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呼び寄せたのは果たして何か。
その意を誰一人知る由もないまま、人々は集い始める。
1人目、 マクシーム がやってきました。
マクシームは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
人狼の存在なんてこの集落にはとても馴染みのないものだった。
偶然掘り返された土の中に死体があり、それが獣に喰われた痕跡を残しているだけだろう。
マクシームはそう言った。
この小さな集落で平和に暮らしていた毎日。
お互い見知ったもの同士。
そんなお伽噺の存在が隠れているなんて、と。
人狼なんていない、と。うわさだと否定したマクシームは、しかしどこか不安げでもあった。
相手を見る目は猜疑心を含み、そらされる。
この集落の中の誰かが、人狼なのかもしれない。
花の咲くあたたかな季節、不安・疑い。そういった暗いものが、そこにはたしかに横たわっていた。
+-+-+-+-+-+-+ +-+-+-+-+-+-+
普通の人狼騒ぎが起きる村です。
!Caution! カニバリズム的描写が発生します。
ご注意下さい。
+-+-+-+-+-+-+ +-+-+-+-+-+-+
年齢制限的描写は禁止ではありません
ただし物語の本筋は人狼騒動です。
各PL様の思うとおりに、物語を綴って下さい。
なおグロテスクな描写も主軸ではありません。
必要な分の記入には問題ありません。
すべてにおいて、個々の裁量にお任せいたします。
+-+-+-+-+-+-+ +-+-+-+-+-+-+
[必要な情報について]
すべてwikiにあります。
それ以外にわからない点がありましたら、ご連絡下さい。
└Twitter:@hishou3
なお、基本は白ログが優先となりますが、
状況を見ながら、個々の判断を大切にして下さい。
[禁止事項]
村に対する意識の違いすぎる方の入村はお断りいたします。
└こちらからの質問に答えなかった人物
└問題が起きるとIDを変えて他所に入村する人物
└突然死を繰り返す人物
なお、期間中、時間の余裕がない方もご遠慮下さい。
ぎりぎり大丈夫な生活ではなく、余裕のある生活を心がけましょう。
[PC必要要件]
「一月程前の旅人がいる時、この集落に居たこと」
「全員が最初から知り合いであること」
[プロローグメモ必須要件]
■名前/性別
■身長や容姿等の設定
■既知関係についての言及(知られたい事/隠している事等、記入した人勝ち)
■PLとしての村の健康目標(中バレしない為に暈すのも可。独り言で補足どうぞ)
[NPC・天声について]
これ以上、天声を使ってNPCが話すことは(基本的に)ありません。
好きなように動かして下さい。
なお、NPCはチップ通りのまま扱い、設定をつけた時はメモで報告をすると良いと思います。
[パスワード]
wikiにコメントアウトで記入しました。
+-+-+-+-+-+-+-+
以上となります。
参加者全員にとって楽しい村になりますように**
村の設定が変更されました。
2人目、 カチューシャ がやってきました。
カチューシャは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
お兄ちゃん……そりゃ噂だって思うけど。
でも旅人さん死んじゃってるんだよ。
もしかしたら―― って思わない?
[否定するマクシームを見やり。
小さく言葉を返した。
穏やかな村で見つかったひとつの死。
それにざわめく村の中、彼女は不安げに周囲を見た]
旅人さん、いい人だったのにね……
[一月前にやってきた旅人は旅の話を面白おかしく話してくれた。
それを思い返してため息を零す]
[旅人が死んだのも、埋められていたのも、紛れもない現実で。
獣に食い殺された痕が狼だといいはるには、埋められたということが邪魔をする]
――人狼かあ……
ほんとに、いるのかな……
[兄のマクシームは妹の言葉には返事をせずにそっぽを向いている。
しかたがないなとため息をついて。
他に村の広場に居た人に声をかけてみた**]
/*
一番乗りしてみたsinotakaです。
健康目標は出勤前日は23時寝ること、かな。
他は休日前は夜更かしし過ぎない……ぐらい。
ということでがんばります。
3人目、 キリル がやってきました。
キリルは、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
噂だよ、決まってるだろ?
[ボクは語尾を上げて断言した。
カチューシャが不安げに辺りを見渡している。
とても女の子らしい仕草だと思う。ボクとは大違いだ]
狼が亡骸を荒らしたんだろ。
そりゃあちょっとは……おかしな感じだったけど。
でも獣だって、食べなけりゃ生きていけないんだからね。
[殊更に強く言い切った。
不安げな空気の原因、その話はボクも良く知っている]
せっかくの春なのになあ…
このままじゃ、花見も碌に出来ないじゃないか。
カチューシャのサンドイッチ、楽しみにしていたのにさ。
[小さな村にも花は咲く。
新緑が芽吹き、薄紅色の花弁がやわらかに村の風を彩る。
それを愛でて遊ぶのが、お決まりの春の楽しみ。それなのに]
カチューシャは、人狼がいると思う?この村の中に。
もしも誰かが人狼だったら、殺さなきゃならない。
ずっと、一緒に暮らしてきたのにね。
[本当に、小さな小さな村だ。
ここで生まれ育った者には、この村のみんなが家族みたいだ。
当然ボクもその中に含まれている。
幼馴染の彼女も、その兄であるマクシームも、また]
ボクが人狼だと言ったら、ボクを殺すかい?
人狼を信じるってのは、そういうことさ。…そら。
わおーん!…なーんてね?
[頭に手を当てて、犬みたいな耳をつけてみる。
見返す瞳に、ボクはにやりと笑い*返した*]
/*
一人称ト書きというものに、挑戦しておこうと思って…!
前の村で出たのでね、そんな話がね。
あれ、やったことあったかな…まあいいや。
最後の枠への飛び入りです。よろしくよろしく!!
そうなのかな……
[幼馴染のキリルにも言い切られて、しゅん、と肩を落とした]
森の狼さんたちが落ち着いてくれないと、ゆっくりお花見できないよね。
あたしのサンドイッチ? お花見じゃなくても今度つくろっか?
[祖父母はとうに亡く、両親も数年前の流行病で相次いで亡くなった。
家事を一手に引き受けているから、それなりに料理は得意でもある。
キリルが楽しみにしてくれていたと知れば理由などなくても作ろうというものだ]
うー……
[キリルに具体的に突っ込まれて悔しげにうなりながらにやりとした顔をじーっと見やる]
キリルが人狼だなんて思えないし。
ほかの皆だって、人狼だとは思えないけど……
[途中で言葉が途切れたのは、「阿呆なことばっかり言うな」とばかりに兄マクシームに後ろ頭をたたかれたからだった]
いったーい! お兄ちゃん酷い!
う、そりゃ……そりゃあたしが悪いけど……
でもでも、ほんとにいたりしたら、危険、だよ。
誰かを殺したくなんて、ないけど……死ぬのも怖いよ。
[訴えはあっさり兄に「無責任なことばっかり言ってるからだ」と一刀両断された。
それでも、心にある不安は口をついてでる。
兄マクシームと、幼馴染のキリルの間を視線がいったりきたりして、しゅん、と地面へと落ちた**]
4人目、 ロラン がやってきました。
ロランは、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
[風が花弁を舞い上げて、くるくると踊る。
カタカタと鳴る窓に、ロランは黒い睫毛に縁取られた目を上げた。
膝に置いた本は、つい最近旅人が来た時に貰ったもの。
ふ、と、落ちた溜息と共に、暗い部屋の床板へと落ちた]
…騒がしいな。
[キィ、と高い音が鳴るのは膝の更に下、ロランが座る武骨な色。
左右に銀の輪付いた無機質で硬質な、車椅子の軋み。
片手で器用に操り、窓辺へと寄ると広場が一望出来る。
楽しげに話す人々の色彩を眺め、そっと窓を開ける。
会話の声と共に、遠くで獣が鳴く声が聞こえた気が、した]
5人目、 レイス がやってきました。
レイスは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
殺すだろうな、人狼なら。
[そう、本気で言ったわけではなかった。誰も血の繋がった人間を疑いたい訳ではない。
が、一つだけ失念していた。表情豊かな妹と違って、僕は笑顔を作るのが上手くないらしい。
らしい、というのは僕自身、指摘されて気づいたことだからだ。]
……まあ、そうだとすればの話だ。
[随分と遅れてフォローを入れたが、目が合ったマクシームにはすぐに逸らされてしまった。
噂だ、なんて言いながら、一番不安そうに見えるのは彼だ。と思う。]
ロランは旅人さんの話し、知ってるのかな。
[きょろり、と広場を見渡しても車椅子の姿は見えない。
ロランの家のほうを見て、窓が開いているのを見つけ]
ちょっといってくるね!
[広場にいる人に手を振って、歩き出した]
[窓縁に凭れ、肘を着く様にして外を見ていた。
ふわふわと柔らかそうな髪を揺らして近寄る少女へと、
何時もの胡乱げな、眠そうとも揶揄される視線を向ける]
カチューシャ。
[ひとことに無愛想と言えるだろう表情。
長く共に過ごす者達には、不愉快な訳ではないと知れるだろう]
騒がしいな。
[が、決して上機嫌では無いのもまた、伝わるか]
6人目、 イヴァン がやってきました。
イヴァンは、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
―― 村外れ 墓地 ――
……よし。
[柔らかな土を古びたしゃべるでならし終わるとそう一息ついた。傍ら、新しい土色が見える幽かな土塁の横に、ざしゅっとそれを突き刺し立てる]
あんたの宗派は知らないから、不満があるかもしれないが許してくれよ。あのままよりはなんぼかマシだろう。
[村の外れの墓地。その墓地の外れに作った簡素な墓。
ほぼ森に呑まれたその場所で、帽子を取って胸に当て、その場で軽く黙祷をした]
…だから、今、悼んでた。
[少し口を尖らせる。話しは聞いた、と、眉を寄せた。
トン、と膝の上の本を指で鳴らすのは、音だけが外へと届いて]
獣の仕業だろ。
――火でも炊くと良いかも。
…後、夜の戸締り。
[口内で転がす風の、いつもの喋り口調で言葉を落とす。
チラチラと視線は広場とカチューシャ、そして膝へと行きつ帰りつ]
―― 墓地 → 広場 ――
[一通り済ませれば、道具を担いで村中へと戻っていく。
自分の畑の隅で発見された遺体。残る傷。
事情を知った知己から噂は広がっているのだろう]
…………
[周囲をいつもよりちらりちらりと見ながら歩く]
狼よけをもういちど見ておこう。
[ひとりごちると広場に到着した。
幾人かの人影が目に入る]
今、済ませてきた
[端的に報告した]
――そっか。
[部屋の中から聞こえた小さな音に、彼が旅人から受け取った本を思い浮かべて小さく頷いた。
窓の傍で立ち止まりまっすぐにロランを見る]
やっぱり森の狼さんたちなのかな……
うん、そうだね……火とか、戸締りとか、みんなに伝えておくね。
[ロラン独特のしゃべり方には慣れている。
広場のほうを見る視線にまかせてといわんばかりに頷いた]
――ねえ、ロランはさ……
[考えるように紡いだ言葉は、途中で途切れ]
えと、そうだ。
キリルがお花見したがってたから、お花見は出来ないけどお花見の料理だけ作ろうと思うんだ。
ロランもいる?
[言いかけた言葉は飲み込んだまま。
違うことを問いかけて、どうかなと首をかしげた]
[広場にまた増えた人物の影を見て、目を眇める。
視線はまたカチューシャへと注がれて、烏色の髪を揺らした]
俺は、……――何…?
[消えた問いへと、言葉重ねたのは続く彼女の声でかき消された。
視線はまた広場へと移してから、小さく、頷く]
…――――食べる。
[彼女の料理が旨い事は、良く知って居たから]
[返ってきて当然の疑問にはなんでもない、というように首を振った。
ふわふわと落ち着きのない髪が大きく揺れる]
わかった。
じゃあロランの分も用意するね。
お花見しにはいけないけど、広場の花壇の傍で食べよ。
[にっこり笑って、あのへん、と広場にある、花が咲きほころんでいる花壇を示した]
なら、兄貴のことはボクがこの手で殺してやるよ。
[だから、ふんと鼻を鳴らして笑ってやる。
手を伸ばして、首を絞めるフリまでつけてやった。
そんなことで動じる兄貴でもないのは、知っているけど]
うん?ロラン?
ああ、そうだね。それじゃボクも──…
[カチューシャがもう一人の幼馴染を気にするのに、振り返る。
踏み出した足が止まったのは、もうひとつ声が聞えた所為。
ボクは、自分の顔が綻ぶのを感じてしまう]
…ん。
[花壇、と指差される方向へと視線を向ける。
綺麗に整えられている花々が、風にゆらゆらと揺れていた。
自分と同い年の幼馴染が髪と同じ烏色の眸へと映り込む。
ロランはまた目を眇め、ゆっくりと首を傾けた]
――俺も、外に出るよ。
[人が集まる様子に、膝に置いた本を机の上へと置いて。
キィ、と甲高い音をたてて、車椅子の車輪を片手で回し
一度窓枠から離れてドアへと向かおうと、半身を俯けた]
7人目、 ミハイル がやってきました。
ミハイルは、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
[物音を立てないよう、慎重に。
身を屈め、息を潜め…。]
(…動くなよ……。)
[狙いを定めて―――]
――――パァーーーーン!!!
っし!よーしよしよし。
[持っていた猟銃を背後に回し、ガサガサッと大きな物音を立て、そこへと走り寄る。
仕留めたのはそこそこに大きな鹿。
今夜の夕食は、豪華なものになりそうだ。]
―― 広場 ――
[キリルがこちらにぱっと振り向き駆け寄ってくる。
あまり快くはない作業の鬱屈が残る表情が、少しほころんだ]
そんなに重労働じゃあなかったから大丈夫
[彼女の足取りが鈍くなり、見上げてくる視線が絡む。
物騒な台詞は耳に入っていなかったように、その瞳の色を狼への不安だと見て取った。安心させるように少しかがんで笑う]
それがいいね。きっとあの人は喜ぶと思う。
ただ花を森の奥まで詰みに行くなら声をかけて欲しいな。
[ちらりと横目で村の外に広がる森を見る。
見た遺体のせいかなんとなく狼がざわめいているような気分になっていた。そちらに向ける視線は彼女へのものよりも少し厳しい]
うん。でも、ね…。
[少し眉を下げて首を傾げる。
女の子っぽくないだろうと思うボクにも、イヴァンは優しい。
こんな風に屈まれると、
ボクも、自分が女の子らしく思えて少し落ち着かなくなる。
そわと斜めに視線を逸らしかけて、半分失敗して頷いた]
そうするよ、大丈夫。
庭の…花の枝とかどうかなあ。あの人も綺麗だって言ってた。
満開になるところを見たいって言ってた、だから。
[言葉がいつもよりも出しにくくなる。
もう一度うんと頷いて、それからも一度、つい笑った。
嬉しくなってしまったんだから、仕方ない]
[机を避けて部屋内をゆっくりと移動して、
玄関を出るにはやはり少し、否、多少時間がかかる。
カチューシャが頼まない限り手を出さない事、
それが彼女なりの気の遣い方である事も、良く知って居た]
…――んっ
[玄関の凸凹は何時まで経っても慣れる事が無い。
眉を寄せ眠そうな何時もの表情のまま、ガタリと音を立てた]
人狼の噂か?
[広場に広がる人達の会話は、と、続く言葉紡ぐ事無く
隣に並んで戻るカチューシャへと問いを置く]
―森―
[獲物を抱えて集落への道を辿る。
遠巻きにこちらを伺うような視線。
銃を見せつけるようにして、歩みを進める。]
…いくら血の臭いがするからって。
[あの銃声を聞いていなかった筈はないのだが。]
/*
もうゆえるんさんをみつけたきがするの。
てかみんな広場にいるのか。
相変わらずの人見知りPLですサーセン。
毎回最初は必ずソロールです。
…ってかみんな…若いな…。
[ロランを待っている間に、森のほうから銃声が一つ。
村で猟師のようなことをやっている人を連想して森のほうへと一度視線を向けた。
玄関で車椅子が不器用な音を立てるのに、ロランへと視線を戻し]
――っ
うん……
[傍らに並んで歩き出したときに、飲み込んだ問いを口にされて息を飲んだ。
そっとため息をつくように頷いて]
お兄ちゃんは噂だって決め付けてるの。
キリルは冗談だと思ってるみたいで……レイスさんは人狼なら殺すっていってたけど……
[それを冗談だとしたキリルとのやり取りは見ていたけれど。
それでもその時はちょっと怖かったから、それを思い出して視線を落とした]
―― 広場 ――
うん。そうやって心配してくれるのはちょっと嬉しいから。
それで割と充分。
[そわそわして視線をそらすキリルが可愛い。
思わず手を伸ばして頭をなでようとしてみた。
奥から彼女の兄がいるのを見て少し躊躇は見せたけれど、それでも彼女から拒否されないならば]
そっか。良い考えだと思う。
一番みばのいいのを切って送ろう。
隣に少しスペースがあったから、いつか植えてみてもいいかもね。
[言いにくそうな話方と、漏れる笑み。
彼女からなされた提案には首を左右に振った]
キリルと一緒で嫌なもんか。
あの人は可愛そうだと思うけど、正直、この村の人でなくて良かったとも思ってしまってるくらいだから。申し訳ないけどね。
[あの人の死を悼んでも、笑うことをやめる気はあまりなかった。ふるりともう一巡りだけ視線を森に走らせると、彼女と目を合わせて]
森……、ああ。
リトヴィノフさんも、また狩をしているのかな。
あれだけの狩人がいれば、狼もじきに大人しくなるよね。
獣だって、いくらなんでもそこまで馬鹿じゃないだろ?
あれ格好いいんだよなあ。
今度こそ、ボクもちょっと習ってみようかなあ。
[微かに響いた銃声は、良く森で狩をする男のものだろう。
そう当たりをつけて、思うところを口にする。
銃は前にも扱ってみたいと、ごく軽く言ったことがある。
けれど、結局は危ないと周囲に止められてしまったのだったか]
8人目、 イライダ がやってきました。
イライダは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
人狼なんて、そんなのいるわけないじゃない。
ただの御伽噺。
[旅人が喰らわれていたと聞いたのはマクシームからだった。
人狼について言及する彼を、イライダはそう一蹴した]
掘られて埋められていたなんて、もしかしたら彼と合流した誰かが、勢いあまって殺して、なんてこともあったのかもしれないでしょう。
森の中に逃げたのなら、犯人だって無事だとは思わないけれど。
だって死肉を喰らうほど、狼は飢えているってことでしょう。
それとも逃げ切ったから、飢えているの。
――でも、それは私たちにはわからないこと。そうでしょう。
[そうして、そっとため息を吐いた]
私は帰るわ。日課がまだなの。
気を使う必要なんてないのよ。もう五年経ったんだから。
―広場―
[自宅への道中、集落の広場を通りがかった。
自分よりも年若い者たちが集い、他愛もない話…というには少し空気が沈んでいたように思う。]
…よぉ。
[短く挨拶をし、自分にいち早く気付いていたであろう車椅子の彼に視線を投げる。]
[一人で暮らす家は他と比べて小さいというわけでもない。
もともとイライダの両親が住み、彼女自身も十歳までは此処に居た。
親に連れられ、遠い町で暮らし、そして親が死に戻ってきた時、隣には男がいた。
その間には小さな子供。
二人とも今はない。
五年前に病を貰い、花の咲く前に命を終わらせてしまった。
墓地には、この二人が眠っている。
一年ほどはあまり表情を出さなかったが、もう今では昔のように笑い、話す。
夫と揃いで買った指輪はまだ左手にあるけれど。
気を使うようなマクシームに、さっさと行きなさいなんて言って。
部屋の掃除と、そして彼らへの祈りを今日も捧げていた]
…大漁だな。
[ミハイルの挨拶に、片手だけ小さく上げて見せる。
胡乱げな視線は背負う鹿へと向けられ、小さく顔を傾ける。
想うはその鹿の腿の燻製が旨かった事。
旨い肉と、料理の上手な少女がこの場に居る。
ただそれを想うだけで、言葉を続ける事は無かったが]
…ふふ、ありがと。
ボクもちょっとだけ良かったと思っている、かな。
うん、ちょっとだけ…ちょっとだけね。
やっぱり、村のみんなだったら誰でも嫌だ。
だってみんなが大切過ぎて、ボク困るよ。
[迷って手を伸ばした。
ぎゅ。と、イヴァンの服の裾を掴む手に気持ちを篭める]
ありがと、イヴァン。
[その笑顔が嬉しい。だから]
9人目、 ユーリー がやってきました。
ユーリーは、占い師 を希望しました(他の人には見えません)。
―― 墓地 ――
[新しい土色の簡素な墓はイヴァンの手によるもの。
此処に弔われると聞いていた男は墓の前に葡萄酒の瓶を置いた]
飲みたいと言ってただろ?
約束通り持ってきた。
[薄い琥珀色が瓶の中で波打つ。
旅人は赤が好きだと言っていたが
血を思わせる色を供えるのは忍びなく白を選んだ]
こっちも口に合うといいけど――…
[声は途切れ深い溜息が零れる]
―― 広場 ――
[家から出ようとしている車椅子を取り巻く人影は、遠めにようやく見えてきていた]
……………。
[レイスが離れる様子に、ぺこりと一礼を。
気を使わせたことに申し訳ないと思うが、少しばかり照れくさい。村を離れている間に皆どんどん大人になって、特にキリルに子どもの頃とは違うときめきを覚えて行って、しばらく逡巡した末ようやく想いが通じたばかりだった]
……………!
[裾を掴む手。小さく囁かれた声。
真っ赤になって自分の掌を彼女の手に添えた]
ああ、もう。それはかなり反則だ。
キリル。おれも、おれもだ。大好きだよ。
[かなり早口になった。最後はやっぱり他の人に聞こえない程度に低かった]
村の設定が変更されました。
……ん。
[ミハイルの笑みに、本当に僅かに口端を上げる。
カチューシャを振り返り、視線をまた辺りへと向けた。
車椅子の上、膝掛けの上に置かれた手がトンと膝を叩き]
ユーリー以外は、か。
[菜食主義の男の名を、少し悪戯めいて添える]
/*
こんばんは、ラス2という村建てです。
キャラが。
キャラが行方不明です(最初から終わってる)
本当はフィグネリアさんでやろうと思ったんだけどこの口調はイライダだろうっていう。
胸はあります。肉付きも悪くないです。いいよねお色気お姉さん。
じゃなくて。
久々の人狼です。どうぞお手柔らかにw
あ、ほんとだ、おっきいね。
[ミハイルに会釈をして、ロランの隣から獲物を見る。
その大きさになるほどと頷いて]
分けてもらえるなら、ありがたくいただきます。
いつもミハイルさんには獲物分けてもらっちゃってますから、
今回もご飯、作りに行きましょうか?
[年上の人を見上げて尋ねた。
獲物を分けてもらう日はいつもそうしている。
ロランにもいる?というような視線を向けた。
兄がイライダへと声をかけるところは見ていなかったけれど。
それでも兄の未亡人への憧れというかなんと言うかな感情は、妹はまるっとお見通しだったので声をかけているのをみても生暖かく見守るだけだったという]
[ロランの車椅子が見える。
ふわふわと揺れる軽やかなカチューシャの髪も、
得物を抱えて帰ってきたミハイルの姿も見えていた、けれど]
は、反則はイヴァンだって。
だって……、もう。
[添えられた手が熱い。
見返す彼の頬も赤く染まっているのに、
ほんの少しの安堵を得て、ボクは赤い顔のまま少し笑った]
あ、みんな来たね。いこ…っ!
[イヴァンの手を、きゅっと握る。
でも人前では恥ずかしいから、ボクからは離してしまう。
繋がれたままなら振り解くことなんて、絶対ないけど]
ロラン!出てきたんだね。
リトヴィノフさんも、大漁だなあ。お疲れさま!
[殊更に元気な声を出して、ボクは照れくささを誤魔化した。
成功したかは良く分からないけど]
[用意する食事は三人分。とはいっても二人分に手をつけられることもない。
切った花を整えて、ぶかぶかの指輪と小さな紐をよった腕輪をそっと陽にあてる。
祈りの言葉を小さくこぼせばそこで日課は終わり。
広場の方が騒がしいのに漸く気付けば、そっと立ち上がり、引き出しの中に形見をしまうと、外へと出た。
集まる人々に、眉を寄せる。
ちなみにマクシームの視線の中に潜む憧れは、知っているのかいないのか、まったくもって脈がない対応なのもいつものことだったりもする]
―― 広場 ――
じゃ、反則同士で共犯だ。
一緒に審判に怒られよう
[そんな風に幸せ噛み締める。でも気がつけば(周囲に目が行くようになれば)お天道様も空高く、ここは開けた空間だった]
…………。
[後悔は全くしてないけれど、頬の赤みが加速して、かなりいたたまれなくはなった。添えた手を一度ぎゅっと握ってから名残惜しげに離してしまった]
やあ。
お疲れ様です。
こっちも無事に終えてきましたよ。
[ロランたちには片手を上げて挨拶。
ミハイルを見れば、森にいっていたのだろうとあたりをつけていた]
[キリルの元気な声に、視線を向ける。
イヴァンと共に居る様子に、膝の上で手を上げるに留め
視線をすぐに逸らしてしまうのは、何時もの事ではあるが
一応ロランなりに最大限に気を遣っている心算だ。
ミハイルへと視線を戻し、口の中で言葉を転がす]
…――狼が荒れているのは、珍しい事?
[彼がカチューシャに冗談らしきを言い笑い声あげるを聞き
視線は変わらずふらふらと、蝶のそれの如くに彷徨う。
レイスの姿が見えれば、熱冷ましを貰わないと、と、
思い出す事もあり、暫し視線をそこに留めた]
―― 墓地 ――
[遠く獣の啼く声が聞こえた気がして男は森の方へと顔を向ける。
耳をそばだて其方に意識を集中させた。
暫くそうしていたが、男はゆると左右に頭を振る]
気にしすぎ、だろ。
[自嘲するように呟いた。
旅人の墓へと向き直ると]
せめて安らかに……
[祈る仕草をみせ目を閉じる]
[男は不意に柳眉を寄せて目を開けた。
軽く握った拳で鼻の頭を押さえる。
堪えきれぬむず痒さを覚え]
……くしゅ、…風邪、か?、
誰か噂してるわけじゃないよな。
[難しい顔をしたまま独り言ちた。
広場で噂されているなど知りもしない]
わあ。これを料理するの大変だね。
ええと……カチューシャさ、これやるんだろ?
一緒にやろう、っか…?
[良く獲物を分けてくれるミハイルは、今回もそう言うだろう。
そしてそれを料理するのは、女の役目。本来はそうだ。
けれどボクは、そこのところがまるで自信ない。
でもそうも言っていられない危機感はあったから、声を出す。
手伝うというより、彼女にはほぼ助手だろう。それでいい]
いや、教えてくれたら嬉しいかなあって。
[何となく付け足す。
我ながらちょっと、低く深刻な口調になってしまった]
[なんとなく声はかけずらく、そのまま墓地に行こうかと悩んでいたとき。
名を呼ぶ声が届いて、ふわりと笑みを浮かべ、彼のほうへと近づいて]
レイス。
皆集まって、人狼の話をしているの?
マクシームにさっき言われたの。
[少し難しい顔になって。それから首を振る]
でも、人狼なんて御伽噺よ。
…旅人さんのお参りに行った?
―― 広場 ――
あ、これは見事な。
ご馳走してもらっちゃっていいんですか。
[近くまで行けば、鹿の大きさが分かる。
目を見張った。悪いなぁと言いつつも、割と遠慮する気のないようす]
[カチューシャが手を振ってくれたほうに視線を返して]
これ、カチューシャが料理する?
必要な野菜があれば、言ってくれれば新鮮なのをうちから少し持ってくるけど。
[どうする、と彼女に聞いてみる。
メインは花畑だが、自分で食べる分くらいの野菜畑も作っていた]
[イヴァン>>62の終ったという言葉にちょっと瞳を伏せる。
狼に関する話をするロランたちから離れて、キリルの珍しい言葉>>68に瞳を瞬かせた]
うん、いつもどおり、ね。
キリルが手伝いたいって珍しいね。
[きょとんと瞬いて。
教えてほしいとまで言い出すのに、ちらりとイヴァンのほうに視線を向けた]
じゃ、一緒にがんばろう。
[にこりと笑って頷く。
幼馴染の恋は素直に応援するけれど、そうやって思いあえる相手がいることは羨ましくもあった]
ありがとう、イヴァンさん。
野菜、分けてもらえるのなら――
[そして必要なものを告げる。
鹿肉の、堅い脛肉とかは煮込みに回すからそれようの根菜だとか、サラダ用の菜っ葉だとか、すらすらと出てくるのだった]
―― 広場 ――
まぁ、狼が襲ってきたらと思えばなかなか心落ち着いてばかりもいられないさ。だけど、大丈夫だよ。さすがに村の中にまでは入ってこないと思う。
雨でも降るんだろ。そのうち落ち着くさ。
ね、ミハイルさん。
[ロランの様子を見て、少し安心させるように言った。
そばのミハイルにも同意を求めてみる]
キリル。怪我だけしないでね。こいつ随分大きいから。
頑張れ。
[キリルの申し出と、カチューシャの視線。
ついつい嬉しくなって口元が綻ぶ。自意識過剰だろうか。
それでも楽しい。上機嫌でカチューシャの注文の野菜をメモをした]
了解。カチューシャの家にきっちり届けておく。
キリル、また後でね
[少しばかり歩き両親の眠る墓の前で屈む]
花でも貰ってくれば良かったか。
[命日には幼馴染に花を見繕って貰うが
今日は其の日でないから用意は無かった。
疎らに生えた草をむしり墓の手入れをして
男は両親に心の中で語りかける]
[日々のささやかな出来事。
幼馴染に恋人が出来た事。
それから、旅人が獣に襲われたらしい事。
他に過ぎる思いはあれど
それは心の中でさえ言葉にならぬまま]
―― 広場 → 畑(自分の家) ――
[広場の面子には、軽くそう挨拶をして帰路につく]
[自分の家は、墓地とは反対側の村外れにあった。
その周囲には一面に広がる黄色い花畑。今の時期は花弁が黄色いが、やがてこれらは徐々に徐々に赤い花弁へと変化する]
[そんな花は、盛りの時に摘んで加工してしまう。
やり方によって生薬や染料、油の原料に出来るのだ。
特に大きくやってはいないが、昔からこの村で代々続けてきていた農業だ]
[両親への挨拶を終えると男は立ち上がり手をはたく。
手に残る土は落としきれない。
墓地の片隅にある水場までゆくと其処で水を汲み手を洗う]
大分温んできたな。
[冬のように凍りつくような冷たさはない。
水からも春を感じられるけれど
深い山の中にあるこの集落の水はひんやりと心地よかった]
[今は違うと聞けば、少しほっとしたよう。
振り返るその視線を追い、そちらへと向いて。
ロランの視線にはわずかにレイスを見たけれど、何か言うことはなく]
御伽噺よ。
人狼なんて、いてたまるもんですか。
皆、一緒に暮らしている人間じゃない。
[そう言って笑い。
まだだというのには、それなら、と視線を墓地へとやって]
一緒に行く?
墓参りに行こうと思っていたところだから。
―― 畑 ――
…………人狼、か。
[ふと足を止めた。
畑の隅に酷く掘り返された箇所がある。
その周囲の花は無残にもなぎ倒され、いくつも獣の足跡がついている]
…………
[狼の嫌う香料をそこに撒くと、真剣な顔で何かを考え込むようにしばしたたずんでいた**]
まだ…とかさ。何だか嫌。
そりゃあ、狼がおかしくなっているなら困るけど。
リトヴィノフさんが言うなら、
本当に狼が変なのかも知れないけどさ。
そのうち、本当に人狼が出てきちゃったりは、
しないと…思うけれど。
[でも嫌。と繰り返して、幼馴染に口を尖らせる。
イヴァンには笑顔で手を振り返してみせたけど、
そのあとの表情は曇ってしまった]
テンションがあがってるつーか、なんかソワソワしてる感じだな。
用心しときゃ、鍵ぶっ壊してまで入ってくるヤツぁいねぇよ。
広場に火、か…。それも考えた方がいいかもな。
自衛しといた方が、俺等もアイツ等も幸せだろうよ。
[ロランの言ったこと>>77に、顎を手で摩りながら答える。
何かあってからでは遅いし、集落に入って来さえしなければこの銃で撃つということもしないで済む。
動物が憎くて狩猟をしている訳ではないのだ。
最低限、食すためだけに。]
平気ならいいんだけどよ…。
[頭をゆるく振るロランに、それ以上体調に関しては口出ししなかった。**]
取りあえず、戸締りと火だっけ?
ならボクも兄貴に言っとく。ボクも手伝えるしね。
雨だか知らないけどさ、早く落ち着いて欲しいよ。
雰囲気悪くて仕方ないしね。
……ん。
[言い募る、その言葉を落ち着かせる感触がある。
ぽんと背を叩かれる、その時に高く車輪の音が響いた。
どこか不安になる金具の音に、ちらと幼馴染のロランを見下ろす]
嗚呼。
[きっぱりと言い切るイライダは、昔と変わらないように思える。
今も日課は続けているようだけれど、一時は立ち直れないのではと思っていたから、少し安堵した。
残念ながら、表情にはあまり出ていないのだろうけれど。]
そうだな。……行こうか。
[妹の誘いは断ったとはいえ、いずれは行くつもりだった。
今から行ってもそう遅い時間にはならないだろう。だから誘いには頷いた。]
[ミハイルが告げる狼の行動には、不安そうな表情になる。
ロランがキリルを宥めるのを見ながら、一つため息を零して]
――怖いね。
[小さくつぶやき、ふるふると首を振った]
ね、ミハイルさん、どこもらってったらいいですか?
あと料理の希望とか、ありますか?
[気持ちを切り替えるように問いかけ。
兄の姿が見えたら狼対策は兄マクシームに丸投げて。
ミハイルから分けてもらった鹿肉を手に、キリルには趾で来るようにと告げて一度家に帰るのだった**]
[一度落とした視線を上げて、カチューシャを見る。
うんと頷いた。前のボクなら、絶対に言わなかったこと。
その内心も、彼女には見抜かれてしまっているんだろう。
何せ唯一、年頃の同性の幼馴染なのだから]
ふふ…。兄貴はほんと、表情変わらないけどね。
でも美味しいものを出せばね…うん。
やっぱり嬉しいものだからさ。
ありがと。
カチューシャがそう言ってくれて、嬉しい。
[彼女の視線がイヴァンにまで向くのは照れくさいけど。
ボクは素直に礼を言って、頭を下げた]
[心配をかけた、とか、そういうことは誰にも言わなかった。
謝罪することはないけれど、昔のように戻れば大丈夫だろうと。
そういう考えもあり。
だから、気を使わせているのかもしれないと考えつつも、
気にしないでという代わりに、いつものように笑って]
こんな小さな場所だもの。
きっと外部犯よ。
じゃあ、一緒に行きましょう。
祈りの気持ちだけで、きっと十分。
皆で来る時とか、後で誰かが花も持っていくことでしょうし。
[言いながら墓地のほうへ、自分のペースで足を進める。
レイスが早く歩いたりすれば文句の一つでも言うわけだが。
自分からそろえようなんて思ってもない様子]
― →墓地 ―
[そして墓地に辿り着けばそこにユーリーの姿を認めることになる]
[不機嫌そうなまま車輪を動かしてその場に背を向け、
また、悲鳴にも似た車輪の音を立てて広場を後にした]
心配しすぎ。
…おじさんくさい。
[ミハイルの心配げに聞こえた言葉に、
悪意無いと判る口調での八当たりを*置いて*]
―― 墓地 ――
[墓参りを済ませた男が墓地を出ようとした踏み出した矢先
前からイライダとレイスがやってくるのが見えて
二人の傍まで歩み寄り、足を止める]
やあ。
二人も御参りに?
[水気の残る手を軽く掲げて声を掛けた]
わかった。それじゃ、あとでね。
[気分を切り替えるカチューシャの口調に同調するように、
ボクも同じく口調を少し切り替えた。
車椅子の幼馴染の仕草には、少しの間視線を置く]
ロラン。あとでうちに来る?
きっと、兄貴も戻って来てると思うし。
[誘いだけかけて、ボクも一度自宅へと足を向ける。
空が青い。爽やかな春の空気に、ボクは深い息を*落とした*]
人狼なんて話より、よっぽど信憑性があるわよ。
[そんな風に言葉も添えたりはした。
どちらにせよ、眉唾物の話だけれど。と。
少し後ろのレイスに微笑み、たまに少し振り返って話したりしつつ辿り着いた墓地。
声をかけられて、笑った]
そうよ、ユーリー。
なんて言っても、旅人さんより旦那と子供を優先するけどね。
あなたはお参り、終わったところ?
[笑って言うと、そんな風に問いかけて]
旅人さん、残念だったわね。
[レイスからの短い応えに男は目を細める]
そう。
[葡萄酒の瓶が置かれた新しい墓をつと指差し]
あそこがそうだ。
[目的の場所を示してみせた。
イライダの笑みに言葉に思わず苦笑を浮かべる]
嗚呼、僕は親不孝だね。
両親よりも旅人の御参りを優先させてしまった。
[大仰な口振りには軽口のような響きが混じる。
暗い空気を作りたくないという思いが表れたか。
残念という彼女の声に同意の頷きを向け]
――…本当に。
お供え持ってきてたのね。偉いわ。
私、手ぶらできちゃったもの。
[示された場所を見て、そこにある葡萄酒に思わずといった様子で言葉を重ねる。
墓地という場所には合わないけれど、笑って]
あなたは旅人さんと親しくしていたんでしょう。
なら当然だと思う。ご両親はわかっているんじゃないかしら。
私はあまりお話していなかったもの。
――マクシームが人狼の仕業なんじゃないかって言うのよ。
御伽噺も良いところだわ。
[困った、と言いたげに眉を寄せて。ね。なんてレイスにも同意を求めたりして]
でも、今は犯人探しより、しっかりと弔わなくてはね。無念だったことでしょうし。
お酒も生きて飲めたら、良かったのにね。
[鮮やかに彩られたイライダのくちびるが弧を描けば
彼女の華やかさを際立てるようだった。
偉いと言われればはたと瞬きをして]
子供の頃とは違って
少しは気が利くようになっただろう?
[首を傾げ尋ねる仕草をみせる]
……ああ、酒を飲みながら外の話を聞くのは
なかなか楽しくて、つい、ね。
[親しく接していた理由をぽつと呟き]
キミが来て呉れただけでも喜ぶんじゃないかな。
――…は、マクシームがそんな事を?
人狼なんてお伽噺だろうに。
[軽く肩を竦める。
犯人探しよりと続けられた言葉にはふと目を伏せ寂しげな色を過ぎらせた]
――…邪魔をしてしまったね。
僕はそろそろ行くよ。
[レイスとイライダの二人を足止めしてしまった事を詫び
男はゆると頭を下げる]
あんな事があったばかりだ。
余り遅くならないように、……
……と、騎士がついてるなら大丈夫か。
けれど、用心するに越した事はない。
[レイスへと視線向けるが揶揄ゆるような響きはなく
ただ案じるように言葉を残し男は再び歩みだす**]
子供の頃と比べているようじゃまだまだ、なんてね。
嘘よ。良い男になったじゃない。
町に行ったら、きっと若い女の子にナンパされるわ。
[からかい含む調子で言って。つぶやく言葉に、そう、と頷き]
そういう相手が、亡くなるのは辛いわね。
[元気を出せとかそういう言葉はない。変わりに手を伸ばして、ふと止まり]
――本当、大きく育っちゃったわよねぇ。
[呟くようにいう。もちろんレイスも見た。
そんなぼやきの後に、ぽんぽん、と二回、軽く腕を慰めるように叩こうと]
今度皆で一緒に飲みましょうか。ここで、少しでも。
なぁに、うまいことを言うわねえ。喜んでくれるなら良いけれど。
[手が届くにせよ、届かないにせよ、笑ってそう告げる。
御伽噺というのには、そうよねぇ、なんてしっかりと頷いた]
[寂しげな様子には、言葉を続けることはなかった。
死の壁は大きいと知るからこそ]
――邪魔なんかじゃないわよ、ユーリー。
こちらこそ、帰る邪魔をしてごめんね。
あなたも気をつけて帰るのよ。
大丈夫、遅くならないし、レイスは頼りになるわ。
でも、ありがとう。
[墓地を去るのを見送って、それからレイスと墓参りを済ませるのだろう。
来た時は最初に慣れた墓を見るつもりだったのだが、順序は逆になった**]
[歩みだす少し前。
イライダのからかうような言葉に微かに苦い顔]
意地悪だね。
その言葉が本心なら僕は嬉しいけど。
町に行くのは止めておこうかな。
[異性に興味がないわけではないが
揶揄る響きに気付き軽く肩を竦める。
大きくなった、との言葉の後、彼女の手が軽く腕に触れる。
慰めようという彼女の気持ちには気付いたようで]
僕らも、もう大人だからね。
――……
[時を重ねる毎に艶を増す彼女を見詰め
僅か困ったように目を細め何も言わぬまま
ふ、と笑みにも似た表情を過ぎらせた]
嗚呼、皆で一緒に。
此処でなくとも…、いつか近いうちに。
[イライダの提案に頷いて]
邪魔なんかじゃないよ。
[彼女と同じ言葉を返し表情を緩めた]
そうだね。
僕も気をつけるよ。
こちらこそ、ありがとう。
[声掛けた時と同じように軽く手を掲げ
すれ違い様にひら、と振る。
暫し歩んだ先で、一度振り向き墓地にいる二人を見遣るが
ゆると首を振りそのまま広場の方へと歩み行く**]
[遠くから嫁いできた母は、花弁の色が変わるこの花を血吸い花と呼び嫌悪していた。代々の生活を誇る祖母や祖父とそんな彼女が合うはずもなく、幼少期からたった一人の跡取り息子はあちらへこちらへ綱引きのよう]
[やれお大臣になる勉強を。やれ家の手伝いを。
日々忙しく引っ張りまわされ、それでもぺしゃんとつぶれなかったのはマクシームやユーリーがそれらを抜け出し遊びに行くのを手伝ってくれたからだろう]
[結局盛大な嫁姑戦争は、祖父の死とドラ息子の落第による卒業不可が相次いだことで一応の終焉を見た]
[穏やかで平和な日々だった。
家族のトラウマでキリル以外の女性は得意でなかったが、一度村を離れたことでだいぶふっきれ、彼女とも懇意になれた。ここ最近は幸福の絶頂だった]
それじゃあ、今年の紅は濃くなるんだろうか
[手の中で根元が赤くなりはじめていた花を弄ぶ**]
/*
なんかみんな可愛いなー。
頭撫でてやりたいけどイライダはそんなに背が高くない。
そして憧れられてるとかそういうような視線にはなんとなく気付くけれど、
イライダ、思ったより旦那一筋だった。
[視線落とした後、名呼ぶ声にはっと顔を上げた。
その表情に既に笑みらしきはもう、欠片も無く]
…何。
[一度眉を寄せた後、ぽつりと呟きのような声。
女の子らしくない、と気にしている風な幼馴染を見上げ
きゅ、と、車椅子の車輪を握る手に力を籠める]
――変な顔。
[迷う様相の続かぬ言葉に、むすっとした侭に呟いた]
[はらりと視界の端を、黄色い花弁が風に舞う。
春の色映した花の色、常には心浮き立つはずの色にも、
今は目を向けずに幼馴染の前に立つ。
見上げる烏色の瞳の表情に、ボクは思わず唇の端を下げた。
少し力入るときの癖。昔からの癖だ]
さっきの態度。気になったから。
[車椅子を握る手に、何気なく視線を落とす。
地面を踏みしめるボクの足と、おんなじだ。
そう思って言葉を続けようと息を吸い込んだところへ、]
…っ、関係ないだろっ!
[意地悪な言葉が聞えて、ボクは思わず言い返した。
むっと、ますます口がへの字に曲がったのを自覚する。
悔しいから、両手を自分の頬に当てた。…これで大丈夫]
ロランが変だから、こういう顔になる。
[じとりと、幼馴染の黒い目を睨んだ]
[ミハイルから分けてもらった肉はとりあえず二人分だけだった。
全部を解体するには時間が短すぎて。
野菜を家に届けてくれるといったイヴァンの言葉もあってまずはそれだけもってかえる。
兄はほかのところもに話をしにいっていたようだった]
あ、お兄ちゃん。
ミハイルさんとロランが狼対策のこと話してたよ。
[家に帰る途中で見つけたマクシームに声をかけて、手伝うように言えば、それぐらいならと頷くのが見える]
うん、あたしはミハイルさんとロランに料理つくりにいってくるから、宜しく。
[手伝うために広場に向かう兄の背を見送って、一度家の中へと入った]
…俺の態度だって、関係ないだろ。
[キリルが言い返すのに、胡乱げな烏色向けて言い返す。
睨み来る彼女の顔、口端があがるのはほんの微かだが
村にいるもの達にはその変化も読み取れるのだろう]
俺が変なのはいつもの事。
知ってるだろ。
[自嘲めいた言葉を零すのは、いつもの事]
――…知ってるだろ。
どうせ何かあったらまず死ぬのは俺さ。
逃げられやしないだろ。
[続けた言葉は、人狼騒ぎの事について。
ふと向けた視線の先、広場の真ん中に篝火炊くため、
マクシームが台を組もうと丸太を運んでいるのが見えた。
逃げられやしない、手伝っても邪魔になる。
表情薄く意識はキリルに向けた侭、彼の動きを目で追った]
関係ないけど気になったから、ここにいる。
[ボクは負けじと言い返した。
幼馴染のこんな態度には慣れっこだ。
ほんの僅か、笑みの形に唇の端が上がるのを認めても、
ボクは両手を頬から外さなかった。
気を抜くと、また唇の両端が下がってへの字になる]
いつもより変だったからだよ。
いつもと同じくらい変なら、気にしていない。
…。ロランも噂信じてるの。
[烏色の瞳が広場へと向けられる。
その視線を追った見た光景に、ボクは軽く眉を顰めた。
篝火焚く広場の様子は活気があって、一見祭りの来るかのよう。
けれど決して、祭りのように明るいものではない]
それじゃ、騒ぎが収まるまでボクかカチューシャの家に来れば?
誰かいれば大丈夫だろ、狼なら。
逃げるのだって、手があればまるで違う。
[視線を広場から幼馴染へと戻す。
ボクよりもずっと濃い黒髪が、陽を弾いて綺麗に揺れた]
[更に言い返してくる気配に、肩を小さく竦める。
車輪握った手を、膝の上へと乗せて落ち着かせた]
信じてるというか…
――俺は楽観的な思考が欠如してるから。
[あの旅人のくれた本は、今でも家の机の上。
かの人が此処にいたのはどれくらいだっただろう、
それでも外の話を沢山聞くことが出来た事はとても最近に感じる]
キリルかカチューシャの所に?
[いくら幼馴染とは言え、車椅子とは言え。
視線を頬に手当てたままの幼馴染へと向け直し首を傾け]
…イヴァンとマクシームに怒られる。
[やんわりと頭を横に振った]
/*
ここで転落事故に関わりに行ったらどうなるか。
どうなるか!!!
既に縁故貰いすぎですかね、そうですかね。そうかも知れんww
― 自宅 ―
[キッチンで鹿肉の下処理をしながら、キリル>>23が直してくれるといっていた戸棚をみる。
食器棚の一部、下段の扉のたてつけが悪くなっていた。
マクシームでも直せるのに、家の中のことはサボる兄を思い返して小さく吐息を零す]
キリルが直してくれるって言ってたから、いいか。
でも、あのキリルが、ねえ……
[料理が苦手だった幼馴染が手伝いたいと言い出した事を思い返し。
その様子>>94を思い返してしみじみつぶやいた]
恋ってほんとすごい。
どこまで教えられるか分からないけど、とりあえずレイスさんの表情が変わるところ見てみたいから、がんばろっと。
[キリルの兄の笑顔はほとんど見たことはない。
お花見とかで一緒してても、他の人と話していて視線がそれている間に、とかだったりするからだった]
…あの人だって、ただ死んだわけじゃない。
獣だって食べなきゃ生きていけないから、食べられた。
それだけだろ?ボクたちが鹿を食べるのと同じ。
[僅かに首を振って、考えながら言葉を紡ぐ。
思考の先を追って、幼馴染の指先へと何気なく視線を向けた。
骨ばった手が膝の上に添えられている]
っ、どうしてさ。
イヴァンは怒らないよ、ちゃんと知ってるもの。
兄貴だってきっと嫌がらない。
マクシームだってカチューシャだってそうだ。
だってずっと、きょうだいみたいにして来ただろ?
[言い募る。眉に力が入って、唇の端がぎゅっと落ちた。
だから対抗するように、両手で両頬を押さえる。
ボクは全力で、車椅子の幼馴染を睨みつけた。
けれどふと、その力が…抜ける。
口を開こうとした。けれども言い出せなくてまた閉じた。
多分さっきよりも、情けない変な顔になってしまった]
…でも、
[キリルの言葉に、反論を返そうとして。
首を振る様子に続く言葉は紡がずに胃へと落とした。
小さく喉が鳴る。
視線は幼馴染の料理の下手な方を見上げた侭にじっと]
――ん。
[息を、吐く]
[全力で睨み、早口で捲し立てるように言う彼女。
対照的に、感情薄い表情のまま、じっと見上げていた。
彼女が頬を抑える手に力を籠める様子。
そして、その力を抜く、表情も]
…何。
[情けないそれに、少しばかり怪訝な顔をした]
あ。
ミハイルさんにお肉持ってきてもらうよう頼むの忘れてた。
――イヴァンさんもまだみたいだし、ちょっと行ってこよう。
[パン種を作ってる途中でふと思い出した。
たぶん言わなくても、いつものように持ってきてくれるはずだけれど、ちゃんと頼んでおきたくもある。
パン種をこねて、発酵させるために暫し置く時間を利用してもう一度外に出る]
ミハイルさん、おうちに戻っちゃったかな。
[広場のほうへと視線を向けたあと、とりあえず歩き出した**]
でも──…?
[幼馴染の口噤む様子に、ごく小さく首を傾げた。
言葉飲み込む様に疑問の色を向けていたのは少しの間、
続いて向けられる烏色の双眸に、今度はこっちの言葉が詰まる]
………うう。
…ねえ、ロラン。
もしかして、さ。まだ怒ってたりする…かな。
[ひどく曖昧な問いを口にした。
口にしたのは随分大昔の話だ。もう14年前。
幼い頃の話。山に行くと言った幼馴染におねだりをした。
山に咲く白い花、斜面に咲く花が庭に欲しいと我儘言った。
彼が何故大怪我をしたのか、本当の事情までは知らないけど、
ボクは、危険を彼に唆した自分を良く知っている]
だからさ…。だからかと思って。
[違うと思う。そうじゃなきゃ背など叩いてくれないだろう。
それでも不機嫌な表情に、渋る様子に思考は負へと傾く。
ボクは向けていられなくなった視線を、地面に落とした]
[あれから。ボクは歩き回るようになった。
元々嫌いじゃなかったけれども、森へだって行く。
兄貴の使う薬草を集めるのだって得意だし、
男の子のするような日曜大工だって、多少の自信は持っている。
それで料理が少し疎かになったのは些細な話だ。
人に頼るよりも自分でやってみようと思った。
女の子らしさが少し欠けた気もするけど、仕方ない]
/*
やっときますしね……折角だしn
一度はやりたい:過去 無茶振り
かちゅーしゃああ!!!覗いているのか!
くそー、幼馴染会したかtt
まだ、って。
[キリルの言葉に、少しだけ上瞼を引き上げた。
確かに生還した後、お前のせいだ、なんて怒った覚えはある。
だけれどもそれはちゃんと後で謝った、筈だ]
…何でそんな話しを今するのさ。
俺はキリルに怒ったりなんか、してない。
[今でも夢に見る。忘れられぬ思い出。
頼まれた白い花を見つけ、斜面に採りに降りたまでは良かった。
家族の楽しい山登りの筈が、不意に変った山の天候。
ざざぶりの雨に崩れる足元と、母の悲鳴。
伸びてくる大きな手、落ちて行く荷物。
父の手が掴んだのは母の細い手だけだった]
[それでも幸か不幸か、ロランは死ななかった。
胸元に白い花を根っこごと抱えて倒れているのを見つけられた。
見捨てたのに、生きていた息子。
生きていたのに、両足の自由を失くした息子。
そんなロランを置いて、両親は逃げるように村を出た。
それでも祖父が亡くなるまでは面倒をみてくれたし、
カチューシャが届けてくれる料理は美味しい。
他の村人たちだって優しいし、――不満なんてない。
それでも、その話を笑ってする事が出来る程、
ロランは大人にはなる事は出来ず――]
…
[幼馴染達に気を使わせているのは、判って居るのに。
これは甘えだと、自覚もしている]
うう゛……
[唸りながら、そろりと顔を上げる。
目が、ロランと地面の間を行き来した。
お前のせいだと幼い少年が怒ったのはもう遠い昔の話。
後に謝られてからずっと、また幼馴染として付き合ってもきたけれど]
真っ先に死ぬとか言うからだ。
なのに一緒にもいないなんて、怒ってるかと思うだろ。
…幼馴染なんだし。
[答えになってないこたえを返して唸る。
谷へと落ちた小さな少年。少年が抱えていたのは白い花。
その白い花を、少年の父から渡された。
泣きながら庭の土を掘って植えた上に、雨が降った。
涙と雨と湿った泥で、小さなボクもぐちゃぐちゃになった]
…うん。
[少し当時を思い出して泣きそうになったから、目を瞑る。
頬に手を当てても、もうへの字を直せているのかも分からない。
再びボクは目を開いた。幼馴染に、こくと頷く]
……うん。今も、あるよ。
[敢えてロランに見せようとしたことはないけれど。
兄貴の使う薬草を育てる庭の片隅に、白い花はいつも咲く。
ひっそりと揺れる花は、春先にとても良い香りを放つのだ]
逃げ足が遅いのは事実。
[悲観的でも楽観的でもない、と、淡々と告げる。
目を瞑る様子を、頷く様子を見上げた。
ゆっくりと首を傾けると、烏色の髪が視界を縦に割る]
でも、やっぱり。
キリルは知らないかもしれないけど、
俺も一応年頃の男だから。
君とカチューシャの世間体とか。あるし。
[きょうだいのように育ってきた、その通りだけれど。
家に行けばよい、というのには遠慮すると首を横に振った。
幼馴染で同い年の彼女がイヴァンの前でする女らしい仕草に、
少し置いていかれている感を感じているからなのかも、しれない]
…俺はキリルに怒ったりしていないよ。
[もう一度、口の中で転がす風に言葉を投げる。
僅かに柔い色を添え、何度か目を瞬いた]
…そう。
――咲いたら、
[見れるかな。
続く言葉は音にならず、緑色の風に浚われた]
本心からなのに。意地悪なんて心外ね。
町も楽しいから、一度くらい行っても損はないと思うのよ。
[言葉は拗ねたようにも聞こえるのに、笑っていては信憑性の欠片もない。
子供の頃なら撫でられた頭が、自分より高い位置にあるのは当然の話だと、此処に戻ってきた時からわかっている。
そうね、と。苦笑めいた笑みが浮かんだ]
もう、大人ね。みんな。
お酒も飲めるし。……あ、でも若い子にはだめよ、大人の特権。
[若い子にはジュースね、なんて、話を進める。
邪魔じゃないと言われれば、嬉しそうににこにこと笑って]
またあとでね。
[小さく手を振った。
それからすぐに墓に向き直ったから、振り返りこちらを見たことには気づいていなかった]
[夫、メーフィエはとても軟弱者だった。一見、イライダの尻に敷かれていた。
二人、どちらもなれそめを語ったことはないけれど、彼女は彼が良いのだと語ることはあった。
どうしてそんな男をと言われたことがある、とも。
言われても怒りはしないが、好きだから以上のことは答えようとしなかった。
此処に来てから、野菜を作ることを学び、最初は腰を痛めた。
猟の体験を願い、銃の重さに筋肉痛になった。ついでに撃てなかった。
ただ一年経っても、へこたれなかった。ちなみに酒にも滅法弱かった。
体調を崩すまでの間、馴染もうと努力はしていた。
イライダ自身はそういう時、誰に対して何を言うでもなかった。
娘で手一杯だったともいう。
どうしてわざわざ此処に来たのか。メーフィエに尋ねた人がいたら、彼は笑ってこう答えていた。
「イライダの育った所だから、過ごしやすいだろうと思って」
彼の口から、親の話や兄弟の話が語られることはなかった]
―ーさて、旅人さんにお悔やみは伝えたし。
暗くなっては困るから、そろそろ戻る?
[旅人の墓に手を合わせた後、夫と娘の墓を少し掃除して、手を合わせて。
合間合間に会話をはさむ。
そしてレイスの様子を見て、大丈夫そうなら、そう声をかけた]
騎士の役目をまっとうしてくれたから、何か御馳走しましょう。
何か、飲みたいものとか、食べたいものはある?
甘くないクッキーは作ったばかりだけれど。
[甘い物を好んだ幼少期とは違い、この村に戻ってきてからはあまり甘くないものしか作っていない。
無理強いするようではなくお礼として、軽い誘い文句だった**]
そんなものかな…。
[世間体と言い切られてしまうと、自信がなくなる。
言い含めるかの幼馴染の声は大人っぽくて、
ボクの語尾は尻切れトンボのように小さくなった]
それじゃ、何かあったら呼んで。
何もないとは思うけれどさ。
[淡々とした声に、頬に当ててた手をそろりと外す。
未だ少し唇の両端は下がっていたけど、
それよりさすがに、手の置き所が気になってきた]
…うん。気になってたから、
[ふと、視界の端をまた黄色の花弁が通り過ぎる。
次はほんの少し、そちらを見た。春の匂いがする]
咲いたら…ロランのところに持っていく。
いい香りがするんだ。可愛いよ。
きっと気に入る。
[小さな鈴を連ねたかのような白い花。
幼馴染の和らいだ表情に、ホッとボクの頬も緩む。
やっぱり、変な顔なのかもしれなかった]
それじゃ、ボク行くね。
カチューシャのところに行って、料理教えて貰わなきゃ。
上手く行ったら…楽しみにしてて。
あ…っと、兄貴も薬のことは分かってると思うけど。
何か特に伝えておきたいこととかある?
[兄貴が何時もあわせる薬。
その他を問い、何もないなら行こうとボクは首を傾げる]
[キリルがロランに頼んだ花のことは知らないけれど、ロランが事故にあったことは覚えている。
怪我をして戻ってきた少年を見て泣いて泣いて大変だったと、後から親に聞かされた。
幼馴染の二人がどこかぎこちなかった時期もあったけれど、二人の間をとりもつつもりはなく当たり前に二人共を遊びに誘ったり。
いつのまにかお爺ちゃんと二人暮しになっていたロランのところに、母親が料理を届けに行くのを見て料理の手伝いをはじめたりして過ごした日々。
5年前の流行病で両親が突然亡くなった時には悲しみに沈んで泣き暮らしたけれど、兄もいたし幼馴染たちだって支えてくれたから元気を取り戻して。
そして母親がやっていたことを引き継ぐようにして、今がある。
そんなことを思い出したのは、幼馴染二人が話し込んでいる姿を見かけたから。
ちょっと深刻そうにも見えたから声はかけずにいた]
……ん。
[何かあったら、キリルよりも。
ミハイルやユーリーの方が呼ぶべきなのじゃないか、
と過るも言葉にする事は無く、ただ、小さく頷いた。
そろりと下ろされる手を視線で追って、目を眇める。
記憶の中、もう白い花のかたちは良く覚えていない]
カチューシャのサンドイッチを食べながら愛でる。
[花壇の花を、と言っていたのを思い出して。
頬緩む様を胡乱げな眸で見詰めた]
[料理については、カチューシャの腕を信じてはいたが
目の前の彼女がどうかは判らないから、返答せずに。
続く言葉にだけ、傾けた首をそっと戻した]
熱冷ましが、もう無いんだ。
また、もらいに行く。
[少し、苦いけれど、良く効く薬。
それだけ告げると、去っていく彼女の背を見送る態]
[幼馴染の内心は知らず、ボクは頷く。
ひとまず、否定以外の言葉が返ってきたことにホッとした。
続く言葉に一度瞬く]
カチューシャのサンドイッチで、花見する?
[カチューシャに言った言葉を、きっと彼も聞いたのだろう。
こんな風にして彼女はずっと、それとなく間を繋いでくれる。
14年前のあの時だって、カチューシャの存在がどれだけ大きかったか]
それもいいな。
[笑う。料理にコメントがないのは、気付きそびれた]
熱冷ましね、分かった。
兄貴にロランの分、用意するように言っておく。
[兄貴の薬はとても良く効く。
うんと請合って踵を返しかける、その先に柔らかな髪が揺れていた]
あ、カチューシャだ。
[向かおうと思っていた、もう一人の幼馴染の名を呟く]
[幼馴染たちを見ていればロランと視線が合う。
笑みを浮かべて手を振った。
話しおわったのかキリルもこちらに気づいた様子に]
ミハイルさんとこにいくのー。
[口元に手を当てて叫ぶ]
たぶんそろそろイヴァンさんがお野菜持ってきてくれるから、
キリル受け取っといてー。
[つまり家で待っていてと。
ちょっと離れた位置のまま叫ぶ横着をしていれば、広場で手伝い中の兄がため息をつく様子が見えた]
[カチューシャの大きな声に、眉と口角が少しだけあがった。
口元に手を当てなくても聞こえるよ、とは返す事無く
手を振られるに膝の上で手を振り返して。
両手を両側に下ろして車輪を掴み、ぐいと力を籠めた]
俺、ちょっとその辺。
[キィ、と高い悲鳴のような音を立てて車椅子を操ろうとして、
振り返られるのに、手を止めた]
――別に、
[礼を言われる事なんてしていない。
むしろ不安を煽っただけだ。
そう思うから、どういたしまして、とはとても言えず。
不機嫌そうに小さく呟くだけで。
離れて行くキリルの背を暫く見送ってから、
車椅子の音はまた、木組む音へと重なった]
―― 畑 ⇒ カチューシャの家 ――
あぁ、いけない。
頼まれごとをしたんだった
[自分の畑で遺体が見つかってから、正確に言えばそこが奇妙になっていると連絡を受け、見つけた誰かと一緒にそこを掘り返してから、こうしてぼうっと何かを考える]
[首を振って意識をこちらに引き戻す。
カチューシャに頼まれた材料をそろえにいった]
―― カチューシャの家 ――
おや
[ついた先はもぬけの空だった。
どうやら入れ違ってしまったらしい。
両手に抱えていた野菜類を見下ろす。
頼まれていたよりも量を増やし、ついでにおまけとしてあの花を使った自家製の瓶詰めピクルスなどもつけていた]
……………。
[せつな、動きを止めて家の中を覗く。
周囲を窺って何かの匂いを探す風]
まあ、大丈夫だろう。
[ことり、と頼まれればいつも届ける冷暗所に走り書きのメモと共にそれらを残しておくことにした]
―― 広場 with マクシーム ――
おう。篝火?
見つかるまで警戒なんかしやしなかったのに?
[そのまま作業に戻ろうかと思っていたら、幼馴染に捕まった。力仕事だ、人手が欲しいらしい。嬉々として作業に引きずり込まれた]
………………
あぁ、なるほど。そうか明日は満月だっけ。
[友人の答えに苦笑する。忘れてた。まだ月の出てない空を見上げる]
なんだかなあ。結局お前は噂を信じてるのか、信じてないのか、よく分からない。
[広場を見たときにミハイルは居なかったから、きっと家に戻っているのだろうと歩いている。
その途中で墓地からやってきた人とかと会ったのなら会釈をしたりもする。
留守を頼んだキリルとイヴァンがすれ違ったことは知らぬまま、ミハイルの家につき]
ミハイルさーん。
[大きな声で呼びながら向かうのは、いつも獲物を捌く庭のほう]
――広場近く――
[キィ、と高い音は、どんなにゆっくり車輪を動かしてもなってしまう。
広場を去る前にカチューシャの声には、ん、と頷きだけ見せて、
ロランはうろりと辺りを巡った後、結局広場へと戻ってきた。
家もまたそこに面しているから、でもあるのだけれど]
…――
[篝火が炊かれる。灰色の煙がもくもくとあがる。
烏色の眸にパチパチと弾ける火の粉を写し、
いつしか誘われるように、その近くへとやってきていた]
―― 広場 篝火近く ――
[マクシームと二人。ちょっといい汗かいた。
人狼の話題になると、信じてないけど疑ってしまう彼と、遺体を埋葬した自分。少し尖って喧嘩みたいな口調になるから、お互い途中から黙々とやっていた]
………お疲れ
[それでも火がつけられれば、彼と一言そう交わしてパンと手を打ち合った。そのまま汗を流すのかどこかに去ろうとする友人を見送ると、ふと近くに車椅子]
こうしてみると、豪勢な話だよね。
夏祭りみたいだ。まあ、それようの道具もひっぱってきたんだけど。
[袖でぐいと汗をぬぐいながら彼の隣へ歩み寄ってみる]
[歩み寄るイヴァンに気づき、ゆっくり視線を向けた。
汗が炎に煌めき、少し眩しくて、目を眇める]
お疲れ様。
…夏祭り?
[少ない人数ながらも、村人が年々楽しもうとしてきた歴史。
甘い膨らんだお菓子やアルコール、串に刺した肉。
少し、ほんの少しだが、表情が綻ぶを止められなかった]
――弔い、酒?
[あの旅人の。
言いわけのように言葉を紡ぎ、首を傾けて見せた]
―― 広場 篝火近く ――
そう。まだ夜通しはしゃぐには少し肌寒いかな
[頷いて視線を落とすと少しばかり綻んだ彼の表情が目に入った。少しだけ肩の力が抜ける]
[視線をぱちぱちとはじける篝火にもどした。
片足に体重をかけ、腕を組む]
何が手向けになるかわからないからなあ。
挨拶くらいしかしなかった。
ああ、でもそれもそれで良さそうだ。
呑むなら何か持ってこようか。
去年漬けた果実酒なら少しある。
酒、良く飲んでた。
何処かの国では20まで駄目だって言われて…
――良く、喋ってたな。
[旅人語りつ腕を組むイヴァンの二の腕に、視線が向く。
自分のよりずっと太い、筋感じさせる腕に目を細めてから
視線はまた、炎へと向けた]
果実酒、いいな。
ミハイルの鹿はどうなったかな…
――本当に、夏祭りみたいになるな。
[暗い噂も立ちこめて不安が染み込む夕の空気だったから。
それもいいのじゃないかと、思えてくる]
[メーフィエという男が村に来たのは、丁度僕が薬師の真似事を初めて間もない頃だった。
今だって大したことはないけれど、当時はもっと簡単な塗薬であるとか、滋養薬のようなものを作っては提供していた。街で学ぶ金などないから全て独学だ。
そんな僕の元に毎日のように訪ねてきていたのが彼だ。
無数の傷をつけてきたこともあったし、足を挫いていたこともあった。
どうしたらそんなに怪我ができるのか不思議なくらいだった。
常連であった彼とは、いつしか仕事でない時にも顔を合わせるようになっていた。
一度酒を勧めたらすぐに酔い潰れてしまったから、以後はなるべく飲ませないようにはしたが。
彼の素性を尋ねたことはそう言えばなかったが、妻や娘の話になると分かりやすいくらいに表情が綻んでいた。相当愛しているのだろうことが伺えた。
だからこそ、己の腕の未熟さをあれ程に悔やんだことは無い。]
―― 広場 篝火前 ――
[彼が自分に向ける視線にはあまり気がつかない。
学生時代は放蕩もあってかなり細くなったが、こちらにもどって畑を継いでから自然と筋量は増えた]
そりゃ不便な国もあるもんだ。
そんな制限かけられたらロランも酒が飲めないね。
ここはここの流儀でいこう。
何か楽しい話はしてた?
色々な国に行ってたんだろか。
故郷が分かれば何か形見の一つでも送ってあげたいね。
[炎の奥に何かそれらの手がかりを探すみたいに、目を凝らす。ぱちぱちとはじける炎が塵をまわせれば、すっと手を動かしてそれを追う]
あの鹿はカチューシャとキリルが頑張るって行ってたから、楽しみだ。早めの夏祭りってのもいいんじゃないか。
頭の固い年寄り連中が軒並み村を下りてるんだし。
俺たちの特権だ。
―― よし、そうと決まれば少し取ってこよう。
ちょっと待ってて。
[人狼対策で作られた篝火だが、暗い話は知らないみたいに自分から触れない。頷くと、そのまま酒を取ってこようと背を向ける]
―― 広場 篝火前 ――
色々…してた。
――形見…
[自身がかの人に貰った本に思考が向いたけれど、いやだな、と思ってしまったから口を噤んで居た。
続くイヴァンの言葉は明るく聞こえて、少し視線を上げる。
待ってて、と言われれば小さく頷いてその背を見送った]
…――形見、か。
[ぽつり、呟きを落として。
キィ、と音を立てて篝火のすぐ近くまで移動する。
パチパチと、弾ける音と光が眩しかった]
―― 広場 ――
有るのかも知らないけどね。
[形見、の台詞にロランが口ごもったからそう切り上げた。
そうしてその場を離れてしばし。
戻ってくるのはほんの10分ほど後のこと]
[砂糖をあまり使っていない洋梨の酒、ペリーの瓶を両手に提げて帰ってきた。アルコール度数はワイン程度。そう高くもないし、片手で呷るにちょうど良いくらいの小ぶりの瓶だ]
……………
[ぱちぱちという火花の音に目を細め、特に何も考えず車椅子の彼の背後から歩み寄る]
おまたせ
[声をかけるのは、再び隣に戻ってからのこと。ん、と片方の瓶を差し出してみる]
[墓地から広場の方に向かって歩く。
正確に言えば、広場の向こうにある自宅に帰ろうとしていた]
――人狼、か。
[イライダから伝え聞いた話に男は憂鬱な表情。
あの場ではお伽噺と言ってはみせたが
実際旅人が何者かに殺された。
犯人は未だみつかってはいない]
オリガが村を出ていて良かった。
[二年前、村を出た妹の事を思い出す。
狭い場所では出会いがない、と
都会に憧れ此処を離れた妹も今年で二十歳になろうか]
[時折手紙が届き近況を知らせてくるが
この二年オリガは村に戻ってはいなかった。
元気にしているならそれで良いと思う。
快活な妹にこの村は長閑すぎたのだろう]
都会、か。
何れ顔を見に行くのもいいかな。
[何にせよ、妹が此処に居なくて良かったと思うのは
これがはじめてのことだった。
少しだけ歳の離れた妹の親代わりをしていた男の顔は
家族を思う何処か柔らかな表情が過ぎる]
[酒を持って来てくれるなら、何か持って来た方がいいだろうか。
広場から見える自分の住む家屋へと視線を向けるけれど、
大した物も無い事を思い出して、車輪を回すはやめておく]
…――、
[炎爆ぜる音に紛れ、背後に歩み寄られていたのに気づかず。
隣に現れた姿に、視線を向けるのは微かに驚きを掠めた]
有難う。
俺には何もお返し、出来ないけど
[言葉とは裏腹に、遠慮はあまり無い。
左右の手を見て、そっちが良いと洋梨らしき酒へと手を伸ばす]
そういえば。
…花、咲いてた?
[ふと、彼の畑に咲く黄色い花弁を想ったのは
篝火の向こう、花壇に揺れる花に視線が映った為か、
先程白い花の話をしたせいか。
なんとなしに、イヴァンへと問いを投げた]
村の設定が変更されました。
― ミハイルの家 ―
[ミハイルのところについたときにはすでに殆どの作業は終っていた]
ミハイルさんの作業はやっぱりはやいなあ……
えーっと、どれだけ残します?
[取れた獲物を全てその日に食すわけもなく。
燻製だとか塩漬けだとかにして残す分以外を本日の調理に回して]
よいしょっと、じゃあこれだけ使いますけど、煮込むのと焼くのと、どっちがいいですか?
[煮込んだほうが美味しい部位はともかくとして、どちらでもいける分については功労者の意見を参考にする。
昔はこんな風にしてたのは母親で、それにくっついてきていた]
はーい、じゃあ、それにしますね。
[ミハイルの希望ににこりと笑って頷き。
紙に包んだ肉をもってきたバスケットにいれて]
それじゃあ、料理出来たら持ってきますね!
[他にちょっとした会話をかわした後、そういって立ち去るのだった]
―― 広場 篝火近く ――
うわ、酷いな。
何もないってこたないだろう。
[笑いながらよっと車椅子の横にあぐらをかいた。
台詞とは裏腹に強請られたほうを笑って差し出す。
後ろ手をつきながら片手で器用に瓶のコルクを抜いた]
まぁでもメインディッシュはこれからだろさ。
つまみ話でいいよ。
[酒瓶を呷って唇を湿す]
花?
うちの? おう。いい感じにね。今年は少し早めかな。
気になるならいつでも見に来いよ。もうすぐ収穫期だから人手はいくらあってもいい。
―― 広場 篝火近く ――
つまみ話…
――この前、皮をなめそうとして
爪と指の間に刃物を突っ込んだ話し、とかなら。
[表情薄い侭に、差し出された瓶を貰い。
ロランなりの冗談らしきを口で転がすように言いながら、
コルクは器用に車椅子の手置きにひっかけて抜き、
あぐらを掻いたイヴァンに、コン、とぶつけようと一度差し出す]
俺が行っても邪魔になる。
だから、見てるだけなら。
[人手、という言葉には少し首を傾けて。
墓場から歩いてくるユーリーか、カチューシャの姿でも
見えでもすれば、視線を投げるが]
→ 自宅 ―
[家に帰る途中、広場で篝火が焚かれ始めていたのを見る。
意外とミハイルのところで時間がたっていたのに気づいてあわてて駆け足。
ロランがこちらを見たのには気づくことなく。
ユーリーとすれ違っても話をする余裕はなかった]
ごめーん、キリル! おそくなったぁ。
[家にたどり着いて真っ先に幼馴染に謝罪する。
イヴァンが置いてってくれた野菜とメモはあって、キリルとはすれ違ったらしいことも知った]
あらら、タイミング悪かったんだね。
まあしょうがないよ。
[そういってキリルを慰めた後、エプロンをつけて料理をはじめる。
キリルに渡したエプロンは赤と緑のギンガムチェック。
カチューシャが身につけるのは瞳の色と似た青色と銀のストライプ]
―― 広場 ――
[篝火に誘われるように広場に立ち寄る。
ロランやマクシーム、イヴァンの姿が見えれば
軽く手を掲げてみせた]
やあ。
今日は此処で酒盛りかい?
[手にある瓶に気付いたようで首を傾げて問う]
―― 広場 篝火近く ――
うーわ。それキッツぃわ
爪の下に刃物ぶちこむってどっかの拷問でも使われるらしいじゃないか。大丈夫だったのかそれ。
[聞くだに痛そうな話に思い切り眉を寄せた。
瓶が差し出されれば、もう早速フライング気味に口元に寄せてた自分の瓶、にやっと笑って降ろすと乾杯代わりに軽く打つ]
ばーか。俺の悋気を舐めるなよ。
お前のその2本の手が動く限り、爪がはげてようが何だろうが普通にこき使うぜ。
考えてもみなよ。いつもこの時期に手伝いに呼んでんのは、もうよぼよぼもいいだけの婆さんだぞ。さすがの年季だ作業は早いし上手いが、足元のおぼつかなさで言ったらお前といい勝負だね。
[けらけら笑った。ユーリーが近づいてくるのを見れば、瓶を持ったまま片手を挙げる]
そうさ。早めの夏祭りを男同士で満喫中ってとこ。
[自分の呑みさしを差し出してみる]
お前を真似て作ってみたが、どうよ?
[カチューシャが気づかず歩いて行くのは見送って。
ユーリーが歩み寄るのに、顔を向け]
…葡萄酒も歓迎するけど。
[首を傾ける様子に、おなじ方向に首を傾けて見せた]
[そしてはじめる鹿肉料理。
手分けしたほうが早いけれど、覚えたいというキリルのために同じことを一緒に行っている。
肉の下ごしらえの仕方から、調味料のことだとか。
鹿の脛肉はまずは茹でて灰汁をとってからとろとろになるまで煮込むから、明日のための料理だとか、手を動かす合間にちょっとしたマメ知識もぽろぽろとしゃべる]
べつにそんなに難しく考えなくても。
ちょっとぐらいかたちが悪くたって味見を忘れなかったら酷い料理なんてそうそう出来ないって。
[キリルだってまったく料理ができないわけじゃないだろう。
ただ、妙に自信がないようだから、その自信の元となる程度の料理を一緒に作ろうというのが主な目的だった]
…ん。
――そっか。
[イヴァンのけらけら笑う様子に少し表情を和らげる。
口にした洋梨の香りがじんわりと染み込むのが判った。
そういえば、今日口にするものとして初めてだし、
眩暈めいていた事も思い出して、少しずつ舐めるに留めて]
役に立てるなら、行く、か、も。
[ぽつり 落とす言葉は小さく小さく]
[マクシームがイライダに憧れている事は知っていたから
男は幼馴染の一人へと視線を向けて]
“今度皆で一緒に飲みましょうか”
――…、って、イライダが。
[さらと言う様に揶揄る響きはない。
イヴァンの言には一瞬驚いたように目を瞠る]
随分気が早いな。
夏祭りなら皆誘えばいいだろうに。
[幼馴染から差し出された酒瓶を受け取ると
くいっとあおってから彼に返す]
ベリーか。
果実の風味がふくよかで僕は好きだな。
[口許が自然と緩むのは其れが美味かった証だった]
[ロランの視線が何処かに向くのに片眉を持ち上げる。
彼が見ていた者の姿は男の目には映らなかった]
葡萄酒は置いてきた。
まだ飲み足りないなら持ってこようか。
[旅人の墓に供えてきたとは言わなかった。
夏祭りという話題でよどみかけた空気をかえようとしているのだと
そう解釈していたから――]
―― 広場 篝火そば ――
よっし、言質とーった、と。労働力一人ゲット。
[ロランの小さな声を拾い上げ、軽く拳を握りこむ。
もぞもぞと背中を丸めると、広場に落ちていた小枝を炎の中に投げ入れて]
ま、本気で暇なときに頼むわ。
今年、婆さんも結構弱ってきてね。ちょっと無理かもしれないんだと。
[友人によるイライダの物まねにはくつくつ肩を震わせる]
いやぁ、キリルとカチューシャが、ミハイルさんの取ってきた鹿を料理しているからさ。こっちはこっちで、ってね。
[酒瓶が彼の手に移れば下からその喉が動くのを見上げる。
舌が肥えてるだろうと思う彼の評価は気になるところだった]
おー、ありがと。嬉しいね。
ただ、もうちょっと酸味が出ないかなぁと奮闘中。そのうち修行にいくわ。
[ユーリーの言葉に、ん、と小さく頷いて]
人が増えたら、かな。
[こっちも味見?と、瓶をユーリーへと向ける。
体重を少し移動させたから、キィ、と車椅子が高く鳴いた]
[それからしばしの時間が過ぎて。
本日の料理が完成する]
やればできるっていったでしょ。
[キリルが作ったのは鹿肉ロースのステーキとイヴァンが持ってきた野菜でつくったサラダ。
他には肩肉のワイン煮に、焼きたてのパン]
こんなものかなー。
ミハイルさんと、ロランにもっていく分と。
あとキリルとレイスさんのだけど、うちで食べてく?
[人の家に料理を運ぶことがおおいから、土鍋は沢山ある。
そしてそれようのワゴンはマクシームの手作りだ。
ちょっとがたついているのはしかたがない。
なにせ作ってもらったのは4年前なのだから]
―― 広場 篝火そば ――
……ん。
[イヴァンの拳握る様子に、少し、俯く顔は口端あげて。
じんわりと染み込むアルコールのせいで感情を殺せない。
だけれどアルコールのせいにしてしまうそれが嫌いでは無いから、
ロランは割と、呑む事が好きだった]
――多分、行く、と、思う、か、も
[それでも語尾は蚊の鳴くような声だったが]
―― 篝火そば ――
ははは
[ロランの小さな小さな声。
別に酒にそう弱くはないつもりだけれど、色々あって少し回りやすい状態だった]
[鬱屈した気分を飛ばすみたいに、笑う]
[ユーリーのワインに話が及べば]
そうだな。あるなら嬉しいね。
ただ、動くのが面倒なら別に構わないさ。
ユーリーは今日一日何してたんだ?
[幼馴染の肩が揺れるをみて男はふっと笑みを浮かべた。
マクシームの反応はあえて窺わない。
長い付き合いだからこそ見なくても分かるといった風情]
相変わらずの腕みたいだな。
メインは鹿料理か、なかなか豪勢だ。
[ユーリー自身は肉を口にはしないが
妹は時折ミハイルに獲物をわけてもらっていた。
他者の食事に関しては特に口を出すわけでもない]
酸味――、か。
これくらいの方が女性受けはいいと思うけど?
可愛い恋人に贈るなら今回のをすすめるね。
[口の端をもちあげてイヴァンに返した瓶を指差す。
修行と言われればクツと喉を鳴らした]
何ならうちの樽を一つ持ってくか?
重みをもたせる手伝いくらいにはなるだろ。
それじゃ、これを直して…っと。
ええと。道具お借りしまーす…。
[誰もいない空間に断り入れて、道具を拝借。
カチューシャが戻ってきたのは、丁度作業を終えた頃合だった]
ええと…こうやって切って?
へええ!ボク、そんなの全部一緒に入れていたよ。
順番に意味があるなんて知らなかったな。
ああー…、薬を飲む順番みたいなものかな。
[カチューシャは物知りだ。
ぽろぽろと話される豆知識を必死に聞きながら、手を動かす。
口をへの字に曲げて唸っていたら、色々ばれた。
宥める口調に、思わず情けなく横を見る>>188]
う、ん…。
ただ、見た目も料理のうちって聞くからね……。
[それでも見よう見まねで、料理は完成に近づいていく。
ボクの料理は不器用で、そしてちょっと格好が悪い。
それでも確かに、味は、ちょっと嬉しくなるくらいに良かった]
人が増えたら、持ってこよう。
[ロランの言に同意するように頷いた。
小さな村だから広場と自宅を往復するのには
さほど時間はかからない。
差し出されたもう一つの酒瓶。
車椅子が啼くを聞き、自らも軽く腰を折り手を伸ばした]
こっちは……
[ロランから瓶を受け取り香りを確かめてから
先ほどと同じように呷り口腔で味を確かめてから嚥下する]
洋梨か。
デザートにも良さそうだ。
[甘い香が鼻に抜けるを楽しむかのように
顔を綻ばせたまま、ありがとうの言葉と共にロランに瓶を返す]
ん。
甘くて、美味しい。
[ユーリーに渡した瓶を返してもらい、ひとくち飲んで。
イヴァンへと向けて感想を述べる。
気に入った、と添える前、
くる、と、ひとつお腹が鳴って、慌ててそっと抑えた。
聞こえていないといい、と思うが、無理かもしれない]
[イヴァンがユーリに一日を問うのを火が爆ぜる音の向こう
イヴァンへと視線を向け、それからユーリへと向ける。
一日、何をしていたのか、自身を振り返って見て、
視線を膝の上へとそっと、落とした]
―― 篝火そば ――
なぁ。俺は、女の人たちがさくさく肉を作るのを見ると割と感動する。
楽しみだな。
[楽しみなことは鹿肉だけじゃない、料理人の方もなのだ。カチューシャの家の方へとちらりと目をやった]
なっ……
あー、……うん。
いやいや。キリルにはもっと甘くて口当たりが軽いのを贈るさ。うん。もっとね。
[可愛い恋人、と言われて口ごもった。酒の勢いもあって少し朱に染まっていた頬がさらに赤くなる。言葉はかなり噛むし、視線はうろうろ。それでも嬉しくてたまらない感じ]
[のろけなら今のところノンストップで出るのだが、まあ、それはともかく。樽と聞いて、少し真顔になるとしばし逡巡]
もらえるなら助かるが……。いいのか?
ただ、今年はまだしばらくそっちまで手がまわせそうにないから、秋ごろに貰いにいくかもしれない。
―篝火そば―
[既に広場に火は上がっていて、]
悪ぃ…、遅くなっちまった。
全く手伝えなかったな。
[篝火に目を細めつつ、頭を掻いた。
どうやら飲んでいるらしいのに気付いては、]
もっと早く来りゃよかった…。
[篝火の準備に遅れてしまったことに対するよりも暗い表情になったかもしれない。]
─ カチューシャの家:台所 ─
おお。で…、っきた……!
[そうして遂に、目の前に素敵な料理が並んだ>>197
ちょっとボクの方のは見栄えが悪いけれども、仕方ない。
これだって今は充分の、精一杯だ。それに味はいい。
大半がカチューシャの力には思えたけれども、でも嬉しい。
ちらと幼馴染を見遣る。
うんと頷く顔は、我ながらきっと随分と綻んでいた]
うーんと…、ううん。ボクは持って帰ろうかな。
ええと少し…せっかくだから、イヴァンにも渡したいし。
ほら、この野菜とかイヴァンのだから。
喜ぶかもなあって。
[少し早口で言って、照れ隠しに笑う。
今度は、誤魔化せている自信はあまりなかった]
それかさ。
これいっそ、その土鍋で広場に持ってくとか…どうかな。
何となく、みんな集まってる気がするんだよね。
ほら、広場で焚き火するって言ってたろ?
だからちょっと、お祭りっぽくなってるんじゃないかと思って。
……結構みんな、単純だからさ。
[ボクは悪戯を仕掛けるみたいに声を潜める。
にやりとカチューシャに笑いかけた]
いっそ楽しくすれば、みんなの気分も変わるだろ?
[どう?と、首を傾げてみる]
/*
RP初めてやっとこ一年ですが…。
この序盤って未だにソワソワしてどこ絡みに行っていいかわからない。そして皆の関係が未だに頭に入ってない。
とりあえず、年齢的にぼっち陣営な感じ。
カチューシャとロランが可愛い。
キリルとイヴァンはリア充爆発しろ。
っていうのしか把握出来てない。
[一日何をしていたか。
イヴァンに問われて少しだけ間が空いた]
両親に会ってきた。
[小さな村だ。
ユーリーの両親が他界している事も周知の事実。
墓参りというとどうも重くなりそうな気がして
男は決まってそう言うのだった]
あの旅人の所にも寄ってきた。
手伝えなくて済まなかったな。
――…ありがと、 ……イヴァン
[愛称を紡ぎかけて、ふと思い直し名を紡いだ]
あら、ちゃんと一緒にいてくれてるじゃない。
それで十分。
[騎士といわれた時の表情を見て、笑ってしまうのは、先も今も同じ。
誘いに乗ってくれたのには、満足そうに頷いて]
紅茶とハーブティー、どちらが良い?
それと、今度は妹も一緒にいらっしゃいな。
[化粧品をあげようかと、そんな言葉もつなげて。
自宅に招いて、お茶を用意して。ついでにつまみで、甘くないクッキーも。
過去に一度だけ言った言葉は、それ以上はない。
「あなたのせいじゃない」
気にしているかもしれないけれど、恐らくもう、二度と口には出さないだろう。
楽しく一時を過ごした後は、レイスを見送ることだろう]
―― 篝火そば ――
[ユーリーが洋梨の果実酒を飲むところはじっと観察する。
彼の喉仏が動いて、頬が綻べばうっしと喜び酒を呷る。
ロランの腹の虫が聞こえてしまって]
そろそろじゃないかな。
[そんな風に喋っているころ、ミハイルの姿が見えた。
だいぶ軽くなった瓶を振る]
いやー、いいってことで。
お先にはじめてます。おつかれさん。
[顔を赤くしてもにもにしているイヴァンへ向ける視線は少し、
見ていいものか迷う風に彷徨った。
その向こうから現れたミハイルを見て、目を瞬く。
暗い表情を作るのに少しだけ表情和らげ]
…まだ此れだけ。
今から、くらい。
[告げてユーリーへと視線向ける様子は、
葡萄酒を無言で強請る心算の視線だけ]
[声を潜めて告げられる言葉に、ちらりと返ってくる途中に見えた広場の光景が脳裏に浮かぶ]
あー、そうだね、たしかにあの時ロランと、イヴァンさんと、ユーリーさん見かけたし。
他にも集まってそう……
そうだね、せっかくだし。
料理も美味しくできたから皆で食べたほうが楽しいしね。
[にやりとしたキリルにくすっと笑い返して、頷いた]
じゃあ、鍋ごともっていこう。
あとは器とかだね。
[そういってちょっと深めの皿とかスプーンとか、ひつような食器を取り出してワゴンの下の段に乗せる。
その間にキリルがサラダとかを上の段に置いて]
じゃあいこっかー。
[準備ができればそのまま広場に向かうつもり。
エプロンをつけたままなのを忘れてるのはいつものことだった]
ああ、同感だ。
手際の良さに見惚れてしまうね。
[イヴァンの言にクツクツと笑う。
マクシームは如何だ、と緩く其方に視線を向けるが
イヴァンの視線は意味ありげに別の場所へと向けられていた。
何言うでもなく表情を緩めそれを見遣り]
――…く、はは。
もっと、か。
随分甘いなぁ。
[幼馴染の目元に朱が混じるをみてそんな感想を漏らした。
樽の話となれば、頷いて]
それくらいならお安い御用だよ。
ああ、分かった……、秋には用意しておこう。
[広場にやってきたミハイルの表情の暗さには
不思議そうに首を傾げるもひら、と手を掲げて歓迎する]
―― 篝火近く ――
[ユーリーの今日を聞いた]
あぁ、なるほど。お疲れさん。
[少し真顔になって瓶を地に置く。ゆらっと指で弄んだ]
[彼の両親がどこにいるかはよく知っているし、今日の自分の予定がすぐ近くにあったことも思い出した]
いや、構わない。かさもそんなになかったし、俺は大して話もしていなかった。そもそも、俺の畑に埋まってたからなあ。
[それから、自分への呼びかけに間が開いたことに気がついて、手を膝にかけながら友人を見上げた]
……どうした?
ロランにイヴァンに、ユーリー?
ああ、やっぱり集まってるんだ…うん。
それじゃあ他にも来るかも知れないな。
[話が逸れて、ほっとした。
うんうんと頷いて、また話題が戻らないように、
さっさと動いてサラダや鍋をワゴンへと乗せていく。
ついでにエプロンを外すのは、ボクも忘れた。
正直それどころの話じゃない]
あ、これはボクが押すよ。
カチューシャ、ドア開けて支えてて。
[重い台を押すのを買って出るのは、いつもの通り。
自然とそんな風にして、ボクらは広場へと足を向けた]
[ロランの視線が此方に向く。
話の流れから何を求めるかは察せられた]
何本持ってけば足りるんだろうな。
[軽く肩を竦めて男は笑った。
イヴァンの労いにはゆると目を細める]
嗚呼、畑の方の被害は……、と。
実際見た方がはやいか。
今度寄らせてもらうよ。
[畑に埋まっていた旅人の姿はみていない。
伝え聞いたのみの男はそう言いおくも
見上げて尋ねるそれには何でもないと首を振るう]
さて、と、行ってくるか。
[一応の断りを入れて、男は広場から自宅へと足を運んだ]
[キリル>>219に可愛いといわれて嬉しそうに笑みを返した。
なにせ実の兄は「お前のかわいこぶりっ子はあざとい」などと言われるのだから、可愛いといわれるのは嬉しいものだ。
さくさく動くのに合わせて用意を終えて]
あ、ありがとー。
[重たいものを率先してくれるキリル>>222には何時も助けられている。
ドアを開けて、ワゴンを押したキリルが無事に通ったのを見届けた。
戸締りなんて意識することもなく、キリルと一緒に広場に向かう]
→ 広場 ―
あー、やっぱり、集まってるね。
[ミハイルや兄のマクシームや。
イライダやレイスの姿もあっただろうか。
どちらにせよ、その場に居るみんなに料理を振舞うのだった**]
[ユーリーが肩を竦めるのには、また表情和らげて
何もお返し出来ないけど、と、イヴァンに向けたのと
同じ言葉を小さく呟いた。
それでもやはり、遠慮は、しない。
行ってらっしゃい、と背を見送ってから
洋梨酒をひとくちまた呑み、ミハイルへと視線を向けた]
鹿、捌いた?
お疲れ様。
革、余ってたらなめすから、くれる?
[動物の革が余ったらなめして色々な道具に加工する。
ロランの、本当に僅かな出来る仕事のひとつ。
最近は大きな獣が取れないから暫くしていなかった]
―― 篝火傍 ――
[くい、と酒の残りを呷る。
時折ちらちらと気にしていた先、カチューシャの家の方で動きがあると、ぴんと背筋が伸びていく]
………………
[そわそわしだした。
色々な話が途中だった気がするが、目に見えて気もそぞろになっていく]
―― 篝火傍 ――
[道を来るワゴンの音が聞こえ、車椅子ごと振り返る。
近くのイヴァンの様子があからさまにおかしくなり、
思わず近くのミハイルへと、僅かに苦笑めいた表情を向けた]
…良い匂い。
[くる、と、今度こそ大きくお腹の虫が鳴き。
アルコールに少しばかり血色良くなった顔を俯けた]
[篝火の傍らに、探す姿はすぐに見つけた。
自然と口元が綻んでしまうのに、慌てて頬に手を当てた。
今は幼馴染たちも、この場にいるのだ]
みんな、お待たせ。
もう宴会始めちゃってた?
[敢えて名前は口にしなかった。
みんなと誤魔化して、食器を手にする。
カチューシャが手際良くスプーンやらを取り出している。
それを任せて、ボクは鍋に手をかけた]
リトヴィノフさんの鹿肉、料理してみたんだ。
ボクも今回は頑張ったよ。
…カチューシャのおかげだけどね。
[バレバレだろうから付け加えて、小さく舌を出す。
鍋の蓋を持ち上げると、肩肉のワイン煮がふわりと香った]
[家から少し離れた場所には家畜小屋がある。
牧人であった父から譲り受けたもので
本来なら妹へと継がせる心算だったが結局それはならなかった。
肉を口にしない男の栄養源といえば
自ら作ったチーズやとれたての卵などが主なものだった。
野菜に関しては無論幼馴染を頼りにしていたが]
――…赤と白、どっちが良いか聞きそびれたな。
[家の地下にある貯蔵庫で並ぶ葡萄酒の瓶を前に難しい顔]
あんな事があったばかりだ。
深酒はしないだろう。
[そう結論付けて赤と白を一本ずつ脇に抱える。
チーズも適当に見繕い摘みやすいよう切り分けて皿に並べて
男はそれらを手に篝火ともる広場へと戻ってゆく]
―― 広場 ――
[ワゴンの音が聞こえる。酒瓶を隅においやって、ぴょんと飛び上がった]
………お疲れ、キリル。カチューシャ。
すごく可愛い……じゃなかった。
いや違わない。とても可愛いんだけど、すごく良い匂いだ。
重くない? 手伝うよ。
[大きなストライドでキリルたちの方に向かう。
ゆるんだ表情になってしまうのは仕様なのでしょうがない]
[そういうものなのだろうか。>>213
イライダの笑い方は、昔僕を揶揄った時のそれに似ていた。だから今も多分そうなのだろう。]
なら、ハーブティーを。
[お茶と共に一口齧ったクッキーは、言葉の通り甘くない。
甘党だったはずの彼女の趣向は、街に居る間に変化したのか。もしくは別の理由があるのか。直接聞いてみたことはないけれど。
ただ僕自身としては、こちらの方が好みではある。]
嗚呼、そうだな。きっと喜ぶ。
恋人ができてから、急に女の子らしくなってきたものだから。
[互いに意識し合っているらしいのは傍目にも明らかだったのに、彼らが恋人となれたのはつい最近の話。
随分ともどかしかった時期を思い出して、また可笑しさが込み上げてくる。
表情に出ていたかは分からないが。]
そろそろ帰るよ。また。
戸締りには気をつけて。
[そう言って席を立つまで、他愛ない話を幾つか続けたけれど。
彼の話は、一度も口にはしなかった。]
[俯いていた所に皿が差し出され、顔を上げる。
幼馴染のふたり、笑顔で頷く様子に微かに眉を下げた]
…ん、ありがとう。
[椅子の脇に瓶を押しこみ、両手で受け取る。
暖かいうちに口に運ぶとそれはとても美味しくて。
アルコールで血色良くなった顔を、ほんの少し綻ばせた]
―― 広場 ――
[先ほどより人の増えた其処には
先ほどは無かった料理の匂いが漂っていた。
口には出来ぬがその匂いは食欲を刺激する]
へぇ、美味そうだ。
[キリルの傍にある鍋へと視線を向けた。
挙動不審にも見える幼馴染の姿には
思わず口許に手を宛がい俯いて肩のみを震わす。
それも少しの間で、次に顔を上げたときにはいつも通り。
ミハイルの方へと向き直り]
赤と白、どっちの気分かな?
[好きな方を彼に取らせる心算で
脇に抱えた二つの瓶を目で示した]
―― 篝火傍 ――
[鍋を任せてくれるまではうろうろそわそわと、キリルの傍にいた。きっぱりはっきり余所見はしていない]
どういたしまして、任された。
キリルも、カチューシャも。
おいしそうな料理をありがとう。
[鍋の蓋が開いたときのふわりとした湯気に鼻をうごめかせ、幸せそうにそそくさと手伝う。他の人にふるまうときにも彼女の言うとおりに動いて]
[やがてそれが自分の口に入る頃には、キリルの隣で盛大に舌鼓を打ちつつ何度も美味しいとありがとうを繰り返すのだった**]
あ、ユーリー。
[増えた人影。
葡萄酒を抱いた青年のことを、ボクは名で呼ぶ。
同い年のオリガの兄として接することが多かったから。
鍋の傍、多めに持ってきた食器を手に取った]
食べるだろ?リトヴィノフさんの鹿。
[返事も聞かずによそい始めた。
カチューシャに渡せば、笑顔で差し出してくれるだろう]
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