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そして、物語は動き出す。
目覚めたものが何処へ向かうか、それは一人一人の思うがままに。
どうやらこの中には、村人が5名、占い師が1名、霊能者が1名、守護者が1名、聖痕者が2名、狂信者が1名、智狼が2名いるようだ。
おお、どうやら全員、揃ったようじゃな。 皆に大事な話がある。
先日から噂になっておるので、皆も聞いておるやも知れんが……この地に『人狼』と呼ばれる脅威が潜んでいるらしい。
噂の真偽の程は定かではない。 何事もないとは思うが、皆、念のため気をつけてな。
自衛団長 ギュンターが「時間を進める」を選択しました。
あーうん。
飯に混ぜるのは考えておくか…。
香りや味抑えめなのあったかな。
[マテウスの提案に少し考えて]
[後で薬箱を漁ってみることにした]
[部屋を出るマテウスのヨハナに向けた理由には顔を逸らして笑いを堪えたとか]
/*
おや、弾かれた。当たった人頑張ってー。
さてそれじゃ個人的理由だけで動きましょう。
居場所を見失ったまま、ただ翻弄されるよに。
中
お、取れた。
被り無かったのかなこれ。
弾いたらごめんなさ。
さてこれで木箱が使える(いや弾かれても使う予定ではいたけど
あ、部屋確保してないや。
[ヨハナの寝室にとの言葉ですっかり忘れて居たことを思い出した]
[直ぐに戻れるだろうと言うのもあったためであるが]
うん、眠くなったらそうするわー。
[快く引き受けてくれたヨハナに、にぱと笑みを向けて頷いた]
[ライヒアルトに遅れて広間につくとあわただしい様子に]
なんだ?なにかあったか?
[先ほど見てなかった姿も見えて、
その中のひとつ自衛団長の姿、話を聞くと]
人狼ねぇ……。
[呟くような声]
……あらあら。
[さすがに、マテウスの最後の言葉には苦笑を覚えた]
悪ガキも言うようになったもの―――っ!
[不意に、老婆の腹部に痛みが走った。
それはまるで、あの時を思い出すかのように]
これ……は。
[子供を作れなくなった原因。
悲しき思い出]
―――伝説の……再……来……。
― 集会所二階・個室 ―
[突っ伏していた机から身を起こす]
……い、っけない。
[いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
階下の騒動にすら目を覚まさなかったのだから、疲労はどれ程か。
額に手を当てて頭を振り、立ち上がる]
…すまない。
[アーベルにややしゅんとしたまま、入れなおしを頼もうとした所で扉が開いた。
出てきたギュンターやらを見て、はぁと本日何度目かの溜息をつく。]
ようやく来たか、爺様ら。
[そしてギュンターらの近くへと進み出、まずは聞いた。]
─広間─
……来られたか。
で?
[開く扉。
入ってきたものに向ける翠は、険しさを帯びて。
なされた簡潔な説明。
『人狼』と呼ばれる存在への警告に続いたのは]
……隔離?
[事の真偽が明確になるまで、ここに集まった十二人を拘束する、という言葉]
……やはり、か。
[掠れた呟きは、近くにいた者であれば、容易に聞き取れる程度のもの]
[大丈夫、というベアトリーチェに向けた笑顔とは正逆の視線。
扉が開いてやってきたのは、難しい顔をしたままの自衛団長]
ああ、やっと来ましたね、と。
[アーベルの言葉に軽口を叩き]
何考えてるんですか、本当に。
まさか……。
[御伽噺を真に受けて、と。
冗談めかして続けるつもりが冗談では済まなくなって沈黙する]
…婆ちゃん?
[ヨハナの異変にそちらを覗き込むようにして]
どうしたんだ?
何か具合でも悪いのか?
[訊ねながら耳に入るヨハナの呟き]
[それを聞いても首を傾げるばかり]
伝説の再来、って。
??
[自警団長さんが現れて、「人狼に気をつけろ」といった。]
[わたし達を集めたのは、なぜ?]
わたし達が、人狼容疑者ってこと…?
キリキリと、子宮が痛む。
それは、闇の眷属を産み落とす為の、実験台の一人として選ばれた過去の記憶。
その実験はうまくいくはずだった。
だが、それはどのような神や悪魔の気まぐれか。
彼女が、産み落とそうというその日。
全ては壊れて消えていった。
それは、闇を内に宿した為なのか。
直前で消えてしまったものを追い求めているせいか。
理由は分からない。
ただ、彼女は、それより人狼が分かるようになった。
人狼を補佐するものとして―――。
一つ、問うが、団長殿。
……『事の真偽』を明らかにする術は、そちらにあるのか?
[ゆっくりと歩み寄り、問う。
静かな問い。
その様は、捨てた名の少年のそれとも似るか]
それがないのであれば、『伝説』に踊らされているに過ぎぬ、ととられても、致し方ないと思えるが。
ぅおお!?
エーファ寝たんじゃなかったのか。
[急に瞳を開いた少女に少し驚く]
[けれど今度は掠れた小さな声が耳に届いた]
始まった、って。
何が始まったってんだ?
…成る程。爺様らはあれが人狼の仕業だとみているわけか。
[説明と今後行われる事。
それらを眉を潜めじっと聞いた後、そうぽつりと呟いた。]
本気でそう思っているなら………いや、いい。
分かった。つまり暫くここに居て、何事も起こらなければ問題ないわけだな。
[苦虫を潰したような顔を向けた後で、苛立たしげに近くのソファーに荒っぽく腰掛けた。]
っ、……………?
[ぱち、と瞬く。
小さく咳き込み、胸元に手を当てた。
服の下には十字架。しかし、それよりも下に]
ここのところ、なんともなかったのに。
[身体が弱かったのは、赤子の頃の事。
答えは見つけられず、一つ息を吐いて、部屋を出る]
/*
やべぇ、現状賑やかし馬鹿にしかならねぇ(爆
早々に退場した方が良いかしらん。
どうすっか、どうしよか。
ウェンデルとベアトリーチェの役職がどの辺になるのかが肝?
どうせなら護って死にたい。
[エーリッヒの紡ぐ人の名前。
はた、と瞬いたのは従兄弟の名がそこにあったためか]
12人。
[人数を復唱し、ソファへと腰掛けた。
容疑者だと言うナターリエには、首を横に振って。
そうして入って来た自衛団長を見つめ。
沈黙のまま話しを聞く]
[痛む腹を押さえ、ゼルギウスへと笑みを向ける]
……大丈夫です、よ。
ただの持病の一つです。
[伝説についてはあえて言葉には出さない。
誰が、何の役割を持っているのか、分からない以上、迂闊にこれ以上の言葉は口には出せないから]
[村で人が死んだ。]
[獣の爪や牙にとしか思えないような凶器で、殺されたと…]
…!
[わたしの体が小さく震えている。]
持病って。
痛み止め出そうか?
[少し慌てるようにして薬箱に手を伸ばす]
[もう一つ口に出した疑問には返答は無く]
[何の事だったのだろうと思いつつも、今はヨハナの体調が気がかりで]
[それは頭の隅へと追いやられた]
ああ、大じい…自衛団員達はそう考えているようだね。
[ベアトリーチェの問いに、声のトーンを戻す。
それでも苦々しさを隠し切るのは難しいか]
ライ…?
[いつもと様子の違う同居人。
思わず名を小さく呼ぶも、邪魔をすることはなく]
やな予感はしていたんだよな…。
何で戻ってきちまったのか。
15年間戻らないでいたのにな……。
[一人呟き、それは誰かに聞こえたかもしれない。]
[問いへの答え。
調べる術もなくはない、との言葉。
それをはっきりさせるべく、『伝承』や『教会の口伝』を確かめている最中なのだと]
……『教会の口伝』。
[呟きに、微かに混じるのは苛立ちの響き]
しかし、いきなり拘束する、などと言われても、それぞれに都合はあるだろうに。
村との行き来、完全に閉ざす、という訳ではあるまい?
[口調は静かだが、声は鋭く。
しかし、団長もそれを真っ向から受け止める。
集会場を離れる事は禁止するが、どうしても急を要する場合は、使いを出させる、と。
そして、拘束期間の間は自身もここで寝泊りする事を宣言した]
[慌てた様子のゼルギウスに、笑みを絶やさぬまま]
……ふふ。
少し立てば収まりますから、大丈夫ですよ。
何十年も付き合ってきた持病です。
酸いも甘いも知り尽くしていますから。
ベアトリーチェ。
大丈夫だ、落ち着いて。
[震え始めた少女の肩に手を置く。
逆に怯えさせてしまうかもしれない。だが放っておくこともできず]
/中/
そろそろ、中記号つけよう。
さて、いつマテウスやベアトリーチェに接触しようか。
まあ、この時点で役職っぽいのは分かるだろうから、襲撃、吊り等にはならなそうだから、少しはゆっくりしていいだろうけど。
成り行きにまかせるかねえ。
……どうあっても、自説は曲げない、という事か。
それが、あんたの願う「村を守る」に繋がるならばいいが。
[口にした言葉は、記憶の片隅が否定する。
けれど、それを表に出す事はなく]
……まったく。
当たらんでいい予感ほど、よく当たる。
[もう一つ、大きく息を吐き出して呟く様は。
この五年間と変わらぬ、飄々とした詩人のそれ]
[肩に置かれた手。わたしはびくり、と身をすくませてしまう。]
あ、…大丈夫です、ちょっと、びっくりしただけ…。
ありがとうございます、えーと、
[この人の名前を知らない]
…。
とにかく、ありがとう。
中/よろしくー
じゃあ、こっちはあまり表にですぎないほうがいいかな?
さっそく相談事ひとつ 第一犠牲者の扱いかな。
どっちかがやったことにするか。
でも…。
[再度大丈夫と言われ]
[薬箱に伸びた手が身体の方へと戻される]
[ヨハナのあの笑みで制されると、何故か逆らう気持ちが削がれるのだった]
……分かった。
でもどうしても辛くなったら言ってくれよ。
薬、用意するから。
[それしか自分には出来ないから]
[苦しむ者を放ってはおけない]
[そう思う理由は]
[今は思い出せぬ白い靄の奥にあった]
…エーファ?
大丈夫か?
[ふと寝台に横になるエーファに視線を向けると、何やらぼんやりとしているようで]
[虚空を見つめる視線の前で手を振ってみた]
そっちも狼ですか?
団長はですね。特にこっちは希望は無いです。
そちらがやりにくいというなら、わたしがやります。
ただ、わたしが殺すときは、狼の牙とか爪とかは使わずに子供でもできるやり方で殺したいなーと思ってます。
―広間―
ギュン爺様も、か。
[それを聞くと、何か考えるように口元に手を当てたものの。]
…頭の痛い話だ。
…ああ、紅茶、入れ直してくる。
今度は割らないよう気をつけるから。
[動いていた方が気が楽だと呟きながら、鞄を持ったまま広間を後にした。]
―→厨房―
教会の口伝?
[少女を宥めようとしながら、同居人と大伯父の会話を聞く。
ライヒアルトが教会を避けているのはよく知っている。だがその姿は教会関係者そのものといえるものであることも]
ああ、俺はエーリッヒ。エーリッヒ=マイヤー。
どういたしまして、お気になさらず、と。
[身を竦ませる様子に、一度手を放して。
どうにか笑顔を作ると視線を合わせて名乗り、そっとベアトリーチェの頭を撫でた]
こんなこと言われたら。
まあ誰だって驚くものだからね。
[この子とて容疑者の中に含まれている。だが色々とまだこの状況を「信じたくない」気持ちが先に立っていた]
[かつての記憶は封じられ]
[薬師となった理由もその彼方]
[全ては病弱だった弟を助けるため]
[不治の病とされた弟を助けるため]
[けれどそれは為されることは無かった]
[ゼルギウスの力不足とは別のことが原因で]
[彼が家を離れている間に惨劇は起こった]
[家に帰ると部屋は紅く染まり]
[物言わぬ骸が三つ転がっていた]
[一つは父] [一つは母]
[そしてもう一つは]
───っ!!
[そして彼は記憶を封じた]
[その事実を受け止めることが出来ないために]
[それは10年前の出来事]
[希望に充ち溢れた、弟のために薬師を学び終えた直後の話]
ええ。
その際は、遠慮なく。
[痛みはまだ治まらないが、それでも苦痛は表に出さずに、老婆は優しい笑みを保ち続ける]
……それよりも、下が騒がしいようですから、見てきたらいかがですか?
貴方が、憤っていた説明がなされているかもしれませんよ。
ああ。
エーファちゃんは私が見ておりますので、安心してください。
何かあったら、またお呼びしますので。
[エーファに視線を向けると困ったように眉根を寄せて]
……どうも、今はまだ、話しかけても答えが返ってこないような気がしますからね。
こういうときに、隣で待つのが、私の役割ですから、心配なさらないでください。
[問いかけてもエーファには自分の声が聞こえて居ないようで]
[起き上がる様子をただ見やり]
[呟く言葉をただ耳にする]
おい、エーファ?
[再度の呼びかけは果たして少女に届いたか]
中/今回は赤は狼だけな。
ああ団長もそうだが、最初に発見されたっていう死体。
二人のどっちかが殺したことにするかどうかってことで。
団長含めて、とりあえず殺せないって相手はいまのところなさそう。
[わたしの頭を撫でる手。この男の人、顔は優しそうだけど、手はごつごつしてる。職人さんだろうか?]
[わたしのより大きくて、力強い掌が、優しくわたしを撫でる。安心させてくれる手。]
わたしは、ベアトリーチェ・エアハルトと言います…。
あの、わたし達…どうなるんでしょう?
勝手な話だな。
[肩をすくめて]
いるともいないともわからないものに振り回されるこっちの身にもなってほしいもんだ。
[不平をもらすと団長ににらまれた。
あまり快く思われてない雰囲気がはっきりと感じられて肩をすくめる]
おお、こわいこわい。
衣食住とかはしっかり保障してくれるのか?
こっちは病人も無理やりつれてこられてるみたいだからな。
[ことさら病人という言葉に力が入っていたであろうか、
肯定の返答を返されると]
そうか。
まぁ、当然っていえば当然のことだけどな。
え?
ああ、うん……。
[ヨハナに言われ、階下に意識を向けるも気になるのはエーファとヨハナのこと]
[具合が悪いとされる者達の方が気にかかると言うのは]
[医療に携わるが故のことなのだろう]
……それじゃあ、ちょっと行って来る。
エーファのこと頼んます。
[ヨハナにそう告げると薬箱を肩にかけ]
[部屋を出て階下へと足を向けた]
ああ、狂信者って、囁けなくて、こっちが誰か分かるだけなんだ。
エーファっぽいなぁ。
えーとでは最初の1人はそっちって事で良いですか?
人狼風に殺すのはキャラじゃないのです。
んっ?
[ナターリエを追いかけていった人物にひっかかりを感じ、
視線を向けるがすでに厨房に向かい部屋の外へいっていて]
まぁ、すぐに戻ってくるだろう。
[呟き、まだ会話をしていなかったアーベルのほうへいき]
はじめましてのようだな。
まだ挨拶してなかったからな、これからしばらく一緒になるようだしな。
[と団長にちらりと向ける視線はあまり快く思っていない様子が見て取れるもので、すぐに笑顔で]
俺はマテウス=ボルマン、
あんたはなんていうんだ?
[これ以上、団長と話していても埒が開かない、と思い。
その側を離れ、椅子の一つに腰を下ろす。
いつになく暗い翠を案じたか、猫が不安げな鳴き声を上げて擦り寄ってきた]
……ああ。
大丈夫だ、ヴィンデ。
大丈夫。
[猫に語る、というよりは、何かに言い聞かせるように。
小さく、そう繰り返した]
/*
>一個前独り言
「薬師を学び終えた」はおかしいな。
「薬師の仕事を学び終えた」が正しいか。
と言うわけで過去を方向転換。
基礎は一緒だけども。
ちなみに事件の原因は単なる物取りの犯行です。
今回は人狼関わってないよ![今回は、て]
[子供は、ぼうとした顔のまま、薬師を見送り、ヨハナの顔を見た]
きっと、いるよ………
[声は、変わらず掠れているが、その顔から熱の赤みは引いている]
[返答はなく、しかし話し声は聞こえ。
少しの間を開けて、戸に手をかけ、]
わっ!?
[ちょうど、出てくるゼルギウスにぶつかりかけた。
背後に避け、たたらを踏む]
―厨房―
ああ、頼むよ。
分けて運べば被害は少ないだろうし。
[真面目に返すが、それは割る前提の台詞なのに、本人は気づいて居ない。その気は無論無いわけだが。
もう一度さっきと同じ肯定を踏みながら、ゲルダと共にポットやカップを用意し。湯が沸くまで暫く二人、暫くその場に留まった。]
…なぁ、ゲルダ。
ギュン爺様の話、どう思う?
[ぽつりと口を開き尋ねるのは先ほどの事。]
人狼…なんて、本当に居ると思うか?
しかもあの中に。
ええ。お任せください。
行ってらっしゃい。
[ゼルギウスの背に手を振り、その姿を見送ると、ヨハナはエーファへと向き直り、優しくその頭を撫でながら、小さく問いかける]
……エーファちゃん。
貴方は、だあれ?
貴方は、どこから来たの?
貴方が―――やらなきゃいけないことは一体、なあに?
[仕草も、声音も、優しく優しく。
ただ、赤子をあやすように。
ただ、いつものように優しい老婆のままで]
お願いします。
団長は了解。
でも何か思いついたら、わたしが殺して描写も自分でしますね。
人狼って気づかれるかもですが、それをいとわず表で引っ掻き回すのが目標なんで!
人狼、なんて。
…馬鹿馬鹿しい。
[声は動揺を含み]
[ポケットに手を入れ][外に出ようとすれば止められる]
[小さく舌打ちをし]
え、…ああ。
アーベル=アレント。
学校で働いてます。
[声が掛かり][顔を上げ]
[返す笑み][何処かぎこちない]
中/了解、希望とかあればある程度は勝手にいっちゃってくれ。
俺もいっそ気にせずがつがついこうかなとも思うんだがどうだろうか?
改めてよろしく、ベアトリーチェ。
[少女を撫でるのは左手。物を作り出す手は独特の感触を少女に与えただろうか]
どうなるか、はねぇ。
そこの団長がどうしたいのかにもよるだろうけど。
[容疑者をここに固めるということは。
ふと思考の端を掠めたそれを少女の前で口にするのは躊躇われ]
……どちらにしても開放してくれるまでは、ここで過ごすしかなさそう、かな。
/中/
あ。後、ウェンデルにはゴメンね。
ちょっと、此処でいいのか悩んだのと、反応できる状態じゃなかったもので。
決してガン無視していたわけでは……!
Σ
そういえばさっきから普通に会話しちゃってますがー。
われわれの接触はどんな感じでいきましょーか。
全然考えてなかったーや。
[少し急くようにして階段を降り]
[皆の居る広間へと駆け込む]
─二階→広間─
[広間に顔を出すとそこには自衛団長であるギュンターの姿があり]
[雰囲気から説明が終わったらしいことを察する]
っちゃあ〜、聞きそびれたっぽいな。
団長さん、悪いけどもう一回話してもらえるか?
俺、上で病人診てて話聞いてないんだけど。
[二度手間だろうけど、とギュンターから話を引き出す]
[けれど為された話には訝しげに首を捻るだけだった]
はぁ?
それってお伽噺の中での話だろう?
そんな実在するなんて聞いたことねぇ。
確証もねぇのに拘束とかあんまりじゃねぇの?
[そう返すも、「確証がないからだ」と逆に切り返された]
[しばし問答するも、結局相手は折れず言い負かされる形でゼルギウスが引き下がることに]
ったく、なんだってんだ。
おーけーおーけーw
楽しくいきましょー!
あんまり早く殺されて村が終わらないように、必要なら村側とも協働する感じで。
中:
某姉様よりややアホの子になってきたな。
まぁ私だし(ぁぁ
…ちうかこれ、蛞さん入ってたら速攻ばれてそうだが。役職すら。
まぁいいか。きっと大丈夫(バレても的な意味で)
[子供は老婆の口から紡ぎ出される言葉を、ぼうとした顔のまま聞いて、口を開いた]
………ぼく、は………
[胸を押さえたまま、子供は目を閉じると、そのままヨハナに寄りかかるように、ことりと眠りに落ちた。抱きしめたなら少女にしては硬い身体の感触に、気付く事が出来るだろう**]
……騒いだ所で、どうにもならんぞ。
[降りてきて、団長に食って掛かるも言い負けたゼルギウスの様子に、ぽつり、と呟く]
その手の人物は、決めたら梃子でも動かんからな。
アーベルか、よろしくな。
[ぎこちない笑みに]
まぁ、突然こんなことになればしかたがないよな。
へぇ、学校の講師を。
俺は15年前までこの村にいたんだが、アーベルのことは見た記憶がなかったんでな。
っと、引き止めて悪かったな。
[外に出る様子だったので、それ以上は聞かずに傍を離れた]
お疲れさん。
聞いても…納得いくような代物じゃないよ。
[ゼルギウスに声は掛けたが、止めるようなことはなく。
繰り返される話には少しばかり眉を寄せる]
御伽噺、だよなぁ。
[窓の外を見る。暗い中、部屋の灯りを受けて僅かに光る白銀]
ああ、頑固さが人一倍なのは保証できてしまうな。
[同居人の声に同意の溜息]
―厨房―
[陶器が立てる音。薬缶の上げる湯気。
二人のみの厨房は、広間よりもまだ静か]
二人で分けて運ぶより、あたし一人で運んだ方が被害が出なくて良いかな。
エーリッヒにも言ったけど、適材適所。
[表情は乏しいながら、親しい相手ならば冗談と分かるだろう響きで告げ。
問い掛けには、考え込む少しの間]
あの中に、犯人がいると思うかならともかく。
人狼か。
率直な意見なら…お伽話でしょうと言いたい。
ナターリエは?
[墓守でもある友人に、同じよう問い返し]
[人死にが怖かったのは、ほんとう。]
[だけど、わたしの中にはもう一つの気持ちがあった。]
[死体があった、という話を聞いたときから、お腹の奥で小さく疼くような、切ないような、そんな気持ち。]
中/逆に大体の場所がわかれば、
村も些事加減きくんじゃとか甘い考えを言ってみたり。
ささやきのつながりか。
お互いなんとなく気配を感じられて、語りかけたら話せたとか、
そんな感じでいいんじゃないかとか思ったがどうだろうか?
御伽噺……か。
そう、言い切れるなら、いいんだけどな。
[零れ落ちたのは、ごく小さな呟き]
ああ、まったく。
生真面目で頑固なのは、手におえんな。
[それから、家主の言葉に呆れ果てたように言い放つ]
ええ、1年前から。
まだ見習いですけどね。
[困ったように][眉を下げ]
よろしくお願いします。
[離れる傭兵に声を掛け]
[進路を変え]
少し、落ち着いて来ます。
[煙草の箱を手に]
[*階上へ*]
おやおやまあまあ。
[エーファが眠りにつくのを見て、思わず老婆は微笑みながらその体を抱きしめた。
そして、その体の感触に気づくと、小さく眉を寄せたが、すぐにまた笑みを浮かべて、その耳元に囁く]
……エーファちゃん。
もしも、貴方が何か大事な力を持っているのならば、それは誰にも言っちゃ駄目よ。
そう。誰にも。
もしもそれでも、それを誰かを喋るのならば、私にだけ教えてね。
貴方がもし、そのような力を持っているのならば、それは、すごく危険なことなのだからね……。
だから―――私にだけ、教えるようにしなさいな。
……お休みなさい。エーファちゃん。
[そこまで囁くと、老婆はエーファを寝台へと横たわらせた]
/*
ぬあ、どうやって補完かけたものか。
下に降りて来ちまった以上、ウェンデルには気付かなかったってのしか出て来ない。
何か申し訳ねぇ、それやるのは…。
[ウェンデルに気づかず、一目散に階下へと向かったゼルギウスを呆気に取られつつ、その背を見送る。
閉まりきらなかった戸の中を、そっと覗き込んだ]
……ヨハナさん? と、
[もう一人。見知らぬ子供がいることに気づく。
先ほど階下で見かけた少女かと思ったが、どうやら違うようで]
[再び震え始めた少女の頭を何度も撫でる。
右手は握られたまま下げられて。
色が変わるほどの力が入っている]
ったく。こんな子を怯えさせてまで…。
一度それが良いと思ったら絶対にそれを押し通す。
変わらないね。
[同居人の呆れ声に、苦々しく吐き捨てた]
ゼルギウス、エーファの様子はどうだった?
[団長に食って掛かる様子を見つけて、
いい負けて引き下がったところに尋ねて、
皆の会話を聞きながら]
あっちは聞く耳はもちそうになさそうだしな。
しかしいくら普通じゃない死体がでたからってこの扱いはひどいよな。
それとも俺らの知らないもっと別の何かでもあるんかね?
んでは、そんな感じで。
ベアトリーチェは心底からの快楽殺人者なんで、それっぽい雰囲気があれば簡単についていくんで、よろしく!
[エーファを寝台へと横たわらせると、背後から声が聞こえた]
……誰でしょうか?
[振り向き、扉の影から顔をのぞかせているウェンデルの姿を見つけると、笑みを浮かべて口を開いた]
ああ……ウェンデル坊や。
どうしたのですか?
何かご用事でも?
[ライヒアルトとエーリッヒのギュンター評に大きな溜息が漏れた]
嫌な保証だ。
で、結局俺らは容疑者としてここに拘留される、と。
人狼なんて正気か?
口伝だか何だか知らないが、眉唾物の話だろう。
仮に本当に人狼が居たとして、俺らにどうしろってんだ。
身に覚えのねぇ方にしてみりゃ良い迷惑だぜ。
[どかりとソファーに腰掛けると、そのまま身体を背凭れに預け]
[また大きな溜息を漏らした]
接触表
ライヒアルト○
ゼルギウス○
ゲルダ
ベアトリーチェ
マテウス
ナターリエ
イヴァン
ヨハナ
ウェンデル
エーリッヒ○
エーファ
アーベル
ん、ああ。
さっき少し寝たみたいなんだがまた起き出してな。
何かぼけーっとしてたなぁ。
「始まる」とかなんとか呟いてたみたいだけど、良く分らん。
こっちが騒がしくなったから上は婆ちゃんに任せて来た。
[マテウスの問いにソファーに腰掛けたまま彼を見上げて答えた]
[落ち着いてくる、というアーベルの背に軽く、視線を向け。
吐き捨てる家主の様子に、肩を竦める]
……何処も同じ。
信心と、使命感に囚われたなら、こんなもの。
[淡々と言って、団長を見やる。
こちらの厳しい評価にも、動じた様子などはなく。
また、やれやれ、と息を吐いた]
[いままでに感じたことのないものを心の奥底に感じて]
んっ、誰か…、
いるのか?
いや、感じているのか?
[そっとここの声で語りかけてみた]
―厨房―
その方がいいか…って。
この。
エーリッヒとは違うからな。
[微か笑み、ゲルダの額を小突いて。
そんな会話だけでは静けさはまだ埋まらない。
ゲルダの声に耳を傾けた後、暫し沈黙した後。]
御伽噺だと言いたい。
…ただ、気になるのは。
[あまりいい話じゃないがと前置きしてから。
視線は、ゲルダではなく、鍋の方を向く。]
いつもの通りに、死体検分に同伴したんだが。
その時の死体につけられていた傷。
あれは人がつけたものじゃない。獣がつけた傷だった。
だから、人が犯人、とは思ってない。
じゃぁ誰が?…という話に戻るわけだが。
…その辺をうろついている、飢えた獣だといいな、といった所。
[言い終わると、湯からあたたかな湯気が立ち上がっていった。]
正気なんだろ、こうやって、拘束と監視をする、って言うんだから。
[ゼルギウスの言葉に、軽く、肩を竦める]
仮に、いたとして、か。
……見つけ出してどうにかしろ、と。
そんな所だろうな。
[どうにか、の部分が何を示すかは、言わずもがな、という所だろう。
あえてぼかしたのは、脅える少女の姿が見えたから]
[わたしの震えは、少しして止まった]
[回りの男の人たちは、団長さんのやり方に不平をいってる。]
[けど、みんなそこまで深刻そうじゃない。]
何も起こらなければ…いいんですよね。
[わたしは自分にも言い聞かせる。何も起こるわけない、何も起こるわけない。]
ああ、いえ。
何事かあったのかと思いまして。
階下の雰囲気も……
[先程とは違うのはわかったが、何が違うかは明確にはわからず。
己の胸にも、わだかまる違和感]
それより、その子は?
[でも…ほんとうに何も起こって欲しくないの?]
[体の中から、小さく、でも確かにそんな声がした。]
[そして、体の外からも、囁きが。]
…誰?
まぁ、元気そうならいいんだが。
[ゼルギウスの説明を聞きながら]
はじまる?
何がはじまるっていうんだ?
[寝言かなにかなのだろうが]
まぁ、倒れてたことと何か関係あるのかね?
[考えてもわかることではないので一人でそういってまとめた]
あーやだやだ。
頭のお固い人って。
[ライヒアルトの言葉に小さく頭を振った]
[そこに当人が居ようが声は潜めない]
見つけ出してどうにかしろ、ねぇ…。
その見つけ出す術とやらがあれば良いけど。
無いんだったら手当たり次第か?
冗談じゃない。
[彼が何を言いたいのかは理解出来た]
[理解出来たからこそ、嫌悪の色を浮かべる]
此方のほうは、この子が熱を出して寝込んでしまったので、私とゼルギウス君とで、一緒に見ていた、ということですね。
ああ。今は落ちついているので大丈夫ですよ。
階下のほうは、さすがに、私には分かりませんねえ。
きっと、今回の状況に対する説明でもなされているのではないでしょうか?
[のんびりとした口調でウェンデルへと語りかける]
他人任せな話だな。
[ライヒアルトのどうにかという言葉に呟き]
容疑者ってだけで子供にも下手すればそんなことさせるつもりなのかと思うとな。
[アーベルが出てゆくのを見送って。
ゼルギウスの声にゆるく首を振る]
大きな街と違って、そういうものが「生きている」場所だからね。
迷惑以外の何物でもないけれど。
…始まる?
[続いた言葉に小首を傾げて。
だがゼルギウス自身も分からないというのに追求はせず。
ヨハナがついているのなら、まあ大丈夫かと判断する]
俺に聞くなよ。
俺だって分かんねぇんだから。
[「始まる」の意味を訊ねて来るマテウスに肩を竦めながら返し]
何かのっぴきならない事情がありそうってのは確かかなぁ。
あの薬拒む様子からも。
見つけ出して、ねえ。
[同居人がぼかした理由は少女だろう。
手当たり次第、というゼルギウスの言葉に眉が寄る。
確かに率先して聞かせたい話ではない]
そう、何も起こらなければいい。
…ベアトリーチェ、そろそろ休むかい?
二階に部屋があって使えるようになっているんだ。
[連れ出そうとするのが半分、療養中だという少女の身体を気にするのが半分]
[応える声を確かに感じた、
今一緒に話している者たちとは違う、
少女を思わせる印象を受ける声]
俺はマテウス。
そっちは?
そうでしたか。
それにしても、……見ない子ですね。
この子も、容疑者、なんでしょうか。
[眉間に皺が刻まれる]
ああ、説明……それならば、聞いて来なければなりませんね。
[胸元に行きかけた手を引き下ろす]
ヨハナさんは、ここに居られますか?
何か必要なものがあれば、持ってきますが。
[交わされる、『始まる』と言う言葉。
それが意味するものは何か。
自身の知る事と合致するならば、それは最悪以外の何者でもないのだけれど]
……術、か。
『伝承』を辿るなら、ないとは言い切れないだろう……な。
[ゼルギウスの言葉に、翠が微かに翳る。
胸元に伸びた手が、何かを掴むような仕種をして、落ちた]
……子供だろうと、関わりない、というのは、ここまでで立証されているだろ。
[マテウスの呟きには、ため息を交えてこう呟く]
「生きてる」か。
俺のところにもそう言うのあったりしたのかなぁ。
[それも全ては白い靄の奥]
[エーリッヒの言葉は理解出来るが、現状ではそれこそ迷惑以外の何物でも無く]
[やはり呆れたように頭を振るだけだった]
っと、ベアタ、体調は大丈夫か?
その様子だと発作とかは起きてないみたいだが。
変な話聞いた後だ、具合悪くなったら直ぐ言えよ。
[エーファのことに安堵の息を漏らすベアトリーチェを見止め]
[病状は精神的な部分からも変化しやすいためにそう声をかける]
[小突かれた額に手を当てる仕種は、歳よりも幼い。
翠玉は笑みの形に似て、少しだけ細まった。
前置きの後に話された内容に、また表情は乏しいものに戻ったが]
獣の傷…。
人狼かもしれないから、だから子供たちやヨハナ様も呼ばれたのね。
[薄い口唇に指先を当て、考え込む]
うん。きっと…、数日したら、獣の仕業だって話しになるわよね。
それまでは、学校の合宿だとでも思って楽しむ?
[お湯をポットとカップに注ぎ、器を温めて。
あらためてポットに茶葉とお湯を]
ナターリエ。お砂糖とミルク運んでもらっていい?
[ベアトリーチェと呼ばれた少女に視線を向けて]
そういえば自己紹介がまだだったな。
俺はマテウス=ボーマン。
こんな出会い方でなんだが、よろしくな。
[笑いかけてからゼルギウスに視線を移し]
いやまぁ、俺もゼルギウスに聞いて答えが出るとは思ってないわけだど、ついな。
[エーフィに関しては同意して頷き]
複雑な事情ってやつか。
たしかにそうだな、ヨハナさんの反応から見るとこの村の子じゃないんだろう?
なのにこんな冬の時期に…。
わけありそうだな。
[はっとわたしは我にかえった。]
[薬師さんと、エーリッヒさんが心配している。]
え?
[胸に異常は感じなかった。けれど、なんだか色々ありすぎて]
あ、なんだか、疲れたかなぁ。
休むことにします。
ありがとう、エーリッヒさん。
[その手を取り、案内してもらう。]
[ウェンデルの言葉には、さすがに少々眉をひそめた]
……此処にいる、ということは集められた人の一人、ということでしょうね。
ああ。
水も毛布ももらいましたし、今のところはだいじょ……?
[言って。
階下に降りようとしたウェンデルの手が、エーファと同様に胸元にいきかけたのが目に留まった]
……胸をどうかなさったのですか?
は、『伝承』を辿れば、ね。
何とも不確かな情報だこと。
[ライヒアルトに向けたのは呆れを含んだ声]
その伝承すら事実か怪しいってのに。
その手のことは全く分からんから、俺には何も出来ることはなさそうだ。
何事もないことを祈っとくよ。
あ、わたし、ベアトリーチェ・エアハルトといいます。
[すこし、マテウスという男の人の顔を見つめてみる。]
えと、よろしく…。
あ。カレー…。
[翠玉の視線は宙を滑って、一点で留まる]
紅茶の香りの邪魔になったら嫌だし。
また後でかな。
[少し後ろ髪を引かれる様子]
[頭の中に聞こえてきた声と、同じ人…。]
[よくわからないけどきっとこれは、秘密にしなきゃいけないこと。]
/中/
マテウス、おまwwwww
ボーマンって、私が使ってたノーマンのファミリーネームじゃん!w
あんたはボルマンだろうに!w
そうだ、傭兵のマテウスだ。
ベアトリーチェ…、
[と目の前の少女に自然と意識が向き、
聞こえる声からベアトリーチェの存在を認識し]
どうだろうな?
俺もこんなことは初めてだが、俺がもっている特殊な力が何か関係してるのかもしれない。
今話題の伝承、御伽噺の
人狼
おそらく俺はそれだと思うんだ。
そしてその俺とこうして特殊な会話ができるということは、
そういうことなのかもしれないな。
なんにせよこのことは二人だけの秘密だな。
[気持ちは分からんでも無いが、とマテウスに苦笑を返す]
そうらしいな。
行き倒れ、ってことなのか?
自衛団の話じゃ現場の近くに居たから連れて来たんだろう。
[自分で行き倒れと言って自分の時のことを思い出したが、とりあえず彼方へと追いやった]
そう、無理はしない方がいいよ。
じゃあ行こうか。
[少女の手を取る。小さな手。
ふと思い出す過去。一つ息を飲み込んで深く沈める]
ゼルギウス、部屋暖めてくるのまではやるから。
後で診てやってくれな。
[そう言い残し、少女の手を引きながら二階へと向かう]
そもが、『伝承』の存在相手なんだから、そこから当たる他、あるまい?
[呆れを含んだゼルギウスの言葉に、浮かべるのは苦笑。
先の団長との会話に上がった『教会の口伝』に触れないのは、意図的なものか、それとも違うのかは定かではなく]
何事もない……か。
そうだな。
祈るくらいしか、今は、できそうにない。
―厨房―
だろうな。節操なく集めるのも…あいつらの立場的には仕方ない、といった所か。
そうだな、暫く辛抱するさ。
数日経てば、何事もなく終わると…
[言いながら、視線は持ってきてしまった鞄の方へと向くが。
それも一瞬のみ。]
学校か…懐かしいな。
そうすれば少しは気が紛れるか。
…そういえば、けっこう揃ってるんだよな。マテウスも居るし。
[そう呟き、言われたとおりにミルクカップと、砂糖の壷を盆に持った。]
ん、疲れたなら休んだ方が良い。
エーリ君エスコート頼んだよ。
あ、万一のためにベアタの部屋の隣空いてたら俺の部屋として取っといてくれ!
[ベアトリーチェの言葉には頷いてそう言い]
[エーリッヒには部屋の確保も頼んだり]
……でしょう、ね。
[察してはいた答え。
老婆の口より発されたことで、否が応にも現実と理解する]
ああ、いえ。
…幼い頃に、少しだけ、病を。
ですが今はもう見ての通り、健康ですから。
多分、緊張で気が昂っているのだと思います。
駄目ですね、しっかりしないと。
人狼…人殺しの…?
[なぜだろう、恐れるべきその単語に、胸が熱くなる。]
わたしも…人狼。
[歓喜に心が震え、お腹の奥に燃える火が勢いを増す。]
…このことは秘密、ね。わかった。
そりゃそうだけどよ。
あー、これ以上ごちゃごちゃ考えても仕方ねぇ。
伝承とか何とかそっちのは他の奴に任せるっ。
範疇外過ぎるや。
[ライヒアルトと話をしながら、その内容をぽいと放り投げた]
[口伝に関して触れぬ様子は、その事情を知らぬために全く気付くことは無い]
行き倒れ仲間か…
[ぽつりと呟いた声はゼルギウスに聞こえたであろうか?]
現場の近くにねぇ?
ますます、複雑な事情持ちって感じだ。
[肩をすくめて]
なんにせよそのうち向こうから話すか、
ヨハナさんが聞き出してくれるだろう。
ん?カレーあるのか。飲み終わったら食べにこよう。
…ほんとに合宿みたいだな。
そういえば、急いで出てきたから、あれから口には何も入れてないな…。
[そうこちらも呟きつつ。
盆を運びながら、忘れないように鞄を腕に通した。]
[ウェンデルの言葉に、老婆ははて?と首を傾げた]
坊やは昔、病を患っていたのでしたかな?
[とまでいって、はたと気づいた]
ああ……生まれは此処じゃないのですよね。
嫌ですね。
年を取ると、色んなことがごちゃごちゃになって分からなくなってしまいます。
まあ、無理はなさらないように、体には気をつけるんですよ。
[先ほど無理をした張本人が何を言っているかという感じではあるが]
[お休みと、二階へ移動するベアトリーチェに挨拶を返して]
[ぽつりと呟いたマテウスの声は耳聡くしっかりと捉えた]
煩い。
んー、婆ちゃんなら上手く聞き出してくれそうだよな。
なーんか俺あの子に警戒されてるような気がして。
きっと俺じゃ無理。
―厨房―
終わったら、気晴らしに遊びに行ってもいい?
前に借りた本の続き、読みたいから。
[珍しく願い事を口にして。
更に珍しく、翠玉は明確な笑みの形。
ナターリエの視線を辿るも意図が読めるはずも無く]
従兄弟殿も、こんな時にばかり戻ってこられなくても。
[乏しい表情で嘆息を吐き。
ポットとカップを乗せた盆を手に広間へ]
…カレーはライヒアルトさんが作ってくれたらしくて。
考えても仕方ない、か。
[放り投げる様子に一つ息を吐いて立ち上がる]
……ま、確かに、今は何事もない、しな。
さて、それじゃ俺も少し、上で休む。
色々と起きすぎて、頭が痛い……。
[冗談めかした口調で言いつつ、肩に猫を乗せ。
右手にノート、左手にカップを持つ]
[送り狼云々の会話には、あの家主にそんな甲斐性あるのか、とか。
失礼な事もちらりと考えていたりするのだが]
おー、大丈夫か?
酷いようなら頭痛薬処方するから、遠慮なく言えよ。
[頭が痛いと言うライヒアルトの言葉にそんなことを言って]
俺も少し休むかなぁ。
エーファの様子見て、ベアタの様子見て。
何とも無ければ寝てこよう。
[そう言ってソファーから立ち上がった]
…人をなんだと。
[マテウスの言葉には思いっきり眉を寄せて。
空き部屋が二つ並んでいるのを見つけると、その片方にベアトリーチェと共に入り、冷えた部屋の空気に暖炉を熾した]
おやすみ、ベアトリーチェ。
せめて眠りだけでも穏やかであるように。
[もう一度頭を撫でると部屋を出て。
一度自分の部屋に戻ると荷物の中から手帳を取り出し、余紙の一枚を破って。ゼルギウスの名前を書くと先ほどの部屋の隣の扉に挟んでおいた]
ええ。
母が祈りを捧げ、洗礼を受けてからは嘘のように治ったのだとか。
[信心深さの理由の一端を語り、懐かしむ笑みを作る]
多くの知識を蓄えていらっしゃるのですから、私のようなもののことなど、お忘れになっていても仕方ありません。
ありがとうございます、気をつけることにします。
ヨハナさんもお気をつけて。……こんなときですから。
それでは、見てきます。
[老婆の無茶は知らない。
見知らぬ少女を見やり、手を組んで短く祈りを呟くと、部屋を後にする]
いや、恐らくは精神的なものだからな。
薬でどうこう、という訳にゃいかんだろ。
[頭痛薬を処方する、というゼルギウスの言葉に笑い。
団長に一瞬だけ、険しい視線を向けてから、二階へと向かう。
頭が痛い理由は、大体察しがついていたから。
眠ってしまうのが、一番早い、とわかっていた]
そうか?
だったら気分を落ち着ける薬の方が良いかな。
ま、何か調子悪いんだったら言いに来いや。
[どちらにせよ対処は出来る、とでも言うようにライヒアルトに言葉を向け]
[団長を睨むのには、無理もねーよなーなどと思いながらな眺めて居たり]
[そのまま二階に向かうライヒアルトを見送った]
― 集会所二階・廊下 ―
……。
[扉を閉めてから、首から提げた十字架を取り出す。
微かな光を受け煌く銀に、吐息を零した。]
―厨房→広間―
遠慮なく是非に。焼き菓子を作って待っているよ。
[ゲルダに笑いかける様子はごく自然。
二人で居る時は昔とあまり変わらない、相応らしいものだった。
視線を辿るのには気づいたが、特に気にした様子を見せずに。]
ああ、来てるのは知っていたのか。
折角ゲルダが長年かけて説得して、戻ってきたと思ったら…だからな。
薬師殿といい、運が悪い奴が多いな。
…尤も私らにも言えることだが。
[はぁとつく溜息は普段のものに戻り。
カレーの件については、ああとライヒアルトの顔を思い出しながら。]
ゲルダ、カレー好きだったっけ。
(エーリッヒの所の家政婦氏が作ってくれてる)なら、味は保障されてるだろうな。
[一部をやや顔には出しながらもあえて言わずにおいたり。
そんな会話をしながらたどり着いた広間の、テーブルに盆を置き。]
お待たせ。紅茶とミルクと、好きな方を選んでくれ。
祈りを捧げ、信心。ですか……。
[珍しく歯切れが悪そうに、老婆は言った。
まあ、老人というのは異様に信心深いか、全く信心していないかの2極なのではあるが]
まあ。とにかく、治ったというのは喜ばしいことですね。
[まるで自分のことのように嬉しそうに微笑むが、次の言葉を聞くと、慌てたように手を振った]
ああ。いえいえ。違うのよ。
逆よ逆。
私は、坊やはずっとこの村で生まれて育ってきたのだと思っていたのだから。
それほど、思い出深い子だったのよ。貴方はね。
[手をほほに当てて、昔に思いを馳せた]
ええ。行ってらっしゃい。
[そして、ウェンデルが部屋を出ていくのを微笑みながら見送った]
─二階・廊下─
……ち。
嫌な、状態だな……。
[階段を上がりきったところで、口をつくのは悪態]
大体、なんで……っと。
[言いかけた言葉は、人の気配に遮られる]
誰か、いるのか?
[いるならば、おかしな様子は見せられない、と思いつつ、そうと声をかける]
[耳聡く聞いていたゼルギウスに肩をすくめて]
それにほら、伝承とかそういうのならヨハナさんが一番詳しいしな。
なんにせよ、いろいろと頼りになることになりそうだな。
[休む様子のゼルギウスとライヒアルトに]
お疲れふたりとも。
俺はまだ残るわ。
[そのまま広間には戻らず、一度自分の部屋へ。
窓を開けて冷たい空気の中に立つ]
御伽噺かどうかは別にしても。
望まれてるのは――やれってこと、だろうな。
[呟きは流れた煙と共に*消えていった*]
お、あったかい飲み物が来た。
[ナターリエとゲルダが運んできたものを見て喜色を浮かべる]
二階行くついでに婆ちゃんにも紅茶持ってくかな。
盆一つ貸してくれー。
[運んできた二人にそう頼みつつ]
[肩を竦めるマテウスには]
あー、そういや婆ちゃんも「伝説の再来」とか言ってたっけか。
何か知ってるんかな。
[不意に思い出したことが口を突いて出る]
[残ると言うマテウスには一つ頷きを返しておいた]
……。
[ウェンデルが部屋を出て行くと、知らずのうちにその手は自身の腹へと。
鈍痛はいまだ止まない]
……教会、か。
[小さく、それだけを呟いた]
―広間―
ナターリエの作る焼き菓子…。うん、期待してる。
あたしもコンポートか何か手土産作っていくから。
[紅茶を注ぎながらも会話は続く]
本当に、災難。
だけどナターリエと暫く一緒に過ごせると考えれば、まだ割り切れるし。
――……………、
[震える唇が零す音は露と消える。
眼差しは今は見えぬ何かを射抜くように鋭い]
え? ああ。
[呼びかけに意識は引き戻され、声の方に顔を向ける。
薄闇に目を凝らして、黒衣を纏った姿を見つけた]
ライヒアルトさん。
もう、お休みですか。
/*
うん、紅茶もあったのですが。
部屋についてももっとちゃんと説明するべきと思わなくもないのですが。
中身の方が体力切れかけで。予定時間オーバーもしてるので。
トロくてごめんなさい…。
でも無理はしないと決めたから。おやすみなさいです。
誰かに作る事は多くても、作ってもらえる事は貴重だから。
[カレーだから、と言うよりは、そんな理由が先行した]
はい、薬師様。
ヨハナ様に、お体御慈愛下さるよう、お伝えください。
[カップ以外を盆から降ろして、ゼルギウスへと。
マテウスには、なかなか視線を向けないまま]
[呼びかけ方と、声。
そこにいるのが誰かは、それで察しがついた]
ああ。
なにやら、頭痛がするんで、先に休ませてもらおうと思ってな。
……そっちはそっちで、冷え込む廊下で物思い、か?
薬師殿がいるとはいえ、病人を増やしかねない事は、避けておいた方がいいぞ。
―広間―
伝説の再来?
[入ってきたと同時に聞こえた言葉に、軽く眉を潜める。]
御伽噺に伝説…。か。はぁ…。
[本日いくつめかの溜息をまた一つ、ついて。
盆はゲルダが渡したので、こちらは下げる用に傍に置いておいた。]
さんきゅーゲルダちゃん。
婆ちゃんあの様子じゃずっとエーファの傍で起きてそうなんだよなぁ。
ホント、無茶はしないでくれると良いんだが。
[先程エーファを抱えて二階へ駆け込んだことを思い出す]
[つい苦笑が零れ落ちた]
[紅茶の入ったカップを乗せた盆を受け取り、二階へ続く階段へと足を向けた]
伝説の再来ねぇ…。
できれば明るいぎすぎすしないのがいいんだが、
そういかないものかね。
[自分が昔に聞いた御伽噺を思えばそれはおそらく無理なことで、
そしてもどってきたナターリエとゲルダに手をあげて]
よぉ、おかえり。
それと挨拶がおくれちまったな。
ゲルダ、久しぶりだな。
[少しばつがわるそうに頬を指でかきながら]
その、ずっと家をでていったきりで悪かった。
今回は決心つけて戻ることにしたんだ。
こんなことになっちまったけどな。
そう、ですか。お大事に。
その言葉は御自身に向けられた方が良いと思いますが、ああ、私がここにいることで、邪魔をしてしまったのであればすみません。
[口調は常と変わらないものの、やや声が硬いのは、以前より抱えている男に対する不信の表れ。未熟なウェンデルには、抑えがたい]
私は、ただ。階下へ向かおうと思っていたところです。
―広間―
こっちも、そう思うよ。
あまり長いこと、一緒に居るなんて久しぶりだからな。
…本当に、子供の時以来だ。誰かとずっと一緒だなんて。
[ふ、とゲルダに柔らかく笑んで。
自分はミルクを手にした。手の平から伝わる温もりが心地よく、表情は和らぐ。]
─広間→二階─
[階段を上った先で目に入ったのは、先に部屋へと向かったはずのライヒアルトと、彼と話をしているウェンデルの姿]
あれ、まだ居たのか。
あんまり廊下に居ると風邪引くぞー?
[盆を片手にその横を通り過ぎて、一旦エーファとヨハナが居る部屋へと入る]
婆ちゃん、紅茶持ってきたよ。
これ飲んであったまって。
くれぐれも寝ないとか言う無茶はしないように。
俺一旦休んでくるから、疲れてきたら悪いけど起こしに来て。
部屋分かるようにしとくから。
[そう告げて紅茶の乗った盆を机に置くと、また廊下へと出た]
ああ、それは確かに。
[こちらも一人で暮らす身。
その有り難さは身に染みて理解できた。]
食べ溜めとか出来ると良いのにな。
[そんな無茶を言って、黒糖を入れたミルクをこくり。]
エーファ?
…ああ、はい。
[エーリッヒが教えてくれた名の中にあったと気付くまでに僅かな間を要した]
それもヨハナ様の優しさゆえとは思いますが。
[乏しい抑揚には、気遣う気配]
/*
何か自分の周りだけ平和だ。
暢気過ぎるこいつ。
真っ先に殺されると良いよ!(ぁ
もし残されて先にウェンデルかベアタが墓行ったら記憶再生で暴走コースかな。
いや、別に邪魔じゃないが。
それに、頭痛の理由は大体わかってるから、大丈夫だ。
[声の硬さは、気にしてはいない。
強い信心を持つ者であれば、自分への疑念や不信は当然と言えるものだから]
……そう、か。
なら、むしろ俺の方が邪魔したか。
[ふ、と呼ばれた名に息を吐いてマテウスに向き直る]
おかえり、はあたしが言うこと。
…おかえりなさい。
[翠玉の眼差しは、頬を掻くその様子を真っ直ぐに捉える]
本当に悪かったと思うなら、それでいい。
今回の事は災難としか言えないけど…。
ん、会えて、少し痛そうだけど無事って分かって良かった。
それならばよろしいのですが、……と言ってもよいものか。
[苦笑を滲ませる]
いいえ、お気になさらずに。
…………何か、
[階下であったのか、と尋ねようとして、相手の体調を気遣い、言葉を止める]
おやすみなさいませ。よき眠りを。
ただいま。
戻るのにはちょっと勇気がいったけどな。
[懐かしむようにゲルダを見て]
ゲルダも大きくなったな。
15年かぁ……。
[この村に来て何度目かの思い]
ゲルダの方も元気そうでなによりだ、村の皆も。
だいぶ、変わってしまったけどな。
[じゃお先に、と廊下の二人に声をかけて]
[エーリッヒが確保してくれたであろう部屋を探し始める]
[ややあって自分の名が書かれたメモが挟まれた扉を見つける]
てことは隣のどっちかがベアタの部屋、と。
[どちらに居るのかノックで確認]
[返事のあった方に顔を覗かせ、体調の確認をしてから自分の部屋がどちらにあるのかを教える]
丁度寝台のある壁のが俺の部屋がある方だな。
急に苦しくなったりしたら壁を叩くか何か音を鳴らすと良い。
部屋に居る時はそれで気付けると思うから。
[そんな話をしてから、再びお休みと挨拶して]
[自分も隣の部屋に引っ込んだ]
そんじゃ、しばしの休息っと。
[仕事道具を寝台脇に置いて横になると、すぐさま意識は*夢の中へと*]
―広間―
[紅茶にミルクと砂糖の両方を入れ、両手で包む。
息を吹いて冷ましてから、こくり、口にした]
ナターリエもあたしも、家では一人だものね。
[両親を亡くした時は、真っ先に彼女を頼った。
そんな記憶が頭の隅を掠める]
食べ溜め。
せめて、もう少し量を食べられたらいいとは、いつも思う。
少なくとも、他人の手を煩わせずにすむ、という点ではいいことさ。
[苦笑には、こちらも苦笑で返し。
途切れた問いの内容は、察しがついたから、一つ、息を吐いて]
……下に、自衛団長殿がおいでだ。
今回の件についての説明をしてもらえるから、聞いておいた方がいい。
……もっとも、聞いて楽しい話じゃない、がな。
[最後の部分は、吐き捨てるような口調で言い。
良き眠りを、という挨拶にはああ、と頷いて、足早に自室と定めた部屋へ向かった]
楽しい話でしたら、あのような扱いは受けないでしょうね。
[その部分には同意を示すような言葉を返し、ライヒアルトとは反対の方向に歩みだした。階段を下り、広間へと入る。
先程の賑わいとは、やや種を異にした空気が漂っていた]
─二階・個室─
[部屋に入ると、零れ落ちるのは一際大きなため息。
直後、その場に膝をつく]
ち……ああ、大丈夫だ、ヴィンデ。
[肩から飛び降りた猫が案ずるように鳴くのに、笑みを向けて、立ち上がり。
ノートとカップを小さな机の上に置いて、倒れこむようにベッドに横になる]
……Es ist unheimlich nicht geworden verdorben.
Verunreinigung. haben Sie das Zögern nicht.
[掠れた声が、言葉を紡ぐ]
……けれど。
……悪夢は……もう、いらねぇ……。
[ついで、振り絞るような呟きが零れ。
意識は深い、*眠りの淵へ*]
うん。でも、戻ってきてくれてうれしい。
[ことん、と静かな頷き。
懐かしむ視線に首を傾げるも、表情は乏しく]
あたしの事ばかりは言えない。
大きくなったのはマテウス兄さんもだし。
……その顔の傷は、痛く無いの?
[稼業については手紙で知らされていたものの。
初めて見る頬の傷口を労るように指を伸ばした]
村は、変わった?
ずっといるから、あたしには分からない。
― 集会所一階・広間 ―
[先程見た顔は幾つかが消え、幾つかが増えている。
一つは、ライヒアルトの示した通り、自衛団の長たる老人。
もう一つは、]
……ゲルダ? 貴女まで、ここに?
[階段を誰かが下る音。
自然、翠玉の眼差しはそちらに向いた。
呼ばれる名に、こくり、頷いて]
うん。あたしも、容疑者だって。
ウェンデルもなんだよね。エーリッヒから、そう聞いた。
[淡々と語り、そして呟く]
でもあたしには人狼なんて、やっぱりお伽話にしか思えない。
本当はもっと早くもどってこれたらよかったんだけどな…。
[首をふって]
今さら後悔しても遅いことだけどな…。
一人にさせていて、悪かった。
[頬にゲルダの指が触れるのを感じながら]
昔についたものだ、今は痛くないさ。
そうか、俺も変わってるんだな、あのときから…。
[笑いかけて久しぶりの再開を喜び、
抱きしめようと手を伸ばしかけて、
ためらいがちに留まり]
村は、雰囲気はかわらないな。
住む人は、だいぶ変わった気がする。
幼馴染もなにもかも、見知った姿から変わっていた。
でも、皆…、変わらず俺のよく知った知り合いなんだとは思った。
そう……だったんだ。
ええ、僕も。
全く。なんと言っていいのか、わからない。
[幼馴染の中でも歳の近い彼女に対しては、口調はやや砕けたものになる。
言葉を続けようとした矢先、一つの単語が引っかかり、目を見開いた]
人、狼?
[ウェンデルの言葉に]
そういえば、そうかここにいるってことはゲルダも容疑者の一人ってことか…。
まったく…、なんでこんなことに……。
[呟いてからウェンデルに軽く手をあげて挨拶をし]
俺が容疑者って言われるのはわかるとして、
まったくもってゲルダもウェンデルもなんで呼ばれたんだろうな。
ああ、そうだゲルダ、俺にも紅茶いれてもらっていいか?
ウェンデルも、飲むよな?
[その様子は先ほどのことをごまかすかのようで、
ゲルダにはその様子がありありと伝わるであろうか?]
反省して。たくさん。
一人暮らしは、それなりに自由で楽しくもあったけど。
[半分は冗談。半分は本気。
そのような態で口調は語る。
傷口を撫でる指先は、言葉よりも雄弁に優しい]
うん。
…何も変わってなかったら驚きだけど。
でも、兄さんは兄さんのまま。あたしにとって。
[躊躇い留まる腕を、翠玉が不思議そうに眺め。
こつん、と額をマテウスの胸元に当てて離した]
きっと皆、根っこが元のままなのね。
あたしは、災難ね、で済ませたけど。
ウェンデルなら…神の試練とか言うかなって。
[相も変わらず、乏しい表情。
本気か冗談かは判りにくく]
…さっきの話しの時居なかったものね。
[自衛団長からの話しをかい摘まんでウェンデルに伝え]
だから暫く此処に居なくちゃみたい。
[視線は自衛団長へと移った。
老人は黙して頷き、声無き問いを肯定する]
……そのようなものが、
[眼を伏せて思考に陥りかけたところで、マテウスの声が届き顔を上げる。
おかげで、彼の不審な挙動には気づかなかった]
あ、はい。いただきます。
今から言っても仕方の無いことだし。
割り切った方が、早い。
――…マテウス兄さんが容疑者な理由も、私たちが容疑者な理由も、きっと似ている気がするけれど。
[じい、と翠玉はごまかそうとするマテウスの態を見て。
それは、どこか諌めるよう。
ポットから紅茶を注ぎ、*差し出す*]
どうぞ。
[ゲルダに図星を突かれ、やましくもないのに言葉に詰まる]
……へこたれては、いられないからね。
[苦笑と共に、遠回しな肯定。
しかしその表情も、彼女の説明を聞くにつれて失せていった]
神学校でも、幾度か聞かされた。
人狼は人間に仇なす者。
昏き闇より生まれ神の意にそぐわぬ者。
その存在を赦してはならないと。
[呟くうちに、言葉は呪詛めく。
睫毛の作る陰のためばかりでなく、その瞳は、くらい]
ああ、反省している。
ただ、これだけは信じてほしい。
皆ことを忘れた日はなかった、
ゲルダのことは気がかりだったんだ。
[胸元にゲルダの重みを感じて、
年月の経過をその重みにたしかなゲルダの存在を感じて]
ありがとう、ゲルダ。
[迷わず抱きしめて]
会いたかった、ずっと。
ずっと戻れるなら戻りたいとも思っていたんだ。
でも今、こうしてようやく会えた。
[少ししてゲルダを離し、
少し気恥ずかしそうにしながら]
ありがとう。
[差し出された紅茶を一口]
そうだな、容疑者の理由。
動機とかそういうのは一切関係無しって感じだったからな。
[ウェンデルの話す説明に顔をしかめながら]
だからってうちらをこんなめにあわせるのは…、
どうなのかね…。
そういえばウェンデルは何か知っていたりしないか?
その、人狼を見つける方法とかな。
[ウェンデルは、二人の様子に構う素振りすらない]
人狼は、滅さねばならない。
[ただ、はっきりと。
その一言を発した後には、極小さく、延々と負の感情の込められた言葉が続く。問いに対する答えとはならずに]
滅ぼす…ねぇ。
それが親しい人でもってことか?
[ウェンデルの様子にまじめな表情で聞き]紅茶を一口そちらをじっと見つめて答えを待つ]
……それが使命ならば、
[淡々と紡ぐ口調とは裏腹に、僅かな躊躇い。
瞬間、何処かが軋むような痛みに、口を噤み眉根を寄せた]
そうか、使命なら…か。
[と、応えてすぐにウェンデルが苦しむ様子に]
おいっ、大丈夫か?
無理はするなよ?
[心配そうに覗き込み]
今日はもう休んだほうがいいんじゃないのか?
……ぁ、はい。
[覗き込んでくる眼に、はたはたと幾度か瞬く。
夢から覚めたような面持ち]
無理を、しているつもりはないんですが。
心配をされるようでは、いけませんね。
お言葉通り、休むことにします。
[それから、一言を付け加える。
終わりには珍しく、冗談めいたものを*混ぜて*]
ああ、紅茶を頂いてからにします。
兄さんばかりに飲ませるのは、勿体ないですから。
おう、飲んで落ち着いたらゆっくり休むといい。
俺は、積もる話もあるんでな。
[ゲルダを示しながら]
突然変なこと聞いて悪かったな。
容疑者のほとんどは俺の親しい間柄の人物がおおいもんでな。
[その後紅茶を飲み終わり自室へと戻ったウェンデルを見送り、
紅茶を飲みながらゲルダとナターリエを交えて昔話やこれまでのことなどを話した。
夜もふかまり次第に眠気を覚え始めたころにそれぞれの個室へ*戻っていった*]
/*
……まあ、土日だからな。
さて。
弾かれてえらい事になったら対策で教会関係者にしたわけだが。
暗部に関しての詳細は知らんよな、普通。
とりあえず。
・過去に人狼騒動に遭遇
・騒動を仕組んだのが教会なのは知っている
・それ故に、教会と袂を分かっている
こんな感じ?
修道士スタイルのままなのは、神自体への信仰は捨ててないから、で。
(ロザリオもちゃんと持ってるし)
さてて、どう動いてゆくかな。
[降り注いでいた白銀は、今は止み。
雲の薄くなった向こうに霞んで見える紅色]
変な符丁、合わせるなよな。
[吹き上げた煙でその色を隠す。
再び流れてきた雲も、霞む月を押し隠した]
村を守りたい、か。
まあ俺だって…守りたいとは思うけどさ。
どうせ初めてなんかじゃない。
やれというならやる、けど。
[深い溜息が落ちた]
[手元まで降りてきた熱を握り潰す。
右手に走る、小さな痛み]
……止めた。キリがない。
[窓を閉める。部屋の中ですら吐く息が白くなっていた。
それでも広間に戻る気はまだ起きなかった。
そこに残っているかもしれない者のことを思うと]
明日、謝ればいいよな。
それと。ライに……。
[途切れる声。衣擦れの音。そして*静寂*]
[兄と慕うマテウスの謝辞。
うん、と短い返事で抱擁を受け入れた。
人狼の話しがウェンデルに向き、翠玉を移せば、何処か印象を異にした相手が見える]
…気を張ってる?
[抑揚に欠ける口調よりは、差し出した紅茶に入った砂糖とミルクの甘さ、温かさが労りを告げて。
部屋へと皆が戻り出した頃、厨房で食事の仕込みをして、それから自身もまた個室へ*戻った*]
(回想)
[ヨハナの後にくっついていった後、ライヒアルトやマテウスたちの後に一応くっついていったものの人手は足りている様子。何かできることはないかとその当たりをうろうろしているときに聞いた、ギュンターの声]
人狼……?だと
[ギュンターに食ってかかるゼルギウス。その様子をぼんやりと見つめて]
[皆がぞろぞろ引き上げ、もしくは広間で話しているのを横目で見ながら、むっつりと黙り込んだギュンターと言葉を交わす]
……そうか、そんなに村が殺気立っているのか。
このままここに火をかけて、俺たち全員を焼き殺してしまえ、そんな意見まで出るほどに……成る程な。
隔離することで俺たちを守る、そういう意味もあるんだな……
もう遅いな。あす、ヨハナばっちゃんに色々聞いておく。
お目付役としてここに押し込まれたのは、要はあんたも容疑者なんだろ?
何だよ。怒るなよ。身に覚えのないことで疑われて腹立たしいのはこちらも同じだ。
[ギュンターに手を振って*余った寝室へ*]」
― 翌日:集会所二階・個室 ―
……ない、か。
[夢より覚め、身支度を整え、祈りを捧げ。
平時とは異なる状況で平時と同じく日課を済ませたウェンデルは、荷を漁る手を止めて呟いた]
防寒用すら、忘れていたくらいだものな。
[ゲルダの淹れてくれた紅茶のおかげか、訪れた眠りは快く。昨晩、胸にあった違和感も今は消え、規則正しく生命の音を刻んでいる。
ゆえに安堵を覚えたものだった、のだが]
ふわぁ...
[ベッドの上で伸びをして、部屋を見回す。]
ふゃ…あれ?えーと…
[おばあちゃんの家じゃない。一拍して、昨日ここへ連れてこられた事を思い出した。]
あー…。
[立ち上がり、窓の外を見る。
落ち着きのない自衛団員。
硝子越しにも、緊張の空気が伝わってくる]
……頼んでみるか。
[鞄から取り出した紙とペンに文字を書き付け、部屋を出ていく。他者を起こさぬようと心がけても、古い床板は、歩みに合わせて悲鳴をあげた]
はー…。
[ため息。一晩眠ったせいか、怖がる気持ちがなりを潜めてる。]
[大人は仕方ないなぁ…。][そんな思いさえ、ため息にはこもっていた。]
[そのとき。]
[廊下で、床板のきしむ音がする。]
[足音は階下へ行ってしまい、やがて扉を開く音が続いた。]
[わたしは、みんな起きてるのかな、と、部屋を出てみることにする。]
― 集会所・外 ―
すみません。
お手数をおかけしますが、お願いします。
[書き付けを渡された男は、渋い顔をしながらも頷く。
大地を覆う白銀は、無数の足跡に乱されていた。
そこにまた一つ、村へと向かう跡が加わる。近いはずの距離は、随分と遠く見えた]
ああ、寒い。
[段を取ろうと手を擦り合わせる。
黒い袖を引き、指先ばかりを覗かせて]
[広間は、家の中なのに、吐く息が白くなるんじゃないかというほど寒かった。]
暖炉の火が消えかかってるんだ…。
[わたしは手近な薪を何個か放り込んで、火掻き箸でつつく。]
[寒さに凍える両手を口許に当てて、はー、と暖めながら。]
…あ。
おかえりなさい。
[青年…というにはまだ幼さの残る顔立ちの、男の人が入ってきた。]
[わたしは微笑んで挨拶する。]
[なんだか、この理不尽な状況を一緒に耐える人だから、初対面なのに親しみが持てた。]
― 集会所一階・広間 ―
[広間に入ると、暖炉の傍に金髪の少女の姿が見えた]
おはようございます、
ええと、
[名を呼ぼうとして、聞いていない事に気づき口ごもる。
かと思えば、彼女から向けられた挨拶にきょとりとして]
……ただいま、というのも奇妙な感じですね。
初めまして。
私は、ウェンデル=ニコライと言います。
―厨房―
[規則正しい包丁の音。
煮立つ鍋。魚の焼ける香り]
12人分。団長様を含めて…13人。
普段よりは少ないかな。
[葱のスープ。ザワークラフト。川魚のソテーとソースを数種類。
パンやじゃがいもなども用意して。
メモを書く]
お腹が空いたら食べて下さい、と。
わたし、ベアトリーチェ エアハルトっていいます。
初めまして。
[もう一度微笑みかける。]
お外で何をしていたの?
─二階・個室─
[閉じていた目が開く。数度、瞬き]
……ぁー……。
[一瞬、捉え損ねる自分の居場所。
それでもすぐに、意識は戻り]
……そう、か……。
[嘆息の後、起き上がる。眠る前に感じた頭痛は、今は鎮まっていた]
痛みを感じる、という事は、つまり。
……嫌な話だ。
[小さな呟き。目覚めた猫が案ずるような視線を向けるのに、頭を撫でる事で応え、窓辺に寄った]
― 二階 ―
[子供は唐突にぱちりと目を開けた。ゆっくりと頭を巡らせ、座ったまま眠っている老婆に視線を止めると、少しだけ眉を寄せる]
ヨハナ………
[昨夜聞かされた名を小さく口にするのは、呼ぶためではなく確かめるためのようだった]
中身隠せない…。
きょとり、とか[]の中の文章のくせとか、なんとなく分かるから
向こうからこっちもばれてるんだろうなぁ…。
このキャラだけは…
中身バレしたくないなぁ…
ベアトリーチェさん、ですね。
[釣られるように笑みを作り、]
……ああ、手紙を頼んでいました。
忘れ物をしてしまったので、それを届けて貰えないかと。
[全てが真実ではない言葉。
落ちかけた視線を引き戻し、服の袖を引いた]
[窓の向こうに見えるのは、いつもと変わらない風景。
けれど、そこには微かに張り詰めた空気]
変わらずにあって欲しかったんだがな。
[小さく呟き。
猫を肩に乗せ、部屋を出る]
[起き上がり、ベッドを降りて、脱がされていた靴を履くと、ふらふらと窓の傍に歩み寄る。両の手はぎゅっと胸元を掴むように握りしめられている]
はじまった…また………
んん……。
[名前を呼ばれると、老婆は微かに身じろぎをして、その目を開けた。
そして、目の前の子供が起きているのに気づくと、ゆっくりと笑った]
おお……エーファちゃん。
起きたのかい。
調子はどうだい?
昨日よりは良くなったかい?
─二階・自室─
[幻想のよな雰囲気さえ見せる白い靄の中]
[その奥に垣間見えるもう一人の自分]
[慟哭] [嗚咽] [絶叫]
[それらを繰り返す己のその先]
[白は紅へと変わり]
[横たわる誰かが見えて]
……ゆ、め。
[自室とした部屋の寝台の上]
[開いた瞳は天井を見つめ、ぽつりと呟いた]
[白磁の肌がそれを超えて蒼白を示す]
[封じられた記憶の断片だと言うのは容易に想像出来たか]
…あれは何だ。
…あれは誰だ。
…何も、思い出せない…。
…けど、とても大切な者だった気がする──。
[上体を起こし、壁に背を凭れて]
[眩暈のような感覚に額に手を当てた]
[何故今になってそれを見るようになったのか]
[それは彼にも分からない]
[記憶を呼び起こす何かが傍に居るため、なのだろうか]
あ゛ー……。
安定剤少し飲むかな…。
[呟きつつも今身体を動かすのは億劫で]
[結局事を為すのはもう少し先の話]
ああ、お手紙。
いいね、わたしも書こうかなぁ。
なんだか困ったことになっちゃったもの。
お父さんやお母さんに知らせないと、心配させちゃう。
[どこからか、広間にいい香りが漂ってきて。わたしのお腹が、くーと鳴った。]
…聞こえた?
/*
早期に死ぬ予定で設定は出しまくろう。
記憶復活のトリガーはあの二人の死しかないけども。
て言うか昨日何でこんなに減ったんだろう。
一人桁おかしいよ。
特別なことしてないのに。
/*
さて。
エルザとかヘルムートがデフォ肩書きでくる可能性を考慮して、やらずにいたんですが。
このメンバー構成なら、音楽まで行っても差し支えはないな。
音楽室、作っちまえ。
─ →一階─
[階段を降りると、人の気配。
広間を覗き込むと、金色の髪が目に入った。
それでも、今は人と話す気分にはなれず、そのまま踵を返す。
目指すのは、昨日、倉庫に行った時に見かけた一室]
[自分用のプレートを一皿。スープを一皿。
両手に抱え、広間へと入る]
…あ。
おはよう?
[乏しい表情で、金髪の二人に挨拶を]
それなりに作ったから、食べたいなら、食べて。
あと、あたし。ゲルダ。
[短いながら自己紹介のつもりらしい]
そうかい。
それは良かった。
[前半の言葉には嬉しそうに老婆は微笑んだが、後半の言葉には、目が幾分細まった]
……さて、私には分からないねえ。
なんで、エーファちゃんは、この場所に人狼がいると思ったんだい?
[お互い、まだ自警団長の話は聞いていない。
その中での会話だった]
/*
役職持ってそうなのは、ライヒ・エーファ・ウェンデル・ヨハナかな、今のところ。
ウェンは聖痕っぽい。
ヨハナは狼側でどっちかっつーと狂信かなぁ。
ライヒとエーファは村側。
さっき表の描写で頭痛使いそうになって思い止まった。
役職持ちと間違えられそうw
そう、ですね。
[困ったことに。昨日の話を思い返す。
暖炉の火とは異なる、熱が昇ってくる気がした]
紙とペンでしたら、持っていますから。
書かれるのでしたら――
[と、微かな音が重なり]
……………いいえ。
[聞こえないとの否定の言は、浮かんでしまった笑みが裏切っている]
―二階個室―
…ん…。
[掛布を引き上げ、寝返りを打つ]
ごめん。
[翠は硬く閉ざされた下。小さな呟きが毀れる]
こんなことしか、出来なくて……。
[頬を伝う筋。過去の鎖は夢の中]
おはよう、ゲルダ。
[厨房から出てきた予想通りの顔に挨拶を投げ]
ええ、ありがたく頂くことにします。
[言うなり、厨房へと向かう。
自分のと、少女の分。二人分をよそおうと]
[ウェンデルと名乗った男の人は、聞こえなかった、と言ったけれど。]
[顔がそれは嘘と明らかに告げてる。]
[恥ずかしさで俯いた顔が、耳まで熱い。赤くなってる。自分でも分かる。]
[そこに、おいしそうな匂いのする料理を載せたプレートを抱えて、女の人が入ってきた。]
あ、わ、わたしは、ベアトリーチェ、です。
あの、いただきます。
[わたしはさっきの失態を誤魔化そうと、すばやくその人に挨拶した。]
[ヨハナの答えに、視線を落として、つま先で床板を擦るように蹴る]
分からない…なら、探さなくちゃ。
[続いた問いかけには、顔を上げてひとつ瞬いた]
いるに決まっている。だって、はじまってしまったんだから。
………知らない?
あ、うゎ…ありがとう、ございます。
[ウェンデルさんにわたしの分まで用意されてしまった。]
[そんなにお腹へってそうに見えただろうか…。]
[見えただろうなぁ。]
[顔がまた真っ赤に。心の中でじたばた。]
[奥まった一室。鍵がかけられている様子はなく。
集会場、という事を考えたなら、会議室の類でもあるのだろう、と思いながら扉を開いて中に踏み込み]
…………掃除くらいは定期的にしろ。
[思わずこんな言葉が口をついたのは、家事担当の長さ故か。
埃の薄く積もった部屋は、雑多なものの一時置き場か何からしい。
特に、興味を引くものはないか、と思いながら見回し]
……ピアノ……?
[それに、気づいた]
―昨夜―
[ゲルダとマテウス、そしてウェンデルの会話を聞いていると、耳に届く声に懐かしさと、いくばくかの安心をを覚える。
コップの中身を飲み終えるまで耳を傾け、食器を片付けてから、自分も部屋に戻った。
二階に上がり、空いている部屋を探してそこに荷物を下ろす。
窓には白い雪がまだちらついていて。
この分だと積もるなと思いながら、荷を開く。
1番上には古い木箱。それにそっと手を置いた。]
…大丈夫。
すぐにきっと、よくなる。
[細い指を、つ、と箱に這わせ。
自分に言い聞かせるように呟いて、その日はすぐに、眠りに落ちた。
*浅い眠りではあったが。*]
いいえ。
私も食べるところでしたから。
[用意した食事を、ベアトリーチェへと差し出す。
普段通りの行い。気も抜けていた。ゆえに注意は薄く。
袖口から覗く左手の甲の朱の痕は、隠しそびれていた]
……分からないならば、探す。
確かに、その通りだねえ。
普通の人間では、人狼と人間の違いは分からない。
伝説には、そう描かれているのだから。
そう、普通の人間にはね。
[息を一つ吐き、言葉を連ねる]
エーファちゃん。
貴方は、伝説にある通りの、不思議な力を持っているのかい?
そう考えると、エーファちゃんが、「はじまった」と言っていることも、私には納得がいくから。
なんで、こんなものが置いてあるんだか……。
[呟きながらも惹かれるよに近づくのは。
遠い記憶のなせる業、か。
埃を払い、蓋を開いて、鍵盤を弾く。
澄んだ音が、一つ、響いた]
……暇つぶしの種にはなる、か。
貴女の方がベアトリーチェ。
もう一人知らない子が居たら、その子がエーファなのね。
[集まった人々の内、耳慣れない名前はたったの二つだから。
椅子に座って、少なめに盛った食事に手を付け始める]
[内心でひたすらわたわたしながら、ウェンデルさんの差し出した料理を受け取る。]
ありがとぅ...(後半は声にならない)
あれ?ウェンデルさん、怪我してるの?
[ふと、手の甲の朱に気がついて。]
[あれは…]
[子供は、老婆の顔をじっと見つめ、ゆっくりと首を横に振る]
探す力は、ない。
だから、あのこはいなくなった。
でも、またはじまった。
[視線が窓の外へと戻る]
………きっと、ここに来たから。
あ…はい、そうだと思います。あの、もう1人って、昨日乱暴につれてこられてた子、ですよね。
[ゲルダさんの確認に応える。]
[わたしもテーブルに着くと、]
いただきます。
(もぐもぐ)
わぁ…おいしい!
これゲルダさんが作ったの?すごくおいしい!うちのおばあちゃんにも負けてないよ!
[鎖は幾つも絡み合い、浮き上がっては沈んでゆく。
何度目か、それを振り払うよに右手を大きく投げ出した]
っつ。
[掛布が滑り落ち、冷えた空気が肌を撫でる。
翠に映る天井は見慣れた家のものではなく]
…ああ。
影響されすぎだろ。
[自嘲するように息を吐いて起き上がる。
ピシャリと顔を叩き、シャツと上着に手を伸ばした]
え、……ぁ。
[ありありと浮かぶ、しまった、という表情。
料理を渡した後だったのは、幸いな事]
…ええ、いつの間にか。寝ぼけているうちに、何かやってしまったんでしょうか、ね。
寝相は悪くないつもりなんですが。
後で、手当てをしておきます。
大工 イヴァンは、講師補佐 アーベル を能力(占う)の対象に選びました。
/*
朱の聖痕:ウェンデル
蒼の聖痕:???
エーファは探索役職じゃない、と。
聖痕か守護。
ライヒの人はどれも可能性あるからなぁw
ナタが微妙な位置なんだよなぁ。
箱はプロロから出てるから、弾かれた時のこと考えてると思うし。
さて、考えるのが面倒になって参りました(ぉぃ
[矢継ぎ早に述べ、]
乱暴……
ああ、昨日の子でしょうか。
[名は知らずとも、想起する対象はあった。
話題が移ったのを機とばかり、トレイを用意して]
食事を運んだ方が、いいかもしれませんね。
……そう。
探す力はない。
けれど、他に不思議な力は持っている。と、そういうことね。
[老婆が大きく息を吐いた]
もしかしたら、貴方は『象徴』もしくは、『指導者』―――はたまた、『守護するもの』なのかもしれない。
けれど、それは他の人に言ったら駄目よ。
それを言うことにより、エーファちゃんは『生贄』となるかもしれないのだから。
それはとても危険なこと。
だから、ずっと黙っていなさい。ね?
[老婆が最後に優しく笑った]
じっとしててもおさまらねえよな。そうだ、ゼルギウス。あいつなら。
[ふらふらっと起きあがり、一階広間へと移動。青白い顔で椅子に腰掛けてその場にいた誰に聞くともなくゼルギウスの所在を訪ねた]
[しばらく眩暈を抑えるようにじっとして居たが]
……流石に動くか。
薬飲もう…。
[そのままで居る訳にも行かず]
[身嗜みを整えると仕事道具を肩にかけ]
[そのまま厨房へと足を向ける]
─二階・自室→ 一階・厨房─
[ウェンデルとベアトリーチェの声に微かに首を傾けて]
怪我?
薬師様がいらっしゃるし、後で見せる?
[抑揚の乏しい声。
翠玉はベアトリーチェへと向いた。
語られたのは、自身の知らない昨日の出来事]
乱暴に…なの?本当に災難ね。
[褒め言葉に、こくり、と頷き]
普段から仕事でやっているから。
毎日やれば慣れるよ?
[子供は、老婆の言葉には頷かなかった。その優しい笑みを見ようともせず、じっと白い世界を見つめていた]
ヨハナは、人狼?
[そうして、老婆の言葉が途切れた後、やはり、世間話のような口調で尋ねる]
[手遊びの音色紡ぎは、やがて連なる一つの旋律へ。
足元に降りた猫があわせるように尾を振るのに、微か笑みつつ。
緩やかな音を生み出して行く]
……覚えてる、もんだな。
[零れ落ちたのは、そんな小さな呟き]
いや、平気だよ。
そんなに酷くもないから。
[ゲルダに答えると、厨房の奥へと引っ込み、料理を装った食器をトレイに並べていく。
内までは、音色は届かなかった]
[エーファのその率直な問いに、老婆はしばし目を丸くしていたが、やがて大きく、口に手を当てて笑い出した]
ほっほっほ……。
もしも、私が人狼ならば、このようなこと言いますものか。
そんなこと言い出す前に、貴方をペロリと食べてしまえばよいだけですよ。
それに、エーファちゃんの安否を気にする必要すらありませんから。
[言葉の最後にもう一度微笑み]
大丈夫。私は人狼じゃないですよ。
それでも、私が怖いようならば、他の人に退治してもらいましょうか?ふふ。
[そこまで言うと、ヨハナはよっこいせと立ち上がり、エーファへと手を差し伸べて言った]
それよりも、そろそろお腹空いてきたでしょう?
きっと、下のほうへ行けば、何か食べるものがあるでしょうから、そちらのほうへ移動しましょうか?
[窓を開き、テーブルに置いておいた箱を手に取る。
不快感の残滓を煙と共に外に吐き出す]
ん?
[風に乗って届く音の欠片。
次第に旋律になってゆくそれに耳を傾ける]
誰が弾いてんのかね。
随分と達者なものだ。
うん、なんだか、無理やり連れて来られてた。その…エーファちゃん。
慣れ…かぁ。うん、きっとすてきなお嫁さんになれるね、ゲルダは!
[そこへ、二階から男の人が降りて来た。]
あ、薬師さんなら、まだおやすみじゃないかなぁ。
わ、顔が真っ青ですよ、大丈夫?
─ 一階・厨房─
[ふらりと揺らめくような動きで厨房の扉を開け]
[物音に視線を向けると金の髪が目に入る]
…ウェン君?
何か作ってるのか?
[未だ肌を蒼白にした状態で声をかけた]
そうね。少なくてもスープなら温まるし。
落ち着くと思うから。
[部屋の場所を知らないゆえに、頼むよう頭を下げた]
ピアノの音?
誰が引いてるのかしらね。
[この場所で弾けそうな人間は酷く限られていたが。
馴染みのある声に振り向き、二度瞬く。
普段ならば見れぬ程、顔色が悪いようで]
ゼルギウスはまだ広間には来ていないと思う。
…大丈夫?
人狼じゃ、ない。
[子供は、その言葉を疑いはせず。ただ、僅かに落胆したように肩を落とした]
怖くは、ない。
[人狼ではないなら、という意味なのか、そうであってもという意味なのかは、やはり定かでない言い方で、その言葉を証明するかのように、窓の傍からヨハナの方へと歩み寄った]
おなかは、空いた。
[ベアトリーチェに心配されて力のない愛想笑いを浮かべる]
ああ、あんまり大丈夫じゃねえな。
すまないが、水を一杯持ってきてくれないか。ええと……
[イヴァンは未だ顔見知り以外の名前を知らない]
[イヴァンの姿もここからは見えず、ゼルギウスがやって来たのは広間側とは別の入り口からだったのは、不運と言うべきか]
え。
[叫びはしなかったものの、一瞬固まった]
……おはようございます、ゼルギウスさん。
作ったのは、私じゃなくてゲルダですよ。
それより大丈夫ですか、
[気を取り直して切り出した会話は、ベアトリーチェの大声に遮られた]
はい。
それじゃ、行きましょうか。
……足元に気をつけるんですよ。
なんといっても、昨日は寝たきりだったのですから。
[老婆は優しくエーファの手を引いて、階下へと降りていった]
―2階の部屋→1階 厨房―
おはようございます。
何か、いただけるものはございますか?
/*
イヴァン狼はありそう、と呟いてみる。
小道具とか多すぎてどの辺がどの辺なのか分からないよ先生!
何かありそうなのは、エーリ・イヴァン・ナタ辺り?
ライヒ・エーファ・ヨハナ・ウェンで7人。
狼2聖2信占霊守で8人だから…一人足りんw
[只事ではない様子に、訳のわからぬままにカップに水を汲み取り]
調子が優れないようでしたら、広間で座っていて下さい。
……とも言っていられないでしょうか。
[ゼルギウスに声をかけ、広間に赴く]
ウェンデルさーん!
[厨房に駆け込んだわたしは、そこに目指す薬師さんが、さっきの男の人(そういえば名前を知らない…)と同じ顔色でいるのを見つけて。]
あ、薬師さん!助けてくだ…さ…?
うわぁー…。
[どうすればいいか分からなくて固まった。]
[灰を落とすこと数度。右手の中身を潰すと窓を閉めて]
行くか。
[部屋を出て階段を下りる。
広間には複数の人の気配があった。
何となく避け、二階で聞いた音を追いかけた]
―二階→一階物置―
―広間―
[少なめの食事は、終わるのも早い。
食器を揃え、口許を拭う]
今はヨハナ様が傍にいらっしゃるとか。
それなら、これからは酷い事にはならないと思う。
[名前の呼び捨てを気にした様子は無いが。
すてきなお嫁さん。
子供らしい物言いに、無表情のまま、沈黙が暫し]
…料理だけじゃ、貰い手は多分出ない。
[駆け込んで来たベアトリーチェはすんでのところで避け、]
ああ、ええと。
ベアトリーチェさんはこちらをお願いします。
[端的に指示を出して、広間へ。
辿り着いた先には、イヴァンの姿があり]
……イヴァンさん?
二日酔いじゃあ、ありませんよね。
[つい確認したのは、恐らく幼い頃の恨みの所為]
ん、おはよ。
そっか、ゲルダちゃんか。
なら味の保証は確かだね。
[いつもの笑みを浮かべようとして、逆に弱々しいものが浮かんだ]
[未だ精神の安定が取れていないのだろう]
[ウェンデルに返しながら流しへと向かい、グラスに水を注ぐ]
[薬箱から安定剤を取り出すと、グラスの水で流し込んだ]
…っは…。
ん、何か言った…。
[遮られた言葉を聞き返そうとして]
[聞こえた「倒れそう」との言葉に声のする方に視線を向けた]
…どうも、仕事みたいだな。
俺のはその内戻るから、大丈夫。
[再びウェンデルへと視線を向け、浮かべた笑みはいつものものに少し戻っていた]
平気、今行くよ。
[固まってしまったベアトリーチェに苦笑を漏らし]
[すれ違いざまにその頭にぽんと軽く手を乗せて直ぐ離して]
[幾分しっかりとした足取りで広間へと歩を進めた]
[ヨハナの後について、ゆっくりと、自分の足で階段を降りる。見知らぬ顔ばかりの人々の前に立つと、頭も下げずに、子供は、じっとその一人一人の顔を見つめた]
え、ここをって、えー…
ゼルギウスさん、大丈夫です?が、頑張ってー
[わたしは、自分でも見当違いかなぁ、と思う努力を*続けた*。]
[イヴァンが言葉に詰まる様子を翠玉が眺めた]
あの子の名前、ベアトリーチェ。
私も詳しくは知らないけど。
[駆け出した少女の背を眼差しが追って]
あれを見るに、良い子。
─ 一階・物置─
[扉の向こうの気配には気づくことなく。
旋律に乗せるのは、虚ろな物思い。
それは、思わぬ形での『過去』との遭遇によるものか。
自身にも、推し量る事は叶わぬけれど]
……こうやって、呑気に過ごせる時間。
それを求めることも、許されんのかね、俺は……。
[旋律に紛れ。
零れ落ちたのは、小さな呟き]
─広間─
何だ、倒れそうってイヴァンなのか?
怪我以外で俺の世話になるってのも珍しいな。
何がどうなってる?
[イヴァンが座るソファーの前にしゃがみ込んで]
[症状を伝えるように促した]
うん?
[言葉の内容までは聞こえなかった。
ただもう聞きなれてしまった声と、続いた小さな猫の声に弾き手が誰であるのかに気付く]
へえ、弾けたんだ。
[旋律の流れを見計らって、軽くノック。
そのまま応えは待たずに扉を開けた]
[ヨハナに手を引かれ、厨房へと向かう途中で、もう一人見覚えのある薬師とすれ違う。自然にその姿を追って、その先に具合の悪そうな男の姿を見つけると首を傾げた]
[ゼルギウスに促されて、らしくもないのろのろとした口調で]
朝起きると頭がな。何かに締め付けられているように痛てぇんだ。
それに……歩くと少しふらつく。
[それだけ言い終わるのに、結構な時間がかかる]
イヴァンって、そもそも二日酔いになれるの?
[乏しい表情でぽつりと零す。
どうやらザルの印象があるらしい]
薬師様。
[酷く怠そうな様子に場をゼルギウスに譲り。
自身は皿を片付けに厨房へ]
貴女がエーファ?
[見知らぬ少女に抑揚に乏しい声を掛け]
……っ!
[軽いノックの音と、扉の開く気配。
はっとしたよに手を止めて、振り返る]
…………。
脅かすな、家主殿。
[そこに立つ、見慣れた姿に。
零れ落ちたのは、ため息まじりの短い言葉]
[イヴァンが症状を伝え切るまでじっと待ち]
…頭痛と足がふらつく、と。
二日酔いに似てるけど、酒飲んで無いみたいだしな。
足のふらつきは頭痛からも来てる可能性があるか。
締め付けるような痛み……こっちのが良いかな。
[数ある薬の中から症状に見合う薬を取り出し]
[粉薬であるそれをイヴァンに差し出す]
ひとまず症状緩和の薬飲んで。
効かないようなら調合考えてみる。
[途中、エーファが自身の手から離れていくのに気づいて、思わず目で追った]
……エーファちゃん?
[その先には、顔色の悪いイヴァン、それからゼルギウスの姿]
……優しい子じゃあないか。
あの二人は他の人も見てるし大丈夫でしょうかねえ。
男の子は少しぐらいほおっておいても、勝手になんとかするしね。
さて、それじゃ、食事でもよそおっておきましょうか。
[言って、ヨハナが勝手知ったる自分の家という具合に、容器などを勝手に用意して、自分の分と、エーファの分を二人分盛り、広間へと戻っていった]
エーファちゃん。
ここにおいて置くから、冷めないうちに食べるのですよ?
[と、言いながら、*スープを飲み始めた*]
[厨房へ向かうゲルダを見送り、自身はその場に残る。
おろおろとゼルギウスの後をついて来たベアトリーチェには、苦笑を零れかける]
少し、様子を見ていましょう。
素人が手を出せることでもありませんから。
[それを抑え、声をかけた]
一応ノックはしたけど。
[そのまま入れば意味はない。
どこか精彩を欠く相手に、唇の端を上げてみせる]
他に誰も居ないなら丁度いい。
…お前は何を知っているんだ?
[後ろ手に閉めた扉に寄りかかり、翠は静かに見下ろす]
ああ、すまん、な……
[ゼルギウスの薬を受けとるとカップを持って厨房へ。水をくみ直して薬を飲むと、再び広間へ戻ってさっき腰掛けていた椅子にまた座り直す。もちろんゼルギウスの顔色が自分に負けぬほど悪いことなど、気付かぬまま]
そのまま即開けたら、意味がなかろうが。
[一応、という物言いには切り換えし。
ついで、投げられた問いに、暗い翠が微かに細められる]
……何を。
何を知っている、と返せば、都合がいい?
[問いには答えず。
返すのは、奇妙な問い]
ゲルダ。
[端的に名前だけを告げる。
否定が無いことを、肯定と受け入れて。
少し考えた後、口を開いた]
貴女と同じ、お伽話の人狼の容疑者になっていて。
仕事は料理を作ること。
[喋りつつ、食器を洗い。ヨハナが少女を招くのを耳に入れる]
………やさしい?
[ヨハナの言葉に、まるで初めて聞いた言葉だという様子で眉を寄せる。やがて老婆が皿を置くのを見ると、小さく頷いた]
………ありがとう。
[薬を飲みに行く様子を見やって]
[薬箱の蓋を閉め立ち上がる]
[少しだけくらりと視界が揺れたが、薬のお陰か傍から気付かれるほどふらつくことは無く]
[持ち直した頃にイヴァンが戻って来て椅子に座るのを見た]
効果が出るまでには少し時間がかかるから。
しばらくは楽にしてると良いよ。
どうしても頭痛が治まらないようならまた声かけて。
[そうイヴァンに告げると空いているソファーへと座った]
[ふぅ、と大きく息を吐いて背凭れに体重をかけた]
………ゲルダ。
[聞かされた名を、確かめるように繰り返す。その声はまだ僅かに掠れていて小さい]
人狼は、おとぎばなしじゃ、ない。
……体調不良者続出ですね。
[診察が終わったのを見やり、息を吐く。
ふらつきは気づかずとも、先程の様子を見れば、ゼルギウスとて具合が良くないのは分かる。
もっとも、自分も他者の事は言えないが。
癖のある髪を、くしゃりとかきあげた]
食事は、食べられそうですか?
『教会の口伝』
[単語一つで答える。
ギュンターとの会話の中、引っかかった一節]
俺達が知っているような、御伽噺ではなく。
知識として伝えられてきた伝承があるんだろう。
或いは。
[僅かに視線を逸らせる]
…伝承ですらないのかもな。
体調不良と言うか。
俺の場合は精神的な部分だけど。
飯どうするかなぁ…。
今なら食える、かも。
[少し曖昧にウェンデルへと返した]
[薬が効いて顔色も徐々に戻って来ている]
[元々白いためにその変化は微々たるものかもしれないが]
[濡れた手を拭い、エーファを広間のヨハナのもとへ促す。
具合の悪い人々とは少し距離のあるテーブルの位置]
お伽話でないなら、何?
私はお伽話でない人狼なんて知らない。
[翠玉は表情も乏しくエーファを見つめる]
貴女は、本物の人狼にでも遭ったことがあるの?
/*
泡沫シリーズは、体調不良者が出やすいよなぁ……。
……あ、はい。
俺が元祖ですね、すいません。
つか、みんな、無闇やたらと痛がる必要はないんだぞーっ!
…………白雪の時もこれ、叫んだ気がするな(汗。
………っつ!
[熱いスープを冷まさずに口に入れ、小さく声をあげて顔をしかめる。ガラス玉のような茶色の瞳に、うっすらと涙が滲んだ]
[告げられた、端的な言葉。
軽く、目が伏せられる。
話すか否かの逡巡は短かった。
全てが動き出しているのは、自身の異常から察しがついている。
ならば、と]
……確かに。
教会には、口伝という形で、伝えられているものがある。
人を喰らうものと、それに、立ち向かうものの事が。
……『伝承』、などではなく。
過去にもあった、『事実』として、な。
[調子が悪いはずの薬師さんは、それでもてきぱきと男の人(イヴァンという名前が聞こえた)を介抱してしまった。]
[わたしはウェンデルさんにいわれるまま、何もできずにおろおろしているだけだった。]
はぁー…
[それでもなんとか一段落ついたようだ。わたしも、何もしてないけど、一安心。]
病は気から、と言います。
慣れない環境も影響しているんでしょう。
ひとまず、用意しますね。二人分。
[ゼルギウスに声を返す。自分と彼の分、ということ。
目を瞑るイヴァンを視界の端に写し、寝相はどうだったかなどと、聊か暢気なことを考えながら厨房へと向かった]
/*
飴 食い で すんま せん ○| ̄|_
やっぱりペースが3000のままなんだろうか…。
向こうと往復してるとどうにも感覚が。
[ぱたぱた、と厨房に駆け出す。]
[わたしにも、せめてこれくらい。]
[スープを、飲みやすいようカップに一杯注いで、薬師さんに差し出した。]
あの、どうぞ、ゼルギウスさん…。
…大丈夫?
[抑揚の乏しい声。
それでも厨房に向かう足取りは早く、水を汲んで戻ってくる]
舌、冷やして。
それと、熱いから。食べる前に冷まして。
[とん、とテーブルにカップを置いて]
[たぶん、と付いた言葉を復唱]
あっている。
[動きは止まり、乏しい表情ながら、何かを考え込む様子]
…嘘や冗談でないなら。
何かの勘違いの可能性は?
[子供の言うことと切り捨てても良いのだが]
過去にあった事実、ね。
教会はその対処法も知っているというわけか。
で、お前もそれを知っている、と。
[軽く腕を組んだ姿勢で、伏せられた翠を見る]
そこから導き出されるのが。
見つけ出して、殺せということになるのか?
[昨夜は口に出さなかった部分。
冷静に、淡々と尋ねる]
[人狼はお伽噺では無い]
[そう口にした少女は少し離れた場所で食事を続けている]
[その合間にゲルダと話しているようだが、意識はそちらではなく傍に居る人物へと向き]
そう、かもしれないな。
ありがとうウェン君。
[食事を用意すると言う青年に礼を言って]
[気を落ち着けるように深呼吸をしていると、目の前にカップが差し出された]
…ああ、ありがとうベアタ。
良い匂いだ。
[ベアトリーチェに感謝の微笑みを向けてカップを受け取った]
[何度か息を吹きかけてスープを冷まし]
[カップに口を付けて口に含んだ]
[暖かいスープが喉を通り、その温もりが全身へ広がるよな感覚を覚える]
…あったかいものはホッとするね。
ベアタはもう食べたのかい?
[いつもの微笑みが浮かぶ]
[スープのお陰か顔色は僅か朱を示した]
そう。
こうやって……。
[ヨハナは、スープをよそったスプーンを口元へ持っていき、口をすぼめて、二度三度息を吹きかける]
フー。
フー。
[そして、口へと運ぶ]
人の体って不思議なものでねえ。
こうすると、冷たい息が出るようになるのよ。
だから、あったかいものも、冷まして食べることが出来るようになるの。
………
[ヨハナの真似をして、スプーンに掬ったスープに、フー、と息をふきかける。加減が出来ずにスープの半分程が器に溢れてしまったが、さます事は出来たようで、再び口に運ぶと、今度はこくりと飲み干した]
ああ。
[肯定の言葉は短く]
教えられていたし……実際に、対処した事も、ある。
[告げる声は、静か]
『神の威光に逆らいし闇の住人、我らが威信に掛けて打ち滅ぼさん』
……これは、下らん口伝の受け売りだが。
死にたくなければ、殺さなくてはならんのもまた……事実だ。
ええ、わたしはもう…。
あの、精神的なものって聞いたんですけど、大丈夫ですか?
あの!
わたし心配事があっても、おいしいものを食べてると元気になるんです。
だから、薬師さんもたくさん食べて、元気になって下さい!
/中/
傍目には仲の良い老人と孫に見えるが、実質その中身は対立すべき間柄という燃える展開。
とどめさしてくれると嬉しいなあ。
…遭ったのに生きている。
食べられなくて良かったねと言うべきかな。
[二人の会話は口数が互いに少ない分、淡々と]
ヨハナ様は、人狼はお伽話か否か。
どう思われますか?
[年長者の意見が聞いてみたいと、身体の向きを変える]
…そうか。
で、探す手段もあるんだろ?
[静かな声に返すのも、感情の揺れない声]
流石に手当たり次第、ってわけにもいかんだろうし。
そういうことならここに集められた時点で全員アウトだ。
そもそもお前がここに居ないことになるしな。
[あれ、わたし何言ってるんだろ。なんだかすごく馬鹿っぽいこと言っちゃった気がする。]
[赤くなって、わたわた。]
そう。その調子。
[老婆が嬉しそうに微笑む]
今度はもうちょっと息の力を抑えてやるとうまくいきますよ。
[傍から見ると、それはただの仲の良い老人と、孫の間柄に見えたことだろう]
[ベアトリーチェを見送ってから厨房に入り、食事をよそい直す。
念の為、ゼルギウスの分のザワークラフトと川魚のソテーも用意して。
広間に戻ると、「食べられるようでしたら」と言い添えてテーブルに置き、御伽噺を否定する少女からは、やや離れた――ソファ近くの席についた]
……神よ、貴方の恵みに感謝します。
命の糧となる彼らに、用意して下さった方々に、そして頂く我らに祝福を。
[眼を閉じ手を組んで、小さく呟く、祈りの言葉。
己が左手の朱の痕は、とうに意識から外れていた]
[食べたと言うベアトリーチェには、そっか、と呟き]
ああ……ちょっと、不安定になっただけ。
安定剤も飲んだから今は落ち着いてるよ。
[大丈夫、とまたいつもの笑みを浮かべて]
そうだね、美味しいものは元気をくれる。
食べて元気になるよ。
[自分を励ましてくれる様子に嬉しく思う]
[同時に既視感を覚えたのは封じられた記憶が原因だろうか]
[少女に似た子を知っているような気がした]
[ゲルダに問いかけられると、ヨハナが困ったように眉を寄せた]
いない。とは言い切れないだろうねえ。
御伽噺とは言えど、雲か霞かというほど、全く根拠のないところからは、出てこないだろうから。
けれど、そんな存在が身近にいるかどうか、というのは、また違う話。
私には、ちょっと分からないねえ。
もしいたとしても、この枯れ果てた身一つで満足してくれるといいんだけど。
[そう言って、手をほほに当てた]
[薄く目を開ける。
幾つもの声が重なって聞こえる。
和やかな、祖母と孫のような、兄と妹のような様子。
その一方で語られる、“御伽噺”上の生き物の話。
異様だ、と思った。]
……術は、ある。
生ける者を見極める力と。
……死せる者を、見定める、力と。
[二つ目を告げる際に、声は、微かに揺れて]
生ける者から見出す力を持つ者が正しく引き当てられたなら、余計な血を流さずに済むが……。
現実は、そう、甘くは……ない……。
[掠れがちの声。
無意識か、胸元に伸びた手が、服の上から何かを掴む。
陰る翠に、やり取りに不安げにしていた猫がなぁう、と鳴いた]
……幾人。
人の死を視た、あの時は。
……自ら、多くを手に掛けて……。
それが、己が使命だなどと、酔いしれて……。
[過ぎるのは苛立ち。
何も知らなかった少年の頃の自分への]
[慌てていた所を、薬師さんに頭をぽん、とされる。]
[顔は赤いまま、わたしはしゅーと力が抜けてしまって、なでられるまま。]
[料理を運んで来てくれたウェンデルには再度礼を言い]
[ソファーを立ち上がり料理の並べられた席へと着く]
[ベアトリーチェが用意してくれたカップもテーブルへと置いた]
[ウェンデルを見やると食事の前の祈りを捧げていて]
[彼らしいと表情が綻ぶ]
…あれ。
ウェン君、その手は…?
[目に入った朱]
[怪我ではなさそうではあるのだが]
[大丈夫なのかと声をかける]
[ヨハナに褒められても、子供の表情は変わらず。しかし、次には少し慎重にスープを冷まして、口に運ぶ。合間、ゲルダの言葉に、ふと手を止めた]
………食べられた………
[それは、本当に、囁くような声]
/*
霊能者:ライヒアルト
んー、村側役職は出来るだけ早めに出て来ると予想しているのだが。
動きから見ると派手めに動いてるのは村側だろうなぁ。
後でもっかい整理しよう。
……少なくとも。
教会においては、事実として語られていました。
神の領域を犯す、悪しき存在。
[ほんの少しだけ、口を挟む。
自ら学んだ教えながら、昨日とも異なり、明言を避けた台詞]
滅ぼすべきものと。
[積み重ねられたキャベツの葉に、フォークを突き立てる]
エーファは、温かい食べ物、食べたこと無い?
[幼子に教えるようなヨハナの言にひとりごちる。
エーファに向ける翠玉は、変わったものを見る様子]
お伽話にも、それなりの理由がですか。
…ありがとうございます。
[釈然とはしない様子で席を立つ。
微かな、微かな、ともすれば聞き落としそうな呟きを拾い、動きを止める]
…え?
――…え。
[ゼルギウスの指摘に、小さくあがる声]
あ、いえ、……大丈夫です。
痛みはありませんから。
ですが、やはり見えると気になりますよね。
もし包帯などありましたら、頂いてもよろしいでしょうか。
[食事の手を止め、袖を引きつつ言う]
[なんだかウェンデルさんが怖い…]
人狼って人を殺す化け物、なんでしょ?
エーファちゃんはいるって言うけど…わたし、信じられない。
エーファちゃん、何でいるって思うの?逢ったことあるの?
あまり役に立てなくてゴメンなさいね。
[老婆はゲルダにそう返すと、エーファが、スープを先ほどよりもうまく口に運ぶを様子を見て、にこにことしたまま自分のスープを飲み続ける。
それは、エーファが言った衝撃の発言が出ても、なんら変わることがなく、ただ黙々とスープを飲み続ける]
生ける者を見極め。
死せる者を見定める。
[唇に指で触れ、その言葉を繰り返す。
続いた掠れがちの声に眉を寄せ、ハッと組んでいた腕を解いた]
お前、まさか――。
…それで、黙っていたのか?
あ!
わたし、ベアトリーチェ!ベアトリーチェ エアハルト。
よろしくね。
「ベアトリーチェおねえちゃん」って呼んで。
[「おねえちゃん」、というところにちょっと力を入れて、わたしは薄い胸を張る。えへん。]
[周囲の会話は聞くままに]
[今のところ口を出す気配は無い]
[為される会話についての知識は全くないのだから]
傷、ってわけではなさそうだしね。
痣に近いような。
ああ、包帯ならいくらでも。
食べ終わってからでも良いかい?
[仕事道具はソファーの傍]
[料理を口に運びつつ逆に訊ねかけた]
/*
実は離席してました&メモ貼り直し忘れ失礼。
で、役職を見えやすくしようかと動いてみたのですが。
広間もかなり動いてるなぁ。戻れるようにしないとダメかな?
―広間―
良い匂いだな。まだ残ってるか?
[どれくらいかして、二階から広間へと降りてきた。
改めて広間に居る面々をゆるく見ながら、湛える表情は何時もと変わらぬ様。
丁度ウェンデルの声が耳に届き、表情は一瞬、翳るより暗いものとなるが。
緩く首を振り、中へと進む。]
[子供が再び手を止めたのは、ベアトリーチェの自己紹介が済んだ後だった]
ベアトリーチェ、おねえ、ちゃん。
[無表情なまま、言われた通りに、そう繰り返す]
[ヨハナはベアトリーチェが近づいてきたことに気づくと、その顔に笑みを浮かべた]
おや。
ベアトリーチェお嬢ちゃんかい。
お加減のほうはどうだい?
ええ。痣、だと。
[何を示すか、内では悟りながら。口には出せず。
エーファ自身の声は聞こえずとも、繰り返したベアトリーチェの台詞は聞こえる。手は完全に止まり、唇は引き結ばれる。
ナターリエが入ってきた事にも気づかず、手を押さえた]
[広間の入口から聞こえた声に視線を向け]
やぁナタ。
多分まだあるんじゃないかな。
俺は確認してないけど。
[一瞬見せた翳りは首が振られたことで隠され気付かなかったか]
…御伽話だ。
いるわけ、ない。
[小声][自らに言い聞かせるように]
[顔を上げ]
どうも。
皆さんお食事ですか。
[墓守に遅れ][広間へ踏み入る]
[問いには答えず。
再びピアノに向き直り、鍵盤に指を落として音色を紡ぐ]
……人ならざる者の死。
それのみを視るだけで、すんでいたなら。
俺は、今、ここにはいない、だろうな。
[旋律に紛れるのは、呟くよな声]
……教会から離反する事も、恐らく、なかった。
[人狼は居て、滅ぼすべき存在。
そんなウェンデルの言葉を耳にして頭を振る]
きっと、だからこそあたしは認めたくないのね。
[翠玉はヨハナに向けられる]
先入観が、あたしにあるせいでヨハナ様が悪いわけでは。
どちらかと言えば、先程のような枯れた身と言う冗談の方が私には辛いです。
[さっきのことはよくわからない。ので、とりあえず置いておくことにして。]
そう、そうよ、「おねえちゃん」だよー!かわいー!!
[わしゃわしゃー、とエーファの頭を両手で撫でながら、その頬にわたしの頬を寄せてすりすり。]
大工 イヴァンは、指物師 エーリッヒ を能力(占う)の対象に選びました。
ナターリエに、アーベルさん。
食事なら厨房に。
…たくさん作ったので、どうぞ。
[それだけ告げると、すれ違いに広間から抜け出す]
[存分にエーファちゃんを愛でていると、ヨハナおばあさまに声を掛けられた。]
ヨハナおばあさま、ええ、この村にきてから、わたしとっても体調がいいの!
[神の。
教会の言葉が、
間違っているなどとは思わない。
けれど。
口伝が真実であれば。
人狼が、現実に、存在するのであれば。]
[聞こえた声に軽く眉を潜めるが、良く内容は分からないので黙したまま。
ゼルギウスに声をかけられ、軽く片手を上げて返しながら。]
ありがとう。なら取ってくるか。
[そしてほぼ同じに入ってきたアーベルを振り返り。]
ああ、今晩は先生殿。
食事、取るならついでに一緒に取ってくるが?
[そう尋ねた。]
[知識のないものにはそれは何なのか判じる術は無い]
[ウェンデルの異変には気付けど、それが何なのかは分からない]
[先に巻くべきかと食べかけの料理をそのままに]
[席を立ちソファーの傍に置いてあった薬箱から包帯を取り出した]
や、アーベル君。
人間どんな場合でも腹は減るようでね。
ゲルダちゃんの手料理の相伴に与っていたところさ。
[ナターリエの後に入って来たアーベルにも挨拶し]
[包帯を手にウェンデルの下へと]
気になるなら先に巻いちまおうか。
ゲルダ?
[広間から抜け出すゲルダの様子に、やや訝しげなかおを向けるものの。
おそらく食べ終わって部屋にでも戻るのだろうと思い、そのまま背を見送った。]
……ああ。
ナターリエさんに、…アーベル先生。
[自身が教えをこうた事はない教師。
僅かな驚きを孕みつつその姿を見、頭を下げる]
ほっほっほ。
ゲルダちゃんが、そう思うように、私も皆がいなくなるのが辛いのですよ。
同じ辛い同士ならば、年老いた身から先に、というのが自然というもの。
[そう笑いながらゲルダに告げて、広間から抜け出すのを見送り、ベアトリーチェから言葉が返ってくると、嬉しそうに目を細める]
そうかい、そうかい。
良かったねえ。
その調子で、病気も治ってしまえば良いねえ。
[と、ベアトリーチェの頭を優しく撫でた]
それは有難い。
丁度空腹だったので。
[すれ違う調理師][薬師の声]
[笑みを作る]
ああ、よろしければ。
[墓守の申し出][頷く]
[エーファちゃんが怯えている。わたしはなんとなくそんな気がして、それがたまらなくつらくて]
[エーファちゃんの頭を抱きしめながら]
大丈夫!お化けが出たら、おねえちゃんが絶対やっつけてあげる!
[人狼なんて信じていなかったけど。]
……ゲルダ。
[反応の遅さに、自身に余裕がないと思い知らされる。
ぽつりと届いた声の意味を、理解することは出来ない]
ああ、すみません。
お願い、出来ますか。
[ゼルギウスの申し出に、躊躇いつつも頷いた]
すみません、お食事の邪魔をして。
/*
朱の聖痕:ウェンデル
蒼の聖痕:エーファ?
占い師:???
霊能者:ライヒアルト
守護者:???
狼:???-???
狂信者:ヨハナ?
何かありそう:イヴァン・ナターリエ・エーリッヒ・ベアトリーチェ
ベアタが狼か守護者辺りかなぁ。
あとイヴァン狼はありそう(また言った
……そう、か。
[流れる旋律。右手を持ち上げ、見る。
優しい人に触れることは躊躇われる方の、手]
そんなに多いことなのかよ。
御伽噺じゃなかったのかよ。
教会は知ってて放置してるのかよ。
[だがその手が必要になるのなら]
お前にはまた辛い思いさせるのかもな。
それでも俺は…。
俺はもう。
見ない振りを続けて後悔するようなことはしたくない。
同じ後悔するなら、最善と思うことをしてからにしたい。
「おねえちゃん」に、まっかせなさい!
[わたしはまた、胸を張って答えた。]
[でも、ほんとうに、やっつけられる?]
[大丈夫、人狼なんているわけない。]
[いえ、違う…]
[声を掛けられ][眼を遣って]
…確か、ウェンデル君、だったか。
夏以来だね。
[名前は聞いていたから][然程驚きはなく]
[代わりに苦笑を]
構わないさ。
包帯巻くのは直ぐ終わるし。
それに少し冷めてくれた方が俺は食べやすい。
[猫舌だから、とウェンデルに笑いかけて]
[ウェンデルの左手を取ると、手慣れた様子で包帯を巻いた]
[きつすぎず緩すぎず]
[丁度良い強さで巻いて包帯を固定した]
これでよし、と。
[朝に目を覚まし、見慣れない天井、
今いる場所はどこか考えながら上体を起こして]
そうか…、そうだったな…。
[こぼした笑みは自嘲の意を含めて]
戻ってきたのは俺自身の意思で、
そういった意味では自業自得…か…?
[呟く自問は誰も聞くことなく部屋の静けさと冷気に消え]
外出は…、だめなんだったっけか?
[そのまま自室で筋トレをして時間をしばしの時間をすごした。
余分な考えを少しでも振り払えればと…。]
えらいねえ、ベアトリーチェお嬢ちゃんは。
良い子だよ。貴方は。
[そして、思いついたように手をポンと叩く]
そうだ。
貴方がエーファちゃんを守ってあげるのと同様に、私もベアトリーチェお嬢ちゃんを守ってあげますよ。
何か危ないことがあったら私を呼びなさいな。
すぐに駆けつけてあげますからね。
[老婆が微笑む。いつものように]
/*
ふむ、ゲルダも何かあり、か。
ナタとエーリが微妙なところだからなぁ。
この辺が村人の可能性はある。
考えるの面倒になって来たずぇー⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡≡≡≡≡
それが必要だと思えば、俺のことも確かめろよ?
ただし。
[数歩近寄って、黒髪に左手を伸ばす]
一人で抱え込まずにな。
何も言って貰えずに、最期だけ告白されるのも辛いんだよ。
下手な意地張ってないで、信頼できる相手、見つけろ。
[ウェンデルの声にも、ひらと手を小さく振って返した後、ふいに入ってきたヨハナの声に。]
…あまりそういうのは好きじゃない。
命に、優劣なんてつけたくは、な
[そう言いかけて――少し口を止めた。
額に手をあてやや間が空いたが、耳に届いたアーベルの声に軽く頷き返した時には、表情は元に戻っていた。]
…とにかく、何事も起こらなければ問題ない。
[そう言い、厨房へ行き盆にゲルダが作った料理を二人分、一通り乗せすぐ戻ってくる。
机の空いていた場所に置き、盆から降ろし並べて、余っていた椅子に腰掛けた。]
そう。
私が本当に守らなければいけないのは、ベアトリーチェ。それからマテウスの二人だけ。
それが、私の役割なのだから。
[左手の甲。
痣というには鮮やかな痕。
体内から溢れ出たばかりの血の如く。
朱が描くのは、茨を纏った花だった。
白に隠されていく色彩に、息を吐き出す]
ありがとうございます。
[少しだけゼルギウスの反応を窺う眼差しを向け、すぐ背けた]
……はい。
覚えて頂いていて、光栄です。
[アーベルに返す台詞は、努めて平静に]
出来れば、ここ以外の場で再会したかったものですが。
[それは、彼に対して以外も。
そう考えると、気は重くなりがちになる]
……何故、
[浮かびかけた疑念を、振り払う。問うても、意味はない]
中:
頭痛がする〜って書くと、お前能力者だろうと分かりやすいからちょっと誤魔化してみたり。
いや分かりやすい方がいいんだろうけど、みんなそればっかだとちょっと困るだろうしなぁー。
んでもこれも分かりやすいのかm
おばあさま、ありがとう!
でも、無理しないでね。もうお年なんだから。
[嬉しいような、照れくさいような。]
[わたしは、つい憎まれ口をきいてしまう。]
[知っていて、放置しているのか、という言葉。
軽く、唇を噛む。
教会の真意は、自身も知り及ぶ所ではなかった。
ただ、人狼という存在に対し、教会が何らかの干渉をしている、という事。
それだけは、以前の出来事の中で理解していたから。
だから、教会から離れる道を選んだ]
……別に、俺を気遣う必要もあるまい。
家主殿の道は、家主殿が決めれば良い事だ。
[返す言葉は、やや、抑揚なく。
感情を押さえ込もうしているのは一目瞭然。
それでも、髪に触れた感触と、向けられた言葉に、それは崩れて]
あ……あのなぁ。
確かに、俺の方が年下だが。
撫でられて喜ぶ年は、当に過ぎたぞ……。
ほっほっほ。
ベアトリーチェお嬢ちゃんも言うようになったねえ。
まるで、ナターリエちゃんや、ゲルダちゃんの昔を見ているようだよ。
ふふ。
きっと、貴方はあの二人に負けないぐらいの美人さんになるだろうねえ。
[笑みを絶やさぬまま、そう告げ]
だから、もし何かあったとしても、最後まで諦めるんじゃないですよ。
ばばとの―――約束。
[先程は少し離れていたからか気付かなかったが]
[近くでウェンデルの痣を見るとその色は不気味なほど鮮やかで]
[ある意味見慣れた色であることに気付く]
[これで居て彼は痛みは無いと言う]
[更に不思議だったのはその形]
[通常の痣でこれほどまでに形の整ったものはあるのだろうか]
[表情に訝しげなものが浮かんだ]
ん、汚れたりして取り変えたくなったらまた分けてあげるよ。
[視線をウェンデルの左手から彼の顔に向けると、視線はこちらに向いて居なかった]
[珍しいと思えど、何も気にしていない態をとる]
/中/
どこまであからさまに動くべきかなあ。
まあ、二人に迷惑はかけられないので、自分が狂信者であることをアピールする、ということをやればいいんだけどさ。
いまいち伝わってない可能性が高いので怖いな。
ゆっくりやっていくか。
職業柄、覚えるのは得意でね。
…と、有難うございます。
[神学生に話す途中][食事が運ばれ]
[礼を言い席へ]
まったくだ。
…言うに事欠いて、人狼だなんて。
[小さく頭を振り]
[視線の端][朱を捉えた]
/*
やっぱベアタ狼かなー。
そうだとすると縁故者が両方に分かれてて美味しいことにww
狂気に囚われる可能性はあるんだよねぇ。
トリガーが入れば壊れるわけで。
誰か上手くそこで利用してくんないかしらw
ま、その状況になるかがまだ分からんけども。
[歩みを進めた後、一つの扉が目に留まる。
それは、話し声が聞こえたため]
だれか居るの?
[ノックとともに、そう問い掛けた]
―→1階物置―
ふぅ…。
[しばらくして、汗をタオルで拭き]
さて、そろそろ降りるか。
[身支度を軽くすませると、
先ほどから賑やかな様子を感じる階下へと歩を進め広間へと入り]
よぉ、話は何か進展したか?
[広間にいる人物に軽く手をあげて挨拶をしながら中へと]
目の前で沈まれてるのを見て、楽しくなるよな性格はしてないぞ。
[抑揚ない言葉に、溜息一つ。
だが、すぐに崩れた態度に唇の端を上げた]
別に、年は関係ない。
弱って見える相手にはこれが一番らしいんでね。
[踵を返して扉の前、振り返る]
俺に出来ることなんてたかが知れてるけどな。
それでも、早く終わらせたいと思うよ。
邪魔したな。
[キィ、パタン]
お世辞は良いよ、ヨハナ婆。
[戻ってくると聞こえた声に、軽く首を竦めて。
アーベルにも席を勧めながら、まだ熱いスープに口をつけて、ゆっくり胃に流し込む。
アーベルの呟きには。]
そうだな…。
早い所、元の村に戻ってくれると有難いんだが。
[御伽噺と、言い聞かせ、そうあるようにと思っているが。
拭えぬ不安は確かに内に残っていた。
あの死体を見たからだろうか。]
はい。
……汚すような事態に、ならなければ、いいのですが。
[ウェンデルの顔に浮かぶ笑みは、苦い。
言葉に篭められた意味は、奥深くに沈んだ。
食卓へと向き直りシルバーを手に取るも、進みはしなかった]
ご迷惑はかけないようにします。
今は、誰も、大変な状態でしょうから。
よぉマテウス。
[広間に顔を覗かせたマテウスを振り返り片手を上げて]
進展、してんだかしてないんだか。
[これまで聞いていた話を思い返し]
[少し曖昧に返した]
[降りてきたマテウスに、食事の手を止めひらりと手を振り。]
私もさっき降りてきたところだ。
…進展といえば、ええと、そこの子が起きられるようになったと言った所か。
[そう言い、エーファの方へと視線を一度向けた。
そういえば、名はまだ覚えていない。]
全く、ですね。
[人狼。
その単語は、敢えて繰り返さない]
悪い冗談です。
……いえ、彼らも真剣なのでしょうけれど。
だからと言って、
ああ、駄目ですね、上手く言葉にならない。
[アーベルの眼差しの捉えたものは知らず。
巻かれた白の下、朱い花は眠っている]
[ナターリエの言を聞くと、大きく笑った]
ほっほっほ。
私はお世辞を言えるほど、器用な人間じゃありませんよ。
それは、貴方が人気あるというのを、貴方が知らないだけなのだから。
実際、私のところに、ナターリエちゃんや、ゲルダちゃんのことについて聞きに来た子が何人いたことやら……ふふ。
まあ、その様子を見ると、その後実行に移した人間はそういなそうだけれどねえ。
全く、意気地のない連中ばっかりだよ。ほっほっほ。
[ウェンデルが込めた言葉の意味]
[最初は一般生活でのことかと考えた]
[けれど思い出したのは先日ライヒアルトと会話した時に予測した事態]
……そうだな。
[それだけを紡ぐと席へと戻り]
[ウェンデルとは異なり冷めかけた料理へと手を付けた]
誰もが大変だからこそ、支え合うのも必要なんじゃないか?
一人で抱えて押しつぶされちゃ意味がない。
[食事を進めながら、ウェンデルにそう語った]
[意識は断片にとらえられていたらしく]
かわいらしいか。
食べるときはばれないように、ドジ踏まないようにしないとだな。
俺は…、少し衝動的にいきすぎたな。
ここまで大事になるとはな。
ああ、あまり全部一人でもっていくなよ。
俺もせっかくだ、この場を楽しむことにしたしな。
ゲルダたちを手にかけることになると…、
少し心苦しくはあるが…、
[苦痛を胸の奥底から感じはじめ]
いや、やらなきゃ……いけない、よな。
[最後の言葉を紡ぐときにはその声質はそのことを楽しむそぶりを感じるものになっていた]
わ。
[唐突に開いた扉に、思わず廊下の壁を背にするよう後退り。
微かに睫毛を揺らすだけの、驚きの表情]
なんだ、エーリッヒか。
え、と。ご飯出来てるから。いるなら食べて。
[とりあえず、必要に思えたから口を開く]
……誰が、沈んでいると。
[試みた反論に、説得力はなく]
大体、それは、どういう理屈だ……。
[撫でられた経験自体、少ない身にはそれは納得し難くもあり、零れたのはこんな呟き。
続けられた言葉への応えは浮かばず、目を伏した直後。
扉が開き、聞こえた声に、一つ、瞬いた]
[ゼルギウスの曖昧な返答には首をかしげ]
まぁ、はっきりいえるほどのことはおきてないってところか。
[そう結論づけて]
腹減った何か食べるものないか?
ゲルダの手料理とか。
おや、どうも。
[戸を振り返る]
[昨晩少し話した傭兵に][挨拶を]
何処から出て来た話なのだか。
まあ。
本当にそう考えているのなら、人選にも頷けますが。
[墓守][神学生]
[双方の言葉に][辺りを見渡し]
まさか、ねえ。
[エーファが舟をこぎ始めるのを見て、老婆が声をかけた]
あらあらまあまあ。
もう、おねむの時間かしらねえ。
それじゃあ、一人で部屋に戻れるかしら?
それとも―――。
[言って、辺りをきょろきょろと見渡し、一番元気のよさそうなマテウスの姿を見つけると]
―――そこのいかついおじさんの手を借りてみるかしら?
[と、冗談交じりにそう告げてみた]
そんな感じかな。
[料理を平らげながらマテウスに返し]
あるよ、ゲルダの手料理。
今食べてるのがそう。
…でも先にお仕事がありそうだね、おじさん。
[ヨハナの言葉に乗ってそんなことを言ってみた]
そうか?私はヨハナ婆は、何でも出来る人のように思っているんだが。
人気、ねぇ。
[いつも喪する服を着こみ、大半を一人で過ごす自分の容姿については無頓着で。
墓守として頼られる事は多々あるし、それを誇り…というよりは、生きる意味の一つにして過ごして来たが。
恋愛云々については、ついぞ疎遠になってしまっていた。
尤も、男に何かモーションかけられても、気づいてないというのもあるのだが。]
意気地か…まぁそうなんだろうな。墓守を嫁に貰おうとかいう気概のある奴は居ないんだろう。
結婚した所で、私はきっと、墓守をやめたりしないだろうから。
[そう呟いた後で、パンの欠片を口に入れた。]
まだお兄さんと呼んでほしいお年頃なんだけどな。
[ヨハナさんの冗談に笑って返しながら]
エーファは、大丈夫そうでなによりだ。
熱とか体調はもういいのか?
[ヨハナとエーファを交互に見やる]
[ナターリエとヨハナの会話におちゃらけた様子で口を挟む]
んじゃ助けてくれた恩返しに俺がもらってやろっか?
[口調はかなり冗談染みたもの]
[普段の調子がだいぶ戻って来たようだ]
っと!
ゲルダか。悪い、ぶつからなかった?
[咄嗟に力を入れても、開いた扉を止めきることは出来ず。
バツ悪そうに頬を掻いて尋ねた]
ああ、ありがとう。
いただいてくるよ。
[続けて浮かべた笑みは些か温度が低いもの。
虚勢を張っているのは、実のところこちらも同じで]
それじゃ。
[それでもできるだけ普段と同じように。
軽く手を挙げると廊下をすれ違っていった]
[はたり、瞬く。
先とは種を異にした、苦さを帯びた笑み。
己で気づくべきことに、気づかせられたから]
…ゼルギウスさんの、言う通りですね。
教えにもあるというのに。
人は独りで、生きているのではないのだと。
[重みの和らいだ息を吐いて、切り分けた食事を口に運ぶ。
やや押し込むような形にはなかったが、着々と進めた]
……ごちそうさまでした。
[やがて食べ終えた食器を片付けに、厨房へと向かう]
お前はぶっころす。
[笑いかけながら若干すごみとかゼルギウスに向けたりとか]
しかしゲルダの手料理を教えてくれた褒美に特別許してやろう。
感謝するがいいゼルギウス。
[エーファが断るのをみて]
まぁ、仕事はおよびじゃないようだ。
商売あがったりの傭兵に食事をめぐんでくれ。
[こっそり笑うナターリエを見てそっちの会話の内容はすぐに察することができ]
美人のお嬢さんによって配膳されるとより料理がおいしくなるかもしれないな。
なぁ、ナタリー。
[笑いかけながら]
その姿に俺がときめくかもだぞ。
[ウェンデルの表情に柔らかみが増す]
そうそ、人は皆持ちつ持たれつ。
そう、まるで俺とマテウスのように。
[おどけたような物言いをして笑う]
[ウェンデルが食べ終えても自分はまだ少し残っていて]
[先に片付ける様子を見やってから最後の一口を口へと運んだ]
[エーファの様子はごく普通だったので、少しだけ安心した]
そうかい?
でも、無理はしないようにするんだよ?
[と、告げると、ナターリエのほうを向き微笑んだ]
私は昔から不器用な人間ですよ。
ただ、人より少しだけ多く生きているから、知識が少しだけ多いだけ。
意気地に関しては……そうだねえ。
下手したら、此処に集められた人間が一番あるのかもねえ。
そういう方面にも得手そうな人間も多そうですし。
貴方こそ、そういうの意識した人間はいないのかしら?
そうか、元気になったのならなによりだ。
[エーファの頭をくしゃりと撫でて笑いかけて]
いい子だなエーファは、
昔のナタリーを思い出すようだ。
今は…おにいちゃん悲しい…。
[泣きまねをしてみせてから]
ナタリーご飯まだか?
[遠慮なくそんなこと言って階段の方へと歩いていくエーファを見送りながら]
おやすみ、エーファ。
何でだよー!
実際俺より年上だろっ!
ゲルダちゃんの料理で助けられるなら礼を言うべきはお前に対してじゃないな。
ゲルダちゃんにだ。
[ぷんすかと言う擬音が付きそうな雰囲気で言い放つ]
[マテウスがナターリエに向けた言葉には、また叩かれるんじゃないかなーとか思いながら眺める]
[自分のことは棚上げ]
ふむ。一年に一度しか帰ってこない夫…。
[それは夫婦として成り立つんだろうかと、至極真面目に考え込んで。]
そもそも…そうだ、夫婦って何をするんだ?
生活を助ける為に、とかなら、今のところ十分間に合っているし。
[色々と間違っているというか、単純なものが抜け落ちているというか。]
うん、何か意味が見出せるなら、貰われても良いかもな。
[ふ、とゼルギウスに笑んで返した。]
いいこ………
[ふと、足を止め振り向くと、不思議そうにマテウスを見て]
おやすみ、なさい。
[小さく、小さく呟いて、一人で二階の部屋へと消えていった**]
ほっほっほ。
私の目から見たみんなが子供のように見えるのと同様に、子供から見たお前がおじさんに見えるのはしょうがないだろうさ。
[そんなことを言いながら、続いた言葉にも笑みを絶やさぬまま答える]
ええ。
その後の経過は良いようで、今のところは問題無さそうですよ。
大丈夫。痛くない。
[ぶつかっても、そうは返さず。別の事実を]
うん。
食べて、たくさん。
元気が出るかは分からないけど。
[笑みに違和があるのは分かってしまったから、そんな言葉を付け足して。
頷きで見送り、物置に入る]
…けほ。
[空咳をしつつ、中を見回し、エーリッヒの会話相手だっただろう人影を見つける。
口から零れたのは唐突な内容]
エーリッヒ、無理してるみたいでした。
[無言でゴン、と一撃マテウスの背後をグーで叩いてから。]
いらん事ときめくな。
配膳くらいはしてやるが。
[自分でやれと言わないのは最後の良心か。]
量は多めで良いよな?
[そう言いながら、厨房へと向かった。]
[階段へ向かうエーファには「お休みー」と声をかけて]
何をすると聞かれても。
そもそもは好き合った相手と結婚して夫婦になるわけだし。
共に居られることが幸せとかそんな感じ?
[訊ねて来るナターリエにそう告げて]
それって遠回しで断ってないか。
[笑んで返す様子にこちらも笑んで返した]
……は?
[家主と入れ代わるように入ってきた、姿。
唐突な言葉に、思わず呆けた声が上がる]
家主殿……が?
[付き合いは短くはない、けれど。
領域に踏み込む事は避けていたから。
そんな様子には、気づけてはいなかった]
[包帯を濡らさないようと思うと、洗うのにも気を遣う。
やや手間取りながらも片付けを済ませて、しかし、すぐに広間に戻らずぼんやりとしていた。
置かれた、数々の食器。
料理をするための器具。
窓から入り込む光に反射するそれら一つ一つを、視界に収めた]
[その途中ヨハナの方を向いて。]
ヨハナ婆、私らが子供の時から変わりないからな。
…そういえば今幾つなんだ?
[と、ふと疑問に思ったことを口にし。]
意志が強い、という事か?
まぁ全員が全員、とは言いきれないだろうが。
…アリバイ以外にも、何か選別するに値する物でもあったんだろうか。
[とは少し考えるようにして言い。
最後の質問には、小さく笑って。]
…さて、どうだろうな。
初恋くらいはしたさ。こんな身でもな。
[そう軽く返し、今度こそ厨房へと。]
[歩きながら右手を握り締める。
ゲルダの顔をまっすぐに見ることが出来なかった]
やらなきゃ、やられる。
それは相手に、だけじゃなく。
[低く低く呟いた。
それくらいならと、思う心は確かにある。
そして同じように考え、実行したことも、あるが]
……は、俺も大概。
[虚勢を張っているのは変わりなく。覚悟が完全についたわけでもないことは、右手に入る力からも気付かざるを得ない]
それでも、だ。
[大きく首を振って、心を鎧う。
あの時に身に着けざるを得なかったもの。
それは今も有効なはずで]
それが、真実だとして。
滅ぼすなんて。
……どうやって。
[神のような力などない。
視る力は、己にはない。
人狼が人間に紛れているというのなら。
どうやって見つければ、
どうやって、]
そもそも俺がおじさんなら、エーファから見てゼルギウスも大して変わらないぞ。
二歳しか違わんからな。
[ゼルギウスに笑いかけながら]
それとも、ゼルギウスがまだ子供ってことか?
[その雰囲気にからかうようにそう告げてからゼルギウスの心配のとおり一撃をナターリエからくらい]
いたたた、悪い悪い。
それだけナターリエが美人で魅力的ってことで許してくれ。
[謝りながら、それでも配膳にはいってくれるナターリエに笑いかけて]
さんきゅー、おおめでたのむ。
[ゼルギウスの肩をぽんと叩き]
どんまい。
おや。
[広間に着く前、階段を上がる小さな後姿を見送って。
複数の気配が残る部屋へと入る]
失礼するよと。
あの子、落ち着いたの?
今、上にあがっていったみたいだけれど。
[挨拶ともない挨拶をしながら部屋を見回す。
ヨハナやゼルギウスに軽く首を傾げて問いを投げた]
さてさて。
80を過ぎた辺りから、あまり数える必要性が無くなったので覚えてないですねえ。
まあ、女性の年は秘密ということにしておくものです。
[と、残ったメンバーを見渡し、人差し指を口元に当てた]
― 集会所一階・厨房 ―
あ、と。
[人の入って来る気配に、顔を上げ振り返る]
ナターリエさん。
すみません、ここにいたら邪魔ですね。
俺見た目若いから。
[何の自慢か]
[暗にマテウスが老けてるとも言ってるかも]
さぁて、子供かも知れないね。
空白の時間を歳に換算しないのであれば、俺はまだ10歳だ。
[からかうような言葉には、肩を竦めて言葉を紡いだ]
[尤も記憶がないからと言って年齢まで退行はしていないのだが]
…で、何で肩叩かれてどんまいとか言われるかな。
あれは冗談で言ったっつーの。
―広間→厨房―
だったら、そもそも『恩返しで貰う嫁』は違うだろうに。
本気でないならあまり言うな。
薬師殿の見た目に騙されて、懸想する女が居るとも限らんぞ。
[ゼルギウスにそう笑み返した後、厨房に入ると、どこか心ここにあらずといったようなウェンデルの姿が目に入った]
…ウェンデル?
どうした、どこか具合でも。
[そう声をかけながら近づく。]
よ、エーリ君。
エーファのことか?
一人で動けるくらいには回復したらしい。
[マテウスからも視線を向けられ]
[曖昧ではあるがそう言葉を紡いだ]
俺より婆ちゃんに聞いた方が良いよ。
ずっとついてたの婆ちゃんだから。
[聞こえてきたエーリッヒの言葉に振り向いて、老婆は答える]
ええ。
今のところは落ち着いていますね。
ただ、具合が悪くても、口に出すような子じゃなさそうなので、時折様子を見に行く必要はあるようですけれども。
……本当はついていってあげたいんですけれども、あまり過保護にしすぎるのも良くないですからんねえ。
[気づき、逆に声をかけてきたウェンデルに首を振ると。]
別に問題ない。そう狭い場所じゃないからな。
…そういえば、さっきゼルギウスに治療してもらったようだったが。
[大丈夫か?と。]
だって冗談で言ったもーん。
[離れて行くナターリエの背中にはそれだけを返し]
最後のは褒め言葉と受け取って良いんかな。
[何故かマテウスに視線を向けて訊ねた]
そうそう、エーファちゃん。
とりあえずは良かったな。
俺もそれとなく気をつけておこう。
[薄い笑み。それでも浮かべることができた。
それぞれの言葉を聞き、ヨハナの所見には軽く頷いてみせ]
ちなみにヨハナ婆のそれ、俺が小さい頃からですよね。
もはや神秘の領域。
[軽口を叩けば、普段の温度も取り戻してゆくか]
はい。多分。
何を話していらっしゃったんですか。
[まるで禍事のように、静かに口にした単語は]
人狼、
[窺う翠玉の眼差し]
の話し。なんですか。やっぱり。
大丈夫です、この通り。
体調も、特に不安な点はありませんので。
皆様方に、心配をかけるようではいけませんね。
[笑みを返し、左手を軽く振ってみせる。
隠されていることで、気は多少楽になっていた]
ナターリエさんの方は、大丈夫ですか?
気にかかる点などは。
老けてて悪かったな。
[肩をすくめて]
過去も大事だが、今も大事だとおもうぜ。
過去がどうあれ今はその歳でこうしていなきゃいけないのは変わらないからな。
[笑いかけながら]
冗談で口説くとは、すみにおけないな、ゼルギウス君も。
[エーファに対するゼルギウスの返答を聞けば視線をヨハナへ話を聞き、
口に出すような子じゃないというのには同意しながら]
その辺は難しいところか、まぁ気を使ってなにかありそうなら、
すぐに対応は出来る程度に気を配ってだな。
直接あれこれせずともな。
っと、そうだ。
ゲルダに食事が作ってあると聞いてきたんだけど。
[厨房に先に行く、という思考はそもそも無い]
まだ残ってますかね?
そう、か……。
それで、人を気遣うとか。
どこまで。
[呆れたような呟きを漏らして。
投げかけられた問いに、一つ、息を吐いた]
……ああ。
[返す肯定は、短い]
ほっほっほ。
女性には、幾つもの男性には分からない秘密があるものです。
特に年齢なんてものは、異性には分からぬ大きな秘密の一つですよ。
化粧一つで、女性はいつでも若いままの姿を留めておけますからね。
さぁな、冗談かえしかもしれないぜ。
[ゼルギウスの視線にそう答え]
ああ、今俺の分ナタリーがとりにいってくれてるぜ。
[エーリッヒにそう答えた]
[マテウスが肩を竦める様子に、けけ、と短く笑う]
そりゃ分かってるけどね。
……最近たまに何か思い出しそうになるんだ。
結局、何も思い出せないんだけど。
今日だって──……。
[夢のことを思い出す]
[あれは確かに自分だった]
[けれど自分にはあの光景を見たことがない]
[記憶の断片]
[それが今垣間見えたのは何を意味するのだろう]
あんなの挨拶みたいなもんじゃない?
お得意様喜ばしたりするには丁度良いんだ。
[良くやってるみたいです]
気にかかる点、か…。
[ウェンデルに言われて暫し考え。]
うん…いや、特にこれといったところは。
ただ、あの自衛団に連れてこられた、灰青の髪をした子。
心配でもあるが…何か、どこか変じゃなかったろうか。
自衛団に手荒に扱われて、ショックでああなのか。
それとも…何か見聞きでもしたか。
[そう、やや声低く呟くように。]
エーリッヒは、良く気の付く人で。
しかも、気付いたら放っておけなかったりするから。
[その言葉からは堅い口調が抜けて。
表情は乏しいながら、柔らかな響き。
眼差しを伏せ、呟くのは]
あの。きっと、止めても無理をやめないと思うんです。
だから、傍に居て余裕が有ったら手を貸してあげてくれませんか。
お願いします。
[頭を下げると、髪が揺れる。
ふ、と短い答えに嘆息を吐き、思い付きを問い掛けた]
…ライヒアルトさんは、教会の方だったりするんですか?
[ナターリエの台詞に、先の事を思い返す]
…人狼は御伽噺ではないと、言っていました。
誰かが「食べられた」というようなことも。
[抑揚なく答える]
以前にも、遭遇したことがあるのかもしれませんね。
……村の子では、ないんですよね。
無理に思い出せないのならいいんじゃないか?
人っていうのは記憶するものであり忘却するものでもある。
思い出そうとしても思い出せないように、
心の奥底にしまわれてるってことは、それは過去に思い出さないようにしたからかもしれないしな
[少しまじめな調子で]
パンドラの箱は開けてから後悔しても遅いんだぜ。
もっとも気になったままでいられないのならどうにもならないがな。
[すぐに笑いかけて]
挨拶みたいなものね…、
この様子じゃそのうち女に後ろからさされたゼルギウスを見る羽目になるか、
いやそれよりそうならないように護衛頼まれたりするのか?
ヨハナ婆が言うと説得力あるなぁ。
[少しばかりしみじみとした声で答えて。
マテウスの言葉に厨房の方を向いた]
ありゃ、もう少し早く来れば一緒に頼めたか。
仕方ない、自分で取りに行くかな。
[厨房に向けて歩きながら]
なに、ゼルって悪い男?
じゃあヨハナ婆もベアトリーチェも気をつけないとね。
[マテウスとゼルギウスの真面目な会話には口を挟まず。
最後の部分にだけ、その場の女性達を示して茶々を入れた]
何人も何人も。
人狼は実在するかも、なんて。
信じてるみたいに真剣に話し出して。
[嘆息は呆れから来るのではなく。
いっそ怖れから]
やだな。
[人狼に自分が、誰かが殺されりのも。
人狼たる誰かを滅ぼすというのも。
遠い世界、お伽話の中の事だと信じたいのだった]
……まあ、お人よしなのは、わかっていたが。
得体の知れない俺の身元引受人、引き受けたくらいだしな。
[五年前の事を思い返しつつ、呟いて]
……俺には、人は、救えない。
余り……期待せんでくれ。
[頭を下げながらの言葉には、目を逸らしつつ、こう言うのが精一杯だった。
他者に踏み込むのも、踏み込まれるのも。
今の自身には、重いもの故に]
……元、な。
今は、違う。
[再び鍵盤に向き直り、旋律を紡ぎながら。
問いには端的な事実だけを返した]
ん……思い出したくないから忘れてるってのは、一応分かってんだ。
…けど、忘れてるのが大切な何かな気がして。
忘れてて良いのか、って言われてる気がして。
……まぁ、どのみち思い出せないから。
無理に思い出そうとはしない。
[真面目に返してくれるマテウスに頷きを返す]
[続く言葉には調子を戻して]
あのなー、いくら俺でも言う奴と言わない奴くらい弁えてるっつの。
言ってるのは俺がそう言う軽いことを言う奴だって理解してる奴らだけ。
中年のおばちゃん達には口説き文句が効果抜群なんだ。
けどまぁ、万一刺されるような事態になりそうだったら護衛頼むわ。
[良い笑顔になった]
婆ちゃん口説く勇者が居たら俺が見たい。
[エーリッヒの軽口に真顔で返した]
ベアタは……本気にしそうだから言わない。
と言うか、どっちかって言えば妹みたいな感じだし。
食べられ…。
それって、現場を見たという事…なんだろうな。
[語られる声に、軽く眉を潜め。]
私は見かけた事のない子だった。
…まぁ、住んでいる場所が場所だからな。
あまり村の近況に詳しくないせいもあるかもしれんが。
…私は、件の死体を見てきた。
あれは、人の仕業じゃない。
獣の仕業だと、これだけは、断言できる。
[そう、目を伏せゆるく息を吐いた。]
…ウェンデルは。どう、思っている?今回の件。
あー…。
[真顔での切り返しに、そうかも、と思ってしまった]
なるほど、サービストークも相手次第って?
まあそうだなぁ。
[妹みたい、というのにも同意を含む反応を返して。
厨房へと入っていった]
いいねぇ、もてる男は。
[エーリッヒの言葉に続いて]
ゲルダにも気をつけるようによく言わないとか?
[からかうように笑い]
ああ、万が一があったらそれなりの報酬でうけてやるよ。
ヨハナさん口説けたらゼルギウスのこと尊敬するわ。
婆ちゃんは口説くと言うより懐くだ。
[どんな力説]
そ、後でごたつくのは嫌だからね。
それでお得意様逃げられたりしたらたまったもんじゃない。
[それだけ返して、厨房へと向かうエーリッヒを見送った]
救わなくても。
…裏切らないだけでも、良いんです。
余裕のある範囲、無茶の無い範囲で。
[逸れた視線ごと、翠玉の眼差しが見つめる]
きっと貴方が倒れても、エーリッヒは悲しむから。
[淡々とした声。乗せる思いは分かりにくい]
…ウェンデルが、教会は人狼の存在を肯定していると言っていたから。
ライヒアルトさんも、そういう前提でエーリッヒに話したのかと思ったんです。
[流れる調べに瞼を伏せて、聴き入る]
…そりゃ言うまでも無く。
[マテウスにはそんな言葉を残して]
お邪魔するよ。
俺も食事欲しいんだけ…。
[声を掛けながら入った先、聞こえてきた言葉]
『獣の仕業だと、これだけは、断言できる』
…へえ。
[声を落とし。ウェンデルの反応を横目に見ながら奥へと進む]
良いだろう。
[無駄に誇らしげに言った]
ゲルダちゃんは……口説いたら食堂のオッサンにとっちめられそうだし。
他の若い衆にボコられそうだし。
そんなん割に合わん。
[この村でも冗談の利く相手にはちょこちょこやってるらしく]
[そのせいで逆に目をつけられてるとか]
いや、婆ちゃんは無理だって。
なん、でしょうね。
[正式なところはわからない。
だから、返す答えも、曖昧なものとなる]
見かけた事のない子が、今に。
奇妙なタイミングですよね。
よりによって、今の時期に訪れる者ばかりがいるときに、事件が。
……犯人は、狙っていたんでしょうか。
[犯人。呟く単語には、違和感]
ああ、ナターリエさんは、…ご覧になったんですか。
[左手を押さえる]
ただの獣の仕業だと。
そう断じられたのなら、良いのでしょうね。
けれど、……やはり。
人ならざるもの。人に仇なすもの。人を騙る、獣の――
人狼の仕業では、ないかと、…そう、考えています。
そして、そうであれば、争いは避けられぬとも。
[願いの言葉には、何も言わなかった。
否、言えなかった、というべきか]
……俺がどうなろうと、他者には関わりないだろうに。
まったく。
[代わりに、口をついたのはこんな悪態]
……確かに、教会は人狼の存在を認めている。
神に抗い、仇をなすものとして。
そして……俺自身、それを否定する要素を持ち合わせては、いない。
[エーリッヒには軽く手を上げて見送り]
ゲルダって結構人気者なのか。
[少し誇らしげな表情をして]
村にいられないようにはなるなよな…。
[少し心配する声は若干まじめそうだったとか]
うん、結構。
食堂の看板娘だしねー。
だから冗談でやったりしたら袋じゃ済まない。
そんなの割に合わない。
俺は俺の身が可愛い。
[両手で自分の身体を抱えるようにして]
[心配げに紡がれた言葉に身震いした]
―厨房―
どうなんだろうな。
仮に犯人が居たとした場合、犯人があの子をここに連れてきた可能性もあるのかもしれない。
[言いながら、左手を押さえ耐えるようなウェンデルに、微か頷いた。]
死を見、送り、安らぎを守る為の手助けをする。
それが私の仕事だからな。
[そして続いた言葉をじっと聞いた。
表情はやや硬く。
ウェンデルに気を張っていた為、背後の気配に気づくのは大分遅れる事になる。]
!っ、…エーリッヒ、か。
[急に現われたように見えたエーリッヒに、若干驚いた様子で。
だが聞かれた内容に嘘偽りもなく、また酷く隠したい、という内容では無かったため、視線は再びウェンデルに戻る。]
人狼の仕業の可能性は高くて。
そうなった場合、争いは避けられない…か。
[ウェンデルの決意めいた言葉にやや視線を落とし。
再び目を伏せ、視線をずらしたまま。]
人狼は御伽噺…。
私はそう思ってる。
いや、そう思いたい、というのもあるかもしれない。
それを疑うという事は、あの場に居る者を疑うという事になりかねんからな。
…疑いたくないよ。あそこには、知り合いが多すぎる。
それも、他より親しい者がな。
[そう吐く息と共に言葉を落とした。]
それは、教会の人間としての推測?
[視線を外し、奥でスープをよそいながらウェンデルに問う]
それとも確信があるのか。
[危なっかしい手つきは、話しているせいだけでもないのだが]
それによって動き方も変わってくるかな。
……ああ、エーリッヒさん。
お食事ですか。
そうだ。
ナターリエさんも、準備に来たんでしたね。
お引止めして、申し訳ありません。
[丁寧な口調は、他人行儀に響く。
やや早口に並べ立てた]
エーリッヒだから。
[名前を理由にすると言う、荒業。
明確な答えが無い事には気付いていたけれど、それ以上を告げることは無く。
調べを辿るよう、指先で拍を刻む]
だから、人狼は滅ぼさなきゃ、ですか?
でも。
その言い方だと、まるで否定したいみたいですね。
[横目で奏者の様子を眺めた]
[スープをよそうエーリッヒを見る。
何か忘れている気がする。
ウェンデルの言葉に、あ、と小さく声をあげ。]
…そういえば。
マテウスに配膳するって言ったんだっけか。
忘れていた。
[本人が聞いたら酷いとか言いそうな台詞を呟いて。
エーリッヒと同じように食事をよそった。
…よそいながら、ふとまだ何か忘れているような、何かが頭を掠めたり。
エーリッヒを見る。
何か、駄目な。]
……ええ。
私も、それには同意します。
ですが、人狼が居るならば、その存在を赦すことは。
[出来ない。それだけは、明確な意志。
しかしエーリッヒの問いには、彼から少しずれた位置に視線を移して]
教会の人間としての、………確信、でしょうか。
[答える言葉には、確信とは程遠い揺らめき]
動き方、とは。
ゲルダなかせたら、お兄ちゃんも黙っておりませんよ。
[笑いかけて]
本気ならそれで問題ないけどな。
[身震いする様子に]
こと食べ物と色恋沙汰は騒動になりやすいからな。
憎悪や騒動は人を恐ろしい化け物に変えることもある。
[肩をすくめながら]
そういった意味で今回の騒動、
こうして隔離されるだけにいたってるのはまだましなほうか?
俺が見てきた村にはつまらない騒動でつぶれた村なんかもあるしな。
そんなに驚かなくても。
ちゃんと声かけながら入ってきたよ。
[先ほどとは違ってわざとではなかったから。
ナターリエの反応には困ったように笑って]
…ん。
食べないとお腹減るからね。
[ウェンデルがどこか他人行儀なのはいつものこと。
ただ早口になったのに軽く振り返る。翠に映る、包帯の白]
……家主殿だから、ね。
[荒業に、掠めたのは苦笑]
教会の下らん口伝をそのまま引用するなら、そういう事だな。
[滅ぼさなきゃ、という言葉には一般論からの肯定を返す。
もっとも、それが現実であるという認識もまた、強くあるけれど]
否定、か。
……否定できるならば、全てを……。
[否定したい、と。
言いかけた言葉。
遮るように、走る、頭痛]
……っ!
[右手を鍵盤に突き、左手を額に当てる。
乱れた音が、室内を跳ねた]
まあね。
命が掛かっているんだから。
[ウェンデルの声を聞きながら、よそい終わったスープ皿を脇に]
でも、そこがやりにくいよな。
疑いにくい、疑いたくない相手ばかりが揃ってる。
[ナターリエの声を聞きながら、新しい皿に手を伸ばす]
確信だと、言い切りはしないんだ。
ああ、御伽噺だと言わなければ、やらなきゃいけないことはあるんだろう。
簡単にできることでも、な……あ。
[つるり。重力は常に地上にある]
うちらが手をくださずとも…、
そう人間は勝手にあらそって殺しあったりもする。
戦争にしかれ、小さな争いにしかれな。
俺にとっては人を殺す場になにも困らないのはありがたいことだが。
[心で呟く言葉、愉悦のこもった小さな心の中の呟き]
きゃー、お兄ちゃんこわーい。
[笑いながら物凄く棒読みで言った]
本気なら、ね。
うんうん、その二つは特にな。
…獣やら何やらよりも、恐ろしいのは人間なのかもなぁ。
[同意した後の呟きは、どこか確信めいたものを含む]
[真紅が宙を彷徨っている辺り、無意識に紡いだ言葉のようだ]
んー……マシなのかな。
段々ときな臭くなって来てる気もするけど。
まぁマテウス、人狼について、お前はどう思う?
[少し前まで為されていた会話の対象]
[それを持ち出し訊ねかける]
…言い切りたく、ないのかもしれません。
弱いんでしょう、
ちょ、え、あ
[咄嗟に手が出た。
しかしよく滑る食器は巧く手の内には収まってくれず]
許されざるもの。人と相容れぬ獣。
人を喰らうもの…。
[そんなはずはない、という思いが大半だが、そうであるかもしれない、という思いが全く無いわけではない。
複雑な顔のまま、給仕は進んでゆく。]
…子供の悪戯を戒める為の、大人が作り出した獣、だと思っていたのにな。
[ぽつりと呟きながら、エーリッヒとウェンデルの会話にも耳を傾ける。
二人の間にある微妙なズレには気づいているものの。そういえば、その理由などはよく分からない。
そもそもエーリッヒはウェンデルが2つの時に村を一度出たし。
大人になれば皆変わっていく、その一つのようにも見えなくはないが。]
悪い。ちょっと話し込んでいたからな。
[エーリッヒに軽く謝罪して。
腹が減る、にはその通りだなと返しながら。]
[重力に正確に従って、落ちていく皿を見て。]
……………そうだったな。
[エーリッヒに、皿を持たせてはいけないと。
大事な事が一つすっぽ抜けていた。]
…片付けるか。
エーリッヒ、箒と塵取。
[持ってきてくれ、むしろ持ってこい、とは黙したまま目で語り。]
[掠めるような苦笑に、こくり、と頷く。
教会に対する、何処かしら荒い物言いには、2度の瞬き]
本当に「元」なんですね。
[声音に感情は薄い。
ただ納得を伝えるだけのような。
突如、耳を塞ぎたくなるような不協和音]
…っ、ライヒアルトさん?
大丈夫、ですか。人…呼んだ方が?
[何処か尋常ならざる様子に問い掛ける]
…。
よそい終えた皿でなくて、よかったですね。
[あまり、フォローになっていない。
むしろそれは、中途半端に手を出した自分にとっての救い。スープ入りだったのならば、目も当てられなかった]
………そんなによく、落とすんですか。
[しゃがみ込んだまま、エーリッヒを見上げる]
[甲高い音を聞くのは、ここに来てはや三度目]
……やっちまったい。
ああ、ごめん。俺が自分で片付けるから。
そういや家に補充分取りに行くことも出来ないんだよな。
[助けてくれようとしたウェンデルには小さく謝って。
現実逃避のよにぶつくさと言いながら]
ハイ、ワカリマシタ。
[ナターリエの目に、少しばかり怯みつつ。
掃除道具を探しに厨房を出た]
[ゼルギウスの棒読みに軽く笑いかけ]
それでもまだ、問答無用で容疑者全部殺せって殺しにかかってないだけ、まだましなのかもなってな。
[人狼のことを聞かれればまじめな表情になり]
そうだな、ただ御伽噺だと一笑にふせるものではなさそうだ。
悪意で人を殺すことがあるのが人間の性ならば、
それがより大きななにかを抱えてるのが人狼なのかもな。
俺には人の恐ろしさも十分にみてきたしな、
何かの比喩なのか、そのものなのか…。
ただ、俺は親しいものも多い中、その誰かを手にかけなきゃいけない事態になるとかは……。
[思考をめぐらせ、言葉を区切り区切り、
その様子は何かをおさえるように]
それでも必要なときは……くるのかもだけどな…。
ああ、火傷とかしたら困ったし。
何よりゲルダの食事を無駄にしなくて済んでよかった。
いや、そんなに落としているわけでも…。
[家事に関してだけ不器用なのはどうしてか、自分でも分かっていない。そして単純にここ5年間は殆ど運んでいない。否、運ばせてもらえていない。
ウェンデルの視線からも逃げるように、そそくさと]
/*
空気クラッシャー発動。
はらぺこマテウスさん、ごめんね(苦笑
さて、掃除道具って物置にありそうなんですが。
ここで向こうにも絡むと、流石にアレだよなぁ。どうしよ。
何もかも信じないわけにはいかないが、
信じたくないという気持ちが大きいな。
実際に、普通じゃない殺人事件がおきている。
似たような御伽噺がある、そして殺気だった村の雰囲気に集められた容疑者。
ここまで舞台もなにもそろうとな…。
[その目は若干の憂いを帯びているだろうか]
穏便に済まされるとはおもえないな…。
[数回、荒く息をしてから、首を左右に振る]
大丈夫、だ……騒ぎ立てるような、事じゃ、ない。
[痛みの理由は、わかっている。
どうすれば止まるかも、わかってはいた]
だから……人を、呼ぶとか、しなくていい……。
いや、むしろ……誰にも、言うな。
[額から手を離しつつ、告げる声は、いつになく低いもの]
エーリッヒと皿は相容れない。
相性があるとしたら最悪。
それくらいには。
[否定するエーリッヒに代わりきっぱりと、そう言いながら。
しまってある袋を取り出し、散った細かな破片を注意しながら指で取り袋に入れていく。
大きいもの意外を袋に入れた後で、手早く料理を2.5人分、盆にもりつけた。]
ウェンデル、エーリッヒに、食事は運んであるって伝えておいてくれ。
これ以上割られたら堪らないからな。
[そう言い残し、一度広間へと戻って行った。]
―→広間―
問答無用じゃないだけ、か。
そう考えるなら確かにマシかもな。
[マテウスの言葉に小さく頷いて]
人狼が実在するのかとか、伝承が事実なのかとか。
俺にはさっぱり分かんねぇ。
お伽噺として聞いて来たから、それ以上の何ものでも無い。
考えられるとしたら、人狼と言う架空のものを装った「誰か」。
説得が効くならそれに越したことは無いなぁ、なんて。
そんなこと考えてたりする。
人狼が実在すると言うなら、そんなもの効果を及ぼさないんだろうけど。
ここに居る以上、少なからず覚悟はしなきゃならないみたいだな。
[何かを抑えるようにしながら語るマテウスにじっと視線を向けて]
お前に、覚悟はあるか?
掃除用具がありそうなのは。
[まっさきに浮かんだのは先ほどの物置。
けれど足が向かない。自嘲が浮かぶ]
ああ、おそらくあっちにもあるよな。
[見当をつけて裏口の方へと。
予想通りに見つけたそれを持って、厨房へと戻る]
無駄にしたら、きっと、マテウスさんが怖いと思います。
[皿は一つ犠牲になったものの、緊張は少し解れた。
怯むエーリッヒを見て、口元に笑みが象られるくらいには。
逃げ出す……もとい、掃除道具を取りに行くエーリッヒと、広間へ戻るナターリエを交互に見送る。彼女の言葉には、はい、と答えを返して]
うそ。
大丈夫になんて見えない。
[途切れ途切れの声。
反駁するも、余計な体力を使わせるよりはと考えたか]
分かりました。
誰にも伝えません。
だから、きちんと休んで下さい。
必要なら、食事も運びますし。
[いっそ、有無を言わせぬ態度]
[戻る前に、大きな欠片くらいはと拾おうとして、指先に痛みが走る。
案の定、切ったらしい。
滲んだ赤が、白を染めた]
…あーあ。早速。
[嘆息。
間もなく戻ってくる気配がして、立ち上がった]
[ゼルギウスの言葉に同意するように]
もっぱら同じような意見だな。
それに突然人狼という化け物がこの中にいますとかぴんとこないのが一番の理由だ。
親しいやつや、前から知ってるやつはもちろんのこと、
エーファは確かに不思議な感じがするし現場にいたとか気になる点もおおいが、熱に倒れる女の子の…化け物ね…、
ベアトリーチェも同じく化け物ですとかみえねぇし。
アーベル……
[その名を呟いて人物像と印象を思い出しながら]
化け物ねぇ……。
[肩をすくめて]
やっぱ、ぴんとこないな。
人の皮をかぶったとか比喩でいうがなぁ…。
覚悟か…、
[じっとゼルギウスを見返して]
俺は生きるために人の命を糧にしてきたんだぜ?
[その言葉が意味すること、
それが必要ならば殺すこともまたいとわないこと]
もっとも、ゲルダや親しい人たちが相手ならば…、
[考え込むようにしてから顔をしかめて]
実際になってみないとわからないな。
思うところは同じか。
[信じたくないと言うマテウスに小さく笑みが零れた]
人狼が居ると言う証拠がない限りは、俺は信じるつもりは無いけどね。
あの事件だって、どこに野生の獣じゃないって証拠がある?
降り積もった雪に獣とは違う足跡でもあった、ってなら少しは信じられそうではあるけど。
そんな話も聞かないからね。
[憂いを帯びるマテウスとは対照的に、ゼルギウスはいつもの様子で肩を竦める]
[厨房から戻って来たナターリエに気付くと、「お帰り」と声をかけて]
そっちで何か大きな落としたけど大丈夫だった?
[ゼルギウスに応えて程なくして配膳された食事に表情を崩してぐてぇっと机につっぷして]
おにいちゃんもう、おなかぺこぺこでうごけない。
たべさせてなたりーちゃん。
[冗談めかすようにそういってナタリーのほうをじーっと見た]
本当に、大したもんじゃ、ない……ただの……。
[言いかけた言葉は、とっさに飲み込んで]
……持病みたいな、もんだ。
[取ってつけたように、言い換えた]
……すまない。
とはいえ、すぐに、落ち着くから、大丈夫だ。
あと、食事くらいは、ちゃんと食べに行く。
別に、身体がどうこう、という訳でもない、から。
[有無を言わせぬ態度に、一つ息を吐く。
とはいえ、反論する余力もないのは事実で。
持病という表現と、最後の部分の矛盾には気づかぬまま、早口にこう言い募った]
[途中、階段の前で向かわなかった部屋の方を見る。
不協和音は厨房の奥にいて届かなかった。だから少し足を止めただけですぐに戻っていったのだ]
取ってきたよ、って、こら。
手切ったのか?
ゼルに頼んで薬つけてもらってくるといい。
[視線が行きやすい白に滲む紅にはすぐ気付き]
自分でやったことは自分で片付けるから。
おーい、ゼル!傷薬出してやって。
[ウェンデルの背中を押しながら、広間へと声を投げた。
原因が自分だという思いもあったらしく、少し強めに]
[机にはつっぷしたままで]
まぁ、なんだ。
逆にいえば獣がやったにしかれ、人の偽装にしかれ、
それを示す証拠もないってのもあるのかもな。
なにかはっきりすることがあればいいのかもしれないが。
[声の調子を落として]
それがろくでもないことを伴ってとかじゃなければな…。
お伽噺の人狼とするなら。
普段は人と変わらぬ身、けれどその身は人と狼の中間の姿を取ることが出来るとされる。
見た目に寄らず、ってのがあるから自衛団の連中も外見関係なく集めたんだろう。
ピンと来ないってのには同意だ。
化けてるのを見破れるほど鋭くは無いしね、俺は。
[覚悟についての返答を聞くと]
[最初は真面目な顔をしていたが、直ぐに苦笑に似た笑みを浮かべる]
…そうだな、お前は傭兵だった。
聞くだけ無駄だったよ。
親しい人でも容赦なくって出来るなら…それもどうかと思うしね。
[やはりぐってりしたまま]
俺可愛い女の子が化け物になるなんてやだぜ。
どうせならほら、ナタリーみたいな美人が夜は…とかな。
[冗談めかしてけらけらと笑う姿はおじさんとか言われてもしかたのない話の内容と姿だったりとか]
ろくでも無いことを伴っての、ねぇ…。
あー、止め止め。
そう言う風に考えるとそっちにしか働かなくなる。
プラス思考で行こうぜ。
[暗くなりそうになる雰囲気を払拭させるように声を明るいものへと変え]
[話題の転換を図ろうとする]
[そんな折にエーリッヒの声が広間に響き]
[そちらへと意識を向けた]
傷薬って何やったんだよ。
/*
あ、移動で切れるかなと思ったけれど。
人と絡めたことで困らせちゃってたらごめんなさい。
…役職じゃないのに中発言多いな、今回。うーん。
嫌いって人いたらごめんですよと。
おかえりなさ……、いえ、
大したことありませんから大丈夫で、
ああぁ。
[止める前に叫ばれた。さっきの今ともあれば気は重く]
いや、大丈夫です!
[言うなり、身を翻して厨房から廊下へ逃亡]
―広間―
[戻った頃には二人の会話が丁度一区切りついていたようで。会話の内容は耳には入らなかった。
ゼルギウスには小さく、頷いて。]
ああ、大したことじゃない。
エーリッヒが皿を割っただけだ。
怪我はないと思う。
[ウェンデルが怪我をしたのは見れていなかったので、そう答えたが。自分の手に痛みのない浅い切り傷が残っていた事にも、気づいていなかった。
そのまま、マテウスと、エーリッヒの分の食事を盆からテーブルに移していたが。]
子供じゃないんだから、自力で、食えっ。
[びし、と手の平をマテウスの額に当て、ぐいと上に弾いた。
その際、指に残っていた血がマテウスの額に移り、ようやく指を怪我した事に気づいたり。]
[席から立ち上がってソファーに向かおうとして]
マテウス、エロ親父の発想だよそれ。
[マテウスの言葉を聞いてしっかり突っ込んだ]
[じい、と翠玉の眼差しが、ライヒアルトを見つめる。
髪を梳こうとするように右手をライヒアルトの頭へ伸ばし]
…早く痛いものが消えますように。
[乏しい表情のまま呟く]
持病と突発の病気なら…持病の方が、今は対処しやすそうですけど。
誰にも教えない、わけですし。
[暗黙に矛盾を知らせるも、抑揚の欠けた口調は感情を読み取らせにくい]
イヴァンも、薬師様も具合は良くなかったようだし。
ウェンデルも怪我と言っていたし。
[つきかけた溜息を、飲み込んで、頭を振る]
それもそうだな。
[ゼルギウスに同意するように]
皆暗くなりそうならうちらが明るくいってみんな元気づけてやるとかな。
[先ほどのウェンデルの様子などが脳裏によぎり]
皆というか一部はとくにぴりぴりした雰囲気感じるしな。
[と厨房のほうからかかる声にナターリエの方に視線むけて]
厨房は戦場とはたまに比喩されるがひと悶着やったのか?
…ああ、”また”なんね。
[エーリッヒ=物を壊す、と言う認識は根付いている模様]
[ナターリエの返答に小さな苦笑を漏らして]
[ソファー横に置いた薬箱を拾い上げた]
んじゃ怪我したのって……。
あ? ウェン君?
[焦るような声が聞こえて再び視線は厨房へと続く扉の方へ]
[そこにウェンデルの姿は無かったけれど]
だってモロに滲んできてるじゃないか。
って、おい!
[箒と塵取が手にあっては、掴んで引き止めるにも一拍必要で。その間に対象は廊下へと逃げていってしまった]
…そんなに嫌だったのか、傷薬。
別に沁みるのが嫌だって年齢でもあるまいし。
[微妙にずれたことを呟きつつ、原因となった自分の後始末を優先させた]
…大丈夫になるまで、傍にいます。
言いましたよね。
ライヒアルトさんが倒れると、きっとエーリッヒが悲しむから。
[だから放ってはおけないのだと]
大丈夫に見えたら、あたしは部屋に帰りますし。
[それまでは監視紛いをするつもり*らしい*]
あー、逃げられちゃいましたよ、と。
片付けるの手伝ってくれてたんですが。
[扉から顔を覗かせたゼルギウスに、苦笑い。
指で持つには細かな破片を掃き取る手つきは、恐る恐るに近い。これ以上誰かを怒らせてはいけないという思いの表れ]
そも、怪我か何かしてたのかな。
手にしてた包帯に血が滲んで見えたんだけど。
俺も年かねぇ…。
[ゼルギウスのつっこみに呟き]
痛っ…
[額の痛みとともに血の感触を額に受けて顔をしかめて、少し間をおいて上向き]
怪我してるぞナタリー。
[少し心配そうにそちらを見て立ち上がり指をとって怪我の具合をみて]
深い傷ではなさそうだが、
[厨房のほうを再度みながら]
皿でも割ったか?
ゼルギウス切り傷にきく薬ないか?
[厨房にいるであろうゼルギウスに声をかける]
明るくするために漫才でもするか?
[冗談染みた物言いでマテウスに笑いかける]
ピリピリさせてる筆頭は自衛団長だよな。
発端みたいなもんだし。
他も…人狼の話が出てから何だか様子がおかしいのも居る、か?
人狼の存在を信じてるなら無理もねーだろうけど。
[そうマテウスに返しつつ、意識は厨房の方へ]
デストロイヤーは健在か。
全く、小さな傷でも化膿するかも知れないから治療した方が良いってのに。
ああ、包帯はさっきちょっとね。
頼まれて巻いてやったんだ。
[ウェンデルが逃げたであろう廊下に視線を向けてから]
[エーリッヒの疑問に簡単に答える]
[震える手つきに大丈夫かなーと心配が浮かぶも、口には出して無かったり]
[エーリッヒのずれた感想は知らず、階段を昇り部屋まで逃げ込む。
扉を閉めると、へたり込んだ]
……はぁ。
駄目だな。迷って、ばかりじゃ。
[鮮烈な赤の零れる指先。
白を濡らす色。
*口に含み、別の痛みで紛らわすように、噛んだ*]
切り傷?
そっちも怪我人出たんかい。
[マテウスを振り返りながら薬箱の蓋を開けて]
[塗り薬の小瓶を取り出すと、マテウス目掛けて投げ上げた]
[小瓶は放物線を描いてマテウスの頭上へ]
それ塗って包帯巻いておくと良いよ。
[決意は。
いつになったら固められるのだろう。
犠牲が出てからでは、遅いのに。
過ちを犯しては、いけないのに。
だけれど。
だから。
動けない。]
ん?ウェンデルが怪我?
出た後で破片に触ったのかな。
[流石に知らないところだったので意外、といった風で。]
『まだ若い』とかいう台詞が出ないだけ、まだぎりぎり若者の部類でいいのかもな。
瀬戸際近いだろうが。
[真面目な顔でそう言いつつ。
手の事を指摘されると、ああと呟いた。]
浅いから気づかなかった。
血はしっかり出てるのにな。
悪い、少し血をつけた。
[人の事はあまり言えないなと、一人ごちながら。
マテウスの額につけてしまった地を手の甲でぐいと拭った。]
…その呼び方、やめてくれ。
別に好きで壊して回っているわけじゃ。
[ゼルギウスの声に肩を落とした。
それでもちゃんと意識していればできるものなのか、手つきは怪しくてもかなり綺麗に掃き上げられたりもして]
ああ、そうだよな。
後で見かけたら言ってやってくれ。
俺は…まあ原因だし、逆に怒ってまた逃げられそうで。
[簡単な説明には、そうか、と頷いた]
[見据える視線から、目を逸らしていたためか、伸びる手には気づかず。
再び触れた、先とはまた異なる感触にきょとり、と瞬く]
……あ。
あのな。
[とっさに口をついた言葉には、多大な困惑の響き。
矛盾の指摘にも、すぐには気づけぬようで]
……そんな、不調者だらけ、なら。
尚更、言うわけにも、行くまい?
先に担ぎ込まれた子の事もあるし、な。
[早口に言い募り。
実質的な監視宣言には、観念したよにため息一つ]
……わかったよ。
[もっとも、今受けた違う意味での衝撃?で、頭痛は大分和らいでいたから。
そう遠くなく痛みは引いて、声も挙動も確りとするのだけれど。
納得してもらうまでは、それなりに時間はかかった、かも知れない。
ともあれ、落ち着いた所で、食事を取りに行くべく広間へと向かう。
階段近くまでは、やはり、監視はついてきたわけだが]
……色々と。
悪いな。
[階段での別れ際、呟くようにこんな言葉を向けて。
先ほどは避けた広間へと、足を踏み入れた]
さんきゅー。
[小瓶を慣れた様子で受け取って]
漫才はやめとくわ。
余計に別の意味で殺気立たれるおそれもある。
[その他もろもろには同意の意を返しながら]
なんだエーリッヒか…かわんねぇな…。
[呟いて額を拭うナターリエの手をとって]
ほれ、みせてみろ簡単にだが治療しておくぞ。
ぎりぎり若者部類のお兄ちゃんがな。
[手馴れた様子でナターリエの手を持ったまま、
片手で薬ビンのふたをあけて傷口にぬって]
この深さなら包帯とかはいらないだろうが今日一日は水場はさけたほうがいいな。
─広間─
……で。
こちらはこちらで、大分、賑やかなようだが。
[足を踏み入れた広間の様子に、ぽつり、と呟く]
何か、あったのか?
あっはっはっ、そりゃ失礼。
しっかしどうしてそうも物壊すんだか。
ドジっ子?
[別の微妙な呼び方をした]
ん、捕まえたら診とく。
つっても俺も逃げられる可能性はあるかもだけどなー。
全く以て同感だ。
[漫才に関してはそう返しておいた]
[提案したのは自分だろうに]
うん、切ってたみたいだな。
まぁ大騒ぎしてないから大したことないんだろう。
[冷や汗を垂らしているエーリッヒには軽くそう言葉を返して]
[やって来たライヒアルトには片手を上げた]
よ、ライヒ君。
いやまぁ、家主さんがまた。
[多分それで通じるだろう]
[ライヒアルトの訪問にようと手をあげて]
エーリッヒの破壊工作により女の子が傷物にな。
[冗談めかすようなその物言いに大事件ではない様子をにおわせながら]
みんなの様子からさっするに変わらずいつものことなのかもしれんが。
エーリッヒが皿割った。
頼む。
[自分でやる、と頑なになる気にはならず。
手を預け、薬を大人しく塗られた。
ぎりぎり若者と、自分の台詞を返すマテウスにくすと笑い。]
なに、近いうちに皆仲間入りだ。
歳はそう変わらないんだからな。
[そう言いつつ、マテウスの注意にはこくりと頷いた。]
わかった、なるべくそうする。
ん、こっちは私の不注意だから問題ない。浅い傷だしすぐ治る。
手袋をして拾うべきだったな。
[心配というよりは焦ったように見えるエーリッヒに、何のことはないと返した。]
…………。
[ゼルギウスと、マテウス、二人の説明に。
暗き翠は、やや、半眼に]
ま、た、か、家主殿。
二度あることはなんとやら、というが。
ここに来てから、三度目だろうが。
[声に滲むのは、呆れの響き。
足元の猫も、同意するよになぁう、と一鳴き]
ライヒー…ライヒか。
[うっかり言いなおしながら、新たに入ってきた男に軽く、反対側の手を上げて。
説明はゼルギウスとマテウスがしたので、軽く肩を竦めるに留め。]
分かってたら壊さないよ。
…それもやめて。
[用意してもらってあった袋に塵取の中身を空けて。
別の呼び名は前のより微妙に過ぎて、がっくりと項垂れた]
ま、小さい子供じゃないんだ。
酷くなる前には言うだろうし。見てれば気付けるかな。
[共同生活を強いられている状態なら。
苦笑いに近い表情で応えると]
あっと、俺の分もナターリエが一緒に運んでくれた?
なら戻って食べるか。
/*
そしてまたptがアレな俺。
…そんなに喋ってる?
……喋ってるか。
何だ77発言て。
返答ペースを遅らせるのが良いのだろうか。
会話する相手が増えるのは流れだからどうにもならんとして。
そうだな、そうなる日も遠くはないか。
[歳の話に笑いかけて]
で、いつかはヨハナさんの仲間入りだな。
そのときにもヨハナさんが変わらない姿でいるイメージが浮かぶんだが…。
[苦笑をもらして]
気をつけろよ?
俺みたいな傷跡ついてからじゃ遅いぜ。
[と、そこにはジト目の同居人]
いやまあ、その通りなんだけど。
俺は別に。
食事をしたいと、思っただけで…。
[なぁう、という同意に追い討ちをかけられ、流石に凹んだ。
しゅんとして、項垂れたまま]
だけど、うん。ごめん、ナターリエ。
傷つくらせようとか、そんなつもりは微塵も。
[あったら問題すぎとも言うが。
本人は至極真面目にそう謝った]
まぁその呼び名を言いふらすつもりは無いから安心しろ。
[項垂れるエーリッヒにけらりと笑った]
悪化してからじゃ遅いからな。
そう言う愚行はしない子だと思ってる。
ああ、飯まだだったんだ。
冷める前に食って来い!
[そう言ってエーリッヒの背中を軽く叩いて広間へと押しやった]
[突っ込む前に言い直されたナターリエの呼び方に、ほんの一瞬、眉が寄った、かも知れない。
そんな主の代わりにか、猫がなぁ、と鳴いて挨拶するよに尻尾を振った]
別に、それ自体は構わんし、俺にはそれを止めるべくもないんだが。
……もう少し、どうにかならんもんかと……。
[落ち込む家主の様子に、ため息一つ]
まったく。
今になって、こんなやり取りを繰り返す事になるとは、な。
そんじゃ俺は紅茶でも淹れようか。
ああ、エーリッヒみたいに壊すってことはしないから安心しろよー。
[からりと笑いながら言い、一旦厨房の中へ]
[適当な茶葉を使って紅茶を淹れると]
[カップを数個用意して広間へと戻った]
[飲みたいものには好きに飲ませて、自分もカップに注ぐとソファーに身を沈める]
[そうしてしばらくはゆったりとティータイムへと*しゃれこんだ*]
頼んだゼルギウス。
[紅茶を取りにいくゼルギウスを見送り]
まぁ、なんだ。
世の中にどうにもならないこともあるってことのいい例だな。
エーリッヒのあれはドジとか性格とかどうのこうのというより世の中の法則とかそういうのなんじゃないか?
[エーリッヒに笑いかけながら]
とりあえず、食べようやご飯。
ヨハナ婆、どんだけ長生きなんだ…。
[ありえないような、ありえそうな。
おいとマテウスをジト目で一度見た後で、顔の傷をじっと見つめ。]
そうする、が。
傷の一つや二つ、ついていようが私が変わるわけではないからな。
[だから別にいいとは言外に言い。]
気にするなと。痛い傷ではないし。
ああ、食事は運んでおいたから、冷めないうちに。
[とエーリッヒに椅子を勧めた。]
ああ、そうだな。冷める前に。
[広間に戻る前、そうゼルギウスには応えたのだが]
一応、これでも暮らせてはきたんだけど…。
[ボソボソと反論はしてみる。食べること「だけは可能」な食事を出したりしたのは、同居人にとって忘れられない記憶になっている、かもしれない]
いやいや、ヨハナさんならわからんよ。
[ナターリエの頭を優しく撫でて]
お前がきにしなくてもそれに関わることになった相手がいれば当然気にする。
それにいつか大切な人が出来たときにも気にすることになるかもしれない。
[優しく笑いかけながら]
それにそういう人にきれいな姿を見せてやれるほうがいいだろう。
[エーリッヒが広間に戻ってくるのを確認してから]
早く食べようぜエーリッヒ。
ゲルダの愛情がどんどん逃げちまうよ。
[家事をやる、と宣言するにいたった事は、五年たった今でも忘れられない記憶として残っているとかいないとか。
正直、修道院を離れてまで家事をやる事になるとは思ってもいなかったため、ぐったりとした覚えがあったのだが]
……とりあえず、俺も、飯、食うか……。
[食べないとうるさそうだし、という言葉は内心の*独り言*]
[眉根が寄った様には気づいたが、言われる前に言いなおしたからまだセーフかと自己解釈し。
代わりに答えた猫に、小さく微笑んだ。]
ほ、法則とまで…。
[笑いながらのマテウスの言葉に止めを刺され、一度撃沈]
それでも、やっぱり女性に傷とかは…ね。
ありがとう。
いただきます。
[ナターリエに勧められて、ようやく席についた。
マテウスの言葉に、あ、というように頷き食事に手を伸ばす]
…美味しい。
[葱のスープは好物の一つだ。表情が少し戻った]
まぁあれだ、そう落ち込むな。
回りもそれはわかってフォローもしてくれるんだしな。
[笑いかけてさぁ、たべようぜと促し]
いただきますと。
[ゲルダに感謝の念をこめながら葱のスープにスプーンを伸ばし]
美味しいな…、ゲルダ料理がこんなにうまくなって…。
[感慨深くそう呟く]
だとしたら、ヨハナ婆は人狼より怖いぞ。
[とは軽く冗談めかして。
マテウスに撫でられると少し身を固くしたが、徐々に力は緩められていく。
言われた事には、ああと納得。今のエーリッヒがまさにその通りだった為に。]
気にされるのは嫌だな。…ん、気をつける。
[素直にこくりと頷いた。]
綺麗、か。
[ヨハナにも言われたが、いまいちピンと来ない台詞に難しい顔をしながら。
エーリッヒが席に着き、マテウスと二人食事をする姿を見て、は、と。]
…そういえば、私も途中だったんだっけか。
[テーブルの上に乗せたままにしていた料理を食べようと、同じ席に着いた。
大分冷めていたが、それでも美味しいと思いながら口に運んでいく。]
それはありがたいですけどね、と。
[人心地を取り戻し、鎧った心を取り戻せば。
マテウスに返す言葉も常のよに軽く]
うん、本当に。
ゲルダも…ね。
[曖昧に、何かを暈かして応える。
食事を中断させていたことでナターリエに再び謝ったりもしながら、残さずしっかり食事を*味わった*]
っと、悪いなだいぶさめちまったみたいで。
[ナターリエにわびながら]
新しいのにするか?
そっちは俺が食べとくぜ。
[肩をすくめながら]
ナタリーが思う以上には周りの評価は高いってこった。
[綺麗という言葉にいまいちぴんとこない様子にそう応えて、
エーリッヒの様子に少し怪訝にするが得にに言及はせず]
そういえばゲルダの姿今日は見ていないな。
どこかで入れ違ったかね?
構わない。冷めても美味しい物は美味しいから。
[ふると首を振って、自分で用意した分は残さないよう口に運ぶ。
エーリッヒの様子にはさして気に止めずに、マテウスには。]
世辞を言っても何も無いぞ。
[むぅと返してから、暫し後残していた食事を終えた。
立ち上がる直前、聞いた言葉には菫色の目を彷徨わせ暫し考え。]
ゲルダは……ああ、私が広間に来た時に丁度出て行ったな。
行き先は知らないが。
[ライヒアルトと一緒だったとは知らずに、そう答えてから。]
ご馳走様。悪いが片付けは任せていいか?
薬をつけたばかりだしな。
[先ほど水仕事は控えた方がいいと言われたばかりなので、遠慮なくそう言った。約一名の顔は見ないままに。]
[広間を出て行く前に、すっかり寝入っているイヴァンに毛布をかけておいた。]
そういえば、ずっと寝てるなんて珍しいな。
酒でも飲んだか?
[頭痛で苦しんでいたとは露知らず。
やや寝汗のようなものを額にかいていたので、軽く拭ってやってから、二階の荷物を置いた部屋へと戻っていった。**]
そうか、それならいいが。
[ナターリエの様子に肩をすくめて]
まぁ、何かでることは期待してはいないさ。
ゲルダとは入れ違いだったみたいだな。
[広間に残っている面々ととりとめのない会話をしながら、
一人また一人と広間からいなくなる、自分もしばらくして食事を終えると]
さてと俺も寝るかね。
[まばらに広間からさっていくみんなにならい自分も二階の自室へ*戻っていった*]
[朝日が昇るのと同時に目を覚ますと伸びをして]
なまると…いけないからな…。
[軽い柔軟体操をして筋トレをはじめる。
腕立て伏せをしながら先日にゼルギウスと話した人狼についてのことが脳裏をよぎり、
その後に浮かぶのは……、
考えを振り払うようにペースアップをしていく]
人を殺すのには躊躇はないつもりなんだがな。
何より……、
たのしい……し……、それはとても……ここちよい……
[愉悦を含めた心の中の小さな呟きは誰かに届くであろうか?]
─ 一階・広間─
[とりあえず、自分の分の食事も用意して、食べ始める。
人の作った食事、というのも随分久しぶりな気がしていた。
話の輪には特に加わる事もなく、ゲルダの話題が出た時も黙っていた。
そちらに触れると、自身の不調にも話が至り兼ねない、と思ったから]
……ああ、片付けは、引き受ける。
と、いうより、任せろ。
[ナターリエの言葉には、きっぱりと宣言した。
これ以上、皿の無残な姿は見たくない、という意思を隠すつもりは全く、ない]
[宣言の関係上、最後まで広間に居残る結果となったが、やはり、言葉は少なく。
暖炉の前で、猫をじゃらしながらどこか虚ろに物思い。
その様子は、言の葉を綴るための思索にも似て、異なるもの。
もっとも、そんな差異に気づけるのは家主くらいのものだろうが]
[場が引けて、解散の流れになった所で厨房での食器の片付けや、薪の補給などの雑事を一通り済ませた後、部屋へと引き上げ。
机の上にノートを広げ、何も書かれていない部分をぼんやりと見つめていた]
……Es ist unheimlich nicht geworden verdorben.
[零れた呟きは、書き留められる訳でもなく、ただ、大気に溶ける]
[そうやって、どれくらい時間が過ぎたのか。
自分自身定かではなく。
ふと、我に返って見やった窓の外、空の色彩は先とは違う。
何気なく立ち上がって窓辺により。
ふと、眼下に視線を落としたなら、そこには団員に何か指示をしている自衛団長の姿]
…………。
[しばしの思案。やがて、団員が離れたのを見計らって黒のコートを引っつかんで羽織り。
開いた窓から、新雪の中へと飛び降りた]
……団長殿。
[さすがにというか、この現れ方は団長を驚かせたようだが、頓着せずに声をかける]
改めて、問うが。
あんたは、どこまで理解した上で、この手段を取っているんだ?
……隔絶する事で図れる安全もあろうが。
逆に、危険が生じる可能性もある……いや。
事が事だけに、その可能性の方が高いだろう。
それは、わかっているのか?
[静かな問いかけ。
返る答えは、これが最善手と判断した、というもの。
暗き翠が、苛立ちを交えて、細められる]
[ひとしきり汗を流し終えると身体をタオルで拭きながらふと、窓の外に目をやると自衛団員とそれに指示をする団長の姿が見える。
しばらくその様子を眺めているとライヒアルトが向かっていく姿が見えて]
なにしてるんだ…?
[なんとなくその様子を眺めた]
……あくまで、か。
[呆れたように言い放つ言葉。
それに返るのは、貴殿も教会に籍を置いていたのだからわかるはず、との言葉。
苛立ちは深まる]
知っていたのか……だが、昔の話だ。
今の俺は、教会とは一切関わりない身。
[何故、という問い。答える意思はなく]
……あんたには、関わりない事だ。
[返すのは、突き放すような言葉。
自衛団長はどこか物言いたげな様子ではあるものの、とにかく、今しばらくは現状のまま、と繰り返す。
人狼が見つかったなら、関わりない者はすぐに解放されるのだから、と]
……そうなれば、いいんだが、な。
ああ、聞きたかったのは、それだけだ。
……邪魔をした。
……まったく。
それでどうにかなるほど単純なら、誰も苦労はせん……。
奴らとて、こうして拘束されれば身の危険を感じて動き出すだろうに。
何故、そこに思い至らん……。
[場を見ている者があるとは思いも寄らず。
ため息とともに吐き出したのは、こんな言葉]
[話す内容はよく聞こえなかったが二人の様子と、
断片的に届く声の感じからなにかもめているのだろうか内容にはなんとなくの察しがつき]
まだもめてるのかね。
しかし…、ずいぶんと印象がかわったものだな、
むかしもっとこう真面目すぎたというか…、おかたいっていうか。
[ウェンデルの姿がなんとなく思い浮かび]
おかたいといえばウェン坊もか。
ライヒアルトも何かしってるのかね、あそこまで食いかかるところ見ると、
こんど話でも聞いてみるか。
[結論がつくとライヒアルトに気づいてないかのように窓をあけて外の空気を室内にいれる。
身体を動かした後の身体には外の冷気が心地よく感じられおおきく伸びをする。]
[部屋より出る気にはなれず、答えの出ない思索に耽っていた。差し込む光の移り変わりに時が経ったとは知れど、まんじりともせずに。]
……怠惰だなぁ。
[十字架を握り、神への謝罪を呟く。
小さな傷口より滲む赤は、とうに止まっている。
寄りかかっていた扉から身を起こして、窓の外を見る。ちらと見えた人影に、言伝はどうなったかと思い出して、部屋を出た]
……迂闊、だったか?
[零れたのは、小さな呟き。
誰がどの部屋にいるか、把握はしていなかったから、話を聞かれていたとしたら、相手によっては面倒だな、と。
考えたのは、そんな事]
[階下へと辿り着くと自衛団長と出くわす]
…。お疲れ様です。
[何を話していいか。
言葉は見つからず、端的かつ、形式的な一言。
会釈をして、その横をすり抜け外へと向かった]
/*
今は翌日なのか、同日の夕方辺りなのか。
それは私にもわからない。
そして教会関係者の格好しているのなら知っているも何もという突っ込みはしてはいかんのでしょうか、先生。
今も籍を置いていると勘違いするには日頃の行いが、でしょうし。
[外に続く扉を開けば、冷たい空気が入り込む。
ウェンデルは指示を受けたとは知らないが、自衛団員は、今は扉の傍にはいなかった。集会所の見える位置にはいるのだろうが]
……ま。
気にしても始まらん、か。
[しばしの思案の後、ため息をつく。
事態が変革するなら、いずれは知れる事でもある、と。
そんな、嬉しくない予測──否、確信もあるが]
ん。
[視線を巡らせる。
降りてくる、黒。
開け放してきた窓から追ってきた猫が駆け寄ってくるのに口元を微か、綻ばせつつ小さな温もりを抱き上げて]
……中、戻るか……。
[呟いて、振り返った先。
何かを探すような姿が目に入った]
[黒を纏った人影を見つけた瞬間、口が動いた。
しかし振り返った男の姿は、想定とは異なるものだと知り]
………、ライヒアルトさん。
[飲み込んで、名を紡ぎ直す]
猫の散歩ですか。
[鳴き声が耳元を掠め、取り成すように尋ねた]
[呼びかける、声。
先に答えたのは、腕の中に抱えた猫だった。
屈託のない鳴き声が上がる]
別に、猫の、という訳でもないが。
……大体、そんな所だ。
[実際の目的は違ったわけだが、語る必要もない、と判じて曖昧な返事を返す]
[ウェンデルとライヒアルトの会話する様子に]
おはよう、ライヒアルト、ウェンデル。
二人そろって朝の散歩か?
[よぉと手をあげて挨拶]
大体、ですか。
[訝りを残した返答]
こんなときに、自ら散歩に出られるとは思いませんでしたので。
てっきり、猫が飛び出してしまったのかと。
[疑念が出るのは抑えられない]
[上からかかる声に、ふと視線をそちらへと。
見えた姿に、表には出さぬものの、僅かな安堵を感じたのは否めない。
少なくとも、自分の『過去』についての一端を知る相手ではあるから]
……俺は、そんなところだ。
こちらは、どうか知らんが。
[端的な答えをマテウスに返して]
こんな時だから、少しでも外の空気に接したい、と思う節もあるだろう。
……閉じこもっていても、何も、かわらん。
[ウェンデルの向ける疑念は気づいていても、それに触れようとはせず。
猫を撫でつつ、こう返す]
ああ、そうか手紙だすのにもあいつら仲介しないといけないのか。
[ウェンデルの答えに納得いったようにし、
ライヒアルトの答えには]
外の空気には同意だな。
散歩くらならうるさくいわれることもないだろうしな。
散歩まで制限されるようでは、やりきれんぞ……。
[は、とため息を一つつき]
もっとも、監視はしっかりされているだろうがな。
散歩に託けて逃げないように、と。
…確かに、気分転換は必要ですね。
今の時間なら、禁止まではされないでしょう。
[同意を示しながらも緊張が解けないのは、疑念の相手と、長年会っていなかった人物である所為]
[ライヒアルトの台詞を肯定するように、ざくりと雪を踏む音がした。
視線を向けた先には、自衛団員の姿]
ああ、それで…
[さっきは団長とかけあってたのか?と軽い冗談話のつもりで続けようとして、
ウェンデルの存在とさきほどのライヒアルトに思うところがあり、
一瞬の間をおいて]
どうだ?
少しは気分ははれたか?
[一瞬の間にライヒアルトは気づくであろうか?]
[雪を踏む音に、つられるように視線をそちらへと向ける。
そこに立つのは、自衛団員。
向けられる視線には、様々な感情が込められているようで]
……やれ、やれ。
職務忠実なのはいい事だが……。
やりきれんな、これは。
[疑念や不信を向けられるのには、ある意味では慣れているが。
さすがに、辛い]
[そこに佇む者達の反応に、思うことはあろうが何かしら言葉を発することなく、団員はまっすぐにウェンデルに向かって来て、封筒を差し出した。
表面に視線を走らせる。見知った字に、名前]
……ありがとうございます。
[感謝を述べて、受け取った]
神父さまに、宜しくお伝え下さい。
[開封はせぬまま、踵を返す団員の背に投げかけ]
そう、ですね。
私の目的も達せられましたから。
何より、冷える。
[二者に振り向いて、言った。
両の手で、封筒をしっかと握る。手紙だけではない、けれど硬くもない厚み。白い包帯に残された、くすんだ赤から視線を外した]
[掛けられた言葉の、僅かな空白。
暗き翠は微かに細められる]
……ああ。
完全には、無理、だがな。
[静かな答え。いつから、どれだけ聞いていたのか。
今問うべきではない、と理解しつつも疑問は尽きず]
……ああ。
長く外にいて、病人を増やしても仕方ない。
[ひとまず、提案には同意を示した]
まったくだな。
医者の不養生は、洒落にならん。
[マテウスの言葉に頷いて、中へと足を向ける。
吹き抜ける風に、コートの黒がふわり、翻った]
/*
あと717pt 独り言 あと1717pt
ふと見たらなんか数字がお目出度かったので、発言前に残してみるのこと(お前。
…。
[視界を覆うような、黒]
[広間へと入ると、ライヒアルトからは少し離れた位置に佇み]
貴方は、何故、そのような格好を?
[かねてからの疑問を口にする。
封筒はまだ、開かず手の内]
[中に入ると、抱えていた猫がなぁ、と鳴きつつ見上げてくる。
言わんとするところはわかるから、腕を緩めて解放し。
暖炉前へと駆ける様子を横目に、コートを脱いで椅子の背にかけた]
……ああ。
以前は、関わりがあったからな。
その、名残みたいなもんだ。
[投げられた問いに、返すのは端的な答え]
以前は。
まだ主を思う心を、お持ちであるがゆえに?
[ろくに防寒対策もせずに外に出たため、短時間とはいえ心底冷えている。
暖炉前へと足を向けると、猫がその横を通り抜けていった]
……すみません、お願いします。
ものは、お任せします。
[戻ってくるなり厨房へと向かうマテウスには、そう頼んだ]
……っ……。
[向けられた問い。
一瞬、言葉に詰まる。
教会とは袂を分かちはした。
けれど、幼い頃から積み重ねてきたものは、消えたとは言い切れず]
……そう、思ってもらっても。
構いは、しない。
…。
中途半端、ですね。
[曖昧な答えに、呟く。
非難するのではなく、ただの感想だ]
[暖炉の傍に腰を落ち着け、封筒に手をかけた。
紙が寄る音がする。
足元では、猫が暖を求めていた]
……なんとでも。
[呟きに返すのは、短い言葉。
半端である、という事実は、誰よりも自分がよく知っているから。
猫は頭上の動きに気づいたか。
気だるげな様子で尾を揺らしつつ、見上げる仕種]
[背中越しに厨房のなかで二人の会話を途切れ途切れに聞きながら紅茶の用意をして、
ポットにカップを三つ用意しテーブルの上においてそれぞれのカップに紅茶を入れていく]
まぁ、人それぞれ過去の事情はいろいろあるだろう。
[ぽんっとウェンデルの頭を撫でると]
ウェンデルだってそうだろう?
[続く言葉を知るのは、ウェンデルのみだ。
大きめの封筒の内から出てきたのは、手紙と、白の手袋]
マテウスさんも、ですか。
[視線を落としたまま、ぽつ、と返す。
先の言葉に対する謝罪も、撫でられたことに対する反応も、ない]
[広間に戻って来たマテウスの言葉には、何も言わなかった。
それ以前に、彼とは話し難い、というのもあるのだが。
揺ぎ無い信仰を抱え、神に仕える事を己が意義とすら感じていた頃。
人狼と呼ばれるものに接する以前を知る者。
……今ひとつ、やり難いものは、ある]
[ふつふつと沸く疑念。
他者に対して。自身に対して。神に対して。
神に縋るのは。
疑ってしまうのは。
信じられないのは。
弱いからだろうか。
なら、どうすれば、強くなれると云う。
過ちを犯さないためには、どうしたらいい。]
[沈黙が落ちる。
猫の鳴き声。
爆ぜる薪の音。
指と紙が触れ合い、立つ音。
大気は暖かいのに、冷たい。]
聞かなければ解らないんです。
そこまで私は、賢くはない。愚かだ。
[手紙は開けずにいる]
俺も、昔のままとはいかないさ。
[頭を撫でるままに]
でも、俺は俺だ。
それだけはかわらない。
そしてウェンデルは俺にとってウェンデルのままだ。
[二人に笑いかけて]
なんだよ二人とも暗いぞ。
……別に。
俺は、いつもこんな調子だが。
[暗い、と言われ、ぼそりと返す。
それでも、常よりは沈みがちである、と。
ころん、と転がり物言いたげな視線を向ける猫の様子がひっそりと物語っていた]
無邪気に信じられるほど子供でも、強くもありませんよ。
[封筒を傍らに置く。
マテウスを上目に見た]
………どうせ、暗いです。
[自分も、常日頃からこんなものだと嘯いて。
すぐそっぽを向き、カップに手を伸ばした]
そうかい?
[ライヒアルトの様子に]
性格的なものを抜かしても元気そうにはみえないがな。
[それは以前にあったことのある姿とも重ねてのことだが]
ウェンデルはあったとき元気そうだったけどな。
[頭を撫でる手はそのままに]
いくら15年離れていたからって、
いまのウェンデルが普通じゃないことはわかるつもりだが?
…。私より。
ライヒアルトさんを撫でて差し上げればよろしいのでは。
[ねえ、と。
同意を求めるような眼差しを、暖炉傍の猫へと向けた]
……そう、見えるんだとしたら。
状況のせい、という事にしておいてくれ……。
[呟きに、偽りはない。
教会から離反する契機となった出来事。
それと、余りにも似すぎている状況への憂鬱があるのは、確かな事だから]
……て、待て。
何故、そこでそうなるんだ。
[ウェンデルの言葉に、暗き翠が一つ、瞬く。
同意を求められた猫は、思案するよに首をこてり、と傾げ。
それから、なぁう、と鳴いた。
意図する所は、多分、肯定]
まぁ確かに、
今回の事件に関して言えば二人は俺達よりも思うところのおおい話かもしれないしな。
[紅茶を一口、窓の外に視線をやり]
俺なんかとは見方も考え方も違うし、感じ方もぜんぜん違うんだろうな。
撫でられていると、飲み辛いですから。
[答えになっていない答え。
口元へと、カップを運んだ]
15年は、長いですよ。
本当に。
今は、1日だって長いのに。
…何も起こらなければ良いと思う反面で、
何か起これば、決心もつくのにと思ってしまう。
俺が人狼だと知ったら二人はどうするんだろうな?
ライヒアルトは多分ころあいしになるか、
ウェンデルは……、
殺される…か……
[心のつぶやきにかすかに口の端に笑みが浮かびそうになるのをとめる]
確かに、思うところは、多いな。
……抑圧は、暴発を引き起こす要因となり得る。
触れなければ、接しなければ。
揺り動かさずにすむものを、刺激する可能性は高い。
[それは、先にも思ったこと。
しかし、この場を設えた者には、それは届かなかった]
荒療治。
なのでしょうかね。
犠牲が…止むを得ないのなら、最小限、に
[紅茶を飲むのは誤魔化し。
意を理解しようとすればするほど、くらき面を知るようだ]
[ウェンデルを撫でていた手を頭から離し]
そうだな、15年か…。
昔はウェン坊の頭を撫でるとあんなによろこんだのにな。
今では難しい悩み事を抱えるようなお年頃になってしまって、
お兄ちゃんはちょっと寂しいぞ。
[笑いながら、ライヒアルトの言葉には]
まぁ、その分うちらがしっかりしろってことだろう。
世の中言葉だけでなんとかなるなら、争いもなにもなくなるさ。
話し合いで解決で世界平和ってな。
そのときは俺は商売あがったりだけどな。
……そんな所、だろう。
[荒療治、という言葉に小さく呟く]
最小限に……済ませられるなら、いいが。
[そうでなければ。
先にあるものは。
それへの拒絶は、微かな痛みを呼び起こす]
……ち。
[呻くような声は、届くか否か。
物思う風を装い、テーブルに肘をついて額を押さえる]
……しっかり、ね。
そういう事なんだろうが。
……話し合いでカタがつくなら、どれだけラクなんだか……。
[ため息まじりの呟きを漏らして。
痛みを抑えるべく、そのまましばし*黙り込む*]
そこまで放置した、マテウス兄さんが悪い。
[ほんの少しの軽口。
半ばまで飲み終えたところで紅茶を置いた。
発する言葉は次第に遅くなり、数も減っていく]
[ふと口を閉ざし、瞼を下ろした。封筒は膝上。
多少は気が落ち着いたか、一時の眠りが訪れるのは*そう遠くない*]
[肩をすくめて]
難しいお年頃だね。
[それはウェンデルに当てた言葉か、ライヒアルトに当てた言葉か、
窓の外をみやりつぶやく。]
[三人しばし静かに紅茶を飲む。
誰かの分がなくなればおかわりを注ぎ、
いずれウェンデルが眠りにおちると毛布をかけてやりほっぺを*軽くつつく*]
―二階・自室―
[浅い眠りは夢を呼ぶ。
夢の中には祖父がいた。]
『―――欲しいか?』
[大きな手の平で薄金の髪を撫でながら、祖父は自分にそう尋ねる。優しいながらも、どこか真摯に。
自分は何と答えたか。
あの時何を、望んだか。]
…ん。
[目を開けると、夢はすぐに立ち消えた。
ぼんやりと瞬いてから、辺りを見回す。そういえば、と現状を思い出してややげんなりした。
夜着から着替えて汲み置きの水で顔を洗う。水は夜を過ぎる間に冷たくなっていて、手の先が赤くなる。
ふる、と震える指をすり合わせてから、枕辺に置いてあった木箱を手に取った。
そっと表面を撫でてから、やや考えた後その場に置いたままに。]
…大丈夫、だよな。
[そう呟いて、部屋を出階下へ行こうと廊下を歩く。
二階は静かだった。音を立てないよう、ゆっくり階段を下りてゆく。]
―二階自室→階下へ―
んー…。
[ごろん、と寝返りをうって、わたしは目を覚ます。]
[いつの間にか眠っていたらしい。寝室に自分で戻ったようなそうでないような…]
[ぼさぼさの頭のまま、起き出した。]
―階段―
[一瞬、何か殺気というか、妙な気配がしたが。
声をかけられ振り返ると、そこには同じく集められた少女が。]
(気のせいか?)ああ、おはよう…ええと。
すまない、まだ名を覚えていないんだ。
私は墓守のナターリエ=シェルツだ。君は?
[どこかぼんやりしているような少女に、そう尋ねる。]
―階段→広間―
ああ、村外れに墓地があるだろう。
そこを見張ったり…管理をする者だ。
[目を瞬かせる少女に、簡単に説明しながら。]
起きたばかりのようだし、何か口に入れるか?
[そんな何ともない会話をしながら、共に広間へと入ると先客が。
会話が途切れていた為か、広間の空気は妙に凪いだものだった。]
おはよう。
…食事がまだなら、作ってこようか?
ん、その前に何か喉に入れよう。渇いてきたし。
ベアトリーチェ、何か飲みたいものはあるか?
[そう年少者を気遣いながら、厨房の方へと。]
あ、ありがとうございます。お茶をいただけますか?
[言いながら、にゃー、と猫挨拶(?)をしながらヴェンデのそばに屈みこむ。]
[ナターリエの言葉が理解できたのか。
猫は嬉しげな声を上げつつ尾を揺らす。
ベアトリーチェの猫挨拶にもなぁう、と一鳴きして返し。
撫でる手を大人しく受け入れた]
[猫の主は、いつの間にか転寝していたようで。
どこかぼんやりとしたまま、夢現]
―回想―
ゲルダなら会ったよ。
というか食事作ったって教えてくれたの、当人だ。
[すれ違ったかというマテウスに、残念でしたと笑う。
穏やかで美味しい食事。当たり前のようで貴重なもの]
はいはい。
俺はもう手を出しません、て。
[意図的に避けられる視線やら何かの篭った声やらには、諦め混じりの少し情けない口調で答えて]
イヴァン、調子悪いのか?
無理するなよ。
何も無くても疲れるような状況なんだからさ。
[幼馴染の一人を気遣ったりもしながら。
後は取り留めの無い、当たり障りの無さそうな会話を中心に]
わかった。他もそれで構わないな?
[確認したが、ライヒアルトからは生返事、というには微妙な声。多分寝ている。
ウェンデルは寝入っていたし、マテウスからの返事は是だったので、問題ないかと湯を沸かす。ミルクはぬるめに温め、平たい皿に入れた。
砂糖も用意して、盆に乗せ広間へと。
とりあえず起きている人数分カップに移し。]
砂糖は自分でな。
熱いから気をつけて。
[そう告げ、マテウスとベアトリーチェの前に置いた。]
お前さんはこっちだ。
[ヴェンデにそう告げ、誰かがうっかり足をひっかけないように、少し離れた暖炉の傍へ皿を置く。]
[だがそのうちに、同居人の様子に気付いて軽く眉を寄せた。
態度の違いが分かるのは常を知るからであり、そこに虚無を読み取ってしまうのは、自分にも似た覚えのあるものだったから]
さて、と。
俺は少し仕事しとくかな。折角持ち込んだんだし。
後はよろしくお願いしますよ、と。
[殊更明るい調子で声に出し、沈黙を切り裂いて。
それじゃ、と広間に残っていた面々に笑みを見せ、二階へと上がっていった]
―二階自室―
[散らばる何枚もの紙。描かれているのは様々な意匠]
この手の、暫くやってなかったからな。
でも一番の祝いなんだし。
[生誕の祝いを作るのが死と深い関わりを持つ相手になるとか。
縁起が悪いと拒絶される可能性は容易に浮かびもしたけれど。
暫く悩み、手に取ったのは翼広げた幸運の鳥の図]
…これかな。
[基礎部分はもう出来ていた。後は蓋となる飾り板のみ。
作業のための手燭をつける。
並べた道具に左手が伸び、室内には木を削る音が響き続けた]
[入ってきた者たちによぉっと手をあげて挨拶。
沈黙した雰囲気が破られるのはいいことだなと思いながら]
飲み物なら紅茶ならあるが。
[とポットを示す]
飲むか?
[しかしカップはなくて]
どっちにせよ厨房には行く必要はあるか。
中:
見事に茶が用意してあるのに、も一回用意するとことんマイペースなナタ(ぁ
まぁカップ足んなそうだし、ミルクは無いしいっか。
[わたしはもう一度お礼を言ってから、砂糖壺を手元に寄せて、小匙を取る。]
[たっぷり2杯の砂糖を注いで、カップに口をつけた。]
ほー…。
何だか、何の為にここに居るのか忘れそうですね〜…。
[置かれたミルクに、猫は嬉しげに尾を揺らし。
感謝するよに一鳴きしてから舐め始める]
……ん……。
[主は主で、呼びかけに夢現からゆっくりと立ち返り]
……ああ。
すみません……。
[記憶が過去と混在でもしたのか。
口をついたのは、忘れたつもりの敬語調]
─回想─
[昨夜の食事の片付けは申し出があったためにちゃっかりそちらに任せ]
[他の者が部屋へ戻るのに合わせて自室へと戻った]
[寝台に腰掛け、眠ろうとして]
………。
[横になるのを躊躇った]
[またあの夢を見るのではないか]
[夢を見ることで何かを思い出せるのではないか]
[果たして自分はどちらを望むのだろう]
[しばらく考えて、結局寝台に横になった]
[その時はその時と、彼らしい考えに至ったために]
[今朝]
[寝台でゆっくりと瞳を開いた]
[夢は、見なかった]
……は、なんだかなぁ……。
[右手で目元を抑えるように覆う]
[口元には自嘲の笑み]
[寝る前に覚悟した自分が何だか間抜けに思えて]
[妙な緊張感が解けて行った]
[その後、しばらくの間は部屋に籠り]
[暇潰しをするかの様に薬の調合を繰り返した]
[裏口付近]
大丈夫ですよ。
用事が済んだら、すぐ戻りますって。
[こちらを伺う自警団][箱を軽く鳴らして]
本当に、ご苦労なことだ。
[立ち上る煙]
[白い息と][皮肉を吐き出す]
[一旦席につき、自分も茶を口にする。
砂糖は入れずに喉を潤すように。]
そうだな…このまま何事もなければ、すぐ解放されるんだろうが。
[と言いかけ、ふと、何事もないはずだと思っているにも関わらず、それを否定する部分も確かに内にある事に気づく。]
そうあって欲しいものだ。
進展は未だ何も無いんだろう?
[とは先に起きていたマテウスやライヒアルトに尋ね。]
[暇潰しのつもりが結局根を詰めてしまい]
[気付いたらかなりの時間が経っていた]
うあ゛ー、身体痛ぇ。
じっとしたままはダメだな。
[椅子に座ったまま身体を捻って固まりかけている筋肉を解す]
[ぎっ、と椅子の軋む音が部屋に響いた]
腹も減ったし何か探すか…。
誰か作っててくんないかなー。
[ささやかな期待を持ちながら]
[調合した薬を薬箱に仕舞って部屋を出た]
……え?
[笑い混じりの指摘に、瞬き一つ]
何……て。
[無意識、というか。
有体に言えば、寝惚けての反応だっただけに、どう返していいのやら、と困惑が先に立った]
―回想―
[物置にて、ライヒアルトが大丈夫か否か見定めるのに暫くの時間を費やした後、階段の下で別れた]
私が我を押し通しただけですから。
謝らなくても結構です。
私の方が、邪魔だったかもしれないですし。
[ぺこりと頭を下げた後、階段を上り、一つの扉をノックする。
応えがあり、声を掛けた]
自衛団長様。
下に食事がありますので、必要ならどうぞ。
[そう告げた後、自室に戻って就寝を]
……進展。
[ナターリエの問いかけ。
纏わりつく寝起き感を振り落とすように数度、首を横に振る]
ああ、今の所は。
……団長殿が、どうしようもない石頭である、と確認できた程度か。
[どうにかいつもの調子を取り戻しつつ、端的な説明を返す]
―自室―
[ぱらりぱらり。
頁を繰る音の元は、分厚い一冊のレシピ集]
…。
[具合が悪い人々に向けたものがあるかを探すうち、本来の目的から逸れて、徐々に熱中を。
無表情のまま読み進めて、はた、と気付く]
作らなきゃ、意味無いのに。
あ、でも。その前に。
[少しだけ昨日のことを思い出して。
頭痛に効く薬を頼もうかと、薬師の顔を思い出し、部屋を出た]
…は、馬鹿な。
いもしないモノに、誰が怯えるってんだ。
[乾いた笑み]
いえ。
何でもありませんよ。
[反応する自警団][肩を竦め]
[火を消し][扉の内側へ]
あ。ちょうどよかった。
薬師様。
[廊下に出たところ、捜し人の姿はすぐに見つかった]
お薬を頼みたいのですが、宜しいでしょうか?
[微かに首を傾げ、乏しい表情のまま尋ねる]
─二階廊下─
[階下へ向かおうとして]
……あれ、ゲルダちゃん。
[ほぼ同時に廊下に出た人物に気付く]
[いつもご飯のお世話になっている看板娘だった]
薬?
構わないよ。
何の薬が欲しいんだい?
[訊ねて来るゲルダに身体を向け、にっといつもの笑みを浮かべた]
……ほっとけ。
[囃し立てられ、目を逸らしながら早口に言い放つ。
直後、ミルクの皿を空にした猫が楽しげな声を上げたので、そちらにやや、むっとしたような翠を向けた]
寝ぼけてたんだろう。あまり指摘してやると当人が困るぞ。
[言葉に窮しているライヒアルトに、助け舟らしき物を出し。
問いかけに返った言葉には。]
相変わらず。
爺様は元気で変わりないようだな。
[といった感想。]
まだ出るには暫くかかるんだろうな。
…墓を誰か見ていてくれてると良いんだが。
[頭を左右に振り、視線を巡らせて状況を把握する。
寝入っていたのだと気づくと仄か頬に朱が差した。
別の「寝ぼすけ」のおかげで、ウェンデルにまで意識が向いていなかったのは幸い]
……毛布、ありがとうございました。
顔、洗ってきます。
[マテウス辺りだろうかと検討をつけて小さく礼を言い、畳んで立ち上がる。
床に落ちた封筒を拾い上げ、足早に広間を後にした]
― 二階 ―
[子供はぱちりと目を開ける。ゆっくりと辺りを見回し、静かにベッドから降りた]
まだ………
[窓辺に歩み寄り、白い世界を見つめる]
まだ、なんだ……
―二階廊下―
痛み止めをお願いできますか。
常備のものが尽きていたようなので、念のために。
[嘘か真か。表情は普段通りに乏しい]
それに、これだけの大人数ですから、何かあった時。
すぐに対処できるよう、役立ちそうなものを分けて頂けると有り難いです。
[淡々と呟き頭を下げた]
……あれを、元気、で括るのか。
[先のやり取りを思い返せば、口をつくのはそんな感想]
恐らく、そう簡単には出られまい、な。
場合によっては……。
[二度と叶わないかも知れない。
その言葉は、さすがにというか、飲み込んだ]
─二階廊下─
んーと。
汎用的な痛み止めで良いのかな。
特定のに効くやつとかじゃなくて。
[言いながら、肩にかけていた薬箱の蓋を開け]
[該当する薬を摘みあげる]
[ゲルダの表情はいつも通りで]
[特におかしいところがあるなどとは思っていない]
俺の手が回らない時のために、ってことか。
それじゃいくつか小箱に入れておこう。
ちょっと待ってて。
[断りを入れると一旦自室の中へと]
[扉は開け放したまま、寝台の横に置いてある別の道具箱から小箱を取り上げた]
[寝台の上に薬を広げ]
[必要そうなのを見繕って小箱へと移し始める]
― 集会所一階・廊下 ―
[水場で手早く顔を洗い、戻ろうかとして足を止めた。
封筒。手紙をまだ、読んでいない。
部屋に行こうかと思ったが、階上には人の気配があり、なんとなく引き返した。裏手ならば人がいないだろうかと、方向を転換する]
[部屋を出るウェンデルに手をふって見送り、
広間の面々のやりとりをボーっと眺めたりしながら、
ナターリエの質問には]
いやぁ、俺のほうもなんにも。
てかなにかあれば自然と知らせがいくだろう、こんな閉鎖空間にいるんだしな。
[先ほどのやり取りは全く見てないので、こちらが何を思っていたのか。意識のズレはかなりあっただろうが。そこは元来の性格か、さして気にも留めず。
それよりは次いででた言葉に意識が向いた。]
…そんなに長引くほど拗れるのか?今回のこれは。
[ライヒアルトが飲み込んだ言葉は、今はまだ予想出来るほど頭が回っていなかった。
マテウスの言葉には、それもそうだがと頷きはしたが。]
[広間へ行こうとし]
12人、…だったかな。
[途中][足を止め]
[小さく息を吐き]
おや。
…ウェンデル君?
[向かいの人影][目を凝らした]
[いつの間にか眠ってしまったらしい。誰かが声をかけてくれたのには気付いたが、呻き声の他には返せなかった。
目を覚ませば、体にかけられた毛布。幼なじみの女性いずれかの配慮であろう、とは、鈍い彼でも流石に気付く。
頭痛は取れたが……その代わりにきりきりと痛む、左の眼]
……なあ、冗談だろう?母さん。
[小さな声で誰にも聞こえぬように、呟く]
[本当に欲しいのは頭痛薬だったけれど。
深くを語る事は出来ぬゆえ]
はい。特定のものも有れば嬉しいですが、それで構いません。
[抑揚に欠けた声で告げ、再度頭を下げた]
ありがとうございます。
待ってますね。
[さらり、と髪が揺れる。
扉の先、寝台の上で広げられる薬箱を、廊下から眺めた]
―二階自室―
……あ。
[プツリ、と集中が途切れた。
途中何も休まなかったわけではないが、意識はずっと作業に向き続けていて。どれだけ時間が経ったのかも分からない]
間に合うかな。
[呟きは声になったかならないか。
左手の下の翼は広がって。しかしまだ羽搏くには足りず]
……休憩。
[ただ、今はもう続けられないのも分かる。
大きな溜息を吐くと、ゆっくりと立ち上がり部屋を出た]
……長引く可能性は、高い。
[ナターリエの疑問に、短くこう返す。
可能性、という言い回しはしていても、それはほぼ確信。
事が既に起きている──『始まっている』事は、否定の意思について回る頭痛が物語っていた]
勿論、何事もないのであれば。
それを、望みたいが……な。
[先ほどのゼルギウスの動きそのままに椅子の上で体をよじり、立ち上がって軽く背筋を伸ばして]
うん。椅子の上で寝るもんじゃないな。
話がわからなくなるのが怖くて部屋に戻るのを止したんだが……眠ってしまっちゃ意味がねえや。
っ、
[人がいるとは予想してなかったため、小さく息を飲んだ]
……ああ、アーベル先生。
どうされたんですか、こんなところで。
[自分にも返る問いと、気づいたのは発してから]
─二階自室─
昼に調合してて正解だったかな。
分けても十分なくらいはあるんだ。
[ゲルダが聞いてるかどうかは知らないが]
[そんなことを言いながら小箱に必要な薬を詰め終える]
痛み止め各種、傷薬、解熱剤、それと必要か分からないけど導眠剤も入れておいた。
包帯も少しだけど入れておいたよ。
[道具を片付けて小箱を手に持ち]
[扉へと歩んでゲルダの下へ]
[入れたものの説明をしながらその小箱を差し出した]
長引くか…。
[ライヒアルトの返答につぶやいてから]
ライヒアルトは、俺達よりもいろいろと、
その人狼についてとか知ってそうだな。
少し、気分転換にね。
今は戻るところ。
[手の中の箱を軽く放り][掴み]
[ポケットへ戻す]
君は?
[当然の如く][疑問を返す]
[ふいに、視界の隅にイヴァンが起きたのが見え、軽く手を振る。
呟きは遠く耳には届かない。]
おはようイヴァン。昨日からずっと寝ていたみたいだが。
どこか悪かったのか?
[流石に酒が、と言うには長すぎて。]
[マテウスの言葉に、視線は一度、そちらへ。
それから、未だに手をつけていないカップへと、一度、落ちる]
……少なくとも。
ここに集められた中では、それなりに知識はある方である、という自覚はある。
[間を置いて、発した言葉は静かなもの]
おはよう、イヴァン。
[目を覚ました様子のイヴァンに気づき挨拶]
どこか具合でも悪くしたんなら無理せずにゼルギウスに見てもらったほうがいいぞ。
こじらせると余計に始末におけないからな。
ん?
[手を離せば扉が開いて出てくる小柄な影]
エーファちゃん、だっけ。
調子はどうかな。
[ぼう、とした様子の少女に声を掛けた]
…お身体によくありませんよ。
[仮にも教師に言う台詞ではない。
苦笑。そして、沈黙。]
私は…、その。手紙を読もうと。
部屋に戻り辛くて。
[嘘を吐くのは不得手で。
たどたどしく、事実を告げた]
ギュンターは時間的にはもう死んでいることにしたいなー。
まぁ、表で誰かが接触したら変えなきゃだけど。
殺すタイミングが難しい。
[ナターリエの問いには曖昧な微笑みを浮かべ]
うん、まあな。頭痛だ頭痛。ゼルギウスの薬がよく効いたみたいで、ずっと眠っちまったな。
変わったことは、特にないか?
…。
[ライヒアルトの答えに、そうか、とも言わぬまま。
軽く黙し指を唇に当てる。
あれだけ違うと、そう言い聞かせていたが。
ゆっくりと端から壊れていくような。
それでも、まだ。
何事も無く過ごせる事を願いたかった。
マテウスとライヒアルトをゆると交互に見る。
思考するように、探るように。]
―二階廊下―
お代はどうしましょうか?
今は持ち合わせが余り無いんですけど。
[説明の言葉一つ一つに頷きを。
差し出された小箱の中を受け取り、中身を確認して]
導眠剤ですか。
無理にでも休ませたい相手がいたら、食事か何かに仕込むかもしれません。
[冗談に似た言葉もやはり変わらない表情のまま。
受け取った小箱を大切そうに、そっと胸に抱いた]
そうか?
イヴァンの言葉を信じておこうか。
[どこか調子が悪そうにしているように感じたが、
それは心の内にしまっておいた。
ライヒアルトの返答にそちらのほうを見やり]
それじゃあ、人狼の見分け方とか、何か対処方法?
身を守ったりとかな。
そういうのについてなにか知らないか?
だいじょうぶ。
[声をかけてきた金髪の青年の顔を、子供はじっと見つめて答えた]
だいじょうぶ?
[そして、同じ言葉を彼に向ける]
自分で見つけちゃおうかなーと。
PL的にはもろバレですけど、まぁいいかっていうか。
でもPC的にはばれないよう見つけたいので、犯行時間と発見時間には差をつけたいんですよねー。
…本当に大丈夫か?
[付き合いが長いせいか、微かに感じとれる違和感に、眉を潜める。]
マテウスが言うように、辛いなら薬は早めに飲んだ方が良い。
進展、か。私らも、さっき着たばかりだからな。
相変わらず出られそうにないのが分かってるくらいだ。
[そうイヴァンに言い、茶を入れ差し出す。
どこか退屈そうなベアトリーチェには、やや苦笑してそっと金の髪を撫でた。]
あまり楽しい話でなくてすまないな。
猫も退屈しているようだ。
[と、先ほど置いたミルクをすっかり飲み干したヴィンテをみやり。]
[何処まで答えたものかと逡巡しつつも]
今回の騒ぎの事で。
少し、神父さまに…
お聞きしたいことがあったものですから。
後、ついでに、忘れ物のお願いを。
[読んでいない手紙。
それと、白い手袋を取り出す]
アーベル先生は、…ご存知ですか。
人狼について。
[封筒を脇に挟み、左手に嵌める、
途中で動きが止まった]
[唐突に口を差し挟む。どこか苦しげな表情で]
それなんですけどね……マテウスの兄貴。
俺、人狼を見分けられる、かもしれません。
だがそれは俺の勘違いで、俺の頭が狂ってしまっただけ、かもしれない。
─二階自室傍廊下─
代金は要らないよ、俺からの寄付ってことで。
[微笑みながらゆるりと首を横に振る]
無理してそうな奴が居るなら、そうした方が良いかもしれないな。
言葉で言って勝てるならともかく、そうじゃないならそれも手だ。
[冗談のようなゲルダの言葉尻に乗って楽しげに言った]
[小箱を胸に抱く様子を見やってから]
足りなくなったらいつでも言ってよ。
と言ってもそれが無くなるほど使うことになるかは分からないけど。
ああそうだ、代金。
飯作ってもらえるとありがたいんだけど?
[ふと思い出したように言って]
[おねだりするように人懐っこい笑みを浮かべて首を傾げた]
[小箱に落とした視線を上げたのは、良く知る声が耳に入ったから]
エーリッヒにエーファ。
おはよう?
[抑揚の乏しい声は、とおりが悪い。
聞き取れるかは分からないが、挨拶を]
[目覚めたイヴァンには、軽く視線を向けて。
それから、マテウスの問いに、改めてそちらを見る。
暗き翠には、微か、陰りの色彩]
……見分ける術は、ある。
生ける者を見極める力を帯びしものが、その力を正しく用いたなら、見出す事は叶うはずだ。
[もう一つの術には、触れなかった。
死せる者を見定める者。
御霊に宿る影を視る力。
死が絡むそれは、今は口に出すのは躊躇われ]
身を守る、の方は。
そういった力を持つ者もいる、という事は知っている。
だが、それがどこまで通用するかまでは、わからん。
ん?
[ゲルダの声でその存在に気付き]
お、エーリ君にエーファも居たのか。
[よー、と声をかける]
[ゲルダよりは声も大きく、通ることだろうか]
[ライヒアルトの話を聞きながらイヴァンの言葉を聴き]
つまりなんだ、
その見分ける術っていうのがあってイヴァンがもっていると?
[イヴァンとライヒアルトを交互に見やり]
力、特別な力がやっぱり必要な相手なのかね?
[自分の手を見てつぶやく]
なるほどなぁ…。
[そして再度視線はイヴァンとライヒアルトの方へ向ける]
/*
ほむ、イヴァンが占い師か。
狼じゃないのかよー(ぁ
エーリのも箱は仕事道具だったのな。
さて、そうなると後は誰がどうなってるっけ。
ああ、成程。
[白い手袋][手紙]
[眼を遣る]
え?
[動きを止め][視線は動く]
…そうだな。
『人に化ける』だとか、『悪い子を食べる』だとか、…御伽話なら、よく聞かされたけど。
それ以上は分からないね。
[記憶を辿るように][左上を見]
[声は平静に聞こえたか]
そうか。良かったね。
[薄く微笑む。少しだけ心ここにあらずで]
だいじょうぶ、て、俺?
[疑問系で返された言葉に目を瞬く]
ああ、俺も大丈夫。
なんともないよ。
[そこに届く声。聞き取りにくい声もどうにか拾えて。
顔を上げてゲルダとゼルギウスの姿を認める]
ああ、おはよう、なのか。
[どこか精彩を欠いている声で応え、軽く手を上げた]
[ナターリエの言葉に猫と遊ぶヴェアトリーチェの姿]
たしかにつまらない話を聞いててもあれか。
気晴らしになにかして遊ぶか?
[笑いかけてヴェアトリーチェの頭を撫でた]
[ベアトリーチェの膝の上に乗せられた猫は。
主の緊迫も知らぬように、ごろごろと呑気に喉を鳴らしていた。
長い尻尾がゆらり、揺れて]
ねー…
ねーこねーこねこにゃんこの子ー
ふかふか お腹の 元気な子ー
[ほんの一瞬、調子はずれの歌が止めて。]
[でもすぐに、何も無かったかのようになでくりを再開。]
俺のお袋は……どこかから流れてきた女だというのは昔から村にいた奴は知ってると思います。
ちょいと頭のねじがゆるめでぼんやりした女だ、そう思われていたと思います。
お袋がどこから来たのか詳しいことは知らないけれど……お袋の言葉によれば、「あたしは期待はずれだったから捨てられたの」と。
[そこで一度言葉を切り、ナターリエの差し出してくれた茶を一口飲んだ]
―二階廊下―
寄付は流石に。
[遠慮するような仕種を見せるも、表情は変わらず。
ゼルギウスの楽しげな響きの言葉に深く頷く辺り、冗談では済まされないのかもしれない]
無くなる前に、早く出られると良いですよね。
人狼なんて、誤解だったって。
[翠玉は廊下の窓の先、はらはら落ちる雪の更に先、村の方角を眺め遣る]
…食事で良いんですか?
今日はアイスバイン…塩漬け豚すね肉の煮込みにしようかと。
リクエストがあるならそれを作りますし。
[それで良いか尋ねるように首を傾げた]
そうだな、ひとまずの脅威になりそうな相手の候補ってところか。
[ベアトリーチェに笑いかけて頭を撫でながら二人だけにしか聞き取れない秘密の会話]
いざとなったときは真っ先に、殺す必要があるかもな。
[自然とこぼれる笑みはベアトリーチェに向けられた笑顔に隠れ]
あとはあの団長…邪魔だな…とっても邪魔だ。
俺達を閉じ込めたりしてくれてな…。
[心の中に芽生えた憎悪は殺しの衝動と悪意になり]
殺してやるのも…ありかもな…。
[愉悦の含んだ声でつぶやく]
おはようってことは、エーファは起きたばかりか。
具合は…大丈夫そうだな。
[昨日一人で歩き回れるくらいになっているのは確認していたが]
[その後また崩さないとは限らないために内心心配していた]
[けれどその兆候も見えないようなので安堵の色を示す]
んー?
エーリ君も寝起きかい?
その割にはなんだかだるそうに見えるけど。
[エーリッヒの様子を見て少し首を傾げた]
……あんたが。
見極める力の、主?
[イヴァンの告白に、暗き翠がやや、細められる]
奴らが人の姿を解いているのであれば、一目瞭然だがな。
潜むモノを見出すには、相応の力が必要となるだろうさ。
……教会の口伝に準えるならば、『神より与えられし力』とでもなるんだろうが。
[マテウスの呟きに返す言葉は、淡々と。
声音には、冷たさすら滲んで]
ん?
傭兵さん、何するの?
[わたしの声が弾む。我ながらゲンキンな対応かな、って思う。]
[あからさまに退屈そうにして見せて、これだもの。]
[…ちょっと子供っぽ過ぎたかな?]
です、よね。
…御伽噺上の存在に過ぎない。
私は教会から、その存在の悪を学んでいましたが、それでもやはり、神の時代の話に過ぎないのでは、と。そう思っていました。
[巻いた包帯の内より覗く朱。
――昨日よりも、広がっている]
けれど、実在するとしたら。
どうなさいますか。
月夜の晩に目覚め、人を喰らう化け物が、居たら。
[手袋を引いて、覆った。封筒が滑り落ちる]
「使える子たちはね。狼を捜す道具にされるために育てられるの。でもね。力が強すぎると狼と共鳴してしまうのよ。狼を助ける者になってしまうの」
お袋はああいう女だったから。
俺は本気で受けとっちゃいなかった。
誰かに冗談を吹き込まれたのか、ただの妄想だと思っていた。
でも……俺の昨日からの症状は……お袋に聞かされた状態に似すぎているんだ。
[耳に届くライヒアルトの言葉には、やや表情固く。]
…そんな、特異な手段を持ちうる者が居るのか。
[声は硬い。それは信じられない、とさも言っているような様子に見えるだろうが、内心は。
ライヒアルトの示した存在。
見極めるもの、守るもの。
思い出すのは祖父の言葉。
ぞくりと、背筋に寒いものが走る。
これは予感だ。それも飛びきり悪い方向の。
かた、とカップを持った手が震え。
それを隠すように、反対側で持ち直し、イヴァンに渡そうとして。]
集会場の常備薬にしちゃえば良いじゃん。
村の皆で使えるんだから、そう言うのは寄付でも良いの。
[良く分らない持論を述べてゲルダの遠慮を押し留めようとする]
人狼なんて居やしないよ。
居るんなら証拠見せろっての。
出来ないなら居ないってことだろ。
[未だ信じては居ないらしく]
[きっぱりと言い放った]
ゲルダちゃんの料理は俺の薬よりも価値があるさー。
美味い飯を食えるのは幸せなことだよ。
何を作るかはお任せ。
どう言うのを作ってくれるかも楽しみだから。
[例示されると、それで良いよ、と笑み返した]
[頷く少女に軽く頷きを返して]
寝起きじゃないですよと。
ちょっと時間の感覚が無くなってて。
あー…大丈夫。たいしたことないから。
[だるそう、というのは否定するよにゼルギウスへと手を振った]
…、
[落ちた封筒]
[拾おうと動く手][止まった]
…そんな、まさか。
実在するとでも、言うのかい。
[答えにはならず]
[上げた眼][僅かな朱を捉えた]
[エーリッヒの声音に、幾莫かの疲労を感じ。
距離を詰めて、その顔を見る。
心配なのか、あるいは通り越しての怒りなのか]
起きたばかりか解らなかったから。
おはよう。じゃなくて、おはよう?
[疑問型だと言いたいらしい]
疲れてるみたい。エーリッヒ。
[猫、撫でられてやっぱりご満悦らしい。
主が構えない状況とわかっているからか、存分に甘える態勢らしい]
…………。
[一方の主はと言えば、イヴァンの説明に険しい面持ちのまま。
何事か、思案するように眉を寄せて]
ああ、いる。
……人狼自体、御伽噺などではないのだから、な。
[ナターリエには静かにこう返し。
渡りきらずに落ちたカップに、またか、と少し遠い目をした]
時間の感覚が無くなったってか。
丸でさっきの俺じゃん。
てことは、そっちも仕事してたな?
[自分もそうだったから、と当たりをつけてエーリッヒへと訊ね返す]
[何が楽しいのかは分からないが、訊ねかける表情はにっと笑みが浮かんでいる]
うん?
[まっすぐに見上げてくる少女の視線。
質問の意味を即座に理解することはできなくて見つめ返し]
…ああ、そか。俺はエーリッヒ。
はじめまして、と言った方が良かったかな?
[手が震えたせいか。
差し出した二杯目は渡しそこね、床に散った。]
あ…っ、すまない。
[片付けに手が出る前に、先に動いたイヴァンの背を見送りながら。
イヴァンが言った言葉を、確認するように口にする。]
…つまり、イヴァンのおばさんは元々狼を見極められる人で。
イヴァンにもその力が…?
[そういう事なのだろうかと。]
[イヴァンの話を聞きながら]
で、イヴァンはそのお母さんの血をついでるからその力があるかもしれないってことか?
[昨日からの症状という言葉にやっぱり具合は悪いのかよと呟いて]
にわかには信じがたいが、そもそも人狼事態の時点でな。
しかも人狼の敵と仲間のどっちかにねぇ…。
なんか使えるのか使えないのか…。
[ライヒアルトの返答が聞こえればそちらを見て]
いや、なに見つけるのは無理でも、事をおこさせなければ結果としてはなんとかなるだろう?
穏便に済むのならそれですむしな。
[深くため息をつき]
ただ、戦場でつちかってきたものとかは人狼相手じゃ通じないんじゃないなって思ってな。
[キュ、と微かな音。
右の手もまた、手袋に覆われる。
今は穢れなき、白]
ナターリエさんは、…死者をご覧になったそうです。
それは、人ではなく、獣の所業であったと。
今まで獣に襲われたという事例は、私は聞いていません。
[それ以上の「証拠」は、未だ口にせず]
万一に備えて、先んじて動くことと。
過ちを恐れて、黙して待つことと。
どちらが愚かと、思われますか。
[教えを請うように、教師たる男に尋ねた]
…あー。
[気付けばゲルダとの距離が縮まっている。
近寄れば袖口に残る削片があるのも見えようか]
まあ、ちょっとは、ね。
集中してたものだから…。
[バツ悪そうにゲルダを見て。
心配させてしまったかと、ごめん、と呟いた]
[ベアトリーチェの頭を撫でながら]
それじゃあ、皆でかくれんぼうとかな。
[冗談めかすように他の広間に集まった面々も見回しながら]
まぁ、くらい話ばかりしてるのもあれだ。
気分転換がてら、ベアトリーチェのためだと思ってどうだ?
かくれんぼうは冗談だが。
[笑いかけ再度ベアトリーチェの頭を撫でる]
……あ、すみません。
[落とした封筒を拾おうとしてくれたことに、遅れて、謝罪が口をついて出る]
[――人狼を悪しき存在。
証を持つ者は、選ばれし者は、獣を滅ぼせと。
その事を説く手紙]
穏便に、か。
[マテウスの言葉に、一つ、息を吐く。
それに対しての否定も肯定も、返しはしなかった]
戦場の経験、か。
……時と場合によっては……かもな。
味方かも…しれない?
イヴァンはもう少し見極めてからでもいいかもしれないな。
どちらにせよ、まずはギュンターだ、ギュンター。
あの団長が……あああ、非常に邪魔だ…鬱陶しい。
やつが血にまみれて死ねばさぞや快感なんだろうな。
[一度火のついた悪意はとどまることを知らず、
ただその快楽を得ることを心は欲しって]
どっちでもいい、ギュンターは殺すか、殺そう。
俺かベアトリーチェどっちがやってもいい。
ベアトリーチェはどうしたい?
ちょっと暇潰しがてらにね。
暇潰しと言いながら集中しちゃってさっきまでやってたわけだけど。
[人懐っこい笑みを浮かべながら、後ろ頭をぽりと掻いた]
立ち話も何だし下行かね?
俺腹減ったし。
[エーリッヒを始め二階の廊下に居る者にそう提案し]
[階下を指差した]
[厨房から再び広間へ。ふきんを持ってきて床を拭き始める。残念ながら雑巾とふきんの違いを気に止める男ではなかった。たとえ普段の精神状態だとしても
床を拭きながら、ふと、顔を上げて聞いていた者たちに]
ただし、俺が人狼と聞かされたせいで自己暗示にかかってしまったのかもしれん。
そのへんは、正直自信がない……
[床を吹き終わると再び厨房へ。ふきんを洗って干し直した後にもう一度、広間へ戻る]
―二階廊下―
[痛み止めは自分の(とは言っても他者にあげるつもりだが)ものにするつもりだったけれど、曖昧にゼルギウスの提案に頷いた。
人狼を信じていないというきっぱりとした口振りに、ほんの少し、翠の眼差しが嬉しげに細まった]
食べて、美味しいって言ってもらえるのは、あたしも幸せだから。
等価かもしれないですけど。
でも、ありがとうございます。
[再度、頭を下げて、階段の方向へ歩みだす]
……その辺りは、『見極めて』みればわかるだろうさ。
[自信ない、というイヴァンに向け、静かに告げる。
見極める者。
彼が正しき力の主であるか否かは、今はわからないが]
……いずれにしろ、悩んでいたところで、その答えは見えん。
というか。
今更だが、ふきんで床を拭くな。
[最後に入るのは、日常的突っ込み]
暇つぶしか。
俺はちょっと持ち込んできたものを、とね。
[少しばかりの焦り。それは自覚があるよなないよな]
そうだな、俺も何か飲もうと思ったんだった。
ゲルダも、エーファちゃんも行かないか?
[ゼルギウスの提案に同意して、女性達にも声を掛けた]
獣、に?
[姿勢は変えず][繰り返す]
それで人を集めるとは。
やはり本気で、信じてるのか。
[自警団は]
[裏口に眼を遣る]
…さて。
備えあれば憂いなし、とは言うが。
問題は、どう備えるのか…だね。
第一確証も無い。
[小さく首を振る]
[思考を追い出すかのよう]
[イヴァンの告白、それらも頭の中に入れおいて。
手を口元に当てる。深く考え込む時の癖だ。
自信がないと不安げに言うイヴァンには、どう判断してよいのかこちらも困惑したままで。]
どう、なんだろうな。
間違って人を人狼だと言われると、それは困るわけなんだが…。
[無論逆も、と口にしないのは、僅かな可能性を残しておきたかったからだ。
とその合間にも、耳に届いたマテウスの台詞に。]
…かくれんぼ、って。
流石にもう、そうやって遊ぶ歳ではないからな…。
[はぁと息をつきマテウスを半眼で見つつ。]
暇つぶしにはならんだろうが。
何か食べるものでも持ってくるか。
[そういい残して厨房へ。]
わたしがやるよ。
見つかった死体って、あなたがやったんでしょ?独り占めは良くないよ。
[火照りが…抑えられない…。]
ああ、いや。
[我に返り][封筒を拾う]
[中身を読むつもりはなく][けれど]
…『滅ぼせ』?
[渡そうとする刹那][見えた文字]
[小さく口から零れ]
謝らなくて、良いから。
きちんと休んで。
[袖口の削片へ指を伸ばし、摘む。
短く溜息に似たものが零れるも、表情は変じない]
食事と睡眠と休息を取って、無茶しないこと。
[年上のはずの相手に、まるで説教のような言の葉。
下の階へ誘うゼルギウスに頷いて、階下へと向かう]
ああ、俺がやった。
[楽しそうにそう答えて]
そうだな、俺一人楽しんじゃ悪いな。
二人でたのしまないといけないな。
これから始まる楽しい遊びをな。
[いつもより表情が和らぐようなゲルダの様子に自然と笑みが零れた]
礼を言うのはこっちの方さ。
マテウスに殺されずに済んだし。
[昨日のことを思い出しておどけたように言葉を紡ぐ]
[どこか焦るよなエーリッヒには気付いたが、特に何も言わずに]
ここに来てまで仕事か、盛況だねぇ。
じゃ下行こうか。
[全員の同意を得られたようなので、階段へと足を向けた]
……確証が、あれば?
[敢えて、他の親しい者ではなく彼に話したのは、教職に携わる者であり、自身を知らないからこそであったかもしれない。余計な感情も混ざらないだろうと。
呟きを拾い、身体が震えかけるのを抑えた]
教会は人狼を敵対視しています。
だから、…滅ぼさなくてはならない。
私も、その責を負っている。
教会の人間であり、証があるゆえに。
[人狼は居ないと言い切るゼルギウス。
それに嬉しそうな反応を見せるゲルダ。
胸の奥が小さく痛んだ]
ああ、気をつけるよ。
[作業の名残を取ってもらいながら、そう返す。
だが集中すればスルリと抜け落ちるのは毎度のことだったり]
よし、行こう。
[エーファの肩を左手で軽く叩いて促して。
ゲルダ、ゼルギウスと共に広間へ向かって降りてゆく]
― →一階広間 ―
[エーリッヒにも、また一つ頷いて。
ことりと、ゼルギウスに首を傾げた]
マテウス兄さんに?
[その言葉だけでは、どうやっても理解には足らず。
なんとなく、昨日会っていなかったことを思い出す]
…私、ご飯作ってくるから。
厨房行くね?
[階下に降りざま、そう言って広間へ向かう人々と別れ、厨房へ。
その先に居たのは、親友と言える相手]
ナターリエ。もう、ご飯って作った?
―厨房―
[昨日のスープの残りを温めなおして、あとはパンに軽く焼き目をつけ、うえにチーズを乗せた。
燻製の肉を薄く切り、さらにその上にのせた簡単な料理を皿に盛る。
果物を甘く漬けたものも出し小皿に分け入れたところで、ゲルダの顔が見えた。]
こんばんはゲルダ。
簡単なものを少しだけだが。…足りんだろうな。
[手早くというとそんな物しか思いつかずに。]
他に何か足すか?
手伝うが。
やーちょっとからかったら「ぶっ殺す」とか笑顔で言われちゃってさー。
その前にゲルダちゃんの料理あること教えてたから、それで許されたっつーか。
大人げないよなー。
[自分棚上げでゲルダに説明しつつ一階へと降りた]
ん、それじゃあ俺らは広間行ってるよ。
飯よろしく。
[再度頼むとそのまま足を広間へと向けた]
─廊下→広間─
[かくれんぼの提案には、猫はなぁう、と喜んだかも知れないが。
主は主で、がっくりと]
……どういう発想なんだよ……。
[読めねぇ、と呟きつつ。
新たに広間に下りてきた面々に、軽く、手を上げて挨拶した]
それは、
[証]
[何のことかは分からず]
でも、つまり。
…滅ぼすということは。
[続く言葉は][出ない]
[息を飲み込み]
…それが、誰かも分からないのに?
[封筒を差し出したまま]
[弱く][呟く]
[ライヒアルトとナターリエの反応に]
なんだよ、軽い冗談だろうが。
[肩をすくめてナターリエの提案には]
おっ、ありがとうな。
それじゃあ美味しいご飯でも待ちますか。
[厨房に向かうナターリエを見送りそして広間に新たに増えた面々には軽く手を振り挨拶]
かと言って。
誰かも分からないままに放って置いては…
獣の手により、新たな犠牲が出るかもしれない。
……おかしいですかね。
人を救うことを説く教会が、このようなことを考えるのは。
[酷い矛盾だと、自分でも思う。
推し量るような眼差しを、アーベルに向けた]
こうして話している今も、貴方がそうではないかと、疑っているだなんて。
[封筒を受け取り、握り締める]
かくれんぼなんて、子供の遊びだよー。
[実はわたしは半分乗り気だったけど、周りの大人が苦笑気味なので、わたしも大人ぶってみる。]
うん、まあ。
早くに仕上げてしまいたいと思ったものだから。
[ゼルギウスに答えながら歩き。
遅れがちなエーファに気付けば、歩調を少し落とした。
その理由までは気付かぬままのようだったが]
あ、そうか。
よろしく頼むよ。
[厨房へと向かうゲルダと分かれて広間へと入り、中に居る面々に軽く手を上げた]
いよーす、相変わらずと言うか賑やかだな。
[先程までなされていた会話なぞ露知らず]
[暢気な声で挨拶しながら広間へと足を踏み入れた]
[集まっている顔を見回し、空いているソファーへと腰掛ける]
―厨房―
[既に厨房には、調理をしている際の香りが漂っており。
出来上がったものを覗き込む]
うん。
…人数多いしね。
今、エーリッヒとエーファと薬師様と降りてきたし。
後で、自衛団長様も食べるかもしれないし。
[足すつもりがあると示して、大鍋のある棚を指さした]
塩漬け肉のスープで、ポトフ、作るの。
材料は用意するから。
[鍋など道具を用意してほしいのだと言外に]
[ベアトリーチェにも子供みたいといわれるて]
じゃあ俺がこの中で一番子供ってことか。
[肩をすくめて苦笑をもらす]
なぁ、エーリッヒ、ゼルギウス、エーファはどう思う?
[着たばかりの三人に突然に話題をふったりとか]
……冗談にしても、な。
[マテウスの言葉に、もう一つため息をつき]
賑やかにもなるだろ、ここに集まるくらいしかすることないんだから。
[ゼルギウスに返した直後に。
聞こえたイヴァンの声に、がっくりと来た]
……ふきんと雑巾は、その主用途に基づいた縫製が全く違うっ!
[真顔で突っ込む所なのかと]
狂信者→エーファ
占い師→イヴァン
霊能者→ナターリエ
聖痕者→ウェンデル(朱)、??(蒼)
守護者→??
今のところアピールあるのはこんな感じかなぁ。
[エーリッヒが歩調を緩めたのには気付いたかどうか、ふいにかけられた男の声に、目を瞬かせる]
こども、には、見えない。
[言葉は聞いていたようで、答えは単純]
ヨハナさんもなにかありそうなことは出していたけどはたしてどうなのやらだな。
エーファはどっかで守護者とも思ったんだが、どこだったか忘れた。
おかしいことじゃないさ。
人を救う為と言うなら。
…でも、
それでも、…僕には、無理だ。
[弱気な言葉]
[教師としては][相応しくなかろうか]
誰かも分からないのに、
…殺す、なんて。
[先程止めた言葉]
[眉を顰め][渡した片手で頭を押さえ]
そうか。そう、だよな。
…僕にも、分からないさ。
[向けられる疑い]
[出掛かる弁解の代わり][視線を落とす]
大人気なくて悪かったな。
[ベアトリーチェに笑われれば]
お兄ちゃんの心は今深く傷ついた…。
[そして少し悲しそうなそぶりを見せながらエーファの頭を撫でて]
エーファはいい子だな、うん。
エーファはお兄ちゃんの味方だよな?
[殺す。命を奪う。
その言葉は、敢えて避けていた。
ここに連れて来られたときに、自ら否定したはずの台詞だから]
……教える立場の方でも、迷われることはあるんですね。
安心しました、など言っては失礼かもしれませんが。
[苦笑を浮かべてみせる]
―厨房―
ん、皆降りてきたんだな…パンも増やすか。
大鍋は一番右の奴でいいな?
器は多めに用意しておくか。後で取り分ければいいんだし。
[親友の仕草から瞬時察し、大鍋や器具を棚を開け探し出す。
小型のナイフも一つ取り出し、野菜を切るならその手伝いもしようかと。]
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