願いします。
この子、ときどきひとり走っちゃう癖があるから、釣られないように気をつけて。
[丁寧に一礼すると、後から来たアーベルの背を押す。姉と言うよりは母の態。終わりは演奏に関してらしかった。
呆気に取られた様子の新人に微笑を返し、エリザベートは自分の持ち場へ戻っていく]
[他のメンバがそれを見て、同情したか面白がったかは、彼女は見ていない。
ただ確かなのは、彼が伝えに行く前からこうなるであろうことは、周知の事実だったこと]
[それから恙無く練習は進み、振られる指揮棒に合わせて音色が織り重ねられる。
エリザベートの生み出す音も、先の荒々しさはない。
二色の鍵盤の上を、滑らかに指が踊った。
一切の雑音が失せ、旋律のみが意識を満たす感覚――]
[しかし飛び込むように入って来た一人の楽団員により、演奏は中断された。
一気に集まる視線。
静寂の中、注目の人物の口が開かれる。
「予定していた人形遣いが、参加不可能になった」
そう告げられた報に、生まれるざわめき。
祭りまで日がないのに、と皆が顔を見合わせた]
[人々の思いを知ってか知らずか、時は変わらず移ろい、*陽は落ちてゆく*]
─広場隅・ベンチ─
[観察を続けていると青年の姉がこちらを向く>>265]
[僅かに視線を逸らす仕草にくつ、と小さく笑いを漏らしながら]
[首だけの会釈を相手に返した]
ふん、あいつとも知り合いか。
過去に何かあったかね。
[行商人の視線を追ってこちらを見た様子にそう当たりをつける]
[予測するのはやはり色恋沙汰なわけだが]
事件の前に面白そうなもんが見れっかねぇ?
[紫煙と共に吐き出される呟きは]
[至極楽しそうな笑みを浮かべて漏らされた]
[ぽかーんと見てると、ハンスから声を掛けられる]
え? ああ、別に私のことはクウキだと思って続けてくださっていいんで。お気遣いなく
……あ、ハンスさんですか。私はゲルダ、この子はアーニャって言います
見ての通りの旅の人形師で……ああ、ハンスさんも行商なさってるんですか
どうぞ、よろしくお願いします(ぺこり×2
[続いてエルザからも声を掛けられ]
あ、どうも(ぺこり×2
あー、私のことはお気遣いなくー
「オキヅカイナクー」
[そう言って愛想笑いを浮かべる
まあ目の前の状況を気にするなというのは無理な話な訳で]
― 大通り ―
えー、これって高くない?もう6つもらうから、もうちょっと安くしてよー。おっちゃんとアタシの仲じゃなーい。ね、お願いっ。ねっ?
[果物が山と積まれたお店の前で、両手を合わせ片目を瞑って懇願している]
やった!おっちゃん、ありがとねー
[値切り交渉がまとまり、1ダース半の林檎を籠に詰めてもらう。その一つを齧りながら、懐かしい孤児院へと続く道を*歩いていく*]
[広場から騒動の元(?)が離れて行くのを見送って居ると、
わっと、別の露店から声が上がる。
それを耳に入れると真っ黒煤塗れ少女は、たっと足を踏み出した。]
ゲルダ、アーニャ、またなッ!
今度アーニャの芸見せてくれよ!
[別から上がった声は、どうやら服のポッケに忍ばせた筒の店の主人。
気づかれたからかそうでないかは判らなかったけれど、
何かあっては拙いな、と、人ごみの中へと元気に走りこんだ。]
―回想―
旅の人形師ゲルダとアーニャ。
ああ、話を聞いたことはありましたね。ひとり旅の一座。
[もう一つの名前を思い出す]
[納得したように頷いた]
[その技を見る機会はこれまでなかったけれど]
俺も旅回りですよ。そう大きくもない規模の商いですが。
祭りの間は向こうで露店を出していますから、何かあればどうぞ。
[エルザやカヤが親しげに話すのを見て]
[イキシアにも長いのだなと思う]
―広場・露店側―
[一番をというエルザには肩越しに頷き]
[複雑そうな表情までは見えず]
[ヴィリーの近くは当然避けて通ろうとした]
[露店の集まるほうに戻れば上がる怒声]
喧嘩か?
[自分の借りている場所とも近い]
[揉め事の気配に眉を寄せる]
[騒ぎが落ち着くまで少し遠巻きに*見守った*]
―広場から少し離れた細い路地―
[怒声が聞こえたものの、どうやら犯人の特定は出来ていない模様。
自分を探す声追う声が聞こえなかったので、
少女は満足げに手の中の筒を一度空へと放り投げ、キャッチした。
真っ黒な手で握った為外は汚れた万華鏡。
それでも内側は何時覗いても綺羅綺羅と綺麗だったから、
にこにこと笑みを浮かべてゆっくりと歩く。]
あ、いけね。
爺っちゃん今日帰り遅いって言ってたな。
何か買って帰らないと。
[花祭りで賑わう人達の対応に追われ、自警団は忙しいらしい。
少女は今晩の食べ物を準備すべく、市場の方へと*足を向けた*]
[口に楊枝を咥えながら、レナーテが大股で町を闊歩している]
う〜い。食った食った。
あの兄さんの言ってたとおり、メシはうまいし、メシは多いし、メシは安いし、最高だったな。
[メシの感想だけか]
にしても、あの親父はほんっとうに神出鬼没だな。
いつの間に、先回りしていたんだか。
[あれから、その宿屋へと向かうと、どうやら父親がちゃんと二人分の宿を手配していたようで、名前を言うだけで、すんなりと入ることが出来た。
変人であり、得体の知れない人物でもあるのが、彼女の父親という存在だ]
ま。いいか。
手続きしなくて楽できた程度の問題だ。
[言いながら、肩に手を当て、腕をぐるぐると回し、首をこきこきと鳴らした]
ふう。
久しぶりに鎧脱ぐと楽でいい。
さすがにあんなのを四六時中つけてると、肩がこってしょうがねえからな。
[現在は鎧を自分の部屋に脱ぎ捨てて、風の吹くまま気の向くままに気楽に街中をぶらぶらと散策中]
―広場・露店―
何事ですか。
[露店から上がった騒ぎに、彼がそう言って首を突込んだのは少し前のこと。
盗難という言葉と、盗まれた品の情報を得、少し考えた後で、代金を支払うことにより取り敢えずその場を収めた]
─練習所─
[戻って来た練習所で最初に会ったのは、飛び出す時に「後はよろしく」と言い置いてきた同じパートの仲間。
ぽかんとした彼と、姉の様子をしばし無言で見守り]
……ふぉーるーかーぁー。
教えるに事欠いて、誰に教えてんだよ、おまっ!
[姉が行ってしまうと、八つ当たり気味に彼の首を抱え込んで軽く絞める。
自業自得とか、いつまでも子供なんだから、とか。
定例と化した突っ込みや野次にるっせぇな! と返した所にやって来たのは]
あ……楽団長。
[にこやかな笑みに、引きつりながら仲間を解放し。
とつとつと投げられる小言の後、居残り練習を言いつけられたのは、いつもの事。
……ついでに、本来ならば参加予定のなかった『本番』への強制参加も付け加えられた]
……?
[―――と。
歩みの先から怒号の声。
同時に派手な打撃音。
レナーテが音の正体を探るべく足を速めると、何のことは無い。
男が二人対峙して、罵声を浴びせあって、顔に青あざを作ってる最中だった]
お。
ケンカかい。
活気があっていいね。
[ぴゅう♪と口笛を吹くと近くで開いている店の親父さんから串に刺さった味噌田楽を一本買い、それをほおばりながら、のんびりと見物]
―大通り―
…やれやれ。
ぼくもそれ程裕福じゃないんだがね。
[その割に壺を買った件はさておいて。
露店から離れ孤児院へと向かう最中、息を吐いた]
さて、誰だろうな。
ヨハンか、トニーか…
[孤児院の子供の仕業かと見当をつけた故の支払い。
大人がわざわざ盗むものとも思えないし、親がいるなら親にねだれば良い話だからだ。
所謂問題児の名前を指折り挙げて考えるも、まさか『元』孤児院出身が犯人だとは思い至らないようだが]
えー……強制ってなんですか、強制ってー。
[ぶつぶつと文句は言うものの、逆らう様子はなく。
その後の練習にも、真面目に参加していた。
奔放な風を思わせるハーモニカの演奏の時とは異なり。
銀のフルートから零れる音色は水の流れを思わせる。
音色は連なり、多種のそれが絡んで旋律となる。
音の創り出す一体感は、不意の報せに破られて]
……何だ、それ?
なんか、不都合でもあったん?
[疑問の呟きは、周囲のざわめきに飲まれ。
ともあれ、この件については協議の上で、という団長の言葉により、ひとまず場は静まった]
─広場隅・ベンチ─
[観察していた者達は散って行き]
[己を避けて戻ろうとする行商人にはニヤニヤと笑みを浮かべて視線を向ける]
[これ以上面白そうなことがないと判ずると]
[組んで居た脚を戻して徐に立ち上がった]
…別の騒ぎが起きそうだな。
巻き込まれる前に退散だ。
[露店の一角で上がった声に状況を察し]
[近付かぬようにしながら移動を始めた]
[そうして、アーベルが連行されカヤが走り去っていくと、別所で上がった怒声もあってか辺りにいた人は散っていく
ふぅ、とひとつ溜息をつくと]
……じゃあ私たちも一度部屋に帰ろうか
「ダナー」
[そう言って部屋に帰っていった。──ここまでが昼の出来事]
[周りで人垣が出来て、思い思いにレナーテと同じく楽しいことが起きたとばかりにはやし立てる。
そんな中当人達は]
『ちっくしょー!お前の母ちゃんでーべーそー!』
『なんだとー!?お前こそでーべーそー!』
『て、てめえ!親の悪口はいいが、俺の悪口を言うな!』
[……なんだか、非常に低レベルな口げんかを繰り広げている]
あっはっは。
先に言ったほうが言い負かされてるんじゃねーぞー!
[三本目の味噌田楽をほおばりながら、適当に野次を飛ばしておいた]
― 孤児院 ―
[りんごの差し入れを届け、院長と子供達に久しぶりの時間を過ごす。苛々した気分も晴れた所]
あ、いっけなーい。もう戻らなくちゃ。
……ほら、そんな顔しない。お祭りが終わるまではいると思う。また来るからー。
[小さな子供たちの頭を撫で、元気いっぱい]
師匠、心配してるかも。急げー
[孤児院を出ると、とたんに駆け足。人と人の間をすり抜けながら、風のように広場へと戻っていく]
[再び起こる怒声。
瞬き、途中で道を逸れそちらに向かう]
ああ、喧嘩か。
専門外だな。
[しかし音の正体を知ると、あっさりそう結論付けた。
野次馬の横を通り抜けて行こうとし]
おや。
[少し前広場(の噴水内)で見かけた女性の姿を眼に止めた]
─大通り─
[相変わらず手巻きタバコを咥え、両手をジーンズのポケットに突っ込み]
[ゆったりとした歩みで通りを歩く]
……こっちでも騒ぎか。
[前方に見えた人だかりにそんな呟きが漏れる]
[喧嘩のようだが、周囲の野次の方が賑やかだ]
[少し足を止めて喧噪を耳に入れる]
……アホらし。
[聞こえて来たのは低レベルな口喧嘩だった]
[とはいえ、ざわめいた状態での練習は長くは続かず、早めに打ち切られ]
んじゃ、居残りしてくから。
あー、夕飯は何とかするよ。
遅くなるようなら、そのまま世話になってくるからさ。
[解散の後、姉にこう告げた。
こう言って帰宅した試しはほぼ皆無のため、いい顔はされないだろうが。
何か言われる前に、最初に飛び出してきた三階の練習室へと逃亡する]
あー、もー、にしても。
……本番、かぁ……。
[人気のない練習室に駆け込み、零れた呟き。
長く伸ばした前髪の陰の表情は、薄暗さもあって窺い知れず。
しばしの沈黙を経て、ふる、と首を振った後、譜面台に向き合いフルートを構える。
紡がれる音色は、やはり、水の流れの如く静かなもの]
[音色紡ぐ事数刻、さすがに疲れを感じた所で居残り分は切り上げる。
片付けの後、残っていた楽団長に挨拶をして、外へ]
……ん。
[外に出るとすぐ、待っていたらしい隼が肩へと舞い降りてきた]
さぁて、と。
メシ食いにいくか。
[翼ある友を軽く撫ぜた後、大通りへと向かって歩き出す]
[―――低レベルな口げんかだった。
低レベルな殴り合いだった。
だが、周りを人で囲まれ、ヒートアップしてくる当人達はそれだけでは終わらなかった]
『―――てめえ……!!』
『ああ!?やるのか、コラ!!』
[何処に隠して持っていたのか、ケンカしている二人が同時に懐からナイフを取り出し、相手めがけて切りつける]
『―――ヒッ!?』
[野次馬から、息を呑む声が聞こえてきた]
[―――しかし、その行為は途中で止められた]
……おいおい。
ケンカで刃を抜くのは、感心しねえなあ。
[いつの間にかレナーテが二人の間に立って、二人のナイフを同時に受け止めていた]
[立ち去ろうとして聞こえて来る、野次馬からの息を飲む声]
……抜いたか。
[何が起きたかは察しがついた]
[再び隻眸は人垣へと向き、その合間から喧嘩の当人達を見やる]
[血を見るかとも思ったが、それがなされることは無かった]
…ほぅ。
腕が立つのが居たか。
……ん、ああ。
あの時噴水に飛び込んでた。
[甲冑は着て居なかったが見覚えはある]
[右手をポケットから出し、咥えていた手巻きタバコを摘んで]
[口の端から紫煙を吐き出した]
─大通り─
に、しても、何なんだろなあ……。
[通りを歩きつつ、呟くのは先ほどの報せの事。
一体何が起きたのか、その辺りははっきりとは聞けなかったら、少しだけ気にかかり]
ま、それより何より、俺の方が問題、か……はぁ。
[先ほどの決定事項に、やや大袈裟なため息をつく。
騒ぎが耳に入ったのは、それと前後する頃]
あれ、なになになに?
[気持ちを切り換えるためか、それともいつも発揮する子供っぽい好奇心故か。
歩みは自然、人の集まる騒ぎの場へと]
[近くにいるらしき友人の姿には未だ気付かない。
不意に、女性が騒ぎの中心に向け動くのが見え]
…おお。
[見事な所作に感嘆を洩らした。
すっかり周りの野次馬と同化している]
何かしら、あれ。
[露店に戻る途中、人だかりが目に止まる。中心からはいくつかの怒号]
[駆ける足を止めて、騒ぎの中心へと視線を投げつつ]
ねね、何か面白い出し物?
[近くにいた、野次馬らしき男性に話しかける]
……って、うわ。
[人垣の向こう、見えたのは先ほど噴水で話した剣士]
へぇ……すっげ……。
[瞬き一つ、上がるのは、純粋な感嘆の声]
『ああ!?なんだてめえ!』
『人のケンカに手出してんじゃねえぞ!』
[こんな時だけ息がピッタリな二人に、レナーテが笑いかけると]
……そりゃ、アタイに言ってんのかい?
よーし。このケンカ……買った!
[笑みを浮かべたまま、レナーテは二人を瞬く間に殴り飛ばし、人傷沙汰にもなりそうなケンカを強引に止めた]
『お、覚えてろこのデカ女〜!!』
『次会った時は、容赦しねえからな、この巨娘!!』
[殴られた衝撃で吹き飛んだ二人が、同時に言葉を発し、全く正反対の方向へと走って消えていった]
かっかっか。
いつでも来なさい。
[最後に快活に笑うと、周りの野次馬からは拍手喝采が巻き起こった]
『姉ちゃん、いいぞ〜!』
『かっこいいじゃねえか〜!』
『うちの息子の嫁になってくれ〜!』
『いや、むしろわしの嫁になってくれ〜!』
[周りの野次馬の賞賛の声に、レナーテは照れたように手を挙げ]
や、どもども。
サンキューサンキュー。
嫁に関してはノーサンキュー。
[とか言いながら、野次馬の中に戻りつつ、6本目の味噌田楽をかぶりついた。
ちなみにそれは、店の親父さんが、ありがとよ、とか言いながら、無料でくれた]
[事も済んだしと再び立ち去ろうとして]
……ライヒ、何してんだお前。
[見つけた友人の姿に声をかける]
[専門外の騒ぎの野次馬と化している様子に小さな嘆息]
[それを隠すかのように離した手巻きタバコを口元へと戻した]
/*
追加裏設定をちょろり。
元軍人。
右眼を失ったことで退役し、紆余曲折の末に現在の出版社へと所属。
かつての経験から荒事専門のジャーナリストとして活動している。
右眼を失った際に、それを補うかのように魔力が開眼。
しかし元々得意な分野では無かったため、その力の使用は不安定。
難易度の低いものならば自在に操れるが、高レベルの術となると魔力任せになることが多い。
こんなもんか。
……おねーさん、中々やるねぇ。
[野次馬の中に戻って来たレナーテに、感心を交えた声で呼びかける。
隼も、同意するように一つ、羽ばたいた。
ちなみに嫁云々の歓声に関しては、それって苦労しそうじゃね? なんて失礼な思考もちょっと巡っていたりする]
え、…ああ、なんだ。
[声の方向を見遣り、友人の姿を眼にする。
同時に自分の姿を顧みたか、やや気まずそうな笑みを見せた]
いやあ、自警団を呼ぶつもりだったんだけどね。
あまりに見事な仲裁だったものだから。
[一度部屋に戻ったあと、カリカリと劇の脚本を書いていたが、ふぅと息をつき目元を解すと外を見やり]
……ん、もうこんな時間か
…………ご飯食べないと
[そう呟くと、外套を纏い、肩にアーニャを乗せて部屋をあとにした]
─部屋→大通り─
うわー、凄い……新手の劇かしら。
ね、ね、あの人って何者?自警団の人?それとも怪人とか?
[巨大な女性の活躍を目の当たりにして、経緯を聞こうと野次馬を捕まえて話しかける。その時目に止まったのはヴィリーと修道士の姿で]
……怪しいわ。
[二人から見つからないように、野次馬の影に隠れた]
呼ぶつもりなのが見入ってちゃ意味ねぇだろ。
まぁ、確かに生半可な腕じゃねぇな、アイツは。
[再び隻眸は喝采を浴びている女剣士へ]
腕に自信が無けりゃあんな芸当は出来ん。
[如何に素人の喧嘩とは言え、刃物まで抜いたとなれば]
[それに割って仲裁しようと言う輩はそうそう居ないことだろう]
[出来てもやらない人間がここに居るし]
ほにゅ?
[口の中に味噌田楽をほおばりながら、声のしたほうを振り向いた]
ほ。
きゅのうにょ……にゅ。
[モグモグ、ゴックン]
よ。
昨日の兄さんじゃねえか。
宿屋の件、サンキューな。助かったよ。
腕に関しては、色々と旅してるから自然とな。
たっぱあるから、それだけで有利ってのもあるしな。
[ちなみに、この娘。身長190cmあります。]
ん、ああ、宿取れたんだ。
[そりゃ何より、とけらりと笑って]
旅……かぁ。
やっぱ、色々と見れたりできるんだろーなぁ。
[短い言葉にもらす呟きは独り言めいたもの。
身長の話に、一つ、瞬いて]
身長高いと、かぁ……。
俺も低い方じゃないけど、その上行ってるモンなぁ、おねーさん。
[そういうこちらは180前後なわけだが]
─大通り─
[大通りまでやってくると、なにやら騒がしい
首をかしげ、近くにいた青年に聞いてみると、レナーテの活躍について耳にする]
……へぇ、そうなんですか。ああすみませんお手数をおかけして
[そう言って話を聞いた青年にぺこりと一礼]
[ヴィリーの視線がこちらの方を向くと慌てて身を屈めたり]
[女剣士の方を見やって]
……あれ、あの人、アーベルの知り合いなのかな?
何か面白い組み合わせだなー。
[解散しつつある野次馬の中、いろいろと気になる様子]
…まったくだね。
[突っ込みは素直に受け入れた。肩を竦める。
友人の視線を追い、視線は再び件の女性へ向かう。
野次馬の間でこちらを伺う目があろうとは思いもしない]
でもまあ、あんなに強い人だとは思わなかった。
度胸があるっていうか。
[無意識下では噴水での出来事と脳内比較しているのかも知れない]
まあ、色々と面白いもんが見れるってのは、旅の一番の醍醐味だね。
後、ご当地特製のうまいメシとかな。
[笑みを浮かべながら、頭の中に歴代うまかったメシランキングがずらずらと並び、少しよだれが出た]
……おお、よだれが。
[じゅると適当にぬぐい、アーベルの身長を見つめると]
んー、それだけあれば普通は充分じゃねえか?
アタイの場合はウドの大木みたいなレベルまでいってっからよ。
胸とかも、これ以上育ったら邪魔くさくてしょうがねえんだけどな。
[言いながら、無造作にもにょりと、自分の胸を掴んだ。
ちなみに、かなりでかい]
[他へ視線を向けたのは刹那のこと]
[口元に薄い笑みが浮かんだかは定かでは無い]
剣士の格好をしてんだ、それなりに腕は立つだろうとは思ったが。
…剣士っつーよりは喧嘩屋の動きに似てたがな。
[言いながら、口の端から紫煙が漏れた]
[何となく、呼ばれたような気がして、ん? と言いつつ視線を感じた方を一瞬だけ見やる。
肩の隼はしっかりそちらを凝視していたりするが]
そーかぁ……。
いい事ばっかじゃない、ってのもよく聞くけど、やっぱ、いい事の方が多いのかなぁ。
……ってか、食べ歩きの旅、ってんでもないんだろ、何でも屋、って事は。
[ぽつり、と零した呟きの後、よだれを拭う様子に苦笑いして]
んー、まあ、十分とは言われるけどねぇ。
……って。
[無造作に胸掴む様子に、ちょっと引いていたり。
耐性、あんまりないようです]
そりゃまあ、悪いことだって当然あるけどよ。
けどそんなもん、普通に生きてたってどこにでも転がってるじゃねえか。
なら、アタイは楽しんでいきたいもんだね。
[そう言って笑う姿は本気でそう思っているようで。
根っからのポジティブ人間であることがうかがい知れた]
それに、何でも屋は生きるための手段。
メシは趣味さ。
鍛錬が趣味とかストイックな生き方はしてねえしな。
……ん?どした?
[胸を掴むのはあまり気にしてやったわけではないので、気付かないようです]
…何か可笑しかった?
[眼を戻し友人を見上げ、一瞬見えたような笑みに首を傾げる]
はあ。
そういうところまでは分からないな。
[喧嘩評には言葉通り、いまいち芳しくない返事。
見世物は終わったとばかりに散って行く野次馬、辺りを見れば見知った姿もあるのが分かりやすくなる]
[手を振られた隼は首をこきゅっ、と傾げていたり。
ある意味、とってもお気楽]
痛い目といい目は五分五分、って感じ?
……そっか、楽しむ、か。
[何か思うところあるのか、一瞬だけ、蒼の瞳を伏せて]
ん、あ、ええと。
なんでも、なんでも。
[どした、という問いには、ひらひら手を振りつつ誤魔化し笑い]
[そうして、人ごみの隙間をするすると抜けるとレナーテの元へと
少女が肩のアーニャを見ているのには気付かなかった様子]
……あれ? 昼間のお姉さんじゃないですか
[ちなみにお姉さんお姉さん言ってるが、実は同い年だとかまだ気付いてない]
いや。
気配の消し方も知らん素人が隠れてこっちを窺ってやがったんでな。
[仕事柄、時と場合によっては察知する能力も必要で]
[また気配を消す能力も必要だったりするものだから気付いたらしい]
[散った野次馬の影から見えた露天商に再び隻眸を向けて、友人に示す]
[尤も己の場合は仕事柄と言うよりは過去に就いて居た職で身につけた技術なのだが]
お前は分からんで良い。
分かった方が不自然だ。
[芳しくない返事にはそんな返答]
五分五分なんて、しみったれたこと言ってんじゃねえよ。
じじくさい達観したようなこと考えるよりも、十分全部良い目になるって思っときゃいいんだ。
悪くて九分かな。
[目を伏せたのには気付いた様子も無く。
誤魔化した様子には、首を傾げるが]
そか。
ならいいや。
[と、短く返した]
ん?
[そうこう話し込みながら、12本目の味噌田楽を口に入れると、自分に向けて声が聞こえてきたので、レナーテが振り向いてゲルダを見つめる]
おー。
おー……?
誰?
[女剣士たちの方へと動いていく人形をじーっと見つめていたが]
……っと、いけない。
戻らないとー。
[いつしかヴィリーのことも頭からは抜け落ちて、ぱたぱたと露店の方へ走って行った*]
悪くて九分、かぁ。
そういう考え方、いーな、うん。
[刹那の翳りは既になく。
けらり、と笑う様子はいつものペース。
追求がなかった事に内心でほっとしつつ、聞こえてきたゲルダの声にちら、と視線をそちらへ]
あの子?…ああ、さっきの。
何か変なことしたっけ。
[示されるのに釣られて露店商の少女を見る。
こちらは隠れる理由もない為、結構まじまじと見た]
確かに必要ないけどさ。
凄いよね、ヴィルは。
[眼はあくまで少女に向けたまま、言葉を続けた]
さてね。
どうやら俺は評判が良くないらしいからな。
[言いながらもくつりと笑みを漏らす]
[それすらも楽しんでいるようだ]
[そんな会話のうちに露天商は露店のある方へと駆けて行く]
凄いと思うなら崇め奉れ。
…つっても俺のは癖みてぇなもんだ。
身に染み付いた感覚なんだよ。
[最後に呟いた時の表情は僅かに眉根が寄っていた]
へっへ。
小難しいこと考えるよりも、まず行動だよ。
へとへとになるまで運動すれば、悪いことも考えねえって!
[そう言って、アーベルの背中をバン!と叩く。
一応、かなり手加減はしているが、どこまでの威力があったことやら]
[レナーテの反応で、そういえばこちらが見かけただけで会話はしていないことに気付き]
あ、えっと私はゲルダって言います。こっちはアーニャ
「ヨロシクダゼ」
えっと、昼間にお姉さんを見かけたんで
そのまますぐにどこかに走っていかれちゃいましたけど
― 広場・露店 ―
師匠、ごめんなさいっ。遅くなっちゃいましたー。すぐ店番代わりますね。
……あー、さっきそこで凄かったんですよ、大きな女の人が、こう、ずばばばばーんって!
まだあそこにいるかも。
[露店に戻るとハンスに詫びた後、大振りなジェスチュアを混ぜて説明。やがて遅くなれば店をお片付け]
あは、それは確かに真理。
抜け出したい、って思った時が抜け出し時だからねー。
[けらり、と笑う。
内容が威張れたものではないのは、いつもの事だが。
悪い事を考えない方法、に妙に納得した直後に背中を叩かれ]
……ぐぇ。
[……結構、効いたようです。
衝撃から逃れるよに、隼が肩から一時舞い上がり]
ああ、原因はそこか。
…態度を改める気はないんだね。分かってたけど。
[どうやら言われるまで思い至らなかったらしい。
ちらと見上げると笑みが見えて息を吐く]
残念ながらうちは一神教でね。
尊敬はしているさ。
[軽口を叩く。
寄った眉は見ていたものの、言葉に出して何か言うことはなかった]
俺は俺だ。
他に合わせる道理はねぇ。
[改めるつもりは毛頭ない]
[己の態度が敵を作るのは百も承知]
[分かっていて改めないのだから性質が悪い]
そうかい、そりゃ残念だ。
尤もそこで崇められても困るんだが。
神を騙るつもりはねぇ。
[眉を顰めたことに追及が無かったのは少しありがたかった]
[けれどまだ吹っ切れていないのだと自覚してしまう]
[紫煙交じりに大きく息を吐いて]
…ああそうだ、ライヒ。
お前、自衛団長の自宅知ってっか?
詰所じゃ捕まらなかったんだ。
[ゲルダから名乗りを受けると]
ゲルダと、アーニャね。
アタイはレナーテだ。
[人形が喋っていることには、特に驚かない様子。
旅をして、更に何でも屋をやっていると、とんでもないものもよく見かけるので、多少のことでは驚かなくなってくる]
あー……。
噴水デノヤツネ。アア、ウン、目立ッテイタヨネ。
[あまり思い出したくない記憶なのか片言で返す]
そうそう……って、抜け出したい?
[特に考えずに返答してから、言葉の意味について考えたが、すぐに面倒だと思ったのか、考えるのをやめた。
そして、うめき声を上げる様子を見れば、困ったように眉を寄せ]
お?
おいおい。
そんなに強くやってねえぞ?
だーめだぜー?いつ何時何があるのか分からないんだから、多少は鍛えておかないとよ。
そうだ。
良かったら宿の礼に、少し鍛えてやろうか?
あ、ああ。
何でもない、なんでもない。
こっちの事。
[一瞬の疑問に、ひら、と手を振る。
もっとも、宿の主人に聞かれたなら、笑いながら説明されるのだろうけど]
……強くやってない、って、結構効いたけど……。
[どんだけ馬鹿力、とは、さすがに口にはしなかったが。
鍛えて、という言葉に一つ瞬き思案するものの]
んー……祭り終わるまでは、時間そんなに取れそうにないんだよなぁ。
[『本番』参加が決められてしまった現状。
抜け出しも難しくなるのは目に見えていたから。
零れた声は、ため息まじり]
言うと思ったよ。
[いつも通りの返答に苦笑を零した]
へえ。
きみにしては謙虚な言葉だ。
[続けた言葉も苦笑混じりだったものの、冗談とも本気ともつかなかった。
紫煙にも嫌な顔一つせず、投げられた問いに瞬く]
団長の家?
その路地を通って行けばすぐだけど。
最近は忙しいみたいだからね。今の時間にいるかどうかは。
[大通りから伸びた細い路地を手で示しつつ、首を傾げる]
村の設定が変更されました。
[レナーテに背中を叩かれ情けない声を上げるアーベルを心配そうに覗き込むと]
…………大丈夫?
……うん、大丈夫そうだね。よかった
「ヘタレーヘタレー」
[返答を待たずに納得。何気にアーニャが酷い]
ん? そっか。てことは出るんだ、『本番』
これでも、すっげえ手加減してんだがなあ。
ま。馬鹿力ってのは自覚してんだけどな。
[と、苦笑しながら頭をかいた。
そして、後半の言葉を聞けば]
ん。そうか。
なら、しょうがねえな。
[あっさりと答えた]
んでも、体力と筋力は全ての基礎だからよ。
ランニングと腕立てぐらいはやっておいたほうがいいと思うぜ。
神なんざ、なるもんじゃねぇよ。
…なりたくもねぇ。
[もし神が居て、手を差し伸べてくれたなら]
[今も己は別の所に居ただろうから]
[神を信じぬのは友人も知っているが]
[聖職者である彼の目の前で、それ以上神を否定するのは憚られた]
[多少抑えるくらいには友人への情は残っているために]
今は居なくても、後で確実に捕まればそれで良い。
あの先だな、さんきゅ。
[隻眸で示される手の先を見やり]
[路地の場所を記憶した]
[なんかざっくり言ってる人形に、ほんの一瞬、睨むような視線を向け。
それから、『本番』の言葉にああ、と気のない声を上げる]
団長強制で、さ。
……あれ、時間拘束長いからきついんだけどなぁ……。
[言葉に続いたのは、大袈裟なため息]
……あれで、加減、してたって。
[思わず声が上がったのは、ある意味已む無しか]
ん、まあ、体力作りはやってんだけど、ね。
演奏って結構、体力勝負だし。
うわ。
結構、毒舌なのな、そいつ。
[アーニャの言葉にそんな感想が生まれた。
本番云々については、あまり自分には関係ないことだと思ったか、特には突っ込まず]
加減してなかったら、多分、アンタ死んでるよ。
[アーベルにもう一度苦笑を浮かべた]
へえ。演奏ってことは、吟遊詩人か何かかい?
ん?
旅してねえってことは、違うか。
なら、演奏家かな。
まあ……どう見てもアンタが力仕事しているようには見えねえしな。
そうかい。
[返答のはただ一言。
それなりに付き合いの長い友人の気遣いを察することくらいは彼にもできた]
お役に立てたなら何よりだよ。
[次には常のように眼を細め、笑んでみせる。
それから思い出したように空を見上げ、眉を寄せた]
そう言えば…もう遅いか。
犯人探しは明日かな。
[早いほうがいいのだろうけど、と独り言ちる]
……どんだけ。
[苦笑と共に言われた言葉に、ぽつり。
敵に回さないのが吉、と認識したらしい]
ん、ああ……街の楽団の、見習い団員だよ。
[疑問には端的な答えを返して。
最後の言葉には、大きなお世話、とちょっとむくれた]
― 広場・露店 ―
[パトロールだろうか、店の前を通りがかった自警団長を見かけると、口笛を吹いて存在をアピール]
はいはーい。ブンタさんだっけ。元気してるー?あれ、何だか疲れた顔してない?
そんな時にはこのポーション。一口飲めば世界が変わるって。今ならお安くしとくよー。
[液体の入った小瓶を左右に振ってみせた後、右目の辺りで手を縦にして]
何かさ、こう、この辺に傷のある男の人、知ってる?あの人には気をつけておいた方がいいと思うよー。
[犯人探しと聞いて、隻眸は友人を捉える]
…お前も犯人探しするのか?
んなもん、自衛団に任せておけば良いだろう。
[聖職者である友人が動くと捉えたらしく]
[訝しげな表情で訊ねた]
なるほど。
それで、本番とか、抜け出すとかいう言葉が沸いて出てくるわけだな。
納得したよ。
[答えを聞けば、さすがに察しが悪い彼女でも今まで出てきた理解不能な単語の答えが、なんとなく予想はついた]
ああ、力仕事のやつは悪気があったわけじゃないよ。
筋肉のつき方が、ちとそういう風に見えなかっただけって話さ。
え、やだなあ、何も企んでなんかいませんよー。カヤの恩人相手にそんなこと思うわけないです。
ほらその、市民としてのギムって奴?……あははー、そうですね。でも市民みたいなもんですから。
それにお祭り、楽しみたいじゃないですか。こう、ぱーっと?
何か詳しいことわかったら伝えますよ。だから、ね。情報量代わりに何か買ってってくれませんか?
売り上げ悪いと、師匠にいっぱいお仕置きされちゃうんです。お願いしますっ!
[両手を合わせて、自衛団長に売り込み中]
ー広場にほど近い小さな通り・お花屋さんー
んんー…そね、
とりあえず、イキシアの花の首から上ちょうだい!
お会計は銀貨です、細かいのです。はいどうもー!
あとねあとね、あのねのね、井戸ってある?どこ?
河のほうが近くてステキ?井戸がいいの!!
[買った花はポイっと篭に入れ、なにやら主張して井戸の場所を聞き出した。]
ふんふん、広場通って大通り通ってまっすぐ…
そっから先は難しいから人に聞くの?そなのー。
わかったわ!大丈夫。
多分お花屋さんにはまたお世話になるので、またです!
[ぶんぶんと手を振って言われた通り、とりあえず広場へ]
(改行ばっしばっしやってから言うのもなんだけど、
ひょっとしてあれか?
ここって横幅狭くできたりするのか?
私の発言は総じて
横幅狭いと非常に読み辛いわけですが。)
ん、まあ、そういう事。
[納得した、との言葉に、けらり、と笑い]
そういうのって、見てわかるもんな訳?
あんまり、考えた事、ないんだけど。
[筋肉のつき方の話に、不思議そうに首を傾げた]
うん?
…ああ、違う違う。
流石にそっちは専門外だって分かってるよ。
[勘違いされているらしいことに気づいて、少し笑う。
すぐに手を振って否定した]
ついさっき、露店のほうで騒ぎがあってね。
『万華鏡』とか言ったかな。玩具が盗まれたらしくて。
孤児院の子の仕業なら、放っとくわけにもいかないしさ。
[こんな感じの、と筒の形を示しながら、簡単に説明する]
ー小さな通り→広場ー
[ガラリコロリと音を立てて大通りへ向かう途中、何かを頼み込むような声が聞こえる。]
おおお、子供だあ!
[自分も人の事が言えるほど大人ではないのだが、おじさん相手に接客している店員の外見に、目を見張る。何を売ろうとしてるのかしら…とそそそと寄ってみた。]
余程、だぼだぼした服着てない限りは分かるよ。
筋肉の線が服から出ているからね。
それに、そういう判断しなければいけない仕事もこなしているから。
体つきだけで、商人と、農民と、暗殺者の違いを見分けなければいけないとかさ。
まあ……うちの親父に比べるとまだまだだけどね。
― 広場・露店 ―
こらこら。
何を言ってるかな。
[表はベッティに任せ裏での片づけをしていたのだが]
[届いてきた会話に呆れ顔で出てきた]
団長さんもどうも。
ベッティの話はまあ聞き流しておいてください。
[本人には抗議されるかもしれないが]
[ベッティの頭に片手を乗せて自衛団長に苦笑してみせた]
……分かるよ。人の筋肉のつき方は、服の上からでも
なんとなくは
[アーベルの言葉に思わぬところから返る答え
にこりと笑顔を浮かべると]
人形を動かす上でね。不自然な動きをしないように気をつけてるうちに、うっすらと『見えて』きてね
…そうか、なら、良い。
[僅かに安堵した声色]
[人を心配すると言うのは柄では無いが]
[友人の場合は別のようだ]
万華鏡?
ああ、一度見たことがある。
確かにガキには受けの良い玩具だが…。
孤児院のガキじゃねぇ可能性もあるんじゃねぇの?
[犯人探しの意味に納得しつつ]
[半ば思い込んでいるような友人の別の可能性を示唆する]
いえ、該当する人物は確かにいますよ。
保証できるか?そこまではちょっと。
[何度も顔を合わせた相手とはいえ]
[互いの素性を深く知っているわけでもない]
[思考その他は逆によく知られているかもしれないが]
―市場―
[ふんふんと鼻歌を歌いながら、
色とりどりの品物の並ぶ店頭を見て歩く。
足取りは、軽い。]
あ、その肉串貰えっかな?
はい、代金。
[目立つ場所で無理な事はしない。
貰った串を齧りながら、花の香りの満ちる街を
ゆったりと愉しげに、歩いていた。]
そういうもんなのか……。
[何となく、しげしげと自分を見てみるものの、わかる訳もなく。
例え話に上げられたものに、げ、と短く声を上げた]
……手ぇ見て、何を演奏するか当てるのは得意なんだけどなぁ。
[ぼやくように言って。
親父と比べると、という言葉に、きょとり、と瞬いた]
あわわ。冗談ですってばー、もう。
[出てきた師匠に驚いて謝り。そのまま売り込みをしていると、一人の自衛団員がギュンターに近づいてきて、何やら話をし始めた]
ちぇー。営業中だったのにー。
あ、いらっしゃいませー。どぞ、お姉さん、見てってー!閉店間際のセール中だよー。
[文句を垂れていると近づいてきた人影に気付き、顔を上げて声をかける]
[思わぬ方向からの返答に、え? と言いつつ蒼の瞳をゲルダへと]
そういう、もん?
……不自然でない、動き、か。人形遣いも大変……って、あ。
[何気なく口にした言葉。
それで思い出したのは、先ほどもたらされた、報せ]
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