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そして、物語は動き出す。
目覚めたものが何処へ向かうか、それは一人一人の思うがままに。
どうやらこの中には、村人が2名、占い師が1名、霊能者が1名、守護者が1名、共有者が1名、聖痕者が1名、狂信者が1名、呪狼が1名、智狼が1名いるようだ。
おお、どうやら全員、揃ったようじゃな。 皆に大事な話がある。
先日から噂になっておるので、皆も聞いておるやも知れんが……この地に『人狼』と呼ばれる脅威が潜んでいるらしい。
噂の真偽の程は定かではない。 何事もないとは思うが、皆、念のため気をつけてな。
自衛団長 ギュンターが「時間を進める」を選択しました。
[ユリアンの内心に気づいているのかいないのか。
いえ、ある程度気づいているが、気づいていない振りをする。振りだというのも相手にわかるだろうがそれでもしつつ]
ああ、俺は水汲みに。荷物はいいが、エルザが顔見せてくれたら親父も喜ぶなーと
[とっても寡黙に喜ぶだろうと。想像したところに。新たな声と、エルザが陰に隠れたのを見て]
おぁ。
[ミリィの姿とユリアンの言葉に挨拶も前に変な声があがった]
/*
しょっぱなから、度が合っていない設定忘れた ぞ!
まあ、次回から誤認しまくればいいよね!
おまかせ占い師って、なんだってー。
初期占い先がギュンターって、なんだってー。
自白剤でも作ればいいのか!!
[二人の青年の後ろに、隠れる少女。
声からエルザと知れば、空いている片手を腰に当て溜息をついた]
まだ何も言っていないだろう、エリザベス?
やましいことがないのなら、どうどうとしているがいい。
そういう素振りを見せると変に勘ぐってしまうじゃないか。
[ぴき。
そんな効果音が聞こえる程、
こめかみにくっきり浮かぶ青筋が見える程、
ユリアンの一言は効果覿面だった]
ほっほう――
人を見て、げぇ、などと声をあげた挙句、
そのようなことを言うか。
その性根が治るよう、薬を調合してやろうか。
親父さんも喜ぶだろう。
[とん、とん。
足が地を叩く。眼鏡の奥の瞳は鋭い]
[アーベルの言葉には、後ろから笑顔で見上げ]
じゃあ、行くわ、顔を見せに?
お水、持って行く?
[言った時、ユリアンの言葉が聞こえたので、わかずくり、と口の中で繰り返してみた。
丁度その時、ミリィの声が聞こえてぴくんと肩をまた竦め。
おずおずと、ふたりの影から顔を出した―尤も、ちっとも全身が隠れてなどいないのだけれど。]
だって…
口の中おえってなるのだもの…
[舌を押えて咽を見られるのが嫌なのだ。]
診ねばわからないのだから、仕方ないだろうに。
診ずに発見が遅れて、ひどくなるのは、いやだろう?
[繰り返された言葉が聞こえていなかったのは、幸いに違いない。
女子供に対しても容赦はない――というか、大人気ないのだから。
とは言えエルザには、主に、彼女の過去に思うところもあるのか、他よりは幾分か柔らかい]
エリザベスの歌が聞けなくなれば、私だって寂しいぞ。
いや、いきなり声かけられたとこで横から、げぇ。とかいう声が出たら驚くでしょ。
[と、ミリィに睨まれて説明。変な声を上げた理由は本心それである
ただユリアンが驚くのも致し方ないことだとか失礼なことは思っているが]
そう、ですか。
…血は争えない、のかな。
[両親はどうだったろう、などと片隅で思いつつ。
血の繋がった兄だからこそ、向ける視線はやはり複雑ではあれ、そうすることが失礼だとかいった感情はまずない]
……はっきり頷くか、お前は。
[頷く幼馴染に、渋い顔をして。
複雑なものを帯びてこちらに向けられる弟の視線に、なんとなくジト目になりつつ]
……そりゃ、実の兄弟で全く似てない、って事は、ないだろうけどなぁ。
歌。
そう、そう?
うれしいわ。
[歌を、と言われればぱぁっと顔が明るくなり
隠れていた二人の後ろから姿を現した。
不意に息を吸い込み、大きな声で歌いだす。
辺りを歩いた人達は、何時もの事かと驚きもせず、
人によっては自分の子供を彼女の方へと
寄らないように、握る手に力を入れるのだった。]
[彼女は歌う、それが自分の命の仕事だからと。
彼女は歌う、それが自分の好きな事だからと。]
[そしてまた、夢を見るのだ。
――重力から解き放たれた、夢を。]
― 図書館 ―
どうかな?俺と兄は、全く似ていない。
今、似ているとしても、お前の努力次第で、なんとでもなるだろう。
[憂鬱そうなミハエルを見ると、励ますように言う。絵師の方が変化するとは欠片も思っていないのが見え見えだ]
とりあえず、音楽もいいが飯も食え。
おう。じゃあ水汲んだりした後でいくか。ちょっと両親ともに出かけてるからまだ家にいねーだろうしな。
運ぶのは自力で大丈夫だぞ。そもそもそんなに量は必要ないしな
[とエルザに応えつつ。確かにミリィの薬…そもそも薬は苦いよなぁ。と思い健康体なため機会は少ないことに感謝する。
とはいえ左目のほうとか色々あるわけだが]
[青筋浮かべて、怒り心頭のミリィに]
なんだよー。前もそう言って苦っげぇ薬飲ませたじゃんかよー。
そう言うんだったらちゃんとした薬作れよなー。
……自作の薬で若返ってるくせに。
[なんでしょう。
この学ばなくて、かつ神経逆撫でする台詞が素で出てくるのは。
ある意味才能なんでしょうか。百害あって一利ないけど。]
……ふむ。それもそうか。
[アーベルに言いつつも、眇めた赤い瞳は疑惑の色が濃い。
しかしその表情は、清廉な歌が耳に届けば掻き消えた。場所が場所のために、心が和らぐというより、驚きが先立つ]
ああ、そうだよ、エリザベス。
けれど、それは大切な時にとっておくといい。
誰にでも聴かせてしまってはもったいない。
[にこり。
頂点に達した怒りは一転して、笑顔を作らせる]
ああ、馬鹿を治す薬はいくら私と言えど大変でな――
そうか、赤子になる薬の方を所望するか。
…それはそうだけど。
[ジト目に同じような目を返し。
傍から見ればやっぱり似ているかも知れなかった]
やっぱり僕が努力しないといけないんですね。
…頑張ろう。
[オトフリートには妙に決意を込めて言葉を返し。
届く歌声に、ふと顔を上げた]
[ミリィの言葉に、歌はぴたりと止まる。
否、止まりきらず口の中では転がすように
小さく紡いではいたのだけれど]
もったいない、の?
ふふ、そんな事言われたの、初めてなの。
すてきね、素敵だわ。
[ふふ、と嬉しそうに笑いながら
アーベルの顔を覗き込んで]
行く、行くわ。
帰りを待ってから、なのね。
[歌の続きのように、言って。
白いワンピースを翻してくるり、ひとつ回った。]
努力って、そこまでのものか……。
[はあ、と、ため息一つ。
一体、弟は自分をどう思っているのかと。
考えたのは一瞬の事。
聞こえた歌に、僅かに目を細めた]
……っと。用事があるのだった。
ユリアン、お前の処遇については、また後ほどに検討することとしよう。
[はた、と気付いて瞬く。
感情の起伏は激しいが、その分、切り替えも早い]
とっておきにしておくと、嬉しさはよりいっそうだからね。
[エルザにはそう言って、また90度方向を戻し]
ああ、そうそう。
何処に行くつもりかは知らないが、
キノコ畑には不用意に近付くな、坂道が崩れたらしい。
長殿が対処に当たってはいるだろうが。
[早口に言うなり、図書館に向かって歩みだす。
編んだ三つ編みが後ろへと流れて背で跳ね、余計に幼さを増した]
だろ?変じゃねえよ。なんでもかんでも疑うのはよくないよ。ミリィ先生
[だがユリアンが先に言ったためだったなんて口にはせず。
エルザが唐突に歌いだしたのに目を向ける。それはよくあることだが、それを聞きながら周りの反応を見て内心で舌打ちを打つ。とはいえそれを表に出さないようにはしていたが]
確かに勿体無いな。…ぁあ。じゃあ少ししたら行こうか。
[覗き込んだエルザに笑みを返し…このままエルザを見て和んでいようか。隣の大地雷を見るべきか。しばし迷ったり]
― 図書館 ―
[歌が途切れると、僅かに瞬いて、くちゃ、とまた蜜蝋を噛み締める]
…俺は仕事に戻る。カップは適当に置いていけ。
[似た者兄弟にそう告げると、書庫の方へと身を翻した**]
ん、ああ。
[仕事に戻る、という幼馴染に頷いて]
……色々、ありがとなぁ。
[書庫へと向かう背に向けて、こんな言葉を投げかけておく。
カップの中身は、既に空]
俺も、そろそろ、アトリエに戻らんとな……。
坂道が崩れたのは、見つけたの!
じゅんかい、してるときに。
[大工だった親は、自分が作ったものを良く
時間が空いていたら見回っていた。
一緒に連れられて居た彼女にとってそれは日課で、
今でも良くそれをしているのだった。]
うふふ、しっぽみたい。
[ミリィの背で跳ねる三つ編みを見て
楽しげに笑う。]
ああ、わかった。ミリィ先生。また
[空いてる手を軽く振って見送って離れたのを確認した後]
…ユリアン。とんでもない処遇の検討とかされるんじゃねえか。
ユリアンの若さを奪い取ってミリィ先生が若返るのかもしれん
[先ほどエルザとユリアンとでしていたほらとは違い至って真面目]
ああ、そうだったの――
[広場から図書館まで、そう距離はない。
歩みながらエルザの大きな声に反応して振り返りかけ、
べしんっ!!
目測誤り扉に正面から激突したのは、他者にとっては*笑い話*]
[歌が途切れ。
一つ、息を吐いた]
あ、はい。
ありがとうございました。
[書庫へと去るオトフリートを見送り。
僅かな残りを飲んで、カップを置いた]
途中まで一緒に行く?
アトリエに戻るなら。
[それから、もう1人残った兄に向き直り]
ほぅ。そうだったのか。俺は何か理由がねーといかねーしな
[エルザが見つけていたことを聞いてそう言葉を漏らしつつ。ミリィが扉に激突をしてるのを見て]
ぁ…痛そ。
[でも館内に入っていったので大丈夫だろう。なんて勝手に思ってる]
ちょっ、馬鹿ってなんだよー。
それに赤ん坊になる薬って、それもっと馬鹿になる薬じゃねーかよ。
俺には気球でここから出るっていう偉大な使命があるんだよもん。
こんなとこで倒れるわけにはいかねーんだよ。
[なんかバックに炎のエフェクト出しつつ力説。
でもどこかずれてる。]
あら、あらぁ?
大丈夫かしらぁ?
[にこにこと尻尾を見ていると
べしんと派手な音を立てて扉にぶつかった後
慣性の法則で少し遅れてそれも扉を叩いた。
痛そうな音にも笑みを浮かべた侭、見ている。]
怪我、してないといいけど。
怪我をすると色々、ふべんだから。ね。
[アーベルとユリアンに同意を求めるように声のトーンを少し上げ
くるり、もう一度両手を広げて回った。]
ん……ああ。
[弟の言葉に、一つ頷いて]
方向同じだし、なぁ。
それに、荷物持ちくらいなら、手伝う……。
[言いかけた言葉は、扉から聞こえた音に遮られる。
しばしの沈黙。
間を空けて、今の音の当事者が入ってきたなら]
……げ。
[短い言葉が零れ落ちる、その後も全力で逃亡を試みるのは、ある種の*予定調和*]
[と、ぴたりと動きを止めたのは
ユリアンの言葉のせい。]
あ、ききゅう、出来たの?
乗れる?浮く?
[バックの炎に怯える事もなく
腕を掴まん勢いで詰め寄って、じっと見つめる。]
[アーベルの言葉に目を瞠りつつ]
マジでか!?
てかてめぇ、悉く俺を貶めようとしやがって。
なんだこら、喧嘩売ってんのか。今なら買ってやんぞ。
支払いはボディブローでいいよな、な。
/*
> 生まれつきの力か何かの技術か、絵筆の力を辿れるもの。
くっ、自白剤は使えん……!!
まあ、飲ませている暇がないわな。
特にラスト近くになると。
逆呪殺されたい。
日数が減るのは、あれだ、守護者頑張れ。
薬使って似非科学ちっくに辿るか――
ああ、水晶花辺りが、使えるかな。
墓地のをこっそりと。
いいのか。いいんだ。
[とメンチきりかけたところで、彼の言葉に反応したエルザの詰め寄りと期待の目に、ぴしりと固まり]
………………イエ、マダデス。ゴメンナサイ。
[固まったまま、汗だらだら。]
まあ不便だな。傷口でも泳ぐときは染みて嫌だし。だが大丈夫だろ。医者だし
[医者だから怪我しない。なんてことはないのだが、無理と無事の境目はわかるだろう。
と、エルザに同意しながら応えて]
いやいや別に貶めようなんて思ってないぞ
[しっかり飛び火を与えたりしていたものの言葉ではなかろうが気にしない]
ってかそんなん売ってないから。でも空腹の胃が打たれると飯食えなくなるぞ
[事が起きたら買う気満々]
いや、荷物は1人でも…
……あ。
[答えながら、音のした入口を見ようと顔を出し。
短く零れた言葉が兄と被った。
兄程には苦手意識はないので、傍らをちらと見上げるだけだったが]
こんにちは。
オトフリートさんなら、今部屋に…
…って、兄さ…ッ
[ミリィにそう話し掛けている最中、隙をついてまんまと逃亡する兄]
…怪我してたんじゃなかったっけ。
[それにしては素早い動きに、呆れ半分で呟いた。
特に声を抑えたわけではないので、薬師にも聞こえたかも知れない]
…済みません。
僕も、失礼します。
[はたと我に返り。
結局自分で持つことになった荷物を元通り抱え、兄の後を追った。
追いつけるかどうかは不明**]
…そう、まだなの。
がんばって、ね?
[期待が削がれたけれども、笑顔は崩さず。
謝られる意味も理由も彼女には理解出来ないけれど]
がんばってね!
[笑顔で無自覚のプレッシャーをかける。
それから暫くすれば、アーベルの両親に会いに行くのかもしれない**]
…だな。がんばれよ
[エルザに続くようにいった言葉は、軽い口調だがからかうような意図はない。懸命なのあhしっているし、それは一つの願望を叶える形だからで]
さて、そろそろ行こうかエルザ。ユリアン。またな。
[と言って、エルザを伴って、広場へ行き、水を桶に汲めば]
ああ、もてるから大丈夫。ってか二人で持つほうがバランス悪くて持ちづらいしな
[なんて手伝いを申し出たエルザにはそう応えながら、また頭に桶を載せてバランスをとりながら、来た道を返る。]
[エルザからの笑顔のプレッシャーにぎこちない笑みを浮かべつつ]
ハイ、誠心誠意頑張ラセテイタダキマス。
[内心で、アーベルやっぱいつかぶん殴るとか思いつつ、その場が解散になれば、随分と遅くなった食事に*向かうだろうか*。]
ねぇ、かえろ?かえろってば?
おうちで、おばあちゃんが待ってるのだ。
……。
――あぁーん、アトリのいぢわる〜っ
[いつもは傍を離れたりしない、
だからこのトカゲを肩に乗せ連れていた。
ところが今、花畑に入った途端、
ひとりであんな高い所へ登って、呼べども戻らない]
[ついに泣きべそをかきだす少女。
するとそちらへトカゲは這い下りてきた]
…………。
[二人して仲良さそうに歩いていくエルザとアーベルを無言で見ている。
その目に一瞬寂しそうな色が宿るが、]
…………。
[無言のまま踵を返すと、彼は食堂へと歩いていったのであった。]
―家―
親父。母さん。水汲んできて、エルザにあったから連れて来たよ。
[言えば家から顔を出した両親。出てきたのは息子が帰ってきたからと言うよりも、エルザが来たことだろうと思っていればその通りのようで]
「よく来た。…元気そうだな…何か困ったことはないか…?」
「いらっしゃい。エルザちゃん」
[いつも寡黙気味なのに比較的口数も多くエルザに色々聞いているし、母は母でいつもどおりにこやかに迎えているのを見て苦笑しつつ、桶にいれた水を甕に*いれにいった*]
あ、アトリ―っ!
[今泣いたカラスがもう笑った]
[アトリが手元へやってくると、
ぱあっと顔を輝かせ、友を肩へ移し]
[振り返る。
そこにはきらきらしい花の絨毯が広がっていた]
あ、そうだ。
おばあちゃんに、お花。お土産なのだ。
[ここへやってきた目当てはそれ]
[鼻歌を口ずさみつつ、硝子のような花をつんでゆく]
♪〜♪〜♪
[綿毛をつむ際にうたう調べを選んでいたのは
無意識でのこと]
さ、これでいいや。
[花束を纏めるとキノコ畑経由の帰路につく。
途中、道の崩れた箇所を見つけて、眉をひそめた]
―花畑→広場―
……ふう。
おうちまで、まだ遠いね。
アトリのせいでなんだか疲れちゃったのだ…。
ひとやすみしてこ。
[広場の端。汚れた裸足で座り込んだ。
[花の束を抱え頭を傾けると、
流れる金髪にじゃれるように、肩のトカゲも動く]
[此処を通りかかる者があれば、おずおず挨拶することだろう**]
/*
今日の昼くらいには顔を出せると思いますが、先に一言おとしておきます。
仲良し狼とはいかないかもしれませんが、よろしくお願いします**
─図書館→広場─
[弟が、挨拶している隙を突いての一撃離脱。
痛みはあったが、捕まるよりはと走りぬけ]
……お。
[駆け抜けかけた広場の隅、座り込む姿に気づいて足を止める]
そんなとこに座って、どーしたぁ?
[トカゲを連れた少女に声をかける。
突然話しかけられた方は、驚いたやも知れないが]
んー、怪我とかしてるんじゃないんだなぁ?
もし、痛いとこがあるなら、図書館に薬師さんが来てるから、診てもらうんだよ?
疲れてるだけなら、元気が出るように飴ちゃん一つあげよう。
[色々と自分を棚上げした言葉をかけたり飴玉を渡したりしている間に、弟が追いつき。
じゃあなぁ、と手を振って再び帰途へ]
じゃあ、お前もちゃんと食べて、休めよー?
[別れ際、こんな言葉を投げかけて、アトリエへ。
反論に対しては、いつものようにへらりと軽薄に笑うだけだろうが。
アトリエにたどり着くと、はあ、とため息一つ。
滅多に他者の訪れないこの場所では、表で見せている軽薄さも薄れる]
……あー、バスケット。
後で、いいか。
[テーブルの上に置いたままだったそれを見やって、ぽつり、と呟く。
直後に、打ち付けた場所が痛んで、顔をしかめた]
……飲んで、少し寝とくか……。
[上着のポケットに突っ込んできた痛み止めの事を思い出し、小さな声で*呟いた*]
/*
は。
後で、出かけておかなくては。
アトリエは空けておかないと、赤組が困ってしまう。
昼頃にでも、流れにあわせて外出るか。
帰りもバスだから、待ち時間に鳩れるし。
うう、私としたことが……。
[ぶつぶつと呟くが、日常茶飯事である。
仕事に関してヘマをやらかしたことはないとは言え、その他では注意力がやや低い]
オトフリート、邪魔するぞ。
ちょっと調べたいことが……、
[まだ若干よろけつつ中へと入り、人影を見つけ声をかける。しかし、返ってきたのは別人の声]
ん?
なんだ、リヒト兄弟か。
[エーリッヒにとっては運良く、意識はミハエルに逸れた。一瞬の隙を突かれ、脇をすり抜け逃げられた]
って、くぉらっ。
エーリッヒ=リヒト、なぜ逃げる!!
[『ブラゥモーント』と呼ばないのは、当代の絵師とは認めていないからだ。昔から一方的に世話を焼いていた身としては、まだ子供扱いらしい。
踵を返し追おうとして、ミハエルの台詞に眉が上がる]
――ほほぅ?
あっちはあっちで何かやらかしたのか。
ユリアンともども、新薬の実験台になって貰おうか。
大方、手当てはオトフリートがしたんだろうが。
[後程の訪問を窺わせると、今は任せたとミハエルに言い置いて、聞いた通り書庫に向かう]
ああ、オトフリート。いつもすまない。
ちと、この調合法に関する書籍がないかと思ってね。
これもそろそろ、新しく写すべきかな。
[手にしていた本を差し出し、一頁を示す。代々の薬師が記した書は時の経過により、所々が読めなくなっていた]
……で、だ。
あれはまた、私に小言を言われるようなことをしたのか?
[一段落着いたところで、そう切り出す。
黙しても運命はさして変わらないのは*知れたこと*]
―食堂外―
あっ、ユリアン! やっほーい!
[出たところで出くわした同志に、ピースサインを作った。]
気球はどう? また失敗? そっかー、でも夢は大きくだ!
私もしっぱいー。
もっと深く行くにはどーしたらいいだろうね。巻貝もってって途中で息を補充してもいけないしさ。
ユリアンはどこまでな感じ?
[進捗を尋ねて、やがてバイバーイと手を振った。]
あ、今日はスープが超おいしかったよ!
―― あ、あれは 絵師様!!! ――
[またもや広場で姿を見かけて、大慌てで髪を整えたりなんなり。
絵師の向こうにいる子供に気付かず、にこっと笑顔の練習をしたりして、もう一度、物陰から覗いてみれば……]
―― が ぁぁぁ ん ――
/*
おはようございます。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。(みつゆび
ちなみに、赤での中会話(打ち合わせ)はお嫌いでしょか?
私はどちらでもありませんので、合わせられます。
/*
どちらでも構いませんー。
必要に応じてで良いかなというくらいですけれど。
絵筆を取りにいくとのことですけれど、一緒にとりにいったほうが良いのかな?
それとも鉢合わせパターンとか?
/*
鉢合わせが楽しいですかね?
丁度縁故も取ってませんし。
あ、そうすると時間を合わせる必要がありますかねー。
ちなみにそちらのコアタイムは大体いつくらいでしょか?
私は夜までは低速に覗いたり出来る感じで、リミットは25時位です。
―広場―
ああん、絵師様にまたご挨拶できなかったー!
……ん?
[さっき絵師がいたところに、少女の存在を確認して、近付く。]
ザックスさんちのビーチェじゃん。
もしかして、絵師様とお話してたの?
うー、なんてこったい。
[アトリエのある方を見て、しょんぼり。
まあ仕方ないと気を取り直すのも早いのだが。]
おうちまでつれてこっか?
でもその子かわいー
[蜥蜴に指を出したりして、
まあ答えが何にせよ、少女の目的地は図書館で変更は無しだ。]
/*
ですね。
夕方までは覗いていますよ、とても遅いけど。
ただ、先にとっておくべきか、あとで取るべきかは悩みますね。
白でエーリッヒが動く前が良いか、動いた後が良いか。
一応wikiでは前半って言ってますけど、齟齬とか考えると後半になってから、さくさくとっちゃうのも良いのかも?
夜のリミットは、昨日みたいにあんまりにも眠いかんじだったら起きられないと思うんですが、
金曜日だからちょっとは融通ききそうなかんじですね。
だいたい、11時前くらいに居ない時間があります。
鳩のときは、白か赤かどっちかしか反応しないんですが、それでよければ7時くらいとかも反応できるかもしれません。
/*
こちらも夕方まではとても遅いですー。
そうですねぇ、エーリッヒの様子を見てから、さくっと取りに行きましょうか。
エーリッヒの家に忍び込む感じでよいのかな?
まぁ流れで上手く行かなければ、必殺回想もあります、し!
―図書館―
しーっと、しぃっと。
[声を出してれば世話は無いが、図書館の扉をそぉっと開ける。
中に入って客たちを見て、そのうち一人に近付いた。]
オトせんせーはいないの?
……わぁ、ミリィせんせー来てるんだ。
[悪い子は捕まっては、まずい薬を飲むことを思い出していやなかお。]
でもオトせんせーも男だったんだね。
ほら、お部屋にふたりきり。
これは邪魔しないほうがいいね!
「……は?」
ほら、ふたりっきりのお部屋とか超ラブロマンスじゃん!
/*
多分しのびこむで良いのだとは思いますけれど。
まあエーリッヒ今家にいるし、とりいいきにくいですからね。
行動見て、がやっぱりいちばんですね。
できればエーリッヒとぶつかったりお話したりした後がよいななんてちょっと我侭いってみたり。
ところで赤ログの方法はどうなさいますか?
お話ができるっていうより、どこかで密会かな?
まあ、邪魔しないようにしないとね!
書庫なんて、物陰だしさ!
メイクラブってやつ?
「お前、そんなこと本人の前で言ってみろ」
いやだなぁ、本人は照れるにきまってるじゃない!
そんなの言ったらかわいそうだよ。
恋は応援しないとね!!
「いやだから誰が誰に」
そんじゃ、今日はお勉強これだけでいいや。
オトせんせーには後で会いにこよっと。
今日は二回も絵師様を近くで見ちゃったから、満足満足!
[駄目だこりゃって顔をされたのを、少女は気付いていないし、
その彼が、ミリィかオトフリートにそんな妄想を語るなんてことも、考えていないのだった。]
/*
絵筆を取りに行った所ではちあわせ→心の声が聞こえるように、
とかも可能ぽいですかね?
そちらは念の強さ故、感知できる人を封じたり出来るようですし。
密会も楽しいのですが、接点が薄い&結構皆移動せずまったり、な印象があるので
会話が出来なくなりそうな予感がしますw
あ、表に出るタイミングって希望ありますか?
溶けもありますし、タイミング難しそうですね…。
―アーベル宅―
[アーベルの自宅へと招かれて扉をくぐると
見知った彼の両親が出てきて歓迎してくれる。
にこにこと笑みで答え、促されるままに椅子へと座った。]
えぇ、困った事は無いわ?
あ…――
[言いかけ、何かを思い出したようにぴたりと一瞬動きを止める。
何か?と聞かれても笑顔のままふると頭を横に振り]
うぅん、なんでもないの。
ちょっと思い出しただけ。
そうそう、畑の奥の坂道へじゅんかいに行ったときに――
[そして暫く出されたキノコ茶を飲み、
暖かい空気に身を浸し、楽しげな時間をすごした。]
/*
タイミングとしては、出るべきときに出る感じですかねー
早めにCOしますけど、一日目にやるつもりはありません。
二日目以降ですね。
初回襲撃が決まってるので、初回占いを悩ませてみたいのです。バランス悪い編成ですし。
心の声とかありなのかな。
なんとなく、それなら筆を通じて話すとかなのかな。
筆って何本ぬすむんだろうとか、ちょっと考えたりします。
/*
まとめサイトを見てきました。
「ある日、『絵師』の愛用する絵筆の一本が盗まれた。」
と、書かれていました…。
ぬすむのは一本のようです。
なら折って2本にしてそれを通して…嘘です。
初日占いでの溶けは、まとめでも共有やダミーでも、と示唆されていますから、そこはあまり気にしすぎる事も無いですよね。
そちらが早めにCOするならこっちは表でまだCOせずにおきますね。
とはいえこちらは占われれば黒がでますので表に出ざるを得なくはなりますがw
/*
占われないように頑張ってください(笑)
なるほど、一本ですか。
襲撃とか面倒ですねえ。
まあなんとかなるかな。
初日に溶けてくれたら大笑いします。冗談ですが。
一緒に筆に触ったので、なんだか通じるものができちゃったとか……?
気配察知とかはまあ、なるようになるかなー。
/*
全力で頑張ります(まがお
初回溶けは…そうですねぇ。溶けは浪漫とも言いますが、逃げ道もありますし溶けてしまったら日本人ぽく笑います。
絵筆一本だと襲撃はちょっと面倒そうですが、そこもやっぱり必殺回想もありますし!
ギュンター襲撃はどうします?
する方が絵筆を持っておいたほうが良いですよね。
まぁ、まだ36時間程あるのでゆっくりすれば良いとはおもいますが。
[美味しいお茶と、蜂蜜味の甘いおみやげを貰って
ぺこりとお辞儀をして外へと出ると、
さわりと風が頬を撫で髪を攫い、目を細めた。]
あ、ふくろ。
[糸紡ぎ場へと小走りで向かい、布袋をまた貰う。
それからゆっくりと歩いて居ると、
トカゲを肩に乗せた少女とすれちがい、
ごきげんようと、笑顔で挨拶をしたかもしれない。
そうして、誰が待つこともない自宅へと一度帰った*]
/*
一日以上あるのでそこらへんは流れで。
占われそうならCOしちゃってもかまいませんよw
初回に溶けるの見てみたい☆
なんて。
まあ必殺回想を赤ではメインですかね。
リアルタイムでできるときはそうするかんじでー。
―道端―
「あ、リディ、あんたまたサボったでしょ!」
さぼってないよ!
ちゃんと仕事したじゃんかー
ほら、糸作るの得意だし。すーぐ終わったもんね。
「まじでー?」
うんうん。ちゃーんと見てきなさい。
そうそう、オトせんせーとミリィせんせーが良い仲みたいだよ。
「うっそ、それマジ?」
だって二人で書庫だよ? ふたりっきり。
きっと何かあるね!
ほら、年齢も近いしさ!
「えー、オトフリートさん狙ってるのにー」
はへ?
[びっくりして変な声が出た。
それからちょっと恋愛相談。
声が少し大きかったせいで、娯楽のような噂話がおばさま方に伝わるのは、*そう遅い話でもなかった*]
/*
いえっさー
よろしくです。
そして編成とかその他みなおしてたりします。
オフラインと言いながら、微妙にオンしてるので、何かあったら適当に呟いておいてください(笑)
ではまたのちほど**
[家へと戻ると、綿毛を敷き詰めた部屋を通り抜け
岩壁の中に空いた穴のような中庭へと出る。
そこには桃色の花が咲いているが、
お世辞にも芳香と言えるような良い香はしていない。
手入れもあまりされておらず、回りに雑草も生えている。]
ちゃあんとまいにち。
[ふふふ、と愉しげにわらい、
中庭の奥へ、そこには洞窟をくりぬいた竪穴がある。
壁に置かれた凹凸を両手で掴み、力を入れて
体を引き上げながら、上へと上って行く。]
[暫くそうして狭い竪穴を上がれば、視界は広がる。
自宅の屋根の上にせり出した岩棚。
その上に立ち、息を整えると、歌い始めた。]
…あら?
[石棚の上
ふと目を向けると、岩壁に面した隙間にキラリと光るもの。
歌を止めて、ゆっくりと歩み寄った。]
なにかしらぁ?
[笑顔で屈み、覗き込むと何か金属のようなものが見える。
指を突っ込んで引っ張ると、キラキラ光る黒曜石を削り、
糸を通したペンダントがずるりと出てきて手に収まった。]
これ…なぁに?
[手の中で、ちゃらりと転がす。
石と石のぶつかる軽く明るい音が鳴った。
ペンダントの先には色の違う大きめの石が通されており、
キラキラと光を反射して光っていた。]
うふふ、きれい…。
[光に大きな目を奪われたまま、時は過ぎる。]
[ごろりとうつ伏せに横になって、中央の石を透かして見た。
濁っては居るけれどそれはとても薄いように見えて、
手でこすこすと擦ってみた。]
あ。
[きし、と音がして。
石は横にスライドした。
そうっとゆっくりとそれをまた押してみると
どうやら中にものが入れられる細工が施されているようで。]
これ…
[小さな密閉されていた空間から
ふわり、香ったのは母の香。]
[そしてその中に入っていたのは――
…――白い、小さな、トリの羽根。]
…あぁ――やっぱり…――!
[きゅ、と石を元に戻して握り締める。
握った片手にもう片方の手を被せて額に押し当て
ぎゅっと目を閉じた。]
[それはきっと、迷い込んだ白い鳥の羽根でも拾い
大事に置いてあったものなのだろう。
もしかしたら、綿毛を使った繊細な繊細な細工なのかもしれない。
だが、少女にはそんな事はあずかり知らぬ事、
更に思いも考えもつかないことで]
…やっぱり、鳥なんだわ。
翼が、あったんだわ。
[思考だけが大きく羽ばたき駆ける。
目を開き空を仰げば、
薄く入る空の光が天使の梯子を作っていた。]
[藍の中]
[重さを失った体は、手で掻いて前へと進む。
髪がゆれ、ふわり、何時も着ているスカートの裾がひろがる。]
[冷たい感触]
[冷たい冷たい、感触]
……ぁ?
[どうやら眠っていたようだ。
ゆっくりと体を起すと、綿毛を敷き詰めた床を踏む。
ぱっと散って浮く様は雪のようだが、
この都市の人が雪を知っているかどうかは、また別のお話。
足に紐を絡めるようにして靴を履き、外へと出ようとして]
そうだ。
[机に置いてあった、
黒曜石のような石を連ね糸を通したペンダントを手に取った。
それを握り締めたまま、道を歌いながら歩いて行く。]
―自宅→道―
―道端―
う、うーん、確かにいっぱい物知ってるし、うーん。
でも年だって上だよ?
「幼な妻って言うじゃない。年の差婚とかいいし、ほら同い年の男よりさー」
幼な妻って年じゃないよねー
うーん、ミリィせんせーと良いかんじだし望み薄かもよ?
[※妄想です]
でも応援する!
勉強の邪魔しないでくれたらね!
「しないって! わーいありがとー! 手始めに好きなものは?」
んー、なんだろ。実は甘いものも好きだったりしそうかなぁ。
ああ、いたいた。
[追いついた頃には多少息が上がっていた。
少女と話しているらしき兄、その少し離れた場所で息を整えた後、2、3歩近付き]
…ん?
[視界の隅で何か動いた気がして、急停止。
眉を寄せ、物陰を見て]
気のせい、かな。
[その裏にリディが隠れてあれこれしているなどとは思いもせず。
視線を外した]
それ、兄さんが言えることじゃないでしょう。
…ああ、こんにちは。
[横合いから突っ込みを入れ。
傍らの少女には挨拶の言葉を。
それから兄に従って、少女には頭を下げて。
共に帰路につく]
ミルドレッドさん怒ってたよ。
「新薬の実験台になって貰おうか」って。
後で来るんじゃない?
…逃げちゃダメだからね、自業自得なんだし。
[帰り道、会話の中でそんな風に釘を刺せば、兄はどんな顔をしただろうか。
いい気味だとばかりに、少し笑って]
…だから、兄さんにそれ言われる筋合いはないんだけど。
[それでもアトリエに着いた時には、懲りてない様な軽薄な笑みに、深々と息を吐く]
まあ、うん。
またね。
[ランプを持ったほうの手を軽く上げて、独り自宅へと向かった]
でもほんとに良いのー?
年いってるじゃん。
「良いの。だいたいそっちは絵師様(はーと)でしょ?」
しつれいな、かっこはーとなぞ言っておらん!
だってさ、絵師様すっごい綺麗じゃんー。
それに絵師様だしー。
すごいよねぇ。
あ、今日二回も見たんだ! 超ラッキー
「はいはい。今度会いにいけばいいじゃん。どーせ髪とかやってたら合えなかったんでしょ?」
う、うっさい。
オンナゴコロってやつじゃないか! 憧れの人に会うときくらい、可愛くありたいオンナゴコロ!
「普段からしとけばいいのにー」
さてと。
[自宅に着き、食糧は棚の中に。
二階に上がって、ランプは机の上に。
横に纏めて置かれた楽譜と、机横の楽器ケースに視線を向けたが]
…少し寝よう、かな。
[兄に言われたのは少し不服ではあったが、長い距離を歩いた後で流石に疲労は否めず。
何日か振りに、ベッドに横になった]
♪ヴォレイ チェ ヴェロ
セシ ヴォルアン アラ
[弾むように、歌声を残して歩く。
きょろり、周りを見渡すと見知った小さな兄妹が居て
軽い白い石で石壁に落書きをしていた。]
たのしそぉ、まぜて?
[高い声をかけると、子供達はにぃと笑って
白く軽い石を渡してくれた。
一緒になって、夢中で石壁にらくがきをする。]
[彼女が描くのは、大きな鳥。
長い曲線は、大きな翼
端に消える直線は、小さなくちばし。
言われればそうも見えなくもないけれど
なかなか見ただけでそうと判るのは、難しいだろう。]
[描きながら、隣の子供の絵を見て
何を描いているのか聞いたり、
それについて話したり絵に線を増やしたりして]
絵を描くのって、素敵ね。
たのしいわ、たのしいわ。
[本当に愉しそうに、笑う。
それから彼女は手を肩から大きく振って
描いた絵は、沢山の縦横無尽の線。
それは他の人からは何の絵かは判らないのだけれど、
彼女はとても満足げに、わらった。]
(憧れと恋心ってやっぱり違うじゃん?
オトせんせーに恋心とか、持ってるってきいたけど、私はどーなんだろーな?
絵師様に、恋心とか持ってるってことになるのかなー?
わかんないや。
お話したこともないし、当然だよね。)
(私がいちばん好きなのは、海の中。
私がいちばんわかるのは、ユリアンの空への気持ち。
同志だから当然だし。
でもそれも、恋じゃないよね。ぜんぜん違うよ、多分。
だってそれしか考えられないっていうなら、私は海の向こう側のことしか考えられない。
ふわふわと空を飛んでいけるのも、きっととっても良いことだけど。
そうしたら、あの向こう側も見れるのかな。)
─食堂外─
んあ、リディじゃん。よっす。
[食堂に入ろうとしたところで同志リディに遭遇。
進捗具合を聞かれて、あー、と頬を掻きつつ、]
ちょっとばかし壁にぶち当たっちまってるんだよなぁ。
理論は間違っていねぇはずだから、あとは熱した空気を逃がさねぇようにすればいいんだが。
あー、そっちも失敗かぁ。
そっちもどれだけの空気を逃がさずに持っていけるかが問題だよな。
普通の綿毛草の布じゃ目が粗すぎて上手くいかねぇし。かといって代替のモノと言っても量が確保できねぇし。
くっそ、足りないモノばっかで、ストレスたまるぜ。
[がしがしと頭を掻き毟る。]
……っと、わりぃ。思わず愚痴っちまった。
ともあれ、まだまだ先は長そうだが、俺は諦める気は更々ねぇ。
だから、お前も諦めずに頑張れよ。
俺に出来ることあるなら手伝ってやるし、遠慮なく言えよな。
[そう言って、互いの拳をごっつんこ。
去り際のスープのお勧めには、応と手を挙げて返し、食堂へと*入っていった*。]
―アトリエ―
……っ!
[は、と転寝から目を覚ます。
痛み止めを飲んだ後、引き込まれた眠りは夢に破られて]
……重いんだよ、なぁ。
[起き上がり、右の肩越しに振り返るよに背へと視線を向ける。
背の右肩近く。そこには蒼い三日月が座す。十歳の時に『昇った』、蒼の『月』]
……ま、言っても仕方ないがな。
[小さく呟いて、立ち上がる。
身体はだいぶ楽になっていたから、幾つか作業をしておこう、と思って。
スケッチブックを片付け、画材の残りを確かめる]
ん……採取に行った方がいいか。
[小さく呟いて、採取用の道具を詰めた鞄を手に取り、肩にかける。
逃げるな、と言われた記憶には、蓋をした。
それはもう、厳重に]
あ、でも崩れてる場所もあるんだったな。
ルート、変えるか……。
[呟きながら、アトリエを出る。
いつもはちゃんとしまっておく二本の絵筆。
代々の『絵師』が手にしてきたそれを収めた細工物の箱を、作業机に置いたままにしている事には、*気づかぬままに*]
― 図書館 ―
[書庫の片隅のデスクに戻り、今日の日誌をつけていたところへ、薬師の声がかかって、立ち上がった]
・・・と。
[薬師の姿が見える前に、噛んでいた蜜蝋を紙に包んでくずかごに捨てる。彼女には匂いで混ぜ込まれたキノコの少々危ない成分が勘付かれてしまいそうだったから、自分用にいれていたキノコ茶を一口啜って、口の中も洗っておいた]
ああ、調合用の本か。少し待ってくれ。
[所望された本を記憶から検索して二冊ばかり書架から取り出す]
これとこれが参考になるだろう。そちらの写しは、俺が直そう。読んでいる間に仕上げておく。
[渡した二冊と引き換えに、文字の薄れた一冊を受け取り、絵師の事を問われると]
子供を避けて転んだらしい。湿布は貼ったが、全治三日といったところかな。
[あっさりと暴露した]
食事も相変わらずろくに食ってないようだ。一度苦い栄養剤でも処方してやってくれ。
[さらにダメ押し]
[薬師が読書室へ本を持ち出した後、預かった本の薄れたページを別の紙に丁寧に書き写して、差し替えていく。薄れている方の紙は、後で再利用するためにストックした]
[やがて読書室の薬師に修復した写しを渡すために書庫を出て、教え子が残した壮大な誇大妄想を聞かされ、眉間に皺を寄せるのは、もう少し後のこと**]
―自宅―
[エルザを招き。しばしの会話(といっても喋ってるのは主に両親やエルザだったが)の後]
お、帰るのか。また来たい時や何かあれば来いよ。…だろ?親父
[といえば、「うむ」と頷き。母は母でおみやげをエルザに持たしたりなどしていて]
じゃ、またな。結構すぐ会うかも知れねえけど
[何せこの町意外にないしなぁ。と思いつつエルザを軽く手を振って見送った]
― 図書館/読書室 ―
あ っと。
しまったな、時間をかけすぎたか。
[頁を繰る手を止め、顔を上げる。
入って来たばかりの時には賑わいを見せていた室内から
人の気配は幾分失せて、調査は予定の項目を大幅に越えていた。
集中する性質のため、噂話に気付かなかったのは恐らく幸運。
卓上にばらける、幾枚も書き連ねた紙を纏めていく]
それにしても、全く。
原因が原因とは言え……
一度で懲りれば私も苦労はせんのだがなぁ。
[愚痴の内容が誰に向いているかは明白だった。
ずり落ちかけた眼鏡を上げ、代わりに溜息を落とす。
しょっちゅうぶつける割には奇跡的にレンズは無事だった。
度が合わないのはその代償かもしれないが]
[本を返して立ち去っていく人々を見送りながら、薬師の愚痴を耳に止め、僅かに口の端を上げる]
薬師殿は苦労性だな。
[つぶやきは独り言に近く、本人に聞こえたかどうかは分からない]
いかん。
歳を取ると独り言が多くなるな……
いや、私はまだ歳じゃない……
[勝手にどつぼにはまりつつ、
開いたままの本を閉じようと手を伸ばす。
そこには薬のイメージとは縁遠いような、
水晶花との呼び名を持つ花が描かれていた。
その澄んだ紫は、染料にも用いる事が出来ると聞いた事がある。
もっとも、描かれたそれに色はなかった]
先人は偉大だな。
[また独り言。
それに重なるように、別の声が微か届いた]
[のんびり、特に宛もなく……というか、一応、目的地は決まっているのだが。
急ぐ必要もないので、のんびり、のんびりと歩いて行く。
痛みが残っているのは、一応、否定するつもりはない。らしい]
……お。
[不意に歩みが止まったのは、壁になされた様々な落書きが目に入ったから。
自分も昔やったなぁ、と。
ふと過ぎったのは、そんな感慨めいた思い]
好きで苦労しているわけではないぞ。
[紙束は卓上に置いたまま、
閉じた本を手にして声の主の元に向かう]
ああ、そうだ。
治療はお前がしたんだろう?
そちらの薬は足りているかな。
うふふ。
じゃあね、またねぇ。
[満足したか親に呼ばれたか、
家へと帰る子供に大きく手を振り、
白く軽い石がなくなるまで、壁に絵を描く。
鼻歌はどんどん大きくなり、
普通の歌声となって零れている事にも気づかない。]
終っちゃったぁ。
[石が無くなれば、真っ白になった右手を見下ろして
にっこりと、わらう。]
……『月』が昇る前は。
俺も、あんな風に自由に色々描いてたっけな……。
[『絵師』となる定め。
それを知り、絵師様、と呼んでいた人を、師父、と呼ぶようになってからは。
自分とっての絵、は、大きく様相を違えていた]
[ふと囚われた物思い。
そこから立ち返った所に向けられた笑みに、いつものよにへらり、とした笑みを返して、そちらへと近づく]
絵ぇ、描いてたの?
[問いかける口調は、常と変わらず、軽い]
[エルザが去ってしばらく後。食事もとって]
なぁ…いや、やっぱいいや。今日はもうやることないよな?
[と聞きかけたのはエルザのことであったが、それはやめて
違うことを聞く。どうやら水も汲んだりしたのもあってないらしく。]
じゃあ好きにしてていいんかな。
― 図書館・読書室 ―
ほう?そうか。
[好きで苦労はしていないという薬師の言葉には、若干疑念を乗せた相づちを打ち、返された本を受け取ると、貸し出しリストに返却の印をつける]
・・・そうだな、痛み止めと傷薬を少し貰えるか。リディやユリアンも相変わらずのようだしな。
[探検や実験に夢中の若者達は必然的に生傷が絶えない、おまけに子供時代のトラウマからか薬師の所に好んで出入りする者は少なかったから、常備した薬は順調に減っていた]
[疑惑混じりの相槌に、眼鏡の奥の大きな瞳が瞬いた。
しかし次ぐ言葉を聞けば追求はせず]
ああ、わかった。
いつも世話になっているからな、今度持って来よう。
が、ユリアンにはやらなくてもいいぞ、
私が特製のを調合してやるからな……。
[ふふふふふ。漏らす笑いとは裏腹に目は笑っていない]
描いてたの。
えっと……
…ええっと…
[白い石の粉が沢山ついた手を頬に当てると
粉が沢山頬に着いたけれど、気にならない。
それよりも、思い出せない事が重要だったけれど、
どうしても思い出せなかったので諦めて]
まぜてもらった、のぉ。
[端的に告げた。
思い出せなかったのは、兄妹の名前。]
描きたかった?
もうなくなっちゃったの。
[真っ白になった手を、開いてみせる。]
―時間軸は少し前か・広場―
わ。わ。わ。
え、絵師さまっ?!
[突如として降ってきた声の主は、
このまちでは誰もが知る、絵師の青年であった]
[憧れの有名人に話しかけられ、耳朶の先まで真っ赤に染まる。
恥ずかしくて相手を直視できず俯いてモジモジした]
え、え、あの、だいじょうぶ、です。
ちょっと疲れただけ、なのだ。
え――薬師さまが?
[きょとんとしていると、目の前には飴玉ひとつ]
こ、これ、あたしに?
あ、ありがとうございます、です。
[薬師の漏らす笑いに、何を感じたか、単眼鏡を軽く指先で直し]
分かった、薬師殿が直々に治療してやるというなら、お任せしよう。
[「また余計な事を言ったらしいな」と心の中では呟いていたとかいないとか]
[その後、ユリアンが飛んで落ちた。だとか。ミハエルが一つ曲を作ったらしいとか話した後]
んじゃま、どっかいってくっから。ちゃんと明日の仕事に支障がでないようにするから大丈夫だって。んじゃいってくんなー
[言って、家から出た]
―自宅→道―
そっか、みんなと一緒に描いてたのかぁ。
[白い色がつくのも気に留めない様子に、自然、口元が綻ぶ。
緑の瞳は、穏やかで]
あー、もう石、ないのかぁ。残念ざんねん。
[軽く言いつつ、ポケットからハンカチを取り出して]
手と顔、拭かないと。
真っ白お化けになっちゃうぞー。
[脅かすように言って、それを差し出した]
/*
おお。完全同時発言だ。
(95) 2008/10/24(Fri) 22:08:34
(96) 2008/10/24(Fri) 22:08:34
[嬉しい。
けれど気持ちを上手く伝えられるかどうかすら自信がない。
俯いたまま礼を述べていると、また男性がみえた]
あ、絵師様の弟さんの、
――ど、どうも、なのだ。
[兄弟が去った直後、
風みたいに現れた若い女性に対しては、自然と、
屈託のない笑顔を向け]
あっ、リディねえちゃんだ。やっほぉ。
ん、絵師様とお話しちゃったのだ。えへへ。
……このこ、かわいい?
そう言ってもらえて、きっとアトリも喜んでるのだ。
[むぅ、唇をすぼめると、
リディの服の裾をつかんで、図書館までついていった]
[短い眠りから目覚めた後、朝食を取り。
休む間もなく取り掛かるのは、昨日の楽譜。
手にした金管楽器の音は高く、よく響く。ベルに嵌められたミュートによって大分抑えられてはいたが。
一音吹いては譜面と睨み合い、また一音吹いては記号を書き込み、かと思えば戻って数節流し。
そんなことをしているうちに、幾ら時間が経っただろうか]
…んん。
少し、休憩しようかな。
[両腕を上に、伸び。
ぐるりと首を回し、目を瞬かせ。
机の上に楽器を置いて、何気なく外へ出て行く]
―道―
[特に目的も持たずに歩いていれば、その辺りで噂がたっている。
なんでも図書室でオトフリートとミリィがいい関係?な噂話で]
まじ?
[一応確認のため喋っていたおばちゃんに聞けばそうらしい。との噂
発信源は定かではないが意外なような。そうでないような。と思いつつ。好んで会いたいとは思っていないが気になった]
まっしろおばけ?
[目を丸くして言って、出されたハンカチを手にとった。
ごしごしと手を拭きながら笑顔で首を傾ける。]
おばけは、怖いわ。
あなたもこわい?
うむ。任されようではないか。
[一瞬見せた表情は何かを企む悪役そのもので、
子供が見たら泣き出しそうな勢いだ。
かと思えば顔を上げた直後にはそんな様子は消えて]
っと、それでは邪魔をしたね。
助かったよ。
[卓上の紙束を手に取りつつ礼を言う]
/*
楽器。
昨日出したのはトロンボーン、今日出したのはトランペットだったり。一応。
中身は前者しか吹いたことない上、もう何年も前だから色々忘れていますが。
ってかそんな話何時出たんですか?
[広場にいたときにはなかったというのに。と思い少し混じって話を聞けば、先ほど入った新鮮なネタらしいとか。嬉々として教えてくれる
恐るべし噂の伝達スピード]
ってことはまだ図書館に…いねーかもだが…
[ミリィとオトフリートでいえばオトフリートと顔をあわせづらくあることに、少し悩みつつ、覗くぐらいならという思いで図書館へ向かう。
まだ中央広場さえみえないのに心持ち忍足だ]
― 図書館 ―
・・・楽しそうだな・・・いや、なんでもない。
[ぽろりと溢れた素直な感想は、咳払いでごまかして、礼を言われると肩をすくめる]
これが仕事だ。
そそ、真っ白なお化けさん。
[ハンカチで石の粉を落として行く様子に、微かに笑みつつ頷いて見せる。
からかいまじりなのは、わかる者にはすぐにわかるだろうが]
どんなお化けかに、よるねぇ。
かわいいお化けなら、いいんだけど。
―広場→図書館―
ん、薬師様も来てるらしいのだ。
薬師様には、ちょこっと用があるのだけど…
[リディの陰から司書を認めると強張った]
……やっぱり居るのだ……
[オトフリートの雰囲気を苦手としている]
…だって、えっと…
なんか怖い感じがして…
[ふるり首を振り、結局ミリィにも話しかけられず。
ポケットの中の飴玉を握りしめ、その場を辞した]
???
[「超ラブロマンス」との表現に足が止まったりもしたが]
[咳払いをするオトフリートに、にこやかな笑みを向ける。
そんな彼女であるから、扉激突時のユリアンの声すら
聞きとめていたのかもしれない]
ならば、先の私のも仕事だからということだ。
[言い添えたのは苦労性に関しての事。
片手を挙げて、図書館を後にする]
かわいいおばけ。
見たいわ、会ってみたいわぁ。
[半分ほど頬を拭いた所で、ぎゅっとハンカチを握り締め
うんうんと頷いた。
それからふと動きを止めて、ハンカチを握った手を見下ろし]
これ、洗って返すの。
[ありがとう、と、わらった。]
[時々道端で噂話に花を咲かせている婦人方。いつもの風景だった。
故にいつも通り挨拶をして、会話に割り込むまではしなかったが]
…何だろう。
2人とも、さっき図書館で会ったけど。
[何度も聞こえる同じ名前に、流石に首を捻ってはいた]
―図書館が見える物陰―
[ひたすらこっそり見に来た。包み隠して言えば覗き。ぶっちゃけていっても覗き。
でもミリィが図書館にいるのおかしくないし、ってことは通ううちにそんな関係に。とか噂にしっかり毒されつつ
ミリィが図書館から出たのをこっそり見ている]
そうだねぇ、かわいいお化けなら、一緒に遊べるかも知れないし。
[どこまで本気かわからない口調で返し。
洗って返す、という言葉に、一つ瞬いた]
ああ、別に、気ぃ使わんでもいいのに。
正しく役に立てれば、道具はそれが嬉しいんだから、ねぇ。
あっはー、ごめんおっちゃん!
でもね、あれよ。
男は大きく夢を持て!
女も大きく夢を持て!
若人だから許せ!
[とんでも理論で、ぴょーんと障害物を飛び越え、その場から逃走した少女が一人。
糸だけかと思ったら、その両腕の中には、綺麗な布が抱えられている。]
[さて、帰り道での事。
なにやら、妙に視線を感じた。
その上、ひそひそとした話し声。
訝りこちらが向けるとたちまち逸らされるのだが。
あまりに多いものだから、紛れたアーベルには気付かない]
……なんなんだ?
「あ、ミリィおばちゃ」ミルドレットおねえさんだ。
[駆け寄ってきた子供に秒間置かずすげなく言う]
で、どうした?
怪我でもしたかね。
[あっさり切り替えた。
目を丸くしていた子供だったが、気を取り直したように、
「あのねえ」と内緒話を請うように手招き]
[そして逃走を続け、
後ろの声も聞こえなくなったけれど、少女は急には止まれない。
結果として身軽に走り続けるわけになるのだが(どうせ家まで行くし良いかと思っていたのも当然ある)、その前に人にぶつからないはずがないと、どうして気付かなかったのか。]
うわっとっと!
どいてどいてー!!
[壁のあたりになんか白い線がけっこうあった。
なんだかなんて、ぱっと見でわかるわけもない。
ただ人の影がふたつほど、しかも大きいのが見えた気がして、大慌てで叫んだ。]
― 図書館 ―
[薬師の言葉に苦笑を浮かべ]
気をつけてな。
[ドアを開き、言わずもがなの言葉で送り出した後、ふと気配を感じて視線を物陰に向ける]
そ、ッんなわけがあるか、
馬鹿者ーーーーー!!!
私はその手の冗談が、いっちばん、嫌いだ!
[たちまち、編んだ髪に負けず顔を赤くして逃げ出した。
猛ダッシュ。
噂の真偽はどうあれ、薬師は色恋沙汰はとことん苦手だった。
恋愛小説を正視出来ないくらいには。
それを知るものは、身内くらいだろうけれど。
後にはあんぐり口を空けた子供が残される*ばかり*]
どうぐ。
そうね、大事につかうの。
あ――
[口をぽかんと開け、空中を目線が彷徨う。
ハンカチを握ったのと逆の手をあげると
その手には黒い石を糸で連ねたペンダントが握られている。]
あのね、これ、あかないの。
あけられる?
[ペンダントの、首の後ろにあたる部分に、小さな骨で作った金具があり、
それが開かないので付けられないらしい。]
―図書館→自宅―
おばあちゃん、ただいま、ただいまぁ。
ねえ、みてみて、お花!
あと絵師様にこれ、もらっちゃったのだぁ!
[貰った飴玉をみせようとして、
クッションの上で、転寝している祖母に気づく]
…。はぅ。
[両手で口を塞げば、肩からするするとトカゲがおりた。
忍び足で、詰んできた花を素焼の花瓶に活け、
厚い膝かけを出し、祖母の足へかけた。
[それから飴玉を口に放り込んだ。
少しだけ、つまらなさそうな顔をして]
……あまい。
[ミリィが子供の話を聞いている様子。
その話が聞こえないものかと意識を向けていたから視線に気づくのが遅れ]
ぁ…
[気づく。慌てる。隠れようとする。音を立てる。
…むしろこのまま隠れ続けるのは無理だし、不審者扱いされるのも嫌なため結局顔を出して]
お、オトフリート先生。どうも…こんにちは
[過去に逃げたこともあったのと現状で気まずさ満載の固い口調で挨拶]
[大事に、という言葉に頷いて。
続けて投げられた問いに、緩く瞬く]
ああ、これくらいなら……。
[と、言いかけた矢先、響いたのは叫び声]
……はい?
[一体何事か、と暢気にそちらを見やり]
……ちょっ……。
ちょおっと待て、ちょっとだけ待て!
[待てと言って止まれるなら、どいてとは言わないだろうけれど。
こちらも、すぐに避けれるほど、運動神経はよくない。
まして、ダメージはまだ残っていたりするわけで。
一応、避けようと試みはする。けれど結果は余り期待できない。
かも知れない]
[と思いきや。
当人は唐突に叫び声を上げて、脇を駆けて行った。
あの様子では恐らく、こちらにも気付いてはいまい。
唖然と見送り、視線を戻せばそこには同じく唖然とした子供が1人]
…えっと。
何か、ありましたか?
― 図書館前 ―
[何か思いっきり逃げようとしているのがわかった。おまけに逃げ損ねたのも]
こんにちは、じゃないだろう。何をやってるんだ、お前は?
[呆れた声は容赦ない]
[絵師様がそこに居ると知ったら、どんだけ無茶でも足を止めたにちがいない。
だが少女はそれに気付くわけもなく、スピードもアレだった。
一応、ちょっとは避けられた(※壁に向かって)のだからよしとしようか。
どっかぶつかった気がするが、少女はしっかり壁にべたーんと大きな音を立ててぶつかったので、どこだか一瞬でわからなくなった。
とんでもなく酷い音で、しばらく少女は壁にはりついたまま動きを止めた。]
いや、なんと申しますか…
[容赦のない声につつーっと汗が流れる。混乱してるためいつものように頭も回らず何か気の聞いた言葉も思いつかない。]
……どうしてらっしゃるかなーと思いまして、噂になっていたものですから
[結局少し考えて諦め物陰からちゃんと出てきつついった]
[とりあえず、正面衝突は免れた、ものの。
それよりももっとヤバそうな正面衝突に、しばし、唖然]
……いやいやいや。
若いってのは、いい事、だけど、なぁ……。
[明らかに論点のズレた呟きをもらした後]
大丈夫かーい?
[動きを止める少女に、声をかけた]
― 図書館前 ―
噂?
[アーベルが、自分を苦手にしているのは察していたから、わざわざここまで様子を見にくる程の噂というのが見当つかずに、首を傾げる。まさか先刻聞いたリディの誇大妄想が、そこまで広まっているとは思いもよらず]
どんな噂だ?
[それでも、なんだか嫌な予感がしたので問い返してみた]
…はあ。
そう、ですか。
[何やら間抜けな反応になった。
その手のことは苦手、というより疎いので、どう反応していいか分からなかったというのが正しい]
それはそうと、そろそろ帰る時間じゃないですか?
親御さんが心配しますよ。
[実際の時間は分からないものの、そう言って子供の頭を撫で。
帰ると行って駆け出す子を見送った。
その先に、これまた知った姿を発見]
[尻餅をついたまま、きょとん。
べたんと壁に張り付いた少女を見て
ぱたぱたと尻をはたいて立ち上がった。]
だいじょうぶ?
[言いながら、顔はエーリッヒにも向けて。
笑顔のまま、心配げに眉をひそめて
ふたりをゆっくり交互にみた。]
う、うー
[ぷはっと顔を外して、なんとか壁から離れた。
白い跡がついているのは、ご愛嬌というかなんというか。
抱えてたはずの布がぱさりとおちて、その上にへたりこんだ。]
だいじょーぶじゃないー
…………だって絵師様のまぼろしがみえるー
[にへらーと笑った。
色々やばいところを打ったらしい。]
ええ。噂ですが
[暇だからってなれないことするものじゃない。と思ったりしつつ言うべきか考えたあと]
さっきおばちゃんたちから聞いたんですが
オトフリート先生とミリィ先生が、メイクラブとかなんとか
[どうせ伝わるだろうから隠さずに言ってしまう]
……ああ、俺は、大丈夫。
[エルザに一つ、頷いて。
ぶつかった、と言ってもほとんどかすっただけだったので、転ぶ事もなく。
いや、ここで転んだら個人的には惨事だったのが]
……まぼろし、て。
俺は歩く蜃気楼かい。
[にへらー、と笑いながらの言葉に、ため息一つ]
見るからに、大丈夫じゃないなぁ。
はいはい、しっかりしよう、しっかり。
[軽い口調で言いつつ、ぴたぴた、と軽く頬を叩いてみたり]
― 図書館前 ―
・・・・・・・・・・・・・・・
[長いながーい、沈黙の後]
なるほど。
[氷点下の声で呟いて、半眼でアーベルを見た]
で、それを信じて覗きに来たのか?
なんか。ミリィ先生とオトフリート先生が図書館でこっそり愛を育んでいるとか。
眼鏡をおそろいのものにしてるとか。結婚まで間近だとか
[自分がどう思ってるかはともかく聞いた話をそのままに。噂は尾ひれ背びれをつけたようで]
ぉ。ミハエル。やっほ
[幼馴染の姿が見えてちょっとほっとした]
いや、全部信じたんじゃないですよ。ええ…一応。
[ミハエルが来てほっとしたところで氷点下の眼差しを受けて再度かたまりつつ]
ただ火のないところに煙はたちませんし、なにかしら噂が立つ元凶があったんじゃないかなーとも思いまして
[曖昧に濁す。ようは暇なのもあるが、いまいちわかってないから見にきたとも言う。]
えええええー、
まぼろしだよぉ
[とか呟いたときに、ぴたぴたされて、固まった。
なんか感覚あるとか、そんな感じでぴたりと固まった。]
……は?
……へ?
………… え し さ ま ?
[祖母の眠りの深さを確かめると、奥の部屋の壁際へ]
[台上のランプのシェードを外せば、
淡い明かりに浮かび上がる、壁の二枚の絵]
ただいま。
おかあさん、おとうさん。
[これらは数年前にみせてもらった、
絵師の絵を真似て描いたもので、もちろん拙い出来であるが]
[みているとまるで、
父母の魂と向き合っている心持になれて]
[絵の中の母は微笑んでいる]
[瞬きした少女の睫毛に透明な雫が宿っていた]
― 図書館前 ―
[ちらとミハエルを見ると、声の温度は変えないまま]
絵師殿はちゃんと休んでるか?
[答えを聞く前に、アーベルの言葉に視線を戻す]
元凶は、リディの妄想だ。忘れろ。
[忘れないと、何か起こりそうに聞こえたかもしれない]
え、…あの。
[向けられるヘルプの視線は感じるものの、どう口を挟んでいいのやら。
双方を見つつ何やら執り成そうとはするが、言葉が出てこない。
結果、ただおろおろしているだけだった]
[今度は固まった様子に、きょとり、と瞬き一つ。
自分に対する周囲の評価には基本的に無頓着な質故に、少女の驚愕の意味などはわからずに]
うん、絵師ですが。
大丈夫かーい?
[見開かれた瞳を緑の瞳で見返しつつ、も一度問いを投げかけて]
[今のオトフリートを眼前にすれば選択肢は一択しかなく]
ハイ。ワカリマシタ
[ぶんぶん顔を縦に振って頷くまですれば、緊張がやっと解けて]
ぁ、そういやミハエルの兄さん。さっきオトフリート先生がミハエル呼んでたけど、何かあったんだっけ?
[ミハエルが助けようとしてくれるのはわかったため、それに感謝しつつ話題を変えようと試みる]
は、はい。
釘は刺しました、けど。
[自分に声が掛かれば、気を取り直して答える。
実際ちゃんと休んでいる、と言い切れないのはこれまでの素行故]
…妄想、ですか。
[その言葉を聞いて呟き、後ろを振り返った。
ミリィも子供もとうに姿は見えないが]
[少女の心の中でどれほど言葉がまわったかは定かではない。
はっとして、慌てて自分の顔をぺたぺたと触る。
せめて顔の跡だけはないようにと願うが、あんなぶつかり方をしたのだ。無理がある。]
だ、だ、だいじょうぶです
[自分の状況を察知して、少女はしゅーんと沈んだのだった。
髪とかもきっとぼさぼさだ。]
/*
エーリッヒはちょっと遠慮気味に接しつつ、ベアトリーチェとどう接するか考えてない。
リディはユリアンたちと同じノリでいいかなぁ…
[ふふふふ、と笑い、
口の中で小さく歌を紡ぎだしながら数歩、
後ろへと下がる。]
おばけでも、ないの。
[小さく言って首を傾け
ふたりから体を離した。]
……大丈夫ならいいんだけどなぁ。
[我に返ったと思ったら沈んだ様子に、本当に大丈夫なのか、と思いつつ]
にしても、そんなに慌てて何処に行こうとしてたの。
……そんなの抱えて。
[問いと共に視線を向けたのは、少女が抱えていた糸と布]
― 図書館前 ―
[ぶんぶんと頷くアーベルと、自信なさげな答えを返すミハエルの両方に軽くため息]
まったく、どいつもこいつも…
大体、俺はともかく、薬師殿が聞いたら悶絶するぞ。
[薬師がそのテの話に免疫ゼロなのは、長い付き合いで、なんとなく察していた]
そんな噂を鵜呑みにして、苦い薬を口に突っ込まれても知らんからな。
[後ろに下がるエルザの様子に、視線を糸と布からそちらへずらし]
……と、そういや、そっちは平気?
どっかぶつけてたりしたら、ちゃんと診てもらわないと、ダメだよぉ?
[例によって突っ込み満載な事を言いつつ。
おばけでもない、との言葉にはうんうん、と頷いた]
はっ、
こ、これはですね。
ユリアンの気球の材料になればと思いまして!
[どっかのえらいひとみたいな口調になった]
え、えええと。
ほんのちょっとの手助け、です。
[目は普通より細かいし、使えるかもと思ったのだった。]
え、絵師様、だいじょうぶでしたか?
手をいためたりしていませんか!?
[ようやくそのことに気付いたら、焦った声になった。]
― 診療所 ――
全く、全く全く全く全く……
色恋沙汰に現を抜かすなど馬鹿げているぞ……
[ぶつぶつと呟きながら、円を描いてうろつく。
左手に鉢を持ち、右手で実を叩いているのは
調合のためというより気を落ち着けるためらしい。
ブリジットはそんな薬師を見て、不思議そうにしていたが、
患者が来れば落ち着くだろうと気に留めていないようだった。
そして、その想像に間違いはない。仮にも医療に携わるものだ。
――もっとも、その人間が噂話の事を口にすれば、
脅しをかけることすら出来ず、慌てふためくの*だろうが*]
―自宅―
… … …。
おばあちゃんの腰のお薬、そろそろきれちゃのだ…
もらいに行かなきゃ、ね…。
[祖母の寝顔を眺めていた。
先ほどは逃げてきてしまったけど、薬師の下へ赴かねばならない。
足腰の弱った祖母に遠出はさせらない、だから己が]
薬師さま、
そろそろ図書館を出たかころ、かな…。
[ちらっと司書の顔も脳裏に浮かべつつ、家を出た]
そだったのか。そりゃまた…ミハエルの兄さんだから疲労で動きが鈍ってたんかなぁ
[ミハエルの言葉に。絵師のことは姿は見たことあるとはいえ、知ってるのはあまり多くないためそんな想像しつつ]
え。ミリィ先生。そういう話苦手だったんすか。
[少し意外そうに聞きながらも、とはいえ噂はすぐ治まるものなのかどうかとか。少し思ったが自分ごとではないから、まあいいか。で済ます]
…先程、勢いよく走って行かれましたが。
ミルドレッドさん。
どうも、同じ話を子供から聞いたみたいで。
[悶絶という言葉に、当事者のいない道をもう一度振り返ってみた]
どうせなら兄さんの口に突っ込んで頂きたいですね。是非とも。
[さり気にこんなことも言った]
― 図書館前 ―
アレは馬鹿だからな。
[アレ=絵師と即座に気づけるものは何人いるか]
・・・苦手以前に、仮にも独身女性にそんな根も葉もない噂を立てて、怒られないわけがないだろう。
人の言葉は、時に刃になる。覚えておけ。
[アーベルに対しての言葉は、思わず先生口調だった]
……ユリアンの?
[返された言葉に、ほんの一瞬、緑の瞳に険しさが宿り、消える。
自身が『絵師』となってからしばらくして、アトリエを訪れるようになった少年。
その経緯や弟と親しい事、その夢の事もあり、特に気にはかけているのだが]
……知らぬ事象に挑むは良き事。
でも、程ほどに、な。
[静かに言う刹那、軽さは薄れるものの]
ああ、手ぇは、全然大丈夫。
[焦りを帯びて投げかけられた問いに答える頃には、例によってへらり、と軽薄な表情をまとっていた]
えーと、怪我とかは私もユリアンもしないからだいじょーぶです。
絵師様がお怪我をされていなくてよかったです!
あ。
ええと、いつ、空を飛べるようになるんですか?
[ついでだからと、尋ねた。]
ユリアンとどっちが早いかなぁ
全くですね。
[アレ=絵師。
即座に結び付いたらしい。
続く言葉は自分に向けられたわけではないが、思わずこくりと頷いていたり]
…みたいです。
子供まで知っていましたから、多分相当広まっているんじゃ。
[遠い目に、後半はひそりと呟く程度だったが]
[アレというのが誰かは気づかない組で。内心誰?とも思いつつ]
ぅ…確かにそうっすね…早とちりはしてなかったですが
[言葉は刃。というのに少し詰まる。決め付けてもなかったが、噂を聞いて興味本位でいる自分を試みて少し反省。]
でも、今回は別ですが、嘘じゃなかったら問題ない気もしますが
[思わず生徒な口調
その辺りは仲がいい両親を見てるせいか認識がずれてるかもしれない]
俺は、いいんよ。
非力でか弱いけど、しぶとさだけは都市一番だから。
[冗談めかした言葉は、僅かに真理をも含む。
もっとも、その意を正確に悟れる者は、そうはいないだろうが]
空は……さて、いつだろか。
少なくとも、まだ、『満ちて』はいないようだけどねぇ。
……もっとも。
仮に『満ちた』として、それで……。
[どうなるのか。
それは、積み重ねられた『記憶』をたどっても、答えは出ないままなのだが]
/*
ああ、眠いのなら無理はしないでくださいね?
私も一度家へいってから、向います。
眠ければこちらでしますので、後で回想であわせてくださってもよいですよー。
うん。そだな。なんか想像できる。
[呆れ声のミハエルを一度凝視したり噂と整合して応えつつ]
人の口に戸は立てれない…だったっけ?
きっと元凶がなんとかしてくれる…だろ
[…と反省した分思いたい]
[エーリッヒの言葉には、
うん、と素直に深く頷いた後
続けられたリディの言葉に目をキラキラとさせて
ぱっと二人に近寄った。]
そら?
とべるように?
もうなるの?なる?
[ぎゅ、と、片手にハンカチ、片手にペンダントを握り締めて
期待に満ちた顔。]
[期待に満ちた顔を向けられ、浮かぶのは苦笑]
んー、今すぐ、ってのは、難しいなぁ。
みんなで一緒に行くには、まだまだ力が足りないみたいなんだよねぇ。
[軽い口調で言いながら。
エルザが片手に握るペンダントを見やる]
ああ、そういや。
それ、外れないんだっけ、確か?
[先ほどのやり取りを思い出しつつ、問いかけて]
そう、ですか。
ええと残念です
でも、ユリアン自力でとべるかな。
ええと、そういうわけで、失礼します。
[*ぺこりと頭を下げた*]
[凝視されてることには気付かず]
そう、ですね。
その方の誤解が早く解ければいいですけど。
[恐らくそれが一番難しそうではあったが]
― 図書館前 ―
やれやれ…しばらく薬師殿を書庫に入れるのは控えるべきかな。
専門が専門だけに、俺の検索だけでは行き届かないこともあるんだが。
[狭い上に娯楽の少ない洞窟都市では、噂の巡りはもともと恐ろしく早い、かといって、いちいち否定して回るわけにもいかない以上、最善の策は噂を強化しないこと、なわけで]
アーベル、俺は、忘れろ、と言ったはずだが?
[やっぱり問題意識の薄そうなアーベルにも、もう一度低い声で釘を刺しておいた]
―自宅→図書館前―
[薬師様の姿がみえないかなー
ほてほて歩んでいたところで。
すれ違った子供から聞いた内容は、とあるカップルの噂話。
え、そう、なのだ?
ほんとに そうなのだ?
[リディの洞察は正したかったのか?こてりと首を傾げつつ、
図書館前に至ると、ミハエルたちの姿が在りはした、が]
……う。
みんな、おとこのひと…。
ど、ど、どうしよう。挨拶しなきゃ、だよ、ね……
[歩みを止めた。
男性恐怖症という程ではないがどうにも緊張してしまう。
遠巻きに眺めてみれば、楽しい話をしている風でもないようだが]
まぁ、ねぇ。
一朝一夕で集められるものじゃないし、ねぇ。
[エルザに向けた苦笑をそのまま向けなおしつつ、言って]
……ん、ああ。
それじゃあ、気をつけて。
一応、頭、あんまり動かさないようにねぇ。
[頭を下げるリディに、念のためこう言っておいた]
― 図書館前 ―
で、結局、二人とも、図書館に用があるわけではないんだな?
[確認したところで、ベアトリーチェを見るミハエルの視線に釣られて目を向ける]
あ。どうもです。
[声をかけられて、
ほっとしたような更に緊張したような、面持ちになった。
そして]
……あ。
噂の、あつあつカップルの片割れなのだ。
[司書を認めて、つい呟いてしまった]
[噂だけが独り歩きしているとは知らずに]
[誤解が解かれればというのに頷く。とはいえ同じように難しそうと思いながらも]
いや、そこは忘れましたよ…少なくとも口に進んでする気はないです
…ただそれとは別に、俺の近所の人が結婚した。とか聞いたら祝ったりもしますし。
[狭い都市な分か近所付き合いも含め人間関係は結構大事だとか]
どこまでがよくてどこまでが駄目なのか。次からのためにと思いまして
[両親の影響やら色恋沙汰がなかったりやらで問題意識はしっかり薄かった]
ああ、俺はないっすよ。魚の習性とか。応急治療とかはもうだいたい覚えたし
[オトフリートの確認する声に応えながら、二人に続いて視線をベアトリーチェに移し]
やっ…って…
[あつあつカップル…と、噂の巡りかたに感心してる場合じゃないけど感心]
はい、僕は通りかかっただけで。
[オトフリートに答え]
ん、こんにちは。
[笑みと共に、少女にはそう言ったのだが。
次の台詞に若干引きつった]
うん、はずれないの。
はずせるかしら?
[苦笑する様子をみながら
手に握るペンダントをそうっと差し出す。
まるで壊れ物を扱うかのようだが
それは、石で出来ているのだからそう簡単に壊れることはないだろう。]
きをつけて、ね。
いたかったらせんせいのところに、いってね。
[おじぎをするミリィにも
にこり、笑って言う。]
[そう、と差し出す様子に大事なものなのかなぁ、と思いつつ、こちらも慎重に受け取る]
んん……ちょっと固いけど、なんとか……。
[呟きながら、慎重に留め具の作りを確かめ、外しにかかる。
こう見えて、手先の器用さには自信があるとかないとか。
多少、時間はかかったが、確りと噛み合っていた留め具は口を開けて]
ん、取れたとれた。
[オトフリートとアーベルと、順ぐりにみて、
何か、いけない事を言ってしまったのだろうか、そう心配になりつつ]
[アーベルの話の断片が聞こえて首を傾げたり]
あれ、えーっと、
あたし、変なこと言っちゃったのだ?
と、そうそう、
ミルドレッド様はもう行ってしまったんでしょうか?
― 図書館前 ―
[はあ、とため息を、再びついて、近づいて来た少女を見る]
君はベアトリーチェ、だったな。
[住人の記録も図書館に納められているため、特に近親者を亡くしている者は頭に入っている]
俺と薬師殿は、カップルではない。
薬師殿に失礼だから、その話は忘れなさい。
[アーベルに対するより、声も視線も柔らかくはあったが、言葉はがちがちに堅い]
いや、大丈夫だよ…多分
[噂を当人がいる前で他人が否定するのもなんだろうとそちらは任せるつもりで]
確かベアトリーチェ。だったよな
[緊張してるようすなのを見たため、しゃがんで目線を合わせるようにしつつ]
ミリィ先生は。少し前に行ったな。行き先まではわかんないけど
[と言って、さっき走っていったといっていたミハエルはいっていたが、と横目で軽くミハエルを見る]
― 図書館前 ―
[言いたいことを言ってから、少女の問いかけに頷く]
ああ、薬師殿なら、もう診療所に戻った頃だろう。
何か用だったのか?
ありがとう!
[外れた留め具を見て、ぱぁっと顔を輝かせた。
そうっと手を差し出してペンダントを受け取ると、
きゅ、と手の中に握りこむ。]
うれしい。
[にぎった拳を顔によせ
キスするように口元に持ってくると
穏やかな顔で笑んだ。]
[アーベルの視線を受けて]
あ、ああ。
ミルドレッドさんは、多分もう帰られたかと。
[方向は診療所だった筈だ。
あの様子では本当に帰り着けたか分からないが]
――え? 誤解、なのだ?
なんだ、ざんね――
[ミハエルの説明を受け、きょとんとし]
え、ええ、わわわ忘れます。
[オトフリートの固い声に縮こまった]
でも「失礼」ってほどでもないと思うけどなぁ…。
[そう、ちっちゃく呟いたりしたが]
[喜ぶ様子に、つられるように笑みを浮かべ]
ん、喜んでもらえたんなら、何より。
と、さぁて。
すっかり話し込んじまったけど、そろそろ行かないとなぁ。
[元を正せば、絵の具の材料になる鉱物やら何やらの採取に出てきたのだと、ようやく思い出して、進もうとした道の先に目を向ける。
アトリエに戻りたくないのは、弟伝いに聞いた言葉が引っかかっているからなのは否めない。
……当事者の状態などは、当然の如く知る由なく]
…だって
[帰ったという二人の言葉を継ぐように言って]
あ、そうそう。ミリィ先生はそういう話苦手みたいだから当人の前で言わないほうがいいみたいだよ
[さっき自分も聞いて知ったことだが、一応とベアトリーチェに言ったりする]
[こうして改まって話すのは初めてかもしれないと、
アーベルに頷いてみせる]
うん、あたしはベアトリーチェ。
アーベル兄ちゃん…で、いいんだよね。そっちはミハエルさん。
うん、ありがと。
薬をもらいたくて、薬師さまを探してたのだ。
じゃあミルドレッド様、もう診療所にかえってるころかな…。
いってらっしゃぁい!
[道の先を譲るように、壁際に寄りエーリッヒに手を振った。
にこりと笑い、自身はスカートを翻して来た道を振り返り。]
♪レ アリシ スヴィルッパ ヴェルソ
イルシェーロ、
♪ヴォグリオ アンダレア ヴォラーレ
[また、声を張り上げて歌いながら
歩いて自宅へと、向った。]
うん。合ってる合ってる。
薬をもらうか…なら尚更言わないほうがいいな
[とっても苦く作られてしまうだろうし。とかぼんやり思いつつ]
…あ、俺。そろそろ帰らねーと。明日もあるし
次から気をつけまっす。じゃあまたな
[といって三人に別れを告げて、駆け足で家への道を行った]
[>>190を聞き、小さく笑みがこぼれた]
そゆう話が苦手って、何となくわかる気もするのだ。
ふふふ、ミルドレッド様が結婚しないの、
もったいないって、うちのおばあちゃんがよく言うんだ。
お顔だって、かわいらしいのに、って。
―自宅―
ただいまー
[と、帰ったら帰ったで母に]
「あら、おかえり。アーベル。そういえば聞いた?オトフリート先生とミリィ先生が」
[おーのー。もうここまで届いていましたか。少し遠い目になりつつも一応噂鎮火のために]
いや、なんか誤解二人のために誤解だったみたいだよ
「あら、残念。ねえ?あなた」
「…ああ…」
だよなー
[別に噂で楽しむというより、よい出来事が違った。という認識を三人揃って思う辺り*家族なのであった*]
はぁい、行ってきますよぉ。
[手を振る少女にへらりと笑って手を振り返し。
聴こえる歌に耳を傾けつつ、洞窟の奥の方へと歩みを進める。
キノコ畑の近くを通ると、長の姿が見えた]
よー、じじ様。
復旧、大丈夫そうかい?
あー、前に崩れたのは、四代前の頃だったかなぁ……。
その時は……。
[声をかけ、崖崩れの復旧作業の進度を聞く。
ついでに、以前の時の崩れ方やら何やら、当時の『絵師』の記憶を引っ張り出して説明したり]
[頭の中をぐるぐると回って居たのは、
エーリッヒのことば。]
まだ、足りない。
一朝一夕で集まるものじゃない。
じゃあ、あつまったら、とべる?
外へでて…そらを、とべるのかしら?
[つぶやきがことばになる。
借りたハンカチをきちんと水で洗い、干す。]
なおさら言わない方が?
薬…?
ミルドレッド様のお薬はよく効くよ?
[とずれた答えを返しつつ]
[去りゆくアーベルに、頭を下げて挨拶した]
んと、いろいろ教えてくれて、ありがとうでした。
― 図書館前 ―
あいつは、本当に分かってるのか?
[最後まで軽い調子のアーベルに、幾分疑わし気な目を向けつつ、駈け去る姿を見送る]
薬というのは、君の、ではなさそうだな。もう帰っている頃だとは思うが、薬師殿が留守でも、助手のブリジットが居るだろうから、初めてでないのなら薬は貰えるのじゃないか?
[ベアトリーチェには、そう告げた。もったいない云々にはノーコメント]
はい、また。
[アーベルを見送り]
…そう、ですか。
確かに、お若いですしね。
[ベアトリーチェの話は、曖昧に笑むに止めた。
当人はいないものの、どう反応をしていいか分からなかったらしい]
……と、そんな感じ。
まあ、作業の時、気をつけてねぇ。
……大事になる『気配』は、感じてない、けれど。
誰だって、痛い思いはしたくないんだし、ね。
[言葉と共に、掠める苦笑。
『絵師』の勤めは死に通じるが故に。
『絵師』は、人が死す兆しのようなものを感じ取れる。
もっとも、それが誰か、どんな形でか、までは知るには至らないため、その事を知るのは、『絵師』当人を除くと代々の都市の長だけなのだが]
[暫くの、時が経った後。]
[薄いハンカチは乾いたから、 それを綺麗に畳んで手に握る。
ヒカリゴケの薄い光の中、苦労してつけようとしていたペンダントはつけられなかったから(後ろで留め具をとめることが、できなかったのだ)、やっぱりそちらは手の中に握り締め、家を出た。]
[>>198には、おずおず頷いてみせる]
うん、あたしのおばあちゃんの、腰のお薬。
薬師さまがいつも調合してくれるの。
司書さんは…座りっぱなしで腰、痛くなったりしない?
[なんとなく、
座ってばかりな職業であるとの、イメージがあった]
[ミハエルの笑みをみて、また何か変な事を言ってしまったかと、ちらと思い]
あー、食った食った。
ん、確かに今日のスープはグンバツだった。
っと、焼きに入ってるから帰ってもやることねぇし、気球の方もいまんとこ手詰まりだしなぁ。
[とぼやき。まさかリディを応援するつもりで言ったあの一言でリディが盗みまでやってるとは思いもしない。]
んー。図書館でなんか良さそうな手段でも探すか。
[そう言って図書館へと足を向ける。]
[苦笑と共に向けた言葉に重々しく頷く長と別れ、いつもの採取ルートとは違う道で鉱物や石を集めていく]
……大体、こんなとこ、かなぁ……。
さぁて、色々とこわいものはあるが……戻るか。
[ある程度集まったところで、小さく呟く。
何が怖いのかは、まあ、推して知るべし、という所か]
……広場通らないルートっていうと、ええと……。
[頭の中に地図を浮かべつつ、帰途に着く。
どうにか危険?を避けてたどり着いたアトリエで感じたのは、微かな違和感。
だが、それを確かめる気力はその時には既になく、引き込まれるよに眠りに落ちる]
[翌日、目覚めた後に違和感の原因は知れて。
すぐさま長の所に駆け込み、緊急事態の触れを出してもらう事になるのだが。
その時点では、それは、*全く知る由もなく*]
― 図書館前 ―
なるほど。
[祖母の薬を取りにいくという少女に、僅かに目を細める。次いで自分の腰の心配をされると、常にない柔らかい笑みが、唇に浮かんだ]
いや、俺は大丈夫だ。ありがとう、ベアトリーチェ。
[返す言葉は、相変わらず短かったが]
[何気なく話を聞きつつ、不意にはたと瞬き]
…あ。
済みません、そろそろ戻りますね。
[今は休憩中で、作業途中だったと思い出し。
丁度ユリアンの姿が見えたなら、軽く挨拶のみ交わしただろうか。
そうして別れを告げ、*自宅へ*]
[向うは、「アトリエ」。
彼女は何処を歩いて居ても、余りそれを不思議に思う者も居ない。]
[そしてやがて絵師のアトリエに着く。
扉をノックするも、返事は無い。]
こんばんはぁ!
へ?!
え、え、いえ、どういたしまして、なのだ。
………よかったのだ。健康が、いちばんなのだ。
[お礼を言われるような事をしただろうか、
苦手意識をもっていた相手の微笑みをみて、何度も何度も瞬きして]
[真っ赤になった]
─図書館前─
あれ? ミハエル。まだいたん。兄ちゃんは大丈夫だったん?
……そっか、それはよかった。ん、じゃ、またな。
[ミハエルと軽く挨拶を交わし、図書館へ入ろうとして、そこで会話してる面々に気づく。]
んー、こんなところで何話してんだよ。
てか、あれ、なんか解散ムード? 話に乗り遅れちったか。
あぅ、ミハエルさん、
さよなら、また会いましょう、なのだ。
[つま先立って、ミハエルへ手を振り]
あ、と。
あたしも診療所に行かなきゃ、なのだ。
……あの、ありがとうでした、のだ。
[おずおずとオトフリートにも挨拶して踵を返す]
む、む。
おとこのひとと少し話せちゃったのだ…。
[謎な独り言を呟いて、診療所への道をたどり始めた*]
ちゃんと飯は食えよ。
[帰るというミハエルに、絵師の分もと、そんな声をかけて、なぜか赤くなっている少女に首を傾げていると、常連となっている青年の声がした]
ユリアンか。そうだな、そろそろ時間も遅い。帰宅する者の方が多いだろう。
何か見たい本があるのか?
いないのかしらぁ?
[扉のノブに手を伸ばし、握ってみる。
それは、あっさりと開いてしまった。]
…あら?あらあら?
[扉を開いたまま、
そうっと中をのぞきこみ、足を踏み出した。
中には人は、いないようで。]
こんばんわぁ…?
ああ、気をつけてな。
[人慣れない様子の少女に、少しだけ心配そうな目を向けて、しかしそのまま見送る。診療所に薬師が戻っていればいいが、と考えて、ふと先刻彼女と交わした会話を思い出して、ユリアンを見た]
そういえば、お前、薬師殿に何を言って怒らせた?
[会釈をするベアトリーチェにこちらもぺこりと会釈。]
あー、ですよねー。あれっすよ、夢に向かって走ってると時間の感覚がなくなるってやつ。
[ようは夜更かしで生活環境くるっとるだけです。]
そうそう、裁縫とか編み物の本見せてほしいんだわ。
はえ? なんでそこであいつの話が出てくんですか?
んー、何か馬鹿を直す薬はないとか、赤子になる薬とか。
失礼っすよねー。
[いいえ、あなたの方が万倍失礼です。]
裁縫に編み物?
[さすがに怪訝そうな表情になった]
・・・・・・花婿修行か?
[花嫁と言わなかったのは、微妙な常識のボーダーが働いたかららしい]
まあ、有るにはあるが、そういうものなら、本を読むより実際に上手な人から習う方が身になると思うがな。
こんばんわ…
[ゆっくりと、だめだと思いながらも部屋の中へと足を進めてしまう。
何かに、惹かれ引かれるように――]
……ぁ………
[そこにおいてある、「絵筆」
引かれ惹かれるのは間違いなく、それで。]
[そっと手を伸ばした時、誰かが入ってくる音にピクリと手を胸元へと引き戻す。]
[薬師の話については、ある意味予想を裏付けた答えで]
ああ、なるほど。
[一瞬、哀れむような色を瞳に浮かべると、それだけ言って目を逸らし、図書館のドアに手をかける]
読んでいくなら入れ。だが、中で寝るなよ。
[寝ぼけて本に涎でも零そうものなら叩き出すと、言外に匂わせて、先に立って扉をくぐった]
花婿? ……はえ? なんで??
[本人としては丈夫な球皮が欲しいだけでそういうことを考えていないので、完全にはてなマーク。]
んー、そんなもんっすかねぇ。となると、リディか。あるいは、エルザもわかるかな。
あ、あの、ごめんなさい。
その…
[現れた少女は、落書きをした壁にぶつかっていた娘。
怒られるかと思ったのだけれど、そんな事は、無く。
ふたりで、絵筆に手を伸ばすと絵筆の上でその手同士が触れた。]
[そして、なんだか納得してるオトフリートに再び首かしげ。]
えー、なに納得してんすかー?
てか、なんすかその養豚所の豚を「かわいそうだけど あしたの朝には お肉屋さんの店先にならぶ運命なのね」ってかんじに見てるような目は。
ところで、豚ってどんなんなんっすかね。美味しいんでしょうか?
[ひどく脱線。そんなこんなで中に招かれると、それについていき、]
えー、寝ないっすよー。知識に触れるのに寝るなんて勿体無くて仕方ないじゃないっすか。
・・・・・・
[書庫へと向かいながら、しばらく黙ってユリアンの言葉を聞いていたが]
少し黙れ。
[返答も何も一言で終わらせると、リクエストの本を探しに石の扉の向こうへと姿を消した**]
あの、えと、その…
[手が重なったまま
それは絵筆を握り締め
顔には笑顔を浮かべてにこりと笑う。]
これがあったら…
そとに、でれる、のよね?
[首を傾けて彼女に問う。
彼女はなんと答えるだろうか。]
ね、これ持って出たら怒られるかしら?
絵筆なんてきっと、いっぱいあると思うの。
だから気がつかれないわ?
[にこにこと無邪気な笑みは
無知ゆえなのか それともわざとなのか。]
ね、あたし…「もどりたい」の。
だから、とめないで?
[とめるどころか
彼女はきっと、同じように。
そうしていくつか言葉を重ね、
ふたりのどちらかがその一本の絵筆を
持って帰ることになるのだろう**]
[中に入ってほかの客がいないことをいいことにぺちゃくちゃ喋っていたが、一言の下に切り捨てられると、ぴしりと固まり、]
…………………スミマセンデシタ、静カニシマス。黙ッテマス。
[だらだらだらと滝のように脂汗を流しながら土下座。
そうして、オトフリートが本を持ってくるまでそのまま額こすり付けて土下座してた*とか*。]
― 前日/診療所 ―
[外にいても聞こえるような大声に、行き交う人は目を瞬かせる。
言を発した当人の姿は既になく、助手が彼女を押えていた。
周囲には、外の世界の文字で綴られたカルテが散らばっている。
日常用いることはないが、個人の機密を保持するためであるという。
薬は診察場所からは離れた位置に置かれているため被害はなかった。
それは、さておき。
人の噂も75日とは言うが、
ミルドレッドの過剰反応は余計に長引かせそうだった。
ただし、あまりの反応ぷりを見れば公にはならず、
密やかに、そして、誇大されて伝わるのだろうが]
[流石に事態を理解したブリジットは困り顔。
今日の診察はすべて彼女を通して行われることとなり、
ベアトリーチェに対しても苦笑を浮かべつつ、
普段通りの湿布薬と補助的な栄養剤、
有事の際の鎮痛剤が手渡されることとなったの*だった*]
ああああ、女の子失格だぁぁ
[最後冷静にしめたが、少女はぜんぜん冷静じゃなかったらしい。
荷物(布)を持ったまま家に帰り、怒られ、だいじょーぶほとんど自分のやった糸だもんなんて返す様子に、普段の元気さはない。
ぽすぽす枕を叩いて、自分の至らなさを嘆くばかりであった。
それからちゃんと体を洗って、布の存在を思い出す。]
あー、ユリアンにあげにいかなきゃ。
飛べるのかなー
[ぎゅうっと目を閉じると、少女のアンバーの目は水の中を思い出す。
息は苦しくなるけれど、あの青い水は少女にとってとても親しいものだった。
はやくはやくと願うから、やっぱり先に持っていこうかななんて、布を持って家を出た。]
でもおじさんに見つかるとうるさいしなぁ。
見かけなかったか回りに聞いてみよっと。
[その時に、ミリィが恥ずかしがって逃げていったのを聞いて、やっぱりと大声を上げ、噂話にまたもや色々付いていくのは、もはや*当然すぎる話であった*]
―前日/診療所―
『ばっかものがーーーーーー!!』
[近づいて行くと、遠めから大声が響いて、
思わず身を竦めた。
自分へ向けたものではないとは分かったが、目を白黒させ]
[かなり躊躇った後、
中をのぞいてみれば、馴染みの助手のみ見出す]
あ、あれ。
ブリジットさん、ブリジットさんだけなのだ。
さっき、薬師さまの声を聞いた気したけど、
…御留守なのだ?
[用意に時間がかかったなら、予め図書館で頼めなかった事を後悔しただろうが]
[すぐに湿布薬や栄養剤を手渡されたなら、ほっとして微笑んで]
―そのときに 通りかかった場所―
[話を思い出して、少女はそのアトリエを眺めた。
絵師さまはいるのだろうか。かんがえる。]
―― まだ足りないっていうけど ――
[よく見たら扉があいてるから、そぉっと中を覗いてみた。
入っていいかな。
空を飛びたいという気持ちよりも、空を飛んだら海が見れるかななんて。
早く集まるか、ユリアンの気球が完成すればいいななんて。
そんなことしか少女は考えていない。]
[中を見たら、さっきぶつかりかけたひと。
少女はあまり得意ではなくて、えーとと曖昧に微笑んだ。]
あ、えーと。
私のほうこそごめんなさい。
絵師様は――……
[少し気になって、近寄ってみる。
そこにあるのは筆。
少女も知っている話を思い出して、つい、手が伸びた。]
……。
[一瞬、例の噂が、
噂は千里を走るとか何とか、そんな諺と胸に浮かんで。
助手の彼女は、知ってるのだろうか。
まじまじブリジットの顔をみあげてしまうが]
アーベルの警告も思い出して、そこは何も触れずに]
[薬の代価となる品でも支払うと、礼をのべて家へ*]
戻り?
どこに?
良いよ。
ええと、あなたが、持ってて。
今から、ユリアンに会うから。
そしたら、ばれちゃうし……。
[きっとユリアンは怒るだろうなぁと思ったから。
彼は同志なのに、彼の力じゃないものを求めるなんて、口でいうことが出来るわけがない。]
でも、私も、ほしいから、
権利は、はんぶんこね。
[筆から指を離すとき、とても名残惜しそうに、少女の指はゆっくりと動いた。]
ええと、ひみつ。だね。
あとで、あつめよう。
[どういうことかを知っている少女は、それでも、*海を望んだ*]
[ユリアンが通りかかったら、大慌てで声をあげて、
持っている布を渡す。]
十分にきめこまかいよ!
う、入手方法は聞かないで
[うしろめたくて目をそらした。]
だいじょーぶだいじょーぶ、気球が出来たら赦してくれるさ!
それじゃ、そろそろ寝るねー
また朝、『海』にいこうと思ってるんだ。
[そうして家に帰り、今度は落ち着いて*眠りにつく*]
[少女に持っていてと言われて
胸元に、きゅっと大事そうに筆を抱く。]
うん、ひみつ。
ふふふ、ふたりの…はんぶんこ、ね。
[コバルトブルーの眼を細めてにこり笑い
何か言おうと口を開いた時、遠い近くで音がした。
ぱっと外を振り返ると、足音に聞こえた。]
ひみつ。
…にげなきゃ!
[リディと一緒に、扉を出る。
その背中に、小さく]
もどるのは、そらに。
[問いの答えを呟いたけれど、
彼女に届いただろうか?
そして自身も駆けて自宅へと戻り
ぎゅっと絵筆を抱いて、眠った。]
……なんてこったい……。
[不覚、としか言えなかった。
いや、言った所でどうにもならないと言うか、自身の不注意による所も多々あるのだが]
よりによって、これを持ち出す輩がいるとは……。
[残された片割れの筆を見つつ、呻くような呟きをもらす。
代々の『絵師』に、『記憶』と共に継承されてきた二本一対の絵筆。
一体、いつの間に持ち出されたのか。
箱の中には、ただ、一本が残るのみとなっていた]
……深刻に、まずい。
持ち出された方が、『力』を残しておいた方とか、冗談にならん……。
[ともあれ、ため息をついていても仕方がない、と長の元を訪れ、事情を説明する。
自覚が足りないのなんのとの小言を小一時間はもらったろうか。
さすがに、今回ばかりは軽薄面で受け流しはしなかったが]
……とにかく、早急に手を打たんとまずい、じじ様。
来るべき『解放』には、両方の筆が必要になる。
このまま戻らんと、えらい事になる。
……それに……。
[不意に言葉を途切れさせ、出された香草茶のカップに視線を落とす。
来てすぐ出してもらったそれは、小言の間に冷めていた]
[うっすらと、目を開く。
何時もと同じ、蒼い夢。
大きな欠伸をしてから体を引き伸ばし、
綿毛を敷き詰めた床に足を降ろすと、
ゆくりと立ち上がる。
畳まれたハンカチを右手に持ち、留め具の外されたペンダントを左手に持つと、
机の上に置いてある綿毛用の布袋を見つめた。]
みっつ、持てないわぁ。
[くすりと笑い、
壁に掛かった小さなポーチを取って頭を入れて
斜めがけに肩から提げる。
その中にハンカチやペンダントを入れ、畳んだ布袋も入れて家を出た。]
[布袋の底には絵筆が眠る。
もちろん彼女は、それを使って
「足りない」と言われていたものを。
一朝一夕ではだめだといわれていたものを。
満たす気まんまんで、上機嫌。]
[視線を落とす様子に、長はどうした、と訝るように声をかけてくる。
それに対する答えに先んじるのは、小さなため息]
……持ち出された方の筆。
次に『絵』を描くための『力』が残ってる方だった。
正しい用い方を知らなくても、あれで肖像画を描けば、その者の『心』を封じる事ができる……。
その者が、生きていたとしても。
生きながら、『心』の力を奪えるんだ。
[掠れた声の説明に、長は目を見開き。
続けて投げられるのは、そうなったら、その者はどうなるのか、という問い]
……過去に実際にあったかどうかは、ちょっと思い出しきれてないんだが。
普通に考えても、いい状態じゃないと思う……ぜ。
[重い沈黙。
それを経て、長が立ち上がる。
とにかく、住人たちに筆の盗難と、それに伴う危険を知らせる、と]
ああ。
軽い冗談や悪戯心で持ち出したんなら、早めに戻してもらわんとまずいしな。
[実際、『過去』にはそう言った事もあったようだが。
その時は、大事に繋がる前に戻されたらしい。
今回もそうなってほしい、と思いながら頷いて、すっかり冷めた香草茶を干す]
んじゃ、俺ももう一度、アトリエの中を探してみるわ。
[いつもの軽い口調で言いつつ立ち上がり、長の家の応接間を出ようとすると、そう言えば、と長が呼び止めてきた]
んー? 何さ。
[きょとり、としながら立ち止まると、都市に広まる噂の話をされて。
事の真偽はどうなのか、と問われたり。
話題の二人とはそれなりに見知った相手、真偽を知っているのでは、との事らしい]
[鼻歌を歌いながら、軽い足取りで向かうは何時もの綿毛の畑。
途中でなにやら噂をしている主婦の塊を見つけ]
ごきげんよぅ。
[明るい声で挨拶をかけ手を振った。
笑顔を返してくれる主婦も居れば、
あからさまに眉を顰める人も居るけれども何処吹く風。
只、色恋だの落書きだのの噂の切れ端が耳に届いて]
…あ。
[鞄の中に閉まった、洗ったハンカチを思い出し、
ぴたりと足を止める。]
……いやいやいや。
さすがにそりゃあないっしょ、じじ様。
[さっくり返すと、長は、ないのか、とちょっと残念そうにした……かも知れない]
だって、考えてもみよう。
あの二人だぜ?
俺には、想像もつかん。
それに、もしそうならもっと早くじじ様に話しに来るでしょー。
[ここまで言えるのは、付き合いの長さ故の事。
それぞれの気質を思えば、ここに至るまでに七色変化している尾ひれなどはあり得ないとすら思えた]
……一応聞くけど、じじ様から二人にそれ、聞いてないよな?
うん、先に俺に聞いて正解。
真面目に受け取らん方がいいよ、うんうん。
[話が一区切りした所で、今度こそ、と思ったらまた呼び止められ。
今度はなんだ、と思ったら、そういう自身に色恋話はないのか、という問いで。
掠めたのは、困ったような、笑み]
いや、ほら……俺は、さ。
『絵師』だから。
だから……ね。
[短い言葉の真意は、伝わるか否か。
ともあれ、それ以上は何もいう事はなく、長の家を出て、ため息一つ]
……こんな因果な存在に惚れたり惚れられたりしたら、それだけで不幸だってぇの……。
[小さな呟きの後、アトリエへ向けて歩き出す]
かえさないと。
[ハンカチを鞄にもう一度仕舞い、
取りあえず広場の方へと向かって足を向けた。
なんだか今日は、道の井戸端会議に
とても良く薬師の先生と、図書館の司書のひとの
名前があがるなぁ、と、思ったりしながら、
歌を口ずさみ、軽い足取りで歩く。]
はい?
[呼び止められたのは、都市の長。
彼女の父親を知り、その後の事も知っている為
会えば気をかけてくれていて]
ごきげんよぅ、長さま。
どうかなさったの?
[何時も笑顔な彼の表情が曇っているから、
きょとり、瞬いて首を傾けた。]
えふでがぬすまれた?
[重い口調で言われた事を、くりかえす。
これから人を集められるならば集めたりして、
人を使って都市の人間に伝えていくという。]
えふでって、絵師さまの?
[頷く長の、しかめっ面を覗き込むと
ぱちり、コバルトグリーンの目をまた瞬いた。]
─翌朝─
[朝の仕込みと親父さんの朝飯を支度したあと、足を向けたのは布織りの工房。
当てをつけた布地があるかを聞きに来たのだが、]
あー、品切れっすか。じゃあ、仕方ないっすね。
とりあえずまた来ますんで、今日のところは糸ください。出来るだけ細くて丈夫なやつ。
[そう言って糸を買うと、工房をあとにした。]
もう、ばれちゃったの?
もってるって、こと。
[きゅ、と手で鞄を掴む。
思い出されたのは、はんぶんこ、と言った相手。]
ごめんなさい、もう、みつかっちゃったかも。
どうしてなのかしら?
[言葉を口に出す事はできず、
ココロの中で、言葉にする。
もちろんそれが、届くなんて思っていないけれど。]
[とても危険だから、見つけたら直ぐに言うように。
他の人にも、知らせられるなら知らせるように、と、
後半は多分期待されずにだろうけれど言われ、
こくり、深く頷いた。]
はぁい。
[長は一度彼女の頭を撫でると、
そういえば、と何か言いかけたけれど、
お前には判らんか、などと呟いて一度笑い、背中を向けた。
にこにこと笑いながらその背を見る彼女の、
頭上には、ひとつ「?」が浮かんでいた。]
あら?あらあら?
もってるって、判った訳じゃないのね。
それにしても…
[ココロの中で呟き、ぎゅ、と鞄を握る。]
「ちから」があるんだって。
だから、「危険」だって…
じゃあ、これで集めればきっと、「みちる」のね。
[笑みながら呟く言葉は、わくわくと弾む。]
でも、さがされると困るわ。
だって、「みたす」ことが出来なくなるもの。
どうしたらいいかしら?
長さまが、あんまりうごかないようにしたいわ。
どうしたらいいかしら?
[思わずたまに言葉として口から零しながらも
ココロの中で、呟きは紡がれる。]
[一度アトリエに戻り、大掃除でもしているのか、という勢いであちらこちらを確かめて。
それでも、やはり対なる一本の姿は見えず]
……冗談じゃねぇよ、ほんとに。
あんなもの持ち出して、どうしようってんだ……。
[あの絵筆を用いてできる事など一つしかない。
それとわかるだけに苛立ちは大きく。
ともあれ、残された漆黒の一本は持ち歩いておくべきか、と布に包んで上着の内ポケットに入れた]
……早めに、出てきてくれればいいんだが……。
[ため息混じりに呟いた後、広場の方へと向かう]
[その帰路。突如掛けられる声に振り向くと、]
んあ。リディじゃん、どうしたん?
[首を傾げて問いかけると、はい、と差し出される布。それはまさしく、先程購入しようとしたモノなのだが、]
……ちなみに聞くけど、これの出所って……
[問おうとすると、目を逸らされました。それでおおよそ把握。]
そういう問題じゃねぇとは思うが。とりあえず誠意は受け取っておく。ありがとな。
おう、おやすみ。いい夢見ろよ。
[そう言って駆けていくリディが見えなくなるまで見送る。そしてリディの姿が完全に見えなくなると、]
……さて、と。
[そう呟くと、来た道を戻り、布織り工房へ。
そうして、おおよその事情を話し、御迷惑をお掛けしましたと頭を下げ、ちゃんと布の代金を支払うのであった。]
[頭の上に浮かばせた「?」はふんわりと消え
広場まで来ると、長に聞いた人たちがざわめいていた。
なんだかその様子にそわそわしてしまって、
片手で鞄、片手でスカートをぎゅっと握って
泉の周りに暫く立ち尽くす。]
しらせるように。
[言われた言葉をもう一度くりかえし
頭を振るようにして、周りを見渡した。]
何処にあるかはいえないから、
せめていわれたことはするわ、するわ。
[呟いて、周りを見渡す。
…―すこし遠くに、絵師の姿が見え。
にこりと笑う姿に、罪悪感は欠片も見えない。]
─広場─
[広場までたどり着くと、既に告知が始まっているのか、ざわめきは大きく。
こちらに気づいた住人たちが問いかけて来るのに、説明で返す事になった。
さすがに、こちらの告知に余計な尾鰭がつくのは避けたいので、可能な範囲で丁寧な説明をして]
……とにかく、単なる悪戯とか冗談なら、こっそりでも返してもらえれば、それでいいんだ、俺としては。
だからまあ……うん。
もし、知り合いが持ち出してた、とかなったら、怒らなくていいから、戻すように言ってやってほしい。
[個人的には、『力』を振るわれなければそれで、という思いが強いから、そう言って。
一段落したところで、泉の方へと向かう。
一時に動き回ったためか、喉が渇いていた]
[ざわめく人達が、一斉に動くのをみた。
暫くその中央に位置する絵師が何かを話したようで、
そのうち囲んだ人達がお互いに話したり意見を交換しだし、
絵師はこちらの方向へと歩いてくるのが見える。
なんだかすこし疲れているように見えたので、泉の脇の桶に水を汲み、差し出してみた。]
おつかれさまでした。
[状況にそぐわない言葉かもしれないが
彼女なりに考えた言葉らしい。]
え……。
[かけられた声に、きょとり、としつつそちらを見やり]
ああ、ありがとなぁ。
[気遣ってくれているのはわかったので、笑いながらこう返し、桶を受け取る。
いつもより、笑みの軽薄さが薄れているのは、ある意味仕方ない、と言うべきか]
─翌朝・広場への道─(整合性を取るため、先程までは前日夜と読み替え願います)
ふぁぁぁっ……。
[大きな欠伸をし、目をこする。その目は真っ赤に充血中。
しかし、気分は最ッ高にハイってやつで、とても寝ていられない様子。]
やべー、マジやべー。何がやばいって……
キタよ、飛んだよ、実験成功だよ。
あとは、人浮かせるだけの空気の入る袋作れば……。
……でゅふ、でゅふふ、でゅふふふふ。
[徹夜で変なスイッチがオンしたらしく、言動は奇怪にして胡散臭い。
そして、そんなこんなのうちに広場まで到着。]
[エーリッヒが笑むのに、こちらも満面の笑みを浮かべ
首を傾けた。
その絵師の後ろ、ユリアンがおかしな言動をしながら歩いてくるのが見え、
首を傾ける角度を深める。]
たのしそうな、うれしそうなひとが、居るわ?
[ね、と、エーリッヒの背中のユリアンを指差してみせる。]
[そこではたと広場の異様な雰囲気に気付く。]
んあ? なんぞなんぞ。
[首を傾げつつ、その輪に近づいていくと、]
……えっ? 兄ちゃんに……エルザ?
[その場にいる既知の人物に思わず声を上げる。]
[冷たい水で渇きを癒してほっとして。
言われた言葉に、はい? と言いつつ、指差す方を振り返る]
…………。
[妙に浮かれた様子に、八つ当たり気味の殺意が浮かんで消えた、なんて言わない。
ともあれ、こちらの名を呼ぶユリアンに、よ、と言いつつ片手をひらりと振ってみた]
うふふ、こんにちわぁ。
たのしそう、なにかあったのかしら?
[ユリアンの声に大きく手を振って
笑顔を向けて、声を返す。]
[よっとこちらも挨拶を返し、エルザの言葉にぽりぽりと頬を掻き、]
んー、嬉しそうに見える?、いや、ちょっと進展がね。
[だが、そこでやけにまじめな顔になると、]
……てか、兄ちゃん。なにがあったんよ。
えらく深刻な顔してるぜ。
[なんだかんだで幼少の頃からのつき合い。何となくの機微は読み取れるよう。
……まさか八つ当たりの殺意まで浮かんで消えてたとは思いもしないが。]
しんこく?
うぅん、ちょっとした、こと。
ここのみんなも、望んでいること…
あなたも、でしょう?
[心の中で、小さく呟く。
ユリアンを見て、首を傾けつつ
鞄を握る手には無意識に力が篭る。]
[進展、という言葉に、昨日のリディとのやり取りをちらりと思い出し。
ほんの一瞬、緑の瞳に険しさを過ぎらせたのには、気づかれたか否か。
いずれにしろ、投げられた問いにそれとはまた違った厳しさのようなものが緑には宿り]
……深刻にも、なる。
『絵筆』が、一本盗まれたんだから、な。
長さまに、聞いたの。
人につたえてほしいって。
[盗まれた、というエーリッヒの言葉に
補足をしたつもりだがそうともならなかった。]
えふでは、かわりがあるの?
無いと絵、かけないの?
[ユリアンからエーリッヒに視線を顔ごとうつし
首を傾けて聞いた。]
え、かけないと、こまるから。
いっぱいあつめて満ちたら、返すの。
1人でやるより、何人かでやるほうが、早いもの。
お仕事のおかみさんが、言ってたもの。
[でも怒られるのは判っていたから。
自分が、ということはせず
じっと、エーリッヒの唇が動くのに注視した。]
代わりというか、盗まれた一本と、対になるのが残ってる。
だから、『絵』を描く事はできるんだ。
けど、二本はそろって一つの対……つがい、だからね。
片方だけでも、なくなるのは困るんだ。
[エルザに答えつつ、上着の上から内ポケットに入れた漆黒のそれを軽く撫ぜる。
これに、『力』を与えておかないとならないか、と。
そんな事を考えながら]
???
[エーリッヒの眼に一瞬宿った険しさに首を傾げるが、続いて語られた言葉に、その疑問は一瞬で吹き飛ぶ。]
なっ!? ……それって、大丈夫……じゃあねぇよな、どう考えたって。
[エーリッヒの言葉は判りやすかったようで]
つがい?
それは離しては大変、かわいそうだわ!
[両手の平をぴたりと合わせて顔の前に立てて
驚いた表情で、声を上げた。
ユリアンの声にそのまま驚いた顔を向けて]
だいじょうぶ、じゃない。
[言われた言葉を、くりかえす。]
たいへん、つがいなのね。
ならはやく、やってしまわないと絵筆がかわいそう。
はやくしないと、だめだわ。
[今差し出して返す、という思考は
全く生まれないようで。
ぶつぶつと心の中で呟く声は、
すこしばかり焦りを帯びてきていた。]
……大丈夫だったら、もっと気楽にしてるぞ、俺。
[ユリアンに返して、軽く、目を伏せる]
軽い冗談で持ち出されたんなら、さっさと戻してもらえればいいんだが。
もし……『力』を使われたりすると、色々とまずい。
正直なとこ……冗談じゃ、すまされなくなる。
[呟くように言う表情は、普段見せかけている軽薄さとは大きくかけ離れた真剣なもの]
かわいそう、か。
……そうなんだよね、一緒じゃないのは、寂しいだろうから。
[エルザの上げた声に、微かに表情を緩めて言って]
そういう意味でも、なるべく早く戻してほしいんだけどなぁ……。
/*
というか、俺はコアに備えて自重すれ、というところですね。
説明あったせいもあるが、桁がそろそろ変わるとか、ちょ、ですよ。
……『力』?
…………!!?
……もしかして、その持ってかれた筆使うと、持って行った奴も兄ちゃんの真似事が出来るってことかよ!?
[思わずエーリッヒの襟を掴んで問いつめていた。]
力…
それは、
[言いかけて、ユリアンが自分の問いと同じ事を
口にしてくれたので、口を噤んだ。
エーリッヒの襟を掴み、離したユリアンの
服の裾を掴もうと手をそっと伸ばし]
いたいのは、だめなの。
襟ものびちゃう。
[ふるふると、頭を横に振る。]
って、こらこら、落ち着け落ち着け。
[問いに答えるよりも先に向けるのは宥める言葉。
周囲の住人が何事か、と色めき立つのは手で制する]
……手っ取り早く言えば、そういう事だ。
俺は勤めとして、天命尽きた者の『絵』しか描かんが。
『絵筆』の『力』は生者に向ける事もできる。
……もっとも、それは望まれる用い方ではないが、な。
[ユリアンを宥めようとするエルザの様子を見つつ、一つ息を吐く。
頭の中には色々と、良くない予感が回っているのだが、それは押さえつけて。
内ポケットの漆黒の筆を軽く撫でてから、*目を伏せた*]
―前日/診療所→自宅―
[三つの薬を抱え戻ると
背伸びしてそれらを物入れへ収めた]
ただいまアトリ。ご飯にしよっか。
…おばあちゃんはまだおやすみだね。
[足元へ寄ってきたトカゲへは、祖母を起こさぬよう小声で]
あのねあのね、
絵師様の弟さんやアーベル兄ちゃんに会ったのだ。
それに司書さんがね…んと、や、何でもない、上手く言えないや。
診療所ではね、ブリジットさんがね…
[狭い台所にたつと、今日の出来事をアトリに囁きつつ、
自分たちの食事の支度を始めたのだった]
― 図書館 ―
だから、薬師殿と結婚する予定は無いし、そもそもそういう意味での付き合いをする気もない。
・・・・・分かったら、その花束は持って帰ってくれ。
[朝から何度したか分からない説明を繰り返して、お祝いの水晶花の花束を持ち込んだ近所の主婦を追い返す。噂の尾ひれの七色具合はいっそ見事なほどで、結婚が決まったというものから、果ては薬師に子供が産まれた(思わずどこにいるんだ、そんなもの!?と真剣に叫んだ)という先走ったものまで様々だった]
「なあ、聞いたかい、司書さん」
[そんなわけで、普段よりやたらに多い客の一人から話しかけられた時、思わず剣呑な目つきで睨んでしまったのは致し方ないと言えた]
根も葉もない噂なら聞く耳持たないぞ。
― 図書館 ―
「え、いや、絵師様から聞いた話だから確かだと思うんだが…」
[きょどりながら口にした相手の言葉に眉をひそめる]
絵師殿?何の話だ?
[幼なじみが件の七色尾ひれを信じるとは思いがたかったので、改めて問い返すと、語られたのは絵筆の盗難という笑えない話]
・・・・・・
[思わず絶句したのは、周りで話を耳にした他の客も同様だった]
―翌朝―
おはよ。アトリ。
今日もおしごと、だね。
[起床後。
身支度をすませたりと、一通り終えると、
友の住み家である箱の中を覗いた]
一緒に行こうか。
[トカゲを抱きあげ、腰につけた小さな袋の口へ持って行くと、するりとその中へ入っていった]
[そして己の白い頬を挟むようにして軽く叩く。
仕事前に気合いを入れる、儀式]
よし。いってきます!
おばあちゃん、お薬は補充しといたからね。
―自宅→外―
― 図書館 ―
[おかげで変に浮かれた空気が沈静化したのはありがたいと思っていいものか、多少悩みながら常連の一人でもある隣家の主人に声をかける]
済まない。しばらく出かけるから留守を頼む。
[一人しか居ない司書が出かける用事のある時には、これまでも留守番をまかされている主人は気安くそれを請け負ってくれた]
[上着を取りに自室へ戻り、ふと思い出して、昨日薬師の忘れていった写本を手に取る]
・・・・・・・
[今、診療所に出入りするのは噂の広がりを考えると頭が痛かったが、放っておくことも忍びなかった。結局、出かけたついでに届けることにして、写本を持ったまま図書館を出た]
― 診療所 ―
むぅ。しまったな。
[仮眠室も兼ねた作業部屋の中央に立ち、腕を組む姿があった。
両親の住む家は別にあるが、作業に更ける事の多い彼女は
ここに泊まり込むことも珍しくはない。
それでも毎日、父の様子を診に行くことは欠かさないが。
その傍らには、今日の往診用の薬を詰めた袋。
悩みの内容はと言えば、昨日忘れた本のことだった]
まあ、どうせ用はあるのだから、そのときでいいか、
……
…………………。
[瞬間、昨日聞いた噂が脳裏を過ぎり、文字通り頭を抱えて転がった。
しっかり周囲の袋やら本やらを避けているの、ある意味、技だ。]
―広場―
[綿毛畑を目指し広場を横切りかければ、
ただならぬ雰囲気、人々のざわめきが聞こえる。
[訝しく感じ歩みを止めた。
[腰の袋からトカゲの頭がちょこんとのぞく]
…?
なにか、あったの??
あ、エルザねえちゃん!
[なついている蒼の女性をみつけ駆け寄って。
周囲の人々からも、絵師の筆の盗難の報をきいて]
[ぜーはー。
きっかり一分転がったところで身を起こし、
息を整えて、乱れたリボンタイを締め直す。
眼鏡は若干フレームが歪んでいる気がしなくもない]
いや、動揺するから付け込まれるのだ。
平然としていれば大丈夫だ大丈夫……。
[呪文のように呟き、袋を肩から提げ部屋から出ると、
診察室のブリジットに一言伝えて外に出た。
見送る助手の眼差しが不安げだったのは言うまでもない]
― 広場 ―
[ざわめきたつ人々に例の噂かと警戒していたが、
耳をそばだて窺ってみれば、どうやら異なるよう。
円を描くような人の群れの中心へと、足を向ける]
何かあったのか?
と、ベアトリーチェもいたか。
昨日は、すまなかったね。
[頃合を見て作り置きをしているから待たせることはなかったが、
直接応対できなかったことに、幼子に対して謝罪を述べる]
――え。
えしさまの ふでが?
どうして。
それを盗んでどうするのだ、って…。
[きゅっ、と眉根を寄せる。
不安になってエルザの服の裾をつかんで、
彼女もまた、男性の服を掴もうとしているのに気づいた。
なんて連鎖状態]
えふでのちからを、生者に向けること、も……?
じゃあ、じゃあ…でも……
そんなこと。そんなことするひとなんて、いない、よね…。
[聞こえた絵師の言、表情が強張っていく]
はい?
[気の長い作業が漸く一段落するかという頃、訪問者によって知らされた事件。
思い切り眉間に皺を寄せて聞き返していた。
絵筆が盗まれたこと、このままにしておくと危険であること。
長から一通りのことを聞き出した後、深々と息を吐き出す]
…冗談、ではありませんよね。
いくら兄さんでも、こんな性質の悪い嘘は吐きませんし。
[というかあれだけ言ったのに逃げたんだ、なんて言葉はこの場では飲み込んでおいた]
それで、兄さんは?
…そうですか。
済みません、お手数を。
[お茶でも如何ですか、と尋ねれば丁重に断られたので、そのままで]
他にも回られるんでしょう。
無理はなさらないでくださいね。
[そう言い置いて、一度奥に行こうと踵を返し。
が、ひたと止まった]
…?
ああ、いえ。
何でも、ないです。
[何か、と尋ねる長に対して、曖昧な笑みで手を振り。
その後はすぐに片付けに向かい、早足で家を出る。
故に、ふと沸き上がった違和感の正体に気付くのも、もう少し先の話]
あ、薬師さま、どうもです。
い、いえ。ブリジットさんには優しくしてもらったから…。
いつもありがとうございますって。
おばあちゃんも伝えてくれって言ってました。
[浮かない顔でお辞儀をした]
[彼女の問いには]
…。
あの、みんなの話によれば、
絵師様の…力ある筆が盗まれたみたいなんです。
―海―
―― もう、ちょっと……! ――
[目をさましてから、少女は海の底を目指す。
この時間には人がなかなか来ないことを知っている。
もってきた小さな袋に、すでに酸素はない。
それでも、進むことはできなかった。
昨日と少しの差。
口がゆるみそうになり、通路をゴーグル越しに見て地上へ戻る。]
いやいや。
薬師として当然の事だか
……、は?
[レンズの奥の瞳は一瞬丸くなった後、細められた。
転じた視線は鋭くエーリッヒを射抜く。
人の多さゆえに直ぐには居るのだと気付けなかったようで、
薬を押し付けるために袋に手をかけながら見上げる]
…………お前は何をやっているんだ。
[目にのこる深い青。
意識は保っていたはずだったけれど、少女を後ろから波が襲う。
慌てて逃げる拍子に、脇に生えた海草に腕を傷つけられ、海から上がってむせた。]
うぁ……
あんなの、ひさしぶり……
[くたりと座り込み、タオルを体に巻く。
そうしてしばらく、体を落ち着けていた。]
― →広場 ―
[人だかりは広場の中央の泉を中心に広がっていた、集まっては拡散していく人の姿は都市全体が不安に脈打つようにも見えた]
絵筆一本でこの騒ぎか。
[苦々しく呟いて、騒ぎの中心に足を向ける。が、垣間見えた赤い三つ編みに、一瞬足を止めた]
[波以外になにかきこえる気がして、少女はまわりを見回す。
そして誰もいないことに気づくのと、それが彼女のものだと気づくのは、そう先のことではなかった。]
みつかっ……
え?
ちがう?
[思わず声にも出た]
[この状況では早々逃げられないだろうと詰め寄り、
昨晩調合した湿布薬と栄養剤入りの小袋を押し付ける。
ベアトリーチェの祖母に作ったものとは異なり、
打撲用に特別の配合をしたものだった。
ちなみに、栄養剤の苦さは言うまでもない]
……全く。
いっそ、全員に自白剤でも飲ませるか?
[大袈裟に溜息を吐き出して、冗談とも本気ともつかぬ台詞]
あー……
血、ついちゃった。
[服をきて、タオルをしっかり抱える。
それから足を向けるのは、広場のほう。
というより、家があるのがそちらだからなのだが。]
うー……うるさい
[失敗した少女には、ちょっと気分を害す人の声だった。]
[人目の多い中で、薬師に近づくのはさすがに少々躊躇われ、やはり出直そうかと踵を返した所で「元凶」こと教え子の姿を見つける]
リディ!
[名を呼びながら大股に近づいた]
[エルザの服を離し、薬師と絵師を見守っていた。
ミリィの様子からも、やっぱりこれは大事なんだ
と知れて、胸のあたりをつかむ]
どろぼうさんのきもち…わからないのだ。
でも、でも、もし、その、どろうぼうが絵筆を使う事があれば、
…その時は…あたし…
[何か言いかけて、
じはくざい、ときょとんと。そして単純に呟いた]
ほぇ、なんだかよくわかんないけど。
薬師さまって、
どろぼうを見つけ出すことまでできるのだ?
[ミリィをみている司書にはまだ気付かず]
「あら、そんなにすすんでたの?」
え? ちがうの?
だって二人ともいるしね!
良いラブロマンスじゃん!
「そう、そんなにすすんでたのね。お子さん大丈夫なのかしら?」
え、えええ!?
ミリィせんせー子供いるの!!?
[曲解の会話は続きそうだが、本題に戻るのが先。]
誰が、結婚式だ、誰が!
いいか、俺と薬師殿は結婚などしない。絶 対 に、だ!
[周りに聞かせるためというのがあるにしても、その断言はある意味ひどい]
えー!?
あ、じゃあ準
[しかし否定の言葉がものすごく早く、少女はぜんぶ言えずに口をとがらす。]
オトせんせー、うそつかなくてもいいのに!
あ、でもそれなら……
いやいやなんでもないですよ!
そっか、照れてるんですね!
ごめんなさい!
[リディの言葉に、額を押さえ。再び口を開く]
照れてなどいない。現在もこの先も、俺が妻を迎えることはあり得ない。
相手が誰であろうとだ。
そんな相手と噂を立てられて、薬師殿が迷惑するということが分からないか?
[厳しい目で少女を睨む]
まあ、全員分ともなれば膨大な量となる。
そもそもあれは一種の毒薬に近く副作用が大きいとからな、
私はそのようなことに薬は使いたくはない。
[もう一度、溜息を吐いた。
ベアトリーチェの呟きを耳に留めて考える素振りを見せる]
私は魔法使いではない、泥棒探知は出来まい。
いや、しかし……
[眉根を寄せ、顎に手を当ててぶつぶつと呟きだす]
エーリッヒ=リヒト。
盗まれた絵筆に親しいものは在るか?
[盗まれたのは対のうちの一本のみだと聞くと、向き直り]
ならば、その毛を――
[ひそひそ、くすくす、
また別種のざわめきが広がっている。
けっこんしき、おこさん、などと聞こえてきたか。
[そのような言葉もどこか遠く、
ただ、エーリッヒだけを見つめ続けて]
…筆、
はやく帰ってくるといいね。
むー違うの?
だって密室にふたりきりだし、そういうことけっこうオトせんせーあったじゃん
[最近読んだ本には、人にかくれてお付き合いする人たちの話があったらしい(当然ハッピーエンド)]
オトせんせーはもてるけど、あんま女の子と仲良くしてないみたいだし
でもミリィせんせーとは仲良いし……
せんせー顔も頭も良いから、ミリィせんせーとすごくお似合
密室というのは、書庫のことか?
それなら俺は、図書館の客全員と結婚することになるぞ。
[本を選ぶ時は一人ずつしか書庫には入れない。だから必然、毎度二人きりなわけで、ぶっちゃけそれ狙いの若い女性もいたかもしれないが、気付いたとしても放置するのがこの男だった]
・・・・とにかく薬師殿には謝れ。
[ずかずかと近づいてくる薬師にちらと視線を向けてため息]
ふくさよう…。
そっか、色々むずかしいのだ、ね。
[薬師への信頼は絶対だった、
物騒な単語を耳にしても動じず信じきった表情をしている]
[考え込む彼女を見守っている
と、オトフリート>>291とミリィの怒声に]
あわわわ…
一番仲よさそうだった!
[真顔で言った。
だが続いた言葉と向かってくる人を見て、なやんでから。]
はーい
[秘め事だなんて考えた。]
お前の せいかーっ!!!
[顔を真っ赤にして手にしていた袋を投げつけた。
距離を空けていたせいで目標(=発信源)を違えたらしく、
オトフリートに渡すはずのものを、彼に向けて]
[みれば、あちらにはリディとオトフリートの姿があった]
うわ、うわ、よくわかんないけど…
この、ながれじゃぁ、
薬師さんと司書さんが好きあってたとしても、
うまくいかなくなっちゃいそう、な…
[こんな台詞を聞かれたら怒られるのかもしれないが]
[リディに視線を向けていたために、飛行物体に気付くのは遅れた]
・・・・!!
[気配に気付いた時には既に遅く、思いっきり顔面にヒット]
あ。
[投げたものが少女の教師にむかっていくのを見た。
わかってますともという、妙な笑顔を向けたから。
でも海にいたことに気づかないくらい同様してるんだなぁとミスリードは強くなった。]
[途中、人から得た情報に行き先は広場へと変更。
途中響いた叫びに緑を瞬かせつつ]
多い、ですね…
[着いた先。
それにしても多い広場の人波に、思わず呟き。
そんな中で再び響く叫び声]
[単眼鏡を外していたのは幸いだった。実質的被害は真っ赤になった鼻だけで、顔面にぶつかったあと落ちた袋を黙々と拾いあげる]
リディ・・・・これはお前に預ける。
[赤い鼻のまま、手にしていた薬師の忘れ物の写本をリディに差し出した]
薬師殿の忘れ物だ、後で持っていって、ついでに謝って来い。
[ベアトリーチェの予想は恐らく正しい。内心にロマンスの芽が僅かにあったとしても、ここ一両日の騒ぎで、その芽は完全に潰えたろう]
[駆けるうちに、広場に近付いて来る人影ひとつ。
このままだとぶつかると気付き、慌ててブレーキをかけた。
昨日の出来事と違って壁にも激突しなかったのは、
足の速さの違いだろう。
主に、運動神経と年齢の差による]
わったった!
[とはいえ、つんのめって地面に座り込むはめになった]
[妙な視線を向けながら元気に返事をするリディを、ため息まじりに見やりながら、ふと首を傾げる]
・・・・リディ?お前・・・・
[言いかけた言葉は、途中で途切れた]
あ、あー、ミルドレッドさま?!
だいじょうぶ…って、いっちゃった?
[逃げるような後姿、跳ねるみつあみ]
どうして逃げるのだ…?
[彼女を慮れば、
リディらには何となく声もかけづらく。
むぅ、と、
しばし考え込んでから。
残っている人々に会釈をし、どこかへ向かう*]
[なんて言っている間に、凄い勢いで駆けて来る影一つ。
思わず一歩後退るしかできなかったが、幸いにもぶつかりはせず]
…大丈夫、ですか?
[だが座り込む様を見て、姿勢を低くして覗き込む]
あまり無茶をするなよ。
[途切れた言葉の代わりのように、少女の頭を一つ、ぽふと撫でて、改めて広場の中央に向かって歩き出す]
絵師殿、飯は食ったか?
[幼なじみの顔を見て、最初に口にしたのは、そんな問い]
あまり大丈夫じゃない。
[主に精神的に。
つい、本音が漏れた]
……いや。なんでもない。
平気だ。
うん。
[三つ編みが感情に呼応するように垂れ下がっていた。
実際には重力に引かれているだけなのだが]
―広場―
[やってきたベアトリーチェが服を掴むと
自分より背の低い彼女の手をきゅっと上から握った。
それからいくらか来た人たちと話をして。
色恋沙汰には首を傾げたままにこにこと笑う。
ミリィの姿には、やはり少し怯えた様子を見せるが、
ミリィ自身に怯えているわけではないので
暫くすれば、すぐに落ち着く。]
[昨日の様子も見ていれば、今の叫びなどの原因も何となく想像は付いた。
思わず洩れた本音に、同情的なものが緑の内に浮かんだかも知れない]
…えっと。
立てますか?
[ともあれ、立てないようならつかまれるようにと右手を差し出した]
うう、助かる。
[差し出された手を素直にとり、よろよろと立ち上がる。
はあ、と一息ついたところで、真っ先に意識が向くのは袋だ。
ばっと紐を引いて、中身を確かめる]
……無事か。
ううむ、私も修行が足らなんだ……、すまなかった。
エルザ、君がこんな話に興味を示すとは珍しいな。
[小さなベアトリーチェと手を繋いで、子供のような笑顔を浮かべているエルザに普段よりは穏やかな声で話しかける]
/*
呪狼はどっちだろうねえ…そろそろ表に出るかどうかしないとまずいような気もするけど。まあいざとなれば絵師占いっていう手段がありますが。ミリィさんに初回溶けされるといろいろ辛いので、うまく回避していただきたいところ(笑)
[力を込めて引き上げ。
相手が立ち上がるのを見届けてから、手を離した。
袋の中身を確認する様を何気なく見つつ]
いえ。
…相当、参ってますね。
[ミリィがこれ程に取り乱すのはそう見れることでもなく。
眉を下げ、やや苦笑い]
─広場・泉近辺─
……ああ、誰も、そんな事はしない、と思ってるよ、俺も。
[事情を聞いたベアトリーチェの問いに、安心させるよにこう言って。
次いで、やって来たミリィの言葉には]
何を、と言われてもなぁ。
[ただ、こう返すしかなく。
押し付けられた薬に、ほんの一瞬複雑な表情を覗かせたものの、素直に受け取っておいた。
というか、反論する気力自体、ないも同然で]
ああ、つがいの一本、は、俺の手元にある。
って、毛……?
[その意を問おうとするより先の騒ぎの始まり。
何やってんだこいつら、と思いつつ、呆気に取られてそれを見つめた]
う。いや。なんだ。
[苦笑を見せるミハエルに、
既に失われた威厳を取り戻そうと咳払い]
……絵師殿の筆が盗まれたとあっては仕方あるまい。
そのような狼藉を働くものがこの町にいようとはね。
[まだ朱の残る頬は、そればかりではないと物語る]
―(絵筆の噂が広まる少し前)海―
っしゃぁっ
[今日は好調だ。いつもだいたい四回に一度ぐらいの確率で父より先に魚を捕らえれるが、今日がその日だったらしい。得意げな笑みを持って父に見せれば父は微笑を刻む
そして捕らえた魚を繋いでまた、海に入る。
浅瀬は透明。徐々に蒼と闇が濃くなっていく中を闇を見渡すのに長けた左目で見渡しながら深く潜る。]
……そんな風に、考えなくてもいいんだよ?
[その時は、と何か言いかけるベアトリーチェの様子に、掠めたのは、苦笑。
早く帰ってくれば、という言葉には、ああ、と頷いて]
片割れがいないと、こいつも寂しいだろうし、ね……。
[内ポケットの中の漆黒の筆を撫でる。
その後の呟きには、やっぱり同意していた。
かも知れない]
[オトフリートの言葉に、
笑顔のままの顔を向けて、首を傾ける。]
だって、えふでって、行けるんでしょう?
[言いながら、腕を真っ直ぐ上に上げて
天井―正しくは、その上を、指差した。]
…あら、えふでのおはなしじゃないかしら?
まちがったかしら?
[さしてから、色々な会話が交錯していたこともあって
違ったらどうしよう、と、少しだけ眉を下げる。]
[どんどんとエスカレートしていく勘違いに、処置ねぇなあ、と傍観していたら、問いを投げられた。
気だるげに視線を上げれば、そこには幼馴染の姿があり]
……飯。
あ、忘れてた。
[絵筆の盗難に気を取られてそれどころではなく。
長の所で出された香草茶を飲んだきりだった]
[その後もいくつか父とともに漁を行って終え。岸に上がり、いつものように魚を紐で繋ぎ。海水通路を歩く。
違う区画から出てきたリディの後姿を声をかける間もなく見送って。泳いで獲るのは結構しんどいぶん元気だなぁ。と思ったりしつつ、家に戻って]
― 海水通路→家 ―
ただいま。今日は結構調子良かったぜ母さん。
[なんて渡しつつ、真水で塩を落としてタオルで拭いたり等などをする。]
は。
しまった、そうだった。
エーリッヒに話が――
[自分で発した言葉に、広場へと再び顔を向ける。
しかし先の出来事を思い出せば直ぐに向かう勇気は出ず、
年下のミハエルの後ろに隠れるようになる辺り、
やはり威厳なんて何処にもないの*だった*]
[咳払いにも困ったように笑うだけだったが]
ああ。
先程、ギュンターさんから聞きました。
…一体、誰がそんなことを。
[話が移れば笑みは消えた。
何だかんだですっかり頭から飛んでいたらしい]
・・・・いや、絵筆の話に間違いはない。
[エルザの指差す先を見上げる目と、応じる声には隠し切れない苦い色が混じる]
行けるかどうかは知らないが、な。
[小さく呟いてから、とぼけた返事を返した絵師を半眼で見据えた]
だから馬鹿だと言うんだ。
この事態の最中に絵師殿が栄養失調で倒れたなんぞという間抜けな展開は御免だぞ。
そうだ。
兄さんは…
[ミリィの言葉に、こちらも思い出して広場を見渡し。
姿を見つけて、そちらに向かおうとして]
…えっと。
どうしたんですか?
[ふと振り返れば、何だか奇妙な動きの薬師に怪訝な顔。
問いに答えはあったか。
理由は何となく察すことができたから、再び苦笑いを浮かべるのだけど]
[『絵筆でいける』。
聞こえたその言葉に、ほんの一瞬表情を苦いものが過ぎったのには、誰か気づいたか。
全てを知るが故に、容易く真理を伝える事は禁忌とされる身故の苦々しさに]
そう言われても、飯どころじゃなかったし。
まあ、大丈夫、大丈夫。
非力でか弱いけど、しぶとさだけは自信あるから、倒れるとかはしないから。
[半眼で向けられる言葉に返すのは、理由がわからなければ冗談や虚勢とも取れる、軽い言葉]
[そして作業も終えたところで休息。
昔。まだ幼い頃はよく酸欠になったり体を拭うのを怠ったり、波や疲労なので風邪を引いたり倒れたりもしていたが、今はそんなこともなく余裕もある。成長したのだんだなぁ。となんとなく思っていればなにやら外が騒がしくて気になる。
父と母もなにやら喋っているが]
んー…なんかあったんかな。…俺ちょっとまた水汲んでくるなー
[なにやら真剣に話している様子だからそれだけ言い置いて、また桶を頭に載せてバランスをとりながら、騒ぎの大きいところ…中央広場をめざして歩き出す]
行けない、の?
[オトフリートの言葉に、
目をぱちぱちと瞬いて首を傾けると、
セルシアンブルーの髪が顔にかかる。]
行けるって、パパからきいたの。
…ばかってゆっちゃ、だめ。
[エーリッヒを睨んでいるように見える彼の
服の裾を掴もうと、手を伸ばしながら頭を横に振る。]
どこがどう大丈夫だ?
倒れなければいいというものじゃない。
[軽い言葉は、毎度の如くばっさり斬って]
ミハエルの悪い見本になってどうする。
[恐らく痛いだろうと思える所も突いておいた]
―広場―
[とりあえず人が多く話し声も聞こえるため立ち止まって聞いてみれば、オトフリートとミリィとに子供が出来た。とか。広間で先ほども…などと聞こえて]
ぁあ…昨日の続きか…またすんげーのが出てるな…
[喧騒はそういう理由か。とか。絵筆のことは想像もせずにそっちか。などと思う]
……それは、そうだけど。
[倒れなければいいという問題じゃない、という言葉。
昔、師父に向けて言ったなぁ、などと考えたのは、軽い現実逃避かも知れない]
……て、痛いところを突付くなぁ。
[悪い見本、の一言には、ただ、苦笑するしかできず]
ああ、いいのいいの。
こいつに馬鹿言われるのは、いつもの事だから。
[幼馴染に手を伸ばすエルザには、その苦笑のままこんな事を言って]
[エルザが手を伸ばしたのには気付かずに、その手が裾を引いてから、はっとしたように顔を見る]
・・・ああ、いや。悪かった。
[子供のようなその表情に、どうにも弱いようで、裾を掴んだ手を軽く叩いて宥める]
ほんと、痛いとこ突いてくれる。
俺が先に逝くのは、確実だからなぁ……。
[心の奥に零れるのは、こんな呟き]
[結婚式がどうだとか。ミリィがオトフリートに袋を投げつけていたとか。聞こえ]
なんかすげー大変そうだな…こりゃ
[違う大変な出来事にまだ行き着いていないまま、噂の内容はこれなのだろう。なんて思いつつ、桶を頭に載せたまま泉目指して歩けば]
よっ。エルザ。それに…
[幼馴染や絵師殿や元教師の姿をみて、空いてる手をエルザに振り替えしつつ近づいて]
ども。こんにちは。なんだか大変みたいですね…
[...の言ってる大変はオトフリートとミリィの噂の件である]
……ああ。
[やってきたアーベルに気づいて、軽く手を振り]
まあ、大変といえば、ほんとに大変だねぇ。
[振られた話題が勘違いの方とは思わず、どこか人事めいた口調でこう返す]
そうっすよね。ミハエルの兄さん。もうその噂だらけだし
[周囲を見渡しつつ人事めいた口調にこちらも人事のような口調。
違うらしいのに子供がどうとか結婚式がとかなるとそりゃ大変だ。とかで]
こんなことにまでなるとは…まあ仕方ないのかもしれないけど
[自宅は結構隅なほうにも関わらず昨日の段階で自分の両親まで噂は広まっていたし]
[エーリッヒにいいと言われ
オトフリートが謝るのに、笑顔を向けて
うん、と深く頷いた。]
食べてないのがばかなのなら、
食べれば良いわ?
[両手の平を合わせ、立てた手を口元へと持っていく。]
ああ、大変だな。絵師殿がば…いや、油断していたおかげで、えらい騒ぎだ。
[アーベルの勘違いにはやっぱり気付かずに、こちらも相づちをうつ]
ん。
[何だか自分の名前が聞こえた気がして、軽く首を傾げ。
広場中央に着くと、ここ数日で見かけることの多い面子が揃う]
…こんにちは。
[取り敢えずは挨拶を。
丁度来たらしいアーベルにも同じく。
勿論勘違いの内容に気付けるわけがない]
[ミハエルを間に挟んでワンクッション置き、
オトフリートは視界に入れないようにしつつ、
見上げた赤い瞳は絵師を捉える]
……エーリッヒ=リヒト。
[周囲の食い違いに気づかず、手招き]
仕方ない、で済ませちゃならないとは思うけどねぇ。
[はぁ、と零れるのはため息一つ。
勘違いにはまだ気づいてないようです]
なるほど、確かにそうだねぇ。
[エルザの無邪気な物言いに、自然と口元が綻びる。
ほんの少しだけ、気が緩む]
[絵師殿がば…はわからないが、確かに油断してたからこうなったのだろうか。]
油断…っていってもなったものは仕方ないですよ。他に元凶がいるわけで、それよりも…治まるまで待ってるしかないんですかね?
[とはいえ浮かばない。元凶と当事者がどうにかするしかないのだろうな。とかぐらいしか]
……と、お。
[やって来た弟を見やり、その向こう、隠れるようにしている薬師の姿に気づいて一つ、瞬く。
手招きする様子に、自分を示して俺? と問うように軽く首を傾げるが。
そういやさっき、何か言いかけてたな、と思い、立ち上がってそちらへと向かう。
また小言かなー、と思う反面、それも仕方ない、という達観もあったりするのだが]
よっ。ミハエル。昨日ぶり…て、ミリィ先生はなにを…ぁ、そっか。
[挨拶を返しつつ。そういえばミリィ先生はこういう話苦手だったのか。とか。
おかげでやっぱり噂は広まって大変なんだなぁ。とか余計に思ったりする]
[そうとは意識しないままワンクッションの勤めを果たしつつ。
挟まれたまま、背後のミリィとやって来る兄を交互に見た。
小言を零したいのはむしろこちらだったりしたが、ミリィの要件が先と]
はい。
…まあ、そういうことみたいです。
[代わりにアーベルの言葉を聞いて、苦笑を零した]
いや、それもそうっすけど、起きたものは仕方ないかもなぁ。とも
[言いつつ、ミリィがエーリッヒを手招きしてるのを見て言葉を止めつつ
エルザに視線を移す。とりあえず撫でてみる]
[近付いて来たところでミハエルの背後から出ると、
伸ばした手をエーリッヒの肩に置き、
自身に程よい位置に高さを合わさせる]
で。
その対とやらは、無事なんだな。
だったら、毛を寄越せ。
ここでまずければ、後でお前の家に行く。
[ひそひそ。
耳打ちするさまは、先の噂もあり傍から見れば
別の意味で怪しいかもしれなかった]
まあ…こんだけ騒ぎになっちまえば…ねぇ。
ミハエルの兄さんならなんとかなるんかな…いや、ギュンターのおっちゃんのほうがいいかな
[絵師様だったり長老であれば。とか。発言力があればなんとかなるのかな。とか。
その相談をしてるのだろうかとかミリィとエーリッヒの耳打ちを勝手に思ったりするが、遠くから、絵筆がどうだとかも聞こえて、?と首をかしげる]
[背だけは無駄に伸びている、との自覚はあるので、高さ合わせには素直に従った]
ああ、どうにか二本は持っていかれずにすんだ。
……て、毛なんか何に使うんだ?
[先ほども思ったが、絵筆の毛を要求する、というのは不可解に思えて、こちらも小声で問う]
と、いうか、さすがに毟り取るとかできるもんじゃないんで、ここで、といわれても困るっちゃ困るんだが……。
[傍目の怪しさとかは、とりあえず気にしてないというか気づいていない]
元凶か、盗んだ当事者が、とっとと名乗り出てくれれば一発解決だがな。
[やはり勘違いには気付かぬままに、ためいき。絵師が動いた事には気付いたが、呼んだ相手を見ればそのまま見送った]
[アーベルのほうに意識を向けていた故に、その話の内容は此処まで届かず]
というか、兄さんがどうにかしないといけないんですけどね。
[相変わらず会話の食い違いには以下略なまま、ちらと当事者を横目で見て、溜息]
[絵筆がどうだとかの声がひそやかに聞こえてくる。それは先ほどの騒ぎが沈着したからかもしれないが]
元凶…か
[リディの妄想とかいっていたが――盗んだ?盗み見?
いや、でも名乗り出れば解決するものなのか?]
…………えーっと…先生
[ぴっと手を上げるのは質問するときの昔の癖で]
名乗り出れば解決するものなんですか?
[返される問いは当然の事で、どういったものかと言葉を探す]
先日読んだ本に面白い記述があってね。
もしかすると、犯人を見つけられるかもしれない。
そのためには探すものと親しいものが必要なのだよ。
……まあ、魔術に近いものだから、上手く行くかは怪しいが。
[手をあげたアーベルに、視線を向ける]
もちろんだ。絵筆が戻りさえすれば問題ない。
どうやら絵師殿も、何事もなく戻れば持ち出した事をとがめようという気は無いようだしな。
[後半には苦笑が混じった]
お。やっぱそうなのか。
[考えれば己も堅苦しいから絵師様と呼ばず、結局ミハエルの兄さんと呼んでいたりするが、絵師がいえば確かにみな納得するかも。リディなんか特にだろうし。リディみたいに思ってるものも他にはいるだろうし]
んーむ。ミハエルの兄さんはやっぱ凄いんだな
[腕を組み…そうになったが桶を頭に乗せてるためできずに、ミハエルの言葉にただ重々しい雰囲気で頷く]
そうかー………ぇ?
[思わず癖のようにオトフリートの言葉に頷きそうになって。
言葉の内容が脳に入って思わず沈黙する]
…………
[そして思わず周囲をきょろきょろ。絵筆がどうとか聞こえるが]
せ、先生。もう一つ質問です
[ぴっとまた手を上げる。そして少しいいにくそうに]
………絵筆って…なんの話ですか?
……犯人を、見つけられる、かも知れない?
[告げられた言葉はかなり意外で、瞬きひとつ]
……まぁ、あんたはこんなタイミングで人かつぐような真似はしないから、嘘じゃないだろね。
心配なのは、本の記述の真偽だけど……見つけられるなら、なんでもやった方がいいんかなぁ……。
[アーベルに撫でられれば目を細めて嬉しそうに。
あわせた両手をもぞもぞとこねくりながら、
オトフリートとアーベルの話を聞いて
首を、傾けた。]
ね、もどらないと、どうなるの?
[ふとした、疑問を口に出す。]
ええ。
兄さんの不注意も原因の一端ですし。
[盗み出す者がいるとは己も予想はしていなかったものの。
それ以上に、釘刺しが効いていなかったことも入り交じって、つい愚痴めいた言葉になる。
が]
…え。凄い?
[アーベルから出た言葉に、初めて緑色が瞬く。
褒められる要素などあっただろうかと]
いや、戻らないとって
[エルザのふとした疑問もそもそもわからない...はオトフリートとかミハエルとかエーリッヒとか見つつ]
ぇ?原因の一端って。
[ミハエルの言葉に、リディとオトフリートはいっていたよな。とか頭がぐるぐるしつつ、オトフリートの声を聞いて少し困惑が収まってから]
話って。大変なことで。…オトフリート先生とミリィ先生の噂が広まって大変なんかなぁーと
[あ、忘れろっていってたんだった。とかいった後に思い出して汗がつつー]
[エルザの問いには、しばし沈黙。図書館の書物の知識と、絵師との付き合いの長さから「どうなるのか」の答えの終着点は見えてはいたが]
とりあえず、絵師殿が困るだろうな。
それに長も困っている。
[ひどく迂遠な告げ方をしたのは、彼女に理解できるようにとの配慮か別の意図があったのか]
うわさ?
[アーベルが汗をかいていることも知らず
判らない事だったので、口元に笑みを浮かべたまま
首を傾け、アーベルに問う。
ほかのひとの様子は、みていない。]
当たり前だ。
[憤慨した様子で眉を寄せる]
まあ、その辺りの心配があるし、
誰が犯人ともわからんゆえに、公に言うわけにもいかない。
こうして、お前にだけ言っているわけだが。
[そんな話をしていると、なにやら周囲がきょとりとしていることに気付く]
? なにか、あったのか?
[エーリッヒから身を離して、周囲を見回した]
[アーベルの言葉に、ぴき、と額に青筋が浮かびかけたとか]
・・・・・・お前は・・・・・・・いや、いい。
[なんとか堪えて、本日何度目かのため息]
今、話していたのは、絵師殿の絵筆が盗まれたという話だ。
[アーベルの返答を聞いて。
暫し、沈黙が落ちた]
…。
もしかして、知りませんでした?
[ややあって、小さく尋ねる。
主にオトフリートの反応とか気にしながら]
薬師 ミリィは、蒼月の『絵師』 エーリッヒ を能力(占う)の対象に選びました。
ん、確かに大声で触れ回れる事じゃないしな。
んじゃあ後で……。
[渡すから、と。
言うより先に、周囲の空気が変わったのがはっきりとわかり]
……って、一体何の話してたんだ、そこの君らは……。
[屈めていた身体を戻しつつ、呆れたような声をあげ]
こまる。
こまるのは、こまるわね。
こまるのは、いや、ね。
[オトフリートの言葉は判り易かったので、
呟いて手を片頬へと持って行き、
思案する形に。]
ああ、噂…なんだけど…なんか俺だけ誤解してたっぽいような
[エルザがきょとんとしている。エルザは知る限り騙すようなタイプではなくて
気まずさに和みを求めてエルザの頭をまた撫でて]
ぁは…やっぱ違ってましたか…って…ぇ……えーーーー!?
[オトフリートの額に青筋が浮かびかけてたのにも気づかず驚く]
絵師が持つ絵筆って。なんかとても重要なものでしたよね。確かだけど
[とはいて具体的にわからず驚いていたけど]
ああ、飯を食っていないようなら、
家に行くついでに料理を作ってやろうか。
[潜めていた声の音量を上げ、言い足した。
ちなみに。
調合の腕前と料理のレベルは全くの別物である]
[アーベルに撫でられて、
また嬉しそうに目を細めながらも]
うわさって、なぁに?
[興味津々といった風に
じっとアーベルを見つめた。
周りの空気なんて勿論気がつかない。]
いや、だってよ。なんか噂してんなーって思ったら。ミリィ先生が逃げたとかなんだとかばっか聞こえたし…
[気まずそうにミハエルに。ちょうど噂の上下関係が覆った直後に来たのだとか。だがそんなの...にも知る由もない。
話も終わってこちらに注視が来たミリィやエーリッヒに気づいて気まずい思いが更に加算されてる]
…えっと。
勘違いが起こってたみたい、です。
[ミリィや兄が問うのに、アーベルに目を向けつつ答え。
直後の驚きっぷりに思わず目を見張った]
いや。
重要だからこその、大事なんだが。
[アーベルが上げた素っ頓狂な声に、思わずこんな突っ込み一つ]
……はい?
[それから、薬師の申し出に一つ、瞬き]
……いやいやいや。
そこまでお手を煩わせるわけには。
ぅっ
[エルザの純粋な眼差しと問いが精神衛生上とても危ない。
隠すのもエルザに悪い。ついで両親に怒られる。でも自分が思ってたのって]
あーっと、噂だからな。あくまで噂。真実じゃないぞ
[とりあえず前置きして]
オトフリート先生とミリィ先生が、仲がいいって噂
[これなら大丈夫だよな。過度でもないし嘘じゃないよな。とか色々思ってる]
まあ、…無理はないですね。
[アーベルに苦笑を向け。
広場で交わされる会話の中にも、確かにそんな言葉が混じっていたようで。
それが原因で、初めにミリィと出くわしたのだし]
仲がよいのが、うわさになるの?
仲が良いのは素敵ね、すてきだわ。
[アーベルの答えに満足したらしく
にっこりと、満面の笑みを浮かべた。]
……私は逃げてない、逃げてないぞっ
[アーベルの言葉を耳に留め、思わず言った。
しかし、オトフリートの顔を正視出来ないのは、
理不尽な行動をしたと認識しての後ろめたさゆえ]
[エーリッヒに対しては、無駄に自信ありげな笑顔]
気にするな。
私も久々で、腕が鳴るぞ。
[むしろ、それが問題だった。
普段は母親か助手が料理を作っているわけで]
えっと、で、ですよねぇ〜
[あはは。と乾いた笑みで頷くが、なんで重要かいまいちわかってない表情
思いを繋いで絵師が絵を描いて。そして心の力を集めてみなで空へ向かう…だったっけか。とかの知識はあるが。絵筆のほうの知識はなくて]
だよな。そうだよな。ミハエル。俺のせいじゃないよな。きっと。
[色々な気まずさがあったからミハエルの言葉にとても助かった]
[交わされる会話に、頭痛がするようで、眉間に皺をよせたまま沈黙していたが]
ともかく、今重要なのは絵筆の行方だ。
[無理矢理話題を集中させようと口を開いた]
何か見聞きしたものがあれば絵師殿に知らせろ、いいな。
あ、ああ。まあそういうこと。仲が良いことは良いんだがなぁ。
[笑みを浮かべるエルザに、それに対しては同意。誤解だったらしいけど]
いや、俺が言ったんじゃなくて聞いた話ですよ。
[と、ミリィに。それがなかったら誤解することもきっとなかったのにとかぶつぶつ]
……いや、ほんと、真面目に大丈夫なんでっ。
[無駄に自信有りげな笑顔がなんだか怖いのだが。
普段の不摂生からすれば、説得力は皆無なのは明白]
って、あのねぇ。
……まぁ、仕方ないが。
[大げさなため息は、自身の運命にか、それとも、アーベルの表情を見たためか。
ともあれ、『絵筆』に関しての詳細は、滅多に外には出さない以上、わからないのも無理はないのだが]
タイミングもありましたしね。
[アーベルにはやはり苦笑を向けて]
…で。
盗まれるまでの間、一体何をしてらしたのですか。
兄さん。
[ぐるり。
傍観体制の兄に向けるのは、ちょっと種の違う笑顔。
と、普段彼に対してだけは使わない筈の敬語]
[オトフリートの言葉に、アーベルから視線を移して
こくり、頷く。]
はぁい。
お仕事場でも、みんなに言った方が良いのね?
[それから、エーリッヒに向うミハエルを
目を丸くして、見た。]
……ああ、そだね。
じじ様に知らせるとうるさそうだし、俺にこそっと教えてくれると助かるなぁ。
[幼馴染の言葉に乗るように、皆に告げる]
何事もなく、戻ってきてくれれば、俺はそれでいいから……うん。
[長はそれですむかというかも知れないが。
絵筆の『力』が無闇に使われるのでなければ、実質、実害は全くない。
それ故に、強く咎めるつもりはなかった]
/*
10>9>7>5>3>1
占霊守聖共呪智信村
……うーむ。
怪しいのはエルザ・オトフリート・ミハエル。
そして、村人は一人だけ……か。
エーリッヒ占いで、良いよなぁ。
聖痕者もいるのだから。
え……なに、って?
[唐突に、弟から投げかけられた問いに、きょとり、瞬く。
口調が丁寧なのが、妙に怖いのは、多分、気のせいじゃない]
ああ、ええと。
採取に、行ってた。
なにごとも、なく。
…うぅん、だいじょうぶ。
ちゃんと、手伝うから。
長のこころがあれば、きっとつよくて。
[表には出さず
くすくすと笑みは、心の中でこぼれる。]
わすれもの?
わかりましたー!
[にへらと笑って、受け取った本を見る。
ついぺらぺらと捲ってしまうのは、学生なので仕方ない。]
はへ?
[いきなり呼ばれて、少女は彼を見上げる。
言いかけてやめられて、きょとんとしたまま、撫でられた。]
おてつだい、だもんね。
[本を読みながら、少女はそんな風に伝える。
思うと伝えるがおんなじで、ちょっと不思議な感じだった。]
はーい。
[気まずいのとか色々合って、オトフリートの意図に気づいたので返事したが]
ぁー。でも絵筆が盗まれたってことらしいですけど
[ため息をつくエーリッヒを見てやっぱり重要なのだろうとか思うが、重要さがいまいち実感もわかないとかで]
絵筆なんて他にもあるし、なんか他と違う特徴とか…ぁ、それに変わりのじゃ駄目なんすか?
「リディ、ちょっと、聞いたの?」
んー、なにを?
今本読んでるのー
「自分のじゃないでしょ、さっき言われてたやつでしょ。
で、絵筆が盗まれたんだって。」
絵筆?
絵筆なんてそこらにあるんじゃないの?
「違くて! 絵師様の!」
[そんなわけで情報収集はちょっと遅かった。]
僕の記憶が正しければ。
あの時、「逃げるな」と。
言った筈なんですが。
[妙に区切りつつ、変わらず笑顔で。
言外に「逃げたんだ?」と問いつつ]
採取に行って、肝心の絵筆盗まれてちゃ、元も子もないじゃないですか。
もし、長様をちゃんとできたら、
他の人のも集めないと。
そういえば、絵、描かないとなんだよね。
一緒にかく?
ひとりでかく?
隠れて描かないとばれちゃうよね。
代わりというか、つがいの一本は、俺の手元に残ってる。
[アーベルの問いに、視線をそちらへ向けながら答える。
弟の視線から逃げてるなんて、そんなことはない。きっとない]
でも、一本だけじゃ、だめなんだよ。
二本はつがいの一対、揃っていないとならないんだ。
だよな…そうだよな。不可抗力だよな
[気まずい思いをしたりとか全部それのせいだーとか内心八つ当たりしつつも、やっぱりそういう噂はあまり関わらないほうがいいな。と昨日からの連なりで思った。…とはいえ今思うことは後々忘れることなど多々ありつつも、ミハエルのいつもとは違う雰囲気にきょとん]
そう、おてつだい。
[言ってから、ぱち、と目を一度瞬いた。]
あら?あらあら?
近くに居なくても声が聞こえるのね。
素敵ね、すてきだわ。
[耳じゃなく頭に響く声が面白かったから、
ぎゅ、と、鞄を手で握り締めた。]
えふで、のおかげなのかしらね?
ね、あなた、ひみつのはんぶん、よね?
[区切りながらの問いかけに、視線はどこかを彷徨ったまま]
ああ、まあ、そうだけど。
絵の具が尽きてたからなあ。
どうしても、青色はすぐになくなっちまうし、気がついた時に補充しとかないとならないから。
[この辺り、嘘は言っていない。
空への願い、祈りを込める絵であるが故に。
背景には、空の青を使う事が多かった]
……というか、普通、盗まれるとか思わんって。
正直、そんな事を考えるやつがいた事自体、驚きなんだから。
そうね、かくれてかかないと、だわ。
見付かったら大変、だもの。
[聞こえる声に頷く。
幸い、誰かと話しているわけではないので
不審な動きは気がつかれなかった。]
いっしょに、かくかしら?
そろそろ「よる」だし、あなたが眠いならひとりでもだいじょうぶ。
まだ眠らないなら、いっしょに描きたいわ?
[絵をかくのは、ひとと一緒がたのしいから。
只それだけの理由だけれど。]
大変なことだねって言おうとしたんだけどさ。
[なんだかぼーっとしながら、思わず言葉がこぼれていた。]
ミリィせんせー、本当は絵師様狙い?
[まわりの人にちょっとずつ広がってゆくのは、仕方ない。
そのうち背びれ尾ひれがつきまくることは想像に難くないが、少女には知る由もないのだった。]
さっき、おぼれかけたときに、聞こえてたよ。
ふしぎだよね。
[それから、こくりと頷いた。
でも行動にあわせてはいないのだから、まだ良かった。]
うーんと、一緒に描く。
ねむくないよ、多分。
だいじょーぶ。
そんなもんなんですか
[視線から逃げてるとか思わず、もう一本ないと。というのに、絵師がいうからそうなのだろう。と思いつつ兄弟の会話の邪魔のならないように少し黙ってる]
/*
まだ先だけど
リディ的にはユリアン残したいかんじ?
エルザてきには…だれかなぁ。
もうちょっと様子見しないとわからないなぁ。
[「遠慮」するエーリッヒには、大丈夫だとかなんだとか、
やはり真意を理解していない答えを返して、
弟に詰問を受けるさまを他人事として眺めていた。
途中、アーベルの言い訳(事実)に鋭い目を向けたりしながら]
……ああ、そうだ。
[ぽつと呟き、エーリッヒの背後に回ると手を伸ばす。
爪先立ちになったのは、仕方がない]
―広場―
[エルザに手を握られればほっとして。
彼女の指さす先を、ぼんやり見上げたりした]
[現れたアーベルにはお辞儀して。
頭上で交わされる会話は聞き流し気味にしながら、
袋のアトリに密かに話しかけていた]
色恋沙汰っておかしいね。
普段は堂々としてる薬師さまがとりみだしたり、あっというまに噂が広がったり、ふしぎ。
みんないつもとは変わっちゃうみたい…。
どうして目を逸らすんですか。
[そこはしっかり突っ込み]
はい、それは分かります。
で。
それを理由に、逃げたんですね?
[青の理由は知っているから、そこは肯定した上で。
今度ははっきり言った]
…まあ。
それは、僕も驚いたんだけど。
[最後の言葉に、漸く笑みは消えて。
普段のように呟いた]
へ、 ショック受け……
てるのかな?
[わからないで、友人に尋ねた。
少女はそれから彼女らと別れ、ミリィのところへ向かう。
丁度料理の申し出が聞こえて、]
ミリィせんせー、本命絵師様なのかぁ。
そっか、そりゃオトせんせーがミリィせんせーに悪いっていうよね。
[声に出ちゃったのは、多分ちょっとした問題だったのだろう。]
でも仲良しなのになぁ、オトせんせーとミリィせんせー。
あ、ミリィせんせー、本預かってまーす!
じゃあ、いっしょに。
何処で描く?
うちにくるかしら?ひとりだから。
だれにも、みられないわ。
[ふふ、と、どうしても笑みがこぼれる。
それでも何時も笑んでいる彼女だから、
大して変わらないのだけれど。]
[オトフリートの言葉には神妙に頷くと、
絵筆の話へ耳を傾ける]
[絵師の筆とはどのようなものかと、
興味津津といった表情になっていた、が]
なんだかその笑顔が怖いのだ…。
[ミハエルを見上げたとたん、
つい、そんな一言も漏れて]
いや、なんとなく。
[視線はやっぱり、彷徨ったまま]
……そこではっきり言うか、お前は……。
そういう所は、あれか。母さん譲りか。
[普段は穏やか、しかし、言うべき時には誰に対してもびしり、と意見していた母を思い出しつつ、こんな事を言って。
いつもの口調に戻った呟きに何か返そうとした矢先、後ろ向きに引っ張られるよな感覚と、微かな痛み]
って……。
なんだよ、一体……?
[訝るように呟きつつ、振り返った先には、薬師の姿]
/*
約30分。
残420。
持つか。
否、持たせる。
(無駄な意地張り)
ところで、なんでさっき、独り言チェックはいっとったん……!
[短い髪は抜き辛く、強く引くことになったが気にしない。
一本の金糸は手早くハンカチに包み、ポケットに仕舞い込む]
うん?
実験用だよ、実験。
[にやっと笑った。
その台詞は皆に聞こえても、先の話を知らなければ、
何の、かを意味するかは、そうそう理解出来ないだろう]
/*
ところで、ギュンターの絵って更新前に絶対かかなくても良いですよね?
このまま全員広場から離れないようなら、ふたりだけ広場から去るとバレバレですから、ギュンター発見が更新後直ぐされるようであれば回想のほうが良いですよね。
兄さんの、その受け流しの上手さは父さん譲りですか。
[多分褒めてはいない。丁寧語だし。
つまりはそういう夫婦だったようだ。
ミリィの動向にやや首を傾げたところで。
何か声が聞こえた]
うん、オトせんせーから。
なんか預けられたんでーす。
[てけてけ近寄って]
ミリィせんせーは悪い女ですね!
[言いながらはいって差し出した]
[どこまで認識しているのか色々疑問な若者達の会話を聞きながら、薬師と絵師の姿を目で追って、しばし考え込む]
さて、いつまでも図書館を留守にはできんな。
俺は帰る。
[結局、それ以上は何も言わずに、踵を返した]
……オトフリートから?
[直接ではなくリディの手を介して渡されたそれは、
昨日、図書館に忘れていったもの。
眉を寄せかけたところに、予想外の言葉が聞こえて]
はあ?
[思いっきり、疑問が声に出た]
ああ、ごめんなさい。
兄さんが酷いものだから、つい。
[ベアトリーチェの声が聞こえて、困ったような笑顔。
今度は怖くなかった筈だ。多分]
実験、て、あんた。
[口ぶりからして、先ほどの事と関わりがあるのは察しがついたので、なんの、とは聞かず]
……あっはっは。
まあ、そういう引継ぎだったんだろう。
[弟に向き直り、けらりと笑う。
褒められていないのは、承知の上で]
[ミリィの声も 鋭い視線も アーベルの呟きも
きょとんとした表情で見てから、リディに視線を移した。]
…?
[にこにこと、何時もどおりの笑みを浮かべて
周りを、見た。
人々の喧騒も、各々の生活があるからか、
幾分か減っているような、気がした。]
ぬ、ぬすまれてしまったのは、
かんりがわるかったのかもしれない、けど。
いまは絵筆を見つける方がだいじ…。
[憧れの絵師様が責められてるのがいたたまれず、
事情を理解できないながらも、オロオロとミハエルを見上げて]
[ミリィの方から「実験」と聞こえて]
…?
[訝る視線をそちらへ移してみた]
[このひとは意味無い実験などはしないだろうと思っている]
絵筆ー…絵筆ー…にしても、そんなんして何になるんだか
[願いを託すのは誰しも僅かなりとも思うことだろう。
それを無駄にしてしまうようなことのようにも思いつつ]
あ、オトフリート先生。また
あ。
[わざと意識から外していたオトフリートが踵を返すさまに、
極々小さく、声が上がった。
先程の勘違いは解かれているわけではなかったが、
なんとなく罪悪感のようなものが沸いてくる]
……悪かった、なっ
[主語も何もなく、謝罪とすら取り辛い言葉は、
当人に届いたかどうか、わからなかったけれど]
だって。
本命は絵師様?
[不思議そうなミリィに対して、少女は声を小さくして言うと]
大丈夫、今度は内緒にしておきます!
つんつんしたいんですよね!
あー、んじゃ、また。
[図書館に戻る幼馴染の背に声をかけ。
弟へと訴えるベアトリーチェの言葉に、ふ、と表情を緩める]
ああ、いいんだ、実際俺の不注意だったんだし。
気、使ってくれて、ありがとなぁ?
[にこりと笑いつつ、ひょい、と手を伸ばして少女の頭を撫でた]
あ、あやややや、こちらこそ、
失礼で、ごめんなさい。
んと、わかってます、えと、何がっていうと…
[赤面して」
[ミハエルに対して言葉を紡ぐのに苦労しつつ]
たぶん…。絵師様とミハエルさんは仲良しだから、
そういうお顔もできるんだってこと…。
[そして聞こえたリディの台詞に、きょとんとした顔]
ん。そだよな。なったものも仕方ないもんなぁ
[色々思い悩んだが、ベアトリーチェの声が聞こえて思い直し、さっき勘違いのとき派生した言葉を口にする]
こんだけ噂してたら盗ったやつにも聞こえてるだろうし、素直に返してくれるなら返してくれるんだろ
[でも盗んだのを返すというのは少し浮かびづらいのだが、絵筆の持つ危険性まで知らないためオトフリートの疑問どおり気楽かもしれず]
[ため息をつく弟には、やっぱりけらり、と笑うものの]
ま、なんだ。
悪いな、色々と。
[小さな声で、ぽつり、こんな言葉を投げる。
色々に含まれるのは、心配をかけている事やらなにやら。
多分、思い当たる節はありすぎるだろうが]
あ、はい。
また。
[オトフリートには軽く頭を下げ]
ええ。
そうなんですけどね。
[ベアトリーチェの言葉、特に「管理が悪かった」云々には深く頷いた。
兄の顔が引きつったなんて知ったことではない。
仲が良い、には少し首を傾げて]
他の人にはできませんね、確かに。
[一応そんな自覚はあるらしい]
だ れが、
こんな青臭い馬鹿に、懸想するかっ!!
第一、絵師など私は嫌いだっ
[思いっきりエーリッヒを指差した]
……そうか。
さては、噂の発生源はお前か、リディ=ドーレス。
あ、でも、ミリィせんせーを応援します!
絵師様は……ええと倍率高いし、
じつはオトせんせーも倍率高いと思うけど。
[最初以外は声を落とした。]
頑張ってください。
それにしのぶ恋なんですよね。
二人っきりの時、邪魔しないようにみんなに言っておきます!
また、ごきげんよぅ!
[オトフリートの背に言葉をかけ、周りの様子を、きょろりと見て。
首を傾けて、また、リディへと視線を戻す。]
ふふふ。
なんだか楽しそう、ね。
[言って、周りを見渡せば
人々も自分の生活がある為か、幾分か広場から
減っているように思えた。]
絵師様はかっこいいですよ!
それに、ぶつかったときも心配してくれたし!
[あんだけ大きな音をたててたんだから仕方ない]
絵師様ってすごい職業ですよ!
すっごい有望株!
それに綺麗だし!
[本人そこにいます]
って、噂は私が発信源じゃない!
それはぜったい!
だって、ミリィせんせーが妊娠してるとか、三十過ぎて焦ってるとか、そんなこと私一言も言ってないですから!
……はぁ?
[リディのひそひそ声は聞き取れていなかったから。
唐突に指差されて、一瞬思考停止]
あー、えーと。
[反応に困った。思いっきり困った]
……まあ、『絵師』と薬師って、ある意味正反対の極みだしなぁ……。
[思わず口をついたのは、こんな呟き。
『絵師』は死に近しく、薬師は生を繋ぐ。
自身が薬師を苦手視している理由の一端には、それも関わっていた]
…ん。
まあ。
分かる、けど。
[視線は外しつつ。
こういう風に軽口は叩けど、兄は『絵師』。
その立場故の苦労もあるだろうことは分かっていたから、謝られてしまえばそれ以上は言えなかった]
懸想?
[と、ミリィの大声にきょとり。
指差された先は兄]
…ええと。
また、何か?
[そっち方面の話はさっぱり飲み込めていなかった]
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