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薬師 ミリィ は、蒼月の『絵師』 エーリッヒ を占った。
次の日の朝、自衛団長 ギュンター が無残な姿で発見された。
そして、消え行くもの。
運命の輪が回りだす。
紡がれるのは、如何なる結末への道筋か……。
現在の生存者は、蒼月の『絵師』 エーリッヒ、白練の歌子 エルザ、学生 リディ、職人見習い ユリアン、青年 アーベル、奏者 ミハエル、司書 オトフリート、薬師 ミリィ、少女 ベアトリーチェ の 9 名。
[エーリッヒに撫でてもらって、とてもどぎまぎし、
そちらをまともに見る事もできず]
[アーベルの言葉を聞いて俯いた]
…。
そう、返してくれればいいのに…。
大切なものなんだから…。
[そこでミリィの弾劾]
リディねえちゃんが噂の発生源…?
[頷けるものはあるようなないような]
[続くリディによる暴露?に呆気にとられた]
学生 リディは、蒼月の『絵師』 エーリッヒ を能力(襲う)の対象に選びました。
学生 リディは、少女 ベアトリーチェ を投票先に選びました。
……うるさい。
そんなの、わかっている。
[地雷を踏まれたのに、呟きは至って静かなもの。
どれに対してかは、定かではないけれど]
往診があるんだ。
私は、もう行く。
[抑えた声で短く言うと、くるりと向きを変えた]
[目の前で色々見てるとさすがに二日連続で踊らされた身としては疲れてしまうとかで]
…二人はこんな大人になっちゃいけないんだぞ
[主に踊らされたりとか色々あって、とりあえず和みを求めて、頭の上においていた桶を下において、エルザやベアトリーチェを撫でてみる]
……いや、別に。
そんなん、認めてもらう必要、ないから。
[リディの主張に困ったように言って。
立ち去る薬師の残した言葉には、ああ、と一つ頷いた]
えーと荷物も渡したし、
ちょっと、おうちにかえりますー
[タオルとか持ったままで、
なんとなく肌に塩がついてるようで、ちょっと困っていたのだった。]
絵師様のかっこよさ、綺麗さは、皆知ってるから問題ないですね!
……いやいやいや。
そも、なんでそういう評価が出てくんの。
[綺麗とかかっこいいとか。
一体どんな見られ方をしてる、自分、と。
『絵師』を引き継いでから、初めてそれを意識したかもしれない]
だよなぁ。なんか二つないと駄目らしいし……それに…なぁ
[と、ベアトリーチェに
なんで駄目なのかはしらないがそんなものなのだろう。と勝手に納得しつつ絵師の役割…己もその伝承で外にという思いはあって、左目を手で覆いながら自然と上を向きつつ]
あ、ミリィ先生もまたー
[気づけば先ほどあれだけ居た人もいなくなってきている。と思いつつもう片方の手を軽く振って見送り]
あ、薬師さま、また…。
えっと、おつかれさまです、なのだ。
[なぜかそんな挨拶が出てきた]
[アーベルには]
でもリディねえちゃん含めてみんな良い人なのだ。
えへへー、
そんな言い方すると、おじちゃん臭くみえちゃうのだ?
[撫でてもらえて嬉しいけれど、
己より年上のエルザも同様に扱うのはどうなんだろう]
[なんて疑問も顔にでたが]
[周りの騒ぎが、うまく判らなかったけれど、
アーベルに頭を撫でられて、にこり、嬉しそうに笑った。
リディやミリィが去ろうとするのに]
ごきげんよぅ。
[声をかけて、手を振った。
それから周りを一度見て]
あ、ふくろ。
[畳んだ布袋を持っておかみさんのところに行かなければならなかったのだ、と思い出して。]
行ってきます!
[唐突に大きな声で挨拶をして、
くるり、背中を向けて駆け出した。]
いや、自覚とか無自覚とか、そういう問題でもないでしょ。
[完全に呆気に取られつつ、どうにかそれだけ言った。
少女の年の頃には既に『絵師』として、ある種、周りと切り離された生活をしていた部分もあるせいか。
多感な年頃の夢見る感性には疎い。かなり]
― 図書館 ―
留守番ありがとう。ああ、やっぱり本当だったよ。
絵筆は盗まれていた。
[図書館に戻ると、留守番をしてくれた隣家の主人と残っていた客にそう告げる]
強い?
いえーい、そうです強いでーす
[わかんないけど答えているのは丸判りだ。]
自覚とか無自覚とかはかなり重要だと思うんです!
絵師様は綺麗だし、かっこいいです!
……そういうもん……なのか?
[真剣に、わからなくなってきた。
なので、場にいる面々に、問うような視線を向けてみた。
このまま、リディとだけ話していると、なんだか押し切られそうな気がしたのは否めない]
[ミハエルの感想に内心で深く頷きつつ]
いや、別に悪いとか俺もいってるんじゃないけど
…そだな…さっきから苦労して一気に俺老けたかもしれねぇ
[もしくは若さをリリィに吸い取られたか。とか思う辺り、どっちもどっちかもしれないが]
お、エルザもいくのか。また。気をつけろよー
[駆け出したのを見て思わずそんな声でエルザを見送る。そんなのだからベアトリーチェと同じように頭を撫でたりしてるのだろうとか]
[不安気なざわめきが広がるのを背に、書庫へと入り、古い書物を納めた一角に向かう]
・・・・・見つける方法、か。薬師殿は、何かを・・・・・
[呟いて、目を伏せた**]
白練の歌子 エルザは、蒼月の『絵師』 エーリッヒ を能力(襲う)の対象に選びました。
はあ。
[リディの様子に。
なんかいろいろ かんがえるのを ほうきした]
…行って、らっしゃい?
[急に駆けて行くエルザに、つい反射的に返しつつ。
少し呆気に取られて見送った]
[ぱたぱたと走り、布袋をおかみさんに渡しに行こうとして
大事なものを、中に入れているのを思い出して足を止めた。]
いけない。
ぜったいに、だめ。
[布袋から出して布袋だけを渡そうという思考には及ばず、
ぱたぱたと足は自宅へと向う。]
はい。
絵師様はすっごくかっこよくて綺麗で、
それにとてもすごいことが出来る、良い人です!
[勢いはとても凄いです]
だから、自信を持ってください!
好きです、か…。
あんな風にあたしもはっきり言えれば…。
[つい、そう漏らして]
[続いて「ふくろ」というエルザの言葉から]
[自分の勤めも思い出す]
……あ、そうだ、
あたしもお仕事にいかなきゃ、なのだ…。
あの、では、失礼します。
絵筆のこと、何かわかったらお知らせします、なのだ。
[お辞儀すると、
エルザに続くようにして広場を去った]
……はぁ。
[零れたのは、嘆息のような、呟きのような。
それでも、リディの言葉の一部に、何故か表情が、陰り]
……俺は。
俺は、『良い人』じゃ、ないなぁ。
[否定の言葉は、小さく、短く紡がれる]
[立ち去っていく者たちに気づいたのは、その時で]
ああ、何かわかったら、頼むねぇ。
[ベアトリーチェの背に、こう声をかける。
首を傾げる弟の様子には、やっぱりあの主張は理解を超えているのかな、なんて。
そんな事を思ったりもしたが]
絵師様。
[小さな否定の言葉に、ことさらまじめになった。]
絵師様は、私にとって、良い人ですよ。
だって手を貸してくれたじゃないですか。
それにみんなの絵を描いてくれて、いつか空に連れていってくれるんですよね。
絵師様がいるから私たちみんな夢を持っていられるんです。
って、ええと
[そこまでいって、おおあわてになった。
変な口きいちゃったかなと思ってるのは、多分わたわたしているのを見ればわかるだろうけれど。]
あ、おうちかえります!
[家の扉を開けば、床には綿毛が敷き詰められている。
端で靴を脱ぎ、ふわふわするその地面を裸足で歩き、棚をゴソゴソと探り始めた。]
たしか…このへんに。
[大工だった父が作ったイーゼルがあったはずだと。]
ん、まあ……そう、思ってくれるなら、ありがとなぁ。
[リディの主張を、今度は否定も肯定もせずに。
微かな笑みを浮かべながら言って、走って行くのを見送る]
……走るのはいいけど、前方にちゃんと気ぃつけてなぁ!
[ふと、こんな言葉を付け加えたのは、昨日の一件があったから]
[だけれど走って向かった先は、おうちを通り過ぎて、エルザの家。
彼女の家はけっこう有名で、がんばってそこにいった。]
えーと、絵、描く?
[ベアトリーチェが去って行くのを見送り。
いつの間にか随分と人の少なくなった広場。
そちらに意識を向けていたから、呟きには気付かず]
ああ。
まだ、途中だったっけ。
[途中で止めて来た作業を、今になって思い出したかのように]
[扉からリディが現れれば
ぱぁっと、笑顔になる。]
かこう、描こう!
イーゼルが見付からないんだけれど、
キャンパスは、みつけたの。
[大きなキャンパスを出して、綿毛の敷き詰められた床に、置いた。]
うーん、ためしがきだから
何にかいてもいいとおもうし
何でかいてもいいとおもうよ
イーゼル?
[ふしぎそう]
ええと、描くなら、空も書くかな
海とかも?
[ふと聞こえた、途中、という言葉に弟を見やり]
……俺が言うこっちゃないのは、承知の上で言うけど。
お前もほんとに、ちゃんと休めよ?
夢中になると、ほんと、周り見なくなるんだから。
[その辺りは、父からの遺伝だろうか、などと考えつつ。
人気もまばらになってきた広場を見回す]
さて……と。
何事もないと思いたいが……一応、念のために備えておいた方がいいか。
あ、俺もそういえば水汲みに来たんだった
[ベアトリーチェやリディを見送りつつ呟き]
じゃあ俺も何かあったら注意して見ておきますんで…
[と言って桶をまた頭に乗せたところで思い出して、エーリッヒを見て]
えっと…そのなくした絵筆の見た目どんなんです?
[それがわからないとどうしようもないとか思い至ったとか]
分かってるよ。
…兄さんよりは休んでるつもりだけど。
[返すのはいつもと同じ言葉]
ん。じゃあ…
[そう言って、行こうとし。
アーベルの言葉を聞き、一度振り返った]
て、え?
ああ。
[アーベルの問いに、きょとり、としながらそちらを見やり]
見た目は、普通のものなんだけどね。
持ち手が漆黒で、鳥と魚の彫り物がしてある。
[鳥、は伝わりにくいかも知れないが、魚の方は見知っているからわかるだろう、と思いながら、こんな説明を。
現物を見せれば早いのはわかっているが、さすがにそれは不用意だろう、と思いとどまった]
うみ、みたことないの。
描ける?
長さまを描いて、空を描いて、あなたが海を、描く?
[キャンパスはきっと失敗さくなのだろう、薄汚れていた。
絵の具は無かったから、大工道具の壁や屋根に塗る染料を、持って来る。
それから、鞄に入れていた絵筆を大事に大事にとりだして、リデぃへと差し出した。]
私も、水しかない。
描くよ。
長様はんぶんつ?
[それはひどい描き方だななんて、本人思ってない]
うん。
ありがと。
[保管されてた絵筆を受け取ると、なんだか嬉しくなって笑った。]
じゃあ、最初に、ぺたっと
ふむふむ。持ち手が漆黒で鳥と魚の彫り物…と
[脳内にメモするように頷いて]
どもです。じゃあ見つけたら…目の前にでないとわかんねーけど、落ちてたり誰かが使ってるのみることはあるかもしれないんで、ちょっと注意して見ときます。
ミハエルにミハエルの兄さん。またな
[桶を片手にバランスとりつつ、空いてる手で軽く手を振りながら水を汲みに泉のほうに向かった]
ふふふ。
たのしい、ね。
[リディの持つ絵筆の動きを、じっと目で追う。
その持つ手に鳥と魚が彫られているのをみつけ、暫し目は釘付けられた。
薄汚れたキャンパスに色が乗って行くと、
更に心は躍る。]
あ、はい。
[アーベルを見送り。
傍で聞いた筆の特徴について、口の中でなぞるように繰り返してから]
じゃあ、また。
何かあったら言うから。
[兄にもそう言って、広場を離れ。
自宅へ向かう]
ありがとう。
[にこにこ笑いながら、筆を受け取って
青や赤、黄の色をキャンパスに乗せる。]
長さまのこころのちからで。
そとにでられますように…。
[小さく呟き、また、ぺたぺた。
暫く色を塗り、またリディへと絵筆を渡し。
そんなことを何度も繰り返す。
そして同じ頃、ギュンターは、不調を訴えたりしているのだろうか?]
まあ、使われないのを祈ってるけど、な。
[アーベルの言葉に苦笑しつつこう言って]
俺よりは、ってのは、全然自慢にならんから。
……誰かに言われんでも、ちゃんと寝食とるようにしてくれよ、ほんとに?
[広場を離れる弟には、こんな言葉を投げかける。
妙に諭すような口調は、時折零れるもの。
それが何を意味するのかは、定かにはしていないが]
さぁて……んじゃ、俺も一仕事してくるか。
じじ様と、これからの事を話す必要もあるから、後で家に行かんとな……。
[ぶつぶつと呟きつつ。
足を向けるのは何故か、*洞窟の奥の方*]
―泉―
二つないと駄目らしいけど、何が駄目なんかなぁ
[ぼんやり思いつつも周囲が解散したことで、どう重要なのか。その重要度が薄く感じて]
さーて、さっさとしないとな。
[だから生活…暮らしに戻る。
ここで誰かが糸を紡ぎ布を織るように。キノコを栽培するように。石器や土器をするように。海人は海に潜りその産物を取ってくる。それが役割。であると]
[出来た絵には、とても満足をした。
だけれど、心の力が溜められたのかどうかは、今一判らなくて。]
ね、長さまどうなってるのかな。
この絵、何処に持って行く?
[絵筆についた染料を水で落とし、丁寧に布で拭ってから
乾き始めた絵を見て、聞いた。]
/*
むしろ、誰か発見描写やってください(待。
二度ばかし長文撤回したのが、地味に効きそうなんだぜ……!
地上にいてられるのはこの二日だけだから、まあ、多少飴食いになっても絡めるだけ絡むつもりだがっ!
かくしておくなら、何処にかくそうか?
[その絵は、きっと次の日に誰かに見つけられてしまうのだけれど、
それはまだ少女達はあずかり知らぬ事。
只今は、今のテンションで頭にやや血が上っていた。]
何処か、良い隠し場所、知ってる?
無いなら、んー…
[少し考えはじめる。]
[そして水を汲んで頭に抱えて家路について]
―自宅―
ただいまー。戻ってきたぞ。遅れてごめん
「おかえり、アーベル。ちょっとそこに座りなさい]
は?…ああ、いいけど。魚とかいいの?
[それはもうやってきたから。といわれ座る。そして対面する位置に母と父。何かあったのか?とか思いつつ、一端桶を隅のほうにおいて座れば]
「アーベル。先ほどご近所さんから噂を聞いたのだけど、知ってるかしら?」
ああ、絵筆が盗まれたって。
「ええ、大変な事態よ…」
……そうらしいけど、どう大変なのか俺わかんねーんだけど、母さん知ってる?
「……知らないわね。そういえばどうしてなのかしら」
[母にあっけらかんと言われて思わず突っ伏しそうになった。]
おもいうかばないけど・・・
うーん
綿毛のなかとかなら、見えないかなー?
すぐ気付かれちゃうかな?
でも、どこかにおいておこう。
きっと隠せる場所はあるよ。
こっちの台詞だよ、本当に。
[自宅の扉の内、吐息混じりに零した。
同じ言葉を、帰り際に兄に返したかも知れないが。
真意には気付くや否や。
ふるりと一度、首を振る]
[とにかく大変な事態ということで話は進んだ。大変っていってたし、大変なんだな。で納得しとく気楽な家族だが]
「母さんは、アーベルのこと信用してるわ。あなたはそんなことしないって」
う…うん。…どしたの?改まって
「だから…素直に出しなさい。お父さんと一緒に謝ってあげるから」
[今度は本気で突っ伏した。前後の繋がりがわからんぞおい]
…ちょっ。信用してたんじゃなかったんかいっ。ってかそんなことしてねー!
「そ、そんな、いつのまにアーベルはこんな嘘をつく子に育ってしまったの…」
[思わず涙ぐむ母親。]
「…母さんを泣かしてはいけない…」
俺が泣きそうなんだが、それ以前に息子を疑うなーーーー
「こんな子に育ってしまって…少しはミハエル君やエルザちゃんを見習いなさい」
ユリアンとリディは!?
[とかなんとか色々言い合いが開始]
つまり…遅れたからそのお仕置きということですか…
「ええ。でも面白かったしいいでしょ」
[思わずぐってり疲れた。ジト目でみても笑みを絶やさない母。女性は強いと。ミハエルが呟いた言葉に同意しておいて良かったと思うが]
「でも何か大変みたいよ。ねぇ?あなた」
「…ああ…ギュンターが言っていたからな…」
…そなんか。どして?
「…仔細は聞いてない…」
…ふーん。
[なんとなく気楽に構えていたが、父が言うからにはそうなのだろう。と考えを改め、一度甕に汲んできた水を継ぎ足した後。*聞いた筆の特徴など口にした*]
/*
一人芝居で遊んでしまったのであった。
…や、今回なんか世界観が面白いから暮らしを出したいんだぁとかなんとか。
まあだんだん諦めつつあるが(ぇ
[ともあれ、先ずは作業が先だと思う辺り、五十歩百歩なのは否めない。
二階自室まで辿り着き、部屋に入る。
と、]
っ、
[右の首筋を押さえた。
そこからじわ、と熱が伝わるような]
…何か、したっけ。
[そんな風に呟けど、思い当たる節と言えば、変な体勢で寝ていて寝違えた可能性くらいで。
それにしたって今更だ。
首を傾げながら、確かめようと上の釦を外し、前をはだけ。
部屋に備え付けてある鏡を覗き込んで]
な、
…これ、
[見えた形に愕然としたまま、数歩下がる。
それが意味することは、十分に理解している]
嘘だ。
なんで、僕が。
[呟きは殆ど音を為さず。
すぐ傍にある机の上、手に触れる紙がかさりと音を立て。
首はそちらに動く。
されど今、緑はただ虚ろにそれを映すだけ**]
/*
以下独り言で「お前かよ!」的な突っ込みがあるに500ゲルト。
ついでに弾かれ役職だと誰にも気付かれなかったら僕の勝ち。
[何が]
― 図書館 ―
[書庫の一角、鍵のかかる書棚に並べられているのは歴代の絵師と、彼らの描いた絵の記録……つまりは「死者」の記録だった。絵の記録の方を手に取って、最近の部分のページをめくる]
・・・・・最近は事故や病気での若死には無かったが・・・・・
[近親者や親しい相手を亡くして絶望した者が、その反動のように空への憧れを強くするのはこれまでも起こったこと]
・・・・・・・・
[自らが記録したページの中に、その一人であった兄の名を見いだして、しばし手を止める。当時の司書であった兄は恋人を病で亡くし、その最期の願いを叶えようとして、海へと向かい、二度と帰らなかった]
[一人残された自分が、兄の絶望の真の意味を悟ったのは、司書の勤めを引き継いだその後のこと]
・・・・やはり、記録からでは人の心は見えないな。
[嘆息して記録書を棚に戻す。絵師には、絵の中の心が見えるのだろうか?と、ふと思った]
―綿毛の大畑のある区画―
[糸紡ぎ場に入ると。
すでに来ていた人々、絵筆盗人の話題に達し騒然としていた。
首を竦め、作業用の布袋を引っ張り出す。
それから袋を抱え
同職の子供と、畑へむかう道すがら]
聞いた、ティム? 絵師様の筆が盗まれたって。
たいせつな筆だけど、取引して得になる品でもなさそうだし、欲しがるひとなんて居るのかなぁ…
「盗人は、絵を描きたいんじゃない?」
「並んで歩みつつ、ティムはあっけらかんと]
…絵師様以外には使えないんじゃない、あの筆…。
ふつうは、そうかんがえるのだ。
[絵師以外が『力』を操るなど。これまで発想になかったから]
「でもさ、使おうとはしてみるんじゃない?
だって…もし俺が、絵師の力を手に入れたら」
[言って両手で示すティム。薄く輝くような、高みを]
「きっと、『空』へ行こうと、する」
そ ら …?
「つられ見上げ。俯いた。
絵師は、描く絵に心を封じ、溜める。
いつか皆で、空へ行くために。
――語り継がれてきたそれは伝説。
眠る前にいつも、祖母の口から聞いた、おはなし]
……そんなの……。勝手なのだ……。
─海水通路─
[広場を離れ、向かったのは都市で最も古い区画。
空気の感触が変わる辺りで足を止め、周囲を見回す。
人影や、人の気配がない事を確かめると、壁の一画に軽く、手を触れる。
ぽう、と灯る蒼い光。
直後に壁が口を開け、薄闇の満ちた空間が先に広がった。
淡い光と薄闇の境界を越え、その奥へと踏み込むと、壁は何事もなかったかのようにその口を閉じた]
[家に帰り、水を浴び、腕についた傷を見る。
困ったなぁという顔をして、それでも沁みる薬を貰うのはいやだから服でかくしてしまう。]
うーん。
なんか絵筆ないらしいよ
[親と会話で口にしたこんなこと。
それからはふとため息ついて、ベッドに頬杖ついて海を思った。]
─氷面鏡の間─
[海水通路の奥に隠された部屋。
表に出る事のない、言わば、都市の『闇』を秘める場所。
ここを訪れるのは、年に数回あるかないかだった]
……んー。
やっぱり、ないか。
なんかの弾みで、ここに戻ってるかと思ったんだがなぁ。
[はあ、と吐き出すため息は白く色づく。
隠された部屋は気温が低く、壁の一部が氷で覆われていた]
ま、取りあえず、『力』は込めとくかぁ。
……おかしな使い方は、せずに済ませたいんだけどなぁ。
[呟きながら、残った『絵筆』を取り出し、氷の壁の前へと置く。右手は、漆黒の持ち手に触れたまま。
蒼い光がふわりと灯り、それは『絵筆』の内へと消えてゆく]
[休息のあとに、外へ向かう。
布工房の方に行ったところで、代金の話をきいて頬をふくらませた。]
じゃあさ、その分、糸つくるからさ。
ユリアンに布おまけしてあげてよ!
安売りだよ安売り!
私が糸を一生懸命作るの、そうないんだからそれでいいでしょー?
「お前はそれが仕事だろう」
だってある程度で良いっていうじゃん。
ある程度はいつもちゃんとやってますぅー
[少女の手が動くと、綿は糸へと変化する。
真剣な表情で、集中は途切れることを知らない。
出来上がった糸はかなり細く、長く、親方たちが感嘆しているのなんて少女は知っているのか。
その集中が遮られたのは、大きな足音と声のせい。
長が封じられたことと、その絵が見つかったことを知らせる人によって*だった*]
……ふう……きっつ……。
[光が消えると同時に、零れ落ちるのはこんな呟き。
冷え込む空間にありながら、額には汗が滲んでいた。
それを拭こうとして、あ、ハンカチ貸したまんまだった、などと暢気に考える]
……さて、戻る……って、あれ?
[ふと、見やった氷の壁。
そこに映る影に、思わず呆けた声が上がった]
……『月』。
昇って……る?
― 水晶花の花畑 ―
[止め処なく流れ落ちる水の音は身体の奥まで響き渡るよう。
体内の水と呼応しているのか、心地好い感覚に満たされる。
荒れた心が、鎮まっていく]
……ふう。
とりあえずは、これくらいでいいか。
[咲き乱れる花のうちの幾輪かを摘み取り、息を吐く]
……そっか。
[ふ、と。
口元を、笑みが掠めた]
これで、いつでも『沈める』って訳か。
[口調に籠もるのは、安堵の響き。
ともあれ、漆黒の『絵筆』を再び内ポケットへと入れて、隠し部屋を出る]
さぁて、んじゃ、じじ様のとこに行くかぁ……。
[常と変わらぬ、暢気な口調で言って。
長の家へと歩き出す]
[――絵師はすごい職業。
多くの者の目が、そういったものであることは知っている。
皆が空へ行くことを夢見ていることも。
いつからか、そのようにして伝えられて来たのだから。
生を守る薬師。死を描く絵師。
彼との、互いの立場の違いも、分かっていた。
それでもお節介を止めなかったのは、
幼い頃から知っている者の見方を変えたくなかったから]
[幾つかの最期を看取り、死を描く絵師を見た。
薬師の子として。
死に対して何も為し得ない、己の無力さを知った。
死者を連れて行く、絵師を呪ったこともあった。
けれど、訪れた死と向き合うことしか出来ない絵師の心中は、
如何なるものであるのかと。
そんなことを考えたのは、何時だったろう]
因果な職業だよな。
[呟き、立ち上がって土を払った。思考を払うように。
摘み取った花の根を包み袋に収め薄く色付いた花畑を後にする。
途中に崩れた道を見、自分の為すべきことをと、*決意を改めて*]
[長の家へと近づくにつれ、ざわめきが大きくなり。
何事か、と訝りながら足を速めてそちらへ向かう]
どーしたの、なんかあった?
[嫌な予感を感じつつ問えば、返るのは長が急に倒れた、との言葉]
……いきなり?
[まさか、と。
零れたのは、掠れた呟き]
で、じじ様は、どこにっ!?
[今は私室で寝かせている、という言葉に、慌ててそちらへと走る。
心配そうな家人への挨拶もそこそこに、長の様子を見る]
……これ……は。
[医術の心得はないため、具体的な状態の判断はつかないが。
一つだけ、理解が及ぶ事があった]
……『絵筆』の……『力』。
[自身に取っては馴染み深い力。
その干渉の残滓が、微かに感じられた]
……とにかく、誰か、薬師殿を呼んで来て。
俺じゃ、じじ様の状態は判断つかん。
それと……。
[続く言葉は、やや言い難く。
それでも、言わねばならない、と言葉を続けた]
俺の考えが正しければ、都市のどこかに、じじ様の姿絵があるはずだ。
急いで、探して来てくれ。
[告げる言葉は、何処か、冷えて聞こえたかも知れない。
普段、軽く振舞う『絵師』とはかけ離れた様子に周囲は戸惑ったようだが、それに構っている暇はなかった]
[ひとまず、長の私室を離れ、応接室へと移動する。
それから、どれほど時間が過ぎたのか。
持ち込まれたのは、長を描いた一枚の絵]
……最悪、過ぎだ。
[それを見るなり、低い呟きが*口をついた*]
/*
霊能さんがなんぞやるかなぁ、と思っていたのだが。
場が動かないのもまずいし、トス上がってたしいいか。
発言数なんて気にしたら負け、負け。
しかし、投票はどうするべきか。
とりあえず、デフォはねぇだろ、デフォは。
(注:デフォはオトさんです)
いちお、描写上は俺が手ぇ下すわけだし。
理由付けできるとこを考えんとなー。
[浮遊感を消す形で、少女は目を覚ます。
鞄を手にし、何時もと同じように家を出て、少女は綿毛畑へと向った。]
ごきげんよぅ、こんにちはぁ!
[居る人々に何時もと同じ調子で挨拶をすれば
絵筆の事件のせいか、気分もすぐれないのだろう、
大人たちは露骨に眉を顰めて少女を見た。
少女は気にせず前を通り過ぎ、白いふわふわした畑へと入っていく。]
白練の歌子 エルザは、職人見習い ユリアン を投票先に選びました。
それは三番棚の薬液に着けておいてくれ。
水晶花のほうは……
[「実験」のために一度摘んだ花を置きに診療所へと戻り、
助手にてきぱきと指示を出す。
ミルドレッド自身は残りの往診へ向かおうと支度をしていると、
急いた様子のノックの音が続き、返答の間もなく扉が開かれた]
なんだ、騒々しい――
……長殿が?
[丁度その時だった。
彼女が紡ぐ歌が途切れたのは、大人の大きな声。
長が、という声と共に何人かの荒々しい男達が綿毛畑へと入り込んでくる。]
どうしたの…?
[少し面食らいながらも見ていると、
絵筆を探せ、ここにあったら見付かりにくい、などといいながら、男達はこの綿毛畑の綿毛草を引っこ抜いたり倒したり踏みつけたりしながら、畑の中へと足を踏み入れる。
生活に必要なものだから、それほど全て荒々しくなぎ倒す事は無いにせよ、踏まれ折られ、白い綿毛は幾度も散った。]
― 長の家 ―
[息急き切って室内に入れば詳しくは絵師にと言われ、
まずはと応接室に通される]
エーリッヒ、何があった!
[問うた直後に運ばれて来るのは、一枚の絵。
それを見るなり聞こえた低い呟きに振り返り、目を瞬かせた]
―布織り工房―
長様が?
[少女の手には、糸が絡み、アンバーの目がぱちぱちと瞬いた。
それから、つくり途中だった綿を手早く細い糸へ変え、立ち上がる。]
絵師様大丈夫かなぁ。
……だって、昨日も変な様子だったし。
ミリィせんせーとうまくいってないのかな。
[は? って顔で男達が少女を見た。]
え、違うの?
本当は絵師様とミリィせんせーがらぶらぶで。
オトせんせーと絵師様の間でミリィせんせーが揺れる乙女心だと思ったんだけど。
「今問題になってんのはそんなことかよ」
ううん、今は絵だよね。
長様の絵が見つかったんだっけ?
[窓の向こう側を見て、しばらくは声を聞き流す。
たまに、絵師がとか言う声も聞こえたが、少女は心ここにあらずだった。]
─長の家─
……俺も、できればこういう展開は見たくなかったんだけどねぇ……。
[悪態に続いて、零れ落ちたのはこんな呟き。
立ち上がり、運ばれてきた絵に軽く、手を触れる]
……間違いなく、『封じの絵』だ。
『絵筆』を持ち出したヤツが、その『力』を生者に……じじ様に向けたらしい。
[絵に向かうエーリッヒに場を譲り、横に立って見詰める。
鞄を持つ手に自然、力が篭った]
……馬鹿な。
心無い肉体は、唯の抜け殻に過ぎん。
死の訪れたものならばともかく、生者であれば何れ――
[目にしていないがために、確信はないが。
紡ぎかけた言葉に背筋に薄ら寒いものを感じて、口を噤む]
こういうときはさ、もいっかい海に潜って、げんをかつぐのが良いよね!
ってことでいってきまーす!
あ、でも長様ってどうなってるの?
いったら邪魔かなぁ
[明確な答えは返らない。
少女は少し考え、それから一度家により、長の家に向かった。
中にはミリィが入ったあとのようで、入ることは出来なかったけれど、外の人たちと話してどういう状態かは知ることが出来た。]
そっか。
絵が描かれるとそんな風になっちゃうんだ。
[実物を見ていないからか、現実感は伴わないことば。
少女は中を見るようにして、それから海へ向かう。
絵を見た人たちが、青色の話をしていたのを聞いたけれど、心は海を*望んでいた*]
[語られる予測に、軽く、肩を竦め]
まぁ、いい結果は得られんだろうね。
絵から解放すれば、事なきは得られるだろうが……解放には、つがいが揃う必要がある。
早いとこ、持ち出された方の筆を取り戻さんと、まずいな……。
……全く。
お前が抜けているからだぞ。
いっそ、あんな絵筆など、
[持ち運んで来た男が部屋を出て行くのを見送ってから言いかけ、
「なければ」との一言は爪を噛んで飲み込んだ。
子供染みている]
いや。
今、言っても仕方のないことだな。
……はいはい。
抜けてるのは、今更否定しないよ。
[飲み込まれた言葉は察しがついていたから、それには触れず]
とにかく、早いとこ『絵筆』を見つけないとな。
さすがにこうなると、悪戯の一言で片付けるわけにはいかない。
……と、探すのにこれが必要なんだっけ、そう言えば?
[言いつつ、ふと思い出したのは広場でのやり取り。
内ポケットから、布に丁寧に包んだ筆を出しつつ、確かめるように問いかけた]
みつかっちゃった?
ほんとうに?
やだな…
[声は、少し、沈む。
目に映るのは、散る綿毛。]
まだ、足りないってことなんだよね?
だって、まだ、もどれない…。
なんで。
よりによってお前が、絵師など継いだのか。
[三度目。
言えないことば。
それだけは、欠片も口しなかった。
――そういう、運命だったのだから]
……そうだな。
[口から手を離すと、額に当てて息を吐き出す。
一時閉じていた瞳を開いて、出された筆を映した]
ああ。
水晶花から作った薬と、
知りたいものに親しいものと、
知りたい相手の一部。
材料を揃え、呪を加えれば、真実の色を示すのだという。
と言えば格好は良いが、
匂いを辿って繋がりを探り白黒を判定するようなものだな。
[身も蓋も無い言い様で締めくくる]
問題は、一度に分量が作れないことと、信憑性か。
信憑性はなくても、今は手段は選べない訳で。
あー、なんか、切るもの持ってる?
[苦笑しつつ言って、布の包みを解く]
……しかし、じじ様がこういう事になると、荒っぽい連中抑えるのが難しくなるな。
どうやって、納得させたものやら。
まあ、確かだな。
都市もそれなりに広い、持ち物検査をするにせよ、
隠し場所など数多くあるだろうし……。
[解かれる包みから現れる漆黒を視界に入れつつ、
鞄から鋏を取り出して、持ち手の方をエーリッヒに差し出す]
これで良いか?
……持ち歩くのが一番の方法とは言え、
不用意に出したり私に見せたりしていいのか、お前は。
[つい小言めいたものが口をついて出る]
荒事は私の領分ではないからね。
絵師の鶴の一声でなんとかならないのか。
こういうときにばかり頼るのも癪ではあるが、原因だろう?
知られてない横道とか坑道も、結構あるからねぇ。
[軽く言いつつ、受け取った鋏で絵筆の毛を切り落とす]
ま、薬師殿は信用してますから、一応。
[小言めいた言葉には冗談めかして返すものの、続いた言葉には、眉を寄せた]
確かに原因だけどなぁ。
なるべく、落ち着かせてはみるが……どうなるか。
強行手段も、視野に入れておかなきゃならんかも知れん。
こうなったからには、持ち出し側も筆を大人しく返すとはちょっと思えんし……ね。
[毛を包むための紙を用意しようとして、
エーリッヒの言葉に動きを止めた]
……、…一応かっ。
[少しだけ、むっとしたような響きが滲んだ。
思案げな様子を認めれば、直ぐ、真剣な顔に戻るのだが]
強硬手段――?
だれに、しよっか。
[みつかったら、おこられる。
男達をみながら、少女は少しばかり、恐怖を覚えていた。
はやく、しないと。]
…2ほんあったら、ふたりで別々に。
いっぺんにふたり、描けるかしら…?
[小さな呟きは
相手の少女に、届くだろうか――?]
[綿毛畑が蹂躙されていく様を見ているのは
なんだかとても、胸のあたりがきゅうっと
苦しい気が、して。
ぱたぱたと、走り出した。]
…いたい……。
[胸元を押えたまま
腰の辺りで、肩から提げた鞄を跳ねさせつつ少女は走る。]
/*
村人: ギュンタ
占い師: ミリィ
霊能者:
守護者:
共有者: エーリヒ
聖痕者: ミハエル
狂信者:
呪狼: リディ
智狼: エルザ
ユリアン、オト、アーベル、ベアが不明。
でもきっと狼のために隠れてくれてるんだろうなー。
そろそろどっちか表に出たほうが良いかと思いつつ、今日はエーリヒが動くだろうから、
そんなに表出て動く必要もないかな?
―診療所―
[走って来たのは、診療所。
何度も前をうろうろしてからそうっと中を見ると、ブリジットが居るのが見えるだろうか?
ミリィが居る様子が見えなかったので、少しだけ眉を下げて]
…いない、の。
[呟いた。
周りの大人たちが、長が、とかどうとか、
ブリジットを含めて話をしているのが聞こえる。
目をパチパチと瞬いて、首を傾けた。]
[むっとしたような響きに何を思ったかは、表には出ず。
疑問の声に、軽く、肩を竦めた]
非力でか弱い平和主義者の俺的には、避けたい所ではありますが。
名乗り上げが期待できない以上、疑わしきは……の流れは止められないかも知れん。
[静かに言いつつ、鋏をテーブルに置いて、切り取った毛を差し出す]
……とはいえ、物理的にどうこうした所で、自白はせんだろうから。
最悪……あちらさんと同じ手段をとる事になるかも知れん。
[つまりは、疑いを多く寄せられた者を、一時的に『封じる』という事]
……できれば、やりたくないんだけど、ねぇ。
「で、さあ、筆がなくなって、
亡くなった人の絵を描くのはできんの?」
絵師の筆は2本あって、それで対になってるんだって。
だから、残ったもう1本で、絵師様も続けられるのだ。
…でも片方だけでもなくなっちゃうと大変みたい。
[エーリッヒから聞いた話、反芻しティムにも教え]
[やがて綿毛の畑に着いた。
息を吐き、一面の白へ瞳をはしらせると
布袋を肩にかけて、裸足で歩みつつ、仕事にはげみだした]
[エルザをみかけたら、手を振って]
[そして突然、男たちが畑へ踏み込んできた。
何かを捜索するような、彼らの挙動には呆気にとられて]
長さま、どうなっちゃったの?
いなくなっちゃったの?
[きょとんとした顔のまま
近くに居た髭の男の腕を手を伸ばして捕まえ
じっと目を見て聞いてみる。
少女のそんな様子に、男はぐ、と何かを飲み込み
乱暴に腕を振り払いながら、そうだ、と言った。]
絵を、かかれたの?
[絵師が描いたわけじゃねぇらしいよ、とだけ言って
男は大股に少女から離れていった。]
[差し出された毛を受け取り先の髪と同じように丁寧に包むと、今度は鞄に入れる]
……確かにそれは、起こり得ることではあるが。
そんなことに使うのか。
絵師の力を、 お前の絵を。
[一時、卓上に置かれた鋏に視線を落とした。
ひどく冷たく映る。
混乱に陥った町人らが暴力に訴えるよりは、あらゆる意味で――
絵師の力を誇示して抑えられると考えれば、マシなのかもしれないが]
第一そんなことをすれば、お前自身の身が危ういかもしれんぞ。
なら、だいじょうぶよ。
だって絵をかいてもらったら、
みんなおなじばしょに行くんだって。
[にっこりと、少女は笑う。
彼女の両親が事故で死んだ時、
少女にはそう教えられたから。
絵を描いてもらえば、ちからになる。
それをひとつに集めるのだから、
みんな同じばしょにいくのだと、彼女はいう。]
……正しい『用い方』ではない。それは、承知している。
[見上げる視線を、静かに見返しつつ、言葉を綴る]
だが、一番混乱を抑えられるのも事実だ。
俺の身の危険はまあ……十分にあり得るが、それを言ってたらきりがないし、それに……。
……氷面鏡に、新たな『月』が映った。
だから、最悪には、備えられる。
[新たな『月』が何を意味するかは、『絵師』の印を知る者には察しがつくだろう]
……とにかく俺、そこら相談してくるから。
一応、じじ様の様子、診といてくれな?
[一転、いつもと変わらぬ軽い口調で告げるものの。
緑に宿る光は、険しさを帯びたまま**]
[診療所では、ブリジットが色々な患者(元気そうに見える老人達が集うのは何時ものことなのだろう)にてんやわんやしているようだった。
少女は診療所へと来た原因ももう薄れていたから、
離れようと足を踏み出す。]
おしごと、できないって。
おかみさんにいわなきゃ。
[はたと思い出して
足を、おかみさんの居る食堂へと、向けた。]
「な、なにすんだよ」
[離れた所からティムの声が聞こえてくる]
ど、どうしたの、何があったの…。
[畑で働く者たちからも、軽い抗議があがってくるか]
[受けて少々、男たちは狼狽し。
周りに向け、そのうち一人が事情を告げはじめた。
ギュンターが倒れた事。
盗まれた筆によって、彼の心が絵に封じられたらしい事]
「でもさ、長は御年だったろ。ほんとに病気だったとか。
…長の絵をエーリッヒ様が描いたってのはないわけ?」
な、なに言ってるのだ。
そんな事、エーリッヒ様がするわけないのだ…!
[疑念を表したティムへ、ぎょっとして。食ってかかる]
[何時も、彼女に持って帰る為の少しの料理を準備してくれているおかみさんは
それどころではないと、店の中で話に花を咲かせていた。
少女を横目で見つけると、そこに座ってな、と言い、
カウンターの隅に座った少女に椀に入れた少しの暖かい料理を出してくれた。]
おしごと、できなかったの。
ごめんなさい。
[告げる少女には、それはいいから絵筆を見なかったかい、などと聞いてくる。
スプーンでスープを口に運びながら、ふるふると頭を横にふる少女にすぐに興味を失ったのか、
食堂の中は大人たちがわいわいと各々の推理などを
話し合っていた。]
……代わりがいればいいというわけでもないだろう。
絵師であるお前を、そうではないお前を知るものが、
はい、そうですか、と言えるか。
本っ当に馬鹿だな、お前は!
[苛立ちを篭めた一言を残して、鋏を鞄に押し込み、荒々しく出て行く]
[部屋の外にいた人々は何事かとこちらに目を向けたが、
構わず長の私室へと向かった。
そう遠くない距離ではあれど、エーリッヒの姿が見えなくなり、
辿り着く頃には少しだけ熱も収まる。
いつものことながら、後に残るのは悔いばかりではあるけれど。
断りを入れてそっと扉を開き、寝台に寝かされた老爺の傍に寄る。
慣れた所作で瞳孔や脈拍を測り、眠りとはよく似て異なる状態と知る。
生あることへの安堵を覚えながらも、
心を封じられたものの命の鼓動の微弱さに、*眼を伏せた*]
―綿毛畑―
「なんで、おまえ…そんなん、言いきれるんだよ」
[仏頂面してティムがみつめてくる]
だって…。
[上手く返せない、唇を噛んだ。顔が熱かった]
…じゃあ。ギュンター様の絵を探すのだ。
封じられてしまったなら、どこかにあるはず。
それが絵師様の描いたものであれば、あたしは…『わかる』のだ。
─自室─
[あの場が解散になった後、工房でもある自室で実験の続きを試みようとするものの、]
…………ふぅ。
[全く身が入らず、ごろんと横になる。
気がかりは、言うまでもなく筆のこと。]
ったく、兄ちゃんが無用心なのは今に始まったことじゃぁねぇが。
……ただ、兄ちゃんの言うことが本当だとしたら。
…………はぁ。
[すっと手を灯りに翳し、ひとつため息。]
「はあ?なにいってんの、おまえ」
……いい。たしかめてくる。
ここでは絵は、見つからなかったみたいだから。
他の所、みてくる。
[固い声が振り絞られる。
半分ほど詰った作業袋を投げ出した。
ついで踵を返し畑に背を向けると、
引っこ抜かれた草の綿毛が足元から舞い上がり、視界を埋めた。
[ベアトリーチェ?と、怪訝に呼ぶ声にはこたえず、
次第に足早なって]
[腰の袋から這い出てきたトカゲが、腕づたいに肩へとのぼって、身体をすりつけてきた。
まるで心配しているかのように**]
職人見習い ユリアンは、白練の歌子 エルザ を能力(守る)の対象に選びました。
……母さん。俺、守れるのかな。みんなを。……あいつを。
願わくば、あいつが……こんな馬鹿な事をしでかした奴じゃありませんことを。
[翳した手。ソコに一瞬浮かび上がった複雑な紋様を見咎めたものは誰も居ない。]
/*
占:ミリ
霊:ベア
守:不明ユリ?
聖:ミハ
共:エリ
村:不明アベ?
狂:オト?
智:エル
呪:私
フルオープンですかそうですk
―大衆食堂―
[スープをスプーンですくい、口に運ぶ。
食べ終われば、ごちそうさまでした、と言いながら
手を合わせて小さくお辞儀をした。]
おしごと、どうしたらいい?
[おかみさんに聞くも、彼女は話に余念が無く
振り返ってくれない。
自分で何かを見つけられるような器用さも無いから
途方にくれて、周りの話に耳を傾けた。]
…………一人で考えてても仕方ねぇか。
[ふぅ、とため息をつき、身を起こす……と同時くらいに親父さんが部屋へとやってくる。]
んあ。どうしたんだよ親父。今日の仕事はもう……
「長が倒れたそうだ。しかも、長を描いた絵も見つかった。」
なっ。それって……。
…………親父。その絵って今……
「ああ、長の家に運ばれてある。」
だよな。……ちょっと出てくんよ。
……多分、暫くそっちの手伝いとか疎かになると思うけど、勘弁な。
[それだけ言うと、部屋を*飛び出していった*。]
[床に座り込んだまま、幾時間か。
紙は机の上に、楽器はケースの中に、収められたまま触れることもなく。
仕事が手に付かないなど、それだけで滅多にないこと。
碌に眠ることもできずに、時折右肩に視線を落とす。
死角になって、“それ”を己の目で直接見ることはできなかったが。
そこにある“事実”は、変わりようがなかった]
どうして。
[掠れた問いを何度繰り返しても、答えが返るわけもない]
[やがて遠かった喧騒は、此処にも届いて。
漸く動いた。
頭を振り、立ち上がる。
鏡からは目を逸らした]
…何か、あったのかな。
[元から閉じ籠りがちであったために、今までなら何かあれば長が伝えに来てくれた筈だが。
窓から外を見下ろして、回らない頭で考えて。
答えは出なかった]
職人見習い ユリアンは、青年 アーベル を投票先に選びました。
職人見習い ユリアンは、少女 ベアトリーチェ を投票先に選びました。
[少しして、不意に下唇を噛み。
肌蹴たままの上の釦に手を掛け、止め直した]
言わなきゃ、いいんだ。
バレなければ。
[証はぎりぎりで襟の下に隠れる。
逃げの選択。
今それを隠したところで、何も変わらないと分かっていても。
親しい者には下手な嘘などすぐにバレるかも知れなかったが]
…『絵師』は、兄さんなんだから。
[或いはそれの示す意味を知っていたからこそ、言葉は言い訳めいた]
[食事も取らないまま外に出て、やがて知るのは]
…ギュンターさん、が?
[眠った生者と、奪われた筆で描かれた絵のこと。
伝えた者こそ、いつもより元気のない声を別段不思議とも思わなかったようだが]
そう、ですか。
いえ。
ありがとうございます。
[それでも気遣うような言葉は掛けられて。
上手く笑顔を作れたかは分からなかった]
/*
とりあえず把握していこう。
共がエーリッヒで占がミリィで聖がミハエルで霊がベアトリーチェ?
で、俺村人。
残りが狩呪智狂
で、エルザ、ユリアン、オトフリート、リディ
……わー。幼馴染の赤率高そうー(棒読み)
―長発見少し前。崩れた道―
[今日は海の仕事は休みだった。
他の海人と海の区画を分け合うように使うため
たまにそんな日がやってくるのだが、そんなときはそんなときで人手が必要な事柄がおきてくれる。なにやら昨日父がギュンターと会話したときにこの件を請け負ったらしく]
せっかく休みだったんだがなぁ
[付き合うこととなり、思わずぼやく。とはいえもとから肉体労働はこなせるわけで、特に苦でもなく。後でギュンターのおっちゃんから小遣いになにかもらおうなどと思いながら、邪魔なものをどけ、道を平らにするべく作業を行った]
[家を飛び出し、長の家までの道すがら。]
ったく、正気かよ。筆使って魂閉じこめて。
んなことで『至れる』とか本気で考えてんのかよ。
だいたいあれは……くそっ。
[苛立たしげにそう呟きつつ、道を急ぐ。]
[少しはマシになっただろう。坂を見つつ、交代でやってきた人と変わる。
父はもうしばらく残るらしいから]
親父。先に帰ってるな、いや、どこかいってるかもしれんけど。とにかく気をつけてな
[そういって家路に着く最中も、ぼんやりと周囲を、時には道を見て]
ぁーっと…持ち手が漆黒で鳥と魚の彫り物…
[でも鳥ってあんまみたことないよな。トカゲなら結構見てるのに。と余計なことも考えつつ。なにやらまたざわついている中、道を歩いた]
[周りの話は、たまにオトフリートとミリィの話やミリィとエーリッヒの話なぞも交えていて、
新しく人が食堂へ入ってくるたびに繰り返す様子は
その先に何かまた違う情報があるわけではなくて。
暫くすれば飽いてきた少女は、
お椀を返して食堂から外へと出た。]
♪ネッスン ドローレ、
ヴォラレ ヴェルソ イルシェーロ、
ペル アンダレ リベロ…
[口から歌が零しながら、軽い足取りであるく。]
[一度事情を知った後は、擦れ違う人と挨拶だけは交わしながら。
特に宛があるわけでもなく、何処か上の空で歩く。
時折無意識に手が首筋に触れては、はっとなって離した。
そんな道中。
不意に脇の道から出て駆けて行く背と、その先で手を振る姿。
二つに気付いて、びくりと立ち竦んだ]
[その道中、こちらに手を振っている存在に気づき足を止めると、]
ああ、エルザ。
えっと……事件のことはもう聞いたん?
じっちゃんが……絵に封じられたって。
[視界の端、立ち止まる影に気がついて
ユリアンの振った手を、そちらにも振ってみた。]
ごきげんよぅ!
[何時もの笑顔で
何時もの挨拶で
ミハエルの心中も知らず、手を振る。]
―自宅―
ただいまー……なっ!
[ドアを開けて家に入りドアを閉めた…ところで急に開かれたドアに身体をぶつけて、倒れる]
いっつっ!なんだよ!って親父。どした?
「長…ギュンターが倒れた…」
へ?いやだって、昨日親父あったんだよな…調子悪そうだったのか?
「…違う。…絵だ。絵が…」
絵…って?もうちょっとわかるように言ってくれよ…
[父の友人のギュンターに何かあったのか冷静でない父を、母が落ち着かせようとしているが、妙に胸がざわつく。昨日から重要だっていっていたのと、絵と。]
ちょっと俺、いってくる。外に行けばわかんだろうし
[頷く母を見て、家を出た]
[ユリアンの言葉に、こくり、大きく頷いた。]
絵にふうじられる…のかな?
こまかいことは、よくわからないんだけれど、
絵がえふででかかれて、長さまがたおれたって。
食堂にいけば、「うわさ」がいっぱい聞けるの。
[表情は、何時もの緊張感の無い笑みのままだ。]
[逃げるか、声を掛けるか。
逡巡する間もなく、一方は封じられてしまった]
あ、ああ。
…こんにちは。
[小さく頭を下げて、無理に笑む。
その下で、握った拳は小さく震えていたけれど]
[二つ筆があるなら絵もかけるだろう
長が倒れて、絵が…というとギュンターが急死したのか?などと暗い思考が浮かんでは消していれば、昔から知ってる幼馴染たちの姿が見えて]
おーーい。
[声をかけ、手を振って近づいて]
ギュンターのおっちゃんに何かあったみたいだが知ってるか?
[ミハエルの笑みが強張っているように見えて
きょとり、不思議そうに見た時に
アーベルの姿が見えて嬉しそうに笑んだ。]
ごきげんよぅ。
知ってるわ、知ってるの。
絵をかかれて、こころのちからを…どこかにって。
[声にはやはりあまり、緊張感は無い。
アーベルに答えてから視線はまた、ミハエルへと向く。]
おなかいたいの?
[エルザの手を振る先にミハエルの姿を見つけ、よっと挨拶。
そしてエルザに向き直ると、]
あっと……多分、な。原因は盗まれた筆で描かれた所為だと思う。
しかし、噂……ね。あれも尾鰭が付きやすいもんだからな。
[理系脳に加えて、同志であるリディがそういう尾鰭を付けたがる性格なのは把握してるので、噂の類は基本参考程度のスタンス。]
おひれ。
おさかな?
[ユリアンの言葉に首を傾げる。
噂がお魚だなんて聞いたことがない、と。
首を傾げて考えるけれどわからなかったので、
アーベルを振り返って、疑問顔を向けた。]
[近付く足が、新たな声を捉えて、一度止まる。
声のほうを振り返り]
…ええ。
さっき、聞きました。
[それだけをアーベルに答えて]
…いえ。
[エルザの問いには首を振った。
目は合わせられずに]
[そうしてさらに掛けられる声に気付くと、]
ん。アーベルか。
……ああ、聞いてる。多分、筆を盗んだ奴に絵に魂を封じられたんだと思う。
[そして、、こちらへ歩いてくるミハエルの様子に気付くと、]
うわ、おまっ。えらく思い詰めた顔してんな。
…………何かあったんか?
[盗まれた筆がどうとか。というユリアンの声を聞きつつ]
よう。そっか。エルザもミハエルも知ってんのか
絵で、心の力がどこかって…あれ?封じるとかじゃなかったっけか
[綿毛草の伝説のことを口にしつつ、エルザの疑問顔を見れば]
ああ、その尾ひれとかは喩え話のことだよ。
噂に尾鰭がつく。ってのは、最初の噂よりもっと話が大きくなってるようなこと…だったはず
[エルザに説明しつつ一応外れてないかとか、ミハエルやユリアンを見たり]
[エルザの天然ボケに突っ込み。]
いやいや、魚じゃねぇから。
んー、余計なもんが付くっていうか。
あれだ、尻尾とか鰭の付いてる魚って食いにくいだろ。あんな感じ。
[どんな感じだ。]
[そしてユリアンの言葉に、少し止まって]
…いや、ちょっとまて、盗んだ絵筆でって。
そんなことができるのって絵師だけじゃないのか?
[む。ということはやっぱり急死して絵を描いたのだろうかとか。
基本的な伝承しか知らないためいまいち把握してない]
それで合ってます。
[尾鰭の話には一つ頷き]
っ、
[血の気が引く。
ユリアンとはそこそこ古い付き合いであるとは言え、そこまで見透かされてしまうとは思わなかったために]
…別に、そんなことは。
[口では何とかそう答えたけれど。
何かがあったことはきっと明白だろう]
うん。確かになんかおかしいぞミハエル。
無理したのか?ちゃんと食事や睡眠とってるか?
[と、ユリアンに同意するようにミハエルを見つつ
尾鰭の話はそうか。よかった。とほっとする。…横でユリアンが違うこといっているけど]
たとえばなし。
おっきくなることなのね、覚えた。
うん、食べにくいわ、骨がささるし。
[アーベルとユリアンの言葉には頷いた。骨は関係ないが。]
ふうじる。
パパとママの行ったところにいった、のでしょう?
[息絶える人達の心の力を、集める絵師の話。
彼女の両親が事故で亡くなり絵を描かれるときに
そう聞いていた少女は無邪気に笑った。]
えっと、無くなったのはちからがある絵筆で、
だれでもつかえるって、聞いたの。
―工房ちかくの道端―
[とび出したものの、
あてがあるわけでもなく、歩んでいたら]
え――。
ギュンター様の姿絵がみつかった?
長様の家に運ばれたの、その絵?
[たまたま届いた話声]
[事件を、道行く人々に触れまわっている人がいた。
布作りの作業場にも報せに向かうところだろうか]
ギュンター様…。
先日おみかけした時はお元気そうだったのだ…。
生きながら封じられてしまったと、したら。
[怖いものに蓋をしたい心持ちで、アトリに触れた。
いちど瞼を閉じた後、双眸を開いて。聞き知った話を確かめようと、長のもとへ向かい**]
……。
[ミハエルの様子にジッと顔を見ていたが、]
……ん。まあ、いいや。わりぃな、変なこと聞いちまって。
…………ただ、そっちが話したくなったら、いつだって聞いてやんよ。
……一人で抱え込んだって、いいことなんて何もねぇしな。
[そう言って、ニカッと笑う。]
そうだなぁ。骨が多い魚は食い辛い
[ちゃんとしたことをエルザに教えれつつも話が関係ないところに逸れているとこに頷いたり]
そういうこと…なんかなぁ。いまいちわかんねーけど…て、力のある絵筆は誰でも使えるって…知らんかった
[そこで少し考える。絵筆がなくなったのは重要らしい。誰でも使えるから?でも死者の心を封じるだけならば、普通に扱えばただの絵筆?いや、でもギュンターのおっちゃん昨日元気だったらしいし…]
おなかいたいのじゃないの?
だいじょうぶ?
[なんだかユリアンと話す様子もおかしいミハエルを
心配げな表情で顔をじっと見た。
そして話の内容に、首をかたむけて]
しらなかった、のなら、
はんにんじゃないのね。
[アーベルに、にこりと笑った。]
あー、そう言えば。俺、昔兄ちゃんのアトリエで、絵筆で似顔絵描こうとしてこっぴどく怒られたんだったな。
まあ、つまりはそう言うことなんだろ?
大丈夫、ですから。
…ごめんなさい。
[ユリアンの追及がそれ以上ないことに、密かに息を吐き。
同時に罪悪感も生まれて、やはり目は見れないまま、小さく謝る]
…済みません、忘れてました。
[食事や睡眠を問うアーベルの言葉には、目を逸らしたままごく正直に答えた]
はい。
お腹は、痛くないです。
[エルザの言葉に、やっと顔を上げ。
少し笑って。
その表情も、絵筆に話が移ればまた陰るのだけど**]
ユリアンが真面目なことを…
そういうことって……そういうことなんか…?マジかよ…
[情報を整理した居たところに、ユリアンの言葉が届けば、点と点が線となり、うめくように呟いて]
おう。俺は犯人じゃないぞ…それに俺は…絵が下手だし…集中できないし…
[言いつつ余所見。集中力というのはもっているが、少なくとも絵に対する集中力と言うのはなかったらしい]
これから、どうするの?
何処か行くつもりだったのかしら?
[ふと道端で出会った3人に手を振ったのは自分だが
はたと、邪魔をしたのだろうかと思って
顔を見渡し、聞いてみる。]
ん?俺はなんか長に何かあったとか聞いたから詳しい話聞くためにここまで来ただけだから特にどこかいくわけでもねーけど
ミハエルの兄さんのとこでもいこうかな…いいたいことの一つや二つはあるんだが、なんか本気でやばそうだし
[そのわりになんであんなにのんびり…いや、そう見えただけかもしれねーけど。]
― 図書館 ―
長が封じられた?
[書庫に籠って、絵師と絵筆に関する記録を漁り始めてからしばらくして、その報せはもたらされた]
それは確かなのか?絵師殿は何と言っている?
[問われた相手も又聞きだったらしく、その問いに答えることは出来なかった]
・・・・・・そうか。
[それ以上問いつめても無駄と知ると、口を噤んで、再び書庫へと戻る]
おしごとできないの。
綿毛畑が、えふでとかさがすからって人がいっぱいなっちゃって。
[ふと先程のことを思い出して、うつむく。
そして思い出した後の事もさらに思い出し]
あ、診療所のせんせい、知らない?
さっきいなかったの。
[顔をあげ、周りにきいてみた。
どこか遠くで、疑いから発したのか、喧嘩をする怒声が聞こえ、少し肩を竦めた。]
[書庫のデスクの上には、開かれた本と数人の名を書き出したメモ。その一番上に書かれているのは他ならぬ長の名前]
・・・・・・
[懐から紙包みを取り出して、蜜蝋を口に含む。じわりとキノコの香りが苦く広がった]
そか。そんなことになってるのか
[冷静に考えたら仕事どころではないかもしれない。何が起きたか把握すれば、昨日などの比ではない騒ぎになるだろうが]
ミリィ先生か?会ってないが…何かあったのか?
[応えながらも遠くから届く怒声に肩を竦めたエルザを見て安心させるように頭をなでなで]
んー、設計図とかはよく描いてて上手くなったんだけど、人物画は。
そういえば、殴られたあと渡された木炭で描いた絵を見て兄ちゃん引き攣った笑い方してたなぁ。
[しみじみと言ってみる。]
いい大人が道端で騒ぐんじゃないっ!
[長の家から戻る途中、言い争う声を聞きとめ一喝。
見た目は幼く見えれど年齢と実績は重ねた者の叱責に、
対峙するものたちはその動きを止めた]
─長の家・応接室─
……そりゃ。
素直に頷いてくれるような連中じゃないだろうけどさ。
[薬師の残した言葉、それへの答えはその姿が消えた後に零れた。
何事か、と顔を出した男には、なんでも、と言いつつ手をひらりと振り]
んで、これからどうするか、なんだけど……ああ、主だった皆様、集まってらっしゃる。
なら、そっちで話そうか。
[今後の方針を決めるために来て欲しい、と請われ。
一つ頷き、男について会議に使われる広間へ向かった]
[頭を撫でられ、嬉しそうに目を細めてわらう。]
うん、なんだかきゅってなったから、
びょうきだとこわいなっておもったからいったんだけど、もう治ったの。
だからだいじょうぶ。
いなかったから、どうしたのかなっておもったの。
[食堂での噂で名前を沢山聞いたので
気になっているのだろう。]
って、アーベルお前。俺が真面目な事をって、まるで俺が何時も真面目じゃないような事言いやがって。
俺は何時だって真面目だっつの。
[そう、ただ色々フリーダムなだけで真面目っちゃ真面目なんです。
まあ、知ったこっちゃ無いが。]
[読書室に居る人々も、今は本よりもあれこれと飛び交う噂に夢中だった。その中には絵師と薬師と司書の三角関係などという尾ひれつきの噂も混じってはいたものの、それは、他の不安を和らげようとする話題にすぎないようで]
こうも簡単に揺らぐもの・・・・いや、分かっていたことだな。
[扉にもたれ、くちゃと蜜蝋を噛みしめる。キノコの作用で鋭敏になった感覚に海の匂いが触れていく]
[しみじみ呟かれたユリアンの言葉に内心でうんうん。となんとなく想像しつつ]
そかそか。もう大丈夫ならいいんだが、一応ミリィ先生にいっておいたほうがいいかもしれんぞ…っっ!?
[先ほど聞こえた怒声よりも人を萎縮させるような声が届いて、撫でていた手を止めて振り返り]
…いたみたい
いやぁ俺もユリアンがいつも不真面目だとは思ってないんだが、どうしても真面目に見えねーっつうか。
だからたまに真面目に見えると驚くんだよ。なんかあるかもしれねーとか
[己とて真面目に見えるかといえば怪しかろうに、悪びれもせずいう]
…ひゃっ?
[喧嘩する怒声をも飲み込むような声に
ぎゅっと肩を竦ませた。
その声に、先程までの喧嘩の声が途切れた。]
うん。
[閉じた目を開けて
声の聞こえた方向へと、視線を向ける。]
[会議、と言っても、不安が先行したそれは感情のぶつけ合い的な側面が強く。
念のため詳細は伏せた上で、探す術があると説明したものの、その間に被害が広がるのでは、という声が大きかった。
結局、疑わしきは、の流れは制しきれず、内心、己の未熟さ……というか、歳若さに歯噛みする事となったものの。
罰する術に関しては、自身が『封じの絵』を描いて精神的に『拘置』する事、この件に関しての無闇な暴力は都市の決まりに従って厳正に裁く事、などを徹底させるには至り]
……まったく。面倒な事、してくれるよ……。
[会議から解放された後、思いっきり、こんな愚痴が零れた]
全く。
子の手本となるべきものが、そんなことでどうする?
[腕を組み、自分より頭二つ分は高い男を睨みあげる。
手本云々に関して、他人の事が言えるかは――まあ、別として。
実際に長が被害に遭ったのだから、悠長な事は言っていられない。
周囲で見ていた者達の声も加わり、ざわめきは広がっていく。
思い出すのは先の会話で、眉根を険しく寄せた]
だからと言って、暴力に訴えるか。
殴って負かせれば済む問題でもなかろう。
お前ら両方、睡眠薬を飲ませるぞ?
……絵師殿らが、今後の対策について話し合っている。
心して待たれよ。
[場を収めるためのことばは、口にはしたくないものだった]
[絵筆、ひいては兄の話に及ぶ間、話題には加わらずやや俯いていたのだが。
怒声には流石に驚いた。
顔を上げて、声のしたほうを見遣る]
[そして、エルザの言葉で本来の目的を思い出す。]
あー。そういえば、じっちゃんのとこに行こうと思ってたんだけど。
[と、その時遠くから聞こえる怒声。そっちをジロッと見やるが、怯え竦んだエルザの頭を撫でるアーベルを見て、悲しそうな表情を浮かべる。
だがそれもほんの一瞬で影を潜め、]
ったく。俺は何時だって真面目。なんかあるかもとか下手の勘繰りだっつの。
[目を閉じて息を深く吸う・・・五感に押し寄せる情報の波に脳が溺れ、消えない記憶や、奥深く沈めた絶望が、波に流され、薄れていく]
・・・本当に、信じているのか?
[呟きは、誰に届く事もなく、風に溶けた]
[とはいえ、原因の一端が自分にあるのも事実なわけで。
あんまり文句言えた義理でもないのだが。
ともあれ、応接室に戻り、そこにある長の絵を改めて見る]
……んー。
画調から特定……ってのは、できないよなぁ。
[そも、この都市では絵に関わる者自体が数少ない。
『絵師』を除けば、それこそ邪気ない子供たちくらいだろう]
っとに。
……そんな簡単にできるようなら、何代も何代も……。
何代も何代も。
『絵師』が記憶と力を継承しながら、続いているわけ、ないだろうが。
[掠れた呟きは、誰にも届く事はなく]
そっか。今度からそう思うことにするけど、ユリアンも真面目に見えるようにしてくれ
[ユリアンの表情には気づかず多分どちらも無理であろうなか無茶なこと言う。
でも実際そうなりだしたら、海が荒れそうだとかで]
で、エルザ。一応言ってきといたら?
…ミリィ先生黙ってると後が怖い…というか苦いから
[そして、怒声を飲み込む一喝の言葉に軽く肩を竦めると、]
うは、あいかわらず怖ぇこって。亀の甲より年の功ってやつかねぇ。
さすがに若作りは言うことが違うねぇ。
[そういう言動が不真面目とか言われる所以だが、本人にとってはそんなん呼び方のひとつじゃんとか考えてるわけで。]
/*
……明日から比較的真面目モードに突入する予定(未定とはいえ)なんだが。
……そうなったらどうするんだろ、アーベル。
[アーベルの言葉にジト目を向け、]
……お前、そんな気一切無いだろ。
ったく、本当に失礼な奴だな、お前。
[あんたも特定の人物に対しては、十分失礼です。]
[声の主を捜して視線を向けた先に、見知った若者達の姿を見つけると、ゆらりと図書館の扉から背を離して、ゆっくりと歩み寄る。傍目には普段の姿となんの変わりもなく静かな表情を保って]
エルザ、綿毛草の畑で、一騒動あったようだが、大丈夫だったか?
[声をかけたのは、どちらも珍しく真面目に見える青年達ではなく、幼い表情を見せる少女]
…ミルドレッドさんか。
[喝の声を上げた当人の姿が目に入れば、納得したように呟き。
それ以上は言わなかったのだが。
ユリアンの余計な一言…どころか二言も三言もに、先程とは別の意味で息を飲んだ、かも知れない]
[繰言めいた呟きは、心の奥底へ。
代わりに、零れたのはため息一つ。
直後に、声をかけられそちらを見やる]
ああ……告知、行くのね。
ん、俺も、外出るよ。
説明とか、色々しないとならんだろうしね……。
[どこか、疲れたような笑みを浮かべつつの言葉に、報せをもたらした男は案ずるように眉を寄せるが。
それには大丈夫、大丈夫、と手を振って送り出した]
―海―
―― 見え、る! ――
[深いあおの海の色。
少女は今までより少し先にいた。
手にしていた貝は落としたけれど、空気はもうないのだ。
あとすこし深くにいけたら。
それを考えたせいか、引き際を間違える。
襲う波に口が開き、水を飲みながら少女は陸へ向かう。
先をへだてる壁に押し出され、少女は通路の上でせき込み、起きあがろうにもできなかった。
意識が薄れる少女は、水が足にかかるのを知るけれど動けずに。
*青い暗闇の中に落ちた*]
[そのまま診療所へと足を向けかけ――ぴたりと止まった。
まだ大分距離があったはずにも関わらず、ある一言を発した、
ユリアンのいる一団の方向へと。
声をかけるわけではないが、数歩距離を置いたところで、
じい〜〜〜〜〜っと睨んでいる]
いけないなら、
いけるようにしなきゃ
[少女は願う]
筆で
そらにいけるなら
うみにもいけるよね
うみも見えるよね
邪魔、されたく、ない。
だから――……
二本、あれば、良いね
[壁にあたった少女は、意識が薄れる前に、そう考えた**]
そりゃない。…というかお前にいわれたくねーぞ。
…まあ、ガキの頃からミリィ先生ずっと同じ姿だけど。
[ジト目にもきっぱり。
こちらをミリィがじーっと見てるのに気づかずに更に言う]
[オトフリートの声に、にこり、笑い]
こんにちわぁ。
うん、だいじょうぶ。
ああ、でも…はたけが。
[思い出すと、眉がさがり
しくりと胸がいたみ、きゅ、と掴んだ。]
[道すがら、剣呑な気配をまとう人々には怯え、
アトリを抱きしめ、通り過ぎた]
[そしてユリアンたちとは異なる道を通り]
―長の家の前―
[ものものしい雰囲気に包まれている。
怖じ気づきそうになり、ひとつ唾を飲み込む。
長に対しては偉い人とのイメージが先行して。自分から話しかけた事は殆どない。
そっと扉口からのぞくと、家人の姿でもみえただろうか、
誰か居合わせたとしても、早口で見舞いをのべ、
脇をすり抜けるようにしてでも中へと入り込む]
みせて。長様の絵を、みせて。
ギュンター様の、心の様子を。
[傍目には世迷言を呟いているように見えただろうか。
――ただ、どうしても、知りたかった]
……そうか、アーベル=シーウェル。
お前も言うか。
[すたすたと歩み寄り、声の主を確かめつつ言う]
しかし、またお前達か。井戸端会議が好きだな。
…えっと。
[己は何も言っていないし、向けられているわけでもない視線が何だか痛い。
極力そっちには目を向けないようにしつつ。
オトフリートの姿が見えて頭を下げた。
知る人の姿が増えていくのに、内心戸惑いも覚えながら]
そうか、怖い思いをしたな。
[眉を下げるエルザの様子に手を伸ばして、その頭を軽く撫でる]
薬師殿、長の様子は?
[薬師が近づいてきたのを見ると、全く空気を読まずに尋ねた]
……と、あれ?
[長の家を出て、数歩進んだ所で聞こえた声に、ふと、足を止める。
振り返ると、小柄な少女が家へと駆け込んで行くのが見えて]
……なんだ?
[小さく呟き、首を傾げる]
[薬師の明らかな過剰反応が自分のせいだとは思っていないようで]
どうした?何か問題でもあったのか?
[眉を顰めて、さらに問いかける]
[暫くはそうやって、聞くともなしに周りの話を聞いたが。
人が増えるに連れ、居心地の悪さも増して]
それじゃ、僕は…これで。
[一言だけ言って。
何処に行くとも告げずに、すっと集団から離れた]
[掛けられた声に視線を向ける。]
あや、オトフリートさん。
って、エルザ。畑でって、マジで?
……まあ何も無かったんならよかったけど。
[と、どこか安心した様子。そして視線をミリィに向けると、]
で、さっきからミリィ先生はそこで何をしてんの。
ジーっとこっち睨んだり、びくーんと跳ねて距離取ったり。
[どこぞのと違って陰でとかそんなこと一切考えてないんで、本人前にしても取り繕いとか一切無し。]
[オトフリートにも頭を撫でられ
目を細めて嬉しそうにわらう。]
あ、せんせ…
[ミリィへと話すのに視線をつられるように移し
その様子に、首を傾けた。]
……。
[平然とした相手の様子に、気にしているのは自分だけらしいと知る。
そうなれば、ミハエルとは別の意味で居心地の悪さを感じて]
何でもない、ぞっ!
[吐き棄てるように、言った]
……長殿は、なんとも言えんな。
原状では、すぐにどうこうなるわけではないが、
いかんせん、心なくては身体も活きん。
とりあえず、身体には栄養剤を与えるが、長くかかるようでは……
そう言った事例の詳細は、そちらには置いてないのか。
[なるべく常と変わらぬように話しているつもりで、
大分早口になっていた]
あ、オトフリート先生…って。なんと地獄耳っ
[挨拶してたところで、ミリィの声を聞いて、驚く。
主に己が気づいてなかっただけでしょうとかなんとか]
って別にそうじゃないですよ。なんかあったんでしょ…色々と。その話ですよ
[すささっと下がるのを器用だなと思いつつ説明…のような言い訳]
どうもせんわいっ!
[ユリアンに返した一言は、
先の怒号より音量は格段に小さいとはいえ、
叱りつけていた者と同一人物とは思えない有様である。
しかも、まだ、オトフリートとの距離は空けたまま]
ん?…ああ、また
[ミハエルの去っていく様子からやはり何かあるのだろうと思いつつも、見送りつつ、ミリィの長の説明を聞いて、顔を顰める]
―長の家―
[目的まで案内してもらって、あるいは勝手にでも探し回り、
やがては応接室にて、長の肖像を見出して。
その画布へ手をかけ真剣に眺めやる間、
少女の翡翠の瞳が、輝き放つようにみえただろうか。
そうしてしばし、肖像の前に膝をついていた]
ギュンター、さま…。
[去っていくミハエルに気づくと軽く挨拶をしたり、
首を傾げるエルザにはなんでもないと言い張ったり、
言い訳めいたアーベルの台詞を聞いて睨みつけたりしていたが]
おとぎ話?
[オトフリートの端的な返事に、目を向ける]
少女 ベアトリーチェは、職人見習い ユリアン を投票先に選びました。
はぁ…だって事実だしな
[ミリィに睨まれてもう取り繕うのもやめてそういって肩を竦める。
だって実際。自分がガキの頃からミリィの姿が変わってるように見えないのだから仕方ないし、変わらないのは俺のせいじゃない…ミリィのせいでもないだろうけど]
にしても…絵筆…探すにしてもどうすりゃいいんだか
[なんて呟きながら、ミリィとオトフリートの難しそうな、でも重要な話だな。と思いつつ。*話を聞いている*]
[スッと集団から離れていくミハエルに]
んあ? ああ、んじゃまたな。
[とそこでミリィの怒号。ちょっとたじろぎつつ]
っと、なんだよー。そんな怒鳴らなくたっていいだろ。てか、だったら何でそんな距離開けてんだよ。もっとこっち来ればいいじゃんかよ。
そんな反応してるから、あんな噂が立つって事自覚しないと。
[前述の通り噂話には冷めた目をしてるので、二人の関係とかもガセと断定済。]
ったく、年増の癖にそういうのには乙女ぶっちゃって。似合わねー。
[でも一言余計である。]
病に倒れた恋人の絵の隣に自分自身の姿を描いた絵師の話だ。
[淡々と物語の筋を口にする]
結局、絵師自身も死んでしまうという、悲惨な話だな。
無論、事実ではないが。
[集団から離れ、人知れず溜息を吐いた。
実際、やはり宛はなく。
そのまま家に戻るのも何となく躊躇われ。
『絵師』のアトリエは無意識に避けて。
結果的に事件の中心、長の家のあるほうへ近付く形となる]
[前半だけで済ませておけば、
何か言いたげにはしつつも納得しただろうに、
口は災いの元というものであった]
端的過ぎるぞ。
……。
馬鹿げたおとぎ話だな。
[言いながら、物思うように目を上へと転じる。
死者は天に昇るのだと、聞いたことが*あった*]
─長の家・近辺─
んー……。
[しばらく様子を見ていたものの、家の方に変化などはなく。
倒れた長の見舞いにでも来たのかな、と結論付けて、歩き出そうとするが]
……と、あれ?
[こちらへ向けて歩いてくる、見慣れた姿に瞬き一つ]
おーい、どしたー?
…じぶんのえをかいたら、しんでしまうの?
[きょとりと不思議そうに、オトフリートを見る。
首を傾げるさまは、とても歳相応には見えない。]
ああ、そうだな。
実に馬鹿げている。
[薬師の言葉に、薄く笑みを浮かべ、奥歯で蜜蝋をくちゃ、と噛み締めた]
だが興味深い点もあるな。少なくとも生者の心を絵に封じるという発想が、過去にもあったということだ。
/*
はて。
『絵師』が自画像描いたら。
元ネタに即すなら、死ぬよなあ、やっぱし(考えてなかったのか、貴様。
普通ならば、そんな発想自体が出てこない。だが、もしこのおとぎ話を読んだ者ならば・・・
[言葉を続けかけて、エルザの問いかけに視線を向ける]
・・・・いや、それは分からないな。誰も試したことはないはずだ。
少なくとも、記録ではそうなっている。
[気付くのは遅くて。
声を掛けられて、びくりと身を竦ませた]
っ
兄さ…
[今一番会いたくなかった、その顔をまともに見れず。
視線は少し彷徨う]
……?
どうか、したのか?
[視線を彷徨わせる様子に、感じるのは微かな違和感。
弟がこんな態度をとるのは珍しく、何かあった、というのはさすがに察しがついた]
[ミリィによるハリセンすぱーん。]
ってー。いきなり何すんだよ。
[頭を抑えぶーたれつつ、]
……てか、そっか。じっちゃんの具合ってあんまよくないのか。
そりゃ、肉体と魂が離れるなんていい事あるわけないんだろーけど。
[いたって真面目な事を言う。まあ本人にそこら辺の区別は無いわけだが。]
[オトフリートの言葉に頷いて
視線があうと、にっこりと笑った。
ミリィのハリセンを、興味深く見て思わず手を伸ばしながら、
ぶーたれるユリアンの顔を見て、声を立てて笑った。]
ギュンターさま…。
いろ…が。
絵師様に封じられた、おとうさんたちのとは違う…。
[3年前に描かれた父母の絵。
それを記憶に呼び起こし、比べていた]
[いろ、といっても、物理的に目に映る色ではなく、
封じられた、心のもようを表した、とでも言うべきか]
[その違いに不安がきざす。胸をおさえた]
/*
ミリィにうらなわれるべきかね。
あしたでもぎりぎり4なんだが…あ、だめだ
今日が9
とけなし7、とけあり6かな。狼2。
とけたら私つり。
よし、とかすか
[そして、オトフリートの語った御伽噺には、ふぅんと反応し、]
へぇ、それは……興味深いっすね。
オトさんは『発想』と言うけど、多分実際にあったんじゃないんかな。
絵師様に限らず、誰かが生者の絵を描いた事件が。
何でもないって、どこがだ。
[俯く様子に、大げさなため息をついて、歩み寄り。
ぽん、と。頭の上に手を置く]
……何か、あったんだろ。
お前もいいとこ、隠し事、下手だからなぁ。
[その点、余り人の事はいえた義理ではないが]
あの、
見せていただいて、ありがとうございました。
あとはお見舞いも…
長様はどちらにいらっしゃるのだ?
[家人に向かって頭を下げる。
常識的には行動の順序が逆であろうが、
そこまで思い至らずに]
[横たわる長のもとまで赴くと、
しばし顔をのぞきこんでいたのだった]
[置かれる手に俯いたまま、びくりと反応し。
く、と下唇を噛み締めた]
…兄さんに言われたくない。
[ぼそぼそと、そんな抗議はするのだけど]
そう思うんなら、もっと上手く隠すか……でなきゃ、最初から隠そうとするな。
[抗議はさらりと受け流し]
で、一体どうしたんだ?
[ぽんぽん、とあやすような手つきで頭を撫でながら、問いを重ねる]
……。あ。
お見舞いの花束とか、持ってくればよかったのだ…。
[今さら気付いてももう遅い、
恥ずかしくて頬を染め、何度も頭を下げながら、
長の家を辞したのだった]
[至極尤もな言葉に、黙り込むしかなかった。
言わなきゃバレない以前に、態度でバレてしまえばどうしようもない。
それでも絵師本人を前にして、それを言葉にするのは躊躇い、暫く黙るも。
宥めるような手に、やがては耐え切れなくなって]
…『月』。
[ただ一言、落とした]
……今回の件とそのおとぎ話とやらとは、
発想の原点が異なるのではないか?
読んだものが絵筆を盗もうと思いつくとも限らない。
読まないものであれど、他の理由で――空を望んで、行ったことかもしれない。
どうにも話を逸らしているように思えるぞ。
[逸らし気味だった赤い瞳が、オトフリートを捉えた。
ユリアンの疑問に対しては口を出さない]
[オトフリートの言葉にこくりと頷くと、]
ひとつ。炎の無い所に煙は立たない。
今言ったでしょ。「そんな発想普通出てこない」って。
たしかに死者の心を留める絵筆で生者を描くと死ぬ……って発想が創作で出てこないとは言わないけどさ。
ふたつ。……なんか噺としては、オチが生々しいとは思わね?
確かに恋人の後追いってある意味美談かもな。でもそれにしては救いがない終わり方だと思ったんよ。
ついでにみっつ。記録を残すも消すも人次第。
「記録に残っていないから無かった」……なんてのは思考停止もいいところっすよ。
むしろ、こういう御伽噺から、美談やら脚色っていう尾鰭を取っ払ったら、そこに真実が潜んでる。
なんてこともあるんじゃないっすかね。
[っと自分の推理を言ってみる。]
―海―
―― あちゃ、怪我しちゃった ――
[目を覚ましたときに、痛いと思ったのと同時、そんなことを考えた。
それでも身を起こして、脳までゆさぶられたような感覚を振り払う。
タオルでしっかりと拭いて、そこに血がちょっと移ってしまったのを見て眉を顰める。
ばれたらミリィせんせーの沁みる薬が待っている。]
それで。
真実だったら、どうだと言うんだ。
この事件と関係があると言うのか。
[色恋沙汰が少なからず絡んでいるゆえか、
微か声には棘が混じれど、それよりも純粋な疑問が勝る]
……え?
[短い言葉に、最初に零れたのはどこか惚けた声。
浮かぶのは、氷面鏡の間で見た、二つの三日月。
一つは自分。
もう一つは、継承者たる『新たな月』。
ただ、その『月』が誰に昇ったかまでは、それだけではわからなかった]
お前が……『新たな月』……?
[問いかける声は、微かに震えて]
―長の家→外―
あ、ミハエルさ――
[数歩も踏み出せば、密色の髪の兄弟が目に入る。
対話する二人の様子から、
話の内容の深刻さを読み取れるようで]
[邪魔をすべきではなかろうと、その場を後にした]
/*
自分でもびっくりするくらいあっさりバラしました。
ちなみに色はよく分からんので決めてなかったり。
わざわざ蒼って言ってるから、バリエーションあるのかなとか思うけど。
流石に戦隊色にすると色々とカオス(桃とか緑とか)だし、紫辺りじゃねーかと思ってるんですが。それか朱。
あと首筋なのは、いざとなったら見せやすい+兄さんに近い位置ってことで。
手首とも迷いましたが。
……ま、理論としては弱いから、多分ってのは言い過ぎかもね。
……でも、可能性として無いとは言い切れないんだな、これが。
―道端―
あちゃー
[遠めに見えた姿が、ミリィだった。
思わず動きを止めて、タオルを抱えてうんうん唸る。
足は包帯を巻いておけば大丈夫だろう、ちょっと打っただけだし。
なんてことを、あの女薬師は許しちゃくれないのだ。]
…他に、何があるの。
[地面に目を落としたまま、低く肯定。
己より高い兄の目から見れば、襟の下、異質ないろが僅かに覗くのは見えただろうか。
遠く、少女の声に呼ばれた気がしたが。
そちらに顔を向けることはできなかった]
―道端―
あーっ、リディねえちゃん!
[ふと前方、見慣れた背中を発見し、声をあげた]
[駆け寄ろうとして一瞬、彼女が足を引きずっていたように見えて]
[近づきながら、まじまじとリディの足を眺めてみた]
[くちゃ、と蜜蝋を噛む音は聞こえたろうか。改めてまっすぐに向けられた薬師の赤い瞳を見つめ、その疑念には答えずに、ユリアンに再び視線を向ける]
なるほどな。
だが、絵師は代々、一人だけだ。
もしも、そんな死に方をした絵師がいれば、記録に残らぬはずがない。
絵師以外の者が、それを為したとしたら…それこそもっと危険な大事件だ。やはり残さぬ理由はないだろう。
俺は、一般の目には触れない記録も見知っているが、そんな記録は見たことがない。
/*
実はベアトリーチェの乱入に期待していた。
しかし混ざりにくいよな、確かに!
…うん、ごめん。
特定の人としか絡めてない気がするよ。
特に兄さん。
まあ、多分今回墓行けないから許しt
あ、ビーチェ
大声ダメ!
[というほうが大声である]
えーと、えーと
大丈夫だよ!
[視線を追って、自分の右の足にいった。
へらりと笑ってみた。]
ビーチェはどっかいってたの?
[答えられなかった疑念の追求より、
音声の方に自然と意識は向いて、目を眇める。
声の主が誰かを確かめているだけなのだが、
傍目には睨みつけているようにしか見えない]
[ミリィの言葉に、こちらが首を傾げる。]
あー?
関係があるかどうかって……
そんなん知らんよ。
[きっぱり。]
ただ、俺は過去に生者を描く事件があった可能性を示唆しただけで、その噺のオチが尻切れトンボである以上、その事が招く結果もわかるわけないんだし。
……ただ。もし。この噺が事実で、その結果を正確に残した文書が密かに在ったとして、それを誰かが読んだとしたら。
[低い肯定に、しばし、言葉を失う。
微かに見える蒼は、自身も身に帯びる故に、それを否定する事はできず]
……なんてこったい。
よりによって……お前かよ。
[恐れながらも待ち望んでいた、後継者。
己が死を看取り、重荷を引き継ぐ者。
ただでさえ、一人残して先に逝く己が定めを憂いていたというのに]
……中々、思うようにはいかない、な。
[そして、顔を動かした薬師の傍に、一歩近づき、その耳にだけ届くように屈み込んで囁く]
・・・・俺がおとぎ話を読んだ時に思ったことを正直に言おう・・・・
「生者の心の力は、死者よりも強いかもしれない」
・・・・同じ事を誰かが思わなかったとは限らない。
[告げれば、薬師が自分をこそ疑うかもしれないと知ったうえで、そう告げた]
―道端―
え、え?大声だめなのだ?
[と聞く声も大きかった、わたたっと口を塞ぐも手遅れか]
…??でも何で、大声だめなのだ?
…だいじょうぶなの? 怪我とかしてない?
あーあたしは、長様のお見舞いにいってきたのだ。
…リディねえちゃんこそ、どっか行ってきたの?
[言外に、そこで怪我をしてきたのじゃあるまいな、という心配も少しだけ含んでいた。リディの活発さは知っているつもりだった]
仮定に仮定を重ねるか。
何の手がかりがないよりはマシだろうが。
私は、それを話してどうするつもりだったか、
その意図のほうが気になるがな。
さっきも言ったが、持って行き方が妙に感じる。
[ユリアンを横目に見やり言ったものだから、
オトフリートが近付くのには微塵も気付けずに]
……っ、なにをするかーっ!!
[先程のユリアンの忠告などさっぱり生かされず。
手の甲がちょうどオトフリートの額辺り目掛けて振るわれた]
[遅れてオトフリートのことばを咀嚼してみれば、
違和感ばかりが募る。
が、それを冷静に考える暇はなく、彼を一瞥して、
大声で名を呼び合っていた少女らの方に向かった]
……覚えてはおく。
[そう、一言だけ言い残して]
/*
なんかこう、リディがものっそ危ない位置にいる気がするので、自分吊りの芽を撒いてみる。占いでもいいんですが。
絵師が初回落ちと分かってるので、一緒に落ちるのも悪くないんさー。
後は若い者にお任せで(酷い
[オトフリートの言葉にくしゃと髪を掻き、]
あー、一般の目に触れるとか触れないとかいう問題じゃないんすけど。
……はぁ、今から言うことはあんま考えたくない話なんすけど。
仮に。仮にですよ。
昔これまでの絵師様の誰かが、誰か……この場合は好いていた人物だったんですかね、を生きたまま絵に描いたとしたら。
そして、それを時のこの都市の首脳陣がもみ消したとしたら。
……御伽噺以上のトンデモ話ですが。
真実は小説よりも奇なりともいいますし、ね。
え。え。
けんかは、いけないわ?
[ミリィが大きな声をあげて
手を振るうのを、びっくりした顔で見る。]
さっき、そういってたわ?
ぬおっ!
[顔を上げたと思った瞬間に飛んで来た裏拳もどきに額をはたかれ、変な声が出た]
・・・・・
[無言で額をさする姿には、ちょっとだけ哀愁が漂っていたかもしれない]
―道端―
そう、ダメなの。
ミリィせんせーに気付かれちゃうでしょ。
[手遅れだ]
長様のお見舞いかー
忙しそうだったからいかなかったけど、どんな感じだったの?
まあ、怪我とかは気のせいだよ、うん。
舐めとけばなおるって!
―道端―
[だいたい、何も聞かれる前に
「大丈夫だよ!」が出てくるあたり怪しい、など思いつつ、
じーっとリディを注視した、思いっきりした。
そして彼女の抱えているタオルにも気づいて]
昔におとぎばなしがあったって。
絵師さまが、自分を描いて、いなくなったとか。
それに近いとか、しこーていしだとか、
おひれがつくだとか…
むずかしいの。
[全く説明になっていない。]
ただ、こころのちから がたりないから、てつだおうって思ってるだけなのに。
[ね?と。
首を傾げ、ミリィの目線を追って
リディを見つけ、わらいかけた。]
ビーチェ、ないしょ!
ね?
[大慌てでタオルを隠すが意味はきっとないだろう。
後ろ手に持ったのなら、後ろにいるミリィが近付いてきたら見えてしまうし。]
ミリィせんせーって意地悪だからすっごい沁みる薬つけるんだもん。
くるくる巻いておけば大丈夫なくらいだからさ!
喧嘩じゃないから平気だ、うん。
[つい手が出てしまったので、ちょっと気まずい。
しかも、その原因は主に自分である。
エルザに言って、半ば逃げるように少女二人のもとへ]
そのおとぎばなしは、知ってるよ。
オトせんせーのところで読んだなぁ。
ちかい?
あれ、もしかして、わたしたちがしてることが?
え? おひれ?
[さっぱりわからない]
うん。そうだね。
[振り返ってはいないけれど、
その感情はなんとなくわかって、だけれども笑うことはできずにいた。]
[間を置いて、紡がれた言葉。
低い位置で拳を握り。
目線だけを横にずらした]
…だから、嫌だったんだ。
[いずれは明るみに出るとしても、言わないでいれば、その間は何事もなく過ごせると。
『昇った』こと自体は既に知れていたと、それを知る由もなく]
[ユリアンの言葉に、視線を戻す。片手は額をさすった形のままだったが]
司書の記録から事実を消す事は出来ない。
それが、司書が司書である理由であり存在意義だ。
だが、信じないというならそれもいいだろう。
お前は、本当は、伝説も何も信じていないのだろうからな。
[額をさする手の陰で微笑みが浮かんだのは、見えなかったかもしれない]
[ミリィの言葉にスッと目を細める。]
そうっすか、そう思うならどうぞご勝手に。
たしかに仮定の上に仮定を重ねるなんて、理論家としてはどうかと自分でも思いますけど、なにぶん情報がありませんから。
そういうミリィ先生には何か心当たりとかあるんすか?
俺の妄言よりも信憑性のある。
ミリィせんせー?
[きょろきょろ見回して、ミリィたちに気づく]
あ、うん。
長様は…よく眠ってらしたみたいに見えたけど…。
心が戻らずこのままこんすいじょうたいだと…たいへんなんだろうね。
[むぅと眉根をよせて]
ちょうど薬師さまがいるのだから、みてもらうといいのだ。
[と、彼女の後ろのミリィをみやった]
あたたたた
[さすがに痛かったのを我慢はできず、うらめしげに後ろを見た。
思わずちょっと痛い右足が、地面に軽くつくくらいになっている。
軸足は一応大丈夫のようで、良かったのか悪かったのか。]
誰も悪いとは言っていないが?
私が気にかかったのはお前の自称妄言より、
その原因となった、其処の司書だぞ。
仮定を作るのは自由だがそれに振り回されんように。
[向かう間際に言い返して、]
……、……心当たりなどあったら苦労せん。
[傍目には奇妙な間を置いて、それきり意識は別に向いた]
[ユリアンの言葉と、
オトフリートの姿と、
向こうへ行ったミリィの背中を
眉を力いっぱい下げて、順番に見る。]
…――
[無言で眉を下げて
ふる、と一度横に頭を振り。
くるりとワンピースの裾を翻し、走り出そうと踵を返した。]
そんな反応をする、後ろめたさのあるお前が悪い。
[自分の事は棚に上げる大人でした。]
お前はむしろ、見舞いに来られる側じゃないのか?
[手を伸ばす。がっしり、肩を掴もうと]
……ほんとにな。
よりによって……こんな時に、昇らんでもいいだろうに。
[零れ落ちるのは、ため息混じりの言葉。
先に、薬師に向けた言葉と、彼女に投げられた言葉。
それが、ここに来て、重さを増したような気がしていた。
それでも]
とはいえ、『昇った』以上は、成すべき事は成さないと……な。
[逃げられぬ定めであるのは、自身が身を持って知っているから、静かにこう告げて]
それに……お前が『新たな月』であるなら。
今回の件の事で、伝えておかないとならん事もある。
揺れる乙女心よりはうしろめたくありません!
って、肩はだめだめ!
さっきぶつけてたみたいだし!
[けっこう慌てて、一歩下がって、足がぴきーん。]
エルザ?
[踵を返したエルザに気付いて、その姿を目で追う]
・・・・・気をつけろ。
[けれど引き止めはせずに、声だけをかけた]
/*
人狼:エルザ、リディ
狂信:オトフリート
占師:ミリィ
霊能:ベアトリーチェ
守護:ユリアン
聖痕:ミハエル
村人:アーベル
だろうとは思っているのだが、どっちが呪、だ……!!
まあ、髪の毛取る=占い対象とわかっているだろうから、
まずかったら避けて貰えばいいか。
[他力本願。]
[オトフリートの言葉に、お手上げのポーズ。]
いんや、オトさんがそう信じてるならそうなんじゃね。
俺の方だって仮定に仮定を重ねたトンデモ理論だし。
それに、過去の司書が云々言い出したところで、結局水掛け論で終始するだろーし、な。
[だが、続く言葉にはスッと目を細め]
……残念ながら自分で目にしたものしか信用できない頭なんで。
[感情を殺した冷たい言葉。]
だっ
[押える。押えた。頑張った]
……れが、揺れる乙女心かね。
そうか、ぶつけていたのか。
痛い思いをするのと苦い味が好きじゃなければ、
大人しく診療所まで来い。
診療所にいっても、痛い思いと苦い味を味わうに違いないと思うんですが、
そこのところ、どーでしょーか?
[あわれっぽさをよそおってみた]
両方ないならいきまーす
リディねえちゃん。大丈夫…?
お薬が苦かったり、染みたりするのは一瞬だけなのだ。
お怪我がいたいほうが、つらいのだよ?
[薬の苦さなどは平気な性質なので簡単に言う]
泳ぎにいってた、の?
[海ルートの脱出するのに挑戦してるんだっけ、
そう尋ねようとして、何故か躊躇われた]
/*
うーんうーん、これ狼誤認されるかなあ…それはそれでまずいかも。
しかしこの設定で狂信はけっこうきついです、先生。
狼側に狂信が気付けるだけの特徴とか動きがないから、どこでどう気付いたのかを下手に書くと赤とすれ違う可能性があるんだな、これ。
あと少人数ほぼ役職編成なんで、片方の狼が完全潜伏するのは逆効果かと。
弾かれ狼なのかもしれないけど、吊ーらーれーるーなーよー?
[ミリィ。オトフリート。ユリアンの会話を黙って聞いていた。少しは遠慮していたのもあるが、全部が全部ではない。
単に、片や医師。片や教師であり司書。片やまだこの街で誰も成してない気球作りに挑戦する幼馴染
知識の絶対量から知恵の扱いかたまで差があるのは仕方ない……そもそもの出来が違うんだとかはあまり思いたくないとか]
…ちょっぴり頭痛してきたかも…
あ、だいじょーぶだいじょーぶって……
[ちゃんとベアトリーチェを見て、
おくすり苦いの話には、ちょーっと目をそらした。
ミリィを見るのも、無理だったかわりに、ぼそっと呟く。]
お怪我の方が良いな、なーんて……
ああ、うん。そう。
でもしばらくは無理だね。
ちゃんと治したらまた挑戦!
素直に来ないとひどくなるだけなので選択権はない。
ベアトリーチェのほうが余程、わかっているぞ?
[きっぱり。]
おーい、そこの男ども。
か弱い少女が怪我をしているんで、捕獲するのを手伝ってくれ。
[先程話していた面々の方へ、大きめに声を投げる。
か弱いと言っている割に、獣か何かの扱いだ]
成す、って。
…どうすれば。
[『絵師』の役割以上に。
そもそも絵自体において、大した知識があるわけもなかった。
己は別の道を歩んで来たのだから]
…何?
[続いた言葉に、目線を上に上げた]
ちょ、ミリィせんせー 卑怯者!!
[慌てた。
慌てて逃げようとしても、決して逃げられないのはもうわかってしまう。]
っていうか言ってることが内容矛盾です!
だいたいひどくするって、すとれすかいしょーにしないでください!
[ユリアンの言葉に、額に当てていた手を降ろし、まっすぐにその顔を見つめた]
では、ユリアン。
お前は「外の世界」の存在を、信じるか?
[問いだけを投げて答えは聞かずに、図書館へと歩き出した**]
[裏拳をミリィがオトフリートにした後、ミリィがリディとベアトリーチェのとこに行くのを見たりしていたためエルザの挙動には気づかず]
単純な考えじゃ駄目なんかなぁ。絵を描きたかったけど絵筆がないから持っていったとか…はさすがにねぇだろうけど
絵師って何代もやってきてて…んで、まだ空に登れてないと思うんだが、だから手っ取り早く心を集めて……だとまずいよな。もっと
[自分で言って自分で固まる]
えと、えと、なんだっけ。
りょうやくは くちに にがし なのだ。
また挑戦できるようになる為にも。診療所に行かないと、なのだよ?
[祖母から教わった諺をやや得意げに披露して、
ミリィが男性たち呼ばわるのを聞いていた]
う。
[ベアトリーチェに得意そうにされて、
少女は言葉につまった。しっかりと。]
……ミリィせんせー、ぜったいわざといたくするんだもんー
司書 オトフリートは、職人見習い ユリアン を投票先に選びました。
ストレス解消じゃない。
お前が懲りれば、止めるんだ。
全く、懲りるどころか、私を避けるだけの者ばかりだ。
[腕を組んで、ぶつぶつ文句を言い始めた。
ちなみに、正面を押えないのはベアトリーチェがいるからだ]
そもそもか弱い少女を捕獲ってのがかなりおかしいような…ってエルザ?
[ミリィの言葉に硬直が解けつつ。ユリアンの言葉にエルザのほうをみて]
エルザ。何か。
何かあったらすぐ家に来いよ。まぁ…親父とかも喜ぶしな
[実際はこんな状況で立場の弱いものがどうなるかと思えば心配で言ったのだ]
[オトフリートの言葉が背中にかかるが
そのまま足を踏み出した。]
…いや…――!
[耳を両手でふさぎ、離れようと走りだす。
肩からかけた鞄が腰で跳ね、揺れる。
ユリアンの声が聞こえ、一度振り返るが
そのまま足は駆け出した。]
[名残惜しげに心配そうにエルザの駆けて行った方を見ていたが、オトフリートの言葉に顔を向けると、既にその本人は答えを待たずに図書館へ。]
……………それが知りたいから……無茶やってるに決まってんじゃんかよ。
[俯き、呟いた言葉は誰の耳に届くでもないもの。]
だっておもいが通じなかったり素直になれなかったりして
ついあたっちゃうんですよね?
[どこで読んだのかそんな話。]
だってミリィせんせー、たのしそーに治療するから。
そりゃみんな逃げますよ
……ま、取りあえずは、絵の描き方からだが。
それは、この騒動が治まってからでいい。
[今はそれ所ではない、という事もあり、本来の勤めの事は置いておく事にした]
……『絵筆』を探す術の事と、これから俺がやる事と。
[それから、と。
続く言葉を言う前に、言い澱んだのは已む無し、というべきか]
……俺に、何かあった時のために……『新たな月』として、知っておくべき事だ。
ま、なんにせよ、立ち話でできる事じゃないから……どっか、落ち着くか?
その様子だと、お前、まともに食べてないだろ?
[俺もだけど、と付け加える言葉はおどけてはいたが。
緑の瞳に宿る微かな陰りは、容易く見て取れて**]
おいっ!?
[いや。というエルザの声が聞こえた。だから止めようと思って、足を踏み出したところで、頷くのが見えて、足を止めた]
ちゃんと覚えておけよ。じゃないと怒るからな
[そんな言葉がエルザに届いたかどうかわかりもしないが、後で探してもいい。と頭を振って。リディたちがいるほうをみて、傍まで歩いていって]
…捕獲すんの?
[と思ったらベアトリーチェが手を握ってる]
[……ほかく? その意味を掴めず、瞬きしたものの]
あ、れ、
エルザねえちゃん…?
[駈けだして行くエルザを視界に収める。
耳を塞ぐ様にどこか、尋常ならぬものを感じて]
どう、したのだ?
[思わずリディを離し、
届かなくともエルザの方へと、手をのべていた]
はやく、はやくあつめておわらせないと。
こんなのこわい。
いや。
[恐怖は少女を更に退化させる。
耳をふさぎ、言葉は心の中に。]
職人見習い ユリアンは、青年 アーベル を投票先に選びました。
一体何の話をしているんだ、お前は。
[リディに対して、半眼]
悪ガキを懲らしめるのは確かに楽しいが、
治療そのものが楽しいわけではないぞ?
[さらっと何か言った。]
いや、大した怪我じゃなくてどこかで治療するなら助けてもいいけど
[どこをどの程度怪我をしているか知らないが、でもミリィの前でそれするの凄く勇気がいるのだよな。と
まあ頭が足りてない分体力には自信があるから逃げる分には大丈夫な気はするが]
[近付いてくるアーベルに目を向ければ、先程の皆は解散モードの様子。
ただ、焦ったような声が僅かに耳についた]
ああ、頼む――
……が、何か、あったのか?
懲らしめるのたのしんでんじゃないかー!
[けっこう真剣に文句を言った]
悪がきじゃないのに、いじめられるしさー。
こんなに真剣に色々やってる私だよ?
どーしていじめるのさー
うん、たいした怪我じゃないよ!
ほんとだよ!
[よし、っとアーベルに手を伸ばした。
それでもちょっと気になるのか、ベアトリーチェが見る方向を、一度見た。]
ほっほー?
布盗んで大騒動繰り広げ、結果、ユリアンに代金払わせたものが、
悪がきじゃない、ねえ……?
[仕事柄、割と耳は早い]
いいから、治療はさせろ。
他の者にまで迷惑かけたいのか。
お前の事がすまんと、私も調査に身が――
[すっと一瞬真剣な表情になり、呟きかけて止めた]
[アーベルが近づいてくると]
うんと。うん。
ほかく、らしいのだ。
[よくわからないないものの、
薬師様が言うのだからそうした方が良いのだろう。
そんな判断でアーベルたちに頷いて]
[しっかりリディを引き渡すつもり**]
ちょ。
ミリィせんせー一体どこからそれをじゃなくて
一応そのあともあるんだけど…!
それに悪がきじゃないよ!!
[だけども続いた言葉に、しゅーんとしてから、
きょとんと、首をかしげた。]
調査?
いや、エルザがなんか怖かったのかね?
…そういや、エルザがなんか言っててミリィ先生探してたみたいだったな
[なんてミリィにいってから]
そっか。ならいっか…ぁーでも
[言いつつ、リディの伸ばした手を取ってから]
ちょっとエルザ気にかけといてくれねえかな。このままリディ捕獲するから
[エルザのためにリディを売るつもりになったらしい]
……いや。
絵筆を探しに行けないだろう、ということだ。
お前がここでだだを捏ねていると、
結果的に絵師殿にも迷惑をかけるのだぞ?
いつもよりは痛くなくしてやるから、さっさと来い。
[嘘は得手ではないから、明言を避けるのみの形にした]
あああ、アーベル酷い!
[手をとられた。
捕獲されてしまうのを悟ったので、恨み言。]
ばかばか!
あとで、巻貝のからをくれなきゃ許してあげない!
…ん。
…。
[最初こそ、相槌を打ってもいたが。
言い淀んだ後の言葉にはあからさまな動揺が浮かび、やや視線を背け。
ぎりと奥歯を噛み締めた。
一転して軽い口調にも、いつものように軽口だの小言だのを返すだけの余裕はなく。
同じいろをした目で、ただ頷く]
みんな、うたがうのが怖い。
イライラしてるみたい。
畑にも人がきたし…
[声は、しずんでいる。]
はやく決着つけないと。
みつけられそうで、怖いの。
[リディのヘルプの言葉に、んーと考えるが、]
うん、無理だ。
[何故か笑顔で拒否。
ちなみに。最初からあの布を買うつもりだったし、手間が増えたのは面倒だったが、そのことは然程は気にしていない。
でも助け舟は出さないわけで。
理由:人様に迷惑はかけてはいけない。
フリーダムでも、そこんとこの境界線はしっかり引いてるらしい。]
そうだね。
絵師さま、もしかしてわかっちゃうかな。
絵師様に使うのは、こわいけど。
でも、そうしたら、絵が違うとかきっと気付かれないよね。
こわいけど、早くがんばろう。
筆二本にして、ね。
捕獲…みたいだな。ベアトリーチェはそっちね
[なんてベアトリーチェにいえば捕獲の層が更に加わったような感じでありつつ]
調査かぁ…にしてもミリィ先生がそういうの珍しいな。でもそのほうがいいと思うぞ。苦いのもしみるのもある程度は仕方ないとして患者に私見で余計に色々加えるのはよくねーだろうし
リディもああいってるから素直にされとけば?
ああ、巻貝の殻なら家にどうせあるから取りに来い
ふむ、エリザベスが……?
それはすまない、余所事に気を取られてしまっていた。
心に刻んでおくことにしよう。
[アーベルの言に、顎に手を添えつつ深く頷いた]
ユリアンのばかー
[一応安売りたのんであげたのにーとかは言わない。
気付けばいいんだばかーって内心は思ってるかもしれないけれども。
それからアーベルに促された言葉で、ようやく、にへらと笑顔を浮かべた。]
はーい!
取りに行く! おっきいのが良いな! 穴あいてないやつ!
[走って、はしって自宅へと辿り着く。
はぁはぁと肩で息をして家に入ると、真っ白な綿毛が敷かれた部屋。
ぼふりと布団にダイビングして、顔を枕に埋めた。]
まあ、おとなしくついていきまーす。
いたくしないでくれるっていうし!
[ほんとだよねって目をむけたけども、
信じることにしたらしい。]
でも調査って何をすればいいんだろうねー
お手伝いしないとダメなのかなー?
[足手まといを自覚は*しているらしい*]
えしさま…。
[呟きは、奥深く。
心の声が聞こえれば、安心するのは共犯者として。]
うん。
がんばろう。
[仕事をしよう、というのと、変わらない。]
仕方ねえんじゃねえの。ミリィ先生忙しそうだったし…
とりあえず頼むな。…事件のせいで、ちょっと心配だしよ
[それは体調以外のことも含めていっているが]
というわけで、はい。プレゼント
[リディも素直に従ってくれるようなので軽く引き寄せミリィに渡せ…るかどうかはともかく寄せながら]
わかった。まあ俺いなかったら両親にわけいって好きなのもらってくれ。
[と、なにに使うのかは聞かずにリディに説明。]
ったく。現金っつーか、単純っちゅうか。
[軽く嘆息。
ちなみに多分安くなったのは、工房の人がご迷惑かけましたって事で安くしてくれたんだろうなぁと言う認識。
てか、事実、要因としてはきっとそっちのほうが*大きかったはず*。]
というわけで、行くとしようか。
お前達も来るか?
と言っても、リディの治療が終わったら、作業に入るが。
[自然、手は絵筆の毛を入れた鞄に触れる]
[ミリィの言葉に]
あー、俺はいいっす。あそこ嫌いなんで。
……それに、行きたいところもあるし。
ってことで、んじゃまた。
[そう言って*駆けて行った*。]
[ぽつり、ぽつりと。
うとうとしながら、思いは心の言葉へと乗って
遠くにいるリディにも、届いてしまう。]
戻りたい。
…まいにち夢に見る広い「あお」の中、飛ぶのが…
ほんとうのじぶん、なのに…――
[そのまま意識は闇の中へと沈んで行く。
ヒカリゴケのランプが、ふつりと消えた**]
……全く、はっきりしているな。
[溜息を一つ。
リディの気が変わらないうちにと、診療所に向かう。
ちなみに。
あくまでも「いつもより」なのであって、
結局、治療とは痛く、薬とは苦いものでは*ある*]
[そうして移動を始めた矢先]
…あれ。
[必死の様で駆けてくる少女の、その様子に驚き。
向こうはこちらに気付いただろうか。
いずれにせよ、呼び止める間はなかったが**]
んー。俺はどうすっかな。
[リディをミリィに引き渡してから]
ミハエルの兄さんか…誰かにでも絵筆の…探しかたでも止めかたでも…どうするのかとか色々聞きたいことがあんだが
…まあ俺なんか居ても役に立たんっていわれそうだけど
[聞きたいことなどは多々あっても。
そこからすべきことが己にあるのかどうか。そもそも一介の海人が関わるような立場でもないのかもしれないとも思うが]
ちょっとじっとしてられる気分じゃないんで、邪魔になりそうなんで遠慮します
[といってミリィと別れ。絵師の家を目指すような。*少し考えをまとめるためぶらぶらするような*]
― 診療所 ―
ほら。これでよし、と。
[ぽん、と軽くリディの肩を叩く。
抗議の声が聞こえた気がしたが、気にしない。
各所を診て、手当てはしっかりと済ませてあった]
また『海』に潜って怪我をしたのか?
人は皆、海より生まれたというから、
惹かれるのも仕方ないのやもしれんが、
生きられるようには出来ていないんだぞ。
ひとりで無謀な事をするな。
私は作業があるからね。
ブリジット、あとは任せた。
[ひとしきり小言を言い終えると、
さっさと奥に引っ込んだ。
卓上に置かれた瓶には、薄く色付いた液体。
それに絵筆の毛を入れて何事かを呟く。
途端に色が変わり、混ぜるうちに透明になった]
よし、と。
これで準備は良いか。
しっかし、こういうのは専門外なんだがな。
[やはり、独り言は多かった。
今度は対象となるものの髪を摘まみ取り、液体に浸す。
それだけでは、色は変わる気配も見せなかった。
幾つかの、音を重ねる]
……真実の色を。
[最後の一音。
液体は染まりゆき、あの絵筆を思わせる黒に近づく。
漆黒に落ち着くか――と思われた、そのとき。
視界に白が、溢れた。]
[液体だけでなく、部屋全体もが真っ白だった。
呆然と、白に覆われた部屋の中心に佇む。
何事かとやって来た助手も、目を丸くしていた。
それも時間が経ち術が解ければ、*元に戻るのだが*]
[周りのやり取りから、
どうやら「ほかく成功」と認識]
ん、と。
ねえちゃん、だいじょうぶ? 診療所まで行ける?
あいたたたたた、だったよね。
[ユリアンたちを見送った]
[ふと気にかかり、
傷が痛むようなら、リディの歩みに手を貸そうと
―子供にそれが可能かは分からなかったけれども―
しつつ、診療所までついて行った]
[あとはミリィに任せ、引き返し]
―広場―
[大人たちが騒いでいる。
告示、とやらが行われた所為か][と知る]
[大声で話す群集の方から、その内容も耳に届いて]
え――えふで、で。絵を――?
[直の理解には至れなかった。
頭が拒否していたのかもしれない]
そんな。そんな………。
[アトリを抱き、しばらくしゃがみ込んでいた**]
― 診療所 ―
あたーっ、
ちょっと、ミリィせんせー、うそつき!
[傷口の痛みに、目尻に涙をにじませてそんなことを叫ぶ。
にがーい薬を飲まされて、やっぱり治療は痛くて、
もー二度と怪我するもんかと誓うこと何度目か。
肩をたたかれてぶーぶー言って、言葉にうーんと唸る。]
『海』を見てみたいんだけど、
あれを越えることは無理だと思ったよ。
[思い返したのか、声は暗い。]
[告げた言葉はやはりと言うか動揺を誘い、その様子に、もう一度ぽふり、と頭を撫でて]
さて、んじゃ家に……って、なんだ?
[家に行くかと提案しかけた矢先。
駆けて行く少女の姿に戸惑うものの、しかし、呼び止めるよな余裕はなく。
ただ、その背を見送るのみ。
ともあれ、改めて家に行こう、と促して歩き出す]
─自宅─
[アトリエ暮らしが長くなっているせいか、家に戻るのは随分と久しぶりに感じられた。
それでも、変わらない様子にどこか、安堵を感じつつ。
弟は先に座らせて、香草茶を淹れる]
さて、取りあえず……ここらは、そろそろ告知が出て回る頃だろうけど。
[最初に説明するのは、先に会議で決まった事。
自身が手を下す、という話は、さすがに良い顔はされないだろうけれど]
で、『絵筆』の行方を追う方法なんだが。
これは、薬師殿に策があるそうだ。
[こんな前置きをして、自身が受けた説明を繰り返す]
話の出所的な信憑性はともかく、嘘はつかんし、彼女。
信は置ける。
[ここまで話すと、一度、話題は途切れ。
立ち込める重い沈黙を振り払うよに、また、口を開いた。
その話題が、また、重苦しさを増すのは予測していたけれど]
それで、な。
直接的な身の危険はないとは思うが、今の俺は、以前と違って、色々な影響を普通に受けるようになってる。
[継承者たる『新たな月』。
それが昇るまでの間、『絵師』は不死に近い状態になる。
最初からそうだった訳ではなく、いつからか組み込まれていた仕組み。
その原因が何かは、確かめた事はないが。
……もしかしたら、誰かたちが話題にしていたおとぎ話が関わりあるのやも知れず]
……だから。
『絵筆』を持ち出した連中に狙われたら、抵抗する事は、恐らくできん。
そうなった時に備えて、『解放』のやり方を伝えておく。
[心の『解放』。
それは、多くの『絵師』が願い、夢見、そして自ら叶えるには至らなかったもの。
術自体は、自らの血を用い、それぞれの筆に定められた印を描いて、キーワードを唱えるという単純なもの]
……空へ向かうにはまだ『足りない』らしいから。
今、この法をやっても、生者の解放しかできんだろうけどな。
それと、今残ってる筆には、十分に力を込めてあるから、しばらくは大丈夫だろうが。
念のため、氷面鏡の間の場所と入り方、教えておく。
……ここは、『絵師』だけが立ち入れる領域だから、人には教えるなよ?
[予め注意をしてから、場所と入り方を教えるものの。
正直、継承前に弟がここに入る事がない事を願っていた]
……とりあえず、今、伝えておきたいのは、こんなとこだな。
ま、『解放』やら何やらは、杞憂に終わればいいんだが……さて。
[静かに呟いた後、立ち上がる。
表情は一転、常のどこか軽いもの]
何か、食べたいもの、あるか?
今の内、しっかり食べといた方がいいし、リクエストあれば応えるぜ?
[ごく軽い口調で言いつつ、上着を椅子の背にかけ、袖をまくる。
緑に浮かぶのは、今は、気遣うような、穏やかな色**]
ブリジットさんはさ、
『海』に壁をかんじたら、どうすればいいと思う?
やめるのは嫌なんだ。
だけど、多分、あれ以上は無理なんだ。
あの波がなきゃいけるけど。
『海』を見るなら、『空』からかな。
だったら、早く飛べるようになれば良いな。
そう思うんだ。
[少女は窓へと目をやって
それから、ブリジットが何か言う前に、診療所を出る。
なんだかそのあとで、ひどいさけびごえが聞こえた気がしたのだった。]
/*
エーリッヒ以外に打ち明けたいんだよねぇ。
情報があそこに集まると困る。
だって今日喰うからねwww
さて今日吊られたらとても困るわけですが
大丈夫かわたし?w
―広場―
[告示が出てすぐにではない。
それでも、少しばかり騒がしいそこで、友人に話を聞く。]
うわぁ。
何考えてるんだろ、上の人たちー。
[答えなんてない。
少女たちのおしゃべりは、それでも危機感なく恋愛沙汰に発展するのだった。]
そうそう、ミリィせんせーの本命は絵師様みたいだから、
オトせんせーはフリーかも?
[本人の気持ちはどこなのか、突っ込みなんて*聞こえない*]
[目を閉じている間
何時もの夢が、世界を支配する。
青の中、纏わりつくは冷たい感触。
重力に支配されない体は、手で緩やかに周りを掻く事で前へと進む。
前は、上であり下であり、右であり左であり――]
[目を覚ますと、部屋の中は暗闇。
付けっ放しのヒカリゴケのランプがどうやら消えているようだ。
せり出した大きな岩の下に位置する少女の家は、
何時も薄暗くヒカリゴケが無いと家の中は
ほぼ漆黒に塗り固められる。]
…あら?
[目を開けても光が無い事にすこし戸惑う。
暫くして、ヒカリゴケが消えている事に気がついて、
そうっと足を降ろし、綿毛の上を歩いて扉を開いた。]
―自宅―
[外のヒカリコケの灯りを家の中に入れ
眠い目を擦りながら奥の扉の鍵を開いた。
中庭に向けて開けたその扉を開けると、
奥へ10歩程度歩ける広さの岩の洞窟。
あまり手入れもされていない中庭に揺れるは――桃色の花。
その壁に生えるヒカリコケをこそぎ取り、ランプへと詰めた。
ぽうと灯りが灯り、部屋内を映し出す。
扉を閉めようとして、ひとつ、はたと足を止めると
しゃがみこみ、花をひとつ、摘んだ。
そして扉を閉めるときちんと鍵を閉め。
花をくるり、指で回すとそれはまるで生き物のように、揺れた*]
[鞄にはまたちゃんと入れようと、絵筆を手に取った。
今日は彼女に渡しておこうか、
時間があったら絵師様の絵をもう描いちゃおうか、
なんて色々考えながら、絵筆をじっと見ていると、
ふと、その取っ手の彫り物に気がついた。]
あ。
これ、鳥とお魚。
丁度、海がみたいあなたと
空に戻りたいわたしと
ふたりの為用、みたいだわ。
素敵ね、素敵だわ。
[嬉しそうに、歌うように、呟いた。]
え、封印…?
それって、どういうことなのかな。
閉じ込められちゃうのかな。
[リディの声には、驚愕をあらわす。]
わたしたち、良い事しているのに。
みんなの夢を、叶えようとしているのに。
[ちょっと乱暴にしている、という事は自覚しているけれど。]
…早く結果が出れば、よいのに。
がんばる。
うん、がんばるわ!
今日は、だから、絵師様をすれば、
きっと、わたしたち、描かれないよ。
絵師様には、ごめんなさいだけど。
海を見たいし、
空にいきたいから、
仕方ないよね。
うん、しかたないわ。
えぇっと…――
[すこしの、間。]
成功に失敗はつきものだって。
パパは言ってたわ。
もしかしたら絵師さまのこころのこえで、「みちる」かもしれないし。
あなたが、描きたい?
またいっしょに、描く?
描きたくなければ、こっちで描くわ?
そうだね。
絵師様の心だし、きっと他の人より、たくさん満ちるかも。
[嬉しそうな感情]
空をとべたら、絵師様だってうれしいだろうし。
一緒にかけたら、かこっか。
ただ、怪我しちゃったから、もしかしたら描きにいくの、まわりの人にみつかっちゃうかも。
そうしたら、先にかいててほしいな。
わかったわ、描いてる。
あとで着てくれたら、うれしいの。
[嬉しそうな声を聞いて
こちらも嬉しそうに、返す。]
けが、してるの?
いたいの?大丈夫?
[後に続く声に、心配そうに声を返す。
内緒の秘密の、半分。
彼女が居なかったら、と一瞬考え、胸元をきゅっと握った。]
うん、あとでいくね。
怪我は、だいじょーぶだよ。
ミリィせんせーに治療されたし。
そのうちなおるって。
でも、海に挑めないから、はやく空にいこう。
海に挑めない?
じゃあやっぱり、ひどいのね。
無理…しないでね?
[聞こえる声に、酷く心配そうな声を返す。
絵を描こうかと綿毛の床の上にキャンパスを広げてみて
絵師を描くには髪の色の金色が無いと、気がついて。
出かけるために、絵筆をまた布に包んで鞄へと、入れた。]
ありがと。
[感謝の言葉はすこしはずんだ]
でも、手伝うし、ちゃんと描くよ。
だって海の色をいちばんしっているのは、私だし。
空の色を一番しっているのは、あなたでしょう?
絵師様は、どうやってかこうか。
そらの色を、知っているわ。
どうやって描こうかしら。
ちゃんと、丁寧に描いてあげないと。
わたしは空をかくわ。
絵師さまは…はんぶん?右半分を、描くわ。
えのぐが無いから、借りに行くの。
本当は見ながら描きたいけれど、きっと怒られちゃうから、それはだめね。
借りに?
どこに?
借りたこと、ばれちゃったら、たいへんじゃあない?
見ながらだったら、すぐ気付かれちゃうもんね。
えーと、まあ覚えてるからだいじょうぶだよね。
あ、そっか。
駄目だわ、そうね。
[リディの言葉に、はっとして足を止める。
それから棚の中をゴソゴソして]
うん、見ながらはだめだもんね…。
頑張っておぼえるわ。
会えたら、あって。
絵師さまがいなくなったら
絵師さまの家にまた忍び込んで、えのぐ、取れるかしら。
[大工だった親がペンキにとして使っていた染料の調合表を探そうと、
本棚をひっくりかえす。]
そうそう。
だから、会えたら、会おう。
絵師様に。
綺麗な金色の髪の毛だから、
たまに見える、太陽みたいな色が良いね。
ヒカリゴケとか使ったら綺麗になるかな?
うふふ、ふふふふ。
[良い案だといわれて、とても嬉しそうに笑い声を立てた。]
あ、ヒカリゴケ、良いわ、良いわね。
いっぱい、取ってくるわ!
[ひっくり返した本棚はそのままに、
もう、ヒカリゴケを入れるために籠を探し始める。]
―広場―
「ところで怪我したんだって? って、リディ、聞いてないでしょ!」
ほえ? き、きいてるよー!
で、なんのはなしだっけ?
「怪我!」
あ、そうそう、海でやっちゃってさー。
もうさ、ミリィせんせーの治療、相変わらず痛いって。
困っちゃうよねー。
じゃ、そーゆーわけで、糸のお仕事もあるし、そろそろいくねー。
そういえば絵師様みなかった?
「見てないよ? 元気ないね?」
そっかぁ。 ……だ、だってさ。一日一度は見たいじゃん?
憧れだしさー
まあ見てないなら仕方ないやー。
うーん、探すにも時間かかりそうっていうか、
アトリエ以外、絵師様ってどこにいらっしゃるのかわからないし……。
「今、筆ないから探してるのよきっと」
でもさ、
筆、見つかるのかなぁ?
もし自分の手にあったらどーする?
「えー、何それ。いらないよー」
でもさ、だって、綿毛といっしょに空にいけるんだよ。
ここから出れるんだよ?
それだったら、手放したくなるひとなんて、いないんじゃないかなって――
長様も寝てるだけみたいだし。
お年寄りの人とか、本当はいきたいんじゃないかな。
[そこらへんを見て、呟くと、じゃ、と手を振った。]
あ、そうね、いいわね!
ふふふ、素敵な絵を描くために、材料を集めるわ。
集めましょう。
綿毛畑へと行ってから、ヒカリコケをとりに広場へ行くわ。
おおきな籠をもっていくから、いっぱい入るのよ?
[いそいそとごそごそと
とてもとても上機嫌に、準備をして。
靴を履いて、外へと出た。]
[肩から鞄を斜めにかけて、片手には空っぽの籠を持って。
もう片方の手の中ではくるりくるりと花が回る。
軽やかに足を前に出して歩き]
♪レ アリシ スヴィルッパ
ヴェルソ イルシェーロ、
ヴォグ…っ?
[上機嫌に歌う声は、突然止まった。
綿毛畑の前、杭にロープが絡められている。
どうやら、此処は隠し物をするには最適だろうと、
立ち入り禁止にされたようだ。]
[怪我を見咎められ、おこられ、糸工房に行くからと外へ出た。
だが再び通りかかった広場を見て、しばらくうーんと悩む。]
みんなまだ静まらないなぁ。
[中には上層部・絵師への反発をあらわにする人も居るようで。
少女は、困った顔をして、壁に手を付いた。
手にぺたりとヒカリコケ。
手のひらがきらきらして、しばらくそれを見ている。]
ひかりごけとれたけど、
手のひらについちゃった。
袋もってくればよかったかなぁ。
いっぱいはいったら、綺麗に絵がいっぱいかけるね。
「こらぁ、近寄っちゃ駄目だよ!
事件が解決するまでは、立ち入り禁止!」
[太い声が飛んできて、肩を竦める。
大きな妙齢の女性が声を上げているのを見て
ぱたぱたと、逃げるようにその場を後にした]
―綿毛畑→広場―
籠、持って来たのよ。
手が汚れちゃったの?
それなら……あっ!
[言いかけて、突然大きな声。]
ハンカチ借りたの、そのまま返すの忘れちゃってた。
[絵師さまに。
思い出して、呟いた。]
白練の歌子 エルザは、少女 ベアトリーチェ を投票先に選びました。
投票を委任します。
白練の歌子 エルザは、蒼月の『絵師』 エーリッヒ に投票を委任しました。
白練の歌子 エルザは、職人見習い ユリアン を投票先に選びました。
それじゃあ探さなきゃね。
絵師様。
よくお顔を見れるとも思うし。
よごれちゃっても、やっぱりひかりこけは綺麗だけどね。
[ふわと浮いてきたヒカリコケが目の前で煌き
思わず先ほどの怒声もけろりと忘れて顔を綻ばせた。]
きらきら、きれいね。
それを取りに来たの。
[ヒカリコケの並ぶ壁の辺りに佇むリディの方へと歩いて行き
その光る手を覗き込んだ。
自分もこそぎ取ろうと手を伸ばすと、
リディが潰したコケに触れ、胞子がキラキラと、飛んだ。]
そうなの?
……手から取る?
それともあっち取る?
[壁へと目をずらして、尋ねる。
胞子が飛ぶのを見て、綺麗だなぁと呟いた。]
要らないなら、手のも貰うわ。
壁のも、もらうの。
いっぱい、要るから。
[にこり、笑って手に持った籠をちょいと上げてみせる。
ふわふわ浮かぶ粒が目の前を通り過ぎ
思わず目で追い、それはそのまま上へと向かう。
更に追う目は、天井へと首を伸ばした。]
[目を細めて上を見たまま
口を開けば、高い声で歌が零れる。
そのままくるり、両手を広げて一度回った。
周りに居た大人が、怪訝な目で見る。]
籠にいっぱい集めれば、足りると思うわ。
おうちのお庭にもあるのだけれど、ひとつひとつが小さいの。
ここのヒカリコケの方が、きれいなのよ。
きれいに光るほうが、嬉しいもの。
[言いながら、手を伸ばして壁のヒカリコケを削ぐ。
籠にパラパラと、光の塊が落ちて行く。]
うん。
それくらいだね。
一緒にやるよ。
[同じようにヒカリコケを削いで、
籠へと入れてゆく。
きらきらと、たまに地面に落ちては、*重なってゆく*]
[己にとってはごく当たり前の場所。
けれどその自宅は、誰かと過ごすのは随分と久し振りな気がした]
…まあ。
こんな形で、だとは思わなかったけど。
[兄が茶を淹れるのを待つ間、そんな呟きを洩らした。
置かれた状況を思えば、久々のこの時間も素直には喜べない。
やがて香草茶の香りと共に、話は始まる。
最初の、上層部の決定にはやはり眉を寄せた。
もっと穏便にできないものか、との思いが過ぎるも、やむなきことと知ればそれ以上口出しはできず。
途中でミリィの名が出れば少し首を傾げるが、信頼云々には納得できた。
彼女がこういう時、嘘を吐かないことは己も知っている事だから]
[暫し間が空いて。
沈黙を誤魔化すように、茶を一口啜る。
味を感じる余裕はなかったけれど]
…以前。
そういうこと、か。
[再開された話。
不養生を注意する度に出る口癖のような言葉は、ただの強がりか何かだと思っていたのだけど。
同時にこの『月』さえ昇らなければと、そんな思いは表に出すことなく、服の上からその場所に触れるだけ]
[続く『解放』の話の間は、終始俯いて聞いた。
万一の話とはいえ、空気が重くなるのは致し方ないこと。
生者の、という言葉に暫し考えて]
ギュンターさんか。
…だから、2本必要なんだ。
[そう言った後は、また口を噤み。
聞かされる言葉、知らない場所の話にただ頷いた。
一つ一つ心に留め置くように]
[そうして、立ち上がる気配に顔を上げ。
映るのは穏やかな色。
張り詰めていた表情が、ふと緩んだ。
それも憂いを完全に消し去ることはできなかったけれど]
…ああ。
懐かしいな。
[まだ両親のいた頃。
同い年の少年たちと違って、その頃から内にばかり興味を向けていた己はしばしば苛められて、その度に幼馴染みたちに助けてもらったりしていたのだけど。
泣きながら帰って来たある日、たまたま家にいた兄がこんな風に慰めてくれて]
あの時は、何を作ってくれたんだっけ。
[目を細めた。
あの頃と違うのは、己がもう泣くような年ではないということ]
[そうして籠にいっぱいのヒカリコケを集めて嬉しそうに笑い、
キラキラ光る手を表裏とひらひらさせて何度も見た。]
たくさん。
ふふふ。
[籠を片手に下げてゆらゆら揺らし
リディに手を振って別れると、軽い足取りで向かうは家路。
籠の中からきらきらと落ちるヒカリコケが風に乗り、
人の家の中や外、色々なところに明かりを灯した。]
[くるり、家への道を手に持った花を回しながら、行く。
ふと歩きながら周りを見ると見ると、
「告示」と書かれた大きな紙が都市の中の要所要所に張られていた。
書いた字が躍っているのを見ると、上層部も色々焦っていたのだろう。]
…なぁに、あれ?
[高い位置に張られた紙を見上げて話し合う大人達に
後ろから声をかけてみるけれど、無視されてしまう。
そもそも見えたとて、文字が読めないのだから意味は無いのだけれど。]
……むぅ。
なにがいかんかったのだろうなぁ。
[腕を組み、ぶつぶつと呟きながら歩んでいく。
白はすっかり抜け落ちていたが、疑問は尽きない]
今は所有していないから白……は、
まだわかるとして。
あの爆発は絵師の力と反発でもしたか……?
むぎゅ
[変な声が出た。
ぶつかられた男は先程の声の主だと思ったのか、
気にもとめずに会話を続けている。
低い位置にある頭が誰か、見えなかったのだろう]
…………なんだ、なんだ?
[数歩引いてきょろきょろ。
身長が低くて見えない。]
……ん?
[大きく振られる手に、目を細めて見つつ、
そちらに寄る]
ああ、エリザベスか。
……元気か?
[ぱち、と瞬いて、近くで改めて少女を見た]
― 図書館・書庫 ―
[ヒカリコケのランプの灯りの下、ペンを走らせる。記録しているのは、先日来の絵筆盗難事件のこと。主観を交えず、事実だけを正確に書き記していく。犯人探しと、その処置に関する告知もすでに知らされていたので、記録はその内容まで書かれて止まった]
・・・・・絵師の手によって封じる、か。
[皮肉な笑みが口元に浮かぶ]
あの馬鹿には最悪に似合わない役柄だな。
[ペンを置き、懐から取り出した蜜蝋を、くちゃ、と噛んだ]
ごきげんよう!
[近寄るミリィに、笑顔で挨拶。
元気か、との質問にも深く頷き]
元気、元気よ。
だから何も要らないわ?
[矢張りすこし警戒が混じるのは
彼女の職業ゆえ、なのだけれど。]
…あのねえ。
[最後に置かれたことばに、思わず苦笑が浮かぶ]
それならばいいが、
アーベルが心配していたぞ?
こわいことでもあったのじゃないか、とね。
しんぱい?
[未だ全ての警戒は解かず、
ヒカリコケの詰まった籠を持つ手に力はすこし、
入っているのだけれど、
言葉を聞けばそれはすこし緩まった。]
心配、うれしい。
こわいこと…、ん。
[視線を空中に彷徨わせ、思い出した、と、頷いた。
青白く細いけれど女性として普通に身長のある方の彼女は、
小柄なミリィを見下ろす形になるかもしれない。]
綿毛畑に、いっぱい人がきて。
ここが、きゅうってなったの。
でももう治ったから、大丈夫、元気、よ。
[言いながら、白いワンピースの胸元を
空いた片手できゅっと掴んで見せた。]
綿毛畑に、か。
[落ちてくる視線を受け止め、僅か首を傾げた。
絵筆を探しに訪れたのだろうとは容易に想像できる。
声音はいつもより、いくらか和らげるよう心がけ]
ふむ、ならば驚いてしまったのだろうね。
大人達にも、困ったものだ。
もっとやり方があるだろうに。
……そう言えば、今日はそれを採りにいったのか?
[籠を見やり、問う]
[伸ばしっぱなしの、セルシアンブルーの髪を揺らしてうんと頷き]
起きたらまっくらで、びっくりしたのよ。
目を開けても目が開いていないみたいなの。
すごく、びっくりしたのよ。
[ミリィの言葉が和らぐのに、
自覚なく落ち着いてにこりと笑んだ。
その時ドン、と後ろに告示を見に来た大人がぶつかって、
小さくたたらを踏む。
あ、と思い出したようにそちらを振り返り]
あれ、なぁに?
[人ごみに背が届かずそれが見えないミリィに、告示が張り出された方向を指差して問うたのは、
別に意地悪をするつもりでは、決して無い。]
ランプ用だけじゃなくて、
絵をかくため、絵師さまの髪の毛の色をぬるため、なの。
でもそれは、内緒の秘密、はんぶんこ、なのよ。
[ミリィの言葉に
心の中で、小さく呟く。]
[懐かしい、という言葉。
辿るのは穏やかな頃の記憶。
思えば、自身がここに近づかなくなったのは、両親の『絵』を描いてから。
師父を看取った時とはまた、異なる苦しさに。
いつか、確実にそれを負わせる事実が重たく思えたから]
あの時は……ああ。
母さんの特製シチューを、伝授してもらいながら作ったんだっけか、確か。
久々に、作るか。
[思い返した記憶の内、明るいものだけを留めて動き出す。
慌しい外とは対照的な、穏やかな時間の後]
……じゃ、俺は一度、アトリエに戻るから。
また、な。
[いつもと変わらぬ口調でこう告げて、アトリエへと向かう]
─自宅→アトリエ─
[眼前で揺れる青は「海」のようだな、などとぼんやり思う]
それは大変。
どこか、ぶつけてしまったりしなかったか?
私の部屋だったら、惨事になりそうだ。
[所狭しと書籍や材料の置かれた作業部屋。
ヒカリコケを切らしたことはなかったけれど、
もしそうなったら、何が起こるか想像するだに恐ろしい]
開けている場所じゃないと、灯り一つでも一苦労だ。
[見上げても此処からは「空」は見えない。
ぶつかる音が聞こえて視線を戻し、大丈夫か、とエルザに手を伸ばす。
続いた問いに、彼女と同じほうを見やった]
あれか?
……ああ、あれは……。
[身長の差だけでなく、視力の問題もあれば、見えるわけもなく。
しかしわからないとも答えられず、内心、汗が伝った。
不自然な沈黙が数秒。
結果として交えられる会話に助けられることになったのだが。
聴覚に頼り、拾い集めた内容は、絵師当人との会話と合わせれば、
容易に推測に足るものだった]
絵筆を盗んだ犯人を捜すために、どうするか、ということだよ。
殴り合いの喧嘩が起きてしまうのは嫌だろう?
だから、絵師が措置を下すことになったんだ。
[言葉は知らず、やや硬くなる]
― 図書館 ―
[記録書を収め、書庫から出たところで聞こえた声に顔を向ける]
リディ、怪我はいいのか?
[小言という風ではなく淡々と尋ねる]
うん、だいじょーぶ!
っていうか、足がちょっといたかったり、ちょっとぶつかったくらいで、
そーんなに痛くないもんね。
ミリィせんせーの治療のほうが痛かった。
ぶつけたりはしてないから、大丈夫、大丈夫よ。
だから何も要らないから、ね?
[ミリィの言葉に少しだけぎこちなく微笑んで
それから流れたすこしの「間」には、きょとりと不思議そうにじっとミリィを見つめていた。
その口が言葉を零すのを待ち、聞いた後で
ゆっくりと、首を傾けた。]
喧嘩は、いや。
そちを…絵師さまが?
はんにんが、みつかったの?
痛いのは生きている証拠だ。薬師殿に感謝しろ。
[言いながら、出て来た書庫の扉を再び開けて、中へと促した]
勉強に来たんだろう?丁度いい、今日は興味のある本を自分で選べ。
……私はエリザベスには、
そこまで酷い治療をした覚えはないんだが。
[他者に対してはあるらしい。
握られた手を引き、少しだけ人込みから遠ざける]
……いいや。見つかってはいないよ。
名乗り出たという話も聞かない。
だから、一番、犯人だと思うものの、絵を描いて――
封じるのだろうね。
─アトリエ─
あー……そいや、片付けてねぇ。
[入るなり目に入ったのは、筆探しの惨状跡地。
このままじゃまずいな、と思い、片づけを始めて。
それが一段落した所で、奥の間の、更に下。
代々の『絵師』の『絵』を収める部屋へと降りてゆく]
……師父。
[手に取り、見るのは自身が描いた最初の『絵』]
お叱りは、そちらに行った後、存分に。
……そう、遠い事でもないでしょうから、ね。
えー、痛くしないっていったんだよ。
なのに痛くしたんだから、感謝できるわけないじゃんー
[ぶーぶー文句を言いながらも、はーいと中に入る。]
うん。
おべんきょー。
ひさしぶりに、簡単なお話読みたくってさ。
海が出てくるといいけどな。
読んでない本とか、ある?
あ、読んでても絶対覚えてないけど。
そういえばオトせんせー、あまいもの好き?
[今更尋ねてみた。
椅子に座って、じーっとアンバーの目で見上げる。]
[零れた言葉と、掠めた自嘲の笑みが他者に知られずにすんだのは、当人にとっては幸い。
周囲にとっては、それぞれだろうが。
ともあれ、ここに籠もっていても仕方がない、と地下を出て]
さぁてぇ。
気ぃは滅入るが、広場、行くかぁ……。
[いかにも面倒な、といわんばかりの口調で言って。
アトリエを出て、広場の方へと歩き出す]
/*
真面目なお話(いきなりなんだ。
『絵師』は基本短命です。
だって『絵筆』ってどう考えてもソウルイーターだし。
それを制御するには、自分の魂とか生命削りますよなぁ。
まあ、そういう事です。
別に、エーリだから短命なわけではないのだよ!(待
…苦いの、きらいだもの…。
[ミリィに手を引かれ、人ごみから少し離れる。
人ごみは増える一方で、喧騒は静まる風には見えなかった。]
はんにんだと思うものの。
えーっと…なんだっけ……
…ドウキ?
[首を傾けてリディを見下ろす。
ミリィに取られた手はヒカリコケが付着したままで、
キラキラと光っていた**]
― 図書館・書庫 ―
そもそも怪我をしたのは、自分で無理をしたせいだろう?
痛かったのもそのせいだ、薬師殿に責任は無いな。
[あっさりと文句をいなしながら、子供向けの物語を集めた書棚に手を伸ばす]
海が出て来る話なら沢山ある。人魚の話や…ああ、くじらという大きな生き物の出て来る話もあるな。
・・・・・前から思っていたが、そんなに海が好きなのか?
―図書館・書庫―
[当然のことながら、理屈はわかってもぶーぶー文句を垂れるわけで。
手を伸ばす様子を、テーブルに肘をついて眺める。]
人魚はおとぎばなしだよね。
水の中で生活できるなんてうらやましいなぁ。
くじら?
[目はきらきらとした。
そのノリで不思議そうな質問に、軽く答えた。]
甘いもの好きなら、そのうち私の友達が持ってくるから、食べてあげてね!
ってことだよ、せんせー。
[ミリィと別れた後。気分を落ち着けながら歩いていた際に告示を見て家に帰って]
―自宅―
絵師って凄いものだと思ってたけど…怖くもあったんだな
[記された内容を伝えてからぽつりと漏らす。絵師の絵筆は死者だけでなく生者も封じてしまえる。それを知った今は、前のようにただ凄いと思えなくなって漏らした言葉であったが]
「今まで…生きてた人に扱われた。なんて話し聞いてないから普段から怯える必要はないわよ」
…うん…そうだよな…
[それを察しての母の一言で少しだけ落ち着けた。とはいえ事件があるため気持ちが晴れるということもないが]
― 図書館・書庫 ―
[選んだ数冊の本をリディの前に置き、小さくため息]
やはり意味が不明だ。
[だが、その件については、それ以上追求する気はないようで]
リディ、お前が海に潜るのは、外に出たいからか?それとも海に生きる生き物のようになりたいからか?
なら、苦くないようにしようか?
まだ実験段階で数は多く作れてないんだが、
食しても大丈夫な薄い膜があって……
[寒天と澱粉がどうのこうのと延々語りそうになったが、
周囲のざわつきに意識は呼び戻される]
ああ、そう。動機だね。
「こういう理由で、盗んだんじゃないか」という。
まあ、誰にでも少なからずありそうなものだけれどね。
一度ならず、空を――と望んだことはあるだろうから。
……エリザベスは、ないか?
[視界の端で、きらきらと微かなきらめき。
自分の知る光は、こればかり。
太陽や月は、在りはしても、遠いものだった]
じゃあ、また。
[いつもと違わない調子で見送り。
2人分の食器を片付けてから、一度部屋に戻った]
せめて、完成するまではやりたかったんだけど。
…どうかな。
[机上に置かれたままの楽譜を撫で、苦笑が掠める。
殆ど己しか読めないくらいに様々な文字が書き込まれ、それも途中で途切れていた。
そう言えば『絵師』となる以前の兄はどうだったのだろうと、そんな思いも過ぎりながら、傍らのケースを引き出す]
[ただ、絵師の力をその力を行使して疑わしきものを封じていくと。容疑者なんてどれほどいる?そもそもどういう基準で判断していくのか。
色々知ってもまだ知らないことは多い]
また、ちょっといってくる
[と言って、家を出て。広場のほうへと向かった]
― →広場―
―図書館・書庫―
『海』が見たいからだよ。
つまり、外に出たいってことかな?
あれの先にいけたら、どうなってるのか知りたい。
― 図書館・書庫 ―
外に出たら、もう戻れないかもしれない。
家族にも友達にも、二度と会えず、永遠に一人きりになるかもしれない。
それでも、『海』が見たいか?
[言葉は淡々と、しかしはっきりと紡がれた]
[広場へ向かう道の途中、ふと足を止める。
ざわめきの大きさに、告知が広まったか、と覚った。
こちらに向けられる住人の視線からは、今まで以上に強い畏怖の念が感じられるが、それも已む無し、と。
割り切りをつけて、広場へと足を踏み入れた]
─ →広場─
[ここ数日の例によってというか、質問攻めが来るのには、静かに答え。
取りあえず、泉の側に落ち着くと、はあ、と一つ息を吐いた]
……っとに。
どいつもこいつも。
[苛立ちを込めた呟きは、何へと向けられたのかは、定かではなく]
んー、かもしれない、なら、みんなに会えるかもでしょ?
だから行ってみたかったし、『海』を見てみたい。
って思うよ。
どうしてなんだろーね。
よくわかんないけど、『海』が見えたら良いやって思っちゃうんだ。
みんな大事なのにね。
家族も、友達も、オトせんせーも。
[ピストンやスライドの動きを確かめ、必要ならば油を注し。
いつものように丁寧に、所持する楽器を整備していく]
ああ。
謝らないと、な。
[幼馴染みの顔を思い浮かべる。
完全に受け入れ切れたわけでもないけれど、先程よりは大分落ち着いていた。
一通り点検し終えて、ぱたりとケースを閉めた]
きっと後悔するなって思うんだけどね。
でも、外に行きたいなって思うんだ。
ここにいるのも良いけど、ここは狭いから。
海みたいに、見えるみたいに、向こう側にいってみたい。
オトせんせーは思ったことないの?
― 図書館・書庫 ―
[少女の答えに、瞳は僅かに揺れる。まだ「絶望」に捕われることのない、若い魂の眩さを避けるように、視線を逸らした]
・・・・・今朝、エルザと一緒だったようだな。いつの間に、そんなに仲良くなったんだ?
[先刻の甘いものの話と、前後のつながりの不明具合は大差ない]
薬師 ミリィは、青年 アーベル を投票先に選びました。
薬師 ミリィは、白練の歌子 エルザ を能力(占う)の対象に選びました。
/*
寝落ちるといかんので仮セット。
どっちが呪か見極めていないけれど、まあいいか。
ほら、いざとなったらオトフリートが(ry
―広場―
[道にはいつもとは趣の変わった騒ぎがあって。ただ歩いてるだけでも警戒や疑念を持つように見られる。
ここが全てと入っても狭い町だとはいえこんなときぐらいは噂の広まりが遅くてもいいだろうと思いつつ、広場に着けば、ざわめきも大きい。
見れば絵師が質問に答えてそれが一段落着いたようで、一つ落ち着けるように息を吐いて近寄って]
どうも。ミハエルの兄さん。お疲れ…かな?
―図書館・書庫―
[反らされた目を追い、アンバーは動く。
問いにきょとんとして、ああとうなずいた。]
あんまり、得意じゃなかったけど。
でも、ちょっと話したら気が合ったから、仲良くなったよ?
それだけだけど……
せんせー、何かいつもより変。
……ん、ああ。
[呼びかける声に、気だるげに視線をそちらに向けて]
……まあ、これで元気そうに見られたら、さすがに泣けるなぁ。
[返すのは、どこか惚けたような、言葉]
[少女の声が遠い・・・・軽く頭を振って、視線を戻す]
いつもより、というのは、いつも、多少変だと思っているということか?
[しっかり突っ込んでから、ぽふ、と頭を撫でた]
俺以上に、気が立って変になっている連中もいる。お前達も気をつけろ。
─回想・昨夜─
[皆と別れたあと、長の家までやってきたわけだが、門前払い。
その後、エーリッヒの所在を聞いてミハエルのところまでやってきたわけだが、中から聞こえる声に自分が居合わせるべきでない空気を読み取り、退散。
その日は、それで就寝したのであった。]
…だよなぁ
[気だるげな視線に返すのはどういう表情をしていいかわからないような曖昧な笑み
さすがに事態を知っている今は最初に絵筆がなくなったと聞いたときのような気楽さはなく。]
なんか…絵筆見つけるのにいい方法とかないんすかね
[そして、リディが一冊の本を選んで読み始めたのをきっかけに、お茶でも入れてこよう、と言って書庫を出ると自室へと向かう]
後悔か・・・・
[湯を沸かす焔石の赤い色を見つめて、また、くちゃりと蜜蝋を噛んだ]
[アーベルの問いに、一つ、息を吐く]
……全く、なんの方法もない、という訳じゃない。
実際、そのために動いてくれてる人もいるからな。
もっとも、それを使っても、今すぐに、という訳にはいかんようだが……。
いつも変かどうかは、想像におまかせしまーす
[にへらと笑って、みあげる。
それから、続いたことばに、あ、と小さく声をもらした。]
オトせんせー、
……。
なんでもない。
せんせーは、変だけど良いせんせーだなって思ったんだよ!
そうなんすか。そりゃよかった…っていっても、絵筆盗ってったやつは、やっぱ空に行きたいって思ってるんだとしたら、それこそ怪しいやつ多すぎだよなぁ…
[それを聞いて少し安堵しつつも、やっぱりそこは多難に思いつつ]
その…生きてる者を描くって聞いたけど、戻せるんですか?
[キノコ茶を一人分いれ、リディのもとへと運んでいく。傍の椅子に腰掛けると、時折、本の中に出て来る言葉(大方が、この都市には存在しない外の世界の風物だった)について問うリディに、説明を加えていく]
[説明する自身も、現実には見た事のない風景や物事を、一つずつ]
[家を出て暫く行く。
井戸端会議は今日も進行中で、但し合わせる顔はいつもより深刻そうに。
時折その視線がこちらに向くのは、血縁的な理由しかないのだろうけれど。
やがて人の多い一角に差し掛かる。
高い位置に紙が貼られ、それを囲み口々に話し合う人々。
少し遠巻きに、その背を眺めた]
─翌日・自室─
[ぼんやりと天井を見つめ、物思いに耽る。
ギュンターのこと。絵筆のこと。エーリッヒのこと。ミハエルのこと。
エルザのこと。アーベルのこと。リディのこと。
思考は回転し、浮かんでは消えていく。]
はぁ。
……ったく、考えること多すぎだっつの。
この都市で生まれて、空を望まないヤツの方が、珍しいからな。
……空に対しての絶望しかなかったようなのも、昔にはいたようだが。
[苦笑めいた表情で、こう言って。
その後の問いに、表情を改めた]
ああ、戻す術はある。
筆が、俺の手元に戻るという前提はあるがな。
……そも、それができんなら、こんな手段は選ばせないさ。
もっとも、正しい『用い方』でない以上、不本意ではあるけどね。
過激なお偉方に任せて、怪我人無駄に増やされるなら、この方が多少はマシ。
― 図書館・書庫 ―
ここには、外の事を書いた本はそう多くない。
だから、それに関する本は全て読んだし、意味も調べた。
ずっと、子供の頃にな。
[かけていた単眼鏡を外し、静かに答える]
[ミリィの言葉には、ぱちぱちと目を瞬いた。
くんと上を向き、またミリィに目を落として]
もちろん、あるわ、あるわ。
あこがれよ、そら。
[にっこりと
満面の笑みを、浮かべた。
そして周りを見渡せば、また、知った顔を見つけ]
ごきげんよう!
[手を、振った。]
―図書館・書庫―
子供のころ。
……オトせんせーも、外にいきたかったの?
[その指の動きも目にいれながら、
ただ、じぃと顔を見上げる。]
― 図書室・書庫 ―
[ポケットから出した布で、きゅ、と音を立てて単眼鏡のレンズを拭く]
そうだな。兄貴が死ぬまでは、行きたかった。
[少女への答えは簡潔で、素直なもの]
ですよねぇ。俺も出来るなら外を見てみたいし……いや、あんま明るいとこは駄目だけど
[言って、左目を軽く手で覆いながらも一度空を映す穴を見上げて、また視線を戻し]
あ、そりゃよかった。
事態は事態なのはわかるけどいくらなんでも疑わしいってだけでさすがにそれはって思いましたしねぇ。それに、ギュンターのおっちゃんもそれならなんとかなるんだろうし、今度はなくさないでくださいよ
[告示をみたときなかった…のか単に読み飛ばしてただけかもしれないが。それにはあからさまに安堵し最後は少し冗談っぽくいってから。]
ほんとは…あったとき色々言おうとしてたんっすけどね。絵筆にそんな力もあるならなくすなよ。とかまあ盗んだのが悪いし…愚痴や八つ当たりのようなものだけどね
[なんとなく己の持っていた硬さを解すように吐露する]
[そして、その果てに考えること。
それは、昨晩の帰路で目の当たりにした告知。
……怪しき者を絵師の力を以って封じていくというもの。]
……兄ちゃんがそんな方法望んでするわけねぇから、決定したのは上層部の連中か。
にしても、その怪しき者をどうやって探すつもりだよ。
それに、そんなの盗んだ奴刺激するのは目に見えてんだろーが。
……殺られる前に殺れ、か。……アホくさ。
[とはいえ、打つ手がない、というのも恐らく事実なのだろう。
名乗り出ない以上は強硬策に出ざるを得ない。なるほど、それも真理か。]
……なら。
なら、せめて俺は守れる奴だけは何としても守ってやんよ。
それが、俺の運命っつーことなんだろ。
…………母さん。
[そう呟くと、よっと勢いよく立ち上がり、広場へと足を向けるのだった。]
そっか。
[しばらく言葉に悩むように、目を本に落とす。
数秒後、ぺらりとページを捲った。]
……せんせーは、行きたくなくなったの?
[不意に上がった手に、そちらを見た。
その主を見て、それが己に向けられたものだと悟り]
…ああ。
[いつもより何処か硬くはあれど、先よりは落ち着いた仕草で。
軽く頭を下げて、そちらに近付いた]
……だよな。
私も、そう思ったことがある――いや、今もかな。
きっと、昔とは別の理由だろうが。
けれど、誰かを犠牲にしてまでとは、思わないんだ。
もし、犯人が外に出ることを希うならば、
その強い想いは、何から来るのだろうな。
[問いかけというよりは、独り言染みていた。
エルザの挨拶の声に、遠くを見ていた視線を移す]
・・・・・さあ。
[目を閉じて、単眼鏡をかけなおす]
どこに行きたいのかが、分からなくなったのかもしれないな。
[くちゃ、と蜜蝋を噛んで立ち上がる]
少し外の様子を見て来る。
[僅かに笑んで、書庫の外へと出ていった]
[上を見やるアーベルにつられる様に、自身も一瞬、上を見やる。
『記憶』にある都市の様子は、彼には明るすぎるかも知れない、などとふと考えたのは一瞬]
まあ、普通はそう思うだろうなぁ。
ああ、じじ様のためにも、今度はしっかり持ってるから大丈夫。
[安堵する様子に、表情を微かに緩め。
続いた言葉に、瞬き一つ]
……いや、実際、俺の不注意がなければこんな事にはならなかったし。
愚痴られるのも詰られるのも、仕方ないさ。
当たりさわりなく腫れ物扱いされるなら、まだ、その方が気楽だしねぇ。
[最後の部分に零れたのは、滅多に吐露しない本心の一部]
……はーい。
オトせんせー、……気をつけてね。
[出てゆく時にようやく顔をあげて、
少しどうしようか悩んだけれど、それだけを口にして、少しひきつってしまうけれども笑った。]
─広場─
[いつもの場所へやってくると、既にそこには見知った顔がいっぱい。]
よっす。何か目新しい情報ってあるん?
ああ、一応告知の内容までは把握してるつもりなんだけど。
/*
さてて。
投票先が難しいなぁ。
まあ、役職者だからどーの、ってのはないんよね、この人数だと。
自分視点で場を動かせるものを残すのがよい、のだが。
退場確定してると、その視点がいつも以上に働かないわー(汗。
良し悪しだねぃ、ほんと。
やれやれ、ずいぶんとまた、集まっているな。
筆盗人が見つかる前に、街が機能停止するんじゃないのか?
[嘆息しつつ、気怠げに、広場へと足を進める]
りゆう?
理由があるの?
[ミリィの言葉に、首を傾ける。]
此処にいるひとは、みんなつよいおもい。
持ってるのじゃないかしら?
―時間軸は少し前・広場―
[膝を抱えている]
[再生するは長の記憶]
ねぇ、アトリ。
このままだと、ギュンター様は…。
[ちいさな頭では限度もあるが、漠然ながら想像も――
[ふるり、首を振れば、細い質の髪も揺れた]
[と、膝の上から這い下り、アトリが赤い舌を出す]
…あ。 おなか、すいたのだ? …ごめんね。
[腰の袋から、
アトリの「ごはん」のつめられた小瓶を出し]
えふで。探さないと、ね…。
どこにあるんだろう [いや] 隠しもっているのは、だれ?
―― それでも、私はきっと
もう、海を越えられないよ ――
あーあ。
ほんとに、どうしよう。
空から見るしかできないなんてなぁ。
[ぱたりと本を閉じて、
置いていた左の手を、右の手でおさえる。
かすかに響いた音が、止まった。]
― 道端 ―
ミハエル=リヒトか。
兄があれで、疲れているのか?
[僅かに冗談を交えつつも、普段よりも覇気の欠ける様子に首が傾ぐ]
─広場─
ん……。
[新たにかけられた声に、向けたのは疲れたよな視線]
進展あったら、どよんと影背負ってないと思うけどなぁ。
[歩きながら、鋭敏になった聴覚は、人々の声を雑多に拾う。先の短い年寄りが怪しいという者、無謀な若者の仕業と疑う者、果ては絵師自身に疑いの目を向ける者まで、あらゆる憶測が乱れ飛んでいるのが分かる]
・・・・・さすがに誰かを特定、という話にはなっていないか・・・・・
[僅かに安堵した様子で、小さくひとりごちる]
/*
エルザの要領の得なさと
オトフリート−リディの会話から
リディ先に占ったほうがいいのかとは思うんだが、
正直。
呪狼入りはどっちかわからん ぞ。
[大丈夫と言う言葉に一つ頷き]
へー。そんなもんなんだ。
[己は一介の海人。絵師のような扱いを受けるようなこともないため、その吐露には素直に知らなかったというように]
あー…でも、俺も言われなかったらちゃんと喋れなかったかもなぁ。ミハエルの兄さんはミハエルの兄さんで急に変わるってことでもねえし
[単にそれまで知らなかったってだけで]
とりあえず今度から寝食ちゃんととりましょう。そしたらちょっとは不注意も消える…と思う。
[兄弟揃ってそうだもんな。なんて思って]
お。よっ。ユリアン。いや、俺も告示の内容ぐらいしか。なんか探す方法とかねえのかなぁ…って。
そういやなんか探してるっていってたけど、俺も出来たりしねえのかな?
[ユリアンに応えつつ問いはエーリッヒに]
[近寄るに連れ、周囲から向けられる視線には気付かない振りをした。
もう1人、傍にいる人に気付き、そちらにも頭を下げ]
…。
かも、知れませんね。
[返答には少し間があった。
困ったように笑み]
ここまで騒ぎが広まって、絵筆の危険性が騒がれて。
それでも出てこないような犯人だぞ?
誰もが持つような想いとは異なるだろう。
……誰かの命を奪うかもしれない可能性があるというのに。
ま。
そんなこともわからんガキが犯人だったら、尻叩く。
いや、それ以前に、なんでそんなのに盗まれたのかと蹴り入れるか。
[途中、少し深刻な言葉が混じってしまったから。
おどけるように、言い足した。
蹴りを入れる対象は、言うまでもない]
ああ、そうだ。
『太陽』の色。
何で、取れるかな。
なにがあれば良いかな。
たりないもの、あつめておかないとなぁ。
[人ごみの中で、口の中で呟いても、
まわりには聞こえない。]
――でも、絶対に、筆は持ってないとね。
絵師様にも、返さないで。
[人ごみを避けて、向かうは水晶花の方]
[エーリッヒの疲れたような視線と言葉に、苦笑いを浮かべつつ]
あー、ですよねー。
ってか、あの告知。
犯人を焦らす結果にならないといいんですけど。
……と言っても、他に打つ手なしなのは確かっぽいですしねー。
[絵師を囲む人の輪には加わらず、じっと幼なじみの様子だけを見る。それから、道の端にいる薬師と、エルザ、そしてミハエルの姿に気付いて歩み寄った]
珍しい組み合わせだな。
そんなもん、だよ。
[さらりと返して]
『絵師』になって、性格変えろ、って言われても正直困るって。
[そうして困った挙句、へらへらと軽薄に振る舞い続けてきたのがここ数年なのだが。
寝食を指摘する言葉には素直に頷いた。
以前のようには行かないのは、既にわかっていたから]
探す……か。
それこそ、懐に入れて隠しちまえば、見えなくなるようなもんだからなぁ。
普通の方法で、探せるか……。
[向けられた問いには、思案の素振り]
―― げ。ミリィせんせーだし ――
[ぱっと見えた赤毛に、あちこち動いているのがばれては危険だと、人ごみの中に隠れた、つもり。]
[告知の紙の前にいる以上、分かっていることではあったが。
話題が絵筆のことと知れば、やや視線を下げる。
ふと兄から聞いたことを思い出して、ミリィのほうに視線を向け]
…あ、あの?
[何だか睨まれていた]
―自宅―
[悄然としていったん戻れば、
ほどなくして、近所に住む仕事仲間が訪れた]
え。はたけが?
おしごと、できなくなっちゃったの?
でも、でも、
糸紡ぎも機織りも止まっちゃうと、みんな困るのだ?
[聞いても、いまひとつ理解できなかった]
[なぜ、そのような事が起きるのか]
[ふ、と視線を感じたような気がして、視線を彷徨わせるものの、それらしき姿は特定できず。
首を傾げつつ、ユリアンの方へと視線を向け]
……それも、考えていなくはない。
とはいえ、お偉方を黙らせる、という事も合わせると、他に手がなくてな。
……っとに、なんでじじ様なんぞ狙ったのか……。
おかげで、余計ややこしくなっちまったよ。
なんだか、私はだな。
今のお前の様子に、すご〜〜〜く既視感を覚えるんだが。
何故だろうな。
[素振りが全く同じ、というわけではなかったが。
それは恐らく、もう15年も前の事を思い出して]
[動けないまま、聞こえた声に目線だけを横にずらして]
…こ、こんにちは。
[頭は下げられなかった。
直後に正面から声が掛かったから]
は、い。
[今度こそ動けなくなる。
所謂蛇に睨まれた蛙な状態]
[アーベルの問いとエーリッヒの返答にうんうんと頷きつつ、]
あー、ですよねー。住民全員剥く訳にもいかないし。そも、携帯してるとも限らんしなぁ。
……何か、こう。裏技っていうか、「お前が犯人だ」っとかビシッと言える探し方とかってないんすかねー?
[おどけて言ってみるが、まさかすぐ目の前にそんな手段持ってるのがいるとは思いもしない。]
あー、エルザ、少しこっちに寄っていろ。
[思いっきり不穏な気配に、思わずエルザをおいでおいでと呼んでみたり]
何か、危なそうだから。
[ミハエルを睨むミリィを見て
人ごみの向こう、また見知った顔を見つける。]
ごきげんよう、ごきげんよぅ。
[手を振れば、
セルシアンブルーの髪が揺れる。]
しんぱいさせるのは、よくないのよ。
しんぱいしてもらうのは、うれしいのよ。
[ミハエルには、しい、と言うよに
人差し指を口の前で立てて、言ってみる。]
人に言えない、大事を抱え込んでいるような。
いや、それとは少し違うか……?
[犯人じゃなかろーな。
当人も気付いていないから、そんな目を向けた。
何処まで本気は定かではない。
細めた瞳は、微かな動きまでも余さず見ようとするように]
[エーリッヒの言葉に、んーと少し思案し、]
……案外。こうなることが犯人の目的だった、とか。
ほら。自分が見つからず、逃げおおせれば、結果として力の集まるスピードは2倍。
……んで、最後に全部持っていく気なのかもしれないっすね。
普通じゃない方法も、使ってないわけじゃあないさ。
ただ、便利な方法の常として、小回りが効かんし、それに……。
……ヘタに公にして、そちらが狙われちゃ、敵わんからな。
一応、情報は規制してるって訳さ。
[ユリアンの言葉に、軽く肩を竦める。
下手に触れ回ると色々怖いなんて事は、深層心理にはあるかも知れないが]
そっか。じゃあ俺は気楽に接しよ
[今まで一応失礼にならないようにとは思ってたらしく]
絵筆は柄が違ってもちっちぇえしな。
全部の家を剥くやら家捜しから何から…できそうだけど…現実的じゃねえし…現場抑えれたら至極単純なんだがなぁ。
[エーリッヒとユリアンの言葉を聞きながら嘆息]
青年 アーベルは、少女 ベアトリーチェ を投票先に選びました。
[しばらく隠れていたけれど、まあ大丈夫かなと思って、
そっとその場を離れる。
しっかりとめてある怪我は、普通に歩くことには問題ない。]
―→水晶花の花畑―
[過敏になった聴覚が、絵師の言葉を捉えた。それは、いくらか予想していたこと]
・・・・・・・
[目前の薬師を見つめる目が、僅かに険しくなる]
狙って、動いた……か。
いずれにしろ、どうやって『使う』つもりでいるのかは、是非ともお聞きしたいところではあるんだが、な。
[ユリアンの発想に、一つ瞬いた後。
ぽつり、と零れたのは素朴すぎる疑問]
[駆け寄ってきたエルザの頭をリディにしたと同じように、ぽふ、と撫でた]
今日は、乱暴な奴には会わずに済んだか?
怖い目に遭いそうになったら図書館に逃げてきていいからな。
/*
逃げられた。
1. 別にいいよね!ってことでエルザ占い
2. 安全牌と明日に適当に繋げるためにオトフリート占い
3. 理由つけて花畑行ってリディ占い
3はないな!
[エルザの言葉に、そう言えば心配を掛けたことを謝らねばと思うが。
今は残念ながらそれどころでもなく]
…っ、
[重ねられたミリィの言葉と、視線に少なからず動揺する。
彷徨う視線が右肩へ。
無意識に首筋に触れていた手に気付き、さっと離した]
ん、そうしてくれると助かる。
俺も……ミハエルも。
[アーベルの言葉に頷く時、弟の名が出たのは無意識の事]
現場を押さえられれば……か。
確かに、それが一番現実的なんだがなぁ。
目立つ所では、やらないだろ、多分。
奏者 ミハエルは、少女 ベアトリーチェ を投票先に選びました。
む。
[エルザの声と動きに視線を移して、
……やはりというかなんというか、反射的に逸らして、
それと反対側に――向けたところでリディが一瞬視界に入ったが、
そうであるとは確信を持てぬままに人影は消えた]
薬師 ミリィは、学生 リディ を能力(占う)の対象に選びました。
…そういや、生きてる人間に使っても成果あるんかな
[絵師については少しはわかったとはいえまだわかってないことが多く思わずぽつりと呟き]
はい。…って…ミハエル?…まあ、はい
[よくわからないままエーリッヒの言葉にとりあえず頷き]
いや、そりゃ目立つとこじゃしないだろうけど、逆に目立たないとこ探したら……ぁーでもそれって目立つとこより多いな
[なんていいつつ。何かやっているという話だけ聞いていたが、規制しているというのに無言で頷く。]
―自宅→現在―
やみくもに探しても…なのだ。
[優れた知恵など自分はもたないし。子供である]
はんにんがなのりでるのを信じる?
絵筆がみつかるまで、待つ?
ううん。それは嫌…。
筆探しのおてつだいくらい、したい…。
[絵筆を見つけられそうなのは誰だろう。
頭の良い、頼りになるひと――考え、
浮かんできたのは薬師と司書の顔]
(そういえば、薬師さまは、
ちょうさとか何とか、言ってたのだっけ…?)
[飽きもせずに睨んでいると、横合いからの声。
視線はそちらには向けず、けれどミハエルからも逸らした]
犯人として疑っているかというなら、否と答える。
絵師の兄に対する羨望だの、その任から解放したいだのと想像は膨らむが、
ミハエルの性格からすれば、こんな事態になった時点で名乗り出ているだろう。
[……言ってから、次は誰を調べるか、という点に漸く至るのだが]
だいじょうぶ、ありがとう!
[オトフリートに頭を撫でられ
とても嬉しそうに笑う。
その顔や体には、ヒカリコケがキラキラと光る。]
でも、図書館は。
じゃまに、なるから…。
[ちょとだけ、しょぼりん。]
/*
とりあえず。だ。
誰つって危ないのかとか思ったが、俺意外全員能力者だから無理だ。
ってことで、素村人なのはきっと、多分。わかるはずだ。多分。きっと。
だから能力者吊りしたくなかったらこいーーーー。ってことだな。
[詳細は聞かないというユリアンに一つ頷いて]
そこは、わからんなぁ。
何せ、俺もやった事ないし。
[アーベルの疑問には素でこう返す。
実際、自身は勤めを外れて『絵』を描いた事は、これまではなかったから。
返事から、弟の名を出した事に気づいて内心やらかした、と思うものの。
頷く様子には、安堵を感じていた]
筆の隠し方、と理屈は同じだな。
知られてない坑道や横穴は、いくらでもある。
だから、厄介なんだが。
[エーリッヒの素朴な疑問に、んーと思案するが]
……まあ、順当に考えれば、『外へ出たい』『広がる空を見たい』とかだろーけど。
[だが、そこで彼の眼はスッと細められる。]
……なあ、兄ちゃん……いや、エーリッヒ=リヒト=ブラゥモーント 。
伝承曰く、「心を集めれば『空』へと行ける。」
…………それって、真実、なのか。
[その視線は、じっとエーリッヒの眼に向けられる。]
邪魔になどはならない。図書館は都市の皆に開かれたものだ。
だが、もし人の目がお前を拒むというなら、読書室ではなく書庫に来ればいい、リディと一緒に勉強を教えてやろう。
[優しい声音で、エルザに告げた]
……まあ、なんだ。
とりあえず、その追求はおいておくか。
[腕を組み、気まずげに余所を見る。
どちらが年上か、分かったものではない]
ある程度、歳のいったものよりは若い層が濃いかな。
精神的な面や、動ける時間から考えても。
それに封じるとなれば、幼いものを対象とするのはやりにくいだろう。
ならば、調査はそちらの方面で進めるべきかな……。
[思考に耽り始めると、余計な言葉も僅か零れる]
[漸く視線は外れ。
深く息を吐いた]
…そんな。
[憶測で語られる言葉に少し眉を寄せはしたが。
結局は疑われていないようなので、それ以上は何も言わず]
[とりあえず、
情報の集まりそうな広場の方へ行ってみよう。
非常の事態に際してか、広場へ近づくにつれ、
普段より人通りも増えてくる]
[ひとごみの向こう、
見知った人々の姿も垣間見えた気がして、
ぴょんぴょん跳ねながら窺いつつ]
薬師 ミリィは、少女 ベアトリーチェ を投票先に選びました。
[思考に耽り始めた薬師の様子に、口元に手を当てる]
いや、薬師殿、その考え事は家に戻ってからした方が・・・・
[思わず真面目に忠告した]
[次いでかけられた大きめな声には、首を傾げる]
いつの間にと言われても、子供達に勉強を教えるのは、以前から俺の趣味だが?
[エルザ=子供としか認識していないわけで]
そうだよなぁ。なんつーか意味ねーかもしんないのに
[なんと思ってか知らぬが意味がないなら馬鹿らしいなとも思え
内心やらかしたなどと思ってるなど露知らず]
んーいくつかの穴ぐらいなら封鎖してもらえば少しマシにな…
[といいかけたところで、ユリアンの絵師に対する問いに言葉を止める]
まあ、発端はそんなとこなんだろうけど、な。
[ユリアンの言葉に、小さくため息をついて。
向けられた、いつになく真剣な視線に、僅かに表情を引き締める]
……偽りであるならば、何故に『絵師』が存在するのか。
『心』……『純粋なる意思の力』。
それを集める事で、『空』への道は拓く。
それは、確かな事だ。
[緑に宿るは静かな光。
声もまた、静けさを帯びて]
[オトフリートの優しい声音と内容に
ふわり、嬉しそうに笑む。]
でも、あの…
その……じゃまに、なるわ?きっと。
だって……その…
[もぞもぞと、籠を持った手をこねくる。
ミリィの声には、少し驚いたように振り返った。]
そういう趣味に関する考え事か。
[真面目に返した。
何を考えていたか問われれば赤くなるのは自分だが]
……誰が疑わしいかは、考えねばなるまいに。
[何の指摘かは分からないはずもなく、言い訳気味に言う。
しかし内容はもっともと、頷くなり、くるりと踵を返した]
長く空けても仕方ないしな。
ああ、診療所の方もブリジット一人では大変だろう。
告知には暴力沙汰は慎めとあるが、苛立って怪我する者も・・・
[薬師を見送ろうとして、その視線の先の子供を見つける]
なぜ、あんなところで跳ねているんだ?
[人ごみに流されそうと見て、そちらへと近づく]
[問いに対する答えを聞いてからも暫くジッとエーリッヒの眼を見つめていたが]
……了解。わりぃ、兄ちゃん。変なこと聞いちまって。
[そう言って、にかっと笑うと]
ともあれ、暫くはその調査のあての人に頑張って貰うっきゃないわけっすね。
[顎に指を当て、そう呟く。
……ちなみに、まさか少し離れたところで、その調査の要たる人物が思考駄々漏れである意味自身の存在COしてようとは思いもしない。
知ろうものなら反撃必至のレヴェルの罵りを素でぶちまけてた事だろう。]
あっ、どうも、ですー。
[人に押され、よろけながらも何とか、
ミリィへ近づいていけた]
あ、
エルザねえちゃんもいたのだ…。
[やや離れた位置に、エルザも認めて]
えと、げんき?
[先の彼女の、
怯えていたかのような様が引っかかっていたせいか、
やや大きめの声の、そんな問もでて]
おいで、ベアトリーチェ。薬師殿を捜しに来たのか?
[人の間を縫うようにして、子供の手を引き、ミリィの前へと連れていこうとする]
薬師 ミリィは、そんな風に捉えられるとは思っちゃいないのだった。
[ユリアンの返事に、ふ、と表情を緩め]
っとに、お前はいっつも唐突だなぁ。
……ま、頑張ってくれるだろ、きっと。
信の置ける相手だ。
[言っている相手の、当事者への態度は知ってはいるが。
さらり、こんな事を言った所で、ざわめきが大きくなる。
ちらり、視線を向けると、上層部の者たちの姿が見えた]
……茶番の始まり……か。
[呟きは、ごくごく小さなもの]
[エルザの声は、離れても過敏になった聴覚には届いた]
別段、図書館で歌は禁じていないぞ。
それに、書庫の中の音は、あまり外には響かない。
[そのせいで、あんな噂やこんな噂が信憑性を持たれたりもするわけだが]
……っと、そうだ。
俺に、何かあったら。
ミハエルのこと、頼むな?
[それから、ふと、思い出したようにこんな言葉を口走って]
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