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書生 ハーヴェイ は 見習いメイド ネリー に投票した
村長の娘 シャーロット は 見習いメイド ネリー に投票した
冒険家 ナサニエル は 見習いメイド ネリー に投票した
お尋ね者 クインジー は 見習いメイド ネリー に投票した
学生 ラッセル は 見習いメイド ネリー に投票した
教師 イザベラ は のんだくれ ケネス に投票した
踊り子 キャロル は 見習いメイド ネリー に投票した
見習いメイド ネリー は 冒険家 ナサニエル に投票した
見習い看護婦 ニーナ は 見習いメイド ネリー に投票した
流れ者 ギルバート は 見習いメイド ネリー に投票した
のんだくれ ケネス は 見習いメイド ネリー に投票した
冒険家 ナサニエル に 1人が投票した
見習いメイド ネリー に 9人が投票した
のんだくれ ケネス に 1人が投票した
見習いメイド ネリー は村人の手により処刑された……
のんだくれ ケネス は、見習い看護婦 ニーナ を占った。
書生 ハーヴェイ は、見習いメイド ネリー を守っている。
次の日の朝、書生 ハーヴェイ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、村長の娘 シャーロット、冒険家 ナサニエル、お尋ね者 クインジー、学生 ラッセル、教師 イザベラ、踊り子 キャロル、見習い看護婦 ニーナ、流れ者 ギルバート、のんだくれ ケネスの9名。
それじゃ、また後で――…
[薪が燃えていく]
[火掻き棒で突き崩す]
[弾ける音は木々の悲鳴のよう]
[*欠片の落ちゆく様を映す眼は澄んだ泉の碧*]
のんだくれ ケネスは、教師 イザベラ を投票先に選びました。
のんだくれ ケネスは、学生 ラッセル を能力(占う)の対象に選びました。
ふぅん?
[じりじりと身のうちを灼く衝動を押し隠し]
[年下の同族には相変わらず愛情の篭ったからかいの聲を送る。]
俺もそう簡単にくたばる心算はないし、おまえを死なせる気もないが……
確かに何時何が起こるか分からないのも事実だ。
Carpe diem…か。
それではおまえと居られるひとときを存分に愉しむとしよう……
[喉を鳴らす、甘い笑い]
冒険家 ナサニエルは、のんだくれ ケネス を投票先に選びました。
しかしおまえは分かっているのかな…?
俺が「触れたい」と言うことの意味を。
[伝わるかどうかも分からない、それは小さな呟き。]
/*
ちょ、ま。
守護者喰いなのかそこで。
たすくさんを墓に送ろうキャンペーンってなら分かるけど(ぉ
GJ出させるもんかって現れですか。
占い告発の次にGJからの対決ってのがおいしいパターンだと思うんだけどなぁ。
そう言えばネリーの結果ってどうなんだ(←この時点ではまだ見てない@鳩)
もし狼なんだったらこの襲撃はありかも。
/*
今日からは積極的に行きま。
更新前にキリング対決持ち込んでも良いかにゃあ。
7時半更新ってのが色々大変だが。
コミットもこの時間だよね、確か。
[男がキッチンに入ると、酒のこげた匂いがした]
うまそうだな
今は要らない
[キャロルの用意したスープを持ち、キッチンを出る時に言葉を投げる]
あとで貰うさ
[食事の匂いは、廊下に残る]
[音楽室に持っていき、食事を置いた後、男は尋ねた]
お前たちは、誰が終焉の使者――獣だと思っている?
[信じているわけではないから、質問に対する答えは聞く必要もない]
[耳に入ったならそれはそれ、男は部屋を出、右腕の内側に左手で触れた]
[そちらで誰かに触れることがあったら、そこが金属の硬さを持つことは、伝わることだろう]
[生憎と今知るものは、死体となった番人だけだ]
[途切れた意識が不意に戻る。
それは、この場に現れた時のよに]
……ここ、は?
[周囲を包むのは、鮮やかな緋。
意識を掠める、遠い日の幻影。
困惑。
しかし、それは、左の腕でうねる真紅を捉えるのと同時、一つの理解に打ち消される]
……は。
生きようが死のうが、結局は俺に絡み付くか。
……そうまでして、俺の血を、呪う、と。
……どこまで執念深いんだよ。
[低い声。
左腕に絡み付く真紅の蛇は、嘲るように尾を揺らめかす]
[酒は臭いが苦手と断っていた。
薪を運んだ後、残されたスープを貰い、
一匙ずつ掬っては口に運ぶ。
窓の向こうには疾うに月が昇っていた]
――…ごちそうさま。
[言葉少なに食事を終え、からりと匙を置く]
昨日の賑やかさが嘘みたいだね。
もう、夜だ。
……月の光は、獣を喚ぶだけでなく、
人を狂わせるというから、気をつけて。
[代わりに手にした火掻き棒で、薪を突ついた。
がらり、黒い塊が崩れ落ちる]
[逃れる気だったのか、と。
尾を揺らしつつ、紅蛇は嘲笑う]
さてな。
忘れた。
[それへの答えは短く]
少なくとも、お前から逃げる目的での死を望んだ覚えはないが。
[自ら死するは選べまい、と。
紅蛇はしゅるり、と肩まで這い上がりながらさらりと言った。
沈黙が呼ぶ、空白]
オレはこわいから、籠っていようかな。
[手から離れた棒が、音を立てて倒れる。
冗談めかした口調で言うも、
笑みの浮かばぬ様は不釣り合い。
直後に出た欠伸を噛み殺し、*広間を後にする*]
……どこまで。
[緋の内の静寂を破ったのは、苦い声]
ま……お前の言葉を肯定するのは癪だが、確かに、俺は、『自決は』選べなかったがな。
他者に殺められる以外に、死する術はなかった。
……そういう意味では、笑える状況だな、今は。
学生 ラッセルが「時間を進める」を選択しました
[やがてかれは時を待ち、一室へと向かう]
[同胞の傍らに寄り添い
ぬくもりを請うて伸ばす手は冷たく、
触れる様は壊れるを恐れるよう。
稚い仕草は真意を得ているとは見えねど、
浮かぶ表情はあどけなくもなまめいた微笑]
[そして唯一つ確かなのは、何であれ、
同胞たる彼に抗う気等*無いということ*]
[緋に囲まれた泉の畔。
時間の流れも曖昧な、狭間の空間。
その静寂を破り、笑う声が落ちる。
何故、どうやって自身が死したかに興味はなく。
器が如何様であるかもまた、関心の外。
あるのは、『死んだ』という結果、それに対する言葉に表し難い可笑しさだけ]
ここも、あか。
[緋キ花に囲まれて。
ぼんやりと人形のように座っている]
あかは、きれい。
[耳へと届いた笑い声に小首を傾げる。
上向けられた翠は、光乏しく色薄く]
[目の前に置かれた食事を、礼を言って手に取った直後でした。
投げられた質問に、動きを止めます。]
…。
分かり、ません。
[かなり間が空いた返事だったので、相手の耳に届いたかは分かりません。
――それは便利な言葉でした。
本当のことを言えるわけもありませんし、代わりに誰かの名を出せる程、他の人を知っているわけでもありませんから。]
見習い看護婦 ニーナが「時間を進める」を選択しました
[紅蛇の、そこだけは闇のような眼が何処かへと向く。
誰かいる、と、囁く声。
笑いは鎮まり、蒼氷は闇色の向く先を見やる]
……あれは。
[緋の只中、常磐が*微かに見えた*]
……御同輩同士は、逝きて留まる場所まで同じ、か。
[夜であった]
[廊下に出た男は、窓の外の月を見、目を細める]
ああ、……ネリーだったか
こんな時間に一人か?
[足音、そちらを振り向いた男は、昂った精神を瞬時に鎮めた]
[否、それは隠しただけ]
終焉の使者がいるというのに
それとも
[月灯りが窓から射し込み、ネリーの体を照らし出す]
お前がそれなのか?
[その答えなど、どうでも良いことではあった]
[男は距離を詰める]
誰がやったのか
誰が終焉を齎すのか
わからないままに殺すしかないというのも悪趣味だが――何にせよ誰かを殺さなければいずれ己も終焉に導かれるわけだ
こんな時間、一人で出歩いているんだ
死も覚悟の上だろう?
――いや、お前が"終焉の獣"か?
[抵抗されても、男の力は強い]
[この女が使者――人狼なのかどうか、殺すときには考えなかった]
[右掌で口を抑え、左手は右腕へと触れる]
[黒を破いて現れた銀は、月を弾いて横へと伸び、壁に押し付けたネリーが震えるようだった]
[イザベラを例の部屋に案内した後、彼女とはその場で別れた。少女は一人廊下を歩む。辺りは暗く、既に月が空に輝いていた。廊下の壁に据え付けられた燭台の炎が辺りを薄暗く照らす。その明かりだけを頼りに歩を進め、そしてピタリと足を止めた]
……緋色の中の、白。
[透き通るような凛とした声。少女の右目だけが滅紫へと変じた]
そう、そう言うこと。
私に解るのはこれだけなのね。
[独り言にも似た言葉ははっきりと、辺りにも響いた]
村長の娘 シャーロットが「時間を進める」を選択しました
白は希望。
紅は破滅。
紅を淘汰すれば白――希望が残り、破滅の回避となる。
されど白は染まり易くもあり、紅によって塗り替えられる。
総てが紅に染まりしは破滅――終焉へと繋がる。
[いつしか足は再び動き、口からは訥々と言葉が紡がれる。やがて、緋色が広がった廊下に少女は足を踏み入れた]
緋色の中の白。
残念、ハズレみたいね。
[緋色の中に佇む男をよそに、緋色に没した緑に滅紫と紅紫の瞳を向ける。夢幻の白き華が少女の右目に映っていた]
……お前が犯人であるなら良いがな
[息絶えた体、瞳へと手を伸ばし、まぶたを閉じさせる]
[部屋からは少し離れた、階段の上]
[命の緋は、ネリーの喉を染め、男の手の刃を染めていた]
確かめる術を持つ者もいるんだったか
だが、ここに置いておくわけにもいかな――
[と、届く声]
[そちらを振り向き、男はシャーロットをじっと見た]
なるほど、お前が見分ける者か
それは悪い知らせだな
[見下ろした死体に、それ以上男は何も語らない]
そうね、悪い報せ。
[ぴちゃり、と靴が緋色を踏む。そのまま緑の少女へと近付き、再度確かめるように緑の少女の顔を覗き込んだ]
信じるかどうかは貴方次第だけれど。
[顔を上げ、今度はクインジーに視線を向ける。滅紫と紅紫の瞳がクインジーを見つめた]
……やっぱり死んだ人しか見えないわ。
死ななきゃ解らないなんて。
[僅かに眉根が寄った]
今のところそう言い出したのはお前だけなら、信じないという選択肢は無いな
これがそうであった可能性も否定できないが――
目の色が、違うな
[二つの色をかわるがわる眺め、黒紅を細める]
わかるだけ良いだろう
正体が何だかわからない方が、後味が悪い
こんな時間に逢引か?
おまけに修羅場とはやるねえ、色男。
[廊下の暗がりから唐突に声を投げる。ベルトの後ろに差した包丁の柄に手を置き、月明かりの中へ一歩踏み出す]
それとも、獣の晩餐か?
シンプルね、貴方。
[くす、と瞳を細め小さく笑った。瞳が違うと聞くと、きょとんとした表情になる]
あら、そんな変化が起きてるのね。
副作用みたいなものかしら。
…そうね、解らないままよりは良いのかも知れない。
けれど、生きているうちに解れば余計な犠牲を出さずに済むだろうから。
女一人で出歩いているのがいたからな
終焉の使者とやらかと思い、始末した
[近付く声に向け、振り返り口にする]
それだけだ
残念ながら――切り口をみればわかるだろう?
[首に一筋走る痕]
[持ち上げたなら、首が反れ、緋の滴る肉を露にする]
なるほど、そりゃ仕方ねえな。
[警戒を緩めず一定の距離をとり、晒される傷口を注視する]
ああ、確かに番人とは違うな。
獣が道具を使わんとは言い切れねえが晩餐じゃないのはわかった。
パーツもまだ揃ってるしなあ?
[廊下を染める緋の量が減っているかまではわからないが、番人とは格段に違うと頷いてみせる]
[どこか暢気とも言える声に視線を向ける]
これが逢い引きと見えるなら、貴方の脳は酒浸りでおめでたくなってるんでしょうね。
[皮肉を含んだ言葉、それは無精髭の男へと投げかけられた。それからクインジーの言葉に補足するように]
残念ながら、ネリーは終焉の使者ではなかったけれど。
綺麗な目だと思うがな
[死体からもケネスからも目を離し、男は再びシャーロットを見た]
生きているうちにわかるのも居るんだったか
己は残念ながら該当者ではないが――
とりあえずは片付けるか
[窓の向こう、外を見た]
わざわざ、こんな夜に男と女がいりゃあなあ。
それとも晩餐と決め付けて切りかかりゃ良かったかい?
[皮肉には舐めた言葉を返し、補足された言葉に片方の眉毛を上げる]
あ゛ー、ソイツは残念。まだ獣は悠々と生きてるって訳か。
あら、それはありがと。
後で鏡見てこようかしら。
[褒められれば嬉しく思うのは、この状況でも変わらない。クインジーに微笑み礼を言う]
そう、クインジーには何も解らないと言うことね。
今のところは信じておくわ。
片付けると言うよりは…弔いね。
[つられ、外へと視線を向けた]
[シャーロットが見分ける者と察しても驚きは薄い。目の色を褒める声につられ滅紫と紅紫の瞳を見ても、へーとやる気のない相槌を打つだけ]
生きてる内になあ……
案外、ソイツがそうだったかもしれないぜ?
[隠れ蓑の減る発言に目を眇め、自分のことは言い出さずネリーを無精髭だらけの顎で示す。窓の外を見るクインジーに、攻撃も埋葬も手を出す気はないとばかりに両手をポケットに突っ込んだ。その中には皮鞘付きのナイフがあるがそ知らぬ顔]
切りかかって来るなら敵と見なしやり返すだけよ。
私、刃を向けてくる者には容赦しないわ。
[どこか自信に満ちた言。滅紫と紅紫の瞳は睨むように鋭く無精髭の男に向かう]
ええ、そう言うことになるわね。
誰がそうなのか、未だに解らずじまいだけれど。
[無精髭の男へ向ける視線は油断無い]
それは光栄――とでも言えば良いか?
[男は口元だけで笑った]
死体となれば、弔いも、片付けも、変わらないさ
――まぁ、誰が何であろうとも、ここに死体が一つ増え、
己は終焉の獣を殺す
それになんの変わりもない
外に出しておく
さすがにこんな夜中に掘る気はないからな
手伝ってくれりゃ楽だが――
[二人を見た右の目は、最後の窓で、*月光を見た*]
……そうね、そうかも知れない。
けど生きていたとしても、他の目に晒されないなら居ようが居まいが同じよ。
ネリーがそうだったかも分からない。
…それに頼らず終焉の使者を探すしかないわ。
今までと何ら変わらない。
[無精髭の男の物言いには同意を返しつつも、自分の考えを述べる]
私が取れる手段は、結局一つしか無いんだもの。
そいつは勇ましいこった。
だが、どうせなら獣を殺りな。
[シャーロットに短い口笛吹いて向けられる視線に口を歪める。無精髭に囲まれたそれが笑いと察するには見難い]
もし、まだ生きてる内に見分けられる者が無事なら獣見つけりゃ大騒ぎ始めるだろうさ。
獣と2対1…いや狂ったヤツもいれば3対1か。それで勝てる自信があるってある馬鹿ならしらねえがな。
[完全に人事の口調で言い切り、死体を抱き上げるクインジーへ目線を動かす。手を出さないが去りもしない]
…肉体労働はあまりしたくないのだけれど。
扉を開けるくらいはしてあげるわ?
[ネリーを抱えるクインジーにはおどけたような言葉を返した]
のんだくれ ケネスが「時間を進める」を選択しました
そうしたいものね。
けれど人が向かってくる可能性が無いわけでは無いもの。
むざむざやられなんてしてやらないわ。
私は死にたい訳じゃない。
[無精髭の男にきっぱりと言葉を返す]
一人で全て片付けられると言うなら、任せてしまいたいものだわ。
そう簡単には行かないとは思うけれど。
騒ぎ出すのは期待しないで待っておくわ。
[クインジーの言葉を聞いても動こうとしない相手を横目に見、緋色を踏みながら玄関へと向かう。両手が塞がったクインジーが出入りしやすいように、その扉を*開けるのだった*]
血なんざつけりゃ腹減らした獣が寄って来らあ。
手伝いなんざ勘弁だ。
[血に触れれば「見て」しまうかもしれないとは言わず。月に一瞥だけくれて、動き出した二人から一定の距離を置き*見ていた*]
村長の娘 シャーロットは、学生 ラッセル を投票先に選びました。
お尋ね者 クインジーは、教師 イザベラ を投票先に選びました。
己も襲われたくないが、手を下した以上仕方ない
[ケネスの隠すことなど思いもつかず、男はそう言って歩を進める]
[シャーロットの靴の痕、滴り落ちる血の筋が、玄関へと向かって続いていった]
[あたりをつけて、昨日、アーヴァインを弔った近くに運び、緋のそばに横たえる]
後は明るくなってからだな
先に風呂に入るか?
――ああ、お前が分かるというのは誰にも口にしないから、安心しろ
[どちらにせよ、夜明け前に自分も風呂に入るのは*変わらない*]
[やがて月が中天に掛かる頃]
[扉が小さく開き、闇のなか滑るように忍びこんできたのは、男の同胞たる少年]
[男は寝台の上、しなやかに身を起こし待ち受ける。]
[伸ばされた冷たい手、触れるのは熱い素肌。]
[壊れるを恐れるように少年の指が、滑らかな膚のうえを探る。]
[まだ幼さの残る顔に浮かぶ微笑は、あどけなさとともに匂い立つ艶めかしさを備えていて、男の欲望を耐え難いほど煽った。]
[男は裸の胸のうちに少年を抱き取り、]
おまえは、
俺が初めて出会った同族だから、
幼すぎて無知だから、自分が俺を好いていると思い込んでいるのだろう…?
おまえは、最初に見たものを親鳥と信じて追いかける、雛鳥と同じだ。
[その耳元に、嘲弄する響きの嗤いを吹き込む。]
そろそろ、誰か死ぬ頃かしら。
[数式で埋もれた部屋。灯りもつけずに、ぼうっと座っている。]
ふう………。
[傍らには投げ捨てられた手帳。
左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼
左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼
左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼
左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼左眼
とびっしり埋め尽くされている。]
…………。
[すくりと立ち上がり、どこかへふらっと出るようだ。]
[「こんな顔だったんですね。」
あのとき鏡を見て、口にした言葉はそれだけだった。
努めて無感動を装おうとしたが、声は震えていたかもしれない。
右眼は、鏡にうつるその左眼をしっかり捉えていたかもしれない。
「こんな顔だったんですね。」
その言葉を絞り出すのが*やっとだった*。]
だからこれもお前にとっては、
母の乳房を求める仔狼が、与えられたぬくもりにじゃれ付いているだけに過ぎない。
[すい、と紅い後ろ髪を一房掬い取り、指に巻きつけて玩ぶ。]
[昨晩のこと。
音楽室に食事を運んできた男が、或る問いを投げかけた。
『お前たちは、誰が終焉の使者――獣だと思っている?』
ギルバートは、静かに首を振る。]
……まだ、俺には分からない。
ここに居る人間と長く話しているわけではないから。
もし何か便利な道具があって、獣を探し出すことができたら素敵なのだろうね。もしそれを持っている人がいるのなら、是非名乗り出てきて欲しいところなのだけれど……難しいかな?
それより。
貴方は……何か、俺達の見立てでもしようとしたのかな?
いきなり単刀直入に聞いてくるなんて、奇妙な気がしたから。
[傷を帯びた隻眼の男の右目を、己の右目で覗き込む。]
「神の力」を借りることができない、醜い人間である俺にできることなんか……その人の目を見て、何を考えているのか、本当に信頼できる人かどうか、見極めることくらいしかない。
そして、極端な信頼や、渦巻くような疑念が沸くほど、貴方は俺に近くない――…だから、たとえ何かが分かったとしても、俺が貴方に話すには、あと場面が2つや3つ進まなければならないような気がするんだ。
[クインジーを見つめる琥珀色の瞳を細めて、笑った。]
――…ごめんね。
──そんなに温もりが欲しいのか?フィン。
おまえの元から喪われないぬくもりが。
[細めた夜色の瞳に、光が漣となって煌く。]
[唇に刻むは三日月の微笑]
[弄っていた髪を開放すると、少年の後ろ頭をぐい、と引き寄せた。]
ああ、でも。
[トレイに盛られた食べ物を手にして、笑う。]
貰ったごはんを食べたくないというほど、貴方を信頼しているわけではないから。ありがたくいただくよ。
[そう言って、ギルバートは食事に手を付ける。
野菜とスープは積極的に摂るが、肉は慎重に手をつけるのみだった。]
……お嬢さん?具合悪いのかな。
[ぽつりと呟いた独り言は、音楽室の中で空を切る。
彼の視界の先には、静かに佇むニーナの姿があった。]
そうかも、しれない。
[怒るでも嘆くでもなく、かれは受け止める]
でも、貴方に逢えて嬉しかったのは本当。
今はまやかしでも想い続ければ本当の気持ちに成る。
そう思っては、いけない?
─回想・誰かの私室─
[イザベラが寝室へ入って行ってからは静かなものだった。騒ぎ立てる何かも無く、喚く言葉も聞こえず。ただ、何かぼそりと言ったことだけは耳に届いた。内容までは聞き取れなかったが]
先に戻るわ。
[告げたのはその一言。見取り図があるのだから一人で戻って来れるだろうと言う予測と、声をかけずに居た方が良いだろうと言う予測からの言葉。イザベラの静かな様子から、良い印象を得られなかったと言うのは何となく感じ取れた。それに対しかける言葉は持ち合わせては居ない。言えたとしても、それはきっと上辺だけのものになるだろうから、言うのは止めた]
[少女は一人廊下を出て城の中を彷徨う(>>8へ)]
─夜─
[ネリーを緋色の傍に横たえ、戻ってきたクインジーの言葉に]
…そうね。
お風呂、先に使わせてもらうわ。
……言っても構わないわよ。
そっちの方が、相手から姿を現してくれるかも知れないじゃない。
[クインジーへと向けた口調と瞳は、好戦的なものだった]
[弄ばれ引き寄せられ、目を細めれど]
[眼差しは同胞から逸らすことはない]
[届く問いかけ]
[欲しい、]
[喘ぐような聲が応える]
でも俺は、生憎とそんなに親切じゃない。
[与えたのは、噛み付くような深い口接け]
[それを幾度も幾度も]
[抗わぬなら全てを奪い尽くそうと]
─夜の泉─
[緋色の花は、夢幻の闇の中でざわめいている。
湖面は、麗しき白鳥の姫君が現れて男を魅了しそうな色をたたえていたが、無限に咲く赤い花が、その到来を阻んでいるようにも見えた。]
乙女が摘む花は、このように哀しき色をしているのだろうか……いいや、違っていた。多分、違う。
[などと、舞踊劇の記憶が、彼の脳裏で微かに揺れる。先ほど聴いたピアノの音色のせいかもしれない。]
[男の脳裏を支配する奇妙な感慨は、生臭く重い臭いに遮られた。]
………何だ?これは。
[其れは昨日、城の入り口で察知したものと同じ――血の臭い。]
どこだ!どこだ……
獣か……?人間か……!?
[ギルバートは、ガサガサと激しい音を立てながら、血の臭いがする方へと走っていった。]
―夜―
言われたいのか?
[意外そうに男はシャーロットに聞いた]
確かにそうかもしれないが、お前死ぬぞ?
……死ぬとは限らないかもしれないが
少なくとも、己にはお前にもたらされる終焉を狩る事もできないぞ
お前が見分けられるのなら、そう簡単に死なせるわけにはいかないな
[泉の畔、緋い花――揺れる花々の群れの一角に、何も動かない、窪みのような場所があった。
嫌な胸騒ぎと共に、ギルバートはそうっとその場所へと近づく。]
………ああ……!
[彼は、息を飲んだ。
緋い花があかいのは、花弁だけの筈――である筈なのに、その場所に咲く花は茎まで赤と黒に染まっていた。
そして、その窪みの奥には……獣に身体を引き裂かれたピアノの弾き手たる男が、ものひとつ言わずに横たわっていた。]
流れ者 ギルバートは、学生 ラッセル を投票先に選びました。
[泣かず、][啼かず]
[暇も与えられず、奪われる]
[伸ばす手は求める為で抗う為ではなく]
……ギィ、
[合間に漏れる音は 彼を希う]
[揺らぐ眼から雫は未だ落ちず]
/*
夜のうちに発見されるとちょっと困るおとめごころ。
いや、宜しくやっているからではなくて、
夜寝ている人は騒ぎに気づけないよね、という話。
[←気づきたかった]
[男の呼吸(いき)は熱く、解き放たれた欲望は嵐となって少年を翻弄する、]
[遮るもの全てを剥ぎ取り、男と少年の間を隔てるものが何も無くなって、]
[ひとつの炎となって燃え盛るまで。]
[己を求めて鳴く仔の聲に答え、ちいさく応えを返す]
……フィン。
─夜─
探せないなら誘き出す。
仮にやられるとしても、道連れくらいにはしてやるわ。
尤も、私だってそう簡単にやられる気は、無い。
貴方が言うべきでは無いと思うなら、言わなければ良い。
誰かが知ることとなり、それが終焉の使者だったならば──誘き出せるかもしれない。
それだけのことよ。
[意外そうな声に淡々と返す。それは覚悟の現れを示すものでもあった]
もし他に知られなかったとしても、襲われる時は襲われるのよ。
早いか遅いかの違いだと思うわ。
[ギルバートは、その場に佇み、胸の前で十字架を切った。
──何故そうしたのかは分からないまま、手が動いたのだ。]
嗚呼。この若者に、神のご加護があらんことを──…
[ひとつだけ祈りを捧げた後、庭師が使っていたらしき倉庫へと足を向けた。番人を土に返すために使ったシャベルを用いて、かの男を埋葬するために──…*]
……僕、
親代わりではなくて、貴方を見るよ。
ギィのくれるもの全て、
受け容れられて、
応えられるようになる。
だから、貴方も、僕を見て――
望んで?
[笑みは包む月の如くに柔らかく]
それが僕にとっての、真実になるから。
[神に祈りはしない。
他を求めもしない。
今此の時が全てというように]
[――それを永遠とする為に、若き獣は夜を駆ける**]
[炎はあらゆるものを灼熱の白に熔かして燃え──]
[そうして、狼達の太陽である月が傾き]
[闇が最も深まる刻に至った。]
[夜の獣達の狩の刻に。]
―夜―
わかった
それなら……少し嘘でもつこう
己が話したせいで死んだと思われるのは嫌なもんだからな
――己がわかることにしておこう
お前よりは強い
[くつりと笑った]
―夜―
[キッチンでのナサニエルからの申し出を、他の二人と同じく受け取らず]
アルコールだけを口にするのは好みませんので。
[薪の代わりに一皿のポタージュを手に広間へと]
[薪を運び終えた少年へとそれを差し出した]
そうですわね。酷く、静かにございます。
番人殿が亡くなられた後ですので、正しい在り様なのかもしれませんが。
[警告を告げる言葉に、小さく頷いた]
私も、部屋にゆきます。
獣にも、人にも、出会わぬように。
[そうして女は広間を出て、上階の仮宿となった部屋へと入る]
踊り子 キャロルが「時間を進める」を選択しました
─夜─
[自分が解ることにする。齎された言葉に紫のオッドアイを瞬かせた]
…どうしてそこまでするの?
貴方が喋ったことで私が死んでも、私は貴方を恨まないわ。
[至極不思議そうな表情でクインジーを見つめる]
―夜―
……生かしてやってほしい奴がいるからな
お前みたいな奴が生きていた方が、生きられるだろう
守りきれないのは御免だ
[緋の花を見て、目を細める]
終焉なぞ望まないが、――
重ねているだけだろうがな
[わずかに自嘲する]
流れ者 ギルバートが「時間を進める」を選択しました
[夜が明け、朝が来て。
寝台の上でひとり、身を起こす。
左腕一本では支え切れなかったか、
頭からシーツに突っ伏した。
右手を以て傾ぎかける身体を立て直す]
んー……
[寝惚けた意識を呼び覚まそうと、頭を振る]
あい、った――
[上手く支えられぬのは、
先の狩りで負った傷が故]
謂うだけはある、
唯の人間にしては。
[じくりじくり]
[熱を孕んだ痛みが蠢く]
[紅蛇が、どこかを向く。
尾が、何かを忌避するように振れた]
……何だよ?
[蒼氷は天を仰ぐ翠から、腕の真紅へ。
直後、耳に届くのは、祈りの言葉]
神の加護……か。
[口元を掠めるのは。
苦笑]
[神の加護などは無用、と。
そう、思い定めしは何時からか。
記憶は未だに定かならざるまま。
しかし、その意思は確りと記憶の内に留まり]
神など信じぬ俺に、神の加護、か。
……は。
[呆れたような物言いこそすれ。
僅かに伏せられし蒼氷は、どこか静かに]
[扉を開けると、微かに血の臭いがしました。
わたしは眉を顰めます。]
誰か、怪我を?
――それとも、殺された?
[呟く言葉の内には、懸念。
そして、それとは真逆の感情も同時に存在していました。]
─夜─
…そう。
死する者の正体しか解らない私でも、護れる人が居ると言うなら。
貴方の好意に甘んじようかしら。
[誰を生かしたいのかまでは分からなかったが、クインジーの決意は伝わって来て。承諾するように小さく笑んだ]
終焉を望まないなら、足掻きましょ。
護りたいなら護りましょ。
やってやれないことは無いわ。
ううん、やらなければ事は成さないもの。
[語気は強く、紫のオッドアイは強く光を宿す]
それじゃお風呂、先に使うわね。
覗くんじゃないわよ。
[最後に向けるのは軽口。ひら、と手を振りその場を立ち去った]
[相変わらずカーテンを開いた侭の窓からは陽光が差す。
目を閉じかけそうになりながら開き、風を迎え入れた。
深呼吸をしようとして、噎せた。
訪れた頃とは空気が違っている。
あの物寂しい雰囲気は疾うに無い。
強くなっているのは花の香だろうか、それとも]
/*
むしろみんな夜引っ張り過ぎだと思うんだ。
結局何もしてないわたしが言うのも何だが。
そして狼さん、ちゃんと狂信がこっちだと分かってくれてるだろうか。
─朝・客室─
[ゆる、とシーツの小山が動き、寝台の上から半ばがずり落ちる。]
んー…
[顔を顰めつつ、男はのっそりと半身を起こした。]
[未だ眠気の漂う眼で枕辺を探り、一本の刃の在り処を確認する。]
[それは厨房にあった包丁のひとつ。]
[男が密かに持ち出したものだった。]
[紅蛇の、闇色の眼が蒼氷を覗き込む。
その時には、皮肉めいた笑みがただ浮かび。
緋の中に沈むものを見る。
わらう。
そこに在り続けるを忌避しつつ、同時に、切り離される事を拒絶していたものを]
ああ……ほんとに、最悪だ。
[零れたのは、いつか、口をついた悪態]
─夜─
[風呂は手早く済ませる。どこで危険に晒されるか分からない以上、長時間無防備な姿で居る訳には行かない。風呂から上がり服を着て、ふと靴へと視線を向けた]
……こびり付いちゃったかしら。
[無遠慮に緋色を踏み歩いたために、靴についた緋色は酸化し黒ずんだ状態で靴の底と側面にこびり付いて居た。擦るにしても濡れ布巾で拭きとるにしても靴は皮靴、汚れが取れる代わりに靴がダメになってしまう可能性が高い]
うーん……良いや、このままにしとこ。
[幸い靴は黒めであるため、その汚れはあまり目立たない。靴を傷めず汚れを取る自信は無いため、そのままにしておくことにした]
[風呂場を離れ、一旦休むべく部屋へと戻ろうと階段へ向かう。未だ乾かぬ、黒ずみ始めた緋色。なるべくそれを踏まぬよう、ふわりと軽やかに飛び越えて、自室とした客間へと*戻って行った*]
[髪を解き、装身具を外し、女は密やかに眠り。起きる]
[リィン]
[身嗜みを整えてから陽光の差し込む窓を開き、外を眺めた]
うつくしい、あか。
枯れてしまうのは、淋しいこと。
枯れてしまったとわかるのが……、虚しい?
[身じろぎもせず、其処に立って。ふと気付く]
これは、…また、にございましょうか?
何方かのあかが。
[眼差しを伏せ、首を横に振り、部屋の外へと出る]
[常磐色を振り返る。
翠は未だ、虚空を見つめるのみか。
声をかけはしない。
紅蛇は、興味深げな闇色を向けるけれど]
さて。
器にある時と、今と。
変わらないものは……変わらんのだろうな。
[笑いながら言い、立ち上がる。
変わらぬと称したのは、自身が──否、ここに集う者たちが囚われ人の如きであるという事。
緋の領域からは、出られぬという事実]
[こつり、こつり。
臭いを辿って、杖を進めます。
そうしてそれは程なく見つかりました。]
…。
[足を止めて、見えない眼を凝らしました。
見えた赤は鮮やかではなく、少し黒ずんで見えます。
流されてから時間が経っているのでしょう。
見えもしないのに、そんなことを思いました。
そして、それを流した源は見当たりませんでした。]
あー。
こっちはこっちで。
[死の、臭い。
血の痕よりも何よりもこびりつき、
薄く伸びて城内に漂っている]
……誰だろ。
[気配は一層、温度を下げているようだった。
気持ち大股に、廊下を歩みゆく]
[枕の下にもう一度隠し直して起き上がる。
本当は携帯した方が良いのだろうが、鞘も無いそれを持ち歩くのはあまりに危険だった。
誰かに見咎められる恐れもある。]
[椅子に掛けて置いた衣服を身につけ、指でざっと髪を整えると、扉の前に積んでおいたテーブルなどの家具を取り除けて、外へ出た。]
[試してみるかと思いはしたが。
見えている結果を確かめるのもつまらぬ事、とそれはせずに。
振り返るのは、古城。
そちらに行くか否か。
逡巡は短い]
……特別、興味がある訳でもなし……。
[髭が薄いからまだ良いがやはり剃っておきたいものだなどと考えつつ、廊下を歩く。]
ああ、そうか。剃刀。
[途中で私室の浴室に剃刀があるかも知れないと思い出したことはひとつの収穫だったかも知れない。]
[器の束縛を離れ、呪い呪われ続けた血からも離れ。
呪縛の象徴たる、真紅の蛇は未だ、左の腕に座を占めているものの。
見方を変えれば──それ以外に、なんら自身を縛るものはない。
『番人』の死を持って目覚めた『護り手』の定めも。
『終焉』の交差する輪を離れた今は意を為さぬが故に。
古城で続くであろう紅の交差に対しても、さしたる興味は抱けなかった]
[リィン]
[扉を開けて、すぐに鼻と口許を隠した]
[その指先には、巻いてもらったままの白の布]
……。
[緩やかに緩やかに息を吐く]
[あかが香るその源を辿れば、二人の人影が見えた]
[けれど、そこには女の言うきたないあかが残るのみ]
[静かな響きで、くれないを開いた]
御二方は無事だったのですね。
平気、 少し熱いだけ。
要らないと謂うものだから、
腕をもいであげようと思ったら、
……しぶとかった。
[言い様は悪戯に失敗した子のように軽い]
……それが一番、ラクだからな。
[言われた時に返したのは、そんな言葉だったかと。
晴れきらない霞の奥を辿れど、見えず。
さりとて、無理に思い返すつもりもなく。
ぼんやりとした蒼氷で、緋の領域をただ、見回す]
なるほど、殺し合いが起きたか。
刃物の傷なら大方、あの髭の男か、片目の男か……
そんなところだろう。
身体に武器を隠している。
…何処へ?
[首を捻り。
ふと、廊下の先へと眼を移します。
くすんだ赤い色は、途切れ途切れに伸びていました。
それを見つめていると、こちらへ向かう足音が聞こえました。]
[振り返ったのと、声が聞こえたのは殆ど同時でした。]
ラッセル。
…と、キャロル。
[赤い色と、金と赤の2色。
確認の意も込めて、2つの名前を呼びました。
ふと眼を落とすと、今し方ついたのでしょうか、杖の先に僅かに赤がついているのが見えました。]
遊ぶのも良いが、油断はするな。
反撃はきちんと潰せ。
[我ながら甘いと思いつつ、少年を戒めるのはそう簡単には喪いたくないからで]
……それにしても。
[ふと、思いついたよに。
左腕に絡みつく、真紅の蛇を見やる]
よく、喰らう気になったもんだな、『終焉』を齎す者とやらは。
[何の事だ、と紅蛇は問う。
対し、浮かぶ笑みは意地悪い]
お前、は、不味いんじゃなかったか?
[急ぎ歩を進めれば、行き当たるのは三人の人影と]
あ。
ええと。おはようございます……
[そして、床に広がる黒ずんだ赤。]
[目にして、我ながら間抜けなことを言ったものだと思う。]
[問いに、紅蛇はしゃ、と威嚇するよな音を立てる。
その様子に、くく、と笑いつつ]
腕を狼に喰らわせる、と言った時に、「不味いから喰われもせぬ」と言ったのはお前のはずだが。
……つまり、それに憑かれた時点で、俺も似たようなもののはず。
それでも喰らわれたのは、さて、どういう事やら。
[無論、喰らったものがその際に何を感じたかなどは、知りえぬ事。
それでも、揶揄するような言葉を向けたのは、恐らくは意趣返し。
長きに渡る呪縛。
やり場なく溜め込んでいた、それへの憤りを晴らそうとするかの如く、言葉は綴られる]
[もう一つ足音と、声が聞こえました。
眼を向けると、青い色が一つ。]
…おはようございます。
[思い出して、今更ながらに挨拶をします。
それから少し首を傾げ。]
ええと、…ナサニエル、でしたか。
[誰かがそう呼んでいたような気がします。
記憶にある名前を口にしました。]
教師 イザベラは、踊り子 キャロル を投票先に選びました。
[引き寄せられる様に集まる人々の姿]
はい。
[呼ばれた名に、返事を返す]
[男の声には振り返り、挨拶を返した]
これは…。
獣に銜えられ、引きずられでもしたのでございましょうか。
だから、外からも?
[途切れがちなあかの線が向かう先を、碧の瞳が映す]
[それを辿る様に少しだけ、歩を進めた]
あらあら。皆さん、おはようございます。
[努めて冷静に。そして、丁寧に。]
今日は何だか、空が暗いような気がしますね。
私の眼がおかしくなければ…の話ですが。
[左眼がぎょろり]
こんな朝は、気分まで暗くなりそうですね。
[服の替えなどなかったが、部屋の箪笥にいくつかあった]
[黒い服は丁度良く、それはある種の不気味さを覚えさせる]
[恐らく他の部屋にも、同じように衣類があるのだろう]
[昨夜の月はなく、体にも臭いはない]
[男にとって、人を殺した次の日の朝は、普段となんら変わりのないものであった]
[ふと意識が向いたのは、
誰のものか、誰の手によるものかということより]
……ニナには、これって、どう見えるの?
[足下を指差し、問う]
教師 イザベラが「時間を進める」を選択しました
なるほど?
たまにそういう奴がいる。
こちらへの対抗手段を持った人間が。
或いは「守護者」や「狩人」などと呼ばれる特殊な能力を人間もいる……アーヴァインもそう説明しただろう?
そいつがそうだったのかも知れん。
今となっては分からんが。
ええ。ナサニエルです。ええと、ニーナ…さん。
[ニーナに丁寧な礼をした。]
[ついでに足元の血痕に目を落とし]
獣が外に引き摺っていった…ですか。
言われて見れば、点々と続いてますよね……
[気味悪そうに眉根を顰める。]
しゅうえん?
[ポツリと声に返したのは、如何程経ってからだったか]
しゅうえん…終焉。
生けとし生けるもの全てに、平等に訪れる、死。
ああ。
[溜息が零れる]
逃げ切れなかった、のですね……。
[廊下に出る]
[と、先、ネリーを殺した場所に幾人かが見えた]
それは、此処で殺した血だ
死体は外においてある
誰か埋葬を手伝わないか?
[もう一つ聞こえた挨拶にも淡々と返して]
…空がでございましょうか。
花のあかばかり見ておりましたから、存じませんが。
[眼がおかしい、との内容に、女はあからさまに左の眼へと、碧の眼差しを向けた]
終焉が来ないと分かるまで、気分が明るくなることなどそう有り得ぬことでしょうに。
これ…、これ、ですか?
[少年の指先はぼやけて見えません。
届いた質問に、杖でついて確かめてから、]
黒っぽい赤、としか。
臭いは強いですけど。
[言葉は説明になっていたでしょうか。]
そう?
いつもと余り変わらないような気もするけれど。
[やって来たイザベラの台詞に首を傾げ]
……殺した?
クーが、やったの?
[聞こえた言葉から浮かんだ疑問を、真っ直ぐに返す]
[問いに、紅蛇は闇色を蒼氷から逸らし。
すい、と鎌首を他所へと向ける。
それを追い、振り返った先。
ため息が零れるのが、聞こえた]
……逃げ切れなかった。
何かから、逃げるのを望んでいた、か?
[届いた言葉に、何気なく投げかけるのは、短い問い]
こういうときだからこそ、です。
[左眼に向けられる視線に、狼狽の態度を見せ、
取り繕うよう糸目にしようとする。]
……誰でしょうかね。メモを更新しないと。
[その痕跡に眼をやり、メモを開く。]
[一つの疑問に答えが返り、
右手は口に当てた侭、杖の付く先を見る]
……ふぅん。
これも、赤なんだねえ。
[しげしげと眺めていたものの、
やはり臭いはきついか、後に下がった]
―回想―
いいえ、私は。
[常ならば響かない足音を聞き取られたのは、相手がそれだけ緊張していたからか。それとも]
探すために特別な手段など持ちませんから。
ただ慣れた時間にと。
[陽の強き光は苦手だった。
月の淡き光の中でも遜色なく物を見ることは出来た。
様子を窺い歩くのに夜を選んだのなどその程度の理由だった]
いいえ、私は――っ。
[問いに身体を強張らせ、答えながらも逃げようとする。
けれど男が距離を縮める方が、身を翻すよりもずっと早くて]
獣が…?
何故、でしょう。
番人の時は、そのままでしたのに。
[周りのひとの言葉に、顔――は見えませんから、色を一つ一つ見渡しました。]
空?
[聞こえた声に首を傾げて、眼をずらします。
けれど、よく分かりませんでした。
そして、声がもう一つ。]
生きるために終焉の使者を殺すのが必要だろう?
夜中に女一人で歩ける――使者じゃないかと思ったんだが、違ったようだ
[ラッセルの疑問には肯定を]
死ぬのは御免だからな
――そう、己が運んだ
殺してな
[廊下の先、くらい色の赤が見える]
殺された、では無いのですね。
[言葉の引っ掛かりを呟き、同じ疑問を持つ声を聞く]
私の力では、手伝えるかどうか。
入用ならばお貸しいたしますが。
…外に行けば、どなたが居なくなったか分かるのですね?
―回想―
[押さえる力は如何とも出来ぬ程に強くて]
――!
[ただ一度、震えただけ。
声も出せぬまま「あか」を零して「くろ」へと沈んだ]
[彼が殺したなら、彼らがやったのではありません。
そうしてまた、殺されたのも彼らではありません。
わたしはそのことに安堵していました。]
まあ……お気持ちはわかります。
[メモのクインジーの欄に何かを書き添える。]
誰も彼も、怪しく見えてしまうのは仕方がありません。
私もそうです。疑心暗鬼に陥っていますから。
少なくとも、私はそれを責めはしませんよ。
[努めて。努めて過剰に善人ぶろうと。]
こういう時だから。
[狼狽を指摘することなく]
[そもそも気にすら止めぬ風に、糸目から視線を外す]
だから、その様に笑われるのですか?
――うん、そうだね。
[クインジーの問いを含んだ肯定を、肯定する]
一人で歩いていたら殺されるのなら、
部屋に篭っていたのは正解だったみたい。
[行き来する視線に、何を驚くのかと言いたげな眼差しが向いた]
[そんな記憶が曖昧ながらに戻ってくる。
届いた声に顔を向けて]
避けようも無く与えられる死から。
そのままでは確実に齎される死から。
[足元を仮に覆っていた布らしきものが見えない。
踝の辺りに赤黒く残る枷の痕]
逃げたいと、思って。
逃げてきたはず、でしたのに。
[二度目の溜息。そして瞬き]
…ハーヴェイさ、ん?
辛気臭い表情をして、解決するのならやりますよ。
その方がいいなら、そうしましょうか?
[指摘を受けて、不器用に表情を変える。]
気持ち次第で状況が好転することはないので。
私がすべきは、情報を集めて冷静に分析すること。
そこに、感情を差し挟む余地はないのですよ。
[淡々と、メモに今聞いた情報をまとめている。]
まあ、手を貸してほしいといっても、外まで運んでいるんだから穴を掘るくらいだ
終焉を齎す使者なら――そのまま放置しておいても良いかもしれないが
[窓の外へと視線を投げる]
終焉の使者がもしかしたら誰かを殺しているかもしれないが、己は見なかったぞ
……よお。
[ようやく、こちらの存在を認識したかのような声に、ごく軽く挨拶を投げる]
死から逃げ出して。
それでも、ここで捕まった……か。
因果なもんだな。
[問いへの答えに、掠めるのは苦笑。
紅蛇が笑うよに、ちろりとあかい舌を覗かせる]
それなら、私は手伝いますよ。クインジーさん。
[申し出を承諾する。]
その代わり、一応死体を見せていただきたいものです。
それが無理なら、凶器と抵抗の有無など詳しく教えてほしい。
[クインジーの顔を、鋭く左眼が捉える。]
何食わぬ顔で、食害を被らせた死体を処分する
手伝いをさせようとしている線を消したいので。
歩いてたら──殺されるんですか。
しかも「違っていたようだ」で済まされてしまうとはたまったものではないですね……
いやはや。
[男は些か疲れたように首を振る。]
[目を覚ましたのは陽が昇ってから。窓から陽の光が零れ落ちて来る。覚悟が出来ているためだろうか。あの現場を見ても魘されたりすることは無かった]
[服を直し、己が牙をケープの中へと隠し。部屋の扉へと近付いた時だった]
………。
[廊下に人が集まっている。おそらくはあの現場に集まっているのだろう。扉越しではっきりとはしないが、声も耳に届く]
[何となく、彼らに合流せずにそのまま耳を欹てた]
[イザベラの指摘に頷き]
そうですね。私も確認しておきたい。
あなたが襲った死体を偽装していないか、見極めないと。
[クインジーの隻眼をじっと見つめる。]
…所詮は他人。
そういうことですか。
[少女の死を悼む声は聞こえませんでした。
そういうわたしの声こそ、淡々と聞こえたでしょう。
その至極小さな声が、耳に届く者があればの話ですが。]
見に行けばわかるさ
己の手でやったもんだとな
――調べるためには殺すしかないんだ、
仕方ないで済ませるに決まっているだろう
生きている時には調べられないんだからな
[ナサニエルに言い、男は血の痕の続くほうへと歩を向ける]
死体には何もおきてないはずだ
凶器は刃物
必要なら見せるがな
[そして、その死体の傍に辿り着くと*弔いを*]
今ここにいるのが、ナサニエルさん、キャロルさん、
ラッセルくんにニーナさん。クインジーさんと私。
[メモを見ながら、淡々と事実を描写する。]
いないのが、シャーロットさん、ギルバートさんに
あの乞食みたいな方、そしてハーヴェイさんですか。
[右眼は虚ろ。]
無事を確認したいところです。
生きる為に殺す――そういうことだね。
[床を濡らす色彩に、今一、目を落として呟く。
其処だけ、まるで、闇が広がっているかのように思えた]
ネリーが。
[少しだけ、口許を抑え押し黙る]
[チリン]
[心が動いたのは、鈴の音が僅かに語る]
手伝えは出来ないかもしれませんが。
お別れを言いに、行きます。
[誰か向かう人間がいるかと*見回した*]
そもそもどうして使者でないと分かったのか知りたいですよ。
何も酷い殺し方をするだけが、使者の殺しと決まった訳ではないでしょう。
刃物で殺す場合もあるかも知れませんよ。
それからあなたが使者で、適当な事を言って、無実の人間を殺したのかも知れないでしょう。
[クインジーの後を追いかけながら、その背に疑念を投げ付ける。*]
ごきげんよう。
[投げられた挨拶に確りと礼を返してから。
この状況下ではおかしかったかと困惑の色を浮かべる]
はい。逃げていたことだけは、思い出せました。
しかしこの状態は。
死して尚、如何しろと言うのでしょう…。
[問いを投げながら、翠は紅へと引き寄せられる]
力仕事は苦手ですけど、情報の対価に。
明日、また「おはよう」と皆に挨拶できる保証も
ないですし、思い出作りも兼ねてということで。
[メモを懐に*しまいこむ*。]
冒険家 ナサニエルが「時間を進める」を選択しました
無事を確認して、どうするの?
無事でも、使者かもしれないのに。
[イザベラに疑問を投げ]
……オレは、いいや。
[弔いに向かう人々の背を、見送る]
さて厄介な事だ。
どうやらこの男、死んだ人間が人狼でないと知る手立てを得ているらしい。
この男自身が見極める能力を持っているのか、それとも誰かから聞いたのか──
[何人かが弔いに出る、と言って去って行きます。
わたしは行っても仕方ないでしょうから、黙って見ていました。]
…床、拭きましょうか。
[赤に眼を落としました。]
[遠ざかるいくつかの声。その中でもクインジーの言葉は聞こえていた]
……本当に。
そうなると、私もバレる訳には行かないわね。
[そっと、右手で右目を覆った。紫のオッドアイとなっている今、これを見られてしまっては不思議に思われる可能性はある。視るためにコントロールは出来るのか、それを確かめるためにも鏡のある部屋へ行くべきかと考え始めた]
[礼を返す様子に僅かに笑み。投げられた問いに、軽く、肩を竦める]
どうにもならなくなってから思い出すってのも、虚しいもんだよな。
この状況、か。
さて、一体どうしろって言うんだか。
何も出来ずにただ漂う事を嘆き悲しめ、とでも言うのか。
それとも、単に途中脱落は許さない、とでも言うのか。
皆目見当もつかんな。
[口調は何処か、独り言のよに。
紅蛇は闇色の眼で翠を見返し。
逃げるを追うは定めの在り方、捕らえしを容易く離さぬもまた然り、と。
吟ずるように嘯く]
……それはお前の事だろうが。
[そんな紅蛇に、思わず上がる、呆れた声]
……リィは、拭いていたっけね。
[口振りは僅かに、懐かしむようになる。
ほんの一、二日の事ではあったけれど]
でも、拭いたって意味無いよ。
変わらないもの。
うん。
臭いは少しは、消えるかもしれないけれど。
変わらないよ。
[眼差しと共に、淡々とした言葉を返す]
それに、居なくなってしまった事実もね。
……なるほど。それはそうだ。
死んでしまったらそこで終わりか。
では、下らん巻き添えで死なないようにせねばならんな。
それから、我らを見破る者をまず始末する。
ええ、本当に。
脱落は許されない。
全ての終焉が訪れるまでただ見るだけで。
己が無力であったことを思い知れと?
[鈍い光を宿した翠は闇色と絡み]
逃げるを追うは定め。
ならば如何すれば良かったのだと――。
[囁きに途方に暮れた顔になる。
迷える幼子のように揺れる翠は、蛇と共に過ごしてきたのであろう青年の瞳へと流れる]
……逆に言えば、巻き添えを食らわなければ、
上手く邪魔者を減らしてくれるかもしれないね。
[抑揚の無い、平坦な聲]
[冷静というよりは心此処に在らずというよう]
お前は番人の話をちゃんと聞けてはいなかったな
――生きる者を、終焉の使者か違うか、見分けられる者が一人
死した者を見分けられる者が一人
終焉をもたらす手から守る狩人が一人
他の奴にも聞くと良い
己が何か、これだけ言えばわかるだろう?
ではあなたが、見分けられる者だと──
いや、死なないと分からないのであれば、死者を見分ける者という訳ですか。
[まだ納得はしていない顔だが、疑念の幾らかは解けたようだ。]
虚しい、かな。
アーヴの時には、そんなに感じなかったのにね。
[酷い話かな、と笑うに似た息を吐いた。
表情は変わらぬ侭に]
……オレ、部屋に戻るよ。
熱くて、寒い感じがするしさ。
[口許から外していた手で、左腕を押さえながら言う]
何かしようにも、どうする事もできんからな。
目の前にあっても、触れる事はできんのだし。
[再び緋の内へと膝を突き。
手を伸ばす。
しかし、伸ばした手は緋を掴む事は叶わず]
……もがいて足掻いて立ち向かえ。
とでも、言いたいんだろ、こいつは。
ま、所詮は呪いの具象化の戯言だ、真に受ける事はない。
[揺れて、向けられる翠を蒼氷は静かに受け止めて、返す。
紅蛇はどこか不満げにシュ、と音を立てつつ、ぐるり、と腕を一巡りする]
そう上手くいけばいいがな。
[何処となく心此処にあらずといった感触に、引っかかるものを感じつつも、取り敢えず目の前の瑣事を片付ける事を優先する。]
…虚しい。
[ぽつりと繰り返しました。]
そうですか。
…お大事に。
[少しだけ眉を寄せます。
その手の行く先に、ちらと眼をやりました。]
[血だらけの場に必要以上いるつもりはなく、死者を見分ける者を騙ると言うクインジーの声を耳にしたのを最後に勝手に離れた。男がそうする理由も庇われる女がそれにどう返すのかも興味はない。用心を崩さず場内を一周見回った後、また部屋に戻り夜明けを待った]
…ぉっと、転寝していたか。冷えるな。
[明け方の光を見てから少し眠っていたらしく、迎え酒を幾らかやってから部屋を出る。自然向かうのは夜見たの凶行現場]
…どれ程虚しくとも、ですか。
[真似る様に膝をつき、伸ばした手はやはりすり抜けるのみ]
それしかできなかった。
それもいいわけなのかしら。
いまとなってはわからない。
[触れられぬ緋を見つめて零れた言葉はやはりどこか幼い響き。
パサパサリと常盤の房が左右に揺れる]
呪いの具象化?
何かに呪われていたのですか。
そう言えば、番人殿は確かにその様に仰っておりましたね。
[見分けるものと護り手の存在を、言われて思い出す]
申し訳ございません。
少しだけ埋葬の前に、お時間を頂いても宜しいでしょうか。
[緑の少女の顔に付いたあかを指先の白の布で拭う]
うん、虚しい。
仕方ないって、わかっていても。
[緩く首を傾げる。
腕に手をやったのは、無意識の事]
裸足で歩いていたのが、効いたかもね。
[冗談めかしたような一言を置いて、来た道を戻る]
[部屋に入るも、扉は閉めぬ侭。
忘れているというより、閉めるを厭う態だった。
寝台に座り込み、傍らに放っていたスケッチブックを広げる。
その途中、左手の動きが止まった]
……、
[目を落としていたのは数瞬の間。
視線を転じて、窓辺に身を寄せる。
硝子越しに外の景色を見れば、幾つかの人の影。
その中心には、物言わぬ少女が在るのだろうと思われた。
そして――花の作る路の先には、また一つの命が、喪われている]
[己が手で。
獣の牙と爪以外で死した者を見るのは、初めてだった。
酔い痴れぬ状態で、死を見つめるのは。
虚しいと、より、強く感じた。
あの色を――緋を、視ていないからだろうか]
元々、こっちの事情なんざ考えられてなかったような場所だ。
虚しかろうとなんだろうと、ここから離れられなければ、そうするしかない。
[淡々とした口調で言い。
どこか幼げな響きの声には、何も返しはせず]
……ああ。
たまたま継いでいた血の定めに従い、殺めた女の置き土産……とでも、言っとくか。
[投げやりな説明。
紅蛇の闇色の眼が、どこか不満げな光を宿す]
確かに。これは刃物ですね。
聞き及んでいる、番人の死にざまとは
どうやら違うようです。
[メモ帳を開いて、ネリーのそれをみた雑感を書き込む。
簡単な絵も、その横に添えているようだ。]
さて。重要な情報も出てきましたね。
[クインジーの名前の横に記す。]
[埋葬前に、緋の花群に置かれた少女の遺骸を検分する。]
[恐ろしいほど鮮やかな切り口]
[その傷をもたらした得物も、遣い手も尋常のものではありえず]
これ、剣かなにかの傷ですか。
よろしかったら凶器を見せて下さい。
[隻眼の男を見上げる視線は険しい。]
[階段を上りきる前にラッセルは離れて行き、残ったのは杖持つ少女一人の様子に遠慮なく近づいていく]
よお、無事に夜を明かせたようだな。
出歩く勇気を持つ方が死に近いとは皮肉なもんだ。
[床の黒ずみを示唆して鼻を鳴らす]
[一度首を振りました。
冗談めかした言葉を投げて、遠ざかる赤色。]
いけませんよ。
こんな時ですから、体調を崩していては。
[そう、こんな時ですから。
二度目の呟きは、音にはなりませんでした。]
[近付く茶色。
青年のほうでないことは、声を聞く前に分かりました。]
…ええ。
[短く息を零します。
それから、]
水場は、どちらか分かりますか?
[先に変わらないとは言われましたが、それでも尋ねました。]
ああ。
あの髭面の男は要注意人物だ。
人狼について相当量の知識を持っていて、それを周りにも隠しているような感じがある。
……どうにも癇に障る。
[苛立ちを込めて吐き捨てる。]
冒険家 ナサニエルは、のんだくれ ケネス を能力(襲う)の対象に選びました。
[キャロルが座る]
[イザベラがメモを取る]
[ナサニエルの言葉に、軽く右腕へと視線を滑らせた]
自分の身は、自分で守る
少なくともお前がどちら側かわからないのに、見せるような事はしない
凶器はいつも身につけている
それ以上に何か必要か?
まぁ、仕込みの剣だと言っておこう
水場?
あ゛ー、死者は掃除できねえな。
こっちだ、来い。
[目の不自由な相手に言葉で説明するのは面倒と手を伸ばす。怪我のことを知らないから力の加減もなくその手を掴もうとした]
[何かがメモ帳に記されていくのは、横目に見るのみ]
凶器。
先程言っていた刃物があるのでしたら、出すついでにこの結び目も切っていただけるとありがたいのですけれど。
[黒ずんだあかに染まった指先の布]
[じくりと、その下の指が疼いている]
……さっきは「必要なら見せる」と言ってたのに。
[立ち上がり、シャベルを取る。]
まあいいです。
ともかくあなたが終焉の使者でないなら、味方になるんでしょう。
でも、疑われてバッサリやられる危険性もある訳ですから、ある意味では凄く性質が悪い。
しかも、あなたが嘘を言ってる可能性も、私はまだ捨ててないですから。
[返事する間もなく、不意に手を引かれました。]
…、
[右手の指先、巻いた布の奥がちくりと痛みます。
元々小さな傷ですし、赤が滲むことはありませんが、少しだけ眉を寄せました。]
冒険家 ナサニエルは、見習い看護婦 ニーナ を投票先に選びました。
そういうものを切るのには向かないぞ
結び目か
中に切るものがあるんじゃないか?
[キャロルにそう答える]
[それからナサニエルの言葉を聞いて、肩をすくめた]
見せようかとも思っていたんだがな
そこまで命を粗末にするのも――服を粗末にするのもな
[口元を緩めた]
安心しろ
お前が違うと、生きている者を見分けられるのが言ったなら、己はお前を殺さない
もし反対なら――
言わなくてもわかっているだろうな
ふむふむ。なるほど。
[クインジーの話、ナサニエルの話。
聞いたことを、模式的にメモに取る。
クインジーの名前に、ナサニエルから向かって
矢印が引かれ、何やら書き込みがなされる。]
そういえばそうでしたか。
こうなるまでは、逃げることすら忘れておりましたもので。
[淡々と返された言葉に、熱の篭らぬ声を返す]
血の定め、置き土産。
…それを捨てようと思ったことは?
聞いたのはてめえだろ、なんか文句あるのか。…ん?
[眉を寄せる姿に文句を言った後で、手の中の布の感触に気づく。反対の手で手首を取り、不躾に指を覆う布を解こうと動く]
なんだこれは? 見せろ。
冗談にしてもゾッとしませんね、それ。
[酷く苦い笑い。]
しかし、見分ける者が居たとして、ひょっとしてネリーさんだったりする可能性もある訳で……。
やはりゾッとしませんよ。
[ゆっくりと首を振った。]
髭……、ああ、鼠の人だね。
[同胞の言葉を成る程と内心頷きながら聴く]
殺したいのと食べたいのは、違うね。
殺したいわけでも食べたいわけでもないのに、命を奪うのも。
ともかく。
そろそろネリーさんを埋めましょうか。
このままでは彼女も落ち着かないでしょうし。
[検分を望んだのは自分なのだが]
[そう言って緋の花の生える土を掘り返し始めた。]
…いえ。
[そういうわけでは、と首を振ろうとしたのですが。
手首を取られて、次いで掛けられた言葉にはたりと瞬きます。]
あ。
ええと、…少し、指を切ってしまって。
[言いながら、わたしの眼もその白に向きます。
抵抗はしませんでした。
できなかったというほうが、正しいかも知れません。]
[熱の篭らぬ声に、そういう事、と返して肩を竦め。
続いて投げられた問いに、蒼氷は僅かに伏せられる]
……なかった、とは言わん。
むしろ、直視する事を嫌って、血塗れにしてたくらいだからな。
[常に滲ませていた血は、腕に宿る紅蛇を隠すためのものであったと。
告げる声はどこか淡々として]
中に戻る前に切ってしまいたかったのですが。
どうせきれいな死体だったのですから、うつくしいあかを最後に塗ってさしあげたかったのですけれど。
[結び目の先。疼く部分まで傷つけたあかで、少女の口許にくれないを指そうと]
[碧の眼差しは、青の色彩を持つ男へと向く]
貴方も、刃物は持っていませんか?
ああ、そうだ。
喰いたい人間と殺したい人間は違う。
それは、俺たちの同族なら誰しも等しく知ることなんだが。
人間はだが、喰いもせずに自らの同胞を殺す。
じゃあ、私は彼女を横たえるのを手伝いますね。
それくらいなら、私でも問題なくできるでしょう。
[メモを閉じて懐に仕舞い込む。そして、服の袖を捲り上げた。
相応にずんぐりとした腕が露わになる。]
さすがに、あまり力はないもので。
刃物はないのだけれども……
[懐をあちこち探ってみる。出てきたのは万年筆。]
ペン先は鋭いけど、さすがにこれでは切れませんか。
[廊下から人の気配が消えた頃。そっと扉を開き、辺りを確認してからするりと部屋から抜け出た。目指すのは鏡のある奥の私室]
[慌てていたために足音がぱたぱたと立っていたかも知れない。しかし気が急くあまりそこまでは意識が向かず、そのまま奥の私室へと入って行く。浮彫の扉をあけ、戸棚の傍の小さな扉も潜り、寝室にある大きな鏡の前へと立った]
……ホントだわ、左右で違う……。
[明るい紅紫の左目、暗い滅紫の右目。基調とする色は同じでも、大きな違いとして見て取れた]
これじゃ直ぐ不思議がられるわ…。
どうにかならないかしら。
[しばらく右目を瞑ったり、右手で覆い隠してみたりと。元の紅紫の色へ戻らないかと試行錯誤を続ける。頭に過る白と紅の華。それを意識せぬよう、強く念じた]
切った?
番人や…誰かを裂いたわけじゃなくか?
[言うより早く手馴れた動きが包帯代わりの布を解く。現れた傷口を睨む様に見、口元を歪めた]
なるほど、こりゃ確かに獣とは関係なさそうな傷だな。
どうせ痛い思いしたんならついでにちっと我慢してろ。
[言われた方には意味不明なことを呟き、薄く滲む赤を舐め取る。泉に持ち込むより手っ取り早い方法だとわかっていた。酒の染みた舌が消毒になるかは怪しいがそんなことは気にならない。少女がどう思うのかも]
――ぐっ、まっじぃ…!
[ぺっと血の跡に唾棄して急ぎ口元を拭う。それでも飽き足らずニーナを離し酒で口をすすぐ。渋面の声が不機嫌に掠れ、ごく近くにしか聞こえない呟きを落とす]
なんだ、コイツもハズレかよ…。
切れすぎても問題だと思うんだがな
[キャロルを見て悩む様子]
[それから仕方ないと、左手を右手に滑らせた]
殺したのは己だからな
それくらいならしてやる
どうせばれても――抵抗は出来るしな
[衣服を破いてあらわれた刃を、キャロルへと向けた]
/*
にゃにぃー。
ニーナも違うとなるとはてさて。
ナサニエルはとりあえず怪しい。
ニーナ:狂信 の可能性は残ってるかぬ。
[スケッチブックを持って、再び部屋を出る。
先程の場所へは戻る気にならず、
さりとて外へ向かうのも躊躇われた。
ふと慌しい足音が聞こえ、顔を動かす]
/*
せんせー、クインジーの反応見たいのでラッセル手にかけたいでs
そうか、クインジーが完全に私を騙してる可能性もあるんだった。
霊能乗っ取り。
良いけど(ぁ
ベルは好奇心旺盛だから。
あの眼で見詰められたら、
何でも謂わないといけない気分になりそう。
[互い違いに動く両の眼を思い返しながら謂う]
…お戯れを。
[この眼でどうしたらそんなことができるのか。
見えないことは彼自身確かめた筈ですから、言外にそんなことを滲ませて。
すると不意に指先に生暖かい感触。
びっくりして手を引こうとしましたが、それより早く離れていました。
何をされたのかはよく分かりません。
ただ、]
…ハズレ?
[その声は聞こえて、首を傾げます。]
それで出来るのは、切るでなく、刺す、でございましょう。
[万年筆を見て、首を横に振る]
[豊かな金色が背で揺れた]
やはり中まで戻らないとでしょうか。
[良い答えが得られぬのに、形の良い眉を寄せ]
[それでもくれないを開いた]
その。
ありがとうございます。
何処だろう。
[きょろりと辺りを見回して歩み出す。
城の間取りに詳しくはないが、自然と臭いから逃れ歩み行く。
程なくして、他とは違う扉が眼前に現れた]
わー。立派。
[暢気な声を上げ、扉に手をかける]
この地は咎人のためにある。
罪は、彼らの忘れられた記憶の中に。
罰は、彼らが求める想い出の中に。
そうして我らは終焉という名の救済を齎す。
[暗いあかの髪を持つ男の声]
[布の裂ける音]
[リィン]
[驚きに身を竦め、手首の鈴が跳ねた]
ありがとうございます。
[口調は変わらぬ平静なもの]
[けれど、伸ばした指先は微かに震える]
[言外に滲む意味に気を回すほど神経は細かくなく、その響きだけ受け取る。開けた目を眇め、舐められても首を傾げるだけの様子に見えてないことを再確認して布を巻き直す]
あ゛ー気にすんな、こっちの話だ。
見えてねえのはよーくわかった。
掴まれんのが嫌なら自分で掴んでろ。
[巻き終えた右手の甲をぽんと叩いて自分の左袖に促し、今度こそ*先導を始めた*]
[これで戻っていなければどうするか。他の人に指摘されて何と言えば良いのだろうか。不安が心を支配する。戻れと念じ、鏡越しに自分の右目を凝視した]
……戻っ、た?
[左右の瞳は同じ色。明るい紅紫が現れている。ほぅ、と長い安堵の息を漏らし、ついでに髪やリボンを直した]
[直後に聞こえる扉が開閉する音。ハッと、勢いよく音のする方を見た。小さな扉は開け放したまま。身体に緊張が走る]
[彷徨う視線は開いた扉へと行き当たる。
多少の警戒は窺えるものの好奇の方が勝るか、
足は其方へと向いた]
……あれ。誰か、いる?
[ギルバートは、緋色の園に立ち尽くしている。
その傍らには、無惨な死体となったハーヴェイの身体。
いくら鍛えているとはいえ、成人男性を担いで歩くのは、一介のダンサーには困難を極める。]
はぁ……っ、はぁ………っ!
[ハーヴェイの腕を肩に担ぎ、泉の周りをズルズルと歩く。夜明け前に運び始めたというのに、いつの間にか太陽はすっかり森を照らしていた。]
流れ者 ギルバートは、お尋ね者 クインジー を投票先に選びました。
[茶色のコートは血に染まり、髪や首筋、皮膚のあちこちにもハーヴェイの血がこびりついている。
それでも、彼はハーヴェイの身体を城近くの場所に運ぼうとしていた。]
あ……誰か、誰か………!
居ないか………!
[声が掠れる。
顎からは幾つもの汗が、赤黒く染まって落ちる。]
獣が………彼を………!
[結び目を切っ先に掛けて裂き]
[腫れた指先を、軽く押し付ける]
[ぷつり]
良く、切れるのですね。
私では、確かに何の抵抗も出来ないかもしれません。
[引いた指先に浮かぶあかを、眠る少女の唇へと]
[キャロルが仕込み刃で切った後、腕の金具へと戻す]
[と、何か音が聞こえた]
[男は目をそちらへ向け――その先、人の姿に気付き、そちらへ向かう]
…、そうですか。
[その時は未だ、言葉の意味には思い至らず。
布が元通り巻かれた指と、促された先の布の感触、そして声に、やや躊躇いましたが。
指先だけでそっと掴んで、誘導されるまま進みました。]
[立てられた音にはビクリと。けれどどこか抜けたような声にそっと戸口へ姿を現した]
……ラッセル?
何してるのよ。
[赤の少年の姿を見つけ、身を抱える体勢のまま、短く問うた]
シャロ。
[拾おうとしゃがみこんだ体勢の侭、声の主を見上げる]
何してる、って。
何か音が聞こえたから、なんだろうと思ったら、
変わった扉があったものだから。
シャロこそ、何、していたの?
………ギルバートさん生存。
あれは女性ではなく、男性のようですね。
背格好から判断すると……。
[メモを開き、その名前のところに二重線を引く。]
深く、哀悼の意を表明したいと思います。
[ネリーに、そして彼に対して胸の前で十字を切った。]
…そう。
[答えへの返答も短く。逆に問われると]
……ここ、鏡があるから。
寝起きでぼさぼさのままってのも嫌だったし。
[少しの間があったが、ケープから手を覗かせ髪を示しながら理由を説明する]
……、
それで、殺すのは救済を齎す為?
[少し話を戻しつつ、かれは問う]
救済だとしたって。そうじゃなくたって。
ゲームというのなら、勝つのみだけれど。
[眼前に、見慣れた人間が何人も居た。
無意識のうちに、唇が動く。]
っ……ああ、獣………だ!
ハァ………ハァ………
泉の、向こうで、殺されて、いたのを、見つけたんだ………
彼を…埋葬しては…くれないか………!
[ハーヴェイの身体と共に、地にぐしゃりと倒れ込んだ。]
おやすみなさいませ。ネリー。
[名を呼んでも返事が無いのは知れている]
[立ち上がり、疼きから痛みに変わった指先を口に含む]
[人の叫び声に、指を離し]
[緩やかに近付いて行く]
[ギルバートが倒れたようだ]
[男は慎重にそちらに向かい、死体と彼を見た]
泉の方か
[いくつかを考えたようで、暫し手を出すことは無い]
[だが、ギルバートが終焉の使者であるならばここに持ってくる理由があまりない]
[男はしゃがみ、ハーヴェイを見た]
[クインジーの後について、声のする方へと走って行く。]
[果たして現れたのは]
ギル…?
これは……
[思わず言葉を失った。]
鏡。
ああ、此処にあったんだ。
あったのかって気になったんだけれど――
リィも、気にしていた。
[ぽつりと、名が零れる。
立ち上がり、目線を相手の高さに合わせた]
そうでしたか。
それでも安易な道は選ばずに来られたのですね。
[ほんの僅か、安堵のような何かが滲んだ声で]
逃げただけの結果ではない。
それならば。そうしてこられた方と同じ場所に私も居るのならば。
虚しさだけではない何かを掴めるかもしれません。
[口元には淡い淡い笑みが*浮かんでいた*]
死んでた………
可哀想にな………
彼は、何かを諦めたような……けれど、何かを想っていたような目をしていた……
[ゆらりと身体を起こし、目の前に居る人間をぐるりと見回す。]
……『終焉』。
其れをもたらす者が、ここに居るんだろう……!
ハァッ……酷いモンだ……
[琥珀色の目が、ギラリという光を帯びる。]
フィン。
俺は大嘘つきだから、あんまり俺の言葉を鵜呑みにすると後悔するぞ。
おまえに教えたことはすべて嘘かも知れんぞ?
[何時に無く真面目な聲]
[暫くして、元いた場所に戻ります。
わたし独りでは非力ですし、片手では運べませんので、渋々といった態でしたが、水を運ぶのは隣のひとの役目となりました。]
…ありがとうございました。
[礼を言うと、やや乱暴にバケツの下ろされる音がしました。
布を手に取り、赤の場所を拭い始めます。
彼が立ち去るにせよ、これまた文句を言いながら手伝ってくれるにせよ、わたしは暫く赤を落とすのに専念していました。]
ええ。酷い、酷いです。とても。
[アシンメトリの両眼で、それをまじまじと見つめる。
哀悼の意と興味本位の詰まった態度で。]
どうしたら、こんなふうになるんですかね。
[見てはメモをとり、見てはメモをとり。]
うん、ナサニエルが見つけてくれたのよ。
大きいから持ち運び出来なくて、毎回ここに来なければいけないけれど。
……リィ?
…ああ、ネリーのこと、だっけ。
そう言えば教えてなかったわね。
[その名を聞いてふと、少し考え込んでしまった。夜中に為された惨事はこの目で見た。しかしそれを知らぬ振りをするべきかどうか、悩んでしまう。考える時間を得るためか、当たり触りのない返答を口にした]
まだ、終焉を齎す者は殺せなかったな
[ギルバートの声に、男はそう言いながら、彼を見る]
お前はとりあえず休んでいろ
――獣にやられたんだな
[死体を見れば、それはわかった]
[黒紅は細まり、ため息]
終焉の、獣。
殺さねば、私たちもこうなるのですね。
或いは、人の手によって。
[獣に裂かれた遺骸は、人によるものより確かに醜い]
[直視せぬ様、眼差しはずらしたまま]
そして、諦め、他者に担わせるのでは、無為の罪人でございましょうか。
[女の伏せた眼差しは何かを決意する態]
大丈夫ならば、よろしいのですが。
確かに……
これでやっと人間の出来ることではない、と言っていた意味が理解できましたよ。
[細められた目が歪むのは嫌悪か]
[恐怖か]
逃げるために『死ぬ』のは簡単だったが、それも癪だったんでな。
[安堵めいたものを滲ませる声。
それに返す言葉は、苦笑めいた表情と共に。
自決の否定は、己への枷。
選択を悔いぬためのもの。
自身にとっては、ただ、それだけで]
そんな立派なモンじゃない……とは、思うがね。
それでも。
そう思えるんなら……ただ、虚無たる様を望む何かには、抗えるって事だろ。
[ふ、と笑みを浮かべつつ、言う。
同時、紅蛇が城の方へと鎌首をめぐらせた]
[ほんの僅かな間。
少女の思考は知らず、その場に居たとも知らず。
淡々と、声は紡がれる]
気にしていなかったらいいね。
もう居ないから、訊けないけれど。
変な感じだ。
さっき、クー達が弔いに行ったよ。
[ナサニエルの言葉に、静かに首を振る。]
……分からない。
気がついたら、身体が勝手に動いていた。
ただ……彼の側に、誰も居なくなるのは、良くないような気がしたんだ……
彼の遺体が隠されてしまうかもしれない。
そう、思ったんだろうか……
[右目の瞼が、ゆっくりと降りる。]
とにかく、終焉からの使者は、まだ生きている……。まだ生きて、俺達の中で……殺人者は、次の獲物を狙っているのかもしれない……
……どうした?
[唐突な動きを訝るよに、問う。
器が城に。
紅蛇の言葉は端的。
言われて初めて意識した。己が器が、泉の畔から消えている事を]
……わざわざ、引きずって行かんでも……。
[また、苦笑が浮かぶ。
己が器を見つけた踊り手。
最後に交わした言葉が、ふと、意識を掠める]
全てを受け容れて真実としてしまうのは、
愚かしい事かもしれないね。
でも、全てを掬い取ったのなら、
少しだけでも、その人にとって、
あたたかいものに慣れるのではと思うんだ。
他者の真意を悟れる程、僕は聡くないから。
[自嘲の聲を聴き、戯言だよ、と返して笑った]
そうね……え?
[言葉は自然と出た。尤も、疑問符は「訊けない」ことに対してではなく、「変な感じ」と言うことに対してだったのだが。ネリーの死を知るが故の疑問符だったかも知れない。しかしそれは別の意味にも取れるような物言いとなった。紅紫の両目がラッセルを見つめ瞬く]
……前向き、か。
[零れたのは、短い言葉]
こうなった以上、前向きも後ろ向きもないんだろうが……。
[ただ、虚しさに飲まれはすまい、と。
決意めいたものがふと、過ぎる]
護りの力、もう、どこにも届かんが……。
[言葉は、途切れ。
紅蛇の闇色の眼が、城の方へと向く蒼氷を見つめる。
物言いたげなそれに何一つ言う事無く、蒼氷は再び、*緋へと落ちた*]
……知らなかった?
強い臭いがしていたから、
てっきり、シャロも知っているかと思った。
ああ、でも、誰かは分からなかったかな。
[疑問の向けられた箇所は悟れず。
此方を見る両の眼を見詰め返す。
色を映さない瞳では、喩え違っていたとて、
理解出来なかったろうけれど]
私たちは、ネリーの弔いを。
[静かな声で告げ、十字を切る]
ハーヴェイ殿も、そうしなければなのですね。
[チリン]
[もの悲しく、鈴の音が響く]
やれやれ。それにしても、敷地が広かったのが幸いです。
哀れな犠牲者を埋葬するには事欠かない。
[ふう、とため息をつきながら。]
仮に、外に出ることのできない閉鎖空間に閉じ込められたとして、
死体とともに生活を営まなくてはいけないことを想像すると。
腐っていく死体を見ながら、朝の食事なんて。
ネリー……?
ああ、あの、メイドさんか……。
彼女も、獣に?
まだまだ若かったというのに……。
[琥珀色の瞳を微かに曇らせた。]
え、ええ。
[咄嗟に、知らないことにして答える]
そう、だったのね…。
匂いは、昨日のイザベラの料理で鼻がやられてたのかも知れないわね。
ちょっと、気付かなかったわ。
[適当なことを言って誤魔化す。瞳を見つめ返されるとほんの少しだけ息を飲んだ。ラッセルが瞳に色を映さないのは知らず、僅かに緊張はすれど今は元の色であるために取り乱すことは無かった]
それで、クインジー達が弔いに行ってるのね。
…後で祈りだけでも捧げようかしら。
あの子には少し世話になったもの。
[ふ、と瞳を伏せ呟いた。それから小さな扉を閉め、廊下へと出ようとする]
私は行くけど、ラッセルは?
踊り子 キャロルは、教師 イザベラ を投票先に選びました。
死体を弔っていただけだ
ネリーが終焉の使者かと思ったから、殺した
[それだけだ、というように]
[男にはそれ以上の感慨などないようだ]
――まあ弔うか
いつまでもここにいるわけにもいかないだろう
マダム・イザベラ。
フリークスショウだけは、今は勘弁ですね。
殺されてしまった人々には申し訳ないけれど、我々は殺されたとは……。
……ベルって、料理できたの?
[心底驚いたというように、眼が見開かれた]
オレは、いいや。
きっと、虚しくなってしまうから。
[シャーロットが通り易いように身を引き、
ゆるゆると左右に首を振る]
[クインジーの言葉に右目を見開き、唇を開いた。]
ネリーが終焉の使者だと思ったから……殺した?
何故だ?
彼女に何か「手掛かり」があったのか?
終焉をもたらす者のニオイを、感じたのか……?
それでも、死者に触れた手で食事をするのは変わらないのではありませんこと?
早めに終わらせるに越した事は無いのでしょう。
[そうして、僅かだけ切った指先を見つめる]
[また薄くあかが滲んでいた]
ネリーは。獣ではなく、
[答えは当人の口から出たので告げる事なく]
彼岸と此岸を明確に分けるという意味で、
埋葬行為を行うという指摘ですね。
なるほど、大変高度なご指摘です。
[ギルバート本人にそのような意図があったかわからないが、
深読みをするようにほうほうと頷いている。]
その「齎す者」とやらが見つかるまでは、
連日の埋葬ですね…ひどい労力になりそうです。
[そう言いつつ、ネリーの亡骸の近くへ寄る。]
[とはいえ、流石に全てを落としきることはできません。
一番赤の広がった――恐らくは殺害現場なのでしょう、その場所だけは何とか薄くなったようです。
すっかり赤く染まった水が揺れています。]
……壊滅的だったわ。
[イザベラの料理の腕に関してはその一言に留めた]
そう…。
それじゃ、私は行くわね。
[無理に引っ張って行く理由も無いため、空けてくれた場所を通って出入口へと近付く。一度首を横に振るラッセルを見てから、廊下へと出て行った]
……うん?
[眼前の相手に意識を向けていた為拾うは叶わず]
[虚しいと、感傷に落ちていた思考を引き戻す]
ああ、そうだ。
狩りだけれど、任せるのではなくて、
早いもの勝ちもありかな。
先に獲物を見つけた方が、狩る。
ギィはベルを狩りたいのだっけ。
己には、生きている誰が終焉を齎す者かはわからないぞ
わかるのは――死したものが終焉を齎すか否かだけだ
[ギルバートへとつげる]
こんな自体、真夜中、一人で外に居たからな
力の無い女なら、部屋にこもりでもしているかと思ったんだが――
まあ、違ったがな
なにやってんだよ、オイ。
そんなふらふらして廊下をずぶ濡れにされちゃ迷惑だぜ。
[ネリーがバケツを用意して拭いていたからニーナも出来るかと思えば見ているだけで危なっかしく、文句を言いつつ結局は手を貸す。それもバケツを下ろすまでの話で拭く方には感知せず。顎に歯形の残る親指を当てて目に映る光景と別のことを考える]
[階段へと向かえば廊下に広がる黒ずんだ紅を拭き取るニーナと、手伝わず眺めて居るだけのような不精髭の男の姿があった]
[夜中よりは薄くなった紅。それでもあの時の光景はありありと思い出される。その光景を打ち消すように一度瞳を閉じ、一呼吸置いてから彼女らの横をすり抜けようとした]
俺は鼠を追うつもりだったが。
どちらが早く獲物を狩るか競争したいのならば、お前の好きにするがいい。
[男は物憂げに答えた。*]
なるほど、な。
殺した側から、うら若き娘の何かを探ったのかな?
あくまで想像の域は越えないが、なかなかグロテスクな光景だなぁ……。
殺した者を何とか探ったのならば、それなりに頭の中に入っていくが……
[ギルバートの琥珀色の目は、少しずつ色を失い、口許は緩く開く。]
もし貴方が、探る為に乙女を殺したのなら、貴方の行動は魔物の仕業と変わらない……
そうだろう?クインジー殿……
土を盛るお手伝いはいたします。
[ネリーの元に行く人の背を、歩み、追う]
[男手が必要だと言いたそうに青の男を見る事も忘れず]
[ここに来る前出て行った者達の姿と獣の爪と牙が裂くや振るわれたかどうか。明らかに害しやすい目の前の少女が生きている理由。獣はどこに――誰を隠れ蓑にしているのか。
思考の時間は思っていたより長かったらしい]
…あ゛? 終わったのか。
[汚れた水を運ぶのも面倒と手近な部屋の窓を開けて外へと赤い水に触れぬよう捨てる。埋葬の人々の様子の異様さを入る風の匂いで察し、低い声が出る]
なんかあったな。良くも悪くも手がかりになるか。
[空のバケツをニーナの傍に置き、階段を降り始める]
[立てた膝の上に、スケッチブックを乗せた。
未だ何も描かれていない頁を開き、皺の寄った紙を広げる。
ポケットから取り出した鉛筆の先を置き、線を重ねていく。
形作られていくのは、人の輪郭。
されど、誰かと判別出来るようになる前に、止まる手。
息を吸い、吐き出す。
再び動き始めた手は乱雑に、絵を黒く塗り潰した。
手までに色が移る程に重ね、ふと力を抜く。
鉛筆はからりと床を転がっていった。
眼差しすらそれを追うことなく、
左腕に手で添え、眼を閉じた]
……、変なの。
[*じくりと、熱*]
探るためにわざわざ殺す馬鹿がいるか
生きるために殺した、それだけだ
お前は自分が生きるために他人を殺すのを嫌がるかもしれないが、
己は己が生きる為に――生かす為に他人を殺すことに、なんら抵抗を覚えない
今更一人も二人も変わらないからな
[笑う]
番人から聞いていなかったか
死者が、終焉を齎す者だったか知る者がいると――
/*
他との絡みの頻度をいつもより落としているはずなのに、どうしてこうもptが減るのだろうか。
ト書き詰め込みすぎか!
orz
冒険家 ナサニエルは、教師 イザベラ を投票先に選びました。
そう。
僕は、あの人の臭いは苦手。
追うならベルかな、
バートは取っておいたほうがいい?
[聲の幼さは、今は幾らか、*潜められていた*]
……もう少し、考える。
[赤い水が外を落ちて行くのを見ていました。
遠くの色彩はぼやけてしか見えず、ちらちらと動いているのしか分かりません。]
何か…?
[かたん、と軽い音がして横を見ると、バケツがあるのが分かりました。
手元に引き寄せます。]
学生 ラッセルは、流れ者 ギルバート を投票先に選びました。
学生 ラッセルは、教師 イザベラ を能力(襲う)の対象に選びました。
[ふと、横切って行く青が見えました。]
…シャーロット?
[何気なく名前を口にして、けれどそれが届いたかは分かりません。]
お尋ね者 クインジーが「時間を進める」を選択しました
お尋ね者 クインジーが「時間を進める」を取り消しました
……いいや。念のために聞いておこうと思ったまでさ……。
もし貴方が「探る為に殺す」ような人間だとしたら、たとえ神からどんなに強い力を与えられた存在だったとしても……話を聞くだけでも御免だね。
ああ……。確かに番人殿がそのようなことを言っていたね。思い出した。冗談半分で聞いていたからね。
貴方がその「死者を見分けられる」方なら……どんな方法で其れを見分けるのかな。
そして、俺にその「見分ける」現場を見せてくれることは、できるかな……?
正直、ただ話を聞いただけでは、眉唾もので……信じにくいんだ。俺の周りにいる紳士淑女の皆様は既にご覧になったのかもしれないけれど……少なくとも俺は、大切なシーンを見逃してしまったようで、ね。
[クインジーの右目を、じいっと見つめる。]
ハーヴェイ殿の分の穴もお願いいたします。
[そう、青の髪を持つ男に告げて]
[女はもう一人に向き直る]
ネリーを穴へ。
足を持っていただけますでしょうか。
[女は頭の側へとまわり、作業を進める]
[土を被せ、その姿が見えなくなるまで]
流れ者 ギルバートは、見習い看護婦 ニーナ を投票先に選びました。
やれやれですよ。その議論は、先ほどもナサニエルさんが
行ってきましたし、疑えば何でも疑えるでしょう。
[首を竦める。溜息。]
私は、埋葬のお手伝いに来たのです。
議論が尽きるのが早いか、亡骸が腐るのが早いか。
埋葬を行わないのであれば、私は失礼しますよ。
[そのまま、すたすたと城内へ向かっていく。]
ふらふら立ち歩いていると、殺される対象になるそうですからね。
どこかに閉じこもって、時間を潰していることにしますよ。
[もうひとつ深い穴が出来る頃、女は話し合う二人に声を掛けた]
ハーヴェイ殿を運んでいただけますか。
このままと言うわけにはいかないでしょう。
見るだけだから何も変わらんが?
[ギルバートの問いに、動揺の欠片もない]
少なくともお前達からはなにも変わらない
己の目だけが見る
幻みたいなもんだろうな
で、立てそうか?
[問いかける]
[不精髭の男の一瞥は意に介すことも無く。しかしニーナからの呼びかけにはぴたりと歩みを止めた]
…なぁに、ニーナ。
[振り返り、紅紫の両目をニーナへと向ける。声は押し殺したとも言える酷く冷静なもの]
[ニーナの呟きは耳に届くが実際見に行かない内は返す言葉は持たず外へ出る。大体の場所は上から見ていたので見当をつけて早足で近寄る]
なんだ、まだ埋めてねえのか。
あっちは掃除もう終わったみたいだぜ。
[顎で出てきた玄関の方を示し、ハーヴェイの無残な姿に目線を向ける。片方上げた眉は驚きより苛立ちめいていた]
チッ、コイツがやられたのかよ。
最後まで役に立たねえヤツだ。
[掠れの残る低い呟きを吐き捨て、ハーヴェイの傷をぎらぎらした目で見る]
番人のものと似てるな。
パーツも足りねえ。落としてきただけって訳でもねえだろ。
[立ち去る女にあからさまな溜息を吐き]
[あらたな男の声に、ぽつりと零す]
泉に沈めた方が早かったかもしれませんね。
今更に過ぎないのでしょうけれど。
死体が一つ増えたから、まだ終わらないんじゃないか
まあ後は手伝うほどでもないな
[内容は、つまりハーヴェイの死体に関しては、男も見て悟っている]
[ケネスの横を通り過ぎ、城へと戻る]
武器について詳しく聞かれたな
そこらへんの連中には、昨夜お前と彼女がいたことは言っていない
[その時、ケネスにだけ聞こえるか聞こえないか程度の声音で、男はそう言った]
[そのまま城の中へと入ってゆく]
[青い色をじっと見上げます。]
…いえ。
何だか、違うひとみたいに思ったものですから。
[呼び止めたのは、いつもと少し纏う空気が違ったように感じた、それだけでした。
少し堅く感じるものの、声は確かに彼女のもの。
緩く首を振りました。]
違う人?
やぁね、私は私よ?
[声色は出来るだけおどけたいつもの声を心がける。この場で起きた光景から再び瞳が変化しないか不安でたまらなかった。尤も、変じたところで目の前の少女が気付けるかは定かではないが]
…ネリー、死んだんでしょ。
お祈りして来るわ。
[声のトーンを落とし目的だけ告げ、踵を返した]
それは怪我か返り血か、それとも運んできただけか。
その顔色だと最後みてえだが。
[ギルバートの姿を上から下までじろじろと見た後、クインジーの視線を感じそちらを向く。すれ違い際に潜められた声は耳に残るが、傍目には話しかけられていないのだから声を返しはしない。わかったと目で返すのみ]
埋葬はしたいヤツがすればいい。俺はしねえ。
コイツがやられた場所はドコだ?
[ハーヴェイの殺害現場を聞き、そちらへと歩き出す]
ですよね。
…ごめんなさい。
[そう小さく謝罪を述べて、お祈りという言葉には頷きます。
今その片目が変じたとして、これ程離れた位置なら分からないでしょう。
その姿が見えなくなった後、空のバケツを片手に、片付けるために動き出しました。]
ああ、言っとくが水死体なんざ見れたもんじゃねえぜ。
泉が腐っちまうだけさ。
[キャロルの呟きには肩を竦め、それだけを告げて動いた]
[チリン]
[薄く滲んだ指先のあかを舐め、暫く考え込む]
私もそろそろ戻りますわね。
きっと此処よりは、キッチンの方がお役に立てる気がいたしますの。
[城へ向かう途中、向こうから近付いてくる人影]
[それがシャーロットだと気付くと、男は足を止めた]
祈りにでもきたのか?
[尋ねるのは、そんな一言]
[そしてそっと続ける]
[ある程度の距離があれば、声は遠くは聞こえまい]
あの男にも言ったが、そこらへんのには伝わったぞ
後はどう出るかだな
――もしも見たら言いに来い
部屋に鍵はしないでおくぞ
[一言二言、カモフラージュに声を交わすか]
[それでも、告げる内容は、ある種の覚悟をもってしてのもの]
[城へと戻ったなら、食料を口にする]
[殺した手で生きる為に肉を割き、そうして夜の帳の下りる頃、部屋の中で*息を潜めるのだった*]
[水場に戻る途中、窓の外をふと見ます。
この眼にはやはり赤と、時折ちらちらと別の色が動くのしか分かりません。
それなりに利く耳も、流石にそれ程遠い音は拾えません。
故に、もうひとりの死をわたしが知るのは、もっと先になるのでしょう。
終焉がまた一つ、*近付いたことを。*]
[ふと視線を上げれば傷を晒した隻眼の男─クインジーの姿]
ええ、埋葬してるって聞いたから。
[返答は傍から聞いても違和感の無いものにし。続けられる言葉には頷きながら、他の話題も口にする]
…そう、ハーヴェイも。
襲われたと言うことは、彼も人だったと言うことね。
[部屋の場所もこそりと聞き、事情を聞いて居る素振りを見せながらその後は別れた]
キィィ―
[少し大きめの扉を開く。中は薄暗く、蝋燭の灯りのみ。
本棚がずらりと並んでいる。そこは書庫だった。]
………。
[この城に関する手がかりはないか、と探してみるも、
眼の届く範囲にあるのは一般書のみであった。
一般書とはいっても、おそらくは希少価値の
高いであろうシロモノであることは想像に容易。]
暇潰し。今日はここで読書に耽るのも悪くないでしょう。
[目についた"ALCHEMY"との表紙の本を手に取ると、
燭台の近くに座り、*読み始める*。]
[埋葬場所へと辿り着いた時は既に閑散としていただろうか。並ぶ土の盛り上がりの前に立ち、祈りを捧げる]
……鏡、見つけたわよ。
大きい鏡だけで、手鏡は見つからなかったけど。
[紡いだのはネリーに向けての言葉。先のラッセルの言葉を思い出し、報告するように語りかける。並ぶ埋められた遺体の前。少女の瞳は紅紫のままで、右目に夢幻の華は映し出されて居なかった]
[死体を運び踏みしだかれた華の葬列を逆に辿り、泉の畔の一角で血に濡れた窪みに屈み込む。引き裂いた獣の手がかりが無いかを薄曇とはいえ昼の光の中で探す。やがて用を終えて立ち上がり泉に目をやった]
どうせなら誰が殺ったかを映してくれりゃ良かったのよ。
[記憶と引き換えに余計なものを押し付けた終焉に文句を言って踵を返す。舌に血の味はまだ微かに残っていたが、それでも生きて足掻く為に食べることは何より*必要だった*]
[祈りが終わると再び城内へと戻る。戻ってまずすることは腹に物を入れることだった。今後に備えるためには食事は重要事項。簡単に料理を作り、綺麗に平らげる。流石に、肉料理を作ることは無かったが]
[食事を終えると片付け、一度部屋へと戻った。瞳を閉じ、念じる。滅紫へと変じ、夢幻の華を映し出す右目。そして、ケープに隠した物に手を伸ばし、その存在を*確かめた*]
バート……ああ。
[目の前の血まみれの男]
もう少し。
そう、明日までは。
[クインジーに問い掛ける様を]
[肉屋の店先にぶら下がった肉を見るような、物欲しげな]
[酷薄な視線で見遣る。]
/*
吊り襲撃被りそうな微妙な気がして考え中。
と言っていたら、御要望が来た。
しかし、吊りはその辺りだろうからな。
ベル投票キャロ襲撃かなー。
学生 ラッセルは、教師 イザベラ を投票先に選びました。
学生 ラッセルは、踊り子 キャロル を能力(襲う)の対象に選びました。
[額に手を当てつつ、立ち上がり窓辺に寄る。
密やかな葬列に加わる者らが在った。
尤もそれは、当初とは様相を変えていたが。
高きから、去り行く――
彼方へと向かう、
或いは城に戻る姿を眺める]
……花も抗うのだっけ。
[*小さく、呟きが落ちた*]
そう――
貴方の愉しみは奪いたくないから、止めておく。
ベルも、……そうだね。
[同意を見せる聲は静か]
花でも摘もうかな。
お尋ね者 クインジーが「時間を進める」を選択しました
[埋葬を終えて城内へと戻る頃には既に陽は傾いている。]
[ひんやりと冷たい城内の空気が、更に冷えたものに感じられる。]
さて。
どうしたものでしょうね。本当に。
私は誰を疑い誰を味方とすべきなのか。
[もっとも味方が居るかどうかは疑問だが、とこれは口に出さず]
[思案に耽りつつ、もはや定位置となった厨房へ]
忙しくしていれば気が紛れますからねえ……
いざとなれば武器もありますし。
[小さい呟きは、熾した天火の火の燃える音に紛れて消えた。]
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