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村は数十年来の大事件に騒然としていた。
夜な夜な人を襲うという人狼が、人間の振りをしてこの村にも潜んでいるという噂が流れ始めたからだ。
そして今日、村にいた全ての人々が集会場に集められた……。
自警団長 アーヴァインは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
山間に一軒の館があります。
其処にはアーヴァインが住んでいます。(使用人と数人と)
旅の人や、ふもとの村の人がたまに泊まりにくる館は、つり橋を渡ったところにありました。
泊まっている間の食料は、アーヴァインが確りと、雪で閉ざされる間も蓄えています。家庭菜園などもあります。
彼は泊まりに来た人々の話を聞くために、幾度かひきとめるかもしれません。
久しぶりに館はとてもにぎわいました。
旅人が一晩の宿を求めて。道に迷った者が迷い込んで。アーヴァインの話を聞いて、見物に。ふもとの村の者が、彼に食料を届けに。
そしてその次の夜が明けると。
唯一の、屋敷と山をつなぐ吊り橋が、ゆっくりと燃え落ちていくところでした。
――そしてアーヴァインが、無残な姿になっていました。
〜STORY〜
あなたたちは何かしら目的を持って、持たずに、アーヴァインの館にやってきました。
しかしその中の何人かが人狼でした。
館の中に人が揃ったときに、人狼はアーヴァインを食べます。しかしそれを見ていたのか、使用人は逃げ出しました。
――つり橋を燃やして。
あなたたちは人狼の仕業だと、わかるでしょう。この世界にはそんなに人狼が珍しいものではないはずです。
出たら殺さなきゃいけないこともわかるでしょう。
幸いここには、殺す道具ならたくさんあります。お好きな道具を選んでかまいません。殺さないを選んでもかまいません。でも殺さなければ、人狼はいなくなりません。いつかは殺されてしまいます。
切り立った崖の上ですから、滑り落ちる人も居るでしょう。身を投げようとすれば、きっと簡単に死ねるでしょう。
山間に落ちた身体は、一体どうなるのでしょうか。
さあ。
恐怖に任せて、それとも正義感に任せて?
愛情に任せて、それとも憎しみに任せて?
赤い血を、崖の下へと降らせましょう。
★役職について【重要】
C:【囁きは見えど、囁けません】つまり赤ログを使った会話(中の人会話を含む)は使用禁止とします。一応、人間なので、狼の言葉は喋れないのでしょう。
狼:自分たちが狼だと最初から知っていても知らなくても構いません。役職はじかれても文句は言わないようにしましょう。
他:お好きなようになさってください。手抜きではありません。
★武器について
何でも適当に使って構いません。探して下さい。
ずっと昔からあるので、地下室かなにかあってもいいかもしれませんね。
書いたもの勝ちです。
★吊りについて
吊りはバファリン最優先。PC視点で殺したい人がいなければPL視点の投票でも問題ありません。殺したい人がいるならPC視点で投票してしまいましょう。委任はなるべくやめましょう
★プロの時に更新時間0:00,7:30のどちらが良いか考えます。希望は言っておいてください
書生 ハーヴェイ が参加しました。
書生 ハーヴェイは、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
[ 天を仰げば薄暮というにも疾うに過ぎ、周囲は宵闇に覆われていた。耳に届くのは自らの呼吸と土を踏む音、後は葉擦れの音ばかり。己以外に生の気配は無い。
人の手で整備された道から一歩外れれば其処は暗き森。叢叢たる繁みの彼方には何があるとも知れない。村の老耆に依れば人を喰らう魔が棲むのだとも云うが、見た者は居ない――否、居たのかもしれないが、其の所在は既に幽冥だ。
緩やかとは言え傾斜の在る道を歩き通しでは、流石に辛い。冬だというのに額に薄らと浮かぶ汗を、腕を持ち上げ上着の袖で拭う。夜闇を吹き渡る風が髪を掠い熱を帯びた頬を撫ぜるも、快いという感じは全く無く、皮膚が粟立つ気さえした。]
……拙ったな。
[ ぼやきの声。目にかかる髪を掻き上げつ、今日の出来事を思い返す。
本来ならば早朝に発つ筈だったのだが、普段世話になっている農婦に頼み事をされては仕方が無かった。用件を済ませ森に入った頃には正午過ぎ。更に途中でランプを失くし、暫くの間捜すも、見付からないどころか危うく迷いかけた。森に踏み込まなかったのは僥倖と言えようか。如何にか道に戻れば最早陽は傾き、其れでも尚歩き続けた結果、現在に至るのだった。]
[ 不意に、視界が開けた。
崖の上に聳える、一軒の館。窓と思しき場所からは灯りが零れる。こんな辺鄙な地に建てられているにしては些か豪奢な造りだが、大して時を経ていないにも関わらず古惚けた外装の其れは、闇夜の中では寧ろ似合いに見えた。
青年の目の前には、岸と岸とを繋ぐ吊橋。彼の館と麓の村との、唯一の連絡手段。彼岸と此岸。其の様相は、まるで幽明の境の如くに感じられた。
――本の読みすぎだな。
声には出さぬ、自嘲めいた呟き。
一歩足を踏み出し木の踏み板に乗せれば、青年の体重が掛かり、吊橋全体が僅かに揺れロープが軋む。彼一人が乗ったところで落ちる筈も無いのだが、矢張り心許無い。隙間から下を見遣るも、底は見えはしなかった。其れは闇の所為だけとは到底思えず、たとえ明かりがあったとて、知れたかは怪しい。此処から落ちれば、まず命は無いだろう――試してみる気は毛頭無いが。
首を緩く一度振って視線を前へと戻せば、もう奈落には目を向けずに。揺れを気にした風もなく、けれど足取りだけは慎重に、館を目指して橋を渡る。
館の上空、中天に懸かる月は冷艶な光を帯びて、近く正円を描こうとしていた。]
[ ガラン、ガラン。
扉の傍に備え付けられたベルを鳴らせば、澄んだ、とは御世辞にも言えない、鈍い音が響く。幾拍かの間を置いて、誰何の声が飛んで来た。]
ハーヴェイ=ローウェルです。
……夜分遅くに申し訳ありません、また、本をお借りしに。
[ 其の言葉に呼応して、重い音を立てて開かれた観音扉の奥から、使用人と思わしき容貌の男性が姿を現す。形式的な出迎えの言葉と共に恭しくして、男はやって来た青年をどうぞ、と中へと招き入れた。
扉の向こうには、赤い絨毯の敷かれた廊下が真っ直ぐに続いていた。薄ぼんやりとした蝋燭の灯火に照らし出される広大な洋館内は、外観同様、奇妙な幻想さを醸し出す。
先ずはと広間に案内されれば、大きなテーブルの上、花瓶に生けられた真白の花が目に入った。落ち着いた色合いで纏められた空間を埋める調度品の数々は、多少古惚けてはいるが丹念に手入れが施され、天井から吊るされたランプの光の下、静かに佇む。開かれたカーテンの先、窓越しに見える菜園は些か不似合いか。]
[ 椅子に座るよう促す召使の声に視線を室内へと戻して椅子に腰掛けると同時、目の前に置かれた一枚の用紙に目を落とし、青年は苦笑を漏らした。]
また、ですか。毎回書いているのに。
[ 主の意向なのだと、男は述べる。訪問して来た客の事を思い出せるようにと。
其の遣り取りも毎度の事で、青年は曖昧に頷きながら万年筆を受け取り、白の上に黒を走らせていく。]
■名前:ハーヴェイ=ローウェル Harvey=Lowell
■年齢:19歳
■自己紹介:麓の村に在住。現在は独り暮らし。
此処へは本を借りに、度々訪れています。
[ 此の館の主、アーヴァイン――其の姓を青年は知らない――と名乗る人物の所有する書斎は非常に大きく、しかも珍しい著書が数多く収められている。青年の住む寒村には図書館と呼べるものが無い為、本の好きな彼にとって此処は正に宝庫であり、月にニ、三度、こうして訪れているのだった。]
[ 召使は時計の下、目に付く場所に在るコルクのボードに用紙を張り付けると、彼は再び礼をして、紅茶を淹れるのと主への報告の為に広間から去っていく。
青年――ハーヴェイ唯独りが残された其の場所は、余計に広く感じられた。体重を背凭れに預けて視線を上げれば、一枚の絵画が目に映る。十二人の弟子に囲まれて共に夕食を摂る、在りし日の救世主の姿。]
最後の晩餐、か。
[ 複製とは言え、稀代の天才の描いた見事な絵ではある。然しこのような場にあると、少々気味が悪くも思えた。]
学生 メイ が参加しました。
学生 メイは、霊能者 を希望しました(他の人には見えません)。
[きし、きし、と吊り橋が揺れる音が響く。
橋を渡って行くのは、何やら包みらしきものを抱えた、小柄な人影。
吊り橋が大きく揺れないように、一歩一歩、歩みを進めて行く]
……ふう……って、わっ!
[不意の風が吊り橋を大きく揺らし、片腕で包みをしっかりと抱えつつ、片手ですぐ横の太いロープを掴む。
ぎし、ぎし、と言う音が響き、やがて、音と共にゆっくりと揺れは静まった]
っとに、もう……これさえなきゃなあ。
[ため息まじりの呟きが、風鳴りに溶ける。
良く通る、高めの声。
幼さを多く残した中性的な外見。
それだけの要素では、吊り橋を渡って行く者が少年とも少女とも判別できそうにない]
さて、冷める前に行かないと、ね。
ばーちゃんに怒られる。
[独り言めいた呟きの後。
またゆっくり、ゆっくりと。
慎重に歩みを進め、吊り橋を渡りきる。
目指しているのは、崖の上の館。
祖母の言いつけで、彼女の焼いたパンを届けに。
それは、いつもの事、変わらない日常のヒトコマ。
……今日に関しては、多少時間が問題だが]
こんばんわー、遅くにごめんなさい。
[館にたどり着けば、顔見知りの使用人に出迎えられ。
祖母の言いつけでパンを届けに来たのだと伝えれば、すぐに奥に通される。
外は寒かっただろう、と温かいお茶とお菓子を出してもらえば。
室内の温もりとも相まって、ようやく一息つく事ができた]
■名前:メイ=エアハート May=Earhart
■年齢:17歳
■自己紹介:村の学校に通う、ごく普通の学生。
色々あって、現在は親元を離れて、祖母と共に暮らしている。
祖母とアーヴァインは昔から交流があり、最近、足が悪くなって吊り橋を渡れなくなった彼女に代わり、その手作りのパンや菓子を届けに屋敷を訪れている。
[お茶と一緒に渡された用紙にさらさらと記入して手渡せば。
今日は他にも人が来ているから、広間でゆっくりしては、と勧められ。
すぐに帰るつもりだったが、時間も遅いのだから、と引き止められるのは目に見えていたので]
……ん、そーだね。
そーしとくよっ。
[明るい声で返事を返し、広間へと足を向けた]
牧師 ルーサー が参加しました。
牧師 ルーサーは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
[黒い帽子、黒いガウンの男が扉の傍に備え付けられたベルを鳴らしている]
アーヴァインさん、私です。ルーサーです。
懺悔弔問に参りました。開けていただけませんか。
[ベルを鳴らしながら、低く穏やかな声色で用件を述べる。
雨が降り出してきた。やむ気配はない。
雷が鳴り出した頃、ようやく扉が開かれた。
どうやら先客の相手をしていたらしい。]
……ふう、酷い雨でしたな。
これでは、今夜は帰れそうにありませんね。どうしましょうか。
[雨に濡れた衣服を気にしつつ、微苦笑を浮かべる。]
ああ、すみませんが暖かい紅茶をいただいても宜しいでしょうか。
体がすっかり冷え切ってしまって。
■名前:ルーサー・オブライエン(Luther O'Brien)
■年齢:53歳
■自己紹介:麓の教会に住む牧師。
週に一度、出張で懺悔を聞きにやってくる。
[出された紅茶を啜りながら、窓の外を眺める]
止む気配がありませんな。
嵐にならなければいいのですが。
[ふう、とため息を吐く。]
[広間に入り、ぐるりと見回せば、聞いていた『他の客』の姿が目に入り、一つ、瞬き]
ああ。
誰が来てるのかと思った。
[顔見知りの姿に、口元には微かな笑み]
牧師殿? 今晩和。奇遇、ですね。
……ああ。雨が降り出していましたか……雲行きは、怪しかったですが。
また、厄介な。
[ 広間に入って来た男――村の教会に住まう牧師だ。ハーヴェイには余り縁の無い場所ではあるが――に、そう声を掛ける。
何時の間にか運ばれていた紅茶からは、薄い湯気が漂う。其れを片手で持ち上げてカップの淵に唇を付ければ、口内に染み渡る仄かな甘味と温かさ。妙な緊張で俄かに強張っていた解けていくような、そんな気がした。]
おや、メイさんじゃないですか。こんばんは。
お祖母様はお元気でしょうか?
[テーブルにことん、とティーカップを置く。
どうやら、紅茶を飲み終わったようだ。]
[驚いた様子に、くすり、と笑って]
うん。
ばーちゃんがいきなりパン焼き始めてね。
お裾分けのお使いにだされたんだ。
……雨も降ってきたし、今日は泊りかなあ。
[あーあ、と気のない声を上げているものの、特にそれが嫌、という訳でもないらしい]
こんばんわ、牧師様。
うん、ばーちゃんは元気だよ。
……足の方がちょっと、覚束ないから、出歩くのは辛くなっちゃってるけど、ね。
[付け加える刹那、浮かぶ笑みはやや苦笑めいていたか]
そうですね、下手に動かない方がいいでしょう。
雷も鳴っていましたし、落雷に遭う危険性もありますから。
[ハーヴェイの方に視線を戻す。]
そういえば、ここで会うのは初めてですね。
何か御用事でしたか?
[ 碧い髪に、幼さの残る中世的な外見の少年――或いは少女――を見遣り、笑みと共に紡がれた言葉を聞けば、嗚呼と頷き。]
……そう言えば、そんな話をアーヴァイン氏から聞いたな。
今から帰るのは、幾らなんでも無謀だろう。
止んだとしたって、地面がぬかるんでいるだろうから、危ない事この上ない。
俺も、泊まっていくしさ。
ええ。
[ ルーサーの問い掛けに視線を彼に向け、矢張り首肯を一度。其れから、指し示すように広間の外へと移す。]
本を読ませて頂こうと思いまして。
此処は、蔵書量も本の質も素晴らしいものばかりですから。
ばーちゃんの楽しみだからね、パンとかお菓子作るの。
[言いつつ、楽しげな祖母の様子を思い返し]
ま、ボクも無理して橋から落ちるとかはしたくないし。
大人しく泊まってくよ。
ばーちゃんも、無理するな、って言ってたし、ね。
メイなら、無理して行きそうな気がしたが。
……成長したんだな。
[ 何と無く感慨深げに言い、館の主に訊ねに行くルーサーを見送ると、再び紅茶を一口啜る。芯から温まっていく躰。外の冷えた大気が嘘のように、此処は暖かい。外界と遮断された世界の如く。]
[妙な感慨を帯びた物言いに、むう、として]
……それ、どーゆーイミ?
[睨むような視線を投げて問いつつ、自分も温かい紅茶をもらって。
その温もりにほっとしたように、息を一つ、吐く]
そういう意味。
[ しれっと言いのけ、続いて籠入りで運ばれて来たラング・ド・シャ――猫の舌を意味する焼き菓子。一枚手にとって齧れば、至ってシンプルな造りながらも口当たりが良く軽く溶けるような食感。]
……そう言えば。夕飯、食べてないな……。
[ 森に入る前に軽く食事は摂ったが、其れきりだった。自然、クッキーを手に取る速度は早まる。]
[返って来た言葉は、ある程度予測済みで。
それだけに反論の余地はなくて、むくれるしかできず]
……食事はちゃんととらないとー。
[その代わりにとこんな言葉を投げかけて、ぱくり、とクッキーを一つ、*口に放り込み*]
はい、はい。
[ 軽く目を伏せて返すのは気の無い声。]
……そう、ですね。気を付けます。
[ だが、自分よりも年配の者に注意を受けては流石に弱い。苦笑めいた表情を浮かべつつ素直にそう答えて、仕事に向かう牧師を頭を下げて見送る。]
さて、と。じゃ、俺は書庫に行って来る。
[ 未だ食事中のメイに告げて椅子から立ち上がり、広間の入り口へ歩を進める。去り際に振り返れば窓の外に降り頻る雨、空を包むのは暗澹たる雲は月をも隠す。時折響く雷鳴の後に訪れる稲光の他に明かりは無く、頼れる灯りは人工の証明のみのようだった。]
厭な、天気だな。
[ 小さな呟きは雨音に呑まれる。]
/中の人/
改めて御挨拶。Sol・la(そら/そるら)です。
ずっと演りたかった言い換え無し村@ハーヴェイ。
希望役職が取れるかが問題ですが、最近全敗の為、取れないのではという不安。
其の時は其の時で、キリングに挑戦してみたい。
嗚呼、後はト書き描写を怠りがちなので頑張りたい、が。既に挫けそうです。
後、最近独り言書いていないのできちんと書きたい。
吟遊詩人 コーネリアス が参加しました。
吟遊詩人 コーネリアスは、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
嫌な天気、ですね。
[ポツリと呟き、濡れそぼった黒い外套のフードから空を見上げた。
時折轟く雷光に浮かび上がる館。
強く握った吊り橋の綱が、突然の強風に大きく軋んだ。]
…くっ!
[振り落とされぬようしっかりとしがみ付いた手のひらは、すっかり冷え切っていて感覚も鈍っている。]
…よりによって、こんな日に。
恨みますよ?義兄さん。
[漸く館まで辿り着き、ドアベルを鳴らす。
しばらくして出てきた顔なじみの使用人に挨拶すると濡れた外套を脱いだ。
外で冷え込んでいた指先が、室内のぬくもりで感覚を取り戻すとともに、ひりつく痛みを訴える。]
…擦り剥いたか…。
[赤く擦り切れて血の滲んだ手のひらを見て苦笑いをこぼせば、使用人は慌てて薬と包帯を取りにいく。]
いや、そうたいしたことでも…まったく大げさな。
[やれやれ、とややあきれた様子で広間へと。]
[簡単な手当てを受けると、口述筆記でゲストブックを書かせる。
古くからの慣習らしいがいったい何のためにあるのやら。
■名前:コーネリアス=マーキュリー
■年齢:28歳
■自己紹介:数年前に亡くなったアーヴァインの妻の実弟。
久しぶりに義兄に呼ばれて戻ってきた。]
…で、義兄さんは?
既にお休みか。まぁ、この時間じゃ仕方ないけどなぁ。
[いつも帰ってくるたびに使う部屋へと通され*そこで休むことに。*]
牧童 トビー が参加しました。
牧童 トビーは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[――雷雨が去った、翌日。
ぬかるむ道を一歩一歩踏みしめ、小柄な影が山道を辿る。重たげな背負子がゆらゆらと左右に揺れ、秀でた額から汗を滴らせた]
……っと。
[短い前髪を伝って目に入った汗に、片頬をしかめて首を振る。
その弾みに入る視界には、切り立った崖と古ぼけた吊橋があった]
[ぎし。ぎしぎし。
荷重に耐えかねたか、嫌な軋みをたてて吊り橋が揺れる。]
行きはよいよい…でなくて…行きの方が怖いんだよね…っと!
[ずる、と濡れた板と靴裏の泥に姿勢を崩しかける。
辛うじて横倒しにはならず、はっと鋭い息を吐いて。
後は、無駄口を叩くことなく橋を渡る。]
[ドンドン。ドンドン。
厨房に通じる勝手口の扉を何度か叩くと、ちょうど昼食の片付けをしていたのか、すぐにそれは開かれた。]
…まいどどうも。これが残り半分です。
[背負子にしかと結び付けられた大きな包み―― チーズの塊を見せるように身体を捻ると、用紙を持ってくるからその間に食料庫に積んで置くよう言われ、ふぅと溜息。]
『…だろうと思ったから、裏から入ったんだけどね。』
[先日の荷を背負ったまま書かされた用紙を思い出し、げんなりしつつ。言われたとおりに荷を運び降ろした。]
[身体が軽くなれば、心も軽く。
一つづつ丁寧に包みを解き、重ねて置く。これで仕事は終了。
後は貰うべきものを貰って、母さんのご飯を食べに急いで帰るだけ。
……なんだけど。]
あの、それじゃお代金を…っと。
やっぱり書くのかぁ…。
[差し出された用紙を、しぶしぶと受け取って。早く帰りたいと露骨に顔に浮かべながら、上手くない字を書き付ける。
家で待つお母さんとご飯を思い出し、ぐぅとお腹が鳴った。]
[精一杯の速さで用紙を埋めて。渡そうと顔を上げれば、漂ういい匂いにお腹が騒ぐ。
淡い期待に心躍らせつつ、使用人の手があくのを辛抱強く待つ。]
■名前:トビー=カワード(Toby Coward)
■年齢:12歳
■自己紹介:麓の村外れの牧場の子供。父母姉弟の5人暮らし。
今年から、姉の代わりに此処への配達を担当することになった。
[用紙と引き換えに渡された代金を、大事そうに懐にしまって。
お駄賃にと渡されたパンとマグカップのスープを大喜びで受け取り、段差に座ってがっつき始めた。]
[育ち盛りの彼にとっては、これくらいの軽食など家で待つご飯に影響するべくもなく。
空になったマグカップを返してさっさと帰ろうと腰を上げれば、昨夜の嵐で倒れた支え棒や剥き出しになった根菜類が目に入った。
ちらりと来客に忙しそうな使用人を見あげ、思案。]
……お駄賃いただけるなら、片付けますけど…?
[容器を手渡すついでにダメ元で訊ねてみれば、そうしてくれると助かるとの返事。
例え小使い程度でも、現金の臨時収入は彼らにとって貴重なもの。張り切って *片付けを始めたのだった。*]
/中/
入っちゃった…!
わわわ、大丈夫かにゃ〜、大丈夫かにゃ〜! [おろおろ]
元気っ子@ちゃっかり守銭奴だって生活苦しいんだもん☆
…でお送りしますのにゃ。
ビバ初回吊り襲撃にゃ〜〜〜!
質問の答えです>>ハヴメモ
時間はリアルで問題ないと思います。それとも48hで1dayにした方が都合がいいかな?
とりあえず毎日毎日引き止められていれば良いと思います。……だめですか?
だってアーヴァインですよ(ぽつり)
[片付けは着々と進み、空が赤く染まる頃には全てが終わっていた。元々、家庭菜園なのだから高が知れているとも言うが。]
はい、まいどどうも。
[ちゃりん。
小気味いいと音を立てて手の平に落とされたコインに笑顔を浮かべ、館を辞す。懐にはチーズの代金と駄賃をしっかり納めて。
吊り橋を渡ろうとしたその時、年配の男の声が追いかけてきた。]
[悪くはない話だった。"話"を聞きたいから夕食を一緒にとの招きは。
けれど、家にはきっと心配して待っているお母さんがいるし、食べ損ねたままのお昼ご飯だって待っている。もちろん、お父さんや姉さん、弟だって彼の帰りを心配しているだろう。]
……すみません、やっぱりボク…帰らないと。
[知らず、ぎゅぅと力の入った手が服に皺を刻む。
それを見て得心したのか、年配の男はこう付け加えてきた。
『君の貴重な時間を貰うのだから、タダとは言わないが』 と――]
[姉さんも、食事を御馳走になったと帰りが遅くなる時があった。
だからこそ、彼が配達できそうとなるやいなや交代と相成ったわけだけれど。
食べ損ねた昼食は、温めなおされて弟の胃を満たすだろう。彼の分の夕食も、他の家族の量をささやかながら増やすに違いない。]
…はい、わかりました。
[神妙に頷き、男の後を付いて今度は玄関から館へと入る。
明日の朝、大急ぎで帰ろうと *懐を押さえながら。*]
[ パラパラと静寂の中に響き渡るのは頁を捲る音。一体何れだけの間そうしていたのか、吐息を零して本を閉じ白い紙に綴られた文字の世界から現実へと還る。顔を上げれば目の前には天井まで届く本棚に収められた書籍の数々。既知の言語の本が殆どだが、中には未知のものも数多在った。読み終えるには幾ら時間があっても足りはしない。眉間を押え首を左右に振るとランプの吊り下げられた高い天井を仰ぎ、深く呼吸をする。古書が多いらしく、酸性紙特有の匂いが鼻についた。]
――っと、もうこんな時間か……。
[ 壁の高くに掛けられた時計に目を遣れば、既に時計は昼前に見た時から一回りを終えていた。軽く伸びして肩を鳴らすと、皮張りの本を脇に抱えて書斎を後にする。]
冒険家 ナサニエル が参加しました。
冒険家 ナサニエルは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
[男が一人、山道を歩き回っている。
手元に下げたランプの明かりは足元を照らすにもおぼつかないほどで。
こんな夜に山を歩くにはあまりにも軽装…すぐに戻るつもりでいて、景色に見惚れて…気付けば迷っていた]
…参ったな、これは。
[そう呟いて辺りを見渡す。
見えるのは鬱蒼とした闇の森。
その向こう、ちらりと見えた灯りに気づきふと思い出す。
村で聞いた男の話を]
それじゃ、あれがそう…なんだろうか?
だとしたら、旅人の訪問は拒まないと聞いたし、一晩くらいなら泊めて貰えるかな?
[男は遠くに垣間見える灯りを目指し歩き出す]
[暫く歩いて、視界が開ける]
…っと、あぶねー。
話には聞いちゃいたが、本当に崖なんだな。
で、これが吊り橋、ね。闇夜に渡るもんじゃねーよな…。
[そう呟きながら一歩踏み出す。
軋む音と不安定な揺れに、旅慣れた男でも身を竦めて]
落ちたら…気付いてもらえんのかね、これ。
[そう言いつつ、一歩、また一歩と歩を進めようやく対岸に辿り着く。
そして、ようやく辿り着いた館のドアに備えられたベルを鳴らし、返る誰何の言葉には至極丁寧に答える]
…旅の者ですが、道に迷ってしまい難儀しております。
納戸の隅でも良いので一夜の宿をお借りできれば、と。
[その言葉に答えるようにドアが開き、人の良さそうな使用人が男を迎え入れる。
「旅人の話を聞くのは主の趣味だから、きっと喜ぶだろう」と告げて]
[とりあえず、と広間に通され暖かいお茶を出されると、簡単に礼を言いそれを口にする。
その男の脇から、使用人が何かを差し出す]
…あ?何、これ書くのか?
訪問者の記録、ね。了解。
[そう言うとそれを受け取り、手馴れた様子で書き込んでいく]
■名前:ナサニエル=ウォーレス(Nathaniel=wallace)
■年齢:25歳
■自己紹介:旅の者。旅行記などを著述して生計を立てている。
近くの山を散策中に道に迷いこの館に宿を求める事となる。
麓の村人からはこの館の話を聞いていたので、山奥に住む者に対する驚きなどは無く、むしろ話の種になればと思っている。
…これで良いかな?
[書き込んだそれを使用人に返すと、残りのお茶を飲み干した]
まあ、いつもの事だけどねー……。
[いつも使っている客室の窓から空を見上げて、ぽつりと呟く。
昼間、雨が上がったのを確かめて。
祖母が心配しているだろうから、と帰ろうとしたのだが、祖母の近況や体調を聞かせてくれ、と引き止められてしまい……結果として、今に至る]
ま、いいけどね。
ここにくるの、嫌いじゃないし……。
[早口で呟くと、うんっ、と言いつつ身体を伸ばし。
何か、温かい物をもらおうかな、と部屋を出て、広間へと向かう]
/中/
ところで昨夜は眠くて独り言を使っていなかった訳なのですが。
遅まきながら、独り言でのご挨拶、猫化けたすくことtasukuです。
ええと。
男女比が偏るようなら男の子もあり、とこのセレクトだったわけですが。
……圧倒的に女子が少なくなりそうな気配のため、結局女の子になりそうです。
まあ、能力引けたら女の子にするつもりだったんだけど、しかし、なんでこんなに男性率が高いんですか、この村(笑)。
―懺悔室―
[分厚い木の壁で仕切られた、小さな部屋。
薔薇の透かし彫りが要所に施されている。]
では、ごきげんよう。アーヴァインさん。
[懺悔を終えたアーヴァインを見送る。]
……さて。本日の仕事はこれでお終い。
久々に温室の方まで行きましょうかねえ。
ふふふ、苺が見つかったらこっそり摘んで食べてしまいましょう。
[手早く片づけを終え、温室へと向かう。
その足取りは非常に軽い。]
[広間にいる、見慣れぬ男の姿に、きょとんと首を傾げる。
ここには月に数回訪れているが、しかし、彼の姿を見た覚えはなくて]
んっと……旅の人かな?
[覚えがないとなると他に思い当たる節はなく。
首を傾げたまま、こんな呟きをもらした]
[飲み終えたカップを戻し、使用人に声をかける]
で、俺はどこで寝れば良いのかな?屋根があれば御の字なんで贅沢は言わないよ。
[その言葉に使用人は「今、部屋を用意していますから」と笑って答える]
あー?そんな良い扱いじゃなくていいんだぜ?
いきなり押しかけたんだし…。
へぇ、ここの主の意向って奴?
それはありがたいね。
あぁ、分かってるさ、代わりに旅の話を、だろ?
でもって、その主ってのはもう寝てんだろうな…。
まぁ、急ぐ旅でもないし、村に置いてきた荷物も殆どないしな。
[そう言って、お茶に添えられていた菓子を口に放り込む]
…こんな山奥にしちゃ、いいもん出してくれるよな。
[お茶も菓子も上質な物で、やはりこんな所に住むのは金持ちの道楽か、と、心の中で苦笑する]
[ 薄暗い廊下に敷かれた緋色の絨毯は、歩む青年の足音を吸い込むとは言わないまでも大分和らげるも、其れすらやけに大きく耳に届く。幾度か訪れているとは言っても、未だに広大な屋敷内には見知らぬ場所も多くあるが、書斎から広間までの道は何度も通っている為に迷う筈もない。
途中、機嫌の良さげな壮年の男と擦れ違い、立ち止まって軽く会釈をすれば深い茶の髪が揺れた。]
嗚呼。今晩和、アーヴァインさん。
……何やら、御機嫌ですね?
[ 僅かばかり首を傾げてそう訊ねれば、館の主は柔和な笑みを浮かべて頷いた。何でも何時に無く大勢の客が訪れているから、賑やかで嬉しいのだと。
其れ程に人と交流をするのが好きならば、此の様な館に留まるべきではないと思うのだが――彼の考えは、ハーヴェイには解らなかった。ニ、三言会話を交えた後、また後で話しを聞かせて欲しいと言うアーヴァインに、困ったような表情を返す。]
俺の話なんて、聞いても面白くないと思いますが。
まあ、お望みならば……何時も御世話になっていますし。
[ 言葉を返して目礼をすると、其れではと広間に向けて歩を進める。]
[此方を見る視線に気付き、軽く会釈をして]
こんばんは、お嬢さん。
初めまして、だな。
俺はナサニエル。見ての通り旅の者さ。
ちょっと道に迷ってね、一夜の宿を借りに来たって所。
お嬢さんはここの人かい?
―ホール―
[他の部屋と比べ、空気が少し冷たいように感じる。
扉の開け閉めがあったのだろうか、と思いつつ。]
来客でもあったのでしょうか。
まあ、私には関係のない事ですね。
[苺を摘みに温室へ]
―ホール→温室→広間―
―広間―
ふふふ、大漁大漁。
[音も立てずに扉を開け、一人の牧師が入り込む。
小脇に抱えた黒の帽子には大粒の苺が山のように積まれている。
独り占めして食べるつもりなのだろうか。]
[お嬢さん、という呼び方に、ほんの少しだけむ、としたような表情が覗く。
男に見られようと女に見られようと、別に気にはしないれど、何となく面白くない、という意識が働いたようで]
こんばんは。
ボク、は、メイ。
麓の村から、用事でここに来てるんだ。
[意識してか無意識か、『ボク』と言う部分には妙な力が籠っていたようだった]
……旅の人かあ……どうりで、見た事ないと思った。
[返された言葉と表情に何かを感じたようで、軽く苦笑しつつ]
これは…悪い事を言ったかな、俺。
それじゃ、メイと呼ばせてもらうけど良いかな?
あ、俺の事は好きに呼んで構わないぜ?
麓の村から来てるのか。
来る時に寄ったが、いい感じの村だよな。
[ 広間へと向かうルーサーの後ろ姿が見えた。此れもまた、機嫌が良さそうに見えたのは気の所為か。遅れて中へと入れば、先の牧師に加え、見知った顔と、見知らぬ顔が一つずつ。一度瞬きをした後、本を抱え直して軽く頭を下げた。]
今晩和。其方の方は初めまして、ですね。
[ 儀礼的な笑みと挨拶の言葉。牧師の横を通り過ぎようとして、黒の帽子の中の瑞々しい赤が目に入った。]
……ルーサーさん、如何したんですか、それ?
[入ってきた牧師の姿にふ、と気づいて。
その腕に抱えられた物に、思わずきょとん、と]
……て、うわ。
すっごい苺……どこにあったの、そんなにー?
[温室が備えられているのは知っていたけれど、まさか、そこにあった物とは思わず、呆然と問い]
はっはっはっ。見つかってしまったようですね。
温室からちょい、と。ね?
[清々しい笑みを浮かべつつ、空いた手でジェスチャーを。]
[不意に開いたドアに目をやれば、牧師らしき男が此方を伺っていて]
…初めまして。
俺はナサニエル。
山歩きをしていたら道に迷ってしまって、ここに。
貴方は?
[小脇に抱えた帽子の中身とその顔を交互に見遣って問う]
[苦笑で返されれば、またむぅ、とするものの。
それでも、悪意がないのは感じてか、一つ息を吐いてこく、と頷き]
うん、それでいいよー。
好きなように、かぁ……ナサニエルさん、だとちょっと言い難いから、縮めてナサさんって呼ばせてもらうねー。
うん、いいとこでしょ?
同じ位の年の子は、何にもなくてつまんないって言うけど、ね。
なんでしたら皆様、ご一緒にいかがです?
おいしいですよ、これ。
[言いつつ、天辺に積まれた苺をひょいと取り上げぱくりと食べる。]
申し遅れました。
ルーサー・オブライエン、麓の村で牧師をしております。
[気付けば広間にまた一人、本を抱えた若い男。
この館は宿でもやっているのかと少し考える]
こんばんは、初めましてだな。
あんたもここに泊まってるのかい?
[そういって、牧師の帽子の中身が苺と知ると驚いて]
こんな季節に?
で、そんなに沢山どうする気なんだい?
温室からかぁ……そういや、あそこって色々あるんだっけ。
ボクも、後で行ってみよっと。
[ルーサーの説明にぽむ、と手を打って納得した後。
ご一緒に、と言う言葉に目を輝かせて]
え、もらっていーの? やたっ。
ちょいと、って……許可、取ったんですか?
[ ルーサーの言い様に、微かに苦い笑み。彼の館の主であればそんな事等気にも留めぬのであろうが。食卓まで歩めば其の上に本を乗せ、椅子を引いて腰掛けた。]
……折角ですから、頂きます。
[ 朝に食べたきりで何も入れていない胃は音までは鳴らさずとも空腹を訴える。採れ立ての苺の誘惑には逆らえず、口角を僅かに上げて笑みを作り悪戯っぽい表情もへになって手を伸ばした。]
共犯、かな?
[ 指先で一つ、瑞々しい赤を摘みあげる。]
−自室−
[客間とはまた違う、質素に落ち着いた調度品の室内はあの頃と変わることもなく。
…いつ帰ってきても良いようにしておいて欲しいとの姉の言いつけを、使用人はきちんと守って居てくれたらしい。
クロゼットに揃えられていた服のうちの一着を選び、袖を通す。
ややクラシカルなチュニックは、亡き姉の趣味で選んだもののようで。
…丈が少し短く感じたのは、しばらく来ぬ間に僅かに背が伸びてしまったからだろうか?]
[牧師…ルーサーの仕草に笑って]
それ、牧師がすることかぁ?
[そう言いつつも自分もひとつ摘んで口に放り込む]
罪はみんなで分け合おう、ってね。
あ、甘いな、これ。
みんな共犯、かぁ。
[楽しげに言いつつ、自分も苺を摘んでぱくり、と]
ん、美味しいっ。
[瞬間、ふわ、とこぼれた笑みは年齢よりも幼く見せたやも]
−広間−
…ずいぶんとまぁ、賑やかな。
[僅かに笑み、集まっている客人に軽く挨拶を。]
苺、ですか。
まだ残っていたのですね…あの頃植えた苗が。
小振りで酸いくらいが好きなんですよねぇ。
[そういえばこんな風に人と話したのは久しぶりだ、とふと思う]
なかなか良い所だな、ここ。
これで道に迷った、ってのが無きゃもっと良かったんだがなぁ。
[口に広がる季節はずれの味覚に少し嬉しく思いながら]
ほの甘く芳しき、輝ける紅の果実の天上の味は、
盗人の罪すらも、赦し賜う也?
[牧師にそう耳元で囁き、白い包帯を巻いた手で苺を一粒摘み取る。]
大丈夫。
頼み込んでしまえばイヤと言えない方ですからね、アーヴァインさんは。
それに、酒盛りは大勢の方が楽しいに決まっていますよ。ねえ?
[酒の飲めるお年頃の面々を見回しつつ、にまっと笑う。]
[ また一人の人物――ぼやけたランプの灯に照らされる長い銀の髪が特徴的だ――が入って来たのを見れば、椅子に座った儘ながらに顔を其方に向けて会釈する。]
今晩和。
[ 手に巻かれた包帯の白を認めれば僅かに眉を寄せるも、青髪の男の名乗りを聞けば再び笑みを浮かべて、]
ナサニエルさん、ですね。宜しくお願いします。
そんな事は……無いと、思いますよ。
様々なものが在りますから、御滞在になられるなら貴方も読んでみては。
/中/
分かる人には分かる仕様だよなぁ、俺。
誰が入ってんだか知らないけど。
…トビーがシェイさんっぽいのは気のせいか?
[紅い実に軽く唇を寄せ、そっと歯を立てる。
甘酸っぱい仄かな香りが立ち、その香りにふさわしい瑞々しさが口腔に広がっていく。]
やはり、良いものですね。…旬のものにはかないませんが。
[ついつい苺に夢中になっていたものの。
やって来たコーネリアスに気づいてきょとん、とし]
て、あれ?
[一瞬、名前が出てこないものの、印象的な髪の色はすぐに記憶の中から見つける事ができて]
もしかして……コーネリアスさん?
[首をやや傾げつつ、小さな声で呼びかけてみた]
……まあ確かに、飲める歳ではありますが。
[ 酒は百薬の長とは言えども、普段飲む環境に無い彼にとっては些か刺激物に近い。両手を組んで膝の上に乗せつ、困惑を含んだ曖昧な表情をルーサーに返す。]
余り、長くは御付き合い出来ないと思いますよ。
ええ、そりゃもう。
ヴィンテージ物のワインがわんさかありましたし、
ワイン以外のお酒も保存状態は良好ですから。
きっと、貴方好みのお酒も見つかると思いますよ。
[盛り上がる酒盛りの話を、自分は関係ないなー、と聞き流しつつ]
……仕事?
[ふと耳に入った言葉に、不思議そうにナサニエルを見て]
旅しながらできる仕事って、どんなのがあるの?
[酒をとの牧師の声に、適当にワインとチーズでも見繕うよう、使用人にいいつけたところで…名を呼ぶ鈴の音のような声に振り向く。]
…おや、君は……?
[僅かにその面影に見覚えはあるも、名までは思い出せず。]
[名前が出てこないらしいコーネリアスの様子に、苦笑して]
あー、やっぱり忘れられてるかなぁ。
メイ。メイ=エアハート。
ずーっと前、ばーちゃんに連れて来られた頃に会ったくらいだから、覚えてないかなあ。
[あの頃はばーちゃんの後ろから出なかったしね、と。
思い出してくす、と笑み]
[メイの問いかけに少し真顔になって]
あ、俺、一応物書きやってんの。
主に旅行記とかね。
旅の思い出とかいろいろ書いて、新聞や雑誌に売り込んでる所。
あんま売れないけどね。
俺が旅してんのって、完全に趣味だし。
ふうん……旅行記、かぁ。
[ナサニエルの返答に、何やら考え込むような素振りを見せて]
そっかあ、そういうのもあるんだね。
一応、趣味と仕事が一緒になってるんだ。
……ちょっと、大変そうだけどー。
[売れてない、という言葉に、くすくすと楽しげに笑みをもらし]
ええ、其れはもう……仕事、ですか?
[ ナサニエルの言葉に頷こうとして、聞えた単語に黒の瞳を緩やかに瞬かせる。次いだメイとの遣り取りに納得いったように嗚呼、と声を零す。売れないとの台詞には口許に軽く握った手を当てつメイ同様に薄く笑みを浮かべた。]
成る程。
生まれてから村の外に出た事が無い身としては、羨ましい限りですが。
[ 落とされた呟きには言葉通り羨望の色が滲む。]
うん、そう。
[思い出されて嬉しかったのか、ほっとしたように笑んで、一つ頷く。祖母の事を問われると、その笑みはやや苦笑めいたものに]
ばーちゃんは、元気だけど……足が悪くなってきちゃっててね。橋、渡って来るのが難しくなっちゃったんだ。
[だから、自分が代理でその手作りのパンや菓子を届けに来ているのだと。
そう、説明した直後に、ふわ、と小さく欠伸。眠そうだ]
大変だけど、楽しい……かぁ。
ボクも、外に出てみたいけど……多分、ダメだしなぁ。
[それから、ナサニエルの言葉に独り言めいて呟いて。
一瞬浮かんだ陰りを振り払うように二、三度首を振って]
……さて、と。眠くなって来たし……ボク、先に休むね。
それじゃ、お休みなさい。飲みすぎ、注意だよー?
[冗談めかした口調で言ってから。場にいる面々にぺこり、とお辞儀をして*足早に客室へと*]
[ハーヴェイの呟きに混じる物を読み取って]
村から出た事がないのか?
まぁ、人それぞれだから何も言えないけどさ。
[普通に暮らしていればそれはよくあることなのだけど]
俺は家出同然で飛び出してきてるからなー。
今更帰っても何言われるか……。
[ 苺をまた一つ摘んで、運ばれて来た紅茶に手を付ける。此れも菜園で採れたものから造ったか、ハーブティー――恐らくはカモミールか何だろうの甘い香りが鼻腔を擽った。目を伏せて一息ついた後に顔を上げて、]
其方の銀髪の方は、メイと御知り合いで?
村の方……では無さそうですが。
[メイとの会話が聞えたか、コーネリアスと呼ばれていた男に問い掛ける。]
嗚呼。他人に訊ねる前に、先ずは自分が名乗るべきでした。
ハーヴェイ=ローウェル、と申します。
私は、かれこれ30年程前くらいですね。
村にやってきたのは。
そういえば、あの頃は色々ありましたっけねえ……
[どこか、遠い所を見つめている]
……あ。
[しばらく物思いに耽っていたが、ふと我に返る。]
私はラプサンスーチョンをお願いします。
一日に一度はあの匂いを嗅がないと落ち着かないものですから。
[すかさず、その場にいた給仕にリクエスト。]
お休み。……まあ、注意しとく。
[ 呟かれた言葉と翳りは彼には見えず、何時もと変わらぬ調子で見送ればナサニエルへと視線を戻し、浮かべる表情は微笑から苦笑へと変わる。]
出る機会が、無いもので。大体は村の内に居て賄える事ばかりですし、ね。
以前は町の学校に通いたいと考えてもいましたが。
[ 続いた台詞にはカップを持ち上げようとした手が止まり、]
……家出同然?
反対でもされ……ああ、踏み込んだ話になりますね。申し訳無い。
…いろいろ、ね。
ほんといろいろあるみたいだな、牧師さんは。
[ルーサーの呟きにふと思った事を呟く。
次いで口にされた紅茶の名前に少し驚いて]
…随分変わったのが好みなんだな。
[とだけ。
自分はアッサムをミルクティーで、と頼んで]
[ 町の学校に通いたい。
其の願いは母が亡くなった今――否、母一人子一人の時から、到底叶わぬ夢だったのだが。日々の生活すら儘成らぬ事も多いというのに、そんな贅沢等云える筈も無かったのだ。だから斯うして偶に本を読みに来るのが、娯楽の少ない彼にとって唯一の楽しみと云えた。]
ええ、癖の強い紅茶なので苦手な方は多いようですね。
[出されたティーカップを受け取り、一口飲む。
煙のような、薬のようなきつい香り。]
[苦笑するハーヴェイに少し悪い事を言ったかと思い]
ここで賄えるって言うんなら、無理はすることはないわな。
故郷って言うのは良いもんなんだって言うし。
[ハーヴェイが何かを言いよどむのに気付いて]
あ、いや、構わないぜ?困る事でもないし。
反対も何も、誰にも言わないで出て来ちまったからなー。
ま、心配すんのはホームのシスターくらいだろうけどな。
[つまりは親無し。
だけどそれはわざわざ言う事でもなく、苦笑して]
俺は気ままな暮らしが性にあってるって事だな、うん。
[ 牧師の紡いだ名には彼も些か驚いたか、]
……東洋の紅茶でしたか? 其れも、茶が発祥した地の。
珍しい物も在るんですね。
[流石はアーヴァインかと思いながら、ハーブティーを啜る。ルーサーの飲む其れとは打って変わり、林檎に似た和やかな香り。]
確かに癖は強いよな…。
しかし本当に何でもあるんだな、ここ。
[運ばれてきたミルクティーを飲みながら、今度は錦上添花でも頼んでみようかと不穏な笑み]
/中/
『錦上添花』
…中国の工芸茶の一つ。
お湯を注ぐと中から菊の花が浮かび上がります。
ルピシアで8個2800円……今はもっと安くなったかな?
手作りだから高いんだよねー。
アーヴァインさんは、食べる物と飲む物には人一倍こだわる方でね。
産みたての卵を食べる為に鶏小屋も作った、なんて話も聞いたような気がします。
[ストレートのラプサンスーチョンを、さも美味しそうに啜り。]
[懐かしげにメイと言葉を交わし、部屋へと戻るのを見送る。
書生の声に小さく笑みを返す。]
…お忘れで?
まぁ、無理もないでしょうかね。かなり暫くぶりですし。
故郷……、ですか。
[ 視線は一度、窓の外へと逸れる。天に浮かぶ月は地に光を齎すも、見える景色は矢張り薄闇に包まれ遠く迄は見えはしない。そして黒曜石の双眸を持つ青年を照らすのは月では無く室内のランプの光。其の横顔が何を思うかは読み取れはしなかっただろうが、緩やかにナサニエルへと目を戻せば顔に浮かぶのは薄い笑み。]
俺は、余計な事も訊いてしまう事が多くて。
誰にも何も、ですか。随分と思い切った事をなさるんですね。
[ ホーム、という単語が意味する事に気付きはしたものの其れに敢えて触れる事も無く、半分程に迄減った白いカップを卓上に置く。]
現在の生活が在っているのならば、其れで宜しいのでは。
へぇ…産みたての卵の為に、ねぇ。
そこまで拘ってれば、食いモンで病気になるとかってのは無さそうだな。
むしろ健康に良いって感じだし。
[普段の生活が不健康そのものな自分には考え付かない事だと思い、自嘲気味に笑う]
さて、と。
[出された紅茶を綺麗に飲み干し、立ち上がる。]
一度、部屋に戻って仮眠を取る事にします。
それでは、また食事時にでも。
[空になった帽子を被りなおし、会釈してから*広間を出た。*]
[ 微笑を向ける銀髪の男の言葉にゆるり、瞬きをして、]
何処かで、御逢いしましたか?
[白の磁器から離した指先を蟀谷に当て思考する。コーネリアスという名に、銀の髪。想起してみれば其の特徴はいともあっさり朧げだった記憶を浮上させた。]
……あ。
アーヴァインさんの、義弟……の方、でしたか?
気になった事を訊くのは悪いことじゃないと思うぜ?
[ほんの少し窓の外を見るハーヴェイの様子が気にはなったが、それ以上は何も言えず]
あぁ、何も言わなかった…元々何もないのと同じだしね。
帰る場所が欲しい時もあるけど、ね。
今が面白いからそれで良いんだけどね、俺は。
[そう言いながら、空になったカップを弄んで]
[銀髪の男がハーヴェイに話しかけるのを見て。
ハーヴェイが暫し考え口にした言葉で、彼が何者かを知る]
アーヴァイン…?あぁ、ここの主の親戚の人か。
[と小さく呟く]
[ ――故郷。其れは、母が望んでいたもの。
彼は村に生まれ村に育ったが、母は然うでは無かった。彼女は自らの住んでいた地を追われ、流れ着いた此の村で彼を産んだ。
余所者、其れも女手一つの生活は決して楽なものでは無かったが、彼女は村人達の助力を得ながら懸命に働き、彼を育てた。愚痴を零す事も無かったけれども、故郷への憧憬の念は強かったのだろう、窓辺に座り頬杖を突いて遥か遠くを見詰めている姿を度々見掛けた。彼はそんな母に声を掛ける事も出来ずに、唯、彼女を邪魔せぬよう扉の影から黙して其の横顔を見詰めていた。
そして先程のハーヴェイの表情が、其の時の母とよく似ていた――だなんて、彼自身気付ける筈も無かったけれども。]
[ふと気付けば夜も遅く。
それに気付けば軽く睡魔が訪れる]
悪い、俺もそろそろ休むな。
また後で。
[そう言うと立ち上がり、手近な使用人に自分の寝場所について問う。
場所を教えられれば、与えられた部屋へと*広間を後にした*]
無闇に、人を。……然う、ですね。
お休みなさい。また。
[ 呟くような言葉の後に就寝の挨拶を述べ、広間を去っていくルーサーを見送る。
ナサニエルから零れた台詞には片眉を顰めるも、]
何も無い、なんて。
[何も知らない彼に、否定出来よう筈も無い。途中で口を噤み、小さく首を振る。]
……面白いのでしたら、好いのだと思います。
貴方の旅行記を、一度読んでみたいものですね。
[ 続けようとした言葉の代わりにそう云って、先程と同じ様に見送った。]
[ 鈍感。コーネリアスの紡いだ単語に僅か首を傾ければ苦笑が浮かぶ。]
……済みません。
でも、学者見習いだなんて、そんな大層なものではありませんよ。
御久し振りです。また、御世話になっています。
/中/
ほんと俺(の中の人)ってこういう設定好きだよなぁ…。
それだけで中バレるぞ、そのうち(苦笑)
あー、発言pt…2224って……
気付いてたらゾロ目にしたのにー!!!(凄く悔しいらしい)
[与えられた部屋のベッドの上で、ハーヴェイが最後に投げようとした言葉を思い返す]
あぁ、俺には何もない…
何も持たず、与えられず。
それ故に何も求めず、ただ与えるのみ。
望むならくれてやるさ、俺の命さえも、ね。
どうせ欲しい物はくれないんだろう?
[そう言葉にはせずに呟いて。
だけど、自分が本当は何が欲しいのかさえ分からないまま。
眠りは優しく彼を包む。
一時の安息と知っていたけれど]
[ パチ。室内を暖める暖炉に焼べられた薪の爆ぜる音が耳に届く。一人二人と広間を去っていけば、ハーヴェイも元々雄弁な方では無いが為に自然と沈黙が訪れ、白い磁器を半ば満たす薄く色付いた液体に視線を落とせば彼の顔が映り込んだ。其れを払うかの如く口許に運び、大地の林檎の名を持つ紅茶を飲み干す。]
御馳走様でした。
……苺、大分余ってしまいましたね。
ジャムにでもして貰うのが好いんでしょうか。
[ 半ば独り言のように云うと椅子を引いて立ち上がり、卓上に置かれた書籍を手にする。やや傷んだ皮の表紙に書かれているのは古の時代に使われていた文字。]
其れでは、俺も之で失礼します。数日は滞在する予定ですので、また。
[ 軽く会釈を交わせば足早に広間を後にして、勝手知ったる様子で宛がわれた*寝室へと向かった。*]
施設を飛び出したのは18の時。
以後、行く先々で日銭を稼ぎながら放浪の旅に。
人に言えないようなこともしたとかしなかったとか(ぁ)
ある日知り合った人に旅の話をしたところ、それを文章にしないかと言われ何とか書き上げた物がうけて、それ以降行く先々の記録を綴った物を散発的に寄稿。
当然それで食えているわけではないので、今でもいろいろやってますが(苦笑)
…そういえば、よくうちの書庫で本を開いたまま眠り込んでいて、親御さんが探しに来たこともありましたっけね。
[ついでに淹れて貰った紅茶を口にしながら、思い出話に花を咲かせているうちに時は過ぎ。]
えぇ、おやすみなさい。
[一人二人部屋へと戻る中、自分も居室へと去る。]
普段やらないけど、独り言メモ。
人狼だった場合:姉も人狼。アーヴの手により殺されている。
アーヴ殺害の動機は姉の為の復讐ではあるが、その過程で血に酔い、血に目覚め、無差別殺戮を始めていったりとかそんな感じ。
※こちらのパターンの場合赤ログが見るに耐えぬ陰惨なものになる可能性大。苦手な方は回れ右。
囁き狂人の場合:姉は人狼、彼はその声を聞き届けることができるもの。この場合もアーヴによって姉は殺害されている。姉と同じように囁き合う生き物に心惹かれ庇うようになるか?
村側サイドの場合:姉は能力者。人狼の手によって殺害されている。ゆえに人狼を憎み、自ら手を下すことを望むかと。
/中/
今度はちゃんと表示されるし読み込めるな、RSS。
昨夜でてたの、確かサーバーエラーだったようなー……。
にゃー。
この辺りは全然、わかりませんっ!(きぱ←自慢になってない)
見習いメイド ネリー が参加しました。
見習いメイド ネリーは、守護者 を希望しました(他の人には見えません)。
[雨の過ぎ去った跡はまだあちらこちらに残っていた。
ぬかるんだ道に足を取られない様、小柄な影―女性のようだ―は慎重に進む。うっかり水溜まりに踏み入ろうものなら、冷たい泥水が跳ね上がる。履き慣れた靴は既にそうして汚れていて、それを見る度に何も今日でなくとも良かったか、などと後悔の念に駆られるのだったが。
ふと大きく水を跳ねて、その歩みが止まる。
彼女の手には木綿の白い手袋が嵌められ、左には大きなスーツケースと黒い傘、右には今は亡き元の主人の遺した簡略な地図がそれぞれ握られていた。雨のせいか少し滲んだ地図の赤い×印、次いで目の前の吊り橋、その先にある建物の順に視線は巡り]
着いた。
[確認するように一つ、頷く。白い息とともに吐き出された声同様、建物の明かりにぼんやりと照らされたその顔もまだ幼さを残すものであった]
[それから幾度かの深呼吸の後に漸く意を決して、吊り橋を渡り始める。一歩進んでは木の板が軋んだ音をたてる度に身を竦ませるものだから、なかなか進まないのだけど。
それでも橋の中頃まで届いた頃、橋は大きく揺れ]
きゃ…っ
[手摺を慌てて掴んだ拍子に指に挟んだままだった地図がひらりと逃れ、宙を舞い]
……あぁ…
[地図自体は既に意味を為さないものだとはいえ、主人が自分の為に描いてくれたもの。酷く落胆した顔で崖の下を見つめた]
[だが崖の下から吹き上げる風に再び吊り橋が揺れると、注意は逸れ]
…
[強張った表情で、手摺を掴む手も荷物を掴む手もしっかりと握り締めて、残りの道をそろそろと進む]
[…やっとのことで渡り終えた頃にはすっかり疲弊の色を浮かべていたが、扉の前に立つと自然、表情は引き締まった。
ドアベルを鳴らし、扉を開けた使用人に青い鳥の紋で封のされた手紙を渡す。
紋を確認した使用人に中に通され、当然のように目の前に置かれたペンと用紙に、彼女は少し困惑した顔になった]
え、…あの、私はお客様では…
………あ、…そう、ですか。
[疑問の声は使用人のしきたりだから、と言う声にかき消された。いまいち釈然とはしなかったが、館の主に報告に向かう使用人を見送り、ペンを滑らせる]
■名前:ネリー=ワイルズ Nellie=Wilds
■年齢:16歳
■自己紹介:先日亡くなった旦那様の紹介で伺いました。
/中/
さて、役職が決まらないとネタだしも難しい訳なんだけど。
大雑把な共通設定はメモしておかないと。
・村のごく普通の家庭に生まれた子
・両親は健在。兄弟ナシ
・10年前から祖母と生活
・昔は人見知りの引っ込み思案。今の性格になったのは4、5年での事
・村の外に憧れつつ、出るのは諦め気味
・男の子のように振る舞おうとしてるけど、実際は女の子
大体、決まってるのはこんなとこ。
/中/
とりあえず、この状態になった理由。
・希望通った場合
他者に見えないもの、聞こえないものと接触できる事が原因で人間不信に。
能力発覚時は生者と死者の区別がつかず、異常と見なされていた。
唯一その能力を正しく見極め、受け入れてくれた祖母の所に身を寄せ、力の制御を学んだ事から本来の性格を出せるようになってきている。
この辺りのネタは占霊どっちでも使える。
多分、狼とC狂は今回も争奪戦だろうから、弾かれてそっちにはいかない……よね(' '??
弾かれて守護者とかなったら、それはその時考える。
村人だったら、その時はその時で、家を出てる理由を考えないと。
あ、病気ネタは泡沫の繰り返しなんで、却下。
[夜明け前。鶏が時を告げるよりも早く起き出して顔を洗う。
――昨夜は話をするというよりも、話を聞くと言った方が正しい按配で。それでもある程度の満足をしてもらえたのか、彼の懐はそれなりに重みを増していた。]
…急いで帰らなきゃ。
[部屋を出て、廊下を進む。ほどなくロビーへと辿り着いた。]
[朝食の準備の為であろう産みたての玉子の籠を抱えた使用人に、館を辞する事を告げる。主の意向を気にしてか引き止める彼に首を振って、やや強引に使用人が出てきたであろう勝手口を目指し厨房へと向かう。
頑丈そうなテーブルの傍を通り過ぎようとして、ふいに鼻を掠める香りに足を止める。]
……いちご?
[他の客人より早く食事を終えた彼は、それがどうしてそこにあるのか知らなかった。季節外れの赤い果実に目を丸くする。酸味が口内に蘇り、唾を飲み込んだ。]
[未だ春の遠い季節。その赤い果実は生であることこそが素晴らしいのにと思いつつ、自分には関係ないと止まった足を再び動かし、
その背にかけられる使用人の声。]
[”客人”に供するのならば構わないだろうと考えたのか、単にジャムにするのが面倒なのか。持って行ってもいいという言葉に大喜びで、紙袋に詰められたそれを受け取って。]
「その代わり、ちゃんとアーヴァイン様に直接お礼を言ってくれ」
はい、もちろん! ありがとうございます!
[もう一度来い――そんな言葉の意味などに気付くことなく、家までの道程を駆け抜けた。]
[季節外れの果実は、まだ幼い弟をそれはそれは喜ばせた。弟の書いたお礼の絵手紙(単なる落書きとも言うが)を手に訪れた彼を、館の主はにこやかに受け入れ――しかし、来客が多い為にすぐには相手が出来ないのでゆっくりしていくように告げた。]
…本当にいいのかな。
[何もせずにいる時間なんて慣れてなくて。
小遣い稼ぎになるお手伝いなど探しつつ、*館を見て回っている。*]
ー庭園ー
[雨風に荒らされた庭木は既に整えられていた。ひっそりと冬薔薇の咲く奥に、白亜の墓標が静かに佇んでいる。
温室で手折った白百合を手向け、その前に跪く。
微かな旋律は鎮魂歌。男性とは思えぬ澄んだファルセットの歌声が流れる。]
―庭園―
[歌声につられたのか、ふらりと庭園へ。]
確か……コーネリアスさん、でしたっけ?
[歌い終わるのを待ち、背後から声をかける。]
村の設定が変更されました。
村の設定が変更されました。
学生 メイは、ここまで読んだ。
おっと、ハーヴェイさん有難うございます。
アンケート、参加者の皆様、宜しくお願いします。
ついでに開始日も9-10としか書いていなかったので
どうするか聞いておきます。
http://werewolf.rash.jp/?%c0%d6%a4%ad%b1%ab%b9%df%a4%eb%b3%b3%a4%ce%be%e5%a4%c7
9日0時or10日0時。
酒場の看板娘 ローズマリー が参加しました。
酒場の看板娘 ローズマリーは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
[わたしは朝早くに目を覚ます。外はまだ暗い。窓のカァテンは閉じられているけれど、きっと意味など無いのだろう。
陽が昇るには時間が必要だ。
安物のベッドの上で身じろいだら、悲鳴をあげられてしまう。隣の男はそれでも起きない。起きそうにもないし、起こそうとも思わない。]
ん…、駄目ね。
[カァテンを開けるつもりだったのだけれど、諦める。それに腕に抱きついている温もりを、離すわけにもいかない。
東向きのこの部屋は、朝陽がとても映えるのに。
少し残念な気持ちのまま、男の肌に身体を添わせる。
温もりが心地よくて、うっとりと目を閉じた。]
[ここは麓の村のはずれ。
花壇には花が植えられていて、それが咲き誇るのはとても綺麗な風景だ。
わたしの好きなものの一つ。
そして私たちは、ここで春を売っている――]
[陽が昇ると、名残惜しそうに男は部屋を出た。わたしはようやくカァテンを開けて、外の景色を見る。
雨が降ったあとの地面は、とてもきらきらと輝いて綺麗。
あァ、湯浴みをしようかしら。
そう思って、部屋から出る。]
おはよう、義母さん。えぇ。今から……あら、鈴? 届いたの。
それじゃぁ、休んだら行こうかしら。
[わたしが風呂へ向かうとその背に視線を感じる。いつ見ても、見慣れないんだろう。それもそうかと、諦めに似た思いが広がる。
わたしの背中には、斜めに走った後がある。縁取るように少し盛り上がって、肌は硬くなってしまっているから、治すことはできない。
風呂場に入れば、やはり痛そうな姉妹に、小さく笑ってしまった。]
大丈夫よ、これもわたしの売りものよ。こういうのが好きな人には、とても嬉しいみたい。触っても感じないのに、不思議なものね、殿方は。
あ。その一人の所に、行くことになったわ。えぇ、アーヴァインさんよ。
……え? どうして行くかって?
それはね――
―館―
[地面は固く、厚い靴でもその冷たさをわたしに伝える。じんじんと痛むつま先は、早く暖かい場所に行きたいと訴える。
吊り橋をゆっくりと渡る。髪が流れていく。
そして次の地面に降り立って、鞄の中から鈴を取り出す。りんりん、やさしい音が響く。
いつもの使用人が出てくる前に、わたしは*ペンを取り出した。*]
■名前 Rosemary Lire
■年齢 26
■自己紹介 春を届けに。
[夜風が身に染みたのか、肩を竦める。
夕暮れだったはずのあたりは、いつの間にか暗闇に包まれていた。]
…また、逢いに来ます。姉さん。
[小さくそう墓標に囁くと、温かな光が漏れる温室のほうへ歩き出す。]
[彼が家に帰っている間に、既に風雨に荒らされた庭などは整えられていたようだった。適当な用事を見つけられないままぐるりと館の中を見終えると、広間へと足を向ける。
館の主は”来客が多い”と言っていた。
元々、好奇心はそれなりにある方だ。自分以外に誰が来ているのか、見てみたかった。]
…ここかな?
[控えめに扉を開けて、覗き込む。人影は――ないようだった。]
[来客は随分と多いようだった。
使用人の使っているその隣の部屋が彼女には宛がわれた。
一眠りした後に訪れた館主の話ではもう暫くのんびりしていて良いとのことであったが、仮にも雇われの身。主人亡き後、身寄りのないところを引き取ってくださったのだから、何時までも甘えるわけにも行くまい。
それに何より]
お1人では忙しいでしょうものね。
[掃除用具を借り、軽く階段付近の掃除から始めてみるのだった]
―温室―
[凍りつくような冬の空気から隔離された場所。
そこで、咲き誇る花々を見ている。
小ぶりの葡萄の木、木苺、石榴……
食べ物のなる木ばかり見ているような気もするが。]
[どうしようか、しばし悩む。
広くてきれいな広間で一人ぽつんと待っているのは、どう考えても退屈だった。]
…探してみようかな。
[ぽつり、呟いて。踵を返す。行く宛てはないけれど。]
−温室−
[義兄の趣味で、建てられたその硝子張りの建物には、夜も温かな陽光を模した灯りが点り、そこだけが一年中春のような空間になっている。
その中に佇む、黒い帽子の牧師の姿を認めると、軽く会釈をする。]
この部屋がお気に入りのようですね、牧師様。
……ふむ、葡萄も木苺も石榴もたわわに実っていますね。
今度はアーヴァインさんに断ってから摘み取る事にしましょうか。
[満足げに頷いてから、今度は薔薇の方へ歩を進め。]
ええ、とても。
いつ見ても花々が咲き誇っていますし……食べられるものも多いですから。ふふふ。
[視線は薔薇に向けられたまま。両手は後ろで組んだ状態。
何故か、左手だけ白い手袋をしている。]
[2階客室に通じる階段は掃除中のようだった。豊かな緑のお下げ髪の少女の邪魔にならないよう、外へと足を向ける。
既に暗くなった庭に出れば、仄かな明かりのついた硝子張りの建物が見えた。]
…あれ、なんだろ?
[温室と知らぬまま、灯に惹かれるようにとてとてと歩く。
やがて近くに辿り着けば、ガラスを通して黒い服の人物と、長い白い髪の人物の姿が透けて見えた。]
→温室(外)
ふうっ……。
[客室の窓辺で、ため息一つ]
まいったなあ、もぉ……また、「あの話」してるのかあ……。
[昼間、届けられたという簡素な手紙を見やって。
また、ため息]
ほんとに、もう……。
[呆れや……それ以外にも、色々と複雑そうな感情を込めた呟きをもらし。
ゆっくりと部屋の外へ]
…姉も、ここが好きでした。
一年中春のような場所ですからね。
[懐かしそうな目で、温室の中を見回す。]
でもまぁ、つまみ食いはほどほどに。
[くすりと冗談めかして言いつつ、牧師の片手の手袋に目をとめる。]
おや、もう片方は何処へ?
[黒い服の人物は、直にわかった。誰かと言うことではなく、職業として。そしてもう1人の人物には、首を傾げる。]
『牧師様と…あれは…?』
[何処かで見たような…そんな風に思い、ふと気付く。
ロビーにかけられていた、肖像画の人だと――]
―書斎―
[ 腕を組んで枕代わりにして突っ伏していた状態から顔を上げる。何時の間に眠り込んでいたのか。恐らくは其れなりに長い時間だったのだろう、頭を乗せていた腕は若干の痺れを訴えていた。]
……しまった。
[ 呟きを零しながら上体を起こせば少々無理な体勢で寝ていた所為で躰が強張っているのが判り、首筋に手を当てて傾けると小さく音が鳴る。まだ重い目蓋を持ち上げてニ、三度瞬き、視線を傍に広げられていた本へと移す。眠りに落ちる間際の事は覚えていないが、押し潰していなかったのは僥倖か。栞を挟んでいなかったが為に、読んでいた箇所は不明になっているが、其れは然したる問題ではない。]
/中/
ここらで独り言など残してみるのです(何
女性率低すぎて(むしろ皆無?)入っていいものかちょっと迷ってしまいました。
そして緑含有量が高い。
[客室を出て、のんびりと階段に向かえば、掃除をしている見慣れぬ少女]
えっとー……通っても、大丈夫、かな?
[仕事の邪魔をするようで申し訳なくて。
何となく、先に声をかけた]
……ああ、いや。
これは片方だけでいいのですよ。
[コーネリアスの方へ向き直る]
まあ、つまみ食いの件は内密に。
……それにしても、残っていた苺は何処に行ってしまったのでしょう。
ジャムや苺ワインにしてしまう手もあったのですが。
他の苺はまだ熟していませんから、次に食べられるのはいつになることやら。残念です。
[目線だけは苺の苗に。]
−温室→館−
[ロビーには、確かにさっき見たばかりの人が描かれていた。
震え上がりながら、使用人であお下げ髪の少女に駆け寄って。]
ゆ、ゆ、幽霊が…!
[わたわたと絵を指差しながら訴える。とにかく、館の人の誰かに聞いて欲しかった。]
[突然あがった悲鳴のような声に、思わずびくりと身を竦ませる。]
…幽霊、ですか?
[きょろきょろとあたりを見回すが、当然そんなものは彼本人には見えないわけで。]
[目覚めは快適だった。
久しぶりの上質なベッドと、暖かい朝食。
分不相応な扱いに戸惑いはしたけれど。
食事を終えれば、使用人よりアーヴァインに会って欲しいとの言葉。
もとよりそれが宿泊の条件、断る理由もなく暫しの歓談。
余程興味を待たれたか、それとも何か思うところあってか、暫くの滞在を勧められ暫し思案する]
俺は構いませんが…。
[否定とも肯定とも取れる言葉を肯定と受け取って、また明日も話を聞きたいと。
此方に滞在となれば村の宿に残した荷物を引き取らねば、と思いその旨を伝える。
『麓に出る物が居るから、それに持ってこさせよう。』
そう言われてそれ以上強く戻るとも言えず。
多少腑に落ちぬ事もあったが、折角の申し出とありがたく受ける事にして、暇に任せて館の散策を]
[ふ、と上から降ってきた声]
あ…
申し訳ありません…どうぞ。
[会釈する間もなく。
邪魔になっていただろうか。拭き掃除の手を離し、慌てたように端に寄る]
[歩き回る間に書庫を見つけ、ハーヴェイの言葉を思い出しその蔵書を見て回る]
…本当に何でもありなんだな。
こんな山奥じゃこれくらいしか時間が潰せない、か。
[よくある娯楽小説から小難しい学術書までがそれでもきちんと整理されて並んでいる。
新しい物からとてつもない年代物まで、微かに埃を被ってはいたが]
暫く滞在なら、一度じっくり見て回るのも面白いかな。
[そう言いつつ書庫を出て、一度外へと]
―館入り口―
今日はとても賑やかね。たくさんの人がいるのかしら?
[鈴の音を聞いてやってきた使用人に尋ねると、どうやら他にも客人がいるらしい。]
タイミング、ずらした方が良かったかしら?
……ん、まあ、アーヴァインさんがいいというなら良いけれど。
取り敢えず、荷物を置かせて下さいな。
今回は、幾晩かしら。一応、薬も持ってきているけれど……
[こんなに館が賑やかなのは、初めてで少し驚いてしまう。
わたしはきょろきょろとしながら、使用人について館に入った。]
…見間違い、でしょうかね?
[まさか自分が幽霊と見間違えられているとは露知らず。]
あぁ、苺は日持ちがしませんからねぇ…。腐らせるよりはすぐに加工してしまうんですよ。
蜂蜜酒を仕込むときに加えると、特に美しい紅色の上質なものができるのですよねぇ…。
[ 静かな館内に響き渡る、絨毯でも吸収し切れない盛大な足音。]
なんだ?
[ 床へと落としていた視線を上げて巡らせれば、階段の傍に感じられる幾つかの人の気配。騒動の主は如何やら其方に向かったようで、]
……珍しく賑やかだな……。
[小さく呟いた。]
[外に出れば、切り立った崖と吊り橋。
それは思ったよりも深くて、恐る恐る覗き込み息を呑む]
ほんと、落ちなくて良かった。
知らなかったとはいえ、よく夜に渡ったな、俺。
[そう呟いてゆっくり対岸へ。
そこから見る館の姿は思った以上に立派な物で]
これだけでも立派に名所になりそうだよなー。
[後で機会が会ったらこの村の事をどこかに書いてみようか、とそう決めて館に戻る。
やがて村から戻った者より宿に預けておいた荷物を受け取って。
暫し与えられた部屋でなにやら書き物をしながら、そういえば今日はまだ誰とも挨拶をしていなかった、と気付き広間へと向かう]
―自室→広間―
幽霊の正体見たり枯れ尾花と言いますからな。
何か白いものと幽霊だと思い込んだのではないですかな?
[勘違いの原因に気付いているのか、笑いをかみ殺している様子。]
あ、こっちこそゴメンなさい、邪魔しちゃって。
[申し訳なさそうな少女に笑いかけつつ途中まで階段を駆け下り、半分くらいからぴょん、と飛んですたっと着地し]
……で、キミは何を騒いでるのかなー?
[動揺している少年に、呆れたように問いかけた]
[などと言っているうちに、先ほどの少年が形相を変えて飛び込んで来た]
ゆ…え、あの…
如何なさいました?
[答えを聞いても対応できたものかは分からないものの、少年の目線の高さに屈み尋ねてみる。“幽霊”の言葉に少しひやりとしたのは気付かれただろうか]
―→二階 部屋―
[いつも使う部屋に案内される。といってもわたしがそこを使うのは、荷物を置いたり、化粧をしたり、それだけだけれど。
鏡は曇りもなく、綺麗だ。
髪と化粧を少し整えて、再び下に戻る。
少し、他の人も見てみたいと好奇心。
賑やかな方に降りていくと、人がいるのが見えた。
おさげの少女と、そう、多分村の子供の姿。]
いえ、邪魔だなんてそんな…
[先ほどの声の主に、恐縮そうにぺこりと頭を下げた。
それから、新たな声に気付いてそちらにも会釈を]
[身軽な着地音と呆れたような声に、ようやく使用人の少女以外にも人がいる事に気付いてそちらを見れば、村の住人である少女がいて。知ってる人だという安堵と騒ぐ理由を知って欲しくて懸命に訴える。]
メっメイさんっ!
みみみ見たんですっボク、あああの幽霊をっ!
牧師さんと一緒にいたから間違いないですっ!
[少し自信が出たのか、びしっと肖像画を指差し断言する。]
こんばんは
[少し悩んで、二階から声をかける。
二人の村の子供。一人の知らない少女。
村の子供の一人は、たまに見かけるだけだったけれど、顔はきちんと覚えていた。]
[なにやら騒がしさに気付き其方に向かえば、知らぬ少年がなにやら怯えているようで]
んー?どうした坊主?
[幽霊、と聞けばくすりと喉の奥で笑って。
指を指す方を眺めて更に笑う]
ありゃ、唯の絵じゃねーか…確かに暗くてあれだけど。
男がそんなもんで怖がってどうする。
[そういってぽん、と頭を撫でてやる]
んーん、実際邪魔しちゃったしね。
[済まなそうな様子に、また、笑んで。
それから、トビーの言葉と、指差す方向にあるもの──肖像画とを見比べて。
……合点が行くなり、くすり、とやや意地悪な笑みが浮かぶ]
ふぅん、幽霊、かあ……。
ボク、多分その幽霊さんとお話ししたなあ、昨夜。
…白いもの、ねぇ…。
[シーツなどを干している様子も見えず…と、やはり気づいていなかったり。
怪訝そうに首をかしげる。]
[ナサニエルの言葉に、くすくす笑いつつ頷いて]
だよねぇ、男の子なら。
[それから、上からの呼びかけに、ふとそちらを見やり。
取りあえず、こんばんわ、と挨拶を返して]
[こちらを見ている女性には気付かぬまま、見知らぬ蒼髪の青年に頭を撫でられてぶんぶんと首を横に振る。]
ちがっ!
絵じゃなくてっあの人が庭の所で牧師さんと…っ!
[そう言い募る間もなくメイの意味深な言葉に震え上がる!]
ぃーゃーーーっ!
[情けない悲鳴]
[少年の言葉にもう一度肖像画を見て、一人の人物が思い当たり、あぁ、と]
なるほどねー。
幽霊かどうか確かめに行ってみるってのはどうだ?
[にやりと笑って]
まぁ、幽霊さんを見たの?
大丈夫?
[なんだか悲鳴が可哀想になって、尋ねてしまう。
振り返った男の人は、見たことがない。村の人ではないのだろうとあたりをつけた。]
[ 階段の近くから聞えて来た悲鳴――其れも聞き覚えのある声に、思わず蟀谷に指を当てる。小さく溜息を吐いてから其方へと足を向ければ、幾人かの人の姿。既知の人間も未知の人間も、其処には居た。]
……何やっているんだ?
[ 声にはついつい呆れの色が滲んだだろうか。]
[邪魔だなんて滅相もない。ぶんぶんと首を横に振った。
それから仄かに赤くなった少年には気付かぬまま、指差された肖像画に視線は移る。綺麗な人が描かれていたが、来たばかりの彼女はそれが誰だか知る由もない]
…??
[メイの含んだような笑みに、ますます難しい顔になる]
そうですか。
[にこり、と意味深に笑う。]
薔薇の花言葉、ご存知ですか?
色や花の状態によってあれほど意味が異なる花も珍しいものですが。
[ハーヴェイの声に気づいて、そちらを見やり。
笑いながら、やほー、と手を振る]
なに……って……。
[どう説明すればいいのかわからないというか、笑いが止まらなくてそれどころではないというか]
あ、あの…大丈夫ですか?
[蹲ってしまった少年に恐る恐る声をかけた。頭の中は相変わらず疑問符だらけであったが。
現れた青年には小さく会釈をして]
[蒼髪の青年の言葉に更に震え上がり、ぶんぶんと首を振る。もちろん横に、だ。]
えええ遠慮しますっってか牧師様がどーにかしてくれてるにちがいないですよぅ!
[言ってる内に、本当にそう思えてきて少し落ち着く。苺泥棒な牧師にそんなこと出来るかどうかなんて知らないのは幸せだったり。
心配そうに声を掛けてくれるローズマリーに、ぱっと頬に朱を散らせる。子供とはいえ、きれいなお姉さんに怖がってる姿を見られたのは酷く恥ずかしかった。]
/中/
あぁ、何だかまた多弁に…。
もしここにあの人が居るなら、もう中バレている筈だ(苦笑)
そして独り言が着実に減っている……いつの間に300pt以上も使ったんだろう?(自覚しろよ)
[ メイとナサニエルは無論、先程の悲鳴の主であろう少年にも見覚えがあったが、緑の髪の女性二人――片方は大人しそうな印象の三編みの少女、もう片方は艶やかな雰囲気の女――は知らない。其々に軽く頭を下げて会釈をする。
然しけらりとした様子のナサニエルと笑い転げるメイとを見ても、状況を理解するには及ばずに、]
度胸試し、って……子供を虐めるのは感心しませんが。
[震えたり首を振ったりと大忙しの少年へと目を向ける。]
その。
幽霊が出た、と…こちらの方が。
[背に隠れる少年にあたふたとしながら、青年の呆れたような言葉には至極真面目に返した]
[頬を赤く染めた子供が、わたしはよくわからなくて首を傾げてしまう。
幽霊、なんて居るのかしら。
わたしはそう思ったりしたけれど、彼が信じているなら仕方ないのかもしれないとも思う]
そうね。きっと牧師様は、幽霊をやっつけて下さるわ。
[尤も、自分の職業を知られたら、わたしが一番、危険かもしれないけれど。]
[虐めるのは、というハーヴェイの言葉に、ぱたぱたと手を振って]
いじめてない、いじめてないってば……。
だって、ごめ、トビーくんがあんまりにも面白いコト言うからぁ……。
[笑いながら、どうにかこれだけ言って。
それでも、説明抜きでコーネリアスに会わせてみたいというイタズラ心は抑えきれなくて、それ以上は言わず]
……そうですか。お詳しそうに見えたのですが。
では宿題。
『ばらの下で』とはどういう意味でしょう?
答え合わせは私の気が向いたとき、と言う事で。
[くるりと背を向け、温室の外へと歩き始める。]
ヒントはこの屋敷にある懺悔室。
答えが合っていたら、ちょっとしたご褒美でも。
何が欲しいか考えておいてくださいね。
では、そろそろ館に戻りましょうか。
暗くなってまいりましたし。
[すたすたと歩き去っていく。]
―温室→二階階段前―
[怯えたように首を振る少年に尚も笑いながら]
あぁ、確かに牧師さんなら何とかできるかもな。
[側の女性を見て頬を染めるのに気付き、ははぁ、と含み笑い]
でもなー、いざって時に女の子を置いて行くわけにも行かないだろ?
男なら勇気を出してみろ?な?
…綺麗なお姉さんに笑われるぞぉ?
[やたら楽しそうなメイに、ネリーの後ろから小型犬のごとく唸りつつ、ぶんぶんと首を横に振る。もういい加減、首が痛くなってきていたりするがそれどころではない。]
ぃーゃーでーすーっ!
幽霊さんは牧師様と仲良く天国へいってもらえばいいんですよぅ!
[よく聴けば牧師様までゴートゥーヘヴンだったりするけど、まぁ言いたい事は伝わるはず。たぶん。
ハーヴェイの虐めちゃダメ発言にはちょっとばかり感動したり。]
……トビー?
[ お下げ髪の少女に隠れる少年を見遣れば、腰に手を当てて半眼になる。]
お前は俺を如何いう目で見ているんだ。
臆病な子供を玩具にする程、厭な性格はしていない。
[ハーヴェイの言葉に少し慌てて]
苛めてないって、鍛えてやってるだけだって。
[かなり無茶な言い訳。
少年が三つ編みの少女の陰に隠れるのを見れば苦笑して]
無理はしなくて良いって。
少しずつ強くなりゃ、それで良い。
…薔薇の下で…。
[牧師の残した言葉を、もう一度繰り返す。
姉はそういうロマンチックなものが好きだった覚えがあるが。
後で蔵書でも漁ってみようかとも思いつつ。]
―二階階段前―
こらこら、勝手に人を殺さないでください。
[トビーの頭を痛くない程度に小突きつつ。]
……幽霊?いませんよ幽霊なんて。
少なくともこの屋敷には――
[とそこで、ローズマリーの姿を見て固まる。
顔が真っ青だ。]
[「綺麗なお姉さんに笑われる」というナサニエルの言葉が男心(一応あるらしい)にぐさりと刺さる。]
…ぅ゛。 …でもやだ。
[やっぱり、怖い。]
[これがいわゆる愛の鞭なのかしら。ちょっと考えたけれど、どうやら皆、楽しんでいる様子。
愛の鞭というより、遊んでいるだけかしら。
そう思いながら、階段に足をかける。]
……? あら、こんばんは?
[降りようとしたら、やってきた人の姿。
牧師さんだわ、と思いながら、挨拶をする。どうして固まっているのかしら、と思うけれど、答えなんて出るわけはない。]
[村で時折見かける物静かな青年は、まだ子供の彼にとって親しみやすいとはいえないものの、嫌いではなかった。
ハーヴェイが冷酷とか非道とか思ってるわけではない、決して。
ただ――]
…ハーヴェイさん幽霊って信じてなさそうなんだもん。
[ぽつり。ようはリアリストと思っているらしい。]
……牧師様まで天国送ってどうするのー。
[動転しきった言葉に思わず突っ込んだ所に、タイミング良くやって来た当のルーサーが突っ込みを入れ。
直後に固まってしまったその様子にきょとん、と瞬き、視線の先を辿れば、何度か橋の側で見かけた女性の姿]
……牧師様?
[ひとり温室に残り、物思いに耽っている。
ゆっくりと歩を進めるたびにベージュのゆったりしたチュニックが銀髪と共に揺れる姿は、確かにある意味幻想的というか…ひとならぬものに見えるかも知れず。]
……幽霊なんて、居る訳がないだろうに。
[ 視線を逸らすトビーに溜息を吐き軽く目を伏せて、未だに笑っているメイと若干慌てた様子のナサニエルとに順に顔を向ければ、口端を僅かに上げる。]
さて、如何だか?
[ 後から訪れた黒衣の牧師にも礼をするも、一転変化した顔色に首を傾げた。]
[少年の“仲良く天国に”との言に、思わず頷きかけた。積極的にその存在を信じているわけでもなかったが、実のところ彼女も幽霊は怖い。
と、噂の牧師様が現れて、そちらに会釈する。視線に僅か期待が籠っていたかもしれない。
しかし青ざめるその顔を見]
…あの、大丈夫…ですか?
[遠慮がちに声をかけた]
……ああ、失礼。
昔の知り合いに瓜二つだった物ですから、つい。
[慌てて取り繕ったような笑みを浮かべつつ、帽子を取って会釈する。]
私はルーサー・オブライエン、見ての通り牧師です。
[胸元で十字を切る仕草。やや真剣味を帯びているような気はするが。]
[痛くはないものの驚きに飛び上がって振り向けば、独り帰ってきた様子の牧師様に安堵の溜息。
しかし、続く言葉とその顔色に、まさかと震え上がる。]
『この屋敷には幽霊はいない→屋敷の外に幽霊はいる!?』
[再びネリーの背に隠れて、そうっと牧師様の見る方向を窺うも、そちらに白い影はなく。不思議そうに小首を傾げた。]
お知り合い?
まあ、そうだったのですか。それは驚きますね
[十字を切る姿は、なんとなく、それ以上を聞けない雰囲気だと思った。
もうその人は亡くなっているんだろう。でも……少し、困ってしまう。]
わたしは、ローズマリー=ライアと申します。
残念ながら、牧師様のお知り合いではないですけれど。よろしければ、宜しくお願いいたします。
[職業がばれたら、嫌われてしまうでしょうから、注意しようと心に決める。]
[相変わらず怯えた様子の少年…(ハーヴェイはトビーと呼んだが)その様子に今度は出来るだけ優しく]
あんなもんは居ると思うから怖いんだ。
居ないもんだと思えばなんて事はない…と思う。
[その後でハーヴェイが此方を見て呟くのを聞き]
無理強いはしねーって。
[そしてやって来た牧師に会釈をするも、顔色が悪い事に怪訝に思い首を傾げる]
[ルーサーの様子に戸惑うものの、ひとまず本人の説明で納得し。
それから、トビーの頭にぽむ、と手を置いて]
なーんで、そんなに怖がるかのなあ、もぉ……。
[先ほどよりは笑いの鎮まった声で言いつつ、そのまま頭を撫で]
こちらこそよろしくお願いします、ローズマリーさん。
[ようやく、いつもの穏やかな笑みに戻る。]
……ふふっ。屋敷の外にもいませんよ。
安心なさい、トビー君。
[牧師様を信じるなら少なくとも”屋敷内に幽霊はいない”わけで。
ナサニエルの少しずつ頑張ればいいとの言葉に勇気付けられ、お下げの少女の背から離れる――小さな呟きを残して。]
…あの、ごめ…ありがとう…。
[牧師様の顔色が戻ってから離れたのは、まだほんの少しだけ頑張り始めたからなのだと信じたい。]
[微笑む姿を見て、わたしは少しほっとする。
それから、皆に頭を下げて、名を告げた。]
どうぞ、ローズ、と呼んで下さいな。
数日は、滞在することになると思いますし。
[知り合いに似ていた、とのこと。それにしては尋常ではなかったような、と少し疑問は残ったものの、気のせいかと結論づけた。
聞こえてくる会話に、頭の中で牧師と女性、それに先ほど呼ばれた少年の名前を記憶する]
[ ナサニエルの言葉に軽く肩を竦めてみせるも、寄って集って頭を撫でられるトビーを見れば、顔には微かに苦笑めいた表情が浮かぶ。
ローズ、と自らの名を告げる女性へと視線を移すと、未だ緑髪の女性らには名乗っていなかった事に気付き、]
……嗚呼。俺は、ハーヴェイ=ローウェルです。
此処には、本を読ませて頂く為に来ていまして。
[宜しくお願いします――と再び形式的な礼。其れから今度は全員に向け、]
取り敢えず、広間にでも行きませんか? 立ち話も何ですから。
……とは云っても俺は、屋敷の主でも何でも無い訳だけれども。
[終わりは些か砕けた口調で述べる。]
[会話の中からそれぞれの名前を拾い上げる]
そっちのおねーさんはローズマリーって言うのか?
で、こっちの少年がトビーで良いのかな?
挨拶が遅れたな…俺はナサニエルって言う。
好きなように呼んでくれて構わないぜ。
[ようやくというか、少女の背後から出てきたトビーの様子に、くす、と笑んで]
がんばれ、男の子っ!
[言いつつ、ばん、とその背を叩く。
それから、ローズマリーに向き直って、一つ、礼をして]
ええと……メイ=エアハートです。
どうぞ、よろしく。
[形式的な挨拶になったのは、祖母の言葉のせいだろうか。
橋を渡る彼女に、余りかかわるなという、ややきつめの戒めの]
わかりました。改めてよろしくお願いします、ローズさん。
[トビーの方へ視線を向け]
……誰も教えてあげるつもりはないようですね、『幽霊』の正体。
[くくっと、声を殺して笑う。]
[ハーヴェイの幽霊なんていない発言には『やっぱり』と思うも口では(も)勝てないので、むぅと唸るだけで。
ナサニエルの諭すような言葉には、なっとくするよーなしないよーなびみょーな表情を浮かべて、頷く。]
うん…いなければいいなってボクも思うけど…。
『……みちゃったんだもん。』
[皆にいないと言われればそれ以上の言葉は飲み込むしかなく。
メイやルーサーに撫でられるまま、拗ねたように口を尖らせた。
メイ自身も怖がらせてる元凶というか加担してるとかは知らない。]
[白い薔薇の茂みの中に、枯れかけた一輪を見つけ、それを手折った。]
…手入れが行き届いているはずなのに、珍しい…。
[僅かに眉をひそめ、それを隅に集められた落ち葉の上へとそっと置く。]
…戻りますか。
[一度振り返り、館へと。]
ハーヴェイ……?
[名前には聞き覚えがあって、あァ、あの子じゃないと思う。
でも尋ねることはしない。彼女もここで言われたくは無いだろうし、わたしもあまり言いたくない。
それでも立派な子なのねと、ほほえましく思った。
ついで聞こえた、青い髪の、村の外の男性の声に、わたしは頷く。]
えぇ。わたしはローズマリーと申します。
ナサニエルさん、ですね。
素敵なお名前ですね
[つい口から零れてしまう言葉は、不自然に思われないように笑って言って。
少しぎこちないメイの反応に、知っていることが判った。]
[少年の呟きには小さく瞬いて、微笑んだ。
それからローズマリーの言葉に、こちらが名乗っていなかったことに思い至り]
ああ、ええと。
…ネリーとお呼びください。
[慌てたようにファーストネームだけを告げる。改めて会釈をした]
[外にもいないという牧師の言葉と笑みに、素直に頷く。なんてったって、幽霊が出た時の頼みの綱だ。
そうして、皆が自己紹介?してるのに気付いて、ぺこんと頭を下げて名乗る。]
あの、ボクは…トビーです。トビー=カワード。
牧場の手伝いしてて…チーズの配達にきました。
あっ、今日は配達じゃなくていちごのお礼にきたんですけどっ!
[頼みの綱と苺の関係なんて当然知ってるわけがない。]
[名を褒められて意外なほど嬉しそうな笑みを浮かべる。
親から貰った唯一のものがこの名前だから]
ありがとうな。
ローズマリーって言うのも綺麗な名前だよな。
あんたに似合ってると思うぜ?
[ハーヴェイの「広間へ」との言葉に頷いて移動を。
そこにコーネリアスが通りかかるのを見て、ちらりとトビーの様子を伺う]
[ 彼の名前を繰り返すローズマリーの声には疑問の響きが含まれていたように感じられ、其の場から去ろうとした間際振り向けば母に似た色の濃い茶が僅か揺れる。]
……俺の名が、如何か、しましたか?
[ 母の仕事を知らぬ訳では無かっただろうが、“職場”での人間関係が如何であったかなんて事まで聞き及んでいる筈も無くてそう問いを返す。
視界の隅を銀色の髪が通り過ぎて行くのを目に留めれば会釈を。]
[メイに勢いよく叩かれ、たたらを踏む。相変わらず痛い激励に、もぅと文句を言おうと顔を上げて。
運悪く牧師の言葉は耳に入らぬままに、それを見てしまう。
――そう、声も無く通り過ぎるコーネリアスを。]
煤@でたぁーーーーーーーーっ!!!
[*ばたんきゅぅ*]
おや、新しいメイドさんですか?
慣れない内は大変でしょうけど、他の使用人さんたちがフォローしてくれるから大丈夫ですよ。
それでもストレスが溜まるようでしたら、週に一度の出張懺悔室にどうぞ。
愚痴なら聞いて差し上げますよ。
[悪戯っぽく笑いながら。]
ネリーっていうんだ、よろしくね。
[名を告げた少女ににこ、と笑いかけ。
悠然と通り過ぎるコーネリアスと、その姿に半ば予想していた通りの反応をしたトビーに思わず笑い出す]
……ほんっとにもう……素直すぎだよっ……。
ネリーさんとおっしゃるのね。
[新しいメイドさんを雇ったという話はまだ聞いていないけれど、きっとあとで聞けるだろう。
自分も広間へ行こうとして、ナサニエルの言葉に、ほんのり、甘く微笑んだ。]
有難うございます。
[振り返るハーヴェイには、少し悩む。
わたしがここで、言ってしまってもいいかしら。結局、考えて、一つ、言った。]
綺麗な髪ね。お母様に似たのね。
[……あの場にトビー君はいなかったはず。
では何故『苺のお礼』なのか。
そこまで考えた後、苺の行方に気付く。]
わ、私の苺を食べたのは君なのですかっ?!
[気絶しているにも関わらず立たせて肩を鷲掴み。
そのまま揺さぶる揺さぶる。
そもそもアーヴァインが育てていた苺なのだが細かい事は気にしない。]
牧師様、牧師様。
トビーくん、気絶してるんだから、そんなに振り回しちゃ……。
[ゆさゆさとトビーを揺さぶるルーサーの様子に、思わず呆れた声がもれ]
はい。こちらの御主人のご好意で、お勤めさせて頂けることになりまして。
…そ、そんな。雇って頂いているのに愚痴だなんて…
[牧師の言葉に滅相もない、とでも言おうとしたか。しかし少年の叫びにかき消され]
…え、…
幽れ…って、だ…
[更に取り乱す牧師の様子に声を失う]
…えぇと……いったい何があったのでしょう?
[騒ぎの主原因が自分とは、やっぱり気づいていなかったりとかして、おろおろと駆け寄ってきたりとか。]
……母の事を、御存知で?
[ 如何したものかとトビーを眺めていたが、ローズマリーの紡いだ科白に黒曜石の瞳を見開き其方を見遣る――が、今度は男の大声が耳に届いて意識が逸れた。]
ルーサー牧師……
気を失った子供に何をしているんですか、何を。其れでも聖職者ですか。
[ 此の生臭坊主。と迄は云わなかったが、片手を額に当てて再び深く息を吐く。]
[やって来たコーネリアスにこんばんわ、と頭を下げて]
ええと……発端は、可愛い勘違いで……。
今のこの状態は……。
苺の恨み??
[何となく、情けない理由のような気もするが]
牧師様、ええと、おやめになられたほうが……
[皆が止める声に、ようやく我に返ってわたしも止める。
でも…何が彼に火をつけたのかしら。わからなくて、困ってしまう。]
ああ、ええと……
[コーネリアスがやってくれば、なんだか少し、いたたまれない気分になってしまう。
それは幽霊騒ぎもだけれど、自分が……]
[随分色んな人が集まったものだと半ば感心してその場を見渡す]
個性があるってのは退屈しなくて良いけどね。
[と一人聞こえぬよう呟いて。
旅暮らしで一所に留まる事のない身の上。
それ故にあまり付き合いは得意ではなく]
でも、数日の事だろうし、たまにはいろんな人と話すのも悪くない、か。
[特にあの、名を褒めてくれた女性はどことなく気にはなって。
それでも、数日で離れるのだから、とそれ以上は考えないようにと]
あァ、えぇ。そう。お母様とは、親しく……
[牧師様も我に返ったようだけれど、トビー君が倒れてしまう。
なんというか、一体何があったのかと思うその耳に、メイの言葉が耳に入った。]
苺の、うらみ……?
[ いっそもう片方の手に持った此の本で叩いてやるべきかと思ったが、我に返ったルーサーを見て細く安堵の息を吐く。主に、書籍を傷めないで済んだ事に。]
兎も角……、広間にでも運んでおきますか?
[ 訳の判らぬ様子のコーネリアスに説明をしているメイを見遣って、]
トビーは間に受け易いんだから、余り遊ぶなって。
[悲鳴に駆け寄って来た人影に会釈をして、それから彼の容姿がかの肖像画に似ていると漸く気付く。
一瞬身構えかけるが、それにしても周りの反応は極普通で、ますます訳が分からない]
[牧師が手を離し、その場に崩れるように倒れた少年を覗き込む]
完全に気絶してんな、これ。
どうしたもんかね、これは……
[流石にこのままにはしておけないよな、と思案顔]
[ローズマリーの呟きには、無言でこくりと頷いて。
ハーヴェイの言葉には、てへ、と笑って]
だってさあ、反応が素直だから、つい。
[からかいがいがあるんだよね、と悪びれた様子もなく、さらり]
そう、ですか。
[ 親しく、という割には、ハーヴェイは彼女に逢った事は当然、其の話すら聞いた覚えが無い。――となれば如何いった知人であるか多少の予想はついて、僅かに視線が揺れるも、直ぐに人当たりの好い笑顔へと戻る。]
其れはどうも、母が御世話になりました。
[ すいと視線を逸らせば、倒れたトビーや其の周りの方向を見遣って、ナサニエルの申し出に一つ頷く。]
嗚呼、御願い出来ますか? 俺より、貴方の方が安定しそうだ。
いちご…?
食べ物の恨みは恐ろしいと言いますが…。
[メイと牧師と少年を交互にみつつ困惑。]
…あぁ、牧師様。義兄の秘蔵のクレーム・ド・フレーズがワインセラーに。
ひと瓶にイチゴ20個以上を贅沢に使った、最高級のリキュールらしいですよ?
[勘違い、や遊ぶ、の言葉に漸く状況が何となくだが見えて来た。目の前の人は肖像画と似てはいるが別人であるようだ。
幽霊でなかったことに人知れず安堵した]
[ 見知らぬ地、其れも女手一つで人二人の生活費を賄うには、幾ら周囲の人間の助けが在るとは云えど、容易な事では無かった。通常の手段では。
……だから、“そういった”仕事に就いたのも、不思議な事ではない。
何も出来なかった幼い自分が歯痒くて、けれどそんな母を見るのも厭で、ずっと知らない振りを続けていた。何とも情けない事だと思う。]
いえ、わたしこそいつもお世話になっております。
[ハーヴェイに、軽く頭を下げる。伝わってしまったかしら、と思った。]
……苺、お好きなんですね。
[少し、なんだか、すごいなと、牧師様に感心してしまった。]
[トビーを抱えて、安定するように何度か揺すって]
こうやって旅なんかしてると、結構余計な力が付くもんなんだよなー。
…結構軽いな、こいつ。
[そういって、そのまま広間へと向かって]
…力だって付くさ。
金がない時は力仕事だって請け負うしね。
一人旅だと余計なもんに絡まれることも多い…自衛はしっかりと、って事さ。
[誰にも見えない自嘲的な微笑]
[ 相変わらず気にした風も無く笑うメイに、片眉を寄せる。]
……あのなぁ……。
[ 然し云っても無駄だと判断したらしく緩慢に首を振ると、ローズマリーの言葉には曖昧な表情を向け、ナサニエルに倣って広間へと向かう。]
[片眉を寄せるハーヴェイには、どこまでも悪戯っぽい笑みで応え。
笑いながらきっぱりと言い切っているルーサーの様子に、たかが苺、でも、牧師様にとってはされど苺、なんだろうなぁ、とか。
そんな事を考えつつ、*自分も広間へてくてくと*]
[ここで、頷いたら、何か殺されそうな気がする。
わたしは生存本能に従った方が懸命だと思った。それはもう、切実に。
笑顔がなんだかとても怖いけれど、負けじと笑顔を作る。]
おかしくないですよ。
苺はおいしいですものね。
[でも多分、負ける。わたしは思った。]
/中/
いずれ明かすとは思いますが、俺は護身用にナイフを携帯しています。
結構ごつい奴…殺傷力もあります、自衛手段ですから。
そして、これは明かさないかも知れませんが…
人を殺めた事もあります。
あくまでも自衛であり正当防衛ではありますが。
ついでにもう一個……
俺、ローズと同じような事で金を稼いだこともあったりします。
もちろん最後の手段、ですが。
男女共に経験ありですが、性癖はノーマルです。
……多分(まてっ!!)
ええ、とてもおいしいです。
生もよしジャムにしてもよし、果実酒にしても美味。
言う事ありません。
きっと凍らせてもおいしいのでしょうねえ。
[凍った苺に思いを馳せつつ、広間へ]
―二階階段前→広間―
[広間へとトビーを運ぶと、ソファの上にそっと寝かせて。
ルーサーとローズのやり取りに微妙に不穏な空気を感じながら]
酒だって嗜むんだ、苺くらいどうって事はないさ。
俺も好きだしな。
[これはどちらに味方したものか、曖昧な笑を浮かべて]
―広間―
[ 人気の無い広間に響くのは矢張り薪の爆ぜる音ばかり。入る間際に通り掛った使用人に声を掛け、軽食と飲み物をと頼む。暖炉の傍に置かれた大きなソファは、小柄な少年を寝かすには充分な大きさのようだった。]
……其れにしても、此れ程大勢の方々が集まるのは珍しいですね。
[ 記憶を探ってみてもニ、三人が精々だったように思えて、ぽつり呟く。]
―→広間―
[牧師様のお言葉は神様のお言葉なのかしら。
案外苺神さまとかいるのかもしれない。……一瞬考えて、恐ろしくなってしまった。]
え、え。そうですね。
何にしても苺はおいしいと思います
[ナサニエルの言葉に、やっぱり怖いですよね、なんて視線を送ってみる。]
[ハーヴェイの呟きに、わたしもそうねと、頷いた。
そういえば、こんなにたくさんの人は……
少なくとも、わたしがいるときは、多くて一人だったのに。]
今度、温室の苺が熟したらまた一緒に食べましょう。
次は生だけではなく、タルトやジュースにしてもいいかもしれません。
[ナサニエルとローズマリーに微笑を向ける。]
[広間に人が揃うのを見て、ハーヴェイの呟きに頷く]
確かに、な。
昨日より人も増えたし、そのせいもあるかもな。
[そういって。
ローズの視線に気付くと其方を見て]
牧師さんは苺の事となると人が変わる様だな。
[と小声で呟き、次に苺が出たら気をつけよう、と誓う]
[ソファに寝かせられたトビーにぱさりと毛布をかける。場では苺の話題になっているらしいが、何となく入り難い気がするのは先ほどの牧師を見たからだろうか。
掃除がまだ途中だったことをふと思い出し]
どうぞごゆっくり。
[頭を下げて、広間を*後にした*]
……え、ぇ。有難うございます
[食べて良いのだろうか。何かあるんじゃないだろうか。
さっきのを見れば、やっぱり思ってしまう。
牧師様を疑うなんてと思うけれど、わたしの耳にナサニエルさんの呟きが届いた。]
……そうですね。とても、お好きでいらっしゃるみたい。
[彼を見て、なんだか乾いた笑みで呟いてしまった。]
[使用人に命じて、酒だのつまみだのいちごだの用意させつつ…]
…確かに。
何を考えているんでしょうね…義兄は。
[思案しつつ広間へ。]
苺のタルトか…あれも旨いが、牛乳掛けて食うのもシンプルでいいよな。
[当たり障りのない同意をルーサーに返しつつ、笑みを浮かべて呟くローズに]
ま、何に気をつければいいか分かっただけでも良かったかもな。
[ルーサーには苺を与えれば何とかなるんじゃないかと想像して]
[ 不思議には思えど、思い当たる所は無い。単なる偶然や気紛れで、意味等有りはしないのかもしれないが。傍に書籍を置き口許に手を添え思考していたが、ごゆっくりと言葉を残して立ち去ったネリーを視線で追って、]
彼女も、使用人なんでしょうか。
[誰にともなく呟く。]
……そう云えば、御二人は如何して?
[ ふと思い出した様にローズマリーとコーネリアスとを順に見遣って問うも、遅れて少し気まずそうに女の方からは些か視線を逸らす。其の素性が自分の思った通りならば、目的を訊ねるのは野暮だったかもしれない。]
シンプルなのもおいしいわね。
でもわたしは遠慮します。だって、……牧師様、とても食べたそうですし。
[こっそりと、ナサニエルに囁いておいた。
本人に聞こえたら、何か言われかねないと思ったから。
ハーヴェイの続いた問いには、彼は答えを見つけたようだったから、わたしは、右の手の人差し指を、そっと口唇に当てた。
内緒よ、というように。]
[ローズの囁きに頷き、暖炉に手をかざしているルーサーを見遣る。
幸い聞こえてはいない様だったが。
その後のハーヴェイの問いに対する反応には少し訝しげな表情を見せて]
何か事情が……いいか、訊かない方が良い事もあるし。
[彼女が何者かを無理に知らなくとも話は出来る、と。
そして訊いてしまう事がよくない事を招くようで]
女に秘密はつきものよ?
[そんなことを言うけれど、実際の仕事を知ったら、彼は何を言うだろう。]
それとも、気になるかしら?
[ 紅い唇に白い指を当てる女に返す表情は微笑の心算だったが、些か歪なものになったろうか。視線は女の瞳には向けられず、ちらと緩やかなウェーブのかかった髪を見るのみに終わり、軽く組んだ両の手を卓上に乗せ僅か口角を上げた唇を隠す。]
……ええ。
[ 小さな呟き。
やがて使用人が運んで来たのは冷えたワインの瓶と小皿に置かれたチーズ――が、其方には余り造詣の深くない彼には、其の種類までは判らない。]
…気にならない、といったら嘘になるかな。
でも、言いたくないのなら言わなくていいさ。
[秘密があるのは自分とて同じ事。
そしてそれを言えといわれたら躊躇う事は分かっているから]
[ハーヴェイに、気を使わせてしまったかしら。
そんな風に思うけれど、それを今、言うことはできなくて、わたしは申し訳なく思った。
使用人が運んできたワインは、とても綺麗な色をしている。
だけれど、ナサニエルの言葉は、その色よりもやさしくて。]
有難う。
きっとすぐに、わかってしまうけれど、あなたの言葉が嬉しいわ。
[ 暫し視線だけを窓の外へと逸らしていたが、ふっとローズマリーの緑の双眸へと戻す。一度緩やかに瞬きをして手を外せば、口許には普段通りの柔らかな笑み。]
嗚呼。御気になさらずに。
[ 微かに首を傾けて云い、逡巡の後透明なグラスを手に取り深い紅を注ぎ入れる。]
[運ばれてきたワインとチーズにほう、と感心のため息]
白いのはカマンベールだろうけど、こっちのはなんだろうなぁ…
[高級品など縁がない自分にはそれ以上はわからずに。
ローズの礼を言う言葉には少し不思議そうな顔で]
礼を言われる事はしてないぜ?
分かったとしても、それであんた自身が変わるわけじゃない。
言えない事の一つや二つは俺にもあるしさ。
[注がれる赤をそっと見る。
と、ちり、と鈴の音。振り返れば使用人の姿。
いつものことねと、少し思って]
さて、わたしはそろそろ失礼するわ。
……そうね、秘密ごとはいくつか、あるものね。
それでも、ありがとう。二人とも。
おやすみなさい。良い眠りを
[微笑を作る。そしてわたしは使用人と共に*部屋へと行く*]
[目の前に置かれたグラスにワインを注ぐ。
漂う香りがそれだけで高価なものと主張して]
俺なんかが飲んで良いのかね…。
[ぽつりと呟きながらも一口含んで、その味わいに笑みを浮かべる。
あまり詳しくない自分にもこれがどれだけの物かが分かる。
それをじっくりと味わうように飲み干していく]
…あぁ、おやすみ。
良い夢を。
[ローズが何処に向かうかなど知らずにそう声を掛けて。
もう一杯ワインを注いで、それを飲み干して]
俺もそろそろ部屋に行くかな…
でも、トビーはどうしたもんかなぁ…。
[相変わらず眠ったままのトビーを見て考える]
さあ。俺も詳しくないですから。
相当上質なのは、確かでしょうが。
[ 濃紫がかった柘榴石の色に、熟成した果実の香り。グラスを傾け口内を浸せば濃厚な舌触りが感じられた。然し其れは寧ろ何処か、肉の様な味わいをも思わせるか。
使用人と共に去っていく女性の揺れる緑を見送り小さく息を吐く――嘆息。]
……好いんじゃないですか? 御好意には甘えた方が。
[ 然しナサニエルの声に視線を上げれば、薄い唇は微かな笑みの形に変わる。]
/中/
"Chateau Gruaud Larose"
Le Vin de Rois,Le Roi de Vin(王のワイン、ワインの王)だそうで。
ワインは飲んだ事ない中の人。
ぐぐる神に頼ってみたら獣臭とか肉系の味わい等とあって、其れどんな人狼向けワインかと噴出しました。無論、年代に依って異なる訳ですが。
ところで一人だけ三桁って何やっているんだろうか、俺。
折角の好意を無にする方が失礼だよな、うん。
[そう言いながらグラスを置くと、もう一度トビーを見る。
開いてる部屋に、との言葉に頷き]
だよな、このままここに寝てたら風邪ひくだろうし…。
俺の隣の部屋が空いてたっけな、確か。
[そういって、起こさないようにゆっくりと抱えて]
それじゃ、俺も寝るな。
慣れてないなら飲み過ぎない方が良いぜ。
ワインは悪酔いするからさ。
おやすみ。
[それだけを告げて、もう一度トビーを抱えなおして二階の客間へと*向かった*]
/中/
RPって半分脊髄反射だから、読み返すといろいろ……orz
俺はこのままローズとくっつくんだろうか?
これから入ってくる人次第だな。
…ハーヴェイ落とそうかとか思ってたのは内緒だよ?(ぇ)
ええ。御忠告、有難う御座います。
お休みなさい。
[ 小柄な少年を抱き抱えて去っていく男を視線のみで見送り、軽く頭を振る。ほんの少し頭に霧掛かったような感覚は、酔いが回ってきた証拠か。透明なグラスを傾ければ其れを彩る柘榴の液体が唇を濡らす。小さく喉を鳴らし嚥下して零れ落ち掛けた雫を舐め取った。]
……俺には矢張り、少々強いようで。
[ 微苦笑を浮かべながら云い、牧師や主の義弟と幾らか言葉を交わせば、酒に溺れぬうちに部屋に*戻るだろう。*]
[他愛のない話に、気づけば杯も進み…
昨夜は遅くまで呑んでいたらしい。
衣服を軽く緩めたままの姿で、自室の寝台の上で目が覚めた。]
…いけませんね、醜態を。
[まだ酔いの残った頭を軽く振って苦笑い。
とりあえず、着替えてもう少し*休むつもりだ。*]
牧童 トビーがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(牧童 トビーは村を出ました)
牧童 トビー が参加しました。
牧童 トビーは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[夜も明け切らぬ早朝。ぱちり、目が覚める。習慣とは恐ろしい。]
………あれ? ここどこ…っったーっ!
[見知らぬ部屋に、不思議そうに小首を傾げかけ――痛みに呻く。]
[異様に痛みを訴える首に昨夜の事を思い出し、ぞっと蒼褪める。]
ゆゆゆ、幽霊…! ぃーゃーーっ!
[早く夜が明けてー!と半泣きで布団に潜り込み、*がたがた*]
ふう、みんな引き上げてしまいましたね。
部屋で飲み直すとしましょうか。
[テーブルに残っているワインやつまみを
抱え込み、部屋に引き上げる。
*まだ飲み足りないらしい。*]
−客室→−
[日もすっかり高くなった時刻。
ぐぅぐぅ鳴る腹の虫には逆らえず――そして昼なら幽霊も出ないはず、と――部屋を出る。
既に使用人が片付けたのか、生g…牧師様が掻っ攫っていったのか、広間のテーブルはきれいになっていて。空腹を訴えに厨房へと回った。]
…はい、何でも大丈夫です。ありがとう!
[大きめに切ってもらったパンに野菜と燻製肉の薄切りを挟んでもらい、スープと一緒にがっつく。]
[――お腹が満たされれば元気も出てきて。
幽霊なんて怖くないやいと心を奮い立たせつつ、館の主を探す。
さっさと絵手紙を渡して日が暮れる前に帰る気満々だ。(結局怖い)
やがて辿り着いた最も立派なドアをこれと見定め、ノックする。
――しかし、返答は帰らぬまま。]
……あーれー?
どこ行っちゃったのかなー?
[小首を傾げかけて、再びの痛みにぅーぅー唸りつつ探索開始。
昨夜、きれいなお姉さんが何処へ消えて行ったのかなんて気絶していた彼には *知る由もないのだから。*]
−廊下−
…流石に呑みすぎたかもしれないな…。
[小さくため息をついて思わず苦笑い。
微妙に二日酔い気味のすっきりしない頭痛を抱えたまま、ふらりと階下へ降りる。
厨房にでも行って冷えた果汁でも口にすれば少しは気も晴れるだろうし。]
―客室―
[ 酒の所為か泥のように眠りに付いて、漸く重い瞼をこじ開けた頃には時計の針は疾うに一回りを終えていた。カーテンの隙間から射し込む陽光が些か目に痛い。]
あー……。
[ 寝癖のついた濃茶の髪をクシャと掻き上げつ声を洩らした。
緩慢に身を起こし寝台から下りれば、鞄を漁り支度を整える。服装には頓着しないらしく此れといった特徴の無い、黒を基調としたシンプルな上下。]
[ 部屋を出て未だ半ば寝惚けた頭で廊下を歩んでいれば、キョロキョロと忙しなく辺りを見回すトビーの姿。二、三度頭を振って目を覚まし声を投げる。]
ああ、トビー……今日和、か。
具合は好いのか?
[ 大丈夫と云いつつも首の痛みを訴える少年に、思わず口許が歪み微妙な表情になる。悪態の一つも浮かびはしたが、少年の手前――或いは自らの安全の為――口にはせずにおき、普段の顔を取り戻す。]
……いや、何でもない。
手当、して貰った方が好いんじゃないか、其れは。
[ 少年は頷……こうとして返事に留め、然しアーヴァインを捜しているのだと云う。主の部屋と思わしき場所を訪ねても反応が無かったと聞けば、彼に其の理由の予想が付かない筈もなく。]
ん……、昨夜は遅くまで話し込んでいたようだから、未だ休んでいるんじゃないか?
……俺もさっき起きたばっかりだしな。
[ 微か笑みを浮かべ軽い口調で云い退ける。]
[ が、其れでは困ると眉を寄せて悩み出すトビーに、ハーヴェイは腕を組んで首を傾げ少年を見遣った。]
……何か急がないといけない理由でもあるのか?
[ 返答よりも挙動不審な様子に、昨日の出来事が思い当たらない筈もなく。やがて少年は青年の口から真実を告げられるだろう――恨むならメイとナサニエルを、と付け加える事は*忘れずに。*]
―昼・アーヴァインの部屋―
居ないことにしちゃって良かったのかしら?
[足音を聞きながら、わたしは尋ねる。アーヴァインは構わないといいながら、わたしの背を撫でている。
彼は知っている。……わたしが、眠れないことを。]
ん、わたしは大丈夫。良く寝れたわ、有難う。
薬の量? あぁ、増えてたかしら。あんまりよく判ってないけど…大丈夫よ。
嘘なんてついていないわ。大丈夫。
まるでわたしがお客さんみたい。
[その頬にキスをする。それから立ち上がる。ベッドは柔らかく動きを受け止めていた。
昨夜、脱いだ服を着て、アーヴァインを見る。]
それじゃぁ。今日はもう大丈夫。あなたも、大丈夫でしょう?
奥方様の弟さんが居るんですもの、あんまりここにいると、気づかれてしまうわ。
えぇ、あなたが辛かったら何時でも呼んでくださいな。わたしはあなたの小夜鳴鳥になりましょう。
あなたの悲しみが癒えるまで。
[部屋の外はしんとしている。まだ皆、部屋にいるのだろう。少しけだるい身体を、そっと階下へと運ぶ。あぁ、服を持ってき忘れたわなんて思うけれど、大丈夫だろうと思う。
大浴場は、広間の先に。
更衣室にも人はいない。きっと浴室にもいないだろう。
そっと身を*しのばせた*。]
─二階・客室─
……はあ。
あーあ、ほんとに、もう……。
[ベッドの上でごろごろとしつつ、ため息。
一体、これで幾度目だろうか、と思っても、止まらないのだから仕方がない]
……なんで……わかってくれないんだよぉ……。
[仰向けになって天井を睨むように見つつ、独りごちる。
瞳には、僅かに苛立ちの色彩が浮かんでいるか]
―客室―
[目覚めて、既に遅い時間と知る。
ふとトビーが気にかかり隣室を覗き込むも既に空で]
ま、元気ならいいか。
[と呟いて。
軽い食事でも、と階下に向かう]
……まあ、ここで転がってても、仕方ない、かぁ。
[呟いて身を起こし、ぴょん、っとベッドから飛び降りる。
それから、うんっ、と身体を伸ばして。
ふらりと部屋を出て、一階へ向かう]
―2階・客室→1階・厨房―
[厨房に入れば既に料理人が居て、簡単につまめる物をと頼めばすぐに用意されて]
やっぱ手際がいいなぁ。
[そういいながら一口…美味しい]
そういやここに来る途中で使用人が、今日は主には会わなくていいって言ってたけど。
……まぁいいか。
それじゃ時間もあるし、書庫にでも行ってみるかなー。
[軽食を食べ終えると立ち上がり、書庫へと。
そこにある本に懐かしい物を見つければ、時間を忘れて*読み耽ってしまうだろうか*]
─一階・階段前─
[とて、とて、と階段を降りてきた所で足を止め、しばし思案。
それからふと思い立ち、ちょうど通りかかった使用人に声をかけて。
……二言、三言言葉を交わせば、その顔には笑みが]
じゃあ、使っても大丈夫なんだ?
ん、ありがとーっ!
[全開の笑顔でこう言うと、一階の奥へと廊下を走り出す]
[ぱたぱたと走り、目当ての部屋の扉の前へ。
慌てて追って来た使用人に鍵を開けてもらい、中へ入る。
それなりの広さの部屋は音楽室か何からしく、そこには荘厳な雰囲気のピアノが一台。
使用人から部屋と、それから鍵盤の鍵を受け取り、その姿が扉の向こうに消えるのを待って漆黒のピアノに手を触れる]
……ちょっと久しぶりだなぁ……。
[嬉しそうな口調で呟きつつ、手入れの行き届いた鍵盤と対面して。
ゆっくり、ゆっくりと、音色を紡ぎだし始める]
―温室―
[温室の隅の方。
臙脂色のあざみ、ロベリア、黄色い弟切草にカーネーション、黒百合、青いムスカリ、蕾のままの『何か』が咲いている。]
ここを間借りしている以上、たまには自分で水をやらないと、ね。
[鼻歌を歌いながら、如雨露で水をやっている。]
[目当ての本をようやく見つけ、数冊小脇に抱えて自室へと戻る途中…
耳に届いた音色。
驚きよりも、懐かしさが先に立った。
その調べに合わせて歌った頃を思い出す。]
[しばらく温まって、身体をほぐす。それから湯からあがる。少しふらつくのは、のぼせてしまったからだろうか。
とりあえず冷たい水を飲みたいと思って、わたしは身体を拭いて、それから服を手に取ろうとして、気づいた]
あら……
置いていってくれたのかしら。久しぶりに見たわ。
[東の国の衣装、浴衣。
使用人が、気をきかせたのかしら。
髪の水分は御座なりに吸わせて、わたしはそれに袖を通した。]
―音楽室―
[ホールに戻ると、どこかからピアノの音が微かに聞こえた。
音の出所を辿ると、そこは音楽室。]
おや。
ピアノを弾いていたのはメイさんでしたか。
てっきり、コーネリアスさんが弾いているものだと。
[早とちりしたらしい、苦笑い。]
[ふ、と。
人の気配と声に気づいて我に返る。
はた、と振り返れば、さっきまではいなかった人の姿。
夢中になっている内に、人が集まってきたと気づくまで、しばし時を要した]
ああ、すみませんすみません。
私も邪魔をするつもりではなかったのですよ。
ピアノの音色につられてふらりと、ね?
[申し訳なさそうな顔をする。]
双子 ウェンディ が参加しました。
双子 ウェンディは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
[外套に身を埋めた少女が、一人吊り橋を渡る。
フードから零れ落ちる金糸が風に揺れる。周りの景色に色を添えるように。]
――風が…教えてくれる…。こっちで…いいのね?
[ふと立ち止まり、辺りを見渡す。
足元は長く歩き続けた証拠を幾つも残している。傷だらけの靴。その中も同じように傷だらけなのは容易に予想が付いた。]
[痛みを堪えてつり橋を渡りきると、少女の目に一軒の屋敷が見える。]
――ここが…アーヴァインさんの…屋敷…。
父と母がお世話になった…アーヴァインさんの…
[フードを外し、目の前の屋敷を見上げる。
風が――僅かにあどけなさを残した少女の髪筋を浚った。]
――アーヴァインさんは…突然の訪問、お許しになるかしら?
でも…私には彼にどうしても逢わなければならない理由が…あるから。
[外套の胸元を僅かに握り締めて呟くと、少女は屋敷のドアをそっと開けた――]
―一階・広間―
[ 館内に流れる旋律は広間迄は届かず薪の燃える音に掻き消され、カチャリと食器の鳴る音が其れに重なる。人気の無い其の場所はやけに広く感じられるか。御馳走様でした、と小さく呟いて皿の上にシルバーを置いた。]
何時帰るかな……。
[ 使用人が空になった食器を片して行くのを横目に見ながら思考する。母が亡くなってからというもの館への滞在期間は延びており、一週間も居る事も珍しくは無かった。とは云え、余り長くては手伝いにも支障があるが。]
あ、えと。
[気まずそうな笑みに気づいて、やや、慌てた様子でぱたぱたと手を振り]
ぜんぜん、大丈夫ですっ。
邪魔とか、そういうの、ないですからっ。
[むしろ、誰かに止められないといつまでも弾いていかねない、という部分もあるので。
止められて、良かった部分もあるのだが、さすがにそれは言わずに]
―二階・空室―
…よし。
[ベッドのシーツを整え、ほう、と一息吐く。
何か仕事はないかと尋ねたところ、人のいない客間を綺麗にしておいて欲しいと他の使用人に言われ、こうして掃除をしていたのだった。何しろ来客が多いものだから、ここまでは手が回らないのだろう。
彼女自身、前の家では尋ねて来る人など週に1人程度しかいなかったから、これほど多い人を見るのは初めてであった]
−広間−
[日が暮れる前に帰ろうという彼の試みは、大人の事情と言うヤツの前に脆くも崩れ去った。
よーは、業を煮やして訊ねた使用人に微妙な笑顔で「すみませんが明日に」とやんわり釘を刺されてしまったのである。]
これ渡して、お礼言うだけでいいのに…。
[食事が出るのは嬉しいが、彼だって家族からそれなりに手伝いとして当てにされている、はずだ。さっさと帰りたいのが本音である。
それでも、絵手紙だけ置いて帰るという暴挙に出なかったのは、単にハーヴェイに”真相”を教えてもらえたからだろう。]
そうですか?
それならいいのですが。
[音楽室をぐるりと見回し]
ピアノ以外にも色々ありますね。
木琴に、トランペットに、ハープ……
どれも演奏出来ませんがね、ははは。
[後頭部を掻きながら、笑う。]
[ 其れは本を読んでいたい為だけではなく、独りの家に居るのが厭だった為というのが大きかった。狭い襤褸小屋の様な家だとはいえ、青年一人が住むには広かったし、何より母を喪った事を如実に感じさせたから。]
うん、大丈夫です。
久しぶりだったから、つい夢中になっちゃって。
[ルーサーの言葉に、てへ、と笑って]
ボクも、ピアノ以外は全然ダメなんですけどね。
[扉を開けると、人の良さそうな使用人が姿を現す。
少女は丁寧に挨拶をし、ここに来た旨を伝えると、使用人は慣れた様に、紙とペンを少女に手渡す。]
これに。記入すれば良いのですね?
[確認を取り、ペンを走らす。滑らかに滑る文字の音が室内に漂う]
■ウェンディ・ロベール
■14歳
[記入した紙を使用人に渡し]
これでよろしいでしょうか?
[薄紅色の唇を動かし問う]
[了承を得れば、柔らかく微笑みを浮かべ]
申し訳ないのですが、お部屋借りてもいいですか?
少し…疲れたので…。アーヴァインさんには、休んでからお会いしたい旨を伝えて貰ってもいいでしょうか?
[使用人が頷くのを見ると、少女は安堵の溜め息を僅かに零して――]
では、着たばかりですが…。
お部屋、お借りしますね。
[軽く会釈をすれば荷物を持ち。
少女は客室へと歩みを*進めた*]
[ 頬に手を当て卓上に肘を突き顔を斜めに傾け食事中のトビーを見遣り、呟かれた言葉に一度瞬き。新たに運ばれて来た紅茶のカップを持ち上げつ、問い掛ける。]
未だ渡せてなかったのか?
[ 注がれたストレートのダージリンは強い香りを放つ。]
[5個目になるパンを齧りつつ、下げられていく食器を見送り。
白い包帯が巻かれた喉元が、パンを嚥下するたびに微かに痛みを訴えた。]
ん…。ごちそうさまでした。
[食事を終え、食器を下げようと椅子から降りるも、そのままでいいと言われ。もう一度よいしょと座りなおして、注がれた紅茶に口を付ける。]
………ぅ。
[砂糖を一つとミルクをたっぷり入れて、もう一度。
今度は大丈夫だったらしく、こくんと飲みつつハーヴェイの問いに頷…きかけて、痛みに目を瞬いた。]
[葡萄(えび)色に小梅の散る浴衣は、落ち着いた色合いで好きだ。だけれどこれはいつ買ったのかしら、なんて思う。
それでも、咎めることはしない。わたしも、嬉しいことだから。
菜種油色した柔らかい半幅帯を取る。
着付けは――館では必要なことだったから、簡単にできる。片流しにでもしようかしら。]
ん、これで、大丈夫ね。
あとは
[濡れた髪をくるりと纏める。ゴムで留めて、白梅の簪を挿す。
出来上がり。
それから用意してあった下駄に履き替えて、一度部屋に戻ろうと]
―→広間―
あら、こんばんは?
[二人の姿に会釈した。]
[痛みに揺れた水面に慌ててかちゃりとカップを置いて、神妙に目で頷く。]
えっと…、直接渡して下さいって言われて、受け取ってもらえないんです…。
でも姿が見えなくて。
それでも、明日でいいからって言われちゃって…ボク…。
[しゅんと子犬のように困った瞳で、いい知恵を授けてくれないかなと見上げる。]
伴奏程度でも弾けるだけマシですよ。
私など、「絶対に楽器の演奏はするな。歌もダメ」
とシスター達から厳命されているのですから。
[苦笑いを浮かべながら、恥ずかしそうに。]
―廊下―
[階下へと向かう途中、新たな来客らしき金の髪の少女と擦れ違った。端に避けて頭を下げる。丁度彼女が先ほど出てきたばかりの客室に、入れ違いのようにして少女が入って行くのが見えた。
何となくその扉が閉まるまで見送ると、階段を一段一段降り、そのまま広間へと向かう]
―…→広間―
……余程、酷いんだな。
[ 彼の牧師は一体何れだけの力を籠めたというのだろうか。少なくとも、彼に逆らうのは得策でないのは十二分に理解出来た。一人の少年の尊い犠牲に拠って。
女の声に目を移せば会釈をする女性が纏うのは東洋の衣装。其の姿に黒曜石の瞳は瞬かれ――僅かな間を置いて、微笑と共に小さく頭を下げる。]
今晩和。
浴衣、ですか。御似合いですね。
[ピアノを撫でるコーネリアスの様子に、以前これを弾いていたひとの事をふと思い出しつつ。
ルーサーの言葉に、思わずくす、と笑みを]
厳命って、そこまで言われてるんですかあ?
あー……、
[ 見上げて来るトビーには困った様に視線を巡らせて、]
……無理、だな。
彼の方は、客人を引き留めるにはどんな手でも使うから。
宿泊費の代わりと思うしかない。
[さらりと云って片眉を寄せて口許には微苦笑を浮かべる。
静かに入って来たネリーにも気付けば、矢張り会釈を返す。]
貴女も此方にいらしては。会話は大勢の方が楽しいですから。
ありがとう、そう言ってもらえて嬉しいわ
[ハーヴェイの言葉に、心から答える。
どうやら見ほれてくれたらしい、子供の姿を見れば、知らずに笑みが浮かんでしまったようだった。]
大丈夫? 昨日、大変だったでしょう?
[それから、やってきたネリーにも、挨拶と会釈をした。
彼女が隅にゆくのを見る。]
……ええ。
鼓膜を破壊しかねない歌声、とまで言われました。
楽器に至っては、演奏する前に壊してしまったこともあってね。
以来、音楽に関わる事は一切禁じられておりまして。
聞く方は止められてはいませんが、ね。
[その時の事を思い出したのか、沈痛な面持ち。]
うわ、そこまで……。
[予想をはるかに超える話に、思わず引きつった声を上げ]
でも、ボクも歌うのは全然ダメなんですよね。
弾くのは、何とかできるけど。
[ハーヴェイの酷いんだなと呟く声に隠された真意に気付くことなく、寝違えちゃったみたいで…と苦笑して。
ローズマリーの微笑んでの言葉には、仄かに赤くなって俯いた。]
えっと、その…勘違いしちゃったみたいで…。
大騒ぎしてごめんなさい。
[静かに控えるネリーの姿に、その背に隠れた事まで思い出して、ますます赤くなり。誤魔化すようにティー・オレを飲んだ。]
[場には女性と青年と少年がいた。少年が涙目になるのが見え、どうしたのかと思ったのだが、首元の白い包帯が見えた。まだ痛むのだろうか]
え、でも…
[青年の言葉に戸惑ったように、その場にいる他の使用人を見る。
使用人は彼女の傍にきて、お客様の相手も必要だから、と許可を下した]
…では、失礼します。
[頭を下げて、テーブルの傍へと移動する]
如何致しまして?
[ 軽く首を傾けローズマリーに声を返す。少し形式的な其の笑みは母譲りのものか。]
本当の事ですから。
[ が、其の表情も幾度目かのトビーの失敗を見れば苦笑というか半笑いに変わる。此方の方が余程自然ではあるが。]
……明日には治ると好いな。
あぁ、幽霊のことね? 彼は、幽霊じゃぁないわよ。
それにアーヴァインさんは、今も奥方さまを愛していらっしゃるもの。幽霊なんて、出ないわ?
[トビーを安心させるように、そう言って。
わたしは、とりあえず、使用人から水を一杯、貰う。]
今日は早めに休もうかしら。
[これも見せに行った方が良いでしょう]
お話、出来なくて残念だわ。また明日、お話しましょう?
[頭を下げて、わたしは*二階へと向かった*]
お料理かあ……。
じゃあ、楽しみにしてますねっ。
[にこ、と笑ってから、料理という言葉にふと、祖母の事を思い出す。
色々あって戻れずにいるが、一人で大丈夫だろうか、と考えて]
[(昨日の親切な人と認識している)ネリーがテーブルの方へ来るのを、少し嬉しそうに見やって。
ハーヴェイとローズマリーのどこか深みのありそうななさそうな会話に静かに耳を傾ける。
幽霊なんていないと言われれば、ハーヴェイにそう言われた時とは(ネタばらし後とはいえ)えらく違う態度でかしこまり、]
…そ、そうですよね…はぃっ!
[やや元気すぎるかもしれない返事をして、去っていくその背を見送った。]
おやすみなさいませ。
[緑髪の女性の後姿に声をかけた。少し変わった装いは東洋のものらしい。
女性が何をしにこの館に来ているか、は使用人同士の会話から理解していた。嫌悪…はあまりないのだけれど、旦那様のご友人であるこの館の主人がそのようなことを、と思うと複雑な気持ちになる。
表情には出さないようにして、テーブルのほうへと向き直った]
……お休みなさい。
[ ローズマリーに就寝の挨拶をしてから傍に来るも腰掛ける様子の無いネリーを見遣れば、少考の後、自分の隣の椅子を引いて、どうぞ、と声を掛ける。昨日はよくは見なかったが、彼よりも歳下のようだった。]
……座られた方が、話し易いのではないかな、と。
新しい使用人の方、ですよね?
[ 棒を持って来るとの言葉には、やけに元気な声でローズマリーを見送るトビーにチラと視線を移し、やや悪戯っぽい表情。]
そうして貰った方が好いんじゃないか、本当に。
え?
[ルーサーの問いに、一つ、瞬いて]
あ、えっと……ばーちゃん、どうしてるかなって、思って。
足、痛いの、落ち着いたかなあって。
[気になるなら戻ればいいのだろうけれど。
少しゆっくりしてきなさい、とうのは、他ならぬ祖母の言いつけでもあるため、そうも行かないのが現状なのだが]
おばあさま、ですか。
[よく姉の好きなチョコレートケーキを焼いてきてくれていた姿を思い出し。]
…冬の寒さも体に堪えるでしょうね。後でひざ掛けの良いのでも探してもらっておきましょうか。
……ほんとうに明日には治って欲しいです。
[ハーヴェイの苦笑交じりの言葉に、涙目でひたすら同意する。
なんだか昼間より余計に痛くなった気がして包帯に手を遣ると、ほんのりと熱を持っている気がして、溜息。]
……大人しく寝た方がいいのかなぁ。
コーネリアスさんに謝りたかったんだけど…明日にします。
…おやすみなさい。
[どうせ謝るのなら昼間の方が心臓に良さそうだと、未だ鶏さんな心臓を宥めつつ席を立つ。
ハーヴェイとネリーに挨拶して、*部屋へと戻っていくだろう。*]
[椅子を引かれて、少し躊躇って]
…ありがとうございます。
[ぺこりと頭を下げる。内心申し訳ない気持ちもあったが、ご好意を無駄にしてはと素直に座ることにした。
その後の問いには]
あ、はい。
昨日から…お務めさせて頂いて。
[首肯し、言葉を続けた]
うん……。
でもばーちゃん、意地張るからなあ……。
[二人に頷いた後、小さくため息をついてこんな呟きをもらし。
ひざ掛けを、という言葉には、少し嬉しげに笑んで見せた]
……取りあえず、手紙書いて、届けてもらう事にします。
それじゃ、ボク、部屋に戻りますねっ。
お休みなさいっ。
[聞いても、素直に状態を教えてくれるとは思えないけど、と心の奥で呟きつつ。
二人に一礼してから、*やや慌しく客室へと戻って行った*]
/中の人/
促し二つ貰ったのに群を抜いて少ない……というか、未だに一人だけ三桁台。
本編が始まったら、節約しないとですね。
さて。
私もそろそろ自室に戻りますね。
部屋に持ち込んだワインとつまみの片付けもありますので。
[コーネリアスに会釈し、*自室へ戻る。*]
[ 流石に涙目なのを見れば瞳には僅かに心配の色が宿り、去っていく少年に軽く手を振ってお休みと見送る。再び頬杖を突き直して、殆ど冷めた紅茶を一啜り。]
ああ、そう……だったんですか。
[ こんな辺鄙な地に――と云うのは幾ら何でも主に失礼かと、言葉を選ぶ。]
……場所が場所ですから、苦労されたでしょう。
あの吊り橋も、渡るにはなかなか勇気が要りますし。
…えぇ、おやすみなさい。
[二人を見送るが、なんとなく部屋に戻る気にもならず。
戯れに左手の指先を鍵盤に落とせば、こぼれる音色。
擦り剥いた右手は、まだ微妙に痛みが残ったままで。]
そう、ですね。
怖かったです。…その、少し。
[実際は少しどころではなかったのだけども、取り繕うように付け加えて。
そういえばあそこで地図を落としてしまったことを思い出せば、また少し落ち込んだ気分になり、一瞬俯くが]
…でも、折角雇って頂きましたから。
他に行くところもありませんし…
[顔を上げて続けた]
まあ、俺も、何度通っても慣れませんから。
[ 俯いた少女のおさげが微かに揺れるのを見遣りつつ、微苦笑。然し続いた言葉には嗚呼、と小さく声を洩らした。全く持って自分には配慮が足りないと思う。]
……其れは。
アーヴァインさんは、優しい方ですから……直ぐ慣れると思いますよ。
今は珍しく人が多いですが、普段は静かな館ですし。
そうですか…
[気を使って頂いたのかとは思いながらも、それでも幾らかは安堵した。
それから微妙な反応に慌てて微笑みを作る。自分の身の上など話す必要はない]
ええ、良い方だと伺っております。
…珍しいんですね、やっぱり。先ほどもまた御一人来られたようですし…
[天井をちらりと見た]
少々変わったところもありますが、ね。
[ 少女の表情が微笑みを映せばやや違和感を感じつつも青年も其れに倣う。然し後の言葉を聞けば緩やかに瞬きをして、視線が動く。]
また? ……本当に、珍しいな。
[ 天井を仰ぎ、次いで広間の外を眺めてから再びネリーを見遣り、]
此処に来て初仕事で其れは、骨が折れそうだ。
変わった…
[ローズマリーの去り際の言葉を思い出す。今も奥方様を愛していらっしゃる…と。
あの様な職の女性を呼んでいながら、愛している。良く分からなかった。少年の前だからそのように言ったのかも知れなかったが]
…いえ、私はそれ程では。元からいらっしゃる方のほうが大変そうです。
[その後の言葉には、僅か苦笑を含めてそう応えた]
[ コーネリアスの姿を認めれば軽く会釈をして、まだ、との言葉には苦笑。]
ああ。今晩和。
……今日は起きる時間が遅かったもので。
そうそう、トビーが謝罪をしたがっていました。
[ 流れる銀の髪に丹精な面立ちは、確かに薄闇の中から現れ出でたならば此の世ならぬものと見紛うか。
空のカップを片手で弄びつ、自分の発した言葉を小さく繰り返すネリーに僅か首を傾げるも、俄か含められた苦い表情に気を取り直す。]
何方も大変だと思いますよ。
甘えてばかりいないで、自分で出来る事はするようにしないと、かな。
[昨日の“幽霊”―銀髪の男性が入って来たのに気付いて会釈をした。肖像画が館の主の妻のもので、彼はその義弟ということはあの後聞いていた]
そうですね…頑張らないと。
あ、お代わりのほうは?
[青年の言葉には些か神妙に頷いた。
空のカップに気付いて僅か立ち上がる]
[ コーネリアスが首を傾げる様子に、嗚呼、騒動の要因だという自覚は無いのだなと思いつつも其れを告げる事も無く、白磁のカップを置き弄んでいた手を口許に当てクスと小さく笑み声を洩らす。]
……理由は本人に訊いてみるのが宜しいかと。
[ 立ち上がり掛けたネリーには、そうですねと少し視線を巡らせて、]
折角ですし、御願いします。
[微かに笑みを浮かべて云う。]
…あぁ、ついでに僕にも何か適当に…
[そう、女中姿の少女に頼むと手ごろな席へ。]
本人に、ですか…
明日にでも伺いましょうかね。
/中/
うあ、さっき気付いた。今のままだと守護者出ないのか…
戦うメイドさんがやりたかったから選んだのに(ぁ
人数増えても通るかは分からんけども。むしろ弾かれそうな。
[青年と男性の会話、その様子にほんの少し笑ってしまう。自分も昨日幽霊と聞いてびっくりしていたのは棚に上げておく]
かしこまりました。
[2人分の注文を受けて、彼女は厨房のほうへと引っ込む。言われたものを手に再び現れるまでそう長くは*かからない筈だ*]
[ やがてトレイに乗せて運ばれて来た紅茶を礼を言って受け取り、一口飲めば小さく息を吐く。矢張り淹れる人物が異なれば味も変わる様で、普段の使用人が淹れるものよりも些か柔らかく感じられた。]
……そう云えば。
昨夜は大分飲んでいらしたようですが、大丈夫ですか?
[ 自分も他人の事は云えないのだが、気を遣いそう訊ねる。]
[同じように、紅茶を受け取りつつ。]
えぇまぁ…。どうも強い人と呑むといけませんね。
ついつい、付き合ってしまって。
[苦笑いを浮かべつつ、紅茶を口にする。]
…何か拙い事とか言わなかったでしょうね…、どうにも記憶があやふやなもんで。
……牧師殿は、あれでなかなかのようで。
[ 僅かに目を伏せ冗談めかして云う。]
少なくとも、俺は聞いていませんね。
……拙いような事が……
[ 御有りで、と其れくらい一つや二つあって当然だろうかと口を噤む。自らにも、無いと云えば嘘になるのだから。]
あのお方は、本当に。
[およそ牧師という職業に似つかわしくない彼のことを思って苦笑い。]
いえね…以前酒の席で客人に無礼なことを多少…。
ま、若気の至りというやつですよ。
其れは、俺も気を付けなければ。
酒は飲んでも飲まれるな、と云いますしね。
コーネリアスさんは怪我もされているようですし、程々に。
[ 彼の牧師には云っても無駄だろうなと内心思いながら。]
…あぁ、これですか?
[包帯を巻いた手のひらをひらりと振り。]
いえ、たいしたことじゃないんですよ。ちょっと擦り剥いた程度ですから。
こんなに大げさに手当てしなくても、ねぇ?
[冗談めかして肩をすくめて見せる。]
高が擦り傷、然れど擦り傷。
大事を取っておくに越した事はないですよ?
[ コーネリアスの挙動を眺めながら、小さく笑う。]
大袈裟にしておいた方が、気を付けるというのもありますしね。
[ 会話をしながら紅茶を飲み進めれば、底の白が薄く見え始めていた。其の残りを呷り、一息吐いてカップを片手に立ち上がり、]
……もう、こんな時間ですね。そろそろ寝る事にします。
其れでは、また。
[会釈をすると自分で厨房に食器を片してから*二階へと向かった。*]
/中/
現在の鳶の認識。
書:リアリスト。ちょっとイイ人。でもちょっとイジワル。
酒:きれいなお姉さん。優しい。ぽわわん…(何)。
見:優しい少女。懐きかけてる。でも棒って…ぁぅ(汗)。
吟:幽霊みたいな人。まだちゃんと話してない。謝らないと。
牧:彼と苺と首の痛みの関係には気付いてない。普通の大人認識。
学:元気な苛めっ子。教えてくれたらいいのに酷いなぁ、もぅ!
冒:苛めっ子その2? 部屋に運んでくれたらしい外の世界の人。
双:まだ遭ってないし存在も知らない。
自:なんだか変な人。何で引き止めるんだろ? 困ったなぁ。
[翌朝、目が覚めた時には首の痛みは大分マシになっていた。
くちゃっとなってしまった服に顔をしかめて、早く手渡して帰ろうと部屋を出る。
朝食の準備中だった厨房で、一足早く食事を貰って。
館の主の元へと食事が運ばれていくのを見送った。]
…ねぇ、アーヴァインさんのお食事が終わったら、絵手紙渡しに行ってもいい?
[スープを飲む手を止めて使用人に尋ねれば、またもや曖昧な返事が帰ってきて。
仕方がない、と諦めてスープを飲み干し食事を終えた。]
『…”あの”ハーヴェイさんでも無理っぽいもんなー。』
[昨夜、訊ねた時の青年の表情を思い出し、溜息。彼より遥かに弁の立つ青年ですら無理であるなら、もうどうしようもなく。長期戦を覚悟するしかない。]
……せめて、着替えとかしに帰りたいんだけどな…?
[ぽつり、呟いて。広間で館の主が姿を現すのを *待つ事にした。*]
流れ者 ギルバート が参加しました。
流れ者 ギルバートは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
[ゆらり。]
[傾ぐ。]
[素足を血に染めて、彼は歩いていく。
殆ど衣服の用をなさなくなった襤褸切れを纏い、痣や擦り傷で覆われた剥き出しの皮膚を晒したまま、覚柄ぬ足取りで。]
[ぽたり。ぽたり。]
[血の滴が森の落ち葉の上に点々と散り、彼の歩いた軌跡を追う。]
[傷は身体だけにあるのではなく。
打撲の痕と思しい、黝く変色して腫れた頬。
切れた唇。
乱れた髪に隠された、額の裂傷。]
[その瞳は何も映さず、ただ茫洋と宙を彷徨う。]
[深い深い森、]
[昼尚暗い森のなかを]
[果たして何処へ行こうというのか、
何処かへ行き着こうと考えているかさえ分からぬ儘に。]
[彼は歩いていく。]
[やがて。
森の木々が途切れ、
開けた場所に出る。そこは、森の中を横切るただ一筋の道。]
[その上に立った時、彼の瞳に僅かに幾許かの光が宿る。
ゆっくりと顔を上げ、道の彼方を見やる。]
[けれどもそれが示すものが何か、理解できぬように。]
[その表情は虚ろで。]
[それでも、「道」の意味には何か思い至るものを感じたのか。
ふらふらと蹌踉めきつつも、整えられたその道の上を、]
[歩いていく。]
[村の方ではなく、
崖の上の屋敷の方へと、]
[何かに引き寄せられるように。]
[それからどの位歩いたのだろう。]
[やがて日の沈む頃、]
[彼は崖の上に辿り着く。]
[森と道と、大地が途切れ、]
[彼岸へと望んで、対峙する此岸に。]
[見上げれば、対岸には黒々とそそり立つ館の影。]
[そこへと渡る吊橋が風に揺れ、
不気味な軋みを上げるその前で、]
―屋敷・玄関―
[ほんの少し手の空いた時間。
ずっと屋敷内に籠っていては身体にも宜しくないということで、屋敷の扉を押し開けた。
ぎぃ、と重い音をたてて拓ける視界。
目の前に入るのは底の見えぬ絶壁と、風に頼りなく揺れる吊り橋。よくもあんな場所を渡ってこれたものだと、我ながら思う]
『…?』
[ふと、彼女の眸が細められる。その視線は橋の向こうへと向けられていた。
何か…布に包まれた大きなもの。良くは見えないが、自分が渡って来た時はあのような障害物はなかった筈だ。そして、丁度その大きさは――]
…人?
[人が蹲っているような]
―館外―
[ 夕暮の風が青年の頬を撫ぜ髪を揺らし、傾ぶく陽は大地は朱々と染め上げながらも地平線の彼方に沈んで行く。彼の視線の先に在るのは切り立つ崖の下、彼岸と此岸の合間を埋める闇。
ポケットから煙草を取り出すと、一本を口許に運ぼうとして――先程よりも強い風が吹く。煙草は其れにさらわれて指から零れ落ち、果て無き闇へと消えていった。]
……あー、一箱しか持って来てないのに。
[ 青年の愚痴に、吊り橋が上げた無気味な悲鳴が重なる。未練がましく闇を見詰めていたが、帰って来る筈もなく、溜息を吐いて顔を上げる。
ハーヴェイから大分離れた位置、吊り橋の前に立ち尽くす少女の姿が見えた。]
[来る時にだって相当の気力や体力を消費したのだ。そこをもう一度渡れと?]
……無理…
[だが、見れば見る程転がる物体は人のように見える。倒れているのだったら、早く手当てなりをしないと危ないかもしれない]
……
[そわそわと辺りを見渡しながら、あーとかうーとか特に意味を成さぬ言葉を発していた]
―館外―
[温室での水遣りを終え、玄関の方へ向かう途中]
ん?
[吊り橋の前にいるハーヴェイとネリーに気付いた。]
どうなさいました。吊り橋に何か御用時でも?
あ…ええと、あの…
[気ばかりが焦って何と言って良いか分からない。会釈するのすら忘れている。
わたわたと、橋の向こうを指差した]
[庭園の冬薔薇の茂みの前に暫く前から佇んでいた。
ふと聞こえた声に振り向けば、玄関のほうに二人の人影。]
…どうかなさいました?
[踵を返せば、羽織っていた白い薄手の外套の裾が揺れる。]
[吊り橋の向こうを見る。確かに何か人らしきものが倒れているような]
……ふむ、行き倒れのようですな。
2人がかりでなら、運べるでしょうか?
[ ネリーの指差した先を見遣れば人の影らしきもの。其れだけで大体の事情は察せ、嗚呼、と溜息混じりの声を零す。]
……そうですね。
コーネリアスさんは手を怪我されていますから、俺とルーサーさんとで。
御二人は……そうだな、手当の準備を。
[ 云うが早いか、橋へと一歩踏み出す。此所を人を担いで渡るというのは、少々ぞっとするが。]
3人乗ったくらいでは落ちたりしませんから大丈夫。
まあ、人を担いで渡った事がないので不安ですけどね。
[ハーヴェイに続き、橋の向こうへ。]
[行き倒れ、との言葉にやはりそうかと不安を強めたようで]
え、あ、…はい!
[てきぱきと指示し、橋を渡って行く青年に頷いて、踵を*返した*]
……とっ。
[ 相変わらず不安定な橋を危なげなく渡り終えれば、人影――倒れ伏す男の傍にしゃがみ込む。血に染まった素足に、ぼろ切れの如きの衣服から覗く傷だらけの皮膚。意識は無いようだった。]
予想以上に酷そうですね……。
[ 表情を険しくしつつ、如何運んだものかと思案。]
うーん、確かに。
担架でもあればなんとかなるのですが。
棒2本と丈夫な布を持ってきて作っちゃいましょうか?
[担ぐのは危険性が高いと判断したようだ。]
中
ああなんて言って良いやら。宣伝して下さったみなさん、参加して下さったみなさん、ありがとうございます。
ところでまとめで遊んでる人は誰ですか。中の人は吹いてしまいました。
なにそのアーヴァインww
嗚呼、土曜日名古屋村なのにたててごめんなさい・・・
−広間−
[広間で待ち伏せという作戦は、悪い着眼点ではなかったようで。なんとか絵手紙を手渡しお礼を言えたのは昼過ぎの事。
そのまま直に帰ろうとしたものの、どうせならお茶くらい飲んでから行きなさいとの勧めには逆らえず、3時のお茶をいただいて。
そんなことしてる間に、村から帰ってきた使用人から手渡された鞄は、ヤケに見覚えあるもので。
着替え一式が詰められたそれを無にするわけにもいかず、もう一泊決定に。]
…まぁ、仕方ないよね…うん。
………お得意さんだしなぁ。
[主が去った後で本音をぽつり呟いて、足をぶらぶらさせつつソファーにちんまりと座っていた。]
流石に今から麓まで運ぶ訳にもいきませんしね…
[日の落ちかけた山端を見ながら]
あぁ、ネリーさん。昼間に裏庭にシーツを干して居たのでは?
[物干し竿とシーツを数枚使えばなんとかできそうに思いつつ]
すみませんが、棒のような物とシーツを取りに行ってきます。
ハーヴェイ君は何かあったときの為にここで待機しておいてください。いいですね?
[一度、館の敷地内に戻り担架の材料になりそうな物を探す。]
―館外(吊り橋前)→庭園―
解りました。
[ 立ち去る牧師を見送り、]
……全く、千客万来だな。
そんな呑気な事を云っている場合でもないが。
[目を伏せて*小さく息を吐いた。*]
―庭園―
……棒のような物って、何かありましたっけ。
弱りましたねえ。
[とりあえず庭園まで来てみたが何も思いつかない。
さて、どうしたものかと頭を抱える。]
[控えめな雰囲気の少女が慌てる理由が思い当たらず、とんっとソファーから降りて、ロビーへ面した扉を少し開ける。
ひぅと冷たい風が通り過ぎ、玄関の扉が開かれたままである事に気付き、さすがに怪訝そうな表情になって広間を出る。]
……なんだろ…?
[昼と夜の狭間の独特の空気に、項の毛が逆立つのを感じながら、館の外へと足を踏み出した。]
ええと、高枝切り鋏……っていやこれは関係ない。
いっそ『あの部屋』を開けてしまえば何か見つかる気もするが。
部屋の中を別の人間に見られるのは……うーむ。
[ぶつぶつ呟きながらも、棒のような物を探し回る。]
―客室―
[昨夜、書庫より持ち出した本を読みながら眠ってしまったようで。
目の前の机の上に幾つかの走り書き。
この村…というよりこの屋敷を訪れた記録を文字に残そうとした形跡]
あー、またやっちまったか。
[そう呟き、一つ伸びをする。
空腹もあって、書庫に本を返しに行くついでに食事を、と]
[暫くして書庫より戻ると、ホールがなにやら騒がしく。
ちょうど行き会ったネリーに話を聞けば、行き倒れ、との返事が返る]
……こんな山奥で?
[自分が道に迷ってここに来たことも忘れて、外へと向かう]
―館外―
[外へと出れば数名がそこに居て、既にハーヴェイが渦中の人物を運んだ後で、やや急いで近付き声を掛ける]
どうした?行き倒れって聞いたけど……
[言いかけて、その姿を見て息を呑む]
随分酷いな…
[どうやって運ぶのか、と訊けばルーサーが道具を捜しに言っているとの答えに少し安堵して]
そうだな、その方が良い。
しかし何でまたこんな所に、こんな格好で…しかもこの怪我で。
目を覚ますのを待つしかない、かな。
[そう呟き、ルーサーを待つことに]
[彼が吊り橋の向こうを爪先立ちで見やっていると、そのすぐ傍をナサニエルが足早に追い抜いて。
強い風にやや途切れがちな声を辛うじて拾い、誰かが怪我をしているらしいと気付く。]
大変だ! お湯とか準備しないと…!
[怪我をした時に大量のお湯が必要なのは良く知っている。
運ぶ方の役は青年達に任せて、ぱっと踵を返し、お湯を沸かす手伝いへをすべく *駆け出した。*]
……ってあー!見つからない!!
何処ですか棒!
[そろそろ癇癪を起こしそうだ。
とそんな時、使用人を発見。
早速捕まえて担架が作れないかと聞く。
そこから担架完成までものの7分。]
……はぁ。
何故かとても疲れた気がします。
[担架を持って、吊り橋の向こうに]
―庭園→吊り橋前―
―吊り橋前―
[ようやく簡易担架を持ってやってくる。]
……と言うわけで、担架を作ってもらってきました。さあ運びましょう。
ではナサニエルさんは前、ハーヴェイ君は後ろで。
[担架を地面に下ろす。]
……私?
いいじゃないですか。お年寄りに担がせるものじゃありません。
さあ、ちゃっちゃと運んで手当てしましょう。
[とてもいい笑顔を浮かべながらサムズアップ]
[やって来たルーサーに手を上げて答え、無事に担架が用意できたことにまたほっとして。
ルーサーが笑って告げる分担にちと疑問を抱きつつ]
それじゃ、乗せようか。
[そういって倒れた男のわきの下に腕を入れて、ゆっくり持ち上げ担架の上に]
気をつけて運ばねーとな……
[そういって担架を持ち上げ、慎重に橋を渡って向こう側へと]
詳しい所は本人に聞かないとわかりませんね。
もしかしたら、行き倒れではなく『逃亡者』かもしれませんが……
何にせよ、手当てが先決でしょう。
広間まで運びましょうか。ナサニエルさん、ハーヴェイ君。
[二人に広間まで運ぶよう指示する。]
[周囲の物音、話し声にも全く反応は無く、かたく目を閉じたまま横たわっている。]
[苦しげな、浅い呼吸音。]
[担架に乗せられた時に、一度低い呻きを洩らしたのみで。
館の中へと運ばれていく間もその眼が開くことは無い。]
広間、か。
それが一番だろうな。
[担架を運びながら頷いて、うめく声にちら、と男の様子を伺う。
纏う物は既に服とは呼べず、それも相当の血で汚れていて]
まったくな…よくここまで辿り着いたもんだよな。
骨とか、折れてなきゃ良いんだけど。
[男が無事に目を覚ますならば、とは心の中だけの呟き]
―広間―
[ナサニエルとハーヴェイの手で広間まで運ばれた行き倒れを改めて見る。]
………。
[はたと手を打ち。]
医者はどこだ。
[手当てをした事がないのでお手上げらしい。]
―館外→広間―
[ようやく広間へと辿り着き、ソファの上へとその男を乗せる]
なんにせよ、早く手当てをしてやらないとな。
でも…
[素人判断でどうにか出来そうな怪我でもなく、どうするべきかと考え込む]
[夢を見ている。]
[どす黒く塗り潰された悪夢。]
[奇怪な生き物が蠢き、這い回る、]
[ぬるぬると滑る、粘液に包まれ。]
[皮膚に伝わる悍しい感覚。][惑乱。]
[逃れようと身を捩っても其処からは抜け出せず、]
[絶叫を上げた口の中にも]
多少の怪我なら、旅してるとしょっちゅうだし俺でも何とか出来るんだけど…
ここまで酷いとちょっと手が出せないな。
[そう言いながらも、使用人が持ってきた薬箱から消毒薬を取り出し、気休め程度の手当てを]
こんなんじゃ足りねーな、薬。
[そう溜息をつきながら]
うーん、ナサニエルさんでもダメですか。
何となく冒険者の知恵と知識でどうにかなさるものだと思ったのですが。
[冒険者を何だと思ってるのだこの男は。]
どうにかしても良いけど、荒療治になるぜ?
なんせ薬とかなしで治療するんだし…この怪我人には使えないって。
もし傷が深かったら、下手に弄らない方が良いし。
とりあえず、この汚れとかを何とかしないとな。
このままじゃ病気になっちまう。
[感染症は怖いしな、と付け足して]
――回想 昼――
[目を覚ますと、窓から差し込む日の光は高く。少女は久々に充分な睡眠を得たことを実感する。
とは言うものの、思った以上に眠りに時間を取られてしまったことを、少しばかり後悔したのだが。]
[汗を流し身支度を整え、昨日言付けした通りにアーヴァインへと会いに行く。
彼の部屋へ通された少女は、たゆやかな笑みを薄紅色の口許に浮かべる。]
お久し振りですわ、アーヴァインさん。最後に会ったのは…もう彼是四年以上にもなりますでしょうか?
[思い出話が、午後の穏やかな空気の元で零れ始めた。]
とりあえず、出来そうな事はしておきましょう。
麓に鳩を飛ばして医者を呼ばせましたし。
[清潔な布で汚れた傷口を拭き清めつつ。]
出血はこの程度なら圧迫止血で大丈夫だとおもいます。
…薬……温室にまだ薬草は残っていましたかね?
多少乱暴ですが強い酒でも気休めにはなりますが。
気付け薬に使えそうな酒と言ったらブランデーくらいでしょうか。
それ以上きつい酒を飲ませると大事になりそうです。
[使用人に、ブランデーを取って来させる。]
[少女の話に、アーヴァインは時折驚きと懐かしさを滲ませながら、何処か優しい眼差しを湛えている。
少女は少女で、歳相応に備えた記憶を辿りながら口を開き、思い出話に花を添えていく]
[と、一通り話が終わった所で、一瞬だけ少女は躊躇いがちに口を噤み――何かを決心したように…胸元からネックレスを取り出した。華美なデザインの、少女の華奢な体からは少々アンバランスに見えるペンダントヘッドが下がっている。]
実は…アーヴァインさんにこれをお渡ししたくて。私はこの地に訪れたのです…。
[再び開いた少女の口許には。先程までの柔らかな笑みは影を潜め――変わりに込み上げてくる感情を、無理に抑えた為に歪みを生じた苦悩の表情が浮かび上がっていた。]
そうそう、まずは清潔にしておくのが先だと思う。
[ルーサーにそう言って、手際よく手当てを進めるコーネリアスに少し驚いて]
随分詳しいんだね。
怪我しても医者とか行かないしなぁ…俺は。
[単に金が無いからとは言えなかったが]
……ああ。
てっきり飲ませるものかと。
ではスピリタス辺りも持ってきてもらいましょう。
アルコール度数はブランデー以上に高いですけど大丈夫ですかね?
[使用人からブランデーを受け取り、今度はスピリタスを持ってくるよう指示。]
…このくらいのことなら、多少の用心として…ね。
[ボロボロの衣服を脱がせ、傷口を蒸留酒で拭き清める。
おそらく酷く染みるだろうが、そういうことに気を使っていられる状況ではないようで。
ガーゼを当て、包帯を巻いてやる。
血泥に白い指も着ていた服も汚れていくが、気にしている場合でもなく。]
…………!!
[びくり]
[身を震わせ、声の無い悲鳴を上げる。]
[眦が裂けそうな程、見開かれた眼。]
……ァア…あ。
[寒気を感じているのか、その顔にありありと浮かぶ恐怖の為か、がくがくと震えている。]
[軽く見た所、骨折などはないようで一安心して。
それでもこれだけの傷では今夜辺り発熱があるだろうとは予想が出来て]
無事に目ぇ覚ますと良いんだけどな…
[そう呟いて男の様子を伺うと、不意に男が目を見開き声にならない声を上げる]
…って、おい!大丈夫か?
[震える体を押さえ、少しでも落ち着かせようと]
…動かないで。
危害を加えるつもりはありませんから。
暴れればもっと痛みますよ?
[そっと囁きつつ、安心させるようにと、幼子をなだめるように撫でようとする。]
……!………!
[嫌々をするように首を振り、押さえる手から逃れようとする。]
[目尻から涙が溢れ、汚れた頬を濡らしていく。]
[尋常ではない男の様子に思いを巡らせる]
いったいなんだってんだ、こいつ…
この怪我、この様子……まるで何処からか逃げてきたみたいじゃないか。
話が聞けるようなら良いけど…
[誰にも聞こえないよう、溜息]
厄介な事にならないと良いんだけど、ね。
[少女の口から語られたもの。それは彼女の両親が二年前、とある事件に巻き込まれ命を落として居た事。そのときのショックで、自身の成長も止まって居る事。そして、両親の遺言に従い、ペンダントヘッドをアーヴァインに渡す為にこの場所へ訪れたことだった。]
[沈痛な面持ちのアーヴァインに、少女は小さく笑って]
そんなに悲しい顔をなさらないでください。たとえ命は消えてしまっても…思い出は消えないのですから――
これは…生前最も親しくなさってくださったあなたへ、せめてもの形見分け…。良かったら受け取っていただけないでしょうか?
[少女は首から鎖を外し、そっとアーヴァインの手にネックレスを置いた]
[只ならぬ様子に驚きつつも、押さえる手は緩めずに]
大丈夫、ここに居るのはあんたの敵じゃない。
俺達はあんたに危害は加えない、だから落ち着いて。
[出来るだけ安心させようとそう声を掛けて]
[怯えた瞳で取り囲む人々を見る。][色濃い恐怖の色。]
[そのうちに怖れが頂点に達したのか、]
[小動物のように身を縮めて、固まる。]
…大丈夫、何もしませんから。
[最後の包帯を傷に触れぬ位置で結ぶと、小さくうずくまった体にやわらかい毛布をかけてやる。]
ゆっくり休んで傷を治していきなさいな。
…何か食べられるようなら、用意させますし。
[男の怯える様子に、やはり唯の行き倒れでは無いと確信して]
よっぽど酷い目にあったんだな…
でも、本当にもう大丈夫だからな?
[子供に諭すようにそう告げて。
怯える姿がまるで子供のようだったから]
悪い奴じゃ無さそうなのに、な。
[そう言って押さえつけていた腕を緩める。
少しでも男が落ち着くのを待ちながら、暫く様子を*伺っている*]
[暫く考え込むようにしていたアーヴァインだったが、少女の眼差しにふっと溜め息を吐き。乗せられたネックレスをそっと握り締めて微笑む。その微笑を受けて、連れられるように少女も僅かに頬を緩め]
これでやっと。私の中でも両親の死と向かい合うことが出来そうです。ありがとう、アーヴァインさん。
そして、宿代わりにお屋敷を貸して下さってありがとうございます。
これで心置きなく、旅に出られるというもの――っ…え?今日の宿…ですか?いえ、決まっては居ませんけども…。
――もう一泊ですか?でも…そんな何時までもご好意に甘える訳には…
[宿の提供を促すアーヴァインに、少女は感謝しながらもその申し出を渋るように言葉を続ける。
しかし、ぼろぼろの靴とその下にある素足の怪我を指摘されれば、強く断ることも出来ず――]
じゃぁ…少しの間だけ…お邪魔致します。
[戸惑いながらも好意を素直に*受け取った*]
[涙で濡れた頬を拭うのにも、宥める様に背を撫でる手にも抵抗はせず]
[落ち着いたそのリズムに身を委ねるかの様に、表情を和らげた。]
部屋のほうが暖まったら、そちらへ移した方がよさそうですね。
[使用人に指示を出しつつ、大人しくなった怪我人をそっと横たえ。]
[気を失った行き倒れを見やる。]
……あ。
仕方ありませんね。冷める前に私が飲みますか。
…………苦手なんですよね、ホットミルク。
[とりあえず、ホットミルクを全部飲んだ。]
ああ、またこの方が目を覚ましたら何か頼むかもしれません。
よろしくお願いしますね。
[使用人に一礼。]
…苦手、て……。
[牧師を見上げてツッコもうかどうしようか迷いつつ。]
…それにしても、誰がこんな酷い目に……。
[痛ましげに目を伏せ、怪我人の肩を静かに撫でている。]
誰しも苦手な食べ物の一つや二つあるものです。
[きっぱりと言い切る。]
……しばらくこの屋敷で静養させた方がいいでしょう。
客室はまだ空いているはずでしたね?
[ 少し前、皆が怪我人の介護をしている其の頃、ハーヴェイは離れた廊下で使用人と会話を交していた。]
……そうですか。では、其の様に。
[ 医者を呼ぼうにも、今から山を下りるのでは流石に危険が伴う為、夜が明けてから向かうという結論に達し、話を終えた使用人は青年に一礼すると広間へと向かっていく。]
然し……、厄介事は御免なんだが。
[ 其の後ろ姿が見えなくなってから小さくぼやき、そろそろ帰るべきかと思う。
自ら掌に視線を落とせば、泥や血が付着した儘だった。彼の男を運んだ時に付いたものだ。]
……。
[ 布で其れを拭い取り今日幾度目の溜息を吐くと、広間には立寄らず*湯浴みに向かった。*]
[苦手なら普通、口にしないのでは…ともおもいつつも。]
…そうですね、あと数室くらいなら空き部屋もありますし。
[とりあえず、呼吸も落ち着いて眠りに落ちたことを確認して安堵する。
若く体力もあるようだし、じきによくなるだろう。]
…ぁ。
[漸く、自分の指も手も、着ていた服も、
血泥に汚れてしまっていることに気がついた。]
これはお見苦しい。湯浴みでもして着替えてまいります。
[その場に居る者に怪我人の様子を頼むと、*広間を出て行く*]
行ってらっしゃい、また後で。
さて、口直しに……。
[怪我人の治療用で余ったスピリタスをホットミルクが入っていたコップに満たし、*飲み始めた。*]
お嬢様 ヘンリエッタ が参加しました。
お嬢様 ヘンリエッタは、霊能者 を希望しました(他の人には見えません)。
大きい……。
[視界を遮る木立がひらけ、その館の全貌が目に入った時、彼女は誰にともなくそう呟いた。
自分とその館の間には、谷も庭もあると言うのに、言い知れぬ圧迫感を感じて、少女は無意識に身を震わせた。
今ならまだ引き返せる。そう、一瞬だけ考えてしまったのは本能の警鐘だったのだろうか。
けれど、彼女はそれには従わなかった。]
……これならきっと、お金もたくさんあるよね。
[少しだけ怖じ気付いた心を奮い立たせるようににやりと笑うと、懐の包みを抱き締めるように強く握り、少女は吊り橋へと一歩踏み出した。]
村の設定が変更されました。
<館/玄関ホール>
ごめんくださーい……。でいいのかな?
だれかいますかー?
[彼女が今迄暮らしていた家が何軒も入りそうな邸宅なのに、入り口の広間に人気は見当たらなかった。
軽く声を張り上げて、誰か出てくるのを待つ。]
まさか、こんなに大きいのに、使用人の1人もいないなんてないよね?
こういう家は、召し使いがいっぱいだって聞いたわよ……?
[彼女にとっては広大すぎる館を言葉で埋めるように、沈黙を恐れるように、少女はひとりごちた。]
/中/
さて、どうしたものか。
とりあえず、ろくに設定を考えてないです。
名を名乗ることさえ出来ないくらいにorz
眠い……。
─音楽室─
[いつからそこにいたのか、自分でも良くは覚えていない。
少なくとも、朝食の後なのは覚えていたのだが。
色々と考え事をしていて、それがまとまらなくて。
ふと、またピアノが弾きたくなって音楽室へ足を運んでいたのまでは、覚えているのだが]
……あー……。
またやっちゃった。
[すっかり暗くなった部屋の中で、ため息、一つ。
どうやら、常習犯であるらしい]
/中/
あらら、行き違い(' ';;
でも、フルメンバーそろったなあ……。
さて、能力者引けますかっ!
倍率はそんなに高くないと思うんだけどなぁ……一応。
[傷の手当ても終り、必要なくなった湯を捨てに広間を出る。
何度も布をすすいだ湯は、かなり濁っていた。そして何度もすすいだ彼の服の袖もかなり濡れていて。]
…着替え持ってきてもらったし、せっかくだからお風呂借りよっかな。
[今は混んでそうだから、後で入ろうとか思いつつ、ロビーを通る。]
[我に返れば、くぅ、という音と共に空腹が主張され。
はぅ、と情けない声を上げつ、音楽室を出て、広間へと向かう]
─音楽室→玄関ホール─
……あれ?
[ホールまで出てきたところで、足が止まる。
目に入るのは少年と少女。
そして、何事かあったのではと伺わせる少年の様子に、怪訝そうに眉を寄せ]
−ロビー−
[ものめずらしそうにきょろきょろしてる少女に、どうしたのか訊ねれば、彼を使用人と思ったらしく主に取り次ぐようにと言われて。]
えっと…アーヴァインさんが何処にいるかはボクよく知らなくて。代わりに誰か呼んで来ますから、そこの紙に記帳してて下さいっ!
[急いで、でもお湯を零さぬように、使用人を探しに厨房へと回る。]
―広間―
[必要な治療用具を持ってくるだけ持ってきて、後ろのほうで見守っていたのだが、怪我人のほうもどうやら落ち着いた様子。
立ち去る主の義弟らを一礼して見送り、ほう、と息を吐いた]
…それにしても…
[そうと近寄る。
治療の跡、あちこちに巻かれた包帯。酷く痛々しいそれらを見て、眉を寄せる。一体何をしたらこんな状態になるというのだろう]
ああ、危ないから、危ないから、落ち着いて。
……なんか、あったの?
って、いいか。
トビーくん、先に用事済ませちゃった方が良さそうだしね。
[急ブレーキをかけたトビーに苦笑しつつ。
落ち着いたら話聞かせてね、と笑んでから、少女へと向き直る]
ここじゃなんだし、広間、行かない?
メイさん!
すみません、それじゃ彼女の事お願いします!
[メイの言葉に甘えて、少女を任せて行こうとし、広間と言う声に再び急ブレーキ]
…っと!
今、広間に怪我人が運び込まれてるんです! 気をつけて!
[緊急事態に昨日の恨み(?)も忘れ、メイに急いで注意を促す。
つまり、広間に怪我人がいるから”静かに”した方がいい、と。]
えっ。あ、ありがとう。
[あっという間に去って行った、使用人らしき緑の髪の少年に指され、机の上を見る。
なにやらこまごまと人の名前が書かれた紙に、どうやら自分もこれに名前を書けばいいのだと推測出来た。]
えっと…? これがペン、よね?
[見たこともないような繊細な、だが少々悪趣味な飾りのついたペン軸を危なっかしげに握りながらも、少女は紙にインクを滲ませた。]
■ ヘンリエッタ・イネス
■ 13歳
[せめて、自分の名前だけでもと字を覚えておいて本当に良かった。
お世辞にも美しいとは言い難いが、読めないと言うのとはない自分の字を見てヘンリエッタは胸をなで下ろした。]
はいはい……って、怪我人?
[投げかけられた言葉に僅かに眉をひそめるものの、わかったよ、と頷いて。
それから、改めて少女の方を見る]
……なんか、立て込んでるみたいだけど。
あ、ボクは、メイ=エアハート。
キミは……。
[自己紹介の用紙を見て]
ヘンリエッタ、だね。
んじゃ、行こうか?
[にこ、と笑いかけ、広間へと歩き出す]
─…→広間─
−バスルーム−
[ついた血は冷たい水で洗い流し、湯に浸かると強張った体を伸ばした。
干した香草を浮かべた湯に、長い銀の髪が広がって揺れる。
次々と集まる客人。素性の知れたものも知れぬものも。
偶然にしてはあまりにも。]
…どういうつもり、なのでしょうね…。
[長い髪を洗いながら、ポツリと呟く。]
<ロビー→広間>
[笑いかけて、歩き出した少女の背中を追う。
自分よりはいくらか年上だろうか、青い髪の綺麗な少女だ。
着ているものは先ほどの少年と同じで、取り立てて高級には見えなかったが、館の使用人にしては、堂々としているように見える。]
あなたはここの人……?
私、アーヴァインさんに会いたいの。
[彼はどこにいるのだろう?
この館は、ヘンリエッタが想像していたものとはなんだか違っている。
妙に落ち着かない。]
[湯からあがると、ラフな部屋着に着替えた。
長い髪はすぐには乾かぬので、一本にまとめて結わえる。
血のついた服を冷たい水で一度濯いでから、洗濯場に置いておく。あとで使用人の手があいたときに、洗ってもらえるだろう。
湯浴みの前に包帯をはずした右手は、まだ瘡蓋が残っていた。]
[深い眠りに入ったのであろうか]
[呼吸は規則正しく安定している。]
[何かを耐え忍ぶように軽く眉根を寄せ]
[ほんのりと開いた唇には、酷く切れた痕]
[その唇が僅かに動く。]
/中/
人が揃ったところで、軽く設定でも書いてみようか。
守護(希望通り):人狼に潰された施設出身の戦うメイドさん
狼:施設潰した張本人、旦那様の友人がこんなんだったとは→殺害
C狂:旦那様が人狼、真の主人=人狼
…一部殺害動機になってるぽいけど気にしないー。
占霊の場合は守護をちと改変、村人だったらただの阿呆子で(ぁ
−厨房−
[急いで赴いたものの、厨房には誰もいなかった。
…そう言えば、一緒にタライに張った湯を運んだ後、ボロボロになった元衣服を持って何処かへ消えて行ったような気がする。]
…あ。着替えを取りに行ったのかなぁ?
[毛布に包まれていた怪我人を思い出し、なんとなく納得。
ならば、広間に行った少女にも直に気付くだろうと、やや落ち着いて湯の始末をした。]
ん? ボクはここの住人じゃないよ?
吊り橋の近くの一軒家に住んでて、お使いでここに来たってとこかな。
アーヴァインさんに用事かぁ……この頃、そういう人、多いね。
んー、どこにいるのか、案外わかんないんだよなあ、あの人。
広間に、わかる人がいればいいんだけど……。
[怪我人がいるという事は、もしかしたら使用人の誰かがいるかも知れない、と思いつつ。
そっと、広間の扉を開けて。
中の様子に、わずかに眉を寄せた]
[長い廊下をゆっくりと物思いに耽りつつ歩む。]
…おや?
[角の部屋のドアが、薄く開いている。
以前この館に住んでいた頃は、鍵がかけられ、閉ざされていた筈なのに。
この建物の中で唯一入ったことのない部屋。
好奇心に駆られて、ドアへと手を伸ばす。]
[じっと怪我人の前に佇んでいると、近づいてくる声があった。振り返ろうとした刹那、横たわる男性の唇が動くのが視界に入る]
…
[何か伝えようとしているのだろうか。
彼が眠りの中にいるのか、目が覚めているのかはわからなかったが、何とか聞き取ろうとその口に耳許を近づけた]
[ミルクパンにミルクを数人分いれ、ゆっくりと温める。砂糖を少しと、料理用のラム酒を垂らして、マグカップに注ぎ分けた。]
…よいしょっと。
[トレイに乗せて広間へと。]
[後ろから覗き込む少女に、静かに、というジェスチャーをしつつ、そっと広間の中に入り。
ネリーと、見知らぬ男性の様子をそっと見守るように。
手当てはされているようだが、男性が相当な傷を負っているのは見て取れた]
[ドアを開け放ち、灯りをつける。
灯りを乱反射させて煌く、様々な形のはがね。]
…悪趣味な。
[柳眉をやや吊り上げて、ポツリと呟く。
装飾的な剣やマスケット銃に始まって、斧、矛、拷問具のようなものに至るまで。
大小さまざまなそれは、少なくとも誰かを傷つける用途の物にしか見えず。
義兄は何のためにこんなものを収集しているのだろう。]
[飲み終わったスピリタスの瓶とホットミルクを入れていたマグカップを片付けて帰る途中、コーネリアスが角の部屋に入るのを見た。]
……ふむ。
[こっそり後をつけ、その後ろから声をかける。]
コーネリアスさん、そんな所で何をなさっているんです?
[いつもの、にこやかな笑顔で問いかけた。]
[メイの後に続いて、そっと広間に滑り込んだ。
ヘンリエッタが想像していた通りの、高価そうな調度の並んだ室内に人影が見えた。
一目で使用人と判る装束の少女と、そのおくに横たわる……男性だろうか?
男性の呼吸が聞こえるくらいに、広間は静かだった。]
誰……?
[そういえば、先ほどの少年が、けが人がとか何か言っていたような気がする。
呼吸を聞く限り、今すぐ命に関わるようなものでは無さそうだが、けが人が出るような何があったのだろうか]
[途中、廊下の先を見やると、ふぃに何処かへと消える人影があった。
一瞬、幽霊かと身構えるも、その後ろに次いで消えていった牧師の姿に、幽霊ではなくコーネリアスさんだろうと気付いて安堵の息を吐く。]
…びっくりした。
あ、いけない、忘れてた。ちゃんと謝らないとなぁ…。
[でも今は、せっかくの温もりが冷めぬ内にと足を急がせて。]
[暫く耳をそばだてていたが、その後の彼に動きは見られない。小さく息をついて、少し離れる。
振り返ると、明るい蒼の髪の少年?と、少女が何時の間にかそこにいた。少女は昨日擦れ違った子とはまた違う。新たな来客だろうか]
…失礼。
気付きませんで。
[居住まいを正し。男性を起こさぬよう、小声で2人に詫びる]
誰……だろうね。
多分、知らない人だけど……。
[ヘンリエッタの呟きに、自分もぽつり、と呟くように]
旅人とか、そういう人が泊まる場所探して訪ねてくるのは珍しい事じゃないけど。
あんなに怪我してるって……。
[ふと過ぎる、不安。
祖母は無事だろうか、と。
元々他者と余り関わらない上に、足を痛めているのだから、何かあったら……と考えてしまい、ふと、表情が陰った]
[ネリーの声に我に返り、浮かんだ陰りはすぐに打ち消して]
ああ。
気にしないで、怪我人さんの方が大事だから。
……一体、何があったの?
[それから、男性の方をちらりと見やって、小声で問いかける]
[背後から声をかけられて、びくりと身を竦ませる。
ただその先を見てしまっただけなのに、なんだかとてもよくないことをしているような気がして。
強張った表情のまま、ゆっくりと振り向く。]
…牧師様、でしたか。
[笑おうとするも、表情はぎこちなく引きつっていたかもしれない。]
−廊下→広間−
[広間では、先程の少女とメイ、そしてネリーが小声でなにやら話している最中だった。
そう言えば、ネリーに聞けばよかったのだと今更ながらに気付く。]
……あの、よかったらどうぞ。
[出来るだけ静かにトレイをテーブルに置き、皆に勧める。
自分もその一つを取って椅子にちょこんと腰掛け、ゆっくりとその甘さを味わった。]
……ああ、それですか。
[部屋の中を一瞥もせずに一言。
『それ』がここにあるのはさも当然、という顔。]
すみませんね、脅かしてしまって。
びっくりしたでしょう?
ええ、それが…
吊り橋の向こう側に倒れていらして。
[メイの言葉には困ったような顔で頬に手を当てながら、やはり小声で説明を始める。見ての通り酷い怪我で、見つけた時には意識を失っていたこと、泊まっている男性陣がここまで彼を運び、手当てをしたことなどを大まかに。
途中入ってきた少年に気付けば、小さく会釈をした]
ん……ありがとね、トビーくん。
[ホットミルクの甘い香りにふ、と表情が緩む]
そういや、朝ご飯食べてから、なんにも食べてないんだった……。
[失敗しっぱい、と呟きつつ。
温かな湯気の立つカップを手に取り、そっと口をつけ]
アーヴァインさんじゃないのね。
[メイの言葉に、少しだけほっとする。
使用人の少女とけが人の方へそっと近付いた。
毛布にくるまれて、体の方ははっきりとは見えなかったが近く迄くると間違いなく男であることが判る。
寄せられた眉と、切れた唇が痛々しかった。
彼はどうやってこの怪我を負ったのだろう?]
そっか……大変だったんだ。
[ネリーの説明に、小さく呟く。
それだけの騒ぎがあったのに全く気づかずにピアノを弾いていたのだから、ある意味凄まじいのだが、それには気づいた様子もなく]
……何が、あったんだろうね?
[誰に問うでなく、小さく疑問の声をもらす]
すみませんね。
担架に使う棒をそこで探していて、鍵をかけ忘れたんですよ。
いやあ、うっかりしてました。
[手には赤錆の浮いた鍵を持ち。微笑はいつものまま。]
[良い香りのするミルクを渡してくれたのが、先ほどの少年だと気づいてヘンリエッタは微笑んだ。]
さっきはありがとう。
[言って、手の中のマグカップに視線を落とした。]
……これも、ありがとう。
[冷えた体にミルクが滲みていくのがわかる。
思わずほう、と息を吐いた。]
ええ、そりゃそうですよ。
開け放しておいたら、怪我の元ですから。
[鍵を持った手をひらひらさせながら]
あ、そろそろそこを閉めたいのですけど。構いません?
[少年の運んできたホットミルクに視線を移す。客人の好意を無駄には出来ない。それに丁度疲れていたのもあって、礼を言って受け取った。甘い味がふわりと広がる。
メイの声には、やはり分からないと首を振る]
随分、怯えていらしたようですけれど…
[苦しげな声が脳裏に蘇る]
[手に取られていくカップに少し安堵しつつ、大人しく皆の話に耳を傾ける。怪我人がいる事に気付いて直に湯を沸かしにいった彼には知りえなかった事が、ネリーの話にはたくさん含まれていたから。]
……そっか…。
[村と館の途中で、こちらを向いて倒れていた、怪我人。
そのことが示す危惧――村で何かあったのでは、と心が騒ぐ。
けれど、夜の山道、ましてやどんな理由であんな酷い怪我を負ったのかもわからない人を見た直後では、村へとは帰れずに。
ただ、静かに、ミルクを甘さを味わって。]
[アーヴァインの好意に甘えて、再び客間へ。
靴を放り出し、ベッドに横たわれば甘く誘う夢魔の囁きに耳を傾けてしまう。]
[そして目覚めれば闇夜。すっかり日が暮れたことに気づき、少女は溜め息を吐く。]
――いい加減そろそろ起きなきゃ…。
[ベッド上、体を起し足の痛みに顔を歪めて。慣れた手つきで傷口を手当する。
再びくたびれた靴を履こうと、床に手を伸ばすと。気付く真新しい差し入れ。]
これ…アーヴァインさん…が?
[首を傾げながらも手に取り新しい履物に足を入れる。まるでサイズを測ったかのようにしっくりと来る履き心地に、少女は顔を綻ばせて]
お礼…言わなきゃ…
[音もなくベッドから降りると、羽根がひらりと舞い落ちるような足取りで、客室のドアを開け廊下へ]
客室→広間へ
[暫くまた、呆然とその物騒な室内を見ていたが、牧師の声に我に返る。]
…えぇ、そうですね。
このようなものが、簡単に手に触れられるところにあるのは良くないとおもいます。
怯えてた……?
よっぽどだね、それじゃ。
[大の男が怯えていた、と聞かされれば、余程の事があったのだろう、というのは想像に難くなく。
同時に、村で何かあったのだろうか、という不安も感じながら]
何があったのか、本人が気がついてから、聞ければいいんだけど、ね。
[ため息混じりに呟いて、ミルクを味わい]
―一階・廊下―
[ 風呂から上がれば取り敢えずは広間向かおうと、静けさを取り戻した廊下を歩む。濡れた前髪は重みを増して額に張り付き、水滴が一雫、零れ落ちた。]
あー……、面倒臭い。
[ 呟き、肩に掛けた白いタオルでガシガシと乱暴に頭を拭く。]
[そういえば、と男性のほうに近寄る少女のほうへと目を移し]
そちらの方は…
お客様、ですか?
[カップを両手で包み込みながら、尋ねる]
[どうやら食事を抜いていたらしいメイに、ビスケットか何かも持ってくればよかったと思うも、何処に何があるかなんて知らなくて。いや、それ以上に、勝手に持ち出せなかっただけなのだけれど。
赤毛の少女のお礼には、年が変わらなさそうなのもあって、ちょっとぶっきらぼうな言葉を返す。]
ううん、これくらい…たいしたことないから。
[それでも少し照れくさいのか、カップを覗き込むように俯いて。]
[広間へ入ると、アーヴァインの姿はなく。
変わりに年端の変わらない少女と少年、そして僅かに上であろう少女達と、横たわる青年の姿が視界を染める]
こんばんは…。
お邪魔しても宜しいかしら…。
[ドア口に佇み、そっと中を窺いながら声を掛けた。]
このようなものが何故ここにあるのかは、いずれ話す機会もあるでしょう。
そのうちアーヴァインさんから話があるかもしれませんが、ね。
[くるくると鍵を手の中で弄ぶ。]
ああ、それから。
疑問に思ってるでしょうから答えておきますね。
それ、アーヴァインさんの収集品ではないですよ。
『元からここにあったもの』ですから。
[意味深な笑み。]
ああ、そうみたい。
アーヴァインさんに、会いに来たんだって。
[ネリーの疑問に答えつつ、ふと、入り口からの声を耳に止め]
やあ、こんばんわ。
そんなとこにいないで、入ってきたら?
[中を伺う少女に、微笑みかけて]
[メイの言葉に頷いて、ちらりと男性のほうを見遣る。未だ目覚める様子はない]
そうですね…
無理に聞き出す訳にも参りませんし、早く落ち着かれると良いのですけれど…
[だがそれにはかなりの時間を要するかもしれないと、一方で思う。
扉の外から声が聞こえ、其方を見る。昨日見かけた金髪の少女がいた。
会釈をし、どうぞ、と声を掛けた]
[カップを手にしたネリーの言葉に、怪我人の怯えていた様子を思い出して再び気が重くなる。]
『みんな…大丈夫かなぁ…』
[しかし、話を聞けるかもというメイの言葉に、何もわからないまま一晩まんじりとせずにすむかもと、少し期待が膨らむ。]
………早く、目が覚めてくれたらいいなぁ…。
[心配よりもやや利己的な思いが強いものの、その言葉には嘘がなく。溜息を飲み込むように、ミルクを飲み干した。]
[使用人の少女の声に、館に来た目的を思い出し、顔を引き締めた。]
ええ。アーヴァインさんに会いたくて、ここに来たの。
先に手紙を出してもらったんだけど、私が来ることって誰も知らなかったみたいね……。
アーヴァインさんには今、会える?
[もう夜も遅い時間に、不躾だとは知っていた。
それでも口にしたのは得体の知れない不安と、焦りがあったからだ。]
[どこか陰ったようなトビーの様子に、ふと眉を寄せる。
何かしら不安を抱えていると察する事ができたのは、自分も似たような状態だからだろうか]
……そんなに、不安になるんじゃないの。
しっかりしなきゃ、男の子っ。
[からかうように言いつつ、ぽん、と頭に手を置いて]
[また、新しい人間だ。
同じくらいの年頃の少女を、不躾にならない程度に観察する。
どうやらここには最初思っていたよりも多くの人間がいるらしい。
こんな大きな館だ。不思議ではないけれど、それが、自分と同じ年頃の少女が二人と、怪我人が一人だと、なんだか違和感を感じてしまうのは何故だろう。]
―… → 広間―
[ 広間の近くまで辿り着いて中を見遣れば、怪我人騒ぎの時とは一変したメンバーの上、見慣れぬ顔が増えている。ちらと運ばれた男を見て息を吐くも、次の瞬間には何時もの人の良さそうな微笑を浮かべ、入り口に佇む少女へと声を掛ける。]
今晩和。
そんなところに居たら冷えるし、中に入った方がいいと思うけど。
…元からここに…。
[ドアから離れ、鍵がかけられるのを待つ。]
先日の、ですか?
…姉の蔵書から調べようとしたんですが…
あれ?あの本…何処へ置いたんだっけ…。
[新たに広間へ現れた年端の代わらぬ少女に、目を丸くする。
赤毛の少女も、金髪の少女も、彼は知らなかった。
蒼髪の青年も、茶髪の青年も、彼は知らなかった。
辛うじて、コーネリアスさんの事は、鈍い痛みと共に思い出したけれど。
――いったい、どうしてこんなに人が集まっているのだろう?]
…っ!
あ、うん、はい…そうだよね。
[ぽんと頭に乗せられた温かな手とからかいを含んだ声に、日常を感じて笑みが浮かぶ。次いで、余計な記憶も思い出す。]
あーっ、そうだ! 酷いじゃないですか昨夜騙してっ!
ボク本当に怖かったんですからね!
[怪我人を起こさぬよう、客人の少女たちに聞かれぬよう、小声で猛抗議。]
―広間―
[暫し傷ついた男の様子を眺めていたが、深く眠った様子に一つ息を吐いて]
眠る事は良い事だ。
何よりも体力の回復に繋がるから。
後は、食べられるようなら何か口にしてもらえると良いんだけどね。
[そう言って。
見ず知らずの者にこうも気にかけてとも思うが、これは性分。
そしてふと目をやればいつの間にやら人が集まっていて、それに気付かぬほどに怪我人が心配なのかと自問して]
おや、いつの間にか人が増えたみたいだね。
[そういって笑いかける]
[少女の言葉に相槌を打つように頷き返す。
今会えるか、という問いには難しい顔をし、上を見上げた]
今…ですか…
[この館の主人は今日はまだ姿を見ないかの女性と共にいるのかもしれず、少しだけ言い澱んだ]
今日はお客様が多いもので、少々お待ちいただけるとありがたいのですけれど…
……お急ぎ、でしょうか?
[二人の少女から声を掛けられれば、僅かにはにかみながら静かにドアを開け、中に入る。
その仕草は、周りから見ればやはり本来の歳相応ではなく、幼く見えるのだろう。]
[しかし少女はそんな事を気にも留めず、金糸を僅かに漂わせながら小さく会釈をして、薄紅色の唇を僅かに開き――]
皆さんも…ここにお泊りの方ですか?
私も、昨日からお世話になっています、ウェンディと申します。僅かな時間ですが、よろしくお願いいたします。
[当たり障りの無い挨拶を述べる。
途中、ツインテールの少女の視線を僅かに感じたが、さして気にも留めず微笑を向ける。それは旅の途中で得た処世術なのかも知れない。]
[浮かんだ笑みにこちらも笑みで返し。
それから、小声の抗議にわざときょとん、とした表情でまばたいて見せ]
えー、騙してなんてないよお?
幽霊と勘違いしたのはトビーくんだし。
コーネリアスさんが優しいのはほんとだし。
[少なくとも、嘘は言ってないよー、と。
平然として言いつつ、くす、と笑んで]
…ほんと、何処へ置いたものやら…。
癖なんですよねぇ、持ち出したものを何かの拍子に置き忘れるのが。
…姉にも、よく怒られたものです。
[やや寂しげに笑いつつ。]
戻りましょう。先ほどの方の様子も気になりますし。
こんなに人がいたの……!
[来た時は寒々しいとさえ思えた広間が、今では狭く感じられるくらいだ。
計ったかのように一度に訪れた男達を、ヘンリエッタはざっと観察した。
皆、比較的若い者ばかりだ。アーヴァインの年齢に該当しそうなのは一人だけ。
その一人は明らかに聖職者と判る出で立ちだ。
ここに、自分が探す人物はいそうにない。]
また人が増えていますね、今晩和。
[ が、中に入って早々に見えたのは懲りもせず首を動かそうとして悶絶するトビーの姿。思わず苦笑が浮かぶ。]
……お前な……、いっそ其の頭、押えててやろうか。
『ばらの下で』と言う言葉はね、今この時に使うべき言葉なんですよ。
[先ほど閉じた扉の方に視線を向けつつ。]
そうですね、戻りましょうか。
[新しく来たと思われる金髪の少女が、見た目よりも大人びた挨拶をするのに少し違和感を覚えながら。
それでもまだ挨拶をしていない者たちにと此方も挨拶を]
ウェンディっていうのかい?
あぁ、そう言えばまだ挨拶をしていない人たちがいるんだった。
俺はナサニエル=ウォーレス。
暫くの間よろしくな。
[きょとんとした表情に、この子悪魔ー!と内心で叫ぶも口にすればその報復は以下略で。]
ぅー、勘違いしてるって判ってたくせにー!
”優しい”コーネリアスさんにも悪い事しちゃったじゃないですかー!
[やや涙目なのは、首の痛みのせいだ。絶対にそうに違いない。
無駄と知りつつ、なけなしの意地で言い返しては見たものの。どんどん集まる客人の前で、これ以上己の恥を晒すのは耐え難く。]
……もーいいです。
お風呂行って来ます…。
[逆に今なら空いてるだろうと、*浴場へと向かった。*]
[ ウェンディと名乗った少女の挨拶を耳にすれば、再び人当たりの良さそうな表情に戻り会釈をする。同様に、彼女と同い年くらいに見える赤髪の少女にも。]
俺はハーヴェイ=ローウェル……
とは云っても、此れだけの人間が居ては覚えるのも大変でしょうから、まあ適当に。
[ 例の怪我人の様子を見ていたらしいナサニエルへと視線を移して、]
……其方の方の具合は?
[少し瞳に心配そうな色を宿して問い掛ける。]
[使用人の少女の困ったような表情に、少し逡巡した。
当り前だ。彼はこの館の主。見知らぬ人間が突然尋ねて来て会わせろと言って簡単に会えるものではない。けれど]
急ぎ…じゃないけど、大切なことなの。
[次の言葉を言うのに、震えないよう息を吸い込んだ。心臓が一つ、大きく打つ]
娘が会いに来たと、伝えて頂戴。
[金の髪の少女の挨拶にかしこまって会釈をする。やはり綺麗な方だと思う]
ウェンディ様、ですね。
ネリーと御呼びくださいませ。
[他のまだ紹介を済ませていなかった者たちにもどうぞお見知りおきを、と付け加えた]
[蒼髪の青年に声を掛けられれば、ふわりと微笑んで頷き]
はい。あなたは…ナサニエルさんと仰るのですね?
僅かな期間ですが、こちらこそよろしくお願いいたします。
[優雅に会釈をすれば、長い髪が一筋、頬に零れ落ちた。]
[入ってきた金髪の少女の、外見よりも大人びた挨拶に戸惑いつつ、礼を返し]
ボクはメイ=エアハート。まあ、よろしくね?
[簡単に名乗ってから。
浴場に向かったトビーの言葉に、悪戯っぽく微笑んで]
だって、反応が逐一素直なんだもん……。
[既に聞こえていないのは承知の上で、こんな呟きをもらす]
[茶髪の青年と、綺麗な緑色の髪を結ぶ少女の声を聞けば、やはり先程度同量の笑みを傾け]
ハーヴェイさんと…ネリーさんですね?
よろしくお願いいたします…。
私の方こそ…滞在するのは僅かな時間なので、覚えられる前に立ち去ることになりましょうけども…。
[最後の言葉には、少し物寂しそうな声色を混ぜて…]
[ハーヴェイの問いかけに、ちらりと怪我人を見遣って]
ん?今は落ち着いてるみたいだな。
よく寝てるぜ?
[相変わらず身動きもしない男に少し不安は残るが。
そしてウェンディが挨拶を返すのに少し苦笑して]
そんなに改まらなくていいよ。
俺の事はナサとでも呼んでくれればいい。
[ 彼の少年ではメイには敵わないだろうなと内心思いながら、些かがっくりとした様子で去っていくトビーを見送る。逃げたか如何かは敢えて置いておく。]
かと思えば、今度はルーサーとコーネリアスが遣って来て、俄かに騒がしくなる広間。……騒がしいのが苦手な彼にとっては、少々溜息を吐きたくなる状態か。然し其れを表に出す事はなく、普段通りに会釈。]
今晩和、ルーサーさん、コーネリアスさん。
……全くですね。アーヴァインさんが喜びそうです。
[少年が立ち去るのを、視界の端で捕らえながら、短髪の少女の声に振り向き、笑みは変わらず浮かべたまま――]
メイさん…ですか。よろしくお願いします。
[頬に掛かる一筋を気にせず挨拶を交わし]
所で…そちらで横になられている方は…何処か具合でも?
[僅かな不安を口の端に浮かべて。問い掛ける。]
[少女から告げられた言葉に、僅かな空白を経て目を見開いた]
え…
お嬢様でいらっしゃいます、か?
[娘がいる、などとは聞いていなかった。けれど]
…それは、とんだご無礼を。
[少女のその言葉を疑う様子もないのは、知らな過ぎる故にか。
あの女性の件も原因としてあるのかもしれなかった]
[広間はいつにも増して賑わっていて。
亡き姉が存命だった頃に行われていた茶会を思い出させた。
客人たちに軽く挨拶すると、恰幅の良い年配女性の使用人に、客人に軽いものでも振舞うようにと指示を出す。]
[賑やかになってきたなあ、と思いつつ、新たにやって来た面々にこんばんわ、と挨拶して。
ウェンディの投げた問いに、つられるように眠り続ける男に目を向ける]
……怪我して、運び込まれたらしいけど……。
ああ、私も自己紹介をしなければいけませんね。
ルーサー・オブライエンと申します。
見ての通り、牧師をしております。
[帽子を取って、初対面の子供達に挨拶する。]
[ナサニエルから返された言葉に、微笑みは僅かに苦い色を湛える]
ナサ…さんですか?
じゃぁ、お言葉に甘えて…そう呼ばせていただきますね?ナサさん?
[そして背後から感じる新たな人の気配に、宿泊客が自分ひとりだけじゃないことを感じ、僅かに安堵を覚えながら振り返り――]
―部屋―
[今日はどうやら騒がしいのはわかっていた。それでもベッドから起き上がる気にはならなかった。
それでも眠れないのは、わかっているけれど。
夜、少しは、彼の部屋にいたけれど、眠る前に出てきてしまって。
それから、薬を飲んで。]
飲みすぎてしまったかしら……
[一目瞭然のことに、困ってしまう。
見つかったら怒られてしまうかしら。
そっと、鞄の奥に瓶を隠す。誰かと共に眠れば、数日は保つだろう。]
[ 視線を赤髪の少女から金髪の少女――ウェンディへと戻せば、]
ああ。そう……、なんですか。
斯く言う俺も、明日には去るかもしれませんが。
[苦笑を浮かべながら話す言葉は、年下と見て取れるにも関わらず、彼女の口調につられつい丁寧語になってしまう。
ナサニエルの返した科白を聞けば、其れは好かったと安堵したように頷いた。]
[他者の視線が、自分に注がれるのを感じ、頬が熱くなる。
この視線は、好奇なのだろうか? それとも敵意? そこ迄考える余裕は彼女にはなかった。]
これを。
[言って、懐に抱いた包みをネリーに差し出す。]
アーヴァインさんが母にくれたものよ。
彼に見てもらえば判ると思う。
[ 娘騒動も気にならなくは無いが、其れよりも此の大人数の空気は、彼にとっては耐え難いものと感じられて、]
……来て早々ですが、本日は失礼しますね。
[其れではと微笑と共に頭を下げ、去り際に後程で構わないから、食事を宛がわれた部屋に持って来て欲しいと頼んで、広間を後にする。]
それでも、行かないと心配かけてしまうかしら。
……何か、食べないと駄目ね。
[そっと絨毯に足をつける。柔らかい。
脱いでそのままにしていた浴衣をたたむと、手早く服を着込む。
広間へ向かおうかしら。
階段を降り、その入り口の手前]
今日は、とても賑やかねぇ……
…むす…め……?
[赤毛の少女の言葉に、唖然としてその姿を見やる。
確かに、癖のあるその髪は義兄に似ているといってもいい。
…年恰好から思わず逆算し……なんといってよいのやら。]
[使用人の少女は包みを受け取ると広間の外へと姿を消した。
それを見送って、すこしだけ肩の力を抜く。
彼は、あれを覚えているだろうか。
わからない。でも、とりあえず自分は賽を投げたのだ]
[牧師のつぶやきにちらりと視線を移して、困ったように首をかしげる]
私はお父さんに会ったことはないからわからないわね。
[ 溜息を吐きつ広間から出れば、ほぼ真正面にローズマリーの姿。思わず、きょとりとした顔で瞬く。]
……ああ、今晩和。
[ 僅か一秒程停止するも、直ぐさま微笑を取り戻して、]
また新しい御客人が来ていましたよ。
……客人では無い方もいらっしゃるようですが。
[そう云って、彼女が入れるようにと横に逸れる。]
[赤い髪の少女がネリーに何かを渡すのを見て、周りを見回し複雑な表情のコーネリアスに目を止める]
……あんたの姪っこって訳かい?
[しかしその表情から、彼がその存在を知らないのかと気付いて]
ややこしい事になってきたな。
[そう呟いた]
[流れるような自己紹介の言葉に耳を傾け]
ウェンディです。よろしくお願いいたします、牧師様、コーネリアスさん――
[そして自身も挨拶を交わす。]
[そして聞こえて来たメイの言葉に、僅かに目を伏せて――]
怪我…ですか…。大事に至らなければよろしいのですが…。
[僅かに唇を噛む。そして年端の変わらない少女の言葉には、立ち入らない方が良いのだろうと判断し、ハーヴェイの言葉には同意を示し…]
そうですか。では本当に短い付き合いかも知れませんね…
[ころころと小さく笑って、広間を出て行く姿を見送った。]
[ネリーが出て行くのを見送って、わたしは再びハーヴェイに向き合う。
ちょうど来た時だったから、少し驚いた。彼もそんな表情だったのが、少し楽しい。]
そう。お客様がたくさんいらっしゃるのね。
……お客様ではないって?
[ちょっとだけ、意味がわからなくって、問い返す。]
[目の前で展開している会話は、何やら予想外と言うか何というかで]
アーヴァインさんの娘さん……。
[見た感じでは、自分より幾つか年下……いつも書かされる用紙には、十三歳とあったろうか。
そんな年頃の娘が外にいる、というのはどうなのか、とか考えつつ]
……なんか、大変そう……。
[思わず、内心の呟きが声に出た]
…いや、その……。
ありうるというか、ありえないというか、ぶっちゃけ考えたくない、というか…。
[額を押さえてくらりとソファーへ座り込む。]
[広間ではアーヴァインの娘と名乗る少女の話題で盛り上がってきている。これでは当の本人が現れても礼の一つも述べられないだろうと思う少女は、使用人の一人に簡単な夜食を用意してもらうように申し出ると――]
私、明日朝が早いので…この辺で失礼致しますね。
[やはり優雅に会釈をして踵を返すと、金の髪を宙に漂わせながら、少女は静かに広間を*後にした*]
[ともあれ、そこは自分の踏み込む領域じゃない、と考え、それ以上の思考は打ち切り。
目を伏せたウェンディの呟きに、そうだね、と返す]
何があったのかはわかんないけど……早く、気がつくといいんだけどね。
ん、お休みなさい、ゆっくり休んでねー。
[独り言めいた呟きの後、広間を後にする背に声をかけ]
……て、コーネリアスさん?
だいじょう……ぶ?
[座り込むコーネリアスに、心配そうに問いかけた]
[ ネリーが挨拶もそこそこに慌しく去って行くのを見送れば、先程の赤髪の少女の件だろうかと思うも、問い掛けられた言葉にローズマリーに視線を戻し、些か説明に迷うも率直に伝えた方が判り易いかと思う。]
……ええ、夕方頃に……、森の方で倒れていた方が。
大分、怪我をされていた様子でした。
今は手当ても済んで、眠っていらっしゃいますが。
[ 何が在ったんでしょうね、と小さく呟く。]
/アーヴァインの私室/
[使用人の少女が包みを持っていって少し経つと、はじめて見る使用人の男性によって、ヘンリエッタはアーヴァインの私室に案内された。
少々奇妙だが、豪奢な調度の整った室内に、はじめてみる館の主がいた。
彼の前のテーブルには、彼女が先ほど渡した包み。
気押されたつもりはない。けれど、僅かに膝が震えた。
促されるままに彼の向かいに座り、ここに来る迄に考えた言葉を頭の中で反芻する。
唇が乾いていた。]
森で……
怪我をして、眠っているとなると、きっととても酷い怪我だったのでしょうね。
……大丈夫かしら
[心配になってしまう。
出て行った少女(ウェンディ)は、頭を下げて見送った]
[牧師に差し出された酒をくいと呷り、少し咽る。]
…いえ、何でも。
[心配そうな様子のメイに短く言葉を返して深くため息。]
後で恨み言のひとつくらい、姉に代わって言ってくるべきでしょうかね、これは…。
…それにしても
[ここに集う面子に思いを廻らせ]
酒好きの牧師に怖がりな少年、訳ありっぽい女性に大人びた少女。
雇われたばかりと言う見習いの少女。
本好きの青年、親戚と言う男、何かを隠してるお嬢さん(と言うと怒られたが)
そして、怪我をした謎の男に…ここの当主の娘、ねぇ。
退屈はしないで済みそうだけど、いつまでここに引き止められんのかね、俺は。
[ため息をつく様子に、やっぱり驚いたんだなぁ、と思いつつ。
記憶の中に残る亡き夫人のことをふと思い出して、何となくため息をつき]
……それも、いいかもね。
[ぽつり、呟いた]
……そう、ですね。
既に鳩は飛ばしたそうですが、連絡がつかないらしく。
明日には、使用人の方が麓の村まで行って医者を呼んでくる、と仰っていました。
[ 話の途中、少女二人がばらばらのタイミングで出て行くのを其々に見送る。……使用人の男が赤髪の少女を案内していく姿を認めれば、感動の親子の再会か、将又修羅場かと思いはしたが。]
[後に、ヘンリエッタは何度もその時のことを思い返す。
なぜ、アーヴァインは何も否定しなかったのだろうと。
証拠など、彼の紋の入った短剣一つ。いくらでも誤魔化すことなどできる。
エッタ自身、認めてもらえるとは思っていなかった。ただ、幾ばくかのお金になるのではないかと思ったから、賭けて見ただけだ。
でも、彼は笑って、ではこの館にいなさいと言った。
彼が何を考えていたのか、エッタにはわからない。]
[座り込んだコーネリアスにやや同情的な表情を向け]
にしても…
[姉に代わって、との声に少し真顔で]
言ってやった方がいいんじゃね?
今まで知らなかったってのは問題だろう。
今まで放っておかれたあの子も気の毒だけど。
[それでも、親が居るということは少なからず幸福だとは思うけれど]
[使用人が赤髪の少女を送るのを見るけれど、部屋に送っていくのかしら。と、思う]
あぁ……それじゃあ、まだ手当てはきちんとできていないのかしら?
でもお医者様が来るなら、そのままにして差し上げた方が良いかもしれないわね。
あまり動かすのも、けが人には酷だもの。
牧師さんも知らなかったのか?
付き合い長いんだろう?
懺悔とか……
[もしアーヴァインがそういう事をしていれば彼が驚くはずもないのだが]
[ ローズマリーの疑問には緩やかに首を傾ける。髪は既にすっかりと乾いていて、肩に掛けていたタオルは今はハーヴェイの手許に在った。]
あくまでも素人ですからね。
……とは云っても、俺がした訳ではないですが。
[ 其の後の言葉には同意するように頷いて、]
ああ、中に入るのならどうぞ。
[邪魔をしてしまったかと、そう付け加える。]
/中/
さて、そろそろ開始時間ですが。
お任せがどう転ぶか、今かーなーり不安です。
まぁ、好きにやるつもりだけどね。
−浴室−
[そして彼は、残してきた広間で何が起こっているのかも知らぬままに、のんびり風呂を楽しんでいた。
たっぷりの湯と広い浴槽に、誰もいないのをいい事に少し泳いでしまったのは、まぁお約束だろう。
今は落ち着いて肩まで浸かり、100まで数えてる最中だ。]
98、99、100…と。
[少しのぼせたのか、上気しきった顔で湯船から上がり、身体を拭いて身支度する。汚れた服はどうせ明日帰るのだからと、くるりと丸めて鞄の底へと突っ込んだ。
洗いざらしの短髪がぴんぴん跳ねているまま、一度部屋に戻って鞄を置こうと浴室を出る。]
……ん〜、また謝り損ねちゃったなぁ。
まぁ、鞄くらい置いてからでも間に合うよね…?
[先程、コーネリアスと廊下で擦れ違ったものの、彼はなにやら考え中で。気付かずに通り過ぎて行ってしまったから。少し早足で、階段へと向かう。]
−廊下→ホール−
ん、でもしないよりは少しの手当ては必要だわ。
[ハーヴェイの言葉には、小さく笑ってしまった。]
ふふ、いいのよ。出来る人がやれば良いのですもの。
旅をしている方なら、手当ての方法を知っているのでしょうね。
あら、別に邪魔なんて思ってないわ。
あなたとこうやって話せて、本当に……嬉しいわ
[心からの気持ちを、告げて、わらう。]
―アーヴァインの私室→廊下―
失礼します。
[扉を閉めて、広間への道を歩き出す。
丁度入れ違いに、使用人が少女を連れて部屋へと向かうのが見えた。何となくその背を見送る]
……娘、ですか…
[奥方の子ではないのだろう。でなければ、わざわざ別の場所で暮らす理由は見当たらない。
元の主人のご友人とはいえ、他人の家のことをあれこれ思うべきではないとは分かっていても、知らず溜息が洩れた]
―…→広間―
じゃ、本人も知らなかった、とか?
…再婚、ねぇ。
[ちらりと困惑したままのコーネリアスを眺め]
呼ばれたのって、この事だったりしてなぁ……。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
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