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そして、物語は動き出す。
目覚めたものが何処へ向かうか、それは一人一人の思うがままに。
どうやらこの中には、村人が6名、占い師が1名、霊能者が1名、守護者が1名、囁き狂人が1名、智狼が2名いるようだ。
おお、どうやら全員、揃ったようじゃな。 皆に大事な話がある。
先日から噂になっておるので、皆も聞いておるやも知れんが……この地に『人狼』と呼ばれる脅威が潜んでいるらしい。
噂の真偽の程は定かではない。 何事もないとは思うが、皆、念のため気をつけてな。
自衛団長 ギュンターが「時間を進める」を選択しました。
/*
ん、希望弾かれたか。
まぁなんとでもなるー、かな。基本設定動かす必要はなし。
占い師になったらキス魔になるつもりだったけども。にや。
*/
そうなんですか。…うん、やっぱり難しいですね。
[音楽などあまり聞かないので、感心した様子でそうエーリッヒに返しながら。軽めの口調には微かな笑み。]
…辛い事も?
[それには不思議そうに、逆にこちらが目を瞬かせた。]
/*
はい、守護者ゲット。
大丈夫だと思ってはいたが、無事に取れるとほっとしますな。
さて、ここからどう立ち回るか。
守護者は天穹のアヤメ以来だし、あっちとはまたベクトル違うし。
……取りあえず、縁故者の役職が心配です。
とっても。
[その手に戻って来た小瓶の鎖の両端を持ち、イレーネの後ろへと回る。
少し髪を寄せてもらい、首へ小瓶を括りつけた鎖を回し、首の後ろで再び繋ぐ]
……これで良いよ。
[ゆっくりと鎖から手を離し、イレーネの前へと戻る。
彼女の視線がテーピングされた指へ向かっているのに気付くと]
…大丈夫。
このくらいなら平気だ。
[いつものことだから、とその手を軽く握った]
…俺は飯食いに行くけど、イレーネは?
[空腹が勝ってきたらしく、イレーネに問い掛ける]
うちの父さんは、絵画一筋で生きてきたから、きっとそこらへんのこと、ちっとも分からないんだよ。
……あんなんでよく結婚できたなあ。
[子供を見るような顔つきで、ため息一つ]
ま。絵画については尊敬してるけどね。
芸術ってやつで生計立てていけているんだから。
たいしたもんだ。私もいつかそんな風になってみたいなあ。
[少しだけ笑いながら、遠くを見つめる]
未熟者だから、そんなのまだまだ先ってことは知ってるんだけどね。
楽しいだけじゃやってけない。夢中になるだけでも駄目。もっと、他の何かが必要ってね。
道は長いや。
[最後の言葉には]
まあ、そこはそれ。蛇の道は蛇よ。
それに、女の子同士じゃないと、こんなこと言わないよ。私だって、そこらへんはわきまえてますってば。
…ということなのだ。
[真っ青な顔の女将にその紙を示す。
気丈な女主人は深く深呼吸をして頷いた]
話し合いにはここを借りることになると思う。
色々と辛いとは思うが耐えて欲しい。
[水を一杯貰い、カウンターの隅に腰掛けた]
簡単な仕事じゃないから、遣り甲斐もあるんだけどね。
[くすり、笑って。
瞬きと共に向けられた言葉には、ああ、と一つ頷いた]
好きでやっているからこそ、上手く行かない時は、色々と、ね……。
[語る口調は軽い、けれど。
そこにこめられたものは、多少、伝わるだろうか]
……と、なんかすっかり立ち話になってるね。
そちらもふらふらしているようだし、宿に行った方がいいんじゃないかな?
[それから、ユリアンへと視線を向けつつこんな言葉を投げかけて]
[アーベルがやってきたのを見れば、勢い良く手を振った]
やっほ。アーベルさん。
井戸端会議ってか、乙女二人の秘密の会話ってやつ?
盗み聞きとかされてたら、恥ずかしくって死にそうだわ。いやん。
―――とか言ってみたり。
[あははと笑う]
村に至る一本道は既に閉鎖されていた。
しっかりと築かれた塀、そこを守る太守配下の兵達。
鼠一匹見逃さない、そんな物々しい雰囲気がそこに漂う。
「被害が出てからでは遅いからな」
指揮官の呟きに、兵達が頷く。
櫓の後ろには攻城兵器のようなものまである。
彼らの本気は疑いようも無かった。
へえ、それはお邪魔したかな。
[軽く握った手を顎に添え、小さく笑う]
意中の人に恋の話を聞かれるより数百倍マシじゃない?
[――未だ、宿での出来事は知る由もなく。
白猫はと言えば、またもやふらりと姿を消していた]
――変容したるは絶望ではなく至福。
そう、至福の端に過ぎぬ。
あらぬ事よ! 我はその瞳に何を映さん。
[ふいに朗読するように言ってノートから顔を上げた。細いが雑な線で書かれていっていた文字が止まる。素早くペンなどをしまい、それらをまた紐で十字に縛り]
空腹とは変容であり変容の徒である!
[さっと立ち上がると、宿屋のある方向を向く]
―――!
[意中の人、と言う言葉に反応して、ぐ、と詰まった]
そ、それは確かに嫌だなあ。
いや、でも、あの人は、そんなことじゃ、きっと……。
[後半の言葉はぶつぶつと独り言]
明日も晴れますかね。
[夕焼けにはそんな感想を述べただけで。
ティルの言葉は聞こえず、だが少しだけ遠くを見ているような少年の頭をそっと撫でた]
おや、皆さんお集まりの時間になっていましたか。
[広場に踏み込めば、見知った顔が幾つかあるのを見て笑う。
そのうちの一つには微妙に引き攣りもする]
[鎖を付けやすいように髪を手で持ち、首を露にし差し出して。
小瓶は丁度胸の上で揺れた。]
…ありがとう。
[この位置からなら、つけていても小瓶の中の宝石が見えて。
心から、嬉しそうにお礼を告げた。]
[エーリッヒの濁した言葉の中に、多少なりと苦いものが含まれて居たのには気づいて。そうなんだといった様子で軽く、こくと頷いた。
幸せなのに、たまに辛い事。やっぱり幸せって難しいんだろうかと、そんな事を思いながら。]
[二人に宿へと言葉をかけられ、あっと思い出したように。]
…あ、お店開く前に戻らないといけないんだ。
うん、行きます。
[そう言って頷き、宿の方へと向かい他の二人が行くようであれば、それに続いて歩き出した。]
[ミリィの父のことは、知名度の高い画家なのだ、というぐらいにしか知らなかったが。]
ミリィさんのお父様なのでしたら、きっと立派な人なんでしょうね。
[にこりと笑う。]
楽しいだけでも、夢中になるだけでも駄目、ですか……。
何でしょうね。私なんかは、それで十分、とも思ってしまいますが。自分だけで満足してはいけない、ってことでしょうか。
[エーリッヒの話を聞いていても、創作をすることで食べていくというのは難しく、またとても矛盾した行為のようにも考えられたが、それに口を出したことはなかった。]
女の子同士なら、ですか。
まぁ、じゃあ、大目に見ましょうか。
[と、言ったところでアーベルに気付き。]
あら、アーベル。邪魔なんてことないから大丈夫よ。
……意中の人?
[面白そうにミリィを見遣る。]
あッは。
まあ、それより先に気付いて貰うのが先かもね。
相談に乗りますよ、なんて言われた日には目も当てられない。
[煙が見えそうな程のミリィの態に、くつくつと笑いが込み上げた]
見たいなら、またうちにおいで。
よく来てるからさ。
[全てお見通し、と言った風に。
もっとも、オトフリート自身がどう思っているかは知らないが]
それは何より。
さっき、若い二人の邪魔をしないように、
ってお暇して来たところだから。
ここでも邪魔者だったらどうしようかと思った。
[そう変わらない年代ではあるが、心の持ちようの問題、とでも言うべきか]
そっちのご主人様は、考えてもいなそうだけど。
[誰と明確に名は告げず、けれどユーディットにはよく解る言い方で付け加えた]
[宿へ向かう、というイレーネの言葉に、自分も一服だけしようか、とそちらへ足を向けかけ]
……お。
[何気なく見やった方角に、少年と医師の姿を認め、軽く手を振った]
[礼を言うイレーネの姿に僅かに口端が持ち上がった。
柔らかな表情は一つ頷く間だけ保持され、エーリッヒから視線を向けられるころにはいつもの無表情に戻る]
……じゃ、行こうか。
[その言葉は両方へと向けられたもの。
エーリッヒの返事は待たずに宿屋へと歩き出すのではあるが]
[そっとなでられた手に気がつけば、心も少し温かくなる。
何も言えずに歩いていれば、広場にたどりついていた]
あ。こんにちはー。
[表情をいつものように明るく見せて、何人もの見慣れた顔に手を振って挨拶をする]
ん、んおう?
り、立派だよー。ピーマン食べられないけど。
[煙が吹き出し、ちょっぴり混乱していたので、ユーディットの言葉に、父のトップシークレットをぽろり。
その後の言葉はあまり耳には入らなかったが、アーベルの言葉に反応して、レッドゾーン突破]
う、うはははははは!!
な、何を言っているのかさっぱりだわさー!!
そ、そうだ!
私は気分転換していたんだった!
えーと、うん、これから精一杯村の中をふらふらして、疲れた心を癒さにゃいと!
うむ!では、諸君、名残惜しいが、これで!
[何故か、しゅぴ!と敬礼して、村の中を猛ダッシュ。
しばらく、本当に村の中を散策して、気分が落ち着いたら*家に戻ることだろう*]
やあ、諸君。皆元気そうで何よりだよ。
元気でない? それも現実。
星へ祈りながら療養するとよい。
尤も! この世が塔でないかはまだ実証されていない。
完全に安心できたものでもないが。
[周辺にいる人物らに大声で話しかけつつ、宿の方へと歩み出し。つかつかと突っ切るように、辿り着けばその戸を開いた]
[入れ違いのように去っていくミリィの姿を見れば、思わず笑みも漏れ。
手をふるエーリッヒに気がつけば]
あ、エーリッヒ兄ちゃん。
兄ちゃんもこれから宿屋にいくの?俺と先生も行くんだけど、行くなら一緒に行かない?
/*
…こっちで謝っておこう。
曖昧三センチとかでごめんなさい!
言い訳させてもらうと、用意メモが吹っ飛びました。
外箱の馬鹿orz
自分でも聞き出しはするつもりですが。
中身が落ち着くまで少しだけ待って下さい。
[工房で良く聞く声。
振り返ればティルとオトフリートの姿が見えて。
手を振ってくるティルに対して、片手を上げることで挨拶の代わりとした]
[挨拶したは良いが、空腹も手伝ってその場に留まることは躊躇われていたり]
中:
ええと、確か中会話OKだったと思ったのでご挨拶がてらに。
囁き狂人です。基本的に狼様の命令に従う子なのでどうぞお好きなように御命令して下さいませ(ぺこり)
ところで囁き狂人って、何で狼様の囁きに参加できるんだろう(おま)
若い二人の?
[飲み込めないながらも、アーベルの言いようから、自分の知ってる二人なのだろうなと見当をつけた。]
あ、エーリッヒ様も一緒だったの?
まあ、あの方はそういうことには疎いというか何というか……。
音楽一筋の方だから。そっちまで気が回らないのはもう、しょうがないというか。
[苦笑い。]
ああ、というより、この場合、アーベルが気がつきすぎなのかもしれないけど。貴方、ものすごく勘が働くし。
今みたいに。
[もう一度ミリィを見る。]
ねえ、誰のこと?
[好奇心でいっぱいの顔を向けたが、ミリィは疾風のように走り去っていってしまった。]
……残念、聞き損ねた。
/*
唐突な赤にものくそ噴いた俺が通ります。
大いに使わせてもらおう。
と言うわけでよろしく。
その辺りはてきとーに設定してしまって良いのでは(笑)。
ユリアンも。
まあここで立ち話もなんですか。
ティルもお腹をすかせているでしょうし。
[足を止めずに進むのを見て同じように歩き出す]
/*
狼と囁きの違いはあれど、イレーネ赤ですかいwwwwwwwwwwwwww
最初の予測って侮れねぇwwwwwwww
……まあ、あちらも相変わらず、というか。
[演説めいた言い回しをするブリジットの様子に、ぽつり、と呟き]
ん、それは奇遇な。
俺も、宿で一休みしようと思ってた所だし、良ければご一緒させていただきましょうか。
[ティルの言葉に、にこり、と笑って頷き]
この位の時間は、挨拶も曖昧になりますね。
感覚的には、こんばんは、ですか。
[オトフリートの挨拶には、軽く、首を傾げつつこう返す]
……揶揄い過ぎたかね。
[声をかける間もなくミリィ去っていった方向を見やりながら言うも、済まなそうな様子は微塵も無い。
ちらりと零されたとある画家のトップシークレットは、心に留めておいた。何の役に立つのかは、不明だが]
/*
物凄い邪魔者になった気がするのは私だけですか?(苦笑
囁きが聞こえることに関しては好きに設定してよろしいかと。
回らないから、ああなんだろうけどね。
[ユーディットの苦笑いに、肩を竦めて見せた]
勘っていうより、見ていれば解る事だよ。
人の多く出入りする場所では情報は集まりやすいし、
自然と観察眼も身につくものでね。
誰か知りたかったら、そうだね、
うちに来れば、見られるかもしれないな。
[敢えて伏せたのは良心か、そのほうが面白いと思ったか。
ふと思い立ったように、彼女を見た]
ユーディットはそういう話、ないの?
[ユリアンのささやかな笑みに、嬉しそうに笑い返しながら。
後に続こうとして同じように振り返り、ティルとオトフリートにぺこりと頭を下げた。
ブリジットは不安げに見送るだけに留まる。]
…お元気なのは良いことですが。
[相変わらずというエーリッヒの言葉には溜息交じり。
どうしても苦手とする相手は彼にだっている]
では改めましてこんばんは。
ええ、よろしければご一緒に。
構いませんよね、ティル。
[中で待ち受けている人物のことも知らず。
いつものように柔らかな笑みで答える]
[オトフリートの言葉に、こく、と同意するように頷いて。
そのまま足は宿屋へと向かう。
辿り着けばその扉を開けて。
この時間にギュンターが居ることに訝しげに視線をやったが、直ぐ興味を失ったかのようにテーブル席へと]
やあ、今晩は。ブリジット=フレーゲがお邪魔するよ。
女将も元気かい。元気かね。それは結構。
[店に入り、いつものように挨拶をした後、首を傾げ]
うん? 違和感、違和感。
どうしたね、随分と顔色が悪いが。
酸っぱい物でも食べたかい。
それに……おお? 自衛団長殿ではないか。
団長殿にも滅亡の噂が耳に入ったかね。
[カウンターの隅に腰掛けるその姿を見る。不思議そうな表情をして、「篝火を!」と片手を挙げた。ギュンターはその姿に、後から来る人物に、神妙な顔を向け]
[ブリジットの挨拶に、目をまんまるくしつつ]
ブリジット姉ちゃんはいつも元気だよね…
うん。兄ちゃんたちも先生も、一緒にいこう。
[うれしそうに、一緒に*歩いていった*]
中:
これは楽しいかもしれないけど。けどwwwwwwwwwwww
二人で死亡エンドフラグっぽいのがwwwwwwwwwww
あれー。ユリアンだけでも生かしてもらおうと狼様にお願いしようかと思ってたわけだけど。
どーしよwwwwまぁ適当に流されよう(いつものこと
……ま、彼女は、ね。
[ため息をつくオトフリートに、向けるのは苦笑い。
同じ村の生まれであり知らぬ相手ではないが故に、自分は「彼女はああいう性質」と割り切ってはいるのだが。
こちらは、そうもいかないんだろうな、などと考えつつ]
ええ、それでは行きますか。
[軽い口調で言いつつ、宿へと]
[ミリィの背中を見送った後、くる、とアーベルに向き直る。]
あんまり困らせたら駄目でしょ。乙女は繊細なんだから。
[自分も好奇心が疼いたことは確かなのだが、そこは少しだけ棚に置いてアーベルを諌める。]
情報に、観察眼……ねえ。
いつも思うけど、貴方ってまるで探偵ね。
何でも知ってるように見えるし……実際に知っているし。
[くすくす、と口元に手を当てて笑う。]
ええ、じゃあ今度からはよく見てみようかな。
探偵助手ぐらいの観察眼は養えるかもしれないし。
[尋ねられた質問には、きょとりと瞬きひとつ。
それから、面白そうにアーベルの顔を覗き込んだ。]
さて。……探偵さんにはどう見える?
/*
頑張りますと言えばいいでしょうか[きょろきょろしている。]
騙るのはこっちも問題なしです。
狂だし、表にはうっすら出ようかとは思ってたりしてましたが、基本は二人のやりたい方優先でどぞう。
[ティル、エーリッヒと共に宿へと入る。
最初は努めてブリジットを無視しようとしたが、女将、そして自衛団長の様子に目を細めた]
とりあえず食事を頼みましょう。
何がいいですか。
[適当な席を確保しつつティルに尋ねる。
その間も耳はブリジットの声を拾う]
中:
駄目だ、裏設定ちょっと変えてこようwwww
頑張れ自分。動揺しちゃ駄目だ(ぐ
まぁ動揺というか笑いが止まらないというk(ぁ
[いつもと変わらぬ上着に髪形で何気なしにぶらりと宿に入ってはみたが。]
おおん、なんだか今日は随分と、賑やかなんだかなんだかわかんねー様子だねえ、こりゃ。
[ドアの傍の壁にもたれかかり、中の様子を観察しながら、そっとメモとペンを取りだした]
[宿に入り、最初に目に入ったのは自衛団長の姿]
あれ、ギュンターの爺さま……。
[つい、口をつくのは子供の頃からの慣れた呼びかけ]
珍しいんじゃない、こんな時間にここにいるなんて?
[何かあったの? と、ごく軽い口調で問いかける。
問うた事を後悔する事になるのは、一通り話を聞いた後の事だろうが]
そう?
そう言われたのは、初めてかな。
探偵にしちゃ、少し口が過ぎるよ。
[諌める言葉には、はいはい、と気のないのが丸分かりの返答をしたものの、己を指す単語は予想外だったらしく、ぱちりと青の瞳を瞬かせた。酒場の主としての素質は――軽口さえ止めればあるかもしれない、などと、上の姉にはよく言われたもので。
覗き込んでくるさまには、退くでもなく、ほんの少し首を傾けて]
うーん?
王道だと、主に恋焦がれる召使、が綺麗な形なんだけど。
まだ読みきれないな、残念ながら。
[姉の幼馴染の事を思い返しながら、そう返した]
[集まりだした面々を見ると腰を上げ、ギュンターは重い調子で話し出した。一番先に話されたのは、村が閉鎖された、という事。宿の中にいる人物にはその声が聞こえただろう]
[宿の中へと入ると、この場には珍しい団長に小さく頭を下げ、ユリアンの隣へ座った。
酒場の空気が少し硬いのはブリジットのせいか、それとも他の何かか。
彼女の声を不安げに聞きながら、続いてギュンターの話を黙って耳に入れた。
聞きなれない単語一つ一つに、表情を固くしながら。]
閉鎖? 祈りのためかい。違うかね。
それなら何が。
[続けて原因――「人狼」の存在について、容疑者が十一人いる事と――その名前、自衛団についてと、自信の行動についてが、ギュンターの口から語られた]
[宿の中の騒ぎを壁にもたれかかったままメモに取る。そう事のときはまだ自分は傍観者のはずだったから。宿の中で一際賑やかなところに目をやると、見慣れた女性がいつもの様子で騒いでいた]
あいつは…いっつもあーなのかねえ。
まあ、見てて退屈はしねーけどな。
[ブリジットに視線を送りペンをパタパタと振って挨拶をする]
ハインリヒもこんばんは。
[聞こえた声に律儀に振り返った。
浮かべる笑みは普段と変わらぬようで、どこか違和感がある]
……はい?
[自衛団長の言葉に一瞬静まり返った宿。
小さな疑問符はどこまで聞こえただろうか]
……閉鎖?
一体、なんでっ……。
[問いの答えも兼ねた説明に、思わず上がる、上擦った声。
続けてなされた説明に、緑の瞳がゆっくりと瞬いた]
……なんの、冗談……。
ああ、そうか。探偵は依頼人の秘密は守らないといけないから。
……でも、アーベルが探偵だったら楽しそうなのに。
カインが犯人の証拠探しに一役買ったりしてね。
[楽しそうに、想像(妄想?)を語り聞かせる。
首を傾げたアーベルには、こちらも逆側に首を傾げてみせ。]
そうなの? でもそれはお話の中の出来事じゃない?
それに、んー、エーリッヒ様に恋焦がれる私……。
………。
[暫くその体勢のまま考える。ややあって、首を戻して。]
……どうだろう。私も読みきれないな、残念ながら。
あ、でも面白いことはわかった。
[にこり、と笑う。]
アーベルって、私とエーリッヒ様のこと、そんな風に見てたのね?
[ギュンターから伝えられる言葉。
村の閉鎖、その原因及び容疑者が絞られていること。
表情は変わらねど、その身体に緊張が走る]
……その、容疑者、って。
[疑問は直ぐに解答された。
己も含まれていることに息を飲む]
……大丈夫です、落ち着いて。
[落ち着いていないのは、少年よりも彼自身だったかもしれない。
注文の為に立ったままの姿勢で、ティルの肩を軽く何度か叩く]
本当に。
何の冗談、ですか。
[声をかけられたのに気がついて]
ああ、こりゃ先生さんもこっちにきてたのかよ。
…どうにも変な雰囲気ですぜ、こりゃ。
あの爺さん、俺らを孫と間違えて御伽話を始めた…ってわけじゃないようだし。
[ペンで額をコツコツと叩き『人狼』という言葉を思い出す]
ゴシップ専門の奴らがたまにネタには使っちゃいたが…マジなのか?
[家に戻ったら母親に戸締りをきっちりするようには言っておくか…などとぼんやりと考える]
……どっから、尻尾掴まれた、かな。
ここじゃ大きな騒ぎは起こしてなかったはずだけど。
[声にならぬ声が漏れ出る。
その声色に危機感はほとんど無い。
同じように漏れ出たような言葉が聞こえると、探るように感覚を研ぎ澄ます]
…俺の他にも、居たのか?
[人狼―その単語に顔が青くなる。]
人狼、なんて。御伽噺だったんじゃ。
[震える声でギュンターに尋ねるも、これは事実であると首を振られた。
そして続いて告げられた容疑者に。]
…わたし、も?
[自分の名前が入っていた事に、怯えた。]
楽しそう、かねえ。
俺は真実を暴くより、自分の興味で動くと思うけど。
[己の事ながら他人事のような言い草。
否定も肯定も、明確にはしなかったが。
ユーディットが首を戻すのに合わせて、アーベルも首を真っ直ぐにする]
どっちかっていうと。
エーリ兄が無自覚に何かしらやっていて、
それに惚れ込んでいたら大変、って心配かな?
[何処まで本気かわからない調子で言って、それから、あ、と声を漏らした]
買い物、頼まれてたんだ。
そろそろ戻らないと、またどやされるな。
[ハインリヒに気付けば、ひらひらと手を振り返し。ギュンターの傍で続く説明を聞いた女性は、まず、ほう、と一言。短く、それ自体は気のないような声を零し]
寓話として伝わりし異形。
人に化け人を喰らう怪物。
それが村の閉鎖の原因。
そしてその容疑者は十一人。
中にはこのブリジット=フレーゲも含まれている。
そういう事かね。
[ギュンターがそれに頷けば]
実に恐ろしきかな、――凶兆!
暗き影は――変容を経て来たれり!
[叫ぶように言いながら、ニ、三歩後ろによろめき]
[ふるり、首を振る。
自衛団長の事は、子供の頃から知っている。
彼が、冗談でこんな事を言う人物ではない事も。
だが、それだけに、その言葉は受け入れ難くて]
……大体、どっからそんな話……。
俺たちに、どうしろって……。
[名指しされた者には身近な者も多く。
それもまた、信じ難さを増す要因となっていた]
ええ、御伽噺ですよね。
それが何を間違えば。
[ハインリヒに困惑の表情を向ける]
しかもティルやミリィのようなまだ……。
[向けられた自衛団長の視線に口を閉じた。
そこから感じられるのは、間違いのない本気]
[御伽噺なんかじゃない。それは自分がよく知っていた。
父から伝えられた秘密。母親にも秘密にしていた。
だから怯えは人狼に怯えているという事ではなく、本当はその時が来た事への、歓喜のような、不安のような、そんな綯い交ぜな感情だった。]
…とうとう、来たんだ。
人狼様が。
[戻らないといけないと、思うが今席をはずすのは堪えた。
疑われるのはいけないと、亡き父に重々注意されていたからだ。]
[隣で怯えの色を見せるイレーネに気付けば、落ち着かせようとそっとその肩に手を乗せ]
……きっと、何かの間違いだ。
[そう言葉を紡いだが、ギュンターの様子は真剣そのもので。
嘘ではないと言うのが嫌でも伝わる]
型に嵌らない探偵だから、楽しそうなのに。
[次の言葉には不思議そうな顔をして]
無自覚に何かやっていて惚れ込んでたら大変?
それって、どういう意味?
[尋ねたものの、アーベルが詳しく答えてくれるという期待はさほどなく。買い物という言葉に、自身もその途中だったことを思い出す。]
あ、そうなんだ。私もそろそろ帰らないと……。
[と、言葉を切って、ちょっと考え。]
……先にそっちに寄って、エーリッヒ様がいるかどうか確認してからにしようかな。
[自警団長の口が開かれるたび、その言葉を興味深げにメモにとっていく。]
なるほどねえ…容疑者は11人…。
11人?
[その時になって初めて気づく。その中に自分も含まれている事に。ペン先が思わずよれてメモにガリっと崩れた線を引く]
いやいや。
その分だと、大丈夫そうかな。
[予想通りというべきか、返したのは答えではなく、勝手な納得。
途中で切られた言葉には、考え込む素振りすらなく]
いるんじゃないかねえ。
[断言ではないものの、それに近い調子で言い切った。
此方に寄るという彼女を少しばかり待たせ、店に入ろうとして、途中で足を止め振り返る]
――あ、そうそう。
不用意に男に顔近づけたりしないほうがいい。
何されても、知らないよ。
[そんな忠告を告げてから、雑貨をニ、三点買い求め、帰途に着く。
その先に待っている出来事に対して見せるのは、好奇の色か、*それとも*]
ああ、どうしてオパール、置いてきたんだろう…。
[そんな微かな苛立ちを覚えながら、ポケットに手を入れればそこには。]
あ…っ。
そっか、昨日洗ってそのまま。
[ポケットを探り、袋の中からオパールを取り出した。
父から伝えられたブラックオパール。
これがあれば人狼様の手助けに役に立つと父は言っていた。
どう役に立つのかは、まだ分からなかったが。]
…えぇ、なにかの間違いよ…ね。
人狼、だなんて。
[店内を見回す。
容疑者として上げられているのは、常連さんやご近所さんばかり。]
…信じられない。この中に居るだなんて。
[口元へと無意識に行く指は、いつの間にか震えていた。]
[はっきりと返って来る言葉。
それも聞き覚えのある声。
視線がそちらに向きそうになるのを抑え、更に言葉を伝える]
…まさか、アンタが同胞だったとは。
近くに居るのに気付かなかったよ。
俺も鼻が鈍ったかな?
[若干の驚きを含む声。
最後の言葉には自嘲も含まれていたか]
[告げられた名前を反芻する。
ミリィの名もあった。他にも、ここにいる人、いない人、みんな知った人の名前ばかりで。]
…誰かが、人狼、っ。
[ユリアンの肩に手を乗せられると、びくりと不安げに見上げる。
そういえば、先ほど告げられた名前の中に、彼のものも入っていた。]
ユリアンも、なんて。
[まるで違うと言わんばかりに首を緩く振るが、ギュンターの態度が変わるはずもなかった。]
原因排除などと。
つまりは最初から手を汚すつもりでいらっしゃる?
[少しずつ、最初の動揺が収まってくる。
静かに、だがハッキリと頷く自衛団長に、こめかみを押さえる]
どうして誰も疑わないんですか。
そんな、噂に踊らされるような真似を。
「村を守るのは私の役目だ」
…禍は芽の内に、ですか。
上の方々の考えることはいつも、単純明快ですね。
[それはギュンターに向けたようで、微妙に違う。
苦虫を噛み潰したような顔になる]
……冗談にしといてくれよ、人狼なんて……。
[はあ、と。
零れ落ちるのは小さなため息]
そんなもの……御伽噺の中だけで、たくさんだ……。
[掠れた呟きと共に、崩れるように椅子に腰掛ける。
緑の瞳の憂いの陰り、それに気づく者は*果たしてあるか*]
[思ったとおり、答えらしき答えを返そうとしないアーベルの様子には気を留めることもなく。
むしろ、いるんじゃないか、という次の言葉の方に気が行った。]
アーベルが言うなら、そうなんでしょうね。
[さっきまで一緒に居たし、アーベルだし、と、理由は心中で呟くに留めて、彼が雑貨店で用を済ますのを待つことにする。と。]
……ご忠告ありがとう。
[唐突に投げかけられた台詞に、呆気にとられながらそれだけ返した。けれど。]
……私、そんなに世間知らずに見えるのかな?
[残され、苦笑して独りごちる。
世間知らず、というより、生娘? うーん、と考え込んでいる間にアーベルが戻ってきて。
思考は宙に散って、酒場へと向かった。
そこで繰り広げられていたのは、馴染みの顔と、馴染まないざわつき。]
一つお伺いしましょう。
貴方があの時の「彼」ですか。
[脳裏に届く聲が誰のものであるのか、漸く理解する。
口調は表の彼のそれに戻り。
驚きと戸惑いと。そして怒りのような何かを宿して問う]
少なくとも私は。
それまで自分は普通の人間だと信じていたのですけれどね。
[アーベルがカウンターへと引っ込んでいくのを見送りながら、動揺している面々の中に、エーリッヒが居るのを見てとり、そちらに行こうとする。
しかしその前に、動揺の「種」が耳に入り。]
……人狼?
[その単語を聞いた瞬間、目が、すい、と細まった。]
居るんですか。ここに。
[呟いた声は、とても冷たい。]
[震える手を押さえて必死でメモを取り続ける。その手が震えているのは自分が容疑者になっている事でも、人狼に対する恐怖でもなく]
こりゃ…ひょっとしたら、すげえネタなんじゃねえのか。この話を記事にできたら…。
[そこに居るのは詩人では無く、かつての新聞記者としての姿*]
…おっさん、原因の排除っつーけど。
容疑者に挙げられた連中の中に何人その人狼ってのが居るのか。
その判断がつかなかった場合はどうすんのか。
その辺はどうなってんだよ。
[見つけた場合はまず間違いなくその人物を手にかけることになるのだろう、と予測はし。
しかしそれ以外の場合はどうするのかとギュンターに問う。
おそらく返って来るのは、ギュンターにとっても本意ではない方法だろうか。
しかし彼の信念からそれは実行されることになるのだろう]
[不安げに見上げてくるイレーネに、流石に無表情は崩れ、眉根が寄せられる。
否定するように緩く首を振る様子に、イレーネの肩に手を回し、抱き寄せるように手に力を込めた]
[さり気なく、気づかれないようにポケットに手を入れ、中に入っていた小袋から左手で器用に中身をとりだした。
左手に、気づかれないように握られたのは黒を基調としたオパール。
それを握った瞬間、頭の中に自分のもので無い、誰かの声がするりと入り込んできた。]
え…。な、に。誰…?
[思わず漏れた声は表には出ず、赤い世界に零れ落ちた。]
[すぐにはっと、声の意味と、その持ち主が何であるかを悟り。]
あ、っ。すみません。
人狼様、ですよね…?
私は、人狼様の手助けをする僕です。
どうぞ、お好きに使ってください。
[そう震える声を抑えながら告げた。
まだ、主が一体誰であるか、までは気づいていない。]
[その場に立っているだけで、周りの人間の囁き、呟きから詳しい話は自然と知れる。]
ああ、私も容疑者なんですね。
まあそれは……当然でしょうけど。
[反芻するのは、1年と少し前までの自分。]
でも、エーリッヒ様も、アーベルも、ノーラも……みんな?
[自分以外の10人が容疑の中にいる理由が判らない。
しかもそれは自分と親しい人たちばかり。
少しだけ、悲しそうな表情が浮かぶ。]
でも、この中にいるんですね……。
[ギュンターに確認するように問う。
返ってくる言葉は勿論イエス。]
あの時?
[示唆される事象に疑問符が浮かぶ。
しばらく考えるが直ぐには心当たりが浮かばず]
……いつのことを、何のことを言ってるのかが分からないな。
[実際張本人ではあるのだが、記憶に留めていない様子]
凶兆は予言されし。
変容は予言されずも!
想起せしがすなわち祈りとならん!
――腐れ行く死屍!
[荷物を抱いた腕を胸元に、空いた掌を天に掲げるようにして叫ぶ。深刻げな表情で、興奮したように。傍から見ればその内容は支離滅裂な物だったろうが]
果たせるかな!
賽は投げられた、賽は――重き物なるか否か!
[不意に増えた震える声。
この声だけは聞き違えることは無い]
っ──……イレー、ネ……?
[伝う声に驚愕と動揺が乗る。
人狼を手助けする僕。
噂には聞いていたが、それが彼女なのか、と思考が巡る。
信じられぬ、と言う雰囲気も零れ落ちたことだろう]
[一人、また一人。
名前を挙げられなかった村人達が出てゆく。
何か恐ろしいものを見るかのように。あるいは忌々しそうに]
……これも狙いの一つですか。
名前の挙げられた者とそうでない者をできるだけ引き離そうと。
[そう尋ねても自衛団長の意思は揺らがない。
覆らないその意志に、最後には諦めがやってくる]
[ユリアンやオトフリートがギュンターに反論するのを横目で眺める。]
何かしら、人狼が居る証拠が手に入ったのでしょう。
噂だけじゃさすがにここまで動かないと思います。
……ああ、何匹人狼がいるのかというのは重要ですね。
それが判らないと、誰を信用していいのかも判らない。
11人中10人が人狼、なんてことになってたら、信用も何もないですしね。
けど、よくわかりません。
闇雲にこの11人を殺すおつもりなんでしょうか。
[さらりと物騒な言葉を口にする。]
それとも、この中の人狼を見つける手立てがある、とか?
おやめなさい!
[常に無い強い口調でブリジットの声を遮る。
だがすぐに首を振って]
今は軽く聞き逃すとかできそうにないんですよ。
[口元に手を当てて。まだ届いていなかった食事の代金を、ティルの分と二人分その場に置いた]
…すみません、ティル。
君は大丈夫そうなら食事をしてから戻ると良いでしょう。
私は、気分がすぐれないので失礼します。
[立ち上がり、診療所に戻ろうと扉に手を掛けた]
[ユリアンに肩を抱かれながらも、周囲の様々な会話をなるべく耳に入れる。
ユーディットの声、オトフリートの諦めたような声。ハインリヒのどこか陶酔したような声。ブリジットの高らかな声は何時も以上に不安を煽り立てる。
ああそういえばミリィが居ない。彼女が聞いたら何て言うだろうかと、そんな事も思いながら。]
排除…。
[それはつまり。]
[こちらを睨むようにしながら去り行く村人達。
疑いをかけられた身であれば、仕方ないことではあるのだが]
………。
[半ば睨み返すような表情になりながら、その様子を眺めた。
オトフリートの言う狙いが正しいとすれば、己は工房へは戻れないかもしれない。
容疑者の中に師匠である技師の名は無かった]
……俺の夢さえも、奪うつもりか……!
[工房へ戻れないと言うことは、修行も出来なくなると言う事。
何より己が疑いが晴れず、手にかけられると言う事になれば──。
そう思考が巡ってしまい、空いている手で、ぎり、と拳を握った]
[ブリジットの叫びには僅かに首を傾げる。]
あの人は、こんな時でも、いつも通りですね。
それは……人間らしい、ってことなんでしょうか。
[呟きながら、考える様子。]
え、っ。
ユリ、アン…?
[名を、呼ばれたそれは知った声で。
今肩を抱いてくれているその人のもので。]
ユリアンが、人狼様…?
[二人で居たときには微塵も感じられなかったその事実に、思いもよらなかったという様子できょとんと尋ね返した。]
まだ半年前のことです。
違うのでしたら構いません。
[胸にそっと手を当てた。そこにまだ残っている深い傷痕]
それに選んだのは私自身。
繰言をするのもやめましょう。
[それでも収まらない何か。
相手と同じ空間に居るのが耐えられず、思わず席を立つ]
…僕、とは?
それにイレーネ…?
[そして聞こえてきたもう一つのコエに眉を寄せた]
――凶兆!
[繰り返すよう一際大きく叫んだ直後、聞こえるオトフリートの制止の声にそちらを見]
星が……調和。
訪れし……嗚呼、世は祈りで満ちている。
そうだろう? ああ、そうだ。
[ぶつぶつと呟きながら出入り口に向かう姿を眺め]
/*
そちらの設定は綺麗に入りますね。
何だかややこしくさせてしまってすみません(苦笑
ああ、ちなみにCNはどうします?
[ユーディットの言葉に、顔をあげる。
見分ける事の出来る方法、そこに反応して。
だが今はそのまま静かに顔を伏せた。
顔色は、酷く悪い。]
[どちらかと言えば知られたくなかった。
この村で暮らし続けていくためにひたすら隠していたかった。
今回のことが無ければ、知られることも無かっただろうに。
このように正体を知られようとは、思いも寄らなかった]
……バレちゃったな。
ずっと隠すつもりだったのに。
[イレーネに返したのは苦笑を含んだ言葉。
反面、隠さなくても良くなったことに僅かに安堵の色も乗るだろうか]
[名前を呼ばれた人々を尻目に去っていく村人たちに、その村人たちが向ける視線に、気に留めることはない。注意が向くのは常に、名前を呼ばれた者たちの様子。]
大事なのは人狼を見つけることです。
それ以外には、構っていられない。
[それは己に言い聞かせるように。
そしてまた、店の中で怯え震える面々にも投げかけられた。]
怖がっていても、何も始まりませんよ。
竦み棒立ちになっていたら、ただ人狼に喰われるだけです。
できることをやらないと。
[ユーディットにしては珍しい大きな声でそう言った。]
あ…えっと、お医者先生…?
[もう一人、名を呼ぶ声にもきょとりと。
容疑者の中に、本当にいたんだと少しだけ感心した。]
僕は、僕です。
人狼様が生き残る為に、盾になり人を欺き、…時には殺めよと。
[最後のそれは掠れるようなものだったが。]
それが父の、私だけに向けられた遺言でした。
人狼様の声を聞く方法を残してくれて。
だから、二人の為に何でも、やります。
[そう言いながら、鮮やかに黒く輝く宝石をぎゅっと握り締めた。]
診療所に居ますよ。
何かあるのでしたらまた呼んで下さい。
[入り口で振り返り、ギュンターに告げて。
ブリジットの視線には首を振る]
祈りで全てが解決するのなら。
幾らでも祈りますけれどね、私も。
[そして扉を開けて外へと出る。
既に空には星が輝き始めていた。
それを振り仰いで、大きな溜息を*ついた*]
半年前……。
[オトフリートの返答に再び考え込む。
ふと、一つ思い出し]
……ああ、そう言えば。
もしかして、俺を追い掛け回してたのは、アンタだったのか?
あの時死んだものとばかり思ってたけど。
そうか、生きてたんだ。
腹が満たされていたから喰らわずにおいたんだけど、まさか同胞となるとは。
[紡ぐ言葉は軽い。
人が同胞へと成ったことには意外そうな雰囲気が乗った]
中:
>>*32
私かな?それともユリアン宛てかな?
ええと、私宛だったら問題なしですよーと。
むしろ違う楽しみができましたし(笑
ちなみに最初はこんな感じでした。
>狂信者時
客を取り始めた頃、外から来た旅人の客に、人狼が実在するという話を聞かされ会いたいと強く願うようになる。(夢物語や強い存在への憧れが、そういった形になった。)
その客から「いつか人狼に会えるためのお守」と称されオパールを一つ譲られる。以来それは小袋にいれて大事にしている。
>その他村側
小袋は父親の形見。
微妙にミックスした内容になったww
…出来ること。
俺らの中から、人狼を探す、か?
[ユーディットの言葉に短く返し。
顔色悪く俯くイレーネに気付くと]
……イレーネ、今日は休んだ方が……。
[様子を窺うように声をかける]
この人は…。
[ユーディットは危険だと、頭の中で警告が走った。
だから隠れる、怯えた(実際怯えているわけだが)ふりをして、様子を伺う。]]
盾となり、欺き…殺める。
[さらりと告げられるイレーネの言葉。
思い出すのは古文の一節。人でありながら人ならぬ者を助ける者]
そう、ですか。
このままではそれこそ、伝承の通りに揃いそうですね。
[何でも、という言葉には睫を伏せる。
ザワリとしたものを表に出さないように]
ええ、そういうことになります。
[ユリアンに、小さく頷く。]
けれど、今は……そうですね。
しっかりと鍵をかけて安全なところで寝るのが、とりあえず、「今できる一番のこと」でしょうか。
[帰ろうとする面々の背中を見遣り――椅子に座り込んだ主人の姿を見ながら――付け加えた。]
ユリアンだったんだ…。
[その声には安堵が混ざる。]
うんと、全然知らない人じゃなくて、良かったな、って。
…そう、だね。このままずっと、変わらなかったら良かったのに。
[ユリアンが仕える人狼様だったのは、自分にとって嬉しい事ではあったが。その為に彼が夢を奪われ追われる事になった事、最悪、殺されてしまう事はとても恐ろしかった。
さきほどのユリアンの荒らぶる声は、まだ耳に残っている。]
[イレーネの漏らした掠れた言葉に、僅かに眉根が寄る。
その表情の変化は表にそのまま直結したが、人狼騒ぎに対するものに紛れて他の者には分からないことだろう]
……協力してくれるのは、嬉しいけど……。
[そこで声は途切れた。
心の中に葛藤が生まれる。
今の状況で自分達が生き残るには僕であるイレーネの協力は必須だろう。
しかしそれはイレーネの身に危険が及ぶ可能性があると言う事。
相反する事実に、心が揺れた]
崩れしは塔か。
それとも、
[閉まる扉を見た後も、変わらず呟きを零しながら、ゆらりと少しく店内を歩き。そのうちに店を*後にした*]
……安全な場所、ね。
容疑者として名が挙がった以上、どこに居ても『安全』が無い気がするよ。
人狼からの危機然り。
──……容疑者以外の村人からの危機然り。
[誰が人狼なのか分からぬ以上、強行手段に出られる可能性は否めない]
ハ、ハハ。
私も死にたくはありませんでしたからね。
それが悪魔の囁きかもしれなくとも、手を伸ばしてしまいましたよ。
[軽く言われればキリと奥歯を噛む。
意外そうな気配には自嘲の混じった調子で返す]
九死に一生を得たと思ってみれば。
見事にその代償も払わされたということです。
/*
うん、本当にごめんなさい。
恐らくお二人(特にユリアン)も必死に頑張っているだろうに、私の方がこんな状態で…!
しかも情報の出し方の失敗のせいでもありますから、この時間になってしまったの。
やっぱりもっと練り上げないとダメなんだな…。
明日、一日目後半以降の動きをシミュレートして、もっと自分から動けるように頑張ります!
[ユーディットの声。言っている意味も、内容も理解できはしたが。震えはおさまらない。
ユリアンの声にようやくゆっくりと、顔をあげて頷いた。]
…うん、今日はそうする…。
あの、帰ってはいいんですよね…?
[そうギュンターに小さく尋ねると頷ずかれ。それには少し安堵した。
食事も取らずに戻る事に。ゆらと立ち上がり、ゆっくりとした足取りで外へと向かう。]
それは、まぁ、そうですね。
[指摘を至極あっさりと肯定し]
けれど、幸いなことに「まだここでは何も起こっていません」。
人間は基本的に、何かないと動けない、動かないものじゃないでしょうか。たぶん……容疑から外れた人たちは、何かが起こらないと動きませんよ。もっと直接、自分たちの命に危機を感じない限りは。
[肩を竦めた。]
人狼から逃れられる安全な場所は……私には判りません。
でも、今居られる最善の場所、なら貴方にもあるんじゃないですか。
[イレーネの返答には「……だな」と短い返答しか出来ず。
オトフリートの言葉には]
ふぅん。
…人狼は代々続くものか、先祖返りくらいのものかと思ってたけど。
人を人狼にすることも出来たんだな。
先生の話からいけば、瀕死の時にその選択肢が得られるってところか。
[軽い口調は相変わらず。
分析するように言葉にしながら相手の声を聞く]
まぁこうなったからには、お互い協力するしかねぇよな?
折角戻した生をまた失いたくは無いだろ。
そうだ。
俺達人狼には『真名』があるのは知ってるか?
生まれた時より記憶に刻まれている、人狼としての本当の名があることを。
イレーネにも在るのかは分からないが…今後はそっちで呼んでくれ。
うっかり他の奴らに名を聞かれても、バレにくくなるしな。
[そこまで言って、一度呼吸を整える。
そして静かに口を開いた]
…俺の真名は『エウリノ』だ。
改めて、よろしく頼むぜ?
…俺らがどうなろうとも関係ない、っても聞こえるな、それは。
[自分らの命に危機を感じなければ、と聞いて眉根が寄る。
続く言葉には]
……入れてもらえるか分からないが、戻る唯一の場所は工房だ。
後は──。
[言いかけて、視線はイレーネへと向かう。
そのイレーネは隣から立ち上がり、娼館へ戻ろうと歩き出している]
あ…イレーネ、送ってくよ。
[その心労を心配し、ユーディットとの会話の半ばで席を立ちイレーネの傍へと]
[表で見せる震えも怯えも、自分の本心ではあったが。
その内に含まれるものにあるのは、ほんの少しの歓喜。]
…平気。私はその為に、在るんだから。
[ユリアンの葛藤に、穏やかに答えた。]
どうぞ貴方等の心のままに。
私のご主人様。
[深く一礼するような気配が見えた。]
私も寡聞にして存じ上げませんでしたよ。
ええ、そうですね。
無駄に死ぬつもりはありません。
[相手はどこまでも冷静だ。
ならば己も取り乱すわけにはいかないと、無意識の内に念じて]
真名ですか。
私は生まれつきではありませんので……
[答えかけてフッと動きを止めた]
あ、うん。
ユリアン、ありがとう…。
[送ると、来てくれたユリアンにどこかほっとした様な、安堵の笑みを浮かべて。それでも顔色は戻らないままだったが。
宿の中に残っている人に軽く頭を下げ、ユリアンに送られながら、娼館へと戻って行った。]
[イレーネの穏やかな答え。
一礼を感じさせる気配]
…そう、だな。
共に、この局面を乗り切ろう。
[主と呼ばれ、普段は奥底に押し込めていた享楽の念が表へと浮上してくる。
他の者達に気付かれなければ。
ここは抑えていた感情を惜しげもなく晒せる場所になるのではないか。
ふつふつと、ユリアンの中で葛藤が消え始めた]
でも、そういうものですから。
自分の命は誰より大事です。
[去り行くユリアンの背中に、呟く。]
私だって、そうだった。
[何かを思い出そうとする頭を振って、エーリッヒの方へ振り向く。]
エーリッヒ様、帰りましょう。
……私は、今私が居られる最善の場所は、あの家だと思います。
エーリッヒ様にとってもそうです。
もしエーリッヒ様が私のことを信用できなければ、ここに置いていってください。
[そしてエーリッヒが許すようなら、そのまま二人で家へと帰るのだろう。許さなければ、宿の一室を借りないといけないだろうな、と、ユーディットはぼんやりと*考えていた。*]
[ふらつきそうなイレーネの身体を支えて。
宿屋に残る者達には一応の会釈をしてから、扉を出た。
イレーネの状態を気にしつつ、歩くペースを合わせながら、娼館へと送り届ける]
…女将さんに言って、今日は客取らずに休ませて貰え。
[心境を案じ、そのまま休むようにとイレーネに提案する]
『ロスト』
[長い沈黙の後、ポツリとその名を口にした。
意識するよりも先に表に出た真名。
その瞬間、抗っていた一線を越えたことを自覚した]
ああ、こういうものですか。
では以降私のことは、ロスト、と。
宜しくお願い致しますよ、エウリノ。
[何かを諦めたようにそう答えて。
イレーネにも「よろしく」と囁きながら、疲れたような彼の気配は*遠退いていった*]
/*
…返事が遅くてすみません。
こちらこそお付き合いいただいてありがとうございます。
イレーネもご無理はなさいませんように?
勿論エウリノもですけれど。
それでは今宵はこれにて。
中身共々、本当に宜しくお願い致します。
…そうさせてもらう。でも…。
[言いかけると、どうしたといった様子で尋ねられ。
緩く首を振り、少し諦めたような風に。]
たぶん、もし女将さんに話が伝わってるなら…心配ないと思う。
人狼、かもしれない私に、お客さんなんて…
[おそらくつかない。
その懸念は正しかったようで。戻ると女将が渋い顔で出迎えてくれた。]
ユリアン、ありがとう。また…。
[そう小さく手を振り、娼館の中へと消えていった。]
[如何に人からの転変とは言え、人狼へと『生まれ』変わったことになるのだから、オトフリートにも真名があるのは道理で。
長考の後にオトフリートの口から漏れ出た名に、に、と口端が小さく上がった]
ロスト、だな。
真名が出るということは、我が同胞である証拠。
あの時の怪我が原因だとしたら、俺はアンタの親みたいなもんなのかな?
[遠のくオトフリートの気配にそう返したが、返答は期待していない。
オトフリートへ対する軽い口調はどこまでも続いていた]
[客は割り当てられない。
この状況では確かにそうか、と心中で思う]
……ん。
とにかく、ゆっくり休んで。
それじゃ。
[娼館へと消えるイレーネを見送って。
姿が見えなくなってからその場を後にした]
うん。
だから、ユリアン…じゃ、ないね。
エウリノ…様は、どうか自由で。
[一瞬、様を着けるか悩んだが、一応つけてみた。
そうしてオトフリートが真名を名乗るのを聞いてから。]
父から継いだ名は『ゲイト』。
[短く、告げた。]
[娼館を後にしてから、一度宿屋へと戻って。
当初の目的であった晩飯の調達をする。
こんな時でも腹は減りっぱなし。
尚且つ工房では技師が待っているために]
…さんきゅ、それじゃこれ代金。
[晩飯代を払い、包まれた料理を手に宿屋を後にする。
戻る途中、様々な視線を感じたが、極力気にしないようにして、足早に工房へと向かう]
……飯、置いとく。
[工房に入るなりそう告げて。
技師がユリアンの姿を見て顔を顰めた。
話が来たのだろう、と考えると、何を言うでもなく工房を出ようとする]
「…どこへ行く。
明日も仕事はあるんだぞ」
……分かったよ。
[それはここに居ても良いと言う言葉。
日常のやり取りでもあったそれが向けられたことは、ユリアンにとってとてもありがたいことでも*あった*]
/*
名前ようやく(ぁ)
はい、まだ先長いですしね。
お休みなさいロスト様。
こっちもそろそろ流石に集束予定モード。
エウリノ様もお疲れ様ですよ。
[渋い顔で出迎えた女将に、やはり今日から暫く客を取るのは止めるよう告げられた。
今のままじゃ、どのみち客なんて付きそうにないしねとも言われ、溜息に、申し訳なさそうに頷くと、くしゃりと頭を撫でられた。]
「アンタもアンタの親父も母さんも知ってるけど。
少なくとも私は、人狼だなんて思ってないから安心おし。」
[その言葉に少しだけ泣きそうになりながら。
頷いて、大人しく自室へと戻った。
その手には無意識に、胸の小瓶が*握られていた。*]
…敬称は要らない。
名は違うけど、いつものように呼んでくれ。
[名と敬称の間に間が空いたことに気付き、そう頼んで。
短く告げられた僕としての名を聞くと]
ゲイト……それがイレーネの真名に相当する名か。
[確かめるように反芻した]
何かあったらいつでも呼べよ。
直ぐに飛んでくからな。
[イレーネ──ゲイトに向けられた言葉には、今後はどこに居ても会話出来ると言う喜びが*乗っていたか*]
[伝え聞いた人狼様だからと思い丁寧な口調ではいたが、ユリアン…エウリノをどこか遠くに感じてしまっていたので。
敬称はいらないと言われ、嬉しそうな気配が伝わっただろうか。]
うん。ずっと、父さんも、父さんの父さんも、ゲイトだったって。
だから私も。
[そう告げた。]
[去り逝くロストの気配にも、深く一礼を返した。]
あ…うん。
…ありがとう。
[告げられた言葉に嬉しそうに。]
エウリノが、人狼様で。…よかった。
[そうしてお休みなさいと囁いて、自身もゆっくりこの赤い世界から消えていった。
手には黒い宝石と、小瓶が一緒に*握られたまま。*]
[座り込み、目を伏せたままで周囲でのやり取りを聞く。
いつになく凛とした態度のユーディットに、困惑がない、とは言わぬものの]
……真理、か。
[彼女の語る言葉の意味は、理解はできたから、小さくこんな呟きを漏らしていた]
それにしても。
[反面、内心に渦巻くのは複雑な感情]
……なんだって、今更。
[必要ないと、そう、思っていたものが必要とされるのだろうか、と。
過ぎるのは、そんな思い]
……何れにせよ、ここで座り込んでても、仕方ない、か。
[一つ、また一つと減っていく気配に小さく呟く。
ゆっくりと上げられた瞳に、先の陰りは見えず。
帰宅を促すユーディットの言葉に、そちらを振り返って一つ、頷いた]
あのねぇ。
保身のためにお手伝いさんを締め出すほど、俺は小心者じゃないんだけど?
[信用できなければ、という言葉に返すのは、いつもと変わらぬ表情と、冗談めかした言葉。
それから、やや険しい表情を自衛団長に向け、宿を出て帰途につく。
道中、向けられる視線は気にした様子もなく。
それでも、自宅に帰り着くとすぐ、もう休むから、と告げて自室に向かった]
……はあ……っとに。
[自室に戻るなり、口をつくのは愚痴めいた言葉。
灯りは点けずにベッドに寝転び、しばし、睨むように天井を見上げる]
……人狼、か。
[小さく呟きつつ、左手を上へと翳し。
しばし見つめた後、ため息と共に腕を下ろして*目を閉じた*]
−回想/昨晩・宿兼酒場にて−
[扉の先にあったのは普段の喧騒ではなく、不安と不信のない交ぜになった空気。皆の視線が老齢の自衛団長に注がれているのを認めつつ、カウンターの内に入り、女将へと買い物袋を差し出した]
はい、エルザ姉。
これ、頼まれてた奴。
[何時もの小言が返ってくるかと思いきや、上の姉は、声をかけられて初めて気がついた様子で――上げた顔は蒼褪め、瞳には怯えが過る。袋はきちんと受け取りきれず、女の手から滑り落ちかけた]
っ、と……、どうしたのさ。
[今度は確りと持たせ、視線をずらす。いつも柔らかな笑みを湛えている下の姉もまた、色を失って見えた。
大きく息を吐き出したエルザが、声の震えを抑え宿の女将として、簡潔な事実――人狼の存在と、容疑者の名を告げ、団長の話を聞くよう促した]
[各人の、叫び、憤り、恐怖、或いは好奇。
それぞれを表情も変えず青の双瞳に映していたが、収束へと向かったところで、組んでいた腕を解き、瓶とカップを乗せた銀盤を手に、ギュンターの元に向かった]
うちを話し合いに使うのは構わないけど、
落ちる売上の責任は取ってくれるんですかね。
[言いつつ、グラスを置き、琥珀色の液体を並々と注ぐ。
渋い顔を見せる老人に、口端を釣り上げた]
俺が仕入れた奴じゃない。
毒なんざ入ってないよ。入れても仕方がない。
[もう一つグラスに注いで飲んでみせると、ギュンターも口にはしたものの、すぐさま眉間の皺を深めた。辛口をと所望する彼に別の酒を用意しながら、疑問を投げる]
俺はともかく、なんで、ノーラ姉まで。
血筋で疑ってるんにしちゃ、エルザ姉は除外だしね。
どういう基準なわけ?
[問いに対しての答えは芳しくないものだったが、元より期待してはおらず。
グラスを傾けるギュンターを見下ろして、眼を細める]
……人狼、ねえ。
俺が自分の目で見たもの以外信じないって、
ギュンター爺なら知ってると思ったけど。
[半ば独り言のような台詞にも反応はない。
先に出した白ワインを再び注ぎ、一気に呻った。
喉を過ぎていく葡萄酒は絡みつくような甘さで、底に秘められた酸味は一種の毒のよう]
――、は。
[濡れた唇を手の甲で拭う]
ま。俺は俺のやり方で、やらせて貰うから。
[気負いのない口調で言って、傍を離れた。
思い思いに動く他の人々には声をかけず、カウンターまで戻る]
ノーラ姉、身体に障るよ。
この分じゃ仕事もないだろうし。早く帰って、休んで。
なんなら送ってくし、こっちに泊まってもいいから。
[矢継ぎ早に言って、一先ず口内を洗い流そうと、奥に引っ込んだ。
透明なコップを満たしながら、片手で、頬にかかる髪を掻きあげる。
ランプの灯りを受け、普段は隠れた耳許のピアスが、*白金に煌いた*]
…そうね、ありがとうアーベル。
[なんとか笑みを返そうとしたけれど、
ちゃんと笑えているかは分からない。]
あ、アナタ…
[迎えに来た夫に駆け寄り、思わずこぼれ落ちそうな涙を、彼の胸へと埋めようとして…]
…アナタ。
[肩を抱こうとした手が迷うように止まるのが分かって、胸が痛い。]
…わたしは違うわ。
信じて…。
[帰り道、手を繋いでも、心の距離はひどく遠い。*]
―診療所―
[物理的にも頭を冷やそうと奥の洗面台で顔を洗う]
人は弱い。
だが同時に人は強い。
だからこんな手段を取れてしまう。
…この手で殺せというんですかね。
[深い溜息が零れる]
――喉が渇く。
[どれだけ顔を洗っても、内に燻る炎は消えない。
掬った水を飲み下しても、一度覚えた渇きは消えない]
[手に掬った水を飲む。
緊張からくる喉の渇きを抑えて冷静に事態を受け止めようとする]
ミリィ。
[11人のことを考え、あの時宿には居なかった少女のことを思う。
命を繋いでくれた恩人。大切な相手]
…大丈夫だとは思いますが。
[彼女には家族がいる。
だが名前を挙げられたのは彼女一人だ。
どうしても気になる]
[二つのオパールを握ったままぼんやりとソコに佇む。]
ロスト様、あの。
[渇きを訴える声を聞き、遠慮がちに。]
渇いてしかたない時は、私を食べて下さいね。
そのために、私たちは人のままだから。
[真に人狼の力になりたければ、エウリノがしたように、僕を人ならざる者へと変えてしまえばいいのにそれをしない。理由の一つはこのためだと伝えられていた。]
[工房に入れてもらってからは、自室へと向かい]
……ねむ……。
[ばたりとベッドに倒れ込む。
ギュンターに告げられた事を聞いている間は睡魔なんてどこかへ吹っ飛んでしまって。
戻ってきて少し緊張が解けると再び瞼が重くなってきた。
徹夜していたこともあって、そのまま昏々と眠り続ける]
――ッ!
[ゲイトの囁きは燻る熱を煽る]
…はは。
仲間である貴女を食べたいとは思いませんよ、ゲイト。
それに許されるとも思いませんから。
そちらにいらっしゃる…先達に。
[エウリノに向けた意識は複雑なもの。
流石に『親』とは呼びたくなかった]
[深く眠りについていたためか。
ロストの呟きとゲイトの進言は耳に入ることは無く。
それは二人にとって幸運だと言えるだろうか]
[ゲイトの言葉を聞いたなら、必ずそれを止めようと殺気を漂わせるだろうから]
―――昨夜―――
[アーベルにオトフリートのことを茶化されて、気持ちを落ち着かせるのには、結構な時間が必要だった。
気づけば、夜の帳が訪れ始め、辺りを暗く染めていた]
……お腹すいたな。
うむ。気分転換はこれぐらいで充分じゃろ。わはは。
[オトフリートのことを振り払うように、わざと明るい口調で呟いて、家に戻った]
―――え?
[家に、灯りはついていなかった]
[エウリノから即座の反応が無かったことに胸を撫で下ろす。
一瞬とはいえ誘惑を感じなかったわけではない。
それはきっとエウリノの怒りを呼び起こしただろうから。
何よりも、自分がそうした感覚を強く覚えるようになっていることを、まだ直視したくなかったから]
な、何よ、もー。
二人でどっかに遊びに行ったのかしら?
可愛い愛娘置いて、何さらしてんじゃ、こんちくしょー。
[家の扉を開けて、居間へと。
そこには、すっかり冷めたご飯と、一枚の手紙]
ん?こんなの残すの珍しいな。
どしたんだろ。
[なんとなく、胸がざわざわする。
不安が、どんどんと増大する。
だが、それを見ずにはいられない。
ミリィは意を決して、その母の字で書かれた手紙を読んだ]
[―――曰く、手紙の中身を要約すると、自衛団の連中が家に来て、人狼と呼ばれるものが現れ、村の閉鎖をした。
そして、その人狼の容疑者の一人が自分であること。他にも知った名前が連なっていることが書かれていた。
そして、最後に―――]
『……自衛団の人達は、私達をこの家から離れたところへ隔離するように言ったわ。
何故なら、貴方が容疑者であるということは、その血筋である私達も、その可能性はある。
父さんは、最後まで抵抗して怒ってた。
そんな危険な存在が本当にいるならば、可愛い一人娘を一人にしておけるかって。
だけど、それも、自衛団が私達を隔離する理由の一つだったらしいわ。
もしも、貴方だけが人狼で、私達が人間だったとしても、私達はきっと貴方をかくまうから……ですって。
―――当たり前じゃない!娘を、容疑者だと疑われ、違ったとしても人狼というものの手の届く場所に置いておくなんて、出来るわけないわ!
自衛団はそんな私達を、無理矢理に連れ去った。私達は最後まで抵抗したけど、何も出来なかった。今は、父さんとも隔離された場所で、この手紙を貴方に書いているわ。
ミリエッタ。貴方を守ることを出来なかった私達を恨むなら恨みなさい。怒るなら怒りなさい。
その感情を忘れずに、私達にどんな報復をしようかということを糧に、最後まで生き抜きなさい。
どんな形であれ、またもう一度貴方と再会できる日を待っているわ。
ミリエッタ。体には充分気をつけてね。
―――愛してるわ』
……。
[半ば、呆然とした面持ちで、ミリィがそれを読み終わった。
頭が混乱して、何も分からない。
何を思えばいいのか、それすらも分からない。
ただ―――冷めた食事から、ほのかに漂うおいしそうな匂いに、お腹がくーと鳴った]
……お腹、すいたな。
[ぺたん、と力なくイスに座り込んで、冷たいスープを喉に流し込む。
とても、冷たくて、時間が立って油さえういているそのスープは、それでもおいしくて、何故か、心の中を溶かすようなあったかさに満ち溢れていた]
―――ぐ…ひぐ……。
[ミリィの目から一筋涙が零れ落ちて、スープに落ちた。
そして、一度流れ出した涙は止まってくれずに、次から次へと、あふれ出す]
う……ふえ……ん。
あ、あああ……あぁあああ……。
ふええぇぇぇえええん!
[まるで赤ん坊のように、顔を歪ませて、その涙を抑えることも無く、ミリィが泣いた。泣き続けた]
……。
[しばらくたって、涙も枯れおちた頃、死んだ魚のような目をしていたミリィが、ふらり、と立ち上がる]
……絵……描かなきゃ……。
[幽鬼の様な足取りで、ミリィは自分の部屋へと向かった。
テーブルに、ほとんど手付かずのままの、母からの*最後の食事を残して*]
―ミリィの家の前―
………。
[数ヶ月前まで世話になっていた家は、暗闇と静寂に包まれていた。
寝てしまったのかもしれないと思いながら裏へと回る]
!
[一つだけ付いている灯りはミリィの部屋のもの。
あのご夫婦は、こんなことがあって娘が眠れずにいるのに寝てしまうような、そんな人々ではない]
…親子を無理に引き剥がすことまでしますか。
[右手を強く握りこむ]
―昨晩・宿屋―
[先生や他のみんなと一緒に宿の入れば、久しぶりに見た自警団長の顔]
ギュンターのおっちゃん?
[エーリッヒが問いかければ、ギュンターが話し始める。『人狼』のことを]
おっちゃんどーしたんだよ、そんな御伽噺のよーなことで真面目な顔しちゃってー
[さらに自分も容疑者の中に入ってると言われ、思わず軽く噴いた]
おっちゃん、冗談にしてもやりすぎだってー……
[冗談のように話しかければ、それでも真顔の自警団長に戸惑いを覚える]
……マジ?
[正直、話の内容はきちんと理解できていないが。
それでも周りの大人たちの様子も見ていれば、一大事だとは理解できる。
ふと、肩をぽんぽんと叩かれる感触がする]
オト先生…
[若干青ざめた顔をしていながらも、心配してくれる姿に少しだけ安心をする。
ブリジットの声が響き渡る。何を言っているかはわからないけど、オトフリートが叫ぶ口調に、なにやら不吉なものを感じた]
[席を立つオトフリートに、思わず声をかける]
俺は大丈夫だけど…むしろオト先生の方が心配なんだけどなぁ。
[子供のティルにはまだ、事態の深刻さが理解できていない。その分、他の人よりも元気な雰囲気を見せている]
先生。気をつけてね。
[宿を出て行くオトフリートの姿を見送った]
[少し逡巡してから、表へと戻る。
一拍、一拍、二拍という独特のリズムでノッカーを叩く。
癖となった叩き方は自己主張にも使える]
……。
[玄関からノックの音がしているような気がする。
どうせ、幻聴だ。
此処には、誰も帰ってこない。
両親も、先生も、誰も、だ。
ならば、今は目の前にある絵を描き続けよう。
せっかく、ここまで描いたのに、
せっかく、ここまで出来たのに、
未完成のまま、終わりたく、無い]
[嗚呼。
頭が痛い。
耳鳴りが止まらない。
吐き気がする。
―――だけど、自分が思い描いたものは、今すんなりと形に出来て。
きっとこれが、父が言っていた
「神が降りてきた」
というやつなのだろう。
ハヤク。
カミガキエテナクナルマエニ、カキキラナケレバ]
[ノックをしても反応が無い。
眠っているのだろうか。だとしたら起こすのも忍びない。
だがポツリと灯っている光がどうしても気になる。だから]
不審者ですね、これじゃ。
[苦笑しながらその木に登った。
丁度ミリィの部屋の窓が見える位置まで]
……。
[画布へと向かうミリィの姿はどこか虚ろで痛々しく。どう声を掛ければ良いかわからなくなって、無言のまま作業の様子を見つめていた]
[昨晩、酒場にて。
エーリッヒに拒絶されなかったことに、ユーディットは内心でほうと安堵の息をついた。
強気の姿勢を見せてはいたが、心細さが全くなかったといえば嘘になる。]
ありがとうございます。
では、お言葉に甘えて。
[いつもと変わらない表情を見せてくれたエーリッヒに、お返しのように自分も柔らかい微笑を見せ。
星の瞬く空の下、二人並んで家へ帰った。
帰宅すればエーリッヒはすぐ自室に篭ってしまったが、あの騒ぎの後では仕方ないことだろう。
大人しく見送って、ダイニングへと戻った。
蝋燭をひとつ灯し、暗闇に浮かぶ薄明かりの中、テーブルに肘をついて今後のことに思いを巡らせ。
気がつけば夜が明けていた。]
−昨晩・宿兼酒場にて−
[夫と共に帰る姉を、眼を眇めて見送る。
一人二人と“容疑者”も減り、室内は大分静かになった]
口ではどう言っても、いざとなったら――
そんなもんだよね。
[抑えた声は普段は喧騒に呑まれるのに、今日はやけに大きく聞こえる]
エルザ姉も、怖いなら逃げていいよ?
[弟の軽口に、姉はキッと眼差しを向けるも、何も言わずに奥へと引っ込んだ。食べ残しの多い皿を洗う音が響く]
――容疑者が、
ノーラ姉じゃなくて、彼奴なら良かったのに。
[そんなことを、思う。
愛しているなどと、神に誓いを捧げておきながら]
[何事もなかったように、女将の出してくれた食事を食べる。
腹が減っては何もならないよねー。
[だんだん人が減っていく酒場を眺めつつ、ソーセージをぱくりと食べていれば、アーベルの声が聞こえてきた]
ん?アーベル兄ちゃん?
仕事って、もちろんいくよ。何かまずいことあるんだっけ?
[首をかしげながら、返事をする]
―――っ。
[一心不乱に描き続けていたミリィだったが、しばらくして、その筆がぴたりと止まった。
色が尽きた。
自分の描きたい、色が、無くなってしまった。
嗚呼。今から新しく作っているヒマなんて無い。
早く。早く、色を―――赤い色を]
……。
[硬いもの。尖ったもの。何でもいい。
とにかく、赤色さえ出すことが出来れば、嗚呼、それは父が使ったものか、それとも、自分が持ってきたものか。理由は分からないが、そこにナイフを見つけ、ミリィがそれを手に取り、左手の甲に―――]
暢気だな、お子様は。
[カウンターの椅子の一つに腰を下ろし、ティルの食べる様を見て]
お前も容疑者の一人なんだから、用心しとけ。
とち狂った奴は何するか、わかんないしね。
[鉱夫である、ノーラの夫の様子を思いながら言う。
露にはしていなかったものの、不信や恐怖は少なからずあるようだった。妻に対してすらあれでは]
容疑者?
[しばらく意味がわからずに、きょとんとしていたが]
あー!あーあーあー!
[やっと問題の一端が理解できたように、大声を上げる]
つまり、俺も狼じゃないかって思われてるって事かー。
俺と一緒にいたら、喰われちゃうんじゃないかって思われてるって事…かぁ…
[そこまで気がつけば、やっと別の思考に思い至る]
そーいう意味でいえば、もしかしたらアーベル兄ちゃんも人狼で、俺のことぱっくり食べちゃうかもしれないって事?
…そーは思えないんだけどなぁ。
[そして、ジャガイモをぱくりと食べる]
ミリィ!?
[ミリィが何かを探す。見つけたらしく手を伸ばす。
それが向いた先は彼女自身。
窓は半分だけ空いていた。咄嗟に枝を蹴る]
おやめなさいっ!!
[窓枠に腕をかけ、無理矢理その部屋へと転がり込む。身体の何箇所かが痛みもしたが無視してナイフを叩き落とそうと]
[ゲイトにとってロストもエウリノも、待ち望んでいた仕えるべき大切な主人であり。
その苦しみを取り去るべく動くことは、ごく自然な動作で。でもロストはソレはエウリノが許さないという。
少しだけ、困ったように気配が揺れた。]
そうですか、なら、いいんです。
…でも、無理はしないでください。
少しかじられるだけなら、平気だし。
抑えがきかなくなって、人の多い場所で露見してはいけないですから。
[危惧するのは、それ。
そう告げる穏やかな声は、さながら魔女の誘惑のように届いたかもしれず。]
安全なところで寝るのが今できる一番のこと、なんて自分で言ったくせに。結局徹夜してるなあ……。
[自分で自分に半分呆れながら、んーっと伸びをする。
と同時に、お腹がくるる、と細い音を漏らした。]
……あ。そうだ、結局昨日お夕飯抜き!
[がたん、と音をたてて椅子から立ち上がる。
考えたのは、自分のことより主人のこと。]
エーリッヒ様、きっとお昼も食べてらっしゃらないんだから……。せめて今日は朝御飯きちんと食べていただかないと!
[よし、と無意識のうちにファイティングポーズを取った後、キッチンへ向かう。
できあがった朝食は――昨日の出来事と疲労を考慮してか――トレイに乗せ、エーリッヒの部屋の前に置いておくことにした。
これでいつ起きても、一人でゆっくり朝食を摂れることだろう。]
……肉体労働分ばっかりで、
頭に栄養行き渡ってないんじゃないか。
[ぽつりと呟きつつ立ち上がり]
そーだなー、お子様は肉が柔らかくて美味そうだなー。
[その辺りに置かれたままだったフォークを手に取ると、ティルの皿へ、さくり。人参を刺して取り、勝手に頂戴]
人狼っていうくらいだから、見た目だけで判断出来るものでもないんだろう。
そんなのなら、とっくに退治されてるんだろうしね。
/*
今の今まで、ユーディットの料理下手に気付かなかったぜ……!
メモの履歴まで読んでませんでした。
まあ、解っていても家で食えというに違いないけれど。
でもちょっぴり同情しているから、毎日とは言わないと。
把握。
[遅い。]
……?
[向けられていたナイフが、左手の甲に少しだけ傷をつけたところで止まり、音がしたほうへと、ミリィが首を向ける]
……先生……?
[こくりと、首をかしげたところで、持っていたナイフを叩き落された。
それすら、反応は曖昧だ]
なん、で、先生が、此処に?
先生は……もう、帰って来ないって。
[オトフリートを見つめる瞳は、どこか遠い]
夢、かな?
それとも、私はもう冷めない眠りの中にいるの?
嗚呼。でも、これが悪夢だとして、先生に会えたのなら、とっても幸せ。
後は、絵を、夢の中だとしても、絵を、完成させれば、もっと幸せ。
[そこで、赤色を出そうと、ナイフを左手の甲に刺そうとして……やっと、ナイフが無いことに気づき、首をかしげた]
……あれ……?
─自室─
[いつの間に眠りに落ちたのか、それすらもわからない状態で。
ただ、気がつけば、後味の良くない夢の後]
……最悪だな。
[小さく呟き、身体を起こす。
まともに食べていないせいか、さすがに身体はバテ気味で。
それもあってか、何となく外に出る気になれず──ピアノの側により、一つ、二つ、音色を紡ぎだした]
……だったらあの爺喰らえば良い。
俺らの安寧をぶち壊してくれた、自警団の爺をな。
[不意に声を紡ぐ]
あの爺は何かに感付いてる。
うろちょろさせたままは拙い。
そりゃまぁ、俺ガッコもきちんと行ってねーし。考えるの苦手だから、こーやって稼いでるんだもん。
…あ、ニンジンとったなー!
[ぽつりとつぶやかれた言葉に、口を尖らせて反応していれば、ニンジンを取られた事にさらに頬を膨らます]
ま、そーだよね。見た目とか、そういうのじゃわかんないから、なかなか見つからないんだろうけど…
けど、御伽噺なんかだと、退治しちゃったお話なんかもおおいよね。あれ、どうやって見つけたんだっけ?兄ちゃん、覚えてる?
[昔聞いた御伽噺を思い出すように、首をひねりつつ]
[落としたナイフは片足で遠くへと蹴り飛ばし。
首を傾げるミリィを胸に抱きこんだ]
貴女の名前もありましたから、どうしても気になって。
大丈夫です。まだ一人ではありませんよ。
[そっと頭を撫でる]
だから自分で自分を傷つけるようなことはしないでください。
手を傷つけてしまっては、新しい絵を描くこともできませんよ。
[落ち着かせるように何度も何度も繰り返して]
……すみません。
─昼過ぎ・工房自室─
[ふ、と瞳を開ける。
意識の浮上。
ぼけーっとした様子で天井を見つめた]
……仕事……。
居て良いって言ってくれたんだ。
それだけでも、しねぇと。
[徐々に頭が働いてくる。
昨日言われたことが再び頭を掠めたが、出来るだけ考えないようにして。
技師の心遣いに報いようと、起き上がり作業場へと向かった]
[紡ぎだす音色はやがて、以前創った小夜曲へ。
一頻り、奏でられた後、ぴたり、と止まる]
さて。
……どうするか。
[呟きの後、視線が向くのは机の片隅に置かれた箱。
しばし睨むようにそれを見た後、緑の瞳は再び鍵盤へと向く。
しばしの沈黙]
……多少なりとも、何か、食べるか。
[今、出来そうな事で思いつくのは、体力を落とさない事。
倒れてしまっては、目も当てられない。
そんな考えから、取りあえず部屋を出ようとドアを開けて]
……ん?
[部屋の前、慎ましく置かれたそれに、気がついた]
お。
人参は嫌いじゃなかったか、偉い偉い。
[文句に対しては済まなさそうな様子もなく、軽くティルの頭を叩く]
ん? ――あぁ。
何処まで本当か、眉唾ものだけどね。
[それを言ったら、人狼の存在すら怪しいけど。
肩を竦めつつそう前置きしてから、行儀悪く、傍の机に腰掛けた]
生けるものを視る者、
死せるものの声を聴く者。
真実を識る事を出来る人間が居る。
そういう話は、年寄り連中が好きだったっけね。
獣の牙に対抗し得る、護り手の英雄譚だとかも。
[緩く、首を傾ける。青が揺れて、耳許の白金が僅か覗いた]
それは、確かに。
人前で崩れるわけにはいきません。
[ゲイトの囁きには苦虫を噛み潰したように答える。もう諦めたつもりでも、その一線を越えるのにはもう一段の覚悟が要る]
自衛団長を?
確かにこれ以上何か言われたりされたりするのは。
[そう、耐え切れなくなってしまう前に]
食らいましょうか。
[最後の返しは、酷く機械的に]
!?
[頭が混乱する。
どうして、私の手からナイフが無くなったんだろう?
どうして、先生が此処にいるんだろう?
どうして、両親はいなくなったのだろう?
どうして、絵は完成していないのだろう?
どうして、先生に抱きしめられているのだろう?
どうして―――心があったかいんだろう]
……せん…せ……。
[ゆっくりと、壊れかけていた心が修復される。
ゆっくりと、目の焦点があってくる。
ゆっくりと、涙が溢れてくる。
ゆっくりと、大切な人に抱きしめられて安堵してくる]
……先生……。
[ゆっくりと、今までのような笑みを浮かべ、そして、緊張の糸が途切れて、心が闇に閉ざされていき、ミリィは気を失った]
ユーディ、か。
[ふ、と、掠めるのは笑み。ここにいるのが自分とユーディットだけである以上、これを準備したのは彼女以外には考えられず]
……しっかりしないと、な。
[小さな呟きの後、トレイを持って部屋に戻り、窓を開ける。
風の感触は、変わらない。
それに微かな安堵を覚えつつ、ゆっくりと用意された食事をとり始めた]
[作業場では既に技師が作業を始めていて。
自分の作業場には小粒の原石が山のように置かれていた。
これだけあれば、何も考えずに作業し続けられるだろうか。
そんなことを考えながら、原石の研磨を開始した]
─現在─
[日も暮れ作業が終わり。
相も変わらず技師は晩飯の調達を頼んでくる。
いつものように晩飯の代金を持ち、工房を出た]
[技師が工房へと置き続けていることが、監視でもあるという事は果たして気付いているのか否か]
ああ、喰らうが良い。
自警団の爺だけじゃない。
──邪魔する奴らは皆喰らってしまえば良い──
[続く言葉は楽しげな色が含まれた]
─回想─
一人、二人と宿から村人達が解放されていく。
そして残される自分。容疑者として残された自分。
─どういう理由で俺が容疑者なんだ?
─答える必要は無い。
─そんなもん納得できるわけが無いだろう。
─納得してもらう必要も無い。
少しでも騒ぎのヒントが得られるかと思ったが自警団からは突き放す返答ばかり。問うた事で判った事は何一つ無く。ただ一つ判った、もしくは想像できるのは。
「こりゃ俺ら(容疑者)に対しては『何でもあり』で対応なさるって事だろな」という事のみで。
「何でもあり」で頭に浮かぶのは「監禁」「拷問」もしくは…。
[食事を済ませた後は、一応、書きかけの譜面を広げては見るけれど。
しかし、どうにも落ち着かず、結局作曲は投げ出した]
……とはいえ、散歩に出れる状態でもなし……。
[そんな思いから、結局。
部屋に篭ったまま、自分の曲、人の曲を問わず、思いつくままにピアノを引き続けて時間を過ごす事となっていた。
その間、色々と浮かぶ考えはあるものの、しかし、形としては定まらず。
合間合間に、ため息が落ちるのは、避けられなかった]
― 昨夜・書斎 ―
[扉と窓だけを避けるよう、壁際に本棚が並べられている。加えて床には本の塔が幾つも出来ていて、崩れたらしい山もあるため足の踏み場はほとんどない。棚や塔やらのあちらこちらには何かと書き殴られた紙が無造作に貼り付けられている。そんな雑然とした部屋の中央、ぽつりと置かれた机に向かっていた]
……。
[窓から差し込む月明かりだけが照らす薄暗い室内。机上に広げたノートを見下ろし]
[軽く頭を叩かれて]
好き嫌いなんていえる立場じゃねーからなあ。
[気がつけば皿は空っぽになっていた。
フォークを皿に置き、軽く手を合わせ、ごちそうさまと言って、席を立つ]
そっかー。いたいた。『占い師』とか、なんか色々いたような気がするなあ。
…人狼がいれば、そんな人たちもいるのかな?いれば簡単に俺たちの容疑も晴れそうな気がするんだけどな。
[笑いながら、ゆっくりとドアの方に歩き出す]
女将さん、アーベル兄ちゃん、ごっそーさまでした。とりあえず、家に帰るよ。
かぶりを振って頭に浮かんだモノを追い出そうとする。けれどもそれは頭というよりは、身体のどこかにあるかもわからない「心」にしっかりとしがみついたまま。
ともあれ、このままでは埒もあかず。
─家に戻るのは構わないのか。病気のお袋が俺を待ってんだ。
─…。
返答は無く。ただ制止もされない。
無言で宿の戸を開き、早足で家へと向かう。
自警団に誘導されて村から出て行く人々の幾人かが自分を指差し、何事か呟いていた。
それはある意味見慣れた情景ではあって。
それらを無視して家へとたどり着いてみれば。
目に飛び込んできたのは立つのもやっとの母親を無理やり歩かせる自警団の姿。
そういう力を持つ奴等が逆に人狼を引き寄せるんだ――
なんて話もあるし、必ずしも、善い方向に使うとも限らない。
他者を信じず、自力で何とかするんだね。
[薄く笑みを浮かべ、ティルが立ち上がるのに合わせて床に降り立つ]
狼に食べられないよう、
お子様は、早く帰って寝るといい。
[空になった食器を手にして、奥へと引っ込む。
入れ違いに出て来た女将の複雑そうな表情は、*果たして見ていたか*]
はい、ここにいますよ。
今は少しでもお休みなさい。
[微笑みながらその身体を支え。
意識が途切れたところで抱き上げ寝台へと運ぶ。
靴を脱がせ、胸元を緩めて上から布団を掛ける]
…今夜は離れない方が良さそうですね。
[良くも悪くも勝手知ったる他人の家。
救急箱を持ち出して、浅く傷ついた場所の手当てをし。
少し離れた場所に椅子を置くと、いつ目を覚ましても良いように一晩中待機していた]
─自警団の一人に掴みかかるも、瞬く間に数人に押さえ込まれる。殺気立った自警団達の怒声。
─その中に混じって、細く小さく震えていて。それでもしっかりと聞こえる母親の声。
「あたしは大丈夫だから。
あんたは狼なんかじゃない。
だから、あんたも大丈夫だから」
─連れていかれる母親。
─取り押さえる自警団達に「もう暴れない」と告げて立ち上がり、その後姿に手を振った。
─自分が泣いていたのに気づいたのはもう暫くしてからだった。
はは、狼が現れたら、石でもぶん投げて逃げることにするよ。
[冗談のように笑い]
うん。それじゃ、おやすみなさいー
[軽く手を振って、宿を出て行く。女将の表情にも気がつかずに。
夜道の中へ*消えていった*]
[昨日、一昨日と同じように日常に起こる家の用を手早く済ませると(何があっても家事は必要なのだ。例え人狼容疑がかかろうとも)、ちょっと迷った後、エーリッヒの部屋のドアをノックした。部屋から漏れ出るピアノの音で、起きているのは判っていたし、部屋の前に立てばトレイが無くなっていたので、朝食に口をつけたことも判った(ユーディットはちょっと胸を撫で下ろした)。]
エーリッヒ様。
あの、私、これから酒場の方に出かけてみます。
昨日のあれだけでは情報があまりに少ないですし、……昨夜、皆何事もなかったか確かめないといけませんし。
あの場所なら、容疑のかかった人たちの今の様子が少しは判ると思うんです。
エーリッヒ様はどうなさいますか?
[ドアの外から、落ち着いた声で話しかける。]
邪魔する奴らは皆喰らう。
[淡々と繰り返す。
それはじわりと彼の中に沁み込んでゆく]
嗚呼。
そうすればこれは終わるのだった。
[熱に浮かされたように囁く]
─現在─
母親の居ない今、この家にいる意味もなく。
宿に戻るか、他の容疑者とされた村人達と接触するのも手かもしれないと考えながら。
頭の別のところでは、ぼんやりと母親に捧げる詩を考えていた。この騒ぎが終わったら、伝えられるように。
歩いては立ち止まりメモを取り出して言葉を綴る。
綴った言葉をグシグシとペンで消してはまた歩く。
それを繰り返すうち、気がつけばもう宿の前。
ため息とともにメモを閉じ、口からこぼれた言葉といえば。
「ああ、やっぱり俺には向いてねえなあ」
[ドアの向こうから聞こえてきた声に、一つ瞬いて、手を止める]
出かける……って、それは構いやしないが。
[昨夜、帰途に向けられた周囲の視線を思い出す。
村生まれの自分にも向けられていた畏怖。
村の内でもこうなのだから、余所から来た者に対してどうなるか、と。
考えたのは、そんな事]
……なら、俺も行くよ。
昨夜はまともに話、聞けなかったし。
知り合い連中、気になるしね。
[がり、と。ペンで引っ掻くようにして空の頁に文字を綴っていく。怪奇話の続きから、時折、妄言じみた呪術か何かのような文字列が混ざり。確かな意味のとれないそれは段々とただ絡まった線になり、塗り潰しになって]
崩れたるは塔か?
否か! 塔ならばそれは結構。怯え畏れねばならない。
塔でないならばそれも結構。――変容の違いだ!
[自問らしき言葉を零す。そんな事を繰り返し、気付けば室内を明るい陽が照らし始めていた]
そうさ。
邪魔者さえ居なくなれば。
[ロストを唆すように。
そして己を昂ぶらせるように。
常では抑え込んでいた享楽の感情が浮上する]
……宴の始まりだ。
狂乱渦巻く惨劇の宴。
ああ……久々の気分だ。
ふ、はは、ははははは!
[狂気に浮かされ高らかな笑い声を響かせた]
-娼館・自室-
[目が覚めてから暫くは、娼館の掃除やら、いつもの日課をこなして過ごす。それくらいは、女将からも許された。
時折姉さんたちから感じる視線は冷たかったが、何時もと大差ないと思って表向きは普通に過ごす。
粗方仕事を片付けた後で、再び自室に篭る。
そしてテーブルの隅に置かれていた小箱を開け、薬をとり飲んだ。今は、痛み止めだけを。
小箱の中には他にも幾つかの、古い小瓶に入った何かが収められていたが、それには一瞥しただけで、再び箱をしまう。]
…人狼。
[ぽつりと、呟いて。
小袋の中身―親指ほどの大きさのブラックオパールを手に握った。]
はい、わかりました。では一緒に参りましょう。
ええと、お支度が終わりましたら玄関まで来てください。
[部屋の内から聞こえる声にそう返して、見えるわけもないのにぴょこんとお辞儀をしてその場を去る。
エーリッヒが部屋から出る頃には、玄関先で花の様子をしげしげと見ながら彼を待つ、ユーディットの姿があることだろう。]
さ、行きましょうか。
[エーリッヒの姿を認めれば、そう言って酒場への道を共に歩き出すだろう。]
エウリノ…。
[高らかとワラうエウリノを、じっと見つめていた。
ユリアンと違う事への戸惑いと。
彼こそが人狼であるという確信と。
それに対する、歓喜が。
その内側に渦を作っていた。]
―――。
[深い眠りから覚め、目を開けてみると、そこはいつものような天井が見えた。
少しだけ頭が重い。
今、何時くらいだろうと、窓の外を見ようとすると、傍らにオトフリートがいるのが目に入った]
……先生?
どうしたんですか?こんなところで?
あ。もしかして、夜這い?
いけません!私には、10を頭に2人の子供が!
―――なんて言ってみたり。
[笑みを浮かべながら、ぺろりと舌を出す。
その様子は、いつもの通りであり―――いつもの通りではない。
今まで、オトフリートの前ではまともに話せなくなっていたのが、普通に話せるようになっている。
それは良い変化なのか、悪い変化なのか。今はまだ、誰にも分からない]
[ふらり、宿屋へ向かうために広場へと足を踏み入れる。
ちらほら村人も居たが、こちらに向けられるのは不安げな、憎らしげな視線。
気にしない素振りをしながらも歩を進める。
時折、見回り中らしき自警団の一団とすれ違ったりもした。
もちろん向けられる視線は疑わしげなもの]
…………。
[常のやる気なさげな様相で視線を返す。
自警団の視線はこちらから外れず、広場を歩く間ずっとそれは付きまとった]
ああ、わかった。ちょっと待っててくれ。
[最後に向けられた声に返し、鍵盤の蓋を閉じる。
身支度を整え、窓を閉め。
譜面を片付けるついでに、先ほども見ていた箱にまた、視線を]
…………。
[微か、逡巡するような気配。
右手が銀色の箱の蓋を軽く撫で、結局、離れる]
……俺には。ないし。
[低い呟きの後、部屋を出る。
玄関で待つユーディットが、先日持ち帰った花を見ている様子に、ふと笑みが零れた]
気に入ってもらえたなら、何より、かな?
[冗談めかした言葉を投げつつ、酒場へ向けて歩き出す]
[それは父の形見であり、伝えられていたものの一つだった。
大切な、その時がくるまで大切にと、父に重々言いくるめられていたもの。
それを使うのは今だった。
だけど果たして信じてもらえるか。
異能者は忌み嫌われるから隠れていなさいと。
それも、父がのこした言伝。
だけど。]
今が、父さんが言っていた『その時』、なんだよね…きっと。
[ぽつと呟いて、黒くそして鮮やかに光るオパールを手に握り、部屋を出た。
女将に断りをいれて、外へと。]
――はふ。
[欠伸を噛み殺したアーベルの足元で、白猫が大口を開ける。
人気の少ない酒場の前、箒の上に手を乗せて、更に顎を乗せるという、何ともやる気のない格好で、彼は其処にいた。
一応は掃除の途中ではあるものの、時折通りすがる人々の視線が煩わしい]
……暇だねえ。楽だけど。
/*
てめぇでやっててなんなんですが。
こいつって、なんつーか色々とあれ(どれ)ですよね。
そして、未だに起きるこの誤字に、俺は突っ込みいれるべきなんでしょうか。
自警団違う、自衛団wwwwww
…気分悪…。
俺が何したってんだ。
[容疑者として名を挙げられただけでこの対応。
気分が良い訳が無い。
苛々が募り、宿屋の扉を開ける勢いがつきすぎて、大きな音が立つ。
やべ、と思ったが後の祭り。
宿屋の女将に怯えた視線を向けられた]
[笑顔を見せるエーリッヒに、こくりと素直に頷き笑った。]
ええ、エーリッヒ様が下さった大切な大切な花ですからね。
気に入るどころの話じゃありません。
[と、こちらも冗談めかして返し。
酒場への道のりをゆっくりと歩き出す。
途中、通りすがる人々の視線は気にしない。気にならない。
視線だけでは人は死なない。]
……そういえばエーリッヒ様。
[道中、ふと思い出した、といった調子で切り出す。]
昨日はああ言ってくださいましたけど、私が人狼なんじゃないか、とか、正直不安になりません?
[小首を傾げて、柔らかな表情で尋ねる。]
― 現在 ―
[どれほどの時が経ったか、そのうちに書斎を出、そのまま外へと向かう。片手には筆入れやノートや紙を十字に縛った物。ゆらりと、ぶつぶつと呟きながら歩く彼女を、いつもより疎らに見える村人達はいつもと同じに避けて通る。よく見ればその視線が普段の困惑や嫌悪とはまた違った、恐怖や好奇を帯びていた事がわかっただろうが。
それに別段注意を向ける事もなく、彼女の足は広場の方へと]
[サボりながらも丁度横側まで到達していた所為もあり、来店客に気付いたのは、扉を開く大袈裟な音によって。昨日の今日、村人が討ち入りに来たということはないだろうと思いながら、表の扉に回る]
……なぁに、やってんの。
[容疑者の一人――ユリアンの姿に、呆れ混じりの声が出た]
[バツが悪そうに宿屋の中に入ろうとしたところで、呆れたような声が聞こえた]
……ちっと苛ついてた。
[すまん、と簡潔に謝る]
[返された言葉には、それなら良かった、と笑む。
周囲から投げかけられる視線は、こちらも気にした様子はなく]
……その質問は、そのまま返してみたい所ではあるんだけれど。
[投げかけられた問いに、最初に口にするのは、こんな言葉]
疑いだしたら、きりがないっていうのもあるから、ね。
そういう考えは、今は、持たないようにしてる。
まあ……信じたい気持ちもあるし……ね。
[村人の目が何時もより厳しいのは仕方ないことで。
視線を避けるように小走りに、広場を通って宿の方へと向かう。]
あ…。
[途中でブリジットに会い、遠くからだが小さく会釈した。
そういえばこの人も名を呼ばれていたと、思い返しながら。]
信じたいというか。
疑いたくないというか。
……人狼というものの存在を認めたくないだけなのかも、知れない、けれど。
そ。
まあ、仕方ないか。
[厭な話ではあるが、今となっては同じ境遇の者。
向けられる視線などは、容易に想像がついた]
実力行使に出ないだけ、マシだけどね。
そのうち、後ろから刺されても可笑しくなさそうだ。
[肩上に箒を乗せて、両手を引っ掛ける。
白猫は事態をまるで知らぬ様子で、暢気に毛づくろいをしていた]
おはようございます。
[目を覚ましたミリィに、窓の外を見ていた顔を向けた。
その言葉を使うには外れた時間だったが、穏やかな挨拶を送る]
おや、随分と信用がありませんね。
7つの時のお子様に怒られるようなことはしていませんよ?
[普通に会話をしてくれることが嬉しかった。
そして同時に少し不安だった]
お腹、すいていませんか。
[夜が明けて、長時間は離れないようにしながら何度か部屋を離れた。ミリィがまともに食事をしていないことにも気付いている]
……実力行使って、周りの連中が?
ユーディットが、何かが起きない限りは何もしてこないんじゃ、って言ってたけど。
刺されるような状況にはなって欲しかないね。
[小さく肩を竦めてカウンターへと近付いた。
いつものセットを頼み、テーブル席へと着く]
……そうですか。
[エーリッヒの答えに、ひとつ頷く。]
ああ。私は、エーリッヒ様を疑ってますよ。
というより、疑わないといけないと思ってる……というのが適切なんでしょうか。
これは皆に対してそうなんですけれどね。
[ちょっとだけ笑う。言葉の重さとは裏腹に、口調は軽く、和やか。]
疑わないと、って思ってる割に、頭は言うこと聞いてくれなかったりするのが困ったところです。
信じる気持ちって、コントロールし難いものなんですね。
昨晩一生懸命考えてよく判りました。
[エーリッヒの最後の台詞には、ありがとうございます、とお礼を言い。
そろそろ酒場が見える頃だろうか。]
[広場に着き、イレーネに気付けば呟くのを止めてひらりと大きく手を振り]
やあ、元気かい。憂鬱かね。それもまた自然。
星が落ちてこない限りはね。
星が落ちてきたなら……
落ちてきたならば。
慄然だよ、諸君!
憂鬱はすなわち終末ではないという事だ!
よきかな、しかし、落ちてきたなら……
嗚呼、恐ろしくて仕方がない。
[イレーネに向けてか、周囲に向けてか――無論周囲が聞くわけもないのだが――はっとしたように語り。最後は独り言のように言ってから、宿屋へ歩いていき、その戸を叩いた]
[オトフリートの言葉に、ミリィが微笑む]
私としては、夜這いに来てもらっても、別にいいんですけどね?
ま。先生がそんな人じゃないってことは、重々承知してますから。
そんな人だから……昨日、私を救いに来てくれた。
[少しだけ目を伏せる]
……ある程度は覚えているんだ。昨日の事。
自分の弱さに、嫌になっちゃう。
あ。ちゃんとお礼言ってなかったよね。
ありがとう。先生。
[ベッドの上でぺこりと頭を下げた]
お腹は、空いてない、かな。
あまり、食欲無いんだ。
逆を言えば、何かが起きたら――?
[それ以上を口にすることはなく。
扉の傍の壁に背を凭れつつ、注文を受け、そそくさと厨房に向かう女将を見る]
何か起きたら面倒だけれど、
何も起きなかったら、どうする気なんだろうね。
あるものをあると証明する以上に、
ないものをないと証明するなんて難しいのに。
このままじゃ交易だってままならない、先細りするのがオチだ。
[実際に見ていないものの、厳重な閉鎖の話は聞いている。旅人が寄り付くはずもなかった]
[大きく手を振られれば、一瞬きょんとして、その後で慌てたようにもう一度小さな会釈を返す。
そのせいなのか何なのか、何時もは怖くてあまり内容を聞かないブリジットの声と語られる言葉が、今日はやけに耳に残った。
空を見上げる。星は今日も変わらず綺麗で。]
憂鬱でいられる間は、終わりじゃない…。
[何度か瞬いて見上げた後、小さく溜息をついて、ブリジットの少し後に宿の中へと。]
お邪魔しよう。そう、この戸には血は塗られていない。
子羊の血は見えないのだよ。
それが不偏で普遍であり、何より不変であるかはわからないが。
ああ、お邪魔しよう。
今晩は、諸君。
ブリジット=フリーゲがお邪魔するよ。
[戸を少しく見上げていたが、アーベルの声と前後したか、そのうちにイレーネに先んじて中へと入り]
……それなりの対処が成されるんだろ。
[問いにも似たアーベルの言葉には端的に返して。
何を意味するかは理解しているが、はっきりと口にするのは憚られた]
…「間違いでした」では済まないんだろうな。
確信があるから、こんな対処をしてる。
何も起きなかった場合は。
──……容疑者を全員消しちまえば良いって腹なんじゃねぇの。
[誰が人狼か分からずとも、容疑者として挙がった者の中にそれが居ることは確実のようで。
そうでなくば名指しもすまい。
村からしてみれば、それが一番確実でもあった]
……まあ、そうだろうね。
[疑わないと、という言葉に掠めるのは苦笑]
それでも、そうしたくない気持ちが働くのは、仕方ないさ。
誰だって、親しいものを疑いたくはないだろうし。
[呟くような言葉は、どことなく他人事めいた響きを帯びて。
礼の言葉には軽く、肩を竦め]
現実的な話をすると、君がいないと家の中が片付かない、というのもある。
そういう意味でも、あんまり疑いたくはない、かな?
[冗談めかした言葉はどこまで真意か、それは読み取れず。
歩みはやがて、酒場の前へと]
私はいつも手助けをするだけですよ。
ミリィの強さが、ミリィの命を救ったのです。
[ゆるく頭を振る]
…忘れさせてさしあげたいですが、そうもいかない事態ですね。
昨夜聞いた限りでは、宿で今後を相談することになりそうでした。
それに何か少しでも口にしておかないと、暑い盛りに体力がもちません。どうしても無理そうならやめておきますが、大丈夫だったら顔を出しておきませんか?
イレーネたちも心配するでしょうし。
……ある意味では。
何かが起きた方が幸運なのかもね。
事実を目にすれば、人間は行動を起こせる。
理性を打ち負かす本能に従って。
そして、為す事に対して“正当な”理由をつけられる。
[為す事。それが何か。本来ならば、罪とされる事。
開く扉からは、一歩分、横に離れた。
通る声の主はわざわざ見ずとも明白で]
いらっしゃい、先生。
[宿の中へ、小さくお辞儀して入ると、ユリアンの姿を見つけて心底ほっとした様子で傍に近づいた。
ユリアンとアーベルとの会話は、終わりの方
「容疑者全員を消す」
そこからが耳に入り、少し固まる。
困惑したように、二人を見上げ。
何か物言いたげに口を開きかけるも声にはならず。]
イレーネもいらっしゃい。
[少女の問いたげな様子は察しながらも、此方からは何も言わない。
先程までの重たい会話も嘘のような、普段通りの口調だった]
好きな席に座るといい、今日は選び放題だから。
今日だけじゃなくて、暫くになるかもしれないけど。
[オトフリートの言葉に、ミリィが力無く首を振った]
ううん。
私は弱いよ。
弱いから、人に頼ってばっかりいる。
人に頼ってばっかりだから、弱くなる。
イレーネや、ティルのように、一人で生きていける強さは、私には、無い。
だから、それを隠したくて、知られたくなくて、いつも色んなことを考え込むの。
勉強とか、絵とか……恋とか。
色んなことを考えてれば、それに気づかなくて済むから。
[続く言葉には、少しだけ口元を引き締めて、頷いた]
うん。分かった。
行こう。宿に。
その時には、きっといつものような私に戻ってみせるから。
大丈夫。みんないるから、私は私でいれる。
……先生?乙女の秘密、誰にも言っちゃ嫌だよ?
おや? 違和感、違和感。
何だね。何か妙な気がするが……
嗚呼、そうだ。私はフリーゲではない、フレーゲだよ。
誰だね、私の名前を間違えたのは?
[数日前言ったのとほとんど同じ事を言って]
お邪魔しよう。
早速話し合いでもしていたかい。していないかね。
どちらもまた不可思議ではないがね。
[冗談のよう口にしながら、少し奥にいった辺り、適当な席へと就き]
誰だって。ええ、そういうものなんでしょうね。
[他人事のように話すエーリッヒの口調に、一瞬だけその目を盗み見たが、判ることは何もなく。]
あら……じゃあエーリッヒ様から疑われないために、お仕事ますます頑張らないと、ですね。
[くすり、と声に出して笑う。
エーリッヒの前に立って、酒場の扉を開けた。]
やっぱり、皆ここに来るんですね。
[先に集まっていた面子に、こんにちは、と挨拶する。]
起きた方を幸運と思うか、起きないことを幸運と思うか。
どう感じるかは人によって変わりそうだな。
…為すべきことが見つかるなら、起きた方が良いかもしれないとは思うけど。
[紡いだ言葉はどこか歯切れが悪く。
何が起きるかを考えると、悪い方向にしか考えが向かないために。
そんな会話をしながら開いた扉に視線をやった。
相変わらず声高に言葉を発しながら入ってくるブリジットと、その後ろから歩いて来るイレーネの姿。
その姿を見ると僅かに雰囲気が和らいだ。
しかしイレーネは困惑したようにこちらを見てくる]
…イレーネ、どうした?
[笑う声に、期待してるよ、と軽く返し。
ユーディットに続いて扉をくぐり、中へと入る]
……や、どうも。
皆さん、お集まりのようで。
[場にいる面々に投げかけるのは、いつもと変わらぬ口調の挨拶]
頼ることがいけないわけではありません。
もっと自分のことも信じてあげてください。
[ぽむりと軽くミリィの頭に手を乗せて]
それに。人は誰しも一人だけでは生きられません。
一人で何でも解決しようと思うと、思わぬ失敗をするものですよ。
残念ながら、丁度今、集まり始めたところでして。
話し合うにせよ、フレーゲ先生のように、
博識な方がいらっしゃらなければ、
それもまた無意味なものであったでしょうが。
[相変わらずというべきか、ブリジットに対して投げる言葉は回りくどく、些か――どころではなく、芝居がかったもの]
そう言えば。予知夢の正体とは、これでしたか。
[宿の扉を開け中へと入る。中の空気がざわついているのは容疑者の自分が来たからなのか、それとも別の理由からか]
…よぉ。
[目に付くのは、何人かの知った顔で。どう声をかけるのがふさわしいのか分からないまま、小さくそれだけを呟いた]
それなら良かった。
いつもの笑顔が見れると、私も嬉しいです。
はい、二人だけの秘密ですね。
大丈夫です、医者は口が堅くなくては務まらないんですよ。
[笑いながら頷いて、二人並んで酒場へと向かった]
ま。考えたって解らないし、人間から事も起こせない。
起こる出来事を待ち受け、踊らされるしかないのかもね。
[ユリアンへは、一転、気楽な口調で言った。その内容に沿うものではなかったが。
次いで現れたエーリッヒとユーディットへは、軽く手を挙げて]
や、おふたりさん。
ユーディット、厨房空いてるけど作ってく?
[場に合わない提案をして、くつりと笑んだ]
あ、はい…。
[アーベルの変わらない口調に押されたのか、こくりと頷いて。いつも通りユリアンの隣に座った。
言った通り、店に何時もの賑わいはなく。
その原因のことを思うと少し俯いたが。
ユリアンに名を呼ばれれば、顔を上げ。]
…あの、ね。
[手にはぎゅっと、黒い宝石が握られたまま。]
……ん。
[後から入ってきた気配と力のない声に、そちらを振り返る]
や、どうも。
[挨拶を返しつつ、いつになく力のなく見えるハインリヒの様子に僅かに眉を寄せ]
何か……ありましたか?
[更にやってくる”容疑者”の面々を見れば、座ったままで会釈を返して]
[やや後に注文していたセットが出来上がり、テーブルへと運ばれてきた。
周りの雰囲気を気にすることも無く、料理に手をつけ始める]
どうも、バウムさん。
普段通りにしてていいよ。
この状況で、他の客もそうそう来ないから。
[ハインリヒに告げ、ようやく壁から身を起こすと、何か飲むかと周囲に訊ねる。無論、無料奉仕の心算はさらさらない]
[最悪の末路は、何も言わせず、言わせられずに強制される11人全員の死。
それは、嫌だった。死なせたく、なかった。
それは心からの。]
…見分ける方法があれば、いいんだよね。
[躊躇いがちに見上げて。
一つ息をついて、口を開いた。]
[ミリィと共に居る時はこちらの感覚からどこか離れていて。
まだ自分が人間であるような、そんな錯覚を覚えてもいた]
昨晩は何事もなかった?
[イレーネ、ユリアン、アーベルが集う方に近づき、真面目な顔で問う。
つい、と首を店の奥に向け、]
ブリジットさんも……大丈夫みたいね。
[確認するように呟く。
背後からかけられた低い声には、驚いたように振り返った。]
ハインリヒさん。
ああ、貴方も容疑者……でしたね。
……大丈夫ですか?
[元気がなさそうですが、と言い掛けて、その理由は判りきっていることに思い当たり、飲み込む。]
私、わかるの。
人狼と、そうじゃない人が。
父さんが、私達はそういう事が出来る家系だって。
おしえて、くれて。
「その時が来れば、生者の真実の姿を見抜く目が与えられる」って。
だから。その。
[言いながら、微かに震えていた。
それは緊張の為か、それとも恐怖の為か。
それとも他の何かの為か。]
……。
[オトフリートの手が頭に触れていて、あったかい。
ミリィがにへら、と笑う
少しだけ、このまま時間が止まればいいと思った]
……やっぱ、先生優しいな。
[ぽつりと呟く。
私はこの人を好きになれてよかったと、心から思った。
そして、幸せな一時は終わりを告げ、時計の針は動き始める]
[エーリッヒの言葉を受け止めた後、きょとんとした顔をして]
…さあてな。何が起きてるかはしらねーが。
これから何が起きるかと思うと…な。
[そういいながら苦笑して。ペンでコリコリと頭を掻いた]
[と、アーベルの提案が耳に届き。]
お手伝いが必要なら喜んで。
……と言いたいけど、ええと、いつものお店の味とは大分違ったものができるけどそれでも平気?
[からかわれている(?)ことには気付かず、大真面目な顔で返す。]
やあ、今日は。皆集まってきたようだ。
話し合うとすると丁度良い事だ。そうは思わないかい。
話し合わないとしても悪くはない。
集まっていれば更なる変容は起こり難くなる。
尤も!
異形が理気的な存在と確信できればだが。
[比較的まともといえるかもしれない事を、それでも迂遠さはある話し方で述べてから]
そう、議会には頭が必要だ。
そして――そう、黒き影の本質とはこれの事だったのだよ!
ああ、恐ろしき異形!
[アーベルに向かい、叫ぶように]
[自分のついた嘘に、震えた。
これから欺かねつづけねばならない。
守る為に。疑心の種をまくために。
使えるべき主人の為に。
混沌を。
撒き散らす。]
[宿の扉を開け放つと、開口一番]
やっほー!
みんな元気ー!?
[と、言いながら、手をしゅぴっと上げる]
人狼騒ぎの、容疑者になったからってしけた面してんじゃないわよ?
心だけはハッピーハッピー!
ふさぎこんで、好転するようなことは何も無いんだからね!
…今は座して待つ、か。
仕方ないのかもしれないな。
[アーベルの返答には同意の念を向ける。
事実、今何か為すことが浮かぶわけでもなく。
変化を待つしかない。
隣に座るイレーネを見つめ、紡ごうとする言葉に耳を傾ける]
……イレーネ、それ、本当に……?
[告げられた言葉に、瞳を瞬かせ、驚きの表情が浮かぶ]
[夜が明けて鉱山に行けば、迎えるのは冷たい視線]
…アーベル兄ちゃんの言ってたのは、こういう事だったんだなあ。
[苦笑いをして坑道に向かおうとすれば、親分が手招きをして呼んでいる]
なぁに?
[近寄って話を聞けば、しばらくここにこないでほしいという話。
工夫たちが怖がっているので、仕事にならないと]
……
[親分の顔をじっとみては、一言]
その間の生活費、保証してくれるなら。
[その後しばらくして、数枚の紙幣を片手に、鉱山を去った]
[エーリッヒについてきたであろうユーディットには]
ああ、あのお嬢さんはいつでもあーだな。
むしろ、あのお嬢さんがまともになるよーなら、それこそマジでヤバいんだろな。
俺の方は別段問題ねーが。
[連れていかれた母親の事を思い出すが、口に出しても詮無いことで。色々聞かれるのもわずらわしく]
ま、大した話じゃねえよ。
お前らこそ大丈夫かよ?
[ここまで話して、オーダーを取り出したアーベルに向けて]
今はモノ喰う気にはならねーな…。
とりあえず、煙草ねえか。銘柄はなんでもかまわねえよ。
[胸のポケットから硬貨を取り出しアーベルにひょいと投げる]
……ぐっすり寝たよ。
徹夜した後だったしね。
[ユーディットから向けられた言葉には、返答のような、そうじゃないような言葉を返す]
好きにしていいよ?
なんたって、容疑者相手だから。
[くすくすと、小さく笑みを含んだままにユーディットに言う]
エーリ兄も、食べ慣れた味がいいかなって。
[実際には何方の回数の方が多いかなど、解りきっているが]
……まあ、先の事は、確かに。
[苦笑するハインリヒに返す表情は、やはり苦笑めいて。
ブリジットの声に、ちらり、そちらに視線を向ける]
黒い影……ね。
[呟きと共に。右手でぐ、と左の手を掴む。
その仕種は、半ば、無意識のもの]
お?
[なんか開けた扉に手ごたえがあった。
裏を見てみると、よろめくハインリヒの姿]
……何してんの、おじさん。
あぁ、分かった。
中年特有の、動機息切れってやつでしょ。
駄ー目よー?
若くないんだから、そこらへんのケアはちゃんとしないと。
恐ろしき異形――
それが人の形をした獣の存在。
……なるほど、沿ってはいますね。
[ブリジットに意識を向けるのが、エーリッヒから追及を受ける直前なのは、タイミングが良いのかわざとなのか]
神は怒れるが故に、其を遣わし給うたのか。
だとしたら、人狼は神の使徒になるわけですが。
ミリィの笑顔は、私を繋ぎ止めてくれますからね。
[繋がるとも繋がらないともいえる言葉を返したのは宿屋に着く直前だった。
賑やかに扉を開けるミリィの横から一緒に入る彼もまた、昨夜とは違ういつものような穏やかさを取り戻していた]
[ユリアンを少し潤んだ目で見つめた後、一度だけ頷いた。
言ってしまえば、重荷が取れたかのように力が抜けて。周囲の様子にもようやっと目が行くようになり。
増えていた人らに小さく、会釈した。]
[各人の身に起こっている事は、知るか否か。
いつもと変わらぬ様子からはそれを悟る事は出来ず]
――へえ。
[ただ、耳を掠めた、少女の台詞に。
不意に、青の眼がすいと細められた]
て、おや。
[勢いよく開け放たれたドアと、押されてよろめくハインリヒ。
開いた扉の向こうに立っていた姿に、短く声を上げ。
その間に、ブリジットに意識を向けたアーベルに、ち、と舌打ちしたのは言うまでもない。かも知れない]
[ゲイトが告げた言葉に、にぃ、と口端が持ち上がる気配(実際には表情に変化はないが)。
享楽の念に支配された心は、混沌を望む]
…良いぞ…。
疑念を呼び込め。
不信を撒き散らせ。
ゲイト──俺を楽しませてくれ。
[伝う意識はもはや普段のユリアンではなく。
今まで抑圧していた己の力を存分に振るえる状況であることに喜びを感じる、享楽を好む意識が支配していた]
[ミリィのコメカミを両の手の拳で押さえつけてグリグリ]
そーだーなー。
できりゃー若人には「年寄りを労わる」って言葉と「ごめんなさい」って言葉を伝授してやりたい気持ちが満載な気分だぜー?
青年 アーベルは、娼婦 イレーネ を能力(占う)の対象に選びました。
―宿屋―
[仕方なく道を歩けば、宿屋にたどり着く]
ここしか行くところ、ないんだよなぁ。
[ぽつりつぶやいて、ドアを開ける。中を見れば、見知った顔がいくつか見えて、少し安心したが。
店内をよく見れば、いつもより人の少ないの様子に、少しだけ心が寒くなる]
おや、ミリィ。私は元気か? 元気らしい。
これで丈夫なのは取り得だからね。
ミリィこそ元気そうで何よりだよ。
[入ってきたミリィに視線を向け]
塞がない。良い事じゃないか。希望していられるという事だ。
塞ぐ。それも良い事だ。そのうちは終わらずいられるのだから。
[一緒に入ってきた姿には]
医師殿も元気かい。それは結構。
あるいは塞いでいるかね。それもまた結構。
……それが本当なら。
人狼だけを処すことも可能なんじゃ。
[頷くイレーネを見て、ぽつりと言葉が漏れた]
事を起こされる前に、こちらから起こすことも可能、かも。
ふふふ。
期待させていただきますね、ゲイト。
[表ではまだ聞かない振り。
エウリノの享楽を好む意識は容易に彼のもう一面も呼び起こす]
疑心暗鬼は隙を生む。
我らを利する素晴らしい間を。
実に、楽しみです。
んぎゃあ!?
[ハインリヒにぐりぐりとされて、ミリィが大げさに騒いだ]
痛い痛い痛いってば、おじさん!
あ、あれだわさ!
年寄りをいたわるという言葉と同時に、おじさんには、若いのを可愛がるという言葉を覚えるのが必須よ!
乙女のちょっとした冗談も分からないなんて、それだから、もてないのよ!
[ぎゃーぎゃー言いながら、じたばた]
[ハインリヒの言葉に苦笑を返し、けれど否定はせず]
ん、そうですか。私たちのほうは何もないですよ。大丈夫です。
[聞こえたアーベルの返答に、くるりと向き直る。]
もう。それってまるで、私がヒトに食べられないもの作ってるみたいな言い方じゃない?
[失礼な、と腰に手を当てる。
ユリアンの返事には、頷いて。]
そっか。なら、良かったで……
[言いかけて、イレーネの言葉が耳に入る。]
イレーネ? それって、……凄いじゃない。
[ぱっと表情に光が差した。]
……賑やかだねぇ。
[ハインリヒとミリィの様子にこんな呟きをもらして]
ん、ティルも来たか。
[続けてやって来た少年に、いつもと変わらぬ様子で声をかける]
ミリィの元気さを分けていただきましたから。
[ブリジットの言葉もサラリと流す。
ティルの声に振り向いて]
ああ、ティル。昨日は失礼をしました。
不足などはありませんでしたか?
[ぐりぐりされてる中、ブリジットの言葉が聞こえてきた気がするが、痛みに負けてよく分からない]
ぶ、ブリジットさん!
今、取り込み中!
挨拶は後にして〜!
[いまだに、じたばた]
/*
どーしよーかなー。
イレーネの告白、聞かなかった事にしても面白いかなー。
[待て、守護者]
で、取りあえず。
霊は誰だ、霊はwwwww
ま、何にせよ、COラッシュはあれなんで。
俺は例によって、2日目にはっきり出るとしますか。
[ああ、と。エウリノの、ロストの声を聞き。
二人が二人であって違うものなのを知る。
表では、何時もと変わらない人が。
この赤い赤い狂乱の世界ではこんなにも。
心が、冷えて満たされてゆく。
冷たく甘く。世界に満ちる。
それに幸せを感じる自分は、もはや人であって人でないのだから。]
すべては主の心のままに…。
[深く深く、主に拝した。]
ほら、大人気ないですよ。
[最初は手を出さずに、だが自分に声を掛けても続けるのを見ればそう言ってハインリヒの肩を叩き]
ミリィもちゃんと謝りましょう。
故意でないことは良く分かっていますけれどね。
[さすがに煩くなったのか、ティルが来た事もありミリィのコメカミから手を離す]
ったく、口のへらねー嬢ちゃんだな。
その余りまくった言葉の片隅でいいから謝罪の言葉を混ぜやがれってんだ。なあ?
[と、周りに同意を求めた後で。ユーディットの言葉に気がついて]
ん?イレーネの何が凄いって?
そう都合よく、いるものかねえ。
[“占い師”と呼ばれる存在が二人、同じ場所に居る。
有り得ない話ではないだろうが。
そも、己がそう呼ばれるに相応しいのかすら、確信はない。
とは言え]
――面白そうだ。
世が塔ならば黒き影は怒りである。
塔でなくともそれは同様。
だが黒き影が本質でなく実体なら?
異形が神の遣いなら祈らねばならない。
その怒りを鎮めんがために。
異形が神の遣いでないなら?
――それも同様!
星を仰いで祈らなければ。
早く薪を用意しないと。
[アーベルに頷き、早口に言ってから荷物より筆入れを抜く。ペンを取り出しては、掌に黙々と何か細かい文字を書き始め]
[けれど思う事があるのか、不意に沈黙を落として、口許に手を添える。
喧騒はやや遠くなるも、向き直ったユーディットの視線に顔を上げ]
――ん?
何か、言った?
[イレーネに明るい表情を向ける様を視界に留めつつ、問うた]
こんちはー。
[挨拶をして、中に入る。途中、エーリッヒには手を振って挨拶をして。
オトフリートの傍に行けば]
オト先生、昨日はご馳走さまでした。
先生も大丈夫…みたいだね。今日は顔色悪くないし。
[そして騒いでいるミリィの方をちらりとみて]
なーるほど。
[にやりとした表情で笑った]
俺達は、ゲイトが撒く種を芽吹かせないといけないな。
疑心暗鬼の隙を突いて、更に広めなければ。
──惨劇の宴を楽しむためにも。
…?…?…
[やっとのことで解放されたが、頭がぐわんぐわんする。
目がちかちかとして、星が出ているような気もする]
と、扉の近くでぼーっと、ちてるのが、わ、悪いのさね。
[ふらふらよろめく]
[ユリアンにこくりと頷く。]
うん…あ、でも。
[と、少し間をあけて。]
まだ今、見えるわけじゃないの。
いつ見えるかは、具体的には分からなくて…。
それに、見分けることが出来る人数も限られてて。
一日に、一人だけ。って。
[そう、指を折り、口伝を思い出すようにしながら口にする。]
[平和な騒がしさをあたたかく見守りつつ。
ハインリヒの問いには、簡潔に。]
イレーネさんが、人狼と人間が見分けられるって。
そういう力があるそうなんです。
[しかし、若干興奮気味に答えた。]
[騒がしくなって来た店内をぐるり見回し、人数を数え。
ふと、気にかかった事が一つ。
そしてそれを問えそうなのは、取りあえずここには一人]
……ところで、アーベル君や、一つ聞きたいんだが。
ノーラ、大丈夫なのかね。
[青年に近づき、昨日、大分ショックを受けていた様子の幼馴染の事を問いかけて]
[薪。その意味するところは何か。
掌に文字を書いていく様を、数歩離れた場所で、視界の端に留める]
イコールでなくとも、イコールに繋がる。
辿る道は違えど、向かう先は唯一。
つまりは結局、
僕らが為すべき事は一つという事でしょうかね。
[問いとも言えぬ、淡々とした言葉]
[ユーディットの笑顔に、戸惑うような照れたような、そんな顔をして俯いた。
凄くない、と言いたかったが、この状況下でこれ以上の力は無いように思えたので、何も言えぬまま。
ふとミリィの声が聞こえたので顔をあげると、何やらハインリヒと楽しそうだったので、少しだけ、ほんの少しだけ、笑った。]
なるほど、とは?
[ティルの視線を追ってミリィに辿り着き]
何を期待していますか、君は。
まあ、お邪魔すると約束していましたしね。
[僅かに早口になっていることは本人だけが気付いていない]
…イレーネに見分ける力が?
[興奮した様子のユーディットの声に、イレーネを見た]
――さあ。
[エーリッヒの問いかけに、声の温度は若干下がる。
敢えて、思考の外に置いていたことだった]
昨晩、旦那様が御迎えには来ましたがね。
疲れているみたいだったから、未だ休んでいるのかも。
…今は無理なのか…。
それでも、手段があるだけマシだ。
ずっと疑いをかけられたまま、ってのも、な。
[イレーネの説明を静かに聞いて。
光明が見えてきた、と言わんばかりの口調]
[ユーディットがハインリヒに向ける説明。
それに、視線は一瞬、イレーネの方へ]
……見分ける、力?
[小さな呟きの後、右手がまた、何かを抑えるように左の腕を軽く、掴む]
[ふと顔を上げるとティルの方を見、やあ少年、とペン先を上げて挨拶を。それからイレーネを見遣り]
御伽噺に伝わりしは、異形。
狂えしに、視えしに、聞こえしに、守りし――
果たせるかな、ざわめき。
喧騒は増して訪れん。
喧騒!
[耳と頭とを押さえて一度俯く。それからよろめいているミリィには、いつものよう]
大丈夫かい。大丈夫でないかね。それは残念。
二人とも楽しそうでよい事だ。
ん、んーにゅ?
イレーネが、どうかしたーん?
[いまだに目がぐるぐるとしてまっすぐ歩けなかったが、そのままイレーネの方向へと歩いていった……つもりが、あらぬ方向へどーん]
うひょお!?
[イスにけっつまづいて、こけた]
ん……そっか。
ま、こんな状況じゃ、気疲れもするな。
[返された言葉に、小さく息を吐く]
……あいつも、辛いっちゃ辛いんだろうな、この状況。
[ぽつり、零れた呟きが、もう一人の幼馴染の事をさすのは言うまでもなく伝わるだろうが]
[そっぽを向くユーディットに、くつりと笑う]
悪かった。
まあ、たまには余所の味を知るのもいいんじゃない?
後でいいから、手伝って貰えると嬉しい――
ちょっと、話したいこともあるから。
[後半の声は自然と潜まり、それ以降は、周囲と同じ様にイレーネへと意識を向けた。特に口も挟まず、少女の動向を一つ一つ、観察するように]
[父が、その父が、残した口伝はこの場においての必要な情報を、完璧に伝えてくれていた。
ブリジットの言葉に、狂えし―に、微か息を呑む。
知られてはいけない。
だが、確実に一人だけ、この場で私が『違う』のだと知る者が居る。
エウリノの楽しそうな声に、微か頷きながら。]
でもまずは…本物の見分ける力を持つ者を、探さなければいけませんね。
それに、守り手も。
[そう囁いた。]
……辛い、ねえ。
信じられないようなら、止めときゃ良かったのに。
[視線は動かぬ侭、エーリッヒの呟きに対して返す台詞は、突き放したよう。
本人の目の前は無論、他者の前ですら、反対する素振りなど微塵も見せずにいた。そんな言葉が漏れたのは、この状況だからだと言えた]
ノーラ?
ああ、今の彼女には特に…
[アーベルとエーリッヒの会話を拾ったところで、微妙な音が聞こえてきた]
っと、危ない!
[慌てて距離を詰め、ミリィへと伸ばした手は届くかどうか微妙な所]
中:
まぁ十中八九アーベルだろうな…<対抗
ユーディットは守護予想。
喰い順は基本狼様にお任せだけど、はてさてどうなる事やら。
真なる視えし者と、俺らに対抗しうる力を持つ守りし者か。
視えし者ならば真っ向から名乗りを上げてくる可能性があるが、守りし者を探すとなれば…少々骨だな。
まずは、皆の様子を見てみるとしよう。
[周りを見ていない振りをしながら、個々の動向を漏らすことなく知れるよう、感覚を研ぎ澄ませた]
[エーリッヒとアーベルが交わす、ノーラに関する会話に自然と注意が向く。
いつも幸せそうに、朗らかに笑っていた彼女が姿を見せないのは――寂しい、以上に、気がかりなことではあったから。
と、ふとアーベルがこちらを向く。]
うーん、まぁ、エーリッヒ様はこのお店の味の方が好みみたいだし、それは私も認めるし……作り方を教えて貰えるのは嬉しいけれど。うん、じゃあ後で……
……え?
[囁くような台詞には瞬きひとつ。
探るような視線をアーベルに向けながらも、]
……わかった。
[こくり、頷いた。]
そう、言いなさんなって。
[突き放すような物言いをするアーベルの様子に、浮かぶのは苦笑。
信じられないなら、という言葉。
直前から直後まで、色々と付き合わされた身としては色々と思う所はあるらしいが、言う事はせずに]
―自宅前の小道―
[謝罪の言葉を口にする夫へと、返す微笑みは儚げで。]
…仕方ないよ。
わたしだって…アナタが疑われたら、最後まで信じていられる自信…ないもの。
大丈夫。
ちゃんとまた、いつもの平和な暮らしに戻れるわ。
じゃ、行くね。
[離れゆく二人は、視線を合わせることもなく。
お互い、別々の方向へ歩き出す。]
[ユーディットの説明を聞いて、ペンが指からこぼれそうになる]
な…マジかよ?
マジなら最高の話じゃねえか。
サクっと俺を…いや、まあまずは女子供が先ってもんか、ここは。
[ふらふらしながら、まだ愚痴をこぼすミリィを呆れ顔で見ながら]
…こんな奴でも、まあ一応な。
ミリィ、大丈夫?
[転びかけた親友には、そう遠慮がちに尋ねる。
近づこうと思ったが、足は動かなかった。
先にオトフリートが居たから、というのもあったが。
心なしか嬉しそうにするユリアンの傍らから、離れることが出来なかった。
胸中にあるのは、怯えだろうか。
震えはないが、表情は少し翳っていた。]
[結果的に言えば、オトフリートの手は間に合わなかったと言える。
だが、オトフリートが手を伸ばしてくれたおかげで、勢い良く転ぶ真似だけはせずに済み、ケガをするようなことは無かった。
―――ただ、一箇所を除いては]
あ…たたたたた…。
[左手の甲についていた傷が開き、そこから血がにじんだ。
少しだけ、かぶってた仮面が外れる]
芽吹いた種は、より大きく育て花開かせて。
宴に添える花と成さなければ。
視る者はこれに反応するでしょう。
守る者を探すのは…少々骨が折れますか。
そこは確実に堕としておきたいところですが。
[二人の囁きに頷く気配。
表は騒いでいても多くのことを聞き落とさずに]
……店の物は壊さないように。
後、それはまだ、あまり他言して欲しくないんだけど。
そうも言っていられない状況かな。
[騒ぎの中では、届くか怪しい声。
前半はミリィ、後半はオトフリートへと向けたものだった。
姉が自ら明かそうとするまで、秘密にしておこうと思ったことだったから]
ありがと。
[ユーディットの視線を受けれど、返すのは、真意を悟らせないような笑み]
……その前に、一仕事が出来そうだけど。
[腕を組み、見やった方向は言うまでもなく]
[色は、一時としてそれを留めず、移ろい変わりゆくもの。
それは空の色も、土が生み出す虹色の石も同じ。
そう、人の心も。]
[それ故に色に魅せられ、芸術に傾倒する者達が引き寄せられると…]
遅くなってごめんなさいね、姉さん。
[こんな日にもいつものように居る姉に、勝手口から小さな謝罪。]
[ミリィに声をかけつつも傍に行こうとしないイレーネを見ると、その表情が翳りつつあることに気付く]
…………。
[不安を覚えているように見えるイレーネの肩に手を回し、そっと抱き寄せた。
人狼の正体を暴けるとなれば、イレーネの身に危険が及ぶかもしれない。
何があってもイレーネを護ろうと、そう心に*決めた*]
分かりました。
けれど負荷が掛かりやすいことはお忘れなく。
[アーベルの声には詳細までは口に出さず。
ただそう忠告だけを残して]
大丈夫ですか?
ああ、包帯巻いておいた方が良かったですかね。
[小さい傷だからと予後を考え敢えて覆わなかった。
そのせいで再び開いてしまったのを見て溜息をついた]
アーベル、救急箱を貸していただけますか?
ミリィはほら、少し落ち着いてお座りなさい。
[倒れていない方の椅子を引いてミリィを促す]
[アーベルにつられるように、派手な音がした場所へ視線が向く。
助けたのがオトフリート(=医者)なので、これ以上自分が出る幕もないな、と思いながら]
まぁ……暗くなって皆で落ち込んでいるよりはよっぽどマシじゃないかな。
[ちょっとだけ肩を竦めた。]
今まで言わなかっただけ、いいんじゃない。
[苦笑するエーリッヒには、そう言って退ける。
周囲を見渡して、やれやれと溜息を吐き出す。
何事かと気を揉んでいるだろう上の姉に説明をしようと、カウンターへと向かう。ふと、その近くにいる、ユリアンと――イレーネに顔を向けた]
本当に人狼がいるなら、
真っ先に狙われるのはイレーネだろうね。
“占い師”を護ってあげるといい、“騎士”さん。
[直後の様子を見れば、ユリアンには、言うまでもなかったろうが。
オトフリートの問いかけには、了解の代わりに手を挙げた]
…力持つ者を屠るのも大事だが、まずはあの自警団の爺だな。
さて、どう料理してやろうかね?
[もう一つの懸念を漏らし、考える気配を漂わせる。
尤も、伝えられた言葉は至極楽しげなものなので*あるが*]
……ずっと、言わずにいられれば、良かったんだろうけど、な。
[アーベルの言葉に軽く、肩を竦め。
彼の視線を辿るように、イレーネと、それからユリアンを見やる。
刹那、過ぎるのは、思案するような、何事か思い悩むような、そんな奇妙な表情]
エルザ姉、救急箱何処だっけ?
[奥に入り問いかけたところで、他者――ノーラの存在に気付く]
ノーラ姉。
ちょうど、エーリ兄が心配してたよ。
ゼーナッシェさんも。
[左手の痛みに、昨日のことがフラッシュバックされたが、それでも、気丈に微笑みながら、立ち上がった]
大丈夫だよ、先生。
こんなの、なんでも、無い。
それに、出来れば包帯は巻いて欲しくない、かな。
大きく見えるようになると、いつまでも、思い出しちゃうから……それは嫌だから。
[最後の言葉は小さく]
/*
お先に落ちまっする。
ぎゅんたん襲撃描写はどうしましょかね。
一応頭には浮かんでるんですが、入力が鳩になるのがネック。
ロストで出来そうならお任せしたいかな、と。
無理そうなら鳩で頑張ります。
為すべき……
為すべきとは何か。
[掌に文字を書くのを再開しながら、
アーベルの言葉を復唱するように]
無論。祈る事だ。
だが祈りが届かないなら? 此方から見つけねば。
見つけたなら。
……それは騒がしくなる事かい。
喧騒が進む事かね。
状態が変容する事かね。
[問いとも自答ともつかない言葉を重ね]
だとしたら、嗚呼。
やはり――凶兆!
恐ろしく……思考が思考を遮断せしか!
[叫ぶと共に肌に少しくペン先が食い込み]
ざわめくなら……
ざわめきは。
常態でありながら……
しかし、……
[それを見下ろす瞳は実質何も見ていないようで。それでもぼそぼそと呟く様は、一見普段と変わらないよう。目にしたなら多少異様を感じたさせたかも知れなかったが]
/*
>エウリノ
お疲れ様でした。明日はごゆっくり無理せぬように。
こっちは囁き狂の仕事半分は終わったのでほっとしてまs
がくがくしてたとか内緒(涙)
対抗アーベルだろー!(ちょ
襲撃描写の方はお二方どちらかにお任せしま、す。
手伝える事があるならやりますが。
とりあえず頑張ってー。
ええ、このような場を整えてくれたのです。
念入りに礼をしなければ。
[エウリノへと返しつつ、ふと視線の先の人物を注視する]
…占い師と、簡単に言葉にしましたね。
伝承にある以上、多くの人がその呼称を知っているでしょうが。
[不自然にならぬように気をつけつつ。
それでもアーベルの様子を他より注意深く窺う]
まあ…俺もちっと落ち着くとっすかな。
ああ、アーベル。
ついででかまわねーから俺の頼んだ煙草もってきてくれや。
[奥に入っていくアーベルに声をかけ、手近にあった椅子を引き寄せて席につく*]
[少し離れた場所にいたユーディットの言葉が聞こえて、ミリィが口を開く]
そう、だよ。
暗くなって落ち込んでいても、何も、良い事無いよ。
私は、笑っていたい。
だから、みんなも笑っていて欲しい。
楽しくしたほうが、いいこと思い浮かぶんだよ?話し合いをするときは出来る限り、笑ったまま話すことが大事だ。
by父さんの言葉。
―――私も、そう思う。
/*
アーベルは少し前から色々匂わせてた節はあるね。
能力者だとは思う。
後エーリッヒも。
俺が匂わせ一切してない気がするg
匂わせって実は苦手かもしれんww
[席についた後でもう一脚椅子を引き出しブリジットに声をかける]
おーい、お前も喧騒喧騒言ってねーで少し休んだらどーだ?喧騒が好きなのかもしれんが、それも静寂だの休息だのがあってこそだろ?
[様々な視線と、期待と、思惑が向けられる。
晒されるのは、慣れず苦痛だった。
それでも隣で支えてくれている人がいたから、何とかそこに立つ事が出来て。]
ユリアン、ごめんね…ありがとう。
[顔はみないまま。体をそっと、預けた。
彼の胸中は、まだ窺い知れぬままではあったが。]
あ、救急箱ならココよ。
誰か…怪我?
[取り出して、弟に渡しながら心配そうに。]
うぅん、わたしは大丈夫。
[血の気の薄い顔で、それでも心配させまいと笑顔を作る。]
分かりました。
それでも傷が悪化してはいけませんからね?
最低限の手当てだけはさせてください。
[となると血止めして軟膏を塗る程度しかできないが。
懐から取り出した布で軽く傷口を押さえた]
/*
きっと俺は自分の役職は自然と醸し出してたりしても、意図的に匂わすのが出来ない人なんだ(ぇ
村側役職だったらがっつり表に出すしなぁ…。
この辺どうにかしなきゃならんのかも。
笑って話し合える――そういう環境は、ええ。
そんな風に話し合えるといいですね。
[イレーネによる名乗りは、話し合いに光を差しそうには思えたが、ミリィの理想のままに行くだろうとは流石に考えられなかった。だから、ミリィにはそうやって曖昧な返事をかえす。]
[ふと、ブリジットの方を見遣る。
いつも通り理解に苦しむ言葉を操りながら、掌に何事か書き付けている。
目の前でミリィが怪我をしたのもあってか、そのままにしておくと、こちらも怪我をしそうな気がして。]
あの、掌じゃなくて紙に書いた方がいいんじゃないですか?
[さりとて、どう言葉を掛ければいいのか判らず、気付けば微妙に言いたいこととズレたことを言っていた。]
あーっと、了解。
[金を受け取って置きながら、来客続きにすっかり抜け落ちていた。
入る間際にハインリヒに答えて棚から買い置きの煙草を取り、ノーラから救急箱を受け取る]
ちょっとね、ミリエッタが。
ゼーナッシェさんがいるから、平気だと思うけど。
[向けられた笑顔は信用していない様子で、真っ直ぐ眼差しを向けるも、重ねて追求することはせず]
今日は客も少ないから、座ってて。
落ち着けはしない――だろうけど。
お腹の子にも、よくないでしょ。
[溜息交じりにそう言って、慌しく、店内へと引き返す。
ハインリヒには改めて謝罪を告げ、飲むなら一杯奢る、などと言いながら]
…インクが中に入ったら治りが遅くなりますよ。
そちらも手当てが必要ですか?
[ユーディットの言葉にブリジットの方を見て。
溜息混じりにそう尋ねた]
[占い師と騎士と、呼んだアーベルを振り返ったが、その姿はすぐに、ユーディットと共に奥へと消えて行く。
言われた事には頷いてよいものやら。
ユリアンを見上げると微笑んでくれただろうか。
何だか喉が渇いた。]
……ん。ああ。そうだ。実に。
そう、喧騒には大きく分けて二種類ある。
私はその片方が好きで片方が嫌いだ。
[ハインリヒの声に、は、と気付いたよう。言いながら引かれた椅子へと腰掛ける。ユーディットの言葉にも頷き、一旦ペンを紐とノートの間に挟んで]
大丈夫だ。
私は丈夫なのには定評があるのでね。
たいして深くもない。
[オトフリートの問いには首を振り。
薄く滲んだ血を腰の辺りで拭った]
/*
ちょっとだけ中身出し(ぇ
動きを作ってくださる皆様、ありがとうございます。
ここまで動けないキャラになるはずじゃ。あれぇ。
用意が不足しすぎましたか。
ちなみに臭わせで失敗したって。
もしかしてまたそこ二人なんですか?
本当にそうだったらエピで祝福のハリセン飛ばしますよw
さて、こちらはこちらで。
それこそ上手く仄めかしておけるものか。
何となくモロだしになって終わりそうな悪寒(苦笑
まあエウリノ上手だから任せていいかー(ぉぃ
[オトフリートの言葉に、仕方なさそうに、ミリィが頷いた]
……うん。そだね。
お願いします。
[イスに座り、オトフリートへ手を差し出す。
意識をすると、更に痛みが増すような気がしてきた]
……っ!
[とても、小さな傷なのに、布で抑えられるとまるで、電流が走るように痛んだ。
何か、とても大事なものが一緒に流れ出ているような気もする。
オトフリートに触れられている暖かさと共に、手が、とても熱い]
はい、救急箱。
終わったらカウンターに置いといて下さい。
[オトフリートの傍に置いて、再び踵を返そうとしたところで、彼の訊ねる先、先程、言葉を投げるままになってしまったブリジットの行動を認める。けれど、声をかけている者は他にいたから、彼女の言葉を聞くに留めておいた]
それじゃ、ユーディット。
お子様も腹減らしてるだろうし、先行ってるけど、
何時でもいいから。
[断りを入れてから、中へと戻る。
*この状況でも、普段と差して変わりはなかった*]
口伝は、異能者には特に、細かく伝えられていますしね。
[ロストの声にそう返し。
だがこの位置からでは、彼らの声は届かない。]
暗くなって、落ち込んでも、か。
[小さく反芻して、ぽん、と掴んでいた部分を叩き、手を離す。
それから、ぐるりと周囲を見回して。
周囲のやり取りから遠ざかるように軽く目を伏せ、ぼんやりと、何事か思い悩むよな様子で*黙り込み*]
うん、ありがとう。
…そうだね、わたし一人の身体じゃないんだものね。
[エプロンの上からそっと撫でる腹部は、まだ目立ちはじめる前。
けれどもそこにはちゃんと新しい命が宿っている。
落ち着ける飲み物でも出そうかと思っていたけれど、今は大人しく弟の忠告に従う事に。]
[アーベルから煙草を受け取り火をつけると大きく吸い込んでゆっくりと煙を吐き出す]
俺は、そのどっちの喧騒の中でもこうやってのんびりしてんのが好きなんだ。まあ、お前もちっと付き合えや。
[血を拭う様を見て少し顔をしかめるが滲んだ血の量から大した傷では無いと見て]
おまーが大丈夫でも、ペンが駄目になっちまうかもだろう?
[自分のペン先をフリフリと振ってみせ]
お互い商売道具なんだ。大事にしてやれや。
[と、椅子にだらしなく腰掛けたまま煙をふわりと吐き出した]
丈夫だから傷ついても良いということにはなりませんよ。
もっと気をつけてください。
[呆れたようにブリジットに言い返して。だが拒否されたならばそれ以上の手を出そうとはしない。
戻って来たアーベルに礼を言って箱を受け取ると、乾燥させてある薬草を軽く揉んで一度傷口に当て、浮き出した血を布に吸わせるとその上から軟膏を少し多めに塗った]
…ミリィも本当に気をつけてくださいね。
[傷に触らぬように気をつけながら手を握る。
膝をついた体勢から顔を見上げ、念を押すように言った]
そう、それなら……良いですけど。
あんまり自分で自分を傷つけるようなことはしない方が良いですよ。
[腰の辺りで手を拭うブリジットに、ポケットからハンカチを取り出して渡し]
あ、うん。ええとそれじゃ。
[アーベルの言い様に、エーリッヒの顔を覗き込んで]
エーリッヒ様、今日はここで夕飯をいただきましょう。
私も準備手伝ってきますから。
[ね、と言って、ぱたぱた、と*奥へ駆けていった。*]
ミリィ。
[ロストの傍に在る幼馴染をそっと見た。
「大丈夫かな」と口にしかけて、黙った。
大丈夫でない方がいいのかもしれないと、一瞬頭を掠めた思いに少しだけ顔を伏せて。]
そう。けれど知識と実際は違うもの。
なのに彼はこの局面でも、あまりにも普段と変わらない。
気を払っておく必要はあるでしょう。
[奥へと行かれてしまうと彼とて様子を窺うことはできない。
ゲイトに囁き返しながら、軽く目を細めた]
そう簡単に見破られてしまっては。
宴も盛り上がりませんしね。
[囁きが内包するネツは高い]
[治療を受けている中、断続的に襲い来る痛み。
燃えるような熱さ。
その全てを、笑みを浮かべて、耐える]
……うん。大丈夫。
もう、全然痛くないよ。
[痛みは、止まらない。
きっと、神の領域に踏み込み、そこから逃げ出してしまったことへの罰なんだと思った。
だけど、そんなこと言ったら、いつまでも心配される。先生は優しいから。
先生は、私だけのものじゃないから、独占していてはいけない。みんなに必要とされる人だから、こんな痛み、耐え抜いてみせる]
あまりのんびりしていると色々な可能性が見えてくるだろう。
この世が塔だったら。星が落ちてきたら。
どちらも想像するだに恐ろしい事だ。
たとえば此処が船上であったなら……
そう、船上であれば!
箱舟の中であるならば、残るのは一組に過ぎないのだよ。
我々の多くは消えてしまう。
戦慄すべき。もしくは混乱すべき事だ。
増して残るのが一組でなかったとしても。
鳩が見つけるオリーブはそこにあるか。
[ハインリヒに、いつものように語り出しながらも、一応付き合う心持ちではあるようで]
主より先に朽ちた物はがらくたとされ。
主が先に朽ちた物もまた、がらくたとなり。
物とは随分理不尽な本質を与えられている。
[ペンを見つつ、ぽつりぽつりと]
…大丈夫ですよ。
本当に深い傷ではありませんから。
[ミリィを呼ぶ声に、それまでとは異なる口調の囁きが返る。
それは表での彼らしい気配で]
大切な恩人ですし、手を抜いたりはしませんよ。
[それは最後の絆と呼ばれるか。それとも未練と呼ばれるものか]
[ユリアンに体を預けたまま、気がつけば何時ものようにぼんやりと、辺りを見ていた。
ひどく、疲れていて。
それは色々な事が最近になって立て続けに起こった所為ではあったが。
他にも話したい人、話したいこともあったような気がするのに、今日はもう全て捨てておいてしまいたい衝動に駆られて。
それでも二日も何も食べないわけにはいかず、軽めのものとスープを食べおえてから、ユリアンに送られて娼館へと戻っていった。
眠り落ちるその手には、伝えられた黒い石と、たゆたう真白の石の小瓶が*握られていた。*]
ふむ。なるべく気を付ける事にしよう。
医者殿の忠告を聞かないわけにはいかない。
こうして真面目なところが私の褒められるべきところだ。
[色々と言いつつもオトフリートに頷き。ユーディットからハンカチを受け取って]
有難う。今度返そう。
[駆けていく姿を見送った]
[ブリジットの話の前半はいつものように「ふんふんへー」と聞き流し。ガラクタの話に対してだけは]
まあなあ。
だからこそ、一緒にいる間は大事にしてやれってこったよ。人でもモノでもな。
ついでに言えば、てめーの身体にしたってな。
[そう言いながらひょいひょいとペン先で先ほど傷ついた手を指してニカと*笑う*]
…無理はしないでくださいね。
私はミリィの笑顔を見ていると心が落ち着きますが。
苦しみを押し隠して笑うのを見たいのではありませんから。
[立ち上がり、その肩に手を置いて静かに言う。
それから隣の椅子を引いて自分も座った]
さあ、私たちも少しは何か口にしましょう。
身体を動かすのも何かを考えるのも、活力源が無ければできませんからね。
[ふと、治療が終わって見渡してみると、随分と人が減っていた]
あれ……?
話し合いは、もう終わったのかな?
考えてみれば、私、何もしてないな。
はは……。
何しに来たんだろ、私。
[役立たず、才能無し。
そんな言葉が頭に浮かんだ。
頭を軽く振って、暗くなりそうな気持ちを、無理矢理に奮い立たせ、笑ってみせる]
そこの見極めも含めて、ですね。
[彼は如何せんこの村に来てからの日が浅い。
各人の本質を掴もうとする時、それは致命的な差になりかねない]
ええ、勿論。
「真の占い師」がいる以上、貴女もまた危険を乗り越えなければいけない。
お気をつけて、ゲイト。
[熱孕まぬは一瞬のこと。
高揚した意識は含み笑うように聲を返す]
[オトフリートの言葉には]
……大丈夫。本当に苦しいときは笑えないから。
そんときに、助けてもらえれば、それでいいよ。
……それから、やっぱ私、家に戻るね。
ご飯。家にあるから。それ食べなきゃ、母さんに怒られるよ。
それに、絵の続きも、描かなきゃいけないから。
じゃ……また明日。
[立ち上がり、笑顔で手を振って、走って誰も待つものがいなくなった*家へと戻っていった*]
そう、ですか。
[ロストの、普段と変わらぬ声色に、安堵するような息が漏れただろうか。
それが本心の全てではないが、半分以上の思いではあった。]
大切…。
[手繰ろうとするように、親友の手を取るロストを複雑そうに見つめていた。
その想いは、はたして主に何を齎すのか。
今はまだ、読む事が出来ない。]
滅亡や終末の芽は容易に見つかる。
何故か。無数にあるからだ。
蓋が天でなく地にあれば――
ああ。有限であるからこそかい。それも真理。
そうする事にするよ。
[語りを一旦止め、ハインリヒに。有難う、とは短く言って。それから暫くは食事をとったり、ノートに何かと書き綴ったり、また語ったりして過ごしていた*だろう*]
私は、平気です。
もし本物が現れ、私を糾弾し、占おうとも、…殺して『死せるものの声を聴く者』が私を視ても、私は人間で。
何者も恐れず、前に立つ事が私の役割、だから。
[赤い世界でならそう言えた。
けれども表の自分は、あまりに非力で。
晒され伝わる震えは、どう足掻いても止むことはないだろう。]
そうですか。
…何かあったら呼んでください。
すぐに行きますから。
[家に戻るというミリィに付いて行こうかと一瞬思ったが。
常に共に居るというわけにもいかない以上、笑顔で手を振る姿に頷いて見送ることしか出来ず]
いいのですよ。
女の子には一人の時間も必要というものでしょう?
[こちらを見てくるティルに苦笑を返しながら座り直す。
しかし実の所自分にも食欲は無く。水と干し葡萄だけを頼むと、それをかなりの時間をかけて飲み込んで*いった*]
良い覚悟ですね。
[くつくつと笑う。
それは熱を呼び、熱は渇きを齎し、渇きは笑いとなって零れる]
頑張ってくださいね。
ご自身のためにも、エウリノのためにも。
[笑みを含む囁きが続く。
彼のためとは言わなかったのは無意識の*ことだったか*]
[ロストの言葉に、深く一礼する。含まれて居ない名前には気づいたが、目を閉じ何も言わずに。]
私は盾。欺き、疑心と混沌の種を撒く者。
…全ては主様の御心のままに。
[形式ばった口しかきけないのは、内なる想いを隠す為。
頑張る事が出来るだろうか。
否。やらなければならない。
自分はあれほど会いたいと、願っていた主と出会ってしまったのだから。
得たものがある、だが失ったものも確かにある事に、今はまだ*気づこうとはしない。*]
/*
いえいえこっちのが返信とか遅いので…。
お疲れ様でした、そして私もお休みなさい(ぐぅ
明日はエウリノ大変だから、頑張って二人で赤ログ伸ばしましょうねー(待
-娼館・自室-
[目が覚めたが、ベットから起き上がることは出来なかった。
ころと横になり、その手の中に有る物を握ったり見たりしながら、小さく息をついた。]
…駄目、かな。
[そう、ぽつりと* 呟いた。*]
[赤い世界で、名前を呼ぼうとして止めたら、声は表の方に漏れた。
眠っているかもしれない、邪魔をしてはいけないと。
浅い呼吸のように、気配は現れては消えてゆく。
どこか奇妙なほど*穏やかに。*]
/*
おはようございます(ぺこ
ところで偽占い先ですがどうしようかと。
イレーネ視点だと、まず真っ先にエウリノ占うとは思うんですが。これ万一補完されたら目もあてられないという話(真占が空気読んでくれるといいんですが。が。)
−回想/昨晩・厨房にて−
[そもそも普段調理は姉二人に任せているのだから、アーベルがこうして進んで厨房に入る事自体珍しい。理由は二つばかりあったがー
訝るエルザにはノーラを見ていて欲しいと言いくるめ、その場から遠ざけた]
さて、と。
とりあえず、スープと軽いつまみでいいかな。
食欲なさそうなのもいたから。
そっちは……玉葱よろしく。
[鍋やら材料の準備をしつつ、やって来たユーディットに任せるものは、若干酷い]
[一つは、他者に聞かれない状況にしたかったこと。
もう一つは、今、他人の作ったものを口にする気にはなれなかったこと]
[昨晩。
物珍そうに若干きょろきょろしながら、アーベルの後について厨房に入った。]
ここってこんな風になってたんだー……。
[アーベルに声をかけられれば、慌てて頷き]
ん、わかった。玉葱ね?
みじん切りにしちゃって良いかな。
[確認しつつ、]
……野菜切る以外のこともできるから遠慮なく言ってね?
[一応、釘を刺してみる。]
客は入らないからねえ。
[そう広くないとは言え、二人が入るには申し分のない広さ。ユーディットの近く、まな板の置かれた場所に、玉葱を乗せる]
いや、スープ用だから薄切り――
と思ったけど、御不満ならミートボールでも作る?
[釘を刺す様子に笑う。
自分はと言えば、じゃがいもの皮向きをしつつ]
で。
[短く、話題の転換を告げる声]
ユーディットって、人狼に詳しいの?
村の人間じゃないにしちゃ、反応が大きかったからさ。
あ、そっかそっか。
[容赦なく玉葱を微塵に切りかけていた手を止め、薄切りに切り替える。]
ちゃんとスープだって作れますっ。もう。
[むう、と少し頬を膨らませてみせながら、玉葱に向き直った。
アーベルの次の言葉には、ああ、と納得したような声を出す。
さくさくさく、と包丁を動かしながら]
話したいことって、それだったのね。
別に皆の前で聞いてくれたって良かったのに。
[わー辛い、と玉葱の刺激からか鼻の前に手を当てたりしつつ。]
詳しいっていうよりね。
ここに来るまでは、私は人狼に仕えてたものだから。
んー……もっと正確に言うと、飼われてた、の方が近いかな?
[さくさく、と玉葱を切る音が響く。]
酷かったよ。
喉がからからに渇いてるのに、水一滴貰えなくて。逃げることも許されなくて。
水が欲しかったら、人狼の命令通りに動くしかなかった。
生きるためって思ったら、人って何でもできるものね。
多分あの頃の私って、狂ってたんだと思う。
[口調はあくまで軽やかに]
幸い、結社っていう機関から派遣された人たちが助けてくれて、心身ともにリハビリしてくれてね。
元通り、とまではいかないけど、今ぐらいには回復できたから良かったけど。
それは聞きたい事。
話したい事は別かな。
[それだけなら、皆の前でもいいんだけど。
そう付け加えつつ、芽を角で抉り取り、慣れた手つきで、包丁で皮を削いでいく]
へえ――飼われてた?
[水を張ったボウルに、一先ず剥き終えたじゃがいもを放る]
なるほど、ね。
……それは災難だ。
[手を止め、軽く肩を竦めた。同情を示すでもなく、世間話の態で]
それでかな。
イレーネの告白もすんなり受け止めたの。
普通は胡散臭いって言いそうなものだから。
ああ、話したいことはまた別件?
[ちらっと横のアーベルを見て]
そう、災難。それも特大級のね。
[こちらも肩を竦めてみせる。
そこには、かつての過去を語ることに対しての怯えは見られない。
ユーディットの中ではある程度消化されてしまった話らしい。]
んー、そう……なのかもね。
結社の人だって、私を飼ってた人狼を「見つけた」んだから、人と人狼を見分ける何かしらの方法はあるんじゃないか、とは、薄々思ってたし。
切り終わったら、鍋にバター溶かして炒める。
後、作り置きのクルトンがそっちにあるから。
[話しながらも確り指示は飛ばす。
じゃがいもを幾つか投げ込んだボウルの淀んだ水を流して、千切りに]
確かにね。そうでもないと、お手上げだ。
この村には伝承があるから、割と皆信じてるみたいだけど。
――でさ?
俺にもそういう力がある、
って言ったら――どう思う?
[手を止め、薄い笑みと共に、ユーディットに視線を投げたのは一瞬。
すぐに再開して、切ったじゃがいもは水に漬け、ピーマンとパプリカも同じように、切った]
はい、了解致しました。シェフ・アーベル。
[指示には冗談めかして返し、言われた通り鍋を火にかける。]
伝承か。なるほど、それで割と皆、人狼って存在を受け入れてるのね。人狼、それなーに?って人も、世間には多いけど。
……ん?
[何か含みを持った話題転換の声に、アーベルの顔を見る。]
……アーベル、も?
[ゆっくりと目を瞬かせた。]
え、アーベルも誰が人狼かわかるの?
それって……。本当に?
だって、それだったら、イレーネと力を合わせればあっという間に人狼を見つけられるじゃない!
[勢い込んでアーベルに向き直る。]
どうして皆の前で言わないの?
/*
わー、(メタも込みで)半ば予想はしてたけど、対抗占い師COきたよ! きたよ!!
わくわくします、こういう展開。
*/
昨日、言ったと思うけどね。
俺は自分の興味で動くって。
[それは、探偵と称されたときに発した台詞。あの時には、他愛のない会話でしかなかったが。
当人は至って冷静な素振りで、料理の手を進める]
他にも理由はあるけど。
人狼も含まれているかもしれないのに、
皆の前で宣言するのは、襲ってくれって言うようなもんでしょ。
誰が人狼か、その牙に太刀打ち出来るかすら解らないのに。
後、俺が言っても嘘臭いだけだろうし?
[現実主義。客観的に見れば、そんな評価だろうと思った]
……そういえばそうだったっけ。
[昨日の会話を思い返しながら。手が留守になっていたことに気付いて、(焦げ付きかけていた)玉葱を炒める作業を再開する。]
ん、そうか。人狼を見つけられる能力がある人は、それだけ人狼にとって脅威なわけだから……。
……あ、人狼には1対1じゃ勝てない、ってことだけは教えておくね。人狼自体が言ってたし、結社の人も言ってた。
特別な力でもない限りは無理だ、って。
だから、アーベルがそうやって能力のことを隠してるのは……うん。良いアイデアかも。
[真面目な顔で同意した。でもそうなると、名乗っちゃったイレーネの方が心配だね、と独りごちる。後半の言葉には、呆れたように]
……嘘臭いって。まあアーベルってちょっと底知れないとこあるけど、でも……。
[言いかけて]
……待って。嘘、って。
[忘れていた、可能性。]
ねえ、アーベル。人狼が嘘ついて、「人狼を見つける力があるんだ」って名乗りをあげる、ってことも、もしかしたら。
流石。
探偵助手志望は、聡いね。
[ようやっとユーディットに向き直った彼の、笑みは深い]
同質の力を持つ者同士が同じ場所にいるのと、
片方が嘘を吐いているのと――
さて、何方の可能性の方が、高いんだろうね?
それは……。
[深い笑みを湛えたアーベルに、言葉を詰まらせる。
自分たちを見つける力を恐れる人狼が、こんな大事になっているときに何もしないでいるとも思えない。
とすれば、圧倒的に後者の可能性がはね上がり――]
……じゃあ、アーベルはイレーネを疑ってると。
そういうことね。
[ため息をつく。]
用心はして置くに越した事はないからね。
[遠回しの肯定]
最後に信じられるのは自分だけ――
結局は、そういう話だよ。
[笑みを軽いものに変え、フライパンを手に取る]
[アーベルがフライパンを手にとれば、ユーディットもスープ作りに手を戻し。]
……わかった。教えてくれてありがとう。
で、ひとつ聞いてもいい?
どうして私にそれを話したの?
私だって、人狼かもしれないのに。
[信じられるのが自分だけというなら尚更、と付け加える。]
これで俺が死んだらユーディットが人狼、
……なんて遺言残しとけるなぁと思って。
どうせ喰われるなら男より女に、でしょ。
[冗談めかした言い様をしながら、油を敷く]
まあ――敢えて言うなら、
ある意味言い当てたからかな。
探偵って。
ところで。
鍋、焦げてない?
[気にかかり、訊ねてみる。
失敗していたら、エーリッヒ専用になることは間違いなかった。
いつの間にいたのか、白猫はそんな光景を見て、*暢気に鳴いた*]
[アーベルの冗談ぽい口調に、さきほどから真顔で固まっていた表情が緩む。]
一応考えてはいたのね。
安心していいよ、私は人狼じゃないし。
[あー、でも、これは誰でも言える台詞か、と少し考えながら]
言い当てた……って言うには、まぐれ当たり過ぎるけどね。
まだアーベルが偽っていう可能性も一応、あるにはあるし。
[言いながら、けれど、既にアーベルを信用しかけている自分に気付く。]
……ん、まぁ、ありがと。
これはまだ、私から他の人には言わない方がいいんだよね。
[確認をとりかけて、アーベルの指摘に、え、と鍋を見下ろす。
数瞬後、ユーディットの情けない悲鳴があがり、数分後にはそれはもう順調に、修復不可能なスープが出来上がることとなった。
がっくり項垂れるユーディットと異様な匂いのスープに、エーリッヒはどんな顔をしただろうか。
白猫のにゃあという平和な鳴き声は、その場に*酷く似つかわしいものだった。*]
/*
おー、これは楽しい展開。
夕石に続いて、またも占対抗かあ。
さて、霊はどっから出てくるかな。
守護は性格悪いから、霊は苦労するかもなあ……。
[厨房の方から微かに届いた悲鳴。
それは何か、危機感めいたものを感じさせたのか、物思いを打ち破る]
今の……って。
[ユーディだよな、と小さく呟く。
嫌な予感――『現状』から鑑みれば、至極暢気で日常的なそれが、ふと過り。
それが的中したと知った時の表情は、どこか諦めたような、でもどこか安堵しているような、*なんとも表しがたいものだったとか*]
/*
移動中に鳩からこんにちは。
俺の当たるかどうか微妙なセンサーに引っかかってるのは、エーリッヒとブリジットかなぁ。
エーリッヒの場合は中の人見ても(爆
守護と霊能どっちでもありそう。
ブリジットはあの奇行に霊能を紛らせてそうな感じが。
ちまちま覗いてはおきまーす。
落ち着いて顔出せるのは夜になるけど。
/*
鳩からこっそり。
ロスト様はおそようございますw
初っ端に黒だしとかすごい吊りフラグww
ノーラさんは今とこ何もしなくても吊り候補だから、ほっといてもいっかなーとか酷い事考えてました(ぁ(次点ティル)
でもその流れはアベさん出て来るのに自然でいいなぁとも思ったり。むー。
霊能は…誰だろう。
このままいけばエーリッヒさん?あ、でもエーリさん中身的に守護者の可能性もあるんだっけか。うーん。
/*
あ、エウリノもー(手ぱたぱた
じったんもそうかなーとはちらり。
最初ユーディさんが守護かとも思ってたんだけど普通な人かな。何となく。
中身予想から職業予想は王道だねwww
といいながら**
/*
おや、少し目を離している間に。
エウリノは無理をなさらずによろしくお願いします。
メタ的予想でいいのなら、エーリは守護か霊能に賛成します(苦笑
ブリジ霊能の可能性は私も考えておりました。ティル・ノーラは不明ですが、ハインリヒも動こうとしている感じはあるのかなと思ったり思わなかったり。
あとの可能性はミリィの「絵」への拘りですかね…(遠い目
多分ギュンター襲撃後は動いてくれると信じていますが。<霊能
ゲイト保守で行くならティル白出しも良いかと。それともいっそのことユーディ確白にして食べるとエーリが動く?
…エーリ守護の可能性考えるとこれまた怖かったりしますがw
/*
そういえば占い弾かれの方もいらっしゃるのでした。
もう少し動かないと流石に絞れませんね。
ああ、エウリノ。そちらの布石として表でやっておきたいことがあれば手伝いますので言ってくださいね。
/*
エーリッヒ守護の時にユーディット確白襲撃は確かに怖い。
今センサーに引っかかってるのはさっき言った二人だから、他はちょっと見えないな。
弾かれの人は元からその心持ちでやってるとは思うから、紛らわしい動きはしてないと思うかなぁ。
まぁ村人でも身代わりのつもりで匂わせる人は居るかも知れないが。
俺がやりたいのはゲイトを傷付ける狒々爺殺ることだったりするわけだが(爆
ただこれを早々にやると即バレすると言う素敵さ。
中盤辺りでやろうかなぁ、とは考えてる。
[食事というには微妙な食事をする間も視線は動く。
見分けられる力を持つというイレーネに、奥へと入っていった二人に。時折何かを考えるように手が止まる]
伝承の通りなら。
他にもまだいらっしゃるはずですよね。
[低い呟きは近くにいた者にすら聞こえたか*どうか*]
/*
昼休憩にちょこっと。(ちたぱたしてるエウリノなでなで
と読んでたら狒々爺さんが狙われてるΣ
なら中盤も一回行ってこようかな(爆
襲撃のきっかけにはなりそうな。
その他の人襲撃は進行状況にあわせてちまちまと、かな?まとめサイトに報告しつつ。
ノーラさんが亡くなるようなら、旦那さんは送ってあげたいなとか思ってみた、り。
能力者候補は二人、付随してユーディさんに白出しは危険と。…出さなくても危険だったり(ぉ)でも逆に阿部さんのガードは甘くなるかな?
なら夜に宿屋に顔出した時に、誰占っほうがいいか聞くので、ティル推薦しといてくださいな>ロスト様
最年少だからとか理由は適当お任せで。
/*
さて短い昼休みも終わり。
たまに覗いたり単発づつ発言落としたりは出来るかも。本格参戦は夜。
それじや、また。**
/*
狒々爺襲撃はCO用にとっておくわ(笑)
ゲイトに向かってもらうと動きやすくはあるかな。
ゲイトが残ってることが条件になるけど。
居なくても自分で何とかは出来るかな。
周囲の人物襲撃は進行ページで予め書いておいた方が良いかも。
村側でも各自動かして絡められるかも知れないし。
どんなNPCに襲撃希望来ても動けるようにはしてある。
このくらいで一旦離れまー。
次はほぼ確実に夜でっす。
[ゲイトに撫でられながら、*ぐーすかぴー(ぇ*]
―昨夜―
[疲れたようなイレーネを支え続け。
食事をする様子に、頼んであった自分の料理を共に食した。
その間に技師の晩飯も用意してもらい。
イレーネが食べ終わるのを待ってから、代金を払い宿屋を出た。
その足でイレーネを娼館へと送り届けて。
中へ入って行くのを確認してからその場を去った]
……晩飯、持って来た。
[工房へと戻り、技師に晩飯を渡して。
いつものように自室に戻ろうとしたが、思い直してその足を外へと向ける。
技師が「どこへ行く?」と声をかけて来ると振り返り]
…ちょっと涼んでくる。
……逃げやしないよ。
[技師の心を見透かしたかのような言葉を発し。
相手が息を飲むのを後目に外へ出た]
……逃げられないなら、真っ向から向かうしかないよな。
負けるもんか。
[工房傍にある木の根本。
そこに座って寄りかかり、天を見上げながら呟いた。
新たな決意は、宿屋での決意と共に、しっかりと胸に*刻み込まれた*]
/*
ふと思ったこと。
狒々爺殺る時は、ゲイトが吊られる時にすると、繋ぎやすいのかもしれない。
手を下すのがPCだったとしても、その前に爺のところに行ってたら因縁も付けやすいかな、と。
それだけ。
[戦略とかはどうした]
鳩で確認はしてるけど、途中で没するかも…。
……いたたたた……。
[左手の痛みはいまだ治まらない。
痛くて、苦しくて、涙が止まらない。
それでもミリィは、絵の前に座り、続きを描き続ける]
……絶対。描き上げてみせるんだから。
人狼ってのが、もし本当にいるなら、私の命だって、いつ尽きるか分かんない。
―――死ぬ直前に後悔するような真似だけは、したくないから。
何もかも、中途半端なままで終わりたくは無いから。
せめて、この絵だけは……描きあげてみせる。
[痛みに耐えながら、ミリィが一心不乱に絵を描き続ける。
一見、昨日と同じ様に見えたが、
それは、
覚悟を為した者の、*強い意志が見えていた*]
それにしても。
メルトとか、コンビニとか、そういう純情恋愛路線で行ってた筈なのに、少しずつ道が外れていっている気がする。
困ったもんだ。
/*
ただいま戻りました。
…かなり微妙な襲撃前提RPを思いついてしまったんですけれど、出してしまって良いものでしょうかね(ぇ
ゲイト吊りの時に狒々爺襲撃も、ゲイト本人襲撃はエウリノがというのも綺麗に纏まりますね。
それまで私が生き残っていたら、おまかせセットに致しましょう。
―診療所―
[坑道の一つが崩れるという事故があったらしい。
その場では手当てしきれなかったという鉱夫が運ばれてきた]
道具を貸すだけでもいいですが。
時間も経っているのではそうもいかないでしょう!
[武器となりそうな物を手にしたままの男達に言い返す]
不安ならば周囲を囲んでいればいい。
たとえ人狼だったとしても、背後から一度に襲い掛かられては敵わないでしょうからね。
[苛立ちの篭った口調で言い、診療台の上で怯える患者に近付く。
傷口を覆っていた布を取り状態を見て、盛大に顔を顰めた]
三人ほど、この人を押さえていてください。
残りは私の後ろで警戒でもしていなさい。
[変色し始めている傷は相当深く出血も酷い。
かなり荒っぽい治療が必要になる]
…我慢しなさい。
貴方だって脚一本失うのは嫌でしょう。
[双の翠が暗い色に光る。
殺気立った空気の中、押さえ込まれた悲鳴と嫌な臭いが流れた]
[奥の戸棚から鹿子草を取り出して煎じる。
目の前でわざと一口飲んでから、ぐったりとした患者にそれを飲ませる]
これで暫くは眠るはずです。体力が戻らなければ話にもなりません。
奥に寝かせてもいいですが、それは本人も嫌がるでしょう。
家に連れて帰りなさい。
[疲れた声で男達に言うと書き物机の椅子に座り込む。
こめかみを押さえて机に肘を突いた]
私も少し、休ませてください…。
/*
移動中なので低速ですが何とか鳩には触れるように。
私は何回エウリノに食べられるんだろうとか思ったとかそんな(
ロスト様のぎゅんさん襲撃にわくわく。
そういえば何か希望とかあります?主にみりぃについてとか(ぉ
/*
よいしょっと(ぉ
ゲイトもお疲れさま。まだ本格的に表が動いているわけでもありませんから、無理はならさずに。
…既に数え切れない回数なのですね(爆
襲撃描写は夜が明けてから補追の形で入れようかと思います。表の発見ロールにも合わせたいので。
ミリィに関しては、そうですね、襲撃するなら自分でしたいかと。
吊りになるなら直後にCOします。楔がなくなりますから。
/*
わぁん割り込みすみませんorz
あ、こちらの復帰は10時頃になりそうですよと。
ちょ、それほぼ丸3年Σ<1000
そしてこんばんはが最後に(ぁ
[どうしようか、とは思っていた。
普段はともかく、一応、この日に祈りを欠かした事はない。
だから、訪れるだけは訪れてみた。けれど]
……見事に予想通りというか、何と言うか。
[父の命日。一人、訪れた教会ではやはり祈りを捧げる事は拒絶された。
一応、墓参りまでは拒否されなかったので、花束を手にそちらへ足を向ける]
やれやれ、だな。
再来月、母さんの墓参りにはちゃんとこれるかね、俺。
[ぽつり、零れるのはこんな呟き。
共同墓地の一画、並んで築かれた墓の周囲を掃除して、花を捧げる]
……なあ、親父殿。
もし、生きていたら……。
[墓を見つめつつの問いかけは最後まで言葉にならず、そして答えは当然の如く、なく。
零れるのは、小さなため息]
……仕事。
急かされないのは、いいんだけどな。
[それを手放しで喜べる状況ではなく。
もう一つ、疲れたように息を吐いた]
―昨夜・回想―
いろんな意味でバレバレなのにな。
[ぽつり、誰にも聞こえないくらいの小さな声でつぶやいて。
躓いたミリィに向かって手を伸ばすオトフリートの姿を見やる――本人も気づかない程度の、寂しげな視線で。
イレーネの話。ブリジットの様子。
軽く食事をつつきながら、周りの喧騒をのんびり眺めていれば、一瞬オトフリートと視線が合う。
水と干しぶどうしか口にしていない様子に、少し不安な*心持ちになった*]
[酷く疲れていた。
だが同時にそこに居続ける不健康さも分かっていた]
外の空気を吸いますか。
[のろのろと立ち上がる。
上着も手にしないまま診療所の外へと出た]
/*
>エウリノ
わあぃ嬉しいな。もしそうなったら残したら駄目だよ?(待
ロスト様の希望も了解ですよー。
数えてる、数えてるから!(数が膨大とか言わない
こっちはやりたい事は特にないのが。
二人が動きやすいように動ければいいな、くらいで。
−宿兼酒場−
[今日も店内に人気はない。時折自衛団員が訪れる事はあったが、事務的な会話を数言交わす、その程度。
上の姉は手持ち無沙汰というよりは若干ながら居心地悪そうで、作業をすると言って奥にいた。真意の程は定かではないけれど。
カウンターに頬杖を突いて、青年と白猫とが顔を付き合わせる]
さて、どうしようか。
疑いの芽は早めに摘むべきか、泳がせておくべきか。
どう思う?
[人差し指の先で、鼻先をつつく。
白猫は置物の如くまばたき一つせず、其処に在る。その双眸は、向かい合う彼の瞳を写し取り、空を映す海のような淡い青を帯びていた]
なんて。聞いても、答えるはずないか。
[カインと呼ばれる白猫が何時からアーベルの傍にいるのか、身近な者ですら、覚えているものはないだろう。彼自身、その事を誰かに話すこともない。
小さく笑う青年に合わせるように、獣は鳴き声をあげた]
エルザ姉。
ちょっと、出かけて来る。
一日中篭ってても、仕方ないしさ。
[大きめの声を投げかけ、扉を押し開く。
付き従う影のように、白猫も隙間から滑り出た。
まだ日の落ち切らぬ時分、風は生温く、空気は何処か、*澱みを持っていた*]
[村の雰囲気は正直言って悪い。
だから人の居なさそうな場所を選んだつもりだった]
…のですけれど。
[気付いたのが墓地に踏み入ってからだったのは、それだけ疲れていたということだろうか。
止めた足の下でパキリと小枝が折れた]
[耳に届く、パキリ、という軽い音。
誰か来たのかと振り返った先には、思わぬ人物の姿があり]
……あれ、先生。
どーかしましたか、こんなとこで?
[緩く、首を傾げつつ、問う。
吹き抜ける風が、先ほど備えたばかりの花を揺らした]
/*
>ゲイト
心臓喰って終わるつもりだった!
全部喰ってCOに変えても良いかぁ。
ゲイト吊り=俺完全CO って流れになりそうだw
/*
全部がいいな(ぎゅ
うんまぁ、あんまし吊られないようにも頑張りたいけど。
一族に執着してるから、できれば血を残したいって思ってるだろうし。
その辺は全体の流れ次第なんだけどねー。
と、一旦退席。またあとで。
なるほど。
確かに、引き篭もりたくはないけど、出辛い状況ですからね。
[ため息混じりの笑みに返すのは、こちらも苦笑]
ああ……ちょっと、墓参りに。
父の、命日なんで。
皆さんの気持ちを分からないとは言いませんが。
患者さん本人にも怯えられてはやりにくくてかないませんよ。
…これは、失礼を致しました。
[エーリッヒの近くへと歩き、手向けられたばかりの花が揺れる墓標に暫し黙祷を捧げる]
とんだ日になってしまいましたね。
本来ならば他にも参られる方がいらっしゃったのでしょうに。
ま、あんな話聞かされたら、仕方ないとは思うけどね。
……とはいえ、患者に脅えられるのは、やり切れなさそうだ。
[冗談めかして言いつつ、くすり、と笑って。
黙祷の後、投げかけられた言葉には軽く、首を振る]
いや、いつもこんなもんだよ?
俺以外に、血縁はいないしね。
ええ、分かっていても切ないものです。
治療で一番大切なのは信頼関係だと言うのにね。
[冗談めかされた言い方には小さく笑って返し。
否定の仕草にスッと眼を伏せた]
…どうも失礼なことばかり言ってしまうようで。ユーディットと二人で暮らしていらっしゃるのは存じていたのですが。
こういう村でも、そんなものですか。
人と人が絡む仕事には、信頼が必須、か。
[呟くような言葉は、どことなく独り言めいて]
ああ、気になさらずに。
[目を伏せる様子に、刹那、浮かぶのは苦笑]
ま、親父殿も仕事以外ではあんまり周りと関わらん人だったしねぇ……。
俺は俺で、18の時からしばらく村にいなかったから、余計に人付き合いは狭い方だし、ね。
――…あれま。
エーリ兄に、ゼーナッシェさん。
[呟くような声も、静けさに満ちたこの場所ではよく通る。
無機質な石の立ち並ぶ間に揺れる花を視界に留めつつ、対照的にも見える色彩の二人へと、ゆっくりと歩みを向けた]
[独り言めいた言葉には寂しげな笑みを浮かべるのみ]
音楽の勉強をされていらっしゃったのですよね。
それならば。
[僅か言いよどむ]
伝承や昔語りの類にもお詳しいのでしょうか。
[問いを発したまま、ゆるりと振り返る。
現れた姿に一瞬目を細める]
どうも、アーベル。
ここは思ったよりも人の集まってしまう場所だったようですね。
[挨拶を送った時には普段と変わらぬ柔和な笑みを浮かべる]
ああ、母さんが音楽好きでね。
その影響で、俺も商売よりそっちに興味が強かったんだ。
[ここまでは、何気ない口調でいい。
空白を経て、向けられた問いに、緑の瞳は一つ、瞬く]
……ん、まあ。
それなりには。
[それが何か、といわんばかりの態度は、果たして本気かそれとも見せ掛けか。
いずれにしろ、やって来たアーベルに向けて、よ、と言いつつ手を振る様は常と変わった様子もなく]
いや、僕は……
敢えて言うなら、ノーラ姉の代わりですかね。
そろそろだったと思って。
[正解だったみたいだけれど。
オトフリートに答える台詞は、相変わらず何処か足りていないが、手を振るエーリッヒを見やりながら言う様は、示す物を明白にするか]
[キッチンでアーベルと話した、翌日。
教会へ行くというエーリッヒを送り出して、家の用を片付け、更に手持ち無沙汰になったので食器でも磨くことにする。
今日がエーリッヒの父親の命日だということは――先日までは頭の片隅にあったものの――エーリッヒが告げるまで慌しさの中ですっかり忘れていた。そのことを申し訳なく思うと同時に、果たして教会に行ったところで入らせて貰えるだろうかと考える。
昨日の村人たちの様子ではそれは、かなり難しそうだった。]
まあ、人狼かもしれない人物を普通に受け入れる、なんて、無理な話ね。
……あんな生き物を許しちゃいけない。
[冷たい憎しみの眼差し。その奥に浮かぶのは、過去の記憶。
人を服従させ屈服させるのが何より楽しいとあの男は言った。
……あの、人狼は。]
[一度頭を振って、思考をクリアにする。]
でも、一体、この村で誰が。
[呟きに返る答えはなかった。]
…なるほど。
[言われただけでは理解できなかったが、視線の先を見れば大体の想像はつく。ノーラが動きにくいであろう理由は言わずもがなで]
このような事態ですから。
あやふやな知識だけで判断するのは避けたいと思うのですよ。
[エーリッヒに返した言葉は、肝心の単語が出てこない]
/*
Q. アーベルの両親はどうしているんですか。
A. 知りません。
多分、亡くなっているのではなかろうか、それも幼い頃に。
だからこんなにひねててシスコン気味。
別に、気使わんでもいいのに。
[代わり、というアーベルの言葉に、掠めるのは苦笑]
ま、その気持ちはわからなくはないけれど。
役に立てるかどうかは、わかりませんよ?
[肝心の部分はぼやけていても、オトフリートの言わんとする所は理解でき。
ひょい、と軽く肩を竦めつつ、さらりとこう返した]
少なくとも。
まだロスト様とエウリノが、という所までは知られていないはず、ですけど。
口伝が正しければ、時が来るまで能力者達も動けないはずですし。
[赤い世界に、律儀に返事を返した。]
そういうことです。
まあ、散歩に出てから思い出したんで、手ぶらですけどね。
[言いながら、ひらひらと手を振ってみせる。
苦笑を滲ませるエーリッヒには、「ついでみたいなもんだから」と軽く答えた]
それでなくても、
いい加減顔見せないと、うちのも怒りそうですし。
怒ったって聞こえやしないから、構わないけど。
[後に続いた言葉は、自身の身内を指して。
顔すら覚えていないのだから、悲しいという気持ちも薄い。姉には死者を悼みなさいと、よく窘められたものだった]
ついで、ってあのな。
……ま、それでも忘れんでいてくれるのは、ありがたいよ。
[軽く返された言葉に、ふと笑んで]
というか、そっちは忘れなさんな。
小言が聞こえないからいい、ってもんじゃなかろうに。
[続いた言葉には、こんな突っ込みを一つ]
/*
と、ミリィからお誘いが。
占い先聞きだすのに間に合うといいな。
最悪ロスト様占ってと言われたら、占って白出しするのも想定しつつ…。
ああ、こちらの陣容を知られているとは思っておりません。
ただどんな知識を持って対処してくるのかと。
或いはその回答から能力の有無を見分けられないかと、ね。
ゲイトにばかり負担を掛けるのも悪いではないですか。
[届いた囁きにクツクツと哂う。
どこか浮かれている気配。熱を冷ますはずの場所で人と出会った。それは逆にネツを煽り、楔の影響から解き放ってゆく]
[物思いに耽るうちにも食器は磨き終わり。]
お仕事終わっちゃった。
[軽く伸びをする。
外を見れば、まだ日は沈む様子も見せずにそこにあり。
暫く、澄んだ高い空を見上げてほけっとする。
なんて平和なんだろう。
村に巡る人狼の噂さえなければ、この空は常と変わりないのに。
けれど実際には、人狼を判別できる人物が二人も現れ――
それが指し示すのは、嘘をつく者が居る可能性。]
あー、もう。
[何を見てもそこに繋がる思考に、うんざりして立ち上がる。
答えに辿り着けないだろうと判っていて考え続けるのは、しんどい。]
[エプロンを外すと、置手紙を残し、気晴らしに外に出かけることにした。]
ここでそのような話をしては、天からのお小言すら届いてくるのでは?
[二人の会話にクスと笑う]
それでもお聞きしておきたいのですよ。
この状況を打ち破ることのできるもののことを。
少しでも早く、終わらせる為にも。
[翠が僅かに翳った]
[日中はいつもの日課―娼館の雑用―をこなして過ごして。
やはり姉さんたちの視線は冷たいものが含まれていたが、気づかないふりを決め込んだ。
服の内側、ポケットには黒いオパールを入れて。
時折、そこに在るのを確かめるようになぞりながら、一日を過ごす。
仕事が一息ついた頃、娼館から外に出て、少し休憩とばかりに壁にもたれかかり空を見上げていた。]
…ミリィ、大丈夫かな。
[昨日は自分の事で手一杯で。他人を気にする余裕もなかったが。
時間と、一人になって色々と考える余裕が出来た為か、それとも空を見ていたからか。ふいに赤毛の親友の事がきにかかった。
そういえば昨日盛大にどこか打ち付けていなかったか、そういえば怪我もしていたような気もする。
一旦気にすれば、考えることは暫くそればかりになった為、女将に一言断りを入れてから、ミリィの家へと向かった。]
……どう致しまして。
[感謝と笑みは意外だったか、眼を伏せて肩を竦めつつの言葉]
んなこと言われても、ねえ。
こうして元気にしてれば、きっと満足じゃない?
[突っ込まれても、反省の様子はなかったが]
小言言われる相手は、エルザ姉だけで十分。
[エーリッヒとオトフリートの間で交わされる会話の内容に、検討はついたようで。何時もの無駄口を抑えた]
……ふう。
[絵を描きながら、時折、窓から空を眺める。
今描いている空。
今そこにある空。
空の一部を切り取ることは、神様以外には出来ない。
なら、私はどうすればいいか。どう描けばいいか。
―――それは、騒ぎが起きる前、父と、エーリッヒと、イレーネに教えてもらった。
だから、臆せず前に進もう。
私の中には、ちゃんと大事なものが宿っている]
―――よし。もうちょい頑張ろう。
[言って、作業に戻る。
左手の痛みはまだ止まない]
[楽しそうなロストに、静かに笑むような気配を見せる。]
お気遣いありがとうございます。
そう、ですね。情報は大いに越した事はありませんし。口伝だけが全て、でもないでしょうし。
[言いながら、自身はロストが居るのとは、恐らく別な場所へと向かう。赤い世界で、二人と気配が遠い事も感じ取れるようになってきていた。]
[天からの小言、の言葉には軽く肩を竦め。
続けられた言葉と翠の陰りに、軽く、腕を組む。
右手は、左の腕の一部を掴むように]
……終わりにする、か。
それに関しては同意するが……。
俺が知ってる事なんて、限られてる。
喰らうものと、見極めるもの。
それから……。
[言葉はそこで一度途切れ。
緑は目の前の医師から、墓碑の方へと流れる]
阻み、護るものがいる、と。
[言葉の後、しばし、沈黙。緑は再び医師へと戻る]
伝承が伝わる地方によっては、他にも色々といる事もあるようだが。
この近辺に伝わるのは、それらの攻防の物語が主体かな。
/*
ちなみに。
囁きについて言及していいのかわからんので、思いっきりスルーしてみた俺がいます。
っつーか、まさかこのタイミングでこのネタ振られるとは思わんかったぜいwww
-ミリィの家前-
[暫く歩くと、見慣れた屋根が見え、壁の色が見えてきた。
どこかしんとした気配。いつもならミリィの母親が楽しそうに忙しく動いたりして、自分に気づけば優しく話しかけてくれたのに、今はそんな様子もなく。]
おばさん、居ないんだ…。
[誰かがそういえば、隔離、などと言ってなかったか。
軽く首を振って、そっと扉へと近づき、戸を叩いた。]
ミリィ、ミリィ居る?
いつもたっぷりと貰っているようですから。
[アーベルには軽く返して。
墓標へと顔を向けるエーリッヒを静かに見つめる]
見極めることができるなら、喰らうものから身を護ることも出来るでしょうか。
それとも護る者でなければ無理なのでしょうか。
[その返事は次第に独り言のようになる]
私にその力があったら。
[呟いてから頭を振る。
流れた黒にその表情は隠れて]
やはりその場所に伝わる通りになるのでしょうか。
…本当になってしまうのでしょうか。
[憂いを帯びた声で二人のどちらにも問うように]
我が身を守ることも。
彼女を巻き込まずにも居られたのだろうか。
いや、だが。
あれがなければ彼女に出会うことも…。
[心の奥底で、複雑な想いが、揺れる]
お?
[集中しながらも、リラックスを忘れない、ある意味最高峰に近い形での作業中に、扉のノックの音、それから、イレーネの声が聞こえてきた]
おーおー。
母さんー?入れてあげ……って、そうか、いないんだっけ。
[いつものように、母に頼もうとしていないことに気づき、慌てて、立ち上がって玄関までダッシュ。
扉を開けると、そこには、昔から何度と無く見たイレーネの姿]
やっほー。イレーネ。
どしたん?
まあ、こんなところで立ち話もなんだし、まずはずずぃっと中まで。
[言いながら、イレーネと共に、自分の部屋まで歩く]
年寄り連中は好きだからねえ。
そういう話は、特に。
[エーリッヒの語る、伝承。
ティルも言っていたように、御伽噺として聞く事が殆どだったが]
天はニ物を与えず――だっけ?
二つの力を同時に持つ事は、出来ないんじゃない。
そんなのがいたら、人狼なんて滅んでると思うね。
[腕を組み、片側に体重を傾けた青年は、憂うというよりは気怠けに]
自衛団が動いた時点で、既に、賽は投げられている。
人狼が本当にいるのなら、大人しくはしてないと思うね。
イレーネも名乗り出た事だしさ。
[突っ込みに対するアーベルの答えに、やれやれ、と息を吐き]
そりゃま、沈み込んだり寝込んでなければ、それはそれでいいだろうが……。
[やっぱり問題違うだろ、と思ったがそれは置いといて]
見極めるものたちに適うのは、生ける者、死せる者の本質を知るのみ。
護るものであれば、牙を弾く事もできるかも知れないが……。
自身にその力を及ぼす事はできないらしいね。
[静かな言葉。口調はどこか、他人事めく]
本当になるのかどうか、か……さて。
ならずにすんで欲しい、というのは、あるけどね。
護るもの。
[意味ありげに流れた視線を追いかける]
可能性として覚えておきましょう。
[唇の端が吊り上がったのは、黒に隠れ]
口伝が全てでもありませんが。
ここへきても名乗り出ないというなら、結社の者は居ないのでしょう。居れば混乱を助長させるようなことはしないはず。
となれば皆が頼るものはそれが主体となる。
…歪めてしまえばいいと思いませんか?
[楽しげに囁く]
賽は投げられた……か。
[アーベルの言葉に、ふ、と緑は伏せられ。
左腕を掴む右手に、力が篭る]
名乗り出……ね。
思えば、あの子も無用心な。
[イレーネの名に、零れ落ちるのはため息混じりの呟き]
やっほ。
うん、ちょっとミリィの顔見に。
[言いながらミリィの後をついていきながら、彼女の手や足を後ろからみる。打ったのは足だったっけと思っていたが、違和感を感じたのは左手だった。
部屋に通され、何時ものように空いている場所にぺたりと座る。
部屋の中央にはミリィの未完の大作が置かれていた。
以前見せてもらった時よりは進んでいたが、進み具合は以前のそれよりは大分ゆっくりな感じを受けた。
暫く絵を見上げていたが、視線を親友にもどしながら。]
ミリィ、左手どうしたの?
昨日こけてたから、怪我してるとは思ってたけど。
[オトフリートとの経緯など知らないまま、そう尋ねた。]
無謀と勇気は紙一重――ってところかな。
頼もしい騎士がいるから、安心していたのか、
……さて。
[他の可能性は、明確には口にされない。
ふ、と眼差しを墓地の外へと流す]
彼女は誰を視る気なんだろうね。
そうですか。
やはりどこでも伝わるものは大差ないのですね。
どれか一つでも力があれば、と思ってしまうのは愚かでしょうか。
私に出来ることは、余りにも少ない。
[最前の一幕を思い出したか、重い溜息をつき]
…イレーネ。
そう、伝承の通りなら彼女は危険に晒されてしまう。
獣の牙に対抗し得る、護り手。
[ぽつりと呟き復唱するように。]
結社…ですか。大きな組織。
大した力もないのに、数が多いから厄介だって。
父さんが言ってました。
[結社のネットワーク。直接的ではないが人狼らにとっては邪魔でしかない網だ。]
歪める、つまり。
…生贄を作るんですね。
[神妙に、囁く]
名乗り出なければ、始まらない。
そういう意味では、正しい行動なのかも知れんが……。
[それにしても、と小さく続ける。
明示されない部分──『他の可能性』は、思考にあるのか否かは、外見からは定かではなく]
誰を、か。
確かに、気になる所ではあるな。
護る者は、それを知っているのでしょうか。
力を持つものは皆、自覚をしているのでしょうか。
[アーベルの視線を追いかける]
占われるのは、誰か。
その結果によっては……。
[語尾は小さくなり消える]
[完成する前の絵を隠す気は特に無く、あるがままの現在状況の絵は、イレーネの目にどう映ったのか、ミリィは知らない。
ただ、描いている途中の黒っぽい画面はあまり映えないだろうなあと思った。
やがて、イレーネがミリィに視線を預け、切り出した言葉に、少しだけ困ったように眉根を寄せた]
あー、これねー。
[視線の高さまで上げてヒラヒラと振ってみせる。
それだけで、激痛が走ったが、顔には出さない。
さて、どうしようか。
きっと、心配するだろうからあまり言いたくないことではあったが、イレーネも昨日、なにやら重大な告白をさらしたこともあり、包み隠さず、素直に言うことにした]
まあ、なんつーの?
昨日、自衛団の人達が、うちの両親連れてったもんだから、ちょいと自暴自棄になっちゃったんだ。
ああ。勿論。今は落ち着いているよ?その後も経過は悪くは無いんだから。
地域差はあれど、基本は変わらないでしょう。
大元にあるものは、同じなのだから。
[さらりと言って。
力を望むオトフリートの言葉と、危険、という単語に、ふ、と、緑は陰り、伏せられる]
そう。伝承を集め分析して、抗う者達。
個々の力は大したことがなくても、侮れないものですが。
居ないのであれば重畳。
ええ、彼ら自身に捧げてもらいましょう。
流される血は我らの力となる。
そして宴に華を添える。
さあ、どうでしょうね。
力はあれど、自覚があれど、正しく使うとも限らない。
[ゆっくりと瞬くと、腕を解いて伸びをした]
結果によっては。
“敵”が、はっきりするでしょうね。
[語尾を次いだ台詞は、まるで、何でもない事のよう]
其方のほうが、良いかな。分かり易くて。
さて、と。
死者の眠る場でする話でもないだろうし、
俺はそろそろ失礼しようかな。
[言うなり、くるりと向きを変え、一歩踏み出した]
そっか…。
[それでおじさんおばさんらが居ない事の経緯は理解できた。仕方の無いこと、とは思ったが。
ミリィの家族中はとても良かった。それが一時でも無理やり奪われるのは辛い事だろうなと思った。
ふと、普段思い出さない自分の両親の顔が頭を過ぎった。
優しい父親の穏やかな笑顔と。
冷たい母親の憎み睨む顔が。]
あ、そうだ。
[口にして切り替えれば、そんな両親の顔も掠れて消えてゆく。
言いながら、ポケットから一つ包みを取り出しミリィに渡した。]
痛み止め。もし、まだ痛むようなら飲んでみて。
お医者先生が処方してくれる奴で、私もよく飲んでる薬だから。
[良く飲むのは、良く傷つくからではあるが。そのあたりはあえて暈しながら。]
[散歩するなら落ち着ける、人のいない方へ、と思って道を選んでいるうちに、気付けば宿近くの広場までやって来ていた。]
え、あれ。人がいない。
[常ならば人が集まるであろう場所。
きょろきょろとしていると、一方から視線を感じて振り向いた。
途端、視線の主はさっと建物の陰に隠れてしまう。]
ああ。
[それで悟る。]
そうか、ここは容疑者が集う場所、だから。
避けられてるのか。
[こんな単純なことに気がつかなかったなんて。
村人からの視線を気にしないでいたとはいえ、あまりに注意不足だろうと呆れた。]
…敵。
[低く繰り返す。
続いた言葉にはフッと表情を崩して]
そうでしたね。
安寧の場所で持ち出してしまい、失礼をしました。
私も一度診療所の方に戻ります。
今日はまだ何が起こるか分かりませんから。
[背を向けたアーベルとエーリッヒに穏やかに言う。
アーベルに続くように踵を返す]
[アーベルの力持つ者への論。
何か思うところでもあるのか、刹那、掠めた笑みは何故か自嘲を帯びていた。
もっとも、それは一瞬で消え失せてしまったが]
……敵、ね。
まあ、確かに。
すぐに見つけられるなら、それはそれで……か。
[ぽつり、と零れた呟きは淡々と。
死者の眠る場、との言葉には、そうだな、と肩を竦め]
……ああ。
俺も、一度家に戻るとするか。
[踵を返す二人に、そう告げて。
もう一度、両親の墓碑に向き直る]
……じゃ、また。
[短い言葉は、風にとけて、流れ]
─家─
[日が昇っても、仕事にもいけない。何もすることがない]
…俺って、本当に仕事ばっかしてたんだなあ。
[苦笑いをして、ふと家の中を見渡す。
昔は父ちゃんと母ちゃんと、3人ですんでいた家。
母ちゃんがいなくなって、父ちゃんが死んで。気がついたらひとりぼっち。
急に人恋しくなって、家から逃げるように、外に出た]
だって。それ以外に、どう使えと。
「信じられる者を探す」なんて使い方していたら、
此方が先にやられると、そう、思いません?
彼女がどう考えているかは、知らないけど。
[二人には背を向けた侭、されど口許に笑みすら掠めさせつつ、言った]
…ふふ。
まず間違いありませんね。どちらもただ「知っている」だけにしては明確な答えが返ってくる。
[クツクツと哂うコエは赤の世界だけに流れる]
分かり易いのをお望みだそうです。
望まれたら応えて差し上げませんと、ねえ?
[イレーネから痛み止めを受け取ったら、心から嬉しそうにミリィが微笑んだ]
おー。助かるよー。
見ての通り、浅い傷なんだけど、たまに痛んだりするのよ。
……カルシウムの問題かな?
[軽口を交えながら、さすがに常時痛んでいるということだけは伏せておいた]
―――そう言えば、イレーネ。
話は良く聞いてなかったんだけどさ。昨日、なんか辛そうな顔してたけど、大丈夫?
もしかして、なんか嫌なことあった?
……ああ。この事件に巻き込まれたこと事体が嫌なことか。
うーん。でも、大丈夫だよ。なんとかなるなる。きっと、何事も無く事件も終わって、なーんだってなるよ。うん。
[昨日は食事をとった後暫くしてから宿を出た。暗い中、幾らかの間辺りをふらふらとうろついていたが、空が白み始めた頃家の方向へと戻っていき]
……。
[そして現在。いつものよう、広場へ続く道を歩いていた]
……真理、つくなぁ。
[立ち去り間際のアーベルの言葉に、零れたのはため息混じりの言葉]
信じられる味方を増やすか。
それとも、敵となるものを見出すか。
……彼女が、どちらに重きを置くかで、色々と変わるだろうな。
[小さく呟いて。
それから、ふるりと首を横に振る]
……信じられるもの……ね。
[小さく呟き、向かうのは自宅]
[隠れてしまった視線にはもう構うことはせず、手持ち無沙汰に噴水の縁に腰掛ける。
水の音が心地良い。乾きとは真逆の、恵みの音。]
……はあ。
[一心地つく思いでため息をつく。
と、視界に白いものが目に入った。]
……ん。
お前、今日は一人なの?
[ちょいちょい、と手を出してそれに話しかける。]
カイン、こっちおいで。
[そうして猫が寄ってくれば、優しく頭を撫でてやる。]
[家を出て、通りに出てみる。
近くに居た人が、視線を合わせようとせずに、その場を去っていった]
は…はは…
[逃げるように駆け出していく。走る。走る。
気がつけば、広場まで来ていた。そしてそこには、見慣れた女性の顔]
ユーディ姉ちゃん!
[思わず、飛びつかんばかりの勢いで、近づいた]
カルシウム…?骨まで怪我したの?
[軽口に生真面目に、ほんの少し眉根をよせ心配そうにミリィをみたのは本心な様子。
たまに冗談はこういった調子で封殺されてゆく。]
…あ、うん。
[昨日のあれはミリィには伝わっていなかったようで。]
それは、そうなんだけど。えっと。
………私、人と人狼を見分ける事が出来るの。そういう力があるって、父さんから伝えられて。
一日一回だったりとか、すぐ視れるわけじゃなかったりとか、色々と面倒な事もあるんだけど。
[そう昨日、ユリアンに言った事と同じ事をもう一度ミリィに告げたあとで。下を向く。]
ねぇ、ミリィ。
私は誰を視ればいいのかな。
[俯いたまま、ぽつりと親友に問いかけた。]
─自宅─
……あれ?
[帰り着いた自宅には人の気配はなく、玄関にも鍵がかけられており]
でかけてる、のか?
[小さく呟きつつ、鍵を出して戸を開ける。
人の気配のない空間。
飾られた花が、やけに冴え冴えとして見えた]
……こっちの方が。
気楽なはず……なんだが。
[しばしその場に佇んだ後、こんな呟きを漏らし。
軽く、頭を振ると、自室へと向かう]
[大きな声にふと顔を上げる。
よく知った少年が、全力で駆けてくるのが見えた。]
ティル。
[にこりと微笑み、素早く猫を抱き寄せる。]
どうしたの、そんなに慌てて。
今日はお仕事は?
[やがて一軒の店の前で立ち止まる。営業中との札がかけられてはいるが、普段と違って開け放されていない、「何か」に警戒するように閉ざされた戸]
やあ、今日は。
売れ行きはよいかい。悪いかね。それもまた結構。
ブリジット=フレーゲが……
[それに向かって挨拶する。言い切る前に扉がキィと小さく開けられ、隙間から中年の店主が顔を覗かせた。店主は来客を複雑な表情で見つめながら、遠慮したように口を開き]
「……何をご所望だい」
[自室に戻り、本棚に並べられた伝承の本を一冊、抜き取ってぱらりとめくる。
書かれている内容は、先に墓地で話したものの詳細。
始まり、攻防、流血、生死──そして、終幕。
書物では、人の勝利の結果が記されていたけれど。
そこに拠らない『知識』は、それ以外の結末もあると教えていた]
……わかっては、いる。
けれど。
……なにも、ないのに?
[問うような呟きは、どこへ向くのか。
緑の瞳を机の上の箱へしばし向けた後──再び、自室を出る。
家の中をぐるりと回り、置手紙を確かめた後、再び外へと]
主様等の望むままに。
宴がお望みならば、その下準備は私の為すべき事。
主様が摘み取り易いように、大輪の花を咲かせましょう。
嘆きを呼び水に、血を糧に。
私は盾、欺き殺め生かすもの。
全ては主様の望むままに。
[忠実な僕はオートマタのように、同じ言葉を繰り返し紡ぐ。]
…アーベルさんと、エーリッヒさん。
[こちらからは遠く、話の内容は十分に聞こえるとはいえないが。]
わかりやすい、ですか。
そう、ですね。
そもそも私は、白か黒か、しかいえませんし。
紡ぐ言葉は、易く受け入れられるかもしれませんね。
…いえ、信じてくれなくてもいい。
でも可能性がほんの少しだけでもあるなら、そこに疑念は生まれてくるから。
[近づいてみれば、猫を抱いて微笑むユーディの笑顔に、思わずほっとして]
姉ちゃん…あ、いやいや、その、何でもないんだけど。
[寂しかったなんて恥ずかしくて言えなくて。慌ててごまかした。]
今、仕事はお休み。親方に来るなって言われて。
…何もやることないんだ。
/*
お疲れ様です。こちらも少し前に戻ったりしてます。
いえいえ!こっちこそ行けずにすみません;
占い先、ここはミリィに投げてみようかとw(ぉ
人と人狼を見分ける力。
[ミリィが反芻した]
……そっか。なるほど。
だから、昨日みんな、イレーネをあんな目で見てたんだ。
[それは憧れでもなく、悲しみでもなく、怒り]
……すごい力なのかも知れないけど、私にはよく分からない。
だけど、人を道具のように見るのは……嫌。
イレーネはイレーネじゃない。
それなのに……なんで、そんな力があるって聞いただけでみんな……。
[少しだけ、涙をにじませる]
[だけど、それは少しの時間だけ。
首を振ると、イレーネへと笑顔を向けた]
……ごめん。なんか勝手にイラついちゃった。
それで、誰を見分ければいいのかだったっけ?
うーん。難しいなあ。
つまり、それって、みんなに誰を見分ければ一番効果的に見せることが出来るかってことでしょう?
うーん。ちょっと待って。
[眉間に指を当てて、考え込む]
< 撫でられた白猫は眼を細め喉を鳴らす。
勢いよく近づいて来た少年を見上げ、頭を傾けた。
ゆらり、ゆらりと、尾が揺れる >
/*
いや、もう少し早めに切り上げて動けるかと思ったのですが。
話の流れとして構わないと思いますよ。
最初の動きはお任せします。
こちらはキッチリと喰らって幕を上げませんと(笑
ふうん、ほんとに?
[くす、と笑う。猫の背を撫でながら。
親方に来るなと言われた、という説明には表情を曇らせた。]
ああ……そうなの。
[エーリッヒの前では敬語で接しているものの、今の少年に必要なのはそういう距離ではないな、と感じ、若干口調を親しいものに切り替える。
座ったら、と隣を指し示しながら]
私も暇なの。やること全部終わっちゃって。
いつもなら何時間でも外でお喋りできるんだけどね、っと……それじゃお手伝いさんとしては失格ね。
[エーリッヒ様には秘密、と唇に指を当ててみせた。]
ノートを一冊。
[返答を受けて一旦閉められる戸。程無くして再び控えめに開き、隙間から店主がノートを差し出してくる。値段はいつもと同じに、と補足しながら]
代金だ。お釣りはいらない。貰っておきたまえ。
気前がよいのが私の見上げられるべきところだ。
[言って値段丁度の硬貨を渡し、ノートを受け取る。店主は硬貨をエプロンのポケットにしまうと、じゃあ、とそそくさ顔を引っ込めた。また、閉まる戸。
新しいノートを常備している縛った荷物に重ね持ちつつ]
何だね、妙に慌しいじゃないか。そうは思わないか、店主。
忙しいのかい。それとも怯えているのかい。
空ではなく地が蓋である可能性に。
空ではなく地が蓋であったなら。
そうして蓋が外れたとしたら――
嗚呼、あまりに恐ろしい事だ!
[一度の大声を残し、再び広場へと歩き始め]
[取りあえず、家は出たものの行く宛はかなり限られているのだが。
ともあれ、ふらりと通りを歩いてゆく。
途中、向けられる視線に宿る感情に、やれやれ、と息を吐いて]
……これは、商売上がったり、か……?
[零れ落ちるのは、ぼやくような呟き]
ミリィ。
[親友が怒りを露にして涙ぐむのに、僅か瞬いた後、嬉しそうに、心から微笑を浮かべた。]
ありがとう、でも、…そうだね、仕事みたいなものだから。
[仕事、には透明な笑みが浮かぶが、すぐに普段の穏やかな笑みにもどり。]
それに、ちょっと嬉しいの。
父さんが残してくれたものが、活かせるんだって。
あんまり私には残ってないから。
家族…父さんとの繋がりとか、そういうのが感じられて。
[母親の事は、あえて口にしなかった。]
ハハハ…ハハハハハハ!
そうです、それで良いのですよ、ゲイト。
猜疑は狂乱を呼ぶ。
哀れなる羊たちは自ら犠牲を求め動く!
――時ハ来タレリ。
今こそ華やかなる舞台の幕を開けましょう。
今宵は殺戮の宴の始まりです!
[高揚した意識をそのままに解き放つ。
人の影が途切れたその時、診療所に向かっていたはずの彼は大きく跳躍し、方向を変えて――]
うん、…みんな占いたくもあるし、占いたくなくもあるの。
大事な事なのに、知るのは、怖い。
[ぽつりと俯いたまま呟く。
胸中に浮かぶのは容疑者として名をあげられた人の顔。その中にミリィと、そしてもう一人の顔が浮かんでは、すぐに消えていった。]
/*
いえいえ、そっちも大事なところですし。
はーい。とりあえず二人で無い事を祈ってますw
ま、間に合うかな…。動き。頑張ります。
そちらも襲撃開幕、頑張って下さいね。
まとめサイトの方もお願いしまーす。
/*
この人の配置は、迷うな。
さっきの今だから、
エーリッヒに遭遇するのはというのもある。
イレーネに会いたいけれど、流石にミリィ宅は無理。
[―――もし、自分がそういう力を持っていたのだとしたら、誰を見分けていただろうか?
大事な人?嫌いな人?どうでもいい人?
人狼というものの可能性が一番高い人?]
……。
[もしも、これがゲームだとしたら、どうすれば一番勝率が高くなる?
闇雲に見分けていれば勝てる?
いや―――そうだとしたら、バランスが悪い。それに対抗するべき手段はあるはず。
人狼はならば、どういう手段がある?
―――そこまで考えて、一気にミリィの顔が青ざめた]
―――っ!?
[ううん。そんなことあるはずない。とミリィが首を振り、さらにその先を考える。
ゲームだと。ゲームだと仮定すると、時間が無い。一直線に行かなければいけない。
それならやはり、人狼の可能性の高い人を、好きだの嫌いだの考えずに、見分けることが先決]
……イレーネ。貴方は、私が人間だということは信じてくれる?
[尻尾を揺らめかす白猫に、よっ、と軽く挨拶をして、ユーディットが指し示す隣の位置に座る]
そっか、姉ちゃんも今暇なんだ…って、姉ちゃんはお仕事終わったんだね。
はは、エーリッヒ兄ちゃんには内緒にしておくよ。
[指を口に当てるしぐさに、思わずくすりと笑うけれど]
ねえ。ユーディ姉ちゃん…
俺たち、どうなっちゃうんだろ…みんな、喰われちゃうのかな…
[小さな声で、つぶやいた]
[道を行く途中、転がって来たボールを拾い上げ、投げ返す。普段は遊び相手になってとせがむ子供は、ボールを受け取ると、困ったような表情で、足早に去っていった。それに特別の感情を覚える事もなく、歩みを再開した]
さて。何処にいるかな。
[耳許に何気なく手をやり、独り言ちる。
丸い石は、今は、静謐な光を湛えていた]
[ふ、と、通りの途中で足を止め、空を見上げる。
緑の瞳は静かに、そこにある色を見つめ]
……これから、どうなる……かな。
[零れ落ちたのは、そんな小さな呟き]
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