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集会場は不信と不安がない交ぜになった奇妙な空気に満たされていた。
人狼なんて本当にいるのだろうか。
もしいるとすれば、あの旅のよそ者か。まさか、以前からの住人であるあいつが……
どうやらこの中には、村人が7人、人狼が2人、占い師が1人、霊能者が1人、守護者が1人、狂信者が1人含まれているようだ。
占星術師 クローディアが「時間を進める」を選択しました
……主だった方々は、集まられたのですね。
[伝えられた言葉に、小さく呟いて。
祈りの姿勢を解いて立ち上がる。
その動きに伴い零れる、虹色の光。
一度天井を見上げ、息を吐いてから、ゆるり、踏み出されるその歩みは外へと向かう]
皆さん、お忙しい所ごめんなさい……。
でも、どうしても、お伝えしなければならない事があって……。
[ここで一度、言葉は途切れる。
瞳に微か、ためらうような色彩が浮かぶのは、近くの者なら見て取れるだろう]
……島の何処かから、『虚』の気配を感じます。
あまり、考えたくはないのですが……『虚』の使徒……『堕天尸』が、この島にいるようなのです……。
[紡がれた言葉は、ざわめきを引き起こすだろうか。
それでも、巫女は言葉を続け]
……皆さん、ご存知の通り……『堕天尸』は、『虚』の影響を強く受けた者。
『虚』の気を宿せし者は、結界樹の内にて眠らせ、それを清めさせねばなりません。
それは……界を統べし天凰の巫女姫の命。
そして、この島の巫女たる、私の務めです。
私は、これより、島の護りの陣を強化します。
『堕天尸』を、島から出す訳には参りませんので……同時に、皆さんも島から離れる事はできなくなりますから……ご迷惑をおかけする事になりますが……。
[どうぞご理解を、と言いつつ、深く頭を下げる。
仕種に合わせ、ふわり、虹の燐光が舞い散った]
あは、そうなんだ〜
それもたのし
[と、ケイジの言葉を聞きながらも、習うように集まっている。見知っているようないないような集団を見て、そして聖殿へと目を向けて言葉をとめる]
/*
ちょ、ま。
守護者弾かれは予想していたものの、霊能者。
霊能者。
まあ、ありえるといえばありえそうな範囲。
赤組じゃなかっただけ、よしとしましょうか。
四連続人狼は、さすがに、泣く。
[チーズは嫌いじゃない、寧ろ好きだが。]
…こうも、話を聞いてもらえないといっそ清々しいわね。
[ 指差された小さな姿が視界にぼんやりと映ると、
それを確認しようとじっと相手を見た。]
あら…巫女姫殿…。
[ 聞こえた声に視線をそちらへと移す。
流れてくる言葉を黙って聞いた。
表情が自然に険しくなったのは言うまでもなかった。]
/中/
さて、仕事が一段落したところで。
……やっぱり、弾かれない時は、嫌な予感がないんだねぇ……。
さて久しぶりの守護、上手く立ち回れるか。
[食べたこと無い、とのオーフェンの言葉には目を細めて笑いかけながら、力がつくから良いぜ、と言い。
しかしロザリーを見て俯く様子は、少しだけ親近感を覚えて。くしゃ、と頭を撫でようと手を伸ばした。]
そういえば、お前なんてんだ?
俺は、ラス。
お前、男なのか女なのか…
[と、離している途中で口を瞑り、現れたクローディアへと視線を投げ。
じっとして言葉を聞く。]
――――…あら。
巫女姫殿…何を言うのかと思ったら…。
[ 自然と顔は険しくなる。
何故なら―――――。]
………貴女をまずはコワシテミタイ。
[ 首がますます傾く。
巫女をしっかり見据えようと―――――。]
[言葉をとめてクローディアの話を聞いた。とはいえほとんどわかってない。
そもそも見ただけで満足したようなもので]
うん。わかった〜
[わかってもいないのに陽気に答えただけで興味は、周囲の表情へとそれた]
……て、はあ?
[ようやく出てきた……と、思った所に、告げられた言葉。
突拍子もないと言えば突拍子もないそれに、思わず惚けた声が上がる]
ちょいとお待ちよ、ローディ……『虚』って……『堕天尸』って……。
[それを知らぬ者は、この世界に居はしない。
しかし、だからこそ、その言葉は重く、響いて]
[パタパタと駆け足でパスタとトーストを持ってきたところで、クローディアが姿を見せた。
そして語られる言葉に、ふぅんと鼻で感想を溢した]
結局、今の私たちには何もする事ないって事だよね? だったら御飯だよー!
[と、パスタをカルロスに、トーストをロザリーに差し出した。そして全部食べたのかな? とオーフェンの皿をみて、憮然とした表情で頬を膨らませた]
こら!
全部食べないとダメじゃない! 苦手とかなら仕方ないけど、そうじゃないなら一度は試してみる!
[そう言ってうんうんと自分でうなづいた]
[会話を中断した直後、現れる白の巫女。
決して大きくはないが、
ざわめきの中ですら通る、澄んだ声]
――『虚』の使徒、『堕天尸』……。
[小さく、繰り返す。
朱い唇に添えられる指。
微かに肩が震える。
そっと、金糸雀色が伏せられた]
[巫女の言葉を聞いても表情は変わらない。深々と頭を下げる姿をじっと見つめ、それから広場へと視線を戻した]
堕天尸か…。
[翡翠の色の瞳が鋭く細められた]
アヤメ、巫女は真実しか告げない。
[動揺しているように見えるアヤメの肩にそっと手を置く]
虚の付け入る隙はどこにもある。この島の住人にも。
だから…気をつけろ。
うん……
[ラスの言葉には戸惑うように頷き。頭を撫でられると、くすぐったそうに目を細めて]
ラス?……ラス
……僕は、おーふぇん
[顔を見ながら名前を確かめるようにつぶやいた後、自分の名を伝え。その後の問いにはびくりと体を強張らせ、頭を撫でる手から逃れるように飛び退る]
虚。
……堕天尸ねェ
[クツ、喉の奥にわらいが引っかかる。]
よくできた冗談だが、
[しかしジョエルの言葉も届く。]
――真実だろうなァ。
[巫女が現れれば、空気も読まず手を振って。
ただし、告げられた内容を心の中で反復すれば、かすか誰かを捜すように視線をさ迷わせた。
きっと今頃、愉しげに笑んでいるのだろうと]
って、うわ…リディちゃん順応力高いねー…。
[呆れたように呟きつつ、パスタはしっかりと受け取る]
わかってる……わかってる、けど、さ……。
[巫女が偽りを言う事などはないと。
わかってはいる、けれど]
……さしものアタシも、これは予想外さね……。
[はあ、と。深く、ふかく息を吐きつつ呟いて]
それも、わかってる……よ。
瑣末なとこから、忍び込むモノ……だしね。
あはは
堕天尸は冬眠が必要なんだね〜。暖かいから暖眠?楽しいのかな〜
[ことの重大性などほとんど理解などせず。ただその言葉を聞いて表情が変わるのを楽しそうに眺める。
やっぱりケイジの顔は見れなかったけど、雰囲気だけは察しつつも、話を聞いた後でも...は変わらない]
[ 首を傾けたまま巫女の話を聞く。
ほぼ話を終えた後に首をふるりとあげる。
島に結界を施し、残されるというならば。]
巫女姫殿は、私たちを『堕天尸』だと…。
そう仰りたいのかしら…?
[ そう言うも、突然手渡されたトーストに意識を取られる。
すぐに離れた彼女を右目で追いながらも溜め息が漏れる。]
困ったものですね…全く。
やはり、滅多なことはせぬほうが良かったということですか。
[ トーストから上がる湯気をボンヤリと見つめる。
自然に首は傾いていった。]
…虚?堕天尸?
なんとも…
[クローディアの言葉に、かしかしと頭を掻く。
幼馴染が幼馴染の肩に手を乗せているのを見、ふ、と息を吐く。
脇でオーフェンが、自分の問いから逃げたのを見ると、ああすまん、と手のひらを見せるようにして上げてひらひらさせた]
/*
……判定、どうしよう。
霊能者:守護天将の素質を持つ者。
封印された者の虚の気配を読み取れる。
ど、どーやって……?
結界樹とおともだちになってみようか。(おともだち?)
[ケイジの声が耳に届くと、狐の面に、一瞬刺すような視線を向けるが、言葉は返さず、アヤメへと視線を戻す]
誰にも…クローディア自身にも予想外だろう。
冬眠か?
[ネロの言葉に、おかしそうに哂う。
それからふと視線を感じ、見ると、カルロスがいた。
狐の下の顔は見られず、しかしその予想はあたっている。]
[頭を振り、口許に手を添えて思考に耽る。
独り言らしき言葉は、端から零れていく]
……けれど、不用心過ぎはしないだろうか。
島を離れられなくなることを告げるにしても、
存在を知られた堕天尸が動き出す事も有り得るのに。
[人垣の合間を縫って進むも、巫女には遠い。
ましてや、余所者の身とあっては。
結局、辿り着けたのは、世帯主の傍らまで]
話は終わったようだから、私は去ろうと思うけれど、
フィオーラは。
−広場−
[驚き。わらい。嫌悪。
巫女の神託へ向けられる表情を、その目に焼き付ける。
記憶に刻んだのは十人ほど。良くも悪くも、印象に残る者達。]
………後者の方だったな。
[耳だけで聞いた神託。
吉兆でなく、凶兆である知らせに眉を顰める。
羽ばたく代わりに、木に預けた背の瘤が小さく盛り上がった。]
[手をひらひらさせるラスに警戒の色を含む視線を送る。盆に残した食物をリディアに怒られれば]
……うん……
[皿の上の料理をじっと見つめた後、おずおずと獣の肉を口に運ぶ。蘇るのはかつて森で目撃した光景。森での数少ない友達が、死肉になる瞬間。口に入れた途端、内臓から湧き上がる嘔吐感に襲われ]
う……ぐえ……
[体を二つに折って膝をついたまま、しばらく苦しそうに蹲っている]
……ま、そうだろうね……。
[予想外、という言葉に、ちらりと巫女へ視線を向ける。
年配者たちに窘められてか、頭は既に上げられていたものの、表情は俯き加減で]
……ま、なんだ。
兄さん、しっかりローディ支えてやんないと。
あの子の事だから、必要以上に無理しかねないし、ねぇ……。
うん。冬眠、ぐっすり眠ったら元気になるということなんでしょ?
[清めるなどというのは先ほど聞いたばかりなのに既に...の頭には消えていて、そしてまた]
楽しい?
[と、無邪気に聞く。]
っと……。
[声をかけられ、一つ、瞬く]
ああ、戻るのかい、エリィ。
……アタシは、もう少しここにいるよ。
[ローディが心配だから、と。小さな声で付け加え]
とはいえ、仕事もあるし、遅くはならないさ。
おい?!
大丈夫か?!
[嘔吐を始めたオーフェンの口の下に手を差し出し、背中を撫でようと手を伸ばす。
抵抗されなければ、そっとその背中を撫で続ける。]
[交わった視線をすぐに引きはがし、パスタへと落とす。
予感が当たっていた事が面のままでも理解できてしまうのが不快で。
やけ食いのように、パスタをがっつく]
あー…、美味い。
[ほんの些細な事に癒される]
孤児 オーフェンは、御令嬢 ロザリー を能力(占う)の対象に選びました。
此処にいても、特別、することもないだろうから。
フィオーラは別か、
確かに…… 親しいものが傍にいるのならば、
不安は薄れるというから、それは好い事と思う。
[思案げに、多少選ぶようにしながら、言葉を紡ぐ]
ああ、それと。
先程、巫女が口にしていた結界樹というのは、何処に在るもの?
[ 湯気を見つめたまま首を傾けていたが。]
今は…何もできないのは確かですわね…。
[ リディアが言った言葉に確かに間違いはなく。
チーズトーストを1口頬張る。
右目は蹲った小さな姿を捉えた。]
貴方、大丈夫?
[そう言って近付こうと―――。]
ああ、判っている。
そのために私は存在しているのだから。
[アヤメの言葉に頷いて、ケイジの声には、冷めた視線を向ける]
あなたに、何かを告げるは無駄だろう。己の意以外のものを受け取る気もないのだろうから。
そう。
[付き人らしき、男の声。
問いかけというよりは確認のような言葉に首肯を返す]
……エリカ。
[流石に返答が短いと思ったのか、己の名を呟いた。
自己紹介のつもりらしいが、それでも足りない]
あは、そうなんだ〜。体をごしごしじゃぷじゃぷ〜って洗うのは気持ちいいよね〜
[見当外れなのはそのままにケイジに答え。
そして返答には笑みのまま。なんで。などと理由は聞かずに]
あは、いいね、楽しいのはいいこと
…なんだって…なんだって…あはは
[そしてまたぐるっと周囲を見渡した後、興味も薄れたのかもう見渡すのもやめて、挨拶もせず広場から出ようかとする]
ま、どんだけ役に立つかはしらないけどね?
[エリカに答え、くつり、と笑う。
冗談めかした言葉は、自身も落ち着こうとする意思の表れか]
ん、結界樹?
島の真ん中、湖ん中さ。
川沿いにのぼってきゃ、すぐに見つかるよ。
[地面に跪いたまま、目を見開き、口から涎を垂らす。ラスに背中を撫でられれば、小さく呻き声を上げ]
……うう、ミルっ……ペチカ……あ
[落ち着くまで、小刻みに体を震わせて何かを呟いている。気づかうような女性の声がわずかに耳に届いた]
[あっという間に食べ終わった食器を適当に置いて、問い掛ける主に向き合う]
別に?ただ少し嫌な予感がしただけデスヨー?
アンタが愉しそうな時に、ロクな目に遭った記憶がないもんでね。
[放つ声は鋭い。けれど、目を見開き]
…まさか、アンタが珍しい事をするから、こんな事になってるんじゃあるまいな。
[視線の先にはネロ]
[ジョエルの返事に、うんうん、と頷いて]
ま、兄さんも兄さんで、背負い込みすぎちゃあダメだよ?
気負いが過ぎれば過ぎただけ、呑まれやすくなる、って言うからね……。
[軽い口調で言いつつ。
幼馴染と居候のやり取りに、ゆるく、瞬きを一つ]
[ 少年が蹲る様子を少し離れたところで見る。]
……酷いようならカレン殿に診ていただきなさいな。
そこの殿方、貴方にお任せしてよろしいですか?
[ 相手からどのように思われているか自身は知らない。
血縁者か何かだろうと、不躾に声をかける。]
人の知っていることなんて、限られている。
勝手に生きるのが貴女のやり方ならば、
己の思うようにやってみるのが好い。
それが、「後悔」をしないことにもなるのだろうから。
[笑う彼女とは異なり、表情は変わらない。
巫女の言葉を聞いたときの、翳りめいたものも失せていた]
川沿い…… ああ。
中央にまでは行ったことがないから、知らなかった。
わかった、ありがとう。
[まさかそこまで拒絶反応を見せるとは思っておらず、慌ててオーフェンの口に指を入れて残った肉を吐き出させると、そのまま彼の頭を胸に抱いた]
ごめんね。
そこまで嫌だったなんて……。
[そういってまるで自分自身が血を流したような苦痛の表情を浮かべながら抱きしめる力を少しだけ込めた]
水浴びが好きか
[ジョエルへの言葉とは違い、ネロへ向ける言葉は愉しみの質が少し違う。]
いいことに思わないのも、いるようだがな
[去ろうとするネロより視線をずらし、狐のしたで三日月をつくる。]
主人に対して酷い言いようだな。
あいにくと、お前を酷い目に合わせたことなどないが?
[あからさまに嘘を吐いた。]
だが、珍しいこと? ――何がだ?
[立ち止まったネロの髪を拒まれなければ、くしゃりと梳くか]
お前も何を好き好んで、こんなのの傍らに居たんだか。
[呟く言葉は問い掛けにも、自嘲にも似て。緩く溜息をついた]
いや、お前なら楽しそうだからとか、それだけの理由な気もするな…。
[オーフェンが落ち着くまで、ゆっくりと手を上下させてその小さな背中をさすってやる。
何か呟いているのは聞こえたが、聞き返さないほうが良いかと、聞き流す。ふと顔を上げると、ロザリーと目が合った。
リディアがかけつけてオーデンを抱きかかえたので、そちらは任せようと立って離れ、ロザリーへと首を傾ける。]
ん、手が必要そうなら、ね。お嬢様。
[おどけているとも嫌味とも分からない、明るい声音で言った。]
用…… しいて言うならば、
己の目で見てみたい、というところかな。
[繰り返される名には首肯を、
後の問いかけには目を眇める]
何か、というのは酷く曖昧な問いだと思う。
『虚』や『堕天尸』の事ならば、皆と同程度には知っている。
この島にいるであろう、その存在であれば、知らないと答える。
その他であるのなら…… やはり、不確か過ぎる問いかけ。
[巫女の警護は父方の親族の仕事。
それを果たすべく動くジョエルに頷き、巫女へと数歩近づく。]
………クローディア。顔を上げてくれ。
貴女は貴女の仕事を成すだけだ。誰も文句など言いはしない。
[深く頭を垂れたままの少女にそう告げ、広場を一睨みする。
ざわめく広場の衆を黙らせ、巫女の負担を減るようにと。]
さて…先ほど少し気配を感じましたが…。
それは…どう受け取ればいいでしょうか?
[目の前にはじっと見据える相手が。]
どうやら、気配は一致しますが。
さて、どう対応すべきか。
目的が同じとは限りませんから。
[ 顎にかけた指で持ち上がった口元を隠した。]
[カルロスに視線に気づき、止まり、振り返ると、くしゃりと頭をなでられくすぐったそうにしながら、問いかけには想像通り頷いて]
楽しいからだよ。あなたといたのも楽しい。独りでいるのも。全部。全部…あは
[そしてケイジの言葉にもやっぱり頷いてから]
他の人は関係ないよ。そうでしょ?
[それだけ返すと返事も待たずに、また足を動かす]
ま、何でも知ってるヤツなんて、いやしないけどね。
[ひょい、と肩を竦めて見せつつ]
はいよ、ま、アタシがいつも好き勝手やるのは、アンタも見て知ってるだろうし、そこらは言うまでもないだろうさ。
[返す言葉は、常と変わらぬ、軽いもの]
……まあ、こんな騒ぎになると、近づきにくいかも知れないけど、ね。
[見てみたい、とジョエルに答える言葉に、視線は一瞬、中央の方へと投げられる]
[背中をさするラスの手が離れていくと、入れ替わるようにリディアの指が口に差し入れられた]
ううん、僕の方こそ
……ごめん、せっかく、作ってくれたのに
[まだ口元に涎と食物をつけたまま、頭を抱かれると]
あ、汚れちゃう……
[少し力の抜けた瞳でリディアの顔を見つめた]
[ 返ってきた言葉に、特に何の感情も抱かず。]
そう。よろしくお願い致しますわ。
[ 離れた姿をそのまま目で追った。
相手を確認しようと、またも首は傾く。]
まぁ、リディアが付いているなら問題はなさそうですが。
[ 顎に手をかけて、1つ頷いてみせる。]
中/
ネロがこの場に居続けるのに違和感を感じて移動と思ったが、そしたら独りになるというなんともかんとも。まあいいか。
その場その場で考えよう
―広場・巫女の登場の少し前―
[降り立つ白い翼の老婆に駆け寄った。広場の端。ラスやアヤメの呼ぶ声も、ここまで届くことはなく。しばしの時が経つ。クローディアの言葉は、自分が聞いておくから、先に帰っても、というと、老婆はわずかに表情を翳らせ、頭を振った。いやな予感がするから、と]
[そのまま、老婆のそばで虹光をまとう巫女が現れるのを見、その言葉を聞く。眉がよった]
……先生の考え、当たったな。悪い知らせだった。『虚』『堕天尸』か。……一体、どこから紛れ込んだのやら。しかし見つけて清める、と言っても、あれを見つけ出す術は、あまり多くはないはず。
[ 怪しく持ち上がる口元を指で隠し、1つ頷く。]
感じた気配は其処ですか。
嗚呼、成程。
[ 周りを気にした素振りは全く見せず。
確認できたその行為に満足をしてみせた。]
[ロザリーの言葉には、自身の両脇の腰の紐に親指をかけながら肩を竦める。彼女の言葉が偉そうに聞こえるのは、自分の僻みのせいだと、嫌な自分をぐ、と裏に押し込めて。
ふと、広場を睨むスティーヴが見えるとその嫌な気持ちは直ぐに掻き消え、自分も手伝って騒ぐ人がいたら抑えたり出来るのかもしれないと広場を見渡した。
幸か不幸か、それほど騒いでいるように見える人物は*いなかったが*]
[汚れるというオーフェンにゆったりと微笑み返し――]
バッカね。それくらいなんともない。
それに、オーフェンには私を怒ってもいい権利があるんだから!
あ、ロザリん、悪いけどお水持ってきてもらえないかな?
[と、隣で自分達を見ていてくれたロザリーにひとつお願いをしてみた]
[ネロとの会話の様子には、奇妙な物を見るようであり。
主のあまりに、いけしゃあしゃあな嘘の付き方には、ジト目を返した。緩慢に肩を竦めた後、ネロを指差す]
アンタが子供と――…、いや、揶揄いがいのない相手と、共に居るなんざ滅多に無いだろう?
[少し考え込んでいるうちに、広場の一角に騒ぎが起こったのを認める。近づけば中心にいる少年と、彼を抱きしめる、金の髪の少女を見つけ]
リディア、どうした?その子、体調が悪いのか?
…何だ?
[突然、聞こえた声に周りをゆると、それでも頭は動かさずに細い目の中、黒目だけを動かして確認する。
目の前の、その少女と目が合うと、ぴた、とその目の動きを止めて。]
…なんだ?あんた…俺に、話し掛けてるのか?
[目を細めて、薄く睨んだ。]
全てを知ってしまえば、
きっと、生きているのも詰まらない。
[軽い物言いに返す口調は、淡々と]
ああ。
おかげで、私は私で、思うようにやらせてもらっているから。
その点では、貴女に「拾われた」ことを感謝すべきなのかな。
[中央へと投げられる視線は追わず、
己に目を向ける男へと眼差しを返す――も、
見られることを厭うように、僅かばかり逸れた]
……わかった。
[肉を吐く少年も目に入るが、その理由は知らず。
命の糧を無駄にする姿に鼻を鳴らすのみ。
エリカの問いが耳に入り、そちらへも視線を刹那投げた。]
………結界樹か。
[先ほど見た樹に異常は感じられなかった。
だが、巫女の言葉に偽りはない。
帰る前に島を一回りすると心に決め、その場に*背を向けた*。]
[エリカを見て、わらう。
といっても、面の下。
カルロスならば見透かすことも出来ようが、狐自身は気にも留めずに彼を見る。]
酷い目ねェ。
本当にわからないな
[愉しげにわらいながら、言葉を聞く。]
あァ。
アレは面白い。別に珍しい行動を取ったつもりは無かったが、お前にはそう見えたか。
……そりゃ、そうだろうね。
[知らない事が多いのも、色々あるけど、と。
呟きは小さく口の中に留まり]
そりゃどうも。
アタシは別に、「拾った」つもりはないんだがね。
[続く言葉は冗談めいて。
踵を返して立ち去る背には、気をつけるんだよ、と声を投げた]
/*
例によって例の如く弾かれ村人か。
…………守護希望した時からわかっていたがな。
弾かれ堕天尸でないのが幸いだ。
赤希望者は何人か居そうではあったが。
まあ、気楽に動くか。明日から。
[エリカの答えを確かめると、アヤメに視線を戻す]
アヤメ、しばらくクローディアの傍についていてやってくれるか?
[言いながら、巫女の傍から立ち去るスティーヴの背に目礼を送った]
[広間から抜け出すように歩く
途中、昔知っていたような人もいた気がするが、気にせずに歩いた。
目的地などもって歩くことなど久しくなく。今回もそうで、川を、水の流れを追うように、陽気に笑いながら歩いて]
あは あははは
負なんてない人。いないのにね
[そうして、ラスにもお礼と謝罪を述べようとした時、背後から聞き知った声が聞こえて首だけをぐるりと振り返ると]
あれ? カレリンも居たんだ?
[本名より長い渾名に疑問を1ミクロンもはさまず、カレンの疑問に苦笑した]
いや、オーフェンに御飯を作ってあげたんだけど、お肉食べたら具合悪くなっちゃったみたいで……
[リディアの顔を見上げ]
怒る権利だ、なんて
何で、そんなこと……
[と、近づいてくる足音、聞こえる声]
もう、平気……っ
[力を振り絞り、体を起こそうとする]
[ 小さな子供の傍から離れた男を視線だけで追う。
首は変わらず傾けたままで。]
…え、お水?
ああ、構わないけれど。
[ リディアから声がかかれば、首を戻し彼女へと視線をやる。
顎から手を離し、彼女へと返事した。
カレンの姿を認めれば。]
カレン殿、この子調子が悪いみたいで。
宜しければ、診てやってくださいな。
[ 彼女にそう言うと、自分は水を取りに台所へ。]
[ 視線ははずし、台所へ向かう途中―――――。
薄く睨まれたことには気付いているのか。]
くす、ふふっ―――――。
話しかけた覚えがありませんわ。
[ 髪を少しいじる。]
嗚呼、私の声も聞こえているのですね。
さてはて…困ったものですね。
[ 台所に着き、水を汲もうと。]
ん、ああ、別にかまやしないよ。
アタシにできそうなのは、今んとこそれ位だしね。
[溜め込み気味の機織の仕事の事は、多少は気になるが。
こんな報せが出た後では、受け取り側もそれどころではないだろうから、と強引に理由をつけて納得しておく]
……兄さんも、無理は禁物だからね?
[一応、突っ込みを入れてから、落ち着かない巫女の側へと向かい。
どこか蒼ざめたよにも見える顔を向けられれば、元気付けるよに*笑いかけ*]
[川の流れを逆しまに辿り、
水の源を求めて上っていく。
冬は過ぎたとはいえ、陽が落ちれば、まだ冷える。
されど、気にしたふうはなく。
飛べば早いのだろうが、一歩一歩と、踏みしめる。
喧騒を離れてしまえば、聞こえる音は少なくなっていく]
困る…?何が困る、んだ?
というか、この「声」は…なんだ?
あんた、俺に何かしたのか?
[同じ陽光の青年から、少し困惑した声が、返る。]
[ネロの出す解答は、やはり予想通りで。それでも、普通にケイジと会話が成り立つ様子には、違和感のみが湧く。
立ち去るネロを見送り、ケイジに視線を合わせれば、エリカを見詰めていたようで、その視線をなぞる]
分からない、ねぇ…いっそそのまま、全部忘れちまえば良いのに。
[後半はささやかに呟き。問われれば、頷きを返す]
あぁでも…確かにあのガキは変な所があるからな。
変人同士、何かがあってもおかしくは無いかもな。…珍しい事に変わりは無いが。
頼む。
[アヤメの仕事の事情は知らぬながら、彼女の好意に頼っているのは自覚していたから、静かに頭を下げた]
私は大丈夫だ。
[自分に向けられた言葉には、そう答えて…広場から人々の姿が消えるまで*じっとその場で見張りを続けるだろう*]
[ 台所でコップに水を汲む。]
さてはて…これはどう理解すべきでしょうか。
巫女姫殿のお遊戯にしては、趣味が悪いですわね。
ジョエル殿の言葉通りの意味でしょうか。
[ コップを持って振り返る。]
そうなれば…巫女姫殿の言葉も真意であると。
何とも受け入れ難いですが。
[ 急いで戻らなければと、コップを持って広場へと。
その水をリディアへと。]
はい。お水。
[ 彼女の傍へと近付いた。]
[名は意思の疎通に支障がなければそれでいいと思っているので、呼び名は特に気に留めず。後の方の言葉には眉をひそめた]
リディアの料理を食べて、食あたりをおこしたのか?古い食材を使った覚えはないか?
・・・いや、今食べたのか。なら、
[体を起こそうとする少年を見て、そばに膝をつき]
無理はしないほうがいい。少し落ち着け。息を深くして。痛むところはあるか?
/*
どうも、狼ですよろしくお願いします。
えぇと色々相談事もあるのですが申し訳無い、そろそろタイムアップなので失礼します…!
48hなので、大丈夫です、よね?
明日は昼前頃から顔が出せるかと。
多分少々ソロール落とします。
では失礼しますー。 何かありましたら、言い置いて下さい。
*/
あは
[立ち止まって。川の水に手を浸すやっぱり目的はなく。
そして服を着たまま勢いよく川の中に飛び込むと]
ごしごし〜♪じゃぶじゃぷ〜♪
[なんて陽気に鼻歌歌いながら、川の流れに身を任せて流されている]
[カルロスの言葉は聞こえたか、それとも聞こえずか。
狐はただわらうのみ。]
変人ねェ。それはひどい言い方をするものだな。
しかし、虚、ねェ。
お前も、素質はあるんじゃないか?
[揶揄い含んだその声音。
それから飽いたというように、狐もまたそこから、白いつばさを広げて*飛び立った*]
[ 困惑した声に目を細める。]
……「声」が聞こえるのは想定外ですわね。
貴方が私の、障壁とならなければいいですが。
もう、だいたい察しはついてらっしゃるのでは?
[ と言っても自身も驚きは隠せないのは事実であり。]
何かしたか。
その問いに答えるのは私ではないでしょう。
己で考えなさいな。
[ 溜め息を漏らしながらそう言った。]
[傍らに置かれたコップを見て、ロザリーに視線を移す]
ありがとう、ロザリー。
[真摯にそう礼を口にした。
と、ほとんど時間差なくカレンの口にした言葉に、思わずがくりとコケた]
ちょっと〜! カレリン、言うに事欠いて古い材料って……。
私がそんなへまする訳ないでしょ〜!
[近づいてきた女性に話しかけられれば、しばし目を瞬いて顔を見つめ、記憶と照らし合わせる。問いかけには、体から力を抜いてすうっと息を吸い、吐く]
……ううん、どこも……
[小さく首を横に振った]
/*
私も狼ですわ。
よろしくお願い致します。時間はお気になさることないよう。
こちらこそ、反応鈍くて申し訳ないですわ。
相談に関しては適宜。
そちらも何かありましたら、言い置いてくださいませ。
*/
[ばしゃん。
静寂と穏やかな流れが引き裂かれる音。
歩みは止めずに、視線を先へと滑らせた。
見え隠れする赤。
きょとり、瞬く]
[ 水を手渡せばカレンから予想外の言葉が。]
カレン殿…貴女までそう仰いますか?
目は…まぁ、右は普通に見えますし。
出不精をも引き摺り出す力があるのですよ、巫女姫殿に。
[ 思ったことを素直に口に出す。
小さな子供の容態はどうかと、少し目を凝らすが。]
リディア、貴女またヘマをしたの?
[ リディアのその言葉だけを聞いて、蹲る子供を気の毒に思った。]
清めましょ〜♪
流れる水〜♪落ちてくる水〜♪
ごしごしじゃぷじゃぷ清めましょ〜♪
[誰かがいるなど気づくこともなく、ただ陽気に歌って抗うことなく流され中]
[酷いも何も本当だ、とか。アンタにだけは言われたくない、とか。
思う言葉はあれど、口を噤む。言い返せば言い返す程、不愉快になるのだから。
その様に飽いたのか、主が去るのに息をつく。
そこで漸く周囲を見る余裕が生まれた]
[ロザリーがわざわざ自分のために水を持って来たと知ると]
……あ、りがと……
[恥ずかしさに赤くなる。リディアを責める声が聞こえれば]
ううん、リディアさんは、何も悪くない……んだ
それに、もう平気だから……
[その場にいる人たちの顔を見ながら告げる]
[ 小さな子供からお礼を言われれば、
一瞬驚いたような反応を見せ。]
…別にかまいませんよ、困った時はお互い様です。
ですが、病気ならばやはりカレン殿に診ていただきなさい。
今は軽いと油断していては、大変ですよ。
後から取り返しのつかないこともありますので。
[ そう言って嫌がられなければ、その頭を撫でようとする。]
あのさ、そこなるお嬢さん方。
そいつ一息ついたんなら、家なり、少なくとも近くの日陰にでも移した方が良いんじゃないですかね?
[吐瀉物の始末だとかは、さておき]
男手が要らないなら、俺も帰るけど?
[声が聞こえた。それに興味がわいたから、頭をあげて声がしたほうを見る。問いかけは聞こえなかったことは気にしていないまま、やっぱり笑みを刻み]
やっほ〜やっほ〜
[と手をぶんぶん振ってから]
僕はネロだよ。あはは〜。
あなたは誰かな?
[ロザリーからのジト目に、さすがに...の半泣状態になってしまう]
うう……。ロザリんまでそんな事いう……。呼び方変えないからこういう時に仕返しするんだぁ。
[と、自覚のある事をさらりと口にしていると、胸元でオーフェンが嬉しくなる様な事を言ってくれて、思わず口元が緩んだ]
……それじゃ今度、お豆腐で美味しいの作ってあげよう! ……お豆腐は大丈夫だよね?
[等と次回作への構想を頭でまとめだそうとした途端、再びカレンからのツッコミで今度はがくっとずっこけた]
いやぁ……。多分それはカレリンの気のせい気のせい……。
[最終的に誰もいない空を見上げながら、鳴らない口笛を吹いてみたり]
くすくす。
えぇ、後悔してからでは遅いのです。
でしたら。
スベて…ヲむ…にキセば……
[ そう心が叫ぶ――――――。]
[振られる手、滴が飛び散る。
数歩、川へと歩み寄った]
……エリカ。
[名乗りに対して、思わず、素直に返した]
別段、他者の趣味に、如何こう言うつもりはないのだけれど。
身体を清めるにしても、川に流されるのは非効率的ではないかな。
それに、水は落ちてくるものではないと思う――雨でもなければ。
[カレンから手当てをされると戸惑いながらも大人しくしている。言われるがままに深く呼吸をし。やがて少女の口から紡がれた単語に、眉根を寄せて瞳をじっと見つめ]
……堕天尸……
本当に、いると……思う?
[ロザリーから親切な言葉をかけられると、緊張した面持ちのまま]
……うん、ありがとう。
カレン……殿?
[その名前を聞くと、隣で診療してくれる女性にちらりと視線を向ける。ロザリーに頭を撫でられれば、その手の柔らかさとふわりとした良い匂いに、紅い瞳を細め]
…くそう。ガキは良いよなぁ。警戒とか絶対されないもんなー…。
ちくしょう。たくさん女の子に囲まれてちやほやされてるようにしか見えねぇや。
>>86
他にも何人か、普段は見かけない人を見かけたんだ。さすがにクローディアの呼びかけの力は強いな。何でもかんでも集まってくる。
[少年の言葉には、ふむとうなずき]
もう疑ってはいない。さっき食べたばかりなのだろう?食あたりが起こるには少し早い。
しかし、しばらくはあまり動かず、休むほうがいい。飛んでいる最中に、さっきのような状態になれば、しゃれにならないから。リディア、この子の親は?
[リディアに問いかけたところに、
>>93の声が聞こえて。膝をついたまま振り仰ぐと、先ほど別れた隷属者の姿]
ああ、そうだな、この子が立てないようなら、運ぶのを手伝ってくれるとありがたいが。
……しかし、ずいぶん親切だな。さっきはさっさと消えたのに。
[歩み寄ったのを見て、流されるのをやめて立ち上がった
水がぽたぽた滴り落ちるが気にはならない]
あは、楽しければ非効率でもいいんだよ〜
雨にぬれるのも楽しい。
今日は晴れてるけど、日に当たるのも楽しいからいいんだ〜
[調子外れに対照的なぐらい陽気に言って、あがろうかと川の中を歩いて、滑って
水の中にまた倒れて、結局流されている]
[ 子供の髪をそっと撫で、手を離す。
それから、笑いかけた。]
無理はしなくていいですわよ。
[ リディアの声に反応してそちらへと視線を向けた。]
仕返しされている自覚があるなら、言動を改めなさいな。
全く…カレン殿を見習って欲しいものです。
[ そう言ってカレンを見る。
彼女の言葉には無言で頷きだけを返した。]
[ 声をかけてきたのは自身の知らぬ男。]
この子が必要であれば、手を貸していただければ。
先程の殿方は離れられましたし。
急ぎの用があるなら、お戻りになって大丈夫ですわよ?
[ そう相手に投げかける。
といっても―――――、
子供の判断は最終的にカノンに委ねることになりそうだが。]
[堕天尸について疑問を口にしたオーフェンに...はあっさりとさぁ? と疑問符を返した]
でも、居たとしても普通にお友達になればいいだけじゃないかな!
[と、何も考えていないような一言で言い切るあたり、カレンの真っ直ぐで失敗するというのは的を得ているのであろう。
とりあえず、カルロスに大丈夫そうだと返答しようとした時、カレンのオーフェンの親に関して質問が聞こえた。
さすがにこれには即答していいか迷い、ちらりとオーフェンを見つめた]
うん、お豆腐なら大丈夫……だと思う。
……楽しみ
[鳴らない口笛を吹くリディアの姿に小さく笑い、カレンの言葉には]
うん、飛ぶの……やめとく。
立つのは、平気
[ロザリーに向けられた笑顔に微笑み返すと、二本の脚で地面に立ち上がる]
りょーかい。ガキんちょ、立てるか?
[しゃがみ込み視線を合わして尋ねる]
残念ながら、俺は村の連中に白眼視されててね。
どこぞのガキを連れ歩くと身に覚えのない誘拐事件の一つや二つ、簡単に作り上げられちまうのさ。
[微苦笑を浮かべ、ごまかす。
決して、女の子に囲まれていた少年がうらやましいだとか、そんな気持ちで無いことを]
……楽しい。
そういうもの、かな。
[立ち上がって、歩いて、滑って、倒れて、流されて。
一連の動きを、吊り上がり気味の眼を見開いて、見つめた]
陽に当たるのが楽しくて、
雨に濡れるのが楽しくて、
それならば曇りの日には詰まらない?
[川は穏やかではあるものの、
流される少年を見て、自分も追うように歩んだ。
少し先に行った所で立ち止まり、片膝を立ててしゃがむ。
ゆっくりと手を伸ばして、
けれど、数拍の間を置いて、また引っ込めようとする]
[ リディアの言葉には少し声のトーンが落ちた。]
巫女姫殿自ら動くのですから、穏やかではないわ。
お友達…になれれば、何の問題もありませんが。
[ そんな彼女聞こえないように呟いた。
カレンの言葉に名前を知らぬことを思い出すが。]
……それは、御可哀想に。
[ 白眼視されるという男の言葉に心底同情した。]
[立ち上がれるなら、付き添いの必要も無いかと、自身も立ち上がる。
カレンが自己紹介していたのに気付くと、あ、と小さく声をあげた]
カレン…か。漸く名前、聞けたよ。
それと、そっちがロザリーちゃん?ロザリんじゃないんだ?
……あぁ、そっか。俺も名乗ってなかったな。
カルロスだよ。カルロス=ディン=ガードナー。
[ぽんと手を打って、名前を名乗る]
なら、お豆腐を団子状にして、ふわふわに揚げたのなんてどうかな?
[と、オーフェンに質問しつつ、カレンとロザリーがカルロスの事を知らないというので、少し悪戯な小悪魔の顔が鎌首をもたげた。
ニヤリと含み笑いを浮かべて――]
その人は、エリカん曰く、お馬鹿さんらしいよ〜♪
[こういう時の...は本当に性質が悪い]
堕天尸と……普通に、お友達……?
[リディアを不思議そうな目で眺め、カレンの問いの後、リディアから向けられた視線を受け]
……いない
[特に感慨なさげにカレンに告げる]
[滑って水の中に倒れたまま仰向けになってまた流されている
それを追うように歩くエリカを見ながらやっぱり...は笑っていて]
曇りの日も楽しいよ。雨が降るのかもって思えて楽しいよ〜
[同じような返答をまた言った。
そして流されながらもエリカを見ていたら、川の流れつく少し先に行った所で立ち止まり、片膝を立ててしゃがみ、手をこちらに伸ばし、それを不思議そう見る。手を掴もうという考えはなかったらしいが]
エリカも入る?
[カレンから名前を聞けば、一人ずつ顔を見ながら名前を記憶していく]
えっと……僕は、おーふぇん
[自分を指差しながら自己紹介。名前以外に言えることは思いつかなかった]
[低く、咽喉の奥で嗤う]
可哀相、かな?ははッ、憐れみを有難う。
いや、でも、世の中にはきっと俺より哀れな奴はたくさんいるしね。
それに、白眼視してくるのは、一応理由もあるしねぇ。
[軽い口調で肩を竦める]
[ 子供が立ち上がるのを確認すれば、少し安心した。]
オーフェン。それが貴方の名前ですね。
私はロザリンド。ロザリーで構いませんわ。
まかり間違ってもロザりんではなく。
[ 最後の1文だけは強調しておいた。
そんな災難の振り撒く彼女の言葉なのに。]
…御馬鹿さん…ね。
白眼視される理由があるならば、正当ですわね。
他の方から抱かれるイメージは。
[ そうポツリとカルロスと名乗った男の感想を述べた。]
楽しいに、楽しいか。
楽しいことばかり。
貴方の中には、楽しいことしかないよう。
楽しいことしかしたくないのか、
全てを楽しいと思っているのか。
[“たのしい”、
繰り返す言葉は単なる記号。
四つの音は虚空を彷徨って消える]
……入るには、この時間は些か寒いかな。
水浴び自体は、厭うものではないけれど。
それに、私は、ゆきたい場所があるから。
[何も掴まなかった手は、膝の上に。
再び立ち上がるも、追って歩むことはない]
平気か、そりゃ良かった。
また、具合悪くなったら、カレンに言えよ?
…いや、お前は何も持っていないように思っててもなぁ、実は案外いろいろあるんだよ。
……子供だもんなぁ…。
[やっぱり羨ましいとか、思ったり、思わなかったり]
[そうしてカルロスの事を少し弄りつつ、それでも白眼視についてだけはきっぱりと否定した]
そんな事は絶対にないよ! 少なくても、そういう話とか全部聞いてても、カルロスさんはお友達でしょ!
あは。わかんない。どうだろうね。忘れちゃった
[陽気に答え、手を引っ込めて立ち上がったのを見る。自分で立ち上がることもせず、追われなければ、水の流れに従って離れていくだけで]
またね〜〜。おやすみ〜〜〜
[手をぶんぶんふって、このまま*寝る気らしい*]
[オーフェンがしっかりと御婆様が居ない事を口にしたを聞いて、しっかりと受け入れたのかと...は思っただから、何とはなしに自然とこんな言葉が口をついた]
……いないから、私がお姉ちゃんになろうかなぁ……とか、ね
おい、こら、リディちゃん!俺はバカじゃないと、何度言うたらキミは解るの?
そして、ロザリーちゃんもそう言わないっ!
[びし、と指を突き付ける。無礼は先刻承知で]
白眼視される理由は有っても、それが正当な態度か否かは俺には分からんね。
[ロザリーから名前を呼ばれると、口元に笑みが浮かぶ。照れたように頬を掻いて]
うん……ロザリン、さん?
[後から発せられた名前で記憶された。何度か口の中でつぶやく]
うん。ありがとう、カロディ……ドナンさん。
僕、いろいろ、持ってるの……?
[カルロスの言葉の意味がわからずに、眉根を寄せて首をかしげた]
白眼……視って?
[ 首を傾けて話す男をじっと見る。]
確かに理由はあっても、正当な態度とは言えませんわね。
失礼致しましたわ。
成程、御馬鹿さんは撤回しておきましょう。
[ そう言って視線をはずす。
広場を窺うも聞こえた声に反応する。]
……、ロザりんではありません。
ロザリーですわ。
[ とりあえず名前の訂正に勤しむ。]
おや、リディちゃんが微妙に優しい…。
で、優しさついでに、そのお友達を恋人に変えてみたりしない?
[調子づいた]
オーフェン、俺は、か・る・ろ・す。
おう、子供は大人にはない特権が有るんだ。今はまだわかんないだろうけどな。
白眼視なんて、お前は気にしなくて良いんだよ。
[またも微苦笑]
お休み…… お休み?
いや、そのまま寝るのは問題かと思う。
水は冷たく大気も冷えているのだから、
体温の低下は免れない。
あるいは、凍死より溺死だろうか……
何にせよ、上がって乾かしてから寝ることを勧める。
[伸ばさなかった手は、
何も掴むことはない。
少年の「楽しみ」の邪魔はせず、草の小舟を見送ったときのように、
否、途中で小さくなる姿から視線を外して、流れとは逆に歩み出した]
[耳に入ったリディアの言葉に、目を瞬いて]
……え、お姉ちゃん?
なんで?
[不思議そうに首を傾げ。僅かにふらつきながら、カレンに木陰まで導かれていく]
うん、独り。でも平気。
……それに、婆様の側にいたいし。
[途中、聞こえた名前の訂正には、ロザリン?ロザリー?と名前がぐるぐる回っている]
[カレンのオーフェンに対する事に、小さく首を振って]
とりあえず、しばらくは家につれてくよ! その方がカレリンもしょっちゅう本読みにくるし、そのついでに診られるし、OKじゃないかな?
あ、後出不精のロザリんのところに連れてって、ロザリんの遊び相手にもなってもらえるし!
[が、調子よくターゲットをロザリーに変えた途端に、カルロスが再び恋人になるか宣言。
満面の笑みを浮かべて、少しだけ首をかしげて、左斜め45度の角度の上目遣いから]
カルロスさん、ず〜っといいお友達でいようね!
[矛盾を突き付けられ、少し息を飲んだ。まさか、内心がバレているとは考えたくないが]
その、えーと。ほら。
今は証人がいるから平気かなー、って。
さっきとは、分かりにくくも科学的、物理的に微妙な誤差が生じているのだよ。うん。
[ぺらぺらと、口が滑らかに動き出す]
[ やはり視線を感じるか――――。]
さて、私は今日は失礼させて頂きますわ。
もう巫女姫殿のお小言も終わったようですし。
それに、ジョエル殿の視線がそろそろ痛いですしね。
[ そう言って羽根を広げる。
淡い金色の羽根が、うっすらと光を放った。]
では、お先に。
皆様も、お気をつけて。
[ そう言って飛び立ち向かうは自分が*普段在る場所。*]
かる……ろうす……覚えた。
特権って、何だろう。
……うん。白眼視は、気にしない
[科学的とか物理的とか、大人は難しいことを言うものだなと感心していた。ロザリンの挨拶を聞いて]
わ……
……さよ、なら
[ふわりと金色の光が羽ばたくのを、うっとりと見つめていた]
/*
自突込みすれば、さっきの、実はそこまで矛盾でもない気はするのだけれどー。今回のはともかく、さっきのは確かにそういう理由だったのだろうし。
さて…困ったことになりましたか…。
[ 屋敷に着く頃には、その羽根の一部は黒く染まりだしていた。]
ううっ…やはり簡単にはいかないようですね。
[ 見えぬ左目を包むように手で顔を覆う。
手は己の機能しないソレを潰そうとするかのよう力を込める。]
スベテを破壊するには…どうするべきか。
……邪魔者は巫女姫殿か…、くすっ…。
[ 尚も手は力を込めたままで。
息が多い笑い声を1人部屋の中に充たす。
やはり、部屋の中は異常なほどに*暗く感じた。*]
……リディアさん、ごちそうさま。お豆腐料理、楽しみにしてるから。
カレンさんも、看てくれて……ありがとう。カルロウスさんも。
それじゃ……僕、帰るから。おやすみ
[リディアの家に連れて行かれる前に、慌てて住み慣れたあばら家に向かって、広場を飛び立つ]
[飛び立ったオーフェンに、...は慌てて自分も飛び上がった]
ね、今日は家においで?
どーせお風呂も入ってないんでしょ! たまには入らないと御婆様も臭い臭いって笑っちゃうよ?
[そう言って、オーフェンの後ろを飛びながら*にこりと微笑んだ*]
[島の中の、森の中の、湖の中。
島の護りたる樹はそこに在った。
此岸から、彼岸――中央に生える樹を見る。
闇に覆われて、今は、色は見えない。
夜と同化するように、静かに佇んでいた。
平坦な道とは言え、
歩みのみなれば、多少の距離も遠くなる。
辿り着いた頃には、白い頬は朱を帯びていた。
付き人の男に近づくなと言われたこともあったが、そうでなくとも、触れようとするには、飛ぶのでなければ、湖を泳いでゆくしかなく。
人目につくのは免れそうもなかった]
[去り際にカレンの言葉を聞くと]
うん。血は、繋がってはないけど……僕には……唯一の家族だったよ。
リディアさんと?……うん、考えるだけなら。
[一瞬寂しそうな瞳をして、その場を飛び去る]
……結局……飛んじゃったな。あ、あの声は、リディアさん……?
[若干ふらつく飛行を心配され、リディアの熱意に折れるように今日だけは彼女の家に向かう*ことにした*]
私やラスは証人のうちには入らないのか。そうかそういう扱いか。
[カルロスの言葉には、そう返した。なにやら調子づき、リディアに耳打ちされて落ち込み。くるくる動くカルロスの表情を、何となく、じいと観察している。]
[結界樹は何処の島にでも存在する。
けれど、こうして目にするのは初めてだった。
自分の居た島も、このような気だったのだろうか。
――懐かしむ気持ちは、あまり起こらないけれど]
[吹き抜ける風。
葉が、舞った。
癖のある千草色の髪が揺れ、
彼方を見つめていた双瞳が揺らぐ。
それきり、目を逸らす。
戻る道のりはまた遠い。
森の中、幹に凭れて休息を取る。
――されどそのうちに、*意識は眠りの淵に*]
[広場を見渡す。少しの間に人は減り、あちらこちらに飛び立つ姿が見られた。
巫女の姿は見えたかどうか。護衛の生真面目に人々を見張るまなざし。目が合えば、会釈でもしたかもしれない]
そろそろ、帰る。先生も、もう戻ったようだし。
[風に吹かれてまといつく髪を払い、カルロスに挨拶すると、大地から離れるため、*翼を広げる*]
/中/
しかし、賄いネタ好きな人にはキツイ世界観かもねぇ。
素材名を出すと引っかかりやすいから……。
ていうか。
豆腐はあるんかねぇ……(まて原作者。
まあ、あっても不思議はないか。
─広場─
[俯きがちな巫女の側に護るよに付き添いつつ。
疑問を投げてくる者がいれば、説明する巫女を補足するようにそれに返したりもしながら]
……ローディ、あんた一人でどうこうできる事じゃないだろ?
もう少し、周りを頼りな?
[でないと、みんなして倒れちまうよ、と。
冗談めいた口調で言って。
ジョエルが戻ってきたなら、後を任せて自分は深紫の翼を広げる]
んー、ああ、気にしない、気にしない。
アタシが好きでやってる事さね。
[礼やら何やらを言われるなら、ひらり、と手を振りつつ軽く返して。
広げた翼で大気の流れを捉え、舞う。
向かう先は村外れ、森よりの自宅──ではなく、島の外れ、海の側]
[島の周囲に浮かぶ、小さな岩塊。
白い雲海に浮かぶ小島の如きそれの一つに、ふわりと降り立つ。
緩く吹き抜ける風が、動きやすさを重視して膝上まで丈を詰めた小袖の裾を揺らした]
……『虚』に、『堕天尸』……か。
[呟く瞳に浮かぶは、陰りの色彩か]
……ねぇ……アタシは。
こんな時にどうすりゃいいんだい?
父上……母上……。
[消え入りそうな声は、常とは打って変わって自信なく。
肩の相棒が、くぅ、と不安げな声を上げるのに、苦笑が浮かぶ]
ああ……らしくない、ねぇ。
大丈夫さ、ラウル……何とかなるさね。
[不安げな相棒を宥めるように撫で。
ぐるり、白の海を見回す]
……さぁて、少しでも仕事、進めるとしようか!
[自身に発破をかけるよに、明るい声を上げたなら。
深紫を羽ばたかせ、今度こそ*自宅へと*]
[狐を取る。
白い狐の下から、白い肌の男の顔があらわれる。
額に亀裂のように走る痕。
虚の話を聞いたからか、ずくりと疼いた。
そこの中から、なにかが現れようとしている……]
っ、――この
[苦痛に歪むかんばせ。
皮膚が、肉が、骨が、引き裂かれるように痛む。
長い指がそれを食い止めようと強く掴んで、それでも漏れてゆく欠片を白の力が消して行く。
虚の けはい。]
[身の裡に溜め込んだ虚の元――こころが、
外へそとへ、向かおうとする。
堕天尸の元へと向かおうと、
つまさきから、ゆびさきから、くちびるから、
額をめがけ、這い上がる。
――ぐらり。]
[狐の模様よりもあかい、禍々しくもくれない色の口唇がつりあがった。
ふるきずから伝うどろりとしたものが、目のそばを通り口の中にすいこまれてゆく。]
おまえ、たちか…
[ことばは、掠れた。愉しそうに、ふるえた。]
[血のようなどろりとしたものをぬぐった。
そこは内側からもりあがり、開かれていた。
額のきずだったものは、縦に長く裂け、……それから、中央に、やみが埋め込まれていた。]
/*
あんまりにいたいんで独り言
飴かんだら、おもいっきり飲み込んでしまって
今のどがひどく痛いです。へるぷ。
やけるみたいにあついんですよ、喉。
/*
おはようございます。烏賊です。
ええと、いくつか相談ごとを。
・共同戦線風味でいくか、個人戦で行くか
動機にもよりますが…利害が一致すれば共同で基本個人、でよさそうかな?とは思っていますが。
・展開について
所謂どちらがLWになるか、ですね。
ラスは「こんな世界もういやだー」的な感じですので、最初に出るも最後もどちらでも担当できそうです。
・今日の襲撃
クローディア襲撃をどちらがやるか。
そちらがしたければお任せしますし、したくなければやっても問題なく。
*/
[クローディアについている2人の幼馴染と、オーフェンを取り巻く小さな騒ぎを2歩下がって見ていたが、どちらも姿を消すと自分も薄金の翼で空を滑って自宅へと帰る。
古い木の扉をあけて入ると、家族は揃っていた。]
ただいま、っと。
[お帰り、と声が返り、青い顔をした母親とテンションの高い妹が迎えに出てくる。
質素なご飯を食べながら、クローディアに言われた事を話し、父親に薬を飲ませて後片付けをしてから、薄い布団で就寝した。]
[布団の中で、考える。
虚、堕天尸。
あぁ、それは…自分の中に巣食う悪魔の事かもしれない。
もうこんな生活嫌だと思った。
でも尊敬すべく両親を捨てるわけにもいかないと思った。
なら――全て壊れてしまえ、と。
そう思った自分の事かもしれない。
怖くなって、夜中に起きて飛び出した。
月明かりの下、出した翼は、薄金と薄墨色の斑模様になっていて。
自らの中の「闇」は、もう「虚」に捕らわれている。]
―深夜―
[薄く金と闇色の斑になっている翼で自らを包むようにして、長い間しゃがみ込んでいた。
ゆると翼が開いた時、組んだ手の上で空を睨むように見上げた目には深い闇。
足元でうとうとしていた疾風が、きゃんと鳴いてはなれていった。]
…疾風。
つれないやつだなぁ。
[歪んだ笑みを顔に貼り付け、苦々しく眉を寄せる。
自らの翼を前へと寄せて手で丁寧になでると、斑の闇色は薄くなり元の薄金へと変わる。…苦手な分野なので、少し汗が浮いた。]
俺も自由になりたいとか思ったのは。
それは無理だと、思ったのは。
なら皆壊れてしまえ、と、思ったのは。
もう、いつだったかなんて、思い出せない。
[太陽が出る前から起き出して、家の裏手の小屋にいる羊の乳を搾って瓶に詰める。
羊の寝藁を掻き集めて纏め、新しい寝藁をひいてから古い藁を細かく裁断し、袋に詰める。
その辺りで太陽が出始め、眩しくも嬉しそうな表情で出迎えると母親の朝ご飯の声が聞こえ、長身を屈めて家へと戻った。]
今日は、スティーヴさんとこ行って来るよ。
仕事、貰えそうなんだ。
昨日の実も届けてくるし、あぁ、親父の薬も貰ってくる。
[簡単な食事を済ませると籠に実を纏めて手に持ち家を出る。
膝を屈めて飛び上がって開く翼は、太陽の光を跳ね返す様に薄金に煌いた。]
/*
さてさて。
ラス君は妬み僻みから虚に捕らわれています。
良い子なら苦悩するんでしょうが…
「だって仕方ないじゃん」
路線。
…今更25才って設定がちょっと上すぎたかと思ったりするけれど
実際の25歳ってそんなもんよね?(だめ?w
*/
*/
しかし、この「負縁故もひとつはつなぐように」って縛り、良いですね。
誰が弾かれ狼になっても対処しやすい。
素晴らしいと思いました。
*/
あぁ、思い出した、そうだ「虚」は――
俺に、生きる力を、くれる。
[何かすがすがしい気分でくるりと宙返りをした。
ふと、思い出すのは昨日の少女との頭の中での会話。]
巫女の力の影響?
あの巫女さんが出て来てから、急にふわっと俺の中の「闇」が膨れた気がした。
護りの陣の強化、とかも言ってたし…どうも、なぁ。
[かり、と頭の後ろを掻く。]
[ふるり、頭を振り、
寝惚け眼を擦ると、伸びをした。
しぱ、しぱ、ぱち、ぱち。
まばたきを幾度かして、辺りを見回す。
顔を上げた先には、あたたかな木漏れ日。目がきゅぅと細まった]
……しまった。
[ぽつりと呟く。
大して後悔の混じる声音ではなかったが]
[風に乗って飛行を楽しんでいると、ふと、眼下に昨日見た顔。
羽根を縦に伸ばし、やや垂直気味に下降する。]
おい、大丈夫か?
[声が届く距離まで降りたら声をかける。
何かあったのか、と。]
[地面に座り込んだ侭、
降って来た声に顔を上げる。
風を切る羽の音。
僅かばかり眉は顰められて、
細まった目と相成り、睨みつけるような形になる。
それでも、首を振るのは、否定の意]
[とす、と小さく音と砂埃を舞わせて地面に降り立つ。
只でさえ長身なのに相手が座り込んでいる状態で、見上げる目は睨んでいるようにも見え、何もするつもりはないと言いたげに両手のひらを立てて振って見せた。
首を横に振られて何も無いと分かれば、自らの首の後ろを手でさすりながら]
何も無いなら良いけど。
助けが必要なわけじゃないんだな?
[とぼけた声を出した。]
[降り立つのを見れば零れる吐息。
視線も下へと逸れて、眼は伏せられた。
立ち上がり、服についた草を払う。
それでもやはり自分より頭一つ半は高い相手を、
数歩距離を置いた場所から見やった。
問いかけに、一度、頷いて]
……帰ろうとして休んでいたら、
つい、寝てしまっていただけ。
[口数が少ないのは、寝起きの所為もあった。
返す声は、変わらず、平坦]
[問題なく立ち上がる姿に、首の後ろをさする手を止めてふ、と細い目に笑みを浮かべる。
表情ねぇなぁ、等と思うけれどもそれは口には出さずに]
そか。
疲れてんなら、無理すんなよ?
[自分よりも大分年下に見える少女の頭へと、手を伸ばした。
抵抗されなければ、髪についた木の葉をそっと取るつもりで。]
疲れてはいない…… けれど、
眠いのの次には、お腹が空く。
[手は所在なげに、身体の横に。
言葉選びも、幾らか幼い。
伸ばされる手を拒むことはないけれど、
ぱちりと一度、大きく瞬いた]
腹か。
[髪に絡まる小さな木の葉を、骨ばった長い指で挟んで取ろうとしたが、くせっ毛に絡まるそれには少し苦労をして、片眉を上げながら両手で取った。
ぱちりと瞬いた目に、驚かせてすまん、などと口の中で謝りながら、腰につけた籠から赤い実を3つ、片手で取り出す。]
甘くて旨い。
足しにはなるだろ。
[目を糸のように細めながら、実を掴んだ手のひらを下に向けて少女の前へと差し出した。]
[自分の頭の傍で動く手を、金糸雀色が追う。
時間をかけている間に数度目を瞑りはしたが、厭う素振りはなく。
手が離れると、ふるりと左右に首を振る。否定というよりは、身震いをするようだった]
……そちらのものではないの?
[差し出された手と、
細められた目を交互に見る。
そっと指を伸ばして実をひとつ摘むも、
その手には触れないよう、慎重だった]
[手に触れないようにしているのは、その不自然な手の動きからすぐに分かったから、少女の手が自分の手の下に来た時に、ぱっと軽く握られていた手を開いた。
赤い実が、少女の手へむけてみっつ。零れ落ちた。]
数あるから。
…ごめん、俺臭い?
[少しだけ眉尻を下げながら2歩ほど下がり、そっと自分の手の甲あたりを匂いでみた。]
[男より小さな手のひらから零れかけた実を、
地に落とさぬよう両の手で掬い取る。
予想外の行動と、謝罪と、問いかけ。
きょとりとした表情になった]
ありがとう、……?
[ふるると首を振り、実をひとつ齧る。
口内に染み渡る甘さと、喉を潤す果汁が脳を覚醒に導く。
指の腹で己の朱唇をなぞりながら声を紡ぎだす]
においについてを指すならば、
個々人の感覚は異なるから一概には言えないけれど、
私にとっては別段、不快なものとは感じない。
ただ、……ああ、そうか、
先程の私の行動を気にかけているならば……
それは恐らく、心的外傷が要因であるだろうから、
貴方自身が原因ではないと思う。
[言い終えてから、また、ひと齧り]
/*
こんにちわ。さっそくお便りが届いているようなので読んでみます。
とっ…と…とりぞく?さんからのお便りです。(カラスだけど。)
ありがとうございます。
・共同戦線風味でいくか、個人戦で行くか
利害が一致すれば共同で基本個人で問題ありません。逆に負の感情を抱かれているのはそちらなので、最終判断はそちらになりそうですね。
・展開について。
これは現段階ではなんとも。
占い師様がどう動くか、狂信者様がどう動くか。
他の方たちの動きによっても変わりますでしょうから、どちらにも対応できるようにしておくべきでしょうか。
ただ、あんまりにも吊られないようでしたらその時相談しましょう。
・今日の襲撃
どうやらこちらは巫女姫には良い感情を抱いていないようです。
えぇと、そちらは縁故的には幼馴染でしたっけ?展開的にはそちらでも面白いかもと思いますが。
理由が薄いようでしたら、私が思いっきり暴れることも可能ですよ、と。
*/
[少し、へにょりと眉を下げていたが、その唇から紡がれる言葉に次はこちらが目を瞬いた。
右手を首の後ろに回してさすりながら、頭を傾けて]
心的外傷?何が―
[無遠慮に繰り返してから、あぁ、と口の中で呟き、片手で口を押さえてもう片方の手をひらひらと振った。
思い出したくない事もあるだろう、聞いて欲しければ聞くけれどそんな仲でも無い、と思い直して、目線を気まずげに上へと逃がした。]
いやすまん。
俺の匂いが原因じゃなくて、良かった。
−岩場の小屋−
[ 飾り気のない木の椅子に腰掛け、無言で狩りの道具を整える。
不要とした自らの羽根の主軸に、鏃を細く強い糸で留めた物。
再利用できぬそれを整える事は日課であり、精神を研ぎ澄ます時間でもある。]
…………これでいいだろう。
しばらくは狩りに出る時間もあるまいが、
[昨日の出来事を思い、眉の皺が深くなる。]
……出来れば、人に向けたくはないものだがな。
[紫紺と黒金のそれを指先二本で軽く回す。
鏃が付いても所詮はただの羽根でしかない。それでも堕天尸がいると聴いた以上、何もないよりマシと判断したが。]
掴んだものを、離してしまっただけ。
[こくんと、喉を鳴らす。
ひとつは胃の中に収められた]
人ひとりが抱え込めるものというのは限られているから、
心的負担を軽減するためには分かち合う行為というのも必要――
とはいえ、貴方にその荷を背負わせる理由はないかな。
[思考を連ねる言葉に、感情はない。
思い出したくないということも、
聞いて欲しいといことも、
互いの仲を考慮することも。
逃される目線を追うように天を見上げ、地に下ろす]
私が感謝をすることはあれど、貴方が謝罪することはない。
[水平に戻して、再度、首を振った]
……匂いに関して言えば、好い部類に入ると思う。
………なあ、―――。
お前ならただ人でしかない俺と違い、クローディアを守れただろうにな。……才能の在るヤツが、さっさと死にやがって。
[窓の外、岩場向こうの白い小波を見ながら呟く。
太陽に照らされ輝く、綿にも似た柔らかい海。だがその下にあるのは吹き荒れる風と、翼の自由を奪う重い雨粒、光と熱の稲妻。
―――巫女の夫と認められた男すら、帰ること敵わぬ程の。]
/*
猟師だが守護者じゃないCOだが伝わるかどうか。
そして親友の死因を海に。
………巫女に怒られないか、かなり恐いが。
どうして海に消えたかには触れていないので、堕天尸が原因でもそうでなくても恐らく大丈夫とは思うのだが。
[顔はゆると上を見たまま、視線だけを彼女へと戻す。
その言葉は、何故か、何処か、響いたのを感じて、視線に遅れて顔も向けた。]
人ひとりが抱え込めるもの、か。
そうだよな。うん。
本当、限界って、あるよな――
[瞬間細い目を更に細め、ふわり、背の薄金の羽根が揺れた。
少女が紡ぐ言葉に、少しだけ嬉しそうに眉を上げながら、両手を首の後ろで組んで悪戯っぽく笑う。]
ま、誰かに背負って欲しければ背負うから言いな。
理由は――匂いを好いって言われて嬉しかったから、じゃ駄目か?
そう。人は、脆い。
限界を超えてしまえば、特に。
だから、付け入られ易くなる。
[嬉しかったから。
はた、はたり。
金糸雀色の瞳が細い眼を見た。
男の顔に浮かぶ感情を認め、
実を持っていない手を、口許を覆うように添える]
……駄目、というか。
理解し難いというか。
初対面の、しかも、余所者相手に、珍しい。
限界……付け入れ易く。
[目の前の少女の小難しい言葉を口の中で繰り返し、続く言葉は笑んだまま聞くと、ぽり、と頬を人差し指で掻いた。
少し目を泳がせて、後ろの羽根をぱたぱたさせながら暫し考えて]
んー…なんだろ。
俺、捨て犬とか、拾っちゃう性質(たち)…。
[犬と一緒にされれば少女が怒るだろうか、等は考えもせず。]
捨て犬…… 拾われ物という意味では、
ある意味、類似しているのかな。
そして、拾うという点で言えば、
貴方とフィオーラは類似しているということになるか。
[背で動く羽から、つ、と目を逸らす。
犬の尾のようにも見えていたが、それはそれとして]
……そろそろ干さないと、か。
[独り言ちて、
かぷり、実をもうひとつ齧る]
……死者を責めるのは筋違いだな。
一番もどかしいのはアイツだろうに。
[目を伏せ、己の弱さに苦笑しつつ鏃羽根を懐に仕舞う。]
……俺は俺に出来る事をするさ。
アイツの代わりにはならないし、なれもしないがな。
[やるべき事はいくらでもある。
まず手始めに、生きる糧を得るべく塩水に漬けた肉の様子を見に*納屋へと回った*。]
フィオーラ?
あぁ、お前、アヤメんとこの…ちょっと前に、話は聞いてたよ。
[幼馴染が話していた事を、思い出した。似ている、といわれれば苦笑を返しつつ、少女が実を齧るのを見て、ぺち、と自分の額を叩いた。]
…あ。
俺、スティーヴさんとこ行こうとしてたんだった。
すまん、行くわ。なんかあったらまた言ってくれよ。
[言って手をひらりと振ると、膝を曲げて上へと飛び上がり、強く翼で一度空を叩いて縦に細く飛び上がる。
広い空へと出れば、もう一度下を見て少女に手を振り、*飛んで行った*]
[小さく、一度の首肯]
……ん、時間を取らせた。
[謝罪代わりに軽く頭を下げ、飛び立つ姿を目を眇めて見るも、
男が空に出る前には逸らした目線は振られる手を認めることはなく。
そっと、拳を握った]
[家に戻った狐に、屋敷の者は声をかけない。
麺を取ったあとならば、なおのこと。
己の場所に戻った狐は、愉しげな、まがまがしくも見える笑みを浮かべた。]
さて、どうするんだろうな。
巫女殿は、それに――堕天尸とやらは。
[紡がれた声は誰に届くこともない。
狐を外した男は、額に走る傷に触れた。
夜が更けてゆく。 やみが、深まっていった――]
[ゆるり、開く。
前にも後にも、
表情は浮かばず。
最後のひとつを食べ終え、手のひらを舐めた。
水場を探しに、足を向ける。
そう遠くはない場所に、川は流れていた]
[眼下にはみどり。
視界が開けるのは、川のそば。
狐は急ぐでもなく、のんびりと飛んでいた。
と、その視界に人の姿を。]
――あァ、拾われ者か
[つぶやく。
そして、高度を下げた。]
[ 部屋の中、背中の羽根を大きく広げる。
それにより風が舞い起これば、またもカーテンが揺れる。]
部屋にいるこの瞬間は気兼ねなくていいのですけどね。
[ いつものよう下着姿のまま背中を鏡に向ける。
振り返れば、漆黒の翼がそれに映りこむ。
左目をまた掌で隠し、機能する右目でそれを確認した。]
幻視というか…術の類は得意ではないのですが。
これは、もはや隠すのは無理そうですわね。
[ そう言って言葉を紡げば、翼は薄い金色へと色を染める。
あまり外では羽根を出さぬが良いか。
だが、それでは疑われてしまうだろうか。]
奇遇。
奇遇と言えば奇遇だろうけれど、
同じ島に住まうのならば、出会うことは往々にしてある。
[挨拶をすることも、
視線を向けることもなく]
貴方がどうであるかは知らないけれど、
私が森にいること自体、珍しくも無いのだから。
[眼は川面の姿を見る]
[ 洋服に袖を通し、髪の毛を整える。
思えばこの部屋こそ、自分の最大の檻だったではないか。]
……『虚』に『堕天尸』ですか…。
そんなに忌むべきものではないでしょうに…。
嗚呼…、でも、そうですね。
[ 鏡の前、化粧を施しながら独りまた納得する。]
確かに破壊されれば困ってしまいますね。
くす…ふふっ…あはははははは…。
[ 何が可笑しいか、嗤いが室内を充たす。]
嗚呼、まだ気付いていないのですね…。
[ 止まらない嗤いは反響し嫌に響く。]
[ そう、虚とやらは己に告げた。]
まだ気付いていないのですね…、御可哀想に。
とにかく巫女姫に封じられるわけにはいきませんか。
早急に何か考えなければなりませんね。
[ そう言ってベランダから海を臨む。
やはり空はその色を変えていなかった。
疎ましいぐらいに――――――。]
気?
……如何かな、
意識をしているつもりはないけれども、
余所者という事実が影響を与えている可能性はあるから。
[川辺に膝を突いたまま、
木上の男と会話をするさまは
第三者から見れば奇妙にも映るか]
世間話をしに来た、というようにも思えないのだけれども。
ヨソモノ、ねェ
アレが気にするようには見えないが、――あァ、お前が気にしているのか。
[くつり、わらって]
退屈凌ぎに来ただけだ。
他意もない。
かもしれない。
[己の事にも関わらず、他人事のように]
元々の目的は違ったのだろうから、他意はないに違いない。
退屈凌ぎ。
ならば、他者と話すのは確かに良い方法と言えるけれど、
それが楽しいか詰まらないかは別の問題となる。
退屈は凌げているかな。
[納屋の鍵を開け、壷の中身を幾つか見る。
出来に頷き、数個外へと運び出した所で活きのいい羽音が聞こえた。]
………来たか。
[遅くなったと恐縮する青年に首を振り、残りの壷を指す。]
あそこの壷を出して、肉を窯に並べて行ってくれ。
燻し用の木片はあの棚の上だ。量は覚えているな?
……ああ、時間は前と同じでいい。
そう。
何が好いのか、私には解らないけれど。
[声に、流れの先へと顔を向ける。
ぽたり、動きにつれて滴が零れた]
見たことがなかったから。
向こうでも、此方でも。
陽の光の下のほうが、よく見えたかもしれない。
夜に見るより、よく見えるのは当然だろうな
[愉しそうな声で。]
あれの中に眠らせ、清めると。
虚はすなおに、清められると思うか?
そう、だから、残念。
[風がそよぐ。
滴を拭い取り、立ち上がった]
既に、捕らわれているのならば、無理ではないかな。
己の存在が失われるのを易々と受け入れる者はいない。
だろうな
巫女殿が言うからには、ほぼ確実にそうと言える。
[木の枝から、地面へと降りる。
狐の背から、羽根は隠れた。]
もしお前の親しい者が、そうなっていたら――どうする?
[微かな音、
地に足を着けた男へと向く。
金の双眸を見つめる金糸雀色の瞳。
表情の隠されたものと、浮かべないものと]
親しいと言える者は、
今の私にはいないから――仮定の仮定になる。
けれど、眠らせるのだろう。
それが恐らくは最善の策なのだから。
[経過を省いた、結論]
― 自宅ベランダ ―
[ 淡く光る金色の羽根を広げ、いつものよう海を臨む。]
さて、出不精の私としてはこのまま部屋に篭りたいですが。
あの話を聞いたからには悩んでしまいますわね。
[ 昨日のことを思い出す。
リディアが遊びに行くだとか、遊びに来るだとか。
そんな事を言っていたことを思い出した。
彼女たちのことを思うと堕天尸の情報を探るべきか。]
………全く、本当に困ったものです。
[ そう言って羽根を広げ飛び立つ。
連日の外出は久しぶりであった。]
いない?
[彼女のこたえに、大業におどろいた声をあげる。]
なるほど、親しくないならなおさらか。
やはり面白いな
――拾われ者。
そういえばお前の名前はなんだ?
否。
親しいならば、尚更。
[演技めいた言いように返した短い声は、
奥底に僅かな揺らぎを抱いて]
エリカ。
[姓を名乗ることはなく。
常のように、名のみを渡した]
[小気味よい言葉を返す青年に頷き、残りの作業を任せる。
自身は約束通り渡された果実を手に一度小屋に戻った。]
……よく熟しているな。
[一口齧り、目を細める。
赤の実は一人暮らしの男に十分な数だった。途中で減っていても尚、その好意を示す量に小さく苦笑を零した程に。]
覚えも手際もいい。いいヤツ、なんだが。
………少し優しすぎる。残念だ。
[疾風の可愛がり様を思い出し、小さく呟く。
弟子にしたくとも、あの優しさは獣を狩る生業には向かないだろうと。]
/中/
……海の下はそうなっていたのか!(待て原作者
あっはっは。
まあ、特に決めてなかったしねぇ。
それもまた一興、むしろ美味しい。
……まあ、ラスには家の仕事も在る。元より無理だろうがな。
…………………俺も歳を取ったか。
[喉の奥を低く鳴らし、実の幾つかを手に外へ出る。
弁当代わりにベルトポーチへ入れ、戸締りをして声を投げた。]
しばらく出てくる。
付きっ切りでなくてもいいが、あまり長く目を離すな。
[簡単な指示を出し、返事の前に岩を蹴る。
海風を捕らえた翼が大きく広がり、紫紺の影を白に落とした。]
―自室―
あー…ホントにガキは良いよなあ…。今頃リディちゃんと一緒なのかなぁ。
[昨日の事を思い返し、だらし無くごろごろと転がる。
カレンには見詰められていた気もするのだが、その理由も聞けぬまま別れた。
その後はまた一人むなしく、屋敷まで歩くはめとなり、やや疲れて眠っていたわけだが]
…今日は、どうするかな。
[ 空は青く、海は白い――――。]
当たり前の風景…なんですけどもね。
今はこんなにも疎ましい。
[ 己の左は、それを捉えることはないのだが。]
ふふっ…。嗚呼、いけませんわね。
[ 羽根が仄かに暗く光る。
術の力が弱いのは流れる血、故か。]
[声なく思考に陥ったのは、一瞬]
初めて――
ああ、確かに、初めてだと言える。
けれどそれはあくまで仮定の仮定を重ねた話、
仮定を事実に変えなければ、私がそうなることもない。
[一歩、足を踏み出す。
斜め前、男近づくとも離れるとも言えない方向]
風を紡いで糸にしよ かろき衣を織るために
焔を紡いで糸にしよ 勇まし飾りを編むために
水を紡いで糸にしよ 勲支える智の士のために
金色鮮やか陽の衣 巫女姫支える武の御方へ
銀色静きや月の衣 巫女姫護れる術の君へ
闇夜照らすは紫紺の煌めき 標なすのは呪の司
青空飾るは真白の煌めき 導かれるのは命の司
我ら住まいし無限なるそら
それを支えし七の将
束ねる我らが鳳凰の姫
優しき巫女姫に捧ぐため
虹を紡いで糸にしよ
虹の衣を織り上げよ……
[こきりと首を鳴らし、屋敷の中を歩き回る。
声をかけて来る者に出会わぬまま一巡りし、その足を外へと向けた]
虚に、堕天尸か…。んな大変な事が起きてるようには見えないんだけどねぇ。
…それで、ローディちゃんが凹んでたら、もしかして今が慰めるチャンス?
[良い事を思いついたと手を打ち、向かうのは聖殿]
―施療所・自室 夜―
[膝の上に、柔らかい重みを感じて目を開く。机に向かい、本をめくるうちにいつの間にか意識をなくしていた。
微睡を邪魔したのは、膝の上に乗った、猫に似たもの。金茶色の体に黒の斑が散った毛並み。首筋から背にかけて、てのひらを滑らせば、肩の辺りで隆起した翼の付け根にあたる。
左側には毛並みと同じ、明るい金茶の翼。右の翼は付け根の部分だけ残して消えている。代わりに、そこには銀色の金属で翼を模したものが取り付けられていた]
[抱き上げ、床に下ろしてやると、寝台のそばまで歩いていき、脚の力で寝台の上に飛び上がると、そこで丸くなった。翼は使わない。
偽の翼をつけても、飛ぶ事は出来なかったモノ]
[歌われているのは、古くから伝わる機織歌。
機織を生業とするものならば、必ず師から伝えられるそれに合わせて滑る、糸。
糸は糸と合わせられ、布へと姿を変えてゆく]
……っと。取りあえず、半分はできたかね。
[織り上げた布を機織機から外して、出来栄えを確かめる。
この時は、さすがにというか、いつも以上に表情などは真剣で]
……ん、よし、と。
納品は……さすがに、一人じゃ辛いねぇ……。
[少しため過ぎたか、と呟きつつ、箱に布を収める]
ま、ラスが手隙なようなら、手伝い頼んでみようかねぇ……。
[エリカの様子を見るともなしに。]
仮定でも、声にはちからがこもるだろうな
あァ、エリカ嬢
[彼女の肩に手をのばす。]
濡れているぞ
[すとんと足のつかない椅子から滑り落ち、窓に寄る。闇に沈んだ森の上、月の形と位置を見れば、すでに夜も深まった時刻とわかる]
薬。明日はラス、取りに来るだろうか。今日の事もあるから、来ないようならばこちらから届けに行くのもいい。ついでに、何人か、様子を見たい人のところを回って……それと。
[明日、するべきことを数えながら、そろそろ眠ろうと考え、軽く手を振る。机の上に置かれた、ランプの灯がふっと*消えた*]
さすがに、ずっと篭ってやってると、身体が辛いねえ……。
[ある意味当たり前の事を呟きつつ、仕事部屋を出る。
外で待っていたラウルが、ぴぃ、と鳴いてふわりと肩に乗った]
ん、戻ってないか。
[他に気配がないと確かめると、小さく呟く]
……ちゃんと、食べて……は、いそうにないね。
[小さく呟くと、簡単な食事を用意して。
一人分を摂ると、もう一人分はわかるように台所へ置いておき、ふらり、外へと向かう]
感情を有する者ならば、そうだろう。
好意を持つ、他の存在が失われると思えば。
死よりは遠くとも、生にも遠くなるのだから。
……そう問う、貴方には、居るのかな。
[投げた問いの答えを聞く前に、
伸ばされる手の先、己の肩へと視線を向ける。
挙げた片手、遮るように、手のひらは肩の位置に]
そのうちに、乾くから。
[昨日と違い、決して遠回りをする必要は無く、選ぶ道は平坦なもの。
村の近くを通れば、そこは普段よりも微かに空気が張り詰めている。
時折、世間話をする婦人方に冷めた視線を送られれば、肩を竦めてやり過ごした]
やーな、感じ。
[浮島へと吹き付ける上昇気流を受け、一気に高度を取る。
背の高い青年の竜胆色の髪も、瞬く間に点へと変わった。]
………狩場を変えてみるか。
[昨日、帰りに島を上空から一周したが虚の気配を見つけることは出来なかった。
いつも使っている狩場にも、気配を感じたことはない。
何より――自身が囚われてはいない。]
……虚の場所がわかれば。
囚われた者…堕天尸の手掛かりを得られるかもしれん。
[風切音より低く唸り、四翼を大きく羽ばたかせる。
常とは異なる場所へと、大きな影が*空を滑った*。]
― 島の某所 ―
[ 羽根を広げたまま、すっと降り立つ。]
と、言っても何処に行きましょうか。
島からは出られない、そう巫女姫は言っていましたね。
[ 目を閉じ、といっても左は見えないが。
耳を澄まし、気配を探る。]
誰かいるようではありますが。
さて、何処に向かいましょうか。
[ 羽根を震わせ、考える。]
[濡れた肩にふれることもなく、ぴたりと手はとまる。
遮られたためでもないように、ただ自然に。]
さて。
いると思うならいるかもしれないが、
ちがうと思うならいないだろうよ
あいにくと、お見せできない顔なもので
[狐はわらった。]
―聖殿―
[先夜は集まった島人の最後の一人が空に消えるまでを見定めて聖殿に戻った。アヤメには付き添いとクローディアを励ましてくれた事への礼を言い、飛び去る深紫の翼を見送った]
お前も休め、クローディア。巫女が寝不足で倒れたなどというのでは、話にならん。
[憂いを拭えぬ様子の従姉妹には、そっけないとも聞こえる口調でそう告げて、自らは巫女の部屋と外とを隔てる中の間に寝ずの番を決め込む]
[外に出たなら、身体を伸ばし、深紫の翼を広げる。
風の流れを読み、捉えたそれに乗るようにふわり、飛んで]
……さて、と。
[上から見下ろす島の様子は、いつもと変わりなく見える]
『虚』、か……笑えやしない。
[呟きを漏らす、その刹那だけは表情は険しいものの。
ラウルがくるる、と不安げな声を上げると、それは静まって]
ああ、はいはい、わかってる、わかってるよ。
アタシらしくない、って、言うんだろ?
そうと言えば、そうなるか。
[止まる手。 息を吐いた]
その事に関して言うのならば、
……あるいは全ての物事に関して、
主観の真実と客観の真実とは異なり、
客観的事実は在り得ないものだから。
初めにあの問いを投げた時点で、
私にはいないと思えど、
貴方にはいると見えたということなのだろうしね。
[わらう狐の面。
対する人の顔に、感情はない]
顔に関連するものなのか否か、私には判断がつかないけれど。
[ 暫く歩くと右目が人影を捉えた。]
おや、あれはケイジ様と…。
[ 昨日、広場でその姿を見たろうか。
確かめようと首を傾け、その姿を見定める。]
…知らぬ顔のようですね。
[ 少し離れたところで、顎に手を添えて頷いた。]
さて、と……。
ローディ、どうしてるやら。
[やはり、気になるのは巫女の事と]
……ちゃんと、休んだ……ならいいんだけどねぇ。
[やたらと気を張っていたらしいもう一人も、それなりに気にはかかって]
様子、見に行くかねぇ。
[呟いて、ばさり、翼に力を入れて広場の方へと羽ばたいてゆく]
―聖殿―
[やがて夜が明け、その日の食事を誂えた世話係の娘が顔を見せる]
巫女には食事の後に何か暖かい飲み物と甘い物を。眠っていないようならすぐに床から出ないように見張っていてくれ。
[そう頼んで、聖殿の外へ出ると、日差しの明るさに寝不足の目を細める]
/*
ごめんなさい、何処に絡めばいいのか分からなくって、とりあえず絡んだことがない方に、と。
お話の邪魔なようなら…去ります。と。
拾い主を大切に思っているのだとばかり。
つまり、ご明察の通りだ
[くつくつ、愉快とつたえる声がなる。]
醜い者は、好かれやしないさ。
ゆえにだれかを大切に思う必要も、ない
─広場─
……ふう。さすがに、ちぃとは緊迫してるかな。
[舞い降りた広場は、いつもの賑やかさは影を潜めているようにも見えて。
取りあえず、広場に面した仕立て屋へと足を運び、仕事の仕上がり具合を告げる]
……てことで、半分は仕上がったから。
後で、急ぎの分は納めに来るよ。
ああ? ゆっくりでも大丈夫?
……そう、か……ま、あんな話の後じゃ、仕方ないね……。
[これだけは納期を外せない、と力を入れていた物──花嫁衣裳用の生地の納期が延びたと聞いて。
ほんの少し、肩を落としながらも、聖殿へと足を向ける]
[視線を投げた時、エリカの言葉がとどく。
狐はくるり、彼女を見る。]
どうかしたか、エリカ嬢?
[顔をとらえたか否か。
面をかぶった男が、なにを思ったのかも、まわりにはわかるまい。
たのしげな顔と、ことばの色はちがうのだから。]
へへっ、楽勝、楽勝ー。
[ご満悦に、ニカリと笑み聖殿の奥へ進む。
実際は裏手から侵入するさいに足跡をたっぷりと残す失敗をしているのだが]
ん、あれかな?
[飯の盆を運ぶ女性が扉から出てくるのに目を留める]
[ 顎に手を添えて、首を傾ける。]
何の話をされているのやら。
[ 相手の少女の様子を窺う。
顎に添えた手は左目を隠すように顔を覆う。
そして見える右手で相手を確認する。]
…何とも気難しそうな顔をされていますわね。
[ そう言ってからゆっくりと近付こうと身体を浮かせる。]
[聖殿へと向かえば程なく、見慣れた姿が目に入るか。
先に見つけたラウルがぱさり、と翼を羽ばたかせつつ、ぴぃぱた、と鳴いて]
や、兄さん。ローディ、少しは落ち着いた?
[そちらに向かい、軽い口調で声をかけ]
[飛び立つでもなく、翼を風になぶらせながら暫し佇んでいたが、ぴい、と鳴くサエーナ鳥の声に半ば閉じていた目を開いた]
アヤメ…ああ、今は、とにかく中で休ませている。
昨日は世話になった。
[翼を畳み、軽く一礼]
……、
[大きく、ゆっくりと一度、首を振る]
なんでもない。
[声色は僅かに異なるけれど、
上げた顔から表情は薄れていた]
……そろそろ行く、
そちらも、行くところがあったのでは。
[歩みを進めすれ違おうとして、その先に他の姿]
[地面に挿した枝を見て、その影の傾き具合で時間を計る。
時間と肉の様子を交互に見て、言われたとおりに燻製を仕上げれば、言われた所に積み上げる。
全て片付いた頃、もう太陽は白い海へと半分身を隠していた。]
完璧?
[自画自賛の言葉を零しつつ、脇の台に置いたカップからお茶を咽へと流し込んだ。
咽仏が、こくりと音を立てて上下する。]
てっと。
スティーヴさん、まだ出てるかな?
ん、まあ、かなり参ってたみたいだしねぇ。
[休ませている、との言葉に、軽く聖殿の方を見やり]
別に、大した事はしちゃいないさね。
だから、そんなに畏まらなくても。
[一礼する様子に、苦笑しつつ]
……んで、兄さんは兄さんで、ちゃんと休んだのかい?
言っただろう? ――退屈凌ぎだと。
行くのなら止めることはないがな。
[それから、狐はロザリーを見て、挨拶を口にした]
こんにちは、ロザリンド。
―広場・聖殿前―
[アヤメの言葉に頷く]
ああ、口では平気だと言うから始末に負えない。
[声には僅か、苦笑の色が混じったか]
私は大丈夫だ。
[自分のことを言われれば、前と同じ言葉を同じ口調で返す]
あはは…よく寝た〜♪
[エリカと別れたまま放流すること幾時か。本当に寝て、結局川辺に打ち上げられていた。体が芯から冷えている。感覚が薄い。水から完全にあがり、日の当たるとこにいく。]
寒いな〜冷たいな〜あはは
[現在どこにいるかなどわかっていない。それよりも背中から、綺麗に残った真紅の翼と、とこどろころかけた赤褐色の翼を二枚出して、体をくるむようにして、ごろごろと草むらに転がった]
[ 浮かせた身体を降ろしたころに、少女がこちらを見ていることに気付いた。]
こんにちは、ケイジ様。
こんなところで逢引でしたか?お邪魔して申し訳ありませんわ。
[ そう冗談めかしてケイジへと言葉を投げる。]
えぇ…っと。この島の方かしら?
[ 少女の顔にはやはり覚えはない。]
[あたりにスティーヴの姿が無いのを確認すると、岩場に腰をおろした。
膝を開いて肘をつき、両頬を包むようにして顎をつき、呆と景色を眺める。]
何も、変わってるように見えないんだけど、ねぇ…。
虚…ねぇ…。
[その背には、薄金の幅広い羽根がゆらと風に揺れる。
後ろでひとつに縛った竜胆色の髪が、羽根に重なり流れた。]
[家に来る事になったオーフェンを自宅に案内した...は、そのまま彼を残して夕飯の買い物に出かけた。
小脇にスケッチブックを持ちながら、ふわふわと空の散歩がてらゆっくりと風を頬に受ける]
あ〜、たまには空の上でスケッチもいいよね!
[誰に言うでもなく、風に身を任せて――]
ええと、そこのお嬢さん、ローデ…巫女姫さんのお部屋はこちらで良いのかな?
[ただ相談事に来た無害な村人の様相で、盆を持つ女性に声を掛ける。
けれど、彼女は叫び声を上げた。それも、当然といえば当然だが。
巫女が休息を命じられている間に、この辺りに一般人が通される筈は無いのだから。
かくして、叫び声に集まった護衛の方々にひっ捕らえられ、ぽい、と聖殿の外へと放り出された]
い、痛たた…っ。もう少し、丁寧に扱ってくれよ!
そう。
……でも、新しい相手が見つかったかな。
[島の住民には、知らないものの方が多い。
降りてくるさまを見ることはなかったが、
かけられた声に、相手を見る]
元々の島の住民かと言えば否となる……けれど、
今はこの島に住まわせて貰っている。
ほんとにねぇ……。
[始末に負えない、との評価に、零すのは大げさなため息]
でもまあ……血は何とやら、ってヤツかねぇ?
その様子だと、兄さんもちゃんと寝てないんじゃないかい?
[胸の前で緩く腕を組み、軽く首を傾げながら。
探るような視線を向けて、問う]
[気を抜けば、後ろの薄金は薄い墨色と斑になる。
自分の黒い心を隠すのと同じように、目を瞑ってそれを気力で押し込める。
そういえば、昨日声が聞こえた「彼女」も、同じように「虚」の影響を受けたのだろうか?
確か、彼女も自分と似た「陽光」の匂いがした。
ならば彼女もきっと、羽根が犯されているならば同じように苦労してるに違いない。
考えると、ふ、と口元に苦笑が浮かんだ。]
−岩場上空−
[腰に小さな袋を下げ、小屋を目指す。
細く薄い煙が見えた。その側に竜胆色の髪はない。]
……既に行ったか?
いや、待たせたようだな。
[海に目をやれば、太陽は既に消えかかっている。
そして岩場には細長い影。低く呟いて速度を上げた。
小屋を行き過ぎ、岩場の端へと降りる。大きく雲が波立った。]
………すまん、遅くなった。
[問いの答えを遮るように響く、悲鳴]
……何事っ!?
[表情を険しくするのと、肩のラウルが飛び立つのとはどちらが早いか。
サエーナ鳥が尾羽を揺らしつつ、飛んだ先は]
俺と逢い引きをしようと考える奴などいやしないが
[面白そうに狐は言って、]
ロザリンド、お前ならしてくれるのかな?
[からかいを帯びた言葉。
それから二人の少女の*会話を聞いた*]
……素早い。
[こちらが動くより先に飛んでいく相棒を止めるでなく。
零れたのは、こんな呟き]
というか……アンタはこんなとこで何をしてんのさ……。
[続く言葉は、呆れを帯びて]
あ、スティーヴさん!
[大きな翼を見つけ、立ち上がって嬉しそうに手を振った。
疾風と同じように尻尾があるならぶんぶん振っているかもしれない。]
や、さっき終わったトコで。
待って無いですよ。
[細い目を糸のようにして、笑った。]
[ 若干歯切れの悪い言葉に首を捻る。]
そう。私が出不精故、お顔を拝見したことがないようですね。
失礼致しましたわ。
[ そう言って自分の非礼を詫びる。]
何処かに行かれるところでしたでしょうか?
お引止めして申し訳ありませんでした。
…お名前だけ伺っても?
[ そう言って相手を首を傾けて見つめる。]
[喚き声に反応したのは、眼前の護衛達ではなく…]
お?…なあんだ、アンタか。
何しにって、……逢引?まあ、失敗したんけど。
[低く響くそれに拘らず、ぬけぬけと声を返し立ち上がる。
さらにその向こうからラウルが来るのを見れば、反射的に頭を守った]
住み始めて一年にも満たない上に、
私自身、村に出向く事も少ないから仕方がない。
[片腕を曲げ、己の肘を押さえる]
特別、急ぐ用事ではないから、平気。
外で夜を明かしてしまったのは問題だけれど、
初めての事ではないのだから、
フィオーラも気に留めていないと思う。
[斜めになる相手の顔を見返しながら答え]
……名は、エリカ。
−岩場−
[翼を仕舞い、大股で歩み寄る。
手を振る度に尻尾の様に揺れる髪に、口の端を微かに上げた。]
……そうか。では仕上がりを見させてもらおう。
[糸のように細められた目を見、それが先程まで見ていた方向へ視線を投げる。]
………待たせた訳でないなら、何か見えたか?
[出されたままの薄金の翼。何もない殺風景な岩場。
青年へ視線を向けぬままに問う。]
[頭を庇う様子に、ラウル、攻撃目標変更。
庇う手自体をつついてみたり]
……逢引ってアンタ……。
[何を逆鱗に触れるような事を、と。
言葉は途切れ、代わりにでたのはふかいため息]
(やれやれ。
この無節操ささえなきゃ、悪いヤツでもないのに……)
[そんな考えは声にも、勿論表情にも乗せはしないのだが。
その一点、それが腹に据えかねるのは事実であるのだし]
んや、何にも。
昨日の――「虚」とかって…目に見えるモノなんですかね?
[少しだけ声が低くなる。
スティーヴにつられるよに、目線は岩場を滑った。]
[草の匂いを満喫し、翼で体をくるんだまま起き上がる]
どこにいこっかなーいこっかなーあはは
昨日は森だったからー……あっち〜♪
[と、堕天尸のことを聞く前と変わらずに
川から外れ、草むらの正面の高台を目指す]
[ 笑うケイジには同じ様に笑って返す。]
あら、ケイジ様は男前だと思いますけど。
私で良ければいつでもお相手は致しますわ。
相変らず冗談が上手ですわね。
[ そう笑いかけた後、また少女へと目を戻す。]
フィオーラ…というと機織の。
成程、彼女のところで居候ですか。
エリカ殿ですね、私はロザリンド。
ロザリーで構いませんわ。
[ そう言ったところで首を正面へ。]
ところで女の子が外で夜を明かすのは関心致しませんね。
それは、アヤメ殿も心配なさると思いますわ。
[ そう言って相手に笑いかける。]
ははッ、これだからオッサンは。分かってないなぁ。
離されるからこそ、惹かれ、引かれるもんなんだよ。
[鋭さを増した視線を、飄々とした態で受け流し、]
資格、ね。恋に資格が必要かはともかく…。
さて、アンタこそ、それを判断する資格を持っているのかい?
……フィオーラは有名なのだろうか。
機織は村に複数いるものでもないから、
当然と言えば当然とも考えられるか。
[口許に指を添え、ぽつり。
傾いて、戻った顔を、視線を動かさずに見る]
春先はあたたかいから、まだ、大丈夫。
それに森には、様々なものが棲んでいるから。
[頭を守るための手を狙われては、もうどうしようもなく。
さて、どうしたものかと、せめて懸命に手で払う。
それでも、ラウルの羽根を傷付け無い様に注意を払わなくてはならないものだから、やはり儘ならないもので]
あーや……アヤメさーん、溜息よりも先に、ラウルを何とかしてくれると助かるんだけど?
いや、バカは映ったりしないから、この儘でもラウルは安全だけど、俺が非常に痛いデース。
[内心に気付く筈も無く、暢気に悲鳴を上げている]
くすくす……。
[ 仄か、聞こえた呟きに返事しようとしたのか。]
人なのかもしれませんわね…。
それとも―――――…。
[ そこまで呟いて言葉を止める。]
「虚」は私の感情の後押ししたに過ぎないのか。
[ そう言った言葉尻は少し濁っていた。]
巫女が貴様に惹かれるなど、有り得ん。
[声は激してはいない。ただ氷の冷たさを持って]
巫女を護るのが私の役目だ。
[資格を持つのかという問いには、そう返す]
再び同じ真似をしたら、堕天尸の疑い有りと見て結界樹に押し込めてくれるから、そのつもりでいろ。
……………虚。
[返された少し低い声に、一度口を噤む。
目だけを動かし青年の横顔を見た。その心は見えない。]
………虚の領域は、負の思念や瘴気が渦巻くと言う。
人の心が見えない様に、思念である虚も見えはしないだろう。
だが、漠然と感じる事は可能なのかもしれん。……俺が見た限りでは見つける事は出来なかったがな。
[重い息を吐き、目だけでなく体ごと青年を向く。]
まずは探してみなければ、見えるか否かもわからん。
お前も機があれば、試してみるといい。だが、深入りはするな。
― 空中→自宅 ―
……変な……人たち
僕なんかに……話しかけて
ラスさんに、リディアさん、ロザリンさん、カレンさん、カルロスさん……
[リディアの家を出、自宅に向かって飛びながら、昨日会った人たちをひとりずつ思い出すように名を口にする。昨日のこと……巫女の警告、島の住人たちの姿と、交わした会話。何人もの人と話をしたのは始めてだった。
ずっと気分が優れないのは昨日の料理のせいか、人に酔ったためか。ふらつく軌跡を残しながら、やがて今は主を失くしたあばら家の前へと降り立つと、*翼をたたむ*]
……アタシに言ってもそれは詮無い。
アタシがけしかけた訳じゃないし、ラウルが自分でやってんだから、手の出しようがないじゃないか。
[止めれば止まるとは思うもののそれをしないのは。
ただでさえ気を張っている聖殿で、騒ぎを起こした事への軽い意趣返しも含むのかも知れず]
……兄さんもさ。
気持ちがわからない、とは言わないけれど、緊張しすぎだよ。
そんなんじゃ、兄さんが『虚』を呼び込んじまう。
[ 広げていた羽根をしまうため目を一瞬閉じる。
背中にあった羽根はその姿を隠す。]
まぁ、そんな広い島ではないですし。
あまりお話した覚えはありませんが。
[ そう言って言葉を続ける。
ケイジは後ろでこちらを見ていただろうか。]
暖かいからって…昨日、巫女姫も言っていたでしょう?
「堕天尸」の存在のこと。
森に、その人がいるかもしれませんわよ?
[ 感情が読めない少女だなとぼんやり考えながら。]
あは〜♪
[高台に上った。
途中四回こけて、そのままの勢いでごろごろと転がり落ちていったのは、翼でくるまっているため、動きが鈍いからだったが気にはしていなく]
よく見える〜♪近くだと大きいのになんでここからだと小さいんだろ〜な〜♪
[首を何度かかしげながら、空を眺め、島を眺め、それを幾度か繰り返した。
そして翼を広げる。大きく、己の存在を誇示するように]
かつて俺が【親友】であるアイツの幸せを喜びながら
―――心のどこかで嫉妬していたように。
[虚に呼び込まれなかったのは、運が良かっただけとの自嘲。]
[咽喉の奥、低くくつりと笑いを響かせる]
有り得ない事など、有り得ない。…なんて、言っても分からないか。
その資格を誇るのは良いけどさ…って、おお、怖。
よほど、結界樹に閉じ込められなくちゃならないような表情デスヨ、おにーさん。
[揶揄う様な指摘を投げる]
漠然と、感じる…。
探す。
[発される声を、重く繰り返す。
目は、落ちた太陽の方へと流れ、糸のように細められてはいたがもはや笑みは示していなかった。]
とりあえずすっげーやべぇって事ですよね。
深入りするな、っても、この島に居る以上…ある程度は皆深入り、ですよね。
何か見つけたら、巫女さんに言ったら良いんですかねぇ?
スティーヴさんに言いますか?
[眉の中心に皺を刻みながら、勤めて明るい声を出した。]
[動く羽根に視線は誘われるも、
ゆるりと眼を伏せて淡い色彩を払う]
堕天尸。
いるにしても、今まで、巫女が捉え切れなかったもの。
自覚がなかったか、潜んでいたかは判らないけれど、
早々、目立つ行動を取るとは思えない。
人ひとりを密やかに消すには、労力がいるはずだから。
[真っ直ぐな眼差しを、女に向ける]
第一、それを言うならば、
目の前の貴女方が堕天尸でないという確証もない。
[ 言葉で遊びを続け――――。]
私はスポンジだということです。
[ 謎の言葉を繰り返す。]
そうであるなら私はそれを受け入れた、という。
アレは綺麗で完璧なモノに興味津津ですわ。
けど、汚く、醜いものにも反応します。
さて、貴方はどちらでしょうか?
[ そう囁きを風に乗せるかのように。
けれど、答えには全く興味がないような声音で。]
え、いやでも、あやめサンの言うことなら聞くと思うんだケド?
…あやめサンがけしかけたんじゃないってのは、ちょっと嬉しい所だけどね。
[調子付きかければ、敏感なラウルが気付かない筈もなく、隙を狙って頭を一撃。
血こそ出ないものの、やはり痛いものは痛い]
ラウルは自由だからねぇ。
気が乗らなけりゃ、アタシの言葉も聞きゃしないよ?
[アタシと同じく気まぐれだからね、と、さらりと付け加え]
……わざわざけしかけるまでもない、と思ってるだけさね。
[直後の声は一気に冷えたかも知れず]
[ 一瞬、瞬く。]
そう…でしたね。
私が「堕天尸」だという可能性も十分ありますか。
確かに、早々動くことはないでしょうしね。
[ 向けられた瞳を両の目で見つめ返す。]
では、エリカ殿。
1人を消すために、貴女ならどうされるでしょうか?
[ 奇特な質問を投げかける。]
[足を止めたジョエルの様子に、ほ、と息をついて]
兄さんがローディを大事に思ってるのは、みんな知ってるさ。
けど、兄さんは少しばかり背負い込みすぎ。
……兄さんが『虚』に堕ちたら、一番哀しむのはローディじゃないかねぇ?
[軽い口調になるよに努めつつ、さらり、こんな言葉を投げかけて]
[繰り返しに遠くを見る眼差しを戻し、青年を見る。
その細い目に今、笑みは見えない。]
……ああ、巫女が島を封鎖する程だ。
少なくとも一人で手に負えるものではないだろう。
…………そうだな、一番いいのは巫女に言う事だ。
俺では堕天尸を抑えられるか判らん。それでも、一人だけで動かれるよりいいが。
[明るい声とは裏腹の深い縦皺に、軽く拳を握り甲で肩を叩く。]
……日が暮れたな。行こうか。
巫女ならば、この馬鹿が堕ちたとしても、酷く哀しむだろうな。
[馬鹿と呼ぶ声は、変わらず冷たいが、その口調から激しさは消えている]
― 自宅前 ―
[老女の墓標の前に蜜柑の実を供え、祈りを捧げる]
ねえ、婆様……この島に、堕天尸がいるんだって……
あの巫女が言ってた……どうすればいい?
今の巫女に非があるわけじゃないけど……
……婆様が、こんな所で一人寂しく暮らすことになったこと、考えたら……
[唇を噛みしめて肩を震わせている]
[翼を広げてしばらく。何するかといえば]
平行平行〜♪じゃ、いってみよ〜♪
[忠告などほとんど聞いていないのに、これだけ覚えていた。
躊躇いなどもたず、高台より体を投げ出す。
飛ぶというよりも浮くことを意識して、翼は風を逃がすように傾けながら、羽ばたかせる。やっぱりうまくバランスは取れない。翼が一枚しかないほうに体が傾くが、下手に修正しようなどと努めずくるりと一回転することでバランスは保つ。
そして地面すれすれで、翼が前面に風を受けいれるように広げる。]
うれしがらせを言う
[おかしそうに哂うと、狐は二人をふたたび見た。
堕天尸についての言及には、ことばを挟まぬまま、狐の笑みをたたえて聞いている。]
[ 黙って返ってきた言葉の余韻を愉しむ。]
――――――…。
そうですか。
[ しばらく考えた後。]
さて、私は巫女姫に見つけられるわけにはまいりませんので。
向こうが力ずくできそうですので、力で対抗するつもりです。
貴方が邪魔をなさるなら、それも考えますが。
[ そこまで一気に言って、暫く言葉を止めた。]
島を封鎖して、「虚」に囚われた堕天尸を抑える。
…俺も、そこそこ体力とかには自信、ありますよ?
[拳で肩を力強く叩かれれば、少し眉を下げたまま口端は上げて笑って見せた。]
あ、待って下さいっ。
[それでも明るい声を出し、彼の後を追って小走りで追いついた]
……まあ、馬鹿だろうとなんだろうと。
それがあの子のいい所、だからねぇ。
[口調の変化に、多少は落ち着いたか、と安堵の笑みを掠めさせつつ、頷く。
でも、「馬鹿」の部分の否定はしなかった]
/中/
独り言がここまで777ptだった。
……しかし守護希望、結構弾いてるのかねぇ……。
どうも白雪からこっち、守護の倍率が読めやしない。
……難解な問いかけ。
[目をしばたかせた]
「消す」の定義にもよる。
文字通り、存在そのものを消してしまうのか、
それとも、痕跡が見つかっても良いのか。
生命を奪ったとしても器は残り、
生命を奪うこととて、抵抗があれば容易ではない。
[答えは出ず、思考に耽る]
いずれにせよ、私であれば――独力では、まず無理。
他の何かの力を借りるなり、利用するなりするか。
どうしたらいいのか、わかんないや。
……こうしてたら、全部終わるのかな?
ねえ、婆様のしてくれた昔のお話……みたいに
……破壊の使徒が、全部終わりにしてくれるの……かな?
[墓標の前で膝を抱えて丸くなる]
[詰め寄られることにも動じず、されど視線を外されれば背を向けた]
(自分を捨てても、守りたいものくらい、)
[思えど肩を竦めるだけで立ち去っていく。
あやめが気付けば、ての一つくらいは振り返したかもしれず。
その後に*バカ*呼ばわりされていたのは聞かなかった様子]
あは
わ、わわわわ…あはは〜
[試みは一旦上手くいく。
でもやっぱりバランスがとれない。片側は自然に浮くが、反対側は浮力が足りない。
結局堪えきれずに、少しして、体半面が地面に着くと、そのまま地面に横転、その勢いを殺すこともできず、そのまま吹っ飛ぶように横転を続け、これが村の近くだったら、騒ぎになるぐらい豪快に茂みに突っ込んだ。]
[ 顎に手をかけ言葉に耳を傾ける。]
成程、興味深いですね。
ですが……。
[ そこまで言って笑ってみせる。]
そこまで真剣に考えなくてよろしいですわよ。
かわいらしいですね、エリカ殿は。
なんとなくですが、貴女は堕天尸ではない気がします。
[ そう言って後ろのケイジに声をかけた。]
ケイジ様もそう思いませんか?
[ 同意を求めるよう、首を傾げる。]
[ それができたらどんなにいいかと―――――。]
私にそんな力はありませんわ。
せいぜい、封じるぐらいのことしか。
それが巫女と私の差ですわ。
[ 力が欲しいと願った数は如何程か。]
……ん。
[肩へ舞い戻ってくるる、と鳴くラウルの声。
その事と、気配の遠のきからカルロスが立ち去ったのに気づいて、そちらを見やる]
……やぁれ、やれ。
[呑気に手を振る様子に、零れたのは呆れたようなため息]
アイツも何だって、あんな事になってんだか……。
[呟きつつ、相棒の柔らかな尾羽をくるり、指先に絡め取る]
さァねぇ。
[ロザリーの言葉に、狐はかんらとわらった。]
俺のようなのの方が、堕天尸みたいだと、あちらこちらで言われそうだが。
さてはて、どういうものやら。
[愉しむ響きのことば]
[きょとり。
釣りあがりがちな瞳が、丸くなる]
……かわい、らしい?
なんとなくという感想も、理解し難いのだけれども。
[ぐぐ、と。
傾けられる首、角度が45度を越えた。
同時に、眉も寄せられる]
[ラスの言う通り、出来はほぼ完璧だった。
ナイフで端を削り取り、ゆっくりと噛んで味を見る。]
………いい出来だ。
少し待ってろ。
[小屋へと入り、労働の対価の硬貨を出し、腰につけた袋の中身一部を小さな水袋に移す。最後に台所の隅に置いてあった布袋を手に外へ出た。]
……今日の対価だ。ご苦労だったな。
小袋は兎の肝だ。親父さんに食わせてやれ。
[悪い所と同じ部位を食して治す猟師直伝の土産を付けて渡す。]
[想像する。
幼馴染が、護る巫女がいなくなった時の顔を。]
[想像する。
尊敬する人が、友人の娘がいなくなった時の顔を。]
[想像する。
幼馴染が親身にしている巫女がいなくなった時の顔を。]
…全て壊すなら、どってことない、よな。
あぁ、あんたを邪魔したり、しないよ。
[返るは、仄暗い声。]
[小さな呟きは、ラウルの方は捉えたようで。
元気付けるようにぴぃ、と鳴く]
……ん、ああ。
前に……ね。
[縁があった、と言われれば、浮かぶのは苦笑]
ま、終わった話だけど。
あは、あははは〜楽しかった〜
[体にところどころ擦り傷を作り、頭や服に木の葉を乗せながら、茂みから顔を出す。
もう一度しようか。なんて思ったが高台からはかなり離れてしまって、それを思うと興味が薄れても来て、自分の翼を軽く撫でてから翼胞にしまう]
あはは、何かないか…あ、あは
[先ほどの音に驚いたのか、顔を出した兎を見る。
そして、捕まえられないぐらいに、見失わないぐらいに、追っかけた]
[ ケイジの言葉に不思議そうに反応を返す。]
ケイジ様のことをそんな風に仰る方が?
そんなことあるわけないじゃありませんか。
[ 最後にはケラケラと笑ってみせる。]
なんとなく、というのは女の勘ですわ。
理解し難いところがまたいいのです。
エリカ殿はかわいらしい方ですよ。
私の言葉を嘘偽りだと仰いますか?
[ 怪訝そうにこちらを見つめ、眉を寄せる彼女にそう告げる。]
[スティーヴに褒められると、嬉しそうに目を細くした。
駄賃と一緒に土産を貰うと、更にその目を細くして体を小さく揺する。]
ありがとうございますっ!
親父も喜びます。…味は好みじゃないらしいですけどね?
[悪戯っぽく笑うと、ぺこりと腰を深く折ってお辞儀をした。]
[ スベテヲコワス―――――。]
当然ですわね。
邪魔をしないのでしたら構いません。
お互い、苦労しそうですわね。
[ 他人事のように言葉を紡ぐ。]
[次の日。仕事の手が空いたところで、老薬師に断って、施療院を抜け出す。その際に、村の様子を心配する老薬師は様々なものを持たせようとしてきて]
……先生。これ以上持てば私の翼の力では飛べなくなる。その膏薬までにしてくれ。
[色々なものを何とか大きめな腰のポーチに収めると、露台から空中に滑り出す。しばしの飛行の後、降り立ったのは、ラスの家の、すぐそば]
薬を持ってきたんだ。ああ、ラスはスティーヴのところに手伝いか。昨日、聖殿のところで会って、荷運びを手伝ってもらったよ。
[専ら聞き役に回りながらも賑やかなラスの妹と言葉を交わし、薬を渡した後、ラスの母親と父親の体の様子を確かめる。ラスの父親には大きな変調もよい兆しも見つからず。しばしの時を過ごした後、家を辞した]
……これはいつものオマケだ。疾風によろしくな。
[骨のたくさん入った袋を目で示し、口の端を上げる。]
……家族への土産ばかりじゃ寂しいか。
体力に自信があると言ったな。ならこれで精をつけておけ。
――前払いだ。
[味見した反対の端を大きく切り、今は空の腰の籠へ*投げた*。]
こういう格好をしていると、よくもわるくも、言われるな。
[くつくつと哂って、ロザリーを見た。
エリカの様子はおかしいものだが、興味はひかれなかったらしい。]
エリカ嬢も、ロザリンドも、ふたりとも違ってかわいらしいと思うがな。
[口説きににた言葉は、しかしそうとは聞こえぬ響きで]
堕天尸というには、異なると思うけれど。
[ぽつり。小さく。
傾けていた首を戻しながら、呟いた]
嘘、偽り……というか。
……他者が感じるものを否定すべくもないのだけれど、
私の感覚とは異なるがゆえに、戸惑うとでも言えばいいのかな。
[ ケイジにつられたように笑う。]
そんな方が本当にいらっしゃるなら私が叱ってあげますわ。
人を見かけで判断されるなんて、愚かしいことです。
……本当に。
[ 最後のみトーンが沈むが、すぐに浮上させる。]
かわいらしいなんて。有難うございます。
お世辞として受け取っておきますわ。
いやいや!
いつも有難う御座います。
…へへ、疾風、喜ぶ顔が目に浮かぶ。
[骨のつまった袋を嬉しそうに見て、それから立派な肉を受け取って目を糸にする。]
ああ、そういえば親父の薬を貰いにいかないと。
まだ開いてるかな。
また、声かけて下さい、ありがとうございました!
[元気に言うと、岩場で膝をかがめ、空へと飛び立った。]
[俯く様子に、くすり、と笑って]
……いやだねぇ、もう。
兄さんが気にするような事じゃ、ないってのに。
[上げるのは、殊更に明るい声。
無理をしてるような様子は、特に見受けられはせず]
[兎を追いかけた。
捕まる気だったら捕まえられるのに、捕まえずに追いかけていたら、気づけば森の小川
そして遠目からは水桶を担いでいる、自分と子供が目に入り]
ばいば〜い。兎さ〜ん
[と、追っかけるだけ追っかけていた兎を陽気に見送った]
[ エリカの言葉には頷いてみせる。]
…確かに、他者と違う感覚はありますわね。
困らせてしまったようですね。
[ 去って行く彼女に、背中から声をかける。]
どうかお気をつけて。
それから、今日はちゃんと家に戻るんですよ。
[ 余計なお世話だったかもしれないがそのまま見送る。]
[そして、ロザリーの言葉に、おかしそうにわらう。]
それだけじゃないだろうがな。
知ってるだろう――?
[誰のこととも言わないが、己が他に忌まれる点を狐は理解している]
本当に、――。みかけ、ね。
[狐のしたで口唇が弧をえがく。声の調子はふわりとゆれて]
本当のことを言ったまでだな
[小川まで来ると、水桶を川に沈め、擦り切れた靴を脱いで、川岸に座ると両足を川に浸す]
……はあ、気持ちいい……
[ごろりと芝に寝転ぶと、近くから兎に挨拶をする声が聞こえて、そちらを振り向いた]
だったら、いいんだが。
[笑顔を見せたアヤメに、ほっとした様子を見せる]
クローディアに会っていくか?今の騒ぎで出てこなかったところを見ると、まだ眠っているかもしれないが。
[ 知っているだろうと聞かれれば、困ったように言葉を返した。]
さて、何のことでしょうか?
………まぁ、致し方ないことでしょうか。
ケイジ様のお優しいところを皆が知らないだけですわ。
[ 気配を察することは得意だが。
やはり、目の前の人物の表情は読めない。]
本当のこと…ですか。
[ 最後の言葉にはやはり困ってしまった。]
[兎を見送って、視線を興味の対象に移すと、対象はちょうど振り向いていた。
そして何をやっているのかを見ながら、近づいていって]
あは、お久しぶり〜…あれ?初めてかな?
どっちでもいいか。あははは〜
[と、陽気に笑いながら、近くの草むらに座る]
[森の傍ら、世話になっている家には世帯主はおらず、
けれども、しっかりと用意のされていた食事。
迷いは見せるも、小さく感謝の言葉を紡いで摂り、片付けを済ませ、幾許かの休息を経たのちに、再び、外へと出た。
陽は白い海の下に沈んでいた。
木の葉に隠れてか、今は見えぬ月を想う。
歩む先は、村でも森でもなく、白い海の臨める場所]
……だから、兄さんは人の事、気にかけすぎなんだよ。
[ほっとした様子に、また笑う]
んー……様子を見に来たんだけど……。
寝てたら、まずいし、どうしようか。
仕事も半分残ってるし……て、あ。
[後で納品の手伝い頼まないと、と。
そこでようやく思い出し、舌打ち一つ]
俺が優しいね。
そんなことを言うのはロザリンドだけだろう
[可笑しそうに哂った。
彼女の前で狐を外した事は――というより、狐を外した姿で会うことが最初だったかもしれない――あるがゆえにか、白い面を外す。
息を吸い込み]
あァ、本当のことだな。
[頭を振って、狐を片手でもてあそぶ。]
仕事?やはり遅れてしまったのか?
[暫し考えてから、聖殿の中の親族に、裏口の警備を固めるようにと声をかけ]
私に手伝えることがあるか?
[改めてアヤメに向かって問う]
[そのまま、今度は村を歩いて通り抜けていく。取り立てて、大きな変化は感じられず。
村の外れまで来ると、薄灰色の翼を広げた。ある程度の高度まで羽ばたいて上昇すると、ゆっくりと、旋回を始めた。ぶつかってくる空気の塊が小さな体を押し包む。
翼は暴れる風をつかみ、逃がし、虚空の中で安定を生み出し、あるいはさらに上昇する。目は、眼下の海、浮島をじっと見つめていた。深い森の中、一際大きな結界樹の盛り上がる緑が見える]
[少し高度を下げたとき、森の中に、紅の髪と、薄い金の光がちらついたのが見えた、気がした]
[視界に入った赤毛の少年が近くの草むらに座る姿をじっと見つめていた。自分と同じ位の年に見えるからだろうか、あまり警戒心は抱かず]
えっと、はじめまして……だよね?
[最後の方は問うような口調になり、擦り傷だらけの肌を見て]
……怪我、痛くない、の?
[草の上に寝転んだまま、首をかしげる]
あー、遅れたというか……。
まあ、アタシは元々、気が乗らないと、織り進めないタチだからねぇ。
[いつもの事だよ、と笑って。
続いた問いには、きょとり、と瞬き]
手伝うって……。
そりゃま、納品に男手はほしいと思っちゃいたけど……。
[そのまま、さらに高度を下げ、知り合いの姿の見えた森の中へと降りていく。声をかけ]
ロザリー?ちょうど、屋敷に寄ろうかと思って・・・あ。
[木の陰になって見えなかった場所に、ケイジの姿を見つけて、言葉は、一瞬止んだ。]
うん。初めて……
[といって、一旦じぃぃっと見る。そして]
初めて〜
[どこか嬉しそうに陽気にはっきりと問う言葉に答えて]
痛くないよ。痛くないよ〜楽しかったんだよ〜
[きっとわからないだろう。...は先程の高台から飛んだのを思い出したのか楽しそうにする。上空からの視線には気づいておらずにいて]
何しているの?楽しい?
[外れまで来ると、風は一層、強く感じた。
視線を遮りそうな前髪を押さえ、金の瞳に白を映す。
闇を白く彩る、海。
彼方此方に点在する岩。
けれどその彼方、自分が渡って来た島は見えない。
広がる雲はどこまでも続き、果てがないように思えた。
己の肩に、手を乗せる。
細く白い指に、力が篭った]
[ 外された狐のお面を右目で追う。
その行為と同時に首が傾いていく。]
あら、そんなことはございませんわ。
私の父も母も、同じことを言うと思います。
[ それから視線を面がなくなった顔へと。
記憶にある限りで、その顔を見たのは初めてだった。]
そのお面は何故?
昔、聞いてもはぐらかされた覚えしかありませんが。
聞いてもよろしいのでしょうか?
[ 手の上で踊る狐の面に一瞬視線を落とし、
また顔へと視線を戻す。
返答に期待はしていないのか、半分諦めも混じった問い。]
[小さな影はそのままに、とりあえず一旦家へと向かう。
持ったものを家に置き、施療院へと向けて飛ぶ。
父親の薬を受け取れば、再び家へ向けて急ぐ。]
*/
ご め ん な さ い合流場所を間違えたような気がしないでもないというかケイジと絡んだことなかったしエリカとも絡みたかったんだけど、タイミング悪かったね。鳥なのに空気よめなくてごめんなさい。
[空をふらふらと飛び回りながら、普段は描かない景色を描くのは心が躍る。
特に...は明け方と夕暮れの空の色が塗り替えられていく様が一番好きだ]
こんな一色の空も捨てがたいけれどね!
[そんな事をつぶやきながら、最後の一筆を描きいれると、思ったより綺麗な空が描けた]
あ! これいいかも!
[こういう時、自分の気に入った作品が完成するのは心が躍るものだ。
そしてそんな作品は誰かに見てもらいたいと考え、...は聖殿にいるクローディアの顔が浮かんだ]
あ〜、そういえばなんか色々大変そうだったもんね……。
これみて気分転換になるならいいよね!
[そうして、...は再び聖殿に向けて飛び立った]
手伝ってもらえるのはありがたいけど……。
[言いかけるものの、素直に聞くとは思えず、言葉を切って]
……んじゃ、お言葉に甘えとこうかね。
でも、結構疲れるからねぇ? 終わってからちゃんと休まないと、いざって時にきつくなるよ?
うん、初めて。
[にこり。楽しかったという少年の表情を見れば、つられるように口元が綻ぶ]
そうなんだ
んと……水汲み。
……楽しい……のかなあ?
楽しいって、よくわかんないや。
[その問いに眉根を寄せて小さく唸る。水に浸した素足がぱしゃんと音を立てる]
[ 声で気付いたその姿に笑いかける。]
おや、カレン殿。
私をお探しだったのでしょうか?
それは、お手間をかけさせてしまったようで。
[ 彼女の視線が面をはずしたケイジだと知ると、
大げさに溜め息をついて見せた。]
[家路を急ぎつつ、ふと広場に差し掛かった時、何とはなしに地面へと降りた。
少し、急いで飛んだ為疲れたのかもしれない。
ゆると翼を揺らしながら、聖殿の前へと歩く。
その玄関の明かりを見つつ、首の後ろをさすりながら]
…巫女さんも、大変だね。
[スティーヴとの会話を思い出して、呟いた。]
言ってなかったか。
家の誰かから聞いているものだと思っていたが
[飄々と答え、ロザリーを見る。
狐を持たない手が、己の額を指差した。]
傷があるからな。
かくしているのさ。
[気にもしない男にしては、そうそうないことのようにも思えるが。
――と、声が届き。]
おや、カレン嬢。
[面をつけるでもなく、己を見て口を止めた少女に、くれないの口唇をみかづきにつりあげた。]
いや、屋敷に行く前に会えたのだからよかったけれど……お邪魔だったかな?
[ケイジとはたいして面識があるわけでもなく、面を取ったその姿に、一瞬誰だかがわからず。手の中の面を見て、ようやく]
……ああ、ケイジ、か。……そっちの家で働いてるカルロスに、昨日お世話になったよ。荷物の運搬で。
[少しばかり、声が硬くなっているかもしれない]
荷物の。
――あァ、なるほど。
お嬢さんに願われたと言っていたな。
[愉しそうな顔をして、狐面を再びつける。
白い狐の下で、くちびるが三日月のかたちをしているのは、カレンにもわかっているだろうと狐は思う。]
喜んでいたからもっと使ってやるといいさ。
あは、そっかそっか〜
[回答がもらえただけで陽気にまた笑ったが続く言葉に不思議そうに首をかしげる]
わからないの?
楽しいことはね、いっぱいいっぱいあるんだよ
どれくらいかっていうとね…えっと、えっと…わかんないや。あはは〜
でもそうだよ。水に触れるのも楽しいよ
[そしてやっぱり陽気に笑って、習うように足を小川の水に浸す]
人は見かけによらない…それはそうですね。
真実なんて、それこそ分からない。
[ 漏れそうになる笑いをこらえる。]
私は人がいう堕天尸なのでしょうが。
むしろ、私にはそれは全うであり。
[ 人と会話していてさえも感じる。]
最初から壊れるならなぜ創る必要があったか。
……考えるだけ無駄か…。
どうせ、壊すだけなのですし。
[ 1人自問自答を繰り返す。]
柔じゃあないだろうけれど。
寝不足は、大敵だよぅ?
[からかうような言葉を投げつつ。
ラウルの仕種に円らな瞳の見つめる先を見やり、その先にラスの姿を見つけたなら、おや、と言いつつ手をひらりと振って]
[ゆったりとした歩調で島の端、白が波打つ雲海へと向かう。
特別な用事があるわけでも無く、ただ島から出られないと言う話を思い出しただけで]
結界か…ま、んなもん無くたって、俺は逃げられないし。
何処にも行けないし。
[帰れないし、内心で呟く。
ふと、遠く向こう側に人影があるような気がして目を凝らした]
…ん?
[ぴぃぱたする声が聞こえ、首をさすりつつ振り返る。]
あれ、ラウル?
よぅ。
[ひらり 手を振る。
勿論、その止まり木の主に。]
いっぱい、いっぱい……?
[陽気に笑う少年の声に、目をぱちくりと瞬き、隣で水に足を浸す仕草を眺める]
楽しい……んだ。うん。楽しい
あ、あはは〜
[少年の顔を見て、彼の笑いを真似るようにぎこちなく笑う。水の中で足をばたつかせると、川の水が辺りに四散した]
それは、女性の美容にじゃないのか?
[アヤメに返し、ラスには、幾分怪訝そうな声をかける]
ラス、どうした?こんな時間に珍しいな。
こうやってあくせく動いたって。
俺には何にもならない。
もう、疲れたんだ。
なぁ、巫女さん…
何の為に、あんたこの島を護ったりするんだい?
[ カレンに移した視線は改めて、ケイジへと。
正確には指差された額の傷へ。]
……………。
[ それを黙って見つめていればそこに狐のお面が重なった。
傾けていた首を戻し、声を発する。]
カレン殿、申し訳ないことを致しました。
けれど最近、目の調子はいいですよ。
やはり、はっきりと見えはしれませんが。
[ カルロスの名前が出てくれば、昨日話をした人物を思い出す。]
おや、彼はケイジ様の家の方でしたか。
そうとは知らずに失礼な物言いをしてしまいました。
[ 隷属のことは知ってはいるが。
敢えて口にすることも、知っているとも言わずとも。]
[パタパタと羽ばたき、ようやく聖殿にたどり着くや、今度は忙しなく走り出しながら――]
クローディア〜♪
遊びにきたよ〜! 気分転換にお茶でもしよ〜!
[もうまるで、事の重大さを把握していないテンションで、クローディアを呼ぶ。
が、途中で面倒になったのか――]
クロー……って長いよね。
……うん。クロちゃんでいいかな?
[そしてクロちゃんクロちゃんと呼びながら聖殿内を闊歩していく]
私は、ケイジのように、他に手伝ってもらわずとも、大体は手が足りているさ。喜んでいた……ようにはみえなかったが。あまり。
[面を被る前に、見えたその顔。小さな疑問が湧いて]
……額の傷。治さないのか。白虹の翼持ち、だったよな。
[自身の家系の多くが受け継ぐ、翼の色。自分の持たない色。かすかに、複雑な感情が言葉に混ざる]
その力ならば容易に治せる傷なのに。
ん、巫女さん倒れてるのか?
大丈夫なのかよ。
いや、俺はたまたま羽根休めに降りただけだけどさ。
[アヤメの言葉に、首をさする手を止めて首を傾ける。
その向こうに年上の幼馴染の顔を見つければ、よ、と口の中で挨拶をしてから]
ん、スティーヴさんとこ手伝っててね。
それから親父の薬貰いに行ってたからさ。
[目を糸にして、人懐こい笑みを浮かべた。]
[――ばさり、
広がる色彩は、冴えた月を思わせる淡い銀色。
一対目は、やや上向きではあれど、正常な翼。
二対目は、翼とはいえず、まるで尾のように、
連なる羽根が垂れ下がっているだけ。
生え損ないも、幾つもあった。
それは、羽根にも骨にも肉にも見え、
背の辺りは奇妙に盛り上がっている]
おやおや、ロザリンドにまで手をだしたか。
[可笑しげに彼女の言葉を聞いた。]
お前が言うのなら、いくらでもよろこんで聞くだろうよ。
遠慮などする必要はないだろう。
――――――…。
聞こえていたのですか、失礼。
ですが、思ったよりお元気ですわね。
[ ふと言葉を止めて、考える。]
成程、経過はどうあれ目的は同じということですか。
私も…ええ、スベテ破壊するつもりですので。
ここはそれなりにご協力を願いましょうか。
[ 相手がどんな反応するかは知らない。]
私は私で好きなようにします。
貴方がやることに口出しも致しません。
ですが、目的は同じですので。
[ そう相手に同意を求める。]
美容に限らないよぉ?
ちゃんと食べて寝ないと、体力でないもんさね。
[ジョエルの言葉に、どこまでも軽く言ってから]
昨日のアレで、気疲れしてるんだろ。
これからが大変なんだし、休ませておいた方がいいだろうしね。
[ラスの問いに答える時、一瞬過ぎるのは昨日の蒼ざめたよな表情]
そだよそだよ〜
[と、また倣う様に足をばしゃばしゃ。
飛び散る水がかかっても気にせずにいて]
僕はネロ。ネロだよ
覚えておいてね〜…あは、やっぱり覚えれなくてもいいかも〜
また初めてってなるのもきっと楽しいよ〜。うん
[そしておいてある水桶を見て]
運ぶ?
手伝いをしているとたいそう自慢されたからな。
[面白そうにカレンを見、次いだことばに面の上から傷を押さえる。]
なおせない傷だ。
といえばわかるか?
[クツリ、喉の奥で哂う。]
あまりに酷いモンをこめられたんでねェ。
破壊?
駄目だ駄目だ、俺は家族を護らなきゃ――
[一瞬、小さく薄く漏れる声。
が、それはすぐに掻き消えて。]
破壊、さ。
全部破壊しちまえば…もう、解放される。
あぁ、俺も邪魔はしないし―協力、しよう。
だが、少しばかりまだかかるかもしれない。
まだ――揺れている、ようだ。
[獲物の始末は外で済ませてきている。
肉、皮、骨、内臓をそれぞれ壷や袋に入れ、今日の狩りを終えた。
汚れた服を代え、窓の外を見る。]
……まだ飛べる。行くか。
少しでも負担を減らしてやらないとな。
[結界を張る巫女を思い、小屋を出る。
躊躇いなく海へと身を投げ出し、翼広げ空へ。]
ん、そうだな。
大事にしてもらわねぇとな。
[アヤメには、笑みを消して真剣な顔で言い、振り返る言葉でジョエルへはへにゃりと、親しい人にしか見せない情けない笑みを向けた。]
んー、ちょっと、ね。
最近は特に…
[こんな辺鄙な場所に、自分以外誰がいるのか、もしや逃げ出そうとする堕天尸ではあるまいかと、興味半分、警戒半分で後ろから近付いていく。
声の届く範囲で、その人影は羽根を広げた。
見えたのは冴えた月の色と、]
……っ。
[言葉にならない何か。
知らず、足を一つ引く。
ぱきり、小枝が音をたてた]
[ ケイジの口から出た言葉に怪訝そうに反応する。]
手……。
嗚呼、リディアを口説いていたようですが。
遠慮というか…まぁ、御馬鹿さん呼ばわりをしてしまったので。
[ そう言った後、カレンとの会話を黙って聞く。
治せない傷。
それが、具体的に何を言うかは察することができなかった。]
[ちらりとロザリンドを見た。
彼女は、まだ、やみではない。
だが額の傷がうずくに変わりはなかった。
まだ、開かない。
身のうちでやみがまわる。]
[互いに水飛沫に濡れたまま、少年に楽しそうに笑う]
あはは〜
ネロ……だね。僕は、おーふぇん。よろしく。
うーん、初めてじゃなかった……かもしれない?
[顎に手を当てて首を捻り]
……きっと、どっちでも楽しい
運ぶ……一人で平気。
[両手で水桶を取ると、翼胞からましろの翼を出して、広げる]
……はぁ……、
[吐息を零して、
ふるると、目を瞑り、身震いする。
一対目は同じように震えたが、二対目は風に揺れるだけだった。
肩に乗せていた手を首筋に当て、骨を鳴らす。
開いた眼は、銀翼とは対照的な金糸雀色を宿したまま]
当人も周りも、無茶しかしないからねぇ。
[言いつつ、一瞬視線がどこに向くかは、言うまでもなく。
一方で交わされる家族の話題には、特に口を挟みはしない。
それは、自身が最も触れたくない領域の一つだから]
うん、オーフェン。オーフェン。あは
[名前を聞いて、それでまた笑う。
そして運ぶといって広げられたオーフェンの翼を見て、そっと触れようと手を伸ばす]
−海辺上空−
[夜空と見紛う紫紺の翼を広げ、海風に乗って飛ぶ。
ほとんど羽ばたかず、気流に乗り飛ぶ。大きく重い翼の不利を有利に変える為の技だ。]
………。
[虚の気配がないか、目を鋭く配りながら飛ぶ。
月に照らされた白の波と岩の向こう、銀の煌きが零れ見えた。]
/*
今、流行のおバカキャラ確立!
…負けロール大好きとか、まさかそんな。
ほら、シリアスも大好きだし。
[できるか否かは、甚だ謎]
*/
俺は大丈夫だよ。
それより、ジョエル寝不足じゃないのか?
くま、出来てるぞ。
[アヤメの肩にそっと手を伸ばし、ラウルの背を撫でようとしながらジョエルに笑んで、その目元を指差して話題を変える。
照明のせいかもしれなかったけれど、隈に見えたから。]
[陽気な笑いに警戒心は希薄になり]
……?
[ネロに伸ばされた手を、拒むことなくただ眺めている。触れられれば、くすぐったそうにふわりと翼を震わせるだろう]
[ くつくつと嗤う。]
ふふっ…それもまた破壊です。
揺れるのをこうして見せて頂けるのも一興ですわ。
[ 自分は揺れたか?
そう問いかけたが答えは出さない。]
では、暫くはお仲間ということで。
よろしくお願い致しますわ。
名前も知らないお仲間さん。
[ とりあえずは一安心というところか。]
[問う声に、聞き覚え。
近付いていけば、振り向いたその人影には、確かに見覚えが有って。
だからこそ、眼を見開いた]
えっとお…ボンソワール、マドモアゼル。
[戸惑いを拭い切れぬまま、挨拶]
[気づかぬふりをするジョエルの様子にむう、となりつつ]
……ラスにもそう見えるよ、ねぇ?
[振られた話題に便乗するよに、言い放つ。
肩のラウルは大人しく撫でられつつ、合わせるようにこくこく、と頷いた]
[触れそうになって、表情は陽気なままで、ぴたりと止まって…寸の間をおいて、翼を触れて、撫でる]
あは、綺麗。白くて綺麗〜。雲みたい。
あは、あはははは〜
[翼が震えるのを愉快そうに撫でる]
くま?そんな筈は…
[言われた瞬間、幾分慌てて目元を擦る]
……あ、いや、そんなことはどうでもいい。
無理してないならいいが、虚の気配のこともある、本当に気をつけろ。
[ ケイジの言葉にくすくすと笑う。]
あら、ケイジ様がそう仰るなら御馬鹿さんなのかしら。
女好き……まぁ、リディアがそう簡単に口説けるとは思いませんが。
[ カレンの声が聞こえれば、返事をする。]
まぁ、治ることはきっとないでしょうが。
後で診て頂けますか?お願いします。
……嗚呼、確かに御可哀想とも言いましたね。
[ 眉間に皺を寄せる彼女を面白可笑しく眺めた。]
[目前の者に気を取られて、
飛来する影にはまだ気づかず]
……ああ、
馬鹿の……紳士?
[記憶の中から探り当てた単語を、口にした]
自慢?
[手伝うことが楽しそうには見えなかった。リディアを口説いているときは楽しそうだったが]
主従の意思の疎通、あまりしていないんじゃないか。そんなんでいいのか。
[治せない傷。その言葉には、しばし考え込む。]
祈り、恨み・・・思い、か?治せない傷を作るほどの恨みや呪いを買ったのか?
やっぱり、ねぇ?
[ラスの返事に、得たりとばかりに笑って見せる。
ジョエルには、意地の悪い笑みに見えたかも知れないが]
……兄さんもさ。
心配されてるの、も少し自覚しちゃあどうだい?
荷を運ぶなら、暗くならないうちがいいだろう。
先に行っているぞ。アヤメ。
またな、ラス。
[このままでは形勢不利と見たか、ふいに身を翻して、数歩助走をつけると、空へと舞い上がる]
あーあ、ほら、自覚あるんじゃん。目擦ってる。
寝てねぇんだろ?
いざって時に倒れたらどうすんだよ。
[悪戯っぽい笑みを向け、うり、年上の幼馴染の頭を掴もうと腕を伸ばす。]
[一瞬止まったネロの手の動きに気づくと、微かに表情を曇らせた。その後翼に触れられる感触にほっと息を吐き]
……綺……麗?
そんなこと言われたの、初めて……
[撫でられれば背はぴくりと跳ね、楽しそうな彼の笑い声につられるように笑う]
アレのことをわざわざ知ろうともしていないが
[意思の疎通。カレンに言われたことは狐にとって難しすぎた。
――とうぜんの事ながら、そんなことに時間を割くつもりはない。]
俺を手伝うよりは、カレン嬢を手伝う方がたんと良い思いができるらしいな。
――さて。
どんな思いだっただろうねェ。なにせ覚えていないほど昔のはなしだ。
[わらいに揺れた声で、傷のことを語る。]
…いや、バカは余計。
もとい、俺の名前、カルロスね?教えて無かったかも分からんから教えておくけどさ。
あー…、そういや俺も、お嬢さんの名前知らないかも。
[あえて、羽根の事には触れず、会話を進める。
上空の存在には、こちらも気付かぬまま]
あー、もう!
まぁた、そうやってぇ!
[すぐに無理するんだから、と呆れたような声を上げつつ。
ああそうだ、とラスを振り返り]
近い内に、仕立て屋まで大口の納品があるからさ。
その時は、よろしく頼むよ。
……さしあたって、兄さんどうにかする手伝いも頼むかもだけど。
[ため息混じりに言いつつ、深紫を羽ばたかせ。
先に飛んだ翼を追うよに、空へと向かう]
[淡い萌黄の柔らかな翼は、大きく風を孕んで気流に乗り、上空高くへとその身を運ぶ、高く高く、限界まで舞い上がると、方向を定め、今度は殆ど翼を動かさず、滑るように滑空して中空を移動した]
[虚なら近づきすぎるのは危険と見、海側から大きく旋回する。
視線の先、見つけたのは一組の男女。
銀の煌きは女の背に。その背に近づくのは、翼を捨てた者。]
…………虚ではないが。逢瀬でもなさそうだな。
[翼を大きく鳴らし、二人からやや離れた岩場へと降りる。
紫紺の四翼を出したまま、それぞれに視線を向け低く問う。]
………こんな所で何をしている。堕天尸に関する者か?
[撫でて、つられるように笑うオーフェンに、また笑って]
そうなんだ〜。じゃあいっぱい僕が言う〜
綺麗だよ。…綺麗で…綺麗で…… あはは
[一拍おかれた間は当人でさえ意識していないがオーフェンは気づくだろうか。
しばらく撫でてから手を離し]
あまり、待たせちゃ駄目だよね〜あは
白眼視されていると言ったから御可哀想だと。
まぁ、でもケイジ様から許可は頂きましたし。
今度からは御馬鹿さんでも大丈夫でしょう。
[ 本人がいない所で勝手に決める。]
余計かな。
聞いていないと思う。
[首を傾げる動きと同じく、羽も揺れる]
私の名は、エリカ。
……、
[朱い唇に、指を滑らせる。
一端 閉ざした口をまた開きかけ、
されど、先に降って来た、唸るような低い問いかけ。
動じた様子もなく、ゆるりと振り向いた]
私は翼を干しに来ただけ、彼とは今、偶然に会った。
と言って、信用を得られるか否かは解らないけれども。
私自身は余所者であるから、身分を証明する手立てもない。
ん、任せてくれよ。
ジョエルを強制的に寝かせるならそっちも、な。
[アヤメの言葉には目を糸にして、飛び去るジョエルとアヤメにひらひらと手を振った。
さて自身は、と首をさする。]
あァ、なるほど
たしかにソレは、カワイソウ、か。
[ロザリーの言葉に、わらった。
おかしそうに。]
まァ、アレは好きでやった。それに、――ラクな生き方だとも、言うな。
[回り込まれ、その上、ほぼ羽ばたきを行わない飛行。
漸く気付いたのは、声を掛けられたから。
挨拶すら省いて、本旨を述べる様子には軽く肩を竦めた]
あー…どーも。こんばんは……。
確かに逢瀬では無いからなあ…逆に偶然出会えたのなら、ロマンティックに運命なんてのを信じたい所だね。
アンタとは、ごめんだけど。
何をと問われれば、そうだな、運命に導かれて。
さて、俺は自分では善良な人間のつもりだからな。アンタの望む答えは返せそうに無いさ。
[飄々とした態度で、唇を歪める]
[白い翼を撫でられ、綺麗だと言葉を重ねられれば]
……っ……恥ずかしい……
[彼の言葉の途切れに気づく余裕もなく、耳から爪先まで桜色に染まる]
あ、うん……
[待たせる人はいなかったけれど、羞恥に耐えかねて、小さな声で肯定の意を示した。いそいそと濡れた足を草に擦り付けると、靴を履く]
[返る言葉が聞こえたなら、頼むよ! と返し。
先を飛ぶ、萌黄の翼、その動きにやれやれ、とため息一つ]
……なんでかんで、篭っててイライラしてたんじゃないのさ……。
[呆れたような呟きは、それでも、穏やかで。
しばし好きなよに飛ばせた後は、荷運びを頼むのだろうけれど。
その後、さてどうやって眠らせようか、と*巡らせるのはある種の悪巧み*]
[少女がカルロスに名乗る響きには、聞き覚えがあった。
淡々と話す言葉も、アヤメから零れ聞いた様子と符合する。]
……アヤメの所の居候か。なるほどな。
だが、その言葉を素直に信じるには今は不穏すぎる。
[カルロスから帰ってきた言葉も似たような物だった。
互いに好意など欠片もない響きだが。]
運命か。便利な言葉だ。
俺の望みか否かはともかく、違うと言うならその証を見せて欲しいがな。
[ぽつりと呟かれた問いに、しばし考えて]
……うん……うん、きっと、楽しい
水に足を浸すのよりも、気持ちいいから、楽しい
ネロは……そうじゃ、ない?楽しく、ないの?
[どうしてそんなことを聞くのだろう、と不思議そうな顔]
[エリカの名を聞けば、確認の意を込めて、小さく頷く。
普段であれば、名前を褒めちぎって口説こうとする所。
けれど、ここで彼女と仲良くするのは、流石に気が引けた。
スティーブはおそらく自分を疑っているだろうからと、エリカに近付くことすらせず]
証…ねえ。……ああ、確かに虚に堕ちれば、羽根の色が変わるとか、あったっけ?
でもねえ、残念ながら、俺は人に羽根を見せるの嫌いなんだよ。
それ以外の証明方法なんかあったかな?
[ 返ってきた言葉に一瞬戸惑いを覚えた。]
別の意識…そう考えたことがありませんでしたね。
成程、私は私ですが…。
[ しばらく意識を巡らせる。]
そうですね、そうしたら。
「chaconne(シャコンヌ)」―――――。
そう呼んで頂けましたら。
別にロザリーでも構いませんが。
[ そう相手へと返答した。]
当然の反応かな。
[感情は見えない]
余所者だから、奇形の翼だから、このような場所にいるから、
疑う要素は幾らでもあり、悪――堕天尸とする理由ともなる。
正義と悪の基準など、曖昧で不確かだけれど。
[腕を組み、顎に手を添える。
翼を見られた事自体は、気に留めた風はなく]
堕天尸は色彩を失うのは事実、
同時に、往々にして、それを隠す術をも有している。
色彩のみで見分けられれば僥倖だれども、
それのみにとらわれすぎないようにすべきかとは思う。
あは。一緒一緒〜♪
[返ったオーフェンの言葉に満足そうに笑みを浮かべながら]
水に浸かるよりも、草むらをかけるよりも、木に登るよりも
ずっと…ずっと……楽しいよ。
あは、オーフェンも楽しい。ってわかってるね〜
もっと他にもあるよ〜きっと、いっぱい、いっぱい…そうじゃないと……あは、あはははははは
[最初と変わらぬ陽気に笑いながら、飛び立つのなら、手を振りながら見送るだろう]
ラクな生き方ですか――――――。
彼がそう仰るなら、きっとそうなのでしょうね。
[ 抗うことを諦めたとも取れるが。]
そういえばカレン殿。
貴女は昨日、巫女姫殿が言われたことはどうお考えですか?
[ 少し話題を逸らそうかと思い、言葉を出す。]
[わからないと言って肩をすくめる狐の面には、厭うを通り越し、あきれた顔になって]
無関心だな。ずっとそのままでいるつもりなのか。
・・・それは、楽しいのか?
一緒……
うん。いっぱい楽しい、探して、見つける。
ネロとのお話も、楽しい……だから、また……ね
[ネロの満足そうな笑顔に、目を細め自然な笑顔を返す。陽気に笑うネロの表情の一瞬の機微には気づかず、両手で水桶を持ったまま大きく翼を振って応え、自宅へと飛び立った]
[カレンの言葉に、面のしたで哂う。]
さァ、愉しいか愉しくないか、――愉しいさ。
あんまりにこっけいで。
[ぺろりと、舌でくちびるをなめる。
狐の面が少し揺れた。]
[ふ、と小さく息を吐く]
エリカちゃんの冷静さは…心地良いけれど、なあんか他人事を聞いているようにも聞こえるね。
不確かと言う割には、何か自分の中で確信してるものを持っているみたいだ。
[ちらりと視線を移した後、大げさに眼を円くする]
俺は詳しくないけれど、どうやら隠せるものらしいよ?
青風の俺には、んな術は使えないだろうけど、もし仲間が居れば、そっちに協力を頼んでいるかもしれないしねえ。
…で、まだ羽根を見せる必要はあるのかな?
[見せる気はさらさら無いのだけれど]
……好きか嫌いかで選り好み出来るとも思えんが。
翼を見せたくないから隷属したとも考えられる。……少なくとも俺にはまだその方が納得できるがな。
[翼を捨てるにはそれ相応の理由があるはずだと、目で言う。]
なら、俺は「Greyhound(グレイハウンド)」――
…長ければ「グレイ」でいい。
勿論…「ラス」でも、良いけどな。
[くくく、と咽を鳴らして笑う声。]
[ロザリーに言われて、首をかくり、とかしげて考え込んだ]
冗談だと思っている?私はそうとは思えない。
けれど、できることも思いつかない。
村の様子を、見てきたけれど、普通どおりに生活している人が多かったと思う。クローディアの力もあって、騒ぎにはなっていない。
かといって、虚を見つけるために何かをしようとしている人もいなかった。
ロザリーは。何か、気がついた事はある?
僕も楽しいよ〜またね〜
[と、オーフェンが飛び立っていくのが見えなくなるまで手を振り続ける
見送った後、翼を触れた手をじっと見て、飛び立ったオーフェンの姿を思い出すようにまた空を眺めて]
あは
………あはは
あは……
あは…あははははははははははははは!!
楽しそうだね……気持ちよさそうだね……愉快だね……綺麗だね……あは… あはははははは!!
[普段の陽気なものではなく、壊れたように哄笑する。
思わず、近くに咲いている花を引き抜いて、手の中で無残に散らして、川に流した。でも足りずに、もう一輪。もう一輪。ぐしゃぐしゃにして、川に流す]
[もう何も誰もいないようなので、地を蹴って空へと飛び立つ。
空をゆるり飛べば、遠く小さくジョエルとアヤメの姿は見えるだろうか?]
…冷たい、風だな。
[頬を撫で髪の束を揺らし羽根を擦るように過ぎ去る夜風は、少し冷たく感じられた。]
[エリカの淡々とした物言いにも、眼差しは揺らがない。]
…………余所者か否かは関係ない。
堕天尸が出るのはどの島でも同じと聞く。
それに捕らえると言っても命を奪う訳でもない。堕天尸でなくば結界樹で清められるのに何の問題もないのだから抵抗の必要もないだろう。
[正義と悪という問答には鼻を鳴らす。]
確実に堕天尸を探す術のない者には、可能性が高い者を追求していくしかない。不快なら疑われないようにしてもらうしかないな。
そう?
確信か――…… 私の中には、ひとつの真実がある。
それに従って行動しているがゆえ、そう見えるだけかと思う。
[手は己の胸元へと動く]
[ふと、先程の小さな影を気にして、眼下を見ながら飛行を続けると、まだ、ひとつ見えて。
つい先日カルロスから投げ渡された少年が。
くい、と羽根をナナメにすると、滑るように高度を下げてネロの傍まで降り、]
おい、もう遅いぞ?
[言いながら、小さく砂埃を上げて着地する。]
では、長いのでグレイと―――――。
ラス……そちらは本名ですか。
嗚呼、そちらは知らないほうがいいのでしょうね。
昨日初めてお顔を拝見致しましたし。
[ 今までに会ったことはあるのだろうが。
覚えてはやはりない。]
………まぁ、翼が染まりきるのも時間の問題でしょうね。
[ 聞こえる笑いにそうポツリと。]
[ざらりと、心臓を鑢にかけたような不快感。
自然、放つ声は低くなる]
アンタに、何が分かる…。
…フザけんじゃねェよ。あァ!?
[普段の態度を消し去って。まるで、手負いの獣が威嚇をする様な]
別段、不快でもない。
疑うのなら好きにすればいいと思う。
[ふ、と息を吐く。
手を下ろして、己の身体を抱えるようにした]
……捕えられたいわけではないけれど。
[その部分だけには、僅かに、感情の色が窺えた]
[ 考え込むカレンにまたも笑いかける。]
そんなに真剣に考えこまなくても。
冗談…ではないでしょうね。
そもそも私を部屋から引き摺り出しといて冗談では困ります。
……本当は冗談がいいのでしょうけども。
村の様子も他の方の様子も私は存じませんが。
気付いたこと…ですか…。
[ 答えを求めるように、ケイジへと視線を移す。]
[ひとしきり哄笑したら、何事もなかったようにぴたりと止まる]
うん、楽しいよ。楽しい。
でも 足りない
[ぼそりと呟きながら、流れていった花を見送って、どこにいこうか。となった時、降り立った人が来て、人よりも翼を見ながら]
あは、遅くないよ〜、誰も待ってないもの
…ああ、何不自由無いって顔してたよな…
[漏れる黒。]
や、すまん、なんでもない。
[揺れる、灰――]
翼、か。
斑になってきちまってるよ、俺のは。
あんたのもか?
楽しい……
うん、空を飛ぶの……楽しい
受ける風の冷たさも、眼下に見える風景も……
[少しだけ温かい気持ちになり、穏やかな表情を浮かべ島外れの自宅へと戻った]
[自らの保身をすら忘れ、吠える]
(たったそんなことの為に、)
(羽根を)
(故郷を)
(自由を)
(売り渡せなんざ、しない)
追求は時には、負の感情を深めさせる。
[吼えるような声に、眼を眇めた]
そのままでは、たとえ無実の者だとしても、
新たに堕天尸を生むのではないかな。
[こっけいだ、と言っては面の下で笑う気配。揺れる面。しばらく、じっと見ていたが]
そうか。私は特に、面白く感じない。
[珍しく、あからさまにむくれた顔になった。ぷう、と軽く頬が膨らむ]
気付いた事か。
さすがに無かったな。
ここでエリカ嬢に会ったくらいだ。
[彼女と言葉を交わしたロザリーを見る。]
まァ、巫女殿がなんとかするんじゃないか
…………裂いて引きずり出す訳にもいくまい。
[睥睨するカルロスへ、口を歪めて吐き捨てる。
手負いの獣を見る目は、その生業のままに哀れみなどない。]
判って欲しいなら言ってみろ。言えるのならばな。
だがお前の好悪に関わらず、巫女の命には逆らえん。
そのよく動く口の言う通り善良な人間な人間なら、巫女の心を痛めるようなことはするまいな。
[釘刺し一睨みして翼を動かす。大きく風が巻き起こる。]
翼の色は隠せるか。
…………忠告は覚えておこう。
[後へと岩を蹴り、風を孕んだ二対の翼で*夜の空へと*。]
いや、誰も待ってないとかじゃなくてだな…。
獣とかいるかもしれないし、危ないだろう?
夜も遅いぞ、って事だよ。
[言って、その頭をなで繰り回そうと、ゆらりと羽を揺らしながら長い手を伸ばした。]
[ ケイジから言葉が返ってくれば、少し残念そうに。]
そうですか。
私も特に気付いたことはありませんね。
エリカ殿…余所から来た者がそうだとは限らないでしょうけど。
[ どちらにせよ、とぼんやり考える。]
無作為に人を疑いたくはありませんね。
こういう状況にした巫女姫殿には頑張って頂かないと。
[ 少し言葉に棘があるのは無意識である。]
[撫でる手からは逃れるわけでもなく、ただちらちらと揺れる羽を見つつ]
夜は遅くないよ〜。いつも同じようにやってくるもの〜。じゃないとみんな寝れなくて困っちゃうからね〜
[にこにこと陽気に、見当外れなことを返事する。
危険といった類の忠告はやっぱりあまり聞いていない。]
ローディちゃんの命令ね…。
[その名前を呼べば、それでも普段の通りの態度に近付き]
ははッ。可愛い女の子の頼みなら、そうそう断りはしないさ。
ご生憎、女の子の心を痛める理由なんてのは、俺が男前すぎるって理由一つで十分間に合っててね。
[飛び立つその紫紺を、見上げる眼差しは、常よりも細く鋭い]
………不自由?
[ 言葉を濁らされれば、特に気にした様子もなく。]
…もう真っ黒ですよ。
金色に輝いていたのが嘘であったかのように。
お陰様で、幻視が大変です。
術は苦手なのに…貴方にお願いしようかしら。
[ 相手が同じ陽光であることは頭から抜けている。]
さてはて、一体誰が虚の影響を受けた者――なのか。
[口調は決して、深刻そうにはきこえない。
楽観しているとも取れるだろうが。]
ロザリンド。そんなことを言うと、過保護な付き人殿に怒られてしまうだろうよ
[くすくすと哂って、おかしな忠告。]
ん?…んんん?
まぁ、そうだな。
間違ったことは言ってないが…危ないぞ。
帰る家は、どこだ?
[わしゃわしゃと頭を撫でくりまわしつつ、あぐらを掻いて顔を覗き込む。]
……同じ生き物であれど、心の共有は叶わない。
叶わないがゆえに、人は、言葉を尽くそうとする。
[訥々と呟かれる独り言は場違いな響きを帯びた。
男の巻き起こす風の余波に、常にはない翼の影響もあって、バランスを崩す。ぺたりと地に座り込んだ。
雲の海が、近い]
ああ、幻視、ね…
俺も苦手なんだよね。
どっちかっていうと、肉体派でねぇ…。
[ぽりぽりと、どこかしら掻く音が伝わるだろうか?]
ちゃんと拾い主のところで生活しているものだと思っていたが。
[カレンがエリカのことを語るのに、狐はおもしろそうに言った。]
そうでもなさそうだな。
趣味が悪いか。それは、今更だな
[クツクツ、低くわらう。]
って、あー…。ごめん、エリカちゃん。
[姿が見えなくなった瞬間、唐突に脱力し、謝罪。
言い訳染みたことを幾つか口にする]
変な所、見せちゃったね。あんまり仲が良くないもんだから。
怖がられて無いと良いんだけどな。
…って、そこ危ないよ?ほら、手え出して、こっちおいで。
[手を差し出して、雲海から離れさせようと]
[ 笑うケイジに視線を向ける。]
確かにジョエル殿に叱られそうですね。
お小言は勘弁ですよ。
[ カレンの言葉には。]
カレン殿…、異常事態とは…何というか。
まぁ、否定はしませんが。
[ そう言って少し項垂れる。
それから、頭を上げて。]
ではカレン殿も笑えるお話を。
ケイジ様、カレン殿。
私がもし虚に影響された者であったなら、どうします?
[ 問いかけてみる。]
[ネロの言葉に、ぱちぱちと目を瞬いて頭をくしゃくしゃする手を止める。
きょとりとその目を覗きこみ、同じ方向に首を傾けた。]
家、無いのか?
寒いだろう、外で寝てたら。
うちくるか?狭いし汚いけどまぁ雨風くらいは凌げるぞ。
[緩い笑みを作った。]
[動かぬエリカにきょとんとした眼差しを向け、]
どーした?向こう側に、何かがあるのかい?
行きたい場所だとか。帰りたい場所だとか。…さすがに今は、結界があるから無理だと思うけどさ。
[話しかけつつ、何かの弾みに落ちたりしない様、そっとその手を取ろうとするだろう]
とつぜん、何を? ロザリンド。
[くすり、わらいがこぼれた。]
そうだな。巫女殿に引き渡されたいならばそうしよう。
そうでないなら、――かくまってやろうか。
[愉快げな調子はかわらずに。]
お嬢様のお望み通りに。
[口上はなめらか、劇のようにすらりと言葉になった。]
/*
安全の為に手を取ろうとしても、女性に触れようとしているようにしか見えません。
少なくとも役得だとか考えてそうです。
エリカちゃん、嫌だったら逃げるんだよ?(此処で言っても)
*/
うん。無い。
待ってる人いない、だからネロは遅くならないんだよ〜、いいでしょ〜
[首を同じ方向に傾けたのを見ながら陽気にきっぱり言った後
誘う言葉には首をゆるゆると横に振って]
あは、大丈夫。なんでかな〜?でも大丈夫〜。外で寝るのは楽しいもの〜
[理由も当人だってわからないのに自信満々に言ってから]
ねえねえ、この川は、どこから流れているのかな?
あの山かな。あっちの湖かな?
[ 返ってきた言葉に笑いが漏れる。]
ふふっ、仕方がありませんね。
やはりお互い苦労しそうです。
こうして人と話している時も、気が抜けませんね。
私も本来は肉体派です。本来は。
[ 相手の様子を察することはできたか。]
[ 愉快そうなケイジに満足そうに返事をする。]
あら、匿って頂けますか?
基本的には、巫女姫殿に封じられてしまうのですね。
そうなると、誰がそうであってもやはり悲しいものです。
[ 瞳を少し伏せて、そう呟く。]
カレン殿は如何でしょうか?
……笑えるお話ではなかったですか?
[ 首を捻りながら返答を待つ。]
――……ぁあ、
想像以上に、心というのは、影響を与えるものらしい。
[何処までも、他人事のような言いよう]
もしかするととは思っていたのだけれど、
脳からの命令を身体が受け付けない――動けない。
命令を受け付けないのではなく、命令が送れていないのかな。
動かなければ危険と解っているのに、動けないというのは難儀な話……
[取られる手に、声が止まる]
無作為に人を疑いたくない、というのは同意する。
けれど、今の状態じゃ、誰もが怪しくて誰もが怪しくない。誰がどれだけ負の心を抱えているかなど、きちんとはかれるものさしなどないだろうから。自分の疑いたい人を、疑ってしまうだろうさ。
まあ、会う人会う人いちいち疑ってられない、というのが私の正直な実感なんだけど。
[>>440に、眉を上げた]
ロザリーが堕天、ね。それは確かに、笑えるな。
[言うが、笑顔にはならず]
虚なら、私はクローディアに引き渡すだろうね。面倒ごとは、別に好きではないから。
けれどもそれ以前に何故、ロザリーみたいな人にとりついたのかがとっても不思議だ。
まぁ、無理に来いたぁ言わねぇが…。
[楽しげな様子に、無理強いするのもアレか、と思い、心配ではあったが言葉は続けなかった。
続く言葉を言われて川の上流に目を向け、首の後ろをさすりながら傾ける。]
どうだろうな、山、じゃないかな。
[知らないが、憶測でものを言う。]
清めとやらが一体なにかもわからない。
まァ死ぬことはないだろうが。
そもそも虚は一体、どうやって誰かを使徒にしたのだろうな
[くすり。
こぼれた笑みは空気に溶けて。]
――さてと、戻るか。
良い退屈しのぎになった。
あァ、茘枝の良い季節だ。また届けに行く。
お前も喰うか?
[最後はカレンに問う。]
うん…だってね………あは、なんでもないよ〜♪
[ラス無理強いしない様子に一旦何か言おうとしてからすぐやめて、川についてはこくこくと頷くと]
あは、ありがと〜。昨日は流れてたから今日は逆に行くんだ〜
じゃあまたね〜
[流れてた。といってもわかるはずもないだろうが、かまわずに言ってから
手をぶんぶんと振り、川の流れとは逆向きの方向に向かって
疲れたら寝るぐらいの気軽さで*駆けていった*]
危険だって認識があんのなら、まだ幾分マシかな。
まあ、エリカちゃんが動けなくても、俺が動かせば良いだけだし?
もし、嫌だったり、痛かったりしたら教えてくれる?
[眼を覗き込み、訊ねる。嫌がられなければなるべく羽根に触れぬよう、引きずらぬよう注意しつつ、姫抱きで少し離れた場所まで運ぼうと]
あ、当然、このまま送り狼になったりはしないから安心してね。
本当は、どうするかなど、分からない。
虚に意識があるのならば聞いてみたい。何故やってきたのか、何が望みなのかと。
そして、虚が翼に力を与えてくれるものならば……私を堕天にしなかったことを、惜しいと思う。
[ カレンの反応に意外だと、言葉を漏らす。]
笑えって頂けて良かったのですが。
私、そんなにいい人じゃないですよ。
…と、言うのも何か可笑しいですが。
[ ケイジの言葉には黙って首を捻った。
確かにどうやってだろうか、と。]
ケイジ様、お引止めして申し訳ありませんでした。
茘枝、また楽しみにしておりますわ。
お気をつけて。
[ そう挨拶をする。
軽く頭を下げ、その姿を見送ろうとする。]
[きょとりと、駆け去る少年の小さな背中を見送り。
少し心配げな目線を送ったが、まぁ死にはすまい、と呑気に考えて。
自身も地を蹴り、家への*風に乗った*]
[覗き込んでくる眼に、
見開かれた瞳が揺らぐ]
―――……、
[小さく、頷いた。
抵抗はせずに大人しく運ばれるも、先程までの雄弁さはなく。風に揺れる羽根は、震えるようでもある]
― 自宅前 ―
[老女の墓標の前で、口を開き訥々と]
ねえ、婆様……
虚に囚われて、結界樹で清められるって、どんな気持ち……だった?
……婆様は幸せ、だったの?
[墓標は何も答えない。冷たい風が一陣、頬を撫でる]
[堕天の話に、思考の中に入り込む様子を見せていたが、ケイジの申し出にはわずかに表情がゆるみ]
気前がいいな。……ああ、先生も私も好きだから、もらえるものはありがたく貰っておく。
愉しかったさ、ロザリィ。
あァ、わかった。今度、もっていこう。
[愛称で呼んで、カレンの答えを聞いて、狐は白い羽根を広げる。
やがて家に、部屋にたどりつくと、面をはずして、わらった。
額のきずあとが、虚ともいえるものを込められてつけられたそれが、微かにうずいて、よけいに哂った*]
[覗き込めば、珍しく瞳には感情の色が宿っているようで。
けれど、それを指摘する事よりは、他に気を回すようにした]
あのさ…、……何から聞いたもんかな。
具合が悪いようなら、エリカちゃんの家まで運ぶし、少し休んで治るようなら、俺も此処で待つけど…どうする?
[運ぶべき場所がアヤメの家であるとは知らず、そう問いを投げ。
本当は、その羽根の事を訊ねたかったのか、時折そこに視線をずらした]
[ロザリーの意外そうな反応に、肩をすくめて]
ならば、私の人物観察眼が不足しているのだろうね。
……笑えなくって、申し訳ない。元々、笑うのが得意ではないんだ。どうも愛想がないと、よく言われる。
一度、堕天尸に身を堕とした人……
……また、婆様みたいに
[言葉を切ると、深紅の瞳を決意に満たし]
……巫女に……会おう。
[ふわりましろの翼を広げ、聖殿へ向かい飛び立つ]
[ 白い羽根を広げて去って行く姿を見送る。]
いえ、愛想の問題ではないですよ。
私に対する評価がそうであるなら、素直に受け取りますわ。
変なお話をして申し訳ありませんでした。
少し、カレン殿が堕天尸だと確信できました。
…女の勘というやつですわね。
[ そう言って笑ってみせる。]
さて、カレン殿はこの後どうされますか?
ここで構わないのでしたら、目を診て頂いても。
[ 家まで来て頂くのは少し遠慮する。
何より引き止めてしまったこともあり。]
[ゆっくりと、息を吐き出す]
……体調自体に問題はない……はずだから、
あの場から離れたのならば、休めば、治ると、思う。
待たなくとも、平気だと。
[男の移ろう視線の先には、己の翼。
一対目の片側を、ぱさりと動かした]
邪魔なら、仕舞うけれど。
[ 聞こえてく声に怪しく笑みを浮かべる。]
お元気そうで何よりですわ、グレイ殿。
まぁ、どうかご無理はなさらず。
[ そう変に気遣いを見せる。
彼の羽根が染まるのは、やはり時間の問題だろうか。]
[ 相手の怪訝そうな様子に間違いに気付く。]
嗚呼、言葉が違ったようですわ。
カレン殿を疑っているわけではありませんの。
変な風に思わせたなら申し訳ありませんわ。
[ そう言って非を詫びる。]
ああ、じゃあここから離れる事を優先するよ。
…もし飛べたなら、もっと早く運べるんだろうけど……、ごめんね。
[少し自嘲気味に笑う。
小さく動く羽根に、微か驚くも瞬くだけで]
いや…邪魔じゃあないんだけど、さっきみたいに言ってくる奴もいるからね。
周りに知られていないなら、閉まっておいた方が良いと思うよ。
[空を飛んでいると、ぶるっ……と背筋に寒気が走る。目を凝らして周囲を窺うと、遠くに見えるのは夜空に薄く輝く紫紺の四翼の姿]
っ!
……あいつ、だ
[小さなシルエットでも間違えようがない相手。敵意に満ちた瞳で睨みつける。向こうには気づかれただろうか。その影から少しでも遠くへ逃げるように針路を変えて加速した]
[ケイジの広げられた白い翼。飛び去っていくのを、何とはなしに見つめていれば、ロザリーから言葉がかけられて]
いや、特に気にしてはいないけれど……そうなのか?
[首をかしげた。ロザリーの思考について、考え込みそうになる前に、先生から渡されたものを思い出し]
これから行かなければならない所もあることだし、ここで済ましてしまおうか。
[言えば、ロザリーにかがんでもらい、眼の様子を確かめた後、*別れて再び空へと上がるだろうか*]
自分がつけた名前ですが、慣れぬものですね。
[ クスクスと己を嘲る。]
頼もしい限りですね。
壊したい時ですか……。
私は明日にでも巫女姫を封じようと思います。
付き人殿が何とも邪魔です…わね。
[ 如何したものかと、少し困ってみせる。
実際には困ってなど微塵もないのだが。]
……あぁ、えぇと、
[口篭り、後に続く言葉は消える]
いえ、感謝する……
飛べない事は恥じることではないと私は思う、
翔るための翼のみではなく歩むための足があり、
……飛ぶ事により生まれる危険もあるのだから。
[代わりにそう口にして、
後の言葉には首肯を返す]
他者の精神面への影響を考えるのならば、
そうして置くのが賢明な判断に違いない。
付き人、ね。
…上手く、誘導してみようか。
勿論…それによって俺が、危なくない程度に、な。
[自分の利害だけ考えて、何も気を使わずに言葉を綴るのは初めての事で
とても とても 甘美だった。]
*/
ナカノヒト記号を付け忘れた。絡みたい人が何人かまだうろうろしてるけれど、今から捕まえるのは・・・さすがにどうなんだろうと。
……危なかった
[スティーヴの目に止まることがなければ、その後は周囲に気を配り、警戒しながら聖殿のある広場へ向かって飛ぶだろう。ふわり、と広場の端に降り立つと、首を竦めるようにして、翼を翼胞へとしまいこむ。体を小さくひとつ震わせると、聖殿へと*歩き出す*]
[口ごもる様子に眼差しで問い掛ける。
続く礼の言葉には緩く首を振った]
俺が、好きでやってる事だからね。
……ふうん、エリカちゃんはそう考えてるんだ。
[ほんの少し眉頭を寄せ、顔を歪める。困ったような、泣き出しそうな、曖昧な表情。
刹那、瞼を強く閉じれば、すぐにそれは消え去り]
じゃ、仕舞ったら、お家までエスコートさせていただきます。
[おどけて*お辞儀*をする]
[ ここで済ませてしまうと聞けば。]
では、お願い致しますわ。
お手数かけてしまいまして…。
[ 屈んで、眼の様子を診てもらう。
いつもと同じようにそれを終えた後、カレンを見送る。]
ありがとうございました。
カレン殿も無理はなさらぬよう。
お気をつけて。
[ そう言って彼女と別れた。]
[ それから溜め息をつく。]
大した収穫はなし…ですか。
仕方ありませんね。
[ 言ってから羽根を広げ、舞い上がる。
淡い金が、夜空を横切る。
普段外出をしないせいか部屋に戻ったころには、
かなり疲れ*果ててしまっていた。*]
……誘導できるならば、お願いしたいけれど。
貴方が危険になるようなら、無理はせずに。
私も何か手があるかは考えてみますので。
[ そう聞こえた声に反応する。]
[ 己の自室へと戻れば蹲って、息を荒げる。]
―――――――ッ…はぁはぁはぁ…。
[ 空気を吸うたびに、金色は漆黒へと姿を変えていく。
虚の力を借りているとは言え、やはり術の類は苦手である。]
ぜっ……くそっ……思った以上に苦しいですね……。
[ そのままベッドへと倒れこむ。
記憶が無くなるのに、それほどの時間を*要しなかった。*]
[問いかけの眼差しと、
一瞬浮かべられた表情と。
前者には首を振るのみなれど、後者に対しては口を開く]
翼などなければ、と思ったことがある。
……否、今でも、思う――が正しいかな。
それ自体、禁忌なのだろうけれど。
当然を当然と思わぬということは。
[己の、淡い銀の煌めきに触れながら、小さく。
申し出は普段ならば断るところだが、この時ばかりは頷いて、奇形の翼はすんなりとは収まらず、時間をかけて、翼胞の内へと隠される。幾度か、音が鳴った]
[行き先を告げ、抱えられて、道を往く。
相手の反応と表情と、
それらを見ることはなく、俯いていた。
人の囀りは失せて、聞こえるのは森の声。
やがて、家へと辿り着けば下ろされて、ぬくもりは離れていく。
追うように動いた手は、やはり、何も掴まずに。
伏せた眼が、大きく一度、揺らぐ。
見るのは、彼方]
あぁ、……ごめんなさい。
それじゃ。
[零れたのは、謝罪。
己の傍へと引き戻した手を、左右に振った。
それ以上言葉は交わさず、扉を閉ざして*内へと篭った*]
[いつの間にか、陽は落ち、森から上がれば、深い夜空が広がっている。広げた翼は、夜闇には白く、わずかに銀の光を宿していた。]
早いところ、用事をすませなければ。先生から、渡されたもの。クローディアの役に立ててくれ、と言っていた。聖殿の人間に渡すのが、最善だろう。
[*聖殿へ向かい、飛ぶ*]
ねえ、巫女に……会いたいんだ
……会って、話をさせて
[少し怯えながら、聖殿を警護する者に告げる。不審がられ捕まるか追い出されるかするかもしれない。また聖殿の中でリディアに会えば、勝手に出てきたことに少しだけ気まずい思いをするだろう]
―聖殿・内部―
[部屋の外で起きた騒ぎは知ってか知らずか。
巫女は一人、机に向かい書を綴る]
央都の巫女姫様のよに、直接堕天尸を見い出せぬ以上……多少の危険は、やむを得ませんよね……。
[書に綴られているのは、島の長老に宛てた書状。
内容は――要約すれば、自身を囮に堕天尸を誘き寄せ、封印を試みるという危険な策を取るつもりである事。
そして、それに失敗した場合の事。
術に長けた長老であるなら、封じの儀式も行えるだろうから後を頼む、と]
……兄様やおじ様には、叱られそうですけれど……。
[それでも、と。
決意を固めた巫女は、書き上がった書状に、長老のみが開封できる特別な封を施し、折よくやって来た親族へと託す]
この書状を、急ぎ、長老様の元へ。
……兄様には、知られぬようにお願いしますね?
[書状を託し、また一人になると巫女は小さくため息をつく]
……このような辺境の地では、守護天将の助力も望めませんし……。
私が、確りしなくては。
[呟く瞳に浮かぶのは、揺るがぬ強き*決意の色か*]
−小屋−
[両腕を頭の後ろで組み、固い木のベットに転がり天井を睨む。
昨夜、眠りは浅かった。]
……………幻視か、それとも染め隠すか。
灰ならばまだしも黒は隠せないだろう。翼ごと隠すのでなければ。仲間の術を使うとしても…巫女の目は誤魔化せまい。
だが………
[目を固く閉じる。寄せられた眉の間の皺が深まる。]
………結局はクローディアに負担をかけるか。
[低い声と重い息を吐く。
すべて吐き切ってから勢いをつけて跳ね起きた。]
うだうだ考え込んでも何もならんな。
………何か食うか。
[昨日作った燻製の端とパンと水を腹に収める。
台所に残っていた赤い実を齧っただけ、今日はマシな方だ。
呆れたアヤメが差し入れる以外、調理した菜が並ぶ事はない。]
ホルストに収めて、後は…しばらく寝かせておけばいい。どうせこの騒ぎだ。要るなら言ってくるさ。
[新しい燻製を丁寧に切り取り、包む。
落とした端を集めた袋を貯蔵庫に入れて戸締りし、外へ出た。]
/*
………ダメな大人だな。
こんなんだからアヤメやラスに野菜や果物を差し入れられるんだろう。
だがな、この顔は肉食だとしか思えん。
[翼広げ、大空を滑る。
地上から見れば淡い青に濃い影が落ちたかのようだろう。
風に目を細め、高度を上げる。遠くに反対側の海が見えた。]
…………。
[昨夜、見失ったましろの翼を思い出し、眉間に皺が寄る。]
あれは……誰だ。
向けられたのは確かに敵意だったが、ケイジではなかろう。
………あのように判りやすくはないだろうからな。
[不快な狐面に眉間の皺が深まる。
だがあの男があからさまな敵意を見せるとは考えられない。]
[《鷹の目》と呼ばれても夜目が利く訳ではない。
ましろとは言え自身より小さな少年の翼は、旋回する間に遠ざかり見失った。
気にはなったが、追うには夜空は広すぎた。]
……昼であれば追ったものを。
[向けられた敵意を放置はしないと、舌打ちする。
やがて鋭い目がベランダ立派な屋敷を捉え、*高度を下げた*。]
― 聖殿 ―
[聖殿内で嘆願していると、近寄ってきた警護に捕まった]
……放して……放せよっ
巫女……に……いっ
[聖殿内で暴れていると、一言、入れと促される]
[部屋の中には巫女の姿。彼女と目が合えば、表情には現れずとも射すくめられる。ごく、と喉を鳴らして口を開く]
ねえ、巫女……
……堕天尸……見つけたら、どうするの?
捕まって、浄化……されたら、その人は……その人のまま……いられるの……かな……それに、痛くて、苦しくて、死んじゃうかも……しれない……のに
[その後に展開される子供の論理。準拠は身近な人の辿った数奇な運命と、非社会的な偏った価値観。やがて巫女から何らかの答えを紡がれれば、警護に連れられて聖殿を後にする]
― →広場 ―
[聖殿前の広場に降り立ち、聖殿へ歩みよろうとする。そこに、入れ違いに出てきたのは、昨日、広場でうずくまっていた少年が護衛とともに聖殿から出てくるのを目撃した]
おや、オーフェン、だったか。
−森−
[蒼天には太陽が輝く。
木々の合間、開けた場所。
懐から取り出したのは、一枚の羽根。
広げた手のひらの上に乗せて、包むように。
陽のひかりを写し取ったかのような淡い金。
されど、その根元の色は失われて闇に染まる]
―― AIRANAC, etemazem.
[羽根はひかりになり、ふわり、舞う。
薄ぼんやりと、鳥のかたちをつくった。
精霊にも妖精にも幻獣にも似て、異なる気配]
― 広場 ―
[俯いたまま護衛に連れられ聖殿を出ると、カレンの姿を見つけて近づき、お辞儀をする]
えっと……カレン、さん?
……この前は、ありがとう
[護衛は聖殿へと戻っていく。カレンに名を呼ばれれば、覚えられたことに、戸惑いと共に嬉しそうな表情を浮かべるか]
[聖殿から出てきたことを、少しいぶかりながら、名を呼ぶ声にはうなずいて]
ああ。あれから、具合はどうだ。吐くことは、もうないか?
どうした、こんなところで。
うん……だいぶ、良くなったよ
えっと、おかげさま……で?
[ぎこちなく笑顔を作り、自分の言葉に首をかしげる]
巫女に……会ってきたんだ
[カレンに答えると、聖殿の入り口を振り返る]
[周囲をゆるりと巡る、ひかりの鳥。
伸ばされた手は撫ぜるように動くも、温かみはない]
虚、堕天尸、結界樹……
[ぽつり、零す呟き。
見つめる先は島の中央]
...ete sarhis abera'k inan.
[小さく呟かれる言の葉は、
祈りめいて、呪めいて、唄めいて。
ふわり、ふわりと、漂う淡い金。
川の源流へと向かうのを見送り、*眼を伏せた*]
何もしていないな、私は。深呼吸の音頭を取っただけ。
ああ、そうだ、会ったら、渡そうと思っていた。
[腰のポーチをまさぐれば、取り出したのはいくらかの薬の包み。]
飲めば、腹痛に効くかも知れない。先生が分けて来いといったから、遠慮なく持っていって。
巫女に?オーフェンも、堕天尸が気になるのか。
[つられて聖殿を見やりながら、昨日の広場の騒ぎを思い出し、話を聞いてあのようになったのならば、さぞ不安なのだろう、と考えて]
僕に……?
……あ、ありがとう
[驚いて深紅の双眸を見開いた。先生?と首をかしげ、誰かから物を貰った経験がないため躊躇いながら、渡された薬の包みを大事そうに服にしまう]
うん、堕天尸……
気になるっていうか……なってるのかな……?
……あ、なってるみたい。うん
[逡巡しながら、最後には頷いた]
……カレンさんも、巫女に会いに来たの?
[結局、クローディアに会えなかった……いやあわせてもらえなかった。最終的に聖殿を追い出された...は、頬を膨らませつつ、聖殿前の広場の隅で座りながら空を見上げていた]
っとに、酷いよね! クロちゃんが大変だから私が気分転換を! って思ったのに追い出すんだもんね!
[折角良くできたスケッチが悲しんでみるのは、心がそういう感情を持ち合わせているからだろう。
知り合いの画家が、絵は見る時の感情によって表情を変える言っていたが、それは本当なんだと初めて知った。
そうして足をぶらぶらとさせているから、...はオーフェンとカレンには気づいていなかった]
[先生、という言葉に首を傾げるのを見て、]
ああ、先生は私の祖母で、施療院……病気の人を治療するところの主をしている。心配性のその人に頼まれたんだ。村のため、巫女に少しでも役に立つように、必要そうな人に薬を差し入れてくれ、と。……傷に効く薬が多かったか。護衛に渡そうかと思っていたけれど。
[戸惑いながら返してくる答えの様子は、ただじっと見つめていたが、ん、とうなずくと、さらにポーチからリンゴをだし、オーフェンの手のひらにぽんと置いた]
/*
かくていーorz
描写不足で気づかれにくいかもしれませんが、基本あまり表情が変わらない上に、こちらもなつかない子なので和めないー。中の人はちょっとなでくりしてみたいです。オーフェン。
……施療……院?
村の……巫女のため……なんだね……
[一瞬眉を顰め、すぐに表情をなくす]
きっと、偉い人、なんだ……ね
[林檎がカレンのポーチから自分の掌に置かれるまでを目で追って、カレンの顔に視線を戻し]
……あり、がとう。
[困ったような顔をして、ぽつりとお礼を言うと、林檎をじっと見つめている]
ん、そうだね、先生は巫女というよりは、クローディアを心配している。
えらい、ね。私よりは相当上位の存在だろうな。私は日々、しかられてばっかりだ。……オーフェンのおばあさんは、優しい人だったのかな。
[黒髪の姉貴分とあわせ、彼女が苦手とする二大人物。わずか、眉が下がった]
泣く子には飴玉か林檎。施療院ではそうしてる。君は泣いては居ないけれど。そんなものをポーチに入れていたら、重くてしょうがないから、持って行ってほしい。
/*
描写、表現足りないな(ため息)リズムがよく、香りのよい文をすばやく書くのは一体どうすればいいのか。
・・・練習の積み重ねかなぁ。やっぱり。
巫女と、クローディア?……違うの?
……そういえば巫女、婆様のお話とは、ちょっと違った……かな
[首をかしげて聖殿に顔を向けた後、小さな声で呟く。婆様から聞いた話は先代の巫女についてなので当然なのだが]
上位の……存在?よくわかんないけど、カレンさん、しかられるの……怖い人、なの?
[心配そうな瞳でカレンを見やり]
婆様……優しい、なのかな。
うん、怒ったり、ぶったりしなかったから、優しい……なのかも。
[一度遠くを見つめてから、手の上の林檎に目を落として]
……うん、ありがとう……持ってくね。
[双眸を伏せ、林檎の匂いを嗅ぎ。もし広場の隅のリディアがこちらに気がつき手を振れば、手を振リ返すか]
[抱え上げ、指示される道を歩めば、いつしか見覚えのある道筋を辿ることとなった。
何かを思い出しているのか、よく回る口も言葉少なくなる。
沈黙と、風の音。木の葉の鳴る音。
エリカの、そしてアヤメの家に着けば、ほんの少し懐かしげに眼を細めてその屋根を見上げる。
丁寧にエリカを降ろし、]
それじゃあね。…あんまり、あやめサンに心配掛けるような事だけはしちゃダメだよ?
[告げて、背を向ける。
その刹那、す、と腕を伸ばされた気がして振り返る。
左右に振られる手>>474。見間違いかと、一人納得する。
謝罪の意味を問おうにも扉はすぐに閉ざされて、それも叶わぬまま。すぐに自らも家へと戻る]
巫女とは、島を護り人を導く役目のこと。クローディアは、今その役目に就いている女性の名前。
近いけれど、指すものは少し違う。
クローディアは、のんびりものの優しい子、という印象があるかな。先生は実の孫より心配しているよ。
[言う口調は、冗談か本気かも分からない淡々としたもの]
そうか、怒らなかったのか、それは少し、うらやましいな。
先生は、怖いし、厳しい。けれど、私が未熟だから、それをいさめるために怒る。私を一人前にするために。
たまに短気が過ぎるのではないかと思うことがあるけれど、大抵の指摘は正しいものなのだろうね。
[心配そうな瞳には、すっと手を伸ばすと、頭を撫でようとしたかもしれない。オーフェンが手を振るのを見て、リディアが広場の隅に居ることに気がつく]
[帰り路に、ふと、背中の翼胞に触れる。
使う必要が無い故に、随分と長い間手入れを怠っている。
それ以上に、自身の手だけでは不可能な部位の事や、風や陽に当てようとすれば、自然人目に付く場所となりやすい事を思えば、重く息を吐いた]
でもなあ…俺の場合、冗談じゃなく命令が来そうだしなあ。
ローディちゃんに見せるのなら、せめて少しは繕うべきか。
[そうして翌日、久々の手入れを決意する]
気が…重いな。
全く、虚だの何だのさえ無ければ…。
[常であれば、傲然とした態で鳴る足音。今日だけはそれを忍ばせて屋敷を出る。
向かう先は森の中にある、地下へと広がる小さな洞窟。
風の通らぬそこは、羽根を持つもの達ならば、厭う様な場所]
[カレンの言葉をひとつずつ噛みしめるように聞くと、先刻会った巫女を思い返しながら]
のんびりもので、優しい……子?
……そうは見えなかったけど、そう……なんだ。もしそうなら、心配……かな。
[羨ましいと聞けば、また驚いた顔。頬が少し熱を帯びる]
ふうん、一人前にするために怒る……んだ。
怖いの、厳しいの、痛いの、悲しいの、苦しいの……正しい?……怒るの、いろいろ、あるんだね。
[不思議そうに首をかたむけ、頭を撫でられればまたびっくりしつつ、目をぱちくり]
ううん、林檎……見たことも、食べたことも、あるよ。でも……何だか、自分で採ったのと、違うの。
[そう言うと、また林檎の匂いを嗅ぐ]
[どれだけ夜に寝たのが遅くたって、朝にやることは変わらない。
いつも通りの時間に起きていつも通りの仕事をする。
今日は、町外れの家で頼まれ物があり、朝から行っていた。
仕事も終わってゆらり、散歩に空を飛ぶ。
太陽と同じ色羽根が、力強く揺らされた。]
―茘枝畑―
[頭の後ろに狐はついて、男は枝を手折る。
見舞いに持ってゆくとした枝は、見事に熟してたわわに実をつけていた。]
そろそろ処分する頃か
[痛んでいる枝もあちらこちら。
この屋敷の者でこの畑に入るのは、狐の男くらいしかはいない。使用人に任せることが多いのだから。]
さて、袋にでもつめさせるか
[天を見た。あかるい。
虚の場所とは違うのだろうと狐は思い、目を眇めた。]
どちらに付けば面白いかなど、当然――
こたえは一つだな。
[不規則に動くひかり。
深きみどりの森を、
高き蒼のそらを彷徨う。
地を歩む獣は見上げ、
天を舞う鳥は見下ろす。
金糸雀色の眼差しは暫し見つめていたが、
完全に見えなくなると、視線を水平に戻した]
[さくさくと草を踏み、森の中を歩く。時折木立が途切れるような場所では、空を見上げ、眩しげに眼を細めた。
金色。何処かで見たような気がするその色に、意識を一瞬だけ逸らし、けれど頭を振って森の奥へと進む。
洞窟の入口に手を掛け、その中へ身を滑り込ませようと]
[昨日、施療院ではカレンと入れ違いになった為、幸い父親の薬は十分すぎる程あったけれど、その分のお金が僅かに足りない。
飛びながら自身の手をじっとみて指を折り折り、何かを数える。]
…こないだ生まれた羊を、売る、かなぁ。
[呟きながら、宙を太陽に向かって飛ぶ。
ふわり、旋回すると地に小さな影が落ちる。]
[びっくりした顔を見て、すっと手を引っ込めた]
そうは見えなかったのか。今は巫女としての役目を負っているから、少し違うのかもしれないね。
こんなときの巫女は、そうそうのんびりしていられないものだろうから。
そうだね。怒るにも色々ある。痛かったり悲しかったり苦しかったりしても怒るだろうね。自分を護るため。
誰かのために正しい理由で怒るのは、無関心よりはずっといい。きちんと怒ってくれるのは、私にとっては助かる事だよ。
まあ、この場合は、叱ると言うほうがいいのかな。
[話を聞けば、納得して、興味を惹かれた様子]
オーフェンが食べていたのは、野生の林檎なのか。これは果樹園から取ったもの。野生のものは、食べたことがないな。美味しいのだろうか。
…ん?
[ふと、眼下の森の中。
獣では無いものが動いた気がして、気になって翼を縦に並べて降りてみた。
どうにも動きずらそうだったので、翼胞に消えるように翼を畳みこみ、何かの消えた方を見る。]
[洞窟の中に入り、入り口の傍に座り込む。奥まで行き過ぎれば、完全に陽の光が届かずに塗りこめた闇色となる。
久々に羽根を伸ばす。一対二翼の、酷く薄い紺碧。
緩慢に身体を揺らすだけでも、痩せた羽根の数枚は離れ、微かに吹き込む風と共に洞窟の外へ飛んでいく]
……は。
[それだけの動きでも、身体が重く感じられる]
……クローディア、巫女になったら、変わっちゃった?
堕天尸と、一緒?
[引っ込められる手を複雑な顔で見つめながら、首をかしげ]
怒る?叱る?
……自分でなく、誰かのため、なんだ……
[むー、と顔を顰めて考え]
婆様……結界樹に閉じ込められたのも、婆様のため……だったのかな?
[ぽつりとつぶやく。果樹園で取れたという林檎をくるくると回しながら]
うん……野生の林檎、美味しい。
樹の上で、鳥さんたちと一緒に、食べるの。たまに、酸っぱい。
[酸っぱい物を食べた後のように顔を顰める]
…誰か、居るのか?
[薄暗い森の洞窟は、目が慣れるまでうすらとしか見えず。
しかし気配は獣のそれでは無いような気がしたので、声をかけてみた。
子供なら、怖がらさないようにと優しげな声で。]
[高きにある実に届かぬから、
低きにある花を摘む。
手に取る際に紡ぐ声は、かれらの言葉で]
sian'emog,
……好い香り。
[白い手に収まる紅花。
微かに、口許が綻んだ。
花弁の裏に口づけるように触れて、
そっと味わうのは、甘い蜜]
[その頃、
ひかりの鳥は似た煌めきの翼を追ったけれど、
途中で消えてしまったものだから、
結局、彷徨って、迷い子のように、ゆらり、ふわり。
二、三度 明滅したのち、再び、目的地に向かう]
[動かせぬ翼は手入れも難しく、懸命に腕を伸ばし一枚一枚羽根を探る。不要なものを引き抜いては地に落とす。
不意に、人の声。手元が狂い、]
……ッ!
[古傷を伸ばし、呼吸が止まった。小さな悲鳴。
声を返せぬまま、痛みに蹲る]
[ふわり、洞窟の中から浮いて飛んでくる紺碧。
目でそれを追い、手を伸ばして取る。
洞窟の奥へと身をかがめて覗き込み、もう一度声をかける。]
誰かいるのか?
怪我してるのか?
[紺碧の翼に、思い当たる人が居なかったので。]
[知らせを受けた場所は明確ではなかったが、
凡その位置を把握して、ゆったりと歩みだす。
持ち帰ろうかと思った花は、手に残ったままに。
さくり、さくりと、小さな足音。
森の奥へと消えていく]
/*
霊能者の能力に悩みすぎて、
鳥の用途がおかしな方向に。
まあ、気にしな い?
……日付変わったらCOするからいいんだ。゜゜( ノノ)°゜。
[少年が幼い顔をしかめて考え込み、口を開くのを、じっと見つめていたが、出された言葉にはこちらも難しげな顔になり]
巫女の役目を負うことが、堕天尸と一緒か。オーフェンは、面白い事を考える。
変わるという点では、そんなに違いはないのかもしれないね。世界の中のたくさんの事象に影響されて、人は変わっていく。巫女の役目や、虚の影響も、きっとその一つ。それが大きな変化だから、皆問題にする。
お婆さん、虚の影響を受けたことがある人、だったのか。私は、そんな人が居たことすら、知らなかった。
……堕天尸は、何を考え、何を望むものなのだろう。
[最後の方は、独り言のように言った 林檎の話をし、顔をしかめる様には、ふっと口元が笑みの形になり]
そうか、私がよく飛ぶ辺りには、見つからないんだ。今度、暇なときに探してみよう。
[細く薄い羽根が、痛みを堪えきれずに背で震える。
入口からの光が遮られ、逆光となるその人物を見上げる]
…へー、き。
[痛みを殺して、声を返す。顔色は蒼白。
乾いた唇は、思い当たる人物の名を零す]
あ……、ラス?
んだ、カルロスか。
全然平気そうじゃねぇな。
[自らの尊敬する人が軽蔑している、幼馴染にちょっかい出した人物― だが自身は好き嫌いを語る程親しくは無い、「異端」の人を見る。
自分が影になって居るのを察知すると体を横に避けながら、手を差し伸べた。]
何かいるか?水でも汲んでくるか?
何かにやられたのか?
[細く薄い羽根に目を奪われながらも、無理やりその蒼白の顔に視線を戻した。]
[きょろり、
周囲に視線を漂わせながら、歩みを進める。
風の流れは緩やかで、陽の光はあたたかで、
虚たる存在の話など嘘偽りのように穏やかだった。
森の中ならば、以前に案内をして貰ったためもあり、幾分詳しい。
往く道なき道の途中、突き立てられた杖の意味するところと、
一瞬 思い浮かべた少年との関連性を知る由はなかったけれど。
本流とは異なる川のせせらぎに足を止め、先を見る。
確か、洞窟があるはずだった]
[屋敷の女主人から代金を受け取り、その場を後にする。
元々、愛想のいい顔ではない。だが今の顔は明らかに顰め面だった。]
………ホルストのお嬢さんだったか。
めったな事では外に出ないと聞くが、どう見るべきか。
[広場で記憶に刻んだ顔に、女主人と似た面影のある女性が確かにいた。すぐに結び付かなかったのは単に興味がなかったからにすぎない。]
………見たことのない顔は他にもあったな。
常にない事態に、常にない顔が……偶然だろうか。
……島の全員を集める事自体が、稀だがな。
[そのまま足は広場へと向かう。聖殿の様子を見る為に。]
ん……へーき、だって。少し、前の傷が……痛むだけ。
必要なのは、水より…時間、かな。
[無理やりに口を開けば、普段の調子に戻ろうとして。
差し出された手を取ることもなく、首を横に振った]
はは…ラスってば、良い奴、だねえ…。
[異端者さえ気遣うことか、羽根を見ぬようにしていることか、あるいは両方か。ぽつりと呟く]
世界の中の……たくさんの、事象……?
[カレンの紡ぐ言葉を考える。自分にとっては汚いあばら家と、周辺の森だけが狭い世界の全て。それでも婆様の病状は悪化し、いなくなった。幼き頃より知識は増え、そして人と出会い]
……変わって、いく……。
カレンさんも、僕も、みんなも……?
[自らの身を抱くようにし、神妙な顔でつぶやく]
……婆様は、あまり自分のこと、話したがらなかったから……
[果たして幼き頃に婆様から聞いた寝物語は、真実なのか、虚構なのか。わからぬまま、ただ遠き人を想う。呟くような独り言には、さあ、と小さく首をかしげた。林檎の話には僅かに顔を緩ませ]
うん、生ってるの、多分あっちの方……。
[林檎を持っていない方の手で、森の一方を指差した]
時間か、俺にはどうしようもないな。
何か欲しいモノは他に無いのか?
女の膝とか言うなよ。
[手を取られなければ、どこか撫でようかと彷徨ったが落ち着く場所を探せず。
癖で、自分の首の後ろをさすった。]
いい奴?なわけないだろ。
[続く言葉には苦笑をしながら。
俺は治癒の術とか出来ないからなぁ、と呟きながら、横にあぐらをかいた。意識を失う事でもあるならば、と。]
−聖殿−
[昨夜の小さな騒ぎを耳にする事なく、聖殿へと入る。
お付きの少女から巫女は部屋で休んでいると聞き、頷く。
それが密かな決意の為と知るのは、全て終わってからの事。]
そうか。休めているならいい。
…………ジョエルはどうしている。
[返る答えは想像の範囲内。
深くなる眉間の皺に、少女は足早に立ち去っていく。]
[洞窟の傍まで辿り着くと、風の攫う話し声。
明確には聞こえないが、どちらも覚えのあるもの]
―――……、
[踏み入るか否かで迷い、足は止まる。
中からは見えない位置ではあるけれど、
手にした花の香が微かに漂った]
…いや、良く…お分かりで。
でも、正確には…美人な、女性の…としておきたい、ね。
[脂汗の滲む飄々とした笑顔。それでも先程よりは、幾分顔色はマシなものに]
…十分、良い奴、だよ。俺なんざ、気遣っても、百害有って一利無しだろう…?
こんな…それこそ、虚でも居そうな空間に留まって、何してるんだか。
[呆れたように、立ち去っても良いのだと、言外に告げる。
そこに、追い出そうとするような響きは無いけれど]
[ふわと花の香りが鼻腔を擽り。
ゆると頭を巡らせ、地に手を突いて洞窟から顔を覗かせた。
見える、人の影。
目を細めてそちらを見て、それからカルロスの苦しそうな言葉に眉を下げて振り返る。
勤めて明かるい声を出し、苦痛を会話で和らげようと]
…膝が欲しいなら俺ので我慢しろよ。
美人でも女性でもない、骨ばった皮ばっかの膝だけどな。
百害あって一利なし、ね。
俺にはそんなのわかんねぇよ。
ただ、弱ってるやつを見過ごせねぇだけ、でね。
[肩を竦めて、カルロスの乱れる髪を指で直してやろうと手を伸ばした。]
それは、黒い自分を覆い隠す為の鎧。
偽善じみた、言い訳。
――そうだろう、「ラス」?
[じぶんの中の悪魔が、語りかける――]
[休んでいる巫女の部屋の前で騒ぐ事はしない。
抑えた声に憤りを込め、親友の甥である青年へ投げる。]
休める時に休むのが警護の務めだ。
………己の体を疎かにして他を守れると思うな。
[それだけ告げて踵を返す。
どうするかは青年の考える事だった。]
[ラスの視線の先、人影を見れば微かに身体を強張らせた。
羽根を仕舞おうにも痛みで為せず、歯がゆい。
僅かに唇を噛んだけれど、ラスの声に笑みを浮かべる]
ラスってさ…、弟とか、いるんだっけ?
なーんか、こう、扱い慣れてるように、見えるんだけど。
[流石に膝枕は請求せず、けれど、髪を梳く指は抵抗せずに受け入れた]
[漏れ聞こえる単語から、
会話の内容は推測出来たか、否か。
その様子を見る者がいたとして、
変わらぬ表情からは窺えなかったろう。
ただ、立ち去ろうと動きかけた足は、一つの言葉に止まった]
[神妙な顔で自分を抱きしめるようにする少年に、そっとまた手を出すと、頭をごく軽くぽん、ぽんと叩いた]
ああ。私も、君も、リディアもみんな、善いものも悪いものも何もかも、変わっていく。
……きっと悪い事でもないさ。変われるという事は、多分救いになりうるのだから。
そうか。ならば、分からないな。結界樹の中で浄化されることが、おばあさんのためになったのか、どうか。
オーフェンは、どうするのかな。おばあさんのような人が、目の前に現れたとしたら。それは少し、興味がある。
[遠い何かを探すような様子をじっと見つめ、そんな事を言った]
さて、私はこの後、聖殿の人に薬を渡して、施療院に戻るけれど……君は、今日はどうする。家に戻るのか?もう暗いけれど、一人で、大丈夫かな?
妹いるよ。テンションの高い。
あぁ、今度結婚するから手は出すなよ。
[答えながら、外の気配が気になってチラチラと洞窟の外を見る。]
[蒼穹はどこまでも澄み切り、高い。
輝く陽光と吹く青風を受けながら、翼広げて森の上を横切る。
視線は遠く、木々に隠された洞窟に届く事はない。
代わりに捉えたのは、見たことのない気配のひかり。]
………何だ?
[精霊にも妖精にも幻獣とも異なる気配に気を引かれ、高度を下げる。精霊にも妖精にも幻獣にも似て異なるそれは、猟師であっても心当たりがない。]
……偶然が幾つ重なれば、必然になるのだか。
[呟きは風に紛れて消える。]
残念な事に、俺は、何一つ…。
昨日は、異端者嫌いのオッサンに俺自身が「そう」じゃないか疑われたけれど…何の根拠があるんだか。
虚も、堕天尸も、どうせなら、もっと俺に関係無い場所で動いて欲しいね。
[緩慢に肩を竦める]
異端者嫌い…スティーヴさんか?
スティーヴさんが言うならそうなんじゃないのか?
[少し声色を低く抑え、尊敬する人の名を紡ぐ。
肩を竦める様には痛みも少し引いたのかと、顔を緩めるが、外から声が聞こえてあぐらをかいたまま振り返った。]
よぅ。
話は――女の膝と、虚?
結婚目前か…、それは、残念。
ま、俺は家庭を作れないし、ねえ。
[またも、人影が洞窟内に入るのに、一つ二つ、後ずさる。
けれど、声が聞こえれば瞬き、]
エリカ、ちゃん?何で、こんなとこに……。
知っている。
目の前の俺が、虚に捕らわれた者だと。
それでも言わない。
求める、全ての破壊の為には今暫く隠れるのが得策だと思うから。
[光を背に受け、闇の中を見る。
陰になり色の見えない眼を瞬かせた]
その二つの関連性が見えない。
[片手に花を携えて、もう片手は壁に。
足場を確かめながら、少しだけ、奥へ]
散策中、気配と声とがあったから。
*/
うーん(悩)昨日から引っ張ってばかりの気がする。発言時間が長いのが一番の原因だろうけれど、RP、動きが少ないのも、良くないのかも・・・きりを付けにくいのかな。時間長く居られても切り上げないと駄目ですね。長々申し訳ない。
[頭をぽんと叩かれると、目を瞬き、カレンの瞳を見つめる]
救い……?
[その言葉に、叩かれた頭と、背中の先に仄かな熱が生まれる。続く言葉にしばらく黙って考えてから]
……わからない、けど……虚に捕らわれる前の人が、その、楽しい、だったなら……元に、戻してあげたい……かも。
でも、変わったことが、救いになってたなら……
[むー、とまた言葉を途切れさせて]
もう少し、考えてみる。
うん、一人で平気。いろいろ……考えてみたいから。お薬と林檎、ありがとう。
[カレンに向かってぎこちない笑顔を作ると、頭を下げる。カレンと別れれば、その背中を見送りながら]
……巫女になる前のクローディアも、見てみたかったなあ。
[聖殿をちらりと見てつぶやく]
*/
がっつり付き合ってくれる人が多いからなあ。感謝。村人だし、吊り襲撃の前に、遊べるだけ遊んでおこう、とか思っていたり。
[川の源流へと漂う淡い金のひかり。
それが鳥であると形を見て取り、懐の鏃羽根に触れていた手を引いた。翼持つ盟友を狩る事は出来ない。]
………。
[四翼を上下へと羽ばたく事で空に留まり、上から見下ろす。
長い時間出来る事ではないが、その動きを見つめる為に。]
/*
Q:鳥じゃなかったら仕留めるつもりだったのか。
A:鏃羽根の一本くらいは投げていたな。確実に。
鳥でよかった。
お互いにきっとおそらく。
─前夜─
[手を借りながら、仕立て屋へ出来た分の納品を終える。
こういう仕事は大抵ラスに頼む事もあってか、仕立て屋の女将には珍しがられたが]
んじゃ、ちゃんと休んどくれよ?
[聖殿へ戻る、というジョエルには一応釘を刺すものの、果たして届いていたかどうか]
……また寝ずの番、とかしたら、次は一服盛ってやる……。
[ぽつりと呟く目は真剣だったかも知れない。
ともあれ、自身は再び空へ。
家に帰り着く頃には、銀月は天高く。
仕立て屋から受け取った代金をいつもの場所に仕舞い込み、再び外へ出ると、島の中央へ向けて飛び立った]
関係があったら、如何しようかと思った。
[少しずつ闇に慣れる目。
己の手にしたものを改めて見、
あぁ、と小さく声を零した]
少し、貰って来た。蜜を吸うと甘い。
実は私には高い位置にあるから、その代わり。
―結界樹―
[夜闇にたたずむ聖らなる樹は静けさに包まれ。
その幹を支える太い根の内、水面に張り出すものの上に舞い降りる]
……やれ、やれ。
少し、開いておかないと。
色々とまずいかねぇ……。
[呟きつつ、一度翼を畳み。
帯を緩めて小袖を滑らせる。
まず開く、深紫の一対。
次いで現れる、同じ色のもう一対]
普段から、両方だしときゃいいんだろうが……。
[疲れるからねぇ、と呟きつつ、四翼をふぁさ、ふぁさり、と動かす。
その動きに合わせるよに、深紫の光の粒子が零れた]
……にしても、因果なモンさね。
親が『堕天尸』から逃れるために来た島で、その遺され子のアタシがそれに出くわすなんてさ。
……やれ、どうせなら、母上の方の力をもらっときたかったよ……。
今更言っても、仕方ないけど、さ……。
[小さくため息をつきつつ、四翼を動かして。
降り注ぐ煌星の力を、四翼へと集める]
……使わずにすめば。
それが、何よりなんだ……。
[小さな呟きを水面に落とした後。
翼は収められ、腕に滑らせられていた小袖が正される。
ふわり、再び開くは普段の二翼]
さて……戻るとしようかねぇ。
[仕事もあるし、と呟く声は常と変わらず、自宅へ向けて*羽ばたいて行く*]
[相手がエリカだと分かると緊張を解き、ぺたりと腰を降ろす]
確かに、関連性はない…かな。
[膝枕を頼む気力は無く、緊張が解けて、飛びそうな意識を会話で支えようとする]
−一方−
[びくり、
小鳥のように震えたひかりは、
慌てた様子で、すいと滑るように川を溯り、
湖の中にある一本の樹木へと向かう]
[こちらの目を見つめて、考える、といったオーフェンには、無表情にこくり、とうなずいた]
そうか。私も分からないから、考える。君の答えが分かったら、教えてくれるとありがたいよ。
家まで、気をつけて。
[あまり調子がよくなさそうなオーフェンに、念のため、施療院の位置を教えれば、別れ、聖殿に入って、護衛の男に、薬をいくつか、言付けて渡す]
大体は傷薬。先生が白虹の力を利用しているからよく効くはず。これは手早く滋養をとるもの。後はこれ、眠り薬。
……いや、何のためかは私にも分からない。先生に聞いてくれ。いるものだって言ってたけれど。
女の子…を口説くなら、そこは、蜂より蝶だと俺は、思うね。
[すい、と視線をエリカに向け、翼の位置をずらす]
あんまり、見映え良くないし…見ないでいてくれると、助かるなあ。
[気遣うカレンの言葉に礼を言うと、広場をぐるりと見回す。広場の隅に座るリディアに気づけば、近づいて自宅に戻る旨を告げ。更なる誘いの言葉があれば]
……ありがと、ね
でも、帰るよ。
[礼の言葉と、ぎこちなく作った微笑みを向け。ふぁさ、とましろの翼を広げると、自宅へと舞い戻る。しばらく考え事をして、やがて*眠りについた*]
[殺気への反応は普通の鳥と同じだった。
盟友に殺気を向ける事などないが、獲物を狙う時怯えて逃げる様に似ていた。
川を遡り向かう先は、結界樹。無言のままに追う。]
『……虚に関するものなら、結界樹を避けそうなものだが。』
[それでも、樹に何かあっては困ると目を離さず。]
[自分と話していた時と違い、感情を見せるエリカを見てきょとりと目を瞬き。
カルロスとの距離を邪魔しないよう、あぐらを掻いたまま尻をずらして移動する。
蒼白なままのカルロスが何か求めるならば応えようとその顔をじっと見た。]
[カルロスの言葉には、苦笑をもらして。]
口説くとか、俺得意じゃないからなぁ。
[そんな気があったわけじゃないし、と後ろ頭を掻いた。]
……蜂は花を摘まずに吸えるから、私は違う。
蝶も同じ――けれど、蝶は夢見鳥と呼ばれるそう。
[いつもの口上も些か頼りなく、
後のことばに、こくりと、一度]
…………ごめんなさい。
[昨晩と似て、異なる謝罪を口にした]
/*
綴り間違えた!
hishouさんでした。
エリカ、そうだよね?
アヤメはたすくさんで間違いないし…
後はわかんない…!!
スティーヴがちぇしゃさん?
ろざりーだれーー!?
*/
[用事を済ませて、聖殿の外に出てくると、翼胞から羽を出す]
―――……
[闇の中、わずかな銀に光る翼を震わせると、*静かに広場を飛び立ち、施療所へ帰った*]
[結局、そのまま広場にごろりと横になった眠ってしまったため、広場を行きかった人々のこと等気づくはずもなく、それなりの時間が経過した後で、ようやく...は目を覚ました]
ん……くわぁぁぁ……。
[大きな欠伸を隠そうともせず、数秒もの間大口を開けてから、目の端に浮かんだ涙を手の甲で拭い変な場所で寝てしまったために痛くなった背筋を伸ばした]
アタタタタタ……。
[ごきごきと骨が軋む音を聞きながら、それでも調子を取り戻していく体が気持ちよくて、満足げな表情を浮かべた]
−一方−
[辿り着いた、島の護り木のもと。
ひかりの鳥は尚も追って来る紫紺に戸惑いながらも、
何かを探すように、くるりと大きく辺りを周る。
けれども何も見つけられなかったか、
湖上で羽ばたきは止め、ひかりは*水の中に沈んだ*]
[心配そうに問われ、2、3度瞬くも、ふと笑みを見せる。
強がりであろうと、心配させようと]
大丈夫、大丈夫…。すぐに治まるよ。
謝らなくても良いしね。
俺も、昨日見たし。
さって、そろそろ戻らないと……。オーフェンもお腹すかせてるんだろうなぁ。
[そう呟き、飛び立とうとした時、唐突に手に雫が落ちた。
何事かと思い雫に触れようとすると、続けて雫は手に、地面に黒い染みを作り上げていく。そこでようやく...は泣いていると気づいた]
あ〜、だめだなぁ……。折角オーフェンの前じゃ頑張って我慢していたのに。
[幼い頃、両親を失った時。
己が祖母に引き取られた後の姿が彼と重なっていた。本人がそこにいないからこそ、喪失した存在の大きさを間近に実感した。
どれだけ拭っても流れる事を止めない涙を落ち着かせるため、...は普段は人気のない場所――結界樹付近の森へと飛び立った]
[ふるる、
小さくかぶりを振る]
……私は、別に、いい。見られても。
[僅かに眉を寄せたままに、目を逸らす。
壁に背を預ける男へと辿り着いた眼差しは、縋るよう]
― 朝・自宅 ―
[けだるさの中、目を覚ます。翼胞にたたまれた翼がやや重く感じられる。昨日カレンに貰った林檎を齧ると、口の中に甘さが広がった。水桶からコップに水を入れ、もらった薬を一つ飲んだ後、ふらりと外へ出る]
ねえ、婆様……
半端者の僕にも、できること……あるの、かな?
[老女の墓標に祈りを捧げると、水を汲みに小川へと向かう。水面に映る自分の姿を見つめた後、ごろりと寝転ぶ]
……後で、野生の林檎……採りに、行こうかな
[手近な草を毟り口に当てると、草笛を吹きはじめる]
[さりげなくその位置をずらすラスに、視線で軽く礼をする。
こう言う気配りが出来て、口説く気が無いと、]
(いいひと、で、終わりそうだよな…)
[凄く失礼な発想をした]
−結界樹−
[上空からひかりが水中に沈むのを見届ける。]
………ただの鳥ではなかった様だな。
結界樹を害するものでなければいいが。
[低く呟き、結界樹の張り出した根に舞い降りる。
水の中に目を凝らすが、その目が光を見つける事はなかった。
紫紺の翼が起こす風で深紫の羽毛が水面に落ち、波紋を作る。
四翼を広げ均衡を取り、太い指を伸ばし小さな羽毛を摘んだ。]
……………アヤメか。
あれもまた不憫なヤツだ。親御さんも心配だろうがな。
[四翼を隠して生きる娘に溜息を吐く。
詳しい理由は知らない。だが紫星の術に長けた親御さんの命かもしれんと、今まで問う事はなかった。]
―聖殿―
[アヤメの言葉は聞こえていたが、結局昨夜も寝ずに過ごした。訪れたスティーヴにも、叱責をこめた忠告を受け、返す言葉もなく顔を伏せる]
…しばらく休む。異変があれば、すぐに知らせを。
[スティーヴが立ち去った後、居合わせた世話係にそう告げると「それが一番」と諸手を上げて送り出された]
[縋る様な目を向けられれば、思わず壁から背を離して少し前傾姿勢を取る。
首を傾けて、少し肩を竦めてその顔を覗き込むようにして]
どうした?
[妹へと語る様に優しい声色を作って言いながら、洞窟の外へと目をやると、何かが陽をさえぎって影を作るのが見えただろうか?
カルロスの失礼な思惑には気がつかなかったが、一瞬ぺちと叩きたくなったのは何故だろう。]
[ばさりと羽ばたく音すら耳障りに感じながら、...は結界樹の近くの森に降りた。
そこに、彼女がいつも一人になりたい時に使っている木の虚があった。ちょうど人一人がすっぽりと中に入れる程度の大きさで、普段は能天気な彼女である事を維持するために、いつも何かあればそこで塞ぎこんでいる事があった]
んと、誰もいないよね?
[そういいながら周囲を見回した時、ふとナニカを感じて...は動きを止めた]
これは……人の気配、かな?
[そう言葉を口にすると、涙を流しながらも、好奇心が本能を上回った]
あっちには……何があったっけ?
[洞窟や湖があることなど、...は知る由もない]
[もう一度、今度は大きく、
ゆっくりと左右に首を振る]
……どうしたらいいのか、わからない。
[彼らの思考にも外の気配にも、
気づくことはなく、小さく呟く。
手にした紅花が、引き結んだ朱唇を隠す]
[親とは別に住む自宅は聖殿のある広場に近い。わざわざ飛ぶほどの距離ではなかったし、寝不足の身では急がぬが吉との自覚もあった。途中、巫女の様子を尋ねる人に出逢えば「心配ない」と答え、堕天尸の存在に懸念を示す声を聞くと「巫女の言葉を信じて待て」と告げる]
…あぁ、カルロスか?
何も…出来ないみたいだから…時間が痛みを癒すのを待つだけみたいだから。意識飛ばすような事あったらと思って俺はここに居る。
あぁ…あんたなら、膝でも貸してやれば喜ぶかもしれないけどな?
[悪戯ぽく笑いながら、彼女がカルロスの心配をしているのだと思って言葉を紡ぐ。
ふと外にまた気配を感じた気がして、首を伸ばして覗いてみた。]
― 自室 ―
[ ベッドの上で目を覚ます。
開いた目がいつもの天井を捉えたことにひどく安心した。]
……こんなことに不安になるなんて馬鹿らしいですね。
[ 左目を掌で包み、深い溜め息をつく。
何れ、左目は視力を失うと言われている。
こうして微かな光を取り込むことに安堵する。]
はて…虚は…。
何故、私に力を貸してくださるのでしょうね。
………それを聞くのもまた滑稽でしょうか。
[ 部屋の隅、闇が蠢いたように見えた。]
…見ても、良かったか…でも、まあ…おあいこ、かな。
[エリカの視線の先、ラスが居て、どうしたことか成り行きを見守る。
まさか口説く筈はないだろうなどと思いつつ]
何も出来ないとは、酷いな。
…おいこら、ちょうど良いからと膝枕頼んでどうする。
[憮然とした表情。実際はかなり期待する気持ちもあるのだが]
[小さな羽毛を指先で揺らしながら、その両親を思い出す。
紫星に生まれながら術とは相性が悪かったかつての少年に、術にこだわって生きずともいいと言ってくれた旅人の夫妻。
結果的に家を出る事になったが、今でも後悔はしていない。]
『………いや、一度だけあったがな。』
[―――親友を亡くした時だ。あの時ばかりは術を仕えない己を深く悔いた。使えても助けられたかは判らないが。
それでも恩に思う気持ちに変わりはなく。その遺児を気に掛けていた。引き取る事も口にしたが、男手ひとつで女児を育てるのは難しいと養老院の先生に止められたのはもう一昔以上前の事。]
[途中で、飛び立っていくリディアの姿を見かけた。昨夜、自分の戻る前に巫女を尋ねて来たのだという話は聞いていたので、一晩をそこで過ごしたのかと、目を見張る]
追い返された、と言っていたな…
[血は遠いとはいえ親族と判っていれば、とも思ったが当人がそれを知らぬのであれば是非もない。後を追って話すほどのことでもなかろうと、ただ見送った]
それもある、けれど、
なんだろう、
――……抱える荷が重い。
[比喩の言葉は消え入りそうに。
けれど、続けられた男の台詞と、眼の向く先とに、伏せがちだった瞳をぱちりと開く]
……膝?
[ちょうど...が首を伸ばしたのと、中からラスが顔を見せたのが鉢合わせになり、涙をそのままに、...は目を大きく瞬きした]
……ラスさん?
荷?
何かあるなら抱えるのは手伝うぜ?
膝は冗談だ、本気でしてやってくれとは思ってないよ。
[振り返りつつカルロスの本心など知らず、エリカには真面目な顔で言った後ひらりと手を振る。
外に見つけた人物には、目を細めておや、と声をあげた。]
よう、ってあんた、何かあったのか?
[濡れた頬に、驚いた声を上げた。]
[術に生きずともいい。
そう言ってくれた人達はそれぞれ違う術を持つ様だった。
紫星ゆえか感ゆえか、それを気付いた少年に苦笑してみせた顔は未だ忘れることはない。
生来の無口もあり、問う事も説明される事もなかったが、不思議と交流は続いた。
男が亡くなった後は力仕事を手伝い、女が亡くなった後は療養院へ時折顔を出し、飢える事のないよう食料を差し入れた。]
………今はもう、逆に差し入れられているがな。
[苦笑に漏れた息に、深紫が揺れる。]
[不安定な根の上。均衡を取ろうと無意識に翼が動く。
響いた羽音に、遠くへとさ迷わせていた意識が一瞬で戻る。]
………俺も歳を取ったな。
[口から鋭く息を吐き、羽毛を飛ばす。
深紫は陽光に煌きながら、風に乗り消えていった。]
膝は…うん、気にしない方が良い。
だいたい、痛みも…引いてきた、し。
[…そろりそろりと翼を翼胞に仕舞う。
しかめつら。やはり、まだ動かせば痛む]
…何……リディちゃんもいるの?
[声に入口を向いた]
─自宅─
[戻った後は眠りに沈み。
目覚めた時には、人の気配はないものの、それはそれでいつもの事と言え]
……さて、仕事、片付けちまうか。
[簡単な食事を済ませると、仕事部屋に向かうものの]
あいたあ……こっちが切れちまってたか。
[織るための糸に不足はないが。
糸と共に織り込むもの──衣の形を整えるためのもう一つの糸の残量は心もとなく]
ここんとこ、加工の方はサボってたからねぇ……。
仕方ない、採って来るか……。
[そちらの糸は、森の奥に生える草を加工した繊維を用いて作る。
その草を摂りに行くべく籠を持ち。
肩に相棒を乗せ、ゆっくりと歩き出し]
[眠らぬのではなく「眠れぬ」のだと、告白すれば幼馴染み達やスティーヴにも言い訳が立っただろうか?]
いや、余計に叱られるな。
[むしろアヤメあたりは、問答無用で一服盛るくらいのことはしそうだと、すでにその計画が複数為されていることは知らぬままに嘆息して、寝台の上に身を起こし、窓から外を、空を見上げる]
[何がと問われて、一体何を言っているのだろうと疑問を浮かべたが、すぐにそれが自分の塗れた頬だと気づいた。
途端、反射的に愛想笑いが浮かんだが、それすらも満足になしえず、歪な笑みとなった。
それを仕舞っていない四枚の翠羽が、何処か物悲しそうに一度羽ばたいて見せた]
あ、うん、な、何でもない。そう。本当に……。
― 自宅 ―
[ ベッドから降りて、羽根を出しながら伸びをする。
寝たことで疲れは取れたが、今日は家を出る気にはならず。]
そもそも……私が2日連続で家を出たことが珍しい…。
[ 自分で言うのは何か激しく悲しくもあるが。
その時に母親が部屋へと入ってきた。
浮かぬ顔をしていた母の顔を見て苦笑いで対応する。]
……どうしたの、母様?
[ 珍しく外出する娘に虚が―――――。
とでも考えているのだろう。]
[空の青さは常と変わらず、風の鳴く音は軋みも見せず、けれど薄く広がる不安の影は見えぬ霧のように*島を覆っているようだった*]
何でもないって顔じゃないだろう。
どっか痛いのか?大丈夫か?
[妹にそうするように、リディアの頭を撫でようと立ち上がってその手を伸ばす。]
[奥に向けて、のんびりと歩みを進める。
しばらく進むと、複数の気配の集まりを感じたものの──その中に、青風の力を微かに感じて。
反射的にそちらは避けるよに歩みを進め、結界樹の湖の方へ抜ける道を辿ってゆく]
……別に、気にしちゃいないんだけどね……?
[道を変える事に怪訝そうな面持ちをするラウルには、苦笑しつつこう言って]
ん……
[短い声に籠った感情は窺いがたく。
新たな来訪者に意識を向ける男から
洞窟内へと意識を戻して、傷ついた翼の傍へ]
……気にしなくて、いいの?
[一度、下を見た。
スカートは膝上、短い靴。足は露になっている。
再び視線を持ち上げて首を傾けるも、眉が寄る]
[ 母を安心させるかのように言葉を紡ぐ。]
娘がしんぱ…ああ、いえ、
不安になるのは分かりますが。
それに関しては巫女姫殿が何とかしてくださるでしょう。
[ 声は知らずうちに沈む。
髪を手櫛で軽く整えながら、母へとつとつと。
溜め息をつく母親に、同じ様に溜め息をつく。]
どうされたのですか?
もしかして、鷹の目殿に何か言われたのですか?
[ そうではないと否定する母。
だけど、彼が来たことには間違いないらしい。
とにかくあまり家を出るな、と言って母は階下へと。]
……弱りましたね。
[ そう言って頭を抱えた。]
[カルロスも自分に気づき、そちらにも泣き顔を見られぬようにしようとした時――。
伸びてきたラスの手が。
――――何処か非現実的な光景の中で。
自分の頭を撫でようと。
――――深紅に染まって震えるている両親の手が自分の羽と頭を優しく……]
いやぁ!
[...はその場に蹲りながら、ラスの手を力の限り跳ね除けると、羽で体を包み込んだ]
─結界樹近辺─
[森の小道を抜け、結界樹の湖の辺へと抜ける。
時間によって表情を変える湖は、樹の生み出す護りの波動と共に気を鎮めてくれるもの]
……色々と始まったら、近づかせてはもらえなくなるのかねぇ……?
[呟く肩の上、相棒がぴぃぱた、と声をあげ、羽ばたく]
ああ……行っておいで。
遅くなるんじゃないよ?
[言葉は言葉として通じぬものの、しかし、その意は伝わる。
森の木の実を食べに行きたい、という主張に微かに笑みつつ、飛び立つ真白の翼を見送った]
/中/
在席状況貼ってくれるのは嬉しいけど、ほぼ同時にこられると迷う!
とりあえず、オーフェンにはラウルで絡めるとよいのだけど。
…え?
[リディアに跳ね除けられ、驚いて後ろに尻餅をついた。
ぱちぱちと目を瞬いて、羽根に包み込まれた彼女を見る。]
あ、その…ごめん。
[また、自分が臭かったのか?などと思って手首の匂いを嗅いだ。]
[風が木の葉を揺らし、零れる光が湖面を踊る。
平穏そのものの光景を見上げている内に、苛立ちは薄れる。]
長居しすぎたな。行くか。
[膝を深く曲げ、樹の根を傷つけない様にばねの力だけで跳ぶ。
湖の上、羽ばたく四翼で水面が大きく波立つ。
そのまま湖を渡り、高度を取りかけた所で人影に気付いた。]
違う……寄らないで……。
違う……そうじゃない……。
違う……お父さん、お母さん……。
[体の震えは呟きが増える毎に次第に小さくなっていく。それでもまだ完全に消えた訳ではなかった]
[エリカの視線を辿り、余計に思う]
うん、気にしないで…良いんだよ。
[非常に自分が小心者の気がしたが、気付かぬフリ。
突然聞こえた悲鳴に、勢い良く腰を上げるも、貧血のように足はふらつき、膝を付く]
……っと。
[相棒を見送り、さて行こうか、と思った所にさす影にそちらを見やる]
おや、旦那じゃないか。
そ、仕事。
糸を切らしちまってね。
[馴染み深い紫星の波動に軽く目を細めつつ。
舞い降り、声をかけてきたスティーヴに、軽い口調で言葉を返す]
旦那は、こんなとこで何してたのさ?
[一方、森の奥へと飛んだサエーナ鳥。
響く微かな音色を捉え、くぅ? と一鳴き。
好奇心の導くままにか、そちらへ向けて飛んで行く。
小さき真白の翼は、川に沿うよにふわふわと]
…大丈夫か?
俺はあんたの親父でもおふくろでもないぞ?
[リディアに、出来る限り優しい声をかけ、再び手を伸ばす。
ゆっくりと、怖がらせないように、その肩を撫でようと]
[ぱさり、
手から紅花が滑り落ちる]
……無理、しない。
[背後の事は気にかかったが、
膝を突く男を見て、自らも膝を折り、
支えようかと手を伸ばしかけ――
途中で止まるも、また伸ばす]
[ 服を着替えて、化粧をして、髪を整える。
姿見に映る姿を丹念に確認する。
羽根を広げれば、その色が室内に色をつける。]
………ふむ。虫干しでもしようかしら。
[ そう言ってベランダから海をぼんやりと眺める。
羽根を広げて、手すりに肘をつく。
やっぱりいつもと変わらないものが広がっている。]
[肩に乗せられた手に、びくりと体が震えた。
怯えきって涙がたゆたう瞳が手の持ち主を、歪んだ視界に捕らえて――]
あ……。ラスさん?
[ようやくまともに戻り出した思考に、...は目の前の人物の名を口にした]
……そうか。
今は物騒だ。一人行くなら気をつけていけ。
[相棒のいない肩に目を留め、短く諭す。
危険があれば知らせる小鳥の本能がない分、危険は増すと。]
俺か? 俺は…金色の鳥を追ってきた。
見た事のない気配の鳥だった。
[眼差し鋭く湖へと向ける。]
………鳥は空を飛ぶもの。
水に消える鳥など、知らぬ。
[ 海を眺めながら、溜め息を深くつく。]
弱りましたねー…。
こうして虫干しをしている間も、幻視をしなければいけませんか。
……虚の力で何とか保っているものの。
ずっとは…さすがにキツイですね。
虚も案外、役に立たないものです。
[ そう言うと、隠された羽根の色がその色を濃くした気がした。]
[草笛を吹いていると、近づいてくる白色が視界に入る]
……ミル?
[体を起こし目を凝らすと、霊鳥の姿。鳥に向かってそっと手を伸ばす]
物騒……か。確かにね。
ま、ご心配なく、ダテに女の独り暮らしをしてるわけじゃない。
[護身の術は心得てるよ、と冗談めかして笑い]
……金色の、鳥?
水に消える鳥……かあ。
それはアタシも見た事、ないねぇ……。
[湖に向けられる視線を追うよに、自身も水面へ視線を向けて]
…大丈夫か?
[自分の名を呼んだ少女の肩をそっと撫でながら、もう片方の手で頬を撫で、目を細めて骨ばった指先で涙を掬おうとする。]
[手を伸ばす少年の紡いだ名。
それに、違うよ、と言わんばかりにくるる、と鳴いて。
それでも、危険はない、と感じてか、ラウルはふわり、その手に舞い降りる]
[ ベランダで海を眺めていれば来客が――――。]
あらケイジ様、こんにちは。
早速、茘枝を持って来て頂いたのですか?
[ 空からやってきた相手に笑顔で対応する。]
わざわざ、ありがとうございます。
カレン殿所へはこれから行かれるのですか?
[ 昨日のことを思い出して、そう問いかけるも。
返ってきた言葉は興味なさげに見え。
受け取った茘枝を手に取りながら苦笑いした。]
[小さく気付かう声に反応しようと、重みを堪えて頭を上げる。
視野が狭く、やや暗い。
伸ばされたのが手だった事には、躊躇うように支えられてから分かった]
ん、……ありがと。でも、最近は、物騒だからねえ。
なるべく…女の子の悲鳴が聞こえたら、駆け付けたいもの、なんだよ。
[苦笑して、呟く]
[伸びてくる指を、今度は抵抗せずに受け入れると、少しよろめきながら立ち上がった]
ご、ごめんなさい!
ちょっと……色々思い出しちゃって……。
[島の人であれば知っている...の家族を巻き込んだ火災事故をの事を少しだけ口にしながら、空元気の笑顔を見せた]
違うの。
……おいで
[くるると鳴く鳥の軌跡を眺め。やがて差し出した手に舞い降りたサエーナ鳥の白い羽毛を、指でそっと撫でる]
……見かけない子。どこから、来たの?
……ああ。護身の術の効果はよく知っている。
[その相手になった事を思い出し、少しだけ目を細める。
流石に幼馴染達に試すのはよせと止めたものだ。]
………樹の周りを探るように飛んでいた。
それ以上の事は何もなかったが……時が時だけに気になってな。
[湖を見るアヤメの横顔に視線だけを投げる。]
お前の家の居候。あれは……大丈夫か?
[何がとも何をとも言わず、呟く。]
[撫でられる感触が心地よいのか、くるるる、と機嫌の良い鳴き声を上げつつ。
どこから、との問いには飛んできた方へと円らな瞳を向ける。
足に結わえられた深紫のリボンを見れば、野性の鳥ではない事は一目で知れようか]
[手は確かに支えとなり、
触れた先には温もりがあり、
細められる眼は眼前の男より遠くを見る]
……駆けつけたのに倒れたら、
相手方に余計に心的負担をかけると思う。
貴方の今の勤めは休む事だろうに。
……言っている間に、落ち着いたかな。
[ゆるりと顔を動かして、
紡がれる台詞は既にいつもと変わらない、凪いだ水面の如く淡々とした響きを有していた]
[目を細めながらの言葉に、だろ? と笑い]
樹の周り、か……。
んでもさぁ、『虚』と樹は相反するものじゃないか。
そうそう近づきたがるとは思えないし……悪いものではないんじゃないかねぇ?
[見てはいないから、なんともいえないけど、と付け加え。
それから、投げられた問いにきょとり、としつつスティーヴを見る]
はい?
大丈夫かって……エリィが、どうかしたのかい?
いや、俺なら大丈夫だから。
[優しげに目を細め、リディアの頭を撫でる。
自身の家族は問題あるとはいえ元気なだけに、その気持ちは想像ついても分かるとは言ってやれないから。]
[エリカが僅か遠くを見るのには気付かない。焦点の合わぬ視覚を、幾度か瞬いて調節していた。
触れた手の温もりの心地良さに、瞼を閉じそうになるのを抗う]
いやまあ…それを言われると、立場が無いんだけど。
でも今のは結果論として、そうなっただけでー…。
[くい、と目頭を強く指で摘む]
ああ、うん。落ち着いたと、思う。
[楽しそうに鳴き声を聞きながら、ラウルの向く方角の森に視線を送る]
誰かと一緒、なの?
[深紫のリボンに気づけば、瞳に少しだけ警戒の色を浮かべた]
[少年の瞳に浮かぶ警戒の色。
その意を察せず、ラウルはくぅ? と鳴きつつゆるく首を傾げ。
それから、くるる、と。大丈夫だよ、と言わんばかりの細い声を上げつつ、尾羽をゆらり]
……それは俺も考えたんだがな。
[相反するとの言葉に頷く。
続く問いに返るアヤメの目は、純粋な驚きに満ちていた。
居候に不安など抱いたことがない様子に眉を顰める。]
…………昨夜、カルロスと島の端にいるのを見た。
逢瀬ではなかった様子だが。
[過去の事情には触れず、事実だけ述べていく。]
……結果に至るまでには前提がある。
平時にそうするのならば私の口出しすべき事ではないけれど、
目標となる他者だけでなく、己と周囲の状況も鑑みるべきと思う。
[忠告めいた台詞を綴っていたが、
後の言葉を聞けば吐く息には安堵が滲む]
そう。
なら、好かった。
[入口の状況も窺いながら、二つへと]
……異形の四翼だった。それを隠していただけならいい。
だが心にも隠すものがあるかも知れん。
[獲物を射る冷酷な目が、湖面に写る己の翼を見る。]
……お前は懐に入れたものに甘いからな。
気をつけろと言っておきたかった。
[短く息を吐き、目を閉じる。風に翼が*重く揺れた*。]
[サエーナ鳥の首が傾げられ、その鳴き声と尾羽を揺らす様子を見ると、深紅の瞳から警戒色がすぅと薄まる]
……いい人……?
[穏やかな顔つきになり、森の方を見つめたまま、手は再びラウルの羽を撫ではじめ]
樹は落ち着いてるように見えるし、今の所は、そんなに気にかけなくてもいいんじゃないかい?
[何かあってからでは遅いかもしれないれど、とは言わずに。
端的な説明には、へぇ、と気のない声をあげ]
あの子とアイツが逢瀬、ってのは、ちょいと想像もつかないねぇ。
恐らく、まともに顔合わせたのも、こないだの広場が最初なんじゃないかい?
……だから、偶然居合わせた、辺りで正解だと思うんだけど。
お互い、深くは干渉しないからねぇ、アタシらもさ。
[ 返ってきた声に笑いで返す。]
ふふっ、そうですね。
幻視は……本当に難しいです…。
はぁ、巫女姫の封印…自信がありませんわ。
[ そう言っておどけたみせる。]
[ 茘枝を部屋の机の上に置いて、またベランダに戻る。
ケイジは飛び立とうとしているところだった。]
ケイジ様、ありがとうございました。
カレン殿の所へご案内したほうがよろしいですか?
[ 返ってきた返事は何とも中途半端に聞こえ。]
……まぁ、お気をつけて。
[ そう言ってその姿を見送った。]
……四翼……か。
[異形の、との部分は口にせず、ぽつりと呟き]
ま、あの子の腹の底が見えにくいのは、否定はしないけどさ……って。
んん? アタシはそんなに甘いつもりもないんだけど。
旦那には、そう見えるモンなのかい?
[続けられた言葉に、冗談めいた問いを投げる。
否定も肯定もしないのは、思う所があるが故か]
……ん、まあ、気をつけるよ。
気をつけすぎても、気疲れしそうでキツイけどねぇ。
[くつり、と。笑う様子は、いつもと変わらぬ軽いもの]
[いい人、との言葉に、ラウル、嬉しげにぴぃ、と鳴く。
警戒が薄れ、少年の表情が穏やかになったのもまた、その嬉しさの要因か。
くるる、くるるるる、と歌うような声を上げつつ、撫でられるまま、尾羽をゆらゆらと]
[お小言のような言葉を微苦笑で濁す。
入口を見る様子に一つ頷き、]
あのさ…実際、立つと眩暈が来るみたいだからさ…入口見て来てくれない?
さすがに、何も無いとは思うんだけど、一応。
[そう言って、壁を背に体力を*回復*させようと]
何とも…。
巫女姫殿の近くには必ず人がいますからね。
虚の力を借りているので、善戦はできるでしょうが。
善戦止まりでしょうね。
それ以上に、私は多人数の相手ができないのですよ。
[ 視野が狭いから、とは言わないでおく。]
困りましたねー…。
寝返られたら、容赦はしませんよ。
[ ケイジが去ったその後、海を眺めながらそう告げる。]
[興味深げに、揺れる長い尾羽に指を伸ばす。それに触れられれば、そっと撫でながら]
……ねえ、君は堕天尸……って、知ってる?
[穏やかな表情のまま、サエーナ鳥に問いかけ]
……さて、と。
いつまでも喋ってると、仕事が終わらなくなるし……。
アタシは、そろそろ行くよ。
[ラウルも心配だしね、と笑って]
……そういや、旦那、ちゃんと食べてるかい?
兄さんは寝ない、旦那は食べない、じゃ、ホントにいざって時に困っちまうからね?
[後で、なんか作ってくよ、と軽く言いつつ。
先に飛んだラウルの気配を追うように、森の奥へと踏み込んで行く]
[投げかけられた短い問い。
それに、ラウルはふるる、と震える。
その仕種は、否定というよりは肯定の意を強く示すよで。
円らな瞳で少年を見上げつつ、くぅぅ? と短く鳴く。
なんでそんなこと聞くの、と。瞳はそう、問いたげに]
[こくりと頷いて、
離れる温かさに一瞬、目を閉じる。
頭を振って払うと、落としてしまった花を拾って立ち上がり、入口へ]
……収まった?
[抑揚のない響きでふたりに尋ねながら、不意に視線が外へと滑る。はたり、瞬いた]
―――……、
少し、往くところが出来たから、失礼する。
[答えを聞いてから、洞窟の中で休む男へと出来事を伝えようとして――眠りについているのをみれば、起こすことはなく。
代わりに花の一輪をその場に残して、*洞窟を後にした*]
[眠れぬまま、ぼんやりとしばしの時を過ごし、やがて、再び溜め息をついて寝台を降りる。すぐに聖殿に戻っては、他の者に気を遣わせるばかりだろうと、家を出ると森の方へと足を向けた]
[震えるサエーナ鳥に、一瞬撫でる手を放して、円らな瞳と向かい合う]
……知ってるのかな?
うん、多分、有名なお話みたいだもんね……
虚に捕らわれるって、どんな気分なんだろう……
[独り言を漏らすと、深紅の双眸を細めて、上空を見上げる]
…あは…おはよー
でも誰もいなーい。でもおはよー。あはははは〜
[ちょろちょろと、音がする。山深き地。木々の茂るその一つの木の根元に...は動き出した。
昨夜ラスと別れた後、近くにはむき出しの岩から溢れる岩清水を見て満足して寝たからだ。]
[少年の独り言に、ラウルはくぅぅ、と短く鳴いて首を傾げる。
彼が何を思い、それを呟くのかは、未だ雛と言える幼き鳥には理解もできず。
困惑しつつ上げたくるる、という鳴き声は、風に乗って、常に共にある相棒の所へと流されて行く]
/中/
さて。
22時には、クローディアラスト起動しないとね。
それにしても、やはりちまオプションは便利だ……。
多方面に絡んでいける。
[サエーナ鳥が首を傾げる様子に]
うん、わからないよね
……僕も、一緒だよ
[空を見上げたまま、空いた手で草を口に当て、静かに笛を吹いた]
[わからない、との言葉に、ラウルはくぅぅ、と短く鳴いた後。
奏でられる草笛に、声をひそめる]
[一方、その相棒はと言えば]
……ん。
草笛の音色?
[なんでこんなとこで、と呟きつつ。
そちらからは相棒の気配も感じるため、誰かいるのか、とゆっくりそちらへ歩みを進める]
あは、あははは〜
[立ち上がり、湧き出る岩清水を手ですくって、顔を洗う
冷たく気持ちよく。余計に何度か顔を洗った]
あはは、この水が川になってるのかな〜。湖になってるのかな〜。こんなに水は少ないのに、不思議不思議〜♪
[きゃっきゃっと笑う]
[森の静寂を楽しむように、ゆっくりと歩み、やがて湖のほとりに出る。今はひっそりと鏡のように澄んだ水を見つめると、ざわめく胸が少しばかりは静まる気がした]
[ラウルの鳴き声が収まると、目を閉じて、草笛を吹き続ける。
緩やかに流れる時間、抜けるような蒼天、心地よい風]
……これも、楽しい……なのかな
[草を揺らせながら、ふと心に思う]
・・・・・・・
[目を細め、聖なる樹…結界樹を見上げる。ずっと以前、あの樹の上に成る実を取ろうと試したことがあった。けれど手にした実は枯れて崩れ落ち、自分には望む資質は無いのだと知らされた]
[少年の物思いは知ってか知らずか。
もし、声としてそれを聞いたなら、ラウルは恐らく肯定の鳴き声を上げるのだろうけれど。
その代わり、という訳でもないのだろうが、近くに相棒が姿を見せたなら、静かに、と言わんばかりにぱさり、羽ばたく]
……んん?
[その様子に一瞬戸惑うものの、大体の意は察して。
自分も目を閉じ、少年の演奏にしばし、聴き入って]
あは、あははは〜
[ひとしきり満足するように眺めた。
その辺の大きい岩を水の流れにあわせるように蹴っ飛ばすと、岩は徐々に砕け、小さくなりながら転がっていく。
それをじぃぃと眺めてまた陽気に笑っていて]
あははは…ん…?あは
[ふわふわと、夕焼け色、空色、ミルク色。
さまざまに変えながら浮かぶ球体がどこからともなく現れて、徐々に近づいてくる
それにそっと手を伸ばして、近づいてくるのを待った。
懐くように指に絡む球体を、穏やかな表情で見た]
/中/
とりあえず、狼さんのために非能力者COをしておくw
例によって、変に怪しくなってる気がするしwww
それにつけても寡黙吊りされそうな勢いですwww
[ぱさりと一つ、羽ばたきに目を開くと、柔らかな表情でサエーナ鳥の顔を覗き込み]
……?
[円らな瞳に見つめられれば、小さく頷き、促されるようにまた音色を紡ぎ始める]
異常はない、か。
[とってつけたように、これは見回りだったのだと自身に言い聞かせるような呟きを漏らし踵を返す]
[ふと見知った気配を感じた気がして木立の間を見透かした]
[演奏を聴きつつ、さて、どこの子だったか、と思案を巡らせる。
ごく最近、どこかで見たような記憶もあるのだけれど]
……ああ、そうか。
本屋の、リディお嬢と一緒にいた……。
[人群れに脅えていた子か、と思い至り。
森に住んでたのか、と小さく呟く]
[リディアを優しく、落ち着くよう撫でてやる。
エリカが出る時には、分かった、と小さく答え、つられるように洞窟の中を見て眠るカルロスを見て、運ぶのには重い荷だ、と苦笑まじりの溜息を落とす。]
…?
[ふと、木々の隙間、遠くに何か動く気配が見えたのは獣だろうか、それとも人だろうか?
リディアを撫でる手は止めずに目を細めて、そちらを見た。]
寝返る事は無いだろうよ。
捕らえた「闇」は離さない――猟犬、グレイハウンドだ。
今晩あたり、羽根を広げたら驚くだろうさ。
その墨の多さに、ね。
[くく、と聞こえる声は、どこか他人事のよう。]
あれ、ジョエル。
珍しいな、なんとなくこんなとこで…
[現れた幼馴染に驚いた顔で声を上げる。
言ってから、リディアを撫でていた手をぱっと離し、眉を下げながら自分の首の後ろをさする。]
…俺が泣かしたんじゃねぇぞ?多分…。
[語尾は、弱い。]
[演奏を終えると、にこり笑って、唯一の聴衆であるサエーナ鳥に小さくお辞儀をする]
ごせいちょ……ありがとう
[吹いていた草を川にそっと流すと、立ち上がって腰についた汚れを軽く払い、水桶に手を伸ばす]
[唐突に出て行ったエリカに、やっぱり邪魔していsまったかなぁ? と小首を傾げながらその行く先を視線で追っていて、ふと人影を見たような気がして、洞窟から出てそちらに目を凝らし――]
あ、ジョエルんだ。
お〜い!
こんにちはぁ〜!
[どうやらフラッシュバックは本当に収まり、普段の調子が出てきたらしい]
[泣かしていないと語尾が弱くなるラスに、にこりと満面の笑みを浮かべて]
ラスさんとカルロスさんに無理やり……。
[と、よよよ〜としなだれるように地面に座り込んでみた]
[お辞儀をする少年に、ラウルはぴぃ、と一声鳴いて。
桶を拾う邪魔にならぬようにとふわり、舞い上がると、くるるるる、と鳴きながら、相棒の所へと戻っていく]
……まったく……何してんの、アンタは。
食事に出たんじゃなかったのかい?
[そんなラウルの様子に呆れた声を上げつつ、身を隠していた木立の陰からゆっくりと踏み出して。
飛来する真白を、腕に止まらせる]
[リン。と球体から...微かな音が鳴る。
それに対して...は首を横に振ると、球体は桃色に色を変えて、また。リンと鳴る。
それには頷いて]
あは、それも楽しいよね。
[というと。くるくると球体が...の周囲を舞って、膨らんで、ぱっと弾けて球体ごと...は山から消えた]
え。ちょ、俺何も…!?
[リディアの声に、あわあわと慌てて。
両手をばたばたと振り、汗を飛び散らせ、冷ややかな目のジョエルに、情けなく眉を下げた。]
俺が、誰かに無体な事するわけないだろう…?
カルロス、居るよ。
なんか辛そうだったからさ、見てた。
[ジョエルの言葉には、眉を下げたまま握った手の親指で背後の洞窟を指し示す。]
[鳴き声を残し飛び去るサエーナ鳥を見送ると、木立から現れる人影が見え]
……っ!
[思わず手にした水桶を取り落とす。転がる桶から流れた水は、その場から逃げるように地面へと吸い込まれていく。
現れた相手の顔を警戒色に満ちた瞳で睨むように見つめていると、視界の内、サエーナ鳥がその相手の腕に泊まるのを確認する]
[ラスの言葉には表情を変えないまま]
ああ、お前はな。
だがカルロスは、女性に対して見境がない。
[リディアの傍に膝をつき、覗き込むように顔を見る]
怪我はなさそうだが…泣いていたのか?
……おっと。
ごめんねぇ、脅かすつもりはなかったんだけどさ。
[水桶を取り落とした少年の様子に、苦笑する。
警戒している様子には気づいていたものの、特に気にした風もなく]
ラウルが、世話かけちまったかね?
邪魔してなかったんなら、いいんだけど。
─聖殿内部にて─
[訥々と訴える少年の言葉。
巫女はその一つ一つを、静かに受け止めて]
……あなた、お名前は?
[名を問い、答えを得られたなら、その名を小さく口の中で繰り返す]
……『その人のまま』が、どういったものを示すのか、にもよるとは思うのですが……。
『堕天尸』に転じたとて、人は人のまま、本質は変わりはしない、と私は聞いています。
ただ……ほんの少し、冥い部分に捕らわれてしまっただけで。
痛み、苦しみ……それは、あるかも知れません。
けれど。
『虚』に捕らわれるという事は、本来、耐えなくてはならない痛みから逃げてしまったから……。
ですから、その分の痛みを感じる事はあるかも知れません……けれど。
死なせはしません……例え、私の命を削る事となろうとも。
[最後の言葉には、毅然とした決意の響き]
何を正しいと思うか、何が誤りと思うかは、人によって違います……。
私がこれからなそうとしている事も、もしかしたら誤りなのかも知れません。
あなたのお話くださった方にとっては、清めは辛い事だったのかも知れない……いえ、お辛かったのでしょうね。
清めを行う事で、私も、同じように誰かを傷つけてしまうかも知れません。
……けれど。
何もせずに、大切な人たちが苦しんだり、傷つくのを見るのは……辛いのです。
[静かに思いを語り。
それが、少年にどんな影響を及ぼしたのかを確かめる事無く、支度があるから、と退出を促した]
[ジョエルの言葉に、なんとなく納得してもらっているのか微妙で情けない表情のまま、それでもリディアがジョエルには安心しているのなら良いか、と思いつつリディアの横に膝をつくのを見ていた。
突き飛ばされるわ、俺のせいにされるわ、リディアは俺に恨みでもあるのか?俺なんかしたっけ?等と思いながら、ぽりぽりと後ろ頭を掻く。
指で指した後、カルロスの様子をひょいと見たが、薄く上下する胸に息を確認するとふ、と少し息を吐いた。]
ほっとけ、ってもなぁ。
[続くジョエルの言葉には、苦笑しながらもう一度後ろ頭を掻いた。]
……ラウル?
[現れた人物の腕に泊まるサエーナ鳥を見やると、紫のリボンが目に止まった。僅かに警戒色を弱めて]
……ううん、邪魔なんて、してない。その子の……友達?
―――――…。
そうですか。
[ そう言った後、僅か頭が痛む。]
ぐっ…、思った以上に真っ黒ですわね、貴方。
期待していますわ、グレイ殿。
こう見えてもか弱い女子ですので。
[ 返す声もまた他人事のように。]
[そして山のふもと。]
あは、速い速い〜あったかあったか〜♪
[陽気に笑う。既に球体はそこにはいない。]
今日は何しようかな〜、あはは
[手前の木に素早い動きで登って、眺める。
やはり目を引くのは島の中央の結果樹]
あれで清めるのか〜あははは〜。じゅぷじゅぷごしごし〜♪
……あは
清めるって何をだろうね
真っ黒、か――
黒くなければ虚に捕らわれることも無い、だろう?
お互い様、だね。
[くくくと咽を鳴らす音。
どこか楽しげな。]
[ラスの表情の変化に楽しげに笑みを浮かべながら、最後に小さく冗談だよ。と口にした。
しかし、ジョエルのカルロスに対する言葉には、少しだけ眉を潜めた]
ジョエルん、人を見かけとかで判断したらダメだよ? カルロスさんだって、女好きで、何人泣かしてきたかわからないけれど、いい人なんだから!
[そう、自分だって……と一瞬だけ表情を暗くしながら、すぐさま笑顔で泣いてたのは自分のせいだから大丈夫。と、訂正した]
そう、ラウル。この子の名前。
[にこり、と笑いつつ、ラウルの小さな頭を撫で]
邪魔じゃないなら、良かったよぅ。
ラウルはすぐにはしゃいじまうからね。
ああ……友達……ってぇいうか、まあ、相棒、かねぇ。
独りになってから、ずっと一緒にいるから。
アタシは、アヤメ。機織をしてる。
アンタは?
だーれもだーれも逃げられな〜い〜♪
笑えばそこについてくる〜♪
負〜はふふふの負〜♪
[陽気に出鱈目に歌いながら、結界樹のほうへと歩く。]
なんのために、なんのために……?
[ 返ってくる笑いに応えるかのように。]
ふふっ、失礼ですわね。
こう見えて純粋ですわよ、私。
……まぁ、冗談はここまでですね。
そうですか、付き人殿は貴方とご一緒ですか。
分かりました、私が動きましょう。
巫女姫殿ぐらいの気配であれば、すぐに見つけられます。
そちらはお願い致しますわ、グレイ殿。
[ そう言って、金色に光るように見せている羽根を広げた。]
お前は、少しお人好しが過ぎるぞ。
[ラスには少し呆れたような言葉をかけ、冗談というリディアの言葉には息をつく]
あまり感心しない冗談だな。
それに、見かけで判断しているわけじゃない。
あいつは、以前から女好きのいい加減な男だった。
とても信用する気にはならん。
[頭を撫でられるサエーナ鳥の様子を見て、警戒を解く]
……うん、その子……ラウル、大人しかった。
独り……?
[その単語を耳にすると、僅かに瞳を曇らせ]
……おーふぇん
森に住んでる……
あははは〜! ラスさんもカルロスさんもそんな事しないもんね! 二人とも合意がなきゃ絶対にしないもん!
二人ともごめんね〜♪
[と、笑顔で反省しているのかしていないのかわからない謝罪を述べた後、ジョエルの言葉に片眉を跳ね上げて]
でも、それって結局そういう表面しか見ていないと同義じゃないかな? 少なくとも私はそう思うよ?
[どうかな? と半分意見を求めるようにジョエルを見上げてみた]
[ 海をぼんやりと眺めてどれほど時間が経ったか。]
………巫女姫殿に話しでも聞きに行きましょうか。
やはり無作為に人は疑いたくはありません。
彼女が何か知っているといいですが。
[ 部屋の中の扉の向こうにいる母の気配を探る。
といっても、部屋の中の様子までは気にはしないだろう。
羽根を広げて、飛び上がり聖殿を目指す。]
…隈作って寝ずの番誰とも代わらずにやってるジョエルに言われたくねぇけどさぁ。
[怒られた子供のように、ひょいと肩を竦め、リディアの言葉には細い目を見開いて]
…合意って…何の話だ…
[少し赤くなって、自分の口を自分で押さえて顔を背けた。]
表面がいい加減なら、中身もいい加減だと見える。それを承知でいい加減なままでいるのは、そう見られても良いということだ。
そんな輩は、少なくとも、大人の男としては失格だ。
[リディアの視線に動じることはなく、淡々と答える]
大人しかったんだねぇ。
じゃあ、よっぽどさっきの演奏が気に入ったんだね。
[軽く言うものの、微かに陰った瞳に、ほんの少し目を細めるものの]
オーフェン、か。
……笛、吹くの、好きなのかい?
[黙り込む様子に、投げかけるのは、何でもないような問い]
……なんですか、その笑いは。
貴方、なかなかに失礼ですね。
[ 不満そうに呟く。]
とりあえず、お願いしますわ。
聖殿に一度、向かって様子は見てみますので。
あいっかわらず頑固者だね! もう! そんなんだから昨日も聖殿から追い出されるんだ!
……私があなたの部下に
[自分で言って凹んでみた]
[湖があって、そこに戸惑うことなく足を踏み入れて入り、結界樹まで最短を目指していって、あった。
人気がいる気がするが気にはしなかった。そばまでよって手で触れる]
ここで…なんだ〜。ここで、じゅぶじゅぶごしごしなんだ〜♪
[手で確かめるように触れて、抱くように手を伸ばし、見上げる。
高い。実が成っている。山や森にはない実だ]
あは。
[現在の興味の対象は。あれだ。木によじ登ろうと手をかけ足をかける]
― 聖殿内 ―
[ 降り立ち、羽根をしまう。
なんだか酷く静かに感じるのは、
あのいつも怒っている付き人がいないせいだろうか。]
…………巫女姫殿、もしかして留守?
弱りましたね…と言っても、誰を当たればいいか。
[ 最初に思い浮かんだのは、
やはり付き人が眉間に皺を寄せている顔だった。]
………やはり、普段やらないことはやるべきではありませんね。
[ それは、3日連続の外出を指している。
大げさに溜め息をついて、再び飛び立つ。
何処かに人がいないかどうか探してみる。]
気に入らなければ、相応に騒ぐからねぇ。
[さらりと答えた言葉に、ラウルはぴぃぱた、と羽ばたく。
騒ぐんじゃなくて意見! と、主張しているのだが、傍目にはどう見えるやら]
そっか。
好きなこと、楽しんでしてる事。
だから、綺麗な音色がでるんだねぇ、きっと。
聴いてくれる人……かぁ。確かにね。
なら、聴かせに出てくればいいだろ?
[口に手を当て顔を背けたまま、逆の手の平をリディアの顔の前に立て。
首を横に振ると、赤い耳と縛った髪が揺れた。]
いや、いい、やめてくれ。
頑固なわけじゃない。
信用できないものを出来ないと言っているだけだ。
君に私の評価を強要する気もない。気をつけた方がいいとは思うが。
[追い出された、というリディアの言葉に、少し眼差しが和らいだ]
ああ、それは聞いた。クローディアを休ませるために、あまり人を近付けるなと言ったのは私だから、私のせいだろう。
すまなかった。
[ラウルの仕草に、わずかに頬を緩め]
綺麗な、音色……?
[目を瞬き、言葉の意味を理解すると照れたように頬を染めて]
聴かせに……出る?
[その言葉に、呆けたようにぽかんと口を開け、固まった]
[やめてくれというラスの言葉にニヤリと口元に笑みを浮かべると、耳元に口を近づけてもっと赤くなるような言葉を呟いてみた]
/なか/
クローディアの回答もらって、正の占い師になることにしたよ。
縁が全くない相手は占うの難しいから、話したことある中。
候補はリディア、アヤメ、カレン、ネロ。ネロは黒っぽいから、今日の占いはない。
リディアには嫌われたみたいだし、明日以降に話す機会もなさそう……どうしようか、悩ましい。
明日か明後日に話せそうな相手なら、問題ないか。
ああ、凄く綺麗だったよぉ?
[表情の変化に、くすりと笑い]
うん、そうさ。
森の奥の方に来るのは、ほんの一部だし……。
アタシも、今日は仕事でここまで来たけど、普段は中々出向けないしねぇ……って。
なに、固まっちまってるのさ?
[ぽかん、とした様子に首を傾げる。
ラウルもくぅ? と鳴きつつ、同じ方へと首傾げ]
こう見えても本屋さんの看板娘! 人を見る目は養ってると思うよ!
……自信はないけれど。
[と、弁解していると、急に追い出された事を謝られ、慌てて両手を振って訂正した]
や、いやいやいや! クロちゃんが疲れてたり集中してるのは知ってるんだけどさ! ただ、疲れてばっかじゃ大変だなってお茶に誘おうとしてただけだし! それにちょ〜っといい感じの絵がかけたから、見てもらおうとしただけだから!
ジョエルんの仕事はわかってるから、大丈夫だよ!
[スケッチブックを広げてイラストを見せながら、忙しなく訂正と弁明を繰り広げる]
/なか/
全く会話してない相手が、ジョエルとエリカ、スティーヴ、ケイジ。
ほとんど話してない相手がカルロスとロザリー、ラス、カルロス。
……占い師として、まずくない(汗
[ 聖殿を出た後、人目のつかぬよう森に降り立つ。]
――――――…はい?
[ 島内の気配を探ればまるで。
自らの存在をアピールかのように天凰のオーラが輝く。]
……何故、1人で…??
…罠、かしら……、はぁー、弱りましたね。
虎穴に入らずんば虎子を得ず、ですか…。
せっかくなので、お誘いにのってあげましょう。
[ そう言って結界樹の辺りへと飛び立つ。]
―回想:ロザリーの家―
[姿はベランダに。
狐は認めて、そばに降り立つ。]
やァ、ロザリンド。
悪くなる前に、持ってきただけだ。
[わらう。
そして、開かれた羽根を見て、珍しいかなと聞いた。]
――さて。
残念ながらカレン嬢の住居がどこにあるか俺は知らないんでね。
カルロスにでも届けさせようか。
[とても面倒そうに言った。]
[硬直から回復して、覚醒するように首を振り]
あ、ううん。
……今までそんなこと、考えたこと、なかった……から
機織って……言ってたよね
……こんな所に……仕事なんて、あるの?
[アヤメとラウルとは反対側に、首を傾げる]
[それから飛び立つところ、彼女が戻る。
尋ねられた言葉、いいやと返した。]
あァ。
お前も気をつけろ、ロザリンド
[堕天尸の事もあるしな。
と言って、狐は飛び立つ。
*向かう先はさて何処になるやら*]
[リディアに囁かれた言葉には、更に顔を真赤にして思わず彼女の顔を振り返る。]
ちょ、おま…!
[真赤になって自分の口を押さえながら、一瞬見開いた目でリディアを見て、再び慌てて顔を背けた。]
[一度目はすぐ失敗した
足をかけるところが見つからなくなったからだ
二度目は少し進んで駄目になった。やっぱりちゃんとなかったからだ。
ぐるぐると結界樹の周囲を回って、また登った]
あは、いけそう。いけそう。あはは〜
[陽気に笑いながら、木の枝をつたって、足場になりそうな出っ張りに引っ掛けて、登って登って登って]
もう少し〜もう少し〜♪
[と徐々に近づき、実に手を伸ばす]
そうかい?
それなら、今度から考えてごらんよ。
[少年の事情などは知らぬから、ごく軽く言って]
ん、ああ。
仕事に使うものをね、採りに来たのさ。
布に織り込む糸の材料は、こっちの方にしか生えてないんだよ。
これは自分で見定めなきゃならないから、こうやって奥の方まで来てるって訳さね。
ああ…綺麗だな。リディアは絵が上手い。
クローディアもきっと見たがっただろう。良ければまた見せに来てやってくれ。
[リディアの絵を見ると、目を細め。ラスの様子には、不審そうな視線]
……うん
知り合い、いないけど……考えて、みるね。
[ぎこちない笑みを浮かべて]
ふうん……いろいろ、大変なんだね。
いい材料、見つかったの?
孤児 オーフェンは、くの一 アヤメ を能力(占う)の対象に選びました。
あはは…むぅ。抜けない抜けない〜頑固者〜♪
[枝に腰かけ、実を手にとって、もぐように軽く引っ張る。
抜けない。何度か引っ張るようにして、もぐと、実は手の中で枯れて崩れ落ちる
それにどういう意味があるのかは知らない。]
あは、楽しい。楽しい〜
[崩れ落ちたのを捨てて、もう一つもぐ。
同じように枯れて崩れ落ちた。それがやけに楽しくて。陽気に笑って足をぶらぶらさせた]
[アヤメが去り、静寂が満ちた。
風が重い翼を揺らすのが不快で、一度羽ばたく。]
…………食べてはいるんだがな。
ジョエルと同列でお説教を食らうとは情けないものだ。
[顰め面でアヤメが行く方向とは別の方へと飛び立った。
仕事の邪魔をする気はない。
もう少しその場にいれば、休めと言ったはずの人物と遭遇したのだが、幸か不幸かそれを知る事なく大空へ。]
ふぁ……
[翌日は、通常通り、施療院の仕事をこなしていた。やってくる患者の数も、さほど多くはなく。
手持ち無沙汰なひと時に、思わず出てくる小さな欠伸をかみ殺す。庭の木々がしゃらしゃらと鳴れば、開け放した窓から、ふわり、陽の光に温まった風が舞い込んで来た。]
[ 聞こえた声にきょとんとした様子で。]
……え…はぁ、ありがとうございます。
そちらも、お気をつけて。
私が成功するとも限りませんので。
[ そう言った自身の右目は巫女の姿を捉えている。]
……いない?
[少年の言葉に、不思議そうに瞬いて]
少なくとも、アタシとラウルは、全然知らない相手じゃないと思うんだけれどねぇ?
[冗談めかした言葉に同意するよに、ラウルはぴぃぱた、羽ばたいて]
大変だけど、好きで選んだ仕事さね。
やってて、楽しいモンだし。
材料は、これから探しに行く所さ。ラウルが木の実を食べに行く、っていうから、それを待ってたんだけどねぇ。
……えっ?
うん、そうだね。あはは……
[返ってきた思いがけない言葉に、ちょっと潤んだ瞳を慌てて手で擦り]
仕事……楽しい……んだ
……えっと、僕にも、手伝えること、ある?
ん〜……見せに行くのはいいんだけれど、さすがにこの後は食事の準備とかもあるし……。良かったらジョエルんが持って行ってあげてくれないかな?
お茶は今度改めてでも問題ないしね!
[と、ジョエルに話しつつ、ラスに牽制をかけて遊んでいる]
[支流か本流か、川の流れを逆しまに辿り、
せせらぎを聴きながら、急ぎ足に歩んでいく。
一度、肩に手を置きはしたものの、
ゆるりと首を振り、翼が開かれることはない。
そのうちに話し声が聞こえ、歩を緩めた]
孤児 オーフェンは、少女 カレン を能力(占う)の対象に選びました。
[風を切り、四翼を羽ばたかせる。
限界まで速度を上げ、翼を大きく広げ滑空する。
森に落ちた影が滑るように縦断した。]
………。
[アヤメとの話の影響か、通り過ぎざま施療院に視線を投げる。
見覚えのある顔を見つけ、下の一対を立てて速度を落とした。]
[笑う少年の様子に、そうだよ、とこちらも笑う。
目を擦る様は、見て見ぬ振りをしておいた]
楽しいよ、物を作るのはね。
アタシの仕事は、村の皆の役にも立つし。
……って、手伝い?
機織自体は、手伝ってはもらえないけれど……。
[ほんの少し、思案するよに、眉を寄せ]
……ふむ。森に住んでるなら、どこにどんな草があるとかは、アタシよりも詳しいかねぇ?
/*
ネロと悩んだ……!
けれど、方向から言っても、こちらに出くわしそうでした。
さらっと遭遇して、さらっと行こうかしら。
[ジョエルの不審な目には、赤くなった顔で目を細めつつ下げながら、困った顔をする。
それでもひょいと首を伸ばして絵を後ろから覗き込み]
あぁ、綺麗だな。
[素直な感想を述べた。]
[崩れ落ちた実を手に握るようにしたまま、更に上に登る
実の次は天辺へとせわしなく移る。
手を伸ばし、足を運び、登る登る。上へ上へ]
あは、あはは。ここも高い。高いな〜あはは〜♪
[当たり前のことを言って陽気に喜びながら、誰か見えないものと目を凝らす
空を駆けている者は見えたが、地は見えづらくわからなかった]
エリィじゃないか。
こんなとこまで、散歩かい?
[名を呼び、こちらへ近づく姿に問いを投げる。
腕に止まったラウルが、挨拶するよに一つ、羽ばたいた]
[ふと、かすかな羽音が降ってきた気がした。窓際によれば、紫紺の翼が近づいてくるのを見つけ、手を振った。一度、窓から顔を引っ込めれば階上の露台へ、あがって、出迎えようとする]
スティーヴ。本当に来てくれたんだな。
[ジョエルとラスの感想にさすがに頬を赤くして照れながら]
え、えへへへへへへ〜♪
そのときはみんなそろってお茶かいだぁ! 私お茶菓子いっぱい作るからね!
[と、言いながら、イラストをジョエルに託すと、照れ隠しにラスの背中を平手打ち]
いやぁ、もう恥ずかしいから感想なんていわないでよ〜!
村の皆……?
僕、どんな人が住んでるか……知らない
……アヤメさんは、皆のこと、好き?
[首を傾げて聞いてみる]
うん、このへんなら、案内できるよ。
[と言うと、ちょうど現れた、新たな気配の主の顔を窺うように見た]
…俺がそっちを心配するのは、不思議か?
破壊をするなら、一人より二人のほうが楽だろうって事さ。
まぁ、勿論全てを壊したら――
…あんたも、破壊の対象になるかもしれない。
だがそれは、お互い様だろう?
げふっ!
[背中を叩かれて、少し前につんのめる。
お陰で赤くなった顔はマシにになったが]
いや、素直な感想だけどな?
なぁジョエル。
[細い目を糸にして、ジョエルとリディアを交互に見た。]
/*
更新前なので結界樹に近づいていいものかわからず避けた。
クローディアが近辺で動く事はほぼ確実だからな。
今の所、ケイジ・ネロ・エリカ・金の羽根二人あたりが赤候補か。
アヤメ・オーフェンが村側能力者っぽい。
俺、ジョエル、ネロが非村側能力者COだが、さて。
散歩……と言えば、そうなるかな。
私の活動範囲は森の中が主だけれど、
確かに此方の方向に来るのは珍しいかもしれない。
[数歩距離を置いたところで歩を止め、
鳥の真似のように片手を挙げた。
二人と一羽とを、それぞれに見る]
先日、一方的に見かけはしたけれど、
言葉を交わすのは、久しぶり……になるのかな。
道案内でも、頼まれていた?
[暫くの時間の後、覚醒を促したのは花の香。
…と、下がった気温]
…っくしゅ!お…?
あー…、眼を閉じとくだけのつもりが……、結構本格的に寝てたか?
[瞼を擦り、大きく伸びを一つ。
傍らに置かれていた花を掌に乗せ、洞窟の外へ]
お茶会か、クローディアも喜ぶだろう。
[リディアから絵を受け取り、ラスの言葉に頷く]
ああ、本当に上手だ。
頑固者の私が認めているのだから間違いない。
知らないなら、ゆっくり知っていけばいいだけさね。
[さらりと言って。
投げられた問いには、むぅ、と短く声を上げる]
そいつは、中々難しい質問かな。
好きなのもいれば、そうじゃないのもいる。
気が合うヤツがいれば、合わないヤツもいる。
アタシは気まぐれだし、元々この島のモンじゃないから、いい目で見ないのもいる。
でも、大事と思うひと……ひとたちは、いるさね。
[誰が、と特定する事はなく、問いに答えて]
そうかい。
それなら、糸を染める草を採る時に、探すのを手伝ってもらえるかねぇ。
うん、ここで会ったが……久しぶり。
[エリカに頭を下げ、道案内かと問われれば頷いた後、エリカとアヤメの顔を交互に見て]
……知り合い?
[首を傾げて聞く]
そういや、アンタも森の中を動き回る方が多かったね。
[エリカの返事に、ふと思い出したように言って。
先ほど、スティーヴに言われた言葉がちらりと過ぎるものの、わざわざ問うことでもない、と置いておいて]
ん、アンタら、知り合いだったのか。
[オーフェンに声をかける様子に、ゆるり、と瞬き一つ]
[窓から振られる手に応え、大きく旋回する。
そのまま降りるか行くか迷う間に窓辺から消え、露台へと飛び出す小柄な姿が見えた。
患者を驚かさない様に、羽音を抑えて露台へと降りる。]
………ああ、姿が見えたからな。
あいにく兎はまだ塩水に浸かっているが。
[出迎えの言葉に、口の端を上げる。]
あは
[眺めるのも飽きて、木の幹へと向き直って]
ねえ…清めるのなら……その汚れはどこにいくの?
[そして返答を聞こうとするように木に耳をつける
返事は当然返ってこない]
あはは、恥ずかしがりやさんだね〜。それともけちなのかな?けちけち〜
うん。ゆっくり……だね。
[アヤメに同意の意を示すように小さく頷いた後、続く回答を無表情で聞いていたが]
大事と思う人……たち?
[エリカとラウルにちらりと視線を送り]
そっかあ……うん。
うん、草採り、手伝うよ。
[穏やかな笑みと共に、深紅の瞳に浮かんだのは羨望だろうか。その色はすぐに消え、元気に頷く]
[ 巫女から少し離れたところに降り立てば、
こちらに気付いたのか、彼女と視線がかち合った。]
御機嫌よう、巫女姫殿。
こんなところでお1人では危険ですわよ。
堕天尸のこともありますし、聖殿に戻られては。
[ そう言うも、彼女はこちら見据えたまま警戒を解かない。
こちらも、それをしっかりと見つめようと首が傾く。]
いけませんねー…そんなに見られては。
やはり、貴女からコワスのが良さそうですね。
[ 羽根が漆黒に染め上がる。
否、真の姿を露わにしただけである。]
[ 巫女の顔つきが変わる。
自身は首が肩につくぐらいの姿勢で相手を凝視していた。]
くすくす――――…。
そんなに、睨まないでくださいまし。
貴女が自分でその存在を察知されたのでしょう?
ご期待通り、堕天尸が貴女の目の前にいるのですよ。
今更、何を驚くことがあるのですか?
[ そう言って首を元に戻して、左目を覆うように手を被せる。
この様子に耐え切れないのか嗤いが零れる。]
それに、貴女はお1人のようですが、私は1人ではありません。
虚が味方してくれています。
ほら…巫女姫殿の気配に興味津津ですよ。
くすくす…くすくす…良かったですわね。
[ そう言うと、黒い何かが巫女を取り囲むかのように蠢く。
眺めながらその様子の滑稽さにまた嗤いが止まらない。]
[ そして巫女にゆっくりと近寄る。]
どちらにせよ、私がスベテをコワスためには貴女が邪魔です。
貴女なんか居なければ良かったのに。
私が持ってないものをスベテ持っている貴女が憎い。
けれど、簡単になんか壊してなんてあげない。
結界樹の中で、壊れ行く様を見て絶望なさいな。
[ そう言って、途中から速度を上げる。
何か術を使おうとする巫女のその足を払い、馬乗りになる。]
私の力だけでは、やはりキツイようですね。
虚があって良かったですわ。
ゆっくりお眠りなさいなっ―――――!!!
[ 彼女の胸の辺りで手を重ねて力を込める。
黒い光が収縮して弾ければ、彼女の姿は霧散した。
格闘したせいか、虹色の羽根と漆黒の羽根が混じって降り注いだ。]
そう。
[重なったふたつの問いかけに、頷きひとつ]
私の世話になっている家の世帯主、
私が森で出会って道案内を頼んだ子。
[手で交互に示して、
簡潔に関係を説明する]
/中/
ネロくんが狼なのかどうかがいまいち不明。狼じゃないとすれば、今結界樹に張り付いてるのは色々不都合な気がするんだけど。狼のような気もする(笑)放置すべき?
[ 朦朧とした意識が戻る頃には、蠢いていた虚も消えていた。]
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ――――――…うぅっ。
[ 上がる息を抑えようと地面に手をつく。
漆黒の羽根が、力なく垂れる。]
ぜぇっ……どうやら……上手く、いきましたか……。
[ 息が整えば立ち上がる。
巫女の姿が消えたことは、すぐに伝わるだろう。
となれば、ますます堕天尸である自分の立場は危ういだろう。]
これからが……勝負ですか……。
この程度で、へばっている場合ではありませんか。
[ 立ち上がり空を見上げる。
漆黒の羽根は金色へと染まり、その姿を隠した。]
[ 巫女と対峙する前聞こえた声にやっと反応を現す。]
もう終わりましたから、ご安心を。
まぁ、こんなにキツイのでしたら2人の方が楽ですわね。
心配されるとは思っていませんでしたからね。
親にも心配されたことなど、ありませんから。
[ そう淡々と語る。]
破壊の対象。
まぁ、そうですわね。
「全部」壊すのが目的ですので。
[ そう言う口元は気持ち悪く持ち上がった。]
[洞窟の外に立っていたのは、ラスとリディア、そしてエリカではなく、何故かジョエルで。
少しだけ複雑な顔をした]
おう、平気、平気っ。サンキュな。
[口調も軽く手を振り、立ち去るジョエルには一瞥だけを投げた]
[大きな身体にしては、殆ど音を立てず静かに露台に下りてきた男に]
そうか。出来上がりが楽しみだな。
……狩りの最中か?
[ならば、あまり引き止めるのも悪いかと思いながら]
スティーヴは、あちこち飛び回っているけれど、クローディアの話の後……何事もないか?私は結界樹の方には行っていないけれど、あちらにも、変わりはないかな。
あ、カルロス君、もう大丈夫なの? ごめんね! なんかエリリンとの仲を邪魔しちゃって!
[激しい誤解である]
と、そういえば、ジョエルんが最後に言ってたのってどういう意味だろ? ラスさんわかる?
[ジョエルに手を振りながら、小首を傾げ、更にラスに聞いてみた]
[ 簡単に探してみたが、探し人は見当たらず。]
……聖殿で待つほうが早いことに気がつきました。
[ 闇雲に探しても疲れるだけだと気がついた。
そう言って聖殿へとまた降り立つ。
先程からやっぱり空気は変わっていないように感じる。]
………さて、困りましたね。
[ そう言って首を捻る。]
そうそう。
……特に、アンタみたいにまだまだ先のある子供は、おかしく焦っちゃいけないよ。
[小さく頷く少年に、諭すような言葉をかける。
表情の変化には気づいてはいたけれど、何も言わずに笑みを返した]
ふふ、ありがとねぇ。
綺麗な色が出るかどうかは、染める草の質で決まるから、大事なんだ、これは。
せた……いぬ……し?
[エリカの言葉に、アヤメを見ながら首を傾げる]
一緒に、住んでるってこと?
[アヤメの答えを思い返しながら、瞳に好奇の色を浮かべ]
村、いろんな人……いるんだ。
……ちょっと、行ってみたい……かな。
[二方向から向けられる視線に、ラウルはくぅ? と首傾げ]
ああ、なるほどね。
土地勘もないだろうに迷子にならないのか、そこは心配だったんだが。
案内してくれる子がいたなら、納得さね。
[相棒は相棒で、疑問の答えに呑気に納得していたりする]
[平気そうな、カルロスにはほうと息をついて。
リディアの言葉には、ジョエルの言葉を思い出して反芻し、ふるふると頭を振った。]
…俺、泣かしてないよな?
[片手で額を隠すようにしながら、困った顔をする。]
[小柄な子供のような影に見えたが、未だ距離が遠く、その姿形は判別できない。子供が結界樹で遊ぶといったことは無いでもなかったから―過去には自分もやったことだ―不審と言い切れはしなかったが、時が時だけに気に懸かった]
ん、リディちゃんも心配ありがとね。
リディちゃんこそ、さっきは悲鳴を上げてたみたいだけど、平気だった?
ラスにでも襲われたかとびっくりしたよー。
[からからと、冗談めかして笑い、]
そうそ、せっかくの逢瀬の時は気をつけてもらわないと。
[誤解を更に広めるような発言を]
[湖の方へと足を向けようとした時、上空から呼ぶ声が届く]
どうした?
[慌てた様子で降りてきた護衛の一員である親族の様子に眉を顰める]
−治療院−
……いや、今日は狩りには出ていない。
届け物をして、色々見て回っていた。
[眉を顰めて、カレンの問いに淡々と答える。]
………何事かあったと言えるほどではないが、幾つか。
結界樹は変わりない。
……カレンの方は、何かあったか?
[たった今、実がもがれたり頂上に登られたりしているとは知らず。
治療院に気になる患者が現れはしなかったかと問う。]
……さっき、ラスさんに頭撫でられそうになって、泣かされたのに、隠すんだ? ふ〜ん!
[と、ニヤニヤ顔で、誰にこの事を言おうか画策中。の、ところにカルロスからの冗談発言を重要発言と取り違え――]
え”!?
うそ!?
ほんとう!?
早く誰かに言いふらさないと……
[少し混乱気味]
[ しばらくぼんやりと待ってみるも、誰も来ず。]
後は…結界樹の方でしょうか…。
…面倒くさい…とは言ってられませんか。
[ そう言って結界樹の方へともう一度羽根を広げる。]
……うん?
[まだまだ先がある、と言われれば、そうなの?と目をぱちくり。礼の言葉と共に向けられた笑みには、笑顔を作って]
えっと……アヤメさん
どんな草……欲しいの?
綺麗な草だったら、結界樹の近くまで行く方がいいの、かな……
そう、
見ず知らずの私を住まわせてくれている、気の好いひと。
機織というと、村では名も知れているらしい。
後は、歌が上手い。
[当人の前にも関わらず、
案内人の子へと世帯主についての事を話す]
うん、
森の道だけでなく、
植物や動物にも聡い子だから、
草の事を訊くのは良いと思う。
[ついで、世帯主に返す台詞も似たようなもの。
首を傾げる鳥には、首を左右に振った]
[状況を説明しようとする相手の言葉を最後まで聞くのももどかしく、ばさりと萌黄の翼を広げ、数歩の助走をつけただけで飛び上がる。途中、幾度か高く聳えた樹の幹を蹴って上空への足掛かりとした]
ありがとうございます。
[ 労いの言葉には素直に謝礼を述べる。]
まぁ、利害が一致している以上は。
急いで壊す必要もありませんよね。
[長く背から伸びる翼は、樹木の枝に叩かれて羽毛を撒き散らしたが、それには構わず限界まで羽ばたいて上空へと身を運び、次いで一気に聖殿の方角へと滑空する]
まあ、うん。ラスはしないだろうね。
分かってて言ってるし。
[あっさりと頷く]
て…へぇ、でも、ラスが泣かせたのは本当なんだー。へええええ。
[リディアに便乗してニヤニヤ。
すぐに、くるりとリディアに振り向くと]
いや、それ嘘。
誤解招くし、言い触らすなよ?
あ〜あ〜。飽きちゃった〜
[実をもいで、好きに振舞って、そして飽きた。
もう一度空を眺める、地は眺めなかった。わからなかったからだが、当然見られていたことなど気づかなくて]
…登ったら
落ちなきゃね……あは
[陽気に笑みを浮かべると、後ろから倒れこむように、体を宙に投げ出した]
いや、施療院の方はちょっとした風邪やらいつも病気をかかえているお年寄りやらばかりで、落ち着いているくらいだ。後は、先生の頼みで、聖殿に薬の差し入れに行ったくらい。……スティーヴも、持って行くか?
……ああ、変わったことといえば、小さな男の子が、一昨日、クローディアの話を聞いていたときに、具合を悪くしたようだった。昨日見かけたときには、大丈夫なようだったけれど。
[自らも、少年と同じか、それより下に見える容姿をしながら、オーフェンの事は「小さな男の子」と呼ぶ]
[ 飛び上がろうとしたその時、俄かに聖殿の空気が変わった。]
………どうやら、只の留守ではないようですね。
もし、何かあったのですか?
[ 聖殿にいる人物から詳細を聞き出す。]
………誰にも言わず姿を消したと。
心当たりは?
[ 聞き出すも大した情報は得られそうになく。]
さて
[摘んだ実、白い海の下に幾つも種は落ちているが、見えはしない。
面は、今は顔になく、脇へとひっかけておいてあった。]
――行くか。面倒だが。
[まだ一袋、残っている。
自分用にとっておいたがゆえに、カレンの分はあるのだった。
起き上がり、幾度も翼を動かす。そして最後に、力強く空気を打つと、手にした何もない枝を落とし、空へと飛び上がった。]
[ぱちくり、とする様子が子供らしく、それが微笑ましくてついくすくすと笑いつつ]
急いで必要なのは、緑の出るヤツ、かね。
その前に、織り込み用のも採ってこなきゃならないんだけど……。
いいのがあるなら、先にそれを集めるのもいいかねぇ。
[ほんの少し、思案するよに首を傾げ]
ってー、アンタはアンタで、何言ってるか。
歌なら、アタシ以上がころころしてるだろうに。
[エリカの評に、手をひらひらとさせつつ突っ込みを入れ]
[殆ど地面に激突するかと思われるような勢いで聖殿の前に降り立つと、居合わせた世話係に詰め寄る]
何故、巫女から目を離した!?
部屋から出たのも気付かなかったのか?!
−一方−
[“落ちる光景”。
結界樹を覆う湖に浮かぶひかりの鳥は、
当然の如く、それを目にして――
惑った。
明滅を繰り返す]
ん〜……ラスさんより、カルロスさんに撫でられるほうが、身の危険を感じて泣くかなぁ?
[などと冗談交じりに呟きながら、くるりと踵を返すと]
それより、何もないなら今から家きません?
これから夕飯だからご馳走しちゃうけど?
[と、生真面目に頭を下げているラスと、カルロスに微笑んだ。
――浮かび上がった闇は一旦心の中に蓋をして……]
[エリカがアヤメを褒める言葉を聞くと、アヤメを見やり]
アヤメさんの……歌?へえ、聞いて……みたいな。
うん、詳しい。婆様、いろいろ、教えてくれた。
[二人の仲良さそうな様子に目を細め。思案しているアヤメに言われた言葉には、頬に手を当てて考え込む。染料にした時の色合いなど知らず、ただ濃い緑の草を思い浮かべて]
緑が出る草……?
やっぱり、結界樹の近く、かな……
[空がドンドン高くなる錯覚を楽しみながら
翼胞から、翼を出して、風をいっぱいに受け止める。
やはりバランスがとれずに体が傾いて回転。今度はドンドン近くなる地面を見ることになって、更にはばたくよう翼を動かす。
あらぬ方向に飛んで、一昨日は木へと、昨日は茂みへと。そして今日は]
あぶぁぅぅ
[ざぱぁんという音とともに湖へと豪快に突っ込んだ]
[ 何か慌しい者が帰ってきたようで。]
……やはり、想像通りの顔ですわね。
彼も知らないとなると、やはり面倒なことになっている、と。
ジョエル殿、彼女たちを責めるのは門違いですわ。
目を離したのは、貴方も同じでしょう?
[ 何となく無視されそうな気配もするが。
声をかけてみる。
苛立つ彼は、自身には気付いていないようだった。]
[リディアの返答には、謝罪が通用しているのかどうかも分からず、目だけ上げた。
夕飯、との声には、ん、と自分の顎に指を絡ませて考え]
んー…
俺、手持ちが無い。
[大真面目に言った。]
……そう?
でも、私の耳にはそう聴こえ――
[振られる手を見ながら、
紡ぐ声は不意に止まり]
………………っ
[唐突に、駆け出した。
川の流れを辿って、その先へ]
[狐は天をゆるりと翔け、探す場所はカレンの居る場所。
精霊に力を借り、気配を探る(というのが先ほどまで面倒がっていたことなのだが)
やがて森の上、見えた場所。
幾つかの気配。
――狐がわらった。]
アタシの歌は、機織歌だよ。
それしか知らないさ。
[他になくもないが、それは置いておいて]
ああ、それじゃ一度結界樹の方へ……って。
エリィ、どうしたんだい!?
[突然駆け出したエリカの様子に、思わず声を張り上げて]
……え、あ……
[唐突に駆け出すエリカに、何が起こったかわからず、アヤメの顔を一度振り返った後]
……っ
[咄嗟にエリカの背中を追いかけた]
[先生の気の回し様を察して頷く。]
聖殿に薬を。……なるほどな。
いや俺はいい。血止めならまだある。
薬は貴重だ。必要な者の為に取っておいてくれ。
[首を振り辞退して、続く話に眉を寄せた。]
…………ああ、あの吐いていた子供だな。
見た事のない顔だったが、カレンは知って―――
[カレンの事はアヤメが治療院に来た小さな頃から知っている。
小さいという言葉にも異を唱えず問いかける途中、乱暴な羽音に空を見た。滑空する萌黄の翼。]
―――ジョエル!
[何があったかを考える間もなく露台の手すりを蹴り、飛び立つ。]
…いやいや、ラスと比べられたら、そりゃあ俺のがケダモノなのは認めますけど?
それも男の魅力ですよん、リディちゃん。
[適当にうそぶいて、夕食の話しには眼を輝かせた]
マジで?是非ご招待に預かりたいなあ。
[ロザリーの声に振り向き、一瞬射るようにその顔をみつめる。しかしすぐにその視線はそらされた。彼女の言葉の正しさを、何よりも自覚しているのは自分自身であったが故に]
クローディアの…巫女の行きそうな場所は探したんだな?
長老には知らせたか?
[声を抑え、一見冷静に戻って皆に指示を出し始める]
……あー。もう。
こないだっから、何がなにやら……。
[駆け出すエリカと、追うオーフェンと。
自体は今ひとつ、把握できていないものの]
……アタシらも行くよ、ラウル!
[相棒を腕から肩へと移し、二人の後を追って駆け出す]
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